説明

打抜装置

【課題】高速送り時であっても帯状シートの送り誤差を極力生じさせることがなくスムーズなシート送りを可能とし且つ帯状シートの表面に異物を付着させたり帯状シートを破断させることもない打抜装置を提供する。
【解決手段】本打抜装置1は、帯状シートSの送り調節部3のダクト31内には、帯状シートSの入口側内壁付近と出口側内壁付近とのそれぞれに上下に配設する多数の案内ローラ35,36を設けてU字状の帯状シートSがダクト31に接触しないように構成する。また、本打抜装置1は、プレス機4内への帯状シートSの送り速度に合せて、巻径検知手段23で検知されるリール21の巻径よりモータ駆動源22の回転数を制御して帯状シートSを連続的に繰り出し、高さ検知手段37で検知される帯状シートSのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に保持されるように制御する繰り出し制御部8を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワインダーによりリールから繰り出す帯状シートを間欠搬送手段により間欠送りしてプレス機で帯状シートをプレス加工する打抜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の打抜装置として、図3に示すように、金型141を備えたプレス機104の出口側に上下一対の送りローラ(間欠搬送手段)105を設け、この送りローラ105により帯状シートSをプレス機104に間欠送りさせる。プレス機104の上流側には帯状シートSの送り調節部103が配設されている。この送り調節部103は、ワインダー102により断続的にリール121から繰り出される帯状シートSを架け渡す前後の固定ローラ133,134と、前後の固定ローラ133,134間に帯状シートSをU字状に垂らすように帯状シートS上に載せたダンサローラ131とを備える。そして、送りローラ105により帯状シートSが間欠送りされて行き、送り調節部103での帯状シートSのU字状の下端が所定高さまで上昇すると、ワインダー102より帯状シートSが一定量繰り出される。すると、ダンサローラ131の重量により帯状シートSのU字状の下端が所定高さまで下降する。ここで、帯状シートSのU字状の下端は、概ね300mm程度の落差で上下動する。このようにして、送り調節部103によってワインダー102による帯状シートSの断続的な繰り出しと送りローラ105による帯状シートSの間欠送りとを調節して、プレス機104に帯状シートSが円滑に送り込まれるようにしている。なお、プレス機104の下流側には、前後の固定ローラ163,164及びダンサローラ161を備えた送り調節部106、プレス加工されて製品となった帯状シートSの巻取りリール171を備えたリワインダー107が配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−192513号公報
【特許文献1】特開2005−88138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の打抜装置では、高速プレス加工を行うために帯状シートSを高速送りすると、送り調節部103で帯状シートSのU字状の下端が急上昇してダンサローラ131のはね上がりが起こり、シート送り量に誤差を生じさせる問題があった。例えば、シート送り停止時に、ダンサローラ131のはね上がりと帯状シートSのU字状下端の急上昇によって帯状シートSの移動の慣性が大きくなると共に送りローラ105の回転の慣性とも相まって帯状シートSの送り過ぎを生じさせたり、また、はね上がったダンサローラ131の着地により帯状シートSが引き戻されて送り不足を生じさせる。また、送りローラ105の圧接やダンサローラ131,161のはね上がりに伴う帯状シートSのばたつきにより帯状シートSの表面にホコリ等の異物を付着させたり、送りローラ105で急速にシート送りを始めると帯状シートSのU字状下端の急上昇と共にダンサローラ131の重さとも相まって帯状シートSに大きなテンションがかかり帯状シートSを破断させるおそれもあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高速送り時であっても、帯状シートの送り誤差を極力生じさせることがなくスムーズなシート送りを可能とし、且つ帯状シートの表面に異物を付着させたり帯状シートを破断させることもない打抜装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る打抜装置は、
ワインダーによりリールから繰り出す帯状シートを間欠搬送手段により間欠送りしてプレス機で帯状シートをプレス加工する打抜装置であって、
ワインダーとプレス機との間に配設する帯状シートの送り調節部は、箱筒型のダクトと、リールから繰り出す帯状シートをダクト上からダクト内にU字状に垂れ下がるように吸引するバキュームとを備え、
ダクト内には、帯状シートの入口側内壁付近と出口側内壁付近とのそれぞれに上下に配設する多数の案内ローラを設けてU字状の帯状シートがダクトに接触しないように構成し、
ダクトには、帯状シートのU字状の下端の高さを検知する高さ検知手段を備え、
ワインダーは、リールを連続回転させるモータ駆動源と、リールの巻径を検知する巻径検知手段とを備え、
プレス機内への帯状シートの送り速度に合せて、巻径検知手段で検知されるリールの巻径よりモータ駆動源の回転数を制御して帯状シートを連続的に繰り出し、高さ検知手段で検知される帯状シートのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に保持されるように制御する繰り出し制御部を備える。
【0007】
上記構成により、ダクト内にU字状に垂れ下がった帯状シートは、多数の案内ローラによってガイドされるので、帯状シートがバキュームの吸引によってばたついたりダクトに静電付着することもない。従って、帯状シートの表面への異物の付着を抑制することができる。
【0008】
また、繰り出し制御部によりダクト内における帯状シートのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に保持されるので、高速プレス加工を行っても帯状シートのU字状下端が急上昇するのを防止することができる。これにより、シート送り停止時に帯状シートの移動の慣性が大きくなるのを抑制することができる。しかも、帯状シートにテンションを掛けるダンサローラも存在しない。従って、高速プレス加工を行うために帯状シートを高速送りしても、シート送り量に誤差を生じさせることなくスムーズなシート送りを行うことができる。また、帯状シートに大きなテンションが掛かって帯状シートを破断させることもない。
【0009】
上記間欠搬送手段は、プレス機の入口側又は出口側にリニアモータ駆動の2台のクランプ機構付スライダーを前後に備え、
各スライダーは、帯状シートの幅方向の両端をクランプして帯状シートを間欠送りさせるように構成し、一方のスライダーが帯状シートをクランプして間欠送りしている間に、他方のスライダーは帯状シートのクランプを開放して原点位置まで復帰移動するように構成するのが望ましい。
【0010】
これにより、帯状シートの幅方向の両端をクランプして帯状シートを間欠送りさせるスライダーを用いても、プレス機での高速プレス加工に追従して帯状シートを高速送りすることができる。
また、従来例として上述した送りローラは、帯状シートの挟持部分の全部にロール面が接触されるが、上記クランプ機構は、帯状シートの挟持部分(帯状シートの幅方向の両端)の一部をクランプするだけなので、帯状シートとの接触面積が非常に少なく、それゆえに製品となる帯状シート表面への異物の付着を抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明に係る打抜装置によれば、帯状シートを高速送りしても、帯状シートの送り誤差を生じさせることがなくスムーズなシート送りを可能とし、且つ帯状シートの表面に異物を付着させたり帯状シートを破断させることもない。従って、生産性を大幅に向上することができ、且つ高品質な帯状シート製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態による打抜装置の構成を示す側面図である。
【図2】実施形態による打抜装置の構成を示す上面図である。
【図3】従来の打抜装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1、図2に示すように、実施形態による打抜装置1は、ワインダー2によりリール21から繰り出す帯状シートSを間欠搬送手段5により間欠送りしてプレス機4でプレス加工し、このプレス加工により製品となった帯状シートSをリワインダー7で巻き取るようにする装置である。また、ワインダー2とプレス機4との間には帯状シートSの送り調節部となるバキュームテンショナー3が配設されており、また、間欠搬送手段5とリワインダー7との間にも第2バキュームテンショナー6が配設されている。ここで、帯状シートSは、例えば、太陽電池の電極や電池のセパレータ等に使用される金属箔フィルム、液晶用パネル等に使用される樹脂フィルム等の薄膜(例えば、厚さ1mm以下)のものが挙げられる。
【0014】
間欠搬送手段5は、プレス機4の出口側に配設されて帯状シートSをプレス機4に間欠送りするものであり、リニアモータ駆動の2台のクランプ機構付スライダー51,52を前後に配設したものからなる。各スライダー51,52は、シート送り方向に沿って配置する2列のレール55上の前後に設置され、各スライダー51,52の両端のそれぞれにクランプ機構53,54が設けられている。各スライダー51,52には、電磁コイルを備え、また、2列のレール55間に永久磁石56が設置されており、これによって、スライダー51,52の電磁コイルに励磁電流を印加することでスライダー51,52がレール55上を走行するリニアモータ駆動となっている。スライダー51,52に設けるクランプ機構53,54は、帯状シートSの幅方向端部をクランプする爪部と、この爪部をクランプ作動及びクランプ開放作動させる駆動源とを備える。そして、各スライダー51,52は、帯状シートSの幅方向の両端をクランプ機構53,54によりクランプして帯状シートSを間欠送りさせるように構成し、一方のスライダー51(又は52)が帯状シートSをクランプして間欠送りしている間に、他方のスライダー52(又は51)は帯状シートSのクランプを開放して原点位置まで復帰移動するように構成する。すなわち、2台のスライダー51,52は、同一のレール55上で同期して対向移動する。
【0015】
このようにして、2台のクランプ機構付スライダー51,52を対向して移動させることにより、帯状シートSの幅方向の両端をクランプして帯状シートSを間欠送りさせるようにしても、プレス機4での高速プレス加工にも追従して帯状シートSを高速送りすることができる。また、従来例として上述した送りローラ105は、帯状シートSの挟持部分の全部にロール面が接触されるが、上記クランプ機構53,54は、帯状シートSの挟持部分(帯状シートSの幅方向の両端)の一部をクランプするだけなので、帯状シートSとの接触面積が非常に少なく、それゆえに製品となる帯状シートSの表面への異物の付着を抑制することができる。さらに、2台のクランプ機構付スライダー51,52を同期して対向移動させることにより、各スライダー51,52の移動に伴って生じる振動が相殺されるので、打抜装置1がスライダー51,52の移動方向に揺れることもない。
なお、この実施形態では、1台のスライダーの原点位置から前進限までの移動がプレス機4での1回のプレス加工に対応しているが、2台のスライダーの原点位置から前進限までの移動がプレス機4での1回のプレス加工に対応するようにしてもよい。
【0016】
バキュームテンショナー3は、箱筒型のダクト31と、ダクト31の下方に配設されてダクト31内の内部空気を下方へ吸引するバキューム32とを備える。ダクト31の上端には、ワインダー2寄り側である帯状シートSの入口側とプレス機4寄り側である帯状シートSの出口側とのそれぞれに固定ローラ33,34が設けられ、これら前後の固定ローラ33,34間にワインダー2から繰り出される帯状シートSがダクト31上に配置されるように架け渡されている。また、ダクト31内には、帯状シートSのシート幅に応じてハンドル39により接近・離反自在に調節可能な一対のガイド板38が配設されている。そして、ワインダー2から繰り出される帯状シートSを前後の固定ローラ33,34間に架け渡すと共に一対のガイド板38を帯状シートSのシート幅に合わせるように調節してバキューム32を駆動すると、帯状シートSがダクト31上からダクト31内にU字状に垂れ下がった状態に配置される。なお、ダクト31の下部付近には、複数のレーザ式センサ(高さ検知手段)37が上下に配設され、これらレーザ式センサ37により帯状シートSのU字状の下端の高さが検知されるようになっている。なお、上記高さ検知手段37としては、上記レーザ式センサ以外に、赤外線センサ等の各種のセンサを使用することもできる。
【0017】
また、ダクト31内には、帯状シートSの入口側内壁付近と出口側内壁付近とのそれぞれに上下に配設する多数の案内ローラ35,36が設けられ、U字状に垂れ下がった帯状シートSがダクト31内壁に接触しないようにしている。これにより、ダクト31内にU字状に垂れ下がった帯状シートSは、多数の案内ローラ35,36によってガイドされるので、帯状シートSがバキューム32の吸引によってばたついたりダクト31内壁に静電付着することもない。従って、帯状シートSの表面への異物の付着を抑制することができる。
【0018】
なお、第2バキュームテンショナー6も、上記バキュームテンショナー3と同様の構成を備えており、ダクト61、バキューム62、前後の固定ローラ63,64、多数の案内ローラ65,66、レーザ式センサ(高さ検知手段:上記高さ検知手段37と同様)67を有する。この第2バキュームテンショナー6では、プレス機4によりプレス加工された帯状シートSがバキューム62の駆動によりダクト61上からダクト61内にU字状に垂れ下がった状態に配置される。
【0019】
ワインダー2は、リール21を連続回転させるサーボモータ(モータ駆動源)22と、リール21の巻径を検知する超音波式センサ(巻径検知手段)23とを備える。なお、上記巻径検知手段23としては、上記超音波式センサ以外に、レーザ式センサ、赤外線センサ等の各種のセンサを使用することもできる。また、本打抜装置1は、ワインダー2におけるリール21からの帯状シートSの連続的な繰り出し速度を制御する繰り出し制御部8を備える。この繰り出し制御部8は、プレス機4内への帯状シートSの送り速度に合せて、超音波式センサ23で検知されるリール21の巻径よりサーボモータ22の回転数を制御して帯状シートSを連続的に繰り出し、バキュームテンショナー3でのレーザ式センサ37で検知される帯状シートSのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に保持されるように制御する。例えば、繰り出し制御部8は、ワインダー2からの帯状シートSの連続的な繰り出し速度が、間欠搬送手段5によりプレス機4内に帯状シートSを間欠送りする送り速度の平均値と一致するように、リール21の巻径に応じてリール21の回転数、すなわちサーボモータ22の回転数を制御する。さらには、バキュームテンショナー3でのレーザ式センサ37で検知される帯状シートSのU字状の下端の高さ変動が微小範囲を超えると、この帯状シートSのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に収まるようにサーボモータ22の回転数を補正する。ここで、上記微小範囲は、一例として、80mm以下の落差の範囲に設定される。
【0020】
このようにして、繰り出し制御部8によりダクト31内における帯状シートSのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に保持されるので、高速プレス加工を行うために帯状シートSを高速送りしてもバキュームテンショナー3での帯状シートSのU字状下端の急上昇が防止される。これにより、シート送り停止時に帯状シートSの移動の慣性が大きくなるのを抑制することができる。しかも、バキュームテンショナー3には、従来例のような帯状シートSにテンションを掛けるダンサローラ131も存在しない。従って、高速プレス加工を行うために帯状シートSを高速送りしても、シート送り量に誤差を生じさせることなくスムーズなシート送りを行うことができる。また、帯状シートSに大きなテンションが掛かって帯状シートSを破断させることもない。
【0021】
このように、実施形態による打抜装置1によれば、帯状シートSを高速送りしても、帯状シートSの送り誤差を生じさせることがなくスムーズなシート送りを行うことができる。しかも、帯状シートSの表面に異物を付着させたり帯状シートSを破断させることもない。従って、生産性を大幅に向上することができ、且つ高品質な帯状シートS製品を提供することができる。
【0022】
なお、リワインダー7も、上記ワインダー2と同様の構成を備えており、また、本打抜装置1には、帯状シートSを連続的に巻き取るリワインダー7でのリール71の巻き取り速度を制御する巻き取り制御部9を備える。この巻き取り制御部9は、プレス機4内への帯状シートSの送り速度に合せて、超音波式センサ(巻径検知手段:上記巻径検知手段23と同様)73で検知されるリール71の巻径よりサーボモータ72の回転数を制御してプレス加工された帯状シートSを連続的に巻き取り、第2バキュームテンショナー6でのレーザ式センサ67で検知される帯状シートSのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に保持されるように制御する。例えば、巻き取り制御部9は、リワインダー7での帯状シートSの連続的な巻き取り速度が、間欠搬送手段5によりプレス機4内に帯状シートSを間欠送りする送り速度の平均値と一致するように、リール71の巻径に応じてリール71の回転数、すなわちサーボモータ72の回転数を制御する。さらには、第2バキュームテンショナー6でのレーザ式センサ67で検知される帯状シートSのU字状の下端の高さ変動が微小範囲を超えると、この帯状シートSのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に収まるようにサーボモータ72の回転数を補正する。ここでの微小範囲も、上記同様に、一例として、80mm以下の落差の範囲に設定される。
【0023】
これにより、高速プレス加工に対応して帯状シートSを高速送りしても第2バキュームテンショナー6での帯状シートSのU字状下端の急降下が防止され、帯状シートSのばたつきを防止することができる。従って、帯状シートSを高速送りしても、リワインダー7のリール71に帯状シートを円滑に巻取ることができる。
【0024】
プレス機4は、上型と下型とストリッパーからなる金型41と、上型を昇降させる昇降機構とを備え、この金型41によって帯状シートSに対して所定のプレス加工を行う。また、プレス機4の入口部には、サーボモータ駆動される上下一対のバックテンションローラ42が設置され、この一対のバックテンションローラ42間に帯状シートSが配置される。そして、このバックテンションローラ42は、間欠搬送手段5のスライダー51,52による帯状シートSの間欠送りと同期して回転及び回転停止される。このバックテンションローラ42が回転停止されることによっても、シート送り停止時に帯状シートSが慣性力で送り過ぎとなることを抑制している。また、プレス機4の出口側には、帯状シートSの幅方向の両端をクランプ可能とするクランパー43が設けられている。このクランパー43は、シート送り停止時に帯状シートSの幅方向の両端をクランプする。これによっても、シート送り停止時に帯状シートSが慣性力で送り過ぎとなることを抑制している。
【0025】
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されず、本発明内容の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。例えば、間欠搬送手段5は、プレス機4の入口側に配設するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0026】
1 打抜装置
2 ワインダー
3 バキュームテンショナー(送り調節部)
4 プレス機
5 間欠搬送手段
6 第2バキュームエンショナー(送り調節部)
7 リワインダー
8 繰り出し制御部
9 巻き取り制御部
21,71 リール
22,72 サーボモータ(モータ駆動源)
23,73 超音波式センサ(巻径検知手段)
31,61 ダクト
32,62 バキューム
35,36,65,66 案内ローラ
37,67 レーザ式センサ(高さ検知手段)
51,52 クランプ機構付スライダー
S 帯状シート



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワインダーによりリールから繰り出す帯状シートを間欠搬送手段により間欠送りしてプレス機で帯状シートをプレス加工する打抜装置であって、
ワインダーとプレス機との間に配設する帯状シートの送り調節部は、箱筒型のダクトと、リールから繰り出す帯状シートをダクト上からダクト内にU字状に垂れ下がるように吸引するバキュームとを備え、
ダクト内には、帯状シートの入口側内壁付近と出口側内壁付近とのそれぞれに上下に配設する多数の案内ローラを設けてU字状の帯状シートがダクトに接触しないように構成し、
ダクトには、帯状シートのU字状の下端の高さを検知する高さ検知手段を備え、
ワインダーは、リールを連続回転させるモータ駆動源と、リールの巻径を検知する巻径検知手段とを備え、
プレス機内への帯状シートの送り速度に合せて、巻径検知手段で検知されるリールの巻径よりモータ駆動源の回転数を制御して帯状シートを連続的に繰り出し、高さ検知手段で検知される帯状シートのU字状の下端の高さ変動が微小範囲内に保持されるように制御する繰り出し制御部を備える打抜装置。
【請求項2】
請求項1に記載の打抜装置において、
上記間欠搬送手段は、プレス機の入口側又は出口側にリニアモータ駆動の2台のクランプ機構付スライダーを前後に備え、
各スライダーは、帯状シートの幅方向の両端をクランプして帯状シートを間欠送りさせるように構成し、一方のスライダーが帯状シートをクランプして間欠送りしている間に、他方のスライダーは帯状シートのクランプを開放して原点位置まで復帰移動するように構成する打抜装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−161617(P2011−161617A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30367(P2010−30367)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000100838)アイセル株式会社 (62)
【Fターム(参考)】