形状記憶ポリマを使用する環境条件累積追跡積分センサ
本発明は、製品がおそらく期限切れ或いは使用に適さないようにする環境条件に製品がいつ晒されたか決定する安価で容易に識別される方法を提供するために、形状記憶材料、具体的には、形状記憶ポリマの特異な形状回復特性を利用する。形状記憶材料が、視覚的表示装置に取り付けられる間に環境条件への露出に応答して変形された形状から記憶形状にその形状を変更することを可能にすることによって、視聴者は製品が期限切れになったか否かを容易に決定し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の参照)
2005年6月21日に出願された米国仮特許出願番号第60/692,458号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、環境条件は使用の適用性又は商品の腐敗に関係するので、腐敗し易い商品の周りの環境条件を検出し且つこの情報を読取り易い形態に視覚的に関係付けるための様々な方法及び装置に関する。これらの実施態様は、30年まで或いはそれよりも長い年数の貯蔵寿命を有し得る弾薬、燃料、及び、他の製品のような長い貯蔵寿命製品の使用の適用性を検出し、且つ、肉、野菜、及び、他の類似の冷凍食品のような冷却食品のような短貯蔵寿命製品、並びに、適切でない環境貯蔵条件に晒されるならば数時間又は数日の貯蔵寿命を有する医薬品及び他の品目における腐敗の可能性を検出するために使用され得る。
【背景技術】
【0003】
全ての製品の周りの環境条件の監視及び制御は、これらの環境条件が製品が時間の経過に伴って不良になったり腐敗するようになったりする危険性を減少するよう、それらの周りの環境条件を制御することによって、増大されるが無限ではない貯蔵寿命をそれらに与え得る。より具体的には、腐敗した食物に関する健康の懸念は、近年、幾つかの政府に、高温に晒されることに起因する腐敗の危険性を最小限化するよう、輸送又は貯蔵のために冷蔵を要求する全ての食物が継続的に監視されるべきことを提案させ或いは要求させている。
【0004】
食物輸送に包含される危険の1つは、食物中にボツリヌス毒素を生成するボツリヌス菌のようなバクテリアの増殖の危険である。従来、消費者は、その臭い、外見、及び、感触によって、食物が腐敗のより高い危険性にあるか否かを告げることが容易であった。しかしながら、臭い、食物の外見、及び、感触における変化は、食中毒を引き起こし得るバクテリアによってではなく、主として酸素、紫外線、又は、両者へ晒されることによって引き起こされる。現代の包装及び冷蔵の出現に伴い、殆どの食物は、明らかに従来的な手段によって腐敗されたものを食物消費者に購入させよう、十分な量の酸素又は紫外線に晒されない。
【0005】
殆どのバクテリアは酸素の不存在で食物上で増殖し得るので、それらの増殖を阻止する唯一の確かな方法は、食物を、特定温度以下に、典型的には、華氏32〜33度又は摂氏0〜0.5度以下に維持することである。数日に亘る34又は36度又は摂氏0.5〜2度への小さな温度上昇さえも、食中毒を引き起こすのに十分な数にボツリヌス菌バクテリアを増殖させ得る。食物の周りの環境温度を継続的に監視することによって、本発明は、食物が腐敗しそうなときの条件を容易に決定し得る。
【0006】
温度は製品の有用性に影響を及ぼし得る唯一の環境因子ではない。相対湿度、又は、製品の周りの雰囲気中の水の蒸気圧は、特定製品を劣化し得る過剰な量の水に製品を晒し得る。それらの特定製品は、テトチップ、クラッカ、パン、パスタ、野菜、肉、及び、他の植物製品を含むが、それらに限定されない。
【0007】
本発明は、弾薬、燃料、及び、他の製品のような他の製品の有用性及び貯蔵寿命の両方に影響を与え得る製品の周りの環境の湿度及び温度を監視するために使用され得る。典型的には、弾薬は20年以上の貯蔵寿命を有する。しかしながら、この貯蔵寿命は、過剰な温度並びに湿度に晒されることによって低下され得る。本発明の使用は、多年に亘って貯蔵された弾薬の使用の適用性の急速で可視的な表示をもたらす。
【0008】
高い熱及び湿度への長時間の露出は、老化プロセスを加速し、軍用及び商用両方の多くの製品の耐用年数を減少する。環境露出を行政的に追跡することは、長い製品サイクルを備える品目にとって不可能な仕事である。追跡武器は著しい挑戦をもたらす。何故ならば、それは複数の環境に搭載され或いは移転され、最終的に、多年に亘って地上又は海上で保存され得るからである。現在、武器が輸送され、移転され、且つ、様々な貯蔵品と混合されるとき、その相対的な鮮度は、実際には年齢が全体的な鮮度において小さな役割のみを演じるときに、年齢によってのみ決定される。装置を感知することの適用は、最も新鮮な弾薬/武器が最も重要な状況のために貯蔵されることを可能にする。
【0009】
本発明は、以下に記載されるような在庫追跡システムにおける使用のために電子手段が本発明に組み込まれ得ることは当業者に明らかであるが、電子手段を使用せずに広範な階級の物品のための相対的な適用性を追跡する手段を提供する。
【0010】
一般的に、感温性製品は、所与温度への露出の結果として腐食せず或いは腐敗されるようにならない。代わりに、製品は、長期に亘る温度差の結果としてそれに付与される熱の量の故に腐敗する。本発明は、長期に亘る様々な環境条件への製品露出を累積的追跡するために、その形状記憶材料、特に、形状記憶ポリマの使用によって従来技術と区別され、この露出に基づく劣化の程度を表示し、安価に、正確に、如何なる電気装置の補助もなしに、それを行う。
【0011】
1984年に米国に最初に導入されて、形状記憶ポリマ(以下「SMP」は、それらに動的形状「記憶」特性をもたらすために、その品質が変更されるポリマである。SMPは、それらの名前が、形状変形を経た後に最初の「記憶された」形状に戻る、それらの固有の能力に由来するポリマである。Guy Skinner及びJohn Larkinによって著された「Conservative Prediction of Time to Clostridium Botulinum Toxin Formation for Use with Time−Temperatue Indicators to Ensure the Safety of Foods」と題するJournal of Food Protection(Vol.61.No.9,1998,1154頁−1160頁)中の論文が、CRGが現在開発中のもののようなセンサ技術の必要を概説している。具体的には、この論文は、CRGの技術のための全市場を概説している。この市場は、ラーキン市場として周知である。
【0012】
要約すると、ラーキン市場は、様々な形態の還元酸素包装(以下「ROP」)に包装される食品を含む。ROPは、嫌気性腐敗有機物の増殖を著しく減少する環境を生み出す。これは新鮮な食物のためのより長い貯蔵寿命を可能にし、海産食物のような地理的に不利な特定の生鮮食品のための市場範囲を増大する。この市場は、冷凍されない食物を生鮮食品とはみなさない。生鮮食品は上質と考えられ、消費者は喜んで割増料金を払い、従って、消費者食品産業のこの生鮮食品区域と関連する粗利益はより一層高い。
【0013】
冷凍食品温度とラーキン論文中に記載されるような致死的な毒素の増殖を可能にする僅かにより温かい温度との間には紙一重の差がある。もし生鮮食品が比較的長い時間期間に亘って3.3℃より上の温度に晒されるならば、ボツリヌス毒素の致死レベルが生じ得る。その上、もし生鮮食品がROPで包装されるならば、平均的な消費者が検出することは困難になる。何故ならば、バクテリアの増殖のために必要ではない酸素の欠乏が、臭気、粘液物、及び、感触のような共通の可視的な腐食の印の一部を覆い隠すからである。
【0014】
海産食品のような食品は、ドックとスーパーマーケットとの間で数回包装され且つ再包装されるので、海産食品が常に新鮮か決定するのは困難になり、チェーンの各リンクがチェーン全体の品質のための顕著な責任を受け入れる。本発明は、この市場に関連する危険性及び責任問題を解消し、消費者関連死亡率を減少し、究極的には、保険率を減少し、関連ビジネスの利益を増大する。何故ならば、如何なる腐敗又は劣化製品も、典型的には、商品の販売者によって支払われるからである。
【0015】
全てのSMPは、少なくとも1つの遷移温度(以後「Tg」)を有し、SMPは、その地点で、堅い剛性プラスチックと軟らかい曲げ易いエラストマポリマとの間を遷移する。SMPがそのTgより上にあるとき、それは軟らかく、そのTgより下にあるとき、それは堅い。一旦SMPの温度がそのTgより上にあると、SMPは所望の形状に概ね変形され得る。変形を「固定」するために、SMPは、所望の変形された形状を維持しながら、そのTgよりしたに冷却されなければならない。一旦変形が固定されると、ポリマネットワークは、熱障壁の故に、その「記憶された」或いは最初の形状に戻り得ない。SMPは、それがそのTgより上に再び加熱されるまで、その変形された形状を無限に保持し、SMPが記憶されるとき、機械的歪みが解放され、SMPはその「記憶された」形状に戻る。Tgは材料が剛性ポリマからエラストマポリマへ遷移する平均温度を表すことを付記することは重要である。ポリマがTgより下の限定的な形状記憶回復を時折示し得るのは平均温度であるからである。典型的には、この限定的な回復は十分に小さく、Tgに十分に接近して起こるので、それはSMPが設計される機能に影響を与えない。
【0016】
そのTgより上に加熱される間、SMPは、高品質、動的エラストマ、400%以上の伸張までの許容差の可撓性を有するが、通常のエラストマと異なり、SMPは、その記憶された形状に迅速に再成形され或いは戻らされ得るし、引き続き、剛的なプラスチックに冷却され得る。変更は材料の劣化なしに反復され得る。
【0017】
SMP遷移プロセスは、形状記憶合金(以後「SMA」)と同様に、熱誘起結晶相転位というよりもむしろ熱分子緩和である。加えて、SMPは、形状構造及び操作において、SMAよりも一層広い範囲及び多様性を示す。
【0018】
SMPは、単純にはエラストマではなく、単純にはプラスチックでもない。それらは、その温度に依存して、両方の材料の特性を示す。剛的であるが、SMPは、剛性ポリマの比強度を示すが、熱刺激下の通常の剛性ポリマは、単純に流れ或いは任意の新しい形状に溶解し、それらはそれらが戻り得る「記憶された」形状を有さない。加熱され曲げ易い間、SMPは、高品質、動的エラストマ、400%以上までの伸張の許容差の可撓性を有するが、通常のエラストマと異なり、SMPは再成形され或いはその記憶された形状に迅速に戻らされ、引き続き、剛的なプラスチックに冷却され得る。使用されるSMPの種類に依存して、活性化温度は、−30°Fと520°F(−40℃と270℃)との間でカスタマイズ可能である。
【0019】
3つの種類の熱活性化SMPがある。即ち、1)部分的に硬化された樹脂、2)サーモプラスチック、及び、3)完全に硬化された熱硬化系である。初めの2つの種類のSMPには制約及び欠点がある。部分的に硬化された樹脂は動作中に硬化し続け、各サイクル毎に特性を変更する。サーモプラスチックSMPは「クリープ」し、それはそれが時間経過と共にその記憶形状を漸進的に「忘れる」ことを意味する。包含されるものの化学的機構の完全な理解は、当業者が特定の必要に合致するようSMPの配合を調整することを可能にする。
【0020】
幾つかの既知のポリマ種類は、形状記憶特性を示す。形状記憶ポリマ特性を示す最も知られ最も研究されたポリマ種類は、おそらく、ポリウレタンポリマである。GordonのProc of Proc of First Intl. Conf. Shape Memory and Superelastic Tech.,115−120(1994)及びTobushi et al.のProc of Fist Intl. Conf. Shape Memory and Superelastic Tech.,109−114(1994)は、形状記憶ポリウレタンの特性及び用途に向けられた研究を例証している。架橋ポリエチレンホモポリマに基づく他のポリマ系が、S.OtaのRadiat. Phys. Chem. 18,81(1981)によって報告された。スチレン−ブタジエンサーモプラスチックコポリマ系も、形状記憶特性を示すことが日本国公開公報JP63−179955によって記載されている。ポリイソプレンも、形状記憶特性を示すことが日本国公開公報JP62−192440において主張されている。Kagami et al.のMacromol. Rapid Communication,17,539−543(1996)に開示されている他の既知のポリマ系は、ステアリルアクリレート及びアクリル酸又はメチルアクリレートのコポリマの等級である。当該技術において既知の他のSMPポリマは、米国特許第4,831,094号に記載のノルボルナン又はジメタンオクタヒドロナプタレンホモポリマ若しくはコポリマから成る物品を含む。
【0021】
熱活性化SMPの主要設計成分は、少なくとも1つのコポリマ、場合によっては、コモノポリマ、架橋剤、及び、場合によっては、開始剤及び追加的な充填材料を含む。形状記憶特性を備えて設計されるポリマは、ポリマ系自体に固有の特徴を増大する特異な組の材料品質及び能力を提供する。SMPは、如何なる用途要求にも適合する遷移温度で化学的に配合され得る。それは巨大な種類の「記憶された」形状に、厚いシート及び窪んだ皿からとても小さい部分又は複雑な開放蜂巣マトリックスに鋳造され且つ硬化され得る。
【0022】
SMPの形状記憶特性を活性化するために、熱エネルギの以外に他の方法がある。SMPを活性化するために、放射線、紫外線光、磁気が使用され得る。この明細書を通じて、「活性化」は、材料を堅い剛的な状態から軟らかい曲げ易い状態に遷移することとして定義付けられる。追加的に、この明細書を通じて、「非活性化」は、軟らかい曲げ易い状態から堅い剛的な状態に遷移することとして定義される。
【0023】
水活性化SMPは、熱活性化SMPである。水はSMPによって吸収されるので、この水吸収は、SMPが水を吸収しなかったならばそうであったであろうよりも低いTgでSMPがその記憶された形状に戻るよう、熱活性化温度を下げる。
【0024】
この現象を記載する多くの論文が最近公表された。Chen, et. al.のThermosetting Polyurethanes with Water−Swollen and Shape memory properties,Journal of Applied Ploymer Science Vol.84 1504−1512(2002)、Huang, et al.のWater−driven Programmable polyurethane shape memory polymer、Demonstration and mechanism,Applied Physics Letters 86,114105(2005)、Yang, et al.のQualitative separation of the effects of carbon nano−powder and moisture on the glass transition temperature of polyurethane shape memory polymer,Scripta Materialia 53 105−107(2005)、及び、Yang, et al.のEffects of moisture on the glass translation temperature of polyurethane shape memory polymer filled with nano−carbon powder,European Polymer Journal 41 1123−1128(2004)を参照。
【0025】
形状記憶ポリマ材料は、本発明のための重大な可能化技術である。複数の企業が、多様な用途のための様々なSMP材料を提供している。それらの中には、(a)Composite Technology Development,Inc.(Lafayette,CO) www.ctd−materials.com、(b)ILC Dover LP(Frederica,DE) www.ilcdover.com、(c)mnemoScience GmbH(Aachen,Germany) www.mnemoscience.com、(d)Mitsubishi Heavy Industries,Ltd.(Nagoya,Japan) www.mhi.co.jp、(e)Cornerstone Research Gourp Inc.(Dayton,Ohio) www.crgrp.comがある。
【0026】
Shahinpoor et al.の米国特許第5,735,067号は、表示表面と、臨界温度より下の温度で第一形状を備え且つ臨界温度より上の温度で第二形状を備える少なくとも1つのSMA部材と、部材を具備して取り付けられた複数の表示器とを有し、部材は、部材が第一形状にあるときに、表示器表面を不明瞭にし、且つ、部材が第二形状にあるときに、表示器表面を不明瞭にしない温度センサを開示している。SMA素子の形状変化は、温度閾値が超過されたことを表示するよう、センサを2つの容易に区別可能な状態の間で変更させ、感知動作が始まるまでSMA部材の遷移温度より下の温度に常に維持されなければならない。
【0027】
Akersの米国特許第6,848,390号は、流体封止されたキャビティと、開始剤を移動する形状記憶材料から成る熱反応性部材とを有する累積的熱露出モニタを開示している。筐体、キャビティ、及び、形状記憶材料遷移温度範囲は、形状記憶材料が環境温度に依存して1つの形状から他の形状に漸進的に変わるよう、互いに対して較正される。
【0028】
Akersは、本質的に、形状記憶材料が吸収する熱エネルギの量を制御するよう形状記憶材料を環境から絶縁するために様々な材料を使用する。Shahinpoorは、単一の閾温度が越えられたことを表示するためにSMAを使用する。Akersによって開示される装置は、外部環境における温度変化が形状記憶材料に達するのに必要とされる時間がその動作を阻止するので、突然の温度変化を許容しない。追加的に、各状況のために絶縁、筐体、及び、他の材料を釣り合わせるのに必要な費用は高価であり、時間がかかる。同様に、Shahinpoorによって開示される装置は、単一の閾温度が越えられたか否かのみ告げ得るが、より低い温度への累積的な露出が材料の使用を損ない或いは適さなくなったか否かを告げ得ない。
【0029】
Debord et al.の米国特許第7,057,495号は、時間−温度積分(以下「TTI」)を遂行し、時間及び/又は温度レバーが到達されることを示し、品目の安全又は貯蔵寿命を妥協するラベル中に包含される電子組立体を開示している。この方法の主要な欠点は、センサが運転するための電気を有さなければならないことである。現装置は、それらの周りの環境条件を監視するのに電気を必要としない。
【0030】
受動温度感知のために使用される他の技術が存在する。これらの装置のために使用される主要な技術は、1)色変化を示す化学的拡散、2)ポリマモジュール内の変化を実行する熱移転である。化学的拡散技術を使用するCheckpoint(R)labels(http://www.vitsab.com/)のような製品は低プロファイルであり、包装に容易に統合され得る。しかしながら、一部の市場のために鮮度を解釈することにおけるそれらの解決策(resolution)は論争中であり、広範囲に及ぶ受入れにとって障壁のままである。Time Temperature Integration,LLC製品は、鮮度を表示するために、制御された熱移転及びポリマモジュール変化を使用する。この製品は、化学的拡散ラベルよりも嵩張るが、TTIの解決策は、所望の時間期間を通じてより良好である。両方の技術は、SMPに基づくセンサと比較されるとき、それらの解決策及び設計自由度の中に制約を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
従って、特定の環境条件への露出に起因する劣化又は腐敗の故に使用に適さない材料を容易に且つ迅速に特定する安価な方法のため必要が当該分野にある。本発明は、品目の使用適正又は腐敗の安価で使用が容易な可視的な表示を提供することによって、これらの制約を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明は、熱エネルギ及び水蒸気圧への製品の露出を累積的に追跡するために、形状記憶材料、具体的には、形状記憶ポリマの特異な特性を利用する。
【0033】
従って、製品による熱エネルギ及び水の吸収を長期に亘って追跡し、且つ、その情報を容易に読み取られる形態で視覚的に表示するために、累積的熱露出モニタ並びに累積的水蒸気圧露出モニタを提供することが本発明の目的である。
【0034】
関連する製品又は容器が、それを使用に適さなくするよう、吸収された十分な水、熱エネルギ、又は、2つの組み合わせを有するか否かを監視し且つ表示する、累積的熱露出モニタを提供することが本発明の他の目的である。
【0035】
この発明の他の目的は、一連の配達における如何なるときにも、製品が製品を使用に適さなくするのに十分な温度又は湿度に累積的に露出されたかを表示するために、腐敗し易い食品、及び、医療品、薬剤、人体及び組織、並びに、他の感温性又は感湿性製品のような腐敗し易い非食品と共に使用され得る熱エネルギ及び水分露出を追跡するために、累積的露出モニタを提供することである。
【0036】
本発明の他の目的は、広範囲の温度、具体的には、−40℃から300℃を越える温度において機能し得る累積センサを提供することである。
【0037】
本発明の他の目的は、化学的、イオン化放射又は熱によって減菌され得るセンサを提供することである。
【0038】
本発明の他の目的は、世界的な政府食品処理コンプライアンスのために安価で効果的な規制工具である累積センサを提供し、一連の配達の如何なる段階でも腐敗し易い品目の品質について実時間決定がなされることを可能にすることである。
【0039】
本発明のさらなる目的は、監視している製品を汚染する危険が余りない累積センサを提供することである。
【0040】
本発明の一層さらなる目的は、製造が安価で、使い捨て可能であり、個々のパッケージへの据付けが経済的な累積センサを提供することである。
【0041】
本発明の他の目的は、明細書並びに以後に関連される請求項を通じて時々明らかになるであろう。
【0042】
本発明の目的は、形状記憶材料の形状記憶回復効果を使用することによって達成される。製品の所望の貯蔵条件が決定された後、所望の貯蔵温度或いはその上の遷移温度或いは水蒸気圧を監視する能力を有する形状記憶材料が配合される。次に、形状記憶材料は、材料を加熱し、それを所望の変形形状に変形し、且つ、材料がその遷移温度より下に冷却される間その形状を維持することによって変形される。次に、変形された材料は、表示装置を組み込む筐体に挿入され且つ接続され、監視されるべき製品の上に配置される。製品が所望の貯蔵条件を超過する温度又は水蒸気圧に晒されると、材料はその変形形状からその記憶形状に移動する。記憶形状における変化は、望ましくない環境条件への製品の露出に直接的に関連する。この露出は、表示装置状で視覚的に追跡される。形状記憶材料がその形状記憶に完全に回復されるや否や、製品は一般的に使用又は消費に適さない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明は、温度及び湿度への累積的露出を追跡するために電力を必要としない安価な温度及び湿度感知装置をカバーしている。これらのセンサは、形状記憶ポリマ及び他の形状記憶材料の特異な相転移を利用する。「形状記憶」は、この明細書を通じて、活性化後に所定の或いは記憶された形状に戻る特定の材料の能力を意味する。「形状記憶」効果の活性化は、複数の方法によって達成され得る。活性化の例示的な方法は、熱エネルギによる。他の方法は、光、放射線、他の形態の電磁エネルギ、磁界、及び、電気を含む。
【0044】
追加的に、ここで使用されるとき、「製品」は、監視される物又は媒体を指し、時間経過と共に様々な環境条件に晒された後に劣化を被り得る食物、医薬品、又は、他の医療品目、非食物品目、ドラッグ、化学薬品、人体又は組織、武器又は弾薬、又は、如何なる他の品目若しくは物質を含み得る。
【0045】
ここで使用されるとき、「好適な貯蔵温度」という表現は、外的な環境条件への露出に起因する如何なる劣化をも最小限化し或いは阻止するために製品が維持されなければならない温度又は温度範囲を指す。
【0046】
SMPを作成するために様々な基本ポリマが使用され得る。使用され得るスチレンコポリマに基づくSMPは、ここに参照として引用される米国特許第6,759,481号に開示されている。シアナートエステルコポリマも使用され得るし、ここに参照として引用される2005年11月11日に発行されたPCT出願第WO/2005/108448号に開示されている。加えて、形状記憶合金、ポリウレタン、ポリエチレンホモポリマ、ブタジエン、ポリイソプレン、ステアリルアクリレート及びアクリル酸又はメチルアクリレートのコポリマ、ノルボルナン又はジメタンオクタヒドロナプタレンホモポリマ若しくはコポリマ、マレイミドポリマ、及び、他の類似の材料が、本発明の範囲内にある。
【0047】
現発明は、嵩張るか或いは作成に時間がかかる以前の設計に対して明らかな利点を有する。本発明は、ある場合には、センサ1個当たり10セント未満の費用で大量生産を可能にする。この技術は、数分から数年から数十年に亘る感知期間を備えて、センサが多くの特定のシナリオの必要を満足するセンサも可能にする。その場合には、SMPにおいて固有の構造−特性−関係を理解することによって、広範なSMPを設計すること、並びに、特定工学要求を満足するようSMPを調整することが可能である。この特定の用途は、環境の温度又は含水量のいずれかに感応的であり且つ反応的であるSMPを要求する。
【0048】
追加的に、SMPは、SMPネットワーク構造中に親水性成分を組み入れることによって、同一装置内で熱及び水分の両方に対して感応的であるよう調整され得る。ポリウレタンSMPの水蒸気浸透率における顕著な差が、ポリウレタングリコール(PEG)成分が組み入れられるとき、ポリウレタンSMPをそのガラス遷移温度より上に加熱し或いは下に冷却することによって達成され得る。PEGのような親水性セグメントの存在は、水分子がそれらのガラス遷移温度より上で十分な可動性を得るや否や、SMPが水分子を輸送することを可能にする。親水性セグメントによるこの水に対する親和性は、それらを環境内の含水量に対して反応的にする。予緊張(pre-strained)された親水性セグメントを包含するSMPが水分に晒されるとき、これらの親水性セグメントは、環境の含水量に依存して、水分を吸収し続ける。吸収された水分子はSMPマトリックスにとって可塑剤として作用するので、結果として得られるT(g)の低下は、形状拝復又は活性化を促進する。よって、水分感応的SMPの形状回復又は活性化の程度は、その水分及び/又は温度露出の履歴に依存する。
【0049】
第一実施態様において、熱事象を検出し且つそれらを追跡するために、装置は形状記憶効果を使用する。センサ材料のTg及び製品の好適貯蔵温度を特徴付け且つ相関させることが重要である。図15は、装置によって記憶される温度と装置によって記憶されない温度との間の関係を示している。Tgを指し示す線より上の温度は、100によって示されるような「過露出ユニット」を創成し、それは変形された形状記憶をその記憶形状に向かって移動し始めさせる。温度が高ければ高いほど、温度がTg線よりも上に長く留まれば留まるほど、記憶形状材料はその変形された形状からその記憶形状により多く移動する。
【0050】
例示的な方法は、累積的熱露出を表示する単純で読取り容易な装置である基本的なセンサ設計を使用する。図1は、記憶形状にある形状記憶材料2の設計を示している。形状記憶材料は、如何なるサイズにも製造され得るが、材料が小さければ小さいほど、費用はより安価である。図1に示される設計は比較的小さい。コンピュータ制御レーザカッタを使用することによって、1インチの1000分の1の設計許容差が可能である。寸法4は僅か0.2500インチであり、寸法8は僅か0.3750インチであり、寸法12は僅か0.1250インチであり、寸法16は0.3750インチであり、半径3は僅か0.1875インチであり、半径5は僅か0.3125インチである。材料の厚さは、以下に議論されるように監視される製品に依存して決定される。この技術は、−40°F〜500°F、−40°Cから270°Cに亘る様々な温度で数分から数年に変化する複数のシナリオを測定するために使用され得る。これらの測定値はサイズ及び費用の故に使用されるが、形状記憶材料のサイズ及び形状は如何なる温度範囲にも変更され得るし或いは如何なる可視的ディスプレイ装置にも適用され得る。
【0051】
感知材料中の一定の熱伝導率及び熱容量を想定して、センサ設計のための主要な工学装置は、センサ設計の構造及び応答時間スケーリング厚さである。これらの装置は以下に議論される。
【0052】
様々な感知シナリオを満足するために、複数の構造が必要とされ得ることが予測される。異なる構造の利点及び負利点は当業者に明らかであり、特定の産業にとって有用なセンサを構築するために使用され得る。
【0053】
所与構造の応答時間は、材料が熱平衡に達するために要する時間及び特定の温度レベルによって主として決定される。応答時間を制御する簡単な方法は、センサ材料の断面厚さを変化することによる。配合の熱伝導率及び熱容量が一定であり且つ均一である限り、より厚い断面を伴うと熱平衡に達するのにより長く時間がかかり(且つ形状回復し始める)。逆に、断面の増大は感度を減少する。何故ならば、一定の温度偏位(excursion)は平衡を達成するほどに長くないからである。よって、図1に示される設計の厚さは、必要とされる感度に依存する。
【0054】
この装置は累積的露出を追跡し且つ積分(integrate)するので、図2に示されるダイアル上の各部分は、図15、100に示されるような、過露出ユニット(以後「OEU」)の数の10倍の増大を表しており、製品も露出される。例えば、図2中、地域1は、10OEUまでの露出を表示しているのに対し、地域2は、100OEUまでの露出を表示している。材料がその記憶形状に達するや否や、製品はおそらく安全に使用され得ない地点にまで劣化されている。
【0055】
図2は、装置24の一部として使用される準備のできた、変形された形状にある記憶材料20を示しており、過剰な熱エネルギ及び/又は高温への製品の露出を追跡する。戻って図15を参照すると、製品の周りの環境温度が上昇すると、センサは、形状記憶材料28が戻り始める、図3に示されるような、その記憶形状に戻り始める。図4乃至6は、製品が図6に示されるようなその記憶形状2に最終的に戻るまで、熱エネルギへの製品の露出を追跡する材料を示している。
【0056】
第二実施態様において、形状記憶材料は、材料が良好であるか或いは期限切れであるかを光学的に表示するために使用される。図7において、形状記憶材料は、初期的には、複数のプリズム又は光学レンズ59に変形される。形状記憶材料の下には、2つの色56及び58の交互パターンがある。光学レンズ59は、初期的には、レンズを通して見る視聴者が、材料が良好であることを表示する色58のみを見るように成形される。形状記憶材料が材料T(g)を越える温度に露出されると、レンズは平坦になり始める。最終的には、図8に示されるように、形状記憶材料全体が平坦66になる。平坦になるや否や、形状記憶材料を通じて見る視聴者は、材料がおそらく劣化されており且つ使用に適さないことを表示する色60を主に見る。
【0057】
図7に示される材料の光学レンズ表面を容易に損傷する点で、この方法は幾つかの欠点を有する。これは、図9に示されるように、光学的に透明な保護層54をレンズ表面の上に付着することによって克服され得る。追加的に、材料が時期尚早に活性化され或いは使用されるのを防止するために、薄い取り外し可能な塗膜52が加えられ得る。最終的に、装置を製品に固定するのを助けるために、接着塗膜62が装置の下に塗布され得る。
【0058】
本発明の目的を達成する他の方法が、図10及び11によって示されている。図10は、SMPによって覆われたバーコードを示している。図11は、材料の遷移温度より上の温度に晒された後のSMPによって覆われた同一のバーコードを示している。一旦SMPがくもらされ或いはぼやかされると、バーコード及び光学スキャナはそれを読み取ることが出来ず、期限切れの製品が販売されることを防止し或いは最小限化する。
【0059】
累積的露出に加え、装置は、過剰な温度への単一の露出の直後に、それらの記憶形状を急速に回復するよう設計され得る。
【0060】
現系の最終的な利点は、センサが再加熱され、変形された形状に再び送られ、再使用され得ることである。これは典型的には閉じられた使い捨て装置に対して高額な感知装置のために著しい利点をもたらす。
【0061】
以下の実施例は、本発明の範囲を例証するために提供される。これらの実施例は例証のためのみに与えられるため、本発明がそれに限定されると考えられるべきではない。
【0062】
実施例1、スチレン基形状記憶ポリマタグ
【0063】
高分子反応混合物が、透明な溶液を得るために、ビニルネオデカノエート(10%)ジビニルベンゼン(0.8%)、及び、スチレン(85.2%)を無作為な順序で混合することによって配合された。次に、50%ベンゾイル過酸化物であるベンゾイル過酸化物ペースト(4%)が、結果として得られる溶液に加えられた(全ての組成%は重量による)。結果として得られる溶液は、使用前に冷蔵庫中で冷却されたままにされる。形状記憶ポリマ樹脂シートを準備するために、3”×3”のガラス板から成る型が制作され、ビトンリングが型地域を取り囲む。上記配合された反応混合物は、ビトンによって取り囲まれた地域に注ぎ込まれる。型は、3”×3”のガラス板をビトンリングの上に配置することによって封止される。ガラスの2つのシートは、縁部の周りのクランプによって共に保持される。ビトンスペーサも、型内でシーラントとして作用する。次に、全系は、真空弁ステムを備える高温真空バック内に配置され、徹底的に適用される真空を適用し、空気漏れがないことを保証する。次に、材料は以下のサイクルで硬化される。1)炉、加圧釜、又は、他の形態の制御加熱装置内での75℃への1時間の直線傾斜、2)75℃での3時間の保持、3)90℃への3時間の直線傾斜、4)110℃への2時間の直線傾斜、5)20℃への1時間の直線傾斜。硬化後、炉から除去し、冷却させる。材料から真空バック及びガラス板を除去する。次に、図1に示されるような設計は、シートからレーザ切断される。次に、これらの装置は、図2に示されるものと類似するダイアルの上に配置され、熱エネルギに対する製品の露出を監視するために使用される。
【0064】
実施例2 エポキシ基形状記憶ポリマタグ
【0065】
ビスフェノールAジグリシダルエーテル(78.46%)、4,4’メチレンジアニレン(0.90%)、及び、アニリン(20.65%)を混合することによって、高分子反応混合物が配合された。ここで、全ての百分率は重量による。ビスフェノールAジグリシダルエーテルは、液体に留まるよう、加熱ドラム内に保持される。もしそれが結晶化するならば、それを溶解することは樹脂に対して悪影響を有さない。4,4’メチレンジアニレンは、固体ペレットの形で提供され、検量され、アニリンに加えられた。アニリン/4,4’メチレンジアニレンは、4,4’メチレンジアニレンがアニリン内で完全に溶解されるまで、超音波処理器内で超音波処理された。アニリン/4,4’メチレンジアニレン混合物は、移転ピペットを使用して、ビスフェノールAジグリシダルエーテルに加えられた。次に、樹脂が均一になるまで、樹脂は混合された。次に、樹脂を型内に注入し、射出し、或いは、送り出すことによって、樹脂はガラス/ビトン型に移転される。型は、WOLO離型剤で塗布され、且つ、結合クリップ又はハンドクランプで共に保持された概ね2つのガラス板であり、ビトンコルク又はビトンOリングがそれらの間に挟装される。もし樹脂がビトンコルクを備える型内に射出され或いは送り出されるならば、シリンジ又はポンプが適合するよう、型の上に空間が残される。樹脂が射出され或いは送り出された後、型はビトンコードをビトンコルクと共に融合することによって封止される。もし樹脂がOリングを備える型内に射出されるならば、シリンジ針はOリングの背後に配置され、型が十分に封止されることを確実にするために、射出後に注意深く引き出される。もし樹脂が型内に注入されるならば、樹脂はOリングの中間にある第一ガラス板並びに樹脂の上に配置される第二ガラス板上に注がれ、樹脂を強制的に平らにするために真っ直ぐ押し下げられることで、空隙を防止し、型の隅部又は縁部がクランプされる。全ての場合において、樹脂が硬化中に僅かに膨張し或いは収縮するときに、樹脂がガラスを破壊するのを防止するために、少量の熱室が空のままにされる。サンプルはラベル付けされ、24時間に亘って硬化されるよう、125℃の炉内に垂直に入れられる。次に、図1に示された設計は、センサを形成するために、シートからレーザ切断される。
【0066】
実施例3 アクリレート基形状記憶ポリマタグ
【0067】
均一な混合を達成するために、1.0%の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、48%のメチルメタクリレート、50%のブチルアクリレート、及び、1.0%のベンゾイル過酸化物を混合することによって、高分子反応混合物が配合された。全ての百分率は重量による。160グラムの樹脂を作成する十分な試薬が、上記に列記された順序で共に混合された。樹脂は型内に射出された。型は、WOLO離型剤及びテフロン(登録商標)Oリングで被覆された2つのガラス板で構成された。10個のクランプが型を一体に保持した。液体樹脂を型内に射出するために、使い捨てシリンジ及び針が使用された。樹脂は、摂氏65度で硬化され、次に、22時間に亘って摂氏80度で硬化される。次に、図1に示された設計は、センサを形成するために、シートからレーザ切断される。
【0068】
水蒸気圧モニタリング
【0069】
追加的な実施態様において、基本マトリックスとしてジオール終端ポリ(カプロラクトン)(PCLジオール)、ヘクサメチレンジイソシアネート(HDI)、MDI、及び、ヘクサメチレンジアミン(HDA)を利用することによって、水分感応性形状記憶ポリウレタンが得られ得る。所望の感湿性を得るために、PEG又はポリビニルピロリドンのような親水性セグメントが、SMPマトリックス中に組み入れられ得る。SMPのこの感湿性は、様々な成分の親水性セグメントをSMPマトリックス中に配合することによって調整され得る。さらに、親水性セグメントの可動性は、SMPマトリックス中のセグメントの分子重量に依存し、より制限された動作の故により低い可動性を有するより短いセグメントを備えるので、結果として得られるSMPの水分吸収及び可塑化の有効性は、マトリックス中に組み入れられるべき親水性セグメントの適切な分子重量を選択することによって微調整され得る。
【0070】
親水性モノマーの構造は、他のモノマーよりも、幾分、水により類似する。これは、時にはそれが水に溶けるまで、水をモノマーにより引き寄せる。親水性モノマーが重合され且つ架橋されるとき、それらはもはや水溶性ではないが、ポリマ構造は依然として親水性である。従って、ポリマはそれ自体の内に水を吸収するが、それは溶解しない。水がポリマに進入すると、ポリマは膨張し且つ軟化することで、可撓になる。水はポリマのTgを低下し、ポリマがその記憶形状を回復するのを可能にする。
【0071】
上述のように、形状記憶効果が活性化される方法を意味するが、水「活性化」SMPは、この明細書を通じて、活性化手段として水を使用しない。むしろ、水がSMPによって吸収されるときに、熱活性化温度は、SMPが水を吸収しないならばSMPが有するであろうよりもより低いTgで、その記憶された形状に戻るよう低下されるので、熱エネルギの吸収は活性化手段である。最終的に、SMPは、そのTgが環境のそれであり且つその記憶された形状に迅速に戻るよう、水を十分に吸収する。
【0072】
もし2又はそれよりも多くのモノマーが使用されるならば、1つは非親水性(即ち、水素結合、より低い電気陰性度の原子を形成し得ない、より低い極性を備えるモノマー)、(0〜75重量%)、親水性(25〜99重量%)であり得る。最終ポリマが水を吸収する限り、SMPはある程度まで水活性化される。
【0073】
親水性モノマーは、水活性化SMPの主要成分である。主要親水性モノマーの組成は、ほぼ50〜98.75重量%から変化した。水活性化SMPを作成するために我々が使用した親水性モノマーは次の通りである。アクリルアミド、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン。(図1)追加的に、重合されるときにそれらが水を吸収するのに十分なほどに親水性である限り(即ち、比較的高い極性、水素結合、より高い電気陰極性の原子、孤立電子対を備えるモノマー)、他のモノマーが使用され得る。モノマーは、SMPの感水性及びTgを調節するために、様々な特性に混合され得る。もし両方の親水性が(0〜99重量%)×(2モノマー)を使用するならば、アクリル酸は、良好な成功を伴って、2−ヒドロキシエチルアクリレートと混合され、アクリルアミドは1−ビニル−2−ピロリドンと混合された。4−ビニルピリジンは、良好な成功を伴って、1−ビニル−2−ピロリドンと混合された。モノマーが成功裏に共に重合される限り、他の組み合わせが可能である。
【0074】
蒸気圧は、空中の水蒸気の部分圧力を使用して、空気の水蒸気含有量を測定する。圧力は、様々な単位を使用して、とりわけ、パスカル、ミリバール、平方インチ当たりポンドで表現され得る。環境中の期待は、ある量の圧力(海水位で約1013ミリバール)を加える。水蒸気は空中の期待の1つなので、それは全空気圧に寄与する。水蒸気は一群の空気の全質量の数パーセントを成すだけなので、水蒸気による寄与はむしろ小さい。空中の水の蒸気圧は海水位で、20℃の温度で、飽和状態で24ミリバールである。蒸気圧は直接的に容易に決定されない。相対湿度を測定することが実際にはより容易である。
【0075】
相対湿度は、空中の水蒸気の量を飽和状態で空中に存在する水蒸気の量と比較する比率である。述べられ得る1つの方法は、飽和状態の混合比に対する実際の混合比としてである。相対湿度は百分率として与えられる、即ち、水蒸気の量は飽和の百分率として表現される。追加的に、異なるレベルの分解が求められる。
【0076】
センサ設計のための主要な工学ドライバは、センサ設計の構造及び応答時間スケーリングであることが想定される。所与の構造の応答時間は、材料が水分平衡レベルに達する時間によっておそらく決定される。応答時間を制御する簡単な方法は、センサ材料の断面厚さを変更することによる。ポリマの透湿性が(まだ決定されていないある比率で)蒸気圧レベルの増大を伴って増大する限り、より厚い断面を備えるならば、水分平衡に達し(且つ形状回復を開始する)のにより時間がかかるであろう。逆に、特定の温度偏位は平衡を達成するのに十分なほど長くないので、断面の増大は感応性を低減する。設計のこの側面に関連する工学的妥協は重く考察される。
【0077】
水吸収性SMPを使用する第一実施例において、装置は、製品の周りの水蒸気圧又は相対湿度の変化を検出するために、形状記憶効果を使用する。正確な結果を保証するために、水を吸収するセンサの能力並びに材料のT(g)の同時減少を特徴付け且つ相関させることが重要である。温度測定と同様に、形状記憶ポリマは、製品の周りの環境中の水を吸収する。水のより低い蒸気圧で、材料は極めて少ない水を吸収し、仮にあるとしても、小さな変化を示す。
【0078】
再び、図2乃至6に示されるように、材料が水を吸収するとき、そのT(g)は低下され、図6に示されるように、材料2が十分に回復し且つ材料が使用に適しそうであることを示すまで、その記憶形状を回復する。この装置は、水分に対する累積的な露出を追跡し且つ積分するので、図2に示されるダイアル上の各部分は、過露出ユニット(以下「OEU」)の数の10倍の増大を表し、図15、100に示されるように、製品も露出される。例えば、図2において、地域1は、10OEUまでの露出を表示するのに対し、地域2は100OEUまでの露出を表示する。材料がその記憶形状に達するや否や、製品はそれが安全に使用され得ない地点までおそらく劣化している。
【0079】
同様に、上記温度センサのために記載された追加的な方法が、感温性形状記憶材料を感湿性形状記憶ポリマと置換することによって湿度を監視するために使用され得る。
【0080】
感知材料中の一定の水分吸収能力を想定すると、センサ設計のための主要な工学ドライバは、センサ設計の構造及び応答時間スケーリングである。これらのドライバは以下に議論される。
【0081】
様々な感知シナリオの必要を満足するために、複数の構造が求められ得ることが予期される。異なる構造の利点及び不利点は当業者に明らかであり、特定の産業に有用なセンサを構築するために使用され得る。
【0082】
所与の構造の応答時間は、材料が水分平衡に達する時間並びに製品を取り囲む環境の特定の水蒸気圧によって主に決定される。応答時間を制御する簡単な方法は、センサ材料の断面厚さを変更することによる。配合の物理的特性が一定であり且つ均一である限り、厚い断面を用いて水分平衡に達するにはより長い時間がかかる。逆に、特定の相対湿度偏位は平衡を達成するのに十分なほどに長くないので、断面の増大は感度を減少する。よって、図1に示される設計の厚さは、必要とされる感度に依存する。
【0083】
これらの装置の利点は、過剰に吸収された水を除去し、変形された位置に再設定し、且つ、再使用するために、それらが加熱され得ることである。これは、典型的な閉塞された使い捨て装置に対して、高価な感知装置のための著しい利点をもたらす。
【0084】
累積的な露出に加えて、装置は、過剰な水蒸気圧への単一の露出後に、それらの記憶形状を迅速に回復するよう設計され得る。
【0085】
以下の実施例は本発明の範囲を例証するために提供される。この実施例は例証のためだけであるので、本発明はそれに限定されるとみなされるべきではない。
【0086】
実施例4
【0087】
配合が、98.5%重量%の4−ビニルピリジン、0.5重量%のAIBN(開始剤)、及び、1.0重量%のジビニルベンゼンで作成された。10グラムの樹脂を作成する十分な試薬が、上記の順序で共に混合された。樹脂は型内に射出された。型は(WOLO離型剤に塗布された)2つのガラス板とビトンOリングとで構成された。4つのクランプが型を一体に保持した。液体樹脂を型内に射出するために、使い捨てシリンジ及び針が使用された。樹脂は、摂氏60度で夜通しで(>16時間)硬化された。サンプルは型から取り外され、完全硬化を確認するためにDSCを用いて試験された。乾式サンプルTgは、DMAデータによって示されるように、ほぼ125℃であった。サンプルの一部は除去され、それが完全に飽和されるまで水中に浸漬された。湿式サンプルのTgは、同様にDMAデータによって示されるように、ほぼ20℃であった。水は水活性化SMPのこのサンプルのTgを100℃よりも多く低下した。
【0088】
追加的に、材料の形状を変更するために、湿度センサ及び温度センサの両方が材料のTgを使用するので、単一の製品上の温度及び湿度の組み合わせ効果並びにその使用適正に対するそれらの効果を監視するために、単一のセンサが設計され得る。
【0089】
RFID統合(integration)
【0090】
高周波識別(RFID)系が当該技術分野に沢山ある。これらの系は、製品の温度を監視し且つその情報を追跡系に連絡するために、電子的に電力供給される感知装置を使用した。追跡系は、環境問題を矯正するか、或いは、製品が販売されることを阻止し、人員に問題、上記の全て、又は、複数の他の課題を通知する。
【0091】
Lindsay、米国特許番号第6,982,640号は、そのような系を記載している。Lindsayは、貯蔵庫に配置される食品の鮮度又は期限切れを追跡することを提供する。食品は、食品情報及び賞味期限を含むタグを備える。走査されるとき、タグはその情報を系にもたらし、系は製品が期限切れか否かの決定を行う。他の方法は、環境内の温度或いは熱エネルギへの累積的露出を追跡する温度測定装置を含む。
【0092】
現発明は、RFID系に組み入れられ得る。この発明をそのような系に組み入れる利点は、より安価で、製造がより容易なタグ、並びに、内部電子電源がより小さく、或いは、ないことである。
【0093】
SMPセンサ技術とRFID技術の統合を容易化するために、熱及び蒸気圧露出の関数としてそれらの電気特性を累積的に変更する小さな電気構成部品が開発された。設計は、ポテンショメータのような既存の可変電気構成部品の使用を含む。
【0094】
1つの実施態様では、ポテンショメータは、温度又は水蒸気圧のいずれかへの形状記憶材料の露出の関数として、形状記憶材料の形状変化によって回転される。この設計は、トリマコンデンサ及び/又は可変インダクタでも作成され得る。
【0095】
第二実施態様では、温度又は水蒸気圧への露出に起因してSMPが形状を変化するに応じてSMPの導電率を変更するために、導電性SMPが利用される。導電性材料の前の調査は、ロッド形状装置がひねられたときに、抵抗における大きな変化を示した。
【0096】
他の実施態様では、SMPの導電率を変更するために、調節可能なコアを備えるインダクタが使用される。SMP感知材料からの機械的動作は、誘導コイル内部からコアを引っ込めるのに必要な適切な力に整流される。センサが温度又は水蒸気圧に晒されると、センサ材料はコアをインダクタから引っ込め、装置の全体的なインダクタンスを変更する。
【0097】
他の実施態様では、平行板としての2つの弾性的な電極と弾性的な誘電性膜が使用される。コンデンサ全体はSMPセンサ材料内に入れられる。一旦組み立てられると、コンデンサは、開始キャパシタンスを設定するよう線形に引っ張られる。センサが晒されると、それは形状を変更する。即ち、その引っ張られていない記憶形状に向かって回復し、伸びの関数としてキャパシタンスを移動する。
【0098】
現センサ技術のRFID技術との統合は、バッテリ動作するデータロギング及び現アプローチと共に使用されるメモリを必要とすることなしに、長期の累積的な温度及び湿度露出の遠隔測定を可能にする。RFID及び現センサ技術と共に開発されるタグは、保守又はデータ紛失の危険性なしに、20年以上に亘る熱及び湿度露出を累積的に追跡することを可能にする。このアプローチを用いるならば、現RFIDタグの5年及び10年制限が、容易に克服され得る。何故ならば、メモリ又はバッテリが必要とされないからである。
【0099】
感知材料に関連する可撓性を示すために、異なる等級のRFID系を含む2つの観念的アプローチが提供される。第一のアプローチは、L/C又はR/Cタイミング回路に変化をもたらすために、キャパシタンス、抵抗、及び/又は、インダクタンスを必要に応じて増減することを含む。タイミング回路は、全体的な累積的露出を表示する多数の周波数を用いてタグの伝送周波数を変更するために使用され得る。この場合には、動作は、抵抗、キャパシタンス、又は、インダクタンスの変化に変換され、次いで、それは伝送周波数におけるシフトをもたらす。
【0100】
タイミング回路は、所定の長さの時間に亘ってカウンタを計時するために使用される。カウンタの出力は、現システム上のメモリチップの代わりとしてもたらされ、全体的な累積的露出を表すデジタル数字を提供し得る。この場合には、動作は、抵抗、キャパシタンス、又は、インダクタンスにおける変化に変換され、次いで、それは周波数のシフトをもたらし、次に、デジタル数字に変換される。デジタル数字は、メモリ素子から読み取られるID数字に類似するタグによって読み取られ、且つ、伝達され得る。
【0101】
第二のアプローチは、共振周波数応答に変化をもたらすために、キャパシタンス、抵抗、及び/又は、インダクタンスを必要に応じて増減することを含む。
【0102】
RFIDの最も簡単な場合は、4つの等級、即ち、高周波、マイクロ波、周波数分割器、及び、電磁に分類される1ビットトランスポンダである。高周波タグの存在は、読取装置の伝送回路の負荷における変化によって決定される。読取装置の伝送回路は、負荷の変化を探しながら、特定の周波数範囲に亘って出力周波数を回転するよう設計され得る。タグの識別並びに対応する周波数は、累積的露出に関する十分な情報を読取装置に提供する。この場合には、動作は、抵抗、キャパシタンス、又は、インダクタンスの変化に変換され、それはタグの共振周波数を変更する。周波数の変化は、感知材料によって感知される露出レベルに対応する。
【0103】
最終回路選択は、本発明を組み込む系の実現可能性及び適合性に基づく。回路種類の選択後、性能及び全体的サイズを最適化するのに必要な方法及び設計が当業者に明らかであろう。具体的には、回路設計は、上記に示されたセンサ設計並びに所望ネットワークと共に使用されるRFIDに基づく遠隔呼掛け方法に適合するよう開発されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】例示的な方法において使用されるような形状記憶材料の例示的な設計を示す概略図である。
【図2】被監視製品が劣化されていないことを可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図3】その貯蔵寿命の約10%が終了するよう被監視製品が劣化されている可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図4】その貯蔵寿命の約25%が終了するよう被監視製品が劣化されている可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図5】その貯蔵寿命の約75%が終了するよう被監視製品が劣化されている可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図6】被監視製品が期限切れになったか或いは使用に適さないことを可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図7】被監視製品が期限切れでないことを表示する色のみを視聴者が見ることを可能にする形状記憶ポリマ及び光学屈折を使用する第二の方法を示す概略図である。
【図8】被監視製品が期限切れであるか或いは使用に適さないことを表示する色を視聴者が殆ど見ることを可能にする形状記憶ポリマ及び光学屈折を使用する第二の方法を示す概略図である。
【図9】形状記憶材料が望まれる早期の変形から守られるための様々な手段及びそれを被監視製品に取り付ける手段を備える形状記憶材料及び光学屈折を使用する第二の方法を示す概略図である。
【図10】形状記憶材料を被覆したバーコードを示す概略図である。
【図11】形状記憶ポリマで被覆されたバーコードを示す概略図であり、形状記憶ポリマは、過剰な温度への露出によって変形され、且つ、バーコードがバーコードリーダによって読み取られ得ず販売され得ないようバーコードを不鮮明にする。
【図12】形状記憶材料がその記憶形状に戻らせる温度とそれが現在の形状に留まる温度との間の関係を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の参照)
2005年6月21日に出願された米国仮特許出願番号第60/692,458号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、環境条件は使用の適用性又は商品の腐敗に関係するので、腐敗し易い商品の周りの環境条件を検出し且つこの情報を読取り易い形態に視覚的に関係付けるための様々な方法及び装置に関する。これらの実施態様は、30年まで或いはそれよりも長い年数の貯蔵寿命を有し得る弾薬、燃料、及び、他の製品のような長い貯蔵寿命製品の使用の適用性を検出し、且つ、肉、野菜、及び、他の類似の冷凍食品のような冷却食品のような短貯蔵寿命製品、並びに、適切でない環境貯蔵条件に晒されるならば数時間又は数日の貯蔵寿命を有する医薬品及び他の品目における腐敗の可能性を検出するために使用され得る。
【背景技術】
【0003】
全ての製品の周りの環境条件の監視及び制御は、これらの環境条件が製品が時間の経過に伴って不良になったり腐敗するようになったりする危険性を減少するよう、それらの周りの環境条件を制御することによって、増大されるが無限ではない貯蔵寿命をそれらに与え得る。より具体的には、腐敗した食物に関する健康の懸念は、近年、幾つかの政府に、高温に晒されることに起因する腐敗の危険性を最小限化するよう、輸送又は貯蔵のために冷蔵を要求する全ての食物が継続的に監視されるべきことを提案させ或いは要求させている。
【0004】
食物輸送に包含される危険の1つは、食物中にボツリヌス毒素を生成するボツリヌス菌のようなバクテリアの増殖の危険である。従来、消費者は、その臭い、外見、及び、感触によって、食物が腐敗のより高い危険性にあるか否かを告げることが容易であった。しかしながら、臭い、食物の外見、及び、感触における変化は、食中毒を引き起こし得るバクテリアによってではなく、主として酸素、紫外線、又は、両者へ晒されることによって引き起こされる。現代の包装及び冷蔵の出現に伴い、殆どの食物は、明らかに従来的な手段によって腐敗されたものを食物消費者に購入させよう、十分な量の酸素又は紫外線に晒されない。
【0005】
殆どのバクテリアは酸素の不存在で食物上で増殖し得るので、それらの増殖を阻止する唯一の確かな方法は、食物を、特定温度以下に、典型的には、華氏32〜33度又は摂氏0〜0.5度以下に維持することである。数日に亘る34又は36度又は摂氏0.5〜2度への小さな温度上昇さえも、食中毒を引き起こすのに十分な数にボツリヌス菌バクテリアを増殖させ得る。食物の周りの環境温度を継続的に監視することによって、本発明は、食物が腐敗しそうなときの条件を容易に決定し得る。
【0006】
温度は製品の有用性に影響を及ぼし得る唯一の環境因子ではない。相対湿度、又は、製品の周りの雰囲気中の水の蒸気圧は、特定製品を劣化し得る過剰な量の水に製品を晒し得る。それらの特定製品は、テトチップ、クラッカ、パン、パスタ、野菜、肉、及び、他の植物製品を含むが、それらに限定されない。
【0007】
本発明は、弾薬、燃料、及び、他の製品のような他の製品の有用性及び貯蔵寿命の両方に影響を与え得る製品の周りの環境の湿度及び温度を監視するために使用され得る。典型的には、弾薬は20年以上の貯蔵寿命を有する。しかしながら、この貯蔵寿命は、過剰な温度並びに湿度に晒されることによって低下され得る。本発明の使用は、多年に亘って貯蔵された弾薬の使用の適用性の急速で可視的な表示をもたらす。
【0008】
高い熱及び湿度への長時間の露出は、老化プロセスを加速し、軍用及び商用両方の多くの製品の耐用年数を減少する。環境露出を行政的に追跡することは、長い製品サイクルを備える品目にとって不可能な仕事である。追跡武器は著しい挑戦をもたらす。何故ならば、それは複数の環境に搭載され或いは移転され、最終的に、多年に亘って地上又は海上で保存され得るからである。現在、武器が輸送され、移転され、且つ、様々な貯蔵品と混合されるとき、その相対的な鮮度は、実際には年齢が全体的な鮮度において小さな役割のみを演じるときに、年齢によってのみ決定される。装置を感知することの適用は、最も新鮮な弾薬/武器が最も重要な状況のために貯蔵されることを可能にする。
【0009】
本発明は、以下に記載されるような在庫追跡システムにおける使用のために電子手段が本発明に組み込まれ得ることは当業者に明らかであるが、電子手段を使用せずに広範な階級の物品のための相対的な適用性を追跡する手段を提供する。
【0010】
一般的に、感温性製品は、所与温度への露出の結果として腐食せず或いは腐敗されるようにならない。代わりに、製品は、長期に亘る温度差の結果としてそれに付与される熱の量の故に腐敗する。本発明は、長期に亘る様々な環境条件への製品露出を累積的追跡するために、その形状記憶材料、特に、形状記憶ポリマの使用によって従来技術と区別され、この露出に基づく劣化の程度を表示し、安価に、正確に、如何なる電気装置の補助もなしに、それを行う。
【0011】
1984年に米国に最初に導入されて、形状記憶ポリマ(以下「SMP」は、それらに動的形状「記憶」特性をもたらすために、その品質が変更されるポリマである。SMPは、それらの名前が、形状変形を経た後に最初の「記憶された」形状に戻る、それらの固有の能力に由来するポリマである。Guy Skinner及びJohn Larkinによって著された「Conservative Prediction of Time to Clostridium Botulinum Toxin Formation for Use with Time−Temperatue Indicators to Ensure the Safety of Foods」と題するJournal of Food Protection(Vol.61.No.9,1998,1154頁−1160頁)中の論文が、CRGが現在開発中のもののようなセンサ技術の必要を概説している。具体的には、この論文は、CRGの技術のための全市場を概説している。この市場は、ラーキン市場として周知である。
【0012】
要約すると、ラーキン市場は、様々な形態の還元酸素包装(以下「ROP」)に包装される食品を含む。ROPは、嫌気性腐敗有機物の増殖を著しく減少する環境を生み出す。これは新鮮な食物のためのより長い貯蔵寿命を可能にし、海産食物のような地理的に不利な特定の生鮮食品のための市場範囲を増大する。この市場は、冷凍されない食物を生鮮食品とはみなさない。生鮮食品は上質と考えられ、消費者は喜んで割増料金を払い、従って、消費者食品産業のこの生鮮食品区域と関連する粗利益はより一層高い。
【0013】
冷凍食品温度とラーキン論文中に記載されるような致死的な毒素の増殖を可能にする僅かにより温かい温度との間には紙一重の差がある。もし生鮮食品が比較的長い時間期間に亘って3.3℃より上の温度に晒されるならば、ボツリヌス毒素の致死レベルが生じ得る。その上、もし生鮮食品がROPで包装されるならば、平均的な消費者が検出することは困難になる。何故ならば、バクテリアの増殖のために必要ではない酸素の欠乏が、臭気、粘液物、及び、感触のような共通の可視的な腐食の印の一部を覆い隠すからである。
【0014】
海産食品のような食品は、ドックとスーパーマーケットとの間で数回包装され且つ再包装されるので、海産食品が常に新鮮か決定するのは困難になり、チェーンの各リンクがチェーン全体の品質のための顕著な責任を受け入れる。本発明は、この市場に関連する危険性及び責任問題を解消し、消費者関連死亡率を減少し、究極的には、保険率を減少し、関連ビジネスの利益を増大する。何故ならば、如何なる腐敗又は劣化製品も、典型的には、商品の販売者によって支払われるからである。
【0015】
全てのSMPは、少なくとも1つの遷移温度(以後「Tg」)を有し、SMPは、その地点で、堅い剛性プラスチックと軟らかい曲げ易いエラストマポリマとの間を遷移する。SMPがそのTgより上にあるとき、それは軟らかく、そのTgより下にあるとき、それは堅い。一旦SMPの温度がそのTgより上にあると、SMPは所望の形状に概ね変形され得る。変形を「固定」するために、SMPは、所望の変形された形状を維持しながら、そのTgよりしたに冷却されなければならない。一旦変形が固定されると、ポリマネットワークは、熱障壁の故に、その「記憶された」或いは最初の形状に戻り得ない。SMPは、それがそのTgより上に再び加熱されるまで、その変形された形状を無限に保持し、SMPが記憶されるとき、機械的歪みが解放され、SMPはその「記憶された」形状に戻る。Tgは材料が剛性ポリマからエラストマポリマへ遷移する平均温度を表すことを付記することは重要である。ポリマがTgより下の限定的な形状記憶回復を時折示し得るのは平均温度であるからである。典型的には、この限定的な回復は十分に小さく、Tgに十分に接近して起こるので、それはSMPが設計される機能に影響を与えない。
【0016】
そのTgより上に加熱される間、SMPは、高品質、動的エラストマ、400%以上の伸張までの許容差の可撓性を有するが、通常のエラストマと異なり、SMPは、その記憶された形状に迅速に再成形され或いは戻らされ得るし、引き続き、剛的なプラスチックに冷却され得る。変更は材料の劣化なしに反復され得る。
【0017】
SMP遷移プロセスは、形状記憶合金(以後「SMA」)と同様に、熱誘起結晶相転位というよりもむしろ熱分子緩和である。加えて、SMPは、形状構造及び操作において、SMAよりも一層広い範囲及び多様性を示す。
【0018】
SMPは、単純にはエラストマではなく、単純にはプラスチックでもない。それらは、その温度に依存して、両方の材料の特性を示す。剛的であるが、SMPは、剛性ポリマの比強度を示すが、熱刺激下の通常の剛性ポリマは、単純に流れ或いは任意の新しい形状に溶解し、それらはそれらが戻り得る「記憶された」形状を有さない。加熱され曲げ易い間、SMPは、高品質、動的エラストマ、400%以上までの伸張の許容差の可撓性を有するが、通常のエラストマと異なり、SMPは再成形され或いはその記憶された形状に迅速に戻らされ、引き続き、剛的なプラスチックに冷却され得る。使用されるSMPの種類に依存して、活性化温度は、−30°Fと520°F(−40℃と270℃)との間でカスタマイズ可能である。
【0019】
3つの種類の熱活性化SMPがある。即ち、1)部分的に硬化された樹脂、2)サーモプラスチック、及び、3)完全に硬化された熱硬化系である。初めの2つの種類のSMPには制約及び欠点がある。部分的に硬化された樹脂は動作中に硬化し続け、各サイクル毎に特性を変更する。サーモプラスチックSMPは「クリープ」し、それはそれが時間経過と共にその記憶形状を漸進的に「忘れる」ことを意味する。包含されるものの化学的機構の完全な理解は、当業者が特定の必要に合致するようSMPの配合を調整することを可能にする。
【0020】
幾つかの既知のポリマ種類は、形状記憶特性を示す。形状記憶ポリマ特性を示す最も知られ最も研究されたポリマ種類は、おそらく、ポリウレタンポリマである。GordonのProc of Proc of First Intl. Conf. Shape Memory and Superelastic Tech.,115−120(1994)及びTobushi et al.のProc of Fist Intl. Conf. Shape Memory and Superelastic Tech.,109−114(1994)は、形状記憶ポリウレタンの特性及び用途に向けられた研究を例証している。架橋ポリエチレンホモポリマに基づく他のポリマ系が、S.OtaのRadiat. Phys. Chem. 18,81(1981)によって報告された。スチレン−ブタジエンサーモプラスチックコポリマ系も、形状記憶特性を示すことが日本国公開公報JP63−179955によって記載されている。ポリイソプレンも、形状記憶特性を示すことが日本国公開公報JP62−192440において主張されている。Kagami et al.のMacromol. Rapid Communication,17,539−543(1996)に開示されている他の既知のポリマ系は、ステアリルアクリレート及びアクリル酸又はメチルアクリレートのコポリマの等級である。当該技術において既知の他のSMPポリマは、米国特許第4,831,094号に記載のノルボルナン又はジメタンオクタヒドロナプタレンホモポリマ若しくはコポリマから成る物品を含む。
【0021】
熱活性化SMPの主要設計成分は、少なくとも1つのコポリマ、場合によっては、コモノポリマ、架橋剤、及び、場合によっては、開始剤及び追加的な充填材料を含む。形状記憶特性を備えて設計されるポリマは、ポリマ系自体に固有の特徴を増大する特異な組の材料品質及び能力を提供する。SMPは、如何なる用途要求にも適合する遷移温度で化学的に配合され得る。それは巨大な種類の「記憶された」形状に、厚いシート及び窪んだ皿からとても小さい部分又は複雑な開放蜂巣マトリックスに鋳造され且つ硬化され得る。
【0022】
SMPの形状記憶特性を活性化するために、熱エネルギの以外に他の方法がある。SMPを活性化するために、放射線、紫外線光、磁気が使用され得る。この明細書を通じて、「活性化」は、材料を堅い剛的な状態から軟らかい曲げ易い状態に遷移することとして定義付けられる。追加的に、この明細書を通じて、「非活性化」は、軟らかい曲げ易い状態から堅い剛的な状態に遷移することとして定義される。
【0023】
水活性化SMPは、熱活性化SMPである。水はSMPによって吸収されるので、この水吸収は、SMPが水を吸収しなかったならばそうであったであろうよりも低いTgでSMPがその記憶された形状に戻るよう、熱活性化温度を下げる。
【0024】
この現象を記載する多くの論文が最近公表された。Chen, et. al.のThermosetting Polyurethanes with Water−Swollen and Shape memory properties,Journal of Applied Ploymer Science Vol.84 1504−1512(2002)、Huang, et al.のWater−driven Programmable polyurethane shape memory polymer、Demonstration and mechanism,Applied Physics Letters 86,114105(2005)、Yang, et al.のQualitative separation of the effects of carbon nano−powder and moisture on the glass transition temperature of polyurethane shape memory polymer,Scripta Materialia 53 105−107(2005)、及び、Yang, et al.のEffects of moisture on the glass translation temperature of polyurethane shape memory polymer filled with nano−carbon powder,European Polymer Journal 41 1123−1128(2004)を参照。
【0025】
形状記憶ポリマ材料は、本発明のための重大な可能化技術である。複数の企業が、多様な用途のための様々なSMP材料を提供している。それらの中には、(a)Composite Technology Development,Inc.(Lafayette,CO) www.ctd−materials.com、(b)ILC Dover LP(Frederica,DE) www.ilcdover.com、(c)mnemoScience GmbH(Aachen,Germany) www.mnemoscience.com、(d)Mitsubishi Heavy Industries,Ltd.(Nagoya,Japan) www.mhi.co.jp、(e)Cornerstone Research Gourp Inc.(Dayton,Ohio) www.crgrp.comがある。
【0026】
Shahinpoor et al.の米国特許第5,735,067号は、表示表面と、臨界温度より下の温度で第一形状を備え且つ臨界温度より上の温度で第二形状を備える少なくとも1つのSMA部材と、部材を具備して取り付けられた複数の表示器とを有し、部材は、部材が第一形状にあるときに、表示器表面を不明瞭にし、且つ、部材が第二形状にあるときに、表示器表面を不明瞭にしない温度センサを開示している。SMA素子の形状変化は、温度閾値が超過されたことを表示するよう、センサを2つの容易に区別可能な状態の間で変更させ、感知動作が始まるまでSMA部材の遷移温度より下の温度に常に維持されなければならない。
【0027】
Akersの米国特許第6,848,390号は、流体封止されたキャビティと、開始剤を移動する形状記憶材料から成る熱反応性部材とを有する累積的熱露出モニタを開示している。筐体、キャビティ、及び、形状記憶材料遷移温度範囲は、形状記憶材料が環境温度に依存して1つの形状から他の形状に漸進的に変わるよう、互いに対して較正される。
【0028】
Akersは、本質的に、形状記憶材料が吸収する熱エネルギの量を制御するよう形状記憶材料を環境から絶縁するために様々な材料を使用する。Shahinpoorは、単一の閾温度が越えられたことを表示するためにSMAを使用する。Akersによって開示される装置は、外部環境における温度変化が形状記憶材料に達するのに必要とされる時間がその動作を阻止するので、突然の温度変化を許容しない。追加的に、各状況のために絶縁、筐体、及び、他の材料を釣り合わせるのに必要な費用は高価であり、時間がかかる。同様に、Shahinpoorによって開示される装置は、単一の閾温度が越えられたか否かのみ告げ得るが、より低い温度への累積的な露出が材料の使用を損ない或いは適さなくなったか否かを告げ得ない。
【0029】
Debord et al.の米国特許第7,057,495号は、時間−温度積分(以下「TTI」)を遂行し、時間及び/又は温度レバーが到達されることを示し、品目の安全又は貯蔵寿命を妥協するラベル中に包含される電子組立体を開示している。この方法の主要な欠点は、センサが運転するための電気を有さなければならないことである。現装置は、それらの周りの環境条件を監視するのに電気を必要としない。
【0030】
受動温度感知のために使用される他の技術が存在する。これらの装置のために使用される主要な技術は、1)色変化を示す化学的拡散、2)ポリマモジュール内の変化を実行する熱移転である。化学的拡散技術を使用するCheckpoint(R)labels(http://www.vitsab.com/)のような製品は低プロファイルであり、包装に容易に統合され得る。しかしながら、一部の市場のために鮮度を解釈することにおけるそれらの解決策(resolution)は論争中であり、広範囲に及ぶ受入れにとって障壁のままである。Time Temperature Integration,LLC製品は、鮮度を表示するために、制御された熱移転及びポリマモジュール変化を使用する。この製品は、化学的拡散ラベルよりも嵩張るが、TTIの解決策は、所望の時間期間を通じてより良好である。両方の技術は、SMPに基づくセンサと比較されるとき、それらの解決策及び設計自由度の中に制約を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
従って、特定の環境条件への露出に起因する劣化又は腐敗の故に使用に適さない材料を容易に且つ迅速に特定する安価な方法のため必要が当該分野にある。本発明は、品目の使用適正又は腐敗の安価で使用が容易な可視的な表示を提供することによって、これらの制約を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明は、熱エネルギ及び水蒸気圧への製品の露出を累積的に追跡するために、形状記憶材料、具体的には、形状記憶ポリマの特異な特性を利用する。
【0033】
従って、製品による熱エネルギ及び水の吸収を長期に亘って追跡し、且つ、その情報を容易に読み取られる形態で視覚的に表示するために、累積的熱露出モニタ並びに累積的水蒸気圧露出モニタを提供することが本発明の目的である。
【0034】
関連する製品又は容器が、それを使用に適さなくするよう、吸収された十分な水、熱エネルギ、又は、2つの組み合わせを有するか否かを監視し且つ表示する、累積的熱露出モニタを提供することが本発明の他の目的である。
【0035】
この発明の他の目的は、一連の配達における如何なるときにも、製品が製品を使用に適さなくするのに十分な温度又は湿度に累積的に露出されたかを表示するために、腐敗し易い食品、及び、医療品、薬剤、人体及び組織、並びに、他の感温性又は感湿性製品のような腐敗し易い非食品と共に使用され得る熱エネルギ及び水分露出を追跡するために、累積的露出モニタを提供することである。
【0036】
本発明の他の目的は、広範囲の温度、具体的には、−40℃から300℃を越える温度において機能し得る累積センサを提供することである。
【0037】
本発明の他の目的は、化学的、イオン化放射又は熱によって減菌され得るセンサを提供することである。
【0038】
本発明の他の目的は、世界的な政府食品処理コンプライアンスのために安価で効果的な規制工具である累積センサを提供し、一連の配達の如何なる段階でも腐敗し易い品目の品質について実時間決定がなされることを可能にすることである。
【0039】
本発明のさらなる目的は、監視している製品を汚染する危険が余りない累積センサを提供することである。
【0040】
本発明の一層さらなる目的は、製造が安価で、使い捨て可能であり、個々のパッケージへの据付けが経済的な累積センサを提供することである。
【0041】
本発明の他の目的は、明細書並びに以後に関連される請求項を通じて時々明らかになるであろう。
【0042】
本発明の目的は、形状記憶材料の形状記憶回復効果を使用することによって達成される。製品の所望の貯蔵条件が決定された後、所望の貯蔵温度或いはその上の遷移温度或いは水蒸気圧を監視する能力を有する形状記憶材料が配合される。次に、形状記憶材料は、材料を加熱し、それを所望の変形形状に変形し、且つ、材料がその遷移温度より下に冷却される間その形状を維持することによって変形される。次に、変形された材料は、表示装置を組み込む筐体に挿入され且つ接続され、監視されるべき製品の上に配置される。製品が所望の貯蔵条件を超過する温度又は水蒸気圧に晒されると、材料はその変形形状からその記憶形状に移動する。記憶形状における変化は、望ましくない環境条件への製品の露出に直接的に関連する。この露出は、表示装置状で視覚的に追跡される。形状記憶材料がその形状記憶に完全に回復されるや否や、製品は一般的に使用又は消費に適さない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明は、温度及び湿度への累積的露出を追跡するために電力を必要としない安価な温度及び湿度感知装置をカバーしている。これらのセンサは、形状記憶ポリマ及び他の形状記憶材料の特異な相転移を利用する。「形状記憶」は、この明細書を通じて、活性化後に所定の或いは記憶された形状に戻る特定の材料の能力を意味する。「形状記憶」効果の活性化は、複数の方法によって達成され得る。活性化の例示的な方法は、熱エネルギによる。他の方法は、光、放射線、他の形態の電磁エネルギ、磁界、及び、電気を含む。
【0044】
追加的に、ここで使用されるとき、「製品」は、監視される物又は媒体を指し、時間経過と共に様々な環境条件に晒された後に劣化を被り得る食物、医薬品、又は、他の医療品目、非食物品目、ドラッグ、化学薬品、人体又は組織、武器又は弾薬、又は、如何なる他の品目若しくは物質を含み得る。
【0045】
ここで使用されるとき、「好適な貯蔵温度」という表現は、外的な環境条件への露出に起因する如何なる劣化をも最小限化し或いは阻止するために製品が維持されなければならない温度又は温度範囲を指す。
【0046】
SMPを作成するために様々な基本ポリマが使用され得る。使用され得るスチレンコポリマに基づくSMPは、ここに参照として引用される米国特許第6,759,481号に開示されている。シアナートエステルコポリマも使用され得るし、ここに参照として引用される2005年11月11日に発行されたPCT出願第WO/2005/108448号に開示されている。加えて、形状記憶合金、ポリウレタン、ポリエチレンホモポリマ、ブタジエン、ポリイソプレン、ステアリルアクリレート及びアクリル酸又はメチルアクリレートのコポリマ、ノルボルナン又はジメタンオクタヒドロナプタレンホモポリマ若しくはコポリマ、マレイミドポリマ、及び、他の類似の材料が、本発明の範囲内にある。
【0047】
現発明は、嵩張るか或いは作成に時間がかかる以前の設計に対して明らかな利点を有する。本発明は、ある場合には、センサ1個当たり10セント未満の費用で大量生産を可能にする。この技術は、数分から数年から数十年に亘る感知期間を備えて、センサが多くの特定のシナリオの必要を満足するセンサも可能にする。その場合には、SMPにおいて固有の構造−特性−関係を理解することによって、広範なSMPを設計すること、並びに、特定工学要求を満足するようSMPを調整することが可能である。この特定の用途は、環境の温度又は含水量のいずれかに感応的であり且つ反応的であるSMPを要求する。
【0048】
追加的に、SMPは、SMPネットワーク構造中に親水性成分を組み入れることによって、同一装置内で熱及び水分の両方に対して感応的であるよう調整され得る。ポリウレタンSMPの水蒸気浸透率における顕著な差が、ポリウレタングリコール(PEG)成分が組み入れられるとき、ポリウレタンSMPをそのガラス遷移温度より上に加熱し或いは下に冷却することによって達成され得る。PEGのような親水性セグメントの存在は、水分子がそれらのガラス遷移温度より上で十分な可動性を得るや否や、SMPが水分子を輸送することを可能にする。親水性セグメントによるこの水に対する親和性は、それらを環境内の含水量に対して反応的にする。予緊張(pre-strained)された親水性セグメントを包含するSMPが水分に晒されるとき、これらの親水性セグメントは、環境の含水量に依存して、水分を吸収し続ける。吸収された水分子はSMPマトリックスにとって可塑剤として作用するので、結果として得られるT(g)の低下は、形状拝復又は活性化を促進する。よって、水分感応的SMPの形状回復又は活性化の程度は、その水分及び/又は温度露出の履歴に依存する。
【0049】
第一実施態様において、熱事象を検出し且つそれらを追跡するために、装置は形状記憶効果を使用する。センサ材料のTg及び製品の好適貯蔵温度を特徴付け且つ相関させることが重要である。図15は、装置によって記憶される温度と装置によって記憶されない温度との間の関係を示している。Tgを指し示す線より上の温度は、100によって示されるような「過露出ユニット」を創成し、それは変形された形状記憶をその記憶形状に向かって移動し始めさせる。温度が高ければ高いほど、温度がTg線よりも上に長く留まれば留まるほど、記憶形状材料はその変形された形状からその記憶形状により多く移動する。
【0050】
例示的な方法は、累積的熱露出を表示する単純で読取り容易な装置である基本的なセンサ設計を使用する。図1は、記憶形状にある形状記憶材料2の設計を示している。形状記憶材料は、如何なるサイズにも製造され得るが、材料が小さければ小さいほど、費用はより安価である。図1に示される設計は比較的小さい。コンピュータ制御レーザカッタを使用することによって、1インチの1000分の1の設計許容差が可能である。寸法4は僅か0.2500インチであり、寸法8は僅か0.3750インチであり、寸法12は僅か0.1250インチであり、寸法16は0.3750インチであり、半径3は僅か0.1875インチであり、半径5は僅か0.3125インチである。材料の厚さは、以下に議論されるように監視される製品に依存して決定される。この技術は、−40°F〜500°F、−40°Cから270°Cに亘る様々な温度で数分から数年に変化する複数のシナリオを測定するために使用され得る。これらの測定値はサイズ及び費用の故に使用されるが、形状記憶材料のサイズ及び形状は如何なる温度範囲にも変更され得るし或いは如何なる可視的ディスプレイ装置にも適用され得る。
【0051】
感知材料中の一定の熱伝導率及び熱容量を想定して、センサ設計のための主要な工学装置は、センサ設計の構造及び応答時間スケーリング厚さである。これらの装置は以下に議論される。
【0052】
様々な感知シナリオを満足するために、複数の構造が必要とされ得ることが予測される。異なる構造の利点及び負利点は当業者に明らかであり、特定の産業にとって有用なセンサを構築するために使用され得る。
【0053】
所与構造の応答時間は、材料が熱平衡に達するために要する時間及び特定の温度レベルによって主として決定される。応答時間を制御する簡単な方法は、センサ材料の断面厚さを変化することによる。配合の熱伝導率及び熱容量が一定であり且つ均一である限り、より厚い断面を伴うと熱平衡に達するのにより長く時間がかかり(且つ形状回復し始める)。逆に、断面の増大は感度を減少する。何故ならば、一定の温度偏位(excursion)は平衡を達成するほどに長くないからである。よって、図1に示される設計の厚さは、必要とされる感度に依存する。
【0054】
この装置は累積的露出を追跡し且つ積分(integrate)するので、図2に示されるダイアル上の各部分は、図15、100に示されるような、過露出ユニット(以後「OEU」)の数の10倍の増大を表しており、製品も露出される。例えば、図2中、地域1は、10OEUまでの露出を表示しているのに対し、地域2は、100OEUまでの露出を表示している。材料がその記憶形状に達するや否や、製品はおそらく安全に使用され得ない地点にまで劣化されている。
【0055】
図2は、装置24の一部として使用される準備のできた、変形された形状にある記憶材料20を示しており、過剰な熱エネルギ及び/又は高温への製品の露出を追跡する。戻って図15を参照すると、製品の周りの環境温度が上昇すると、センサは、形状記憶材料28が戻り始める、図3に示されるような、その記憶形状に戻り始める。図4乃至6は、製品が図6に示されるようなその記憶形状2に最終的に戻るまで、熱エネルギへの製品の露出を追跡する材料を示している。
【0056】
第二実施態様において、形状記憶材料は、材料が良好であるか或いは期限切れであるかを光学的に表示するために使用される。図7において、形状記憶材料は、初期的には、複数のプリズム又は光学レンズ59に変形される。形状記憶材料の下には、2つの色56及び58の交互パターンがある。光学レンズ59は、初期的には、レンズを通して見る視聴者が、材料が良好であることを表示する色58のみを見るように成形される。形状記憶材料が材料T(g)を越える温度に露出されると、レンズは平坦になり始める。最終的には、図8に示されるように、形状記憶材料全体が平坦66になる。平坦になるや否や、形状記憶材料を通じて見る視聴者は、材料がおそらく劣化されており且つ使用に適さないことを表示する色60を主に見る。
【0057】
図7に示される材料の光学レンズ表面を容易に損傷する点で、この方法は幾つかの欠点を有する。これは、図9に示されるように、光学的に透明な保護層54をレンズ表面の上に付着することによって克服され得る。追加的に、材料が時期尚早に活性化され或いは使用されるのを防止するために、薄い取り外し可能な塗膜52が加えられ得る。最終的に、装置を製品に固定するのを助けるために、接着塗膜62が装置の下に塗布され得る。
【0058】
本発明の目的を達成する他の方法が、図10及び11によって示されている。図10は、SMPによって覆われたバーコードを示している。図11は、材料の遷移温度より上の温度に晒された後のSMPによって覆われた同一のバーコードを示している。一旦SMPがくもらされ或いはぼやかされると、バーコード及び光学スキャナはそれを読み取ることが出来ず、期限切れの製品が販売されることを防止し或いは最小限化する。
【0059】
累積的露出に加え、装置は、過剰な温度への単一の露出の直後に、それらの記憶形状を急速に回復するよう設計され得る。
【0060】
現系の最終的な利点は、センサが再加熱され、変形された形状に再び送られ、再使用され得ることである。これは典型的には閉じられた使い捨て装置に対して高額な感知装置のために著しい利点をもたらす。
【0061】
以下の実施例は、本発明の範囲を例証するために提供される。これらの実施例は例証のためのみに与えられるため、本発明がそれに限定されると考えられるべきではない。
【0062】
実施例1、スチレン基形状記憶ポリマタグ
【0063】
高分子反応混合物が、透明な溶液を得るために、ビニルネオデカノエート(10%)ジビニルベンゼン(0.8%)、及び、スチレン(85.2%)を無作為な順序で混合することによって配合された。次に、50%ベンゾイル過酸化物であるベンゾイル過酸化物ペースト(4%)が、結果として得られる溶液に加えられた(全ての組成%は重量による)。結果として得られる溶液は、使用前に冷蔵庫中で冷却されたままにされる。形状記憶ポリマ樹脂シートを準備するために、3”×3”のガラス板から成る型が制作され、ビトンリングが型地域を取り囲む。上記配合された反応混合物は、ビトンによって取り囲まれた地域に注ぎ込まれる。型は、3”×3”のガラス板をビトンリングの上に配置することによって封止される。ガラスの2つのシートは、縁部の周りのクランプによって共に保持される。ビトンスペーサも、型内でシーラントとして作用する。次に、全系は、真空弁ステムを備える高温真空バック内に配置され、徹底的に適用される真空を適用し、空気漏れがないことを保証する。次に、材料は以下のサイクルで硬化される。1)炉、加圧釜、又は、他の形態の制御加熱装置内での75℃への1時間の直線傾斜、2)75℃での3時間の保持、3)90℃への3時間の直線傾斜、4)110℃への2時間の直線傾斜、5)20℃への1時間の直線傾斜。硬化後、炉から除去し、冷却させる。材料から真空バック及びガラス板を除去する。次に、図1に示されるような設計は、シートからレーザ切断される。次に、これらの装置は、図2に示されるものと類似するダイアルの上に配置され、熱エネルギに対する製品の露出を監視するために使用される。
【0064】
実施例2 エポキシ基形状記憶ポリマタグ
【0065】
ビスフェノールAジグリシダルエーテル(78.46%)、4,4’メチレンジアニレン(0.90%)、及び、アニリン(20.65%)を混合することによって、高分子反応混合物が配合された。ここで、全ての百分率は重量による。ビスフェノールAジグリシダルエーテルは、液体に留まるよう、加熱ドラム内に保持される。もしそれが結晶化するならば、それを溶解することは樹脂に対して悪影響を有さない。4,4’メチレンジアニレンは、固体ペレットの形で提供され、検量され、アニリンに加えられた。アニリン/4,4’メチレンジアニレンは、4,4’メチレンジアニレンがアニリン内で完全に溶解されるまで、超音波処理器内で超音波処理された。アニリン/4,4’メチレンジアニレン混合物は、移転ピペットを使用して、ビスフェノールAジグリシダルエーテルに加えられた。次に、樹脂が均一になるまで、樹脂は混合された。次に、樹脂を型内に注入し、射出し、或いは、送り出すことによって、樹脂はガラス/ビトン型に移転される。型は、WOLO離型剤で塗布され、且つ、結合クリップ又はハンドクランプで共に保持された概ね2つのガラス板であり、ビトンコルク又はビトンOリングがそれらの間に挟装される。もし樹脂がビトンコルクを備える型内に射出され或いは送り出されるならば、シリンジ又はポンプが適合するよう、型の上に空間が残される。樹脂が射出され或いは送り出された後、型はビトンコードをビトンコルクと共に融合することによって封止される。もし樹脂がOリングを備える型内に射出されるならば、シリンジ針はOリングの背後に配置され、型が十分に封止されることを確実にするために、射出後に注意深く引き出される。もし樹脂が型内に注入されるならば、樹脂はOリングの中間にある第一ガラス板並びに樹脂の上に配置される第二ガラス板上に注がれ、樹脂を強制的に平らにするために真っ直ぐ押し下げられることで、空隙を防止し、型の隅部又は縁部がクランプされる。全ての場合において、樹脂が硬化中に僅かに膨張し或いは収縮するときに、樹脂がガラスを破壊するのを防止するために、少量の熱室が空のままにされる。サンプルはラベル付けされ、24時間に亘って硬化されるよう、125℃の炉内に垂直に入れられる。次に、図1に示された設計は、センサを形成するために、シートからレーザ切断される。
【0066】
実施例3 アクリレート基形状記憶ポリマタグ
【0067】
均一な混合を達成するために、1.0%の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、48%のメチルメタクリレート、50%のブチルアクリレート、及び、1.0%のベンゾイル過酸化物を混合することによって、高分子反応混合物が配合された。全ての百分率は重量による。160グラムの樹脂を作成する十分な試薬が、上記に列記された順序で共に混合された。樹脂は型内に射出された。型は、WOLO離型剤及びテフロン(登録商標)Oリングで被覆された2つのガラス板で構成された。10個のクランプが型を一体に保持した。液体樹脂を型内に射出するために、使い捨てシリンジ及び針が使用された。樹脂は、摂氏65度で硬化され、次に、22時間に亘って摂氏80度で硬化される。次に、図1に示された設計は、センサを形成するために、シートからレーザ切断される。
【0068】
水蒸気圧モニタリング
【0069】
追加的な実施態様において、基本マトリックスとしてジオール終端ポリ(カプロラクトン)(PCLジオール)、ヘクサメチレンジイソシアネート(HDI)、MDI、及び、ヘクサメチレンジアミン(HDA)を利用することによって、水分感応性形状記憶ポリウレタンが得られ得る。所望の感湿性を得るために、PEG又はポリビニルピロリドンのような親水性セグメントが、SMPマトリックス中に組み入れられ得る。SMPのこの感湿性は、様々な成分の親水性セグメントをSMPマトリックス中に配合することによって調整され得る。さらに、親水性セグメントの可動性は、SMPマトリックス中のセグメントの分子重量に依存し、より制限された動作の故により低い可動性を有するより短いセグメントを備えるので、結果として得られるSMPの水分吸収及び可塑化の有効性は、マトリックス中に組み入れられるべき親水性セグメントの適切な分子重量を選択することによって微調整され得る。
【0070】
親水性モノマーの構造は、他のモノマーよりも、幾分、水により類似する。これは、時にはそれが水に溶けるまで、水をモノマーにより引き寄せる。親水性モノマーが重合され且つ架橋されるとき、それらはもはや水溶性ではないが、ポリマ構造は依然として親水性である。従って、ポリマはそれ自体の内に水を吸収するが、それは溶解しない。水がポリマに進入すると、ポリマは膨張し且つ軟化することで、可撓になる。水はポリマのTgを低下し、ポリマがその記憶形状を回復するのを可能にする。
【0071】
上述のように、形状記憶効果が活性化される方法を意味するが、水「活性化」SMPは、この明細書を通じて、活性化手段として水を使用しない。むしろ、水がSMPによって吸収されるときに、熱活性化温度は、SMPが水を吸収しないならばSMPが有するであろうよりもより低いTgで、その記憶された形状に戻るよう低下されるので、熱エネルギの吸収は活性化手段である。最終的に、SMPは、そのTgが環境のそれであり且つその記憶された形状に迅速に戻るよう、水を十分に吸収する。
【0072】
もし2又はそれよりも多くのモノマーが使用されるならば、1つは非親水性(即ち、水素結合、より低い電気陰性度の原子を形成し得ない、より低い極性を備えるモノマー)、(0〜75重量%)、親水性(25〜99重量%)であり得る。最終ポリマが水を吸収する限り、SMPはある程度まで水活性化される。
【0073】
親水性モノマーは、水活性化SMPの主要成分である。主要親水性モノマーの組成は、ほぼ50〜98.75重量%から変化した。水活性化SMPを作成するために我々が使用した親水性モノマーは次の通りである。アクリルアミド、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン。(図1)追加的に、重合されるときにそれらが水を吸収するのに十分なほどに親水性である限り(即ち、比較的高い極性、水素結合、より高い電気陰極性の原子、孤立電子対を備えるモノマー)、他のモノマーが使用され得る。モノマーは、SMPの感水性及びTgを調節するために、様々な特性に混合され得る。もし両方の親水性が(0〜99重量%)×(2モノマー)を使用するならば、アクリル酸は、良好な成功を伴って、2−ヒドロキシエチルアクリレートと混合され、アクリルアミドは1−ビニル−2−ピロリドンと混合された。4−ビニルピリジンは、良好な成功を伴って、1−ビニル−2−ピロリドンと混合された。モノマーが成功裏に共に重合される限り、他の組み合わせが可能である。
【0074】
蒸気圧は、空中の水蒸気の部分圧力を使用して、空気の水蒸気含有量を測定する。圧力は、様々な単位を使用して、とりわけ、パスカル、ミリバール、平方インチ当たりポンドで表現され得る。環境中の期待は、ある量の圧力(海水位で約1013ミリバール)を加える。水蒸気は空中の期待の1つなので、それは全空気圧に寄与する。水蒸気は一群の空気の全質量の数パーセントを成すだけなので、水蒸気による寄与はむしろ小さい。空中の水の蒸気圧は海水位で、20℃の温度で、飽和状態で24ミリバールである。蒸気圧は直接的に容易に決定されない。相対湿度を測定することが実際にはより容易である。
【0075】
相対湿度は、空中の水蒸気の量を飽和状態で空中に存在する水蒸気の量と比較する比率である。述べられ得る1つの方法は、飽和状態の混合比に対する実際の混合比としてである。相対湿度は百分率として与えられる、即ち、水蒸気の量は飽和の百分率として表現される。追加的に、異なるレベルの分解が求められる。
【0076】
センサ設計のための主要な工学ドライバは、センサ設計の構造及び応答時間スケーリングであることが想定される。所与の構造の応答時間は、材料が水分平衡レベルに達する時間によっておそらく決定される。応答時間を制御する簡単な方法は、センサ材料の断面厚さを変更することによる。ポリマの透湿性が(まだ決定されていないある比率で)蒸気圧レベルの増大を伴って増大する限り、より厚い断面を備えるならば、水分平衡に達し(且つ形状回復を開始する)のにより時間がかかるであろう。逆に、特定の温度偏位は平衡を達成するのに十分なほど長くないので、断面の増大は感応性を低減する。設計のこの側面に関連する工学的妥協は重く考察される。
【0077】
水吸収性SMPを使用する第一実施例において、装置は、製品の周りの水蒸気圧又は相対湿度の変化を検出するために、形状記憶効果を使用する。正確な結果を保証するために、水を吸収するセンサの能力並びに材料のT(g)の同時減少を特徴付け且つ相関させることが重要である。温度測定と同様に、形状記憶ポリマは、製品の周りの環境中の水を吸収する。水のより低い蒸気圧で、材料は極めて少ない水を吸収し、仮にあるとしても、小さな変化を示す。
【0078】
再び、図2乃至6に示されるように、材料が水を吸収するとき、そのT(g)は低下され、図6に示されるように、材料2が十分に回復し且つ材料が使用に適しそうであることを示すまで、その記憶形状を回復する。この装置は、水分に対する累積的な露出を追跡し且つ積分するので、図2に示されるダイアル上の各部分は、過露出ユニット(以下「OEU」)の数の10倍の増大を表し、図15、100に示されるように、製品も露出される。例えば、図2において、地域1は、10OEUまでの露出を表示するのに対し、地域2は100OEUまでの露出を表示する。材料がその記憶形状に達するや否や、製品はそれが安全に使用され得ない地点までおそらく劣化している。
【0079】
同様に、上記温度センサのために記載された追加的な方法が、感温性形状記憶材料を感湿性形状記憶ポリマと置換することによって湿度を監視するために使用され得る。
【0080】
感知材料中の一定の水分吸収能力を想定すると、センサ設計のための主要な工学ドライバは、センサ設計の構造及び応答時間スケーリングである。これらのドライバは以下に議論される。
【0081】
様々な感知シナリオの必要を満足するために、複数の構造が求められ得ることが予期される。異なる構造の利点及び不利点は当業者に明らかであり、特定の産業に有用なセンサを構築するために使用され得る。
【0082】
所与の構造の応答時間は、材料が水分平衡に達する時間並びに製品を取り囲む環境の特定の水蒸気圧によって主に決定される。応答時間を制御する簡単な方法は、センサ材料の断面厚さを変更することによる。配合の物理的特性が一定であり且つ均一である限り、厚い断面を用いて水分平衡に達するにはより長い時間がかかる。逆に、特定の相対湿度偏位は平衡を達成するのに十分なほどに長くないので、断面の増大は感度を減少する。よって、図1に示される設計の厚さは、必要とされる感度に依存する。
【0083】
これらの装置の利点は、過剰に吸収された水を除去し、変形された位置に再設定し、且つ、再使用するために、それらが加熱され得ることである。これは、典型的な閉塞された使い捨て装置に対して、高価な感知装置のための著しい利点をもたらす。
【0084】
累積的な露出に加えて、装置は、過剰な水蒸気圧への単一の露出後に、それらの記憶形状を迅速に回復するよう設計され得る。
【0085】
以下の実施例は本発明の範囲を例証するために提供される。この実施例は例証のためだけであるので、本発明はそれに限定されるとみなされるべきではない。
【0086】
実施例4
【0087】
配合が、98.5%重量%の4−ビニルピリジン、0.5重量%のAIBN(開始剤)、及び、1.0重量%のジビニルベンゼンで作成された。10グラムの樹脂を作成する十分な試薬が、上記の順序で共に混合された。樹脂は型内に射出された。型は(WOLO離型剤に塗布された)2つのガラス板とビトンOリングとで構成された。4つのクランプが型を一体に保持した。液体樹脂を型内に射出するために、使い捨てシリンジ及び針が使用された。樹脂は、摂氏60度で夜通しで(>16時間)硬化された。サンプルは型から取り外され、完全硬化を確認するためにDSCを用いて試験された。乾式サンプルTgは、DMAデータによって示されるように、ほぼ125℃であった。サンプルの一部は除去され、それが完全に飽和されるまで水中に浸漬された。湿式サンプルのTgは、同様にDMAデータによって示されるように、ほぼ20℃であった。水は水活性化SMPのこのサンプルのTgを100℃よりも多く低下した。
【0088】
追加的に、材料の形状を変更するために、湿度センサ及び温度センサの両方が材料のTgを使用するので、単一の製品上の温度及び湿度の組み合わせ効果並びにその使用適正に対するそれらの効果を監視するために、単一のセンサが設計され得る。
【0089】
RFID統合(integration)
【0090】
高周波識別(RFID)系が当該技術分野に沢山ある。これらの系は、製品の温度を監視し且つその情報を追跡系に連絡するために、電子的に電力供給される感知装置を使用した。追跡系は、環境問題を矯正するか、或いは、製品が販売されることを阻止し、人員に問題、上記の全て、又は、複数の他の課題を通知する。
【0091】
Lindsay、米国特許番号第6,982,640号は、そのような系を記載している。Lindsayは、貯蔵庫に配置される食品の鮮度又は期限切れを追跡することを提供する。食品は、食品情報及び賞味期限を含むタグを備える。走査されるとき、タグはその情報を系にもたらし、系は製品が期限切れか否かの決定を行う。他の方法は、環境内の温度或いは熱エネルギへの累積的露出を追跡する温度測定装置を含む。
【0092】
現発明は、RFID系に組み入れられ得る。この発明をそのような系に組み入れる利点は、より安価で、製造がより容易なタグ、並びに、内部電子電源がより小さく、或いは、ないことである。
【0093】
SMPセンサ技術とRFID技術の統合を容易化するために、熱及び蒸気圧露出の関数としてそれらの電気特性を累積的に変更する小さな電気構成部品が開発された。設計は、ポテンショメータのような既存の可変電気構成部品の使用を含む。
【0094】
1つの実施態様では、ポテンショメータは、温度又は水蒸気圧のいずれかへの形状記憶材料の露出の関数として、形状記憶材料の形状変化によって回転される。この設計は、トリマコンデンサ及び/又は可変インダクタでも作成され得る。
【0095】
第二実施態様では、温度又は水蒸気圧への露出に起因してSMPが形状を変化するに応じてSMPの導電率を変更するために、導電性SMPが利用される。導電性材料の前の調査は、ロッド形状装置がひねられたときに、抵抗における大きな変化を示した。
【0096】
他の実施態様では、SMPの導電率を変更するために、調節可能なコアを備えるインダクタが使用される。SMP感知材料からの機械的動作は、誘導コイル内部からコアを引っ込めるのに必要な適切な力に整流される。センサが温度又は水蒸気圧に晒されると、センサ材料はコアをインダクタから引っ込め、装置の全体的なインダクタンスを変更する。
【0097】
他の実施態様では、平行板としての2つの弾性的な電極と弾性的な誘電性膜が使用される。コンデンサ全体はSMPセンサ材料内に入れられる。一旦組み立てられると、コンデンサは、開始キャパシタンスを設定するよう線形に引っ張られる。センサが晒されると、それは形状を変更する。即ち、その引っ張られていない記憶形状に向かって回復し、伸びの関数としてキャパシタンスを移動する。
【0098】
現センサ技術のRFID技術との統合は、バッテリ動作するデータロギング及び現アプローチと共に使用されるメモリを必要とすることなしに、長期の累積的な温度及び湿度露出の遠隔測定を可能にする。RFID及び現センサ技術と共に開発されるタグは、保守又はデータ紛失の危険性なしに、20年以上に亘る熱及び湿度露出を累積的に追跡することを可能にする。このアプローチを用いるならば、現RFIDタグの5年及び10年制限が、容易に克服され得る。何故ならば、メモリ又はバッテリが必要とされないからである。
【0099】
感知材料に関連する可撓性を示すために、異なる等級のRFID系を含む2つの観念的アプローチが提供される。第一のアプローチは、L/C又はR/Cタイミング回路に変化をもたらすために、キャパシタンス、抵抗、及び/又は、インダクタンスを必要に応じて増減することを含む。タイミング回路は、全体的な累積的露出を表示する多数の周波数を用いてタグの伝送周波数を変更するために使用され得る。この場合には、動作は、抵抗、キャパシタンス、又は、インダクタンスの変化に変換され、次いで、それは伝送周波数におけるシフトをもたらす。
【0100】
タイミング回路は、所定の長さの時間に亘ってカウンタを計時するために使用される。カウンタの出力は、現システム上のメモリチップの代わりとしてもたらされ、全体的な累積的露出を表すデジタル数字を提供し得る。この場合には、動作は、抵抗、キャパシタンス、又は、インダクタンスにおける変化に変換され、次いで、それは周波数のシフトをもたらし、次に、デジタル数字に変換される。デジタル数字は、メモリ素子から読み取られるID数字に類似するタグによって読み取られ、且つ、伝達され得る。
【0101】
第二のアプローチは、共振周波数応答に変化をもたらすために、キャパシタンス、抵抗、及び/又は、インダクタンスを必要に応じて増減することを含む。
【0102】
RFIDの最も簡単な場合は、4つの等級、即ち、高周波、マイクロ波、周波数分割器、及び、電磁に分類される1ビットトランスポンダである。高周波タグの存在は、読取装置の伝送回路の負荷における変化によって決定される。読取装置の伝送回路は、負荷の変化を探しながら、特定の周波数範囲に亘って出力周波数を回転するよう設計され得る。タグの識別並びに対応する周波数は、累積的露出に関する十分な情報を読取装置に提供する。この場合には、動作は、抵抗、キャパシタンス、又は、インダクタンスの変化に変換され、それはタグの共振周波数を変更する。周波数の変化は、感知材料によって感知される露出レベルに対応する。
【0103】
最終回路選択は、本発明を組み込む系の実現可能性及び適合性に基づく。回路種類の選択後、性能及び全体的サイズを最適化するのに必要な方法及び設計が当業者に明らかであろう。具体的には、回路設計は、上記に示されたセンサ設計並びに所望ネットワークと共に使用されるRFIDに基づく遠隔呼掛け方法に適合するよう開発されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】例示的な方法において使用されるような形状記憶材料の例示的な設計を示す概略図である。
【図2】被監視製品が劣化されていないことを可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図3】その貯蔵寿命の約10%が終了するよう被監視製品が劣化されている可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図4】その貯蔵寿命の約25%が終了するよう被監視製品が劣化されている可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図5】その貯蔵寿命の約75%が終了するよう被監視製品が劣化されている可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図6】被監視製品が期限切れになったか或いは使用に適さないことを可視的に表示するために形状記憶材料を使用する例示的な方法を示す概略図である。
【図7】被監視製品が期限切れでないことを表示する色のみを視聴者が見ることを可能にする形状記憶ポリマ及び光学屈折を使用する第二の方法を示す概略図である。
【図8】被監視製品が期限切れであるか或いは使用に適さないことを表示する色を視聴者が殆ど見ることを可能にする形状記憶ポリマ及び光学屈折を使用する第二の方法を示す概略図である。
【図9】形状記憶材料が望まれる早期の変形から守られるための様々な手段及びそれを被監視製品に取り付ける手段を備える形状記憶材料及び光学屈折を使用する第二の方法を示す概略図である。
【図10】形状記憶材料を被覆したバーコードを示す概略図である。
【図11】形状記憶ポリマで被覆されたバーコードを示す概略図であり、形状記憶ポリマは、過剰な温度への露出によって変形され、且つ、バーコードがバーコードリーダによって読み取られ得ず販売され得ないようバーコードを不鮮明にする。
【図12】形状記憶材料がその記憶形状に戻らせる温度とそれが現在の形状に留まる温度との間の関係を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間温度積分装置であって、
好適な貯蔵温度を有する被監視製品の周りの環境の温度を継続的に監視するための温度測定手段を含み、
該温度測定手段は、記憶形状及び変形形状を備える形状記憶材料であり、
該形状記憶材料は、少なくとも前記被監視製品の好適貯蔵温度を含む遷移温度範囲を有し、前記形状記憶材料は、前記被監視製品の前記好適貯蔵温度に接し或いは超過する前記被監視製品の周りの環境の温度に応答して、前記変形形状から前記記憶形状に移動し、
熱エネルギは前記被監視製品の使用適正を表示するものとして当該装置の周りの環境の温度に関係するので、当該装置によって吸収される前記熱エネルギに応答して、前記形状記憶材料が前記変形位置から前記記憶位置に移動するとき、前記形状記憶材料に接続される前記形状記憶材料の形状における変化を視覚的に表示するための表示手段を含む、
時間温度積分装置。
【請求項2】
前記形状記憶材料の形状への前記変化を可視的に表示するための手段は、前記形状記憶材料に取り付けられるスケール手段であり、前記好適貯蔵温度内で或いは上で吸収される熱エネルギの累積的量を表す較正をその上に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記形状記憶材料の前記好適貯蔵温度よりも低い温度への後続の露出に拘わらず、前記表示手段が前記形状記憶材料によって最後に移動された位置に実質的に留まる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記形状記憶材料は、形状記憶ポリマである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、スチレン形状記憶ポリマ、シアナートエステル形状記憶ポリマ、マレイミド形状記憶ポリマ、エポキシ形状記憶ポリマ、ビニルエステル形状記憶ポリマ、又は、他の形状記憶ポリマから成る、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記形状記憶材料は、熱硬化性又は熱可塑性の樹脂のいずれかである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記形状記憶材料は、形状記憶ポリマ樹脂マトリックス中の繊維状材料から成る形状記憶ポリマ複合材である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記繊維状材料は、カーボンナノ繊維、カーボン繊維、スパンデックス、短繊維、無作為繊維マット、任意の材料の織物、連続繊維、ガラス繊維、又は、他の種類の織布である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記繊維状材料は、平編み、二次元編み、又は、三次元編みパターンである、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、スチレン形状記憶ポリマ、シアナートエステル形状記憶ポリマ、マレイミド形状記憶ポリマ、エポキシ形状記憶ポリマ、ビニルエステル形状記憶ポリマ、又は、他の形状記憶ポリマから成る、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記好適貯蔵温度及び繊維温度は、摂氏約−20°から摂氏約270°である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
時間温度積分装置であって、
当該装置を好適貯蔵温度を有する被監視製品に取り付けるための手段と、
前記被監視製品の周りの環境の温度を継続的に監視するための温度測定手段とを含み、
該温度測定手段は、形状記憶材料であり、該形状記憶材料の物理的、機械的、又は、電気的な特性は、前記被監視製品の前記好適貯蔵温度に接する或いは超過する前記被監視製品の周りの環境の前記温度に応答して変化し、
熱エネルギは前記被監視製品の使用適正を表示するものとして当該装置の周りの環境の温度に関係するので、前記形状記憶材料が当該装置によって吸収される前記熱エネルギに応答して、前記変形位置から前記記憶位置に移動するときに、前記形状記憶材料に接続される前記形状記憶材料の形状の前記変化を視覚的に表示するための表示器手段とを含む、
時間温度積分装置
【請求項13】
時間水蒸気圧積分装置であって、
当該装置を被監視製品に取り付けるための手段と、
前記被監視製品の周りの環境の水蒸気圧を継続的に監視するための水蒸気圧測定手段とを含み、
該水蒸気圧測定手段は、記憶位置及び変形位置を備える形状記憶材料であり、該形状記憶材料は、前記被監視製品の周りの環境の前記水蒸気圧に応答して、前記変形位置から前記記憶位置に移動し、
前記形状記憶材料が前記被監視製品の使用適正の表示として前記変形位置から前記記憶位置に移動するときに、水の累積的な量は前記被監視製品の周りの環境の水蒸気圧に関係するので、前記形状記憶材料によって吸収される水の累積的な量の関数として前記形状記憶材料の形状における変化を視覚的に表示するための手段を含む、
時間水蒸気圧積分装置。
【請求項14】
前記形状記憶材料の形状への変化を視覚的に表示するための手段は、前記形状記憶材料に取り付けられるスケール手段であり、前記好適貯蔵温度内に並びに上に吸収される熱エネルギの累積的な量を表す較正をその上に有する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記表示器手段は、前記形状記憶材料の前記好適貯蔵温度よりも低い温度への後続の露出に拘わらず、それが前記形状記憶材料によって最後に移動された位置に実質的に留まる、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記形状記憶材料は、形状記憶ポリマである、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、スチレン形状記憶ポリマ、シアナートエステル形状記憶ポリマ、マレイミド形状記憶ポリマ、エポキシ形状記憶ポリマ、ビニルエステル形状記憶ポリマ、又は、他の形状記憶ポリマから成る、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、熱硬化性或いは熱可塑性の樹脂のいずれかである、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記形状記憶材料は、形状記憶ポリマ樹脂マトリックス中の繊維状材料から成る形状記憶ポリマ複合材である、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記繊維状材料は、カーボンナノ繊維、カーボン繊維、スパンデックス、短繊維、無作為繊維マット、任意の材料の織物、連続繊維、ガラス繊維、又は、他の種類の織布である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記繊維状材料は、平編み、二次元編み、又は、三次元編みパターンである、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、スチレン形状記憶ポリマ、シアナートエステル形状記憶ポリマ、マレイミド形状記憶ポリマ、エポキシ形状記憶ポリマ、ビニルエステル形状記憶ポリマ、又は、他の形状記憶ポリマから成る、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記好適貯蔵温度及び遷移温度は、摂氏約−20°から摂氏約270°である、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
時間水蒸気圧積分装置であって、
当該装置を被監視製品に取り付ける手段と、
前記被監視製品の周りの環境の水蒸気圧を継続的に監視するための水蒸気圧測定手段とを含み、
該素性気圧測定手段は、形状記憶材料であり、該形状記憶材料の物理的、機械的、又は、電気的な特性は、前記被監視製品の周りの環境の前記水蒸気圧に応答して変化し、
前記形状記憶材料が前記被監視製品の使用適正の表示として前記変形位置から前記記憶位置に移動するときに、水の累積的な量は前記被監視製品の周りの環境の水蒸気圧に関係するので、前記形状記憶材料によって吸収される水の累積的な量の関数として前記形状記憶材料の形状における変化を視覚的に表示するための手段とを含む、
時間水蒸気圧積分装置。
【請求項1】
時間温度積分装置であって、
好適な貯蔵温度を有する被監視製品の周りの環境の温度を継続的に監視するための温度測定手段を含み、
該温度測定手段は、記憶形状及び変形形状を備える形状記憶材料であり、
該形状記憶材料は、少なくとも前記被監視製品の好適貯蔵温度を含む遷移温度範囲を有し、前記形状記憶材料は、前記被監視製品の前記好適貯蔵温度に接し或いは超過する前記被監視製品の周りの環境の温度に応答して、前記変形形状から前記記憶形状に移動し、
熱エネルギは前記被監視製品の使用適正を表示するものとして当該装置の周りの環境の温度に関係するので、当該装置によって吸収される前記熱エネルギに応答して、前記形状記憶材料が前記変形位置から前記記憶位置に移動するとき、前記形状記憶材料に接続される前記形状記憶材料の形状における変化を視覚的に表示するための表示手段を含む、
時間温度積分装置。
【請求項2】
前記形状記憶材料の形状への前記変化を可視的に表示するための手段は、前記形状記憶材料に取り付けられるスケール手段であり、前記好適貯蔵温度内で或いは上で吸収される熱エネルギの累積的量を表す較正をその上に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記形状記憶材料の前記好適貯蔵温度よりも低い温度への後続の露出に拘わらず、前記表示手段が前記形状記憶材料によって最後に移動された位置に実質的に留まる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記形状記憶材料は、形状記憶ポリマである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、スチレン形状記憶ポリマ、シアナートエステル形状記憶ポリマ、マレイミド形状記憶ポリマ、エポキシ形状記憶ポリマ、ビニルエステル形状記憶ポリマ、又は、他の形状記憶ポリマから成る、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記形状記憶材料は、熱硬化性又は熱可塑性の樹脂のいずれかである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記形状記憶材料は、形状記憶ポリマ樹脂マトリックス中の繊維状材料から成る形状記憶ポリマ複合材である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記繊維状材料は、カーボンナノ繊維、カーボン繊維、スパンデックス、短繊維、無作為繊維マット、任意の材料の織物、連続繊維、ガラス繊維、又は、他の種類の織布である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記繊維状材料は、平編み、二次元編み、又は、三次元編みパターンである、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、スチレン形状記憶ポリマ、シアナートエステル形状記憶ポリマ、マレイミド形状記憶ポリマ、エポキシ形状記憶ポリマ、ビニルエステル形状記憶ポリマ、又は、他の形状記憶ポリマから成る、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記好適貯蔵温度及び繊維温度は、摂氏約−20°から摂氏約270°である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
時間温度積分装置であって、
当該装置を好適貯蔵温度を有する被監視製品に取り付けるための手段と、
前記被監視製品の周りの環境の温度を継続的に監視するための温度測定手段とを含み、
該温度測定手段は、形状記憶材料であり、該形状記憶材料の物理的、機械的、又は、電気的な特性は、前記被監視製品の前記好適貯蔵温度に接する或いは超過する前記被監視製品の周りの環境の前記温度に応答して変化し、
熱エネルギは前記被監視製品の使用適正を表示するものとして当該装置の周りの環境の温度に関係するので、前記形状記憶材料が当該装置によって吸収される前記熱エネルギに応答して、前記変形位置から前記記憶位置に移動するときに、前記形状記憶材料に接続される前記形状記憶材料の形状の前記変化を視覚的に表示するための表示器手段とを含む、
時間温度積分装置
【請求項13】
時間水蒸気圧積分装置であって、
当該装置を被監視製品に取り付けるための手段と、
前記被監視製品の周りの環境の水蒸気圧を継続的に監視するための水蒸気圧測定手段とを含み、
該水蒸気圧測定手段は、記憶位置及び変形位置を備える形状記憶材料であり、該形状記憶材料は、前記被監視製品の周りの環境の前記水蒸気圧に応答して、前記変形位置から前記記憶位置に移動し、
前記形状記憶材料が前記被監視製品の使用適正の表示として前記変形位置から前記記憶位置に移動するときに、水の累積的な量は前記被監視製品の周りの環境の水蒸気圧に関係するので、前記形状記憶材料によって吸収される水の累積的な量の関数として前記形状記憶材料の形状における変化を視覚的に表示するための手段を含む、
時間水蒸気圧積分装置。
【請求項14】
前記形状記憶材料の形状への変化を視覚的に表示するための手段は、前記形状記憶材料に取り付けられるスケール手段であり、前記好適貯蔵温度内に並びに上に吸収される熱エネルギの累積的な量を表す較正をその上に有する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記表示器手段は、前記形状記憶材料の前記好適貯蔵温度よりも低い温度への後続の露出に拘わらず、それが前記形状記憶材料によって最後に移動された位置に実質的に留まる、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記形状記憶材料は、形状記憶ポリマである、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、スチレン形状記憶ポリマ、シアナートエステル形状記憶ポリマ、マレイミド形状記憶ポリマ、エポキシ形状記憶ポリマ、ビニルエステル形状記憶ポリマ、又は、他の形状記憶ポリマから成る、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、熱硬化性或いは熱可塑性の樹脂のいずれかである、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
前記形状記憶材料は、形状記憶ポリマ樹脂マトリックス中の繊維状材料から成る形状記憶ポリマ複合材である、請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記繊維状材料は、カーボンナノ繊維、カーボン繊維、スパンデックス、短繊維、無作為繊維マット、任意の材料の織物、連続繊維、ガラス繊維、又は、他の種類の織布である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記繊維状材料は、平編み、二次元編み、又は、三次元編みパターンである、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記形状記憶ポリマ樹脂は、スチレン形状記憶ポリマ、シアナートエステル形状記憶ポリマ、マレイミド形状記憶ポリマ、エポキシ形状記憶ポリマ、ビニルエステル形状記憶ポリマ、又は、他の形状記憶ポリマから成る、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記好適貯蔵温度及び遷移温度は、摂氏約−20°から摂氏約270°である、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
時間水蒸気圧積分装置であって、
当該装置を被監視製品に取り付ける手段と、
前記被監視製品の周りの環境の水蒸気圧を継続的に監視するための水蒸気圧測定手段とを含み、
該素性気圧測定手段は、形状記憶材料であり、該形状記憶材料の物理的、機械的、又は、電気的な特性は、前記被監視製品の周りの環境の前記水蒸気圧に応答して変化し、
前記形状記憶材料が前記被監視製品の使用適正の表示として前記変形位置から前記記憶位置に移動するときに、水の累積的な量は前記被監視製品の周りの環境の水蒸気圧に関係するので、前記形状記憶材料によって吸収される水の累積的な量の関数として前記形状記憶材料の形状における変化を視覚的に表示するための手段とを含む、
時間水蒸気圧積分装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−544280(P2008−544280A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518346(P2008−518346)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024089
【国際公開番号】WO2007/002161
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507112871)コーナーストーン リサーチ グループ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024089
【国際公開番号】WO2007/002161
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507112871)コーナーストーン リサーチ グループ,インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】
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