説明

手押式台車

【課題】重い被搬送物を1人の力により確実に搬送でき、比較的少ない部品数、低コストにより製造可能な手押式台車を提供する。
【解決手段】荷台2の底面3に取り付けた複数の車輪4,5と、該底面3で且つ車輪4,5が取り付けられていない位置に設けた初動アシスト手段10とを含み、該初動アシスト手段10は、荷台2の底面3に水平方向に沿って回転自在に取り付けられた回転軸11に対して外周部の中心が偏心する偏心車輪14を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的重量の大きな被搬送物(荷物)であっても、少ない人力によって容易且つ確実に搬送できる手押式台車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、工場内で重量のある被搬送物を移動する際で且つ天井クレーンやフォークリフトが使用できない場合は、作業者が手で押す手押式台車によって被搬送物を搬送している。ところで、作業者は、上記台車の搬送開始時に大きな力を必要とするため、これを解決すべく、車輪に補助動力を与えるアシスト用駆動手段を用いた電動アシスト台車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記電動アシスト台車では、電力が供給できない工場と工場との間などの屋外を含む搬送経路には、使用できない問題があった。
【0003】
そこで、台車本体に揺動自在に取り付けた揺動部材と、地面に接するアシスト位置と地面から離れた退避位置との間を移動する補助輪と、上記揺動部材に回転自在に取り付けられ、且つ踏み操作により該揺動部材を揺動させて補助輪をアシスト位置に移動させ、更なる踏み操作により回転して補助輪に台車走行の駆動力を伝達する伝達機構(スプロケットおよびチェーン)を作動する足踏みペダルと、を備えた電力を使わない手押台車が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、上記手押台車では、上記補助輪を台車本体に揺動自在に取り付ける揺動部材を含む機構、スプロケットおよびチェーンからなる駆動力の伝達機構、および足踏みペダルの機構などの多くの部品数と複雑な構造が必要となり、所要のスペースを要し、台車全体の構造も複雑となり、コスト高になる、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−176195号公報(第1〜12頁、図1〜4)
【特許文献2】特開2009−196437号公報(第1〜12頁、図1〜10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、電力を使わず、重い被搬送物を1人の力により確実に搬送でき、比較的簡素な構造で済み且つスペースも要さず、低コストにより製造可能な手押式台車を提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、荷台の下方に水平方向に沿って設けた回転軸に、例えば、外周部の中心が偏心した偏心車輪を取り付け、該偏心車輪によって荷台用の車輪の一部を床面から持ち上げ、該持ち上げ状態から上記偏心車輪を本台車の前進方向に沿う正回転方向に回転する際に、作業者による押し出す力をアシストする、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の手押式台車(請求項1)は、平面視が四角形で且つ被搬送物を載置する荷台と、該荷台の底面に取り付けた複数の車輪と、記荷台の底面で且つ上記車輪が取り付けられていない位置に設けた初動アシスト手段とを含み、該初動アシスト手段は、荷台の底面に水平方向に沿って回転自在に取り付けられた回転軸に対して外周部の中心が偏心する偏心車輪と、該偏心車輪の回転軸に取り付けた爪歯車を包囲しつつ該爪歯車を回転自在に支持し、該爪歯車の爪歯を押して当該爪歯車および偏心車輪を正回転させる爪片を下端部に内蔵するラチェット体と、を備えている、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明には、前記ラチェット体は、その下端部に内蔵する前記爪歯車の中心部に非円形断面の貫通孔を有する単独のラチェットレンチであり、前記回転軸の一端に突設された非円形断面の凸部を上記貫通孔に挿入し、且つ該貫通孔から前記凸部を抜き出せるように着脱自在とされている、手押式台車(請求項2)も含まれる。
【発明の効果】
【0008】
前記請求項1の手押式台車によれば、片手で前記ラチェット体を往復運動し、爪片の往復運動ごとに該爪片の先端が当接する爪歯を有する爪歯車を正回転させて、前記回転軸を介して上記爪歯車と共に偏心車輪を、台車がその前進方向に移動できる正回転方向に回転させられる。これにより、偏心車輪のみが床面に当接し、これに隣接する後輪などの車輪を床面から浮き上がった状態とし、引き続き、上記ラチェット体を往復運動すると、上記偏心車輪は、床面付近に長い半径が位置し且つ最上部付近に短い半径が位置する不安定な状態から、床面付近に短い半径が位置し且つ最上部付近に長い半径が位置する安定な状態になろうとするように、重い被搬送物を含む荷台が落下するよう下降することに伴って正回転しようとする。その際、荷台に立設されているハンドルを別の片手で前方へ押し出すことにより、被搬送物の大きな重量により当初の位置に留まろうとする垂直方向に沿った慣性力を低減し、且つ前進する水平方向に沿った加速度を伴う推進力を生じさせることができる。しかも、電力を使わずに、比較的少ない部品数からなる簡素な構造で済み、且つスペースも要さず、低コストにより製造可能となる。従って、例えば、数100kg〜約1トン程度の重量の被搬送物を、1人の作業者だけで且つ少ない労力により容易且つ安全に搬送することが可能となる。
【0009】
前記請求項2の手押式台車によれば、前記ラチェット体が下端部に非円形断面の貫通孔を有する爪歯車を正回転のみ自在にして内蔵する単独のラチェットレンチであるため、本手押式台車を使用せず、所定の場所に保管する際に、上記ラチェットレンチを台車側の回転軸の凸部から抜き出すことにより、狭いスペースでもコンパクトに保管でき、且つ作業環境の安全も図られる。
尚、上記凸部の非円形断面には、正方形、正五角形、正六角形、正八角形、、これらと同様な変形多角形あるいは、長方形、長円形、+字形などが含まれる。
【0010】
尚、平面視が角形の前記荷台は、平面視で正方形または長方形で且つ各コーナーにアールを付けたものや、これら類似する形状のものである。該荷台は、平坦な表面のほか、被搬送物に応じた支持形状の架台を付設したものでも良い。
また、前記複数の車輪には、荷台の底面における四隅付近に取り付ける4輪タイプや、荷台の底面における同じ辺の両端する一対の隅部とこれらの反対側の辺の中央部との3箇所に取り付けた3輪タイプのほか、更には6輪以上を併有する形態も含まれる。
更に、前記偏心車輪は、例えば、一対の後輪間において、係る後輪と同じ向き(姿勢)で回転軸に取り付けられ、係る回転軸の回転に応じて、当該偏心車輪のみが床面に当接し且つ上記後輪を床面から浮き上がらせる状態と、上記後輪のみが床面に接触し、且つ偏心車輪の最低部が床面よりも上方に位置する状態と、を交互に生じさせることができる。
また、前記偏心車輪の外周部は、ホイールの外周に巻き付けたタイヤである。
更に、前記爪歯車は、ラチェット歯車(ratchet wheel)である。従って、係る爪歯車と前記爪片とは、該爪片の往復運動によって、爪歯車を断続的に回転させる爪車装置(ratchet gearing)を構成している。
加えて、前記正回転は、台車を前進方向に移動させるために、偏心車輪、回転軸、および荷台側の車輪を回転させる方向を指している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による一形態の手押式台車を斜め後方から示す斜視図。
【図2】上記台車の初動アシスト手段を示す部分垂直断面図。
【図3】図2中のX−X線の矢視に沿った部分垂直断面図。
【図4】上記台車における偏心車輪の初動時の挙動を示す概略図。
【図5】上記台車の初動時における一挙動の概略を示す側面図。
【図6】図4に続く上記台車における偏心車輪の初動時の挙動を示す概略図。
【図7】異なる形態の手押式台車の概略を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による一形態の手押式台車1を斜め後方で且つやや下方から示す斜視図、図2は、上記手押式台車1の初動アシスト手段を示す部分垂直断面図、図3は、図2中のX−X線の矢視に沿った部分垂直断面図である。
手押式台車1(請求項1,2)は、図1に示すように、平面視がほぼ長方形(四角形)で且つ図示しない被搬送物を載置する平坦な表面を有する荷台2と、該荷台2の底面3における前側2aの各コーナー付近に取り付けた左右一対の前輪4と、上記底面3の後側2bの各コーナー付近に取り付けた左右一対の後輪5と、該後輪5,5間に設けた初動アシスト手段10と、を含んでいる。
上記前輪4は、方向自在輪であり、後輪5は、方向固定輪である。また、荷台2の表面における後側2bには、左右一対の縦管7と、これらの上端間を接続する水平な持手管8とからなり、全体がほぼコ字形を呈するハンドル6が立設されている。
【0013】
図1,図2に示すように、初動アシスト手段10は、下部に軸受16を個別に有し、且つ荷台2の底面3に取り付けた左右一対の支持脚15a,15bと、上記軸受16,16に回転可能で且つ水平方向に沿って支持された回転軸11と、支持脚15a,15b間における該回転軸11に取り付けられた偏心車輪14と、上記回転軸11の一端(右端)に突設された凸部12と、係る凸部12を下端部22に内蔵した爪歯車24の中心部に明けた貫通孔25に回転不能に受け入れるラチェットレンチ(ラチェット体)20とから構成されている。
上記偏心車輪14は、円盤形のホイル14aとその外周に沿って巻き付けた合成ゴムからなる円形のタイヤ(外周部)14bとからなり、上記回転軸11は、タイヤ14bの中心から外側に外れた位置を貫通している。
尚、回転軸11の上記凸部12は、断面が正方形(非円形)である。また、図2中の符号13は、上記回転軸11の位置決めを果たすカラーを示す。
【0014】
また、ラチェットレンチ20は、図1〜図3に示すように、側面視がほぼく字形のアーム21と、その下端に設けた下端部22とからなり、該下端部22の内側に位置する中空部Sには、幅方向の両側に配置した左右一対のベアリング23を介して、回転可能に支持された爪歯車24が内蔵されている。該爪歯車24の中心部には、断面が正方形(非円形)で且つ前記凸部12の断面と相似形の貫通孔25が形成されている。
図3に示すように、上記爪歯車24は、外周に沿って図示で反時計方向に沿って外向きに長く傾斜した逃げ歯面26と、ほぼ半径方向に沿った短い爪歯27とを交互に複数個ずつ有している。また、中空部Sのうち、アーム21に近い上部には、下向きの凹部29が形成され、該凹部29を水平に貫通するピンpには、側面視が液滴形状の爪片28が上下方向に回転(揺動)自在に取り付けられている。
【0015】
前記爪片28は、ラチェットレンチ20のアーム21を図3中の実線の矢印で示すように、時計方向に沿って回転すると、爪歯車24の各爪歯27に先細形の先端部が当接することにより、該爪歯車24を図3で時計方向に回転させる。一方、アーム21を図3中の破線の矢印で示すように、反時計方向に沿って回転すると、爪片28は、爪歯車24の各逃げ歯面26の表面を滑って上下に揺動するため、該爪歯車24は、回転しない。
即ち、ラチェットレンチ20は、そのアーム21と共に爪片28を時計方向に沿って回転するたびに、爪歯車24を同じ時計方向に沿って回転させ、且つ逆の反時計方向に沿って回転した際には、爪歯車24を回転させないので、当該爪歯車24を時計方向のみに沿って間欠(断続)的に回転させる。
【0016】
従って、図3に示すように、爪歯車24の貫通孔25に前記回転軸11の凸部12が進入するように、ラチェットレンチ20を回転軸11の一端に取り付け、アーム21と共に爪片28を図3で時計方向に回転させると、爪歯車24を同じ時計方向に回転させ、且つ回転軸11を介して、図1,図2で示した偏心車輪14も同じ時計方向に回転させられる。この際、偏心車輪14は、回転軸11に対し、その外周部であるタイヤ14aが偏心しているため、回転しながら併せて長い半径部分が上下運動を行うこととなる。係る上下運動を活用したのが、本発明である。
尚、上記爪片28を図3で反時計方向に沿って回転させた場合には、爪歯車24が回転しないので、偏心車輪14も同じく回転しない。
【0017】
以下において、前記のような手押式台車1の作用について説明する。
予め、図1および図4の左側に示すように、偏心車輪14は、その長い半径部分が回転軸11の上方に位置し、且つ短い半径部分が回転軸11の下方に位置した状態(イ)とした。併せて、前記荷台2上には、重さが約800kgの被搬送物(図示せず)を載置して固定した。
次いで、前述したように、回転軸11の凸部12を爪歯車24の貫通孔25に進入させて、ラチェットレンチ20を上記凸部12に支持させた。
次に、図3中の実線の矢印で示すように、片手で握ったアーム21と共に爪片28を図3で時計方向に沿って回転させると、爪歯車24が同じ時計方向に回転し、同時に回転軸11を介して、偏心車輪14も同じ時計方向に沿って回転した。
更に、図3中の破線の矢印で示すように、上記爪片28を反時計方向に沿って回転させると、爪歯車24が回転しないので、偏心車輪14も回転しなかった。上記のような爪片28が時計方向と反時計方向との回転を交互に行う往復運動を行うことで、偏心車輪14を間欠(断続)的に図1,3で時計方向に沿って回転させた。
【0018】
その結果、図4の中央部に示すように、偏心車輪14の前記回転に伴って、回転軸11と共に偏心車輪14は、時計回り方向に約45度回転した(ロ)。引き続いて、前記同様に、アーム21と共に爪片28を時計方向に回転させて、回転軸11を介して爪歯車24と共に偏心車輪14を、時計方向に更に約45度回転させた。
その結果、図4の右側および図5に示すように、偏心車輪14は、その長い半径部分が回転軸11の下方に移行したので、荷台2の後側2bでは、当該偏心車輪14のタイヤ14aの最低部分は、一対の後輪5の最低部分よりも低い位置となり、該後輪5が床面FRから高さh分だけ浮き上がり、偏心車輪14のみが床面FRに当接する不安定な状態(ハ)となった。
この間において、本手押式台車1は、水平方向には移動していなかった。尚、図5中の一点鎖線部分Yは、同図中のラチェットレンチ20の下端部22付近の部分拡大側面図である。
【0019】
更に、前記後輪5が浮き上がり、偏心車輪14のみが床面FRに当接した状態で、且つ前記アーム21の往復運動を行いつつ、図5中の白抜きの矢印Pで示すように、別の片手でハンドル6を本手押台車1の前進方向に沿って押し出した。
これに伴って、偏心車輪14は、図5および図6の左側に示すように、床面FR付近に長い半径が位置し且つ最上部付近に短い半径が位置する前記不安定な状態(ハ)から、床面FR付近に短い半径が移行し且つ最上部付近に長い半径が位置する安定な状態に近付こうとした。その結果、偏心車輪14は、荷台2が落下するように下降することに伴って、本手押台車1を前進させるように正回転(時計方向)した。そのため、図6の中央部に示すように、偏心車輪14は、更に約45度回転した状態(ニ)を経て、同図の右側に示すように、約90回転した結果、床面FR付近に短い半径が移行し且つ最上部付近に長い半径が位置する安定な状態(ホ)、即ち、荷台2の後側2bでは、偏心車輪14が床面FRから浮き上がり、一対の後輪5のみが床面FRに接触した。
【0020】
前記偏心車輪14が、図5と図6の左側(ハ)から図6の右側(ホ)の状態に移る際に、ハンドル6を別の片手で押し出しつつ、被搬送物の大きな重量により当初の位置に留まろうとする垂直方向に沿った慣性力を低減すると共に、前進する水平方向に沿った加速度を伴う推進力を生じさせることができた。
その結果、以上のような手押式台車1によれば、電力を使わずに、比較的少ない部品数による簡素な構造で済み、前記初動アシスト手段10のスペースも要さず、低コストで製造可能となる。従って、例えば、数100kg〜約1トン程度の重量の被搬送物を、1人の作業者だけで且つ少ない労力により容易且つ安全に搬送することが可能となった。
【0021】
図7は、前記と異なる形態の手押式台車1aの概略を示す側面図である。
図7に示すように、手押式台車1a(請求項1)も、前記同様の荷台2,車輪4,5、ハンドル6、回転軸11、偏心車輪14、および凸部12を備えている。
この手押式台車1aが前記手押式台車1と相違するのは、図7中の一点鎖線部分Zの部分拡大側面図で示すように、回転軸11の一端における前記凸部12と爪歯車24側の前記貫通孔25とがなく、該回転軸11の一端は、爪歯車24の中心部に直に接続されており、該爪歯車24を有する下端部22とその上方に延びたアーム21を有するラチェット体20aは、回転軸11と一体化されている。
以上のような手押式台車1aによっても、前記手押式台車1と同様な作用が果たせ、且つ効果を奏することが可能である。
【0022】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記荷台の平面視における角形には、長方形あるいは正方形で且つ中央部に同様な形の貫通孔を有する四角枠形状や、外形がほぼ長方形またはほぼ正方形で且つ外形の一辺から中央部に進入する切り欠きを有する凹形状も含まれる。
また、前記初動アシスト手段10において、回転軸11の凸部12は、荷台2の幅方向で左右対称の位置に設けても良く、これに応じて、前記ラチェットレンチ20やラチェット体20aの位置も変更される。
更に、前記初動アシスト手段10は、荷台2の後側2bだけでなく、荷台2の前側2aにも併設しても良く、この場合には、回転軸11の凸部12に着脱可能な前記ラチェットレンチ20を用いる形態が推奨される。
加えて、前記偏心車輪には、側面視が楕円形あるいは長円形を呈し、それらの長軸の中間位置よりも何れかの円弧部分へ寄った位置に回転軸11が貫通するなどして位置している車輪も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の手押式台車によれば、比較的重量の大きな被搬送物を、例えば、1人の作業者だけで且つ少ない労力により容易且つ安全に搬送することが可能となる。
【符号の説明】
【0024】
1,1a……手押式台車
2……………荷台
3……………底面
4,5………車輪
10…………初動アシスト手段
11…………回転軸
12…………凸部
14…………偏心車輪、
14a………タイヤ(外周部)
20…………ラチェットレンチ(ラチェット体)、
20a………ラチェット体
22…………下端部
24…………爪歯車
25…………貫通孔
27…………爪歯
28…………爪片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視が四角形で且つ被搬送物を載置する荷台と、
上記荷台の底面に取り付けた複数の車輪と、
上記荷台の底面で且つ上記車輪が取り付けられていない位置に設けた初動アシスト手段とを含み、
上記初動アシスト手段は、荷台の底面に水平方向に沿って回転自在に取り付けられた回転軸に対して外周部の中心が偏心する偏心車輪と、
上記偏心車輪の回転軸に取り付けた爪歯車を包囲しつつ該爪歯車を回転自在に支持し、該爪歯車の爪歯を押して該爪歯車および偏心車輪を正回転させる爪片を下端部に内蔵するラチェット体と、を備えている、
ことを特徴とする手押式台車。
【請求項2】
前記ラチェット体は、その下端部に内蔵する前記爪歯車の中心部に非円形断面の貫通孔を有する単独のラチェットレンチであり、前記回転軸の一端に突設された非円形断面の凸部を上記貫通孔に挿入し、且つ該貫通孔から前記凸部を抜き出せるように着脱自在とされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の手押式台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−96692(P2012−96692A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246923(P2010−246923)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【出願人】(000003713)大同特殊鋼株式会社 (916)
【出願人】(510292537)株式会社タナカ (1)
【Fターム(参考)】