説明

工具取付け装置におけるクリーニング方法及びその装置

【課題】特に二面拘束方法において,切削粉等のゴミを接触式のクリーニングブレード機構により確実に除去し、切削粉等の噛み込みによる加工トラブルを有効に防止する工具取付け装置におけるクリーニング方法及びその装置を提供する。
【解決手段】クリーニング装置は、着脱可能な円筒状のホルダー本体1と、このホルダー本体1と,クラッチ機構2,シャンク3とで構成され、ドローバー等の引き込みクランプ機構4を介して回転駆動可能な主軸5に着脱可能に連結れている。ホルダー本体1の主軸側端面側の複数箇所には、弾性部材6及びピン7を介して常時、主軸5の前端面5a側に附勢されたクリーニングブレード機構8が着脱可能に取り付けてある。クリーニングブレード機構8は、伸縮可能に支持されたブレードリング9と、このブレードリング9の主軸前端面5aに周方向に所定の間隔を隔て突出させた弾性材から成る複数枚のブレード10とで構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、工具取付け装置におけるクリーニング方法及びその装置に係わり、更に詳しくは主軸の前端面をホルダー本体に設けたクリーニングブレード機構によりクリーニングする工具取付け装置におけるクリーニング方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械の工具取付け装置においては、切削工具(ツール)を着脱可能に取付けるホルダー本体の取付け方法として、主軸のテーパ穴にホルダー本体のテーパ軸部を嵌合させて当接させる所謂、一面拘束方法が行われている。
【0003】
また近年では、重切削等に対応させるため切削工具側の剛性を高める手段として、主軸のテーパ穴にホルダー本体のテーパ軸部を嵌合させると共に、ホルダー本体の端面と主軸前端面とを当接させて拘束する所謂、二面拘束方法を取り入れられてきている。
【0004】
上記の主軸のテーパ穴にホルダー本体のテーパ軸部を嵌合させて当接させる一面拘束方法では、テーパ嵌合部分に切削粉等のゴミが付着すると、芯ブレ等の加工精度に影響を与えるため、工作機械メーカーでは、切削工具の脱着時に主軸内面より圧縮流体(液体または空気)を噴出させて切削粉等のゴミを吹き飛ばす等、種々の対策が施されている。
【0005】
一方、上記の二面拘束方法では、テーパ嵌合部分の洗浄に加えて、ホルダー本体の端面と主軸前端面との洗浄作業を行う必要があり、この洗浄装置として種々の発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
然しながら、主軸前端面側の切削粉等のゴミに対しては、液体や圧縮空気の吐出のみでは、加工中に付着する切削液等の影響でゴミや切粉を確実に除去することは難しく、切削粉等の噛み込みが起きて加工トラブルを起こしているのが現状であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明はかかる従来の問題点に着目し、特に二面拘束方法において、主軸前端面側に付着する切削粉等のゴミを接触式のクリーニングブレード機構により確実に除去し、切削粉等の噛み込みによる加工トラブルを有効に防止する工具取付け装置におけるクリーニング方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上記目的を達成するため、この発明の工具取付け装置における第1のクリーニング方法は、着脱可能なホルダー本体と、このホルダー本体をシャンク及び引き込みクランプ機構を介して回転駆動可能な主軸に着脱可能に連結し、前記主軸の回転駆動及びこれに追従するホルダー本体の回転差を利用して、主軸の前端面にクリーニングブレード機構のブレードを接触させながらクリーニングする工具取付け装置におけるクリーニング方法であって、前記主軸とウエイトを備えたホルダー本体とをクラッチ機構を介して連結した静止状態で、主軸側を急激に回転駆動させ、その際、主軸の回転から遅れて回転するホルダー本体の後端面に設けたクリーニングブレード機構のブレードにより、主軸の回転速度とホルダー本体の回転速度とが同期回転するまでの時間、前記ブレードが主軸の前端面に接触しながらクリーニングすることを要旨とするものである。
【0009】
ここで、前記主軸とホルダー本体とが同期して回転駆動している状態から主軸側の回転を急停止させ、クラッチ機構がホルダー本体の遠心力により連結状態が切れてホルダー本体が慣性力により回転している時に、前記ブレードが主軸の前端面に接触しながらクリーニングすることも可能である。
【0010】
また、この発明の他の工具取付け装置におけるクリーニング方法は、着脱可能なホルダー本体と、このホルダー本体をシャンク及び引き込みクランプ機構を介して回転駆動可能な主軸に着脱可能に連結し、前記主軸の回転駆動及びこれに追従するホルダー本体の回転を利用して、主軸の前端面にクリーニングブレード機構のブレードを接触させながらクリーニングする工具取付け装置におけるクリーニング方法であって、前記主軸の回転駆動によりウエイトを備えたクラッチ機構を介してホルダー本体を回転させ、クラッチ機構がホルダー本体の遠心力により連結状態が切れた時、前記主軸の回転駆動を急停止させ、その際、ホルダー本体が慣性力により回転している時間に、ホルダー本体の後端面に設けたクリーニングブレード機構のブレードが主軸の前端面に接触しながらその前端面をクリーニングすることを要旨とするものである。
【0011】
また、この発明の工具取付け装置におけるクリーニング装置は、着脱可能なホルダー本体と、このホルダー本体をクラッチ機構,シャンク及び引き込みクランプ機構を介して回転駆動可能な主軸に着脱可能に連結する工具取付け装置におけるクリーニング装置であって、前記ホルダー本体の主軸側端面に、弾性部材を介して常時、主軸の前端面側に附勢されたブレードを備えた着脱可能なクリーニングブレード機構を設けたことを要旨とするものである。
【0012】
ここで、前記クリーニングブレード機構は、弾性部材を介して伸縮可能に支持されたブレードリングと、このブレードリングの主軸前端面に周方向に所定の間隔を隔て突出した弾性材から成るブレードとで構成し、更に前記クリーニングブレード機構のブレードは、主軸の回転方向または非回転方向に対応したものを選択して使用するものである。
【0013】
このように構成することで、特に二面拘束方法において、主軸前端面側に付着する切削粉等のゴミを接触式のクリーニングブレード機構により確実に除去することが出来、切削粉等の噛み込みによる加工トラブルを有効に防止することが出来る。
【発明の効果】
【0014】
この発明は、上記のように構成したので、特に二面拘束方法において、主軸前端面側に付着する切削粉等のゴミを接触式のクリーニングブレード機構により確実に除去することが出来、切削粉等の噛み込みによる加工トラブルを有効に防止して生産性の向上を図ることが出来る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【0016】
図1〜図4は、この発明の第1のクリーニング方法を実施するためのクリーニング装置であって、図1はクリーニング装置の縦断正面図、図2はクリーニングブレード機構のブレードリングの正面図、図3は図1のA−A矢視平面図、図4は図1のB−B矢視底面図を示している。
【0017】
図1において、クリーニング装置は、着脱可能な円筒状のホルダー本体1と、このホルダー本体1と、クラッチ機構2,シャンク3とで構成され、ドローバー等の引き込みクランプ機構4を介して回転駆動可能な主軸5に着脱可能に連結れている。前記ホルダー本体1の主軸側端面側の複数箇所(この実施形態では120°間隔で3箇所に設けてあるが、数には限定されない)には、弾性部材6及びピン7を介して常時、主軸5の前端面5a側に附勢されたクリーニングブレード機構8が着脱可能に取り付けてある。
【0018】
前記クリーニングブレード機構8は、図2及び図3に示すように、ホルダー本体1の主軸側端面5a側に弾性部材6及びピン7を介して伸縮可能に支持されたブレードリング9と、このブレードリング9の主軸前端面5aに周方向に所定の間隔を隔て突出させたゴム,樹脂またはこれらの混合物から成るゴム状弾性材から成る複数枚のブレード10とで構成されている。
【0019】
前記複数枚のブレード10は、ブレードリング9の表面の周方向の3箇所(この実施形態では120°間隔で3か所に一体的に設けてあるが、数には限定されるものではない)にスパイラル状に突出させて一体的に形成してあり、このブレード10の旋回方向は、主軸5またはホルダー本体1の回転方向に対応できるように、時計方向または反時計方向に形成したものを準備しておくことが望ましい。また、ブレード10は、上記のように螺旋状に形成せず、ブレードリング9の中心から放射方向に所定の角度で配置して設けることも可能である。
【0020】
前記円筒状のホルダー本体1の先端側外周面には、所定重量のウエイト11がビスやネジ12等で取り付けられ、またホルダー本体1の内部には、筒状部材13が収容され、更に筒状部材13の内部には、複数の軸受け部材14a,14bを介して前記シャンク3が回転自在に収容されている。このシャンク3とホルダー本体1とは、クラッチ機構2を介して連結または分離されるように構成されており、この第1実施形態のクラッチ機構2は、シャンク3の外周面に形成された円弧状の凹部2aと、筒状部材13に形成した貫通穴13aと、この貫通穴13aに弾性部材13bを介して常時凹部2a側に附勢されたロック部材2bとで構成されている。
【0021】
また、ホルダー本体1の後端側外周面には、図示しない工具自動交換装置等によりクランプするためのV溝を備えたグリップ部14が形成され、このグリップ部14の内側に前記クリーニングブレード機構8の弾性部材6とピン7とが埋設されている。
【0022】
また、前記シャンク3の後端側は、主軸5のテーパ穴5bに嵌合するテーパ軸部3aが形成してあり、このテーパ軸部3aの端面には、図示しない工具自動交換装置により交換する際に位置決めを容易にするための一対の深さが異なる溝等で構成された位置決め手段15が形成してある。
【0023】
なお、このテーパ軸部3aには、従来と同様なドローバーやクランプシリンダー等で構成される引き込みクランプ機構を嵌合させて軸方向に引っ張ることで主軸5のテーパ穴5bに嵌合固定するものである。
【0024】
また、前記ホルダー本体1の前側端面には、クリーニングブレード機構8の交換時等に位置決めを容易にするための位置決めピン16と固定ボルト17とが設けてあり、ホルダー本体1を筒状部材13から取り外すことが出来ると共に、位置決めも出来るように構成してある。
【0025】
次に、上記のクリーニング装置によるクリーニング方法について説明する。
【0026】
この発明の第1実施形態におけるクリーニング方法は、先ず、図示しない工具自動交換装置により前記ホルダー本体1のV溝を備えたグリップ部14を使用して保持すると共に、このホルダー本体1のシャンク3のテーパ軸部3aを位置決めした状態で主軸5のテーパ穴5bに嵌合し、更にドローバーやクランプシリンダー等で構成される図示しない引き込みクランプ機構により軸方向に引っ張ることで主軸5のテーパ穴5bに嵌合固定する。
【0027】
この時、ホルダー本体1に設けたクリーニングブレード機構8のブレードリング9に設けたブレード10は、弾性部材6とピン7を介して常時主軸5の前端面5a側に附勢されて接触した状態にある。
【0028】
そしてこのような状態で、クラッチ機構2を介して連結したウエイト11を取付けたホルダー本体1と主軸5との静止状態から、主軸5側を一定方向(例えば、時計方向)に急激に回転駆動させると、主軸5の回転から所定時間慣性遅れでウエイト11を備えたホルダー本体1が回転する。この際、ホルダー本体1の後端面に設けたクリーニングブレード機構8のブレード10により、主軸5の回転速度とホルダー本体1の回転速度とが同期回転するまでの時間、前記主軸5の前端面5aに接触しながらクリーニングするものである。
【0029】
即ち、複数枚の螺旋状のブレード10が主軸5の前端面5aに接触して、前端面5aに付着しているゴミや切削油、切粉等を掻き取りながら回転し、掻き取られたゴミや切削油、切粉はブレード10の先端から外部に排出されることになる。
【0030】
なお、この実施形態の場合には、ホルダー本体1が主軸5の回転から所定時間慣性遅れで回転しながらブレード10により、主軸5の前端面5aをクリーニングするので、ブレード10の螺旋状の向きは、図2に示すように、主軸5の回転方向とは逆向きとなって切粉を外側に掻き出すことになる。
【0031】
なお、第1実施形態のクリーニング方法は、上記の実施形態に限定されず、前記主軸5とホルダー本体1とが同期して回転駆動している状態から主軸5側の回転をブレーキ装置32等により急停止させ、クラッチ機構2がホルダー本体1の遠心力により連結状態が切れてホルダー本体1が慣性力により回転している時に、前記ブレード10が主軸5の前端面5aに接触しながらクリーニングすることも可能である。
【0032】
次に、図5〜図8は、この発明の第2実施形態を示し、上記第1実施形態と同様な構成要素及び作用は、同一符号を付して説明は省略する。
【0033】
この第2実施形態は、第1実施形態のクラッチ機構2を第1実施形態の機構と若干構成を変えたもので、クリーニング装置によるクリーニング方法も第1実施形態とは若干異なるものである。
【0034】
即ち、この第2実施形態のクラッチ機構2は、図5及び図8に示すように、ホルダー本体1の先端側に形成された凹部1aとシャンク3の先端外周面との間に配置され、シャンク3の先端外周面には、軸方向に位相をずらせた円弧状の凹部2c,2dを形成すると共に、シャンク3の先端外周面には、ピン19に支持された二本の弾性部材19a,19bにより連結された二枚の半円弧状に形成されたバランスウエイトの機能を備えたフライホィール部材20a,20bが挟持するように取り付けられている。
【0035】
そして、このフライホィール部材20a,20bの一端側は、支点となるピン21a,21bにより旋回可能に支持され、またフライホィール部材20a,20bの他端側は、前記二本の弾性部材19a,19bの弾性力により常にシャンク3の先端外周面を挟持するように附勢されている。
【0036】
また、フライホィール部材20a,20bには、前記シャンク3の先端外周面に形成した円弧状の凹部2c,2dに嵌合するロック部材22a,22bを収容した穴23が形成され、ロックネジ23a等により常に凹部2c,2d側に附勢されている。 また、前記円筒状のホルダー本体1の先端側外周面には、所定重量のウエイト11aがビスやネジ12a等で取り付けられ、またホルダー本体1の先端には、前記クラッチ機構2を封入するキャップ部材24がネジ25等で取り付けられている。
【0037】
なお、その他の構成は上記第1実施形態と同様なので説明は省略する。
【0038】
この発明の第2実施形態におけるクリーニング方法は、先ず、図示しない工具自動交換装置により前記ホルダー本体1のV溝を備えたグリップ部14を使用して保持すると共に、このホルダー本体1のシャンク3のテーパ軸部3aを位置決めした状態で主軸5のテーパ穴5bに嵌合し、更にドローバーやクランプシリンダー等で構成される図示しない引き込みクランプ機構により軸方向に引っ張ることで主軸5のテーパ穴5bに嵌合固定する。
【0039】
この時、ホルダー本体1に設けたクリーニングブレード機構8のブレードリング9に設けたブレード10は、第1実施形態のブレード10の旋回方向が逆向き(図6において反時計方向)であり、弾性部材6とピン7を介して常時主軸5の前端面5a側に附勢されて接触した状態にある。
【0040】
また、シャンク3の先端外周面には、フライホィール部材20a,20bが二本の弾性部材19a,19bにより挟持された状態で円弧状の凹部2b,2cにはロック部材22a,22bが嵌合した状態になっている。
【0041】
そしてこのような状態で、クラッチ機構2を介して連結したウエイト11を取付けたホルダー本体1と主軸5との静止状態から、主軸5側を一定方向(例えば、時計方向)に回転駆動させると、主軸5、シャンク3及びクラッチ機構2を介して連結したウエイト11を取付けたホルダー本体1が同時に回転を開始し、ホルダー本体1が主軸5と同期回転を開始すると、バランスウエイトの機能を備えたフライホィール部材20a,20bの他端側が回転方向の慣性力によりピン21a,21bを支点として弾性部材19a,19bの弾性力により抗して放射方向に旋回し、フライホィール部材20a,20bの他端側に設けたロック部材22a,22bがシャンク3の先端外周面に形成した円弧状の凹部2c,2dから外れてクラッチ機構が切れた状態になる。
【0042】
しかし、ホルダー本体1は回転慣性力により回転した状態になっており、この時、主軸5の外周面に設けた公知のブレーキ装置32により主軸5にブレーキを掛けて停止させると、回転慣性力で回転しているホルダー本体1の後端面に設けたクリーニングブレード機構8のブレード10により、ホルダー本体1の回転が停止するまでの時間、前記主軸5の前端面5aに接触しながらクリーニングするものである。
【0043】
即ち、複数枚の螺旋状のブレード10が主軸5の前端面5aに接触して、前端面5aに付着しているゴミや切削油、切粉等を掻き取りながら回転し、掻き取られたゴミや切削油、切粉はブレード10の先端から外部に排出されることになる。
【0044】
そして、ホルダー本体1の回転速度が低下してフライホィール部材20a,20bが弾性部材19a,19bの弾性力によりシャンク3を挟持する方向に旋回し、更にロック部材22a,22bがシャンク3の先端外周面に形成した円弧状の凹部2c,2dに嵌合すると、ホルダー本体1の回転が停止してクリーニング作業が終了する。
【0045】
また図9及び図10は、この発明のクリーニング装置を、従来から使用されている機械的位置決め装置に実施したものであって、工具自動交換装置によりホルダー本体1を自動交換する場合の位置決め装置として、位置決めブロック26に位置決めピン27を挿入して、この位置決めピン27の先端に、スプリング28及びスライドブロック29を介して直交する向きに取り付けられた係合ピン30を設ける。
【0046】
係合ピン30の先端は、シャンク3の先端に形成された係合溝31に係合可能になっており、係合ピン30とシャンク3の先端に形成された係合溝31とが係合状態の時には、ホルダー本体1が位置決めされた状態にあることを示すものである。
【0047】
なお、クリーニングの作業時は、上記の位置決め状態が外れ、第1実施形態と同様の作用により複数枚の螺旋状のブレード10が主軸5の前端面5aに接触して、前端面5aに付着しているゴミや切削油、切粉等を掻き取りながら回転し、掻き取られたゴミや切削油、切粉はブレード10の先端から外部に排出されることになる。
【0048】
以上のように、特に二面拘束方法において、主軸5の前端面側に付着する切削粉等のゴミを接触式のクリーニングブレード機構により確実に除去することが出来、切削粉等の噛み込みによる加工トラブルを有効に防止して生産性の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の第1のクリーニング方法を実施するためのクリーニング装置の縦断正面図である。
【図2】クリーニングブレード機構のブレードリングの正面図である。
【図3】図1のA−A矢視平面図である。
【図4】図1のB−B矢視底面図である。
【図5】この発明の第2のクリーニング方法を実施するためのクリーニング装置の縦断正面図である。
【図6】図5のクリーニングブレード機構のブレードリングの正面図である。
【図7】図5のC−C矢視平面図である。
【図8】図5のD−D矢視底面図である。
【図9】この発明の第3のクリーニング方法を実施するためのクリーニング装置の縦断正面図である。
【図10】図9のE−E矢視底面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ホルダー本体 1a 凹部
2 クラッチ機構
2a 凹部 2b ロック部材
2c,2d 凹部
3 シャンク 4 引き込みクランプ機構
3a テーパ軸部 5 主軸
5a 前端面 5b テーパ穴
6 弾性部材 7 ピン 8 クリーニングブレード機構 9 ブレードリング
10 ブレード 11 ウエイト
12 ネジ 13 筒状部材
14 グリップ
14a,14b 軸受け部材 13a 貫通穴
13b 弾性部材 15 位置決め手段
16 位置決めピン 17 固定ボルト
19 ピン 19a,19b 弾性部材
20a,20b フライホィール部材
21a,21b ピン
22a,22b ロック部材 23 穴
23a 弾性部材 24 キャップ部材
25 ネジ 26 位置決めブロック
27 位置決めピン 28 スプリング
29 スライドブロック 30 係合ピン
31 係合溝 32 ブレーキ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能なホルダー本体と、このホルダー本体をシャンク及び引き込みクランプ機構を介して回転駆動可能な主軸に着脱可能に連結し、前記主軸の回転駆動及びこれに追従するホルダー本体の回転差を利用して、主軸の前端面にクリーニングブレード機構のブレードを接触させながらクリーニングする工具取付け装置におけるクリーニング方法であって、
前記主軸とウエイトを備えたホルダー本体とをクラッチ機構を介して連結した静止状態で、主軸側を急激に回転駆動させ、その際、主軸の回転から遅れて回転するホルダー本体の後端面に設けたクリーニングブレード機構のブレードにより、主軸の回転速度とホルダー本体の回転速度とが同期回転するまでの時間、前記ブレードが主軸の前端面に接触しながらクリーニングする工具取付け装置におけるクリーニング方法。
【請求項2】
前記主軸とホルダー本体とが同期して回転駆動している状態から主軸側の回転を急停止させ、クラッチ機構がホルダー本体の遠心力により連結状態が切れてホルダー本体が慣性力により回転している時に、前記ブレードが主軸の前端面に接触しながらクリーニングする請求項1に記載の工具取付け装置におけるクリーニング方法。
【請求項3】
着脱可能なホルダー本体と、このホルダー本体をシャンク及び引き込みクランプ機構を介して回転駆動可能な主軸に着脱可能に連結し、前記主軸の回転駆動及びこれに追従するホルダー本体の回転を利用して、主軸の前端面にクリーニングブレード機構のブレードを接触させながらクリーニングする工具取付け装置におけるクリーニング方法であって、
前記主軸の回転駆動によりウエイトを備えたクラッチ機構を介してホルダー本体を回転させ、クラッチ機構がホルダー本体の遠心力により連結状態が切れた時、前記主軸の回転駆動を急停止させ、その際、ホルダー本体が慣性力により回転している時間に、ホルダー本体の後端面に設けたクリーニングブレード機構のブレードが主軸の前端面に接触しながらその前端面をクリーニングする工具取付け装置におけるクリーニング方法。
【請求項4】
前記ブレードは、リング状のブレードリングの周方向に所定の間隔で複数箇所に配設した請求項1,2または3に記載の工具取付け装置におけるクリーニング方法。
【請求項5】
着脱可能なホルダー本体と、このホルダー本体をクラッチ機構,シャンク及び引き込みクランプ機構を介して回転駆動可能な主軸に着脱可能に連結する工具取付け装置におけるクリーニング装置であって、
前記ホルダー本体の主軸側端面に、弾性部材を介して常時、主軸の前端面側に附勢されたブレードを備えた着脱可能なクリーニングブレード機構を設けたことを特徴とする工具取付け装置におけるクリーニング装置。
【請求項6】
前記クリーニングブレード機構は、弾性部材を介して伸縮可能に支持されたブレードリングと、このブレードリングの主軸前端面に周方向に所定の間隔を隔て突出した弾性材から成るブレードとで構成した請求項5に記載の工具取付け装置におけるクリーニング装置。
【請求項7】
前記クリーニングブレード機構のブレードは、主軸の回転方向または非回転方向に対応したものを選択して使用する請求項5または6に記載の工具取付け装置におけるクリーニング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−187846(P2006−187846A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2686(P2005−2686)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000162180)共立精機株式会社 (8)
【Fターム(参考)】