情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラム
【課題】ＢＤＭＶ規格対応データと規格非対応データを併せて利用可能なデータ記録再生構成を実現する。
【解決手段】記録メディアに複数ディレクトリを設定し、データ種類に応じて記録先ディレクトリを選択する。ＢＤＭＶ規格対応データはＢＤＭＶディレクトリ、ＢＤＭＶ規格非対応データ、例えば１０８０／６０Ｐや３Ｄ画像データは、ＢＤＡＶあるいはＢＵディレクトリに記録する。データ再生処理に際しては、ＢＤＭＶディレクトリの記録データと、ＢＤＡＶ／ＢＵディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムを構築して再生処理を行う。本構成により、ＢＤＭＶ規格対応データと非対応データを記録再生することが可能となる。
【解決手段】記録メディアに複数ディレクトリを設定し、データ種類に応じて記録先ディレクトリを選択する。ＢＤＭＶ規格対応データはＢＤＭＶディレクトリ、ＢＤＭＶ規格非対応データ、例えば１０８０／６０Ｐや３Ｄ画像データは、ＢＤＡＶあるいはＢＵディレクトリに記録する。データ再生処理に際しては、ＢＤＭＶディレクトリの記録データと、ＢＤＡＶ／ＢＵディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムを構築して再生処理を行う。本構成により、ＢＤＭＶ規格対応データと非対応データを記録再生することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、ディスクやフラッシュメモリなどの記録メディアを利用したデータ記録処理またはデータ再生処理を実行する情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
例えばＰＣ、ビデオカメラ、プレーヤ、レコーダなどの記録再生装置は、ハードディスク、ＤＶＤ、Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標）などのディスク型メディアや、フラッシュメモリなど、様々なメディアを利用したデータ記録再生を行う。
【０００３】
これらのメディアを利用したデータ記録再生を行う場合、データ記録再生装置は、所定の規格に対応する記録再生アプリケーションを適用して、あらかじめ規定されたフォーマットに従ってデータ記録再生処理を行う。例えば高精細ハイビジョン映像の記録再生用のアプリケーション規格として、ＢＤＭＶやＢＤＡＶがある。これらのアプリケーション規格は、主にＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））を利用したデータ記録再生のアプリケーション規格として策定されたものである。なお、ＢＤ規格については例えば特許文献１（特開２００７−１７９６７１号公報）に記載がある。
【０００４】
なお、ＢＤＭＶやＢＤＡＶは、上述したように、主にＢＤを利用したデータ記録再生のアプリケーション規格であるが、記録メディア（記録媒体）としてはＢＤに限らず、フラッシュメモリなど、その他のメディアを利用したデータ記録再生にも適用可能なデータ記録再生アプリケーション規格である。
【０００５】
ＢＤＭＶは、例えば映画コンテンツなどを予め記録したＢＤ−ＲＯＭ向けに開発されたアプリケーション規格であり、主に、パッケージコンテンツ等の書き換え不能なＢＤ−ＲＯＭで広く使われている。ＢＤＭＶは、ユーザ操作に応じて再生を制御するプログラムとしてのナビコマンドやＢＤ−Ｊをディスクに格納し、コンテンツ制作者が意図したインタラクティブ機能を提供できるという特徴がある。またグラフィックスとボタンで構成したメニュー画面を利用した記録再生が出来るという特徴がある。
【０００６】
なお、ＢＤＭＶにも、いくつかのバージョンがあり、例えば、ＢＤＭＶの１つの規格であるＢＤ−ＲＥ３．０規格は、記録可能なＢＤディスクに対しても適用可能なアプリケーション規格である。
【０００７】
一方、ＢＤＡＶは書き換え可能なＢＤ−ＲＥや、一回のみ記録可能なＢＤ−Ｒで利用することを目的に開発されたアプリケーション規格である。
ＢＤＡＶは、例えば、ビデオカメラなどでユーザが撮影した映像を記録し再生する、あるいは、ビデオレコーダなどでテレビ放送を記録し再生するためなどに多く利用される規格である。ＢＤＡＶには、ＢＤＭＶのようなインタラクティブ機能や多様なデザインのメニュー作成、表示処理を実現するプログラムは無く、ボタン表示処理などの機能も無い。ＢＤＡＶ規格の提供するメニューは、サムネイル画像からなる簡易的な一覧データである。ＢＤＭＶ規格において提供される多様なデザインのメニューやインタラクティブ機能を利用したい場合は、記録再生装置側のプログラムを利用することになる。すなわち、例えばレコーダやプレーヤ側に組み込まれた機能を利用するしかない。
【０００８】
ＢＤＭＶ規格は、ＢＤに記録済みの映画などのパッケージコンテンツを、既に広く普及したＢＤ−ＲＯＭプレーヤで再生することを妨げないという目的で策定された規格である。再生互換性を保証するため、ＢＤＡ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ）と呼ばれる規格団体で仕様を厳密に定めている。
【０００９】
ＢＤＭＶ規格では、ディスク等のメディアに記録するコンテンツのデータ態様についても制限している。具体的には、例えば、ＨＤ（Ｈｉｇｈ Ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）画像として記録できるのは１０８０／６０ｉ、１０８０／５０ｉなどの予め決められた形式のデータのみとされる。なお、［１０８０／６０ｉ］は、１９２０×１０８０画素のＨＤ（Ｈｉｇｈ Ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）画像をインタレース方式で、１秒間に６０枚のフィールド画像として１０８０ラインの記録再生を行うことを示している。［ｉ］がインタレース方式を示している。ちなみにプログレッシブ方式は［ｐ］として示される。
【００１０】
現在のハイビジョンデータは１９２０×１０８０画素の画像として規定されているが、さらに高精細画像として約４０００×２０００画素（＝４Ｋ×２Ｋ）の画像の記録や再生を可能とする装置が開発されている。また、上述のインタレース方式と異なるプロクレッシブ方式での記録再生を行う［１０８０／６０ｐ］、あるいは、三次元立体画像である３Ｄ画像用の右眼用画像と左眼用画像の記録再生を行う装置など、様々な装置の開発がなされている。特に、近年のビデオカメラは、上述した１０８０／６０ｐ画像や、３Ｄ画像や、４Ｋｘ２Ｋ画像を記録可能としたものが開発されており、今後、広く利用されると考えられる。
【００１１】
しかし、上述したように、現行のＢＤＭＶ規格は、これらの４Ｋ×２Ｋ画像や、１０８０／６０ｐ、３Ｄ画像データを記録再生データとして許容していない。従って、記録データとして４Ｋ×２Ｋの超高精細画像を生成しても、既存のＢＤＭＶ規格を適用したデータ記録を行うことができないという問題がある。
【００１２】
一方、ＢＤＡＶ規格は記録機で用いられることを前提に様々な形式のＡＶデータの記録を許容している。そのため一部のＡＶデータ形式が再生必須であること以外は、再生互換の制約が無い。よってＢＤＭＶと比較して規格拡張に自由度がある。すなわち、４Ｋ×２Ｋ画像や、１０８０／６０ｐ、３Ｄ画像データを記録再生データとして設定することができる。しかし、前述のようにインタラクティブ機能や、グラフィックスとボタンで構成したメニュー画面の利用ができないという問題がある。
【００１３】
ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理と、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方を実行可能な装置を利用することも可能であるが、この場合、例えば、ＢＤＭＶディレトクリに設定したデータについては、ＢＤＭＶ機能を用いて作成されるタイトルやデザインを持つ利用しやすいメニューの利用が可能となる。しかし、ＢＤＡＶディレクトリに設定された画像の再生時には、このメニューが利用できず、ＢＤＡＶ機能によって作成されるサムネイル画像からなる簡易的な一覧データを利用するしかない。
【００１４】
すなわち、ＢＤＭＶ、ＢＤＡＶの双方のデータを処理可能な装置であっても、ＢＤＭＶディレクトリと、ＢＤＡＶディレクトリに設定されたデータの再生指示などのデータアクセスを統合したメニューを利用して行うことができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１５】
【特許文献１】特開２００７−１７９６７１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１６】
本発明は、例えば上述の状況に鑑みてなされたものであり、ＢＤＭＶによつて許容されないデータ、例えば、４Ｋ×２Ｋ画像や、１０８０／６０ｐ、３Ｄ画像データを記録し、かつ、ＢＤＭＶ規格の許容する多様なデザインのメニューやインタラクティブ機能などＢＤＭＶ固有の機能を利用可能とする情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
本発明の第１の側面は、
記録メディアに対するデータ記録処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別し、
記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、
記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行い、
さらに、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行う情報処理装置にある。
【００１８】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記管理情報として、前記第１ディレクトリと前記第２ディレクトリに記録された全ての再生対象データの管理情報を含む管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する。
【００１９】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行う。
【００２０】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、記録データが規格対応データであり、かつ前記仮想ファイルシステムを適用することなく再生可能とする場合には、前記第１ディレクトリを記録先として選択し、記録データが規格対応データであり、かつ前記仮想ファイルシステムを適用した場合にのみ再生可能とする場合には、前記第２ディレクトリを記録先として選択する。
【００２１】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記第１ディレクトリと異なるディレクトリを記録先とする再生対象データの記録を実行した場合、前記管理情報に含まれるファイル名変換テーブルに、前記再生対象データの記録先を示すファイル名と、前記仮想ファイルシステム上のファイル名とを対応付けたエントリを追加する処理を行う。
【００２２】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記第２ディレクトリはＢＤＡＶディレクトリである。
【００２３】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記管理情報を記録するディレクトリは、前記ＢＤＭＶディレクトリおよびＢＤＡＶディレクトリとは異なる第３のディレクトリである。
【００２４】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記第２ディレクトリはＢＤＭＶ規格非対応データと前記管理情報を記録するディレクトリである。
【００２５】
さらに、本発明の第２の側面は、
記録メディアからのデータ再生処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーし、
前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行する情報処理装置にある。
【００２６】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理に際して、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータに含まれる管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理を行う。
【００２７】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報を前記ローカル記憶部にコピーする処理を行い、前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理に際して、前記ローカル記憶部に格納されたインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを適用した再生処理を行う。
【００２８】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理において、再生対象データがローカル記憶部格納データである場合、前記ローカル記憶部内の管理情報に含まれるファイル名変換テーブルを参照して、仮想ファイルシステム上のファイル名から、データ記録先を示すファイル名を取得し、前記再生対象データの取得を行う。
【００２９】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記データ処理部は、前記ＢＤＭＶディレクトリとは異なるＢＤＡＶディレクトリに記録された再生対象データと、前記ＢＤＭＶおよびＢＤＡＶディレクトリ以外の第３のディレクトリに記録された管理情報をローカル記憶部にコピーする処理を行う構成である。
【００３０】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記データ処理部は、前記ＢＤＭＶディレトクリとは異なる第２ディレクトリに記録された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーする処理を行う構成である。
【００３１】
さらに、本発明の第３の側面は、
第１アプリケーション規格に従った規格対応データを記録する第１ディレクトリと、
前記第１アプリケーション規格に対応しない規格非対応データを記録する第２ディレクトリを有し、
前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を前記第２ディレクトリ、または前記第１および第２ディレクトリと異なる第３ディレクトリに記録した構成を有し、
再生装置において前記管理情報を適用して前記第１および第２ディレクトリに記録された再生対象データを取得して再生を行うことを可能とした情報記録媒体にある。
【００３２】
さらに、本発明の第４の側面は、
情報処理装置において、記録メディアに対するデータ記録を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別するステップと、
前記データ処理部が、記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、
記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行うステップと、
前記データ処理部が、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行うステップと、
を有する情報処理方法にある。
【００３３】
さらに、本発明の第５の側面は、
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーするステップと、
前記データ処理部が、前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行するステップと、
を有する情報処理方法にある。
【００３４】
さらに、本発明の第６の側面は、
情報処理装置において、記録メディアに対するデータ記録を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別させるステップと、
前記データ処理部に、記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行わせるステップと、
前記データ処理部に、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行わせるステップと、
を有するプログラムにある。
【００３５】
さらに、本発明の第７の側面は、
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーさせるステップと、
前記データ処理部に、前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行させるステップと、
を有するプログラムにある。
【００３６】
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して例えば記憶媒体によって提供されるプログラムである。このようなプログラムを情報処理装置やコンピュータ・システム上のプログラム実行部で実行することでプログラムに応じた処理が実現される。
【００３７】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【００３８】
本発明の一実施例によれば、ＢＤ等の１つの記録メディアに複数のディレクトリを設定し、データの種類に応じて記録先ディレクトリを選択して記録処理を行う。例えば、ＢＤＭＶ規格対応データはＢＤＭＶディレクトリに記録し、ＢＤＭＶ規格非対応データ、例えば１０８０／６０Ｐや３Ｄ画像データなどは、ＢＤＡＶディレクトリあるいはＢＵディレクトリなどに記録する。データ再生処理に際しては、ＢＤＭＶディレクトリの記録データと、ＢＤＡＶやＢＵディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを利用した再生処理を行う。本構成により、ＢＤＭＶ規格対応データと非対応データを既存システムに対する弊害を発生させることなく新システムにおいて記録再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００３９】
【図１】ＢＤＭＶ規格に従ったメディア（情報記録媒体）のファイル管理構造としてのディレクトリ構成を示す図である。
【図２】ＢＤＡＶ規格に従ったメディア（情報記録媒体）のファイル管理構造としてのディレクトリ構成を示す図である。
【図３】ＢＤＭＶ規格とＢＤＡＶ規格との差異の例について説明する図である。
【図４】本発明の第１実施例におけるデータ記録再生処理の概要について説明する図である。
【図５】仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）について説明する図である。
【図６】ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））の一例について説明する図である。
【図７】本発明の第１実施例におけるデータ記録再生処理において設定されるディレクトリ、仮想ファイルシステムおよびデータ配置例について説明する図である。
【図８】本発明の第１実施例におけるデータ記録処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図９】本発明の第１実施例におけるデータ再生処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図１０】本発明の第２実施例におけるデータ記録再生処理の概要について説明する図である。
【図１１】本発明の第２実施例におけるデータ記録再生処理において設定されるディレクトリ、仮想ファイルシステムおよびデータ配置例について説明する図である。
【図１２】本発明の第２実施例におけるデータ記録処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図１３】本発明の第２実施例におけるデータ再生処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図１４】本発明の一実施例に係る情報処理装置の構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００４０】
以下、図面を参照しながら本発明の情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。説明は、以下の項目に従って行う。
１．ＢＤＭＶ規格とＢＤＡＶ規格の概要
２．仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用した処理について
２−１．（実施例１）記録メディアにＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリを併設してデータ記録再生を行う実施例
２−２．（実施例２）記録メディアにＢＤＡＶディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例
３．情報処理装置の構成例について
【００４１】
［１．ＢＤＭＶ規格とＢＤＡＶ規格の概要］
まず、既存のＢＤＭＶ規格およびＢＤＡＶ規格の概要について説明する。前述したように、ＢＤＭＶ規格およびＢＤＡＶ規格は、主にＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））を利用したデータ記録再生のアプリケーション規格として策定されたものであるが、記録メディア（記録媒体）としてはＢＤに限らず、フラッシュメモリなど、その他のメディアを利用したデータ記録再生にも適用可能なアプリケーション規格である。
【００４２】
ＢＤＭＶは、例えば映画コンテンツなどを予め記録したＢＤ−ＲＯＭ向けに開発されたアプリケーション規格である。
ＢＤＡＶは書き換え可能なＢＤ−ＲＥや、一回のみ記録可能なＢＤ−Ｒで利用することを目的に開発されたアプリケーション規格である。
【００４３】
ＢＤＭＶ規格に従ってメディアに記録されるデータ記録構成としてのＢＤＭＶディレクトリを図１に示す。なお、以下において説明するＢＤＭＶ規格は、データ記録処理を行うことを許容するＢＤＭＶの１つの規格であるＢＤ−ＲＥ３．０規格に対応したものである。
【００４４】
図１に示すように、ＢＤＭＶ規格では、メディアにデータを記録する場合、例えば、動画像ストリームをＭＰＥＧ２−ＴＳストリームに符号化して記録する。ＢＤＭＶディレクトリは、図１に示すように、ルート［Ｒｏｏｔ］ディレクトリの下に、ディレクトリ［ＢＤＭＶ］が置かれる。
【００４５】
ディレクトリ［ＢＤＭＶ］の直下に、
インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］、
ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］
が記録される。
さらにＢＤＭＶディレクトリ［ＢＤＭＶ］の下位ディレクトリとして、
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］、
クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］、
ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］、
ＢＤＪＯディレクトリ［ＢＤＪＯ］、
ＪＡＲディレクトリ［ＪＡＲ］、
が設定される。
【００４６】
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］にプレイリストファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍｐｌｓ］が設定され、クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］にクリップ情報ファイル［ｘｘｘｘｘ．ｃｌｐｉ］が設定され、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］にクリップＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］が設定される。
【００４７】
インデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイルはクリップＡＶストリームファイルに格納されたデータの再生に適用する管理情報ファイルである。これらの管理情報ファイルはデータベースファイル、またはデータベースとも呼ばれる。以下、各ファイルの詳細について説明する。
【００４８】
インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］は、メディア全体の記録データについての管理情報ファイルである。例えば記録データの単位として設定されるタイトル毎にインデックス（タイトルとムービーオブジェクトとの対応関係情報など）を記録している。メディア（情報記録媒体）を記録再生装置に装填した際にはまずインデックスファイルが読み込まれ、ユーザはインデックスファイルに記述されたタイトルを見て再生指定を行うことができる。
【００４９】
ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、プレイリストの管理情報を格納したファイルである。様々なプレイリストを利用した再生処理を行うための複数のプログラムを含む。ＡＶストリーム再生処理に適用するプログラムや、例えばメニュー表示処理に適用するプログラムも含まれる。
【００５０】
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］に記録されるプレイリストファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍｐｌｓ］は、ユーザに見せるタイトルに対応して設けられ、少なくとも１以上のプレイアイテムで構成される再生リストである。各プレイアイテムは、クリップに対する再生開始点（ＩＮ点）と再生終了点（ＯＵＴ点）を持つ再生区間指定情報である。プレイリスト内の複数のプレイアイテムを時間軸上に並べることで、それぞれの再生区間の再生順序を指定することができる。
【００５１】
クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］に記録されるクリップ情報ファイル［ｘｘｘｘｘ．ｃｌｐｉ］は、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録されるＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］に対応して設定される。クリップ情報ファイルは、実際のストリームを再生する上で必要となるストリームに関する情報が記載されたファイルである。
【００５２】
ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録されるＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］は、ＭＰＥＧ２−ＴＳ形式で記録されたストリームが格納されているファイルである。画像データはこのファイル内に格納される。
【００５３】
ＢＤＪＯディレクトリ［ＢＤＪＯ］、ＪＡＲディレクトリ［ＪＡＲ］には、例えばＪａｖａ（登録商標）を適用した各種のデータ処理プログラムや関数などが格納される。例えば、データ再生処理において利用される仮想ファイルシステムの設定を行うためのプログラムやメニュー作成やメニュー表示処理に適用するためのプログラム、データの記録再生時のインタラクティプ機能を実現するためのプログラムなどが含まれる。
【００５４】
なお、ＢＤＭＶディレクトリには、図１に示すディレクトリや、ファイル以外にも、例えばバックアップデータや、著作権管理情報などのＡＡＣＳ関連データファイルを記録するディレクトリが設定される。
【００５５】
なお、以下では、ＡＶストリームファイルなど、再生対象データを格納したファイルを総称してストリームファイルと簡略化して説明する。また、インデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルこれらのファイルを総称して管理情報、またはデータベースと呼ぶ。
【００５６】
次に、図２を参照してＢＤＡＶ規格に従ってメディアに記録されるデータ記録構成としてのＢＤＡＶディレクトリについて説明する。なお、以下において説明するＢＤＡＶ規格は、ＢＤＡＶの１つの規格であるＢＤ−ＲＥ２．１規格に対応したものである。図２に示すように、ルート［Ｒｏｏｔ］ディレクトリの下に、ディレクトリ［ＢＤＡＶ］が置かれる。
【００５７】
ディレクトリ［ＢＤＡＶ］の直下に、
インフォファイル［ｉｎｆｏ．ｂｄａｖ］、
メニューファイル［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］，［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］
マークファイル［ｍａｒｋ．ｔｉｄｘ］，［ｍａｒｋ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］
が記録される。
さらにＢＤＡＶディレクトリ［ＢＤＡＶ］の下位ディレクトリとして、
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］、
クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］、
ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］、
が設定される。
【００５８】
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］にプレイリストファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍｐｌｓ］が設定され、クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］にクリップ情報ファイル［ｘｘｘｘｘ．ｃｌｐｉ］が設定され、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］にＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］が設定される。
【００５９】
インフォファイル［ｉｎｆｏ．ｂｄａｖ］は、ＢＤＡＶディレクトリ全体の管理情報を格納したファイルである。
メニューファイル［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］，［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］は、各ＡＶストリームファイルの代表画のサムネイル画像を格納する。［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］がサムネイル管理情報を格納し、［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］がサムネイル画像を格納している。
ＢＤＡＶ規格では、ＢＤＭＶ規格と違い、様々な情報を持つメニューの作成機能がなく、例えばユーザの撮影した映像の先頭画像をサムネイルとして表示する簡易的なメニュー表示を行う設定としている。メニューファイル［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］，［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］はこのためのサムネイル画像を管理、格納している。
【００６０】
マークファイル［ｍａｒｋ．ｔｉｄｘ］，［ｍａｒｋ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］は、ユーザの撮影画像（ＡＶストリームファイル）に対する編集処理などにおいて設定したインデックス情報であるマーク位置に対応するサムネイル画像を管理、格納しているファイルである。［ｍａｒｋ．ｔｉｄｘ］がサムネイル管理情報を格納し、［ｍａｒｋ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］がサムネイル画像を格納している。
【００６１】
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］、クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］は、先に図１を参照して説明したＢＤＭＶディレクトリとほぼ同様の設定である。
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］には、プレイリストファイル［ｘｘｘｘｘ．ｒｐｌｓ］が記録される。
クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］には、クリップ情報ファイル、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］には、例えばＭＰＥＧ２−ＴＳ形式で記録されたＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］が記録される。
【００６２】
図１、図２を参照して説明したように、ＢＤＭＶディレクトリ、ＢＤＡＶディレクトリは類似する構成を有しているが、ＢＤＭＶアプリケーション規格と、ＢＤＡＶアプリケーション規格は、記録再生を許容するデータ形式が異なる。また、メニュー作成機能、インタラクティブ機能などに大きな差がある。
ＢＤＭＶアプリケーション規格と、ＢＤＡＶアプリケーション規格の差異について、図３に示す表を参照して説明する。
【００６３】
（ａ）記録再生が許容されるデータ
ＢＤＭＶアプリケーション規格は、記録再生できるデータ形式の制限が厳しい。例えば、プログレッシブ方式の１９２０×１０８０画素のＨＤ（Ｈｉｇｈ Ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）画像である［１０８０／６０ｐ画像］や、３次元画像としての３Ｄ画像，あるいは約４０００×２０００画素の４Ｋ×２Ｋ画像については、ＢＤＭＶアプリケーション規格では記録再生が許容されない。
【００６４】
ＢＤＭＶアプリケーション規格において記録再生データとして許容する画像データ形式には、例えば、［１０８０／６０ｉ］が含まれる。
［１０８０／６０ｉ］は、１９２０×１０８０画素のＨＤ（Ｈｉｇｈ Ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）画像をインタレース方式で、１秒間に６０枚のフィールド画像として１０８０ラインの記録再生を行うことを示している。
【００６５】
一方、ＢＤＡＶアプリケーション規格は、記録再生できるデータ形式の制限が厳しくない。例えば、１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像の記録再生が許容される。
【００６６】
（ｂ）メニュー表示機能
ＢＤＭＶアプリケーション規格は、先に図１を参照して説明したムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］に含まれるプログラムや、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用して、例えば自由なタイトル設定を可能とし様々なデザインを持つ高機能なメニューを作成して利用することができる。
ＢＤＡＶアプリケーション規格において提供されるメニュー画面は、先に図２を参照して説明した［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］，［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］を利用したサムネイル画像の表示のみである。
【００６７】
（ｃ）インタラクティブ機能
ＢＤＭＶアプリケーション規格は、先に図１を参照して説明したＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用して様々な操作用のボタンの表示、利用が可能であり、高度なインタラクティブ機能を提供できる。
ＢＤＡＶアプリケーション規格では、コンテンツの再生停止を実行できる程度であり、高度なインタラクティブ機能の提供はできない。
【００６８】
なお、以下では、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置を、ＢＤＭＶプレーヤ、あるいはＢＤＭＶレコーダ、あるいはＢＤＭＶ（記録再生）装置と呼ぶ。また、ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置を、ＢＤＡＶプレーヤ、あるいはＢＤＡＶレコーダ、あるいはＢＤＡＶ（記録再生）装置と呼ぶ。
【００６９】
ＢＤＭＶ装置は、図１に示すＢＤＭＶディレクトリをメディア（記録媒体）に設定してデータ記録再生処理を実行し、ＢＤＡＶ装置は、図２に示すＢＤＡＶディレクトリをメディア（記録媒体）に設定してデータ記録再生を実行する。
【００７０】
ただし、ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置の多くは、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った再生処理機能も実行可能である。
このような機器は、ＢＤ−ＲＥやＢＤ−Ｒなどの記録可能なメディアを利用した記録再生処理に際しては、ＢＤＡＶアプリケーションを利用し、既に映画などが記録されたＢＤ−ＲＯＭを再生する場合はＢＤＭＶアプリケーションを利用した処理を行うことができる。
【００７１】
従って、ＢＤＡＶプレーヤ、あるいはＢＤＡＶレコーダ、あるいはＢＤＡＶ（記録再生）装置は、ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理と、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方が可能な装置であるものとして説明する。
【００７２】
なお、ＢＤＭＶ規格、ＢＤＡＶ規格は、前述したようにＢＤＡ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ）において策定された規格である。例えば［ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｂｌｕ−ｒａｙｄｉｓｃ．ｃｏｍ／］に資料が開示されている。
【００７３】
図３を参照して説明したように、ＢＤＭＶ規格に従った記録再生処理を実行するＢＤＭＶ装置を利用した場合、１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などの記録はできない。例えばＢＤＭＶ規格に従ったビデオカメラで１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などを撮影しても、これらの画像の記録ができないことになってしまう。ＢＤＡＶ規格に従えば、記録することはできるが、高機能なメニューやインタラクティブ機能が利用できなくなるという問題がある。
【００７４】
前述したように、ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理と、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方を実行可能な装置を利用することも可能ではある。しかしこのような装置を利用して場合でも、ＢＤＭＶディレトクリに設定したデータについては、ＢＤＭＶ機能に従った高機能なメニューの利用が可能となるが、ＢＤＡＶディレクトリに設定されたデータの再生には、このメニューが利用できず、ＢＤＡＶ機能によって作成されるサムネイルを利用せざる得ない。
【００７５】
すなわち、ＢＤＭＶ、ＢＤＡＶの双方のデータを処理可能な装置であっても、ＢＤＭＶディレクトリと、ＢＤＡＶディレクトリに設定されたデータの再生指示などのデータアクセスを統合したメニューを利用して行うことができないという問題がある。
【００７６】
以下では、これらの問題を解決する構成について説明する。すなわち、ＢＤＭＶ規格において記録再生が認められない１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などのＢＤＭＶ規格非対応データを記録、再生することを可能として、かつ、ＢＤＭＶ規格対応データと、ＢＤＭＶ規格非対応データの双方を１つのメニュー上からアクセス可能とする構成である。
【００７７】
以下において説明する本発明の構成では、従来型のＢＤＭＶ装置においても、何ら再生互換問題を引き起こすことなく、また、ＢＤＭＶ規格非対応データの再生が可能な装置においては、ＢＤＭＶの再生機構を拡張して利用することにより、１つのメニューから、ＢＤＭＶ規格対応データと、ＢＤＭＶ規格非対応データの双方をアクセスして再生可能となる。さらに、次に述べる実施例１においては、ＢＤＭＶ再生機構を拡張して再生できないが、ＢＤＭＶ規格非対応データである拡張ストリームのデコード機能は有しており、ＢＤＡＶ再生機構を有している装置においては、ＢＤＡＶの再生機構を用いることで、直接再生することも可能になる。
【００７８】
［２．仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用した処理について］
以下、ＢＤＭＶ規格において記録再生が許容されないデータを、ＢＤＭＶディレクトリ以外のディレクトリに記録し、再生時に仮想ファイルシステム（ＶＦＳ：Ｖｉｒｔｕａｌ Ｆｉｌｅ Ｓｙｓｔｅｍ）を構築してＢＤＭＶの再生機構を利用して再生を行う構成について説明する。
【００７９】
以下においては、以下の２つの実施例について説明する。
（実施例１）記録メディアにＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリを併設してデータ記録再生を行う実施例
（実施例２）記録メディアにＢＤＡＶディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例
以下、これらの実施例について、順次説明する。
【００８０】
［２−１．（実施例１）記録メディアにＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリを併設してデータ記録再生を行う実施例］
まず、実施例１として、記録メディアにＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリを併設してデータ記録再生を行う実施例について説明する。
【００８１】
図４を参照して、実施例１の情報処理装置によるデータ記録再生処理の概要について説明する。
【００８２】
図４に示す情報処理装置１００は、メディア（情報記録媒体）１１０を装着し、データ記録および再生処理を実行する。本実施例では、メディア１１０は例えばデータ記録可能なＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））である。なお、メディア１１０はＢＤに限るものではなく、その他のフラッシュメモリなどのメディアであってもよい。
さらに、情報処理装置１００は、例えばハードディスクなどによって構成されるローカル記憶部１２０を持つ。
【００８３】
まず、情報処理装置１００によるメディア１１０に対するデータ記録処理について説明する。メディア１１０はデータ記録可能な例えばＢＤ−ＲＥ、ＢＤ−Ｒなどのメディアであるとする。なお、再生処理のみを行う場合は、追記のできないメディア、例えばＢＤ−ＲＯＭであってもよい。
【００８４】
情報処理装置１００は、メディア１１０に、図に示すように、
ＢＤＭＶディレクトリ１１１、
ＢＤＡＶディレクトリ１１２、
ＢＵディレクトリ１１３、
これらのディレクトリの設定を行う。この処理は情報処理装置が装置内のメモリに保持するプログラムによって実行される。
【００８５】
ＢＤＭＶディレクトリ１１１は先に図１を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリであり、ＢＤＡＶディレクトリ１１２は先に図２を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリである。
【００８６】
ＢＵディレクトリ１１３は、バインディングユニットディレクトリであり、後述する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ：Ｖｉｒｔｕａｌ Ｆｉｌｅ Ｓｙｓｔｅｍ）を構築する際に必要とする管理情報などを記録するためのディレクトリである。
【００８７】
情報処理装置１００がメディア１１０に対してデータ記録を実行する場合の処理を、
ステップＳ１１に示す。
ステップＳ１１に示すように、記録データがＢＤＭＶ規格対応データである場合は、ＢＤＭＶディレクトリ１１１下に記録する処理が行なわれる。また、ＢＤＭＶ規格対応データ以外の形式を持つデータ、例えば先に説明したような１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などのＢＤＭＶ規格非対応データを記録する場合は、ＢＤＡＶディレクトリ１１２下に記録する処理を実行する。なお、以下において、１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などのＢＤＭＶ規格非対応データを拡張データと呼ぶ。
【００８８】
ただし、ＢＤＭＶ規格対応データであっても、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録することは可能である。具体的な記録処理シーケンスについては、後段においてフローチャートを参照して説明する。
【００８９】
なお、データ記録処理に際しては、ＡＶストリームファイルのみならず、クリップ情報ファイル、プレイリストファイルの作成または更新および記録処理も行われる。さらに必要に応じてムービーオブジェクトファイルやインデックスファイルなどのデータベースファイルの更新処理も行われる。
【００９０】
データ記録処理を実行した場合、ＢＵディレクトリ１１３の管理情報を更新する。この処理は、後述する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を構築する際に必要とする管理情報の更新処理である。これらの処理の詳細については後述する。
【００９１】
このように、本実施例の情報処理装置１００は、ＢＤＭＶ規格対応データについては、基本的にＢＤＭＶディレクトリ１１１下に記録する処理を実行し、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）についてはＢＤＡＶディレクトリ１１２下に記録する処理を実行する。
【００９２】
次に、データ再生処理の概要について説明する。本発明の情報処理装置１００は、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたデータとＢＤＡＶディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、１つのメニューから指定して再生処理を可能とする。このメニューは、ＢＤＭＶ規格によって生成されるメニューである。
【００９３】
また、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたデータとＢＤＡＶディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、ＢＤＭＶ規格において利用可能なインタラクティブ機能を利用した再生を可能とする。
【００９４】
メニュー表示やインタラクティブ機能は、先に図１を参照して説明したＢＤＭＶディレクトリ下のムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］や、ＢＤＪＯディレクトリ［ＢＤＪＯ］、ＪＡＲディレクトリ［ＪＡＲ］に記録された、例えばＪａｖａ（登録商標）によって提供される機能である。
【００９５】
従来は、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録されたデータに対して、これらのプログラムは利用できなかったが、本発明の構成において設定する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用することで、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録したデータに対しても、ＢＤＭＶ規格対応のメニュー機能やインタラクティブ機能の利用が可能となる。
【００９６】
再生処理に際しては、まず、図４に示すステップＳ２１に示すように、ＢＤＡＶディレクトリ１１２に記録された拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）ファイル（ＡＶストリームファイル）と、ＢＵディレクトリ１１３に記録されている管理情報ファイル等をローカル記憶部１２０にコピーする処理を行う。コピー結果は、図に示すローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１である。ＢＵＤＡはバインディングユニットデータエリアを意味する。
【００９７】
次に、ステップＳ２２（Ｓ２２ａ，Ｓ２２ｂ）において、メディア１１０に記録されているＢＤＭＶディレクトリ１１１以下の各データと、ローカル記憶部のＢＵＤＡ１２１のバインド処理を行い、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を構築する。
ステップＳ２３において構築した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を利用した再生処理が行われる。
【００９８】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０は、情報処理装置１００の実行する再生アプリケーションが利用する仮想的なファイルシステムである。仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０には、仮想的なデータパッケージである仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１を有する。
【００９９】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１には、メディア１１０に記録されているＢＤＭＶ規格対応データと、ローカル記憶部１２０にコピーされた拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）の両者が含まれる。再生処理に際しては、これらの両者を１つのメニューから指定して再生を行うことができる。メニューは、ＢＤＭＶ規格に対応したメニュー作成プログラムに従って作成することができる。
【０１００】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１に設定されるデータは、実際にはメディア１１０とローカル記憶部１２０の別の記録媒体に記録されたデータである。情報処理装置１００の再生アプリケーションは、この仮想ファイルシステム１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１があたかもある１つのメディアに設定されたディレクトリであると同様に再生処理を行うことができる。
【０１０１】
コンテンツ再生処理を実行する情報処理装置１００は、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を利用した再生処理を行う際、ローカル記憶部１２０に記憶されたデータのファイル名変換処理を行う。この変換処理に適用するテーブルがファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））である。以下、図５、図６を参照してＶＦＳを利用したコンテンツ再生処理とファイル名変換テーブル（ＢＵＭＦ）の概要について説明する。
【０１０２】
図５を参照して、メディア１１０の格納コンテンツと、ハードディスク等のローカル記憶部１２０に格納されたデータを統合した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の生成と再生処理について説明する。
【０１０３】
図５に示すアプリケーションプログラム１５０は、本発明の情報処理装置１００の実行する拡張型の再生アプリケーションである。アプリケーションプログラム１５０は、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を介して、メディア１１０に記録されているファイルやローカル記憶部１２０に記録されているファイルを操作する。
【０１０４】
仮想ファイルシステム１３０は、アプリケーションプログラム１５０に対して、記録媒体（ファイルシステム）の違いを隠蔽する役割を果たす。アプリケーションプログラム１５０は、ファイルが記録されている記録媒体の違いを意識せずに、同じＡＰＩを利用して、各記録媒体に記録されているファイルを操作することができる。
【０１０５】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０は、例えば装置にメディア１１０が装着されたとき、あるいはアプリケーションプログラムの実行時にメディア１１０のファイルシステムとローカル記憶部１２０のファイルシステムをマージすることにより生成され、生成された仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０が情報処理装置１００のメモリに記憶される。この場合、ファイルの書き込みなどによりローカル記憶部１２０に記録されているディレクトリやファイルが変更されるごとに、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）は更新される。
【０１０６】
アプリケーションプログラム１５０は、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶ１３１下に、図４に示すメディア１１０のＢＤＭＶディレクトリ１１１下のデータと、ローカル記憶部１２０にコピーされたＢＵＤＡ１２１の各データが設定されているものとしてデータをアクセスし再生処理を行うことになる。
【０１０７】
アプリケーションプログラム１５０は、メディア１１０のＢＤＭＶディレクトリ１１１を利用して処理を行っていると同様の処理を行う。この場合、メディア１１０のＢＤＭＶディレクトリ１１１に記録されたデータを利用する処理においては問題がない。しかし、ローカル記憶部１２０に記録されたデータをアクセスしようとした場合には、そのデータは、実際にはメディア１１０のＢＤＭＶディレクトリ１１１下ではなく、ローカル記憶部１２０であるため、アクセスすることができない。
【０１０８】
この問題を解決するために、ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル(ＢＵＭＦ)）１５１が利用される。ファイル名変換テーブル１５１は、仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１における仮想的なファイル名であるデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）と、実際のデータの記録先、すなわちローカル記憶部１２０における記録先（パス）を示すソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）との対応データを持つテーブルである。
【０１０９】
なお、ファイル名変換テーブル１５１は、マニフェストファイル（ＢＵＭＦ）と呼ばれる。このファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））１５１は、図４に示すＢＵディレクトリ１１３に記録される。情報処理装置のデータ処理部は、記録処理の実行時にＢＤＡＶディレクトリ１１２に対するデータ記録が実行された場合、その記録データに対応するエントリをファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））１５１に設定する処理を行なう。
【０１１０】
ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））の構成例を図６に示す。ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））は図６に示すように、ローカル記憶部１２０における記録先（パス）を示すソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）と、仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１における仮想的なファイル名であるデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）を対応付けたデータとして設定される。
【０１１１】
デスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）は仮想ＢＤＭＶ１３１上のファイル名であり、図５に示すアプリケーションプログラム１５０は、このデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）によってファイルアクセスを行う。このデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）が、図６に示すファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））に登録されている場合、デスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）に対応するソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）を取得し、ソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）に従ってローカル記憶部１２０からデータを取得する。
【０１１２】
なお、このファイル名変換テーブル（ＢＵＭＦ）１５１は、図４に示すメディア１１０のＢＵディレクトリ１１３下に設定されている。ファイル名変換テーブル（ＢＵＭＦ）１５１に対するエントリの記録処理は、図４に示すＢＤＡＶディレクトリ１１２にデータ記録が実行された場合に行われる。
【０１１３】
デスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）はＢＤＭＶディレクトリ１１１に設定されたＡＶストリームファイルのファイル名に重複が発生しないように設定される。ただしインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］やムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の利用時にＢＤＭＶディレクトリ１１１のファイルに置き換えて利用するため、ＢＤＭＶディレクトリ１１１に設定されたファイル名と同一のファイル名がデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）として記録される。
【０１１４】
ソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）は、ＢＵＤＡ１２１ディレクトリ以下の相対的な記憶位置を示すパス情報として設定される。ローカル記憶部１２０には、ＢＵディレクトリ１１３の記録データがその相対的な記録位置を変更することなく図４に示すＢＵＤＡ１２１として記録される。
【０１１５】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用した再生処理において、アプリケーションプログラム１５０は、まず、目的とするファイル名をデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）で特定し、ファイル名変換テーブル（ＢＵＭＦ）１５１から特定したデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）に対応して記録されたソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）を取得する。次に、取得したソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）を利用してローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ領域から目的とするファイルを取り出すことができる。
【０１１６】
次に、図７を参照して、本実施例における具体的なデータの記録、および仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の設定処理例について説明する。図７には、
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）
（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージ
さらにローカル記憶部１２０のＢＵＤＡの記録データの例を示している。
【０１１７】
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）は、先に説明したように、ＢＤＭＶディレクトリ、ＢＤＡＶディレクトリ、ＢＵディレクトリを持つ構成である。
【０１１８】
ＢＤＭＶディレクトリにはＢＤＭＶ規格に従ったデータおよびその管理情報が記録される。
ＢＤＡＶディレクトリにはＢＤＭＶ規格に非対応の拡張データおよびその管理情報が記録される。
ＢＵディレクトリには、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築に際して利用される管理情報ファイルと、前述のファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））が記録される。
【０１１９】
仮想ファイルシステムの構築時には、ＢＤＡＶディレクトリに記録されたストリームファイル２０１と、ＢＵディレクトリの記録データ２０２を、ローカル記憶部１２０にコピーする。
【０１２０】
ローカル記憶部１２０にコピーされたデータはＢＵＤＡ１２１としてローカル記憶部内に格納され、このＢＵＤＡ１２１と、（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリ下のデータとを統合して、（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージが設定される。
【０１２１】
仮想ＢＤＭＶに設定されるデータについて説明する。
図７（ｂ）に管理情報ファイル２１１として示す、
インデックスファイル[ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ（Ｎｅｗ）]
ムービーオブジェクトファイル[ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ（Ｎｅｗ）]
これらのファイルは、元々、ＢＵディレクトリの記録データ２０２であり、ローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１のデータである。
【０１２２】
インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリにも設定されているが、仮想ファイルシステムの利用時には、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を利用する。
【０１２３】
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリに設定されたインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリに設定された管理情報のみを含む。
【０１２４】
しかし、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データのみならず、ＢＤＡＶディレクトリに記録された拡張データに関する管理情報も含むデータとして設定される。
【０１２５】
仮想ファイルシステムを利用した再生処理では、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データのみならず、ＢＤＡＶディレクトリに記録された拡張データに関する再生処理も行われるため、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を、仮想ＢＤＭＶの管理情報ファイル２１１として設定する。
【０１２６】
その他、（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージに示す、以下のファイル、すなわち、
プレイリストファイル［００００１．ｍｐｌｓ］２１２、
クリップ情報ファイル［０１０１０．ｃｌｐｉ］（６０ｐ）２１３、
クリップ情報ファイル［０１０１１．ｃｌｐｉ］（６０ｐ）２１３、
ＡＶストリームファイル［０１０１０．ｍ２ｔｓ］（６０ｐ）２１４、
ＡＶストリームファイル［０１０１１．ｍ２ｔｓ］（６０ｐ）２１４、
これらのファイルが、ローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１のデータである。
【０１２７】
なお（６０ｐ）は、例えばプロクレッシブ方式の［１０８０／６０ｐ］画像データであることを示している。すなわちＢＤＭＶ規格非対応データであることを示している。前述したように、３Ｄ画像や４Ｋ×２Ｋ画像などもＢＤＭＶ規格非対応データであり、これらのデータについても、同様に処理される。
【０１２８】
図７（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージに示すファイル２１１〜２１４については、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））を参照してローカル記憶部１２０から取得される。その他のデータは、メディア１１０のＢＤＭＶディレクトリから取得される。
【０１２９】
なお、ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））は、ＢＵディレクトリの記録データ２０２の一部としてローカル記憶部１２０にコピーされ、再生処理を実行するアプリケーションは、ローカル記憶部１２０に記録されたファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））を読み出して利用する。
【０１３０】
なお、図７（ｂ）に示すように仮想ファイルシステムには、ＢＤＭＶディレクトリに設定されたＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリも含まれる。そのため、仮想ファイルシステムを利用した再生処理に際しては、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用可能となる。このＪａｖａ（登録商標）プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、このＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【０１３１】
なお、図７に示す例では、ＢＵディレクトリのデータ２０２として、ＢＤＡＶディレクトリに記録されたＡＶストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルを含む設定としている。これらのファイルは、ＢＤＡＶディレクトリにも併せて記録される。
【０１３２】
本実施例では、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の構築に際して、メディア１１０のＢＤＡＶディレクトリ下からＡＶストリームファイルのみをコピーし、その他のデータは、ＢＵディレクトリ下からコピーする設定としているため、ＢＤＡＶディレクトリに記録されたストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルもＢＵディレクトリに記録する。
【０１３３】
しかし、例えばＢＤＡＶディレクトリに記録されたストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルをメディア１１０のＢＤＡＶディレクトリ下から読み出し、ＢＤＭＶ規格に適合するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルに変換してローカル記憶部１２０に記録する設定も可能である。このような設定とすれば、これらのファイルについては、ＢＵディレクトリ下に記録する必要はない。
【０１３４】
本実施例におけるデータ記録処理シーケンスと、データ再生処理シーケンスについて、図８および図９に示すフローチャートを参照して説明する。
【０１３５】
まず、本実施例におけるデータ記録処理シーケンスについて、図８に示すフローチャートを参照して説明する。
【０１３６】
データ記録処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。図８に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【０１３７】
ステップＳ１０１において、記録するＡＶストリームが、ＢＤＭＶ規格対応データであるか否かを判定する。前述したように、例えば［１０８０／６０ｐ画像］や、３次元画像としての３Ｄ画像，あるいは約４０００×２０００画素の４Ｋ×２Ｋ画像については、ＢＤＭＶアプリケーション規格では記録再生が許容されない。これらのデータを記録する場合は、ステップＳ１０１の判定はＮｏとなる。
【０１３８】
例えば［１０８０／６０ｉ画像］など、記録するＡＶストリームが、ＢＤＭＶ規格対応データである場合は、ステップＳ１０１の判定はＹｅｓとなり、ステップＳ１０２に進む。
【０１３９】
ステップＳ１０２では、ＢＤＭＶ規格対応データを従来型のＢＤＭＶプレーヤで再生可能とする必要があるかを判定する。この判定はユーザが行っても良いし、予めいずれかの設定として自動判定するようにしてもよい。なお、このステップＳ１０２の判定処理はＢＤＭＶ規格データであってもＢＤＡＶディレクトリ下に記録することを許容するための判定ステップである。ＢＤＭＶ規格対応データをすべてＢＤＭＶディレクトリ下に記録する設定の場合はステップＳ１０２の判定処理は省略してもよい。
【０１４０】
ステップＳ１０２の判定がＹｅｓの場合は、ステップＳ１０３に進み、ＡＶストリームを、ＢＤＭＶディレクトリ下のストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録する。
【０１４１】
一方、ステップＳ１０１の判定がＮｏの場合、すなわち記録データがＢＤＭＶ規格対応データでない拡張データである場合、およびステップＳ１０２の判定がＮｏの場合、すなわち記録データがＢＤＭＶ規格対応データであるが、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録する場合は、ステップＳ１０４に進む。
【０１４２】
ステップＳ１０４では、ＡＶストリームを、ＢＤＡＶディレクトリ下のストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録する。
【０１４３】
このように、本実施例における情報処理装置は、記録メディアに対する記録データが、ＢＤＭＶ規格に従った規格対応データであるか否かを判別し、ＢＤＭＶ規格対応データである場合は、記録メディアに設定されたＢＤＭＶ規格対応データを記録するＢＤＭＶディレクトリを記録先として優先的に選択し、記録データが拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）である場合は、ＢＤＭＶディレクトリと異なるＢＤＡＶディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行う。
【０１４４】
ステップＳ１０３またはステップＳ１０４の処理が終了すると、ステップＳ１０５に進む。ステップＳ１０５では、記録するＡＶストリームが他にあるか否かを判定し、ある場合は、ステップＳ１０１以下の処理を繰り返す。ステップＳ１０５において、記録するＡＶストリームが他にないと判定した場合は、ステップＳ１０６に進む。
【０１４５】
ステップＳ１０６では、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームに対応した管理情報（データベース）を作成してＢＤＭＶディレクトリ下に設定し、ＢＤＭＶディレクトリ下のデータ構造を完成させる。なお、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームがない場合は、この処理は省略する。
【０１４６】
次に、ステップＳ１０７では、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームに対応した管理情報（データベース）を作成してＢＤＡＶディレクトリ下に設定し、ＢＤＡＶディレクトリ下のデータ構造を完成させる。なお、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームがない場合は、この処理は省略する。
【０１４７】
次に、ステップＳ１０８において、記録されたＡＶストリームに対応した管理情報を作成して、ＢＵディレクトリ下に設定し、ＢＵディレクトリ下のデータ構造を完成させる。先に説明したように、ＢＵディレクトリ下に設定される管理情報、例えば、インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データと、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録された拡張データのすべてに関する管理情報を含むデータとして設定することが必要であり、全ての記録データに対応する管理情報を記録するように更新する。
【０１４８】
さらに、ＢＤＡＶディレクトリ下に設定されたストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルについても、それらを読み出し、ＢＤＭＶ規格に適合するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルに変換してＢＵディレクトリ下に記録する処理を行う。
【０１４９】
さらに、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））についても、ＢＤＡＶディレクトリ下に新たに記録されたストリームファイルに対応するエントリを追加する処理を行う。
【０１５０】
このステップＳ１０８の処理は、ＢＤＭＶ／ＢＤＡＶ／ＢＵ各ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新してＢＵディレクトリに記録する処理に相当する。管理情報には、ＢＤＭＶ／ＢＤＡＶディレクトリに記録された全ての再生対象データの管理情報が含まれる。具体的には、仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報である。
【０１５１】
次に、ステップＳ１０９に進み、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームをＢＤＭＶディレクトリに併合する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築用のプログラム（ＢＤ−Ｊ）を作成してＢＤＭＶディレクトリ下の［ＢＤＪＯ］，［ＪＡＲ］に追加する更新処理を行う。なお、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築用のプログラム（ＢＤ−Ｊ）が作成済みの場合は、この処理は新たに行う必要はない。
このようにしてデータ記録処理が行われる。
【０１５２】
次に、図９に示すフローチャートを参照して、データ再生処理シーケンスについて説明する。データ再生処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。図９に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【０１５３】
ステップＳ２０１において、ＢＤＭＶディレクトリ下に設定された［ＢＤＪＯ］，［ＪＡＲ］に記録されたプログラム（ＢＤ−Ｊ）を実行する。
ステップＳ２０２において、再生装置は、従来型のＢＤＭＶアプリケーションのみを実行する従来装置か、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築による拡張データ再生可能な拡張装置かを判定する。この判定処理は、プログラム（ＢＤ−Ｊ）によって装置または装置搭載プログラムを判別する処理を実行してもよいし、ユーザによる入力情報を用いて判定してもよい。
【０１５４】
再生装置が、従来型のＢＤＭＶアプリケーションのみを実行する従来装置である場合は、ステップＳ２０３に進み、メディアに記録されたＢＤＭＶディレクトリ下のデータのみを再生対象とした再生処理を実行する。
【０１５５】
一方、再生装置が、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築による拡張データ再生可能な拡張装置である場合は、ステップＳ２０４に進む。
ステップＳ２０４では、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、ＢＤＡＶディレクトリ下のＡＶストリームデータをローカル記憶部にコピーする処理を行う。この処理は、図７を参照して説明したストリームファイル２０１のローカル記憶部１２０に対するコピー処理である。
【０１５６】
次に、ステップＳ２０５において、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、ＢＵディレクトリ下の管理情報ファイル（マニフェストファイルを含む）をローカル記憶部にコピーする。この処理は、図７を参照して説明したデータ２０２のローカル記憶部１２０に対するコピー処理である。
【０１５７】
次に、ステップＳ２０６において、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築リクエストを再生装置に出力する。
次に、ステップＳ２０７において、再生装置の再生処理プログラム（プレーヤ）は、ＢＤＭＶディレクトリ下のデータと、ローカル記憶部にコピーされたデータを含む仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を構築する。この処理は、図５を参照して説明した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の構築処理であり、図７を参照して説明した図７（ｂ）仮想ファイルシステムの仮想パッケージを作成する処理として行われる。
【０１５８】
次に、ステップＳ２０８において、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）に設定された仮想パッケージ内のＢＤＭＶディレクトリを利用して再生処理を実行する。なお、再生処理に際して、再生対象データがローカル記憶部の格納データである場合は、ローカル記憶部内の管理情報に含まれるファイル名変換テーブルを参照して、仮想ファイルシステム上のファイル名から、データ記録先を示すファイル名を取得し、再生対象データを取得する処理が実行される。
【０１５９】
この再生処理では、先に図７を参照して説明したＢＵディレクトリに設定された管理情報であるインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を利用した再生処理が行われる。これらの管理情報には、ＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリに記録された全てのデータの管理情報が登録されている。再生処理に際しては、この管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理が行われる。
【０１６０】
例えば、インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］から指定されるムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］内の１つのプログラムによってメニュー表示がなされる。メニューには、ＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリに記録された全てのデータをアクセスするための情報が登録されている。従って、ＢＤＭＶ規格データと、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）のすべてを１つのメニューを利用して再生することができる。
【０１６１】
なお、先に図７を参照して説明したように仮想ファイルシステムには、ＢＤＭＶディレクトリに設定されたＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリも含まれている。従って、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用可能となる。このＪａｖａ（登録商標）プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、Ｊａｖａ（登録商標）プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【０１６２】
さらに、本実施例においては、Ｓ２０４、Ｓ２０５でローカル記憶部にＢＤＭＶ規格非対応ＡＶストリームデータ、管理情報をコピーしてから再生を行った。しかしながら、ＢＤＡＶディレクトリ下にＢＤＭＶ規格非対応ＡＶストリームを記録しておくことにより、ＢＤＭＶ規格非対応ＡＶストリームの復号が可能である装置においては、通常のＢＤＡＶディレクトリのデータとして再生することも可能となる。この場合においては、ＢＵディレクトリの管理情報を用いて表示されうるＢＤＭＶのメニュー画面については表示されないが、ＡＶストリームをローカル記憶部に記憶するステップは不要となる。
【０１６３】
すなわち、以上をまとめると次のとおりになる。ＢＤＭＶディレクトリ下のデータにおいては、従来のＢＤＭＶ再生機構で再生が可能である。一方、ＢＤＡＶディレクトリに記録されたＢＤＭＶ規格非対応データについては、ＢＤＭＶ規格に従ったメニューを表示してインタラクティブな再生を行いたい場合には図９のＳ２０４乃至Ｓ２０８にしたがった処理を行うことで、ＢＤＭＶデータとして再生することが可能となる。一方、ローカル記憶部の容量が足りない、もしくは、コピーする時間が無い場合であって、そのＢＤＭＶ規格非対応ＡＶストリームをデコードする機能だけ有していれば、ＢＤＡＶデータとして再生を行うことも可能となる。
【０１６４】
［２−２．（実施例２）記録メディアにＢＤＡＶディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例］
次に、実施例２として、記録メディアにＢＤＡＶディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例について説明する。
【０１６５】
図１０を参照して、実施例２の情報処理装置によるデータ記録再生処理の概要について説明する。図１０に示す情報処理装置１００は、メディア（情報記録媒体）１１０を装着し、データ記録および再生処理を実行する。本実施例においてもメディア１１０は例えばデータ記録可能なＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））である。なお、メディア１１０はＢＤに限るものではなく、その他のフラッシュメモリなどのメディアであってもよい。
さらに、情報処理装置１００は、例えばハードディスクなどによって構成されるローカル記憶部１２０を持つ。
【０１６６】
まず、情報処理装置１００によるメディア１１０に対するデータ記録処理について説明する。メディア１１０はデータ記録可能な例えばＢＤ−ＲＥ、ＢＤ−Ｒなどのメディアであるとする。なお、後述する再生処理のみを行う場合は、追記のできないメディア、例えばＢＤ−ＲＯＭであってもよい。
【０１６７】
情報処理装置１００は、メディア１１０に、図１０に示すように、
ＢＤＭＶディレクトリ１１１、
ＢＵディレクトリ１１３、
これらのディレクトリの設定を行う。この処理は情報処理装置が装置内のメモリに保持するプログラムによって実行される。
先に図４を参照して説明した実施例１と異なり、実施例２では、ＢＤＡＶディレクトリは利用しない。
【０１６８】
ＢＤＭＶディレクトリ１１１は先に図１を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリである。
ＢＵディレクトリ１１３は、バインディングユニットディレクトリであり、後述する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ：Ｖｉｒｔｕａｌ Ｆｉｌｅ Ｓｙｓｔｅｍ）を構築する際に必要とする管理情報などを記録するためのディレクトリである。
本実施例２では、このＢＵディレクトリ１１３に、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）であるＡＶストリームファイルも記録する。これらのＡＶストリームファイルに対応するクリップ情報ファイルやプレイリストファイルも全て記録する。
【０１６９】
情報処理装置１００がメディア１１０に対してデータ記録を実行する場合の処理を、ステップＳ３０１に示す。
ステップＳ３０１に示すように、記録データがＢＤＭＶ規格対応データである場合は、ＢＤＭＶディレクトリ１１１下に記録する処理が行なわれる。また、ＢＤＭＶ規格対応データ以外の形式を持つデータ、例えば先に説明したような１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などの拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）を記録する場合は、ＢＵＶディレクトリ１１３下に記録する処理を実行する。
【０１７０】
なお、これらのデータ記録処理に際しては、ＡＶストリームファイルのみならず、クリップ情報ファイル、プレイリストファイルの作成や更新、記録処理も行われる。さらに必要に応じてムービーオブジェクトファイルやインデックスファイルなどのデータベースファイルの更新処理も行われる。
【０１７１】
データ記録処理を実行した場合、ＢＵディレクトリ１１３の管理情報を更新する。この処理は、後述する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を構築する際に必要とする管理情報の更新処理が含まれる。
【０１７２】
このように、本実施例２において、情報処理装置１００はＢＤＭＶ規格対応データについては、基本的にＢＤＭＶディレクトリ１１１下に記録する処理を実行し、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）についてはＢＵディレクトリ１１３下に記録する処理を実行する。
【０１７３】
次に、データ再生処理の概要について説明する。本実施例２の情報処理装置１００は、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたデータとＢＵディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、１つのメニューから指定して再生処理を可能とする。このメニューは、ＢＤＭＶ規格に従って生成可能なメニューである。
【０１７４】
また、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたデータとＢＵディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、ＢＤＭＶ規格において利用可能なインタラクティブ機能を利用した再生を可能とする。
【０１７５】
メニュー表示やインタラクティブ機能は、先に図１を参照して説明したＢＤＭＶディレクトリ下のムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］や、ＢＤＪＯディレクトリ［ＢＤＪＯ］、ＪＡＲディレクトリ［ＪＡＲ］に記録された、例えばＪａｖａ（登録商標）を利用した処理として実行される。
【０１７６】
従来は、ＢＤＭＶディレクトリ以外に記録されたデータに対して、これらのプログラムは利用できなかったが、本発明の構成において設定する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用することで、ＢＤＭＶディレクトリ以外に記録したデータに対しても、ＢＤＭＶ規格対応のメニュー機能やインタラクティブ機能の利用が可能となる。
【０１７７】
再生処理に際しては、まず、図１０に示すステップＳ３０２に示すように、ＢＵディレクトリ１１３に記録された拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）ファイル（ＡＶストリームファイル）と、管理情報ファイル等をローカル記憶部１２０にコピーする処理を行う。コピー結果は、図に示すローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１である。ＢＵＤＡはバインディングユニットデータエリアを意味する。
【０１７８】
次に、ステップＳ３０３（Ｓ３０３ａ，Ｓ３０３ｂ）において、メディア１１０に記録されているＢＤＭＶディレクトリ１１１以下の各データと、ローカル記憶部のＢＵＤＡ１２１のバインド処理を行い、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を構築する。
ステップＳ３０４において構築した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を利用した再生処理が行われる。
【０１７９】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０は、情報処理装置１００の実行する再生アプリケーションが利用する仮想的なファイルシステムであり、先に図５を参照して説明した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）である。
【０１８０】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１には、メディア１１０に記録されているＢＤＭＶ規格対応データと、ローカル記憶部１２０にコピーされた拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）の両者が含まれる。再生処理に際しては、これらの両者を１つのメニューから指定して再生を行うことができる。メニューは、ＢＤＭＶ規格に対応したメニュー作成プログラムに従って作成することができる。
【０１８１】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１に設定されるデータは、実際にはメディア１１０とローカル記憶部１２０の別の記録媒体に記録されたデータである。情報処理装置１００の再生アプリケーションは、この仮想ファイルシステム１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１があたかもある１つのメディアに設定されたディレクトリであると同様に再生処理を行うことができる。
【０１８２】
コンテンツ再生処理を実行する情報処理装置１００は、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を利用した再生処理を行う際、ローカル記憶部１２０に記憶されたデータのファイル名変換処理を行う。この変換処理に適用するテーブルは、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））である。
【０１８３】
次に、図１１を参照して、本実施例２における具体的なデータの記録、および仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の設定処理例について説明する。図１１には、
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）
（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージ
さらにローカル記憶部１２０のＢＵＤＡの記録データの例を示している。
【０１８４】
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）は、先に図９を参照して説明したように、ＢＤＭＶディレクトリ、ＢＵディレクトリを持つ構成である。
【０１８５】
ＢＤＭＶディレクトリにはＢＤＭＶ規格に従ったデータおよびその管理情報が記録される。
ＢＵディレクトリには、ＢＤＭＶ規格に非対応の拡張データおよびその管理情報、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築に際して利用される管理情報ファイルと、前述のファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））が記録される。
【０１８６】
仮想ファイルシステムの構築時には、ＢＵディレクトリの記録データ３５１を、ローカル記憶部１２０にコピーする。
【０１８７】
ローカル記憶部１２０にコピーされたデータはＢＵＤＡ１２１としてローカル記憶部内に格納され、このＢＵＤＡ１２１と、（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリ下のデータとを統合して、（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージが設定される。
【０１８８】
図１１（ｂ）に示す仮想ＢＤＭＶに設定されるデータは、先の実施例１において、図７（ｂ）を参照して説明したデータ構成と同様である。
ただし、ストリームファイル２１４は、先の実施例１ではＢＤＡＶディレクトリからローカル記憶部にコピーされたデータであったが、本実施例では、ＢＵディレクトリからローカル記憶部１２０にコピーされたデータである。
【０１８９】
管理情報ファイル２１１として示す［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ（Ｎｅｗ）］、［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ（Ｎｅｗ）］、これらのファイルは、元々、ＢＵディレクトリの記録データ３５１であり、ローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１のデータである。
【０１９０】
インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリにも設定されているが、仮想ファイルシステムの利用時には、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を利用する。
【０１９１】
ＢＵディレクトリの記録データ３５１のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データのみならず、ＢＵディレクトリに記録された拡張データに関する管理情報も含むデータとして設定される。
【０１９２】
仮想ファイルシステムを利用した再生処理では、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データのみならず、ＢＵディレクトリに記録された拡張データに関する再生処理も行われるため、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を、仮想ＢＤＭＶの管理情報ファイル２１１として設定する。
【０１９３】
その他、（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージに示す、以下のファイル、すなわち、
プレイリストファイル［００００１．ｍｐｌｓ］２１２、
クリップ情報ファイル［０１０１０．ｃｌｐｉ］（６０ｐ）２１３、
クリップ情報ファイル［０１０１１．ｃｌｐｉ］（６０ｐ）２１３、
ＡＶストリームファイル［０１０１０．ｍ２ｔｓ］（６０ｐ）２１４、
ＡＶストリームファイル［０１０１１．ｍ２ｔｓ］（６０ｐ）２１４、
これらのファイルが、ローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１のデータである。
【０１９４】
これらのファイル２１１〜２１４については、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））を参照してローカル記憶部１２０から取得される。その他のデータは、メディア１１０のＢＤＭＶディレクトリから取得される。
【０１９５】
なお、ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））は、ＢＵディレクトリの記録データ３５１の一部としてローカル記憶部１２０にコピーされ、再生処理を実行するアプリケーションは、ローカル記憶部１２０に記録されたファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））を参照して利用する。
【０１９６】
本実施例２においても先に説明した実施例１と同様、図１１（ｂ）に示すように仮想ファイルシステムには、ＢＤＭＶディレクトリに設定されたＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリも含まれる、そのため、仮想ファイルシステムを利用した再生処理に際しては、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用可能となる。このＪａｖａ（登録商標）プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、このＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【０１９７】
本実施例におけるデータ記録処理シーケンスと、データ再生処理シーケンスについて、図１２および図１３に示すフローチャートを参照して説明する。
【０１９８】
まず、本実施例におけるデータ記録処理シーケンスについて、図１２に示すフローチャートを参照して説明する。
【０１９９】
データ記録処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。図１２に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【０２００】
ステップＳ４０１において、記録するＡＶストリームが、ＢＤＭＶ規格対応データであるか否かを判定する。前述したように、例えば［１０８０／６０ｐ画像］や、３次元画像としての３Ｄ画像，あるいは約４０００×２０００画素の４Ｋ×２Ｋ画像については、ＢＤＭＶアプリケーション規格では記録再生が許容されない。これらのデータを記録する場合は、ステップＳ４０１の判定はＮｏとなる。
【０２０１】
例えば［１０８０／６０ｉ画像］など、記録するＡＶストリームが、ＢＤＭＶ規格対応データである場合は、ステップＳ４０１の判定はＹｅｓとなり、ステップＳ４０２に進む。
【０２０２】
ステップＳ４０２では、ＢＤＭＶ規格対応データを従来型のＢＤＭＶプレーヤで再生可能とする必要があるかを判定する。この判定はユーザによって実行してもよいし、予めいずれかの設定を決定しておいてもよい。なお、このステップＳ４０２の判定処理はＢＤＭＶ規格データであってもＢＵディレクトリ下に記録することを許容するための判定ステップである。すなわち、ＢＤＭＶ規格対応データをすべてＢＵディレクトリ下に記録する設定の場合はステップＳ４０２の判定処理は省略してもよい。
【０２０３】
ステップＳ４０２の判定がＹｅｓの場合は、ステップＳ４０３に進み、ＡＶストリームを、ＢＤＭＶディレクトリ下のストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録する。
【０２０４】
一方、ステップＳ４０１の判定がＮｏの場合、すなわち記録データがＢＤＭＶ規格対応データでない拡張データである場合、およびステップＳ４０２の判定がＮｏの場合、すなわち記録データがＢＤＭＶ規格対応データであるが、ＢＵディレクトリ下に記録する場合は、ステップＳ４０４に進む。
ステップＳ４０４では、ＡＶストリームを、ＢＵディレクトリ下に記録する。
【０２０５】
このように、本実施例における情報処理装置は、記録メディアに対する記録データが、ＢＤＭＶ規格に従った規格対応データであるか否かを判別し、ＢＤＭＶ規格対応データである場合は、記録メディアに設定されたＢＤＭＶ規格対応データを記録するＢＤＭＶディレクトリを記録先として優先的に選択し、記録データが拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）である場合は、ＢＤＭＶディレクトリと異なるＢＵディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行う。
【０２０６】
ステップＳ４０３またはステップＳ４０４の処理が終了すると、ステップＳ４０５に進む。ステップＳ４０５では、記録するＡＶストリームが他にあるか否かを判定し、ある場合は、ステップＳ４０１以下の処理を繰り返す。ステップＳ４０５において、記録するＡＶストリームが他にないと判定した場合は、ステップＳ４０６に進む。
【０２０７】
ステップＳ４０６では、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームに対応した管理情報（データベース）を作成してＢＤＭＶディレクトリ下に設定し、ＢＤＭＶディレクトリ下のデータ構造を完成させる。なお、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームがない場合は、この処理は省略できる。
【０２０８】
次に、ステップＳ４０７では、記録されたＡＶストリームに対応した管理情報を作成して、ＢＵディレクトリ下に設定し、ＢＵディレクトリ下のデータ構造を完成させる。本実施例では、ＢＵディレクトリ下に設定される管理情報、例えば、インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データと、ＢＵディレクトリ下に記録された拡張データのすべてに関する管理情報を含むデータとして設定することが必要であり、全ての記録データに対応する管理情報を記録するように更新する。
【０２０９】
さらに、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））についても、ＢＵディレクトリ下に新たに記録されたストリームファイルに対応するエントリを追加する処理を行う。
【０２１０】
このステップＳ４０７の処理は、ＢＤＭＶ／ＢＵ各ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新してＢＵディレクトリに記録する処理に相当する。管理情報には、ＢＤＭＶ／ＢＵディレクトリに記録された全ての再生対象データの管理情報が含まれる。具体的には、仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報である。
【０２１１】
次に、ステップＳ４０８に進み、ＢＵディレクトリ下に記録されたＡＶストリームをＢＤＭＶディレクトリに併合する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築用のプログラム（ＢＤ−Ｊ）を作成してＢＤＭＶディレクトリ下の［ＢＤＪＯ］，［ＪＡＲ］に追加する更新処理を行う。なお、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築用のプログラム（ＢＤ−Ｊ）が作成済みの場合は、この処理は新たに行う必要はない。
このようにしてデータ記録処理が行われる。
【０２１２】
次に、図１３に示すフローチャートを参照して、データ再生処理シーケンスについて説明する。データ再生処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。図１３に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【０２１３】
ステップＳ５０１において、ＢＤＭＶディレクトリ下に設定された［ＢＤＪＯ］，［ＪＡＲ］に記録されたプログラム（ＢＤ−Ｊ）を実行する。
ステップＳ５０２において、再生装置は、従来型のＢＤＭＶアプリケーションのみを実行する従来装置か、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築による拡張データ再生可能な拡張装置かを判定する。この判定処理は、プログラム（ＢＤ−Ｊ）によって装置または装置搭載プログラムを判別する処理を実行してもよいし、ユーザによる入力情報を用いて判定してもよい。
【０２１４】
再生装置が、従来型のＢＤＭＶアプリケーションのみを実行する従来装置である場合は、ステップＳ５０３に進み、メディアに記録されたＢＤＭＶディレクトリ下のデータのみを再生対象とした再生処理を実行する。
【０２１５】
一方、再生装置が、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築による拡張データ再生可能な拡張装置である場合は、ステップＳ５０４に進む。
ステップＳ５０４では、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、ＢＵディレクトリ下のデータをローカル記憶部にコピーする処理を行う。この処理は、図１１を参照して説明したデータ３５１のローカル記憶部１２０に対するコピー処理である。コピー対象となるデータには、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応のストリームデータ）と、ＢＵディレクトリ下の管理情報ファイル（マニフェストファイルを含む）が含まれる。
【０２１６】
次に、ステップＳ５０５において、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築リクエストを再生装置に出力する。
【０２１７】
次に、ステップＳ５０６において、再生装置の再生処理プログラム（プレーヤ）は、ＢＤＭＶディレクトリ下のデータと、ローカル記憶部にコピーされたデータを含む仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を構築する。この処理は、図５を参照して説明した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の構築処理であり、図１１を参照して説明した図１１（ｂ）仮想ファイルシステムの仮想パッケージを作成する処理として行われる。
【０２１８】
次に、ステップＳ５０７において、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）に設定された仮想パッケージ内のＢＤＭＶディレクトリを利用して再生処理を実行する。なお、再生処理に際して、再生対象データがローカル記憶部の格納データである場合は、ローカル記憶部内の管理情報に含まれるファイル名変換テーブルを参照して、仮想ファイルシステム上のファイル名から、データ記録先を示すファイル名を取得し、再生対象データを取得する処理が実行される。
【０２１９】
この再生処理では、先に図１１を参照して説明したＢＵディレクトリに設定された管理情報であるインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を利用した再生処理が行われる。これらの管理情報には、ＢＤＭＶディレクトリとＢＵディレクトリに記録された全てのデータの管理情報が登録されている。再生処理に際しては、この管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理が行われる。
【０２２０】
例えば、インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］から指定されるムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］内の１つのプログラムによってメニュー表示がなされる。メニューには、ＢＤＭＶディレクトリとＢＵディレクトリに記録された全てのデータをアクセスするための情報が登録されている。従って、ＢＤＭＶ規格データと、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）のすべてを１つのメニューを利用して再生することができる。
【０２２１】
なお、先に図１１を参照して説明したように仮想ファイルシステムには、ＢＤＭＶディレクトリに設定されたＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリも含まれている。従って、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用可能となる。このＪａｖａ（登録商標）プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、Ｊａｖａ（登録商標）プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【０２２２】
［３．情報処理装置の構成例について］
次に、上述した記録再生処理を実行する情報処理装置の構成例について図１４を参照して説明する。図１４は、本発明の一実施例に係る情報処理装置４００の構成例を示すブロック図である。情報処理装置４００は、メディア４１０に対するデータ記録、またはデータ再生の少なくともいずれかの処理を行う装置である。具体的には例えば、記録再生装置、プレーヤ装置、レコーダ装置、ビデオカメラ、ＰＣなどの装置である。
【０２２３】
なお、図１４にはメディア４１０としてディスク型メディアを示しているが、メディアはディスク型メディアに限らず、フラッシュメモリなどのメディアでもよい。
【０２２４】
情報処理装置４００は、図１４に示すように、データ処理部（記録再生制御部）４０１、メモリ４０２、入力部４０３、出力部４０４、メディアインタフェース４０５、ローカル記憶部４０６を有する。
【０２２５】
データ処理部４０１は、様々なデータ処理プログラムを実行するプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。例えばデータ記録再生処理を行うアプリケーションプログラムを実行する。例えば、前述の実施例１において図８、図９を参照して説明したフローチャートに従った処理や、実施例２において図１２、図１３を参照して説明したフローチャートに従った処理を実行する。
【０２２６】
メモリ４０２は、ＲＡＭ，ＲＯＭ等によって構成され、データ処理部４０１において実行するアプリケーションプログラムなどの格納領域として利用される。またメモリ４０２は、アプリケーション用のパラメータ、ワーク領域としても利用され、さらに、メディア記録データのバッファ領域などとしても利用される。
【０２２７】
入力部４０３は、例えばユーザの操作部であり、データ記録または再生指示の入力など、様々な入力が行われる。なお、入力部４０３にはリモコンも含まれ、リモコン操作情報の入力も可能である。出力部４０４は、ディスプレイ、スピーカ等によって構成される画像や音声の出力部である。
【０２２８】
メディアインタフェース４０５は、メディア４１０を利用したデータ記録、再生処理に適用されるインタフェースである。データ処理部４０１の要求に従って、データをメディア４１０に書き込み、またメディア４１０からのデータ読み取り処理などを行う。
【０２２９】
ローカル記憶部４０６は例えばハードディスクなどによって構成される。先の実施例において説明した仮想ファイルシステムの構築に際して、メディア４１０からのコピーデータを格納する。すなわち、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）や管理情報、ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））の格納領域として利用される。その他プログラムの格納領域としても利用される。
【０２３０】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【０２３１】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【０２３２】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【０２３３】
以上、説明したように、本発明の一実施例によれば、ＢＤ等の１つの記録メディアに複数のディレクトリを設定し、データの種類に応じて記録先ディレクトリを選択して記録処理を行う。例えば、ＢＤＭＶ規格対応データはＢＤＭＶディレクトリに記録し、ＢＤＭＶ規格非対応データ、例えば１０８０／６０Ｐや３Ｄ画像データなどは、ＢＤＡＶディレクトリあるいはＢＵディレクトリなどに記録する。データ再生処理に際しては、ＢＤＭＶディレクトリの記録データと、ＢＤＡＶやＢＵディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを利用した再生処理を行う。本構成により、ＢＤＭＶ規格対応データと非対応データを既存システムに対する弊害を発生させることなく新システムにおいて記録再生することが可能となる。
【符号の説明】
【０２３４】
１００ 情報処理装置
１１０ メディア（情報記録媒体）
１１１ ＢＤＭＶディレクトリ
１１２ ＢＤＡＶディレクトリ
１１３ ＢＵディレクトリ
１２０ ローカル記憶部
１２１ ＢＵＤＡ
１３０ 仮想ファイルシステム
１３１ 仮想ＢＤＭＶディレクトリ
１５０ アプリケーションプログラム
１５１ ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））
４００ 情報処理装置
４０１ データ処理部
４０２ メモリ
４０３ 入力部
４０４ 出力部
４０５ メディアインタフェース
４０６ ローカル記憶部
４１０ メディア
【技術分野】
【０００１】
本発明は、情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。さらに詳細には、ディスクやフラッシュメモリなどの記録メディアを利用したデータ記録処理またはデータ再生処理を実行する情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
例えばＰＣ、ビデオカメラ、プレーヤ、レコーダなどの記録再生装置は、ハードディスク、ＤＶＤ、Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標）などのディスク型メディアや、フラッシュメモリなど、様々なメディアを利用したデータ記録再生を行う。
【０００３】
これらのメディアを利用したデータ記録再生を行う場合、データ記録再生装置は、所定の規格に対応する記録再生アプリケーションを適用して、あらかじめ規定されたフォーマットに従ってデータ記録再生処理を行う。例えば高精細ハイビジョン映像の記録再生用のアプリケーション規格として、ＢＤＭＶやＢＤＡＶがある。これらのアプリケーション規格は、主にＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））を利用したデータ記録再生のアプリケーション規格として策定されたものである。なお、ＢＤ規格については例えば特許文献１（特開２００７−１７９６７１号公報）に記載がある。
【０００４】
なお、ＢＤＭＶやＢＤＡＶは、上述したように、主にＢＤを利用したデータ記録再生のアプリケーション規格であるが、記録メディア（記録媒体）としてはＢＤに限らず、フラッシュメモリなど、その他のメディアを利用したデータ記録再生にも適用可能なデータ記録再生アプリケーション規格である。
【０００５】
ＢＤＭＶは、例えば映画コンテンツなどを予め記録したＢＤ−ＲＯＭ向けに開発されたアプリケーション規格であり、主に、パッケージコンテンツ等の書き換え不能なＢＤ−ＲＯＭで広く使われている。ＢＤＭＶは、ユーザ操作に応じて再生を制御するプログラムとしてのナビコマンドやＢＤ−Ｊをディスクに格納し、コンテンツ制作者が意図したインタラクティブ機能を提供できるという特徴がある。またグラフィックスとボタンで構成したメニュー画面を利用した記録再生が出来るという特徴がある。
【０００６】
なお、ＢＤＭＶにも、いくつかのバージョンがあり、例えば、ＢＤＭＶの１つの規格であるＢＤ−ＲＥ３．０規格は、記録可能なＢＤディスクに対しても適用可能なアプリケーション規格である。
【０００７】
一方、ＢＤＡＶは書き換え可能なＢＤ−ＲＥや、一回のみ記録可能なＢＤ−Ｒで利用することを目的に開発されたアプリケーション規格である。
ＢＤＡＶは、例えば、ビデオカメラなどでユーザが撮影した映像を記録し再生する、あるいは、ビデオレコーダなどでテレビ放送を記録し再生するためなどに多く利用される規格である。ＢＤＡＶには、ＢＤＭＶのようなインタラクティブ機能や多様なデザインのメニュー作成、表示処理を実現するプログラムは無く、ボタン表示処理などの機能も無い。ＢＤＡＶ規格の提供するメニューは、サムネイル画像からなる簡易的な一覧データである。ＢＤＭＶ規格において提供される多様なデザインのメニューやインタラクティブ機能を利用したい場合は、記録再生装置側のプログラムを利用することになる。すなわち、例えばレコーダやプレーヤ側に組み込まれた機能を利用するしかない。
【０００８】
ＢＤＭＶ規格は、ＢＤに記録済みの映画などのパッケージコンテンツを、既に広く普及したＢＤ−ＲＯＭプレーヤで再生することを妨げないという目的で策定された規格である。再生互換性を保証するため、ＢＤＡ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ）と呼ばれる規格団体で仕様を厳密に定めている。
【０００９】
ＢＤＭＶ規格では、ディスク等のメディアに記録するコンテンツのデータ態様についても制限している。具体的には、例えば、ＨＤ（Ｈｉｇｈ Ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）画像として記録できるのは１０８０／６０ｉ、１０８０／５０ｉなどの予め決められた形式のデータのみとされる。なお、［１０８０／６０ｉ］は、１９２０×１０８０画素のＨＤ（Ｈｉｇｈ Ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）画像をインタレース方式で、１秒間に６０枚のフィールド画像として１０８０ラインの記録再生を行うことを示している。［ｉ］がインタレース方式を示している。ちなみにプログレッシブ方式は［ｐ］として示される。
【００１０】
現在のハイビジョンデータは１９２０×１０８０画素の画像として規定されているが、さらに高精細画像として約４０００×２０００画素（＝４Ｋ×２Ｋ）の画像の記録や再生を可能とする装置が開発されている。また、上述のインタレース方式と異なるプロクレッシブ方式での記録再生を行う［１０８０／６０ｐ］、あるいは、三次元立体画像である３Ｄ画像用の右眼用画像と左眼用画像の記録再生を行う装置など、様々な装置の開発がなされている。特に、近年のビデオカメラは、上述した１０８０／６０ｐ画像や、３Ｄ画像や、４Ｋｘ２Ｋ画像を記録可能としたものが開発されており、今後、広く利用されると考えられる。
【００１１】
しかし、上述したように、現行のＢＤＭＶ規格は、これらの４Ｋ×２Ｋ画像や、１０８０／６０ｐ、３Ｄ画像データを記録再生データとして許容していない。従って、記録データとして４Ｋ×２Ｋの超高精細画像を生成しても、既存のＢＤＭＶ規格を適用したデータ記録を行うことができないという問題がある。
【００１２】
一方、ＢＤＡＶ規格は記録機で用いられることを前提に様々な形式のＡＶデータの記録を許容している。そのため一部のＡＶデータ形式が再生必須であること以外は、再生互換の制約が無い。よってＢＤＭＶと比較して規格拡張に自由度がある。すなわち、４Ｋ×２Ｋ画像や、１０８０／６０ｐ、３Ｄ画像データを記録再生データとして設定することができる。しかし、前述のようにインタラクティブ機能や、グラフィックスとボタンで構成したメニュー画面の利用ができないという問題がある。
【００１３】
ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理と、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方を実行可能な装置を利用することも可能であるが、この場合、例えば、ＢＤＭＶディレトクリに設定したデータについては、ＢＤＭＶ機能を用いて作成されるタイトルやデザインを持つ利用しやすいメニューの利用が可能となる。しかし、ＢＤＡＶディレクトリに設定された画像の再生時には、このメニューが利用できず、ＢＤＡＶ機能によって作成されるサムネイル画像からなる簡易的な一覧データを利用するしかない。
【００１４】
すなわち、ＢＤＭＶ、ＢＤＡＶの双方のデータを処理可能な装置であっても、ＢＤＭＶディレクトリと、ＢＤＡＶディレクトリに設定されたデータの再生指示などのデータアクセスを統合したメニューを利用して行うことができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１５】
【特許文献１】特開２００７−１７９６７１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１６】
本発明は、例えば上述の状況に鑑みてなされたものであり、ＢＤＭＶによつて許容されないデータ、例えば、４Ｋ×２Ｋ画像や、１０８０／６０ｐ、３Ｄ画像データを記録し、かつ、ＢＤＭＶ規格の許容する多様なデザインのメニューやインタラクティブ機能などＢＤＭＶ固有の機能を利用可能とする情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１７】
本発明の第１の側面は、
記録メディアに対するデータ記録処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別し、
記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、
記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行い、
さらに、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行う情報処理装置にある。
【００１８】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記管理情報として、前記第１ディレクトリと前記第２ディレクトリに記録された全ての再生対象データの管理情報を含む管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する。
【００１９】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行う。
【００２０】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、記録データが規格対応データであり、かつ前記仮想ファイルシステムを適用することなく再生可能とする場合には、前記第１ディレクトリを記録先として選択し、記録データが規格対応データであり、かつ前記仮想ファイルシステムを適用した場合にのみ再生可能とする場合には、前記第２ディレクトリを記録先として選択する。
【００２１】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記第１ディレクトリと異なるディレクトリを記録先とする再生対象データの記録を実行した場合、前記管理情報に含まれるファイル名変換テーブルに、前記再生対象データの記録先を示すファイル名と、前記仮想ファイルシステム上のファイル名とを対応付けたエントリを追加する処理を行う。
【００２２】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記第２ディレクトリはＢＤＡＶディレクトリである。
【００２３】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記管理情報を記録するディレクトリは、前記ＢＤＭＶディレクトリおよびＢＤＡＶディレクトリとは異なる第３のディレクトリである。
【００２４】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記第２ディレクトリはＢＤＭＶ規格非対応データと前記管理情報を記録するディレクトリである。
【００２５】
さらに、本発明の第２の側面は、
記録メディアからのデータ再生処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーし、
前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行する情報処理装置にある。
【００２６】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理に際して、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータに含まれる管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理を行う。
【００２７】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報を前記ローカル記憶部にコピーする処理を行い、前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理に際して、前記ローカル記憶部に格納されたインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを適用した再生処理を行う。
【００２８】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記データ処理部は、前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理において、再生対象データがローカル記憶部格納データである場合、前記ローカル記憶部内の管理情報に含まれるファイル名変換テーブルを参照して、仮想ファイルシステム上のファイル名から、データ記録先を示すファイル名を取得し、前記再生対象データの取得を行う。
【００２９】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記データ処理部は、前記ＢＤＭＶディレクトリとは異なるＢＤＡＶディレクトリに記録された再生対象データと、前記ＢＤＭＶおよびＢＤＡＶディレクトリ以外の第３のディレクトリに記録された管理情報をローカル記憶部にコピーする処理を行う構成である。
【００３０】
さらに、本発明の情報処理装置の一実施態様において、前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記データ処理部は、前記ＢＤＭＶディレトクリとは異なる第２ディレクトリに記録された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーする処理を行う構成である。
【００３１】
さらに、本発明の第３の側面は、
第１アプリケーション規格に従った規格対応データを記録する第１ディレクトリと、
前記第１アプリケーション規格に対応しない規格非対応データを記録する第２ディレクトリを有し、
前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を前記第２ディレクトリ、または前記第１および第２ディレクトリと異なる第３ディレクトリに記録した構成を有し、
再生装置において前記管理情報を適用して前記第１および第２ディレクトリに記録された再生対象データを取得して再生を行うことを可能とした情報記録媒体にある。
【００３２】
さらに、本発明の第４の側面は、
情報処理装置において、記録メディアに対するデータ記録を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別するステップと、
前記データ処理部が、記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、
記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行うステップと、
前記データ処理部が、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行うステップと、
を有する情報処理方法にある。
【００３３】
さらに、本発明の第５の側面は、
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーするステップと、
前記データ処理部が、前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行するステップと、
を有する情報処理方法にある。
【００３４】
さらに、本発明の第６の側面は、
情報処理装置において、記録メディアに対するデータ記録を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別させるステップと、
前記データ処理部に、記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行わせるステップと、
前記データ処理部に、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行わせるステップと、
を有するプログラムにある。
【００３５】
さらに、本発明の第７の側面は、
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーさせるステップと、
前記データ処理部に、前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行させるステップと、
を有するプログラムにある。
【００３６】
なお、本発明のプログラムは、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な情報処理装置やコンピュータ・システムに対して例えば記憶媒体によって提供されるプログラムである。このようなプログラムを情報処理装置やコンピュータ・システム上のプログラム実行部で実行することでプログラムに応じた処理が実現される。
【００３７】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。なお、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【発明の効果】
【００３８】
本発明の一実施例によれば、ＢＤ等の１つの記録メディアに複数のディレクトリを設定し、データの種類に応じて記録先ディレクトリを選択して記録処理を行う。例えば、ＢＤＭＶ規格対応データはＢＤＭＶディレクトリに記録し、ＢＤＭＶ規格非対応データ、例えば１０８０／６０Ｐや３Ｄ画像データなどは、ＢＤＡＶディレクトリあるいはＢＵディレクトリなどに記録する。データ再生処理に際しては、ＢＤＭＶディレクトリの記録データと、ＢＤＡＶやＢＵディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを利用した再生処理を行う。本構成により、ＢＤＭＶ規格対応データと非対応データを既存システムに対する弊害を発生させることなく新システムにおいて記録再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００３９】
【図１】ＢＤＭＶ規格に従ったメディア（情報記録媒体）のファイル管理構造としてのディレクトリ構成を示す図である。
【図２】ＢＤＡＶ規格に従ったメディア（情報記録媒体）のファイル管理構造としてのディレクトリ構成を示す図である。
【図３】ＢＤＭＶ規格とＢＤＡＶ規格との差異の例について説明する図である。
【図４】本発明の第１実施例におけるデータ記録再生処理の概要について説明する図である。
【図５】仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）について説明する図である。
【図６】ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））の一例について説明する図である。
【図７】本発明の第１実施例におけるデータ記録再生処理において設定されるディレクトリ、仮想ファイルシステムおよびデータ配置例について説明する図である。
【図８】本発明の第１実施例におけるデータ記録処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図９】本発明の第１実施例におけるデータ再生処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図１０】本発明の第２実施例におけるデータ記録再生処理の概要について説明する図である。
【図１１】本発明の第２実施例におけるデータ記録再生処理において設定されるディレクトリ、仮想ファイルシステムおよびデータ配置例について説明する図である。
【図１２】本発明の第２実施例におけるデータ記録処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図１３】本発明の第２実施例におけるデータ再生処理のシーケンスについて説明するフローチャートを示す図である。
【図１４】本発明の一実施例に係る情報処理装置の構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【００４０】
以下、図面を参照しながら本発明の情報処理装置、情報記録媒体、および情報処理方法、並びにプログラムの詳細について説明する。説明は、以下の項目に従って行う。
１．ＢＤＭＶ規格とＢＤＡＶ規格の概要
２．仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用した処理について
２−１．（実施例１）記録メディアにＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリを併設してデータ記録再生を行う実施例
２−２．（実施例２）記録メディアにＢＤＡＶディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例
３．情報処理装置の構成例について
【００４１】
［１．ＢＤＭＶ規格とＢＤＡＶ規格の概要］
まず、既存のＢＤＭＶ規格およびＢＤＡＶ規格の概要について説明する。前述したように、ＢＤＭＶ規格およびＢＤＡＶ規格は、主にＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））を利用したデータ記録再生のアプリケーション規格として策定されたものであるが、記録メディア（記録媒体）としてはＢＤに限らず、フラッシュメモリなど、その他のメディアを利用したデータ記録再生にも適用可能なアプリケーション規格である。
【００４２】
ＢＤＭＶは、例えば映画コンテンツなどを予め記録したＢＤ−ＲＯＭ向けに開発されたアプリケーション規格である。
ＢＤＡＶは書き換え可能なＢＤ−ＲＥや、一回のみ記録可能なＢＤ−Ｒで利用することを目的に開発されたアプリケーション規格である。
【００４３】
ＢＤＭＶ規格に従ってメディアに記録されるデータ記録構成としてのＢＤＭＶディレクトリを図１に示す。なお、以下において説明するＢＤＭＶ規格は、データ記録処理を行うことを許容するＢＤＭＶの１つの規格であるＢＤ−ＲＥ３．０規格に対応したものである。
【００４４】
図１に示すように、ＢＤＭＶ規格では、メディアにデータを記録する場合、例えば、動画像ストリームをＭＰＥＧ２−ＴＳストリームに符号化して記録する。ＢＤＭＶディレクトリは、図１に示すように、ルート［Ｒｏｏｔ］ディレクトリの下に、ディレクトリ［ＢＤＭＶ］が置かれる。
【００４５】
ディレクトリ［ＢＤＭＶ］の直下に、
インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］、
ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］
が記録される。
さらにＢＤＭＶディレクトリ［ＢＤＭＶ］の下位ディレクトリとして、
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］、
クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］、
ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］、
ＢＤＪＯディレクトリ［ＢＤＪＯ］、
ＪＡＲディレクトリ［ＪＡＲ］、
が設定される。
【００４６】
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］にプレイリストファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍｐｌｓ］が設定され、クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］にクリップ情報ファイル［ｘｘｘｘｘ．ｃｌｐｉ］が設定され、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］にクリップＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］が設定される。
【００４７】
インデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイルはクリップＡＶストリームファイルに格納されたデータの再生に適用する管理情報ファイルである。これらの管理情報ファイルはデータベースファイル、またはデータベースとも呼ばれる。以下、各ファイルの詳細について説明する。
【００４８】
インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］は、メディア全体の記録データについての管理情報ファイルである。例えば記録データの単位として設定されるタイトル毎にインデックス（タイトルとムービーオブジェクトとの対応関係情報など）を記録している。メディア（情報記録媒体）を記録再生装置に装填した際にはまずインデックスファイルが読み込まれ、ユーザはインデックスファイルに記述されたタイトルを見て再生指定を行うことができる。
【００４９】
ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、プレイリストの管理情報を格納したファイルである。様々なプレイリストを利用した再生処理を行うための複数のプログラムを含む。ＡＶストリーム再生処理に適用するプログラムや、例えばメニュー表示処理に適用するプログラムも含まれる。
【００５０】
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］に記録されるプレイリストファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍｐｌｓ］は、ユーザに見せるタイトルに対応して設けられ、少なくとも１以上のプレイアイテムで構成される再生リストである。各プレイアイテムは、クリップに対する再生開始点（ＩＮ点）と再生終了点（ＯＵＴ点）を持つ再生区間指定情報である。プレイリスト内の複数のプレイアイテムを時間軸上に並べることで、それぞれの再生区間の再生順序を指定することができる。
【００５１】
クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］に記録されるクリップ情報ファイル［ｘｘｘｘｘ．ｃｌｐｉ］は、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録されるＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］に対応して設定される。クリップ情報ファイルは、実際のストリームを再生する上で必要となるストリームに関する情報が記載されたファイルである。
【００５２】
ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録されるＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］は、ＭＰＥＧ２−ＴＳ形式で記録されたストリームが格納されているファイルである。画像データはこのファイル内に格納される。
【００５３】
ＢＤＪＯディレクトリ［ＢＤＪＯ］、ＪＡＲディレクトリ［ＪＡＲ］には、例えばＪａｖａ（登録商標）を適用した各種のデータ処理プログラムや関数などが格納される。例えば、データ再生処理において利用される仮想ファイルシステムの設定を行うためのプログラムやメニュー作成やメニュー表示処理に適用するためのプログラム、データの記録再生時のインタラクティプ機能を実現するためのプログラムなどが含まれる。
【００５４】
なお、ＢＤＭＶディレクトリには、図１に示すディレクトリや、ファイル以外にも、例えばバックアップデータや、著作権管理情報などのＡＡＣＳ関連データファイルを記録するディレクトリが設定される。
【００５５】
なお、以下では、ＡＶストリームファイルなど、再生対象データを格納したファイルを総称してストリームファイルと簡略化して説明する。また、インデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルこれらのファイルを総称して管理情報、またはデータベースと呼ぶ。
【００５６】
次に、図２を参照してＢＤＡＶ規格に従ってメディアに記録されるデータ記録構成としてのＢＤＡＶディレクトリについて説明する。なお、以下において説明するＢＤＡＶ規格は、ＢＤＡＶの１つの規格であるＢＤ−ＲＥ２．１規格に対応したものである。図２に示すように、ルート［Ｒｏｏｔ］ディレクトリの下に、ディレクトリ［ＢＤＡＶ］が置かれる。
【００５７】
ディレクトリ［ＢＤＡＶ］の直下に、
インフォファイル［ｉｎｆｏ．ｂｄａｖ］、
メニューファイル［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］，［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］
マークファイル［ｍａｒｋ．ｔｉｄｘ］，［ｍａｒｋ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］
が記録される。
さらにＢＤＡＶディレクトリ［ＢＤＡＶ］の下位ディレクトリとして、
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］、
クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］、
ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］、
が設定される。
【００５８】
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］にプレイリストファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍｐｌｓ］が設定され、クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］にクリップ情報ファイル［ｘｘｘｘｘ．ｃｌｐｉ］が設定され、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］にＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］が設定される。
【００５９】
インフォファイル［ｉｎｆｏ．ｂｄａｖ］は、ＢＤＡＶディレクトリ全体の管理情報を格納したファイルである。
メニューファイル［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］，［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］は、各ＡＶストリームファイルの代表画のサムネイル画像を格納する。［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］がサムネイル管理情報を格納し、［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］がサムネイル画像を格納している。
ＢＤＡＶ規格では、ＢＤＭＶ規格と違い、様々な情報を持つメニューの作成機能がなく、例えばユーザの撮影した映像の先頭画像をサムネイルとして表示する簡易的なメニュー表示を行う設定としている。メニューファイル［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］，［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］はこのためのサムネイル画像を管理、格納している。
【００６０】
マークファイル［ｍａｒｋ．ｔｉｄｘ］，［ｍａｒｋ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］は、ユーザの撮影画像（ＡＶストリームファイル）に対する編集処理などにおいて設定したインデックス情報であるマーク位置に対応するサムネイル画像を管理、格納しているファイルである。［ｍａｒｋ．ｔｉｄｘ］がサムネイル管理情報を格納し、［ｍａｒｋ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］がサムネイル画像を格納している。
【００６１】
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］、クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］は、先に図１を参照して説明したＢＤＭＶディレクトリとほぼ同様の設定である。
プレイリストディレクトリ［ＰＬＡＹＬＩＳＴ］には、プレイリストファイル［ｘｘｘｘｘ．ｒｐｌｓ］が記録される。
クリップ情報ディレクトリ［ＣＬＩＰＩＮＦ］には、クリップ情報ファイル、ストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］には、例えばＭＰＥＧ２−ＴＳ形式で記録されたＡＶストリームファイル［ｘｘｘｘｘ．ｍ２ｔｓ］が記録される。
【００６２】
図１、図２を参照して説明したように、ＢＤＭＶディレクトリ、ＢＤＡＶディレクトリは類似する構成を有しているが、ＢＤＭＶアプリケーション規格と、ＢＤＡＶアプリケーション規格は、記録再生を許容するデータ形式が異なる。また、メニュー作成機能、インタラクティブ機能などに大きな差がある。
ＢＤＭＶアプリケーション規格と、ＢＤＡＶアプリケーション規格の差異について、図３に示す表を参照して説明する。
【００６３】
（ａ）記録再生が許容されるデータ
ＢＤＭＶアプリケーション規格は、記録再生できるデータ形式の制限が厳しい。例えば、プログレッシブ方式の１９２０×１０８０画素のＨＤ（Ｈｉｇｈ Ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）画像である［１０８０／６０ｐ画像］や、３次元画像としての３Ｄ画像，あるいは約４０００×２０００画素の４Ｋ×２Ｋ画像については、ＢＤＭＶアプリケーション規格では記録再生が許容されない。
【００６４】
ＢＤＭＶアプリケーション規格において記録再生データとして許容する画像データ形式には、例えば、［１０８０／６０ｉ］が含まれる。
［１０８０／６０ｉ］は、１９２０×１０８０画素のＨＤ（Ｈｉｇｈ Ｄｅｆｉｎｉｔｉｏｎ）画像をインタレース方式で、１秒間に６０枚のフィールド画像として１０８０ラインの記録再生を行うことを示している。
【００６５】
一方、ＢＤＡＶアプリケーション規格は、記録再生できるデータ形式の制限が厳しくない。例えば、１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像の記録再生が許容される。
【００６６】
（ｂ）メニュー表示機能
ＢＤＭＶアプリケーション規格は、先に図１を参照して説明したムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］に含まれるプログラムや、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用して、例えば自由なタイトル設定を可能とし様々なデザインを持つ高機能なメニューを作成して利用することができる。
ＢＤＡＶアプリケーション規格において提供されるメニュー画面は、先に図２を参照して説明した［ｍｅｎｕ．ｔｉｄｘ］，［ｍｅｎｕ．ｔｄｔ１／ｔｄｔ２］を利用したサムネイル画像の表示のみである。
【００６７】
（ｃ）インタラクティブ機能
ＢＤＭＶアプリケーション規格は、先に図１を参照して説明したＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用して様々な操作用のボタンの表示、利用が可能であり、高度なインタラクティブ機能を提供できる。
ＢＤＡＶアプリケーション規格では、コンテンツの再生停止を実行できる程度であり、高度なインタラクティブ機能の提供はできない。
【００６８】
なお、以下では、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置を、ＢＤＭＶプレーヤ、あるいはＢＤＭＶレコーダ、あるいはＢＤＭＶ（記録再生）装置と呼ぶ。また、ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置を、ＢＤＡＶプレーヤ、あるいはＢＤＡＶレコーダ、あるいはＢＤＡＶ（記録再生）装置と呼ぶ。
【００６９】
ＢＤＭＶ装置は、図１に示すＢＤＭＶディレクトリをメディア（記録媒体）に設定してデータ記録再生処理を実行し、ＢＤＡＶ装置は、図２に示すＢＤＡＶディレクトリをメディア（記録媒体）に設定してデータ記録再生を実行する。
【００７０】
ただし、ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理を行う装置の多くは、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った再生処理機能も実行可能である。
このような機器は、ＢＤ−ＲＥやＢＤ−Ｒなどの記録可能なメディアを利用した記録再生処理に際しては、ＢＤＡＶアプリケーションを利用し、既に映画などが記録されたＢＤ−ＲＯＭを再生する場合はＢＤＭＶアプリケーションを利用した処理を行うことができる。
【００７１】
従って、ＢＤＡＶプレーヤ、あるいはＢＤＡＶレコーダ、あるいはＢＤＡＶ（記録再生）装置は、ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理と、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方が可能な装置であるものとして説明する。
【００７２】
なお、ＢＤＭＶ規格、ＢＤＡＶ規格は、前述したようにＢＤＡ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ）において策定された規格である。例えば［ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｂｌｕ−ｒａｙｄｉｓｃ．ｃｏｍ／］に資料が開示されている。
【００７３】
図３を参照して説明したように、ＢＤＭＶ規格に従った記録再生処理を実行するＢＤＭＶ装置を利用した場合、１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などの記録はできない。例えばＢＤＭＶ規格に従ったビデオカメラで１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などを撮影しても、これらの画像の記録ができないことになってしまう。ＢＤＡＶ規格に従えば、記録することはできるが、高機能なメニューやインタラクティブ機能が利用できなくなるという問題がある。
【００７４】
前述したように、ＢＤＡＶアプリケーション規格に従った記録再生処理と、ＢＤＭＶアプリケーション規格に従った記録再生処理の双方を実行可能な装置を利用することも可能ではある。しかしこのような装置を利用して場合でも、ＢＤＭＶディレトクリに設定したデータについては、ＢＤＭＶ機能に従った高機能なメニューの利用が可能となるが、ＢＤＡＶディレクトリに設定されたデータの再生には、このメニューが利用できず、ＢＤＡＶ機能によって作成されるサムネイルを利用せざる得ない。
【００７５】
すなわち、ＢＤＭＶ、ＢＤＡＶの双方のデータを処理可能な装置であっても、ＢＤＭＶディレクトリと、ＢＤＡＶディレクトリに設定されたデータの再生指示などのデータアクセスを統合したメニューを利用して行うことができないという問題がある。
【００７６】
以下では、これらの問題を解決する構成について説明する。すなわち、ＢＤＭＶ規格において記録再生が認められない１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などのＢＤＭＶ規格非対応データを記録、再生することを可能として、かつ、ＢＤＭＶ規格対応データと、ＢＤＭＶ規格非対応データの双方を１つのメニュー上からアクセス可能とする構成である。
【００７７】
以下において説明する本発明の構成では、従来型のＢＤＭＶ装置においても、何ら再生互換問題を引き起こすことなく、また、ＢＤＭＶ規格非対応データの再生が可能な装置においては、ＢＤＭＶの再生機構を拡張して利用することにより、１つのメニューから、ＢＤＭＶ規格対応データと、ＢＤＭＶ規格非対応データの双方をアクセスして再生可能となる。さらに、次に述べる実施例１においては、ＢＤＭＶ再生機構を拡張して再生できないが、ＢＤＭＶ規格非対応データである拡張ストリームのデコード機能は有しており、ＢＤＡＶ再生機構を有している装置においては、ＢＤＡＶの再生機構を用いることで、直接再生することも可能になる。
【００７８】
［２．仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用した処理について］
以下、ＢＤＭＶ規格において記録再生が許容されないデータを、ＢＤＭＶディレクトリ以外のディレクトリに記録し、再生時に仮想ファイルシステム（ＶＦＳ：Ｖｉｒｔｕａｌ Ｆｉｌｅ Ｓｙｓｔｅｍ）を構築してＢＤＭＶの再生機構を利用して再生を行う構成について説明する。
【００７９】
以下においては、以下の２つの実施例について説明する。
（実施例１）記録メディアにＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリを併設してデータ記録再生を行う実施例
（実施例２）記録メディアにＢＤＡＶディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例
以下、これらの実施例について、順次説明する。
【００８０】
［２−１．（実施例１）記録メディアにＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリを併設してデータ記録再生を行う実施例］
まず、実施例１として、記録メディアにＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリを併設してデータ記録再生を行う実施例について説明する。
【００８１】
図４を参照して、実施例１の情報処理装置によるデータ記録再生処理の概要について説明する。
【００８２】
図４に示す情報処理装置１００は、メディア（情報記録媒体）１１０を装着し、データ記録および再生処理を実行する。本実施例では、メディア１１０は例えばデータ記録可能なＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））である。なお、メディア１１０はＢＤに限るものではなく、その他のフラッシュメモリなどのメディアであってもよい。
さらに、情報処理装置１００は、例えばハードディスクなどによって構成されるローカル記憶部１２０を持つ。
【００８３】
まず、情報処理装置１００によるメディア１１０に対するデータ記録処理について説明する。メディア１１０はデータ記録可能な例えばＢＤ−ＲＥ、ＢＤ−Ｒなどのメディアであるとする。なお、再生処理のみを行う場合は、追記のできないメディア、例えばＢＤ−ＲＯＭであってもよい。
【００８４】
情報処理装置１００は、メディア１１０に、図に示すように、
ＢＤＭＶディレクトリ１１１、
ＢＤＡＶディレクトリ１１２、
ＢＵディレクトリ１１３、
これらのディレクトリの設定を行う。この処理は情報処理装置が装置内のメモリに保持するプログラムによって実行される。
【００８５】
ＢＤＭＶディレクトリ１１１は先に図１を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリであり、ＢＤＡＶディレクトリ１１２は先に図２を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリである。
【００８６】
ＢＵディレクトリ１１３は、バインディングユニットディレクトリであり、後述する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ：Ｖｉｒｔｕａｌ Ｆｉｌｅ Ｓｙｓｔｅｍ）を構築する際に必要とする管理情報などを記録するためのディレクトリである。
【００８７】
情報処理装置１００がメディア１１０に対してデータ記録を実行する場合の処理を、
ステップＳ１１に示す。
ステップＳ１１に示すように、記録データがＢＤＭＶ規格対応データである場合は、ＢＤＭＶディレクトリ１１１下に記録する処理が行なわれる。また、ＢＤＭＶ規格対応データ以外の形式を持つデータ、例えば先に説明したような１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などのＢＤＭＶ規格非対応データを記録する場合は、ＢＤＡＶディレクトリ１１２下に記録する処理を実行する。なお、以下において、１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などのＢＤＭＶ規格非対応データを拡張データと呼ぶ。
【００８８】
ただし、ＢＤＭＶ規格対応データであっても、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録することは可能である。具体的な記録処理シーケンスについては、後段においてフローチャートを参照して説明する。
【００８９】
なお、データ記録処理に際しては、ＡＶストリームファイルのみならず、クリップ情報ファイル、プレイリストファイルの作成または更新および記録処理も行われる。さらに必要に応じてムービーオブジェクトファイルやインデックスファイルなどのデータベースファイルの更新処理も行われる。
【００９０】
データ記録処理を実行した場合、ＢＵディレクトリ１１３の管理情報を更新する。この処理は、後述する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を構築する際に必要とする管理情報の更新処理である。これらの処理の詳細については後述する。
【００９１】
このように、本実施例の情報処理装置１００は、ＢＤＭＶ規格対応データについては、基本的にＢＤＭＶディレクトリ１１１下に記録する処理を実行し、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）についてはＢＤＡＶディレクトリ１１２下に記録する処理を実行する。
【００９２】
次に、データ再生処理の概要について説明する。本発明の情報処理装置１００は、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたデータとＢＤＡＶディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、１つのメニューから指定して再生処理を可能とする。このメニューは、ＢＤＭＶ規格によって生成されるメニューである。
【００９３】
また、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたデータとＢＤＡＶディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、ＢＤＭＶ規格において利用可能なインタラクティブ機能を利用した再生を可能とする。
【００９４】
メニュー表示やインタラクティブ機能は、先に図１を参照して説明したＢＤＭＶディレクトリ下のムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］や、ＢＤＪＯディレクトリ［ＢＤＪＯ］、ＪＡＲディレクトリ［ＪＡＲ］に記録された、例えばＪａｖａ（登録商標）によって提供される機能である。
【００９５】
従来は、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録されたデータに対して、これらのプログラムは利用できなかったが、本発明の構成において設定する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用することで、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録したデータに対しても、ＢＤＭＶ規格対応のメニュー機能やインタラクティブ機能の利用が可能となる。
【００９６】
再生処理に際しては、まず、図４に示すステップＳ２１に示すように、ＢＤＡＶディレクトリ１１２に記録された拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）ファイル（ＡＶストリームファイル）と、ＢＵディレクトリ１１３に記録されている管理情報ファイル等をローカル記憶部１２０にコピーする処理を行う。コピー結果は、図に示すローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１である。ＢＵＤＡはバインディングユニットデータエリアを意味する。
【００９７】
次に、ステップＳ２２（Ｓ２２ａ，Ｓ２２ｂ）において、メディア１１０に記録されているＢＤＭＶディレクトリ１１１以下の各データと、ローカル記憶部のＢＵＤＡ１２１のバインド処理を行い、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を構築する。
ステップＳ２３において構築した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を利用した再生処理が行われる。
【００９８】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０は、情報処理装置１００の実行する再生アプリケーションが利用する仮想的なファイルシステムである。仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０には、仮想的なデータパッケージである仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１を有する。
【００９９】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１には、メディア１１０に記録されているＢＤＭＶ規格対応データと、ローカル記憶部１２０にコピーされた拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）の両者が含まれる。再生処理に際しては、これらの両者を１つのメニューから指定して再生を行うことができる。メニューは、ＢＤＭＶ規格に対応したメニュー作成プログラムに従って作成することができる。
【０１００】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１に設定されるデータは、実際にはメディア１１０とローカル記憶部１２０の別の記録媒体に記録されたデータである。情報処理装置１００の再生アプリケーションは、この仮想ファイルシステム１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１があたかもある１つのメディアに設定されたディレクトリであると同様に再生処理を行うことができる。
【０１０１】
コンテンツ再生処理を実行する情報処理装置１００は、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を利用した再生処理を行う際、ローカル記憶部１２０に記憶されたデータのファイル名変換処理を行う。この変換処理に適用するテーブルがファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））である。以下、図５、図６を参照してＶＦＳを利用したコンテンツ再生処理とファイル名変換テーブル（ＢＵＭＦ）の概要について説明する。
【０１０２】
図５を参照して、メディア１１０の格納コンテンツと、ハードディスク等のローカル記憶部１２０に格納されたデータを統合した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の生成と再生処理について説明する。
【０１０３】
図５に示すアプリケーションプログラム１５０は、本発明の情報処理装置１００の実行する拡張型の再生アプリケーションである。アプリケーションプログラム１５０は、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を介して、メディア１１０に記録されているファイルやローカル記憶部１２０に記録されているファイルを操作する。
【０１０４】
仮想ファイルシステム１３０は、アプリケーションプログラム１５０に対して、記録媒体（ファイルシステム）の違いを隠蔽する役割を果たす。アプリケーションプログラム１５０は、ファイルが記録されている記録媒体の違いを意識せずに、同じＡＰＩを利用して、各記録媒体に記録されているファイルを操作することができる。
【０１０５】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０は、例えば装置にメディア１１０が装着されたとき、あるいはアプリケーションプログラムの実行時にメディア１１０のファイルシステムとローカル記憶部１２０のファイルシステムをマージすることにより生成され、生成された仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０が情報処理装置１００のメモリに記憶される。この場合、ファイルの書き込みなどによりローカル記憶部１２０に記録されているディレクトリやファイルが変更されるごとに、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）は更新される。
【０１０６】
アプリケーションプログラム１５０は、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶ１３１下に、図４に示すメディア１１０のＢＤＭＶディレクトリ１１１下のデータと、ローカル記憶部１２０にコピーされたＢＵＤＡ１２１の各データが設定されているものとしてデータをアクセスし再生処理を行うことになる。
【０１０７】
アプリケーションプログラム１５０は、メディア１１０のＢＤＭＶディレクトリ１１１を利用して処理を行っていると同様の処理を行う。この場合、メディア１１０のＢＤＭＶディレクトリ１１１に記録されたデータを利用する処理においては問題がない。しかし、ローカル記憶部１２０に記録されたデータをアクセスしようとした場合には、そのデータは、実際にはメディア１１０のＢＤＭＶディレクトリ１１１下ではなく、ローカル記憶部１２０であるため、アクセスすることができない。
【０１０８】
この問題を解決するために、ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル(ＢＵＭＦ)）１５１が利用される。ファイル名変換テーブル１５１は、仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１における仮想的なファイル名であるデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）と、実際のデータの記録先、すなわちローカル記憶部１２０における記録先（パス）を示すソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）との対応データを持つテーブルである。
【０１０９】
なお、ファイル名変換テーブル１５１は、マニフェストファイル（ＢＵＭＦ）と呼ばれる。このファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））１５１は、図４に示すＢＵディレクトリ１１３に記録される。情報処理装置のデータ処理部は、記録処理の実行時にＢＤＡＶディレクトリ１１２に対するデータ記録が実行された場合、その記録データに対応するエントリをファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））１５１に設定する処理を行なう。
【０１１０】
ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））の構成例を図６に示す。ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））は図６に示すように、ローカル記憶部１２０における記録先（パス）を示すソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）と、仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１における仮想的なファイル名であるデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）を対応付けたデータとして設定される。
【０１１１】
デスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）は仮想ＢＤＭＶ１３１上のファイル名であり、図５に示すアプリケーションプログラム１５０は、このデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）によってファイルアクセスを行う。このデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）が、図６に示すファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））に登録されている場合、デスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）に対応するソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）を取得し、ソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）に従ってローカル記憶部１２０からデータを取得する。
【０１１２】
なお、このファイル名変換テーブル（ＢＵＭＦ）１５１は、図４に示すメディア１１０のＢＵディレクトリ１１３下に設定されている。ファイル名変換テーブル（ＢＵＭＦ）１５１に対するエントリの記録処理は、図４に示すＢＤＡＶディレクトリ１１２にデータ記録が実行された場合に行われる。
【０１１３】
デスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）はＢＤＭＶディレクトリ１１１に設定されたＡＶストリームファイルのファイル名に重複が発生しないように設定される。ただしインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］やムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の利用時にＢＤＭＶディレクトリ１１１のファイルに置き換えて利用するため、ＢＤＭＶディレクトリ１１１に設定されたファイル名と同一のファイル名がデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）として記録される。
【０１１４】
ソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）は、ＢＵＤＡ１２１ディレクトリ以下の相対的な記憶位置を示すパス情報として設定される。ローカル記憶部１２０には、ＢＵディレクトリ１１３の記録データがその相対的な記録位置を変更することなく図４に示すＢＵＤＡ１２１として記録される。
【０１１５】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用した再生処理において、アプリケーションプログラム１５０は、まず、目的とするファイル名をデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）で特定し、ファイル名変換テーブル（ＢＵＭＦ）１５１から特定したデスティネーションファイル名（ｄｓｔ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）に対応して記録されたソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）を取得する。次に、取得したソースファイル名（ｓｒｃ＿ｆｉｌｅ＿ｎａｍｅ）を利用してローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ領域から目的とするファイルを取り出すことができる。
【０１１６】
次に、図７を参照して、本実施例における具体的なデータの記録、および仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の設定処理例について説明する。図７には、
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）
（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージ
さらにローカル記憶部１２０のＢＵＤＡの記録データの例を示している。
【０１１７】
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）は、先に説明したように、ＢＤＭＶディレクトリ、ＢＤＡＶディレクトリ、ＢＵディレクトリを持つ構成である。
【０１１８】
ＢＤＭＶディレクトリにはＢＤＭＶ規格に従ったデータおよびその管理情報が記録される。
ＢＤＡＶディレクトリにはＢＤＭＶ規格に非対応の拡張データおよびその管理情報が記録される。
ＢＵディレクトリには、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築に際して利用される管理情報ファイルと、前述のファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））が記録される。
【０１１９】
仮想ファイルシステムの構築時には、ＢＤＡＶディレクトリに記録されたストリームファイル２０１と、ＢＵディレクトリの記録データ２０２を、ローカル記憶部１２０にコピーする。
【０１２０】
ローカル記憶部１２０にコピーされたデータはＢＵＤＡ１２１としてローカル記憶部内に格納され、このＢＵＤＡ１２１と、（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリ下のデータとを統合して、（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージが設定される。
【０１２１】
仮想ＢＤＭＶに設定されるデータについて説明する。
図７（ｂ）に管理情報ファイル２１１として示す、
インデックスファイル[ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ（Ｎｅｗ）]
ムービーオブジェクトファイル[ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ（Ｎｅｗ）]
これらのファイルは、元々、ＢＵディレクトリの記録データ２０２であり、ローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１のデータである。
【０１２２】
インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリにも設定されているが、仮想ファイルシステムの利用時には、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を利用する。
【０１２３】
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリに設定されたインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリに設定された管理情報のみを含む。
【０１２４】
しかし、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データのみならず、ＢＤＡＶディレクトリに記録された拡張データに関する管理情報も含むデータとして設定される。
【０１２５】
仮想ファイルシステムを利用した再生処理では、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データのみならず、ＢＤＡＶディレクトリに記録された拡張データに関する再生処理も行われるため、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を、仮想ＢＤＭＶの管理情報ファイル２１１として設定する。
【０１２６】
その他、（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージに示す、以下のファイル、すなわち、
プレイリストファイル［００００１．ｍｐｌｓ］２１２、
クリップ情報ファイル［０１０１０．ｃｌｐｉ］（６０ｐ）２１３、
クリップ情報ファイル［０１０１１．ｃｌｐｉ］（６０ｐ）２１３、
ＡＶストリームファイル［０１０１０．ｍ２ｔｓ］（６０ｐ）２１４、
ＡＶストリームファイル［０１０１１．ｍ２ｔｓ］（６０ｐ）２１４、
これらのファイルが、ローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１のデータである。
【０１２７】
なお（６０ｐ）は、例えばプロクレッシブ方式の［１０８０／６０ｐ］画像データであることを示している。すなわちＢＤＭＶ規格非対応データであることを示している。前述したように、３Ｄ画像や４Ｋ×２Ｋ画像などもＢＤＭＶ規格非対応データであり、これらのデータについても、同様に処理される。
【０１２８】
図７（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージに示すファイル２１１〜２１４については、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））を参照してローカル記憶部１２０から取得される。その他のデータは、メディア１１０のＢＤＭＶディレクトリから取得される。
【０１２９】
なお、ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））は、ＢＵディレクトリの記録データ２０２の一部としてローカル記憶部１２０にコピーされ、再生処理を実行するアプリケーションは、ローカル記憶部１２０に記録されたファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））を読み出して利用する。
【０１３０】
なお、図７（ｂ）に示すように仮想ファイルシステムには、ＢＤＭＶディレクトリに設定されたＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリも含まれる。そのため、仮想ファイルシステムを利用した再生処理に際しては、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用可能となる。このＪａｖａ（登録商標）プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、このＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【０１３１】
なお、図７に示す例では、ＢＵディレクトリのデータ２０２として、ＢＤＡＶディレクトリに記録されたＡＶストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルを含む設定としている。これらのファイルは、ＢＤＡＶディレクトリにも併せて記録される。
【０１３２】
本実施例では、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の構築に際して、メディア１１０のＢＤＡＶディレクトリ下からＡＶストリームファイルのみをコピーし、その他のデータは、ＢＵディレクトリ下からコピーする設定としているため、ＢＤＡＶディレクトリに記録されたストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルもＢＵディレクトリに記録する。
【０１３３】
しかし、例えばＢＤＡＶディレクトリに記録されたストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルをメディア１１０のＢＤＡＶディレクトリ下から読み出し、ＢＤＭＶ規格に適合するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルに変換してローカル記憶部１２０に記録する設定も可能である。このような設定とすれば、これらのファイルについては、ＢＵディレクトリ下に記録する必要はない。
【０１３４】
本実施例におけるデータ記録処理シーケンスと、データ再生処理シーケンスについて、図８および図９に示すフローチャートを参照して説明する。
【０１３５】
まず、本実施例におけるデータ記録処理シーケンスについて、図８に示すフローチャートを参照して説明する。
【０１３６】
データ記録処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。図８に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【０１３７】
ステップＳ１０１において、記録するＡＶストリームが、ＢＤＭＶ規格対応データであるか否かを判定する。前述したように、例えば［１０８０／６０ｐ画像］や、３次元画像としての３Ｄ画像，あるいは約４０００×２０００画素の４Ｋ×２Ｋ画像については、ＢＤＭＶアプリケーション規格では記録再生が許容されない。これらのデータを記録する場合は、ステップＳ１０１の判定はＮｏとなる。
【０１３８】
例えば［１０８０／６０ｉ画像］など、記録するＡＶストリームが、ＢＤＭＶ規格対応データである場合は、ステップＳ１０１の判定はＹｅｓとなり、ステップＳ１０２に進む。
【０１３９】
ステップＳ１０２では、ＢＤＭＶ規格対応データを従来型のＢＤＭＶプレーヤで再生可能とする必要があるかを判定する。この判定はユーザが行っても良いし、予めいずれかの設定として自動判定するようにしてもよい。なお、このステップＳ１０２の判定処理はＢＤＭＶ規格データであってもＢＤＡＶディレクトリ下に記録することを許容するための判定ステップである。ＢＤＭＶ規格対応データをすべてＢＤＭＶディレクトリ下に記録する設定の場合はステップＳ１０２の判定処理は省略してもよい。
【０１４０】
ステップＳ１０２の判定がＹｅｓの場合は、ステップＳ１０３に進み、ＡＶストリームを、ＢＤＭＶディレクトリ下のストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録する。
【０１４１】
一方、ステップＳ１０１の判定がＮｏの場合、すなわち記録データがＢＤＭＶ規格対応データでない拡張データである場合、およびステップＳ１０２の判定がＮｏの場合、すなわち記録データがＢＤＭＶ規格対応データであるが、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録する場合は、ステップＳ１０４に進む。
【０１４２】
ステップＳ１０４では、ＡＶストリームを、ＢＤＡＶディレクトリ下のストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録する。
【０１４３】
このように、本実施例における情報処理装置は、記録メディアに対する記録データが、ＢＤＭＶ規格に従った規格対応データであるか否かを判別し、ＢＤＭＶ規格対応データである場合は、記録メディアに設定されたＢＤＭＶ規格対応データを記録するＢＤＭＶディレクトリを記録先として優先的に選択し、記録データが拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）である場合は、ＢＤＭＶディレクトリと異なるＢＤＡＶディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行う。
【０１４４】
ステップＳ１０３またはステップＳ１０４の処理が終了すると、ステップＳ１０５に進む。ステップＳ１０５では、記録するＡＶストリームが他にあるか否かを判定し、ある場合は、ステップＳ１０１以下の処理を繰り返す。ステップＳ１０５において、記録するＡＶストリームが他にないと判定した場合は、ステップＳ１０６に進む。
【０１４５】
ステップＳ１０６では、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームに対応した管理情報（データベース）を作成してＢＤＭＶディレクトリ下に設定し、ＢＤＭＶディレクトリ下のデータ構造を完成させる。なお、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームがない場合は、この処理は省略する。
【０１４６】
次に、ステップＳ１０７では、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームに対応した管理情報（データベース）を作成してＢＤＡＶディレクトリ下に設定し、ＢＤＡＶディレクトリ下のデータ構造を完成させる。なお、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームがない場合は、この処理は省略する。
【０１４７】
次に、ステップＳ１０８において、記録されたＡＶストリームに対応した管理情報を作成して、ＢＵディレクトリ下に設定し、ＢＵディレクトリ下のデータ構造を完成させる。先に説明したように、ＢＵディレクトリ下に設定される管理情報、例えば、インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データと、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録された拡張データのすべてに関する管理情報を含むデータとして設定することが必要であり、全ての記録データに対応する管理情報を記録するように更新する。
【０１４８】
さらに、ＢＤＡＶディレクトリ下に設定されたストリームファイルに対応するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルについても、それらを読み出し、ＢＤＭＶ規格に適合するプレイリストファイル、クリップ情報ファイルに変換してＢＵディレクトリ下に記録する処理を行う。
【０１４９】
さらに、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））についても、ＢＤＡＶディレクトリ下に新たに記録されたストリームファイルに対応するエントリを追加する処理を行う。
【０１５０】
このステップＳ１０８の処理は、ＢＤＭＶ／ＢＤＡＶ／ＢＵ各ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新してＢＵディレクトリに記録する処理に相当する。管理情報には、ＢＤＭＶ／ＢＤＡＶディレクトリに記録された全ての再生対象データの管理情報が含まれる。具体的には、仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報である。
【０１５１】
次に、ステップＳ１０９に進み、ＢＤＡＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームをＢＤＭＶディレクトリに併合する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築用のプログラム（ＢＤ−Ｊ）を作成してＢＤＭＶディレクトリ下の［ＢＤＪＯ］，［ＪＡＲ］に追加する更新処理を行う。なお、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築用のプログラム（ＢＤ−Ｊ）が作成済みの場合は、この処理は新たに行う必要はない。
このようにしてデータ記録処理が行われる。
【０１５２】
次に、図９に示すフローチャートを参照して、データ再生処理シーケンスについて説明する。データ再生処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。図９に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【０１５３】
ステップＳ２０１において、ＢＤＭＶディレクトリ下に設定された［ＢＤＪＯ］，［ＪＡＲ］に記録されたプログラム（ＢＤ−Ｊ）を実行する。
ステップＳ２０２において、再生装置は、従来型のＢＤＭＶアプリケーションのみを実行する従来装置か、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築による拡張データ再生可能な拡張装置かを判定する。この判定処理は、プログラム（ＢＤ−Ｊ）によって装置または装置搭載プログラムを判別する処理を実行してもよいし、ユーザによる入力情報を用いて判定してもよい。
【０１５４】
再生装置が、従来型のＢＤＭＶアプリケーションのみを実行する従来装置である場合は、ステップＳ２０３に進み、メディアに記録されたＢＤＭＶディレクトリ下のデータのみを再生対象とした再生処理を実行する。
【０１５５】
一方、再生装置が、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築による拡張データ再生可能な拡張装置である場合は、ステップＳ２０４に進む。
ステップＳ２０４では、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、ＢＤＡＶディレクトリ下のＡＶストリームデータをローカル記憶部にコピーする処理を行う。この処理は、図７を参照して説明したストリームファイル２０１のローカル記憶部１２０に対するコピー処理である。
【０１５６】
次に、ステップＳ２０５において、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、ＢＵディレクトリ下の管理情報ファイル（マニフェストファイルを含む）をローカル記憶部にコピーする。この処理は、図７を参照して説明したデータ２０２のローカル記憶部１２０に対するコピー処理である。
【０１５７】
次に、ステップＳ２０６において、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築リクエストを再生装置に出力する。
次に、ステップＳ２０７において、再生装置の再生処理プログラム（プレーヤ）は、ＢＤＭＶディレクトリ下のデータと、ローカル記憶部にコピーされたデータを含む仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を構築する。この処理は、図５を参照して説明した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の構築処理であり、図７を参照して説明した図７（ｂ）仮想ファイルシステムの仮想パッケージを作成する処理として行われる。
【０１５８】
次に、ステップＳ２０８において、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）に設定された仮想パッケージ内のＢＤＭＶディレクトリを利用して再生処理を実行する。なお、再生処理に際して、再生対象データがローカル記憶部の格納データである場合は、ローカル記憶部内の管理情報に含まれるファイル名変換テーブルを参照して、仮想ファイルシステム上のファイル名から、データ記録先を示すファイル名を取得し、再生対象データを取得する処理が実行される。
【０１５９】
この再生処理では、先に図７を参照して説明したＢＵディレクトリに設定された管理情報であるインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を利用した再生処理が行われる。これらの管理情報には、ＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリに記録された全てのデータの管理情報が登録されている。再生処理に際しては、この管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理が行われる。
【０１６０】
例えば、インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］から指定されるムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］内の１つのプログラムによってメニュー表示がなされる。メニューには、ＢＤＭＶディレクトリとＢＤＡＶディレクトリに記録された全てのデータをアクセスするための情報が登録されている。従って、ＢＤＭＶ規格データと、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）のすべてを１つのメニューを利用して再生することができる。
【０１６１】
なお、先に図７を参照して説明したように仮想ファイルシステムには、ＢＤＭＶディレクトリに設定されたＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリも含まれている。従って、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用可能となる。このＪａｖａ（登録商標）プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、Ｊａｖａ（登録商標）プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【０１６２】
さらに、本実施例においては、Ｓ２０４、Ｓ２０５でローカル記憶部にＢＤＭＶ規格非対応ＡＶストリームデータ、管理情報をコピーしてから再生を行った。しかしながら、ＢＤＡＶディレクトリ下にＢＤＭＶ規格非対応ＡＶストリームを記録しておくことにより、ＢＤＭＶ規格非対応ＡＶストリームの復号が可能である装置においては、通常のＢＤＡＶディレクトリのデータとして再生することも可能となる。この場合においては、ＢＵディレクトリの管理情報を用いて表示されうるＢＤＭＶのメニュー画面については表示されないが、ＡＶストリームをローカル記憶部に記憶するステップは不要となる。
【０１６３】
すなわち、以上をまとめると次のとおりになる。ＢＤＭＶディレクトリ下のデータにおいては、従来のＢＤＭＶ再生機構で再生が可能である。一方、ＢＤＡＶディレクトリに記録されたＢＤＭＶ規格非対応データについては、ＢＤＭＶ規格に従ったメニューを表示してインタラクティブな再生を行いたい場合には図９のＳ２０４乃至Ｓ２０８にしたがった処理を行うことで、ＢＤＭＶデータとして再生することが可能となる。一方、ローカル記憶部の容量が足りない、もしくは、コピーする時間が無い場合であって、そのＢＤＭＶ規格非対応ＡＶストリームをデコードする機能だけ有していれば、ＢＤＡＶデータとして再生を行うことも可能となる。
【０１６４】
［２−２．（実施例２）記録メディアにＢＤＡＶディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例］
次に、実施例２として、記録メディアにＢＤＡＶディレクトリを設定せずにデータ記録再生を行う実施例について説明する。
【０１６５】
図１０を参照して、実施例２の情報処理装置によるデータ記録再生処理の概要について説明する。図１０に示す情報処理装置１００は、メディア（情報記録媒体）１１０を装着し、データ記録および再生処理を実行する。本実施例においてもメディア１１０は例えばデータ記録可能なＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ（登録商標））である。なお、メディア１１０はＢＤに限るものではなく、その他のフラッシュメモリなどのメディアであってもよい。
さらに、情報処理装置１００は、例えばハードディスクなどによって構成されるローカル記憶部１２０を持つ。
【０１６６】
まず、情報処理装置１００によるメディア１１０に対するデータ記録処理について説明する。メディア１１０はデータ記録可能な例えばＢＤ−ＲＥ、ＢＤ−Ｒなどのメディアであるとする。なお、後述する再生処理のみを行う場合は、追記のできないメディア、例えばＢＤ−ＲＯＭであってもよい。
【０１６７】
情報処理装置１００は、メディア１１０に、図１０に示すように、
ＢＤＭＶディレクトリ１１１、
ＢＵディレクトリ１１３、
これらのディレクトリの設定を行う。この処理は情報処理装置が装置内のメモリに保持するプログラムによって実行される。
先に図４を参照して説明した実施例１と異なり、実施例２では、ＢＤＡＶディレクトリは利用しない。
【０１６８】
ＢＤＭＶディレクトリ１１１は先に図１を参照して説明したと同様の構成を有するディレクトリである。
ＢＵディレクトリ１１３は、バインディングユニットディレクトリであり、後述する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ：Ｖｉｒｔｕａｌ Ｆｉｌｅ Ｓｙｓｔｅｍ）を構築する際に必要とする管理情報などを記録するためのディレクトリである。
本実施例２では、このＢＵディレクトリ１１３に、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）であるＡＶストリームファイルも記録する。これらのＡＶストリームファイルに対応するクリップ情報ファイルやプレイリストファイルも全て記録する。
【０１６９】
情報処理装置１００がメディア１１０に対してデータ記録を実行する場合の処理を、ステップＳ３０１に示す。
ステップＳ３０１に示すように、記録データがＢＤＭＶ規格対応データである場合は、ＢＤＭＶディレクトリ１１１下に記録する処理が行なわれる。また、ＢＤＭＶ規格対応データ以外の形式を持つデータ、例えば先に説明したような１０８０／６０ｐ画像，３Ｄ画像，４Ｋ×２Ｋ画像などの拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）を記録する場合は、ＢＵＶディレクトリ１１３下に記録する処理を実行する。
【０１７０】
なお、これらのデータ記録処理に際しては、ＡＶストリームファイルのみならず、クリップ情報ファイル、プレイリストファイルの作成や更新、記録処理も行われる。さらに必要に応じてムービーオブジェクトファイルやインデックスファイルなどのデータベースファイルの更新処理も行われる。
【０１７１】
データ記録処理を実行した場合、ＢＵディレクトリ１１３の管理情報を更新する。この処理は、後述する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を構築する際に必要とする管理情報の更新処理が含まれる。
【０１７２】
このように、本実施例２において、情報処理装置１００はＢＤＭＶ規格対応データについては、基本的にＢＤＭＶディレクトリ１１１下に記録する処理を実行し、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）についてはＢＵディレクトリ１１３下に記録する処理を実行する。
【０１７３】
次に、データ再生処理の概要について説明する。本実施例２の情報処理装置１００は、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたデータとＢＵディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、１つのメニューから指定して再生処理を可能とする。このメニューは、ＢＤＭＶ規格に従って生成可能なメニューである。
【０１７４】
また、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたデータとＢＵディレクトリ下に設定されたデータのいずれも、ＢＤＭＶ規格において利用可能なインタラクティブ機能を利用した再生を可能とする。
【０１７５】
メニュー表示やインタラクティブ機能は、先に図１を参照して説明したＢＤＭＶディレクトリ下のムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］や、ＢＤＪＯディレクトリ［ＢＤＪＯ］、ＪＡＲディレクトリ［ＪＡＲ］に記録された、例えばＪａｖａ（登録商標）を利用した処理として実行される。
【０１７６】
従来は、ＢＤＭＶディレクトリ以外に記録されたデータに対して、これらのプログラムは利用できなかったが、本発明の構成において設定する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を利用することで、ＢＤＭＶディレクトリ以外に記録したデータに対しても、ＢＤＭＶ規格対応のメニュー機能やインタラクティブ機能の利用が可能となる。
【０１７７】
再生処理に際しては、まず、図１０に示すステップＳ３０２に示すように、ＢＵディレクトリ１１３に記録された拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）ファイル（ＡＶストリームファイル）と、管理情報ファイル等をローカル記憶部１２０にコピーする処理を行う。コピー結果は、図に示すローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１である。ＢＵＤＡはバインディングユニットデータエリアを意味する。
【０１７８】
次に、ステップＳ３０３（Ｓ３０３ａ，Ｓ３０３ｂ）において、メディア１１０に記録されているＢＤＭＶディレクトリ１１１以下の各データと、ローカル記憶部のＢＵＤＡ１２１のバインド処理を行い、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を構築する。
ステップＳ３０４において構築した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を利用した再生処理が行われる。
【０１７９】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０は、情報処理装置１００の実行する再生アプリケーションが利用する仮想的なファイルシステムであり、先に図５を参照して説明した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）である。
【０１８０】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１には、メディア１１０に記録されているＢＤＭＶ規格対応データと、ローカル記憶部１２０にコピーされた拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）の両者が含まれる。再生処理に際しては、これらの両者を１つのメニューから指定して再生を行うことができる。メニューは、ＢＤＭＶ規格に対応したメニュー作成プログラムに従って作成することができる。
【０１８１】
仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１に設定されるデータは、実際にはメディア１１０とローカル記憶部１２０の別の記録媒体に記録されたデータである。情報処理装置１００の再生アプリケーションは、この仮想ファイルシステム１３０の仮想ＢＤＭＶディレクトリ１３１があたかもある１つのメディアに設定されたディレクトリであると同様に再生処理を行うことができる。
【０１８２】
コンテンツ再生処理を実行する情報処理装置１００は、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）１３０を利用した再生処理を行う際、ローカル記憶部１２０に記憶されたデータのファイル名変換処理を行う。この変換処理に適用するテーブルは、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））である。
【０１８３】
次に、図１１を参照して、本実施例２における具体的なデータの記録、および仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の設定処理例について説明する。図１１には、
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）
（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージ
さらにローカル記憶部１２０のＢＵＤＡの記録データの例を示している。
【０１８４】
（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）は、先に図９を参照して説明したように、ＢＤＭＶディレクトリ、ＢＵディレクトリを持つ構成である。
【０１８５】
ＢＤＭＶディレクトリにはＢＤＭＶ規格に従ったデータおよびその管理情報が記録される。
ＢＵディレクトリには、ＢＤＭＶ規格に非対応の拡張データおよびその管理情報、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築に際して利用される管理情報ファイルと、前述のファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））が記録される。
【０１８６】
仮想ファイルシステムの構築時には、ＢＵディレクトリの記録データ３５１を、ローカル記憶部１２０にコピーする。
【０１８７】
ローカル記憶部１２０にコピーされたデータはＢＵＤＡ１２１としてローカル記憶部内に格納され、このＢＵＤＡ１２１と、（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリ下のデータとを統合して、（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージが設定される。
【０１８８】
図１１（ｂ）に示す仮想ＢＤＭＶに設定されるデータは、先の実施例１において、図７（ｂ）を参照して説明したデータ構成と同様である。
ただし、ストリームファイル２１４は、先の実施例１ではＢＤＡＶディレクトリからローカル記憶部にコピーされたデータであったが、本実施例では、ＢＵディレクトリからローカル記憶部１２０にコピーされたデータである。
【０１８９】
管理情報ファイル２１１として示す［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ（Ｎｅｗ）］、［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ（Ｎｅｗ）］、これらのファイルは、元々、ＢＵディレクトリの記録データ３５１であり、ローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１のデータである。
【０１９０】
インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、（ａ）メディアのディレクトリ構成（ディスクパッケージ）中のＢＤＭＶディレクトリにも設定されているが、仮想ファイルシステムの利用時には、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を利用する。
【０１９１】
ＢＵディレクトリの記録データ３５１のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データのみならず、ＢＵディレクトリに記録された拡張データに関する管理情報も含むデータとして設定される。
【０１９２】
仮想ファイルシステムを利用した再生処理では、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データのみならず、ＢＵディレクトリに記録された拡張データに関する再生処理も行われるため、ＢＵディレクトリの記録データ２０２のインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を、仮想ＢＤＭＶの管理情報ファイル２１１として設定する。
【０１９３】
その他、（ｂ）仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の仮想パッケージに示す、以下のファイル、すなわち、
プレイリストファイル［００００１．ｍｐｌｓ］２１２、
クリップ情報ファイル［０１０１０．ｃｌｐｉ］（６０ｐ）２１３、
クリップ情報ファイル［０１０１１．ｃｌｐｉ］（６０ｐ）２１３、
ＡＶストリームファイル［０１０１０．ｍ２ｔｓ］（６０ｐ）２１４、
ＡＶストリームファイル［０１０１１．ｍ２ｔｓ］（６０ｐ）２１４、
これらのファイルが、ローカル記憶部１２０のＢＵＤＡ１２１のデータである。
【０１９４】
これらのファイル２１１〜２１４については、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））を参照してローカル記憶部１２０から取得される。その他のデータは、メディア１１０のＢＤＭＶディレクトリから取得される。
【０１９５】
なお、ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））は、ＢＵディレクトリの記録データ３５１の一部としてローカル記憶部１２０にコピーされ、再生処理を実行するアプリケーションは、ローカル記憶部１２０に記録されたファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））を参照して利用する。
【０１９６】
本実施例２においても先に説明した実施例１と同様、図１１（ｂ）に示すように仮想ファイルシステムには、ＢＤＭＶディレクトリに設定されたＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリも含まれる、そのため、仮想ファイルシステムを利用した再生処理に際しては、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用可能となる。このＪａｖａ（登録商標）プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、このＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【０１９７】
本実施例におけるデータ記録処理シーケンスと、データ再生処理シーケンスについて、図１２および図１３に示すフローチャートを参照して説明する。
【０１９８】
まず、本実施例におけるデータ記録処理シーケンスについて、図１２に示すフローチャートを参照して説明する。
【０１９９】
データ記録処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。図１２に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【０２００】
ステップＳ４０１において、記録するＡＶストリームが、ＢＤＭＶ規格対応データであるか否かを判定する。前述したように、例えば［１０８０／６０ｐ画像］や、３次元画像としての３Ｄ画像，あるいは約４０００×２０００画素の４Ｋ×２Ｋ画像については、ＢＤＭＶアプリケーション規格では記録再生が許容されない。これらのデータを記録する場合は、ステップＳ４０１の判定はＮｏとなる。
【０２０１】
例えば［１０８０／６０ｉ画像］など、記録するＡＶストリームが、ＢＤＭＶ規格対応データである場合は、ステップＳ４０１の判定はＹｅｓとなり、ステップＳ４０２に進む。
【０２０２】
ステップＳ４０２では、ＢＤＭＶ規格対応データを従来型のＢＤＭＶプレーヤで再生可能とする必要があるかを判定する。この判定はユーザによって実行してもよいし、予めいずれかの設定を決定しておいてもよい。なお、このステップＳ４０２の判定処理はＢＤＭＶ規格データであってもＢＵディレクトリ下に記録することを許容するための判定ステップである。すなわち、ＢＤＭＶ規格対応データをすべてＢＵディレクトリ下に記録する設定の場合はステップＳ４０２の判定処理は省略してもよい。
【０２０３】
ステップＳ４０２の判定がＹｅｓの場合は、ステップＳ４０３に進み、ＡＶストリームを、ＢＤＭＶディレクトリ下のストリームディレクトリ［ＳＴＲＥＡＭ］に記録する。
【０２０４】
一方、ステップＳ４０１の判定がＮｏの場合、すなわち記録データがＢＤＭＶ規格対応データでない拡張データである場合、およびステップＳ４０２の判定がＮｏの場合、すなわち記録データがＢＤＭＶ規格対応データであるが、ＢＵディレクトリ下に記録する場合は、ステップＳ４０４に進む。
ステップＳ４０４では、ＡＶストリームを、ＢＵディレクトリ下に記録する。
【０２０５】
このように、本実施例における情報処理装置は、記録メディアに対する記録データが、ＢＤＭＶ規格に従った規格対応データであるか否かを判別し、ＢＤＭＶ規格対応データである場合は、記録メディアに設定されたＢＤＭＶ規格対応データを記録するＢＤＭＶディレクトリを記録先として優先的に選択し、記録データが拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）である場合は、ＢＤＭＶディレクトリと異なるＢＵディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行う。
【０２０６】
ステップＳ４０３またはステップＳ４０４の処理が終了すると、ステップＳ４０５に進む。ステップＳ４０５では、記録するＡＶストリームが他にあるか否かを判定し、ある場合は、ステップＳ４０１以下の処理を繰り返す。ステップＳ４０５において、記録するＡＶストリームが他にないと判定した場合は、ステップＳ４０６に進む。
【０２０７】
ステップＳ４０６では、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームに対応した管理情報（データベース）を作成してＢＤＭＶディレクトリ下に設定し、ＢＤＭＶディレクトリ下のデータ構造を完成させる。なお、ＢＤＭＶディレクトリ下に記録されたＡＶストリームがない場合は、この処理は省略できる。
【０２０８】
次に、ステップＳ４０７では、記録されたＡＶストリームに対応した管理情報を作成して、ＢＵディレクトリ下に設定し、ＢＵディレクトリ下のデータ構造を完成させる。本実施例では、ＢＵディレクトリ下に設定される管理情報、例えば、インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］は、メディアのＢＤＭＶディレクトリ下の記録データと、ＢＵディレクトリ下に記録された拡張データのすべてに関する管理情報を含むデータとして設定することが必要であり、全ての記録データに対応する管理情報を記録するように更新する。
【０２０９】
さらに、先に図６を参照して説明したファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））についても、ＢＵディレクトリ下に新たに記録されたストリームファイルに対応するエントリを追加する処理を行う。
【０２１０】
このステップＳ４０７の処理は、ＢＤＭＶ／ＢＵ各ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新してＢＵディレクトリに記録する処理に相当する。管理情報には、ＢＤＭＶ／ＢＵディレクトリに記録された全ての再生対象データの管理情報が含まれる。具体的には、仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報である。
【０２１１】
次に、ステップＳ４０８に進み、ＢＵディレクトリ下に記録されたＡＶストリームをＢＤＭＶディレクトリに併合する仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築用のプログラム（ＢＤ−Ｊ）を作成してＢＤＭＶディレクトリ下の［ＢＤＪＯ］，［ＪＡＲ］に追加する更新処理を行う。なお、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築用のプログラム（ＢＤ−Ｊ）が作成済みの場合は、この処理は新たに行う必要はない。
このようにしてデータ記録処理が行われる。
【０２１２】
次に、図１３に示すフローチャートを参照して、データ再生処理シーケンスについて説明する。データ再生処理は情報処理装置のデータ処理部において実行される。データ処理部は、アプリケーションプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。図１３に示すフローチャートの各ステップの処理について説明する。
【０２１３】
ステップＳ５０１において、ＢＤＭＶディレクトリ下に設定された［ＢＤＪＯ］，［ＪＡＲ］に記録されたプログラム（ＢＤ−Ｊ）を実行する。
ステップＳ５０２において、再生装置は、従来型のＢＤＭＶアプリケーションのみを実行する従来装置か、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築による拡張データ再生可能な拡張装置かを判定する。この判定処理は、プログラム（ＢＤ−Ｊ）によって装置または装置搭載プログラムを判別する処理を実行してもよいし、ユーザによる入力情報を用いて判定してもよい。
【０２１４】
再生装置が、従来型のＢＤＭＶアプリケーションのみを実行する従来装置である場合は、ステップＳ５０３に進み、メディアに記録されたＢＤＭＶディレクトリ下のデータのみを再生対象とした再生処理を実行する。
【０２１５】
一方、再生装置が、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築による拡張データ再生可能な拡張装置である場合は、ステップＳ５０４に進む。
ステップＳ５０４では、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、ＢＵディレクトリ下のデータをローカル記憶部にコピーする処理を行う。この処理は、図１１を参照して説明したデータ３５１のローカル記憶部１２０に対するコピー処理である。コピー対象となるデータには、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応のストリームデータ）と、ＢＵディレクトリ下の管理情報ファイル（マニフェストファイルを含む）が含まれる。
【０２１６】
次に、ステップＳ５０５において、ＢＤ−Ｊプログラムの実行により、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）構築リクエストを再生装置に出力する。
【０２１７】
次に、ステップＳ５０６において、再生装置の再生処理プログラム（プレーヤ）は、ＢＤＭＶディレクトリ下のデータと、ローカル記憶部にコピーされたデータを含む仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）を構築する。この処理は、図５を参照して説明した仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）の構築処理であり、図１１を参照して説明した図１１（ｂ）仮想ファイルシステムの仮想パッケージを作成する処理として行われる。
【０２１８】
次に、ステップＳ５０７において、仮想ファイルシステム（ＶＦＳ）に設定された仮想パッケージ内のＢＤＭＶディレクトリを利用して再生処理を実行する。なお、再生処理に際して、再生対象データがローカル記憶部の格納データである場合は、ローカル記憶部内の管理情報に含まれるファイル名変換テーブルを参照して、仮想ファイルシステム上のファイル名から、データ記録先を示すファイル名を取得し、再生対象データを取得する処理が実行される。
【０２１９】
この再生処理では、先に図１１を参照して説明したＢＵディレクトリに設定された管理情報であるインデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］と、ムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］を利用した再生処理が行われる。これらの管理情報には、ＢＤＭＶディレクトリとＢＵディレクトリに記録された全てのデータの管理情報が登録されている。再生処理に際しては、この管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理が行われる。
【０２２０】
例えば、インデックスファイル［ｉｎｄｅｘ．ｂｄｍｖ］から指定されるムービーオブジェクトファイル［ＭｏｖｉｅＯｂｊｅｃｔ．ｂｄｍｖ］内の１つのプログラムによってメニュー表示がなされる。メニューには、ＢＤＭＶディレクトリとＢＵディレクトリに記録された全てのデータをアクセスするための情報が登録されている。従って、ＢＤＭＶ規格データと、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）のすべてを１つのメニューを利用して再生することができる。
【０２２１】
なお、先に図１１を参照して説明したように仮想ファイルシステムには、ＢＤＭＶディレクトリに設定されたＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリも含まれている。従って、ＢＤＪＯ，ＪＡＲディレクトリに格納されるＪａｖａ（登録商標）プログラムを利用可能となる。このＪａｖａ（登録商標）プログラムの利用により、様々なデザインを持つメニュー表示を行うことができる。また、Ｊａｖａ（登録商標）プログラムを利用することで、例えば様々な制御用ボタンを表示してインタラクティブ機能を利用した再生処理を行うことが可能となる。
【０２２２】
［３．情報処理装置の構成例について］
次に、上述した記録再生処理を実行する情報処理装置の構成例について図１４を参照して説明する。図１４は、本発明の一実施例に係る情報処理装置４００の構成例を示すブロック図である。情報処理装置４００は、メディア４１０に対するデータ記録、またはデータ再生の少なくともいずれかの処理を行う装置である。具体的には例えば、記録再生装置、プレーヤ装置、レコーダ装置、ビデオカメラ、ＰＣなどの装置である。
【０２２３】
なお、図１４にはメディア４１０としてディスク型メディアを示しているが、メディアはディスク型メディアに限らず、フラッシュメモリなどのメディアでもよい。
【０２２４】
情報処理装置４００は、図１４に示すように、データ処理部（記録再生制御部）４０１、メモリ４０２、入力部４０３、出力部４０４、メディアインタフェース４０５、ローカル記憶部４０６を有する。
【０２２５】
データ処理部４０１は、様々なデータ処理プログラムを実行するプログラム実行機能を持つＣＰＵを有する。例えばデータ記録再生処理を行うアプリケーションプログラムを実行する。例えば、前述の実施例１において図８、図９を参照して説明したフローチャートに従った処理や、実施例２において図１２、図１３を参照して説明したフローチャートに従った処理を実行する。
【０２２６】
メモリ４０２は、ＲＡＭ，ＲＯＭ等によって構成され、データ処理部４０１において実行するアプリケーションプログラムなどの格納領域として利用される。またメモリ４０２は、アプリケーション用のパラメータ、ワーク領域としても利用され、さらに、メディア記録データのバッファ領域などとしても利用される。
【０２２７】
入力部４０３は、例えばユーザの操作部であり、データ記録または再生指示の入力など、様々な入力が行われる。なお、入力部４０３にはリモコンも含まれ、リモコン操作情報の入力も可能である。出力部４０４は、ディスプレイ、スピーカ等によって構成される画像や音声の出力部である。
【０２２８】
メディアインタフェース４０５は、メディア４１０を利用したデータ記録、再生処理に適用されるインタフェースである。データ処理部４０１の要求に従って、データをメディア４１０に書き込み、またメディア４１０からのデータ読み取り処理などを行う。
【０２２９】
ローカル記憶部４０６は例えばハードディスクなどによって構成される。先の実施例において説明した仮想ファイルシステムの構築に際して、メディア４１０からのコピーデータを格納する。すなわち、拡張データ（ＢＤＭＶ規格非対応データ）や管理情報、ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））の格納領域として利用される。その他プログラムの格納領域としても利用される。
【０２３０】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【０２３１】
また、明細書中において説明した一連の処理はハードウェア、またはソフトウェア、あるいは両者の複合構成によって実行することが可能である。ソフトウェアによる処理を実行する場合は、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれたコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。例えば、プログラムは記録媒体に予め記録しておくことができる。記録媒体からコンピュータにインストールする他、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、インターネットといったネットワークを介してプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることができる。
【０２３２】
なお、明細書に記載された各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。また、本明細書においてシステムとは、複数の装置の論理的集合構成であり、各構成の装置が同一筐体内にあるものには限らない。
【産業上の利用可能性】
【０２３３】
以上、説明したように、本発明の一実施例によれば、ＢＤ等の１つの記録メディアに複数のディレクトリを設定し、データの種類に応じて記録先ディレクトリを選択して記録処理を行う。例えば、ＢＤＭＶ規格対応データはＢＤＭＶディレクトリに記録し、ＢＤＭＶ規格非対応データ、例えば１０８０／６０Ｐや３Ｄ画像データなどは、ＢＤＡＶディレクトリあるいはＢＵディレクトリなどに記録する。データ再生処理に際しては、ＢＤＭＶディレクトリの記録データと、ＢＤＡＶやＢＵディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを利用した再生処理を行う。本構成により、ＢＤＭＶ規格対応データと非対応データを既存システムに対する弊害を発生させることなく新システムにおいて記録再生することが可能となる。
【符号の説明】
【０２３４】
１００ 情報処理装置
１１０ メディア（情報記録媒体）
１１１ ＢＤＭＶディレクトリ
１１２ ＢＤＡＶディレクトリ
１１３ ＢＵディレクトリ
１２０ ローカル記憶部
１２１ ＢＵＤＡ
１３０ 仮想ファイルシステム
１３１ 仮想ＢＤＭＶディレクトリ
１５０ アプリケーションプログラム
１５１ ファイル名変換テーブル（マニフェストファイル（ＢＵＭＦ））
４００ 情報処理装置
４０１ データ処理部
４０２ メモリ
４０３ 入力部
４０４ 出力部
４０５ メディアインタフェース
４０６ ローカル記憶部
４１０ メディア
【特許請求の範囲】
【請求項１】
記録メディアに対するデータ記録処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別し、
記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、
記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行い、
さらに、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行う情報処理装置。
【請求項２】
前記データ処理部は、
前記管理情報として、前記第１ディレクトリと前記第２ディレクトリに記録された全ての再生対象データの管理情報を含む管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する請求項１に記載の情報処理装置。
【請求項３】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行う請求項２に記載の情報処理装置。
【請求項４】
前記データ処理部は、
記録データが規格対応データであり、かつ前記仮想ファイルシステムを適用することなく再生可能とする場合には、前記第１ディレクトリを記録先として選択し、
記録データが規格対応データであり、かつ前記仮想ファイルシステムを適用した場合にのみ再生可能とする場合には、前記第２ディレクトリを記録先として選択する請求項１に記載の情報処理装置。
【請求項５】
前記データ処理部は、
前記第１ディレクトリと異なるディレクトリを記録先とする再生対象データの記録を実行した場合、
前記管理情報に含まれるファイル名変換テーブルに、前記再生対象データの記録先を示すファイル名と、前記仮想ファイルシステム上のファイル名とを対応付けたエントリを追加する処理を行う請求項１に記載の情報処理装置。
【請求項６】
前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記第２ディレクトリはＢＤＡＶディレクトリである請求項１〜５いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項７】
前記管理情報を記録するディレクトリは、
前記ＢＤＭＶディレクトリおよびＢＤＡＶディレクトリとは異なる第３のディレクトリである請求項６に記載の情報処理装置。
【請求項８】
前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記第２ディレクトリはＢＤＭＶ規格非対応データと前記管理情報を記録するディレクトリである請求項１〜５いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項９】
記録メディアからのデータ再生処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーし、
前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行する情報処理装置。
【請求項１０】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理に際して、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータに含まれる管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理を行う請求項９に記載の情報処理装置。
【請求項１１】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報を前記ローカル記憶部にコピーする処理を行い、
前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理に際して、前記ローカル記憶部に格納されたインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを適用した再生処理を行う請求項１０に記載の情報処理装置。
【請求項１２】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理において、再生対象データがローカル記憶部格納データである場合、前記ローカル記憶部内の管理情報に含まれるファイル名変換テーブルを参照して、仮想ファイルシステム上のファイル名から、データ記録先を示すファイル名を取得し、前記再生対象データの取得を行う請求項９に記載の情報処理装置。
【請求項１３】
前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、
前記データ処理部は、
前記ＢＤＭＶディレクトリとは異なるＢＤＡＶディレクトリに記録された再生対象データと、
前記ＢＤＭＶおよびＢＤＡＶディレクトリ以外の第３のディレクトリに記録された管理情報をローカル記憶部にコピーする処理を行う構成である請求項９〜１２いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項１４】
前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、
前記データ処理部は、
前記ＢＤＭＶディレトクリとは異なる第２ディレクトリに記録された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーする処理を行う構成である請求項９〜１２いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項１５】
第１アプリケーション規格に従った規格対応データを記録する第１ディレクトリと、
前記第１アプリケーション規格に対応しない規格非対応データを記録する第２ディレクトリを有し、
前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を前記第２ディレクトリ、または前記第１および第２ディレクトリと異なる第３ディレクトリに記録した構成を有し、
再生装置において前記管理情報を適用して前記第１および第２ディレクトリに記録された再生対象データを取得して再生を行うことを可能とした情報記録媒体。
【請求項１６】
情報処理装置において、記録メディアに対するデータ記録を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別するステップと、
前記データ処理部が、記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、
記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行うステップと、
前記データ処理部が、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項１７】
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーするステップと、
前記データ処理部が、前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項１８】
情報処理装置において、記録メディアに対するデータ記録を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別させるステップと、
前記データ処理部に、記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行わせるステップと、
前記データ処理部に、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行わせるステップと、
を有するプログラム。
【請求項１９】
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーさせるステップと、
前記データ処理部に、前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行させるステップと、
を有するプログラム。
【請求項１】
記録メディアに対するデータ記録処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別し、
記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、
記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行い、
さらに、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行う情報処理装置。
【請求項２】
前記データ処理部は、
前記管理情報として、前記第１ディレクトリと前記第２ディレクトリに記録された全ての再生対象データの管理情報を含む管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する請求項１に記載の情報処理装置。
【請求項３】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行う請求項２に記載の情報処理装置。
【請求項４】
前記データ処理部は、
記録データが規格対応データであり、かつ前記仮想ファイルシステムを適用することなく再生可能とする場合には、前記第１ディレクトリを記録先として選択し、
記録データが規格対応データであり、かつ前記仮想ファイルシステムを適用した場合にのみ再生可能とする場合には、前記第２ディレクトリを記録先として選択する請求項１に記載の情報処理装置。
【請求項５】
前記データ処理部は、
前記第１ディレクトリと異なるディレクトリを記録先とする再生対象データの記録を実行した場合、
前記管理情報に含まれるファイル名変換テーブルに、前記再生対象データの記録先を示すファイル名と、前記仮想ファイルシステム上のファイル名とを対応付けたエントリを追加する処理を行う請求項１に記載の情報処理装置。
【請求項６】
前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記第２ディレクトリはＢＤＡＶディレクトリである請求項１〜５いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項７】
前記管理情報を記録するディレクトリは、
前記ＢＤＭＶディレクトリおよびＢＤＡＶディレクトリとは異なる第３のディレクトリである請求項６に記載の情報処理装置。
【請求項８】
前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、前記第２ディレクトリはＢＤＭＶ規格非対応データと前記管理情報を記録するディレクトリである請求項１〜５いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項９】
記録メディアからのデータ再生処理を行うデータ処理部を有し、
前記データ処理部は、
前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーし、
前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行する情報処理装置。
【請求項１０】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理に際して、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータに含まれる管理情報を再生データに対する索引情報として利用した再生処理を行う請求項９に記載の情報処理装置。
【請求項１１】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムによる再生処理に適用するインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを含む管理情報を前記ローカル記憶部にコピーする処理を行い、
前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理に際して、前記ローカル記憶部に格納されたインデックスファイル、ムービーオブジェクトファイル、プレイリストファイル、クリップ情報ファイルのいずれかを適用した再生処理を行う請求項１０に記載の情報処理装置。
【請求項１２】
前記データ処理部は、
前記仮想ファイルシステムを適用した再生処理において、再生対象データがローカル記憶部格納データである場合、前記ローカル記憶部内の管理情報に含まれるファイル名変換テーブルを参照して、仮想ファイルシステム上のファイル名から、データ記録先を示すファイル名を取得し、前記再生対象データの取得を行う請求項９に記載の情報処理装置。
【請求項１３】
前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、
前記データ処理部は、
前記ＢＤＭＶディレクトリとは異なるＢＤＡＶディレクトリに記録された再生対象データと、
前記ＢＤＭＶおよびＢＤＡＶディレクトリ以外の第３のディレクトリに記録された管理情報をローカル記憶部にコピーする処理を行う構成である請求項９〜１２いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項１４】
前記第１アプリケーション規格はＢＤＭＶ規格であり、前記第１ディレクトリはＢＤＭＶディレクトリであり、
前記データ処理部は、
前記ＢＤＭＶディレトクリとは異なる第２ディレクトリに記録された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーする処理を行う構成である請求項９〜１２いずれかに記載の情報処理装置。
【請求項１５】
第１アプリケーション規格に従った規格対応データを記録する第１ディレクトリと、
前記第１アプリケーション規格に対応しない規格非対応データを記録する第２ディレクトリを有し、
前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を前記第２ディレクトリ、または前記第１および第２ディレクトリと異なる第３ディレクトリに記録した構成を有し、
再生装置において前記管理情報を適用して前記第１および第２ディレクトリに記録された再生対象データを取得して再生を行うことを可能とした情報記録媒体。
【請求項１６】
情報処理装置において、記録メディアに対するデータ記録を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別するステップと、
前記データ処理部が、記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、
記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行うステップと、
前記データ処理部が、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行うステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項１７】
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行する情報処理方法であり、
データ処理部が、前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーするステップと、
前記データ処理部が、前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項１８】
情報処理装置において、記録メディアに対するデータ記録を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアに対する記録データが、第１アプリケーション規格に従った規格対応データであるか否かを判別させるステップと、
前記データ処理部に、記録データが規格対応データである場合は、記録メディアに設定された前記第１アプリケーション規格対応データを記録する第１ディレクトリを記録先として優先的に選択し、記録データが規格非対応データである場合は、前記第１ディレクトリと異なる第２ディレクトリを記録先として選択してデータ記録処理を行わせるステップと、
前記データ処理部に、前記第１および第２ディレクトリの記録データを統合した仮想ファイルシステムによる再生に適用する管理情報を生成または更新して前記記録メディアに記録する処理を行わせるステップと、
を有するプログラム。
【請求項１９】
情報処理装置において、記録メディアからのデータ再生を実行させるプログラムであり、
データ処理部に、前記記録メディアに設定された第１アプリケーション規格に対応するデータを記録する第１ディレクトリ以外のディレクトリに設定された再生対象データと、管理情報をローカル記憶部にコピーさせるステップと、
前記データ処理部に、前記記録メディアの前記第１ディレクトリのデータと、前記ローカル記憶部に格納したコピーデータを統合した仮想ファイルシステムを構築して仮想ファイルシステムを適用したデータ再生処理を実行させるステップと、
を有するプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【公開番号】特開２０１１−２３０７０（Ｐ２０１１−２３０７０Ａ）
【公開日】平成２３年２月３日（２０１１．２．３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１６７３００（Ｐ２００９−１６７３００）
【出願日】平成２１年７月１５日（２００９．７．１５）
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年２月３日（２０１１．２．３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年７月１５日（２００９．７．１５）
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】
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