説明

弾性率が小さなHNP層および弾性率が大きなHNP層を具備するゴルフボール

【課題】酸コポリマーを適用して、所望のスピン性能、フィーリング、反発係数を実現する構造のゴルフボールを提供する。
【解決手段】低弾性率のHNP組成物(酸コポリマー)から生成された層および高弾性率のHNP組成物から生成された層を具備する。例えば3つの層を具備し、これは内側コア層、外側コア層およびオプションの中間コア層を含む。どの層が弾性率の小さなHNP組成物から生成されているか、または、どの層が弾性率の大きなHNP組成物から生成されているかに、制約されない。この発明の低弾性率のHNP組成物は、弾性率が1000psiから50000psiの高度に中和された酸コポリマーを有する。この発明の高弾性率のHNP組成物は、弾性率が25000psiから150000psiの高度に中和された酸コポリマーを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は弾性率が小さなHNP組成物から生成された層と弾性率が大きなHNP組成物から製造された層とを有するゴルフボールに向けられている。この発明は、双方の層がゴルフボール内に存在する限り、どの層が弾性率の小さなHNP組成物から生成されているか、または、どの層が弾性率の大きなHNP組成物から生成されているかに、制約されない。
【背景技術】
【0002】
従来のゴルフボールは2つの概略的なクラス、すなわちソリッドおよび糸巻に分けることができる。ソリッドゴルフボールは、ワンピース、ツーピース(すなわちソリッドコアおよびカバー)、および多層(すなわち、1または複数層からなるソリッドコア、および/または、1または複数層からなるカバー)ゴルフボールを含む。糸巻ゴルフボールは、典型的には、引っ張られた弾性材料により包囲されたソリッド、空洞、または液体充填のセンタと、カバーとを含む。
【0003】
ゴルフボールのコアおよびカバー層は典型的にはポリマー組成物から構成され、これは例えばポリブタジエンゴム、ポリウレタン、ポリアミド、アイオノマー、およびこれらのブレンドを含む。アイオノマー、とくに硬度に中和されたアイオノマーは、その強靱性、耐久性、広範囲にわたる硬度値から、ゴルフボール層の好ましいポリマー群である。
【0004】
高度に中和された酸ポリマーを有するゴルフボール組成物は知られている。例えば、米国特許出願公開2003/0130434(特許文献1)は、溶融処理可能な高度に中和されたエチレン酸コポリマーと、脂肪族、単官能性有機酸を酸コポリマー中に導入して、その後、現存のすべての酸基の90%より多くを中和してそれらを製造する方法とを開示しており、その内容は参照してここに組み入れる。そのような組成物を種々のゴルフボール層中に使用することを開示している。また、米国特許出願公開2005/0148725(特許文献2)は、(a)酸コポリマー、(b)高分子量、モノマー性の有機酸、(c)熱可塑性樹脂、(d)カチオン源、(e)オプションとしてフィラーを有する、高弾力性の熱可塑性組成物を開示しており、その内容は参照してここに組み入れる。この参考文献は、高弾力性の熱可塑性組成物を有する、ワンピース、ツーピース、スリーピース、および多層のゴルフボールを開示している。
【0005】
ゴルフボールに高度に中和された酸コポリマーを種々に利用することは開示されているけれども、所望のスピン、フィーリング、およびCORの特性を伴う具体的なゴルフボール構造に高度に中和された酸コポリマーを広く適用することがこの業界において依然として必要とされている。この発明は、弾性率が小さなHNP組成物から製造される層と弾性率が大きなHNP組成物から製造される層とを利用することによりそのようなゴルフボール構造を実現する。
【特許文献1】米国特許出願公開2003/0130434
【特許文献2】米国特許出願公開2005/0148725
【発明の開示】
【0006】
1実施例において、この発明は、内側コア層、外側コア層、およびカバー層を有するゴルフボールに向けられている。内側コア層は、弾性率が1000psiから50000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸/アルキルアクリレート(またはアルキルメタクリレート)コポリマーを有する低弾性率のHNP組成物から生成される。外側コア層は、弾性率が45000psiから150000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸コポリマーを有する高弾性率のHNP組成物から生成される。低弾性率のHNP組成物の高度に中和されたコポリマーの弾性率は、高弾性率のHNP組成物の高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも10%小さい。
【0007】
他の実施例では、この発明は、内側コア層、外側コア層、およびカバー層を有するゴルフボールに向けられている。内側コア層は、弾性率が25000psiから150000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸コポリマーを有する高弾性率のHNP組成物から生成される。外側コア層は、弾性率が1000psiから50000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸/アルキルアクリレート(またはアルキルメタクリレート)コポリマーを有する低弾性率のHNP組成物から生成される。低弾性率のHNP組成物の高度に中和されたコポリマーの弾性率は、高弾性率のHNP組成物の高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも10%小さい。
【0008】
他の実施例において、この発明は、内側コア層、外側コア層、当該内側コア層および外側コア層の間に配された中間コア層ならびカバー層を有するゴルフボールに向けられている。内側コア層はジエンゴム組成物を有し、中間コア層は低弾性率のHNP組成物から生成され、かつ外側コア層は高弾性率のHNP組成物から生成される。低弾性率のHNP組成物は、弾性率が1000psiから50000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸/アルキルアクリレート(またはアルキルメタクリレート)コポリマーを有する。高弾性率のHNP組成物は、弾性率が45000psiから150000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸コポリマーを有する。低弾性率のHNP組成物の高度に中和されたコポリマーの弾性率は、高弾性率のHNP組成物の高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも10%小さい。
【0009】
さらに他の実施例において、この発明は、内側コア層、外側コア層、当該内側コア層および外側コア層の間に配された中間コア層ならびカバー層を有するゴルフボールに向けられており、内側コア層はジエンゴム組成物を有し、中間コア層は高弾性率のHNP組成物から生成され、かつ外側コア層は低弾性率のHNP組成物から生成される。高弾性率のHNP組成物は、弾性率が25000psiから150000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸コポリマーを有する。低弾性率のHNP組成物は、弾性率が1000psiから50000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸/アルキルアクリレート(またはアルキルメタクリレート)コポリマーを有する。低弾性率のHNP組成物の高度に中和されたコポリマーの弾性率は、高弾性率のHNP組成物の高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも10%小さい。
【発明の詳細な説明】
【0010】
この発明のゴルフボールは、高度に中和された酸ポリマー(「HNP」)組成物から生成された少なくとも2つの層を具備する。より具体的には、この発明のゴルフボールは、弾性率が小さなHNP組成物から生成された少なくとも1つの層と、弾性率が大きなHNP組成物から生成された少なくとも1つの層とを具備する。
【0011】
ここで用いられるように、「高度に中和された酸ポリマー」は、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは100%の酸基が中和された後の酸ポリマーを指す。
【0012】
ここで用いられるように、「弾性率」(modulus)はASTM D790−Bに従う標準フレックスバーを用いて測定される曲げ弾性率である。
【0013】
弾性率が小さなHNP組成物
この発明の低弾性率のHNP組成物は、下限が1000または5000または10000psiかつ上限が17000または25000または28000または30000または35000または45000または50000または55000psiの範囲の弾性率の少なくとも1つの弾性率が小さなHNPを有する。具体的な実施例では、低弾性率のHNPの弾性率は、高弾性率のHNPの弾性率より、少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%小さい。
【0014】
この発明の低弾性率のHNPは酸コポリマーの塩である。低弾性率のHNPは2またはそれ以上の低弾性率のHNPのブレンドであってよいと理解されている。低弾性率のHNPの酸コポリマーはO/X/Y型のコポリマーであり、ここで、Oはα−オレフィン、XはC−Cのα,β−エチレン系不飽和カルボン酸、Yは軟化用モノマーである。Oは好ましくはエチレンである。Xは、好ましくは、(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸から選択される。(メタ)アクリル酸がとりわけ好ましい。ここで使用される「(メタ)アクリル酸」はメタアクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」はメタクリラートおよび/またはアクリレートを意味する。Yは、好ましくは、アルキル(メタ)アクリレートであり、アクリル基は1から8個の炭素原子を有する。好ましいO/X/Yタイプのコポリマーは、Oがエチレン、Xが(メタ)アクリル酸、そしてYが(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、およびエチル(メタ)アクリレートであるコポリマーである。より好ましいO/X/Yタイプのコポリマーは、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレートである。
【0015】
低弾性率HNPの酸コポリマーは、典型的には、コポリマーの全重量を基準にして、少なくとも15wt%、または少なくとも25wt%、または少なくとも40wt%、または少なくとも60wt%のα−オレフィンを含む。酸コポリマー中のC−Cのα,β−エチレン系の不飽和のカルボン酸の量は、典型的には、コポリマーの全重量を基準にして、下限が1または4または6または8または10または15wt%で上限が20または35または40wt%の範囲内である。酸コポリマー中の軟化用モノマーの量は、典型的には、酸コポリマーの全重量を基準にして、下限が1または3または5または11または15または20wt%で上限が23または25または30または35または50の範囲である。
【0016】
低弾性率のHNPにとくに適切な酸コポリマーは、超低弾性率アイオノマー(「VLMI−」、very low modulusu ionomer)型のエチレン−酸コポリマー、例えば、Surlyn(商標)6320、Surlyn(商標)8120、Surlyn(商標)8320、Surlyn(商標)9320である。Surlyn(商標)アイオノマーは、E.I.DuPont社から商業的に入手可能である。また、DuPont(商標)HPF1000、DuPont(商標)HPF2000も適切であり、これもE.I.DuPont社から商業的に入手可能である。
【0017】
低弾性率HNPの他の適切な酸コポリマーは、例えば、米国特許出願公開2005/0148725、同2005/0020741、同2004/0220343、および同2003/0130434、および米国特許第5691418号、同第6562906号、同第6653382号、同第6777472号、同第6762246号、および同第6815480号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0018】
好ましい実施例では、低弾性率のHNPは、オプションとして部分的に中和されている酸コポリマーを、分子量が大きな有機酸またはその塩の存在下で、十分な量のカチオン源と反応させて、全部の酸基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは100%が中和されるようにして、製造される。酸コポリマーは分子量が大きな有機酸またはその塩と、カチオン源と同時に反応させて良く、または、酸コポリマーはカチオン源を添加するのに先立って分子量が大きな有機酸と反応させてよい。
【0019】
適切な高分子量の有機酸は、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、飽和モノ官能性有機酸、不飽和モノ官能性有機酸、マルチ不飽和モノ官能性有機酸、およびそれらのダイマー誘導体である。適切な有機酸の具体的な例は、これに限定されないが、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸、安息香酸、パルミチン酸、フェニル酢酸、ナフタレノン酸、それらのダイマー誘導体、およびその組み合わせを含む。高分子の有機酸の塩は、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、飽和モノ官能性有機酸、不飽和モノ官能性有機酸、マルチ不飽和モノ官能性有機酸、それらのダイマー誘導体、およびその組み合わせの塩、具体的には、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、およびカルシウムのそれぞれの塩を有する。適切な有機酸およびその塩は例えば米国特許第6756436号により詳細に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0020】
適切なカチオン源はアルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の金属イオンおよび化合物;希土類元素の金属イオンおよび化合物;シリコーン、シランおよび珪酸塩誘導体および錯体配位子;およびそれらの組み合わせを含む。好ましいカチオン源は、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、亜鉛、錫、リチウム、および希土類金属の金属イオンおよび化合物である。酸コポリマーは、当該酸コポリマーをカチオン源に接触させて低弾性率のHNPを生成するのに先立って少なくとも部分的に中和させてよい。アイオノマーを準備する方法は周知であり、例えば米国特許第3264272号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。の酸ポリマーは、すべてのモノマーを同時に添加してポリマーを重合するダイレクトコポリマーであってよく、これは例えば米国特許第4351931号に記載されており、参照してその内容をここに組み入れる。代替的には、酸ポリマーは、既存のポリマーにモノマーがグラフト化されるグラフトコポリマーであってよく、これは例えば米国特許出願公開2002/0013413に記載されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0021】
この発明の低弾性率のHNP組成物は、オプションとして1または複数のメルトフロー修正剤を含んでも良い。組成物中のメルトフロー修正剤の量は、ASTM D−1238、条件E、190°Cで、2160グラムの錘を用いて測定したときに、組成物のメルトフロー指数が少なくとも0.1g/10分、好ましくは0.5g/10分〜10.0g/10分、さらに好ましくは1.0g/10分〜6.0g/10分の範囲であるように、容易に決定される。
【0022】
適切なメルトフロー修正剤は、これに限定されないが、高分子量の有機酸およびその塩、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素、多価アルコール、およびそれらの組み合わせを含む。適切な有機酸は、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、飽和モノ官能性有機酸、不飽和モノ官能性有機酸、マルチ不飽和モノ官能性有機酸、およびそれらのダイマー誘導体である。適切な有機酸の具体的な例は、これに限定されないが、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸、安息香酸、パルミチン酸、フェニル酢酸、ナフタレノン酸、それらのダイマー誘導体を含む。適切な有機酸は例えば米国特許第6756436号により詳細に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0023】
この発明の組成物中に使用して好適な付加的なメルトフロー修正剤は、米国特許出願11/216725および同11/216726に記載されている非脂肪酸メルトフロー修正剤を含み、その開示内容は参照してここに組み入れる。
【0024】
この発明の低弾性率のHNP組成物は、低弾性率のHNP組成物の全重量を基準にして、50wt%以下、または30wt%以下、または15wt%以下の量のオプションの添加物および/またはフィラーを含む。適切な添加物およびフィラーは、これに限定されないが、化学膨張および発泡剤、光学的明色化剤、着色剤、蛍光剤、白色剤、UV吸収剤、光安定剤、消泡剤、処理助剤、雲母、タルク、ナノフィラー、酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、香料成分、可塑剤、衝撃修正剤、TiO、酸コポリマーワックス、界面活性剤、およびフィラー、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、クレイ、タングステン、炭化タングステン、シリカ、鉛シリケート、リグランド(リサイクルした材料)、およびこれらの混合物を含む。適切な添加剤は例えば米国特許出願公開2003/0225197に十分に説明されており、参照してここに組み入れる。
【0025】
この発明の低弾性率のHNP組成物は、オプションとして高弾性率のHNPを含んでよい。
【0026】
この発明の低弾性率のHNP組成物の硬度は、下限が40または50または55ショアDで上限が70または80または87ショアCの範囲である。
【0027】
具体的な実施例では、低弾性率のHNP組成物の水蒸気透過率は8g−mil/100in/日以下(すなわち3.2g−mm/m日以下)、または、5g−mil/100in/日以下(すなわち2.0g−mm/m日以下)、または、3g−mil/100in/日以下(すなわち1.2g−mm/m日以下)、または、2g−mil/100in/日以下(すなわち0.8g−mm/m日以下)、1g−mil/100in/日以下(すなわち0.4g−mm/m日以下)、または1g−mil/100in/日未満(すなわち0.4g−mm/m日未満)である。ここで用いられるように、水蒸気透過率(MVTR)はg−mil/100in/日で与えられ、20°Cで測定され、ASTM F1249−99に従う。この実施例の好ましい側面では、低弾性率のHNP組成物は通常のマンガンをベースにしたカチオン源より親水性が小さなカチオン源を用いて準備された低弾性率のHNPを含む。適切な水蒸気耐性のHNP組成物は例えば米国特許11/270066および米国特許出願公開2005/0267240に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0028】
この発明の低弾性率のHNP組成物は、どのような具体的な製造方法や製造装置に限定されない。好ましい実施例では、組成物はつぎのような方法で準備される。酸ポリマー(1または複数)、好ましくは、VLMI−型のエチレン−酸ターポリマー、高分子量の有機酸(1または複数)またはその塩(1または複数)、およびオプションとして添加物/フィラーを同時にまたは個別に、溶融押出機、例えば、シングルまたはツインスクリュー押出機に供給する。適切な量のカチオン源を、同時にまたは事後に添加して、存在するすべての酸基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは100%が中和されるようにする。上記のプロセスに先立って酸ポリマーが少なくとも部分的に中和されていてよい。各成分は十分に混合された後、金型ヘッドからストランドとして押し出される。
【0029】
この発明の低弾性率のHNP組成物は、1または複数の付加的なポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーおよびエラストマーをブレンドしてよい。ブレンドするのに適した熱可塑性ポリマーの例は、これに限定されないが、二相性(bimodal)アイオノマー(例えば米国特許出願公開2004/0220343および米国特許第6562906号および同第6762246号に開示されているようなものであり、その内容は参照してここに組み入れる)、ロジン修正アイオノマー(modified with rosin、例えば米国特許出願公開2005/0020741に開示されているようなものであり、その内容は参照してここに組み入れる)、柔軟かつ弾力のあるエチレンコポリマー(例えば米国特許出願公開2003/0114565に開示されるようなものであり、その内容は参照してここに組み入れる)、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリラクトン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、スチレン−アクリロニトリル樹脂、スチレンマレイン酸無水物、ポリイミド、芳香族ポリケトン、アイオノマーおよびアイオノマー先駆体、酸コポリマー、通常のHNP、ポリウレタン、グラフト化または非グラフト化メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合ポリマー、高結晶性酸ポリマー、カチオン性アイオノマー、およびこれらの組み合わせを含む。ブレンドの適した具体的なポリオレフィンは1または複数の線形または分岐または環状のC−C40のオレフィン、具体的には、1または複数のC−C40のオレフィン、C−C20のα−オレフィン、または、C−C10のα−オレフィンで共重合したエチレンまたはプロピレンを含むポリマーである。ブレンドに適した具体的な従来のHNPは、これに限定されないが、米国特許第6756436号、同第6894098号、および同第6953820号に開示されている1または複数のHNPを含み、その開示内容は参照してここに組み入れる。この発明のポリマーにブレンドするのに適したエラストマーの例は、すべての天然および合成ゴムを含み、これに限定されないが、エチレンプロピレンゴム(「EPR」)、エチレンプロピレンジエンゴム(「EPDM」)、スチレンブロックコポリマーゴム(例えばSI、SIS、SB、SBS、SIBS等であり、「S」はスチレン、「I」はイソブチレン、「B」はブタジエンである)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのコポリマー、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのハロゲン化コポリマー、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエンのアクリロニトリルによるコポリマー、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、およびポリブタジエンゴム(シスおよびトランス)を含む。さらに他の適切なブレンドポリマーは米国特許第5981658号、例えばその第14欄、第30−56行に開示されているものを含み、参照してその内容をここに組み入れる。ここに説明されているブレンドは、リアクターの後のブレンドにより、リアクターブレンドと直列にリアクターを結合することにより、また、同一のリアクターに複数の触媒を用いて複数種類のポリマーを製造することにより、製造できる。ポリマーは押出機に入れる前に混合してもよいし、押出機中で混合してもよい。
【0030】
具体的に適した低弾性率のHNP組成物は、これに限定されないが、米国特許出願公開2005/0148725に開示されている高弾力性の熱可塑性組成物;米国特許第6653382号、同第6777472号および米国特許出願公開2003/0130434に開示されている高度に中和されたエチレンコポリマー;および米国特許第6815480に開示されている高弾力性の熱可塑性エラストマー組成物を含み、これらの内容は参照してここに組み入れる。
【0031】
弾性率が大きなHNP組成物
この発明の高弾性率のHNP組成物は、下限が25000または27000または30000または40000または45000または50000または55000または60000psiかつ上限が72000または75000または100000または150000psiの範囲の弾性率の少なくとも1つの弾性率が大きなHNPを有する。
【0032】
この発明の高弾性率のHNPは酸コポリマーの塩である。高弾性率のHNPは2またはそれ以上の高弾性率のHNPのブレンドであってよいと理解されている。好ましい酸コポリマーは、α−オレフィンおよびC−Cのα,β−エチレン系不飽和カルボン酸のコポリマーである。酸は、典型的には、酸コポリマーの全重量を基準にして、下限が1または10または12または15または20wt%で上限が25または30または35または40wt%の範囲の量だけある。α−オレフィンは好ましくはエチレンおよびプロピレンから選択される。酸は、好ましくは、(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸から選択される。(メタ)アクリル酸がとりわけ好ましい。好ましい実施例では、高弾性率のHNPは低弾性率のHNPより酸のレベルが大きい。
【0033】
適切な酸コポリマーは、部分的に中和されている酸ポリマーを含む。適切な部分的に中和されている酸ポリマーの例は、これに限定されないが、E.I.DuPont社から商業的に入手可能なSurlyn(商標)アイオノマー;Honeywell International社から商業的に入手可能なAClyn(商標)アイオノマー;およびExxonMobile Chemical社から商業的に入手可能なIotek(商標)アイオノマーを含む。付加的な適切な酸ポリマーは例えば米国特許第6953820号、同第6762246号、および同第6953820号ならびに米国特許出願公開2005/0049367、同2005/0020741、および同2004/0220343に記載されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。
【0034】
好ましい実施例では、高弾性率のHNPは、酸コポリマーを、十分な量のカチオン源と反応させて、全部の酸基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは100%が中和されるようにして、製造される。適切なカチオン源はアルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の金属イオンおよび化合物;希土類元素の金属イオンおよび化合物;シリコーン、シランおよび珪酸塩誘導体および錯体配位子;およびそれらの組み合わせを含む。好ましいカチオン源は、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、亜鉛、錫、リチウム、および希土類金属の金属イオンおよび化合物である。カルシウムおよびマグネシウムの金属イオンおよび化合物がとりわけ好ましい。酸コポリマーは、当該酸コポリマーをカチオン源に接触させて高弾性率のHNPを生成するのに先立って少なくとも部分的に中和させてよい。先に説明したように、アイオノマーを準備する方法やアイオノマーのベースとなる酸コポリマーを準備する方法は、例えば米国特許第3264272号および同第4351931号ならびに米国特許出願公開2002/0013413に開示されている。
【0035】
この発明の高弾性率のHNP組成物は、オプションとして1または複数のメルトフロー修正剤を含んでも良い。組成物中のメルトフロー修正剤の量は、ASTM D−1238、条件E、190°Cで、2160グラムの錘を用いて測定したときに、組成物のメルトフロー指数が少なくとも0.1g/10分、好ましくは0.5g/10分〜10.0g/10分、さらに好ましくは1.0g/10分〜6.0g/10分の範囲であるように、容易に決定される。
【0036】
適切なメルトフロー修正剤は、これに限定されないが、高分子量の有機酸およびその塩、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素、多価アルコール、およびそれらの組み合わせを含む。適切な有機酸は、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、飽和モノ官能性有機酸、不飽和モノ官能性有機酸、マルチ不飽和モノ官能性有機酸、およびそれらのダイマー誘導体である。適切な有機酸の具体的な例は、これに限定されないが、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸、安息香酸、パルミチン酸、フェニル酢酸、ナフタレノン酸、それらのダイマー誘導体を含む。適切な有機酸は例えば米国特許第6756436号により詳細に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0037】
この発明の組成物中に使用して好適な付加的なメルトフロー修正剤は、米国特許出願11/216725および同11/216726に記載されている非脂肪酸メルトフロー修正剤を含み、その開示内容は参照してここに組み入れる。
【0038】
この発明の高弾性率のHNP組成物は、低弾性率のHNP組成物の全重量を基準にして、下限が0または5または10wt%で上限が25または30または50wt%の範囲の量のオプションの添加物および/またはフィラーを含む。適切な添加物およびフィラーは、この発明の低弾性率のHNP組成物に適したものとして説明したものを含む。
【0039】
高弾性率のHNP、オプションのメルトフロー修正剤、およびオプションの添加物および/またはフィラーに加えて、この発明の高弾性率のHNP組成物は、オプションとして低弾性率のHNPを含んでよい。
【0040】
具体的な実施例では、高弾性率のHNP組成物のMVTRは8g−mil/100in/日以下(すなわち3.2g−mm/m日以下)、または、5g−mil/100in/日以下(すなわち2.0g−mm/m日以下)、または、3g−mil/100in/日以下(すなわち1.2g−mm/m日以下)、または、2g−mil/100in/日以下(すなわち0.8g−mm/m日以下)、1g−mil/100in/日以下(すなわち0.4g−mm/m日以下)、または1g−mil/100in/日未満(すなわち0.4g−mm/m日未満)である。この実施例の好ましい側面では、高弾性率のHNP組成物は通常のマンガンをベースにしたカチオン源より親水性が小さなカチオン源を用いて準備された高弾性率のHNPを含む。適切な水蒸気耐性のHNP組成物は例えば米国特許11/270066および米国特許出願公開2005/0267240に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0041】
この発明の高弾性率のHNP組成物は、どのような具体的な製造方法や製造装置に限定されない。好ましい実施例では、組成物はつぎのような方法で準備される。酸ポリマー(1または複数)、好ましくは、エチレン/(メタ)アクリル酸コポリマー、オプションのめるトフロー修正剤、およびオプションの添加物/フィラーを同時にまたは個別に、溶融押出機、例えば、シングルまたはツインスクリュー押出機に供給する。適切な量のカチオン源を、同時にまたは事後に添加して、存在するすべての酸基の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは100%が中和されるようにする。上記のプロセスに先立って酸ポリマーが少なくとも部分的に中和されていてよい。各成分は十分に混合された後、金型ヘッドからストランドとして押し出される。
【0042】
他の実施例では、低弾性率のHNPに、十分な量の1または複数の付加的な材料(これには添加物、フィラー、およびポリマー材料を含むがこれに限定されない)を混合して弾性率を増大させ、最終的な組成物が当該高弾性率のHNP組成物に関して説明した弾性率を有するようにして、高弾性率のHNP組成物は製造する。
【0043】
この発明のHNP組成物を1または複数の付加的なポリマー、例えば、熱可塑性ポリマーおよびエラストマーとブレンドしてよい。ブレンドに適した熱可塑性ポリマーおおびエラストマーの例は、この発明の低弾性率のHNP組成物にブレンドするのに適したものとして説明したものを含む。
【0044】
ゴルフボールへの適用
この発明のゴルフボールは、低弾性率のHNP組成物から生成された少なくとも1つの層と、高弾性率のHNP組成物から生成された少なくとも1つの層とを有する。好ましい実施例では、この発明は二重コアとカバーとを具備するゴルフボールを実現し、ここで、二重コアが低弾性率のHNP組成物から生成された層と、高弾性率のHNP組成物から生成された層とを有する。
【0045】
ここに開示されるゴルフボールに適切なカバー層材料は、これに限定されないが、アイオノマー樹脂およびそのブレンド(具体的にはSurlyn(商標)アイオノマー)、ポリウレタン、ポリ尿素、(メタ)アクリル酸、熱可塑性ゴムポリマー、ポリエチレン、および合成または天然加硫ゴム、例えばバラタを含む。カバー層材料として用いるときに、ポリウレタンおよびポリ尿素は熱硬化性でも熱可塑性でもよい。熱硬化性材料は、通常の注型または反応性射出成型技術により、ゴルフボール層へと製造できる。熱可塑性材料は、通常の圧縮または射出成型技術によりゴルフボール層へと製造できる。光安定性のポリ尿素またはポリウレタンが外側カバー層の材料として好ましい。他の適切なカバーおよびゴムコア材料は例えば米国特許出願公開2005/0164810、米国特許第5919100号ならびにPCT刊行物WO00/23519および同WO00/29129に開示されており、これらの内容は参照してここに組み入れる。この発明の1実施例では、ゴルフボールに単一層のカバーが設けられ、カバー層の材料は好ましくはポリウレタンおよびポリ尿素から選択される。この発明の複数の実施例では、ゴルフボールに二重カバーが設けられ、内側のカバー層が好ましくは高弾性率の熱可塑性材料であり、外側カバー層が好ましくはポリウレタンおよびポリ尿素から選択される。
【0046】
この発明は、どのようなゴルフボール層の具体的な製造方法に限定されない。層は任意の適切な技術で製造でき、これには射出成型、圧縮成型、注型、および反応性射出成型が含まれる。
【0047】
ここに開示される実施例では、低弾性率のHNP組成物および/または高弾性率のHNP組成物は、発泡化され、あるいは密度調整材料で充填され、所望のゴルフボール性能特性を実現するようにできる。
【0048】
この発明のゴルフボールコアは、二重コアおよびマルチ層コアを含み、典型的には、100未満のAtti圧縮を有し、好ましくは、下限が20または50で上限が80または90または100の範囲内のAtti圧縮を有する。この発明のゴルフボールコアの125ft/sの反発係数(「COR」coefficient of restitution)は少なくとも0.75であり、好ましくは少なくとも0.78、より好ましくは少なくとも0.79である。ここで用いられるCORはボールが剛体板に発射されたときの入力速度に対するリバウンド速度の比として定義される。CORを決定する際に、入力速度は125ft/sと理解されている。
【0049】
この発明のゴルフボールのAtti圧縮は、典型的には120未満であり、好ましくは下限が60または75で上限が105または110または120の範囲内である。この発明のゴルフボールの125ft/sの反発係数(「COR」)は典型的には少なくとも0.75であり、好ましくは少なくとも0.78であり、より好ましくは少なくとも0.79である。
【0050】
二重コア/単一カバーのゴルフボール
1実施例において、この発明は、低弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層、高弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および単一層のカバーを有するゴルフボールを実現する。この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は80以下、または70以下、または65以下である。この実施例のさらに他の側面によれば、内側コア層の組成物の低弾性率のHNPの弾性率は下限が1000または5000または10000psiで上限が17000または28000または30000または50000psiの範囲であり、外側コア層の組成物の高弾性率のHNPの弾性率は下限が45000または55000または60000psiで上限が72000または75000または100000または150000psiの範囲である。
【0051】
他の実施例において、この発明は、高弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層、低弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および単一層のカバーを有するゴルフボールを実現する。この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は少なくとも80、より好ましくは、下限がた80または90または100で上限が130または140の範囲である。この実施例のさらに他の側面によれば、内側コア層の組成物の高弾性率のHNPの弾性率は下限が25000または27000psiで上限が72000または75000または100000または150000psiの範囲であり、外側コア層の組成物の低弾性率のHNPの弾性率は下限が1000または5000または10000psiで上限が28000または30000または50000psiの範囲である。
【0052】
二重コア/二重カバーのゴルフボール
他の実施例において、この発明は、低弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層、高弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および二重カバーを有するゴルフボールを実現する。この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;二重カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.060インチで上限が0.075または0.090または0.110インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は80以下、または70以下、または65以下である。この実施例のさらに他の側面によれば、内側コア層の組成物の低弾性率のHNPの弾性率は下限が1000または5000または10000psiで上限が17000または28000または30000または50000psiの範囲であり、外側コア層の組成物の高弾性率のHNPの弾性率は下限が45000または55000または60000psiで上限が72000または75000または100000または150000psiの範囲である。
【0053】
他の実施例において、この発明は、高弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層、低弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および二重カバーを有するゴルフボールを実現する。この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;二重カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.060インチで上限が0.075または0.090または0.110インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は少なくとも80、より好ましくは、下限がた80または90または100で上限が130または140の範囲である。この実施例のさらに他の側面によれば、内側コア層の組成物の高弾性率のHNPの弾性率は下限が25000または27000psiで上限が72000または75000または100000または150000psiの範囲であり、外側コア層の組成物の低弾性率のHNPの弾性率は下限が1000または5000または10000psiで上限が28000または30000または50000psiの範囲である。
【0054】
多層コアのゴルフボール
この発明によれば、いくつかの実施例において、低弾性率のHNPベースの層および高弾性率のHNPベースの層を採用することにより、通常のゴムベースの層が不要になることがわかった。ただし、この発明のいくつかの実施例において通常のゴムベースの層を含むことが好ましいかもしれないことがわかる。
【0055】
したがって、1実施例において、この発明はつぎのものを有するゴルフボールを実現する。
(a)ゴム組成物を有する内側コア層
(b)低弾性率のHNP組成物から生成された中間コア層
(c)高弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および
(d)1または複数の層を具備するカバー
【0056】
この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;中間コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.150または0.220または0.280インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は80以下、または70以下、または65以下である。この実施例のさらに他の側面によれば、中間コア層の組成物の低弾性率のHNPの弾性率は下限が1000または5000または10000psiで上限が17000または28000または30000または50000psiの範囲であり、外側コア層の組成物の高弾性率のHNPの弾性率は下限が45000または55000または60000psiで上限が72000または75000または100000または150000psiの範囲である。
【0057】
他の実施例において、この発明はつぎのものを有するゴルフボールを実現する。
(a)低弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層
(b)ゴム組成物を有する中間コア層
(c)高弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および
(d)1または複数の層を具備するカバー
【0058】
この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;中間コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.150または0.220または0.280インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は80以下、または70以下、または65以下である。
【0059】
他の実施例において、この発明はつぎのものを有するゴルフボールを実現する。
(a)低弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層
(b)ゴム組成物を有する中間コア層
(c)高弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および
(d)1または複数の層を具備するカバー
【0060】
この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;中間コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.150または0.220または0.280インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は80以下、または70以下、または65以下である。
【0061】
他の実施例において、この発明はつぎのものを有するゴルフボールを実現する。
(a)低弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層
(b)高弾性率のHNP組成物から生成された中間コア層
(c)ゴム組成物を有する外側コア層、および
(d)1または複数の層を具備するカバー
【0062】
この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;中間コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.150または0.220または0.280インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は80以下、または70以下、または65以下である。
【0063】
他の実施例において、この発明はつぎのものを有するゴルフボールを実現する。
(a)ゴム組成物を有する内側コア層
(b)高弾性率のHNP組成物から生成された中間コア層
(c)低弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および
(d)1または複数の層を具備するカバー
【0064】
この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;中間コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.150または0.220または0.280インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は80以下、または70以下、または65以下である。この実施例のさらに他の側面によれば、中間コア層の組成物の高弾性率のHNPの弾性率は下限が25000または27000psiで上限が72000または75000または100000または150000psiの範囲であり、外側コア層の組成物の低弾性率のHNPの弾性率は下限が1000または5000または10000psiで上限が28000または30000または50000psiの範囲である。
【0065】
他の実施例において、この発明はつぎのものを有するゴルフボールを実現する。
(a)高弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層
(b)低弾性率のHNP組成物から生成された中間コア層
(c)ゴム組成物を有する外側コア層、および
(d)1または複数の層を具備するカバー
【0066】
この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;中間コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.150または0.220または0.280インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は少なくとも80、好ましくは下限が80または90または100で上限が130または140の範囲である。
【0067】
他の実施例において、この発明はつぎのものを有するゴルフボールを実現する。
(a)高弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層
(b)ゴム組成物を有する中間コア層
(c)低弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層、および
(d)1または複数の層を具備するカバー
【0068】
この実施例の具体的な側面では、内側コア層の直径は下限が0.500または0.750または1.000インチで上限が1.550または1.570または1.580インチの範囲であり;中間コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.150または0.220または0.280インチの範囲であり;外側コア層の厚さは下限が0.020または0.025または0.032インチで上限が0.310または0.440または0.560インチの範囲であり;カバーの全体の厚さは下限が0.020または0.025または0.030インチで上限が0.065または0.080または0.090インチの範囲である。この実施例の他の側面によれば、内側コア層のAtti圧縮は少なくとも80、好ましくは下限が80または90または100で上限が130または140の範囲である。
【0069】
この発明のゴルフボール層に適したゴムは、天然および合成ゴムを含み、これに限定されないが、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンゴム(「EPR」)、エチレンプロピレンジエンゴム(「EPDM」)、スチレンブロックコポリマーゴム(例えばSI、SIS、SB、SBS、SIBS等であり、「S」はスチレン、「I」はイソブチレン、「B」はブタジエンである)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのコポリマー、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのハロゲン化コポリマー、ブタジエンのアクリロニトリルによるコポリマー、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、およびこれらの組み合わせを含む。ジエンゴムが好ましい。
【0070】
内側コア層がゴム組成物を有する実施例において、内側コア層は好ましくはゴム、架橋剤、フィラー、および共架橋剤またはフィリーラジカル開始剤およびオプションにシス−トランス変換触媒の反応生成物から製造される。ゴムは典型的にはポリブタジエンおよびスチレン−ブタジエンから選択される。架橋剤は典型的には金属塩、例えば3〜8の炭素原子を有する酸、例えば、(メタ)アクリル酸の亜鉛塩またはマグネシウム塩を含む。フリーラジカル開始剤は、硬化サイクルにおいて分解する任意の既知の重合開始剤であってよく、これに限定されないが、ジクミルペルオキシド、1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、a−aビス−(−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−メメチル−2,5ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンまたはジ−t−ブチルペルオキシド、およびその混合物を含む。ゴム、架橋剤、フィラー、共架橋剤および開始剤の適切なタイプおよび量は、例えば、米国特許出願公開2003/0144087に十分に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。ゴルフボールに利用できる種々のボール構造および材料についても米国特許出願公開2003/0144087を参照できる。
【0071】
糸巻ゴルフボール
1実施例において、この発明は、コア、コアのまわりに巻かれた通常のエラストマー性の糸、および通常のゴルフボールカバー材料、例えばアイオノマー樹脂、そのブレンド(具体的にはSurlyn(商標)アイオノマー樹脂)、熱硬化性ポリウレタンおよびポリ尿素、熱可塑性ポリウレタンおよびポリ尿素、(メタ)アクリル酸、熱可塑性ゴムポリマー、ポリウレタン、および合成または天然加硫ゴム、例えばバラタから製造されたカバーを有する糸巻ゴルフボールを実現する。
【0072】
この実施例の具体的な側面では、コアは、低弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層、および高弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層を含む。内側コア層の直径は好ましくは0.500から1.250インチである。外側コア層の厚さは好ましくは0.125から0.525インチである。コアの全体の直径は好ましくは1.000から1.550インチである。
【0073】
この実施例の他の具体的な側面では、コアは、高弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層、および低弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層を含む。内側コア層の直径は好ましくは0.500から1.250インチである。外側コア層の厚さは好ましくは0.125から0.525インチである。コアの全体の直径は好ましくは1.000から1.550インチである。
【0074】
この発明の糸巻ゴルフボールは周知の手法、例えば、米国特許第4846910号に開示されている手法で製造される。
【0075】
適切なHNPの他の例
下記の表のHNPはこの発明の低弾性率のHNPおよび/または高弾性率のHNPとしてとくに有益であることがわかった。
【表1】

* 曲げ弾性率はASTM D790−03手順Bにより測定した。
**硬度はASTM D2240により測定した。
【0076】
低弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層または中間コア層を具備するゴルフボールに向けられた、この発明の実施例において、例6−9が、内側コア層または中間コア層の低弾性率のHNP組成物として使用するのにとくに適している。
【0077】
低弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層を具備するゴルフボールに向けられた、この発明の実施例において、例5−9が、外側コア層の低弾性率のHNP組成物として使用するのにとくに適している。
【0078】
高弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層または中間コア層を具備するゴルフボールに向けられた、この発明の実施例において、例1−6が、内側コア層または中間コア層の高弾性率のHNP組成物として使用するのにとくに適している。
【0079】
高弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層を具備するゴルフボールに向けられた、この発明の実施例において、例1−4が、外側コア層の高弾性率のHNP組成物として使用するのにとくに適している。
【0080】
数値の下限および数値の上限がここで示されるときには、これらの値は任意に組み合わせて使用できることは容易に理解できる。
【0081】
ここで引用したすべての特許、刊行物、テスト手順および他の文献は、優先権書類も含めて、この発明と矛盾しない範囲において、参照してここに組み入れられる。
【0082】
この発明の事例的な実施例を具体的に説明したが、種々の他の変更が当業者に明らかであり、またこの発明の趣旨を逸脱することなく容易になすことができることに留意されたい。したがって、添付の特許請求の範囲のスコープは、ここに開示された例や記述に制約されることを意図されていない。特許請求の範囲は、この発明の特許可能な新規な特徴のすべてをカバーするように理解されるべきであり、それには当業者にとって均等なすべての特徴も含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)低弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層であって、当該低弾性率のHNP組成物は、弾性率が1000psiから50000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸/アルキルアクリレート(またはアルキルメタクリレート)コポリマーを有するものと、
(b)高弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層であって、当該高弾性率のHNP組成物は、弾性率が45000psiから150000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸コポリマーを有するものと、
(c)カバーとを有し、
上記低弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率は、上記高弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも10%小さいことを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
上記低弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率は、上記高弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも25%小さい請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
上記低弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率は1000psiから35000psiである請求項1記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記低弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率は、上記高弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも25%小さい請求項3記載のゴルフボール。
【請求項5】
上記内側コア層および上記外側コア層の一方または双方が発泡化されている請求項1記載のゴルフボール。
【請求項6】
上記低弾性率のHNP組成物の弾性率は1000psiから50000psiであり、かつ、上記高弾性率のHNP組成物の弾性率は45000psiから150000psiである請求項1記載のゴルフボール。
【請求項7】
上記低弾性率のHNP組成物の弾性率は、上記高弾性率のHNP組成物の弾性率より少なくとも25%小さい請求項6記載のゴルフボール。
【請求項8】
上記高弾性率のHNP組成物の水蒸気透過率は8g−mil/100in/日以下(すなわち3.2g−mm/m日以下)である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項9】
上記カバーは、厚さが0.020インチから0.090インチの単一層であり、熱可塑性または熱硬化性材料から生成される請求項1記載のゴルフボール。
【請求項10】
上記カバーは2以上の層を有し、上記カバーの全体の厚さは0.020インチから0.110インチであり、かつカバー層の各々は熱可塑性または熱硬化性材料から生成される請求項1記載のゴルフボール。
【請求項11】
上記ゴルフボールは付加的な中間コア層を上記内側コア層および外側コア層の間に有し、上記中間コア層はジエンゴム組成物から生成される請求項1記載のゴルフボール。
【請求項12】
(a)高弾性率のHNP組成物から生成された内側コア層であって、当該高弾性率のHNP組成物は、弾性率が25000psiから150000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸コポリマーを有するものと、
(b)低弾性率のHNP組成物から生成された外側コア層であって、当該低弾性率のHNP組成物は、弾性率が1000psiから50000psiの高度に中和されたエチレン/アクリル(またはメタクリル)酸/アルキルアクリレート(またはアルキルメタクリレート)コポリマーを有するものと、
(c)カバーとを有し、
上記低弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率は、上記高弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも10%小さいことを特徴とするゴルフボール。
【請求項13】
上記内側コア層および上記外側コア層の一方または双方が発泡化されている請求項12記載のゴルフボール。
【請求項14】
上記低弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率は、上記高弾性率のHNP組成物の上記高度に中和されたコポリマーの弾性率より少なくとも25%小さい請求項12記載のゴルフボール。
【請求項15】
上記高弾性率のHNP組成物の弾性率は25000psiから150000psiであり、かつ、上記低弾性率のHNP組成物の弾性率は1000psiから50000psiである請求項12記載のゴルフボール。
【請求項16】
上記高弾性率のHNP組成物の弾性率は25000psiから75000psiであり、かつ、上記低弾性率のHNP組成物の弾性率は1000psiから50000psiである請求項12記載のゴルフボール。
【請求項17】
上記低弾性率のHNP組成物の弾性率は、上記高弾性率のHNP組成物の弾性率より少なくとも25%小さい請求項16記載のゴルフボール。
【請求項18】
上記低弾性率のHNP組成物の水蒸気透過率は8g−mil/100in/日以下(すなわち3.2g−mm/m日以下)である請求項12記載のゴルフボール。
【請求項19】
上記カバーは、厚さが0.020インチから0.090インチの単一層であり、熱可塑性または熱硬化性材料から生成される請求項12記載のゴルフボール。
【請求項20】
上記カバーは2以上の層を有し、上記カバーの全体の厚さは0.020インチから0.110インチであり、かつカバー層の各々は熱可塑性または熱硬化性材料から生成される請求項12記載のゴルフボール。

【公開番号】特開2007−160115(P2007−160115A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−337729(P2006−337729)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY