説明

帯状体の巻取り方法及び装置

【課題】割溝によって第1巻芯部と第2巻芯部とに分割された巻芯を使用した帯状体の巻取り方法及び装置において、帯状体の巻取りが進行するに連れ、巻芯の幅方向中央部分が窪んだ鼓状に形成される。
【解決手段】割溝によって分割された巻芯8に帯状体3を巻き付けて帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り方法及び装置において、少なくとも一方の巻芯部に形成された溝に軸方向に挿入された断面非等径の針状体9と、針状体9の回転駆動装置10とを備え、帯状体3の巻取り中は針状体9を溝内で回転させてその大径部を割溝内に突出させて針状体9を実質的に太くして巻芯8が帯状体3からの締付け力により撓むのを防止し、巻回体4を巻芯8から抜くときには針状体9を元の位置にもどして実質的に細くして巻芯8の撓みを許容することにより軽い力で巻回体4を巻芯8から外すことができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサ等のコンデンサやその他の巻回型の小型電子部品並びに小型から大型のリチウムイオン電池等の二次電池に代表される巻回体を製造するための帯状体の巻取り方法及び装置に係り、特に割溝によって分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法及び装置において、少なくとも一方の巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、該針状体を回転させて溝に対して大径部を突出させることで実質的に針状体を太くし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を元の回転位置にもどすことにより実質的に針状体を細くして巻芯が撓むのを許容することによって、極めて簡単な機構でありながら、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯に抑えられて滑らず、巻取りの進行中は巻芯が鼓状に撓わまないようにし、しかも巻き上がった巻回体を巻芯から抜く際には、巻芯と巻回体との間に隙間ができて容易に抜くことができるようにした画期的な帯状体の巻取り方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電解コンデンサ等のコンデンサにおいては、リード端子付の正負の電極箔の間に剥離紙を介在させてこれらを帯状体として巻取り機の巻芯にかけて巻き取り、巻回体(通称「素子」と呼ばれる)を形成し、該巻回体に必要な電解液等を含浸させて後、これを組立機に送って組立てを行い、電子部品として製造しており、また小型から大型のリチウムイオン電池等の二次電池においても同様に、正負の電極箔の間に剥離紙を介在させて帯状体として、これを巻取り機の巻芯により巻き取り、後に電極を取り付けて二次電池の巻回体が形成されて、これら電子部品又は二次電池が製造されている。
【0003】
このような巻回体を製造するための帯状体の巻取り方法及び装置において、従来の巻取り機(図示せず)の巻芯1は、図40に示すように、割溝2によって第1巻芯部11と第2巻芯部12とに2分割されており、帯状体3の巻始め端部3aを割溝2に差し込んで第1の巻芯部11と第2の巻芯部12とにより挟んで巻取りを開始し、図示のように巻回体4が巻芯1の回りに形成されて行く。
【0004】
一方、巻芯1は超鋼製のものが一般に用いられるが、長さの割にその直径が小さいため、その曲げ強度はさほど大きくない。このため、帯状体3の巻取りが進行するに連れて巻芯1をその半径方向に締め付ける力が大きくなり、ついには図示のように帯状体3の幅方向の中央の部分が、割溝2が塞がる程度まで最も大きく撓み、帯状体3の巻始め端部3aを強く押し付けると共に、第1巻芯部11の外周面11aと第2巻芯部12の外周面12aと巻回体4の内周面4bとの間にも強い圧縮力が作用し、強力に締め付けられ、結果として巻取りが終了する頃の巻回体4は、その幅方向の中央が窪んだ鼓状に形成されることになる。
【0005】
従来は、この状態から巻回体4の一端部4aを押圧部材(図示せず)により図中左方向に押して巻回体4を巻芯1から抜き取るわけであるが、上記のような理由から巻回体4は特に鼓状に形成されているため、抜取りが非常に困難であり、大きな抵抗力に抗して抜き取らなければならない。
この際、巻回体4を構成する帯状体3は、巻回体4としての外側の部分の巻芯1による拘束がほとんどないため、押圧部材によりその側面を押されると、外側に近い帯状体3が先行して移動し、中側に進むに従って帯状体3の動きは遅れることになり、帯状体3の層間にはずれが生じる。また巻芯1に近い部分では帯状体3は強い力で巻芯1により拘束されているため、押圧部材により押されることにより皺が生じたりする。
この帯状体3の層間のずれや皺が原因となって、不良品となることも多く、また不良品とならないまでも帯状体3の層間のずれにより摩擦が生じ、この摩擦により電極箔(図示せず)の表面に施された化成被膜(図示せず)が損傷し、この結果として電気的特性の劣る製品となるおそれがあった。
【0006】
上記のことは、小型電解コンデンサのような非常に小さな電子部品やこれ以外のかなり大きな電子部品、更には小型から大型の二次電池のような製品においても巻回体の巻取り方法及び装置における共通の問題であり、従来の技術では、この問題は大きな製造状の欠点とされていながら、解決手段はなかった。
【先行技術文献】
【0007】
【特許文献】
【特許文献】本願発明者及び本願出願人は、本願発明に関する特許文献を知らないので、その記載を省略する。
【0008】
【非特許文献】
【非特許文献】本願発明者及び本願出願人は、本願発明に関する非特許文献を知らないので、その記載を省略する。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、帯状体の巻取り中は針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして巻芯の第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体を実質的に細くして巻芯が撓むのを許容することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、上記構成により巻芯の中で断面非等径の針状体を回転させることで、割溝に対する針状体の突出量を変化させるという点において、その太さを実質的に変化させることにより巻芯の撓みを許容し又は許容しない状態を選択できるようにして、巻芯への針状体の挿脱操作を不要とすることであり、またこれによって巻回体の製造効率の向上と装置の簡易化を達成し、巻回体の製造コストの低減を図ることである。
【0010】
また他の目的は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、帯状体の巻取り中は針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして巻芯の第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、かつ第1巻芯部も回転させてその断面の一端が第2巻芯部に接触するように突出させることで第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を逆回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体を実質的に細くし、かつ第1巻芯部も逆回転させて元の位置へもどして巻芯が撓むのを許容することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、上記構成により帯状体の巻取りの開始に当たって針状体の大径部と、第1巻芯部の断面の一端の双方で帯状体の巻始め端部を第2巻芯部との間で把持させることでより確実に巻始め端部を固定できるようにすることであり、またこれによって巻始めにおける帯状体の外れ等の事故を完全に防止できるようにし、巻回体の製造効率の一層の向上を図ることである。
【0011】
また割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部の双方の軸方向に夫々形成された溝に断面非等径の一対の針状体を夫々挿入し、帯状体の巻取り中は一対の針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして一対の針状体の大径部で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は一対の針状体を夫々逆回転させて大径部を元の位置へもどすことで一対の針状体を実質的に細くして巻芯が撓むのを許容することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、上記構成により第1巻芯部内の針状体の大径部に加えて第2巻芯部内の針状体もその大径部が割溝内に突出して帯状体の巻始め端部を把持することで、より確実に巻始め端部を固定できるようにすると共に、帯状体の巻取り中における締付け力に対抗する力をより強力にして針状体のねじりによる巻芯の撓みをより確実に防止することである。
【0012】
更に他の目的は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に回動自在に挿入された断面非等径の針状体と、該針状体を溝内で回転させる針状体の回転駆動装置とを備え、帯状体の巻取り中は針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで針状体を実質的に太くして巻芯の第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体を実質的に細くして巻芯が撓むのを許容するように構成することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、上記構成により巻芯の中で断面非等径の針状体を回転させることで、割溝に対する針状体の突出量を変化させるという点において、その太さを実質的に変化させることにより巻芯の撓みを許容し又は許容しない状態を選択できるようにして、巻芯への針状体の挿脱操作を不要とすることであり、またこれによって巻回体の製造効率の向上と装置の簡易化を達成し、巻回体の製造コストの低減を図ることである。
【0013】
また他の目的は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に挿入された断面非等径の針状体と、該針状体を溝内で回転させる針状体の回転駆動装置と、第1巻芯部のみを巻芯全体の巻取り用の回転とは別に回転させる第1巻芯部の回転駆動装置とを備え、帯状体の巻取り中は針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして巻芯の第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、かつ第1巻芯部も回転させてその断面の一端が第2巻芯部に接触するように突出させることで第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を逆回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体を実質的に細くし、かつ第1巻芯部も逆回転させて元の位置へもどして巻芯が撓むのを許容するように構成することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、上記構成により帯状体の巻取りの開始に当たって針状体の大径部と、第1巻芯部の断面の一端の双方で帯状体の巻始め端部を第2巻芯部との間で把持させることでより確実に巻始め端部を固定できるようにすることであり、またこれによって巻始めにおける帯状体の外れ等の事故を完全に防止できるようにし、巻回体の製造効率の一層の向上を図ることである。
【0014】
また他の目的は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部の双方の軸方向に夫々形成された溝に挿入された断面非等径の一対の針状体と、該一対の針状体を夫々回転させる回転駆動装置とを備え、帯状体の巻取り中は一対の針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして一対の針状体の大径部で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は一対の針状体を夫々逆回転させて大径部を元の位置へもどすことで一対の針状体を実質的に細くして巻芯が撓むのを許容するように構成することによって、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるようにすることであり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるようにすることであり、またこれによって巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないようにして、電極箔の化成被膜の損傷を防止し、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止することである。
また他の目的は、上記構成により第1巻芯部内の針状体の大径部に加えて第2巻芯部内の針状体もその大径部が割溝内に突出して帯状体の巻始め端部を把持することで、より確実に巻始め端部を固定できるようにすると共に、帯状体の巻取り中における締付け力に対抗する力をより強力にして針状体のねじりによる巻芯の撓みをより確実に防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
要するに本発明方法(請求項1)は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、前記帯状体の巻取り中は前記針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記巻芯の第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記針状体を実質的に細くして前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とするものである。
【0016】
また本発明方法(請求項2)は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、前記帯状体の巻取り中は前記針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記巻芯の第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、かつ前記第1巻芯部も回転させてその断面の一端が第2巻芯部に接触するように突出させることで前記第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を逆回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記針状体を実質的に細くし、かつ前記第1巻芯部も逆回転させて元の位置へもどして前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とするものである。
【0017】
また本発明方法(請求項3)は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部の双方の軸方向に夫々形成された溝に断面非等径の一対の針状体を夫々挿入し、前記帯状体の巻取り中は前記一対の針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記一対の針状体の大径部で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記一対の針状体を夫々逆回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記一対の針状体を実質的に細くして前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とするものである。
【0018】
また本発明装置(請求項11)は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に回動自在に挿入された断面非等径の針状体と、該針状体を前記溝内で回転させる針状体の回転駆動装置とを備え、前記帯状体の巻取り中は前記針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記巻芯の第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記針状体を実質的に細くして前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことを特徴とするものである。
【0019】
また本発明装置(請求項12)は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に挿入された断面非等径の針状体と、該針状体を前記溝内で回転させる針状体の回転駆動装置と、前記第1巻芯部のみを前記巻芯全体の巻取り用の回転とは別に回転させる第1巻芯部の回転駆動装置とを備え、前記帯状体の巻取り中は前記針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記巻芯の第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、かつ前記第1巻芯部も回転させてその断面の一端が第2巻芯部に接触するように突出させることで前記第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を逆回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記針状体を実質的に細くし、かつ前記第1巻芯部も逆回転させて元の位置へもどして前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことを特徴とするものである。
【0020】
また本発明装置(請求項13)は、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部の双方の軸方向に夫々形成された溝に挿入された断面非等径の一対の針状体と、該一対の針状体を夫々回転させる回転駆動装置とを備え、前記帯状体の巻取り中は前記一対の針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記一対の針状体の大径部で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記一対の針状体を夫々逆回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記一対の針状体を実質的に細くして前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記のように割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、帯状体の巻取り中は針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして巻芯の第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体を実質的に細くして巻芯が撓むのを許容するようにしたので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また上記のように構成したので、巻芯の中で断面非等径の針状体を回転させることで、割溝に対する針状体の突出量を変化させるという点において、その太さを実質的に変化させるようにしたので、巻芯の撓みを許容し又は許容しない状態を選択でき、巻芯への針状体の挿脱操作を不要とし得る効果があり、またこの結果巻回体の製造効率の向上と装置の簡易化を達成し、巻回体の製造コストの低減を図ることができる効果がある。
【0022】
また割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、帯状体の巻取り中は針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして巻芯の第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、かつ第1巻芯部も回転させてその断面の一端が第2巻芯部に接触するように突出させることで第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を逆回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体を実質的に細くし、かつ第1巻芯部も逆回転させて元の位置へもどして巻芯が撓むのを許容するようにしたので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また上記のように構成したので、帯状体の巻取りの開始に当たって針状体の大径部と、第1巻芯部の断面の一端の双方で帯状体の巻始め端部を第2巻芯部との間で把持させることでより確実に巻始め端部を固定できるという効果があり、またこの結果巻始めにおける帯状体の外れ等の事故を完全に防止でき、巻回体の製造効率の一層の向上を図ることができる効果がある。
【0023】
また割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部の双方の軸方向に夫々形成された溝に断面非等径の一対の針状体を夫々挿入し、帯状体の巻取り中は一対の針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして一対の針状体の大径部で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は一対の針状体を夫々逆回転させて大径部を元の位置へもどすことで一対の針状体を実質的に細くして巻芯が撓むのを許容するようにしたので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また上記のように構成したので、第1巻芯部内の針状体の大径部に加えて第2巻芯部内の針状体もその大径部が割溝内に突出して帯状体の巻始め端部を把持するため、より確実に巻始め端部を固定できる効果があり、帯状体の巻取り中における締付け力に対抗する力をより強力にして針状体のねじりによる巻芯の撓みをより確実に防止できる効果がある。
【0024】
また割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に回動自在に挿入された断面非等径の針状体と、該針状体を溝内で回転させる針状体の回転駆動装置とを備え、帯状体の巻取り中は針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで針状体を実質的に太くして巻芯の第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体を実質的に細くして巻芯が撓むのを許容するように構成したので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め忖けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防できる効果がある。
また上記構成により巻芯の中で断面非等径の針状体を回転させることで、割溝に対する針状体の突出量を変化させるという点において、その太さを実質的に変化させることにより巻芯の撓みを許容し又は許容しない状態を選択できるようにして、巻芯への針状体の挿脱操作を不要とし得る効果があり、またこの結果巻回体の製造効率の向上と装置の簡易化を達成し、巻回体の製造コストの低減を図ることができる効果がある。
【0025】
更には、割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に挿入された断面非等径の針状体と、該針状体を溝内で回転させる針状体の回転駆動装置と、第1巻芯部のみを巻芯全体の巻取り用の回転とは別に回転させる第1巻芯部の回転駆動装置とを備え、帯状体の巻取り中は針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして巻芯の第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、かつ第1巻芯部も回転させてその断面の一端が第2巻芯部に接触するように突出させることで第2巻芯部との間で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体を逆回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体を実質的に細くし、かつ第1巻芯部も逆回転させて元の位置へもどして巻芯が撓むのを許容するように構成したので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また上記のように構成したので、帯状体の巻取りの開始に当たって針状体の大径部と、第1巻芯部の断面の一端の双方で帯状体の巻始め端部を第2巻芯部との間で把持させることでより確実に巻始め端部を固定できるという効果があり、またこの結果巻始めにおける帯状体の外れ等の事故を完全に防止でき、巻回体の製造効率の一層の向上を図ることができる効果がある。
【0026】
また割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、帯状体の巻取り中に該帯状体から巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、割溝が塞がる程度までは撓まないように、巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部の双方の軸方向に夫々形成された溝に挿入された断面非等径の一対の針状体と、該一対の針状体を夫々回転させる回転駆動装置とを備え、帯状体の巻取り中は一対の針状体を回転させて該針状体の大径部を溝から突出させることで針状体を実質的に太くして一対の針状体の大径部で帯状体の巻始め端部を把持するようにし、帯状体の巻取りに伴う締付け力により巻芯が、割溝が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は一対の針状体を夫々逆回転させて大径部を元の位置へもどすことで一対の針状体を実質的に細くして巻芯が撓むのを許容するように構成したので、帯状体の巻始めにおいては、その巻始め端部がしっかりと巻芯と針状体との間に挟まれて抜け出すことがなく、帯状体が巻芯から外れることなく順調に巻取りが開始されるという効果があり、また帯状体の巻取り中においては、巻取りが進むに従って巻回体が強く巻芯を締め付けても巻芯が鼓状に撓まず、その結果巻回体は鼓状に形成されることがなく、等径なきれいな形に形成されるという効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに当たっては、針状体の抜取りにより巻芯が撓んで細くなり、軽く抜き取ることができるという画期的な効果が得られ、またこの結果巻回体の抜取りの際に帯状体の層間にずれが生じないため、電極箔の化成被膜の損傷を防止でき、電子部品としての電気的特性を低下させないようにすることができる効果があると共に、巻回体の巻芯からの抜取りに伴う不良品の発生を防止できるという効果がある。
また上記のように構成したので、第1巻芯部内の針状体の大径部に加えて第2巻芯部内の針状体もその大径部が割溝内に突出して帯状体の巻始め端部を把持するため、より確実に巻始め端部を固定できる効果があり、帯状体の巻取り中における締付け力に対抗する力をより強力にして針状体のねじりによる巻芯の撓みをより確実に防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1から図16は本発明の第1実施例に係り、図1は帯状体の巻取り装置の斜視図である。
【図2】スプライン軸及び中空軸を省略した帯状体の巻取り装置の斜視図である。
【図3】帯状体の巻取り装置の部分破断縦断面斜視図である。
【図4】巻回体の巻取り装置の部分破断縦断面図である。
【図5】帯状体の巻取り装置の部分拡大縦断面図である。
【図6】図5のVI−VI矢視拡大縦断面図である。
【図7】図5のVII−VII矢視拡大縦断面図である。
【図8】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻芯への差込み状態を示す斜視図である。
【図9】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻芯への差込み完了状態を示す斜視図である。
【図10】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻芯への差込み完了状態を示す部分縦断面図である。
【図11】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻取り開始状態を示す斜視図である。
【図12】帯状体の巻取り装置の、帯状体の巻取り進行状態を示す斜視図である。
【図13】帯状体の巻芯への差込み状態を示す巻芯及び針状体の縦断面図である。
【図14】第1巻芯部の溝内で針状体が回転し、その大径部で帯状体を把持した状態を示す縦断面図である。
【図15】帯状体の巻取りの進行状態において、針状体の存在により巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部が撓まない状態を示す帯状体、巻芯及び針状体の縦断面図である。
【図16】巻取りが完了した巻回体が巻芯にあり、針状体が逆回転して元に位置にもどされて巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部が撓むのを許容する状態を示す巻回体、巻芯及び針状体の縦断面図である。
【図17】図17及び図18は本発明の第4実施例に係り、図17は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図18】図18は針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図19】図19及び図20は木発明の第5実施例に係り、図19は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図20】針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図21】図21及び図22は本発明の第6実施例に係り、図21は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図22】針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図23】図23及び図24は本発明の第7実施例に係り、図23は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図24】針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図25】図25及び図26は本発明の第8実施例に係り、図25は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図26】針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図27】図27及び図28は本発明の第9実施例に係り、図27は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図28】針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図29】図29及び図30は本発明の第10実施例に係り、図29は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図30】針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図31】図31から図32及び図35から図39は本発明の第2実施例に係り、図31は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図32】針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図33】図33及び図34は本発明の第3実施例に係り、図33は帯状体の巻芯への差込み状態を示す縦断面図である。
【図34】針状体が回転してその大径部が帯状体を把持した帯状体の巻取り開始状態を示す縦断面図である。
【図35】帯状体の巻芯への差込み状態を示す拡大縦断面図である。
【図36】まず第1巻芯部のみが回転して帯状体を把持した状態を示す縦断面図である。
【図37】第1巻芯部に加えて針状体も回転して帯状体を把持した状態を示す縦断面図である。
【図38】巻取りが開始された状態を示す縦断面図である。
【図39】巻取り完了状態を示す縦断面図である。
【図40】従来例の帯状体の巻取り装置において、巻き取られた巻回体の締付け力により巻芯が鼓状に撓んだ状態を示す巻芯及び巻回体の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。なお、符号については、図40に示す従来例と同一の部品又は部分であって、変更の必要のないものについては、同一の符号を使用して説明する。
図1から図12において、本発明(第1実施例)に係る帯状体の巻取り装置巻5は、割溝6によって第1巻芯部21と第2巻芯部22に2分割された巻芯8に帯状体3(図8から図12)を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り装置において、帯状体3の巻取り中に該帯状体から巻芯8に作用する締付け力により該巻芯が、割溝6が塞がる程度までは撓まないように、第1巻芯部21の軸方向に形成された断面半円形の溝21bに挿入された断面非等径(回転中心から外周までの半径が角度位置により異なり、一定でない断面という意味、例えば略半円形の断面や円周の一部にカット面がある断面等)の針状体9と、該針状体9を溝21b内で回転させる針状体の回転駆動装置10とを備え、帯状体3の巻取り中は針状体の回転駆動装置10により針状体9を回転させて該針状体の大径部9eを溝6から突出させることで針状体9を実質的に太くして(針状体9の径は変わらないが、太い部分を割溝6内に突出させることで割溝6に対しては針状体9が太くなったと同じ状態であるという意味)巻芯8の第2巻芯部22との間で帯状体3の巻始め端部3aを把持するようにし、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体9を回転させて大径部を元の位置へもどすことで針状体9を実質的に細くして(針状体9の径は変わらないが、太い部分を割溝6から引きもどし、細い部分を割溝6内に突出させることで割溝6に対しては針状体9が細くなったと同じ状態であるという意味)巻芯8が撓むのを許容するように構成したものである。
【0029】
巻芯8は、基本的には従来例と同様であり、超硬等の極めて硬度の高い金属で製作されており、直径の割に長さが長く形成され、割溝6により縦方向に2分割されている。巻芯8は断面円形ではなく、針状体9の外周部9dを上に水平に配置した場合において、巻芯8の両側に平行なカット面の側面8i,8jが形成され、いわゆる二面幅の巻芯8となっており、特に小型の電解コンデンサ等において、リード端子付帯状体3を巻く際に、リード端子(図示せず)の厚さの分だけ巻芯8が細く形成されることで、巻回体4となった場合に真円に近い断面形状が得られるようにしたものである。
【0030】
そして図中左側の先端部には、巻芯8の外径と同心の丸穴8aが図5における長さAの範囲において、図5及び図6に示すように形成され、該長さAの範囲から図中右側にかけては、次第に第1巻芯部21に向かって掘り下げるように傾斜して、丸穴8aが溝21bにつながり、それから右側の範囲には、長く同一深さの断面半円形の溝21bが、図5に示すように巻芯8の端部8cまで貫通して軸方向に形成されている。なお、図示の実施例では第2巻芯部22には溝は全く形成されていない。
そして図7に示すように、この溝21bは、針状体9の略半円形部分のほとんどが埋まる深さに設定されており、針状体9が溝21bに置かれた場合、針状体9の外周部9dは第1巻芯部21の割溝面21cから少し上まで突出し、針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間には、帯状体3の巻始め端部3aの厚みが入るだけの隙間Sが形成されるようになっている。
【0031】
図5において、巻芯8の図中左側の端部8dから長さAの範囲には、該巻芯の回転を自在に支持するための回転支持体13が嵌合するようになっており、回転支持体13の中心に同心で形成された固定軸13aが巻芯8の丸穴8aに回動自在に挿通され、該固定軸13aの周囲に形成された円環状の穴13bには、巻芯8の外径部8eが回動自在に挿通されるようになっている。そして固定軸13aの丸穴8aへの挿入を容易にするため、固定軸13aの先端には面取り13fが、巻芯8の丸穴8aには面取り8fが夫々施されている。
【0032】
図1及び図2において、巻芯8の端部8aはコレットチャック14により挿脱自在に把持されており、該コレットチャックには中空のスプライン軸15が固着されており、該スプライン軸には摩擦車16Aが回転方向には拘束されて摺動自在に嵌合し、摩擦車16Aは静止したまま、スプライン軸15が、完成した巻回体4を巻芯8から外すために巻芯8と共に矢印B方向に摺動し、また巻取り位置にもどるときには矢印C方向に摺動し得るようになっている。
【0033】
摩擦車16Aには、巻芯8を回転駆動するためのサーボモータ17Aの回転軸17aに固着された摩擦車20Aが適宜な圧力をかけた状態で接触しており、所定の減速比で摩擦車16Aを回転駆動するように構成されている。
【0034】
図1及び図2において、スプライン軸15には、中空軸23が固定されており、該中空軸には針状体9が回動自在に挿通され、該針状体の他の一端9cが摩擦車16Bの回転軸16aに固定されており、サーボモータ17Bはわずかな量だけ針状体9を正逆回転させると共に、帯状体3の巻取り中は該帯状体からの巻芯8及び針状体9に対する締付け力に対抗するために必要なトルク(図2、図7及び図14において反時計方向のトルク)を与え続けるように構成されている。
【0035】
図3から図7において、針状体9は、超硬等の硬度の極めて高い材料で製作されており、断面非等径に、更に詳しくは、平面の外周部9dを有する略半円形に形成され、細く長いものであり、外周部9dを割溝6に少し突出させた状態で設置されるが、この場合第1巻芯部21の溝21bにその大部分が埋まる程度に差し込まれ、溝21bに対して回動自在かつ挿脱自在に構成されている。
なお、針状体9の回転中心Oは、溝21bの円弧の中心と一致させてあり、この回転中心Oは、摩擦車16Bの回転軸16aの回転中心に一致していて、摩擦車16Bと共に回動自在に構成されている。
従って、図7に示す状態では、外周部9dが平行に割溝6に突出しているため、回転中心Oから外周部9dまでの半径は小さいから、割溝6に関しては、針状体9は実質的に細くなり、隙間Sは大きく保たれて巻芯8の撓みが許容され、もし針状体9が矢印D方向に回転して大径部9eが割溝6内に突出すると、図14に示すように、回転中心Oから大径部9eまでの半径は大きいから、割溝6に関しては、針状体9は実質的に太くなり、隙間Sは非常に小さく又は0になって巻芯8の撓みが許容されないように構成されている。
【0036】
また針状体9の一端9aには、傾斜面9bが形成されており、図10に示すように、該傾斜面によって帯状体3の巻始めにおいてその巻始め端部3aを幅方向に円滑に差し込むことができるようになっている。
【0037】
図1において、サーボモータ17Aと摩擦車16Aは、帯状体の巻取り装置5の基台(図示せず)に定置されていて、軸方向には移動しない構成であり、サーボモータ17Bと摩擦車16Bが中空軸23、スプライン軸15、コレットチャック14、巻芯8及び針状体9を伴って一体的に軸方向に矢印B,Cの如く摺動する構成となっており、製品としての巻回体4を、巻芯8に回動自在に嵌合し軸方向に動かない押圧部材18により押し出す際に巻芯8を矢印Bの如く摺動させるように構成されている。
【0038】
次に、本発明の第2実施例について説明する。図31から図32及び図35から図39において、第1実施例の構成に加えて、巻芯8のうち少なくとも第1巻芯部21の軸方向に形成された溝21bに挿入された断面非等径の針状体9と、該針状体を溝21b内で回転させる針状体の回転駆動装置10と、第1巻芯部21のみを巻芯8全体の巻取り用の回転とは別に回転させる第1巻芯部の回転駆動装置(図示せず)とを備え、帯状体3の巻取り中は針状体9を回転させて該針状体の大径部9eを溝21bから突出させることで針状体9を実質的に太くして巻芯8の第2巻芯部22との間で帯状体3の巻始め端部3aを把持するようにし、かつ第1巻芯部21も回転させてその断面の一端21dが第2巻芯部22に接触するように突出させることで第2巻芯部22との間で帯状体3の巻始め端部3aを把持するようにし、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体9を逆回転させて大径部9eを元の位置にもどすことで針状体9を実質的に細くし、かつ第1巻芯部21も逆回転させて元の位置へもどして巻芯が撓むのを許容するように構成したものである。
【0039】
上記構成において、第1巻芯部21の回転中心と、針状体9の回転中心Oとは同一に設定されているため、第1巻芯部21は、針状体9の周囲を単に回る状態となるので、回転中心Oが動くことはなく、回転する第1巻芯部21の中で更に針状体9が回転することが可能であり、機構的に無理は生じないように構成されている。
【0040】
図32に示す状態では、第1巻芯部21が矢印Eの方向に回転し、針状体9は第1巻芯部21の中で矢印Fの方向に回転し、第1巻芯部21の図中右側の割溝面21cは下降して開くのに対して、断面の一端21dが第2巻芯部22の割溝面22cに対して帯状体3の巻始め端部3aを押圧し、針状体9の大径部9eも割溝面22cに対して帯状体3の巻始め端部3aを押圧して2箇所で把持するように構成されている。なお、巻芯8の断面は円形に形成されている。
その他の構成は第1実施例と同一であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0041】
次に、本発明の第3実施例について説明する。図33及び図34において、第1実施例の構成に加えて、巻芯8の第1巻芯部21及び第2巻芯部22の双方の軸方向に夫々形成された半円形の溝21b,22bに挿入された断面非等径の一対の針状体9A,9Bと、該一対の針状体を夫々回転させる回転駆動装置(図示せず)とを備え、帯状体3の巻取り中は一対の針状体9A,9Bを矢印G,Hの如く回転させて該針状体の大径部9eを溝21b,22bから突出させることで針状体9A,9Bを実質的にに太くして一対の針状体9A,9Bの大径部9eで帯状体3の巻始め端部3aを把持するようにし、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は一対の針状体9を夫々矢印I,Jの如く逆回転させて大径部9eを元の位置へもどすことで一対の針状体9A,9Bを実質的に細くして巻芯8が撓むのを許容するように構成したものである。
【0042】
上記構成において、針状体9Aの回転中心O1は第1巻芯部21の割溝面21cの線と、巻芯8の平行な側面8i,8jの中央線の交点にあり、針状体9Bの回転中心O2は第2巻芯部22の割溝面22cの線と、側面8i,8jの中央線との交点にあり、これら一対の回転中心O1,O2を夫々中心として針状体9A,9Bは回転するように構成されている。
その他の構成は、第1実施例と同一であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0043】
次に、本発明の第4実施例について説明する。図17及び図18において、この実施例は、第1実施例の巻芯8の平行な側面8i,8jを90度ずらして、針状体9の水平な外周部9dと平行にして、上下方向に形成したものである。
その他の構成は、第1実施例と同一であるので、第1実施例と同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0044】
次に、本発明の第5実施例について説明する。図19及び図20において、この実施例は、第1実施例の断面非円形の巻芯8を断面円形に変更しただけのものである。
その他の構成は、第1実施例と同一であるので、第1実施例と同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
次に、本発明の第6実施例について説明する。図21及び図22において、この実施例は、第1実施例の巻芯8を、第1巻芯部21、第2巻芯部22とも断面三角形に変更しただけのものである。
その他の構成は、第1実施例と同一であるので、第1実施例と同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0046】
次に、本発明の第7実施例について説明する。図23及び図24において、この実施例は、第1実施例及び第5実施例の針状体9の断面形状を、略半円形からわずかなカット面9fがある基本的に断面円形の針状体9に変更したものであるが、針状体9の回転の仕方が異なり、針状体9は第1実施例のように単に傾斜させるのではなく、ほぼ180度矢印Kの如く回転させて大径部9eが割溝6内に突出させて針状体9を実質的に太くし、このとき針状体9はその全体が均等に溝21bの中に入っているため、巻芯8から大きな締付け力が針状体9に作用しても、該針状体にねじり力が作用することが全くなく、締付け力に対抗する力が第1実施例に比べてはるかに強い構成となっており、このため帯状体3の巻取り中において針状体の回転駆動装置10により継続的なトルクを針状体9に与え続ける必要はないように構成されている。そして巻取りが終了したら、針状体9を矢印Lの如く180度逆回転させて図23の状態にもどして針状体9を実質的に細くし、巻芯8の撓みを許容するように構成されている。
その他の構成は、第1実施例及び第5実施例と同一であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
次に、本発明の第8実施例について説明する。図25及び図26において、この実施例は、第7実施例の巻芯8の形状を、第1実施例のものと同一に変更しただけのものである。
その他の構成は、第7実施例と同一であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
次に、本発明の第9実施例について説明する。図27及び図28において、この実施例は、第8実施例の針状体9の帯状体3の巻取り前と巻取り中の回転量を90度に半減させただけのものであり、図27に示すように、巻取り前においては針状体9の外周部9dは上を向いて水平状態にあり、これを巻取り中には図28に示すように、矢印Mの如く90度回転させて外周部9dを直立させて針状体9を実質的に太くし、これによって巻芯8からの締付け力が大径部9eに作用しても針状体9にはねじり力が作用せず、第7実施例及び第8実施例と同様に非常に強力な力で対抗することができ、針状体の回転駆動装置10からの継続的なトルクをかけ続ける必要はないように構成されている。
【0049】
巻取りが終了した際には、針状体9は矢印Nの如く90度逆回転させて元の位置にもどして針状体9を実質的にに細くし、巻芯8の撓みを許容するように構成されている。
その他の構成は、第8実施例と同一であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0050】
最後に、本発明の第10実施例について説明する。図29及び図30において、この実施例は第8実施例の巻芯8の垂直方向に平行な側面8i,8jを90度ずらして水平方向に平行な側面8i,8jに変更しただけのものである。そして巻取り中は針状体9を矢印Pの如く180度回転させて大径部9eを割溝6において真上に位置させ、巻取り終了後は矢印Qの如く180度逆回転させて大径部9eを元の位置にもどし、巻芯8の撓みを許容するように構成されている。
その他の構成は、第8実施例と同一であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0051】
次に、本発明に係る帯状体の巻取り方法について説明する。本発明に係る帯状体の巻取り方法(請求項1)は、割溝6によって複数に分割された巻芯8に帯状体3を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り方法において、帯状体3の巻取り中に該帯状体から巻芯8に作用する締付け力により該巻芯が、割溝6が塞がる程度までは撓まないように、巻芯8のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝21bに断面非等径の針状体9を挿入し、帯状体3の巻取り中は針状体9を回転させて針状体9の大径部9eを溝21bから突出させることで針状体9を実質的に太くして巻芯8の第2巻芯部22との間で帯状体3の巻始め端部3aを把持するようにし、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体9を回転させて大径部9eを元の位置にもどすことで針状体9を実質的に細くして巻芯8が撓むのを許容する方法である。
【0052】
また本発明に係る帯状体の巻取り方法(請求項2)は、割溝6によって複数に分割された巻芯8に帯状体3を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り方法において、帯状体3の巻取り中に該帯状体から巻芯8に作用する締付け力により該巻芯が、割溝6が塞がる程度までは撓まないように、巻芯8のうちの少なくとも第1巻芯部21の軸方向に形成された溝21bに断面非等径の針状体9を挿入し、帯状体3の巻取り中は針状体9を回転させて針状体9の大径部9eを溝21bから突出させることで針状体9を実質的に太くして巻芯8の第2巻芯部22との間で帯状体3の巻始め端部3aを把持するようにし、かつ第1巻芯部21も回転させてその断面の一端21dが第2巻芯部22に接触するように突出させることで第2巻芯部22との間で帯状体3の巻始め端部3aを把持するようにし、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は針状体9を逆回転させて大径部9eを元の位置へもどすことで針状体9を実質的に細くし、かつ第1巻芯部21も逆回転させて元の位置へもどして巻芯8が撓むのを許容する方法である。
【0053】
また本発明に係る帯状体の巻取り方法(請求項3)は、割溝6によって複数に分割された巻芯8に帯状体3を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体4となす帯状体の巻取り方法において、帯状体3の巻取り中に該帯状体から巻芯8に作用する締付け力により該巻芯が、割溝6が塞がる程度までは撓まないように、巻芯8の第1巻芯部21及び第2巻芯部22の双方の軸方向に形成された溝21b,22bに断面非等径の一対の針状体9A,9Bを夫々挿入し、帯状体3の巻取り中は一対の針状体9A,9Bを回転させて針状体9A,9Bの大径部9eを溝21b,22bから突出させることで針状体9A,9Bを実質的に太くして一対の針状体9A,9Bの大径部9eで帯状体3の巻始め端部3aを把持するようにし、帯状体3の巻取りに伴う締付け力により巻芯8が、割溝6が塞がる程度までは細くならないようにして帯状体3を巻き取り、巻取りが終了した後は一対の針状体9A,9Bを夫々逆回転させて大径部9eを元の位置にもどすことで一対の針状体9A,9Bを実質的にに細くして巻芯8が撓むのを許容する方法である。
【0054】
本発明は、上記のように構成されており、以下その作用(第1実施例)について説明する。図8において、帯状体3の巻取りに当たっては、すでに針状体9は巻芯8の溝21bに挿通されており、その一端9aには傾斜面9bが形成されて帯状体3が差し込み易い状態となっていて、針状体9はその平坦な外周部9dが水平に割溝6内に少し突出した状態となっており、割溝6に関しては針状体9は実質的に細くなっている。
【0055】
このとき、回転支持体13は巻芯8から外されており、帯状体3が張力をある程度かけられた状態で巻芯8の端部8dから割溝6に沿って差し込むことができる状態になっていて、帯状体3を差し込むための十分な隙間Sが形成されている。
【0056】
そこで、図8において、帯状体3を矢印Rの如く水平方向に巻芯8の割溝6に差し込む。図9及び図10に示すように、帯状体3がある程度差し込まれると、やがてその側面3bが針状体9に接触する位置に達するが、針状体9の一端9aには傾斜面9bが形成されているため、図10及び図13にその断面を示すように、この傾斜面9bに沿って帯状体3は滑らかに押し上げられて針状体9の外周部9dと第2巻芯部22の割溝面22cとの間の隙間Sの中に入り込む。この際、隙間Sは帯状体3の厚みよりかなり広いため、第2巻芯部22の割溝面22cと帯状体3と針状体9の外周部9dとの間には未だ十分な隙間があり、このままでは巻始め端部3aは保持されていない。
【0057】
そこで図1及び図2に示すように、針状体の回転駆動装置10のサーボモータ17Bが回転し、摩擦車20Bが矢印T方向に回転して摩擦トルクにより摩擦車16Bが矢印D方向にわずかに(20度位)回転し、これによって、図14に示すように、針状体9も回転中心O回りに矢印D方向にわずかに(20度位)回転して、針状体9の大径部9eが割溝6内に大きく突出し、針状体9は実質的に太くなり、大径部9eと第2巻芯部22の割溝面22cとで帯状体3がしっかりと把持され、巻取りによる張力によっても外れない態勢となる。
【0058】
そこで、図9に示すように、回転支持体13が巻芯8に装着され、図14に示すように、帯状体3は巻芯8の側面8iのところでカットされるが、この際上記のように帯状体3の巻始め端部3aは針状体9の大径部9eと第2巻芯部22の割溝面22cとによりしっかりと把持されているため、外れることはなく、これによって巻取りの準備が完了する。
なお、この際針状体9には、サーボモータ17Bにより矢印D方向のトルクが巻取り完了まで継続してかけられているため、巻取りに伴う帯状体3からの締付け力によっても針状体9が逆方向に回転して巻芯8が実質的に細くなるおそれはない。
【0059】
このようにして巻取りの準備が完了すると、図1において、サーボモータ17Aが矢印Uの方向に回転を開始し、摩擦車20Aを介して摩擦車16Aが矢印Vの方向に回転し、スプライン軸15が同方向に回転し、コレットチャック14を介して巻芯8が、図11に示すように、同じくV方向に回転して帯状体3が巻き取られ、図12に示すように、巻回体4が形成されて行く。この帯状体3の巻取り中には、図15及び図16に示すように、巻芯8には帯状体3の抵抗張力によって矢印W,Xの如き締付け力が生じ、第2巻芯部22の割溝面22cと針状体9の外周部9dとにより帯状体3の巻始め端部3aはより強い力で押圧されてしっかりと保持されて滑ることがなく、巻取りが進行して完了し、巻回体4が形成される。なお、帯状体3にリード端子24があり、その厚さがかなりの大きさであっても、その分だけ巻芯8の両側面8i,8jがカット面となって、巻芯8の太さを減じているため、完成した巻回体4は真円に近い状態に巻き上げられる。
【0060】
この帯状体3の巻取りに際して、本発明の最大の特徴である針状体9、特に割溝6内に突出した大径部9eの存在により、巻芯8の第1巻芯部21及び第2巻芯部22は、その割溝6が塞がる程度まで撓むことはできないため、帯状体3からの矢印X,Wの如き締付け力がいくら強くても、また巻芯8がいくら長くても巻芯8が鼓状に撓むことはなく、その結果巻回体4の幅方向の中央部が細くなって鼓状に変形すること(図40の従来例参照)はなく、平行な状態で巻取りが完了することになる。
更に本発明では、針状体9の回転駆動装置10にサーボモータ17Bを用い、巻取り中は常時、必要な矢印D方向のトルクを針状体9にかけているため、針状体9が締付け力に負けて逆方向に不本意に回転して逃げることがなく、強力に巻芯8の締付け力に対抗することができ、針状体9を実質的に太くした状態を維持したまま巻取りが完了する。
【0061】
巻取りが完了すると、帯状体3はカットされ、巻回体4には、図1から図2及び図16に示すように、帯状体3の巻終り端部3cにテープ19が貼られ、巻回体4が完成し、巻回体4の巻芯8からの取り外し工程に入る。
【0062】
図1から図2及び図16において、針状体の回転駆動装置10が作動して、サーボモータ17Bが矢印Y方向に回転し、これによって摩擦車16Bが矢印Z方向に回転し、針状体9が同じく矢印Z方向に回転し、図16に示すように、溝21b内に引きもどされ、大径部9eは割溝6内に少し突出した元の位置にもどる。これによって針状体9は実質的に細くなり、巻芯8を内側から外側に向けて押し広げる力がなくなる。
これによって巻芯8はその内部からの抵抗力がなくなるので、図16に示すように、矢印W,Xの如き締付け力により第1巻芯部21及び第2巻芯部22の撓みが許容される結果、割溝6が塞がる程度まで撓むことが可能となり、その結果巻回体4の内周面4bと巻芯8の外径部8eとの間には隙間S2が生じ、巻回体4は巻芯8から容易に抜け易い状態となる。
【0063】
そこで、図1において、回転支持体13が巻芯8から外され、押圧部材18が帯状体の巻取り装置5の基台に固定されているので、サーボモータ17B、摩擦車20B、摩擦車16B、中空軸23、スプライン軸15及びコレットチャック14を介して巻芯8が矢印Bの方向に摺動し、引き抜かれるため、製品としての巻回体4は押圧部材18により押し出されて巻芯8から取り外される。
【0064】
この際、上記のように針状体9はその大径部9eが溝21b内に近い位置に引きもどされており、実質的に細くなっていて、巻芯8と巻回体4との間には隙間S2が生じているため、軽く無理なく押圧部材18により押し出され、巻回体4の帯状体3の層間においてずれが生じることがなく、帯状体3はその電極箔等に損傷が生ずることなく、巻芯8から取り外されることになる。そして1個の巻回体4の巻取りが完了する。
【0065】
これによって、完成した巻回体4を構成する帯状体3の電極箔の化成被膜等に電気的特性を悪化させるような損傷が生ずることがなく、極めて電気的特性の優れた巻回体4を製造することができる。
【0066】
次に、図31から図32及び図35から図39において、本発明の第2実施例の作用について説明する。図35に示すように、まず帯状体3が巻芯8の割溝6に差し込まれると、図36に示すように、第1巻芯部21が回転中心O回りに矢印Eの方向に少し(13度位)回転し、その一端21dが帯状体3を第2巻芯部22の割溝面22cとの間で把持する。そこで帯状体3は、図36に示すように、カットされ、巻始め端部3aが残される。
【0067】
すると、図37に示すように、針状体9が回転中心O回りに矢印Dの方向に少し(15度位)回転し、その大径部9eが割溝6内に大きく突出し、針状体9は実質的にに太った状態となり、大径部9eは第2巻芯部22の割溝面2cとの間で帯状体3を把持する。この結果帯状体3の巻始め端部3aは第1巻芯部21の一端21dと針状体9の大径部9eの2箇所で割溝面22cとの間で把持され、その把持力は第1実施例の2倍となり、帯状体3の巻始めにおいて、巻始め端部3aが外れるおそれが非常に少く、図38に示すように、確実に巻取りが進行することになる。
【0068】
この帯状体3の巻取り中には、帯状体3からの締付け力により、図38に示すように、巻芯8が締付め付けられる結果、巻芯8から矢印W,Xのような強い締付け力が第1巻芯部21及び針状体9に作用し、これらにねじり力が作用し、第1巻芯部21、針状体9共に元の位置に押しもどそうとするが、第1巻芯部21も図示しないサーボモータにより巻取り中は常時矢印E方向のトルクがかけられ、針状体9にはサーボモータ17Bにより常時矢印D方向のトルクがかけられているため、図38の状態を保つようにこれらが抵抗し、巻芯8が撓んで細くなることが防止される。
【0069】
巻取りが完了すると、図39に示すように、巻芯8の回りにはリード端子24付の巻回体4となり、帯状体3の巻終り端部3cにはテープ19が貼られ、巻回体が製品として完成する。
完成した巻回体4の巻芯8からの取外し作用は、第1実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0070】
次に、本発明の第3実施例の作用について説明する。図33において、巻芯8に帯状体3が差し込まれる際には、一対の針状体9はその外周部9dが水平状態にあり、まだ回転しておらず、実質的に細くなっているため、割溝6は大きく開いていて、隙間Sが大きく、帯状体3は容易に割溝6に差し込むことができる。
【0071】
帯状体3が巻芯8の割溝6に差し込まれると、図34に示すように、一対の針状体9が同時に矢印G,Hの方向に少し(10度位)回転し、一対の大径部9eが夫々帯状体3を割溝6内に大きく突出し、一対の針状体9A,9Bは夫々実質的にに太った状態になる。そして帯状体3を割溝6の上下方向の中央で把持する。この把持力は回転する針状体9が1個の場合に比べて2倍となり、非常に強固に帯状体3を把持することができる。
【0072】
こうして一対の針状体9A,9Bが帯状体3を把持すると、帯状体3は、図34に示すように、カットされ、巻始め端部3aが残され、巻取りが開始される。
巻取りが完了した後は、一対の針状体9A,9Bは夫々矢印I,Jの方向に回転して元の位置にもどり、完成した巻回体(図示せず)は巻芯8から取り外される。
その他の作用は第1実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0073】
次に、本発明の第4実施例の作用について説明する。図17において、巻芯8の平行にカットされた一対の側面8i,8jは上下方向に位置しているので、帯状体3のリード端子(図示せず)はこの側面8i,8jの位置に来るように巻取りがなされるものであるが、これら以外の作用は、第1実施例と全く同一であるので、説明は省略する。
【0074】
次に、本発明の第5実施例の作用について説明する。図19及び図20において、針状体9の構成は第1実施例と同一であり、巻芯8の断面が円形であるので、この実施例は大型の電子部品や二次電池等に有効である。
その他の作用は第1実施例と同一であるので説明は省略する。
【0075】
次に、木発明の第6実施例の作用について説明する。図21及び図22において、針状体9の構成は第1実施例と同一であり、巻芯8の断面が三角形である点がこの実施例の特徴であるので、これはリード端子(図示せず)が4本の帯状体3の巻取りに好適である。リード端子が4本あってもこれからが各三角形の斜面8kの位置に配置されるように巻き取れば、巻回体(図示せず)は真円に近いものとなる。
その他の作用は、第1実施例と同一であるので、説明は省略する。
【0076】
次に、本発明の第7実施例の作用について説明する。図23及び図24において、針状体9は基本的に断面円形であり、わずかなカット面である外周部9dが形成されており、針状体9は矢印K,Lの如く180度回転し、巻取りの開始前は、図23に示すように、外周部9dは上側に位置し、割溝6内への突出量は小さく、針状体9は実質的に細い状態にある。そして帯状体3が差し込まれると、針状体9は矢印K方向に180度回転して大径部9eが真上に来る。これによって針状体9は実質的に太くなり、大径部9eと第2巻芯部22の割溝面22cとの間で帯状体を把持する。これによって、帯状体3の巻始め端部3aは外れることなく、順調に巻取りが開始される。
【0077】
巻取り中において、巻芯8から針状体9に大きな締付け力が作用しても、針状体9は第1巻芯部の溝21bにより均等に支持されているため、ねじり力が作用せず、非常に強固に締付け力に対抗することができる。このためサーボモータ17Bによるトルクの付与は巻取り中は不要である。この点で第1実施例よりも有利である。
ただし大径部9eによる帯状体3の把持力は第1実施例の方がより確実で強固である。
その他の作用は第1実施例と同一であるので、説明は省略する。
【0078】
次に、本発明の第8実施例の作用について説明する。図25及び図26において、この実施例は第7実施例の巻芯8の断面形状を、第1実施例のものとしただけのものであり、特に小型の電解コンデンサ等の2本のリード端子付の電子部品の巻取りに好適なものであるが、その他の作用は第7実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0079】
次に、本発明の第9実施例の作用について説明する。図27及び図28において、この実施例は第8実施例の針状体9の回転角度を90度に減少させたものであり、これによっても針状体9は巻芯8からの強力な締付け力に対抗することができ、針状体9の回転量が少なくて済む点で有利である。
その他の作用は第8実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0080】
次に、本発明の第10実施例の作用につて説明する。図29及び図30において、この実施例は第9実施例のものに比べて、平行な一対の側面8i,8jを垂直から水平に変更したものであり、リード端子(図示せず)が上下方向に位置する点が第9実施例と異なるだけで、その他の作用は第9実施例と同一であるので、説明は省略する。
【符号の説明】
【0081】
1 巻芯
2 割溝
3 帯状体
3a 巻始め端部
3b 側面
3c 巻終り端部
4 巻回体
4a 一端部
4b 内周面
5 帯状体の巻取り装置
6 割溝
8 巻芯
8a 丸穴
8b 大径部
8c 端部
8d 端部
8e 外径部
8f 面取り
8i 側面
8j 側面
8k 斜面
9 針状体
9a 一端
9b 傾斜面
9c 他の一端
9d 外周部
9e 大径部
10 針状体の回転駆動装置
11 第1巻芯部
11a 外周面
12 第2巻芯部
12a 外周面
13 回転支持体
13a 固定軸
13b 円環状の穴
13f 面取り
14 コレットチャック
15 スプライン軸
16A 摩擦車
16B 摩擦車
17A サーボモータ
17B サーボモータ
17a 回転軸
18 押圧部材
19 テープ
20A 摩擦車
20B 摩擦車
21 第1巻芯部
21a 外周部
21b 溝
21c 割溝面
21d 断面の一端
22 第2巻芯部
22a 外周部
22b 溝
22c 割溝面
23 中空軸
24 リード端子
A 範囲
B 矢印
C 矢印
D 矢印
E 矢印
F 矢印
G 矢印
H 矢印
I 矢印
J 矢印
K 矢印
L 矢印
M 矢印
N 矢印
O 回転中心
O1 回転中心
O2 回転中心
P 矢印
Q 矢印
R 矢印
S 隙間
S2 隙間
T 矢印
U 矢印
V 矢印
W 矢印
X 矢印
Y 矢印
Z 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、前記帯状体の巻取り中は前記針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記巻芯の第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記針状体を実質的に細くして前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とする帯状体の巻取り方法。
【請求項2】
割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に断面非等径の針状体を挿入し、前記帯状体の巻取り中は前記針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記巻芯の第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、かつ前記第1巻芯部も回転させてその断面の一端が第2巻芯部に接触するように突出させることで前記第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を逆回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記針状体を実質的に細くし、かつ前記第1巻芯部も逆回転させて元の位置へもどして前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とする帯状体の巻取り方法。
【請求項3】
割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り方法において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部の双方の軸方向に夫々形成された溝に断面非等径の一対の針状体を夫々挿入し、前記帯状体の巻取り中は前記一対の針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記一対の針状体の大径部で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記一対の針状体を夫々逆回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記一対の針状体を実質的に細くして前記巻芯が撓むのを許容することを特徴とする帯状体の巻取り方法。
【請求項4】
前記巻芯は、基本的に断面円形に形成され、断面両側が平行二面にカットされてなる二面幅の巻芯であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項5】
前記巻芯は、断面円形に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項6】
前記針状体は、断面半円形に形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項7】
前記針状体は、基本的に断面円形に形成され、かつ円周の一部にカット面が形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項8】
前記巻芯及び前記針状体は、サーボモータにより回転駆動されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項9】
前記巻回体は、リード端子付の電極箔及び該電極箔の剥離紙を同時に巻き取って形成される電子部品であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項10】
前記巻回体は、電極箔及び該電極箔の剥離紙を同時に巻き取って形成される二次電池であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り方法。
【請求項11】
割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に回動自在に挿入された断面非等径の針状体と、該針状体を前記溝内で回転させる針状体の回転駆動装置とを備え、前記帯状体の巻取り中は前記針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記巻芯の第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記針状体を実質的に細くして前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことを特徴とする帯状体の巻取り装置。
【請求項12】
割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯のうちの少なくとも第1巻芯部の軸方向に形成された溝に挿入された断面非等径の針状体と、該針状体を前記溝内で回転させる針状体の回転駆動装置と、前記第1巻芯部のみを前記巻芯全体の巻取り用の回転とは別に回転させる第1巻芯部の回転駆動装置とを備え、前記帯状体の巻取り中は前記針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記巻芯の第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、かつ前記第1巻芯部も回転させてその断面の一端が第2巻芯部に接触するように突出させることで前記第2巻芯部との間で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記針状体を逆回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記針状体を実質的に細くし、かつ前記第1巻芯部も逆回転させて元の位置へもどして前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことを特徴とする帯状体の巻取り装置。
【請求項13】
割溝によって複数に分割された巻芯に帯状体を巻き付けて該帯状体を巻き取り、巻回体となす帯状体の巻取り装置において、前記帯状体の巻取り中に該帯状体から前記巻芯に作用する締付け力により該巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは撓まないように、前記巻芯の第1巻芯部及び第2巻芯部の双方の軸方向に夫々形成された溝に挿入された断面非等径の一対の針状体と、該一対の針状体を夫々回転させる回転駆動装置とを備え、前記帯状体の巻取り中は前記一対の針状体を回転させて該針状体の大径部を前記溝から突出させることで前記針状体を実質的に太くして前記一対の針状体の大径部で前記帯状体の巻始め端部を把持するようにし、前記帯状体の巻取りに伴う締付け力により前記巻芯が、前記割溝が塞がる程度までは細くならないようにして前記帯状体を巻き取り、巻取りが終了した後は前記一対の針状体を夫々逆回転させて前記大径部を元の位置へもどすことで前記一対の針状体を実質的に細くして前記巻芯が撓むのを許容するように構成したことを特徴とする帯状体の巻取り装置。
【請求項14】
前記巻芯は、基本的に断面円形に形成され、断面両側が平行二面にカットされてなる二面幅の巻芯であることを特徴とする請求項11又は請求項13に記載の帯状体の巻取り装置。
【請求項15】
前記巻芯は、断面円形に形成されたことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り装置。
【請求項16】
前記針状体は、断面半円形に形成されたことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り装置。
【請求項17】
前記針状体は、基本的に断面円形に形成され、かつ円周の一部にカット面が形成されたものであることを特徴とする請求項11に記載の帯状体の巻取り装置。
【請求項18】
前記巻芯及び前記針状体は、サーボモータにより回転駆動される構成であることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り装置。
【請求項19】
前記巻回体は、リード端子付の電極箔及び該電極箔の剥離紙を同時に巻き取って形成される電子部品であることを特徴とする請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り装置。
【請求項20】
前記巻回体は、電極箔及び該電極箔の剥離紙を同時に巻き取って形成される二次電池であることを特徴とする請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の帯状体の巻取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2012−62195(P2012−62195A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227950(P2010−227950)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000107240)ジェーシーシーエンジニアリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】