説明

捩じり振動吸収装置、およびこれを備えた携帯型動力刈払機

【課題】既存の装置類の各部の変更を不要もしくは、最小限としつつ、より効率的に捩じり振動を除去することが可能な捩じり振動吸収装置を提供する。
【解決手段】中心軸S1周りに回転する第1部材1と、中心軸S2周りに回転する第2部材2と、一端が第1部材1に、他端が第2部材2に係止されたバネと、を備え、中心軸S1,S2を一致させて相対軸転するように第1部材1と第2部材2とを相互に拘束する拘束手段Rと、第1部材1と第2部材2との相対軸転角を規制する規制手段と、を備えており、上記バネは、上記中心軸S1,S2の方向に延びる長手状の板バネ3である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力源の出力軸の回転を伝達する伝動軸に生じる捩じり振動を吸収もしくは抑制する捩じり振動吸収装置、および、これを備えた携帯型動力刈払機に関する。
【背景技術】
【0002】
図15に、携帯型動力刈払機Xの一例を示す。この携帯型動力刈払機Xは、操作管100と、この操作管100の基端側に連結された小型2サイクルガソリンエンジン等の動力源200と、操作管100の先端側に支持された回転刃300とを備えて構成される。操作管100には、動力源200の出力軸の回転を伝達するための伝動軸(図に表れず)が回転可能に通挿支持されている。操作管100の先端側には、ベベルギヤ機構(図に表れず)を内蔵するギヤボックス400が取り付けられている。上記伝動軸は、その基端側が、動力源200のクラッチドラムと一体回転する出力軸に対してたとえばスプライン嵌合により連結され、その先端側が、ギヤボックス400内の一次側ベベルギヤの入力軸に対し、たとえばスプライン嵌合により連結されている。回転刃300は、ギヤボックス400内の二次側ベベルギヤの出力軸に支持されている。このようなベベルギヤ機構により、伝動軸の軸線(操作管100の軸線)と、回転刃300の回転軸線とが、所定角度で交差するように設定される。
【0003】
操作管100の基端側にはまた、U字ハンドル500が取り付けられている。このU字ハンドル500の適部には、動力源200の回転数を制御するためのスロットルレバーなどの操作部が設けられる。このような携帯型動力刈払機Xは、動力源200に近い操作管100の適部を肩掛けベルト(図示略)で吊るすようにして作業者の身体に支持される。作業者は、U字ハンドル500を両手で握持し、動力源200の回転数を所望の回転数に上げて回転刃300を回転させつつ、操作管100を左右に振回させ、回転刃300を地面に沿って左右に移動させることにより、刈払い作業を行う。
【0004】
ところで、伝動軸の回転の加減速や、回転刃300が切断対象を切断する際に生じる断続的な抵抗、あるいは、回転刃300が硬質の外物に衝突した場合に生じる衝撃的な制動力等に起因して、伝動軸にはさまざまなトルク変動が生じる。このようなトルク変動は、伝動軸が1.5m程度の長さをもち、かつ捩じり弾性を有していることとあいまって、伝動軸に捩じり振動を発生させ、この捩じり振動が操作管100ないし刈払機X全体に複雑な振動となって伝播する。
【0005】
この種の携帯型刈払機は、上記したように両手でしっかりとU字ハンドルを握持し、しかも、身体に吊るすような恰好で作業者に支持して使用されるため、上記の振動は、作業者に直接、かつ強く体感される。しかも、この種の携帯型刈払機を用いる刈払い作業は、比較的長時間にわたって継続して行われる。そのため、この種の携帯型刈払機においては、伝動軸に生じるトルク変動に起因する振動を吸収ないし軽減することが、作業者の健康上の負担を軽減し、安全性や作業性を向上させるためにも強く求められる。
【0006】
たとえば、特許文献1には、エンジンのクラッチドラムの出力軸と、伝動軸との間に、コイルバネを介装するとともに、出力軸と伝動軸との間に所定以上の相対回転を規制する規制手段を設けた振動吸収継手が開示されている。このような構成によれば、クラッチハウジングの出力軸の回転を、コイルバネを介して伝動軸に伝達することが可能でありながら、伝動軸とクラッチドラムとの間の相対的な回転を許容するため、伝動軸に生じるトルク変動に起因した捩じり振動の発生を抑制することができる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、クラッチドラムの出力軸近傍に、コイルバネの一端を支持するためと、規制手段を形成するための特別な構成を付加せねばならず、構造が複雑化し、既存の携帯型動力刈払機に容易に適用できないという問題がある。
【0008】
特許文献1に開示された構成ではまた、コイルバネは、回転トルクを伝達する役割を持たせながら、捩じり振動を吸収する役割をももたせる必要があることから、コイルバネの線径および巻き径をある程度大きなものとせざるをえず、これにより、振動吸収継手の大型化と重量増加を招くという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4167679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、既存の装置類の各部の変更を不要もしくは、最小限としつつ、より効率的に捩じり振動を除去することが可能であるとともに、小型化、軽量化が可能な捩じり振動吸収装置、および、これを備えた携帯型動力刈払機を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用している。
【0012】
すなわち、本発明の第1の側面によって提供される捩じり振動吸収装置は、中心軸をもつ第1部材と、中心軸をもつ第2部材と、一端が上記第1部材に、他端が上記第2部材に係止されたバネと、上記第1部材と上記第2部材のいずれか一方または双方、もしくはこれらに付属する部材によって構成され、中心軸を一致させて相対軸転するように上記第1部材と上記第2部材とを相互に拘束する拘束手段と、上記第1部材と上記第2部材との相対軸転角を規制する規制手段と、を備えた捩じり振動吸収装置であって、上記バネは、上記中心軸の方向に延びる長手状の板バネであることを特徴とする。
【0013】
好ましい実施の形態では、上記規制手段は、上記第1部材から上記第2部材の方向へ延出させた1または複数の第1突起と、上記第2部材から上記第1部材の方向へ、上記第1突起に対して上記第1または第2部材の周方向に干渉するように延出させた1または複数の第2突起と、を含んで構成されている。
【0014】
好ましい実施の形態ではまた、上記拘束手段は、上記第1部材と上記第2部材の一方に、他方の一部を内包するように延出する筒部を設けることによって構成され、上記規制手段は、上記筒部に上記第1突起または上記第2突起を設け、上記筒部を設けた部材と相対する部材に上記第2突起または上記第1突起を設けることにより構成され、上記板バネは、上記筒部に内包されている。
【0015】
他の好ましい実施の形態では、上記拘束手段は、上記第1部材と上記第2部材の一方の部材に、他方の部材の一部を内包するように延出する筒部を設けることによって構成され、上記規制手段は、上記他方の部材の外周に凸部を設けるとともに、上記筒部にその厚み方向に貫通し、周方向に延びる長孔を設け、上記凸部と上記長孔とを係合させることにより構成され、上記板バネは、上記筒部に内包されている。
【0016】
本発明の第2の側面によって提供される携帯型動力刈払機は、操作管と、この操作管の基端側に連結された動力源と、上記操作管の先端側に支持された回転刃と、上記操作管に回転可能に通挿され、上記動力源の出力軸の回転を上記回転刃に伝達するための伝動軸と、を備えた携帯型動力刈払機であって、上記伝動軸の端部もしくは中間部に、本発明の第1の側面に係る捩じり振動吸収装置が介装されていることを特徴とする。
【0017】
好ましい実施の形態では、上記第1部材と上記第2部材の一方には、上記中心軸と一致する軸線をもって延出するスプライン軸が設けられているとともに、上記第1部材と上記第2部材の他方には、上記中心軸と一致する軸線をもち、上記スプライン軸と同一径のスプライン孔が設けられており、上記スプライン軸が上記動力源の出力軸に形成されたスプライン孔状係合孔に係合され、上記スプライン孔に上記伝動軸の基端に形成されたスプライン軸状係合部が係合させられている。
【0018】
他の好ましい実施の形態では、上記第1部材と上記第2部材の一方には、上記中心軸と一致する軸線をもって延出するスプライン軸が設けられているとともに、上記第1部材と上記第2部材の他方には、上記中心軸と一致する軸線をもち、上記スプライン軸と同一径のスプライン孔が設けられており、上記スプライン軸が上記回転刃を支持する回転刃支持機構の入力軸に形成されたスプライン孔状係合孔に係合させられ、上記スプライン孔に上記伝動軸の先端に形成されたスプライン軸状係合部が係合させられている。
【0019】
さらに他の好ましい実施の形態では、上記第1部材と上記第2部材の一方には、上記中心軸と一致する軸線をもって延出するスプライン軸が設けられており、上記スプライン軸が上記動力源の出力軸に形成されたスプライン孔状係合孔に係合させられ、上記第1部材と上記第2部材の他方は、上記伝動軸の基端に一体に形成されている。
【0020】
さらに他の好ましい実施の形態では、上記第1部材と上記第2部材の一方には、上記中心軸と一致する軸線をもって延出するスプライン軸が設けられており、上記スプライン軸が上記回転刃を支持する回転刃支持機構の入力軸に形成されたスプライン孔状係合孔に係合させられ、上記第1部材と上記第2部材の他方は、上記伝動軸の先端に一体に形成されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る捩じり振動吸収装置は、第1部材と第2部材とを同一中心軸周りに相対軸転するように拘束する拘束手段と、上記第1部材と上記第2部材との相対軸転角を規制する規制手段とが、いずれも、上記第1部材と上記第2部材のいずれか一方または双方、もしくはこれらに付属する部材に設けられているため、全体的な構成が簡略化され、第1部材に駆動力を入力するべき部材に特別な変更を施すことなく、駆動力が被動側の部材に伝達される間に、捩じり振動を効果的に除去または軽減することが可能となる。
【0022】
本発明に係る捩じり振動吸収装置はまた、捩じり振動を吸収する機能を果たすバネが、第1部材と第2部材との間に介装された板バネであるため、その幅寸法を抑制したとしても、その板厚と長さを調整することにより、容易に捩じり振動吸収力を調整することができるため、捩じり振動吸収装置の特に径方向の小型化と、軽量化を図ることができる。また、板バネは、市場により入手容易であることから、コストダウンにも大きく寄与する。
【0023】
本発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る捩じり振動吸収装置の第1の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1のII方向矢視図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1に示す捩じり振動吸収装置を携帯型動力刈払機に適用した場合の一例を示す断面図である。
【図6】図1に示す捩じり振動吸収装置を携帯型動力刈払機に適用した場合の一例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る捩じり振動吸収装置の第2の実施形態を示す側面図である。
【図8】図7のVIII方向矢視図である。
【図9】図7のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図7に示す捩じり振動吸収装置を携帯型動力刈払機に適用した場合の一例を示す断面図である。
【図11】図7に示す捩じり振動吸収装置を携帯型動力刈払機に適用した場合の一例を示す断面図である。
【図12】本発明に係る捩じり振動吸収装置の第3の実施形態を示す側面図である。
【図13】図12のXIII-XIII線に沿う断面図である。
【図14】図12のXIV-XIV線に沿う断面図である。
【図15】携帯型動力刈払機の全体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A1を示し、図1は側面図、図2は図1のII方向矢視図、図3は図1のIII−III線断面図、図4は図2のIV-IV線断面図である。
【0027】
図3に良く表れているように、捩じり振動吸収装置A1は、第1部材1と、第2部材2と、板バネ3と、を備えて大略構成される。
【0028】
第1部材1と第2部材2とは、いずれも中心軸S1,S2をもつ軸状を呈しており、両中心軸S1,S2が同一の軸線S上に配置されるように組み合わされる。第1部材1は、たとえば金属製であり、小径の第1中空軸11と、それより大径の第1筒軸部12とを備える。第1筒軸部12は、第1中空軸11に対し、その第2部材2側の端部外周に套嵌され、第2部材2側に所定長さ延出している。第1中空軸11の第2部材2と反対側の端部は、スプライン軸11Aとされている。第2部材2は、たとえば金属製であり、第1中空軸11と同径の第2中空軸21と、それより大径の第2筒軸部22とを備える。第2筒軸部22は、第1中空軸21に対し、その第1部材1と反対側の端部外周に套嵌され、第1部材1と反対側に所定長さ延出している。第1筒軸部12と第2筒軸部22とは、内外径とも、両者同じである。第2筒軸部22の第1部材1と反対側の端部には、スプライン孔22Aが形成されている。このスプライン孔22Aの呼び径は、スプライン軸11Aの呼び径と同一である。このように構成される第1部材1と第2部材2とは、第1筒軸部12が第2中空軸21の第1部材1側の部位に外嵌されることにより、同一軸線S周りに相対軸転可能に、相互に拘束されつつ、組み合わされる。このようにして、中心軸S1,S2を一致させて相対軸転するように第1部材1と第2部材2とを相互に拘束する拘束手段Rが構成されている。
【0029】
第1部材1において、第1中空軸11と第1筒軸部12とは、図3によく表れているように、両者を径方向に貫通するスプリングピン13によって一体化させられている。ただし、このスプリングピン13はまた、後記するように、板バネ3の一端を第1部材1に係止する役割をも果たす。第2部材2において、第2中空軸21と第2筒軸部22とは、図3によく表れているように、両者を径方向に貫通するスプリングピン23によって一体化させられている。
【0030】
図2および図4に良く表れているように、第1筒軸部12の先端部には、その一定中心角部分を切除することにより、第2筒軸部22の方向へ延出する第1突起12Bが形成されている。すなわち、この第1突起12Bは、第1筒軸部12の先端部において、中心角が180度以下の部分円筒壁の形態を有している。これに対して第2筒軸部22の先端部にも、その一定中心角部分を切除することにより、第1筒軸部12の方向へ延出する第2突起22Bが形成されている。すなわち、この第2突起22Bは、第2筒軸部2の先端部において、中心角が180度以下の部分円筒壁の形態を有している。そして、第1突起12Bと第2突起22Bとが、各筒軸部12,22の周方向に干渉するように各筒軸部12,22が組み合わされており、これにより、第1部材1と第2部材2との相対軸転範囲を、第1突起12Bと第2突起22Bとがそれらの周方向一端部12Ba,22Baどうしが当接する状態(図4(B))から、それらの周方向他端部12Bb,22Bbどうしが当接する状態(図4(C))までの一定角度範囲に規制する規制手段Cが構成される。なお、この規制手段Cとしては、図に示す実施形態のように、第1筒軸部12と第2筒軸部22に、それぞれ1つの突起12B,22Bを形成するほか、相互に各筒軸部12,22の周方向に干渉する複数の突起を設けてもよい。
【0031】
板バネ3は、第1筒軸部12の内径と対応した幅を有するとともに、所定長さと所定厚み有する長矩形短冊状をしており、バネ鋼により形成されている。この板バネ3の長さと厚みは、第1部材1から第2部材2に伝達するべきトルクの大きさと、吸収するべき捩じり振動の大きさに応じて、適宜設定される。この板バネ3にはまた、その両端部に厚み方向に貫通する透孔31,32が形成されている(図3参照)。
【0032】
板バネ3は、第1筒軸部12に内包された状態で、その一端が第1中空軸11に、他端が第2中空軸21に、それぞれ係止される。具体的には、図3に良く表れているように、第1中空軸11の端部には、軸方向に延び、板バネ3の厚みと対応した幅のスリット11Bが形成され、このスリット11Bに板バネ3の一端が嵌合させられるとともに、この一端に形成された透孔31に、上記スプリングピン13が連通挿される。スリット11Bとの嵌合により、第1部材1の回転力が板バネ3に伝達され、スプリングピン13と透孔31との係合により、板バネ3と第1部材1との軸方向の相対動が規制される。また、第2中空軸21の端部にも、軸方向に延び、板バネ3の厚みと対応した幅のスリット21Bが形成され、このスリット21Bに板バネ3の他端が嵌合させられるとともに、この他端に形成された透孔32に、第2中空軸21にその径方向に貫通させたスプリングピン24が連通挿される。スリット21Bとの嵌合により、板バネ3からの回転力が第2部材2に伝達され、スプリングピン24と透孔32との係合により、板バネ3と第2部材2との軸方向の相対動が規制される。
【0033】
図5は、図15に示してすでに背景技術の項で説明した携帯型動力刈払機Xにおける、伝動軸600とクラッチドラム700との間に上記第1の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A1を適用した場合の構成例を示している。
【0034】
小型2サイクルガソリンエンジン(動力源)200と一体的なクラッチハウジング200Aの内部には、ベアリングBを介してクラッチドラム700の出力軸700Aが回転可能に支持されている。動力源200の回転数が一定以上に達すると、遠心クラッチが接続され、クラッチドラム700が回転駆動させられる。
【0035】
出力軸700Aには、スプライン孔700Bが形成されており、このスプライン孔700Bに、上記捩じり振動吸収装置A1の第1部材1のスプライン軸11Aが挿入連結される。また、操作管100に軸転可能に内装支持される伝動軸600の基端側には、スプライン軸600Aが形成されており、このスプライン軸600Aが、上記捩じり振動吸収装置A1の第2部材2のスプライン孔22Aに挿入連結されている。
【0036】
図6は、上記携帯型動力刈払機Xにおける伝動軸600の先端とギヤボックス400内の一次側ベベルギヤ400Aの入力軸400aとの間に上記第1の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A1を適用した場合の構成例を示している。
【0037】
操作管100の先端に連結されるギヤボックス400内には、一次側ベベルギヤ400Aと、二次側ベベルギヤ400Bとが相互噛み合い状態で内装されており、二次側ベベルギヤ400Bの出力軸400bには、回転刃300が支持されている。一次側ベベルギヤ400Aの回転は、二次側ベベルギヤ400Bの回転となって伝達され、回転刃300が回転させられる。
【0038】
上記一次側ベベルギヤ400Aの入力軸400aには、スプライン孔(符号省略)が形成されており、このスプライン孔には通常、伝動軸600の先端側に形成されたスプライン軸600Bが直接挿入連結されるが、図6に示す構成例では、このスプライン孔に、上記捩じり振動吸収装置A1の第1部材1のスプライン軸11Aが挿入連結され、上記伝動軸600の先端側のスプライン軸600Bが、上記捩じり振動吸収装置A1の第2部材2のスプライン孔22Aに挿入連結されている。この場合、第2部材2が駆動側となり、第1部材1が被動側となる。また、この場合、伝動軸600の基端側のスプライン軸600Aは、クラッチドラム700の出力軸700Aのスプライン孔700Bに直接挿入連結されることになる。
【0039】
次に、第1の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A1およびこれを備えた携帯型動力刈払機Xの作用について説明する。
【0040】
図5に示す構成例においては、クラッチドラム700の出力軸700Aの回転は、捩じり振動吸収装置A1を介して伝動軸600に伝達され、この伝動軸600の回転により、操作管100の先端部に支持させた回転刃300を回転させる。また、図6に示す構成例においては、伝動軸600の回転は、捩じり振動吸収装置A1を介して一次側ベベルギヤ400Aを回転させ、操作管100の先端部に支持させた回転刃300を回転させる。図5に示す構成例において、出力軸700Aの回転の加速状態においては、板バネ3を捩じりながら第1部材1の回転が第2部材2に伝達されるが、第1部材1と第2部材2との相対回転範囲が規制されているため、出力軸700Aが急加速状態にあっても、板バネ3が必要以上に捩じられることはなく、両突起12B,22Bの係合により、第1部材1の回転が効率的に第2部材2に伝達されて、伝動軸600が回転させられる。これと同様に、図6に示す構成例において、伝動軸600の回転の加速状態においては、板バネ3を捩じりながら第2部材2の回転が第1部材1に伝達されるが、第1部材1と第2部材2との相対回転範囲が規制されているため、伝動軸600が急加速状態にあっても、板バネ3が必要以上に捩じられることはなく、両突起12B,22Bの係合により、第2部材2の回転が効率的に第1部材1に伝達されて、一次側ベベルギヤ400Aが回転させられる。
【0041】
一方、回転刃300が切断対象を切断するとき、あるいは、回転刃300が小石等の硬質の外物に接触したような場合には、伝動軸600には、回転刃300側からの断続的な制動力が作用したり、回転数を回復するべく動力源200からの加速力が作用するなど、複雑なトルク変動が生じる。このようなトルク変動は、板バネ3の作用により、第1部材1と第2部材2とが弾性的な抵抗をもって相対軸転可能となっていることから吸収され、上記のトルク変動を原因とする振動が操作管100や刈払機X全体に伝播することを効果的に抑制することができる。その結果、不快な振動を体感することなく、携帯型動力刈払機Xを用いた長時間の刈払い作業を楽に行えるようになる。
【0042】
また、捩じり振動吸収装置A1は、第1部材1から第2部材2に至る間に、第1部材1と第2部材2とを同一軸心S周りに相対軸転可能に拘束する拘束手段Rと、第1部材1と第2部材2との相対軸転角度範囲を規制する規制手段Cとを構成しているので、動力源200やクラッチドラム700に対する変更を加える必要なく、伝動軸600を捩じり振動吸収装置A1の軸方向長さ分短縮するだけで、簡便に携帯型動力刈払機Xに組み込むことができる。
【0043】
さらに、捩じり振動吸収装置A1は、捩じり振動を吸収する機能を果たすバネが、第1部材1と第2部材2との間に介装された板バネ3であるため、その幅寸法を抑制したとしても、その板厚と長さを調整することにより、容易に捩じり振動吸収力を調整することができるため、捩じり振動吸収装置A1の特に径方向の小型化と、軽量化を図ることができ、ひいては、捩じり振動吸収装置A1を組み込むことによる携帯型動力刈払機Xの重量増加を抑制することができる。
【0044】
図7〜図9は、本発明の第2の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A2を示し、図7は側面図、図8は図7のVIII方向矢視図、図9は図7のIX−IX線断面図である。なお、これらの図において、先述した実施形態によるものと同一または類似の構成要素については、同一符号を付している。
【0045】
この捩じり振動吸収装置A2は、第2部材2が伝動軸600と一体化されている点を除き、第1の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A1と同様の構成を備える。すなわち、第2中空軸21は、同一径の伝動軸600の一端部を利用して形成されており、伝動軸600の他端には、第1中空軸11のスプライン軸11Aと同一径のスプライン軸600Cが形成されている。
【0046】
図10は、図15に示してすでに背景技術の項で説明した携帯型動力刈払機Xにおける、伝動軸600とクラッチドラム700との間に上記第2の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A2を適用した場合の構成例を示している。
【0047】
この構成例の場合、第1部材1の第1中空軸11に形成したスプライン軸11Aが、クラッチドラム700の出力軸700Aに形成されたスプライン孔700Bに挿入連結され、第2部材2の第2中空軸21と一体となった伝動軸600の先端のスプライン軸600Cが、ギヤボックス400の一次側ベベルギヤ400Aの入力軸400aに形成されたスプライン孔(符号省略)に挿入連結される。
【0048】
図11は、上記携帯型動力刈払機Xにおける伝動軸600の先端とギヤボックス400内の一次側ベベルギヤ400Aの入力軸400aとの間に上記第2の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A2を適用した場合の構成例を示している。
【0049】
この構成例の場合、第2部材の第2中空軸21と一体となった伝動軸600の先端のスプライン軸600Cが、クラッチドラム700の出力軸700Aに形成されたスプライン孔700Bに挿入連結され、第1部材1の第1中空軸11に形成したスプライン軸11Aが、ギヤボックス400の一次側ベベルギヤ400Aの入力軸400aに形成されたスプライン孔(符号省略)に挿入連結される。この場合、第2部材2が駆動側となり、第1部材1が被動側となる。
【0050】
図10に示す構成例においても、図11に示す構成例においても、図5および図6に示す構成例について上述したのと同様の作用を捩じり振動吸収装置A2が発揮し、伝動軸600に作用するトルク変動に起因する振動が操作管100ないし携帯型動力刈払機X全体に伝播することを効果的に抑制することができる。なお、第2の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A2は、第2部材2と伝動軸600が一体化されているので、携帯型動力刈払機Xとしての部品点数をさらに減少させてコストダウンを図ることができるとともに、携帯型動力刈払機Xの軽量化にも寄与することができる。
【0051】
図12〜図14は、本発明の第3の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A3を示している。図12は側面図、図13は図12のXIII−XIII線断面図、図14は図12のXIV−XIV線断面図である。これらの図において、先述した実施形態によるものと同一または類似の構成要素については、同一符号を付してある。
【0052】
この捩じり振動吸収装置A3もまた、第1部材1と、第2部材2と、板バネ3と、第1部材1と第2部材2とをそれらの中心軸S1,S2を一致させて相対軸転するように拘束する拘束手段Rと、第1部材1と第2部材2との相対軸転角を規制する規制手段Cとを備えるが、第1部材1が中実軸である点、規制手段Cの構成が異なる点を除き、基本的な構成は、図1〜図4に示した第1の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A1と大略同じである。
【0053】
この捩じり振動吸収装置A3の第1部材1は、小径部と大径部とを有する第1中実軸11と、この第1中実軸11の第2部材2側大径部に外嵌され、第2部材2側に延出する第1筒軸部12とを組み合わせて構成される。第1中実軸11の第2部材2と反対側の小径部は、スプライン軸11Aとされている。第1中実軸11と第1筒軸部12とは、両者を径方向に貫通するスプリングピン13によって一体化させられており、このスプリングピン13はまた、板バネ3の一端に設けた透孔31をも貫通することにより、この板バネ3を第1部材1に係止する役割を果たす。第1中実軸11の第2部材2側大径部には、板バネ3の一端が嵌合させられるスリット11Bが形成されている。このようにして板バネ3の一端が上記スリット11Bに嵌合させられるとともに、透孔31に上記スプリングピン13が貫通させられて、板バネ3と第1部材1との接続が図られている点も、上記捩じり振動吸収装置A1と近似している。
【0054】
第2部材2は、第2小径中空軸21と、これに外嵌された第2大径中空軸22とを組み合わせて構成されている。第2大径中空軸22は、第1部材1の第1筒軸部12の内径と対応する外径を有し、第2小径中空軸21よりも長く、第1部材1側端部が第2小径中空軸21の第1部材1側端部に揃えられており、第2小径中空軸21の第1部材1と反対側の端部から延出する部分には、第1部材1のスプライン軸11Aと同径のスプライン孔22Aが形成されている。これら、第2小径中空軸21と第2大径中空軸22との一体化は、これらを径方向に貫通するピン23によって達成されている。このピン23は、板バネ3の他端に設けた透孔32にも貫通して板バネ3の他端を第2部材2に接続する役割をも果たす。また、第2小径中空軸21の端部には、板バネ3の他端が嵌合させられるスリット21Bが形成されている。このようにして、板バネ3の他端が上記スリット21Bに嵌合させられるとともに、透孔32にピン23が貫通させられて、板バネ3と第2部材2との接続が図られている点も、上記捩じり振動吸収装置A1と近似している。
【0055】
拘束手段Rは、第1部材1の第1筒軸部12の第2部材2側の端部が、第2部材2の第2大径中空軸22に所定の軸方向範囲にわたって套嵌させられていることにより形成されている。
【0056】
規制手段Cは、第2部材2に対して板バネ3の他端を係止するためのピン23を、第1部材1の第1筒軸部12の外径程度まで延長することによって第2部材2に凸部23Aを形成する一方、第1部材1の第1筒軸部12にその厚み方向に貫通し、かつ、周方向に延びる長孔12Aを形成してこの長孔12Aに上記凸部23Aを係合させることにより形成している。これにより、長孔12Aが許容する範囲でその内部を上記凸部23Aが移動可能となることにより、第1部材1と第2部材2との相対軸転角を所定の範囲に規制することができる。
【0057】
この捩じり振動吸収装置A3は、第1の実施形態の捩じり振動吸収装置A1と同様、第1部材1のスプライン軸11Aをクラッチドラム700の出力軸700Aに設けたスプライン孔700Bに挿入連結する一方、第2部材2のスプライン孔22Aに伝動軸600の基端側のスプライン軸600Aを挿入連結することにより、第1部材1を駆動側、第2部材2を被動側として、携帯型動力刈払機Xのクラッチドラム700側において適用することができる(図5参照)。この捩じり振動吸収装置A3はまた、第1部材1のスプライン軸11Aを操作管100の先端のギヤボックス400における一次側ベベルギヤ400Aの入力軸400aに設けたスプライン孔に挿入連結する一方、第2部材2のスプライン孔22Aに伝動軸600の先端側スプライン軸600Bを挿入連結することにより、第2部材2を駆動側、第1部材1を被動側として、携帯型動力刈払機Xのギヤボックス400側において適用することもできる(図6参照)。
【0058】
この捩じり振動吸収装置A3はまた、第2部材2を伝動軸600と一体化することにより、第2の実施形態に係る捩じり振動吸収装置A2について図10、図11を参照して上記したようにして、携帯型動力刈払機Xのクラッチドラム700側またはギヤボックス400側において適用することができる。
【0059】
この捩じり振動吸収装置A3を適用する場合にも、図5および図6に示す構成例について上述したのと同様の作用を発揮し、伝動軸600に作用するトルク変動に起因する振動が操作管100ないし携帯型動力刈払機X全体に伝播することを効果的に抑制することができる。
【0060】
もちろん、本発明の範囲は上記した実施形態に限定されることはなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本発明の範囲に包摂される。
【0061】
とりわけ、第1部材1と第2部材2に対する板バネ3の端部の連結構造は、上記した各実施形態のようにスプリングピン13,24やピン23を利用したもののほか、溶接、ネジ止め等の手法を採用することができる。
【0062】
また、第1、第2の実施形態では、第1部材1は、第1中空軸11と第1筒軸部12とを組み合わせ、第2部材2は第2中空軸21と第2筒軸部22とを組み合わせて構成しているが、このような構成に限定されることはなく、第1部材1および第2部材2を一体的な構成とすることも、もちろん本発明の範囲に含まれる。さらに、第3の実施形態についても、第1部材1は、第1中実軸11と第1筒軸部12とを組み合わせ、第2部材2は第2小径中空軸21と第2大径中空軸22とを組み合わせて構成しているが、第1部材1および第2部材2を一体的な構成とすることも、もちろん本発明の範囲に含まれる。
【0063】
さらに、各実施形態では、第1部材1および第2部材を構成する部分に中空軸を用いている場合があるが、中実状の軸を用い、必要な部分に加工を施して形成してももちろんよい。
【符号の説明】
【0064】
A1,A2,A3 捩じり振動吸収装置
X 携帯型動力刈払機
R 拘束手段
C 規制手段
1 第1部材
11 第1中空軸、第1中実軸
11A スプライン軸
12 第1筒軸部
12B 第1突起
12A 長孔
S1 中心軸
2 第2部材
21 第2中空軸、第2小径中空軸
22 第2筒軸部、第2大径中空軸
22A スプライン孔
22B 第2突起
S2 中心軸
3 板バネ
100 操作管
200 動力源
300 回転刃
400 ギヤボックス
600 伝動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸をもつ第1部材と、中心軸をもつ第2部材と、一端が上記第1部材に、他端が上記第2部材に係止されたバネと、上記第1部材と上記第2部材のいずれか一方または双方、もしくはこれらに付属する部材によって構成され、中心軸を一致させて相対軸転するように上記第1部材と上記第2部材とを相互に拘束する拘束手段と、上記第1部材と上記第2部材との相対軸転角を規制する規制手段と、を備えた捩じり振動吸収装置であって、
上記バネは、上記中心軸の方向に延びる長手状の板バネであることを特徴とする、捩じり振動吸収装置。
【請求項2】
上記規制手段は、上記第1部材から上記第2部材の方向へ延出させた1または複数の第1突起と、上記第2部材から上記第1部材の方向へ、上記第1突起に対して上記第1または第2部材の周方向に干渉するように延出させた1または複数の第2突起と、を含んで構成されている、請求項1に記載のねじり振動吸収装置。
【請求項3】
上記拘束手段は、上記第1部材と上記第2部材の一方の部材に、他方の部材の一部を内包するように延出する筒部を設けることによって構成され、
上記規制手段は、上記筒部に上記第1突起または上記第2突起を設け、上記筒部を設けた部材と相対する部材に上記第2突起または上記第1突起を設けることにより構成され、
上記板バネは、上記筒部に内包されている、請求項2に記載の捩じり振動吸収装置。
【請求項4】
上記拘束手段は、上記第1部材と上記第2部材の一方の部材に、他方の部材の一部を内包するように延出する筒部を設けることによって構成され、
上記規制手段は、上記他方の部材の外周に凸部を設けるとともに、上記筒部にその厚み方向に貫通し、周方向に延びる長孔を設け、上記凸部と上記長孔とを係合させることにより構成され、
上記板バネは、上記筒部に内包されている、請求項1に記載の捩じり振動吸収装置。
【請求項5】
操作管と、この操作管の基端側に連結された動力源と、上記操作管の先端側に支持された回転刃と、上記操作管に回転可能に通挿され、上記動力源の出力軸の回転を上記回転刃に伝達するための伝動軸と、を備えた携帯型動力刈払機であって、
上記伝動軸の端部もしくは中間部に、請求項1ないし4のいずれかに記載の捩じり振動吸収装置が介装されていることを特徴とする、携帯型動力刈払機。
【請求項6】
上記第1部材と上記第2部材の一方には、上記中心軸と一致する軸線をもって延出するスプライン軸が設けられているとともに、上記第1部材と上記第2部材の他方には、上記中心軸と一致する軸線をもち、上記スプライン軸と同一径のスプライン孔が設けられており、上記スプライン軸が上記動力源の出力軸に形成されたスプライン孔状係合孔に係合され、上記スプライン孔に上記伝動軸の基端に形成されたスプライン軸状係合部が係合させられている、請求項5に記載の携帯型動力刈払機。
【請求項7】
上記第1部材と上記第2部材の一方には、上記中心軸と一致する軸線をもって延出するスプライン軸が設けられているとともに、上記第1部材と上記第2部材の他方には、上記中心軸と一致する軸線をもち、上記スプライン軸と同一径のスプライン孔が設けられており、上記スプライン軸が上記回転刃を支持する回転刃支持機構の入力軸に形成されたスプライン孔状係合孔に係合させられ、上記スプライン孔に上記伝動軸の先端に形成されたスプライン軸状係合部が係合させられている、請求項5に記載の携帯型動力刈払機。
【請求項8】
上記第1部材と上記第2部材の一方には、上記中心軸と一致する軸線をもって延出するスプライン軸が設けられており、上記スプライン軸が上記動力源の出力軸に形成されたスプライン孔状係合孔に係合させられ、上記第1部材と上記第2部材の他方は、上記伝動軸の基端に一体に形成されている、請求項5に記載の携帯型動力刈払機。
【請求項9】
上記第1部材と上記第2部材の一方には、上記中心軸と一致する軸線をもって延出するスプライン軸が設けられており、上記スプライン軸が上記回転刃を支持する回転刃支持機構の入力軸に形成されたスプライン孔状係合孔に係合させられ、上記第1部材と上記第2部材の他方は、上記伝動軸の先端に一体に形成されている、請求項5に記載の携帯型動力刈払機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−110308(P2012−110308A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264522(P2010−264522)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(591111972)山田機械工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】