説明

建物付設物

【課題】4本の柱で囲まれた廻り階段に複数の段部が設けられている建物付設物を提供すること。
【解決手段】廻り階段20は、4本の柱3〜6で囲まれた平面視で四角形又は略四角形となっており、この廻り階段20に複数の段部A〜Cが設けられている。4本の柱3〜6のうち、1本の柱3は、廻り階段20の廻り内側の位置に配置されており、また、4本の柱3〜6のうち、前記1本の柱3を除く3本の柱4〜6は、それぞれの角度が直角をなす平面視で四角形の4個の角部のうち、3個の角部の位置に配置されている。前記1本の柱3は、前記4個の角部のうちの残りの1個の角部の位置よりも、前記4本の柱3〜6のうち、前記1本の柱3と対角線をなす柱6に近づいた位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に付設配置される建物付設物に係り、例えば、集合住宅等の建物の外部に設置される外階段や外廊下、バルコニ、さらには建物の内部に設置される非常階段を含む室内階段等に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
建物に付設配置される建物付設物となっているバルコニは、一般に平面視で四角形又は略四角形の構造体を有する構造になっているとともに、下記の特許文献1に示されているように、この構造体の内側には、上に乗って歩行する又は立つための歩行用部材になっているデッキ部材が配置され、このデッキ部材は、デッキ部材の下側に配置されていて、上記構造体に結合されているベース体となっている根太によって支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2006−70520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平面視で四角形又は略四角形の構造体を有する構造になっているバルコニでは、ベース体である根太等の部材の他に、外部荷重等の作用によって上記構造体が平面視で菱形状に変形することを防止するために、従来、ターンバックル等によるブレースを用いることが行われ、このため、使用する部材点数が多くなる。このようなことは、平面視で四角形又は略四角形の構造体を有する構造になっている、例えば、集合住宅等の建物の外部に設置される外階段や外廊下、バルコニ、さらには、建物の内部に設置される非常階段を含む室内階段等についても生ずる。
【0005】
本発明の目的は、歩行用部材を支持するベース体がブレースを兼ねることになり、これによって部材点数の削減を図ることができるようになる建物付設物を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る建物付設物は、平面視で四角形又は略四角形になっている構造体を有し、この構造体の内側に、上に乗って歩行する又は立つための歩行用部材が配置され、この歩行用部材が、この歩行用部材の下側に配置されていて前記構造体に結合されているベース体によって支持されている建物付設物において、前記ベース体に、幅方向が上下方向となっていて長さ方向が水平方向又は略水平方向となって延びている延出部が形成され、この延出部の前記長さ方向が、前記構造体の前記四角形又は略四角形のそれぞれの辺部に対して傾斜角をなす方向となっていることを特徴するものである。
【0007】
この建物付設物では、歩行用部材の下側に配置されていて、平面視で四角形又は略四角形になっている構造体に結合されているベース体には、幅方向が上下方向となっていて長さ方向が水平方向又は略水平方向となって延びている延出部が形成されており、この延出部の長さ方向は、構造体の四角形又は略四角形のそれぞれの辺部に対して傾斜角をなす方向となっているため、ベース体の延出部は、構造体が平面視で菱形状に変形することを防止するためのブレースとしての役割りを担うことになり、このため、ベース体はブレースを兼ねることになり、それだけ使用する部材点数の削減を図ることができるようになる。
【0008】
以上の本発明において、上記四角形又は略四角形は、正方形又は略正方形でもよく、長方形又は略長方形でもよい。
【0009】
また、上述の延出部は、下方向を幅方向とするもの、言い換えると、ベース体の本体部から下方向へ突出するものでもよく、上方向を幅方向とするもの、言い換えると、ベース体の本体部から上方向へ突出するものでもよく、ベース体の本体部から下方向と上方向との両方に突出するものでもよい。
【0010】
また、延出部をベース体に設けるための方策は任意であり、一つの例は、ベース体の本体となる部材に、延出部となる部材を溶接又はボルト等の結合具で結合することであり、他の例は、ベース体を、板状となっているベース部材を含んで形成されたものとし、延出部を、このベース部材の上下方向へ折り曲げられた折り曲げ部とすることである。
【0011】
後者の例によると、板状のベース部材に上下方向へ折り曲げられた折り曲げ部を設けることにより、ベース体の延出部を形成することができるため、この延出部を容易にベース体に設けることができる。この場合において、折り曲げ方向は、下側でもよく、上側でもよく、下側へ折り曲げられた折り曲げ部と上側へ折り曲げられた折り曲げ部とを上記ベース部材に設けてもよい。
【0012】
また、ベース部材に下側へ折り曲げられた折り曲げ部が形成される場合には、この折り曲げ部が形成されたベース部材を上段のベース部材とし、上述のベース体を、この上段のベース部材と、この上段のベース部材よりも下側の位置であって横側にずれた位置に配置された下段のベース部材とを含んで形成し、上段のベース部材の上と下段のベース部材の上とに前述した歩行用部材を載せるとともに、上段のベース部材の折り曲げ部を下段のベース部材によって支持させてもよい。
【0013】
これによると、上段のベース部材の折り曲げ部は下段のベース部材によって支持されることになるため、上段のベース部材が板状の部材になっていて、この上段のベース部材の上に載せられている歩行用部材の重量やこの歩行用部材の上に載る人の重量が上段のベース部材に作用しても、この上段のベース部材が下側へ撓み変形することを下段のベース部材によって防止することができる。
【0014】
なお、下段のベース部材による上段のベース部材の折り曲げ部の支持は、これらの下段のベース部材と折り曲げ部とを結合することによって行ってもよく、あるいは、折り曲げ部を下段のベース部材に載せることによって行ってもよく、これらの両方によって行ってもよい。
【0015】
さらに、上段のベース部材だけではなく、下段のベース部材も板状としてもよい。このように上段のベース部材と下段のベース部材を共に板状とする場合には、これらの下段のベース部材と上段のベース部材により、これらのベース部材の上に載せられる歩行用部材の下面全体又は下面略全体を支持するようにしてもよい。
【0016】
これによると、それぞれのベース部材により、これらのベース部材の上に載せられる歩行用部材の支持を有効に行えることになる。
【0017】
本発明は、平面視で四角形又は略四角形になっている構造体を有している任意な建物付設物に適用することができ、この建物付設物は、例えば、集合住宅等の建物の外部に設置される外階段や外廊下、バルコニ、さらには建物の内部に設置される非常階段を含む室内階段等であり、上記外階段及び上記室内階段には、全体が廻り階段となっている階段と、一部が廻り階段となっている階段とが含まれる。
【0018】
本発明が、全体が廻り階段となっている階段又は一部が廻り階段となっている階段に適用され、前述の構造体が廻り階段を形成している場合には、前述の歩行用部材はこの廻り階段の踏み板部材となる。
【0019】
このように構造体が廻り階段を形成している場合であって、前述したように、上段のベース部材の折り曲げ部を下段のベース部材によって支持する場合には、下段のベース部材を、廻り階段の前記四角形又は略四角形のそれぞれの辺部を形成する第1〜4部材のうち、第1部材と、この第1部材に隣接する第2部材とに結合し、上段のベース部材を、第2部材と、この第2部材に隣接する部材となっていて第1部材と対向して配置された第3部材とに結合し、かつ、前記四角形又は略四角形の4個の角部のうち、第2部材と第3部材とによって形成される角部の位置を、廻り階段の廻り中心部の位置に対して対角線の位置とし、廻り階段には、上段のベース部材を廻り階段の廻り中心部の位置及びこの位置の周辺部において支持するための部材を配置しないこととしてもよい。
【0020】
これによると、上段のベース部材を、第2部材と、この第2部材に隣接する部材となっていて第1部材と対向して配置された第3部材とに結合し、四角形又は略四角形の4個の角部のうち、第2部材と第3部材とによって形成される角部の位置が、廻り階段の廻り中心部の位置に対して対角線の位置となっていて、廻り階段には、上段のベース部材を廻り階段の廻り中心部の位置及びこの位置の周辺部において支持するための部材を、廻り階段の構造の複雑化等の理由のために配置しなくても、上段のベース部材の折り曲げ部は下段のベース部材によって支持され、この下段のベース部材は、第1部材と、この第1部材に隣接する第2部材とに結合されているため、上段のベース部材を下段のベース部材を利用して有効に支持させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、歩行用部材を支持するベース体がブレースを兼ねることになり、これによって部材点数の削減を図ることができるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る建物付設物となっている集合住宅のための外階段を示す平面図である。
【図2】図2は、図1のS2矢視図である。
【図3】図3は、図1のS3矢視図である。
【図4】図4は、図1で示されている廻り階段と第1直線階段と第2直線階段を形成する踏み板部材等を省略して示した図1と同様の図である。
【図5】図5は、図4で示されているベース体を省略して示した図1と同様の図である。
【図6】図6は、図5で示されている廻り階段と第1直線階段との接続箇所を示す図である。
【図7】図7は、図6のS7−S7線断面図である。
【図8】図8は、図5で示されている廻り階段の第1梁部材と第2梁部材との接続箇所を示す図である。
【図9】図9は、図8のS9−S9線断面図である。
【図10】図10は、図5で示されている廻り階段の廻り外側における廻り階段と第2直線階段の接続箇所を示す図である。
【図11】図11は、図10のS11−S11線断面図である。
【図12】図12は、図6のS12−S12線断面図である。
【図13】図13は、廻り階段の第1梁部材を示す図5のS13−S13線断面図である。
【図14】図14は、廻り階段の第2梁部材を示す図5のS14−S14線断面図である。
【図15】図15は、ベース体を形成するベース部材を廻り階段の第1梁部材にブラケットを介して結合支持させた状態を示す図13と同様の図である。
【図16】図16は、ベース体を形成するベース部材を廻り階段の第2梁部材にブラケットを介して結合支持させた状態を示す図14と同様の図である。
【図17】図17は、踏み板部材とこの踏み板部材が載せられた部材との結合構造を示すための踏み板部材の平面図である。
【図18】図18は、図17のS18−S18線断面図である。
【図19】ベース体を2点鎖線で記入した図5と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る建物付設物は、集合住宅の外部に設置される外階段である。
【0024】
図1は、この外階段の平面図であり、図2は、図1のS2矢視図であり、図3は、図1のS3矢視図である。これらの図に示されているように、この外階段は、6本の柱1〜6を含んで形成され、これらの柱1〜6のうち、図1で示されている4本の柱3〜6によって囲まれている部分が、外階段のうち、平面視で四角形又は略四角形の構造体となっている廻り階段20の部分である。この廻り階段20には、第1直線階段21の上端と第2直線階段22の下端とが接続されており、これらの直線階段21と22は90度又は略90度の角度をなしている。また、柱1と2は、第1直線階段21の下端に立設されている。
【0025】
第1直線階段21は、本実施形態に係る外階段が設置されている仕上げコンクリート19(図2及び図3を参照)から廻り階段20まで昇降するための階段になっており、また、第2直線階段22は、廻り階段20から、本実施形態に係る外階段が外部に設置されている前記集合住宅の外廊下まで昇降するための階段になっている。
【0026】
図1に示されているとおり、第1直線階段21は、廻り階段20の廻り内側のささら桁部材23と、廻り階段20の廻り外側のささら桁部材24とを構成部材として構成され、ささら桁部材23は柱1と柱3との間に配置され、ささら桁部材24は柱2と柱4との間に配置されている。また、第2直線階段22は、廻り階段20の廻り内側のささら桁部材25と、廻り階段20の廻り外側のささら桁部材26とを構成部材として構成され、ささら桁部材25は、柱3と、前記外廊下に設置されている図示外の柱との間に配置され、ささら桁部材26は、柱5と、前記外廊下に設置されている図示外の柱との間に配置されている。
【0027】
さらに、廻り階段20は、この廻り階段20の廻り外側に配置された第1梁部材27及び第2梁部材28を構成部材として構成され、第1梁部材27は、柱4と柱6との間に配置されているとともに、この第1梁部材27は、第1直線階段21を形成する廻り階段20の廻り外側のささら桁部材24の廻り階段20側への延長方向に配置されており、また、第2梁部材28は、柱5と柱6との間に配置されているとともに、この第2梁部材28は、第2直線階段22を形成する廻り階段20の廻り外側のささら桁部材26の廻り階段20側への延長方向に配置されている。
【0028】
廻り階段20の廻り内側には、平面視L字形状であって、箱形状となっている廻り内側部材29が配置され、この廻り内側部材29よりも外側の位置に、言い換えると、この廻り内側部材29よりも廻り階段20から遠い位置であって、廻り階段20の廻り内側の位置に、柱1〜6のうち、廻り階段20の廻り内側に配置された柱3が立設されている。
【0029】
なお、廻り内側部材29は、平面視L字形状の1個の箱形状部材としてもよく、第1直線階段21と第2直線階段22に対応して2個製造された箱形状部材の組み合わせによって形成してもよい。
【0030】
図1に示されているように、廻り階段20には、3段の段部A〜Cが設けられ、これらの段部A〜Cにより、本実施形態に係る廻り階段20は、図1において、左廻りに昇るようになっている。また、最下位段部Aは2個の踏み板部材31,32で形成され、中位段部Bも2個の踏み板部材33,34で形成され、最上位段部Cも2個の踏み板部材35,36で形成されている。本実施形態における歩行用部材となっているこれらの踏み板部材31〜36は、廻り階段20の廻り方向に並べられている。また、第1直線階段21のそれぞれの段部は、これらの段部ごとに1個配置された踏み板部材37で形成され、第2直線階段22のそれぞれの段部も、これらの段部ごとに1個配置された踏み板部材38で形成されている。そして、第1直線階段21の上端は、廻り階段20の最下位段部Aに接続され、第2直線階段22の下端は、廻り階段20の最上位段部Cに接続されている。
【0031】
第1直線階段21のそれぞれの踏み板部材37同士の間には、蹴込み板部材が配置され、第2直線階段22のそれぞれの踏み板部材38同士の間にも、蹴込み板部材が配置されている。
【0032】
廻り階段20の最下位段部Aでの歩行向きは第1直線階段21の向きと一致し、廻り階段20の最上位段部Cでの歩行向きは第2直線階段22の向きと一致している。このため、最下位段部Aでの歩行向きと最上位段部Cでの歩行向きとは、90度又は略90度の角度をなしている。
【0033】
なお、本実施形態では、図1に示すとおり、廻り階段20の最下位段部Aを形成して踏み板部材31と、第1直線階段21のそれぞれの段部を形成している複数の踏み板部材37のうち、最上位段部の踏み板部材37Aとの間には、歩行方向の寸法である幅寸法が小さい張り出し踏み板部材39が配置され、踏み板部材31と同じ高さ位置に配置されているこの張り出し踏み板部材39と、踏み板部材37Aとの間に、上下方向に延びる蹴込み板部材が配置されている。また、廻り階段20の最上位段部Cを形成して踏み板部材35,36と、第2直線階段22のそれぞれの段部を形成している複数の踏み板部材38のうち、最下位段部の踏み板部材38Aとの間にも、歩行方向の寸法である幅寸法が小さい張り出し踏み板部材40が配置され、踏み板部材35,36と同じ高さ位置に配置されているこの張り出し踏み板部材40と、踏み板部材38Aとの間に、上下方向に延びる蹴込み板部材が配置されている。
【0034】
図1〜図3に示されているように、廻り階段20には、第1及び第2梁部材27,28ごとに設けられた手摺り7と、第1及び第2梁部材27,28の外面を覆う化粧部材8とが配置され、第1直線階段21にも、ささら桁部材23,24ごとに設けられた手摺り9と、ささら桁部材23,24の外面を覆う化粧部材10とが配置され、第2直線階段22にも、ささら桁部材25,26ごとに設けられた手摺り11と、ささら桁部材25,26の外面を覆う化粧部材12とが配置されている。
【0035】
図4は、廻り階段20の踏み板部材31〜36、手摺り7、化粧部材8と、第1直線階段21の踏み板部材37、手摺り9、化粧部材10と、第2直線階段22の踏み板部材38、手摺り11、化粧部材12と、前述した廻り内側部材29と、張り出し踏み板部材39,40と、を省略して示した本実施形態に係る外階段の平面図である。
【0036】
この図4で示されているように、廻り階段20にはベース体50が配置され、このベース体50の上に、廻り階段20のそれぞれの段部A〜Cを形成する全部の踏み板部材31〜36の下面全体又は下面略全体が載せられ、これにより、踏み板部材31〜36がベース体50によって支持されている。また、ベース体50は、廻り階段20のそれぞれの段部A〜Cごとに設けられた3個のベース部材51〜53の組み合わせで形成され、それぞれの段部A〜Cの高さの差に対応した上下の段差をもって配置されているこれらのベース部材51〜53は、厚板による板金の折り曲げ品である。
【0037】
廻り階段20の第1梁部材27にはL字形状ブラケット54,55が取り付けられ、ブラケット54には、最下位段部Aのベース部材51における第1梁部材27側の端部が載せられて結合支持され、ブラケット55には、中位段部Bのベース部材52における第1梁部材27側の端部が載せられて結合支持されている。また、廻り階段20の第2梁部材28にはL字形状ブラケット56,57が取り付けられ、ブラケット56には、中位段部Bのベース部材52における第2梁部材28側の端部が載せられて結合され、ブラケット57には、最上位段部Cのベース部材53における第2梁部材28側の端部が載せられて結合支持されている。
【0038】
また、廻り階段20における第1直線階段21側の端部には、この第1直線階段21と直交又は略直交して配置された第1横架部材58が設けられ、廻り階段20における第2直線階段22側の端部にも、この第2直線階段22と直交又は直交して配置された第2横架部材59が設けられている。そして、最下位段部Aのベース部材51における第1直線階段21側の端部は、第1横架部材58に載せられて結合支持され、最上位段部Cのベース部材53における第2直線階段22側の端部は、第2横架部材59に載せられて結合支持されている。
【0039】
以上のブラケット54〜57へのベース部材51〜53の結合支持及び横架部材58,59へのベース部材51,53の結合支持は、ブラケット54〜57とベース部材51〜53及び横架部材58,59とベース部材51,53をそれぞれボルト等の結合具90で結合することによって行われている。
【0040】
また、後述するように、中位段部Bのベース部材52におけるベース部材51側の端部は、下側へ折り曲げられてベース部材51に支持されており(図15を参照)、最上位段部Cのベース部材53におけるベース部材52側の端部は、下側へ折り曲げられてベース部材52に支持されている(図16を参照)。
【0041】
このため、ベース部材51〜53によって構成されるベース体50の全周又は略全周は、廻り階段20の廻り内側の部分を除き、廻り階段20の周囲を形成している第1及び第2梁部材27,28と第1及び第2横架部材58,59とによって支持されているとともに、このベース体50を構成するベース部材51〜53のうち、ベース体50の全周又は略全周の部分となっていないベース部材52におけるベース部材51と隣接する部分及びベース部材53におけるベース部材52と隣接する部分は、これらのベース部材52,53よりも下段のベース部材であるベース部材51,52によって支持されている。
【0042】
なお、これらのベース部材51〜53は、後述の図15及び図16で説明するように、ボルト等の結合具で結合されているが、これらのベース部材51〜53を予め溶接等で結合一体化された組み立て品としてもよい。
【0043】
また、図4で示されているとおり、第1直線階段21のささら桁部材23,24には、第1直線階段21の踏み板部材37の両端部が載せられて結合支持されるブラケット41が取り付けられ、第2直線階段22のささら桁部材25,26にも、第2直線階段22の踏み板部材38の両端部が載せられて結合支持されるブラケット42が取り付けられている。
【0044】
図5は、図4で示されているベース体50を省略して示した本実施形態に係る外階段の平面図である。また、図6は、図5で示されている廻り階段20と第1直線階段21との接続箇所を示す図である。そして、図7は、図6のS7−S7線断面図である。図6に示されているように、柱3と4にはL字形状ブラケット60,61が結合され、これらのブラケット60,61には、第1直線階段21のささら桁部材23,24の上端部が結合具62で結合されているとともに、第1横架部材58も結合具63で結合されている。また、ブラケット60,61には、第1横架部材58よりも第1直線階段21側に配置された水平部材64が結合具63で結合され、図7に示されているように、第1横架部材58と互いに背中合わせで結合具65によって結合されているこの水平部材64の上面に、図1で説明した張り出し踏み板部材39が載せられて結合支持される。
【0045】
なお、第1直線階段21のささら桁部材23,24の下端部は、図1で示されている柱1,2に図示外のブラケットによって結合されている。
【0046】
図8は、図5で示されている廻り階段20の第1梁部材27と第2梁部材28との接続箇所を示す図であり、図9は、図8のS9−S9線断面図である。図6及び図8で示されているとおり、柱4と6にはL字形状ブラケット66,67が結合され、これらのブラケット66,67には、廻り階段20の第1梁部材27の両端部が結合具68で結合されている。
【0047】
図10は、図5で示されている廻り階段20の廻り外側における廻り階段20と第2直線階段22との接続箇所を示す図であり、図11は、図10のS11−S11線断面図である。図8及び図10で示されているとおり、柱6と5にはL字形状ブラケット69,70が結合され、これらのブラケット69,70には、廻り階段20の第2梁部材28の両端部が結合具71で結合されている。
【0048】
また、図6及び図10で示されているとおり、柱3と5にはL字形状ブラケット72,73が結合され、これらのブラケット72,73には、第2直線階段22のささら桁部材25,26の下端部が結合具74で結合されているとともに、前述した第2横架部材59も結合具75で結合されている。また、ブラケット72,73には、第2横架部材59よりも第2直線階段22側に配置された水平部材76が結合具75で結合され、図11に示されているように第2横架部材59と互いに背中合わせで結合具77によって結合されているこの水平部材76の上面に、図1で説明した張り出し踏み板部材40が載せられて結合支持される。
【0049】
なお、図6のS12−S12線断面図は図12に示されている。この図12に示されているように、図1で示されている廻り階段20における第1直線階段21側の第1横架部材58と第2直線階段22側の第2横架部材59との間には、廻り階段20の3段の段部A〜Cの高さの差に相当する上下の段差が存在する。
【0050】
また、図1で説明した廻り内側部材29は、図12で示されているように、上下方向の長さを有しており、この上下方向の長さは、階段部20の3段の段部A〜Cの高さの差を超えるものであり、また、前述したとおり平面視がL字の箱形状に形成されているこの廻り内側部材29は、柱3に第1直線階段21のささら桁部材23や第1横架部材58を結合している前記ブラケット60と、柱3に第2直線階段22のささら桁部材25や第2横架部材59を結合している前記ブラケット72とを覆うもの、言い換えると、これらのブラケット60,72を隠すものとなっている(図1も参照)。
【0051】
図13は、廻り階段20の第1梁部材27を示す図5のS13−S13線断面図であり、図14は、廻り階段20の第2梁部材28を示す図5のS14−S14線断面図である。図13に示されているように、第1梁部材27に取り付けられている前述したL字形状ブラケット54とL字形状ブラケット55との間には、上下の段差が存在し、また、図14に示されているように、第2梁部材28に取り付けられている前述したL字形状ブラケット56とL字形状ブラケット57との間にも、上下の段差が存在し、L字形状ブラケット55とL字形状ブラケット56との間には、上下の段差は存在しない。
【0052】
図15は、ブラケット54と55に、前述した板金の折り曲げ品となっているベース部材51と52を結合具90で結合支持させた状態を示し、図16は、ブラケット56と57に、板金の折り曲げ品となっているベース部材52と53を結合具90で結合支持させた状態を示している。
【0053】
図15で示されているように、ベース部材51は、ブラケット54と第1横架部材58との上に載せられた水平の本体部51Aと、この本体部51Aにおけるベース部材52側の端部に設けられ、本体部51Aから立ち上がった立上部51Bとからなる。また、図15及び図16で示されているように、ベース部材52は、ブラケット55と56の上に載せられた水平の本体部52Aと、この本体部52Aにおけるベース部材51側の端部から下側へ折れ曲がり、ベース部材51の本体部51Aまで達する延出部52Bと、本体部52Aにおけるベース部材53側の端部に設けられ、本体部52Aから立ち上がった立上部52Cとからなる。さらに、図16で示されているように、ベース部材53は、ブラケット57と第2横架部材59との上に載せられた水平の本体部53Aと、この本体部53Aにおけるベース部材52側の端部から下側へ折れ曲がり、ベース部材52の本体部52Aまで達する延出部53Bとからなる。
【0054】
これらの立上部51B,52C、及び折り曲げ部となっている延出部52B,53Bは、幅方向が上下方向となっていて長さ方向が水平方向又は略水平方向となっているものであり、この長さ方向は、平面視で四角形又は略四角形の構造体となっている廻り階段20のそれぞれの辺部を形成している前述の第1及び第2梁部材27,28及び水平部材64,76に対して傾斜角をなす方向になっている。
【0055】
また、図15に示されているとおり、ベース部材52の折り曲げ部になっている延出部52Bは、このベース部材52よりも下段となっているベース部材51の本体部51Aの上に載せられているとともに、この延出部52Bは、ベース部材51の立上部51Bにボルト等の結合具91で結合されている。このため、延出部52Bはベース部材51によって支持されている。さらに、図16に示されているとおり、ベース部材53の折り曲げ部になっている延出部53Bは、このベース部材53よりも下段となっているベース部材52の本体部52Aの上に載せられているとともに、この延出部53Bは、ベース部材52の立上部52Cにボルト等の結合具92で結合されている。このため、延出部53Bはベース部材52によって支持されている。
【0056】
以上のベース部材51〜53の上に前述した廻り階段20の踏み板部材31〜36が載せられることにより、踏み板部材31と32によって廻り階段20の図1で示した最下位段部Aが、踏み板部材33と34によって廻り階段20の中位段部Bが、踏み板部材35と36によって廻り階段20の最上位段部Cが、それぞれ形成される。
【0057】
そして、このように廻り階段20のそれぞれの段部A〜Cが形成されたとき、図15で示したベース部材52の延出部52Bは、最下位段部Aと中位段部Bとの間の蹴込み板部材となり、図16で示したベース部材53の延出部53Bは、中位段部Bと最上位段部Cとの間の蹴込み板部材となる。
【0058】
廻り階段20の踏み板部材31〜36、第1直線階段21の踏み板部材37、第2直線階段22の踏み板部材38及び前述した張り出し踏み板部材39,40は、これらの踏み板部材31〜40が載せられた部材に結合されており、この結合構造は図17及び図18に示されており、図17は、踏み板部材の平面図であり、図18は、図17のS18−S18線断面図である。そして、これらの図17と図18は、それぞれの踏み板部材31〜40の代表例として、廻り階段20の踏み板部材31の場合を示している。
【0059】
コンクリート等を主成分とし、比較的大きな厚さを有するものとなっている踏み板部材31の内部には、踏み板部材31の一方の端部から他方の端部まで連通している空洞部80が設けられており、この空洞部80まで達する孔81が踏み板部材31の下面に形成されている。空洞部80にはナット82が挿入され、このナット82は、空洞部80に対して回り止めとなる多角形状に形成された本体部82Aと、この本体82Aから孔81側へ突出した凸部82Bとを有する。また、ナット82には板ばね部材83が結合され、この板ばね部材83には、ナット82の本体部82Aにおける凸部82B側とは反対側の面と対面する対面部83Aが設けられている。
【0060】
ナット82を踏み板部材31のどちらか一方の端部から空洞部80に挿入し、この空洞部80内を指によってナット82を押して移動させ、ナット82が孔81の位置に達すると、ナット82の凸部82Bは、板ばね部材83の対面部83Aのばね力によって孔81に嵌合することになり、これにより、ナット82は、踏み板部材31の所定位置に位置決め配置されることになる。
【0061】
踏み板部材31が上に載せられていてこの踏み板部材31を支持する部材となっているベース部材51には、図18で示されているように、ボルト84の軸部84Aが挿入される孔85が形成されており、ナット82の個数と対応する2個形成されているそれぞれの孔85に、それぞれのボルト84の軸部84Aをベース部材51の下方から挿入し、ボルト84を回転させることにより、踏み板部材31は、ベース部材51にボルト84とナット82で結合されることになる。
【0062】
本実施形態では、図1に示されているように、廻り階段20の廻り内側に1本配置された前記柱3と、廻り階段20の段部A〜Cを形成している踏み板部材31〜36との間のスペースには、前述した平面視L字形状の廻り内側部材29が配置されており、このため、この廻り内側部材29は、このスペースを埋めるためのスペーサとなっている。このようにスペーサとなっている廻り内側部材29は、柱3に図示外のブラケット等で取り付けられており、この取り付けは、図6及び図12で示されているブラケット60,72を利用して行ってもよい。
【0063】
なお、本実施形態では柱3と廻り内側部材29は別部材となっているが、柱3の代わりの柱として、柱3と廻り内側部材29とを一体化した平面視四角形又は略四角形の柱を用いてもよい。
【0064】
図19は、ベース体50の構成部材となっているそれぞれのベース部材51〜53を2点鎖線で記入した図5と同様の図である。廻り階段20は、平面視で四角形又は略四角形の構造体になっており、この構造体では、前述した水平部材64と第1及び第2梁部材27,28と水平部材76が、平面視で四角形又は略四角形のそれぞれの辺部D〜Gを形成する部材となっており、第1辺部Dは水平部材64で形成され、第2辺部Eは第1梁部材27で形成され、第3辺部Fは第2梁部材28で形成され、第4辺部Gは水平部材76で形成されている。
【0065】
また、水平部材64は上記構造体の第1部材であり、第1梁部材27は上記構造体の第2部材であり、第2梁部材28は上記構造体の第3部材であり、水平部材76は上記構造体の第4部材である。
【0066】
本実施形態では、前述の説明から分かるように、ベース体50を形成しているベース部材51〜53は、ブラケット54〜57と第1及び第2横架部材58,59を介して水平部材64と第1及び第2梁部材27,28と水平部材76に結合されており、これらの水平部材64と第1及び第2梁部材27,28と水平部材76は、平面視で四角形又は略四角形の構造体を構成する第1〜4部材となっているため、ベース部材51〜53はこの構造体に結合されていることになる。
【0067】
そして、ベース部材52,53には、前述したように、折り曲げ部である延出部52B,53Bが上下方向の幅寸法を有して形成され、これらの延出部52B,53Bの長さ方向は、図19から分かるように、構造体のそれぞれの辺部D〜Gに対して傾斜角をなす方向であるため、上記構造体となっている廻り階段20に外部荷重等が作用し、この外部荷重等によって廻り階段20が平面視で菱形状に変形しようとしても、延出部52B,53Bは、この変形に対して抵抗するブレースとして機能することになる。
【0068】
これらの延出部52B,53Bは、踏み板部材31〜36を上に載せて支持するためのベース体50を形成するものであるため、上記ブレースは、このベース体50によって形成されていることになり、このため、本実施形態によると、部材の兼用化が図られていることになり、別途ブレースを用意する必要がないため、使用する部材点数を削減することができる。
【0069】
また、延出部52B,53Bは、板金製のベース部材52,53の端部の折り曲げによって形成された折り曲げ部になっているため、ブレースとなる延出部52B,53Bを容易に形成することができる。
【0070】
さらに、それぞれのベース部材51〜53は、図1で示されている踏み板部材31〜36の下面全体又は下面略全体を支持する大きな面積を有しているため、これらのベース部材51〜53が板金製となっていても、ベース部材51〜53によって踏み板部材31〜36を有効に支持することができる。
【0071】
さらに、最下位段部のベース部材51よりも上段のベース部材52に設けられている延出部52Bは、図15で説明したように、ベース部材52よりも下段のベース部材51の本体部51Aに載せられているとともに、この延出部52Bは、ベース部材51の立上部51Bに結合具91で結合されているため、この延出部52Bは、ベース部材51によって支持されていることになる。このため、ベース部材51が板金で形成されていても、ベース部材52の上に載せられている踏み板部材33,34の重量やこれらの踏み板部材33,34の上に乗る人の重量によりベース部材52が下側に撓み変形することを、ベース部材51によって防止することができる。
【0072】
また、中位段部のベース部材52よりも上段のベース部材53に設けられている延出部53Bは、図16で説明したように、ベース部材53よりも下段のベース部材52の本体部52Aに載せられているとともに、この延出部53Bは、ベース部材52の立上部52Cに結合具92で結合されているため、この延出部53Bは、ベース部材52によって支持されていることになる。このため、ベース部材53も板金で形成されていても、ベース部材53の上に載せられている踏み板部材35,36の重量やこれらの踏み板部材35,36の上に乗る人の重量によりベース部材53が下側に撓み変形することを、ベース部材52によって防止することができる。
【0073】
さらに、本実施形態では、ベース部材51は、廻り階段20の四角形又は略四角形のそれぞれの辺部D〜Gを形成する第1〜4部材となっている水平部材64と第1及び第2梁部材27,28と水平部材76のうち、第1部材になっている水平部材64と、この第1部材に隣接する第2部材になっている第1梁部材27とに結合され、ベース部材52は、第2部材になっている第1梁部材27と、この第2部材に隣接する部材となっていて第1部材と対向して配置された第3部材になっている第2梁部材28とに結合され、かつ、上記四角形又は略四角形の4個の角部のうち、前記第2部材と前記第3部材とによって形成される角部の位置は、廻り階段20の廻り中心部の位置に対して対角線の位置となっており、廻り階段20には、ベース部材52を廻り階段20の廻り中心部の位置及びこの位置の周辺部において支持するための部材が配置されていないが、ベース部材52には、上述したように、ベース部材51によって支持される延出部52Bが設けられているため、このベース部材52の支持を、第1及び第2梁部材27,28と、水平部材64及び第1梁部材27で支持されたベース部材51とにより、有効に行えることになる。
【0074】
言い換えると、廻り階段20の廻り中心部の位置及びこの位置の周辺部は、上下の大きな段差がある部分となっているため、複雑な構造になり、このため、廻り階段20の廻り中心部の位置及びこの位置の周辺部には、ベース部材52を支持するための部材を配置することはできないが、本実施形態では、ベース部材52の支持を、第1及び第2梁部材27,28と、水平部材64及び第1梁部材27で支持されたベース部材51とによって行っているため、ベース部材52の支持を有効に行えることになる。
【0075】
また、本実施形態によると、廻り階段20の床下部分には、言い換えるとベース部材51〜53の下側部分には、これらのベース部材51〜53とは別の部材になっているブレースや根太を配置する必要がないため、安全性の向上と外観性の改善とを図ることができる。
【0076】
なお、以上説明した実施形態では、廻り階段20のベース体50は3個のベース部材51〜53で形成され、ベース部材52,53の延出部52B,53Bが廻り階段20のブレースになっているため、ブレースの個数が2個となっていたが、ベース体50を形成するベース部材の個数を3個以外等とすることにより、ブレースの個数を1個又は3個以上の個数としてもよく、また、ベース体を形成するベース部材の配置位置の設定等により、ブレースの延出方向を、図19で示されている方向とは異なる任意な方向に設定してもよい。
【0077】
また、ベース部材の延出部によるブレースの延出方向を、廻り階段20の4本の柱3〜6のうち、対角線位置に配置されている柱3と柱6の柱芯間又は柱芯近傍間を繋ぐ方向や、対角線位置に配置されている柱4と柱5の柱芯間又は柱芯近傍間を繋ぐ方向としてもよく、これによると、ベース部材の延出部をブレースとしている廻り階段20の強度を一層向上させることができる。
【0078】
さらに、図19で示されているように、平面視で四角形又は略四角形の構造体になっている廻り階段20の第1部材である水平部材64とベース部材52の延出部52Bとがなす角度と、ベース部材52の延出部52Bとベース部材53の延出部53Bとがなす角度と、ベース部材53の延出部53Bと廻り階段20の第4部材である水平部材76とがなす角度のそれぞれを、同じ又は略同じ大きさの角度とすることが好ましく、これによると、これらの水平部材64と延出部52B、53Bと水平部材76とによって支持する荷重の大きさを均等化又は略均等化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、平面視で四角形又は略四角形の構造体を有する、例えば、集合住宅等の建物の外階段や外廊下、バルコニ、さらには建物の内部の非常階段を含む室内階段等に利用すすることができる。
【符号の説明】
【0080】
1〜6 柱
20 廻り階段
21 第1直線階段
22 第2直線階段
23〜26 ささら桁部材
27 第2部材である第1梁部材
28 第3部材である第2梁部材
31〜36 歩行用部材である踏み板部材
50 ベース体
51〜53 ベース部材
52B,53B 折り曲げ部である延出部
60,72 ブラケット
64 第1部材である水平部材
76 第2部材である水平部材
A〜C 段部
D〜G 平面視で四角形又は四角形のそれぞれの辺部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4本の柱で囲まれた平面視で四角形又は略四角形の廻り階段を有し、この廻り階段に複数の段部が設けられ、前記4本の柱のうち、1本の柱は、前記廻り階段の廻り内側の位置に配置されている柱であって、この1本の柱の側に、前記複数の段部における前記廻り階段の廻り内側の鋭角部となる側の端部が配置されており、前記4本の柱のうち、前記1本の柱を除く3本の柱は、それぞれの角度が直角をなす平面視で四角形の4個の角部のうち、3個の角部の位置に配置されており、前記1本の柱は、前記4個の角部のうちの残りの1個の角部の位置よりも、前記4本の柱のうち、前記1本の柱と対角線をなす柱に近づいた位置に配置されていることを特徴する建物付設物。
【請求項2】
請求項1に記載の建物付設物において、前記複数の段部における前記廻り階段の廻り内側の鋭角部となる側の前記端部と、前記1本の柱との間に、平面視でL字形状の廻り内側部材が配置されていることを特徴とする建物付設物。
【請求項3】
請求項2に記載の建物付設物において、前記廻り内側部材は箱形状部材となっていることを特徴とする建物付設物。
【請求項4】
請求項3に記載の建物付設物において、前記廻り内側部材は、前記複数の段部の高さの差を超える上下方向の長さを有していることを特徴とする建物付設物。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれかに記載の建物付設物において、前記廻り階段には、第1直線階段の上端と第2直線階段の下端とが接続され、これらの直線階段は平面視で90度又は略90度の角度をなし、前記第1直線階段は、前記廻り階段の廻り内側のささら桁部材と前記廻り階段の廻り外側のささら桁部材とを構成部材として構成され、前記第2直線階段は、前記廻り階段の廻り内側のささら桁部材と前記廻り階段の廻り外側のささら桁部材とを構成部材として構成され、前記第1直線階段における前記廻り階段の廻り内側の前記ささら桁部材は、前記1本の柱まで延び、前記第1直線階段における前記廻り階段の廻り外側の前記ささら桁部材は、前記4本の柱のうち、前記1本の柱に対し前記第1直線階段の2個の前記ささら桁部材の並設方向に配置されている柱まで延び、前記第2直線階段における前記廻り階段の廻り内側の前記ささら桁部材は、前記1本の柱まで延び、前記第2直線階段における前記廻り階段の廻り外側の前記ささら桁部材は、前記4本の柱のうち、前記1本の柱に対し前記第2直線階段の2個の前記ささら桁部材の並設方向に配置されている柱まで延びていることを特徴とする建物付設物。
【請求項6】
請求項5に記載の建物付設物において、前記1本の柱と、前記第1直線階段における前記廻り階段の廻り内側の前記ささら桁部材とがブラケットによって結合されているとともに、前記1本の柱と、前記第2直線階段における前記廻り階段の廻り内側の前記ささら桁部材とがブラケットによって結合され、2個の前記ブラケットは前記廻り内側部材によって覆われていることを特徴とする建物付設物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−233403(P2012−233403A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−169107(P2012−169107)
【出願日】平成24年7月31日(2012.7.31)
【分割の表示】特願2007−313123(P2007−313123)の分割
【原出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】