説明

影響係数取得方法と装置

【課題】高精度な影響係数を効率的に取得して、回転体の高精度アンバランス修正を可能にする。
【解決手段】回転体の振動データを取得し(S1)、次いで、アンバランスデータを算出し(S2)、その後、回転体における第1の除去対象部を除去加工し(S4)、回転体の振動データを取得し(S5)、アンバランスデータを算出し(S6)、その後、第2の除去対象部を除去加工し(S8)、次に、回転体の振動データを取得して(S9)、今までに得た振動データと除去加工量および除去加工位置とに基づいて、新たな影響係数を算出する(S10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2面修正を行う場合において、回転機械に設けられている回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す各個体の影響係数を取得する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転機械は、例えば、流体と力を及ぼし合う回転翼が回転体に設けられた流体機械である。流体機械には、原動機と被動機がある。原動機は、流体が回転翼に作用させる圧力により回転体が回転駆動されることで、流体の持つエネルギーを回転運動エネルギーに変換する。原動機としては、例えば、ガスタービン(軸流タービン、ラジアルタービン)がある。被動機は、回転駆動されている回転翼が流体に圧力を作用させることで、回転運動エネルギーを流体に与える。被動機としては、例えば、圧縮機(遠心圧縮機、航空エンジンなどに設けられる軸流圧縮機、斜流圧縮機、横流圧縮機、ポンプ)がある。また、流体機械には、原動機と被動機の両方の機能を持つ過給機もある。なお、本願において、回転機械は、流体機械に限定されない。
【0003】
影響係数は、回転機械に設けられる回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す。影響係数は、回転体のアンバランス修正に利用される。そのため、回転体のバランスを修正する前に、回転機械の影響係数を取得しておく。
【0004】
影響係数は、例えば、次のように試し錘を使用して求めることができる。まず、試し錘を使用せずに、回転体を回転させ、回転体を支持する支持体の振動を計測する。次に、試し錘を回転体に取り付けて、回転体を回転させ、回転体を支持する支持体の振動を計測する。その上で、試し錘を使用しない時の振動と、試し錘を取り付けた時の振動と、試し錘の質量および取付位置とから、影響係数を算出する。なお、影響係数の算出に使用する振動は、回転機械における回転体の運転回転速度(即ち、1秒間での回転数)と同じ周波数成分の振動であるのがよい。
【0005】
このように取得した影響係数を用いて、次のように回転体のバランスを修正する。影響係数を用いて、回転体のアンバランスデータを算出する。このアンバランスデータが示す修正位置において、アンバランスデータが示す質量だけ回転体を切削する。これにより、回転体のバランスを修正する。このようなアンバランス修正方法は、影響係数法といい、例えば、下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−102049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
同一の機種である複数の回転機械に対し、上述のアンバランス修正を行う場合、同じ影響係数を用いて、各回転機械の回転体のアンバランスデータを算出していた。
【0008】
この場合、アンバランス修正の精度が低くなる可能性があった。同じ機種である複数の回転機械には、加工誤差や組立誤差があるので、これらの回転機械の回転体が有する本来の影響係数には個体差がある。従って、個体差のある影響係数を用いて算出したアンバランスデータにも誤差が含まれる。そのため、アンバランス修正の精度が低くなる可能性があった。
【0009】
その結果、1つの回転体について、アンバランス修正をやり直す回数が増えたり、アンバランス修正をしきれずに当該回転体の回転機械を製品として出荷できなくなる可能性がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、同じ機種である複数の回転機械の回転体に対してアンバランス修正を行う場合に、各回転体について、高精度な影響係数を効率的に取得して、当該回転体の高精度アンバランス修正を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、本発明によると、回転機械に設けられている回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す影響係数を取得する影響係数取得方法であって、
(A)回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した第1および第2の振動データと、基本影響係数とに基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(C)第1のアンバランスデータに基づいて第1の除去対象部を除去加工し、その後、回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(D)前記(C)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(E)前記(D)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて第2の除去対象部を除去加工し、その後、回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(F)前記(A)、(C)および(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(C)、(E)における第1および第2の除去対象部の除去加工量および除去加工位置とに基づいて、新たな影響係数を算出する、ことを特徴とする影響係数取得方法が提供される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によると、(G)前記(F)の後、前記(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(F)で算出した前記新たな影響係数とに基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(H)前記(G)で算出した第1のアンバランスデータに基づいて第1の除去対象部を除去加工するとともに、前記(G)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて第2の除去対象部を除去加工する。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によると、回転体を回転自在に支持する支持体には、互いに異なる位置にそれぞれ第1および第2の振動センサが取り付けられており、
前記(A)および(C)において、回転体を回転させた状態で、第1の振動センサにより前記第1の振動を検出し、第2の振動センサにより前記第2の振動を検出する。
【0014】
本発明の別の実施形態によると、前記(A)および(C)において、第1の回転速度で回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を前記第1の振動として検出し、第1の回転速度と異なる第2の回転速度で回転させた状態で、当該回転により生じる振動を前記第2の振動として検出する。
【0015】
また、上述の目的を達成するため、本発明によると、回転機械に設けられている回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す影響係数を取得する影響係数取得装置であって、
回転体を回転可能に支持する支持体と、
回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出する振動センサと、
回転体における第1および第2の除去対象部におけるバランス変化に対する回転体の振動変化を示す基本影響係数に基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出する演算器と、
第1および第2のアンバランスデータに基づいて第1および第2の除去対象部を除去加工する除去加工装置と、を備え、
前記演算器は、
(A)回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(C)前記(B)で算出した第1のアンバランスデータに基づいて除去加工装置が第1の除去対象部を除去加工した後、回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(D)前記(C)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(E)前記(D)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて除去加工装置が第2の除去対象部を除去加工した後、回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(F)前記(A)、(C)および(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(C)、(E)における第1および第2の除去対象部の除去加工量と除去加工位置に基づいて、新たな影響係数を算出する、ことを特徴とする影響係数取得装置が提供される。
【発明の効果】
【0016】
上述した本発明によると、回転機械のアンバランス修正では、前記(A)において振動データを取得し、前記(B)においてアンバランスデータを算出し、前記(C)において第1の除去対象部を除去加工して振動データを取得し、前記(D)において、アンバランスデータを算出し、その後、前記(E)において第2の除去対象部を除去加工して振動データを取得し、次に、前記(F)において、アンバランス修正過程のデータである前記振動データと除去加工量および除去加工位置とに基づいて、新たな影響係数を算出する。従って、新たな影響係数を効率的に算出できる。
また、前記新たな影響係数は、対象としている回転体自体について算出したものであるので、当該回転体を高精度に反映した影響係数となっている。
よって、同じ機種である複数の回転機械の回転体に対してアンバランス修正を行う場合に、各回転体について、高精度な新たな影響係数を効率的に取得できる。その結果、前記(F)の後、当該新たな影響係数を用いて、当該回転体のアンバランス修正を高精度に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の影響係数取得方法に使用可能な影響係数取得装置を示す。
【図2】振動データの説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態または第2実施形態による影響係数取得方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0019】
図1(A)は、本発明の影響係数取得方法に使用できる影響係数取得装置10を示す。図1(B)は、図1(A)のB−B矢視図である。影響係数取得装置10は、支持体3、第1の振動センサ5a、第2の振動センサ5b、角度センサ7、演算装置9、および除去加工装置11を備える。
【0020】
支持体3は、回転機械の回転体13を支持する。回転体13は、支持体3に支持された状態で、回転体13の中心軸C回りに回転可能である。なお、支持体3の一部は、回転機械の静止側部材により構成されてもよい。支持体3は、潤滑油が供給される軸受により回転体を回転自在に支持するものであってもよいし、潤滑油を用いない空気軸受により回転体を回転自在に支持するものであってもよい。
【0021】
第1および第2の振動センサ5a,5bは、支持体3に取り付けられる。振動センサ5a,5bは、回転体13が、支持体3に支持され、かつ、回転している状態で、支持体3の振動(即ち、加速度、速度、変位、または荷重)を計測し、該振動を示す振動信号をデータ処理部9aに出力する。振動センサ5a,5bとして、影響係数の取得に使用可能な公知のセンサを使用できる。
本実施形態では、第1および第2の振動センサ5a,5bが、支持体3において互いに異なる位置に取り付けられている。これにより、後述の振動データを効率よく取得できる。
【0022】
角度センサ7は、回転体13の回転角を計測し、該回転角を示す回転角信号をデータ処理部9aに出力する。この回転角は、回転体13が1回転することでゼロ度〜360度まで変化する。角度センサ7は、例えば、光電式のロータリーエンコーダや磁気式のロータリーエンコーダであってよい。
【0023】
演算装置9は、データ処理部9aと記憶部9bを有する。
【0024】
データ処理部9aは、前記振動信号(計測された振動)と前記回転角信号(計測された回転角)に基づいて振動データを生成する。振動データは、振動の振幅と位相θからなる。図2(A)は、振動の振幅と位相θを示す。図2(A)において、横軸は、角度センサ7により計測された回転体13の回転角を示し、縦軸は、振動センサ5aまたは5bにより検出された振動のうち1次振動の強度を示す。1次振動は、回転体13の回転速度と同じ周波数成分の振動である。即ち、1次振動振幅は、振動センサ5aまたは5bによる振動計測時における回転体13の回転速度(1秒間での回転数)と同じ周波数[Hz]の成分を、振動センサ5aまたは5bが出力した前記振動信号から抽出した振動である。図2(A)において、位相θは、基準回転角(図2(A)の例では、ゼロ度)に対する1次振動のずれを示す。即ち、位相θは、基準回転角に対する、1次振動の周期の始点となる回転角のずれを示す。
振動データを、複素数で表す。図2(B)は、複素数で表した振動データを示す。図2(B)のように、1次振動の振幅の大きさ(絶対値)をRとし、上述の位相θを偏角として、振動データは複素数で表わされる(以下、同様)。データ処理部9aは、振動センサ5aまたは5bからの振動信号と角度センサ7からの回転角信号から、複素数の振動データを生成する(以下、同様)。
【0025】
記憶部9bは、データ処理部9aによる演算に必要なデータを記憶する。具体的には、記憶部9bは、後述のステップS1、S5、S9、S15でそれぞれ生成された振動データap,1、aq,1、ap,2、aq,2、ap,3、aq,3、a、a、ステップS2、S6およびS11で算出された第1および第2のアンバランスデータU、U、後述の基本影響係数α1,b、α1,d、α2,b、α2,d、後述のステップS4、S8で行った除去加工(切削)のデータΔM、ΔM、後述のステップS10で算出した新たな影響係数α1,b、α1,d、α2,b、α2,dを記憶する。
【0026】
除去加工装置11は、回転体13の除去対象部13a、13bを切削して除去加工する切削工具11a(例えば、エンドミル)と、該切削工具11aを3次元的(例えば、図1(A)の互いに直交するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に移動させる駆動機構11bと、該駆動機構11bの動作を制御することで切削工具11aの位置を制御する位置制御部11cとを有する。位置制御部11cは、入力されるアンバランスデータに従って除去対象部13aまたは13bを切削する。
なお、第1および第2の除去対象部13aおよび13bは、回転体13の中心軸C方向に関する位置が互いに異なっている。
【0027】
図3は、本発明の実施形態による影響係数取得方法を示すフローチャートである。この影響係数取得方法は、上述した影響係数取得装置10により行われる。
【0028】
同じ機種の複数の回転機械のうちm番目の回転機械について、図3の処理を行う。すなわち、回転機械の番号mに関して、最初の回転機械についてステップS1を開始する場合には、m=1であり、以後、ステップS1に戻る度に、mの値が1つずつ増える。
【0029】
ステップS1において、m番目の回転機械の回転体13を回転させ、この状態で、第1および第2の振動センサ5a,5bが、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように第1の振動センサ5aが計測した振動と角度センサ7が計測した回転角に基づいて、データ処理部9aが、第1の振動データap,1を生成するとともに、このように第2の振動センサ5bが計測した振動と角度センサ7が計測した回転角に基づいて、データ処理部9aが、第2の振動データaq,1を生成する。
【0030】
なお、振動データaの添え字1は、当該振動データが、ステップS1で生成されたことを示す。
【0031】
ステップS2において、ステップS1で生成した振動データap,1、aq,1と基本影響係数とに基づいて、データ処理部9aが、次の[数1]の式(1)により、第1および第2のアンバランスデータU、Uを算出する。
【0032】
【数1】

【0033】
この[数1]の式(1)において、α1,b、α1,d、α2,b、α2,dは、基本影響係数であり、−1は、逆行列を示す。
【0034】
ステップS2で使用する基本影響係数は、現在、図3の処理を行っている回転機械と同じ機種の回転機械について、次の[数2]の式(2)により予め取得した影響係数α1,b、α1,d、α2,b、α2,dであってよい。
【0035】
【数2】

【0036】
ここで、ap0は、試し錘を回転体13に取り付けずに、上述のように、回転体13を回転させた状態で第1の振動センサ5aが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、aq0は、試し錘を回転体13に取り付けずに、上述のように、回転体13を回転させた状態で第2の振動センサ5bが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、apbは、第1の除去対象部13aに試し錘を取り付け、上述のように、回転体13を回転させた状態で第1の振動センサ5aが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、aqbは、第1の除去対象部13aに試し錘を取り付け、上述のように、回転体13を回転させた状態で第2の振動センサ5bが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、apdは、第2の除去対象部13bに試し錘を取り付け、上述のように、回転体13を回転させた状態で第1の振動センサ5aが計測した振動に基づいて生成した振動データであり、aqdは、第2の除去対象部13bに試し錘を回転体13に取り付け、上述のように、回転体13を回転させた状態で第2の振動センサ5bが計測した振動に基づいて生成した振動データである。
[数2]の式(2)におけるΔMTbは、次式(3)で表わされる。

ΔMTb=ATb(cosθTb+jsinθTb) ・・・(3)

ここで、jは虚数単位であり、ATbは、第1の除去対象部13aに取り付けた試し錘の質量と、第1の除去対象部13aにおいて当該試し錘を取り付けた位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θTbは、回転体13において当該試し錘を取り付けた周方向位置を示す位相である。なお、周方向とは、回転体13の中心軸C回りの方向である(以下同様)。
同様に、[数2]の式(2)におけるΔMTdは、次式(4)で表わされる。

ΔMTd=ATd(cosθTd+jsinθTd) ・・・(4)

ここで、jは虚数単位であり、ATdは、第2の除去対象部13bに取り付けた試し錘の質量と、第2の除去対象部13bにおいて当該試し錘を取り付けた位置と回転体13の中心軸Cとの距離との積であり、θTdは、回転体13において当該試し錘を取り付けた周方向位置を示す位相である。
【0037】
ステップS3において、データ処理部9aは、ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUと、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUとによるアンバランス量が、しきい値以下であるかを判断する。
【0038】
例えば、ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUが示すアンバランス量と、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUが示すアンバランス量との和もしくは平均値がしきい値以下であるかを判断する。
または、ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUが示すアンバランス量と、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUが示すアンバランス量とのうち大きい方の値がしきい値以下であるかを判断する。
または、ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUが示すアンバランス量が、第1のアンバランスデータ用のしきい値以下であり、かつ、ステップS2で算出した第2のアンバランスデータUが示すアンバランス量が、第2のアンバランスデータ用のしきい値以下であるかを判断する。この場合、好ましくは、第1のアンバランスデータ用のしきい値は、第2のアンバランスデータ用のしきい値と異なるのがよい。
【0039】
ステップS3における前記判断が、YESである場合には、当該回転機械の回転体13についての処理を終了し、mの値を1つ増やしてステップS1に戻り、次の回転機械について、図3の処理を開始する。
一方、ステップS3の判断がNOである場合には、ステップS4へ進む。
【0040】
ステップS4において、ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUが示す除去加工位置と除去加工量に基づいて、回転体13の第1の除去対象部13aを除去加工(切削)する。なお、ここでの除去加工位置は、回転体13の軸方向先端部分の外周部13a上にあり、図1(B)において一点鎖線L1上にある。図1(B)において、一点鎖線L1上に重複している破線で描いた円は、一点鎖線L1上に位置決めされた状態の切削工具11aを示す。
【0041】
ステップS4の切削は、次のように行われる。ステップS2で算出した第1のアンバランスデータUは、データ処理部9aから位置制御部11cに入力される。位置制御部11cは、このアンバランスデータUに基づいて駆動機構11bを制御することで切削工具11aを移動させ、これにより、除去対象部13aがアンバランスデータUに従って切削される。
Aを絶対値とし、偏角をθとし、jを虚数単位として、アンバランスデータUを次式(5)で表す。

=A(cosθ+jsinθ) ・・・(5)

ここで、Aは、アンバランス量を示し、Aはxとyの積であるとした場合に、xは、回転体13の中心軸CからステップS4での除去加工位置までの半径方向距離であり、yは、ステップS4で切削する質量である。一方、θは、前記除去加工位置の周方向位置を示す。従って、ステップS4において、切削工具11aは、xとθが示す半径方向位置と周方向位置に位置決めされた状態で、除去加工質量(切削質量)がyになるまで中心軸Cの方向に移動する。この時、位置制御部11cは、除去対象部13aの密度や切削工具11aの寸法などに基づいて、切削工具11aを中心軸Cの方向に移動させる距離を算出し、該距離に基づいて駆動機構11bを制御する。
なお、ステップS4の除去加工(切削)は、除去加工対象の回転体13が支持体3に支持された状態で行ってもよいし、別の場所で行ってもよい。前者の場合、位置制御部11cは、角度センサ7の回転角に基づいて、周方向に関して切削工具11aを前記除去加工位置に位置決めしてよい。また、第1の除去対象部13aの切削では、例えば、回転体13における除去対象部13aと反対側の軸方向端部を、適宜の手段で把持して回転体13が回転しないようにしておくのがよい。
【0042】
ステップS5において、回転体13を回転させ、この状態で、第1および第2の振動センサ5a,5bが、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように第1の振動センサ5aが計測した振動と角度センサ7が計測した回転角に基づいて、データ処理部9aが、第1の振動データap、2を生成するとともに、このように第2の振動センサ5bが計測した振動と角度センサ7が計測した回転角に基づいて、データ処理部9aが、第2の振動データaq,2を生成する。
【0043】
なお、振動データaの添え字2は、当該振動データが、ステップS5で生成されたことを示す。
【0044】
ステップS6において、ステップS5で生成した第1および第2の振動データap,2、aq,2と上述の基本影響係数とに基づいて、データ処理部9aが、次の[数3]の式(6)により、第1および第2のアンバランスデータU、Uを算出する。
【0045】
【数3】

【0046】
ステップS7において、データ処理部9aは、ステップS6で算出した第1のアンバランスデータUと、ステップS6で算出した第2のアンバランスデータUとによるアンバランス量が、しきい値以下であるかを判断する。この判断は、ステップS3の場合と同様に行う。
【0047】
ステップS7における前記判断が、YESである場合には、当該回転機械の回転体13についての処理を終了し、mの値を1つ増やしてステップS1に戻り、次の回転機械について、図3の処理を開始する。
一方、ステップS7の判断がNOである場合には、ステップS8へ進む。
【0048】
ステップS8において、ステップS7で算出した第2のアンバランスデータUが示す除去加工位置と除去加工量に基づいて、回転体13の第2の除去対象部13bを除去加工(切削)する。この切削は、ステップS4と同様に行われる。なお、ここでの除去加工位置は、回転体13に設けた前記円盤状部材の外周部13b上にあり、図1(B)において一点鎖線L2上にある。図1(B)において、一点鎖線L2上に重複している破線で描いた円は、一点鎖線L2上に位置決めされた状態の切削工具11aを示す。
【0049】
ステップS9において、回転体13を回転させ、この状態で、第1および第2の振動センサ5a,5bが、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように第1の振動センサ5aが計測した振動と角度センサ7が計測した回転角に基づいて、データ処理部9aが、第1の振動データap,3を生成するとともに、このように第2の振動センサ5bが計測した振動と角度センサ7が計測した回転角に基づいて、データ処理部9aが、第2の振動データaq,3を生成する。
【0050】
なお、振動データaの添え字3は、当該振動データが、ステップS9で生成されたことを示す。
【0051】
ステップS10において、ステップS1で生成した第1および第2の振動データap,1、aq,1、ステップS4で行った除去加工(切削)のデータΔM、ステップS5で生成した第1および第2の振動データap,2、aq,2、ステップS8で行った除去加工(切削)のデータΔMと、ステップS9で生成した第1および第2の振動データap,3、aq,3とに基づいて、データ処理部9aが、次の[数4]の式(7)、(8)により、新たな影響係数α1,b、α1,d、α2,b、α2,dを算出する。すなわち、データ処理部9aが、式(7)、(8)を連立させて解くことで新たな影響係数α1,b、α1,d、α2,b、α2,dを算出する。
【0052】
【数4】

【0053】
なお、ΔMは、絶対値をAとし、偏角をθとした複素数で表わされる。この場合、Aは、回転体13の中心軸CからステップS4での除去加工位置までの半径方向距離と、当該切削(除去加工)により第1の除去対象部13aから除去された質量との積であり、θは、当該除去加工位置の周方向位置を示す位相である。
同様に、ΔMは、絶対値をAとし、偏角をθとした複素数で表わされる。この場合、Aは、回転体13の中心軸CからステップS8での除去加工位置までの半径方向距離と、当該除去加工により第2の除去対象部13bから除去された質量との積であり、θは、当該除去加工位置の周方向位置を示す位相である。
【0054】
ステップS11において、ステップS9で生成した第1および第2の振動データap,3、aq,3と、ステップS10で算出した新たな影響係数α1,b、α1,d、α2,b、α2,dとに基づいて、データ処理部9aが、次の[数5]の式(9)により、第1および第2のアンバランスデータU、Uを算出する。
【0055】
【数5】

【0056】
ステップS12において、データ処理部9aは、ステップS11で算出した第1のアンバランスデータUと、ステップS11で算出した第2のアンバランスデータUとによるアンバランス量が、しきい値以下であるかを判断する。この判断は、ステップS3の場合と同様に行う。
【0057】
ステップS12における前記判断が、YESである場合には、当該回転機械の回転体13についての処理を終了し、mの値を1つ増やしてステップS1に戻り、次の回転機械について、図3の処理を開始する。
一方、ステップS12の判断がNOである場合には、ステップS13へ進む。
【0058】
ステップS13において、現在の処理対象となっている回転体13についてステップS11を行った回数が許容回数(2以上の数)を超えているかを判断する。
ステップS13の判断がYESの場合には、当該回転機械の回転体13のアンバランス修正が不可能であるとして、この回転体13についての処理を終了し、mの値を1つ増やしてステップS1に戻るとともに、次の回転機械について、図3の処理を開始する。
一方、ステップS13の判断がNOの場合には、ステップS14へ進む。
【0059】
ステップS14において、ステップS11で算出した第1のアンバランスデータUが示す除去加工位置と除去加工量に基づいて、回転体13の第1の除去対象部13aを除去加工(切削)する。この切削は、ステップS4の切削と同様に行われる。
また、ステップS14において、ステップS11で算出した第2のアンバランスデータUが示す除去加工位置と除去加工量に基づいて、回転体13の第2の除去対象部13bを除去加工(切削)する。この切削は、ステップS4の切削と同様に行われる。
【0060】
ステップS15において、回転体13を回転させ、この状態で、第1および第2の振動センサ5a,5bが、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように第1の振動センサ5aが計測した振動と角度センサ7が計測した回転角に基づいて、データ処理部9aが、第1の振動データaを生成するとともに、このように第2の振動センサ5bが計測した振動と角度センサ7が計測した回転角に基づいて、データ処理部9aが、第2の振動データaを生成する。
【0061】
ステップS15を終えたらステップS11へ戻る。ただし、この場合、戻ったステップS11では、ステップS15で生成した第1および第2の振動データa、aと、ステップS10で算出した新たな影響係数α1,b、α1,d、α2,b、α2,dとに基づいて、データ処理部9aが、上述の[数5]の式(9)と同様の式により、第1および第2のアンバランスデータU、Uを算出する。
【0062】
なお、回転機械の回転体13を支持体3に支持させた状態で、ステップS1〜S15を実行したが、ステップS4、S8およびS14は、支持体3から回転体13を取り外して別の場所で行ってもよい。
【0063】
また、回転体13は、例えば、過給機の回転体である。
【0064】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変形例1〜6を任意に組み合わせて採用してもよいし、変形例1〜6のいずれかを採用してもよい。この場合、他の点は、上述と同じであってもよいし、適宜変更してもよい。
【0065】
(変形例1)
例えば、上述の実施形態では、2つの振動センサ5a,5bを支持体3に取り付けていたが、代わりに、1つの振動センサを支持体3に取り付けてもよい。この場合、次のように行う。
ステップS1において、回転機械の回転体13を第1の回転速度で回転させ、この状態で、振動センサが、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように計測した振動と回転角に基づいて、データ処理部9aが、第1の振動データap,1を生成する。
また、ステップS1において、回転機械の回転体13を第1の回転速度と異なる第2の回転速度で回転させ、この状態で、振動センサが、回転体13を支持する支持体3の振動を計測しながら、角度センサ7が回転角を計測する。このように計測した振動と回転角に基づいて、データ処理部9aが、第2の振動データaq,1を生成する。
【0066】
ステップS5においても、ステップS1と同様に第1および第2の振動データap,2、aq,2を生成する。また、ステップS9においても、ステップS1と同様に第1および第2の振動データap,3、aq,3を生成する。また、ステップS15においても、ステップS1と同様に第1および第2の振動データa、aを生成する。
【0067】
この変形例1の各振動データap,1、aq,1、ap,2、aq,2、ap,3、aq,3、a、aが、それぞれ、上述の実施形態における各振動データap,1、aq,1、ap,2、aq,2、ap,3、aq,3に置き換えられる。
【0068】
また、変形例1では、基本影響係数を求めるための前記[数2]は次のようになる。
上述の[数2]において、ap0は、試し錘を回転体13に取り付けずに、上述のように、前記第1の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、aq0は、試し錘を回転体13に取り付けずに、上述のように、前記第2の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、apbは、第1の除去対象部13aに試し錘を取り付け、上述のように、前記第1の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、aqbは、第1の除去対象部13aに試し錘を取り付け、上述のように、前記第2の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、apdは、第2の除去対象部13bに試し錘を取り付け、上述のように、前記第1の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データであり、振動データaqdは、第2の除去対象部13bに試し錘を取り付け、上述のように、前記第2の回転速度で回転体13を回転させた状態で計測した振動に基づいて生成した振動データである。
【0069】
変形例1により、1つの振動センサで、第1および第2の振動データを取得できる。
【0070】
(変形例2)
上述では、除去対象部の切削は、軸方向に行われたが、半径方向に行われてもよい。
【0071】
(変形例3)
上述では、基本影響係数を、試し錘を用いて回転体13にバランス変化を与えることで取得したが、基本影響係数を、回転体13を切削することで回転体13にバランス変化を与えることで取得してもよい。
【0072】
(変形例4)
回転体13が支持体3に設置されているかどうかを検出する検出装置を設けてもよい。この場合、検出装置は、回転体13が支持体3に設置されていない時に支持体3を撮像して予め得た参照画像と、支持体3を撮像して得た計測画像との差分を計算し、この差分値が許容値未満である場合に、回転体13が支持体3に設置されていないことを示す信号を出力する。
【0073】
(変更例5)
振動データを取得するために回転体13を支持体3に設置する直前に、支持体3の軸受(潤滑油が供給される軸受、または、空気軸受)に対し、エアノズルにより空気を吹き付ける。これにより、軸受内の異物を除去でき、その結果、より高精度な振動データを取得することができる。
【0074】
(変更例6)
上述の実施形態では、除去加工装置11は、除去対象部13a、13bを切削することにより除去対象部13a、13bを除去加工したが、代わりに、除去加工装置11は、放電加工で、除去対象部13a、13bを溶融し当該溶融部分を吹き飛ばすことにより除去対象部13a、13bを除去加工する放電加工機であってもよい。この場合、ステップS4、S8、S14の除去加工では、支持体3から回転体13を取り外して、支持体3と別の場所に設けた放電加工機に回転体13を設置し、放電加工機の電極を、アンバランスデータに基づいて、上述したxとθが示す半径方向位置と周方向位置(除去加工位置)に位置決めした状態で、除去加工質量が上述したyになるまで放電加工を行う。なお、除去加工質量と放電加工条件(例えば、放電時間、放電電圧)との関係を予め実験で求めておき、この関係に基づいて放電加工を行うのがよい。
【符号の説明】
【0075】
3 支持体、5a,5b 振動センサ、7 角度センサ、9a データ処理部、9b 記憶部、11 除去加工装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械に設けられている回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す影響係数を取得する影響係数取得方法であって、
(A)回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した第1および第2の振動データと、基本影響係数とに基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(C)第1のアンバランスデータに基づいて第1の除去対象部を除去加工し、その後、回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(D)前記(C)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(E)前記(D)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて第2の除去対象部を除去加工し、その後、回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出し、該第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(F)前記(A)、(C)および(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(C)、(E)における第1および第2の除去対象部の除去加工量および除去加工位置とに基づいて、新たな影響係数を算出する、ことを特徴とする影響係数取得方法。
【請求項2】
(G)前記(F)の後、前記(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(F)で算出した前記新たな影響係数とに基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(H)前記(G)で算出した第1のアンバランスデータに基づいて第1の除去対象部を除去加工するとともに、前記(G)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて第2の除去対象部を除去加工する、ことを特徴とする請求項1に記載の影響係数取得方法。
【請求項3】
回転体を回転自在に支持する支持体には、互いに異なる位置にそれぞれ第1および第2の振動センサが取り付けられており、
前記(A)および(C)において、回転体を回転させた状態で、第1の振動センサにより前記第1の振動を検出し、第2の振動センサにより前記第2の振動を検出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の影響係数取得方法。
【請求項4】
前記(A)および(C)において、第1の回転速度で回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を前記第1の振動として検出し、第1の回転速度と異なる第2の回転速度で回転させた状態で、当該回転により生じる振動を前記第2の振動として検出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の影響係数取得方法。
【請求項5】
回転機械に設けられている回転体のバランス変化に対する回転体の振動変化を示す影響係数を取得する影響係数取得装置であって、
回転体を回転可能に支持する支持体と、
回転体を回転させた状態で、当該回転により生じる振動を、互いに異なる条件で第1および第2の振動として検出する振動センサと、
回転体における第1および第2の除去対象部におけるバランス変化に対する回転体の振動変化を示す基本影響係数に基づいて、第1および第2の除去対象部にそれぞれ対応する第1および第2のアンバランスデータを算出する演算器と、
第1および第2のアンバランスデータに基づいて第1および第2の除去対象部を除去加工する除去加工装置と、を備え、
前記演算器は、
(A)回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(B)前記(A)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(C)前記(B)で算出した第1のアンバランスデータに基づいて除去加工装置が第1の除去対象部を除去加工した後、回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(D)前記(C)で生成した第1および第2の振動データと、前記基本影響係数とに基づいて、第1および第2のアンバランスデータを算出し、
(E)前記(D)で算出した第2のアンバランスデータに基づいて除去加工装置が第2の除去対象部を除去加工した後、回転体を回転させた状態で前記振動センサが検出した第1および第2の振動にそれぞれ基づいて第1および第2の振動データを生成し、
(F)前記(A)、(C)および(E)で生成した第1および第2の振動データと、前記(C)、(E)における第1および第2の除去対象部の除去加工量と除去加工位置に基づいて、新たな影響係数を算出する、ことを特徴とする影響係数取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−63257(P2012−63257A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207883(P2010−207883)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】