説明

手摺装置

【課題】構造が簡単で且つ使用上における操作性及び利便性に優れた手摺装置を提供する。
【解決手段】取付基台3と、取付基台3に対して略水平方向又は略鉛直方向の回転軸心回りに回転可能に連結された回転支持部2と、回転支持部2にその一端1aが連結された手摺本体1を備えた手摺装置において、手摺本体1内に配置された操作ロッド48の嵌合部49を回転支持部2をその径方向に貫通して前方へ突出可能とするとともに、取付基台3と回転支持部2の間に、複数のロック孔52A〜52Cが設けられたロック受材5を配置し、操作ロッド48の嵌合部49を上記ロック受材5の各ロック孔52A〜52Cに択一的に嵌入させることで手摺本体1をその回動位置で固定する。係る構成によれば、回転支持部2の構造が簡略化され、手摺装置の低コスト化が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、トイレ等の壁面に設置される可動式の手摺装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、可動式の手摺装置に関しては種々の提案がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)
【0003】
特許文献1及び特許文献2に示されるものは、共に、水平方向に回動軸心をもち、該回動軸心回りに上下方向へ回動可能に構成された手摺である。また、特許文献3に示されるものは、鉛直方向に回動軸心をもち、該回動軸心回りに左右方向へ回動可能に構成された手摺である。
【0004】
このような可動式の手摺は、例えば、これをトイレの壁面に設置した状態において、便器の便座に着座又は離座する使用者の挙動をサポートする機能と、該挙動の妨げになるのを回避する機能という本来相反する二つの要求を満たすべく創作されたものであり、挙動のサポート機能と挙動抑止の回避機能が常に確保されることが重要である。係る観点から、これらの可動式の手摺においては、回動方向に多段階の固定保持位置をもち、使用者の挙動に応じてその固定保持位置を選択することで、手摺が壁面から手前側へ延出する姿勢(使用時姿勢)と、手摺が上方あるいは側方へ回動されて壁面側に保持される姿勢(退避姿勢)を採り得るように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−353364号公報
【特許文献2】特開2003−328601号公報
【特許文献3】特開平11−117484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1及び特許文献2に示される手摺においては、手摺と一体的に回転する回転軸の内部に、壁面に固定されたブラケットに対して非回動に取付けられたプレート体を配置し、手摺側に設けたストッパの先端を、上記プレート体に設けた複数の嵌合溝に選択的に嵌合させて手摺の回動を多段階に固定保持する構成であることから、上記回転軸の内部に配置されたプレート体の配置構造、及び該プレート体を上記回転軸に対して相対回動可能としたまま上記ブラケットに対して非回動に固定するための構造が、共に複雑となり、さらに、このようなプレート体の配置に起因する構造の複雑化に伴って、固定力の伝達系も複雑化し、これらの結果、コストアップを招来するという問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に示される手摺では、ロック機構が手摺の外部に露出状態で配置されることから、見映えが悪く、手摺としての商品価値が損なわれるという問題がある。
【0008】
そこで本願発明は、構造が簡単で且つ使用上における操作性及び利便性に優れた手摺装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0010】
本願の第1の発明では、壁面Wに固定配置された取付基台3と、円筒状の本体部21aを備え上記取付基台3に対して略水平方向又は略鉛直方向の回転軸心回りに回転可能に連結された回転支持部2と、上記回転支持部2にその一端1aが連結され該回転支持部2と一体的に回動される手摺本体1を備えた手摺装置において、上記手摺本体1内に該回転支持部2の軸方向へ移動可能に配置された操作ロッド48であって、その一端に設けた嵌合部49が上記回転支持部2の本体部21aをその径方向に貫通して前方へ突出可能とされるとともに、その他端には上記手摺本体1の軸方向へ操作される操作ノブ41が連結され、該操作ノブ41の操作によって進退移動される操作ロッド48と、上記取付基台3と上記回転支持部2の間に介在するようにして上記取付基台3に取付けられるロック受材5であって、上記回転支持部2の本体部21aに対向する前面51には上記操作ロッド48の上記嵌合部49が嵌入し得る複数のロック孔52A〜52Cが上記回転支持部2の回転方向へ所定間隔で設けられたロック受材5を備え、上記操作ロッド48の上記嵌合部49が上記ロック受材5の各ロック孔52A〜52Cに択一的に嵌入することで上記手摺本体1をその回動位置で固定するように構成したことを特徴としている。
【0011】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る手摺装置において、上記ロック受材5の上記前面51に、上記各ロック孔52A〜52Cの少なくとも何れか一つに重合して該前面51上に開口し且つ該前面51の幅方向へ延びる嵌挿溝53A〜53Cを設けるとともに、該嵌挿溝53A〜53Cにはその溝方向から嵌挿体54を挿脱可能とし、該嵌挿体54の嵌挿状態においては上記ロック孔52A〜52Cが閉塞されるように構成したことを特徴としている。
【0012】
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係る手摺装置において、上記ロック受材5の上記前面51に、上記各ロック孔52A〜52Cの少なくとも何れか一つに重合して該前面51上に開口する嵌挿穴57A〜57Cを設けるとともに、該嵌挿穴57A〜57Cには上記前面51側から嵌挿体58を挿脱可能とし、該嵌挿体58の嵌挿状態においては上記ロック孔52A〜52Cが閉塞されるように構成したことを特徴としている。
【0013】
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係る手摺装置において、上記操作ノブ41を、上記手摺本体1をその径方向の両側から挟持するよう配置される一対のノブ片41A、41Bで構成するとともに、該各ノブ片41A、41Bの少なくとも何れか一方には凹溝状の掛止部43を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本願発明では次のような効果が得られる。
【0015】
(a)本願の第1の発明に係る手摺装置によれば、上記操作ロッド48の上記嵌合部49を、上記回転支持部2の本体部21aをその径方向に貫通して前方へ突出可能とし、該嵌合部49を上記取付基台3側に配置した上記ロック受材5のロック孔52A〜52Cに択一的に嵌入させることで上記手摺本体1をその回動位置で固定するように構成しているので、上記回転支持部2の本体部21a内に、ブラケットに対して非回動に固定された嵌合プレートを配置する(特許文献1参照)とか、ブラケットに対して非回動に固定されたシャフトを配置する(特許文献2参照)必要がなく、上記回転支持部2の構造が簡略化され、それだけ低コスト化が図れるとともに、ロック力の伝達系が簡略化され上記手摺本体1を所定回動位置で固定した場合において高い信頼性が確保されるものである。
【0016】
(b)本願の第2の発明に係る手摺装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記ロック受材5の上記前面51に、上記各ロック孔52A〜52Cの少なくとも何れか一つに重合して該前面51上に開口し且つ該前面51の幅方向へ延びる嵌挿溝53A〜53Cを設けるとともに、該嵌挿溝53A〜53Cにはその溝方向から嵌挿体54が挿脱可能とし、該嵌挿体54の嵌挿状態においては上記各ロック孔52A〜52Cが閉塞されるように構成しているので、上記嵌挿体54を何れの嵌挿溝53A〜53Cにも嵌挿していない状態では上記手摺本体1側の上記操作ロッド48の嵌合部49が上記各ロック孔52A〜52Cの何れにも択一的に嵌合して上記手摺本体1を多段階の回動位置で固定できる一方、上記嵌挿体54を上記嵌挿溝53A〜53Cの何れかに嵌挿した状態では該嵌挿体54が嵌挿された嵌挿溝53A〜53Cに対応するロック孔52A〜52Cは閉塞され上記嵌合部49の嵌合が阻止される。
【0017】
従って、手摺使用者の日常的な使用態様、即ち、好みの回動位置に応じて、予め上記嵌挿体54を所要の嵌挿溝53A〜53Cに嵌挿しておくことで、上記手摺本体1の回動操作時には、該嵌挿体54が嵌挿された嵌挿溝53A〜53Cに対応するロック孔52A〜52Cにおいて該ロック孔52A〜52Cに上記操作ロッド48の嵌合部49が嵌合して上記手摺本体1の回動が不必要な位置で固定され、再度この嵌合状態を解除して上記手摺本体1をさらに回動操作するというような不必要な操作を省くことができ、上記手摺本体1の操作上における高い操作性及び利便性が確保され、特に手摺使用者が手操作機能の低下した高齢者とか身体障害者等の身体的弱者である場合にその効果は極めて顕著なものとなる。
【0018】
また、上記嵌挿溝53A〜53Cへの上記嵌挿体54の挿脱操作が、例えば、上記回転支持部2を上記取付基台3から取り外したりすることなく、上記ロック受材5の側方から容易に行える構成であることから、上記嵌挿体54の挿脱操作性が良好であり、手摺使用者の好み(手摺本体1の回動位置の選択)の変更に対して容易且つ迅速にこれに対処することができ、実用上極めて有用である。
【0019】
(c)本願の第3の発明に係る手摺装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記ロック受材5の上記前面51に、上記各ロック孔52A〜52Cの少なくとも何れか一つに重合して該前面51上に開口する嵌挿穴57A〜57Cを設けるとともに、該嵌挿穴57A〜57Cには上記前面51側から嵌挿体58を挿脱可能とし、該嵌挿体58の嵌挿状態においては上記ロック孔52A〜52Cが閉塞されるように構成しているので、上記嵌挿体58を何れの嵌挿穴57A〜57Cにも嵌挿していない状態では上記手摺本体1側の上記操作ロッド48の嵌合部49が上記各ロック孔52A〜52Cの何れにも択一的に嵌合して上記手摺本体1を多段階の回動位置で固定できる一方、上記嵌挿体58を上記嵌挿穴57A〜57Cの何れかに嵌挿した状態では該嵌挿体58が嵌挿された嵌挿穴57A〜57Cに対応するロック孔52A〜52Cは閉塞され上記嵌合部49の嵌合が阻止される。
【0020】
従って、手摺使用者の日常的な使用態様、即ち、好みの回動位置に応じて、予め上記嵌挿体58を所要の嵌挿穴57A〜57Cに嵌挿しておくことで、上記手摺本体1の回動操作時には、該嵌挿体58が嵌挿された嵌挿穴57A〜57Cに対応するロック孔52A〜52Cにおいて該ロック孔52A〜52Cに上記操作ロッド48の嵌合部49が嵌合して上記手摺本体1の回動が不必要な位置で固定され、再度この嵌合状態を解除して上記手摺本体1をさらに回動操作するというような不必要な操作を省くことができ、上記手摺本体1の操作上における高い操作性及び利便性が確保され、特に手摺使用者が手操作機能の低下した高齢者とか身体障害者等の身体的弱者である場合にその効果は極めて顕著なものとなる。
【0021】
(c)本願の第4の発明に係る手摺装置によれば、上記(a)、(b)又は(c)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記操作ノブ41を、上記手摺本体1をその径方向の両側から挟持するよう配置される一対のノブ片41A、41Bで構成しているので、例えば、上記操作ノブ41を上記手摺本体1の内部から側方へ延出状態で配置する構成の場合に比して、その装着作業が容易であり、作業コストの低減による低コスト化が期待できる。
【0022】
また、上記操作ノブ41をコストアップする一対のノブ片41A、41Bの少なくとも何れか一方には凹溝状の掛止部43を設けているので、例えば、手摺使用者が、操作ノブ41を把持して操作することが困難な身体的弱者であっても、手あるいは腕の一部を上記掛止部43に掛止させて上記操作ノブ41を操作することが容易であり、この点において身体的弱者に配慮した使用性に優れた手摺装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本願発明の実施の形態に係る手摺装置の分解斜視図である。
【図2】本願発明の実施の形態に係る手摺装置の設置状態を示す側面図である。
【図3】図2に示した手摺装置の断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】図3のV矢視部分の拡大図である。
【図6】図4のVI矢視部分の拡大図である。
【図7】図5に示したロック受材の斜視図である。
【図8】図4のVIII矢視部分の拡大図である。
【図9】図8のIX−IX矢視図である。
【図10】図8のX−X断面図である。
【図11】ロック受材の他の構造例を示す斜視図で、図7に対応するものである。
【図12】図11に示すロック受材を備えた手摺装置の要部断面図で、図5に対応するものである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願発明に係る手摺装置を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0025】
A:手摺装置Zの構成
図1には本願発明の実施形態に係る手摺装置Zの構成部材を分解して示しており、また図2〜図4には、上記手摺装置Zの設置状態を示している。この手摺装置Zは、図2に示すように、例えば、トイレの壁面Wに設置されて、該壁面Wから手前側へ延設させて(実線図示状態)トイレ使用者の挙動をサポートするとともに、必要に応じて該壁面W側へ退避させて(鎖線図示する符号Z1,Z2の状態)トイレ使用者の挙動を阻害するのを回避し得るようにしたものであって、以下に説明する手摺本体1と回転支持部2と取付基台3と操作部4及びロック受材5を備えて構成される。
【0026】
「手摺本体1」
上記手摺本体1は、図1〜図4に示すように、所定径の鋼管を略U字状に屈曲させて、その一方の側部1dと他方の側部1eを所定間隔で略平行としたものであって、上記一方の側部1d側の長さは、上記他方の側部1e側の長さよりも所定寸法だけ短く設定されている。また、上記手摺本体1の上記一方の側部1dと上記他方の側部1eの間は、継材11によって連結され、これによって略U字状の形体が保持されている。さらに、上記一方の側部1d側の端部1aには後述の回転支持部2が連結される一方、上記他方の側部1e側の端部1bには当接材7が取付けられる。
【0027】
なお、上記手摺本体1は、その強度確保の観点から全体がステンレス管等の鋼管で形成されるが、その表面全体を鋼管面とする必要はなく、必要に応じて鋼管面を樹脂層で被覆して滑り止め効果を発揮させ、あるいは美観性を高めるようにし得ることは勿論である。また、上記手摺本体1の形体は、この実施形態のように略U字状に屈曲させた形体に限定されるものではなく、例えば、上記他方の側部1e側の長さを上記一方の側部1dの長さよりも短くした略J字状に屈曲させた形体とか、上記一方の側部1dのみを備えた直棒状形体とするなど、手摺の使用態様に応じて適宜変更設定できるものである。
【0028】
「回転支持部2」
上記回転支持部2は、図1、図3〜図6に示すように、所定径の直筒体で構成される本体部21aと該本体部21aの軸方向中間位置において該本体部21aに直交する方向に向けて延出するように固定された直筒状の突設部21bからなる略T字状の形体を有するケース体21を備えている。そして、上記ケース体21の上記本体部21a内には、環状形体をもつ一対のバネ固定材23が、該本体部21aの上記突設部21bとの接続部分を挟んでその軸方向両側に位置するようにしてそれぞれ嵌挿固定される。
【0029】
また、これら一対のバネ固定材23、23のうち、一方側のバネ固定材23の外側には第1バネ24とブッシュ26及び調整部27が嵌挿され、他方側のバネ固定材23の外側には第2バネ25とブッシュ26及び調整部27が嵌挿される。
【0030】
尚、図6に示すように、上記第1バネ24の一端は上記バネ固定材23に、他端は上記調整部27に、それぞれ掛止されている。また、上記第2バネ25の一端は上記バネ固定材23に、他端は上記調整部27に、それぞれ掛止されている。そして、上記第1バネ24及び第2バネ25は、上記突設部21bに上記手摺本体1を連結した状態において、該手摺本体1の上方への回動時と下方への回動時のそれぞれにおいて上記回転支持部2に適宜の回動付勢力をかけて該手摺本体1の回動速度を調整するためのものであって、これら第1バネ24と第2バネ25はその巻き方向が反対方向に設定されている。また、これら第1バネ24と第2バネ25の相対的なバネ力を調整するのが上記各調整部27、27であって、該各調整部27、27の回動量に応じて上記第1バネ24及び上記第2バネ25のバネ力が増減調整される。
【0031】
また、上記各ブッシュ26は、上記本体部21aの端部に嵌合され、その内側には上記調整部27が、その鍔部を上記本体部21aに端面に掛止させた状態で嵌合される。
【0032】
そして、上記本体部21aは、次述する取付基台3の左右一対の延設部3b、3bの内側に上記各調整部27,27を対向させた状態で配置されるとともに、該各延設部3b、3bの外側からそれぞれ取付ビス28を上記調整部27に捩じ込むことで、上記回転支持部2が上記取付基台3側に取付けられる。この本体部21aの上記取付基台3側への取付状態においては、上記各調整部27と上記各ブッシュ26との相対摺動によって、上記回転支持部2は、上記取付基台3に対して上記各取付ビス28の軸心回りに回転し得ることになる。
【0033】
一方、上記回転支持部2の本体部21aの周壁で、且つ上記突設部21bの軸心位置に対応する同軸上位置には、それぞれ通孔22,22が設けられている。尚、この各通孔22、22には、後述する操作ロッド48が貫通状態で挿通され、それぞれの先端の嵌合部49が上記突設部21bと反対側の壁部に設けた通孔22から外方へ突出可能とされおり、上記操作ロッド48が軸方向へ移動操作されることによって、上記嵌合部49は上記通孔22から外方(前方)へ突出し、又は該通孔22側に後退するようになっている。
【0034】
「取付基台3」
上記取付基台3は、平板状の衝合部3aと、該衝合部3aの左右両側から該衝合部3aに直交するように立ち上がる左右一対の延設部3b、3bを備えて構成され、該衝合部3aを上記壁面Wに衝合させた状態で該壁面Wに固定配置される。そして、上記取付基台3の衝合部3aの上部には、跳ね上げられる上記手摺本体1を受けるための当接材6が設けられる一方、該衝合部3aの下部には、後述するロック受材5が取付けられる
【0035】
「操作部4」
上記操作部4は、図1、図3、図4及び図8〜図10に示されるように、左右一対の第1ノブ片41Aと第2ノブ片41Bからなる操作ノブ41を備える。この実施形態では、上記第1ノブ片41Aと第2ノブ片41Bを、同一形状に形成し、それぞれの共用を可能としているが、他の実施形態では、これら第1ノブ片41Aと第2ノブ片41Bの形状を異ならせることもできることは勿論である。以下においては、第1ノブ片41Aを例にとってその構造を説明する。
【0036】
上記第1ノブ片41Aは、樹脂材又は木材で一体形成された略矩形のブロック体であって、その一面には、長円形の断面形状をもつ隆起部44が設けられる一方、該隆起部44が設けられた面と反対側部分には、その外周面を略円弧断面の周溝で構成される掛止部43が設けられている。なお、上記隆起部44の高さ寸法は、上記手摺本体1の半径より僅かに小さい寸法に設定される。
【0037】
また、上記手摺本体1の上記一方の側部1dには、その両側面からそれぞれ凹入して開口する長凹陥部47が、該手摺本体1の軸心を挟んで対向状態で設けられている。この長凹陥部47の幅寸法(短軸方向の寸法)は、上記第1ノブ片41Aの上記隆起部44の幅寸法より僅かに大きな寸法に設定される。これに対して、上記長凹陥部47の長さ寸法(長軸方向の寸法)は、上記第1ノブ片41Aの上記隆起部44の長さ寸法より所定寸法だけ大きい寸法に設定されている。なお、この所定寸法は、上記操作ロッド48の嵌合部49の突出量に対応する寸法とされる。
【0038】
このように構成された上記第1ノブ片41Aと第2ノブ片41Bは、その隆起部44側から上記手摺本体1の各長凹陥部47にそれぞれ嵌挿配置される。そして、これら各ノブ片41A、41Bの上記各長凹陥部47への嵌挿状態においては、上記第1ノブ片41Aの隆起部44の先端面と上記第2ノブ片41Bの隆起部44の先端面が近接対向している。また、この第1ノブ片41Aの隆起部44の先端面と上記第2ノブ片41Bの隆起部44の先端面の近接対向部分には、上記操作ロッド48の他端部48bが挿通されており、上記第1ノブ片41Aと第2ノブ片41Bの外面側からそれぞれ挿通される固定ボルト45,45が、該操作ロッド48の他端部48b部分を貫通して、それぞれ他方のノブ片側に捩じ込まれることで、上記第1ノブ片41Aと上記第2ノブ片41Bが一体的に連結固定されて上記操作ノブ41とされるとともに、この操作ノブ41が上記操作ロッド48の他端部48bに連結されることになる。
【0039】
従って、上記操作ノブ41は、上記手摺本体1側の上記長凹陥部47内において該長凹陥部47の長軸方向へ上記隆起部44が相対移動することで、上記手摺本体1に対してその軸方向(図2〜図6、及び図8の矢印A−B方向)へ移動されることになる。尚、この操作ロッド48の移動をガイドするために、図4〜図6に示すように、上記手摺本体1の一端1a寄りには円板状のバネ受50が取付けられており、該バネ受50の軸心を貫通して上記操作ロッド48が配置される。また、このバネ受50と上記回転支持部2の本体部21aの外周面との間には、バネ46が嵌装されており、上記操作ノブ41が操作されていない自由状態では、該操作ノブ41とこれに連結された上記操作ロッド48は、上記バネ46のバネ力によって、常時上記操作ロッド48が上記回転支持部2側へ移動する方向(即ち、上記操作ロッド48の先端の上記嵌合部49が上記取付基台3側へ移動する方向であって、図8の矢印B方向)へ付勢されている。
【0040】
なお、この実施形態では、上記第1ノブ片41Aと第2ノブ片41Bを、上記手摺本体1の一方の側部1dに対してその両側方(略水平方向両側)から取付けているが、本願発明は係る構成に限定されるものではなく、他の実施形態においては、例えば、上記第1ノブ片41Aと第2ノブ片41Bを、上記手摺本体1の一方の側部1dに対して上下方向両側から取付けるとか、斜め方向両側から取付けるなど、必要に応じてその取付位置及び取付方向等を変更設定し得るものである。
【0041】
「ロック受材5」
上記ロック受材5は、図5及び図7に示すように、上記取付基台3への固定部となる矩形厚板状の固定部5aと、該固定部5aから手前側へ略三角形の断面形状をもって隆起する延設部5bからなるブロック体であって、金属材あるいは樹脂材によって一体形成される。そして、上記ロック受材5の前面51(即ち、上記延設部5bの前面)は、上記回転支持部2の本体部21aの曲率に略合致する略90度の形成範囲をもつ弧状面とされる。この前面51上には、その曲率中心Q(図5参照)を通って上記固定部5aに垂直な位置と該位置から下方へ45°、及び90°の位置のそれぞれにロック孔52A〜52Cが設けられている。これら各ロック孔52A〜52Cは、ここに上記操作ロッド48の嵌合部49が嵌合することで、上記手摺本体1の回動をロックして該手摺本体1をその位置で固定保持するものであって、その径寸法は上記嵌合部49の嵌合を許容し得るように設定されている。
【0042】
また、上記ロック受材5の上記前面51上で且つ該前面51の幅方向において上記各ロック孔52A〜52Cにそれぞれ対応する部分には、凸状の断面形状をもつ嵌挿溝53A〜53Cが、その一方の側面5cから他方の側面5dに亘って形成されており、しかもこれら各嵌挿溝53A〜53Cは上記各ロック孔52A〜52Cに対応する部分では該各ロック孔52A〜52Cと重合している。
【0043】
そして、上記各嵌挿溝53A〜53Cには、凸形の断面形状をもつ短冊状の嵌挿体54が、該各嵌挿溝53A〜53Cの一端側から他端側に向けて嵌挿可能とされており、該嵌挿体54を上記各嵌挿溝53A〜53Cに嵌挿した状態では、該嵌挿体54によって上記各ロック孔52A〜52Cが閉塞されるようになっている。即ち、該各ロック孔52A〜52Cに対して上記操作ロッド48の嵌合部49が嵌合するのが(換言すれば、上記手摺本体1の回動がロックされるのが)阻止される。
【0044】
なお、図5及び図7に示すように、上記ロック受材5の上記前面51に上記各嵌挿溝53A〜53Cが設けられる他に、該ロック受材5の上面と下面にも、上記各嵌挿溝53A〜53Cと同様な構成の保管用溝55が設けられている。上記各嵌挿溝53A〜53Cに上記嵌挿体54を嵌挿しない場合に、該嵌挿体54を上記各保管用溝55に嵌挿することで、これを保管してその紛失を未然に防止することができる。
【0045】
以上のように構成された上記ロック受材5は、図3〜図6に示すように、その固定部5aを上記取付基台3の上記衝合部3aに衝合させた状態で、取付ビス31によって上記固定される。そして、このロック受材5の上記取付基台3への取付状態においては、図5に示すように、上記ロック受材5の前面51が上記回転支持部2の本体部21aの外周面の略90°の範囲に亘って近接対向しており、上記回転支持部2の回動、即ち、上記手摺本体1の回動に伴って、上記操作ロッド48の嵌合部49が上記ロック受材5の上記各ロック孔52A〜52Cに対して択一的に重合するようになっている。
【0046】
B:手摺装置Zの作動
ここで、上記手摺装置Zの作動等について、図3〜図6を参照して説明する。
図3は、上記手摺本体1の使用時姿勢を示している。この使用時姿勢では、上記手摺本体1は、上記壁面Wに固定された上記取付基台3から手前側へ向けて延出されており、上記手摺本体1の他端1bは、ここに設けた上記当接材7が上記取付基台3の衝合部3aに当接している。従って、上記手摺本体1は、その一端1a側が上記回転支持部2に支持され、上記他端1bが上記取付基台3の衝合部3aに支持されて、これら両端1a、1bの支持作用によって、その姿勢が維持されている。
【0047】
さらに、上記手摺本体1の一方の側部1d内に配置された上記操作ロッド48は、上記バネ46のバネ力によって上記取付基台3側へ付勢されており、該操作ロッド48の先端に設けられた上記嵌合部49は上記回転支持部2の本体部21aから前方へ突出して、上記ロック受材5の第1ロック孔52Aに嵌合している。この嵌合部49と上記第1ロック孔52Aの嵌合によって、上記手摺本体1はその上下方向への回動が規制され、上記使用時姿勢のまま固定保持される。
【0048】
これらの相乗作用によって、上記手摺本体1の使用者は、該手摺本体1の適所を把持することで、その移動等の挙動が確実にサポートされ、移動時の安全性が確保されることになる。
【0049】
一方、上記手摺本体1が使用時姿勢に設定された場合、却って該手摺本体1によって使用者の挙動の自由度が阻害されるということもあり得る。例えば、使用者が便座側に移動してここに着座し、あるいは便座から離座してここから離れるような場合であるが、係る場合、使用者は、上記手摺本体1に設けられた上記操作部4を把持して、あるいは手とか腕で押して、上記操作部4を上記取付基台3から離間する方向(即ち、手摺本体1の中間部1c側)へ移動させれば良い。すると、上記操作部4の操作に伴って、該操作部4に連結された上記操作ロッド48が矢印A方向へ移動し、その先端に設けられた上記嵌合部49が上記ロック受材5の第1ロック孔52Aから離脱する。その結果、上記嵌合部49が上記第1ロック孔52Aに嵌合することによって実現されていた上記手摺本体1の固定保持作用(ロック作用)が解除され、上記手摺本体1はこれを上方へ自由に回動させることができ、該手摺本体1によって使用者の挙動の自由度が阻害されることが回避されることになる。
【0050】
このような上記手摺本体1の回動操作時に、上記操作部4に対する操作が継続されていれば、上記操作ロッド48の嵌合部49が上記ロック受材5の上から二番目の第2ロック孔52Bに対応してもここに嵌合することは無く、そのまま上記嵌合部49が三番目の第3ロック孔52Cに対応するまで(即ち、上記手摺本体1が上記取付基台3側の上記当接材6に当接するまで)回動される。従って、ここで上記操作部4に対する操作力を解除すれば、上記操作ロッド48が矢印B方向へ復帰移動し、上記嵌合部49が上記第3ロック孔52Cに嵌合し、その姿勢が保持される(図2に鎖線図示する符号Z1の状態)。この回動位置では、上記手摺本体1は上記壁面Wに対して略平行な姿勢とされる(この回動位置における姿勢が、「格納姿勢」である)。
【0051】
これに対して、上記操作部4を操作して上記操作ロッド48の嵌合部49を上記ロック受材5の一番目の第1ロック孔52Aから離脱させ、上記手摺本体1の上方への回動操作を開始した後、上記嵌合部49が上記ロック受材5の二番目の第2ロック孔52Bに対応する位置に達する前に、上記操作部4に対する操作を解除すると、上記操作ロッド48は上記バネ46のバネ力によって上記ロック受材5の前面51に摺接しながら移動し、上記嵌合部49が上記第2ロック孔52Bに対応した時点で、上記嵌合部49が上記第2ロック孔52Bに嵌合し、上記手摺本体1は図2に鎖線図示する符号Z2の位置で固定保持される(このときの姿勢が「中間姿勢」である)。
【0052】
一方、手摺使用者の要求として、上記手摺本体1の三つの姿勢のうち、「使用時姿勢」と「格納姿勢」の二つの姿勢のみを選択できれば良く、「中間姿勢」を選択することはない、というような場合も有り得るが、係る場合には、上記ロック受材5の第2嵌挿溝53Bに上記嵌挿体54を嵌挿して該第2嵌挿溝53Bに対応する第2ロック孔52Bを閉塞しておけば良い。このように上記第2ロック孔52Bを上記嵌挿体54によって閉塞しておけば、手摺本体1を「使用時姿勢」と「格納姿勢」の間で回動操作する場合、上記手摺本体1側の上記操作ロッド48の嵌合部49が上記ロック受材5の第2嵌挿溝53Bに対応する位置(即ち、「中間姿勢」に対応する位置)に達しても該嵌合部49が第2嵌挿溝53Bに対応する第2ロック孔52Bに嵌合することはなく、上記手摺本体1が「中間姿勢」に設定されるのが回避される。即ち、手摺本体1の「使用時姿勢」から「格納姿勢」へ姿勢変更時に、不必要な「中間姿勢」への姿勢設定によって上記手摺本体1の回動動作が一旦停止されるということがなく、「使用時姿勢」から「格納姿勢」への動作が連続的に行われ、良好な操作性が確保されることになる。
【0053】
また、上記手摺本体1の姿勢を「使用時姿勢」と「中間姿勢」の間で設定すれば良く、「格納姿勢」には設定する必要は無いという場合には、上記ロック受材5の第3嵌挿溝53Cに上記嵌挿体54を嵌挿して該第3嵌挿溝53Cに対応する第3ロック孔52Cを閉塞しておけば良いことは言うまでも無い。さらに、上記ロック受材5の第1嵌挿溝53Aに上記嵌挿体54を嵌挿して該第1嵌挿溝53Aに対応する第1ロック孔52Aを閉塞することは、上記手摺本体1の「使用時姿勢」での姿勢保持を行わないということであり、その必要性は無いとも言えるが、例えば、手摺装置Zの設置作業時とか、保守点検時にはその必要性が認められるものである。
【0054】
このように、上記使用者は、上記手摺本体1に設けられた上記操作部4を操作してロック状態を解除し、該手摺本体1を回動操作することで、該手摺本体1の姿勢を、「使用時姿勢」と「中間姿勢」と「格納姿勢」の間で任意に変更設定することができるものであり、手摺姿勢に対する手摺使用者の好みに容易且つ的確に応え得るものである。
【0055】
C:上記ロック受材5の他の実施形態
ここで、上記ロック受材5の他の実施形態を、図11及び図12に基づいて説明する。
【0056】
図11に示したロック受材5は、図7に示した先の実施形態におけるロック受材5とその基本構造を同じにするものであって、上記取付基台3への固定部となる矩形厚板状の固定部5aと、該固定部5aから手前側へ略三角形の断面形状をもって隆起する延設部5bからなるブロック体であって、金属材あるいは樹脂材によって一体形成される点、及び上記ロック受材5の前面51は上記回転支持部2の本体部21aの曲率に略合致する略90度の形成範囲をもつ弧状面とされ、且つこの前面51上には、その曲率中心Q(図12参照)を通って上記固定部5aに垂直な位置と該位置から下方へ45°、及び90°の位置のそれぞれにロック孔52A〜52Cが設けられている点も同様である。
【0057】
しかし、先の実施形態のロック受材5においては、上記各ロック孔52A〜52Cを選択的に無効とするために、該各ロック孔52A〜52Cに対応させて上記嵌挿溝53A〜53Cを設け、該嵌挿溝53A〜53Cに対して短冊状の上記嵌挿体54を選択的に嵌挿するようにしていたのに対して、他の実施形態においては、図11に示すように、上記各ロック孔52A〜52Cの上記前面51への開口端部分に、該各ロック孔52A〜52Cの径寸法より大きい径寸法をもつ円形の嵌挿穴57A〜57Cを設けるとともに、該各嵌挿穴57A〜57C対して、円形キャップ状の嵌挿体58A〜58Cを選択的に嵌挿するようにしている。
【0058】
また、上記ロック受材5の上記固定部5aの裏面側に所要の保管用凹部56を形成し、上記嵌挿体58を使用しないときには、この使用しない嵌挿体58を上記保管用凹部56内に収容して保管する(図12参照)ようにしている。
【0059】
図12には、上記ロック受材5を装着した手摺装置Zの要部を示している。この手摺装置Zにおいても、先の実施形態における手摺装置Zと同様の作用効果が得られることは勿論である。しかし、他の実施形態のロック受材5では、上述のように上記ロック受材5の上記嵌挿穴57A〜57Cを円形とし、且つ該嵌挿穴57A〜57Cに対して上記前面51側から上記嵌挿体58A〜58Cを選択的に嵌挿するようにしたことから、この嵌挿体58A〜58Cの嵌挿、あるいは取り外しに際しては、先の実施形態とは異なる操作が必要となる。
【0060】
即ち、上記ロック受材5の上記嵌挿穴57A〜57Cへの上記嵌挿体58A〜58Cの嵌挿、あるいは取り外しに際しては、先ず、上記ロック受材5を上記取付基台3に固定している取付ビス31を取り外し、該ロック受材5を下方へ移動させ、該ロック受材5を上記回転支持部2と上記取付基台3の間から下方へ抜き出す。このようにして抜き出された単体状態の上記ロック受材の上記各嵌挿穴57A〜57Cに対して上記嵌挿体58A〜58Cの嵌挿、あるいは取り外しを行うとともに、使用しない嵌挿体が生じた場合はこれを上記保管用凹部56内に収納する。
【0061】
しかる後、上記ロック受材5を上記回転支持部2の下方側から該回転支持部2と上記取付基台3との間に差し込んで位置決めし、さらに上記取付ビス31によって上記ロック受材5を上記取付基台3に固定する。
【0062】
このように、他の実施形態に係る上記ロック受材5では、上記嵌挿穴75A〜57Cへの上記嵌挿体58A〜58Cの嵌挿、あるいは取り外しに際して、該ロック受材5の着脱作業が必要であるが、係る作業が要求されるのは、例えば、手摺装置Zの最初の設置時とかメンテナンス時等に限られるので、実質的なデメリットとはならない。逆に上記ロック受材5における上記嵌挿穴57A〜57Cの形成及び上記嵌挿体58A〜58Cの製作が、先の実施形態における上記嵌挿溝53A〜53Cの形成及び短冊状の上記嵌挿体54A〜54Cの製作に比して容易である、というメリットがあり、このメリットと上記デメリットを相殺すれば、先の実施形態における構成と、他の実施形態における構成の何れを選択しても大差は無く、ともに良好な操作性をもつ手摺装置Zを得ることができるものである。
【0063】
D:その他
上記実施形態は、上記回転支持部2を、その回転軸心が略水平方向となるように設置し、上記手摺本体1を上記回転支持部2と一体的に上下方向へ回動させる構成を例にとって説明したが、本願発明は係る構成に限定されるものではなく、例えば、他の実施形態においては、例えば、上記回転支持部2を、その回転軸心が略鉛直方向となるように設置し、上記手摺本体1を上記回転支持部2と一体的に水平方向へ回動させる構成とすることもできる。なお、係る構成とする場合には、上記手摺本体1の回動の重力の影響が及ばないため、上記回転支持部2における上記各バネ24、25のように、重力の影響を考慮する必要はない。
【符号の説明】
【0064】
1 ・・手摺本体
2 ・・回転支持部
3 ・・取付基台
4 ・・操作部
5 ・・ロック受材
6 ・・当接材
7 ・・当接材
11 ・・継材
21 ・・ケース体
22 ・・通孔
23 ・・バネ固定材
24 ・・第1バネ
25 ・・第2バネ
26 ・・ブッシュ
27 ・・調整部
28 ・・取付ビス
31 ・・取付ビス
32 ・・固定ビス
41 ・・操作ノブ
42 ・・嵌合面
43 ・・掛止部
44 ・・隆起部
45 ・・固定ボルト
46 ・・バネ
47 ・・長凹陥部
48 ・・操作ロッド
49 ・・嵌合部
50 ・・バネ受
51 ・・前面
52 ・・ロック孔
53 ・・嵌挿溝
54 ・・嵌挿体
55 ・・保管用溝
56 ・・保管用凹部
57 ・・嵌挿穴
58 ・・嵌挿体
61 ・・キャップ
W ・・壁面
Z ・・手摺装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面(W)に固定配置された取付基台(3)と、円筒状の本体部(21a)を備え上記取付基台(3)に対して略水平方向又は略鉛直方向の回転軸心回りに回転可能に連結された回転支持部(2)と、上記回転支持部(2)にその一端(1a)が連結され該回転支持部(2)と一体的に回動される手摺本体(1)を備えた手摺装置であって、
上記手摺本体(1)内に該回転支持部(2)の軸方向へ移動可能に配置された操作ロッド(48)であって、その一端に設けた嵌合部(49)が上記回転支持部(2)の本体部(21a)をその径方向に貫通して前方へ突出可能とされるとともに、その他端には上記手摺本体(1)の軸方向へ操作される操作ノブ(41)が連結され、該操作ノブ(41)の操作によって進退移動される操作ロッド(48)と、
上記取付基台(3)と上記回転支持部(2)の間に介在するようにして上記取付基台(3)に取付けられるロック受材(5)であって、上記回転支持部(2)の本体部(21a)に対向する前面(51)には上記操作ロッド(48)の上記嵌合部(49)が嵌入し得る複数のロック孔(52A)〜(52C)が上記回転支持部(2)の回転方向へ所定間隔で設けられたロック受材(5)を備え、
上記操作ロッド(48)の上記嵌合部(49)が上記ロック受材(5)の各ロック孔(52A)〜(52C)に択一的に嵌入することで上記手摺本体(1)がその回動位置で固定されるように構成したことを特徴とする手摺装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記ロック受材(5)の上記前面(51)には、上記各ロック孔(52A)〜(52C)の少なくとも何れか一つに重合して該前面(51)上に開口し且つ該前面(51)の幅方向へ延びる嵌挿溝(53A)〜(53C)が設けられるとともに、該嵌挿溝(53A)〜(53C)にはその溝方向から嵌挿体(54)が挿脱可能とされ、該嵌挿体(54)の嵌挿状態においては上記ロック孔(52A)〜(52C)が閉塞されるように構成されたことを特徴とする手摺装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記ロック受材(5)の上記前面(51)には、上記各ロック孔(52A)〜(52C)の少なくとも何れか一つに重合して該前面(51)上に開口する嵌挿穴(57A)〜(57C)が設けられるとともに、該嵌挿穴(57A)〜(57C)には上記前面(51)側から嵌挿体(58)が挿脱可能とされ、該嵌挿体(58)の嵌挿状態においては上記ロック孔(52A)〜(52C)が閉塞されるように構成されたことを特徴とする手摺装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3において、
上記操作ノブ(41)は、上記手摺本体(1)をその径方向の両側から挟持するよう配置される一対のノブ片(41A)、(41B)で構成されるとともに、該各ノブ片(41A)、(41B)の少なくとも何れか一方には凹溝状の掛止部(43)が設けられていることを特徴とする手摺装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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