説明

建物用メディア再生システム

【課題】電力供給部及び増幅部、さらには配線などの接続手段が室内に露出することがなく、見栄えが良くなり意匠性を向上させることができ、さらには(建物用メディア再生システムを構成する)各部材の組み付けが煩雑とならず、比較的容易とすることができる建物用メディア再生システムを提供する。
【解決手段】配線器具ボックス21には、載置手段側接続端子部34へ電力を供給する電源17と、メディア再生装置100とスピーカー11との間に接続されて当該メディア再生装置100からの出力を増幅させる増幅装置37と、が格納され、格納手段側接続端子部38が当該電源17及び当該増幅装置37よりも中央側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物用メディア再生システムの技術に関し、特に、携帯用のメディア再生装置を利用した建物用メディア再生システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外へ携帯することができる小型(携帯用)のメディア再生装置が公知となっている。前記メディア再生装置は、CDやMDやフラッシュメモリなどのメディア(媒体)に記憶した音楽などの音響情報や動画などの映像情報を再生することができる装置であり、主に屋外において、再生された音響情報や映像情報を使用者が単独で視聴するための装置である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記メディア再生装置は、主に屋外において音響情報や映像情報を再生することに特化されている。したがって、前記メディア再生装置は、例えばヘッドホンやイヤホンを介して音響情報を再生する。しかし、通常、音響情報を屋内において再生する場合、屋外での再生と比較して大きな音量で音響情報を再生する傾向がある。そのため、前記メディア再生装置は、屋内において音響情報を再生することに適していなかった。
【0004】
そこで、例えば、前記メディア再生装置を外付けのスピーカー(再生手段)に接続し、当該メディア再生装置のメディアに記憶した音響情報を、外付けのスピーカーを介して再生する技術が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、前記メディア再生装置のメディアに記憶した音響情報は、アンプなどから構成される増幅装置(増幅部)によって出力が増幅され、外付けのスピーカーを介して再生される。
【0005】
また、前記メディア再生装置を載置可能であって、前記メディア再生装置に電力を供給するための電力供給部に接続された載置手段が公知となっている(例えば、特許文献3参照)。この技術によれば、前記メディア再生装置が載置手段に載置されたときに、前記メディア再生装置の接続端子部が載置手段の載置手段側接続端子部に接続される。そして、前記メディア再生装置に、載置手段側接続端子部と接続された電力供給部から電力が供給される。載置手段は、例えば、メディア再生装置を立てた状態で載置可能なクレードル装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−110645号公報
【特許文献2】特開2007−110656号公報
【特許文献3】特開2007−213121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記メディア再生装置に外付けのスピーカー(再生手段)を接続する場合、配線などの接続手段を室内に配置する必要がある。したがって、配線などの接続手段が室内に露出して、見栄えが悪くなり意匠性が低下することとなった。さらに、前記電力供給部や前記増幅部が室内に配置されると、当該電力供給部及び当該増幅部や、これらの部材に接続された配線などが室内に露出して、見栄えが悪くなり意匠性が低下することとなった。
また、前記メディア再生装置を載置する載置手段の近くに電力供給部及び増幅部や、載置側接続端子部に接続された配線などの複数の部材が配置されると、建物用メディア再生システムを構成する各部材の組み付けが煩雑となって、比較的困難となった。
【0008】
そこで、本発明は係る課題に鑑み、電力供給部及び増幅部、さらには配線などの接続手段が室内に露出することがなく、見栄えが良くなり意匠性を向上させることができ、さらには(建物用メディア再生システムを構成する)各部材の組み付けが煩雑とならず、比較的容易とすることができる建物用メディア再生システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1においては、建物に配設された再生手段によってメディア再生装置に記憶された情報を再生する建物用メディア再生システムであって、建物の室内に配置され、前記メディア再生装置を載置可能であって、当該メディア再生装置を載置したときに当該メディア再生装置と電気的に接続される載置手段側接続端子部を備える載置手段と、建物の壁面内部に配置され、前記載置手段側接続端子部と電気的に接続される格納手段側接続端子部を備えて前記載置手段が室内側から取り付けられる格納手段と、を設け、前記格納手段には、前記載置手段側接続端子部へ電力を供給する電力供給部と、前記メディア再生装置と前記再生手段との間に接続されて当該メディア再生装置からの出力を増幅させる増幅部と、が格納され、前記格納手段側接続端子部が当該電力供給部及び当該増幅部よりも中央側に配置されるものである。
【0011】
請求項2においては、前記格納手段側接続端子部は、前記載置手段の前記格納手段に対する取付け方向の投影視において、当該載置手段の内側に配置されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
載置手段が取り付けられる格納手段が、建物の壁面内部に配置されるので、電力供給部及び増幅部、さらに配線などの接続手段が室内に露出することがなく、見栄えが良くなり意匠性を向上させることができる。
また、格納手段側接続端子部、電力供給部、及び増幅部が一つの部材(格納手段)に格納されるので、各部材の組み付けが煩雑とならず、比較的容易とすることができる。
また、格納手段側接続端子部が電力供給部及び増幅部よりも中央側に配置される。したがって、格納手段に対する載置手段の取付け位置が中央に配置されていなくても(いずれか一側へ偏って配置されていても)、載置手段側接続端子部と格納手段側接続端子部とを比較的容易に接続することができる(建物用メディア再生システムの組み付けを比較的容易とすることができる)。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】建物用メディア再生システムを設けた室内を一点透視した正面図。
【図2】建物用メディア再生システムの全体的な構成を示したブロック図。
【図3】(a)載置台を示す前方斜視図(b)載置台及び配線器具ボックスを示す側面一部断面図。
【図4】(b)配線器具ボックスを示す前方斜視図(b)同じく正面図。
【図5】(a)間仕切パネル及び配線器具ボックスを示す正面図(b)間仕切パネル及び配線器具ボックスを示す正面図。
【図6】(a)第一実施形態に係る、配線器具ボックス、間仕切パネル、及び載置台を示す前方斜視図(b)第一実施形態に係る、載置台を間仕切り壁に取り付けた状態の配線器具ボックス、間仕切パネル、及び載置台を示す前方斜視図。
【図7】(a)第一実施形態に係る、配線器具ボックス、間仕切パネル、及び載置台を示す前方斜視図(b)第一実施形態に係る、載置台を間仕切り壁に取り付けた状態の配線器具ボックス、間仕切パネル、及び載置台を示す前方斜視図。
【図8】(a)右側に配置された載置台と配線器具ボックスの格納手段側接続端子部との位置関係を示す正面模式図。(b)左側に配置された載置台と配線器具ボックスの格納手段側接続端子部との位置関係を示す正面模式図。
【図9】(a)第二実施形態に係る、配線器具ボックス、間仕切パネル、及び載置台を示す前方斜視図(b)第二実施形態に係る、載置台を間仕切り壁に取り付けた状態の配線器具ボックス、間仕切パネル、及び載置台を示す前方斜視図。
【図10】(a)第二実施形態に係る、配線器具ボックス、間仕切パネル、及び載置台を示す前方斜視図(b)第二実施形態に係る、載置台を間仕切り壁に取り付けた状態の配線器具ボックス、間仕切パネル、及び載置台を示す前方斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の一実施形態にかかる建物用メディア再生システム1の全体構成について図1及び図2を用いて説明する。建物用メディア再生システム1は、メディア再生装置100が有する再生機能を利用して、メディア再生装置100のメディアに記憶されている音楽情報を建物内で再生するためのものである。メディア再生装置100とは、例えば、携帯用のマルチメディアプレーヤーである。メディア再生装置100は、記憶部(メディア)101を備えており、記憶部101には、音楽情報などが格納されている。また、メディア再生装置100はそれ自体にスピーカーなどの出力部を有している構造であっても、出力端子やイヤホンジャックの出力部を備える構造であってもよい。
【0015】
建物用メディア再生システム1は、建物に設けられた再生手段としてのスピーカー11と、スピーカー11とメディア再生装置100とを電気的に接続可能とする載置手段側接続端子部34を備える載置手段としての載置台13と、載置手段側接続端子部34へ電力を供給するための電力供給部としての電源17、メディア再生装置100とスピーカー11との間に接続される増幅部としての増幅装置37、及び載置手段側接続端子部34と接続するため格納手段側接続端子部38を備える格納手段としての配線器具ボックス21(図3(b)参照)と、を備えている。
【0016】
複数のスピーカー11は、直方体状に形成されており、屋内に分散して配置されている。本実施形態においては、建物の壁90に配置された合計三つのメインスピーカーと、二つのメインスピーカーの間に配置されたセンタースピーカーと、メインスピーカーと隣接する低音域スピーカーと、から構成されている。各スピーカー11は、図1に示すように建物の壁90に形成された引っ込み部91に設けられている。また、スピーカー11は、図2に示すように、音信号を受信する受信部11aを備えており、受信部11aは後述するスピーカー用接続配線39によって配線器具ボックス21内の増幅装置37と接続されている。但し、スピーカーの形状や出力などは限定するものではない。
【0017】
前記載置手段としての載置台13は、図1に示すように、室内側の壁面90aに取り付けられている。ここで図3(a)に示す矢印A方向、言い換えれば壁面90aに取り付けた際の室内側を前方と定義する。
載置台13は、図3に示すように、壁面90aに取り付ける時に壁面90aと平行になる壁面取付部31と、メディア再生装置100を下方から支持するための支持台32と、メディア再生装置100の操作面と反対側の面と当接する支持部材33と、メディア再生装置100が載置されたときに、メディア再生装置100と電気的に接続される載置手段側接続端子部34と、を備える。載置台13はABSなどの熱可塑性樹脂系の素材で形成されている。壁面取付部31には、上下四箇所に取付孔31aが設けられている。また、支持台32の平面視中央部には、凹部32aが設けられており、凹部32aの下面から載置手段側接続端子部34が上方に突出している。
【0018】
また、図2及び図3に示すように、載置手段側接続端子部34には、接続配線41が接続されている。図3に示すように接続配線41の一端は、載置手段側接続端子部34に接続されており、接続配線41の他端は、格納手段側接続端子部38と接続するコネクタ41aが設けられている。本実施形態においては、凹部32aにメディア再生装置100が載置された際に、載置手段側接続端子部34にメディア再生装置100が接続される。
【0019】
格納手段としての配線器具ボックス21は、図4に示すように、箱状の容器である。配線器具ボックス21は、図3(b)に示すように、建物の壁90の内部に取り付けられ、配線器具ボックス21を壁90の内部に取り付ける時に室内側となる面が開口している。ここで図4(a)に示す矢印B方向、言い換えれば壁90の内部に取り付けた際の室内側を前方と定義する。配線器具ボックス21は前後方向の厚さが薄く形成されており、具体的には厚さが20〜30mmで形成されている。
【0020】
また、配線器具ボックス21には、前面に複数の載置手段固定用取付孔21aが設けられている。載置手段固定用取付孔21aは、上辺(長辺)左側、上辺中央側、上辺右側、下辺左側、下辺中央側、及び下辺右側の計六箇所に設けられている。
また、配線器具ボックス21には、その左辺及び右辺(短辺)にそれぞれ複数の枠固定用取付孔21bが設けられている。具体的には、配線器具ボックス21の左辺及び右辺にそれぞれ二つずつ、合計四つの枠固定用取付孔21bが設けられている。
【0021】
配線器具ボックス21には、載置手段側接続端子部34へ電力を供給するための電力供給部としての電源17、前記メディア再生装置100とスピーカー11との間に接続されて当該メディア再生装置100からの出力を増幅させる増幅部としての増幅装置37、及び接続配線41を介して載置手段側接続端子部34と接続するための格納手段側接続端子部38が格納されている。
また、配線器具ボックス21には、コンデンサや抵抗などを含む複数の電気部品40が格納されている。
【0022】
電力供給部としての電源17は、配線器具ボックス21の下辺左側に固設されている。電源17は、図2に示すよに、格納手段側接続端子部38と電気的に接続されており、格納手段側接続端子部38を介して電力を供給することができる。
【0023】
増幅部としての増幅装置37は、配線器具ボックス21の上辺右側に固設されている。図2に示すように、増幅装置37は、格納手段側接続端子部38と電気的に接続されている。また、スピーカー11にスピーカー用接続配線39を介して電気的に接続されている。なお、増幅装置37に接続されたスピーカー用接続配線39は、図4に示すように、配線器具ボックス21の上面に設けられた孔を通って配線器具ボックス21の外側へ出され、各スピーカー11に接続されている。増幅装置37は、メディア再生装置100から送られてくる音響情報を含む電気的な信号(出力)を増幅し、スピーカー用接続配線39を介してスピーカー11へ増幅した音響情報を含む信号を送信する。
【0024】
格納手段側接続端子部38は、配線器具ボックス21の左右方向(長軸方向)及び上下方向(短軸方向)において略中央に配置される。より詳細には、格納手段側接続端子部38は、上下方向において、電源17及び増幅装置37よりも内側に配置される。また、格納手段側接続端子部38は、左右方向において、電源17及び増幅装置37よりも内側に配置される。換言すれば、格納手段側接続端子部38は、電源17及び増幅装置37よりも中央側に配置される。格納手段側接続端子部38は、電源17及び増幅装置37と電気的に接続されている。格納手段側接続端子部38は、載置手段側接続端子部34と接続する部分である。
【0025】
次に、配線器具ボックス21を建物の壁90内に設ける方法について図5(a)及び(b)を用いて説明する。
壁90は、複数枚の間仕切パネル105で構成されている。
間仕切パネル105は、図5(a)及び(b)に示すように、二本の縦材106a・106aと二本の横材106b・106bとからなる方形枠106と、方形枠106に貼設した二枚の面材107・107と、方形枠106の内部に縦材106aと平行または横材106bと平行に設けられた複数の桟木108と、を設けている。
【0026】
配線器具ボックス21は、図5(a)及び(b)に示すように、間仕切パネル105の縦材106aの上下方向中途部に固設される。なお、配線器具ボックス21は、メディア再生装置100のユーザーが使用し易い高さに配置されることが望ましい。より詳細には、ユーザーが立ち上がった状態で、当該メディア再生装置100を載置台13に載置し易い高さに配置されることが望ましい。
【0027】
また、図5(a)に示すように、配線器具ボックス21は室内側から見て左側の縦材106aに固設することができる。この場合、配線器具ボックス21の屋内側から見て左辺に設けられた二つの枠固定用取付孔21b・21bに固定螺子を螺設し、縦材106a側の図示せぬ孔に前記固定螺子を螺設することで配線器具ボックス21を縦材106aに固定する。
【0028】
また、図5(b)に示すように、配線器具ボックス21は屋内側から見て右側の縦材106aに固設することができる。この場合、配線器具ボックス21の屋内側から見て右辺に設けられた二つの枠固定用取付孔21b・21bに固定螺子を螺設し、縦材106a側の図示せぬ孔に前記固定螺子を螺設することで配線器具ボックス21を縦材106aに固定する。
【0029】
なお、格納手段側接続端子部38、電源17、増幅装置37、及び配線器具ボックス21内に格納された複数の電気部品40は、前記固定螺子を枠固定用取付孔21b・21bに取り付ける際に固定螺子や道具が接触する可能性の有る位置、つまり図4(b)の一点鎖線Cで囲まれた範囲に配置されていない。このような構成によって、前記固定螺子を枠固定用取付孔21b・21bに取り付けるときに、当該固定螺子や当該固定螺子の取り付け用の器具が格納手段側接続端子部38や電源17や増幅装置37や電気部品40に干渉することを防止することができる。
【0030】
次に、建物用メディア再生システム1の使用態様について説明する。
【0031】
メディア再生装置100は、図3(b)に示すように、支持台32の凹部32aに挿入され、凹部32a底面から突設した載置手段側接続端子部34と接続される。これにより、メディア再生装置100と、載置台13の載置手段側接続端子部34とが電気的に接続される。
【0032】
メディア再生装置100が、凹部32aに差し込まれるとき、凹部32aが前方へ向かうにつれて上方へ傾斜していることから、メディア再生装置100は上方へ向かうにつれて後方に傾斜した状態で差し込まれる。メディア再生装置100の上部であって、操作面(前面)と反対側の面(後面)には、支持部材33が当接されており、メディア再生装置100が支持部材33に当接した状態から更に後方へ傾斜するのを防止している。
【0033】
また、載置手段側接続端子部34には、接続配線41が接続されている。接続配線41は、格納手段側接続端子部38に接続されている。格納手段側接続端子部38は電気的に電源17及び増幅装置37に接続されており、さらに、増幅装置37は、スピーカー用接続配線39を介して各スピーカー11に接続されている。これにより、載置手段側接続端子部34とスピーカー11及び電源17が電気的に接続される。
【0034】
このような状態において、電源17からは載置手段側接続端子部34を介してメディア再生装置100に電力が供給される。これにより、メディア再生装置100が充電される。また、メディア再生装置100に格納された音響情報は、載置手段側接続端子部34、接続配線41、格納手段側接続端子部38、及びスピーカー用接続配線39を介してスピーカー11の受信部11aに出力される。このように構成することにより、スピーカー11は音響情報に基づいて音楽などを再生する。
【0035】
次に、第一実施形態に係る、載置台13を配線器具ボックス21に固定する方法について図6及び図7を用いて説明する。
【0036】
まず、図6を用いて、載置台13を正面視で配線器具ボックス21の右部に固定する方法について説明する。
また、図6においては、配線器具ボックス21を屋内側から見て左側の縦材106aに固設しているが、右側の縦材106aに固設している構成であってもよい(図7参照)。
【0037】
間仕切パネル105の室内側の面材107には、配線器具ボックス21に設けられた4つの載置手段固定用取付孔21aと対応して、正面視で略矩形状の開口部50が、当該面材107を前後方向に貫通して形成される。より詳細には、開口部50は、配線器具ボックス21の六つの載置手段固定用取付孔21aのうち、上辺中央側、上辺右側、下辺中央側、及び下辺右側の計四箇所に設けた載置手段固定用取付孔21aが室内に露出する(当該開口部50の内側に配置される)大きさであって、且つ載置台13の壁面取付部31の外径よりも小さい大きさに形成される。
【0038】
載置台13の取付孔31aには、前面から螺子61が貫入される。螺子61は、取付孔31aを通って、対応する配線器具ボックス21の載置手段固定用取付孔21aに螺挿される。そして、載置台13及び配線器具ボックス21が、面材107の開口部50の周縁部を前後から圧着することにより、当該面材107に支持(固定)される。このような構成によって、配線器具ボックス21は、左側が縦材106aに固定されると共に、前側が面材107によって固定される。つまり、配線器具ボックス21は、二方向から固定されるので、例えば左側だけが(一方向からだけ)固定された場合と比較して、より強固に固定される。
【0039】
また、載置台13を配線器具ボックス21に固定するときには、載置手段側接続端子部34が、接続配線41を介して格納手段側接続端子部38に接続される。
この際、上述の如く格納手段側接続端子部38を配線器具ボックス21の左右方向(長軸方向)及び上下方向(短軸方向)において略中央に配置したことにより、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との間の距離が比較的短くなる。例えば、格納手段側接続端子部38が中央から左側に寄っていた場合と比較して、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との間の距離が短くなる。したがって、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38とを接続する接続配線41の長さを短くすることができる。また、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との接続(組み付け)を比較的容易とすることができる。
【0040】
次に、図7を用いて、載置台13を正面視で配線器具ボックス21の左部に固定する方法について説明する。
また、図7においては、配線器具ボックス21を屋内側から見て右側の縦材106aに固設しているが、左側の縦材106aに固設している構成であってもよい(図6参照)。
【0041】
間仕切パネル105の室内側の面材107には、配線器具ボックス21に設けられた四つの載置手段固定用取付孔21aと対応して、正面視で略矩形状の開口部50が、当該面材107を前後方向に貫通して形成される。より詳細には、開口部50は、配線器具ボックス21の6つの載置手段固定用取付孔21aのうち、上辺中央側、上辺左側、下辺中央側、及び下辺左側の計四箇所に設けた載置手段固定用取付孔21aが室内に露出する(当該開口部50の内側に配置される)大きさであって、且つ載置台13の壁面取付部31の外径よりも小さい大きさに形成される
【0042】
載置台13の取付孔31aには、前面から螺子61が貫入される。螺子61は、取付孔31aを通って、対応する配線器具ボックス21の載置手段固定用取付孔21aに螺挿される。そして、載置台13及び配線器具ボックス21が、面材107の開口部50の周縁部を前後から圧着することにより、当該面材107に支持(固定)される。このような構成によって、配線器具ボックス21は、右側が縦材106aに固定されると共に、前側が面材107によって固定される。つまり、配線器具ボックス21は、二方向から固定されるので、例えば右側だけが(一方向からだけ)固定された場合と比較して、より強固に固定される。
【0043】
また、載置台13を配線器具ボックス21に固定するときには、載置手段側接続端子部34が、接続配線41を介して格納手段側接続端子部38に接続される。
この際、上述の如く格納手段側接続端子部38を配線器具ボックス21の左右方向(長軸方向)及び上下方向(短軸方向)において略中央に配置したことにより、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との間の距離が比較的短くなる。例えば、格納手段側接続端子部38が中央から右側に寄っていた場合と比較して、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との間の距離が短くなる。したがって、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38とを接続する接続配線41の長さを短くすることができる。また、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との接続(組み付け)を比較的容易とすることができる。
【0044】
このように、載置台13は、正面視で配線器具ボックス21の中央に配置しておらず、いずれか一側に偏って配置されていても(本実施形態においては、左側及び右側)載置台13の載置手段側接続端子部34と配線器具ボックス21の格納手段側接続端子部38との間の距離を短くすることができる。つまり、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38とを接続する接続配線41の長さを短くすることができる。また、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との接続(建物用メディア再生システム1の組み付け)を比較的容易とすることができる。
【0045】
また、載置台13の大きさは、配線器具ボックス21の大きさに対応するものでなくてよい。すなわち、本実施形態において、載置台13は、配線器具ボックス21の六つの載置手段固定用取付孔21aのうち、四つの載置手段固定用取付孔21aが室内に露出する(当該開口部50の内側に配置される)大きさに形成された開口部50よりも大きな外径を有する壁面取付部31を備える構成であればよい。したがって、配線器具ボックス21が比較的大きな部材として形成されていた場合であっても、室内に配置される載置台13は比較的小さな部材として形成することができる。その結果、建物用メディア再生システム1の意匠性を向上させることができる。
【0046】
また、図8に示すように、本実施形態では、格納手段側接続端子部38は、載置台13が正面視で配線器具ボックス21の左部又は右部に配置されている場合であっても、正面からの(載置台13の配線器具ボックス21に対する取付け方向の)投影視において、当該載置台13の内側に配置されている。このような構成によって、載置台13の載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との間の距離が短くなる。より詳細には、格納手段側接続端子部38と載置手段側接続端子部34との間の左右方向の距離は、載置台13の壁面取付部31の外径よりも短くすることができる。したがって、載置台13を配線器具ボックスに取り付ける場合に、格納手段側接続端子部38と載置手段側接続端子部34とを接続する接続配線41が、載置台13と面材107の開口部50の周縁部との間に挟まることを防止することができる。つまり、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38との接続(建物用メディア再生システム1の組み付け)を比較的容易とすることができる。
【0047】
次に、第二実施形態に係る、載置台13を配線器具ボックス21に固定する方法について図9及び図10を用いて説明する。
【0048】
まず、図9を用いて、載置台13を正面視で配線器具ボックス21の右部に固定する方法について説明する。なお、第一実施形態に係る、載置台13を配線器具ボックス21に固定する方法と同一構成の部分については、その説明を省略する。
また、図9においては、配線器具ボックス21を屋内側から見て左側の縦材106aに固設しているが、右側の縦材106aに固設している構成であってもよい(図10参照)。
【0049】
間仕切パネル105の室内側の面材107には、載置台13に設けられた四つの取付孔31aと対応する四つの取付孔107aが設けられている。また、室内側の面材107には、配線器具ボックス21の格納手段側接続端子部38と対応する位置に接続端子用孔107bが設けられている。
【0050】
配線器具ボックス21は内側から見て左側の縦材106aに固設されている場合、載置台13は、配線器具ボックス21の右側寄りに配置する。具体的には、配線器具ボックス21の載置手段固定用取付孔21aのうち、上辺中央側、上辺右側、下辺中央側、及び下辺右側の計四箇所に設けた載置手段固定用取付孔21aを用いて載置台13を配線器具ボックス21に固設する。載置台13の取付孔31a前面から螺子61を貫入し、対応する取付孔107aを通って、配線器具ボックス21の載置手段固定用取付孔21aへ螺設することにより、載置台13を面材107及び配線器具ボックス21へ固定する。また、配線器具ボックス21は、螺子61によって面材107に支持される。
【0051】
また、載置手段側接続端子部34に接続された接続配線41は、格納手段側接続端子部38に接続されている。具体的には、接続配線手段の端部に設けられたコネクタ41aを接続端子用孔107bから間仕切パネル105内部へ導き、配線器具ボックス21内の格納手段側接続端子部38と接続することにより、接続配線41が格納手段側接続端子部38に接続されている。
【0052】
次に、図10を用いて、載置台13を正面視で配線器具ボックス21の左部に固定する方法について説明する。なお、第一実施形態に係る、載置台13を配線器具ボックス21に固定する方法と同一構成の部分については、その説明を省略する。
また、図10においては、配線器具ボックス21を屋内側から見て左側の縦材106aに固設しているが、右側の縦材106aに固設している構成であってもよい(図9参照)。
【0053】
間仕切パネル105の室内側の面材107には、載置台13に設けられた四つの取付孔31aと対応する四つの取付孔107aが設けられている。また、室内側の面材107には、配線器具ボックス21の格納手段側接続端子部38と対応する位置に接続端子用孔107bが設けられている。
【0054】
配線器具ボックス21は内側から見て左側の縦材106aに固設されている場合、載置台13は、配線器具ボックス21の左側寄りに配置する。具体的には、配線器具ボックス21の載置手段固定用取付孔21aのうち、上辺中央側、上辺左側、下辺中央側、及び下辺左側の計四箇所に設けた載置手段固定用取付孔21aを用いて載置台13を配線器具ボックス21に固設する。載置台13の取付孔31a前面から螺子61を貫入し、対応する取付孔107aを通って、配線器具ボックス21の載置手段固定用取付孔21aへ螺設することにより、載置台13を面材107及び配線器具ボックス21へ固定する。また、配線器具ボックス21は、螺子61によって面材107に支持される。
【0055】
また、載置手段側接続端子部34に接続された接続配線41は、格納手段側接続端子部38に接続されている。具体的には、接続配線手段の端部に設けられたコネクタ41aを接続端子用孔107bから間仕切パネル105内部へ導き、配線器具ボックス21内の格納手段側接続端子部38と接続することにより、接続配線41が格納手段側接続端子部38に接続されている。
【0056】
以上のように、建物用メディア再生システム1は、
建物に配設されたスピーカー11(再生手段)によってメディア再生装置100に記憶された情報を再生する建物用メディア再生システムであって、
建物の室内に配置され、前記メディア再生装置100を載置可能であって、当該メディア再生装置100を載置したときに当該メディア再生装置100と電気的に接続される載置手段側接続端子部34を備える載置台13(載置手段)と、
建物の壁面内部に配置され、前記載置手段側接続端子部34と電気的に接続される格納手段側接続端子部38を備えて前記載置台13(載置手段)が室内側から取り付けられる配線器具ボックス21(格納手段)と、を設け、
前記配線器具ボックス21(格納手段)には、前記載置手段側接続端子部34へ電力を供給する電源17(電力供給部)と、前記メディア再生装置100と前記スピーカー11(再生手段)との間に接続されて当該メディア再生装置100からの出力を増幅させる増幅装置37(増幅部)と、が格納され、前記格納手段側接続端子部38が当該電源17(電力供給部)及び当該増幅装置37(増幅部)よりも中央側に配置されるものである。
【0057】
また、建物用メディア再生システム1は、
前記格納手段側接続端子部38は、前記載置台13(載置手段)の前記配線器具ボックス21(格納手段)に対する取付け方向の投影視において、当該載置台13(載置手段)の内側に配置されるものである。
【0058】
このような構成によって、建物用メディア再生システム1は、
載置台13(載置手段)が取り付けられる配線器具ボックス21(格納手段)が、建物の壁面内部に配置されるので、電源17(電力供給部)及び増幅装置37(増幅部)、さらに接続配線41などの接続手段が室内に露出することがなく、見栄えが良くなり意匠性を向上させることができる。
また、格納手段側接続端子部38、電源17(電力供給部)、及び増幅装置37(増幅部)が一つの部材である配線器具ボックス21(格納手段)に格納されるので、各部材の組み付けが煩雑とならず、比較的容易とすることができる。
また、格納手段側接続端子部38が電源17(電力供給部)及び増幅装置37(増幅部)よりも中央側に配置される。したがって、配線器具ボックス21(格納手段)に対する載置台13(載置手段)の取付け位置が中央に配置されていなくても(いずれか一側へ偏って配置されていても)、載置手段側接続端子部34と格納手段側接続端子部38とを比較的容易に接続することができる(建物用メディア再生システム1の組み付けを比較的容易とすることができる)。
【符号の説明】
【0059】
1 建物用メディア再生システム
11 スピーカー
13 載置台(載置手段)
17 電源(電力供給部)
21 配線器具ボックス(格納手段)
21b 枠固定用取付孔(取付孔)
34 載置手段側接続端子部
37 増幅装置(増幅部)
38 格納手段側接続端子部
100 メディア再生装置
105 間仕切パネル
106 方形枠(枠体)
106a 縦材
106b 横材
107 面材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に配設された再生手段によってメディア再生装置に記憶された情報を再生する建物用メディア再生システムであって、
建物の室内に配置され、前記メディア再生装置を載置可能であって、当該メディア再生装置を載置したときに当該メディア再生装置と電気的に接続される載置手段側接続端子部を備える載置手段と、
建物の壁面内部に配置され、前記載置手段側接続端子部と電気的に接続される格納手段側接続端子部を備えて前記載置手段が室内側から取り付けられる格納手段と、を設け、
前記格納手段には、前記載置手段側接続端子部へ電力を供給する電力供給部と、前記メディア再生装置と前記再生手段との間に接続されて当該メディア再生装置からの出力を増幅させる増幅部と、が格納され、前記格納手段側接続端子部が当該電力供給部及び当該増幅部よりも中央側に配置される、
建物用メディア再生システム。
【請求項2】
前記格納手段側接続端子部は、前記載置手段の前記格納手段に対する取付け方向の投影視において、当該載置手段の内側に配置される、
建物用メディア再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−252283(P2012−252283A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126804(P2011−126804)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【出願人】(500396632)株式会社ライジング (1)
【Fターム(参考)】