説明

折り返し逆Lアンテナ

【課題】 低姿勢でありながら導体に近接して配置されてもインピーダンス整合を行うことができる折り返し逆Lアンテナを提供する。
【解決手段】 延伸部10aと折曲部10bからなるL字状の第1素子10と、延伸部11aと折曲部11bからなるL字状の折り返し素子11との先端が接続素子12で接続されており、折曲部10a,10bが地板15上に立設された立上素子13に接続されて折り返し逆Lアンテナ1は構成されている。折曲部10aの下端と立上素子13との間に給電部14が設けられている。第1素子10および折り返し素子11の幅と間隔および給電部14の位置に応じてアンテナ素子自体のインピーダンスを広範囲で調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機器内に設置することのできる低姿勢の折り返し逆Lアンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信機器に搭載される送受信用のアンテナとして、携帯に便利なように小型のアンテナが望まれている。また、無線通信機器の内部空間は限られていることから、無線通信機器内の導体に近接して設置することができるアンテナが望まれている。従来の無線通信機器内に設置される小型のアンテナとして折り返し逆Lアンテナが提案されており、従来の折り返し逆Lアンテナの構成を示す斜視図を図30に、従来の折り返し逆Lアンテナの構成を示す上面図を図31に、従来の折り返し逆Lアンテナの構成を示す右側面図を図32に示す。
これらの図に示す折り返し逆Lアンテナ100は、L字状に折曲された第1素子110および折り返し素子111とを有しており、平面状の地板115上に立設して配置されている。第1素子110は、地板115にほぼ平行に配置された細長い線状の延伸部110aと、延伸部110aの端部からほぼ直角に折曲されて地板115上にほぼ垂直に立設されている折曲部110bとから構成されている。また、折り返し素子111は第1素子110にほぼ平行に配置されており、地板115にほぼ平行に配置された細長い線条の延伸部111aと、延伸部111aの端部からほぼ直角に折曲されて地板115上にほぼ垂直に立設されている折曲部111bとから構成されている。第1素子110における延伸部110aの先端と折り返し素子111における延伸部111aの先端部とは接続素子112により接続されて、第1素子110と折り返し素子111とが所定の間隔を持ってほぼ平行に配置されている。
【0003】
第1素子110における折曲部110bの先端と地板115との間に給電部114が設けられて、給電部114から折り返し逆Lアンテナ100に給電されている。ここで、以下の条件とされた場合の従来の折り返し逆Lアンテナ100の電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を図33に示す。条件としては、折り返し逆Lアンテナ100を電気的に無限大と見なせる大きさの地板115上に設置し、1000MHz(波長λ:約300mm)の設計周波数で設計する。この場合、折り返し逆Lアンテナ100の各部の寸法は以下の通りとなる。延伸部110a,111aの長さEL001は約0.141λ(約42.3mm)、第1素子110と折り返し素子111との間隔Ed0は約0.024λ(約7.2mm)、第1素子110の幅Ew001、折り返し素子111の幅Ew002、接続素子112の幅Ew003は約0.003λ(約0.9mm)、延伸部110a,111aの地板115からの高さEh0は約0.097λ(約29.1mm)、給電部114から給電される折曲部110bの先端の地板115からの高さGp0は約0.013λ(約3.9mm)、折曲部110bの長さEL002は約0.084λ(約25.2mm)となる。なお、折り返し逆Lアンテナ100の各素子の厚さは約0.9mmとされている。
図33を参照すると、従来の折り返し逆Lアンテナ100においては設計周波数(1000MHz)においてVSWRは約1.2の良好な特性が得られており、逆三角マーク2で示す940MHzおよび逆三角マーク3で示す1066MHzにおいてVSWRは約3.0となっており、VSWR3.0の周波数帯域の中心周波数は逆三角マーク1で示す約1003MHzとなっている。この場合の比共振帯域は、約12.6%が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−290138号公報
【特許文献2】特開2006−25412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図30ないし図32に示す従来の折り返し逆Lアンテナ100を無線通信機器内に設置する際には、内部空間の大きさが限られている無線通信機器内に設置されることになる。無線通信機機内には、無線通信機器に使用するシールドケース等があり、シールドケース等の導電体の影響を受けて折り返し逆Lアンテナ100のインピーダンスが変化することになる。これによりインピーダンス整合が行えなくなって、折り返し逆Lアンテナ100ののVSWRが劣化すると共に共振帯域も狭くなってしまうという問題点があった。
そこで、本発明は低姿勢でありながら導体に近接して配置されてもインピーダンス整合を行うことができる折り返し逆Lアンテナを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の折り返し逆Lアンテナは、導電性の地板にほぼ垂直に立設された板状の立上素子と、該立上素子の一側部の上端から給電部を介して伸びる板状の第1の折曲部と、前記立上素子の他側部の上端から伸びる板状の第2の折曲部と、前記第1の折曲部の先端にほぼ直角になるよう接続され、前記地板にほぼ平行に延伸された板状の第1の延伸部と、前記第2の折曲部の先端にほぼ直角になるよう接続され、前記地板にほぼ平行に延伸された板状の第2の延伸部と、前記第1の延伸部と前記第2の延伸部との先端同士を接続する板状の接続素子とを備え、前記第1の延伸部と前記第1の折曲部とにより第1素子が構成されると共に、前記第2の延伸部と前記第2の折曲部とにより折り返し素子が構成され、前記第1素子および前記折り返し素子の幅、前記第1素子および前記折り返し素子との間隔、前記給電部の前記地板からの給電位置を調節することでインピーダンス調整を行うようにしたことを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の折り返し逆Lアンテナでは、第1素子および折り返し素子の幅と間隔および給電位置に応じてアンテナ素子自体のインピーダンスを広範囲で調整することが可能となり、導体に近接して配置されても広帯域な共振帯域を実現することができる。このため、低姿勢で小型化された折り返し逆Lアンテナとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す上面図である。
【図3】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す右側面図である。
【図4】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて延伸部の長さをパラメータとした際のインピーダンス特性を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて延伸部の長さをパラメータとした際のVSWR特性を示す図である。
【図7】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて第1素子の延伸部の幅をパラメータとした際のインピーダンス特性を示す図である。
【図8】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて第1素子の延伸部の幅をパラメータとした際のVSWR特性を示す図である。
【図9】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて第1素子と折り返し素子との間隔をパラメータとした際のインピーダンス特性を示す図である。
【図10】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて第1素子と折り返し素子との間隔をパラメータとした際のVSWR特性を示す図である。
【図11】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて第2素子の延伸部の幅をパラメータとした際のインピーダンス特性を示す図である。
【図12】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて第2素子の延伸部の幅をパラメータとした際のVSWR特性を示す図である。
【図13】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて接続部の幅をパラメータとした際のインピーダンス特性を示す図である。
【図14】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて接続部の幅をパラメータとした際のVSWR特性を示す図である。
【図15】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて延伸部の地板からの高さをパラメータとした際のインピーダンス特性を示す図である。
【図16】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて延伸部の地板からの高さをパラメータとした際のVSWR特性を示す図である。
【図17】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて給電部の地板からの高さをパラメータとした際のインピーダンス特性を示す図である。
【図18】本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナにおいて給電部の地板からの高さをパラメータとした際のVSWR特性を示す図である。
【図19】本発明の第2実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す斜視図である。
【図20】本発明の第2実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す上面図である。
【図21】本発明の第2実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す右側面図である。
【図22】本発明の第3実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す斜視図である。
【図23】本発明の第3実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す上面図である。
【図24】本発明の第3実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す右側面図である。
【図25】本発明の第4実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す斜視図である。
【図26】本発明の第4実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す正面図である。
【図27】本発明の第4実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す上面図である。
【図28】本発明の第4実施例にかかる折り返し逆Lアンテナの構成を示す右側面図である。
【図29】本発明の第4実施例にかかる折り返し逆LアンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。
【図30】従来の折り返し逆Lアンテナの構成を示す斜視図である。
【図31】従来の折り返し逆Lアンテナの構成を示す上面図である。
【図32】従来の折り返し逆Lアンテナの構成を示す右側面図である。
【図33】従来の折り返し逆LアンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1実施例にかかる折り返し逆Lアンテナ1の構成を示す斜視図を図1に、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1の構成を示す上面図を図2に、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1の構成を示す右側面図を図3に示す。
これらの図に示す第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1は金属板を加工して作成されており、L字状に折曲された第1素子10および折り返し素子11とを有しており、平面状の地板15上に立設して配置されている。第1素子10は、地板15にほぼ平行に配置される細長い板状の延伸部10aと、延伸部10aの端部にほぼ直角に折曲されて接続されている所定長の折曲部10bとから構成されている。また、折り返し素子11は第1素子10にほぼ平行に配置されており、地板15にほぼ平行に配置される細長い板状の延伸部11aと、延伸部11aの端部にほぼ直角に折曲されて接続されている折曲部11bとから構成されている。さらに、地板15に下端が接続されていると共に、地板15上にほぼ垂直に立設されている板状の立上素子13を有しており、立上素子13の一側部の上端と折曲部10bの先端との間が給電部14とされ、立上素子13の他側部の上端に折曲部11bの下端が接続されている。第1素子10における延伸部10aの先端と折り返し素子11における延伸部11aの先端とが板状の所定幅の接続素子12を介して接続されて、第1素子10と折り返し素子11とが所定の間隔を持ってほぼ平行に配置されるようになる。
【0010】
第1素子10における折曲部10bの先端と立上素子13の上端との間の給電部14には、同軸ケーブルが導入されて折曲部10bの端部に同軸ケーブルの芯線が接続されると共に同軸ケーブルのシールド部が立上素子13の上端に接続されて、折り返し逆Lアンテナ1が給電されている。
ここで、以下の条件とされた場合の第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1の電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を図4に示す。条件としては、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1を電気的に無限大と見なせる大きさの地板15上に設置し、設計周波数を1000MHz(波長λ:約300mm)とする。この場合、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1の各部の寸法は以下の通りとなる。延伸部10aおよび延伸部11aの長さEL01は約0.138λ(約41.4mm)、第1素子10と折り返し素子11との間隔Edは約0.024λ(約7.2mm)、第1素子10の幅Ew01は約0.018λ(約5.4mm)、折り返し素子11の幅Ew02は約0.003λ(約0.9mm)、接続素子12の長さEw03は約0.033λ(約9.9mm)、延伸部10aおよび延伸部11aの地板15からの高さEhは約0.097λ(約29.1mm)、給電部14における立上素子13の高さGhは約0.058λ(約17.4mm)、立上素子13の上端と折曲部10bの先端との間隔Gpは約0.013λ(約3.9mm)、折曲部10bの長さEL02は約0.026λ(約7.8mm)となる。このように、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1は低姿勢の小型のアンテナとなり、折り返し逆Lアンテナ1の各部は厚さ約1.0mmの金属板製とされている。
【0011】
図4のVSWRの周波数特性を参照すると、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1においては設計周波数(1000MHz)においてVSWRは約1.0の良好な特性が得られており、逆三角マーク2で示す926MHzおよび逆三角マーク3で示す1092MHzにおいてVSWRは約3.0となっており、VSWR3.0の周波数帯域の中心周波数は逆三角マーク1で示す約1009MHzとなっている。中心周波数約1009MHzにおけるVSWRは約1.1と良好になっている。この場合の比共振帯域は、約16.6%の広帯域が得られている。
【0012】
次に、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1における各部の寸法をパラメータとした場合のインピーダンス特性とVSWR特性とを次に示す。第1に、延伸部10aおよび延伸部11aの長さEL01をパラメータとして0.10λ(約30mm)〜0.2λ(約60mm)の間で変化させる。この場合のインピーダンス特性は図5に示すようになり、図5を参照すると長さEL01を逆三角マーク1で示す約0.138λ(約41.40mm)とした際にインピーダンスは50.17+j0.10Ωとなって、ほぼ50Ωに整合される。また、長さEL01を逆三角マーク2で示す約0.1255λ(約37.65mm)とした際にインピーダンスは60.64−j63.45Ωとなり、長さEL01を逆三角マーク3で示す約0.151λ(約45.305mm)とした際にインピーダンスは44.45+32.36Ωとなることが分かる。また、延伸部10aおよび延伸部11aの長さEL01をパラメータとして0.10λ(約30mm)〜0.2λ(約60mm)の間で変化させた場合のVSWR特性は図6に示すようになる。図6を参照すると長さEL01を逆三角マーク1で示す約0.138λ(約41.40mm)とした際にVSWRは約1.0が得られて最も良好な値となる。また、長さEL01を逆三角マーク2で示す約0.1255λ(約37.65mm)とした際にVSWRは約2.0となり、長さEL01を逆三角マーク3で示す約0.151λ(約45.305mm)とした際にVSWRは約2.0となることが分かる。図5に示すように、長さEL01を変えることによりインピーダンスの実数成分は下降していくが長さEL01が約0.12λを超えると変化が小さくなり、インピーダンスの虚数成分が次第に上昇していく。このことから、長さEL01を変えることにより折り返し逆Lアンテナ1のインピーダンスを広い範囲で調整することができ、これによりインピーダンス整合を行うことが可能となる。そして、図6に示すように長さEL01は約0.1255λ〜約0.151λとするのが好適であることが分かる。
【0013】
第2に、第1素子10の幅Ew01をパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.5λ(約150mm)の間で変化させる。この場合のインピーダンス特性は図7に示すようになり、図7を参照すると幅Ew01を逆三角マーク1で示す約0.018λ(約5.4mm)とした際にインピーダンスは50.17+j0.10Ωとなって、ほぼ50Ωに整合される。また、幅Ew01を逆三角マーク2で示す約0.100λ(約30.0mm)とした際にインピーダンスは28.00+j15.90Ωとなることが分かる。また、第1素子10の幅Ew01をパラメータとして約0.001(約0.3mm)〜0.5λ(約150mm)の間で変化させた場合のVSWR特性は図8に示すようになる。図8を参照すると幅Ew01を逆三角マーク1で示す約0.018λ(約5.4mm)とした際にVSWRは約1.0が得られて最も良好な値となる。また、幅Ew01を逆三角マーク2で示す約0.100λ(約30.0mm)とした際にVSWRは約2.0となることが分かる。図7に示すように、幅Ew01を変えることによりインピーダンスの実数成分は緩やかに下降していくが幅Ew01が約0.05λを超えると変化が小さくなり、インピーダンスの虚数成分は緩やかに上昇していく。このことから、幅Ew01を変えることにより折り返し逆Lアンテナ1のインピーダンスを細かく調整することができ、これによりインピーダンス整合を行うことが可能となる。そして、図8に示すように幅Ew01は約0.1λ以下とするのが好適であることが分かる。
【0014】
第3に、第1素子10と折り返し素子11との間隔Edをパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.2λ(約60mm)の間で変化させる。この場合のインピーダンス特性は図9に示すようになり、図9を参照すると間隔Edを逆三角マーク1で示す約0.024λ(約7.20mm)とした際にインピーダンスは50.17+j0.10Ωとなって、ほぼ50Ωに整合される。また、間隔Edを逆三角マーク2で示す約0.100λ(約30.0mm)とした際にインピーダンスは52.87+j35.17Ωとなることが分かる。また、第1素子10の間隔Edをパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.2λ(約60mm)の間で変化させた場合のVSWR特性は図10に示すようになる。図10を参照すると間隔Edを逆三角マーク1で示す約0.024λ(約7.20mm)とした際にVSWRは約1.0が得られて最も良好な値となる。また、間隔Edを逆三角マーク2で示す約0.100λ(約30.0mm)とした際にVSWRは約2.0となることが分かる。図9に示すように、間隔Edを変えることによりインピーダンスの実数成分はほぼ一定となり、インピーダンスの虚数成分は緩やかに上昇していく。このことから、間隔Edを変えることにより折り返し逆Lアンテナ1のインピーダンスを微調整することができ、これによりインピーダンス整合を行うことが可能となる。そして、図10に示すように、間隔Edは約0.1λ以下とするのが好適であることが分かる。
【0015】
第4に、折り返し素子11の幅Ew02をパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.1λ(約30mm)の間で変化させる。この場合のインピーダンス特性は図11に示すようになり、図11を参照すると幅Ew02を逆三角マーク1で示す約0.003λ(約0.90mm)とした際にインピーダンスは50.17+j0.10Ωとなって、ほぼ50Ωに整合される。また、幅Ew02を逆三角マーク2で示す約0.033λ(約9.90mm)とした際にインピーダンスは95.43+j15.69Ωとなることが分かる。また、折り返し素子11の幅Ew02をパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.1λ(約30mm)の間で変化させた場合のVSWR特性は図12に示すようになる。図12を参照すると幅Ew02を逆三角マーク1で示す約0.003λ(約0.90mm)とした際にVSWRは約1.0が得られて最も良好な値となる。また、幅Ew02を逆三角マーク2で示す約0.033λ(約9.90mm)とした際にVSWRは約2.0となることが分かる。図11に示すように、幅Ew02を変えることによりインピーダンスの実数成分は次第に上昇していき、インピーダンスの虚数成分も次第に上昇していく。このことから、幅Ew02を変えることにより折り返し逆Lアンテナ1のインピーダンスを広い範囲で調整することができ、これによりインピーダンス整合を行うことが可能となる。そして、図12に示すように、幅Ew02は約0.033λ以下とするのが好適であることが分かる。
【0016】
第5に、接続素子12の長さEw03をパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.16λ(約48mm)の間で変化させる。この場合のインピーダンス特性は図13に示すようになり、図13を参照すると長さEw03を逆三角マーク1で示す約0.033λ(約9.90mm)とした際にインピーダンスは50.17+j0.10Ωとなって、ほぼ50Ωに整合される。また、長さEw03を逆三角マーク2で示す約0.155λ(約46.50mm)とした際にインピーダンスは40.75+j29.66Ωとなることが分かる。また、接続素子12の長さEw03をパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.16λ(約48mm)の間で変化させた場合のVSWR特性は図14に示すようになる。図14を参照すると長さEw03を逆三角マーク1で示す約0.033λ(約9.90mm)とした際にVSWRは約1.0が得られて最も良好な値となる。また、長さEw03を逆三角マーク2で示す約0.155λ(約46.50mm)とした際にVSWRは約2.0となることが分かる。図13に示すように、長さEw03を変えることによりインピーダンスの実数成分はほぼ一定となり、インピーダンスの虚数成分はやや上昇するがほぼ一定となる。このことから、長さEw03を変えることにより折り返し逆Lアンテナ1のインピーダンスを微調整することができ、これによりインピーダンス整合を行うことが可能となる。そして、図14に示すように、長さEw03は約0.155λ以下とするのが好適であることが分かる。
【0017】
第6に、延伸部10aおよび延伸部11aの地板15からの高さEhをパラメータとして約0.05λ(約15mm)〜0.2λ(約60mm)の間で変化させる。この場合のインピーダンス特性は図15に示すようになり、図15を参照すると高さEhを逆三角マーク1で示す約0.097λ(約29.10mm)とした際にインピーダンスは50.17+j0.10Ωとなって、ほぼ50Ωに整合される。また、高さEhを逆三角マーク2で示す約0.086λ(約25.80mm)とした際にインピーダンスは44.81−j32.28Ωとなることが分かる。さらに、高さEhを逆三角マーク3で示す約0.110λ(約33.00mm)とした際にインピーダンスは54.88+j37.63Ωとなることが分かる。また、延伸部10aおよび延伸部11aの地板15からの高さEhをパラメータとして約0.05λ(約15mm)〜0.2λ(約60mm)の間で変化させた場合のVSWR特性は図16に示すようになる。図16を参照すると高さEhを逆三角マーク1で示す約0.097λ(約29.10mm)とした際にVSWRは約1.0が得られて最も良好な値となる。また、高さEhを逆三角マーク2で示す約0.086λ(約25.80mm)とした際にVSWRは約2.0となることが分かる。さらに、高さEhを逆三角マーク3で示す約0.110λ(約33.00mm)とした際にVSWRは約2.0となることが分かる。図15に示すように、高さEhを変えることによりインピーダンスの実数成分は非常に緩やかに上昇していき、インピーダンスの虚数成分は次第に上昇していく。このことから、高さEhを変えることにより折り返し逆Lアンテナ1のインピーダンスを広い範囲で調整することができ、これによりインピーダンス整合を行うことが可能となる。そして、図16に示すように、高さEhは約0.086λ〜約0.110λとするのが好適であることが分かる。
【0018】
第7に、立上素子13の高さGhをパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.20λ(約60mm)の間で変化させる。この場合のインピーダンス特性は図17に示すようになり、図17を参照すると高さGhを逆三角マーク1で示す約0.058λ(約17.40mm)とした際にインピーダンスは50.17+j0.10Ωとなって、ほぼ50Ωに整合される。また、高さGhを逆三角マーク2で示す約0.126λ(約37.80mm)とした際にインピーダンスは95.17+j13.64Ωとなることが分かる。また、立上素子13の高さGhをパラメータとして約0.001λ(約0.3mm)〜0.20λ(約60mm)の間で変化させた場合のVSWR特性は図18に示すようになる。図18を参照すると高さGhを逆三角マーク1で示す約0.058λ(約17.40mm)とした際にVSWRは約1.0が得られて最も良好な値となる。また、高さGhを逆三角マーク2で示す約0.126λ(約37.80mm)とした際にVSWRは約2.0となることが分かる。図17に示すように、高さGhを変えることによりインピーダンスの実数成分は高さGhが約0.10λを超えるまではほぼ一定となるが、約0.10λを超えると上昇して下降していくようになり、インピーダンスの虚数成分も高さGhが約0.12λを超えるまではほぼ一定となるが、約0.12λを超えると上昇して下降していくようになる。このことから、高さGhを変えることにより折り返し逆Lアンテナ1のインピーダンスを調整することができ、これによりインピーダンス整合を行うことが可能となる。そして、図18に示すように、高さGhは約0.126λ以下とするのが好適であることが分かる。
【0019】
次に、本発明の第2実施例にかかる折り返し逆Lアンテナ2の構成を示す斜視図を図19に、第2実施例の折り返し逆Lアンテナ2の構成を示す上面図を図20に、第2実施例の折り返し逆Lアンテナ2の構成を示す右側面図を図21に示す。
これらの図に示す第2実施例の折り返し逆Lアンテナ2は金属板を加工して作成されており、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1における接続素子12の長さEw03を非常に長くした折り返し逆Lアンテナに相当している。すなわち、第2実施例の折り返し逆Lアンテナ2は、第1素子20の延伸部20aと折り返し素子21の延伸部21aとが接続素子22により一体化されて平板状とされている。接続素子22は細長い平板状とされ、地板25にほぼ平行に配置されている。接続素子22の一端部はほぼ直角にL字状に折曲されており、折曲された接続素子22の一側部の下端に第1素子20の折曲部20bの上端が接続され、折曲された接続素子22の他側部の下端に折り返し素子21の折曲部21bの上端が接続されている。また、地板25に下端が接続されていると共に、地板25上にほぼ垂直に立設されている板状の立上素子23を有しており、立上素子23の一側部の上端と折曲部20bの下端との間が給電部24とされ、立上素子23の他側部の上端に折曲部21bの下端が接続されている。
【0020】
第1素子20における折曲部20bの下端と立上素子23の上端との間の給電部24には、同軸ケーブルが導入されて折曲部20bの下端に同軸ケーブルの芯線が接続されると共に同軸ケーブルのシールド部が立上素子23の上端に接続されて、折り返し逆Lアンテナ2が給電されている。なお、第2実施例の折り返し逆Lアンテナ2が設置される地板25は、電気的に無限大と見なせる大きさとされている。
ここで、第2実施例の折り返し逆Lアンテナ2の設計周波数を1000MHz(波長λ:約300mm)とした際の各部の寸法は以下の通りとなる。延伸部20aおよび延伸部21aの長さEL01は約0.138λ(約41.4mm)、第1素子20と折り返し素子21との間隔に相当する折曲部20bと折曲部21bとの間隔Edは約0.024λ(約7.2mm)、第1素子20の折曲部20bの幅Ew01は約0.018λ(約5.4mm)、折り返し素子21の折曲部21bの幅Ew02は約0.003λ(約0.9mm)、接続素子22の長さEw03は約0.155λ(約46.5mm)、延伸部20aおよび延伸部21aの地板25からの高さEhは約0.097λ(約29.1mm)、給電部24における立上素子23の高さGhは約0.058λ(約17.4mm)、立上素子23の上端と折曲部20bの下端との間隔Gpは約0.013λ(約3.9mm)、折曲部20bの長さEL02は約0.026λ(約7.8mm)となる。このように、第2実施例の折り返し逆Lアンテナ2は低姿勢の小型のアンテナとなり、折り返し逆Lアンテナ2の各部は厚さ約1.0mmの金属板製とされている。このような寸法とした第2実施例の折り返し逆Lアンテナ2のVSWRの周波数特性は、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1とほぼ同様となる。
【0021】
次に、本発明の第3実施例にかかる折り返し逆Lアンテナ3の構成を示す斜視図を図22に、第3実施例の折り返し逆Lアンテナ3の構成を示す上面図を図23に、第3実施例の折り返し逆Lアンテナ3の構成を示す右側面図を図24に示す。
これらの図に示す第3実施例の折り返し逆Lアンテナ3は金属板を加工して作成されており、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1における立上素子13の長さGhを長くして折り曲げることにより、折曲部10b,11bを省略した折り返し逆Lアンテナに相当している。すなわち、第3実施例の折り返し逆Lアンテナ3は、第1素子30および折り返し素子31とを有しており、平面状の地板35上に立設して配置されている。第1素子30は、地板35にほぼ平行に配置された細長い板状の延伸部30aから構成されており、折り返し素子31は延伸部30aにほぼ平行に配置されると共に地板35にほぼ平行に配置された細長い板状の延伸部31aから構成されている。さらに、地板35に下端が接続されていると共に、地板35上にほぼ垂直に立設されていると共に、上部が直角にL字状に折曲されている板状の立上素子33を有している。立上素子33の折曲された先端の一側部と延伸部30aの一端との間が給電部34とされ、立上素子33の先端の他側部に延伸部31aの一端が接続されている。第1素子30における延伸部30aの先端と折り返し素子31における延伸部31aの先端とは板状の所定幅の接続素子32により接続されて、第1素子30と折り返し素子31とが所定の間隔を持ってほぼ平行に配置されるようになる。
【0022】
第1素子30における延伸部30aの一端と立上素子33の先端との間の給電部34には、同軸ケーブルが導入されて延伸部30aの下端に同軸ケーブルの芯線が接続されると共に同軸ケーブルのシールド部が立上素子33の上端に接続されて、折り返し逆Lアンテナ3が給電されている。なお、第3実施例の折り返し逆Lアンテナ3が設置される地板35は、電気的に無限大と見なせる大きさとされている。
ここで、第3実施例の折り返し逆Lアンテナ3の設計周波数を1000MHz(波長λ:約300mm)とした際の各部の寸法は以下の通りとなる。折り返し素子31の延伸部31aの長さEL01は約0.138λ(約41.4mm)、第1素子30の延伸部30aの長さEL01’は約0.0.096λ(約28.8mm)、第1素子30の延伸部30aの幅Ew01は約0.018λ(約5.4mm)、折り返し素子31の延伸部31aの幅Ew02は約0.003λ(約0.9mm)、接続素子32の長さEw03は約0.0.033λ(約9.9mm)、延伸部30aおよび延伸部31aの地板35からの高さEhは約0.097λ(約29.1mm)、立上素子33の長さGhは約0.126λ(約37.8mm)、立上素子33の先端と延伸部30aの一端との間隔Gpは約0.013λ(約3.9mm)となる。このように、第3実施例の折り返し逆Lアンテナ3は低姿勢の小型のアンテナとなり、折り返し逆Lアンテナ3の各部は厚さ約1.0mmの金属板製とされている。このような寸法とした第3実施例の折り返し逆Lアンテナ3のVSWRの周波数特性は、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1とほぼ同様となる。
【0023】
本発明の各実施例にかかる折り返し逆Lアンテナは、内部空間の大きさが限られている無線通信機器内に設置することができる。この場合、無線通信機器内には回路基板や回路基板をシールドするシールドケース等が内蔵されており、回路基板やシールドケース等の導体に、折返し逆Lアンテナは近接して設置される場合がある。無線通信機器内に設置された本発明にかかる折り返し逆Lアンテナが導体に近接して配置されて、導体の影響を受けた場合は、寸法を調整することにより極力受けないようにすることができる。そこで、第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1をシールドケースに近接して配置した際に、寸法を調整した第4実施例の折返し逆Lアンテナ4の構成を示す斜視図を図25に、第4実施例の折返し逆Lアンテナ4の構成を示す側面図を図26に、第4実施例の折返し逆Lアンテナ4の構成を示す上面図を図27に、第4実施例の折返し逆Lアンテナ4の構成を示す右側面図を図28に示す。
【0024】
これらの図に示す第4実施例の折り返し逆Lアンテナ4は、図1ないし図3に示す第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1の寸法を調整した構成とされており、第4実施例の折り返し逆Lアンテナ4の構成は第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1の構成と同様とされていることから、その説明は省略する。第4実施例の折り返し逆Lアンテナ4は、無線通信機器内に内蔵された地板45上に立設して配置される。この場合、折り返し逆Lアンテナ4は地板45上に配置された回路基板をシールドしている直方体状の金属性のシールドケース46に近接して配置されている。この際に、第1素子40の延伸部40aおよび折返し素子41の延伸部41aは、間隔Gaでシールドケース46の上面とほぼ平行に対向し、第1素子40の折曲部40bおよび折返し素子41の折曲部41bは、間隔Gsでシールドケース46の側面とほぼ平行に対向するようになる。なお、地板45は、電気的に無限大と見なせる大きさとされている。
【0025】
ここでは、シールドケース46の横幅SLが約0.147λ(約44mm)とされ、縦幅Sdが約0.377λ(約113mm)とされ、高さShが約0.057λ(約17mm)とされている。そして、第4実施例の折り返し逆Lアンテナ4の設計周波数を1000MHz(波長λ:約300mm)とした際の各部の寸法は以下の通りとなる。延伸部40aおよび延伸部41aの長さEL01は約0.173λ(約51.9mm)、第1素子40の折曲部40bの幅Ew01は約0.007λ(約2.1mm)、折り返し素子41の折曲部41bの幅Ew02は約0.023λ(約6.9mm)、接続素子42の長さEw03は約0.033λ(約9.9mm)、延伸部40aおよび延伸部41aの地板45からの高さEhは約0.097λ(約29.1mm)、給電部44における立上素子43の高さGhは約0.058λ(約17.4mm)、立上素子43の上端と折曲部40bの下端との間隔Gpは約0.013λ(約3.9mm)、折曲部40bの長さEL02は約0.026λ(約7.8mm)となる。このように、第4実施例の折り返し逆Lアンテナ4は低姿勢の小型のアンテナとなり、折り返し逆Lアンテナ4の各部は厚さ約1.0mmの金属板製とされている。
【0026】
このような寸法とされた第4実施例の折り返し逆Lアンテナ4のVSWRの周波数特性を図29に示す。
図29を参照すると、第4実施例の折り返し逆Lアンテナ2においては設計周波数(1000MHz)においてVSWRは約1.1とほとんど劣化していない。また、逆三角マーク2で示す951MHzおよび逆三角マーク3で示す1058MHzにおいてVSWRは約3.0となり、VSWR3.0の周波数帯域の中心周波数は逆三角マーク1で示す約1004.5MHzとなる。中心周波数約1004.5MHzにおけるVSWRは約1.2と良好な値が得られている。この場合の比共振帯域は、約10.7%と第1実施例の折り返し逆Lアンテナ1よりはやや狭くなるが、シールドケース46の影響を受けても十分広い共振帯域が得られていることが分かる。このように、第4実施例の折り返し逆Lアンテナ4では寸法を調整したことによりインピーダンス整合が行われて、VSWR特性および共振帯域を劣化させるシールドケース46の影響を極力抑制することができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
以上説明した本発明にかかる第2実施例および第3実施例の折り返し逆Lアンテナは、第1実施例の折り返し逆Lアンテナが示す電気的特性と同様の電気的特性を示すようになる。
上記した本発明の各実施例にかかる折り返し逆Lアンテナは、第1素子および折り返し素子の幅と間隔および給電位置に応じてアンテナ素子自体のインピーダンスを広範囲で調整することが可能となり、導体に近接して配置されても広帯域な共振帯域を実現することができる。また、給電部の位置を変えることによりインピーダンス調整が行えるので、アンテナ設置環境に柔軟に対応することができる。さらに、折り返し逆Lアンテナ下方にシールドケース等の導体が近接してもインピーダンス調整が行えるので、小型アンテナを実現することができると共に、シールドケース等のケース形状に応じてアンテナ素子形状を変化させることでインピーダンス調整が行えるので、内蔵アンテナとしても最適とすることができる。
また、本発明にかかる折り返し逆Lアンテナは平面構造とされていることからであるので、低コストで精度良く大量生産が行える。さらに、地板とほぼ平行な素子長が約λ/7としても、比共振帯域が約16.6%が実現できることからアンテナを小型化することができる。
【符号の説明】
【0028】
1,2,3,4,5,6,7,8 折り返し逆Lアンテナ、5a 素子部、5b 素子ベース部、6a 素子部、6b 素子ベース部、10 第1素子、10a 延伸部、10a 折曲部、10b 折曲部、11 折り返し素子、11a 延伸部、11b 折曲部、12 接続素子、13 立上素子、14 給電部、15 地板、20 第1素子、20a 延伸部、20b 折曲部、21 折り返し素子、21a 延伸部、21b 折曲部、22 接続素子、23 立上素子、24 給電部、25 地板、30 第1素子、30a 延伸部、31 折り返し素子、31a 延伸部、32 接続素子、33 立上素子、34 給電部、35 地板、40 第1素子、40a 延伸部、40b 折曲部、41 折り返し素子、41a 延伸部、41b 折曲部、42 接続素子、43 立上素子、44 給電部、45 地板、46 シールドケース、100 アンテナ、110 第1素子、110a 延伸部、110b 折曲部、111 折り返し素子、111a 延伸部、111b 折曲部、112 接続素子、114 給電部、115 地板、116 シールドケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の地板にほぼ垂直に立設された板状の立上素子と、
該立上素子の一側部の上端から給電部を介して伸びる板状の第1の折曲部と、
前記立上素子の他側部の上端から伸びる板状の第2の折曲部と、
前記第1の折曲部の先端にほぼ直角になるよう接続され、前記地板にほぼ平行に延伸された板状の第1の延伸部と、
前記第2の折曲部の先端にほぼ直角になるよう接続され、前記地板にほぼ平行に延伸された板状の第2の延伸部と、
前記第1の延伸部と前記第2の延伸部との先端同士を接続する板状の接続素子とを備え、
前記第1の延伸部と前記第1の折曲部とにより第1素子が構成されると共に、前記第2の延伸部と前記第2の折曲部とにより折り返し素子が構成され、前記第1素子および前記折り返し素子の幅、前記第1素子および前記折り返し素子との間隔、前記給電部の前記地板からの給電位置を調節することでインピーダンス調整を行うようにしたことを特徴とする折返し逆Lアンテナ。
【請求項2】
設計周波数の波長をλとした際に、前記第1の延伸部と前記第2の延伸部の長さが約0.1255λ〜約0.151λとされていることを特徴とする請求項1記載の折り返し逆Lアンテナ。
【請求項3】
設計周波数の波長をλとした際に、前記第1の延伸部の幅が約0.001λ〜約0.1λとされ、前記第1の延伸部と前記第2の延伸部との間隔が約0.001λ〜約0.1λとされ、前記第2の延伸部の幅が約0.001λ〜約0.033λとされ、前記給電部の前記地板からの給電位置が約0.001λ〜約0.126λとされていることを特徴とする請求項1または2記載の折り返し逆Lアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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