説明

情報処理装置及びデータ送信方法

【課題】本発明の課題は、全データの送信後にデータの転送結果を送信する情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の課題は、データを送信する情報処理装置であって、データを送信するための所定データ処理を実行する複数の内部処理手段と、前記データを含むメッセージをWebを介して送信する際に、前記複数の内部処理手段から該データに対して所定データ処理を実行する1つの内部処理手段を該データの転送元として特定し、該転送元から内部的に転送される該データのWebへの送信を完了後に転送結果を続けて送信するWebデータ送信手段とを有する情報処理装置によって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全データの送信後にデータの転送結果を送信する情報処理装置及びデータ送信方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像、音声、映像などのマルチメディアとネットワークの普及により、ネットワークを介したマルチメディアに係るデータの送受信が広く行われるようになってきた。ネットワークを介した通信の需要が高まるにつれて、データの送受信を効率よくかつ迅速に処理することが要求されてきた。
【0003】
また、ネットワークを介して通信装置を接続した通信システムにおいて、複数の通信装置同士でメッセージを交換させることにより、通信相手の装置に対して通知や要求を行わせる場合、コマンドやコマンド応答を送受信する度に、コマンドの宛先毎にそれぞれ別々に通信のコネクションを確立する必要があり、通信のオーバーヘッドが大きくなると言った問題があった。
【0004】
複数の通信装置への動作要求及びその動作要求に対する複数の通信装置からの動作応答を仲介する仲介装置を設け、動作要求と動作応答とをそれぞれ、形式を変更せずに複数統合して転送可能な1つのメッセージを生成することができる形式で表現し、また、複数統合された状態では形式を変更せずに分割して転送可能な個々の動作要求及び動作応答に戻すことが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−139586号公報
【特許文献2】特開2004−140818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マルチメディアに係るデータは比較的データ量が大きく、データ送信処理の過程において内部要因によってデータを送信できない場合に、送信先では全くデータを受信できないと言った問題があった。
【0006】
上記従来の技術では、動作要求及び動作応答に係る通信量を改善することができるが、このような問題を解決する手段について示唆されていなかった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、全データの送信後にデータの転送結果を送信する情報処理装置及びデータ送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、データを送信する情報処理装置であって、データを送信するための所定データ処理を実行する複数の内部処理手段と、前記データを含むメッセージをWebを介して送信する際に、前記複数の内部処理手段から該データに対して所定データ処理を実行する1つの内部処理手段を該データの転送元として特定し、該転送元から内部的に転送される該データのWebへの送信を完了後に転送結果を続けて送信するWebデータ送信手段とを有するように構成される。
【0009】
このような情報処理装置では、全データの送信後にデータの転送結果を送信するため、データ送信処理の過程で内部エラーが発生したとしても、送信先の外部装置に対して可能な限りデータを送信しておくことができる。
【0010】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、上記情報処理装置での処理をコンピュータに行なわせるためのデータ送信方法とすることもできる。また、本発明に係る情報処理装置は、画像処理装置、音声交換装置、映像装置などのマルチメディアに係るデータを処理対象とする装置とすることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、全データの送信後にデータの転送結果を送信するため、データ送信処理の過程で内部エラーが発生したとしても、送信先の外部装置では、可能な限りデータを受信しておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の第一実施例に係るネットワーク構成を示す図である。図1において、画像処理装置100は、ネットワーク2aを介してクライアント10と他の画像処理装置20とに接続される。また、画像処理装置100は、PTSN(Public Telephone Switched Network)3bにも接続される。
【0014】
画像処理装置100は、プリンタ、コピー、ファクシミリ、スキャナなどの異なる画像形成機能を備えた装置である。クライアント10は、ネットワーク2aを介して画像処理装置100から文書データ(又は画像データ)を取得する。他画像処理装置20も同様であるが、例えば、ネットワーク2aを介して画像処理装置100から画像データを取得して自身の記憶領域に保存する。
【0015】
画像処理装置100は、クライアント10や画像処理装置20から要求されるデータを送信する場合、要求されたデータを送信した後に転送結果を送出する。また、装置内部のモジュールに対して、送信用の記憶領域に応じたデータ量の単位で複数回に分けてデータの読み出しを指示する。
【0016】
図2は、本発明の第一実施例に係る画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。図2において、画像処理装置100は、コントローラ60と、オペレーションパネル80と、FAX81と、プロッタ82と、スキャナ83とを有する。
【0017】
コントローラ60は、CPU(Central Processing Unit)61と、システムメモリ62と、NB(North Bridge)63と、SB(South Bridge)64と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)66と、ローカルメモリ67と、HDD(Hard Disk Device)68と、外部インタフェース70とを有する。
【0018】
オペレーションパネル80は、コントローラ60のASIC66に接続されている。また、FAX81と、プロッタ82と、スキャナ83とはコントローラ60のASIC66にPCI(Peripheral Component Interconnect)バス89を介して接続されている。
【0019】
コントローラ60は、ASIC66にローカルメモリ67,HDD68などが接続されると共に、CPU61とASIC66とがCPUチップセットのNB63を介して接続されている。なお、ASIC66とNB63とはAGP(Accelerated Graphics Port)65を介して接続されている。
【0020】
CPU61は、画像処理装置100の全体制御を行うものである。NB63は、CPU61、システムメモリ62、SB64、ASIC66、及び外部インタフェース70を接続するためのブリッジである。NB63は、PCIバス73を介して外部インタフェース70と接続されている。なお、SB(サウスブリッジ)64は、PCIバス73とROMや周辺デバイス等とを接続するためのブリッジである。
【0021】
システムメモリ62は、描画用メモリ等として用いるメモリである。ローカルメモリ67は、コピー用画像バッファ,符号バッファ等として用いるメモリである。ASIC66は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。また、HDD68は画像データの蓄積,文書データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積などを行うストレージ(補助記憶装置)の一例である。
【0022】
外部インタフェース70は、画像処理装置1をインターネットやLAN等のネットワークに接続するインタフェース機器である。また、オペレーションパネル80は、ユーザーからの入力操作を受け付けると共に、ユーザーに向けた表示を行う操作部である。
【0023】
図3は、本発明の第一実施例に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。図3において、画像処理装置100は、OS(Operating System)上に、ユーザーインタフェース層110と、アプリケーション層120と、デバイス制御層130とを構成する。
【0024】
ユーザーインタフェース層110は、オペレーションパネル80のためのオペレーションパネルI/F(InterFace)111と、WebブラウザのためのWebI/F112と、SOAP(Simple Object Access Protocol)のためのWebサービスI/F113とを有する。
【0025】
アプリケーション層120は、FAX送受信するためのFAXアプリケーション121と、文書を印刷するためのプリンタアプリケーション122と、文書を読み取るためのスキャナアプリケーション123と、画像処理装置100内に蓄積された文書データを配信するための文書配信アプリケーション124と、文書データを蓄積するためのリポジトリアプリケーション125と、画像処理装置100に備えられた各デバイスの設定のためのシステム設計アプリケーション126とを有する。
【0026】
デバイス制御層130は、HDD68に蓄積された画像データを管理するファイル管理部131と、FAX81を制御してFAX送受信を行うFAX装置制御部132と、プロッタ82を制御して画像形成を行う画像エンジン制御部133と、スキャナ83を制御して画像を読み取るスキャナ装置制御部134と、ネットワーク2aを介して他機器との通信を制御するネットワーク通信制御部135とを有する。
【0027】
図4は、WebサービスI/Fの内部構成を示す図である。図4において、WebサービスI/F113は、コントロールモジュール114と、構造解析モジュール115と、コマンド解析モジュール116と、転送元管理モジュール117、118及び119とを有する。転送元管理モジュール117、118及び119は、転送元113−2としての転送元モジュール117a、118a及び119aに対応する。
【0028】
コントロールモジュール114は、SOAPメッセージを受信すると、構造解析モジュール115とコマンド解析モジュール116とによって、SOAPメッセージの内容を解析させ、転送元管理モジュール117、118及び119に処理の指示とデータの受け渡しを行う。
【0029】
構造解析モジュール115は、SOAPメッセージの構造を解析し、コマンド部分とデータ部分とを抽出する。コマンド解析モジュール116は、抽出されたコマンドを解析し、転送元へSOAPメッセージに従ったデータ処理を行わせるために転送元管理モジュール117、118及び119の1つを選択する。
【0030】
3つの転送元管理モジュール117、118及び119を示しているが、WebサービスI/F113では1つ以上の転送元管理モジュールが実行され、4以上の転送元管理モジュールがあってもよい。以下、転送元管理モジュール117及び転送元モジュール117aを例として説明する。
【0031】
まず、データ送信が正常な場合について図5及び図6で説明する。図5は、データ送信が正常な場合のWebサービスI/Fに関するシーケンスフローを示す図である。図6は、データ送信が正常な場合のSOAPレスポンスの例を示す図である。
【0032】
図5において、コントロールモジュール114にSOAPリクエストなどによってデータを要求するメッセージ(以下、単にデータ又は受信データという)が到着すると(ステップS211)、コントロールモジュール114は、構造解析モジュール115に対して構造解析要求を行う(ステップS212)。構造解析モジュール115は、受信データの最初に設定されているコマンド部分を切り出して、コントロールモジュール114に返す。
【0033】
コントロールモジュール114は、構造解析モジュール115からのコマンド部分に基づいて、コマンド解析モジュール116に対してコマンド実施要求を行う(ステップS213)。コマンド解析モジュール116は、受信したコマンドを解析して、そのコマンドに対応する転送元113−2を特定し、転送元113−2に対応する転送元管理モジュール117に対して初期化要求を行う(ステップS214)。
【0034】
転送元管理モジュール117は、コマンド解析モジュール116から初期化要求を受信すると、コンテクストを生成し(ステップS215)、転送元モジュール117aに対してコマンド実施要求を行う(ステップS216)。転送元モジュール117aは、コマンドを実行する(ステップS217)。
【0035】
コントロールモジュール114は、ヘッダ送出を開始する(ステップS217−2)。例えば、図6に示すSOAPレスポンス241のヘッダ部241aが送出される(ステップS217−4)。
【0036】
コントロールモジュール114は、送信するためのデータを全て保持することなく、送信用の記憶領域に対応したデータ量の単位で順にデータ読み出し要求を転送元管理モジュール117へ行う(ステップS218)。転送元管理モジュール117は、転送元モジュール117aに対してデータ読み出し要求を行う(ステップS219)。転送元モジュール117aは、データ読み出し要求に応じてデータ読み出し処理を行う(ステップS220)。
【0037】
コントロールモジュール114は、転送元モジュール117aによって読み出されたデータを送出開始し(ステップS220−2)、データがネットワーク2aへと送出される(ステップS220−4)。このように、ステップS218からS220−4を全データを読み出して送出するまで繰り返す。図6のSOAPレスポンス241のデータ部241bが、順次送出される。
【0038】
最後のデータの読み出し要求後、コントロールモジュール114は、転送元管理モジュール117に対してデータ読み出し完了要求を行う(ステップS221)。転送元管理モジュール117は、データ読み出し完了通知を転送元モジュール117aに対して行う(ステップS222)。転送元モジュール117aは、データ読み出し完了通知に応じて終了処理を行う(ステップS223)。
【0039】
コントロールモジュール114は、転送元モジュール117aによって読み出されたデータを送出開始し(ステップS223−2)、データがネットワーク2aへと送出される(ステップS223−4)。図6のSOAPレスポンス241のデータ部241bが、送出された全データとなる。
【0040】
一方、転送元管理モジュール117は、コントロールモジュール114に対してデータ読み出し完了通知を行い(ステップS224)、コンテクストを生成する(ステップS225)。コントロールモジュール114は、結果返却を行う(ステップS226)。結果返却には、転送結果が正常であることが示され、例えば、図6のSOAPレスポンスの転送結果部214cが送出される。
【0041】
図7は、内部要因によって送信エラーとなる場合のWebサービスI/Fに関するシーケンスフローを示す図である。図8は、内部要因によって送信エラーとなる場合のSOAPレスポンスの例を示す図である。図7中、図5の処理と同一な処理には同一ステップ番号を付してある。
【0042】
図7において、コントロールモジュール114にSOAPリクエストなどによってデータを要求するメッセージ(以下、単にデータ又は受信データという)が到着すると(ステップS211)、コントロールモジュール114は、構造解析モジュール115に対して構造解析要求を行う(ステップS212)。構造解析モジュール115は、受信データの最初に設定されているコマンド部分を切り出して、コントロールモジュール114に返す。
【0043】
コントロールモジュール114は、構造解析モジュール115からのコマンド部分に基づいて、コマンド解析モジュール116に対してコマンド実施要求を行う(ステップS213)。コマンド解析モジュール116は、受信したコマンドを解析して、そのコマンドに対応する転送元113−2を特定し、転送元113−2に対応する転送元管理モジュール117に対して初期化要求を行う(ステップS214)。
【0044】
転送元管理モジュール117は、コマンド解析モジュール116から初期化要求を受信すると、コンテクストを生成し(ステップS215)、転送元モジュール117aに対してコマンド実施要求を行う(ステップS216)。転送元モジュール117aは、コマンドを実行する(ステップS217)。
【0045】
コントロールモジュール114は、ヘッダ送出を開始する(ステップS217−2)。例えば、図8に示すSOAPレスポンス243のヘッダ部243aが送出される(ステップS217−4)。
【0046】
コントロールモジュール114は、送信するためのデータを全て保持することなく、送信用の記憶領域に対応したデータ量の単位で順にデータ読み出し要求を転送元管理モジュール117へ行う(ステップS218)。転送元管理モジュール117は、転送元モジュール117aに対してデータ読み出し要求を行う(ステップS219)。転送元モジュール117aは、データ読み出し要求に応じてデータ読み出し処理を行う(ステップS220)。
【0047】
コントロールモジュール114は、転送元モジュール117aによって読み出されたデータを送出開始し(ステップS220−2)、データがネットワーク2aへと送出される(ステップS220−4)。図8のSOAPレスポンス243のデータ部243bが、順次送出される。
【0048】
このように、ステップS218からS220−4を全データを読み出して送出するまで繰り返す際に、転送元モジュール117aにてデータ書き出し処理中に内部エラーが発生し、転送元管理モジュール117は、その内部エラーの検出後、データ読み出しに失敗したことをコントロールモジュール114に通知する(ステップS230)。
【0049】
コントロールモジュール114は、データ読み出しの失敗を示すフォルト送出を開始する(ステップS232)。図8の転送結果部243cにデータ読み出しの失敗を示すことが記述されたSOAPレスポンスが送信される。
【0050】
図9は、外部要因によって送信エラーとなる場合のWebサービスI/Fに関するシーケンスフローを示す図である。図9中、図5の処理と同一な処理には同一ステップ番号を付してある。
【0051】
図9において、コントロールモジュール114にSOAPリクエストなどによってデータを要求するメッセージ(以下、単にデータ又は受信データという)が到着すると(ステップS211)、コントロールモジュール114は、構造解析モジュール115に対して構造解析要求を行う(ステップS212)。構造解析モジュール115は、受信データの最初に設定されているコマンド部分を切り出して、コントロールモジュール114に返す。
【0052】
コントロールモジュール114は、構造解析モジュール115からのコマンド部分に基づいて、コマンド解析モジュール116に対してコマンド実施要求を行う(ステップS213)。コマンド解析モジュール116は、受信したコマンドを解析して、そのコマンドに対応する転送元113−2を特定し、転送元113−2に対応する転送元管理モジュール117に対して初期化要求を行う(ステップS214)。
【0053】
転送元管理モジュール117は、コマンド解析モジュール116から初期化要求を受信すると、コンテクストを生成し(ステップS215)、転送元モジュール117aに対してコマンド実施要求を行う(ステップS216)。転送元モジュール117aは、コマンドを実行する(ステップS217)。
【0054】
コントロールモジュール114は、ヘッダ送出を開始する(ステップS217−2)。SOAPレスポンスのヘッダ部が送出される(ステップS217−4)。
【0055】
コントロールモジュール114は、送信するためのデータを全て保持することなく、送信用の記憶領域に対応したデータ量の単位で順にデータ読み出し要求を転送元管理モジュール117へ行う(ステップS218)。転送元管理モジュール117は、転送元モジュール117aに対してデータ読み出し要求を行う(ステップS219)。転送元モジュール117aは、データ読み出し要求に応じてデータ読み出し処理を行う(ステップS220)。
【0056】
コントロールモジュール114は、転送元モジュール117aによって読み出されたデータを送出開始し(ステップS220−2)、データがネットワーク2aへと送出される(ステップS220−4)。
【0057】
このように、ステップS218からS220−4を全データを読み出して送出するまで繰り返す際に、コントロールモジュール114は、データ送出中に転送エラーを検出すると(ステップS239)、データ読み出しキャンセル要求を転送管理モジュール117へ行う(ステップS240)。
【0058】
転送元管理モジュール117は、データ読み出しキャンセル要求に応じて、転送元モジュール117aに対してデータ読み出し完了要求を行う(ステップS241)。転送元モジュール117aは、データ読み出し完了要求に応じて、データ読み出しのキャンセル処理を行う(ステップS242)。
【0059】
上述したように、画像処理装置100のコントロールモジュール114は、データを送信する場合、データ送信後に転送結果を送出するため、データ送信の状態に適応した適切な転送結果をデータ送信要求元に通知することができる。また、装置内部のモジュールに対して、送信用の記憶領域に応じたデータ量の単位で複数回に分けてデータの読み出しを指示するため、送信すべきデータ量の大きさに影響されることなくデータ送信を行うことができる。
[第二実施例]
次に、WebサービスI/F113を音声交換装置に適応した第二実施例につい説明する。第二実施例において、WebサービスI/F213が第一実施例におけるWebサービスI/F113に相当する。
【0060】
図10は、本発明の第二実施例に係るネットワーク構成を示す図である。図10において、音声交換装置200は、例えば、ネットワーク2bを介してサーバ30とNAS(Network Attached Storage)40とに接続される。また、音声交換装置200は、PTSN(Public Telephone Switched Network)3bにも接続される。
【0061】
音声交換装置200は、サーバ30やNAS40から送信される比較的大量の音声データを受信した場合であっても、全音声データの受信を待つことなく装置内部のモジュールへ処理を指示する。
【0062】
図11は、本発明の第二実施例に係る音声交換装置のハードウェア構成を示す図である。図11において、音声交換装置200は、コンピュータによって制御される装置であって、CPU201と、メモリユニット202と、G3モデム203と、変換圧縮装置205と、通信ユニット206と、記憶装置207とで構成され、システムバスB2に接続される。
【0063】
CPU201は、メモリユニット202に格納されたプログラムに従って音声交換装置200全体を制御する。メモリユニット202には、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)等にて構成され、CPU201にて実行されるプログラム、CPU201での処理に必要なデータ、CPU201での処理にて得られたデータ等を格納する。また、メモリユニット202の一部の領域が、CPU201での処理に利用されるワークエリアとして割り付けられている。
【0064】
アナログの音声データはG3モデム203で受信され、変換圧縮装置205でディジタルの音声データに変換され圧縮される。ディジタルの音声データは、通信ユニット206によってネットワーク2bを介して他装置から受信又は他装置へと送信される。ディジタル音声データは、必要に応じて記憶装置207に格納される。
【0065】
図12は、本発明の第二実施例に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。図12において、音声交換装置200は、OS(Operating System)上に、ユーザーインタフェース層210と、アプリケーション層220と、デバイス制御層230とを構成する。
【0066】
ユーザーインタフェース層210は、WebブラウザのためのWebI/F212と、SOAP(Simple Object Access Protocol)のためのWebサービスI/F213とを有する。
【0067】
アプリケーション層220は、公衆回線を介して外部装置との間で音声データを送受信するためのPTSN送受信アプリケーション221と、ネットワーク2cを介して音声データを配信するための音声配信アプリケーション223と、音声データを蓄積するためのリポジトリアプリケーション225と、音声交換装置200への設定を行うためのシステム設計アプリケーション226とを有する。
【0068】
デバイス制御層230は、記憶装置207に蓄積された音声データを管理するファイル管理部231と、G3モデム203を制御して音声データを送受信するG3ポート制御部232と、変換圧縮装置205を制御して音声データを変換し圧縮する変換圧縮装置制御部233と、ネットワーク2bを介して他機器との通信を制御するネットワーク通信制御部235とを有する。
【0069】
図13は、音声データ送信に関するソフトウェア構成例を示す図である。図13において、WebサービスI/F213は、本発明に係るデータ送信の仕組みによって、リポジトリアプリケーション225と、PTSN送受信アプリケーション221と、音声配信アプリケーション224との夫々から所定データ量の単位で順に転送可能である。
【0070】
リポジトリアプリケーション225は、ファイル管理部231に、蓄積されている音声データを送信するために読み出す要求をし、WebサービスI/F213へと引き渡す。ファイル管理部231は、リポジトリアプリケーション225からの要求に応じて、記憶装置207に蓄積しているデータを読み出す。
【0071】
PTSN送受信アプリケーション221は、G3ポート制御部323に、公衆回線を介して着信した音声を引き取る要求をし、WebサービスI/F213へと引き渡す。G3ポート制御部323は、G3モデム203を制御して、着信した音声をPTSN送受信アプリケーション221に引き渡す。
【0072】
音声配信アプリケーション224は、ネットワーク通信制御部235に、ネットワーク2bを介して受信して記憶装置207に蓄積された音声データを引き取る要求を行う。ネットワーク通信制御部235は、通信ユニット206を制御してネットワーク2bを介して受信して記憶装置207に蓄積された音声データを音声配信アプリケーション224に引き渡す。
[第三実施例]
次に、WebサービスI/F113を映像装置に適応した第三実施例につい説明する。第三実施例において、WebサービスI/F313が第一実施例におけるWebサービスI/F113に相当する。
【0073】
図14は、本発明の第三実施例に係るネットワーク構成を示す図である。図14において、映像装置300は、例えば、ネットワーク2cを介してストリームサーバ33とNAS(Network Attached Storage)43とに接続される。また、映像装置300は、PTSN(Public Telephone Switched Network)3cにも接続される。
【0074】
映像装置300は、ストリームサーバ33やNAS43から送信される比較的大量の映像データを受信した場合であっても、全映像データの受信を待つことなく装置内部のモジュールへ処理を指示する。
【0075】
図15は、本発明の第三実施例に係る映像装置のハードウェア構成を示す図である。図15において、映像装置300は、コンピュータによって制御される装置であって、CPU301と、メモリユニット302と、G3モデム303と、変換圧縮装置305と、表示パネル(ビデオアクセラレータ)306と、通信ユニット307と、記憶装置308とで構成され、システムバスB3に接続される。
【0076】
CPU301は、メモリユニット302に格納されたプログラムに従って映像装置300全体を制御する。メモリユニット302には、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)等にて構成され、CPU301にて実行されるプログラム、CPU301での処理に必要なデータ、CPU301での処理にて得られたデータ等を格納する。また、メモリユニット302の一部の領域が、CPU301での処理に利用されるワークエリアとして割り付けられている。
【0077】
アナログの映像データはG3モデム303で受信され、変換圧縮装置305でディジタルの映像データに変換され圧縮される。ディジタルの映像データは、通信ユニット307によってネットワーク2cを介して他装置から受信又は他装置へと送信される。ディジタル映像データは、必要に応じて記憶装置308に格納される。
【0078】
図16は、本発明の第三実施例に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。図16において、映像装置300は、OS(Operating System)上に、ユーザーインタフェース層310と、アプリケーション層320と、デバイス制御層330とを構成する。
【0079】
ユーザーインタフェース層310は、WebブラウザのためのWebI/F312と、SOAP(Simple Object Access Protocol)のためのWebサービスI/F313と、表示パネルI/F314とを有する。
【0080】
アプリケーション層320は、公衆回線を介して外部装置との間で映像データを送受信するためのPTSN送受信アプリケーション321と、ネットワーク2cを介して映像データを配信するための映像配信アプリケーション223と、映像を再生するための再生アプリケーション324と、映像データを蓄積するための蓄積アプリケーション325と、映像装置300への設定を行うためのシステム設計アプリケーション326とを有する。
【0081】
デバイス制御層330は、記憶装置308に蓄積された映像データを管理するファイル管理部331と、G3モデム303を制御して映像データを送受信するG3ポート制御部332と、変換圧縮装置305を制御して映像データを変換し圧縮する変換圧縮装置制御部333と、表示パネル(ビデオアクセラレータ)306を制御するビデオデバイス制御部334と、ネットワーク2cを介して他機器との通信を制御するネットワーク通信制御部335とを有する。
【0082】
図17は、映像データ送信に関するソフトウェア構成例を示す図である。図17において、WebサービスI/F313は、本発明に係るデータ送信の仕組みによって、映像配信アプリケーション323と、再生アプリケーション324との夫々に対して、到着順にデータを部分的に転送可能である。
【0083】
蓄積アプリケーション325は、ファイル管理部331に、記憶装置308に蓄積された映像データを引き取る要求をする。ファイル管理部331は、記憶装置308に蓄積された映像データを蓄積アプリケーション325へと引き渡す。
【0084】
映像配信アプリケーション323は、ネットワーク通信制御部335に、ネットワーク2cを介して受信した映像データを引き取る要求をしたり、外部装置から取得した映像データを引き取る要求を行う。ネットワーク通信制御部335は、通信ユニット307を制御してネットワーク2cを介して受信して記憶装置308に蓄積された映像データを映像配信アプリケーション323へと引き渡す。
【0085】
上述したように、本発明によれば、全データの送信後にデータの転送結果を送信するため、データ送信処理の過程で内部エラーが発生したとしても、送信元の外部装置では、可能な限りデータを受信しておくことができる。
【0086】
本発明は、データを送信する機能を備えた装置全般に適応可能である。また、データを送信するための手順としてSOAPに限定されるものではない。
【0087】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第一実施例に係るネットワーク構成を示す図である。
【図2】本発明の第一実施例に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図3】本発明の第一実施例に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図4】WebサービスI/Fの内部構成を示す図である。
【図5】データ送信が正常な場合のWebサービスI/Fに関するシーケンスフローを示す図である。
【図6】データ送信が正常な場合のSOAPレスポンスの例を示す図である。
【図7】内部要因によって送信エラーとなる場合のWebサービスI/Fに関するシーケンスフローを示す図である。
【図8】内部要因によって送信エラーとなる場合のSOAPレスポンスの例を示す図である。
【図9】外部要因によって送信エラーとなる場合のWebサービスI/Fに関するシーケンスフローを示す図である。
【図10】本発明の第二実施例に係るネットワーク構成を示す図である。
【図11】本発明の第二実施例に係る音声交換装置のハードウェア構成を示す図である。
【図12】本発明の第二実施例に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図13】音声データ送信に関するソフトウェア構成例を示す図である。
【図14】本発明の第三実施例に係るネットワーク構成を示す図である。
【図15】本発明の第三実施例に係る映像装置のハードウェア構成を示す図である。
【図16】本発明の第三実施例に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図17】映像データ送信に関するソフトウェア構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
2a ネットワーク
10 クライアント
20 画像処理装置
60 コントローラ
61 CPU
62 システムメモリ
63 NB
65 AGP
67 ローカルメモリ
68 HDD
70 外部インタフェース
73 PCIバス
80 オペレーションパネル
81 FAX
82 プロッタ
83 スキャナ
89 PCIバス
100 画像処理装置
110 ユーザーインタフェース層
111 オペレーションパネルI/F
112 WebI/F
113 WebサービスI/F
113 WebサービスI/F
113−2 転送元
114 コントロールモジュール
115 構造解析モジュール
116 コマンド解析モジュール
117、118、119 転送元管理モジュール
117a、118a、119a 転送元モジュール
120 アプリケーション層
121 FAXアプリケーション
122 プリンタアプリケーション
123 スキャナアプリケーション
124 文書配信アプリケーション
125 リポジトリアプリケーション
126 システム設定アプリケーション
130 デバイス制御層
131 ファイル管理部
132 FAX装置制御部
133 画像エンジン制御部
134 スキャナ装置制御部
135 ネットワーク通信制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを送信する情報処理装置であって、
データを送信するための所定データ処理を実行する複数の内部処理手段と、
前記データを含むメッセージをWebを介して送信する際に、前記複数の内部処理手段から該データに対して所定データ処理を実行する1つの内部処理手段を該データの転送元として特定し、該転送元から内部的に転送される該データのWebへの送信を完了後に転送結果を続けて送信するWebデータ送信手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記Webデータ送信手段は、
前記データの取得を要求するメッセージの先頭部分から前記所定データ処理に関するコマンドを取得する構造解析手段と、
前記コマンドを解析して前記所定データ処理を行う前記転送元としての内部処理手段を特定して、該内部処理手段に初期化要求を行うコマンド解析手段と、
前記構造解析手段と、前記コマンド解析手段とを制御し、前記転送元としての内部処理手段から前記データを転送させる制御手段とを有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記Webデータ送信手段は、
前記コマンド実施要求と、データ読み出し要求と、データ読み出し完了通知とを前記転送元の内部処理手段に対して行うように管理する転送元管理手段を更に有し、
前記転送元管理手段は、前記コマンド解析手段からの初期化要求に応じて、前記転送元の内部処理手段に対して前記コマンド実施要求を行って、該転送元の内部処理手段を前記処理データ処理の実行可能な状態とすることを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記転送元管理手段は、前記転送元の内部処理手段に対して前記データ読み出し要求を行って、前記データを1回以上の内部転送によって前記転送先の内部処理手段から前記制御手段へと転送することを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記転送元管理手段は、前記転送先の内部処理手段による前記所定データ処理において内部エラーが発生したことを検出すると、前記制御手段へデータ読み出し失敗通知を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記転送元管理手段からの前記データ読み出し失敗通知に応じて、前記データの転送が失敗したことを示す転送失敗結果を送出することを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記転送元管理手段は、前記転送先の内部処理手段による前記所定データ処理が正常に終了した場合、前記制御手段へデータ読み出し完了通知を行うことを請求項2乃至6のいずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記転送元管理手段からのデータ読み出し完了通知に応じて、前記データの転送が正常であることを示す転送正常結果を送出することを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記データは、画像データ、音声データ又は映像データであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータにデータを送信させるデータ送信方法であって、該コンピュータに、
データを送信するための所定データ処理を実行する複数の内部処理手順と、
前記データを含むメッセージをWebを介して送信する際に、前記複数の内部処理手順から該データに対して所定データ処理を実行する1つの内部処理手順を該データの転送元として特定し、該転送元から内部的に転送される該データのWebへの送信を完了後に転送結果を続けて送信するWebデータ送信手段とを実行させることを特徴とするデータ送信方法。
【請求項11】
前記Webデータ送信手順は、
前記データの取得を要求するメッセージの先頭部分から前記所定データ処理に関するコマンドを取得する構造解析手順と、
前記コマンドを解析して前記所定データ処理を行う前記転送元としての内部処理手順を特定して、該内部処理手順に初期化要求を行うコマンド解析手順と、
前記構造解析手順と、前記コマンド解析手順とを制御し、前記転送元としての内部処理手順から前記データを転送させる制御手順とを有することを特徴とする請求項10記載のデータ送信方法。
【請求項12】
前記Webデータ送信手順は、
前記コマンド実施要求と、データ読み出し要求と、データ読み出し完了通知とを前記転送元の内部処理手順に対して行うように管理する転送元管理手順を更に有し、
前記転送元管理手順は、前記コマンド解析手順からの初期化要求に応じて、前記転送元の内部処理手順に対して前記コマンド実施要求を行って、該転送元の内部処理手順を前記処理データ処理の実行可能な状態とすることを特徴とする請求項11記載のデータ送信方法。
【請求項13】
前記転送元管理手順は、前記転送先の内部処理手順による前記所定データ処理において内部エラーが発生したことを検出すると、前記制御手順へデータ読み出し失敗通知を行うことを特徴とする請求項12記載のデータ送信方法。
【請求項14】
前記制御手順は、前記転送元管理手順からの前記データ読み出し失敗通知に応じて、前記データの転送が失敗したことを示す転送失敗結果を送出することを特徴とする請求項13記載のデータ送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−257056(P2007−257056A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77234(P2006−77234)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】