説明

巻取装置

【課題】 巻き付けた対象物を抜き取るのに必要な作業を簡素化できる巻取装置を提供する。
【解決手段】 互いに長手方向が沿うようにして複数の長尺な巻取部1,…が配置され、複数の巻取部1,…の周りに長尺な対象物Xを巻き付け可能に構成されると共に、少なくとも一つの巻取部1が巻き付けられた対象物Xから離間するよう内方に変位することにより、巻取部1,…から対象物Xを抜き取り可能に構成される巻取装置であって、巻取部1,…に対象物を巻き付けるべく、前記少なくとも一つの巻取部1,…を支持して該巻取部1,…が内方に変位するのを規制する位置と、巻取部1,…から対象物Xを抜き取り可能とすべく、規制を解除して前記少なくとも一つの巻取部1,…が内方に変位可能となる位置とに変位可能な支持部4を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムやシートといった長尺な対象物を巻き取る巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図8に示すように、シャフト部材100の軸線周りに複数の巻取部101,…が並設されて、フィルムやシートといった長尺な対象物を複数の巻取部101の周りに巻き付ける巻取装置が知られている。そして、巻取装置は、シャフト部材100の先端部に設けられる雄ネジ部102に螺合可能な雌ネジ部103が設けられる取付軸104を備え、取付軸104は、外嵌された操作ハンドル105を介して周方向に回転されることでシャフト部材100に対して着脱可能に構成される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−313553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる巻取装置は、巻取部101に巻きつけた対象物を抜き取るのに、取付軸104をシャフト部材100の周方向に回転させて、シャフト部材100の雄ネジ部102と取付軸104の雌ネジ部103との螺合を解除させ、取付軸104をシャフト部材100から取り外し、巻取部101,…をシャフト部材100の軸線方向に移動させる必要がある。したがって、かかる巻取装置は、巻き付けた対象物を抜き取るのに、装置の一部位を分離し、再度対象物を巻き付けるのに、分離した部位を接合(復旧)させる必要があるため、巻き付けた対象物を抜き取るのに必要な作業が複雑であり、非常に時間がかかる。
【0004】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、巻き付けた対象物を抜き取るのに必要な作業を簡素化できる巻取装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる巻取装置は、互いに長手方向が沿うようにして複数の長尺な巻取部が配置され、複数の巻取部の周りに長尺な対象物を巻き付け可能に構成されると共に、少なくとも一つの巻取部が巻き付けられた対象物から離間するよう内方に変位することにより、巻取部から対象物を抜き取り可能に構成される巻取装置であって、巻取部に対象物を巻き付けるべく、前記少なくとも一つの巻取部を支持して該巻取部が内方に変位するのを規制する位置と、巻取部から対象物を抜き取り可能とすべく、規制を解除して前記少なくとも一つの巻取部が内方に変位可能となる位置とに変位可能な支持部を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、支持部が、巻取部を支持して巻取部が内方に変位するのを規制する位置と、規制を解除して巻取部が内方に変位可能となる位置とに変位可能である。それにより、少なくとも一つの巻取部が内方に変位するのを規制された複数の巻取部の周りに長尺な対象物を巻き付けた後、少なくとも一つの巻取部が規制を解除されて対象物から離間するよう内方に変位することにより、巻き付けられた対象物を巻取部から抜き取ることができる。したがって、複数の巻取部の周りに長尺な対象物を巻き付けて抜き取るのに、装置の一部位を分離させたり、分離した部位を接合させたりする必要がない。
【0007】
また、本発明にかかる巻取装置においては、軸線方向が巻取部の長手方向に沿うようにして軸線周りに巻取部が配置されるシャフト部材と、シャフト部材に挿入されて、シャフト部材の軸線方向に沿って変位可能な移動部とを備え、支持部は、移動部の外周部に設けられてもよい。かかる構成によれば、シャフト部材が、軸線方向が巻取部の長手方向に沿うようにして配置されると共に、軸線周りに巻取部が配置されるようにして設けられる。そして、支持部を外周部に備える移動部がシャフト部材に挿入されてシャフト部材の軸線方向に沿って変位することにより、支持部が巻取部を支持して内方に変位するのを規制する位置と、規制を解除して巻取部が内方に変位可能となる位置とに変位できる。
【0008】
また、本発明にかかる巻取装置においては、移動部は、支持部が巻取部が内方に変位するのを規制する位置において、巻取部を係止可能な規制部を外周部に備え、巻取部が移動部に対してシャフト部材の周方向に相対変位するのを規制可能な構成を採用してもよい。かかる構成によれば、巻取部が支持部によって内方に変位するのを規制される状態で、移動部の外周部に設けられる規制部が巻取部を係止するため、巻取部が移動部に対してシャフト部材の周方向に相対変位するのを規制できる。したがって、例えば、巻取部が対象物から周方向の力を受けても湾曲するのを防止できるため、安定した状態で対象物を巻き取ることができる。
【発明の効果】
【0009】
したがって、本発明によれば、巻き付けた対象物を抜き取るのに、装置の一部位を分離させたり、分離した部位を接合させたりする必要がないため、巻き付けた対象物を抜き取る作業を簡素化できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明にかかる巻取装置における一実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0011】
本実施形態にかかる巻取装置は、図1に示すように、互いに長手方向が沿うようにして複数の長尺な巻取部1,…(本実施形態において四つとする)が配置され、複数の巻取部1,…の周りに例えば帯状のフィルムといった長尺な対象物Xを筒状に巻き付け可能に構成されると共に、全ての巻取部1,…が巻き付けられた対象物Xから離間するよう幅方向(内方)に変位することにより、巻取部1,…から対象物Xを抜き取り可能に構成される。そして、巻取装置は、軸線方向が巻取部1の長手方向に沿うようにして軸線周りに巻取部が配置されるシャフト部材2と、シャフト部材2に挿入されて、シャフト部材2の軸線方向に沿って変位可能な移動部3とを備える。
【0012】
また、巻取装置は、巻取部1,…に対象物Xを巻き付けるのに、巻取部1,…を支持して巻取部1,…が幅方向に変位するのを規制する位置と、巻取部1,…から対象物Xを抜き取るのに、規制を解除して巻取部1,…が幅方向に変位可能となる位置とに変位可能な支持部4を備える。具体的には、支持部4は、移動部3の外周部に設けられる。さらに、巻取装置は、回転可能なシャフト部材2の周方向に沿って配置される基部5を備え、基部5は、シャフト部材2に固定されて一体回転可能に構成される。具体的には、巻取部1,…の長手方向(シャフト部材2の軸線方向)の一方側から対象物Xを抜き取るのに対し、巻取部1の長手方向(シャフト部材2の軸線方向)の他方側に基部が設けられる。
【0013】
巻取部1,…は、支持部4によって幅方向に変位するのを規制されるとき、即ち、対象物Xに巻き付けられるとき、互いの長手方向が略平行となるように配置され、さらに、長手方向がシャフト部材2の軸線方向と略平行となるように配置される。そして、巻取部1,…は、シャフト部材2の軸線周りに(周方向に沿って)離間して並設される。
【0014】
また、巻取部1は、図2に示すように、長手方向の他方側に設けられる支点部6を中心にして回動可能に構成される。具体的には、巻取部1は、長手方向の他方側が基部5に枢着され、枢着される部位を支点部6として回動可能に構成される。そして、巻取部1は、略平行に配置される長尺な一対の板部材7,7と、長手方向の一方側であって一対の板部材7,7間に配置される回転可能な回転部材(ローラ)8とを備えて構成される。
【0015】
また、巻取部1は、図3〜5に示すように、回転部材8の一部が一対の板部材7,7からシャフト部材2側に突出して配置され、回転部材8が支持部4と当接するように構成される。さらに、巻取部1は、長手方向の他方側の端部が基部5と当接することにより、シャフト部材2との距離において一方側(回転部材8側)が他方側(支点部6側)より大きくなるのを規制されるように構成される。即ち、巻取部1,…は、支持部4によって幅方向に変位するのを規制されるとき、互いの長手方向が略平行となるように構成される。
【0016】
移動部3は、略円筒状に形成されてシャフト部材2に挿入される移動部本体9を備え、移動部本体9は、シャフト部材2に沿って変位可能に構成される。具体的には、移動部本体9は、二点支持により安定して摺接可能にすると共に接触面積を小さくしてシャフト部材2との摩擦力を低減すべく、シャフト部材2に嵌合されて、且つ内周部がシャフト部材2の外周部と摺接される一対の環状の摺接部10を備える。
【0017】
また、移動部3は、軸線方向において一部が大径に形成される大径部11と、軸線方向に向けて大径部4から縮径するよう(テーパ状)に形成される縮径部12とを備える。そして、大径部11の外周部、即ち、支持部4は、巻取部1(回転部材8)をシャフト部材2側から支持(当接)して、巻取部1がシャフト部材2側(幅方向)に変位するのを規制可能に構成される。また、縮径部12は、支持部4による巻取部1の変位の規制を解除すべく、移動部3がシャフト部材2の軸線方向に沿って変位するのに伴って、巻取部1(回動部材8)を案内して変位可能に構成される。
【0018】
また、移動部3は、軸線方向の一方側の端部に、オペレーターが把持可能な球状の把持部13が設けられ、そして、オペレーターの手を保護すべく、固定手段(採番しない)を介して移動部本体9に固定される板状の安全鍔14が軸線方向と直交するようにして配設される。なお、安全鍔14は、移動部3がシャフト部材2の軸線方向に所定距離移動すると、巻取部1(板部材7)の端部に当接するように構成され、移動部3がシャフト部材2の軸線方向に所定距離以上移動するのを規制可能に構成される。
【0019】
そして、移動部3は、巻取部1に対象物Xを巻き付ける位置(以下、「巻き付け位置」ともいう)と、巻取部1から対象物Xを抜き取る位置(以下、「抜き取り位置」ともいう)とにおいて保持可能に構成される。即ち、支持部4は、巻取部1が幅方向(シャフト部材2側)に変位するのを規制可能な位置と、規制を解除して巻取部1が幅方向(シャフト部材2側)に変位可能な位置とにおいて保持可能に構成される。
【0020】
具体的には、移動部本体9には、軸線方向に沿った第1孔部15及び周方向に沿った第2孔部16が連通して設けられ、シャフト部材2には、両孔部15,16に挿通可能な突起部17が設けられ、そして、移動部3(移動部本体9)は、隣設される弾性体18から付勢されることにより、両孔部15,16の何れか一方の内縁が突起部17に係止(当接)されることで保持される。
【0021】
そして、移動部3は、巻き付け位置のときには、軸線方向に沿った第1孔部15が突起部17に係止(当接)されることにより、シャフト部材2と一体回転可能に構成される。さらに、移動部3は、抜き取り位置のときには、周方向に沿った第2孔部16に突起部17が案内されることにより、巻取部1に対してシャフト部材2の周方向に相対変位可能に構成される。具体的には、巻取部1(板部材7)の端部に安全鍔14が当接し、そして、摺接するように周方向に回転されると、周方向に沿った第2孔部16に突起部17が案内されるように構成される。
【0022】
さらに、移動部3は、支持部4が巻取部1が内方(幅方向)に変位するのを規制する位置において、巻取部1,…を係止可能な規制部19,…を外周部に備え、巻取部1,…が移動部3に対してシャフト部材2の周方向に相対変位するのを規制可能に構成される。具体的には、規制部19は、大径部11(移動部3)の外周部に、軸線方向に沿う溝状に形成され、巻取部1,…がシャフト部材2の周方向に相対変位するのを規制する。
【0023】
本実施形態にかかる巻取装置の構成に関する説明は、以上の通りであり、次に、本実施形態にかかる巻取装置の作用について説明する。
【0024】
まず、巻取装置は、支持部4が巻取部1,…を支持して幅方向に変位するのを規制する位置、即ち、巻き付け位置で保持された状態で、シャフト部材2が駆動して周方向に回転すると、シャフト部材2に固定される基部5を介して、基部5に枢着される巻取部1,…が一体回転する。そして、シャフト部材2の周方向に回転し、且つ幅方向に変位するのを規制された巻取部1,…の周りに長尺な対象物Xが軸線方向に往復移動しながら巻き付けられる。このとき、巻取部1が巻き付けられた対象物Xからシャフト部材2側に向けた力が作用するが、支持部4が巻取部1,…を支持して幅方向に変位するのを規制できる。
【0025】
また、移動部3(支持部4)も、移動部本体9に設けられる軸線方向に沿った第1孔部15がシャフト部材2の突起部17に係止(当接)されることにより、シャフト部材2、即ち、巻取部1,…と一体回転する。これにより、巻取部1が支持部4によって幅方向に変位するのを規制されるときに、移動部3(大径部11)の外周部に設けられる溝状の規制部19が巻取部1(回転部材8)を係止するため、巻取部1,…が移動部3(支持部4)に対してシャフト部材2の周方向に相対変位するのを規制する。したがって、対象物Xが巻き付けられるのに伴い、巻取部1に対してシャフト部材2の周方向の力が作用するが、巻取部1が移動部3(支持部4)に対してシャフト部材2の軸線方向に亘って周方向に相対変位するのを規制されるため、対象物Xを安定して巻取部1,…に巻き付けることができる。
【0026】
そして、巻き付けられた対象物Xを巻取部1,…から抜き取るのに、まず、シャフト部材2の回転を停止させ、巻取部1や移動部3(支持部4)等の回転を停止させる。そして、オペレーターに把持部13を把持されてシャフト部材2の軸線方向の他方側(基部5側)に向けて付勢されると、シャフト部材2に挿入される移動部3がシャフト部材2の軸線方向に沿って変位するのに伴い、移動部3の外周部に設けられる支持部4がシャフト部材2の軸線方向に向けて変位する。
【0027】
すると、対象物Xから受ける力や巻取部1の自重によって、巻取部1がシャフト部材2側(幅方向)の力を受けていると、巻取部1、即ち、長手方向の一方側に設けられる回動部材8が縮径部12に沿って案内される。したがって、巻取部1が長手方向の他方側に設けられる支点部6を中心に回動するため、巻取部1が規制を解除されて対象物Xから離間するようにシャフト部材2側(幅方向)に変位する。
【0028】
そして、安全鍔14が巻取部1,…に当接するまで、移動部3がシャフト部材2の軸線方向に移動すると、対象物Xを抜き取り可能な程度に、巻取部1が対象物Xから離間するように変位する。そこで、安全鍔14が巻取部1,…と摺接するように移動部3をシャフト部材2の周方向に回転されると、周方向に沿った第2孔部16にシャフト部材2の突起部17が案内される。このとき、移動部3がシャフト部材2の軸線方向に移動することにより、回転部材8が大径部11や縮径部12よりもシャフト部材2の軸線方向の一方側に位置しているため、即ち、支持部4が抜き取り位置に位置しているため、規制部19による係止も解除され、回転部材8が移動部3に対してシャフト部材2の周方向に相対変位可能となっている。
【0029】
そして、弾性体18が移動部3を付勢するため、移動部3の第2孔部16の内縁がシャフト部材2の突起部17に係止(当接)されて、移動部3(支持部4)が保持される。それにより、巻取部1,…から対象物Xを抜き取るのに、巻取部1,…が幅方向に変位可能な状態で維持できる。したがって、図6に示すように、変位するのを規制された複数の巻取部1,…の周りに長尺な対象物Xを巻き付けたあと、巻取部1,…が規制を解除されて対象物Xから離間するように幅方向に変位することにより、巻取部1,…から巻き付けられた対象物Xを抜き取ることができる。
【0030】
そして、再び対象物Xを巻取部1,…に巻き付けるのに、オペレーターによって、周方向に沿った第2孔部16にシャフト部材2の突起部17が案内されて、移動部3が周方向に回転される。すると、弾性体18が移動部3を付勢するため、軸線方向に沿った第1孔部15に突起部17が案内されて、移動部3がシャフト部材2の軸線方向に沿って変位する。したがって、支持部4が巻取部1,…を支持して幅方向に変位するのを規制する位置、即ち、巻き付け位置に変位する。
【0031】
そして、移動部3が弾性体18に付勢され続けるため、軸線方向に沿った第1孔部15の内縁が突起部17に係止(当接)されて、移動部3(支持部4)が保持される。したがって、支持部4が巻き付け位置で保持された状態で、再び、対象物Xを抜き取り可能なように複数の巻取部1,…の周りに巻き付けることができる。
【0032】
以上より、本実施形態にかかる巻取装置は、支持部4が、巻取部1,…を支持して巻取部1が幅方向に変位するのを規制可能な位置と、巻取部1,…が幅方向に変位可能な位置とに変位可能であるため、複数の巻取部1,…の周りに長尺な対象物Xを巻き付け、巻取部1,…から対象物Xを抜き取るのに、装置の一部位を分離させたり、分離した部位を接合させたりする必要がない。したがって、対象物Xを抜き取る作業を簡素化できるため、例えば、巻き付けた対象物Xを抜き取る作業に必要な時間を短縮することもできる。
【0033】
また、本実施形態にかかる巻取装置は、移動部3がシャフト部材2の軸線方向に沿って変位することにより、支持部4が巻取部1,…を支持して幅方向に変位するのを規制する位置と、規制を解除する位置とに変位できる。したがって、例えば、移動部3をシャフト部材2の軸線方向に付勢するだけで、支持部4が変位可能にできるため、対象物Xを抜き取る作業をさらに簡素化することができる。
【0034】
また、本実施形態にかかる巻取装置は、巻取部1が対象物Xを巻き付けるのに、規制部19が巻取部1,…を係止するため、巻取部1が移動部3に対してシャフト部材2の周方向に相対変位するのを規制される。したがって、例えば、巻取部1が対象物Xから周方向の力を受けても湾曲(変形)するのを防止できるため、巻取部1の周方向に対する設計強度を小さくすることができる。
【0035】
なお、本発明にかかる巻取装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0036】
例えば、上記実施形態にかかる巻取装置は、帯状のフィルムを巻き取る場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えばシートや紐といった長尺な対象物であればよい。
【0037】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、巻取部1,…がシャフト部材2の周方向に回転する場合を説明したが、かかる場合に限られず、巻取部1,…が回転することなく、対象物Xが巻取部1,…の周りに巻き付けられる場合でもよい。
【0038】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、シャフト部材2が周方向に駆動して回転することにより、巻取部1が周方向に回転し、さらに、移動部3(支持部4)も周方向に回転する場合を説明したが、かかる場合に限られず、シャフト部材2及び移動部3(支持部4)の少なくとも何れか一方が回転しない場合でもよい。
【0039】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、対象物Xを巻き付けるときは、巻取部1の長手方向がシャフト部材2の軸線方向と平行となるように巻取部1,…が配置される場合を説明したが、巻取部1の長手方向がシャフト部材2の軸線方向と傾斜するように巻取部1が配置される場合でもよい。
【0040】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、巻取部1,…が同構成である場合を説明したが、かかる場合に限られず、互いに異なる構成(形状)である場合でもよい。要するに、複数の巻取部は、互いに長手方向が沿うようにして配置され、複数の巻取部の周りに長尺な対象物を巻き付け可能に構成されていればよい。
【0041】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、巻取部1が基部5に枢着され、長手方向の一方側が幅方向に変位する場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、図7に示すように、巻取部20が長手方向に亘って幅方向に変位する場合でもよい。具体的には、巻取部20は、移動部21に設けられる第1支持部22に支持される第1回動部材23と、移動部21に設けられる第2支持部24に支持される第2回動部材25とを備え、内方(幅方向)に変位するのを規制可能に構成されると共に、基部26と係合する係合部27を備え、シャフト部材28の軸線方向に変位するのを規制可能に構成されてもよい。
【0042】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、複数の巻取部1,…が全て内方(幅方向)に変位可能な場合を説明したが、かかる場合に限られず、少なくとも一つの巻取部1が幅方向に変位可能な場合でもよい。要するに、巻取部1,…は、少なくとも一つが幅方向に移動して、巻き付けた対象物Xが抜き取り可能に対象物Xから離間すればよい。
【0043】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、巻取部1の回転部材8が移動部3における縮径部12に案内されて、巻取部1が規制を解除される場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、巻取部及び移動部(縮径部)が摺接する場合でもよく、また、支持部に設けられた回転部材が、巻取部の外縁や巻取部に設けられたカム(板カム、溝カム)に案内される場合でもよい。
【0044】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、巻取部1が四つ設けられる場合を説明したが、かかる場合に限られず、巻取部1が二つ以上設けられていればよい。
【0045】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、大径部11からシャフト部材2の軸線方向の一方側に向けて縮径する縮径部12を備え、移動部3がシャフト部材2の軸線方向の一方側に移動することにより、巻取部1が幅方向に変位するのを規制する位置に支持部4を変位させる場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、大径部11からシャフト部材2の軸線方向の他方側に向けて縮径する縮径部を備え、移動部がシャフト部材2の軸線方向の他方側に移動することにより、巻取部1が幅方向に変位するのを規制する位置に支持部4を変位させる場合でもよい。
【0046】
また、上記実施形態にかかる巻取装置は、規制部19がシャフト部材2の軸線方向に沿う溝状に構成される場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、規制部は、移動部の外周部に設けられた凸部であって、凸部は、巻取部1の一対の板部材7,7間に挿入可能に構成される場合でもよい。要するに、規制部は、巻取部1が移動部に対してシャフト部材2の周方向に相対変位するのを規制可能に構成されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態にかかる巻取装置の全体図であって、側面図を示す。
【図2】同実施形態にかかる巻取装置における巻取部の全体概略図であって、(a)は上面図、(b)は側面図を示す。
【図3】同実施形態にかかる巻取装置の全体図であって、(a)は図1のA−A線における断面図、(b)は(a)の領域Bにおける拡大図を示す。
【図4】同実施形態にかかる巻取装置の全体図であって、巻取部が変位するのを規制される状態における、図3のC−C線の断面図を示す。
【図5】同実施形態にかかる巻取装置の全体図であって、図4の領域Dにおける拡大図を示す。
【図6】同実施形態にかかる巻取装置の全体図であって、巻取部がかかる規制を解除された状態における、断面図を示す。
【図7】本発明にかかる他の実施形態にかかる巻取装置の部分概略図であって、(a)は巻取部が変位するのを規制される状態における側面図、(b)は巻取部がかかる規制を解除された状態における側面図を示す。
【図8】従来の巻取装置の全体概略図であって、一部縦断した側面図を示す。
【符号の説明】
【0048】
1…巻取部、2…シャフト部材、3…移動部、4…支持部、19規制部、X…対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに長手方向が沿うようにして複数の長尺な巻取部が配置され、複数の巻取部の周りに長尺な対象物を巻き付け可能に構成されると共に、少なくとも一つの巻取部が巻き付けられた対象物から離間するよう内方に変位することにより、巻取部から対象物を抜き取り可能に構成される巻取装置であって、巻取部に対象物を巻き付けるべく、前記少なくとも一つの巻取部を支持して該巻取部が内方に変位するのを規制する位置と、巻取部から対象物を抜き取り可能とすべく、規制を解除して前記少なくとも一つの巻取部が内方に変位可能となる位置とに変位可能な支持部を備えることを特徴とする巻取装置。
【請求項2】
軸線方向が巻取部の長手方向に沿うようにして軸線周りに巻取部が配置されるシャフト部材と、シャフト部材に挿入されて、シャフト部材の軸線方向に沿って変位可能な移動部とを備え、支持部は、移動部の外周部に設けられる請求項1に記載の巻取装置。
【請求項3】
移動部は、支持部が巻取部が内方に変位するのを規制する位置において、巻取部を係止可能な規制部を外周部に備え、巻取部が移動部に対してシャフト部材の周方向に相対変位するのを規制可能に構成される請求項2に記載の巻取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−40583(P2009−40583A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209621(P2007−209621)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000110125)トキワ工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】