説明

建設機械の油圧駆動装置

【課題】建設機械の状態がエンジンを停止させるのに適切な状態かどうかを確実に判定することができる建設機械の油圧駆動装置を提供すること。
【解決手段】メインポンプ13と、このメインポンプ13の吐出量を制御圧Pcで制御するレギュレータ15と、メインポンプ13を駆動するエンジン16と、建設機械の所定状態が所定時間継続した場合にエンジン16を停止させるエンジン停止手段83と、制御圧Pcを検出する圧力センサ72とを備えている。エンジン停止手段83は、圧力センサ72により検出された制御圧Pcが所定の圧力値Pc1対よりも低いかどうかの判定を、建設機械の所定状態であるかどうかの判定として行う制御信号判定手段84を有し、制御圧Pcが所定の圧力値Pc1よりも低いとの判定結果を得た場合にエンジン16を停止させる。所定の圧力値Pc1はメインポンプ13の吐出量を、建設機械での使用上の下限に制御する圧力値である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の所定状態が所定時間継続した場合に、エンジンを停止させる建設機械の油圧駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の油圧駆動装置としては、建設機械の運転席の側部近傍に設けられたゲートロックレバー(ゲートバー)と、このゲートロックレバーの位置に応じてエンジンを停止させるエンジン停止手段とを備えたものが考案されている。ゲートロックレバーは、乗降口に斜めに突出して乗降口を閉鎖する閉鎖位置と、運転席の側方に退避して乗降口を開放する開放位置とに切換操作されるものである。このゲートロックレバーに対しては、ゲートロックレバーが閉鎖位置にあることを検知してゲート閉信号を出力し、ゲートロックレバーが開放位置にあることを検知してゲート開信号を出力する位置検知手段が設けられている。エンジン停止手段は、位置検知手段からゲート開信号が出力された状態で、すなわちゲートロックレバーが開放位置にある状態で所定時間経過した場合に、エンジンを停止させるよう設定されている。ゲートロックレバーは建設機械のオペレータがキャビンから退出する際に閉鎖位置から開放位置に切換操作される。つまり、建設機械のオペレータがエンジンを停止させずにキャビンから退出して所定時間が経過すると、エンジンが停止する。これによって、燃料の浪費の低減、および、排ガスに起因する地球温暖化などの環境破壊の低減に寄与することができる。(特許文献1参照)
【0003】
また、前述の油圧駆動装置とは別の従来の油圧駆動装置には、排ガス浄化装置を備えたものがある。この排ガス浄化装置は、エンジンの排気管に設けられた排気フィルタを有し、この排気フィルタにより排ガスに含まれる粒子状物質を捕捉する。この排気フィルタが粒子状物質により目詰まりした場合、油圧駆動装置はその粒子状物質を燃焼させて排気フィルタから除去するための、すなわち排気フィルタの機能を再生させるための再生制御を行う。この再生制御は、例えばエンジンにより駆動される可変容量形油圧ポンプの吐出圧と吐出流量とを上昇させる制御であり、これによってエンジンに与えられる負荷を上昇させ、排ガスの温度を粒子状物質が燃焼するのに十分な温度まで上昇させる。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3811169号公報
【特許文献2】特許第3073380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の排ガス浄化装置を備えた油圧駆動装置には、ゲートロックレバーが開放位置に操作された状態において再生制御を行うものがある。この油圧駆動装置の場合、ゲートロックレバーが開放位置に保持されてから所定時間経過した時点でエンジンが停止されてしまうと、前述した排気フィルタの再生制御が十分に行われず、排気フィルタの機能が十分に再生されない可能性がある。
【0006】
また、ゲートロックレバーが開放位置に操作された状態では、油圧回路内で作動油を循環させて作動油を暖めるための暖機運転が行われることもある。この暖機運転の際は、可変容量形油圧ポンプの吐出量を建設機械の使用上の下限よりも大きく制御した状態で、エンジンにより可変容量形油圧ポンプを駆動する。この暖機運転も、ゲートロックレバーが開放位置に保持されてから所定時間経過した時点でエンジンが停止されると、十分な暖機が行われないまま終了されてしまうことになる。
【0007】
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、建設機械の状態がエンジンを自動的に停止させるのに適切な状態かどうかを確実に判定することができる建設機械の油圧駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために本発明は次のように構成されている。
【0009】
〔1〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、可変容量形油圧ポンプと、この可変容量形油圧ポンプの吐出量を制御信号により制御する吐出量制御手段と、前記可変容量形油圧ポンプを駆動するエンジンと、建設機械の所定状態が所定時間継続した場合に前記エンジンを停止させるエンジン停止手段とを備えた建設機械の油圧駆動装置において、前記制御信号を検出する信号検出手段をさらに備え、前記エンジン停止手段は、前記信号検出手段により検出された制御信号の信号値が所定の信号値よりも低いかどうかの判定を、前記所定状態であるかどうかの判定として行う制御信号判定手段を有し、この制御信号判定手段によって制御信号の信号値が所定の信号値よりも低い信号値であるとの判定結果を得た場合に前記エンジンを停止させるよう設定されていることを特徴とする。
【0010】
この「〔1〕」に記載の油圧駆動装置において、エンジン停止手段は、吐出量制御手段の制御信号の信号値が所定の信号値よりも低い信号値であるとの判定結果を制御信号判定手段によって得た場合に、エンジンを停止する。つまり、建設機械の状態がエンジンを停止させるのに適切な状態かどうかを制御信号判定手段によって確実に判定することができる。
【0011】
〔2〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、「〔1〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記所定の信号値は前記可変容量形油圧ポンプの吐出量を、建設機械での使用上の下限に制御する信号値であることを特徴とする。なお、可変容量形油圧ポンプの吐出量について、建設機械での使用上の下限には、可変容量形油圧ポンプの仕様上(性能上)の最小吐出量にほぼ一致するよう設定されたものと、その最小吐出量よりも大きく設定されたものとがある。
【0012】
この「〔2〕」に記載の油圧駆動装置において、吐出量の建設機械の使用上の下限の状態は、排気フィルタの再生制御も作動油を暖める暖機運転も行われない状態、すなわち、エンジンを停止させるのに適切な状態である。
【0013】
〔3〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、可変容量形油圧ポンプと、この可変容量形油圧ポンプを駆動するエンジンと、建設機械の所定状態が所定時間継続した場合に前記エンジンを停止させるエンジン停止手段とを備えた建設機械の油圧駆動装置において、前記可変容量形油圧ポンプの吐出量を検出する吐出量検出手段をさらに備え、前記エンジン停止手段は、前記吐出量検知手段により検出された吐出量が所定の吐出量以下であるかどうかの判定を、前記所定状態であるかどうかの判定として行う吐出量判定手段を有し、この吐出量検出手段によって吐出量が所定の吐出量以下であるとの判定結果を得た場合に前記エンジンを停止させるよう設定されていることを特徴とする。
【0014】
この「〔2〕」に記載の油圧駆動装置において、エンジン停止手段は、吐出量が所定の吐出量よりも小さいという判定結果を吐出量判定手段によって得た場合にエンジンを停止する。つまり、建設機械の状態がエンジンを停止させるのに適切な状態かどうかを吐出量判定手段によって確実に判定することができる。
【0015】
〔4〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、「〔3〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記所定の吐出量は、建設機械での使用上の下限よりも小さい吐出量であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、前述したように、建設機械の状態がエンジンを停止させるのに適切な状態かどうかを確実に判定することができる。これにより、適切に排気フィルタの再生制御、暖機運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る油圧駆動装置が適用される建設機械としての油圧ショベルの左側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る油圧駆動装置の油圧回路図である。
【図3】図2に示した操作レバー装置により生成されるパイロット圧と圧力制御弁により生成される制御圧(制御信号)との関係を示す図である。
【図4】図2に示したメインポンプ(可変容量形油圧ポンプ)の吐出量の、図3に示した制御圧(制御信号)に対する特性を示す図である。
【図5】図2に示したコントローラにより行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図2に示した特性とは異なる可変容量形油圧ポンプの吐出量の制御圧に対する特性を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る油圧駆動装置の油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1,第2実施形態に係る建設機械の油圧駆動装置ついて説明する。
【0019】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る建設機械の油圧駆動装置について図1〜図5を用いて説明する。
【0020】
図1に示すように、油圧ショベル1は、履帯を駆動して走行する走行体2と、走行体2に旋回自在に結合している旋回体3と、旋回体3の前部の略中央に設けられたフロント作業装置4とを有する。旋回体3は、フロント作業装置4の左側方に設けられたキャビン3aと、旋回体3の後端部を形成しているカウンタウェイト3cと、キャビン3aの後方からカウンタウェイト3cの間に亘って形成された機械室3bとを有する。フロント作業装置4はバックホウタイプであり、旋回体3の前部に上下方向に回動自在に結合しているブーム4aと、このブーム4aに回動自在に結合しているアーム4bと、このアーム4bに回動自在に結合しているバケット4cとを有する。
【0021】
油圧ショベル1は、走行体2、旋回体3、フロント作業装置4をそれぞれ駆動するための複数の油圧アクチュエータを備えている。それら複数の油圧アクチュエータは、具体的には、走行体2の左右の履帯をそれぞれ駆動する左走行モータ(図示してない)および右走行モータ(図示してない)、旋回体3を駆動する旋回モータ(図示してない)、ブーム4aを駆動するブームシリンダ10、アーム4bを駆動するアームシリンダ11、バケット4cを駆動するバケットシリンダ12である。これらの油圧アクチュエータには、図2に示す可変容量型油圧ポンプから成るメインポンプ13の吐出油が供給される。このメインポンプ13はエンジン16により駆動される。
【0022】
メインポンプ13は、斜板14aの傾転により吐出量を可変にする可変機構部14と、この可変機構部14を駆動するレギュレータ15とを有する。レギュレータ15は油圧から成る制御信号、すなわち制御圧Pcを与えられて動作し、可変機構部14を駆動する。メインポンプ13からアーム制御弁19等に圧油を導くメイン管路17には、リリーフ弁18が接続されている。このリリーフ弁18によりメインポンプ13の吐出圧の上限が規定されている。
【0023】
メインポンプ13と左走行モータとの間、メインポンプ13と右走行モータとの間、メインポンプ13と旋回モータとの間、メインポンプ13とブームシリンダ10との間、メインポンプ13とアームシリンダ11との間、メインポンプ13とバケットシリンダ12との間のそれぞれにはそれらの油圧アクチュエータの動作を制御する油圧パイロット式制御弁が設けられている。各制御弁は、それぞれ左走行モータ、右走行モータ、旋回モータ、ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12などの油圧アクチュエータに供給される圧油の流れの方向と流量を制御するものである。図2には、図の簡略化のため、それらの制御弁のうちアーム制御弁19のみを描き、また、左走行モータ、右走行モータ、旋回モータ、ブームシリンダ10、アームシリンダ11およびバケットシリンダ12を代表させてアーム制御弁19に対応するアームシリンダ11を描いた。
【0024】
エンジン16はメインポンプ13とともに、定容量形油圧ポンプから成るパイロットポンプ20も駆動している。キャビン3a内には、図示してないが、左走行操作レバー装置、右走行操作レバー装置、旋回・アーム操作レバー装置、ブーム・バケット操作レバー装置が設けられている。これらの操作レバー装置は、供給管路21を介してパイロットポンプ20の吐出圧を供給され、前出の各制御弁のそれぞれに与えるパイロット圧を生成する。供給管路21にはリリーフ弁22が接続されており、このリリーフ弁22によりパイロットポンプ20の吐出圧の上限が規定されている。図2には図の簡略化のため、それらの操作レバー装置のうち前出のアーム制御弁19を操作する操作レバー装置23のみを描いた。
【0025】
供給管路21には、パイロットポンプ20から操作レバー装置23への圧油の供給を遮断可能なゲートロック弁24が設けられている。このゲートロック弁24はスプリングリターン式の電磁弁であり、このゲートロック弁24のノーマル位置は遮断位置Sに設定されており、作動位置は連通位置Rに設定されている。連通位置Rはパイロットポンプ20と操作レバー装置23とを連通させる弁位置であり、遮断位置Sはパイロットポンプ20と操作レバー装置23との間を遮断しつつ操作レバー装置23を作動油タンク25とを連通させる弁位置である。
【0026】
キャビン3a内の運転席の側部近傍には、ゲートロックレバー26が設けられている。このゲートロックレバー26は、キャビン3aへの乗降口に斜めに突出して乗降口を閉鎖する閉鎖位置と、運転席の側方に退避して乗降口を開放する開放位置とに切り換え操作されるものである。ゲートロックレバー26に対しては、ゲートロックレバー26が閉鎖位置にあることを検知してゲート閉信号を出力し、ゲートロックレバー26が開放位置にあることを検知してゲート開信号を出力するレバースイッチ27が設けられている。これらゲート閉信号およびゲート開信号は、コントローラ80に対して出力されるようになっている。
【0027】
コントローラ80は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムおよびデータを記憶したROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として利用されるRAM(Random Access Memory)等を備えており、ROMに記憶された制御プログラムおよびデータをCPUを読み出して、油圧ショベルの制御に関する処理を行うものである。このコントローラ80はレバースイッチ27からのゲート閉信号を入力したことを契機にゲートロック弁24のソレノイド24aに電流を供給して弁位置を遮断位置Sから連通位置Rに切り換え、レバースイッチ27からのゲート開信号を入力したときにソレノイド24aへの電流の供給を停止してゲートロック弁24の弁位置を連通位置Rから遮断位置Sに復帰させる。
【0028】
操作レバー装置23からアーム制御弁19の油圧パイロット部19a,19bのそれぞれには、パイロット管路34,35が延びている。パイロット管路34,35のそれぞれには、高圧優先形シャトル弁37の1対の入口のそれぞれが接続されている。この高圧優先形シャトル弁37は、パイロット管路34内の圧力とパイロット管路35内の圧力のうちいずれか高い方を、圧力制御弁38を操作するパイロット圧として選択する弁である。圧力制御弁38は、高圧優先形シャトル弁37からパイロット管路36を通じてパイロット圧を導入する油圧パイロット部38aと、供給管路21から分岐した第1分岐管路39を通じてパイロットポンプ20の吐出圧を導入する入口38bと、レギュレータ15に与える制御圧Pcを吐出する出口38cとを有する。制御圧Pcは前述のようにレギュレータ15を制御する制御信号である。圧力制御弁38の弁位置は油圧パイロット部38aに与えられるパイロット圧Paに応じて変化し、これによってパイロットポンプ20の吐出圧から制御圧Pcが生成される。圧力制御弁38はメインポンプ13の吐出量を制御信号により制御する吐出量制御手段である。
【0029】
図3に示すように、制御圧Pcは、ゲートロック弁24の弁位置が連通位置Rとなっている状態において、圧力制御弁38の油圧パイロット部38aに与えられるパイロット圧Paは、操作レバー装置23のレバー操作量の増大に伴って上昇する。このパイロット圧Paの上昇に比例して制御圧Pc1から上昇する。ゲートロック弁24の弁位置が遮断位置Sのときには、第1分岐管路39は供給管路21とゲートロック弁24とを介して作動油タンク25に連通しており、操作レバー装置23によるパイロット圧Paの生成は行われないので、圧力制御弁38により生成される制御圧Pcはタンク圧Pt(ほぼゼロ〔Pa〕)となる。メインポンプ13の吐出量Qと制御圧Pcとの関係は、図4に示すように、制御圧Pcが「0≦Pc≦Pc1」の範囲において吐出量QはQminであり、制御圧Pcが「Pc1<Pc」の範囲において吐出量Qが制御圧Pcに比例するよう設定されている。制御圧Pc1は、ゲートロック弁24の弁位置が連通位置Rとなっている状態において、圧力制御弁38により生成される最小の制御圧であり、また、メインポンプ13の吐出量Qを、油圧ショベル1での使用上の下限、例えば最小吐出量Qminに規定する圧力である。なお、油圧ショベル1での使用上の吐出量Qの下限は、メインポンプ13の仕様上(性能上)の最小吐出量Qminに限るものではなく、最小吐出量より大きくてもよい。
【0030】
図2に戻り、エンジン16の排気管50には、排ガス浄化装置51が設けられている。この排ガス浄化装置51は、排気管50を通過する排ガス中の粒子状物質を捕捉する排気フィルタ(図示してない)と、この排気フィルタの上流側の排ガス圧と下流側の排ガス圧の差圧を検出して差圧検出信号(電気信号)に変換する差圧センサ51aが設けられている。排ガス浄化装置51の排気フィルタの目詰まり量が増加すると、排ガスの流路抵抗が増大して上流側の排ガス圧が下流側よりも高くなる。差圧センサ51aは、その流路抵抗の増加に起因する差圧を検出して差圧検出信号を前出のコントローラ80に対し出力する。
【0031】
コントローラ80は再生制御手段81を有する。この再生制御手段81はROMに記憶された制御プログラムおよびデータにより設定されたものであり、差圧検出信号が所定の差圧以上の差圧を示すものかどうかと、レバースイッチ27からのゲート開信号の入力状態であるかどうかの判定を行い、差圧検出信号が所定の差圧以上の差圧を示し、かつ、レバースイッチ27からのゲート開信号の入力状態であるとの判定結果を得た場合に、排気フィルタの再生制御を行う。所定の差圧とは、排気フィルタの機能を再生する必要がある程度に目詰まりが生じた場合の差圧として設定されたものである。再生制御では比例電磁弁52が制御される。この比例電磁弁52はソレノイド52aに電流が供給されることで作動する比例電磁式の圧力制御弁であり、パイロットポンプ20の吐出圧を第2分岐管路53を通じて入口52bから導入する。この比例電磁弁52は、この比例電磁弁52の作動時に、パイロットポンプ20の吐出圧から制御圧Pcを生成して出口52cから吐出する。このときの制御圧Pcは、メインポンプ13の吐出量が再生用吐出量になる圧力値の制御圧Pc3(Pc3>Pc1)に設定されている。この再生用吐出量は、排ガスの温度を粒子状物質が燃焼するのに十分な温度まで上昇させる負荷をエンジン16に与えることを目的として設定されたものである。なお、再生制御においてメインポンプ13の吐出量のみではなくメインポンプ13の吐出圧も上昇させることができるよう、すなわち吐出量と吐出圧の両方によりエンジン16に負荷を与えることができるよう、コントローラ80により電気操作可能な可変絞りをメイン管路17に追加してよい。
【0032】
キャビン3a内には、操作されて暖機指令信号(電気信号)を出力する暖機スイッチ60が設けられている。コントローラ80は、暖機制御手段82を備えている。この暖機制御手段82はROMに記憶された制御プログラムおよびデータにより設定されたものであり、暖機スイッチ60からの暖機指令信号を入力した場合に暖機制御を行うものである。この暖機制御では、ソレノイド52aに電流を供給して比例電磁弁52を作動させる。このときの制御圧Pcは、メインポンプ13の吐出量が暖機運転用吐出量になる圧力値の制御圧Pc4(Pc4>Pc1)に設定されている。暖機用吐出量は、油圧回路内で作動油を循環させることにより、作動油を暖めること、すなわち暖機運転を行うことを目的として設定されるものである。
【0033】
比例電磁弁52の出口52cおよび前出の圧力制御弁38の出口38cのそれぞれは、高圧優先形シャトル弁70の1対の入口のそれぞれに接続されている。高圧優先形シャトル弁70により選択された高圧側の圧力は、レギュレータ15に制御圧Pcとして与えられることになる。第2分岐管路53は、パイロットポンプ20が生起させる圧油の流れの方向においてゲートロック弁24よりも上流側にあり、これに対し前出の第1分岐管路39はゲートロック弁24よりも下流にある。したがって、ゲートロック弁24の弁位置が遮断位置Sに制御された状態は、比例電磁弁52および圧力制御弁38のうち比例電磁弁52により生成される制御弁Pcによってのみメインポンプ13のレギュレータ15が制御可能な状態となる。
【0034】
高圧優先形シャトル弁70からレギュレータ15に制御圧Pcを導く制御管路71には、レギュレータ15に与えられる制御圧Pc(制御信号)を検出する信号検出手段である、圧力センサ72が設けられている。この圧力センサ72により検出された制御圧Pcは電気信号から成る圧力検出信号に変換されてコントローラ80に対し出力される。
【0035】
第1実施形態においては、特に、コントローラ80は、油圧ショベル1が所定状態の場合にエンジン16を停止させるエンジン停止手段16を備えている。エンジン16には、CPU、ROM、RAM等を備えて燃料噴射装置を制御するエンジンコントローラ16aが付設されており、このエンジンコントローラ16aに対しエンジン停止手段16は燃料噴射装置の停止を指令するエンジン停止処理を行うことによって、エンジン16を停止させる。エンジン停止手段83はROMに記憶された制御プログラムおよびデータにより設定されたものであり、油圧ショベル1が所定状態かどうかを判定するための手段として、制御信号判定手段84およびタイマ85を有する。
【0036】
制御信号判定手段84は、その圧力検出信号に基づく制御圧Pc(制御信号)の圧力値(信号値)が、所定の圧力値よりも低いかどうかを判定するものである。その所定の圧力値は、メインポンプ13の吐出量を油圧ショベル1での使用上の下限(本実施形態では最小吐出量Qmin)に制御する圧力値、すなわち、ゲートロック弁24の弁位置が連通位置Rとなっている状態であって操作レバー装置23のレバー操作量がゼロの状態のときに圧力制御弁38により生成される制御圧Pc1の圧力値である。制御信号判定手段84は、その制御圧Pc1よりも小さくタンク圧よりも大きな閾圧Pc2を予め記憶しており、圧力検出信号に基づく制御圧Pcがその閾圧Pc2よりも低いかどうかを判定するよう設定されている。
【0037】
タイマ85は、圧力検出信号に基づく制御圧Pcがその閾圧Pc2よりも低いとの判定結果を得てから所定時間T、例えば3分が経過したかどうかを、クロック周波数に基づき判定するものである。
【0038】
第1実施形態に係る油圧駆動装置は、ゲートロックレバー26が開放位置に操作された状態において、次の「(1)」,「(2)」,「(3)」のように動作する。
【0039】
(1) 再生制御を行う場合の動作
ゲートロックレバー26が閉鎖位置から開放位置に操作されると、ゲートロック弁24の弁位置は連通位置Rから遮断位置Sに切り換わる。このとき、レバースイッチ27がゲート開信号を出力し、このゲート開信号をコントローラ80は入力する。一方、コントローラ80は、排ガス浄化装置51の差圧センサ51aからの差圧検出信号も入力する。そして、コントローラ80の再生制御手段81は、ゲート開信号を入力した状態で、差圧検出信号が所定の差圧以上かどうかを判定する。今回、再生制御手段81は、差圧検出信号が所定の差圧以上であると判定したとする。つまり、排気フィルタに機能を再生させる必要のある目詰まりが生じていることが検知されたとする。この場合、再生制御手段81は再生制御を行う。つまり、ソレノイド52aに電流を供給して比例電磁弁52を作動させ、これにより比例電磁弁52はパイロットポンプ20の吐出圧から制御圧Pc3を生成して出口52cから吐出する。今は、ゲートロック弁24の弁位置が遮断位置Sであるので、圧力制御弁38により生成される制御圧Pcはタンク圧Pt(ほぼゼロ〔Pa〕)であり、したがって比例電磁弁52により生成された制御圧Pc3が、高圧優先形シャトル弁70および制御管路71を通じてメインポンプ13のレギュレータ15に与えられ、メインポンプ13の吐出流量が最小吐出量Qminから再生用吐出量に上昇する。この結果、エンジン16の負荷が上昇し、排ガスの温度が粒子状物質を燃焼させるのに十分な温度まで上昇して、排気フィルタの目詰まりが除去される、すなわち排気フィルタの機能が再生される。
【0040】
このように再生制御が行われている間、メインポンプ13のレギュレータ15に与えられている制御圧Pc3を圧力センサ72は検出し、検出された制御圧Pc3に相応する圧力検出信号を出力する。この圧力検出信号をコントローラ80は入力する。これに伴い、コントローラ80においては、図5に示すように、エンジン停止手段83の制御信号判定手段84が圧力検出信号に示された制御圧Pc3が閾圧Pc2よりも低いかどうかを判定するとともに(ステップS1)、タイマ85による計時を開始する。今回、エンジン停止手段83は、制御信号判定手段84により制御圧Pc3が閾圧Pc2よりも高いという判定結果を得て(ステップS1でNO)、タイマ85をリセットする(ステップS4)。つまり、エンジン停止手段83は、エンジン16によるメインポンプ13の駆動が必要な状態である、すなわち油圧ショベル1はエンジン16を停止させるのに不適切な状態であると判定して、エンジン16の停止処理を行わない。
【0041】
(2) 暖機制御を行う場合の動作
暖機スイッチ60が操作されて暖機指令信号を出力すると、この暖機指令信号をコントローラ80は入力する。これに伴い、コントローラ80の暖機制御手段82は暖機制御を行う。つまり、比例電磁弁52をソレノイド52aに電流を供給して作動させ、これにより比例電磁弁52はパイロットポンプ20の吐出圧から制御圧Pc4を生成して出口52cから吐出する。今は、ゲートロック弁24の弁位置が遮断位置Sであり、したがって圧力制御弁38により生成される制御圧Pcはタンク圧(ほぼゼロ〔Pa〕)であるので、比例電磁弁52により生成された制御圧Pc4が、高圧優先形シャトル弁70および制御管路71を通じてメインポンプ13のレギュレータ15に与えられ、メインポンプ13の吐出流量が最小吐出量Qminから暖機用吐出量に上昇する。この結果、作動油は油圧回路内で循環して暖まる。
【0042】
このように暖機制御が行われている間、圧力センサ72は、メインポンプ13のレギュレータ15に与えられている制御圧Pc4を検出し、検出された制御圧Pc4に相応する圧力検出信号を出力する。この圧力検出信号をコントローラ80は入力する。これに伴い、コントローラ80においては、図5に示すように、エンジン停止手段83の制御信号判定手段84が圧力検出信号に示された制御圧Pc4が閾圧Pc2よりも低いかどうかを判定するとともに(ステップS1)、タイマ85による計時を開始する。今は、回は暖機制御中であるので、エンジン停止手段83は、制御信号判定手段84により制御圧Pc4が閾圧Pc2よりも高いという判定結果を得て(ステップS1でNO)、タイマ85をリセットする(ステップS4)。つまり、エンジン停止手段83は、エンジン16によるメインポンプ13の駆動が必要な状態である、すなわち油圧ショベル1はエンジン16を停止させるのに不適切な状態であると判定して、エンジン16の停止処理を行わない。
【0043】
(3) 再生制御および暖機制御を行わない場合の動作
コントローラ80が再生制御も暖機制御も行わない場合、比例電磁弁52により生成される制御圧Pcはタンク圧(ほぼ0〔Pa〕)である。このとき、圧力制御弁38により生成される制御圧Pcも、ゲートロック弁24の弁位置が遮断位置Sであるので、タンク圧である。つまり、高圧優先形シャトル弁70および制御管路71を通じてメインポンプ13のレギュレータ15に与えられる制御圧Pcはタンク圧Ptとなる。このタンク圧Ptとを圧力センサ72は検出し、検出されたタンク圧Ptに相応する圧力検出信号をコントローラ80に出力する。この圧力検出信号をコントローラ80は入力する。これに伴い、コントローラ80においては、図5に示すように、エンジン停止手段83の制御信号判定手段84が圧力検出信号に示された制御圧Pcが閾圧Pc2よりも低いかどうかを判定するとともに(ステップS1)、タイマ85による計時を開始する。そして、今回、制御圧Pcはタンク圧Ptであるので、エンジン停止手段83は制御信号判定手段84により制御圧Pcが閾圧Pc2よりも低いという判定結果を得る(ステップS1でYES)。そして、タイマ85により所定時間T(3分)を計時するまでの間、制御圧Pcが閾圧Pc2よりも低いという判定を繰り返し(ステップS2でNO→ステップS1でYESの繰り返し)、制御圧Pcが閾圧Pc2よりも低いという判定結果を得続けた場合(ステップS2でYES)、エンジン停止処理を行い、エンジンコントローラ16aに燃料噴射装置の停止を指令する(ステップS3)。つまり、エンジン停止手段83は、エンジン16によるメインポンプ13の駆動が必要ない状態である、すなわち油圧ショベル1はエンジン16を停止させるのに適切な状態であると判定して、エンジン16を停止させる。
【0044】
このようにしてエンジン16を停止させることにより、例えばオペレータが直ぐ戻るつもりでエンジン16を停止させずにキャビン3aから退出し、その後、所定時間T(3分)経過してもキャビン3aに戻らない場合に、燃料の浪費の低減、および、排ガスに起因する地球温暖化などの環境破壊の低減に寄与することができる。
【0045】
なお、タイマ85により所定時間T(3分)を計時される前に、暖機制御が開始された場合、および、再び油圧ショベル1を動作させた場合など、制御圧Pcが閾圧Pc2を超えて上昇した場合には、「ステップS2でNO→ステップS1でNO→ステップS4」というルーチンの処理を行い、エンジン16を停止させない。
【0046】
第1実施形態に係る油圧駆動装置によれば次の効果を得られる。
【0047】
第1実施形態に係る油圧駆動装置において、エンジン停止手段83は、エンジン16を停止させる際、レギュレータ15の制御圧Pcが閾圧Pc2よりも低いかどうか、すなわちメインポンプ13の吐出量を油圧ショベル1での使用上の下限(最小吐出量Qmin)に制御する制御圧Pc1よりも低いかどうかを、制御信号判定手段84により判定する。メインポンプ13の吐出量が油圧ショベル1での使用上の下限よりも小さい状態では、排気フィルタの再生制御も作動油を暖める暖機運転も行われない状態、すなわち、エンジン16を停止させるのに適切な状態である。つまり、第1実施形態に係る油圧駆動装置は、油圧ショベル1の状態がエンジン16を停止させるのに適切な状態かどうかを制御信号判定手段84によって確実に判定することができる。
【0048】
なお、前述の第1実施形態に係る油圧駆動装置は、メインポンプ13(可変容量形油圧ポンプ)を備えている。このメインポンプ13は、吐出量Qと制御圧Pcとの関係が図4に示す特性を有するものであったが、本発明における可変容量形油圧ポンプの特性は図4に示すものに限定されるものではなく、図6に示す特性、すなわち、制御圧Pcが「0<Pc」の範囲において吐出量Qが制御圧Pcに比例する特性であってもよい。この場合、制御圧Pc1は、メインポンプ13の吐出量Qを油圧ショベル1での使用上の下限を、例えば最小吐出量Qminよりも大きな吐出量Q1に規定する圧力ものである。
【0049】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る油圧駆動装置について図6,図7を用いて説明する。
【0050】
第2実施形態に係る油圧駆動装置は、第1実施形態でのメインポンプ13の替わりに、は図6に示した特性を有するメインポンプ90を有する。このメインポンプ90を有することに対応して、第1実施形態での圧力センサ72の替わりに傾転角センサ91が設けられ、さらにエンジン停止手段83は第1実施形態での制御信号判定手段84の替わりに吐出量判定手段92を有する。
【0051】
傾転角センサ91は可変機構部14の斜板14aの傾転角を検出して、検出された傾転角に相応する傾転角検出信号をコントローラ80に出力するものであり、メインポンプ90の吐出量を検出する吐出量検出手段として設けられている。
【0052】
吐出量判定手段92は、傾転角センサ91(吐出量検知手段)により検出された傾転角が、メインポンプ90の吐出量の油圧ショベル1での使用上の下限(吐出量Q1)よりも小さい吐出量、例えば最小吐出量Qmin(図6参照)に相応するものであるかどうかを判定するものである。エンジン停止手段83は、メインポンプ90の吐出量Qが最小吐出量Qminであるとの判定結果を得た場合にエンジン16を停止させる。
【0053】
このように構成された第2実施形態において、コントローラ80での処理は、図5に示したフローチャートと一部異なる。具体的には、ステップS1において、吐出量判定手段92による判定、すなわち、傾転角センサ91(吐出量検知手段)により検出された傾転角が、最小吐出量Qminに相応するものであるかどうかの判定が行われる点が異なる。この点以外は、図5に示したものと同じである。
【0054】
第2実施形態に係る油圧駆動装置によれば次の効果を得られる。
【0055】
第2実施形態に係る油圧駆動装置において、排気フィルタの再生制御も作動油を暖める暖機運転も、制御圧Pcを制御圧Pc1をよりも高い制御圧(Pc3,Pc4)に制御して、すなわちメインポンプ90の吐出量Qを油圧ショベル1での使用上の下限(吐出量Q1)よりも大きくして行われる。つまり、メインポンプ90の吐出量Qが油圧ショベル1での使用上の下限よりも小さい最小吐出量Qminの状態は、再生制御も暖機運転も行われない状態、すなわちエンジン16を停止させるのに適切な状態である。エンジン停止手段83は、エンジン16を停止させる際、傾転角センサ91により検出された傾転角に相応するメインポンプ90の吐出量が最小吐出量Qminであるかどうかを、吐出量判定手段92により判定し、メインポンプ90の吐出量Qが最小吐出量Qminであるとの判定結果を得た場合にエンジン16を停止させる。これにより、油圧ショベル1の状態がエンジン16を停止させるのに適切な状態かどうかを確実に判定することができる。
【0056】
なお、前述の第2実施形態に係る油圧駆動装置において、吐出量判定手段92は、最小吐出量Qminを判定の基準として、メインポンプ90の吐出量が油圧ショベル1での使用上の下限(吐出量Q1)よりも小さい吐出量であるかどうかを判定していた。本発明において、判定の基準となる吐出量は最小吐出量Qminに限定されるものではなく、下限の吐出量Q1よりも小さく最小吐出量Qminよりも大きな吐出量であってもよい。この場合、吐出量判定手段92に替わる吐出量判定手段は、メインポンプ90の吐出量が所定の吐出量以下であるかどうかを判定するものである。
【符号の説明】
【0057】
1 油圧ショベル
13 メインポンプ(可変容量形油圧ポンプ)
14 可変機構部
14a 斜板
15 レギュレータ
16 エンジン
16a 燃料噴射装置
38 圧力制御弁(吐出量制御手段)
72 圧力センサ
80 コントローラ
83 エンジン停止手段
84 制御信号判定手段
85 タイマ

90 メインポンプ(可変容量形油圧ポンプ)
91 傾転角センサ(吐出量検出手段)
92 吐出量判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変容量形油圧ポンプと、この可変容量形油圧ポンプの吐出量を制御信号により制御する吐出量制御手段と、前記可変容量形油圧ポンプを駆動するエンジンと、建設機械の所定状態が所定時間継続した場合に前記エンジンを停止させるエンジン停止手段とを備えた建設機械の油圧駆動装置において、
前記制御信号を検出する信号検出手段をさらに備え、
前記エンジン停止手段は、前記信号検出手段により検出された制御信号の信号値が所定の信号値よりも低いかどうかの判定を、前記所定状態であるかどうかの判定として行う制御信号判定手段を有し、この制御信号判定手段によって制御信号の信号値が所定の信号値よりも低い信号値であるとの判定結果を得た場合に前記エンジンを停止させるよう設定されている
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の油圧駆動装置において、
前記所定の信号値は前記可変容量形油圧ポンプの吐出量を、建設機械での使用上の下限に制御する信号値である
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
【請求項3】
可変容量形油圧ポンプと、この可変容量形油圧ポンプを駆動するエンジンと、建設機械の所定状態が所定時間継続した場合に前記エンジンを停止させるエンジン停止手段とを備えた建設機械の油圧駆動装置において、
前記可変容量形油圧ポンプの吐出量を検出する吐出量検出手段をさらに備え、
前記エンジン停止手段は、前記吐出量検知手段により検出された吐出量が所定の吐出量以下であるかどうかの判定を、前記所定状態であるかどうかの判定として行う吐出量判定手段を有し、この吐出量検出手段によって吐出量が所定の吐出量以下であるとの判定結果を得た場合に前記エンジンを停止させるよう設定されている
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の建設機械の油圧駆動装置において、
前記所定の吐出量は、建設機械での使用上の下限よりも小さい吐出量である
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−162960(P2011−162960A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24448(P2010−24448)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】