説明

捺染装置

【課題】
電子写真方式によって布などの繊維に捺染を行う際に、繊維の方向に伴って凸部形状となっている箇所においても、発色の際に染料が繊維の方向に拡散するブリード不具合を抑制し、繊維上の像の乱れを解消することが可能な捺染装置を提供すること。
【解決手段】
樹脂と染料を含むトナーを用いて電子写真方式により被捺染布に捺染する捺染装置において、少なくとも画像形成手段として潜像担持体、帯電装置、潜像形成のための露光手段、潜像を上記トナーにより現像する手段、被捺染布への転写手段を備え、前記被捺染布の織目にかかる表面の凸形状からなる縦糸方向に対して、前記露光手段の露光量の調整分解能を調整したうえで、前記露光手段の主走査方向または副走査方向の露光量の調整分解能が高いどちらか一方の方向を一致させて捺染すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式による捺染装置に関するものであり、詳しくは、天然繊維、合成繊維等、あるいはこれらの混紡繊維からなる織物、編物、不織布又は革等のシート状物(以下本発明において、布等と称する)を電子写真方式により捺染する装置に関するものであり、特に、発色時のブリードによる像の乱れによる染色品質の低下を、効果的に防止できるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、布等の捺染方法としては、(1)スクリーン捺染法、(2)ローラ捺染法、(3)ロータリースクリーン捺染法、(4)熱転写捺染法、(5)インクジェットプリンタ捺染法などがある。しかしながら、これらの捺染法には以下の如き欠点がある。
(1)スクリーン捺染法は、スクリーンの製造に時間を費やし、スクリーンの保管に場所を取り、作業は間欠工程であるから捺染の生産スピードが遅い等の欠点がある。一方、(2)ローラ捺染法は、生産スピードは速いが、金属ロールに図柄模様を彫刻する工程が繁雑でローラが重いために取り扱いが困難である等の欠点がある。
【0003】
(3)ロータリースクリーン捺染法は、ローラ捺染法とスクリーン捺染法との特徴を兼備し、このロータリースクリーンは軽量で、取り替えも容易である。しかし、いずれの捺染も新規の図柄を作成するためのスクリーンの製作に時間がかかり、ローラ彫刻や、色糊の調整も必要である。
また、捺染後のプリントは、スチーミングや乾熱処理等の手段で染料の発色固着が行なわれ、その後も、洗浄、乾燥等、工程が多岐にわたる。それ故、デザインから捺染布が出来上るまで長期間が費やされ、通常は予測と見込み生産を余儀なくされているために、作り貯めや不良在庫を抱える等の難点がある。特に最近のようにファッションが多様化或いは個性化してくると納期的な面から追随し得ず、また、多品種少量の加工は採算困難である等の欠点が問題化している。
【0004】
(4)熱転写捺染法は、以上の様な状況下で、デザイン後の図柄模様のスクリーン製作、ローラ彫刻、色糊の調整と捺染後の洗浄、乾燥工程を改善させた捺染法として考えられたものであり、上記の欠点や難点が顕著に改善された。
ところが、昇華染料で印刷したシート状物を布に密着させ、加熱して染料を昇華させ、布に染着させるが、この方法で捺染できる繊維は、ポリエステル繊維又は昇華染料が染着できる前処理を施した布に限定され、図柄変更は印刷メーカーが供給する転写用マスター紙に限定され、多量生産に適しているが非能率的な面があり、転写紙が不経済であり、加工工程に関しては上記と同様の問題を有している。
【0005】
(5)インクジェット捺染法は、多品種少量生産を背景として、納期の短縮化の要請が高まる中、前述の捺染法のうち、最大の問題点である彫刻製版工程を省略し、コンピュータと連動させることを特徴とした技術が開示され、例えば、特許文献1(特開平10−195776号号公報)、特許文献2(特許2995135号公報)が代表的なものとして挙げられる。
このインクジェット捺染法の技術によれば、彫刻ロールやスクリーンが不要となり、受注後直ちに生産が可能で、図柄及び色の変更が容易であり、デザインの保管や取り出しが容易であるなど様々な技術的な進歩を備え、従来の捺染方法よりも自由度が高くなっている。しかし、このインクジェット捺染方法は、当該捺染方法を操作する上で、専門的な技能と知識が必要となることから技術的な流通性や拡販性が乏しいものであった。
【0006】
上記のような各種の捺染方法が知られているが、それぞれ、技術的な問題点が残っているところが多いのが現状である。このような背景において、電子写真技術を応用した捺染方法が注目されている。この電子写真技術を応用した捺染方法は、静電複写装置を利用して図柄模様を描き出す方法であり、具体的には、オリジナル画像を感光ドラム表面に静電潜像とし、着色剤を含むトナーを静電力で飛着させてトナー現像を形成させ、このトナー現像を転写部で布等に転写し、定着部でトナーを布等に熱溶融定着させる方法である。
【0007】
この電子写真技術を応用した捺染方法は、これまで各種の検討がなされている。その一例について以下に説明する。
特許文献3(特開昭51−56313号公報)には、電子印刷による布等の直接現像印捺方法があり、この方法は、スチーミングで発色させ、その後に、トリクレンによって洗浄脱樹脂を行うものである。また、特許文献4(特公昭60−009155号公報)には、静電捺染方法があり、この方法は、蒸熱定着で染料を布に染着し、その後にトナー中の結着樹脂を溶剤等で洗浄除去する方法である。
【0008】
上記の電子写真技術を応用した捺染方法では、従来の技術においては、脱樹脂工程で使用される溶剤はトリクレン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸ブチル等の物質であり、これらは揮発性有機化合物(VOC(volatile organic compounds))に該当し、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントに係る大気汚染のひとつと考えられ、浮遊粒子状物質による人の健康への影響が懸念され、光化学オキシダントによる健康被害が数多く届出され、問題となっていた。
【0009】
このような問題を背景として、近年、電子写真技術を応用した捺染方法については、不揮発で環境への影響の少ない材料による樹脂の除去を行うなどの配慮がされており、加えて、従来の技術を発展させた電子写真技術を応用した捺染方法についての様々な技術的な開示がなされている。
【0010】
例えば、特許文献5(特開2005−195636号公報)には、電子写真捺染方法において、画像濃度が高く、高解像の画像が得られ、特に、平滑性の悪い布でも高濃度で、地汚れない、現像剤及びその捺染方法、更には、布のケバダチを抑え、マシン内への繊維混入を防止し、捺染作業性を効率化し、オンデマンド性を持たせた、捺染方法を提供することを課題として、 体積抵抗109Ω・cm以上高抵抗低誘電率の担体液中に、着色剤を分散させたトナー粒子を電子写真方式により、捺染布に直接捺染する捺染方法において、転写前に転写布に溶媒を塗布又は吹き付けることで課題を解決する技術の開示がされている。
【0011】
一方、電子写真技術を応用した捺染方法では、布に対して染料等の着色剤を含んだ樹脂を転写する際に、電界や樹脂の物理的な結着力を利用して布表面の繊維に付着させることになるので、樹脂の担持体の表面と転写体である布が接触あるいは非常に近接していなければ転写できないものであった。
また、布には様々な種類があるが、基本的には繊維から成る糸を縦横の方向で交互に交差させた形状が多く、その表面には糸の太さに応じた凹凸ができる。その凸部に対して接触している樹脂の担持体表面を、凹部に対しても接触させることは困難であり、凹部に着色樹脂を転写させることが難しい。
通常のスクリーン捺染では色糊という染料を含んだ糊をこの凹部を埋めるようにして供給するため布全面を均一に染めることが容易であるが、電子写真技術を応用した捺染方法では布の凹凸を埋めるような量の着色樹脂を供給することは困難であった。
【0012】
そこで電子写真技術を応用した捺染方法では、布の凸部に布全面を着色させるために必要な量の着色樹脂を局所的に集中して供給することになる。このように布の凸部分にのみ偏って染料が存在している状態で発色処理を行うと発色の際に繊維の方向に染料が拡散する、いわゆるブリードと呼称される問題を生じることが多かった。
図4は、画像領域内のトナー転写状態を示す模式図である。このように局所的に染料が集中している凸部になっている繊維の方向で、ブリード不具合が顕著に発生し、加熱による発色処理などによって、図5に示されるように、縦糸方向に染料が移行してブリード不具合を生じて、パターンによってエッジ部分が縦糸方向へ広がった状態となる。
ブリード不具合は、隣り合わせて別の色が存在するデザインでは、重なり合って境界部が意図していない色になってしまうなどの問題を引き起こすために、このブリード不具合を抑制するような技術的な解決手段が必要になる。また、逆に補正量が多すぎると隙間が生じてしまうので、補正には微細な量の調整が必要になる。
【0013】
転写体として紙を使用する場合にも紙表面に凹凸があり、凹部にはトナーが付着しにくいという同様の問題があったが、布に比較して凹凸量が少なく、転写部の着色樹脂担持体を弾性体で形成し紙表面の凹凸に応じて変形させることなどにより改善が見られた。また、転写紙では定着時に方向性を持ってトナー中の着色剤が広がるということがないため、上記ブリード不具合は、電子写真技術を応用した捺染方法で、布を使用した場合の特有の課題であった。
【特許文献1】特開平10−195776号号公報
【特許文献2】特許2995135号公報
【特許文献3】特開昭51−56313号公報
【特許文献4】特公昭60−009155号公報
【特許文献5】特開2005−195636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような背景に基づき本発明が解決しようとする課題は、電子写真方式によって布などの繊維に捺染を行う際に、繊維の方向に伴って凸部形状となっている箇所においても、発色の際に染料が繊維の方向に拡散するブリード不具合を抑制し、繊維上の像の乱れを解消することが可能な捺染装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)請求項1の発明の手段
上記課題を解決するための手段は、請求項1の発明の手段であり、樹脂と染料を含むトナーを用いて電子写真方式により被捺染布に捺染する捺染装置において、次の(イ)及び(ロ)の構成により課題を解決したものである。
(イ)少なくとも画像形成手段として潜像担持体、帯電装置、潜像形成のための露光手段、潜像を上記トナーにより現像する手段、被捺染布への転写手段を備える。
(ロ)前記被捺染布の織目にかかる表面の凸形状からなる縦糸方向に対して、前記露光手段の露光量の調整分解能を調整したうえで、前記露光手段の主走査方向または副走査方向の露光量の調整分解能が高いどちらか一方の方向を一致させて捺染することを特徴とする捺染装置である。
【0016】
(2)請求項2の発明の手段
請求項2の発明の手段は、上記請求項1の捺染装置において、露光手段は主走査方向に複数個の光源を並べたことである。
【0017】
(3)請求項3の発明の手段
請求項3の発明の手段は、請求項1又は請求項2の捺染装置において、露光手段は発光時間を調整する調整手段を備えていることである。
【0018】
(4)請求項4の発明の手段
請求項4の発明の手段は、請求項1から3のいずれか1項に記載の捺染装置において、露光手段の調整手段により、布の縦糸方向と交差する画像のエッジ箇所の露光量を、他の露光部分よりも減少させる調整を行う調整手段を有することである。
【0019】
(5)請求項5の発明の手段
請求項5の発明の手段は、請求項4の発明の調整手段が、被捺染布を構成する縦糸の厚さが、被捺染布に転写されるトナーの層の厚さ未満である場合には露光量の調整を行わない調整手段であることである。
【0020】
(6)請求項6の発明の手段
請求項6の発明の手段は、請求項1から5のいずれか1項に記載の捺染装置において、前記トナーをキャリア液中に分散させた液体現像剤を使用することである。
【0021】
(7)請求項7の発明の手段
請求項7の発明の手段は、請求項1から6のいずれか1項の記載において、布等への転写部が付勢機構で付勢されていて、高い接触圧力を印加する転写ローラによるものであることである。
【発明の効果】
【0022】
この発明の効果は次のとおりである。
(1)請求項1の発明の効果
露光手段の主走査方向と副走査方向で露光量の調整分解能が高い方向と布の布目縦方向を一致させることにより、布目横方向に比較して顕著な縦方向でのブリードによる像の乱れを防止するための露光量の調整を精度よく行うことができ、画像品質を向上させることができる。
【0023】
(2)請求項2の発明の効果
LEDヘッドのような主走査方向に複数個の光源を並べた露光手段を用いることにより、露光手段の露光量の調整分解能の高い方向が副走査方向になるので、布の縦目方向を副走査方向とした場合に詳細な露光量補正が可能であり、かつ、縦目方向に長い布に対して連続して転写することができるので、一度に大面積の被捺染布への捺染が可能になる。
【0024】
(3)請求項3の発明の効果
露光手段の露光量の調整を発光時間を調整して行うことにより、より精度の高い補正が可能になり、画像品質を向上させることができる。
【0025】
(4)請求項4の発明の効果
露光手段の調整手段により、被捺染布の縦糸方向と交差する画像のエッジの露光量を他の部分よりも減少させる調整を行うことによって、縦糸方向へのブリードによる像の乱れを防止し、画像品質を向上させることができる。
【0026】
(5)請求項5の発明の効果
被捺染布を構成する縦糸の厚さが布に転写されるトナーの層の厚さ未満である場合には調整を行わないことにより、縦糸方向への局所的な付着が起こっていない場合に必要のない補正を行って逆に品質を低下させてしまうことを防止することができる。
【0027】
(6)請求項6の発明の効果
トナーをキャリア液中に分散させた液体現像剤を使用することにより転写時の飛散による散りが生じないので転写による画像の乱れを防止し、縦糸方向の補正を意図したとおりに実現でき、画像品質を向上させることができる。
【0028】
(7)請求項7の発明の効果
被捺染布等への転写部において、被転写体に対して圧力を印加できる機構を備えた転写ローラを転写手段として用いることによって、転写部での布とトナー像の密着性を向上させることができるので、トナーの局所的な付着によるブリードを低減でき、補正する場合の補正量を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次いで、本発明の画像形成装置を用いて、液体現像剤を使用し、被捺染布上に捺染を行う捺染装置に適用した具体例について説明する。
まず、図1を参照しつつ、感光体ドラム周りの画像形成部の概略について説明する。
図1において、感光体ドラム1の上方に帯電装置36があり、感光体ドラム表面を帯電させる。画像部以外の部分の電荷はイレースランプ37の部分点灯によって消去される。そして、露光手段2によって、感光体ドラム表面に画像に応じたビームが結像される。これによって、感光体ドラム上には、静電潜像が形成される。
【0030】
現像手段3は、第1現像ローラ4と第2現像ローラ5の二本の現像ローラとリバースローラ6を備えている。現像液タンク7には、液体現像剤8が入っており、ポンプ9によって、現像手段3とクリーニング手段15へ供給される。現像手段3に供給された液体現像剤は、第1現像ローラ4と第2現像ローラ5の二本の現像ローラに注がれる。二本の現像ローラは回転しており、この回転によって感光体ドラム1上の静電潜像に液体現像剤8が供給される。そこで電子写真方式の電気泳動法によって、液体現像剤中のトナーが、感光体ドラム1の表面の静電潜像の上に付着する。次に、現像ローラよりも感光体ドラムとの間の隙間を狭くしたリバースローラ6は、感光体ドラム表面に付着した液体現像剤から、余剰なキャリア液や未現像トナーを取り除く。その後、感光体ドラム1上に形成された現像剤像は、転写ローラ20によって、被捺染布21に転写される。そこで転写されなかった残留の液体現像剤8は、クリーニング装置30内のフォームローラ31により吸い取られ、さらに絞りローラ32によってフォームローラ31から絞り取られて、現像液タンク7へ戻される。さらに残った液体現像剤8は、感光体ドラム1上をきれいに清掃するためのクリーニングブレード33によって掻き落され、掻き落とされた液体現像剤もフォームローラ31により吸い取られる。
【0031】
次に、プリンタ全体の概略について説明する。給布装置(図示略)から搬送された被捺染布21は、布搬送用のガイドを通過してレジストローラ22につき当たる。ここで、感光体ドラム1上の画像がレジストローラ22に搬送された被捺染布21の所定の位置に合うようにタイミングを作り、レジストローラ22を駆動する駆動源(図示略)から、電磁クラッチ(図示略)を介して駆動力を伝達してレジストローラ22を回転させて、被捺染布21を搬送する。その後レジストローラ22を通過した被捺染布21は、感光体ドラム1に対向し、感光体ドラム1と被捺染布21が一緒に移動して、転写ローラ20の真上まで来ると、転写ローラ20の転写電位によって、上記のように、感光体ドラム上に形成された現像剤像が転写される。その後、布は感光体ドラム1から分離されることになる。その後、分離された被捺染布21は、搬送装置(図示略)によって、図2の発色装置へ搬送される。
【0032】
この際、被捺染布21は剛性が低く、これを単体で搬送することは困難であるので、例えばPETフィルムのような搬送支持体23に貼付して搬送する。搬送に使用された搬送支持体23は転写後に被捺染布21を剥がせば清掃後再び利用することができる。また、搬送支持体23を無端ベルト形状にして、その上に被捺染布21を貼付して搬送する形態であってもよい。
【0033】
図2は、図柄転写後の布処理工程の概略を示したもので、電子写真捺染装置で捺染されて、乾燥行程で液体現像剤の液体が除去されてから、蒸熱工程、樹脂除去工程、洗浄工程、乾燥行程の順で加工処理がなされる。
まず、蒸熱工程で乾燥後に発色処理(固着)を行う。発色方法としては、HTスチーミングやHPスチーミング、サーモゾーリングなどがある。HTスチーミングは、水蒸気を過熱して得られる過熱水蒸気を用いたもので、例えば、約175℃で8分間、湿熱処理をするものであり、また、HPスチーミングは、高温高圧の水蒸気を用いたもので、例えば、約130℃×30分の湿熱処理をするものであり、さらに、サーモゾーリングは、例えば、約200℃×90秒の加熱処理をするものである。
この発色装置によって、布の上に載っているトナーが布に固定され、トナー中の染料が布に移行する。この際、トナー中の染料は付着している繊維の方向に沿って拡散するように移行するので繊維方向へ広がって発色する。
【0034】
軟化剤を付与された布等は、その後、洗浄工程が行われる。この洗浄工程での処理は布の種類によって多少異なり、例えばポリエステルでは、還元洗浄(ソーピング)、湯洗い、水洗い、乾燥処理工程を経て捺染物を得ることができ、軟化した樹脂はこれらの工程で布等から脱離し、除去される。上記還元洗浄は、例えば、70〜80℃の、38°ボーメの苛性ソーダ2mlと、ハイドロサルファイト2gと、洗浄剤1g/lとの混合物に、1〜5分浸すものであり、その後また、50〜60℃で湯洗され、水洗され、乾燥される。
また、最終製品としては、例えば制電剤、撥水剤、機能薬剤などの仕上げ剤などを付与する仕上げ工程を行ってもよい。
【0035】
〔トナーについて〕
本発明に使用できる着色剤として、直接染料、酸性染料、塩基性染料(カチオン染料)反応性染料が用いられる。例えば、直接染料では、ダイレクトファストイエローR、ダイレクトファストイエローGC、ダイレクトファーストオレンジ、ダイレクトスカイブルー5B、ダイレクトスプラレッド3B、コプランチングリーンG、ダイレクトファストブラックD等があり、酸性染料では、アシッドブリリアントスカーレト3R、アシッドバイオレット5B、アリザリンダイレクトブルーA2G、アシッドサイアニン6B、アシッドサイアニングリーンG、アシッドファーストブラックVLG等があり、また、カチオン染料では、カチオンイエロー3G、カチオンゴールデンイエローGL、カチオンオレンジR、カチオンブリリアントレッド4G、カチオンブルー5G等があり、さらに、反応性染料では、リアクティブオレンジ2R、リアクティブレッド3B、リアクティブブルー3G、リアクティブブリリアントブルーR、リアクティブブラックB等がある。これら染料については、その80重量%以上が分散状態で担体液中に存在するようにする。
【0036】
これらの染料を使用した場合は、布裏面への写り性、洗濯堅牢度に優れる。捺染布の材質により、染料を選択した方が染色性、洗濯堅牢度は良く、例えば、ポリエステル、アセテート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ビニロンなどの合成繊維製の布地の場合は分散染料が、また、アクリル繊維の場合は塩基性染料が、さらに、コットン、麻等のセルロース系布地の場合は反応性染料、直接染料が、さらに、ナイロン、レーヨンなどの布地の場合は直接染料が、さらにまた、絹、羊毛などの布地は酸性染料が、それぞれ望ましい。
【0037】
市販の紛体染料は、染料純度50%程度で、食塩、芒硝が多量に入っている場合が多く、液の抵抗、帯電性に悪影響を与えるため、精製するか、初めから塩類含有量の少ない染料を用いる方が好ましく、この本発明では純度80%以上であることが望ましい。
【0038】
本発明の液体現像剤に使用される担体液としては、高抵抗で低誘電率のものが良く、イソパラフィン系炭化水素、シリコーン系オイル等が好ましい。イソパラフィン系炭化水素は、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL、アイソパーM、アイソパーV(エクソン化学)などがあり、シリコーン系オイルとしては、KF961〜10000cst(信越化学工業株式会社)、SH200,SH344(東レ・ダウコーニング株式会社)、TSF451(GE東芝シリコーン)などがある。中でも沸点が130℃以上の飽和炭化水素は、臭気、安全性の点で好ましい。これらの溶媒は、後工程の加熱、スチーミングの段階で蒸発させることができる。
【0039】
また、本発明において併用することが好ましい分散用樹脂としては、下記一般式(1)の成分(A)で表わされるビニルモノマーと、一般式(2)の成分(B)で表わされるビニルモノマー、及びそのあまりの第3成分としてのビニルピリジン、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンよりなる群から選ばれた少なくとも一種のモノマーよりなる共重合体、グラフト共重合体がある。
【化1】

【化2】

なお、R1は、HまたはCH3を、R2はC1〜C4のアルキル基を、nは6〜20の整数を表わす。
【0040】
成分(A)と成分(B)の共重合割合は60〜95:40〜5、望ましくは70〜90:30〜10であり、また、前記第3成分は、成分(A)の0〜5%であることが好ましい。
これらの着色剤、樹脂、担体液をボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミルなどの分散機に投入、分散、混練を行い、濃縮トナーを調製し、これを本発明の担持液中に分散させることにより液体現像剤を得ることができる。
【0041】
〔被捺染布について〕
被捺染布としては、織物、編物、組み紐等を問わずあらゆる布組織を用いることができるが、特に織物が好ましい。
布を構成する素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど種々のポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ビニロン、アクリル、ナイロン、アセテート、などの合成繊維や、レーヨンなどの再生繊維、コットン、麻等のセルロース系繊維、絹、羊毛などの動物繊維がある。以上の繊維の混紡、交織であってもよい。
【0042】
ここでは、感光体から布に直接転写する例について説明したが、この構成に限られるものではなく、ローラ形態やベルト形態の中間転写部材を介して布への転写を行う構成であってもよい。さらに、ここでは単色での実施例を示したが、これを並べて重ねて布上に転写することでカラーの図柄の捺染が可能で、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色を重ねることでカラーの図柄を捺染できる。この他、デザイン上必要があればさらに特色用の電子写真ユニットを使用することも可能である。
また、電子写真の方式として液体現像剤を使用した例を示しているが、乾式の現像剤を使用した方式であっても問題はない。
【0043】
発明の実施形態について、より具体的な例を使用して説明する。
図3に示されるように、被捺染布21は、縦糸と横糸から構成されており、縦糸yの間を横糸xが通過するように織られている。このような被捺染布21の場合には、被捺染布の表面では、主に縦糸yが凸部を形成し、横糸xが凹部を形成している。
【0044】
電子写真方式による捺染装置では、転写部においてトナー担持体上のトナーと接触する縦糸yにトナーの大部分が転写するために、横糸xにはほとんどトナーが転写されないものであった。また、図4および図5に示されるように、加熱による発色処理を行うと、トナーの付着している縦糸方向に染料が移行してブリードするため、パターンによって画像のエッジ部分が縦糸方向へ広がってしまう問題を生じていた。
【0045】
このような問題に対して、上記エッジ部分に付着するトナーの量を少なくすれば良く、帯電後の露光手段により露光量を調整することで部分的に現像量を調整することができる。
【0046】
例えば、図6のように縦糸方向yの露光量を調整することで、図7のように狙いの画像を得ることができ、このような露光量の調整による補正を行うには、露光量の微細な調整が必要である。露光手段は主走査方向、副走査方向の2つの方向で露光量の調整に対する分解能が異なっているので、分解能の高い方向と布目の縦方向とが一致するように布を搬送している。このように、露光量の調整のための分解能が高い方向と縦糸方向とが一致するように、布を搬送することにより、縦糸方向により細かな露光量の調整を行うことができ、したがって、縦糸方向への発色時のブリードを考慮して的確に露光量の調整を行うことができる。
【0047】
電子写真の露光手段としては、レーザーヘッドとポリゴンミラーからなるものと、光源を一列に並べて配置したLEDヘッドがよく用いられる。前者は主走査方向、後者は副走査方向での露光量の調整のための分解能が高いという特徴がある。
【0048】
レーザーヘッド方式では、レーザー光を主走査方向へスキャンする際にオン、オフによってドットを形成するので、そのオン・オフのタイミングをずらすことによって、1つ1つのドットの大きさや位置を調整することができ、主走査方向の分解能は高い自由度で設定できるが、副走査方向の分解能は主走査方向への往復のタイミングによって決定されるので調整が困難である。このため、解像度を向上させる際には、例えば主走査方向600dpi、副走査方向400dpiというように主走査方向の分解能を高くしている。
【0049】
一方、LEDヘッド方式では、副走査方向の分解能は、LEDの配置密度で決定され、600dpiから1200dpi程度のものが一般的である。これに対して、主走査方向の分解能は、点灯のタイミングにより調整可能であり、副走査方向の分解能に比べて自由度が高く、一般的に副走査方向の分解能以上の1200dpi〜2400dpiにして使用することで、分解能を上げてより高解像度の画像を得られるようにしている。
【0050】
例えば、光学系としてLEDヘッド方式を用いた場合には、図8に例示するように、搬送支持体23(図1参照)で搬送される布1の縦糸方向が主走査方向と一致するように布1を搬送する。このことにより、ブリードによる画像の乱れを抑制するように露光量を調整することが可能になる。
また、後者のような光源を一列に並べて配置したLEDヘッドを用いた場合には、図9に例示するように、布の縦糸方向が副走査方向に一致するように布を搬送することで、ブリードによる画像の乱れを抑制するための微細な調整を行える。
【0051】
本発明の捺染装置の画像形成部で使用する露光手段としては、光源を一列に並べて配置したLEDヘッドが望ましい。
捺染後の布はその後、衣服等へ加工されることが多く、できるだけ大きなサイズの布に捺染できることが望ましい。捺染に使用される布は44〜60インチ幅のロール形態であることが多く、より大きなサイズの布への捺染を行うには、露光手段の主走査方向を布幅方向に合わせ、副走査方向へ布を搬送することが望ましい。このような方向で布を搬送した場合に縦糸方向は副走査方向になり、この方向での露光量の調整をより繊細に実施するには、副走査方向での露光量の調整をより細かく行うことのできる光源を一列に並べて配置したLEDヘッドのような露光手段が望ましい。
また、長尺の露光を行う場合は、複数のヘッドを配置して使用する必要が生じる。レーザーヘッドとポリゴンミラーからなる光学系では、主走査方向でのつなぎ目で同期を取ることが困難であるが、LEDヘッドでは一度調整して組みつけてしまえば長尺化が可能であるという利点もある。
【0052】
露光量の調整を行う際には、画素単位でのON/OFFのみならず、図10(a)のように発光時間を調整して行えば、図10(b)のように、縦糸方向でのドットの位置をずらすことが可能であり、ドット単位以下の微調整も可能であり、より細かな露光量の調整を行うことが可能である。このため、本発明の捺染装置の露光手段のドライバーは発光時間の調整が可能になっている。
図10(a)のように発光強度によって補正することも可能であるが、こちらではドットのサイズを調整することになるので、本発明の装置のようにブリードに対する補正を行うには、発光時間の長さやタイミングを調整して、ドット位置をずらす方が好ましい。
図10(a)は、補正なしのパルスp1について、時間調整によるパルスp2又はパルス強度調整によるパルスp3にそれぞれ補正し、図10(b)は補正なしパルスによるドットd1を、パルスp2によるドットd2又はパルスp3によるドットd3に修正したものである。
【0053】
本発明の捺染装置では露光手段2の調整手段により、被捺染布21の縦糸y方向と交差する画像のエッジeの露光量を他の部分よりも減少させる調整を行っている。局所的に集中して被捺染布21の縦糸yに付着したトナーtの染料が発色処理中に繊維に沿って拡散していくことによる像の乱れであるブリード(図5参照)は、ベタ画像部においてはドット間のつながりをよくして均一性を向上させる効果があるが、縦糸yに交差するエッジ部(図4における画像のエッジ部参照)においては、画像のエッジeの精度を落としてしまうことになる。そこで本発明の装置では上記エッジ部において、図6のようにブリード量を予め想定しその量に応じて画像のエッジ位置をずらすように露光手段の露光量の調整を行い、発色後の画像が狙いどおりの画像になるようにしている(図7)。
【0054】
ブリード(図5参照)は、布の表面の凸部に集中してトナーが転写されており、局所的に染料濃度が高くなっていることが原因である。このため、布表面全体へ均一に転写することで程度が改善される。すなわち縦糸yの下の横糸xにトナーを転写することができれば、被捺染布21の全面にトナーtを転写できるので、トナーが局所的に集中することを防止できる。したがって、この場合は補正する必要がなくなる。
縦糸yの下側に存在している横糸xにトナーtを転写できるかは、被捺染布21の凹凸量、すなわち布地を構成する糸の太さと転写されるトナーの厚さの関係により変化する。そこで、本発明の装置では、図11に例示するように、転写されるトナー層の厚さが布地を構成する縦糸yの厚さ未満である場合には、ブリードに対する縦糸方向の露光量の補正を行わない。このようにすることで、布を変えた場合にもブリードに対する補正を適正に行うことができる。
布地の織り方が同じであれば糸が太ければ布地は厚くなり、細ければ薄くなるので、布地の厚さによって、露光量調整を行うかどうかを判断することも可能である。
【0055】
本発明の装置で使用するトナーは、液体現像剤である。なお、乾式電子写真方式のトナーも使用できるが、この場合は、転写時に空気を媒体として着色樹脂が移動するので、転写時に着色粒子が動いてしまう「散り」という問題があり、本発明のような補正に対して狙い通りの補正を行うことが難しい。一方、絶縁性の液体(キャリア液)中にトナー(着色粒子)を分散させている液体現像剤では、トナー(着色粒子)が液体中に存在しているので、乾式電子写真方式で問題となるような転写時の「散り」は起こらないから、液体現像剤を使用することによって、より精度の高い補正が可能となる。
【0056】
布に対して着色樹脂を転写する転写工程では、転写電界の形成手段として、チャージャー40(図12)と転写ローラがある。前者は細いワイヤーから放電により、被転写体である被捺染布21とその搬送支持体23を通して着色粒子担持体である感光体ドラム1との間で電界を形成する。この方式ではワイヤーおよびそのケースは感光体ドラムと一定の距離を保持しており、転写部において被捺染布21を感光体ドラム1に押付けるような機能は有していない。被捺染布21を搬送する搬送支持体23に張力を与えて、この張力によって被捺染布21を感光体ドラム1に押付けることは可能であるが、その押しつけ力をあまりり大きくするには限度があるので、被捺染布21と感光体ドラム1との接触圧力が不足し、上記接触圧力で布を変形させて(押しつぶして)当該被捺染布21と感光体ドラム1との接触状態をより密着させることは困難である。
【0057】
一方、図13に示すように、転写ローラ20による場合は、当該転写ローラ20と感光体ドラム1との間に被転写体である被捺染布21とその搬送支持体23を挟んで押付けた状態で転写電界を形成することになり、被捺染布21を転写ローラ20と感光体ドラム1で挟んで、加圧機構(この例ではコイルバネ)44で転写ローラ20を付勢して高い接触圧力を印加することができるので、転写時に局所的に集中してトナーが付着するのを緩和することができる。
よって、本発明の捺染装置では、転写部において十分な圧力を印加できるように、転写ローラ方式の転写手段を備えている。
【0058】
本発明の捺染装置によって、厚さ150μm(糸の太さ50〜60μm)のポリエステル布に対して液体現像剤トナーの層の厚さ10〜15μm程度で1mm幅のラインを転写し、補正しない状態でのブリード率を測定した。その結果は、下表のとおりである。ブリード量は発色後の線幅を測定し、これから本来の線幅1.0mmを差し引いて2で割った値を1.0mmで割って算出している。
【表1】

上記表に示す測定結果から、付勢機構で付勢された転写ローラによる転写方式の方が、有効であることが明らかである。
これに対して露光量の調整により縦糸方向のブリード量の補正を行った結果、縦糸方向においても2%程度までブリード率を軽減できた。よって、本発明の捺染装置においては、ブリードが顕著な縦糸方向にブリード防止のために精度の高い補正を行うことができ、その結果、ブリードによる画像の変形を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】は、電子写真方式の捺染装置における画像形成部全体の側面図である。
【図2】は、図柄転写後の布処理工程の概略を示す模式図である。
【図3】は、電子写真方式の捺染装置の転写部において感光体ドラム上のトナーと接触する縦糸、横糸への転写状態を示す模式図である。
【図4】は、画像領域内のトナー転写状態を示す模式図である。
【図5】は、加熱による発色処理で縦糸方向に染料が移行してブリードし、パターンによってエッジ部分が縦糸方向へ広がった状態を示す模式的である。
【図6】は、縦糸方向の露光量を調整したときの画像領域内でのトナーの付着状態を示す模式図である。
【図7】は、図6のトナーを加熱又は発色させたときの画像領域と発色後のトナーの付着状態を示す模式図である。
【図8】は、レーザーヘッドとポリゴンミラーによる露光装置の主走査方向と縦糸の方向と布の搬送方向との関係を示す模式図である。
【図9】は、 光源を一列に並べて配置したLEDヘッドによる露光装置の光源の配列方向と縦糸の方向と布の搬送方向との関係を示す模式図である。
【図10】(a)は、露光量制御パターンを示す図であり、(b)は、(a)の露光量制御パターンによる発色後のトナー形状を示す図である。
【図11】(a)は、転写されるトナーの層の厚さが布地を構成する縦糸の厚さ未満である場合の縦糸とトナーの層の関係を示す模式図であり、(b)は 、転写されるトナーの層の厚さが布地を構成する縦糸の厚さ以上である場合の縦糸とトナーの層の関係を示す模式図である。
【図12】は、布に対して着色樹脂を転写する転写工程の転写電界の形成手段として、チャージャーを用いる例の全体側面図である。
【図13】は、 布に対して着色樹脂を転写する転写工程の転写電界の形成手段として転写ローラを用いる例の全体側面図である。
【符号の説明】
【0060】
1:感光体ドラム
2:露光手段
3:現像手段
4:第1現像ローラ
5:第2現像ローラ
6:リバースローラ
7:現像液タンク
8:液体現像剤
9:ポンプ
20:転写ローラ
21:被捺染布
22:レジストローラ
23:搬送支持体
30:クリーニング装置
31:フォームローラ
32:絞りローラ
33:クリーニングブレード
36:帯電装置
37:イレースランプ
40:チャージャー
44:加圧機構
e:画像のエッジ
y:縦糸
x:横糸
t:トナー



【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と染料を含むトナーを用いて電子写真方式により被捺染布に捺染する捺染装置に、少なくとも画像形成手段として潜像担持体、帯電装置、潜像形成のための露光手段、潜像を上記トナーにより現像する手段、被捺染布への転写手段を備えた捺染装置において、
前記被捺染布の織目にかかる表面の凸形状からなる縦糸方向に対して、前記露光手段の露光量の調整分解能を調整したうえで、前記露光手段の主走査方向または副走査方向の露光量の調整分解能が高いどちらか一方の方向を一致させて捺染することを特徴とした捺染装置。
【請求項2】
請求項1の捺染装置において、前記露光手段は、複数個の光源が配置されてなることを特徴とする捺染装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の捺染装置において、前記露光手段は、発光時間を調整する調整手段を備えていることを特徴とする捺染装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の捺染装置において、前記露光手段の前記調整手段により、被捺染布の縦糸方向と交差する画像のエッジ箇所の露光量を、他の露光部分よりも減少させる調整を行う調整手段を有することを特徴とする捺染装置。
【請求項5】
請求項4の捺染装置において、前記調整手段が、被捺染布を構成する縦糸の厚さが被捺染布に転写されるトナーの層の厚さ未満である場合には、上記の調整を行わない調整手段を備えていることを特徴とする捺染装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の捺染装置において、前記トナーをキャリア液中に分散させた液体現像剤を使用することを特徴とする捺染装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の捺染装置において、被捺染布への転写部が、付勢機構で付勢されて、高い圧接力を印加された転写ローラによるものであることを特徴とする捺染装置。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−256935(P2008−256935A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98728(P2007−98728)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】