説明

振り込め詐欺防止機能付自動取引装置

【課題】顧客が携帯電話機を使用し通話中に振込取引を行ったか否かを判断することによって、振り込め詐欺による被害の発生を未然に防止することができるようにする。
【解決手段】表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、指向性のあるアンテナが接続された受信機と、該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部12とを有し、前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記顧客を窓口に誘導して取引を中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振り込め詐欺防止機能付自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行、信用金庫、郵便局等の金融機関の支店等に配設されているATM(Automatic Teller Machine:現金自動預払機)、CD(Cash Dispenser:現金自動支払機)等の自動取引装置は、顧客が自分で操作して、入金、出金、振込、振替、通帳記帳等の金融取引を行うようになっている。例えば、振込取引を行う場合、顧客が自分で自動取引装置を操作して振込元、振込先及び振込金額を入力することによって、金融機関の係員等の第三者の介在なしに振込取引を完了することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−208116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の自動取引装置においては、第三者の介在なしに振込取引を完了することができるために、振り込め詐欺の場合、携帯電話機を通して被害者に対して振込先、振込金額等の入力指示が行われると、金融機関の係員等が気付かないうちに振込取引が完了してしまうので、詐欺による被害の発生を防止することができなかった。
【0005】
本発明は、前記従来の自動取引装置の問題点を解決して、顧客が携帯電話機を使用し通話中に振込取引を行ったか否かを判断することによって、振り込め詐欺による被害の発生を未然に防止することができる振り込め詐欺防止機能付自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、指向性のあるアンテナが接続された受信機と、該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部とを有し、前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記顧客を窓口に誘導して取引を中止する。
【0007】
本発明の他の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、指向性のあるアンテナが接続された受信機と、該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部と、音声出力装置とを有し、前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、警告音を発生する。
【0008】
本発明の更に他の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、指向性のあるアンテナが接続された受信機と、該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部と、警告灯とを有し、前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記警告灯が点灯する。
【0009】
本発明の更に他の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、指向性のあるアンテナが接続された受信機と、該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部と、該制御部に接続された監視端末とを有し、前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記監視端末が警告を出力する。
【0010】
本発明の更に他の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、指向性のあるアンテナが接続された受信機と、該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部とを有し、前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記操作部がメッセージを表示する。
【0011】
本発明の更に他の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、さらに、前記操作部が表示するメッセージは、取引を中止する際に表示する。
【0012】
本発明の更に他の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、指向性のあるアンテナが接続された受信機と、該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部とを有し、前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記操作部が通話を中止又は取引を中止して窓口に出向く旨を促す画面を表示する。
【0013】
本発明の更に他の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、さらに、前記顧客が通話も取引も中止しないときは、前記操作部が、再び、通話を中止又は取引を中止して窓口に出向く旨を促す画面を表示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振り込め詐欺防止機能付自動取引装置においては、顧客が携帯電話機を使用し通話中に振込取引を行ったか否かを判断する。これにより、振り込め詐欺による被害の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態における自動取引装置を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における撮影した画像を解析する処理の流れを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態における自動取引装置を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態における自動取引装置を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態における自動取引装置を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第5の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第6の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第7の実施の形態における自動取引装置と顧客との位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態における自動取引装置を示す図である。
【0018】
図において、10は、銀行、信用金庫、郵便局等の金融機関の支店等の営業店に配設されたATM、CD等の自動取引装置であり、前記金融機関の顧客が、自分で操作して入金、出金、通帳記帳、残高照会、振込、振替、送金、定期性預金設定等の金融取引を行うための装置である。なお、前記自動取引装置10は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、デパート等の商店の店舗、地下街、駅の構内、市役所、病院等の公共施設、工場、事務所等の私企業、駐車場、道路脇(わき)等の屋外等に配設されていてもよい。また、前記自動取引装置10は、他の機能、例えば、チケット予約機能、商品購入申込み機能、クレジットカードの与信確認機能、施設情報案内機能等を有するキオスク(KIOSK)端末のような多機能端末であってもよい。なお、前記顧客は金融機関に自己の口座を開設し、前記金融取引を行う者である。
【0019】
また、前記自動取引装置10は、プログラムに従って動作を行う一種のコンピュータであり、制御部12を有する。該制御部12は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、通信インターフェイス等を備え、前記自動取引装置10の動作を統括的に制御する。また、前記自動取引装置10は、図示されないネットワークを介して金融機関のコンピュータセンタ等に配設された勘定系上位装置としてのホストコンピュータと通信可能に接続され、該ホストコンピュータと通信を行うことによって、入金、出金、通帳記帳、残高照会、振込、振替、送金等の金融取引の処理を実行する。また、前記ネットワークは、有線又は無線の公衆通信回線網、専用通信回線網、イントラネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、VPN(Virtual Private Network)、衛星通信回線網等いかなる通信回線網であってもよく、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。
【0020】
そして、前記自動取引装置10は、キーボード、タッチパネル等の入力装置、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置等を備える操作部としての画面操作部11を有する。該画面操作部11は、入力装置と表示装置との機能を兼ね備えるタッチパネルであることが望ましい。さらに、前記画面操作部11は、顧客の音声を入力するためのマイクロホン等の音声入力装置、音声案内のためのスピーカ等の音声出力装置等を備えていてもよい。
【0021】
また、前記自動取引装置10は、該自動取引装置10を操作して金融取引を行う顧客を撮影してその画像を取得する撮影装置としてのカメラ13を有する。該カメラ13は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)、C−MOS(Complementary−Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子、光学レンズ、通信インターフェイス等を備え、前記制御部12に接続可能で、撮影した画像を電子データの形態で出力することができるものであれば、静止画を撮影するデジタルスチールカメラであってもよいし、動画を撮影するデジタルビデオカメラであってもよいし、いかなる形態のものであってもよい。
【0022】
そして、前記自動取引装置10は、キャッシュカード等のカードを取り扱うカード処理部を有する。ここで、前記カードは、金融機関が顧客に対して発行した入金、出金、振込、残高照会等の金融取引を行うためのカードであり、顧客の氏名、口座番号、暗証番号等の情報を格納する磁気ストライプを備える。なお、前記情報を格納する部材としては、前記磁気ストライプに代えて、カードに埋め込まれたICであってもよい。そして、前記カード処理部は、カードが挿入及び排出されるカードスロットを備え、該カードスロット内には、前記カードを搬送する搬送装置、及び、カードの磁気ストライプやICに格納された情報の読み取り、上書き、消去等を行うための磁気ヘッド等の記録ヘッドが配設される。なお、前記カード処理部は他の金融機関の発行したキャッシュカードやクレジットカード、デビットカード等の他の種類のカードも取り扱えることが望ましい。
【0023】
さらに、前記カード処理部は取引明細票を発行する機能を備える。該取引明細票は、入金、出金、残高照会、振込、振替、送金、定期性預金設定等の顧客が行った金融取引に関する情報が印刷される紙片であり、口座番号、金融取引の種類、取引金額等が印刷される。なお、前記取引明細票は、顧客が希望したときだけに発行されるようにしてもよい。
【0024】
また、前記自動取引装置10は、預金通帳等の通帳に記帳する通帳記帳部を有する。ここで、前記通帳は、金融機関が顧客に対して発行した預金通帳等の冊子状の通帳であり、入金、出金、振込、振替、送金、定期性預金設定等の金融取引の記録が印刷されるものである。なお、前記通帳の表紙又は裏表紙には、顧客の氏名、口座番号、暗証番号等の情報を格納する磁気ストライプを備える。さらに、前記情報を格納する部材としては、前記磁気ストライプに代えて、通帳に埋め込まれたICであってもよい。
【0025】
そして、前記通帳記帳部は、通帳が挿入される通帳スロットを備え、該通帳スロット内には、通帳を搬送する搬送装置、通帳に前記金融取引の記録を印刷する印字ヘッド、及び、通帳の磁気ストライプやICに格納された情報の読み取り、上書き、消去等を行うための磁気ヘッド等の記録ヘッドが配設される。
【0026】
さらに、前記自動取引装置10は、紙幣及び硬貨を取り扱う貨幣入出金部を有する。該貨幣入出金部は、入金等の金融取引において顧客が入金した現金を受け取り、カウント、すなわち、計数するとともに、出金等の金融取引において所定金額の現金を現金受取口から払い出す。なお、該現金受取口には開閉可能なシャッタが配設され、該シャッタは、現金を払い出すときに開くようになっている。
【0027】
次に、前記構成の自動取引装置10の動作について説明する。
【0028】
図2は本発明の第1の実施の形態における撮影した画像を解析する処理の流れを示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。なお、図2において、(a)は撮影した画像を示す図、(b)は撮影した画像の顔の位置を確認した状態を示す図、(c)は撮影した画像の顔の位置及び携帯電話機に添えた手の位置を確認した状態を示す図である。
【0029】
まず、顧客は、金融機関の支店等に配設された自動取引装置10を操作して入金、出金、通帳記帳、残高照会、振込、振替、送金、定期性預金設定等の金融取引を開始する。この場合、前記自動取引装置10は、画面操作部11の表示画面に、金融取引を選択するためのガイダンスとして取引選択画面を表示する。該取引選択画面には、入金、出金、通帳記帳、残高照会、振込、振替、送金、定期性預金設定等の金融取引を選択するための取引選択用の操作ボタンが表示される。そして、顧客は、表示されている操作ボタンの中から所望の金融取引、例えば、振込を選択するための操作ボタンにタッチする、すなわち、操作ボタンをクリックする。
【0030】
すると、自動取引装置10の制御部12は、顧客が選択した金融取引が振込であるか否か、すなわち、振込取引であるか否かを判断する。そして、振込取引でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0031】
また、振込取引である場合、制御部12は、カメラ13に顧客撮影を開始させる。これにより、カメラ13は、画面操作部11を操作する顧客を撮影し、図2(a)に示されるような撮影画像を制御部12に送信する。
【0032】
すると、該制御部12は、顧客画像解析を行い、図2(a)に示されるような取得した撮影画像を解析する。まず、制御部12は、撮影画像を解析し、図2(b)に示されるように顧客の顔を認識してその位置を特定する。
【0033】
続いて、制御部12は、顧客が携帯電話機を使用しているか否か、すなわち、携帯電話で通話中であるか否かを判断する。具体的には、制御部12は、撮影画像を更に解析し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられているか否かを判断する。そして、図2(b)に示されるように、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられている場合には、携帯電話で通話中であると判断し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられていない場合には、携帯電話で通話中でないと判断する。
【0034】
なお、自動取引装置10が係員呼び出し用の又は視覚障害者向けの受話器を有する場合であって、かつ、顧客が前記受話器を使用中である場合には、携帯電話で通話中であると誤判定する可能性が高いため、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられていても、携帯電話で通話中でないと判断する。
【0035】
そして、携帯電話で通話中でない場合には、制御部12はそのまま取引を続行する。
【0036】
また、携帯電話で通話中である場合、制御部12は、表示画面に窓口に出向く旨の指示を表示させて顧客を支店等の窓口に誘導する。例えば、表示画面の顧客操作画面に「窓口にお越しください。」と表示する。そして、制御部12は取引を中断する。
【0037】
これにより、顧客が営業店の窓口に出向くと、金融機関の係員は、中断された振込取引が振り込め詐欺によるものでないことを顧客に確認する。なお、前記係員は、例えば、窓口の担当者(テラー)、営業店の店長等の管理者、営業店の案内係員又は警備係員である。
【0038】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 顧客が選択した金融取引が振込取引であるか否かを判断する。振込取引である場合はステップS2に進み、振込取引でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS2 カメラ13に顧客撮影を開始させる。
ステップS3 顧客画像解析を行う。
ステップS4 顧客が携帯電話で通話中であるか否かを判断する。携帯電話で通話中である場合はステップS5に進み、携帯電話で通話中でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS5 表示画面の顧客操作画面に「窓口にお越しください。」と表示し、取引を中断する。
【0039】
このように、本実施の形態においては、金融取引が振込取引であり、かつ、カメラ13が撮影した画像を解析して顧客が携帯電話で通話中であると判断した場合に、金融取引を中断して顧客を支店等の窓口に誘導する。これにより、金融機関の係員が振り込め詐欺であるか否かを確認することができるので、携帯電話機を通して被害者に対して振込先、振込金額等の入力指示を行う手口の振り込め詐欺によって被害が発生することを、未然に防止することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0041】
図4は本発明の第2の実施の形態における自動取引装置を示す図である。
【0042】
図に示されるように、本実施の形態における自動取引装置10は、警告を出力する警告出力装置として機能する音声出力装置としてのスピーカ14を備える。該スピーカ14は制御部12に接続されている。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0043】
次に、本実施の形態における自動取引装置10の動作について説明する。
【0044】
図5は本発明の第2の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【0045】
まず、顧客は、金融機関の支店等に配設された自動取引装置10を操作して金融取引を開始する。この場合、前記自動取引装置10は、画面操作部11の表示画面に、金融取引を選択するためのガイダンスとして取引選択画面を表示する。該取引選択画面には、金融取引を選択するための取引選択用の操作ボタンが表示される。そして、顧客は、表示されている操作ボタンの中から所望の金融取引、例えば、振込を選択するための操作ボタンにタッチする、すなわち、操作ボタンをクリックする。
【0046】
すると、自動取引装置10の制御部12は、顧客が選択した金融取引が振込であるか否か、すなわち、振込取引であるか否かを判断する。そして、振込取引でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0047】
また、振込取引である場合、制御部12は、カメラ13に顧客撮影を開始させる。これにより、カメラ13は、画面操作部11を操作する顧客を撮影し、撮影画像を制御部12に送信する。
【0048】
すると、該制御部12は、顧客画像解析を行い、取得した撮影画像を解析する。まず、制御部12は、撮影画像を解析し、顧客の顔を認識してその位置を特定する。
【0049】
続いて、制御部12は、顧客が携帯電話機を使用しているか否か、すなわち、携帯電話で通話中であるか否かを判断する。具体的には、制御部12は、撮影画像を更に解析し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられているか否かを判断する。そして、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられている場合には、携帯電話で通話中であると判断し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられていない場合には、携帯電話で通話中でないと判断する。
【0050】
そして、携帯電話で通話中でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0051】
また、携帯電話で通話中である場合には、制御部12はスピーカ14から警告音を発生させる。そして、そのまま取引を続行する。
【0052】
また、金融機関の係員は、警告音を聞き付けると、顧客の様子に応じて、振込取引が振り込め詐欺によるものでないことを顧客に確認する。
【0053】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 顧客が選択した金融取引が振込取引であるか否かを判断する。振込取引である場合はステップS12に進み、振込取引でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS12 カメラ13に顧客撮影を開始させる。
ステップS13 顧客画像解析を行う。
ステップS14 顧客が携帯電話で通話中であるか否かを判断する。携帯電話で通話中である場合はステップS15に進み、携帯電話で通話中でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS15 スピーカ14から警告音を発生させ、そのまま取引を続行する。
【0054】
このように、本実施の形態においては、金融取引が振込取引であり、かつ、カメラ13が撮影した画像を解析して顧客が携帯電話で通話中であると判断した場合に、スピーカ14から警告音が発生する。これにより、金融機関の係員に注意を促して、振り込め詐欺であるか否かを確認させるので、携帯電話機を通して被害者に対して振込先、振込金額等の入力指示を行う手口の振り込め詐欺によって被害が発生することを、未然に防止することができる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0056】
図6は本発明の第3の実施の形態における自動取引装置を示す図である。
【0057】
図に示されるように、本実施の形態における自動取引装置10は、警告を出力する警告出力装置としての警告灯15を備える。該警告灯15は制御部12に接続されている。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
次に、本実施の形態における自動取引装置10の動作について説明する。
【0059】
図7は本発明の第3の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【0060】
まず、顧客は、金融機関の支店等に配設された自動取引装置10を操作して金融取引を開始する。この場合、前記自動取引装置10は、画面操作部11の表示画面に、金融取引を選択するためのガイダンスとして取引選択画面を表示する。該取引選択画面には、金融取引を選択するための取引選択用の操作ボタンが表示される。そして、顧客は、表示されている操作ボタンの中から所望の金融取引、例えば、振込を選択するための操作ボタンにタッチする、すなわち、操作ボタンをクリックする。
【0061】
すると、自動取引装置10の制御部12は、顧客が選択した金融取引が振込であるか否か、すなわち、振込取引であるか否かを判断する。そして、振込取引でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0062】
また、振込取引である場合、制御部12は、カメラ13に顧客撮影を開始させる。これにより、カメラ13は、画面操作部11を操作する顧客を撮影し、撮影画像を制御部12に送信する。
【0063】
すると、該制御部12は、顧客画像解析を行い、取得した撮影画像を解析する。まず、制御部12は、撮影画像を解析し、顧客の顔を認識してその位置を特定する。
【0064】
続いて、制御部12は、顧客が携帯電話機を使用しているか否か、すなわち、携帯電話で通話中であるか否かを判断する。具体的には、制御部12は、撮影画像を更に解析し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられているか否かを判断する。そして、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられている場合には、携帯電話で通話中であると判断し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられていない場合には、携帯電話で通話中でないと判断する。
【0065】
そして、携帯電話で通話中でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0066】
また、携帯電話で通話中である場合には、制御部12は警告灯15を発光させる。そして、そのまま取引を続行する。
【0067】
また、金融機関の係員は、警告灯15の光を視認すると、顧客の様子に応じて、振込取引が振り込め詐欺によるものでないことを顧客に確認する。
【0068】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 顧客が選択した金融取引が振込取引であるか否かを判断する。振込取引である場合はステップS22に進み、振込取引でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS22 カメラ13に顧客撮影を開始させる。
ステップS23 顧客画像解析を行う。
ステップS24 顧客が携帯電話で通話中であるか否かを判断する。携帯電話で通話中である場合はステップS25に進み、携帯電話で通話中でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS25 警告灯15を発光させ、そのまま取引を続行する。
【0069】
このように、本実施の形態においては、金融取引が振込取引であり、かつ、カメラ13が撮影した画像を解析して顧客が携帯電話で通話中であると判断した場合に、警告灯15が発光する。これにより、金融機関の係員に注意を促して、振り込め詐欺であるか否かを確認させるので、携帯電話機を通して被害者に対して振込先、振込金額等の入力指示を行う手口の振り込め詐欺によって被害が発生することを、未然に防止することができる。
【0070】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0071】
図8は本発明の第4の実施の形態における自動取引装置を示す図である。
【0072】
図に示されるように、本実施の形態における自動取引装置10の制御部12は、監視端末16に通信可能に接続されている。該監視端末16は、金融機関の営業店内の窓口等の場所に配設された端末装置であり、窓口の担当者、営業店の店長等の管理者、営業店の案内係員又は警備係員等の係員が警告表示、警告音等の出力を確認することができるようになっている。なお、前記監視端末16は、例えば、パーソナルコンピュータ等であるが、通信インターフェイス、表示装置、音声出力装置等を備える装置であって、自動取引装置10から信号を受信して、ランプの点灯、警告画面の表示等による警告の表示や、警告音の発生等によって警告出力を行うことができる装置であれば、いかなる装置であってもよい。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0073】
次に、本実施の形態における自動取引装置10の動作について説明する。
【0074】
図9は本発明の第4の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【0075】
まず、顧客は、金融機関の支店等に配設された自動取引装置10を操作して金融取引を開始する。この場合、前記自動取引装置10は、画面操作部11の表示画面に、金融取引を選択するためのガイダンスとして取引選択画面を表示する。該取引選択画面には、金融取引を選択するための取引選択用の操作ボタンが表示される。そして、顧客は、表示されている操作ボタンの中から所望の金融取引、例えば、振込を選択するための操作ボタンにタッチする、すなわち、操作ボタンをクリックする。
【0076】
すると、自動取引装置10の制御部12は、顧客が選択した金融取引が振込であるか否か、すなわち、振込取引であるか否かを判断する。そして、振込取引でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0077】
また、振込取引である場合、制御部12は、カメラ13に顧客撮影を開始させる。これにより、カメラ13は、画面操作部11を操作する顧客を撮影し、撮影画像を制御部12に送信する。
【0078】
すると、該制御部12は、顧客画像解析を行い、取得した撮影画像を解析する。まず、制御部12は、撮影画像を解析し、顧客の顔を認識してその位置を特定する。
【0079】
続いて、制御部12は、顧客が携帯電話機を使用しているか否か、すなわち、携帯電話で通話中であるか否かを判断する。具体的には、制御部12は、撮影画像を更に解析し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられているか否かを判断する。そして、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられている場合には、携帯電話で通話中であると判断し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられていない場合には、携帯電話で通話中でないと判断する。
【0080】
そして、携帯電話で通話中でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0081】
また、携帯電話で通話中である場合には、制御部12は、監視端末16に警告信号を送出する。そして、そのまま取引を続行する。
【0082】
また、前記監視端末16は、警告信号を受信すると、ランプの点灯、警告画面の表示、警告音の発生等によって警告出力を行う。そして、金融機関の係員は、監視端末16が出力した警告を認識すると、顧客の様子に応じて、振込取引が振り込め詐欺によるものでないことを顧客に確認する。
【0083】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 顧客が選択した金融取引が振込取引であるか否かを判断する。振込取引である場合はステップS32に進み、振込取引でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS32 カメラ13に顧客撮影を開始させる。
ステップS33 顧客画像解析を行う。
ステップS34 顧客が携帯電話で通話中であるか否かを判断する。携帯電話で通話中である場合はステップS35に進み、携帯電話で通話中でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS35 監視端末16に警告信号を送出し、そのまま取引を続行する。
【0084】
このように、本実施の形態においては、金融取引が振込取引であり、かつ、カメラ13が撮影した画像を解析して顧客が携帯電話で通話中であると判断した場合に、警告信号が監視端末16に送信され、該監視端末16が警告出力を行う。これにより、金融機関の係員に注意を促して、振り込め詐欺であるか否かを確認させるので、携帯電話機を通して被害者に対して振込先、振込金額等の入力指示を行う手口の振り込め詐欺によって被害が発生することを、未然に防止することができる。
【0085】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、第1〜第4の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第4の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0086】
図10は本発明の第5の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【0087】
本実施の形態において、自動取引装置10の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略し、その動作について説明する。
【0088】
まず、顧客は、金融機関の支店等に配設された自動取引装置10を操作して金融取引を開始する。この場合、前記自動取引装置10は、画面操作部11の表示画面に、金融取引を選択するためのガイダンスとして取引選択画面を表示する。該取引選択画面には、金融取引を選択するための取引選択用の操作ボタンが表示される。そして、顧客は、表示されている操作ボタンの中から所望の金融取引、例えば、振込を選択するための操作ボタンにタッチする、すなわち、操作ボタンをクリックする。
【0089】
すると、自動取引装置10の制御部12は、顧客が選択した金融取引が振込であるか否か、すなわち、振込取引であるか否かを判断する。そして、振込取引でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0090】
また、振込取引である場合、制御部12は、カメラ13に顧客撮影を開始させる。これにより、カメラ13は、画面操作部11を操作する顧客を撮影し、撮影画像を制御部12に送信する。
【0091】
すると、該制御部12は、顧客画像解析を行い、取得した撮影画像を解析する。まず、制御部12は、撮影画像を解析し、顧客の顔を認識してその位置を特定する。
【0092】
続いて、制御部12は、顧客が携帯電話機を使用しているか否か、すなわち、携帯電話で通話中であるか否かを判断する。具体的には、制御部12は、撮影画像を更に解析し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられているか否かを判断する。そして、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられている場合には、携帯電話で通話中であると判断し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられていない場合には、携帯電話で通話中でないと判断する。
【0093】
そして、携帯電話で通話中でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0094】
また、携帯電話で通話中である場合には、制御部12は、表示画面に表示されている顧客操作画面に、振り込め詐欺の注意喚起を促す画面を表示させる。例えば、顧客操作画面に「携帯電話機で誘導されて振込取引をしていませんか?振り込め詐欺の可能性があります。」と表示する。そして、振り込め詐欺でない場合には顧客操作画面に表示されている操作ボタンの中から確認ボタンを選択してクリックし、振り込め詐欺の可能性がある場合には前記操作ボタンの中から取消ボタンを選択してクリックするように促す。すなわち、顧客に確認又は取消ボタンを押下させる。
【0095】
続いて、制御部12は、顧客の操作がいずれであるかを判断する。すなわち、押下したのは確認ボタンであるか取消ボタンであるかを判断する。そして、確認ボタンである場合には、そのまま取引を続行する。
【0096】
また、取消ボタンである場合、制御部12は、表示画面に表示されている顧客操作画面に窓口に誘導する画面を表示させる。例えば、表示画面の顧客操作画面に「窓口にお越しください。」と表示する。そして、制御部12は取引を中断する。
【0097】
これにより、顧客が営業店の窓口に出向くと、金融機関の係員は、中断された振込取引が振り込め詐欺によるものでないことを顧客に確認する。
【0098】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS41 顧客が選択した金融取引が振込取引であるか否かを判断する。振込取引である場合はステップS42に進み、振込取引でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS42 カメラ13に顧客撮影を開始させる。
ステップS43 顧客画像解析を行う。
ステップS44 顧客が携帯電話で通話中であるか否かを判断する。携帯電話で通話中である場合はステップS45に進み、携帯電話で通話中でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS45 表示画面に表示されている顧客操作画面に、振り込め詐欺の注意喚起を促す画面を表示させる。
ステップS46 顧客に確認又は取消ボタンを押下させる。
ステップS47 顧客の操作がいずれであるかを判断する。取消ボタンである場合はステップS48に進み、確認ボタンである場合はそのまま取引を続行する。
ステップS48 表示画面に表示されている顧客操作画面に窓口に誘導する画面を表示させ、取引を中断する。
【0099】
このように、本実施の形態においては、金融取引が振込取引であり、かつ、カメラ13が撮影した画像を解析して顧客が携帯電話で通話中であると判断した場合に、顧客に対して振り込め詐欺に関する注意喚起を行う。これにより、顧客自身が振り込め詐欺であるか否かを確認することができるので、携帯電話を通して被害者に対して振込先、振込金額等の入力指示を行う手口の振り込め詐欺によって被害が発生することを、未然に防止することができる。
【0100】
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、第1〜第5の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第5の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0101】
図11は本発明の第6の実施の形態における自動取引装置の動作を示すフローチャートである。
【0102】
本実施の形態において、自動取引装置10の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略し、その動作について説明する。
【0103】
まず、顧客は、金融機関の支店等に配設された自動取引装置10を操作して金融取引を開始する。この場合、前記自動取引装置10は、画面操作部11の表示画面に、金融取引を選択するためのガイダンスとして取引選択画面を表示する。該取引選択画面には、金融取引を選択するための取引選択用の操作ボタンが表示される。そして、顧客は、表示されている操作ボタンの中から所望の金融取引、例えば、振込を選択するための操作ボタンにタッチする、すなわち、操作ボタンをクリックする。
【0104】
すると、自動取引装置10の制御部12は、顧客が選択した金融取引が振込であるか否か、すなわち、振込取引であるか否かを判断する。そして、振込取引でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0105】
また、振込取引である場合、制御部12は、カメラ13に顧客撮影を開始させる。これにより、カメラ13は、画面操作部11を操作する顧客を撮影し、撮影画像を制御部12に送信する。
【0106】
すると、該制御部12は、顧客画像解析を行い、取得した撮影画像を解析する。まず、制御部12は、撮影画像を解析し、顧客の顔を認識してその位置を特定する。
【0107】
続いて、制御部12は、顧客が携帯電話機を使用しているか否か、すなわち、携帯電話で通話中であるか否かを判断する。具体的には、制御部12は、撮影画像を更に解析し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられているか否かを判断する。そして、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられている場合には、携帯電話で通話中であると判断し、顧客の顔の位置の右下又は左下の位置に携帯電話機又は顧客の手が添えられていない場合には、携帯電話で通話中でないと判断する。
【0108】
そして、携帯電話で通話中でない場合には、そのまま取引を続行する。
【0109】
また、携帯電話で通話中である場合には、制御部12は、表示画面に表示されている顧客操作画面に、携帯電話での通話をやめるか又は取引を取り消して窓口に出向く旨の画面を表示させる。例えば、「携帯電話を置いて取引操作を行ってください。」、「携帯電話の電源を切って取引操作を行ってください。」、「電話をしながら振込する場合は、窓口にお越しください。」等の画面を表示させる。
【0110】
そして、取引を継続する場合には、顧客操作画面に表示されている操作ボタンの中から確認ボタンを選択してクリックし、取引を取り消す場合には、前記操作ボタンの中から取消ボタンを選択してクリックするように促す。すなわち、顧客に確認又は取消ボタンを押下させる。
【0111】
続いて、制御部12は、顧客の操作がいずれであるかを判断する。すなわち、押下したのは確認ボタンであるか取消ボタンであるかを判断する。そして、確認ボタンである場合には、制御部12は、再び、カメラ13に顧客撮影を開始させ、顧客画像解析を行い、携帯電話で通話中であるか否かを判断し、携帯電話で通話中である場合には、再び、表示画面に表示されている顧客操作画面に、携帯電話での通話をやめるか又は取引を取り消して窓口に出向く旨の画面を表示させる。なお、携帯電話で通話中でなければ、取引を続行する。
【0112】
また、取消ボタンである場合、制御部12は、表示画面に表示されている顧客操作画面に窓口に誘導する画面を表示させる。例えば、表示画面の顧客操作画面に「窓口にお越しください。」と表示する。そして、制御部12は取引を中断する。
【0113】
これにより、顧客が営業店の窓口に出向くと、金融機関の係員は、中断された振込取引が振り込め詐欺によるものでないことを顧客に確認する。
【0114】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS51 顧客が選択した金融取引が振込取引であるか否かを判断する。振込取引である場合はステップS52に進み、振込取引でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS52 カメラ13に顧客撮影を開始させる。
ステップS53 顧客画像解析を行う。
ステップS54 顧客が携帯電話で通話中であるか否かを判断する。携帯電話で通話中である場合はステップS55に進み、携帯電話で通話中でない場合はそのまま取引を続行する。
ステップS55 表示画面に表示されている顧客操作画面に、携帯電話での通話をやめるか又は取引を取り消して窓口に出向く旨の画面を表示させる。
ステップS56 顧客に確認又は取消ボタンを押下させる。
ステップS57 顧客の操作がいずれであるかを判断する。確認ボタンである場合はステップS52に戻り、取消ボタンである場合はステップS58に進む。
ステップS58 表示画面に表示されている顧客操作画面に窓口に誘導する画面を表示させ、取引を中断する。
【0115】
このように、本実施の形態においては、金融取引が振込取引であり、かつ、カメラ13が撮影した画像を解析して顧客が携帯電話で通話中であると判断した場合に、顧客に対して通話をやめるか又は取引を取り消して窓口に出向く旨の誘導を行う。これにより、携帯電話機を通して被害者に対して振込先、振込金額等の入力指示を行う手口の振り込め詐欺によって被害が発生することを、未然に防止することができる。
【0116】
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、第1〜第6の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1〜第6の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0117】
図12は本発明の第7の実施の形態における自動取引装置と顧客との位置関係を示す平面図である。
【0118】
図に示されるように、本実施の形態における自動取引装置10は、その本体の周辺に配設された指向性のあるアンテナ21と、該アンテナ21に接続された受信機22を備える。そして、制御部12は、前記受信機22が計測した顧客が所持する携帯電話機23の発する電波の強度に基づいて、顧客が前記携帯電話機23を使用して通話中であるか否かを判断する。
【0119】
なお、その他の点の構成及び動作については、前記第1〜第6の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0120】
また、前記第1〜第7の実施の形態において、制御部12は、顧客が振込取引を選択したと判断した後に、顧客が携帯電話機を使用しているか否かを判断する例について説明したが、振込ボタンが選択される時点で、すなわち、顧客が振込取引を選択する時点で顧客が携帯電話機23を使用しているか否かを判断するようにしてもよい。この場合、振込取引の操作を続行中に携帯電話機を使用した顧客は、自発的に携帯電話機を使用しているのであって、振り込め詐欺の可能性はないものと判断することができる。
【0121】
さらに、顧客が携帯電話機を使用して行っている通話の内容を録音することもできる。これにより、顧客が振り込め詐欺の被害にあった場合、振り込め詐欺を行った者を特定する手がかりを得ることができる。
【0122】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、振り込め詐欺防止機能付自動取引装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0124】
10 自動取引装置
11 画面操作部
12 制御部
13 カメラ
14 スピーカ
15 警告灯
16 監視端末
21 アンテナ
22 受信機
23 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、
(b)指向性のあるアンテナが接続された受信機と、
(c)該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部とを有し、
(d)前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記顧客を窓口に誘導して取引を中止することを特徴とする振り込め詐欺防止機能付自動取引装置。
【請求項2】
(a)表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、
(b)指向性のあるアンテナが接続された受信機と、
(c)該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部と、
(d)音声出力装置とを有し、
(e)前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、警告音を発生することを特徴とする振り込め詐欺防止機能付自動取引装置。
【請求項3】
(a)表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、
(b)指向性のあるアンテナが接続された受信機と、
(c)該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部と、
(d)警告灯とを有し、
(e)前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記警告灯が点灯することを特徴とする振り込め詐欺防止機能付自動取引装置。
【請求項4】
(a)表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、
(b)指向性のあるアンテナが接続された受信機と、
(c)該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部と、
(d)該制御部に接続された監視端末とを有し、
(e)前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記監視端末が警告を出力することを特徴とする振り込め詐欺防止機能付自動取引装置。
【請求項5】
(a)表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、
(b)指向性のあるアンテナが接続された受信機と、
(c)該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部とを有し、
(d)前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記操作部がメッセージを表示することを特徴とする振り込め詐欺防止機能付自動取引装置。
【請求項6】
前記操作部が表示するメッセージは、取引を中止する際に表示する請求項5に記載の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置。
【請求項7】
(a)表示装置及び入力装置としての機能を備え、金融機関の顧客が操作して振込取引を行うことができる操作部と、
(b)指向性のあるアンテナが接続された受信機と、
(c)該受信機が計測した顧客の携帯電話機が発する電波の強度に基づき、顧客が携帯電話機を使用して通話中であるか否かを判断する制御部とを有し、
(d)前記顧客が振込取引を行っている場合に通話中であるときは、前記操作部が通話を中止又は取引を中止して窓口に出向く旨を促す画面を表示することを特徴とする振り込め詐欺防止機能付自動取引装置。
【請求項8】
前記顧客が通話も取引も中止しないときは、前記操作部が、再び、通話を中止又は取引を中止して窓口に出向く旨を促す画面を表示する請求項7に記載の振り込め詐欺防止機能付自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−101695(P2013−101695A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−28567(P2013−28567)
【出願日】平成25年2月18日(2013.2.18)
【分割の表示】特願2008−175131(P2008−175131)の分割
【原出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】