排水ホースの接続構造
【課題】排水ホースがルーフ部材の開閉動作に追従して変形及び移動しても、該排水ホースからの反力に耐え得る排水ホースの接続構造を提供する。
【解決手段】リトラクタブルルーフ2を構成するバックウインドウ23の下端縁部には下部バック用ウェザストリップ73が延設されている。この下部バック用ウェザストリップ73の、排水ホース8が接続される部分には、該下部バック用ウェザストリップ73を補強するためのインサートパネル75が内蔵されている。このインサートパネル75には、排水ホース8の上流端が接続される受け皿部材81が取り付けられている。
【解決手段】リトラクタブルルーフ2を構成するバックウインドウ23の下端縁部には下部バック用ウェザストリップ73が延設されている。この下部バック用ウェザストリップ73の、排水ホース8が接続される部分には、該下部バック用ウェザストリップ73を補強するためのインサートパネル75が内蔵されている。このインサートパネル75には、排水ホース8の上流端が接続される受け皿部材81が取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動式のルーフ部材に設けられたウェザストリップに接続される排水ホースの接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車室を開閉可能な可動式のルーフ部材を備えた開閉ルーフが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなルーフ部材は複数のルーフ構成部材で構成されており、特許文献1に係るルーフ部材は、車室の上方を覆うフロントルーフパネルと、車室の後方を覆うバックウインドウと、該バックウインドウとフロントルーフパネルとの間に配置されたミドルルーフパネルとで構成されている。そして、各ルーフ構成部材間や、各ルーフ構成部材とボディとの間には、ウェザストリップが介設され、ルーフ部材の閉状態において車室内を密閉して風雨から保護するように構成されている。
【0004】
さらに詳しく説明すると、特許文献1に係る開閉ルーフにおいては、ミドルルーフパネルの下端縁部には該ミドルルーフパネルとボディ又はデッキパネルとの間をシールするミドル用ウェザストリップが、バックウインドウの下端縁部には該バックウインドウとボディ又はデッキパネルとの間をシールするバック用ウェザストリップがそれぞれ延設されている。また、各ウェザストリップは、延設方向に沿って略平行に延びる2本のシール部と該2本のシール部の間に形成された排水溝とを有している。さらに、ミドル用ウェザストリップの排水溝には排水孔が形成され、この排水孔には排水ホースの上流端が接続されている。この排水ホースはルーフ部材の車室内側にレイアウトされ、その下流端は車両側排水部に接続されている。
【0005】
このように構成されたミドル用及びバック用ウェザストリップは、ルーフ部材の閉状態において、互いに接合されて一続きのウェザストリップを形成すると共に、各排水溝が連通するように構成されている。こうして、ミドル用及びバック用ウェザストリップは、ルーフ部材の閉状態において、ミドルルーフパネルの下端縁及びバックウインドウの下端縁とボディ及びデッキパネルとの間をシールすると共に、ウェザストリップへ流入する水を排水溝を介して前記排水孔まで案内して、前記排水ホースによって排水するように構成されている。
【特許文献1】特開2003−54265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に係る排水ホースは、その接続構造については詳述されていないが、上流端がミドルルーフパネルのウェザストリップに接続されている(特許文献1の図1参照)。そのため、ミドルルーフパネルが開閉動作を行うと、該排水ホースはミドルルーフパネルの開閉動作に追従して変形及び移動することになる。このように、排水ホースがミドルルーフパネルの開閉動作に追従する構成では、ウェザストリップにおける排水ホースの接続部は、該排水ホースがミドルルーフパネルに追従して変形及び移動する際の反力を受ける。
【0007】
しかしながら、このウェザストリップはゴム等の弾性部材から形成されているため、変形及び移動する排水ホースからの反力に耐えきれず、該排水ホースの接続部も排水ホースの変形及び移動に伴って変形する。その結果、ミドルルーフパネルが開閉動作するときにウェザストリップの排水溝から車室内に水がこぼれ出したり、ルーフ部材が閉状態となったときにウェザストリップが変形したままの状態となって所望の2つの部材間をシールできなかったりする虞がある。さらに、ルーフ部材が開閉動作を繰り返すと、ウェザストリップが老朽化する虞があり、その結果、2つの部材間をシールするというウェザストリップ本来の機能を果たせなくなる虞もある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排水ホースがルーフ部材の開閉動作に追従して変形及び移動しても、該排水ホースからの反力に耐え得る排水ホースの接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、排水ホースを、ウェザストリップに内蔵された、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルに対して接続するようにしたものである。
【0010】
詳しくは、第1の発明は、車室を開閉可能な可動式のルーフ部材と、該ルーフ部材の端縁部に沿って延設され且つその延設方向に延びる排水溝を有するウェザストリップと、該ウェザストリップと車両側に設けられた車両側排水部とを接続する排水ホースとを備えた排水ホースの接続構造が対象である。そして、前記ウェザストリップの、前記排水ホースが接続される部分に内蔵され、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルと、前記インサートパネルに対して取り付けられると共に前記排水ホースの上流端が接続されるホース接続部とをさらに備えるものとする。
【0011】
前記の構成の場合、前記ホース接続部をウェザストリップの補強するためのインサートパネルに対して取り付け、このインサートパネルに取り付けられたホース接続部に前記排水ホースの上流端を接続することによって、ルーフ部材の開閉動作に伴って排水ホースが変形及び移動しても、該排水ホースからの反力をインサートパネルで受け止めることができ、ウェザストリップが過度に変形することを防止することができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記インサートパネルには、雌ネジ部又は雄ネジ部が設けられており、前記ホース接続部は、前記インサートパネルに対してネジ締結によって取り付けられているものとする。
【0013】
前記の構成の場合、前記ホース接続部のインサートパネルに対する取付構造が具体的に特定される。そして、ホース接続部をインサートパネルに設けられた雌ネジ部又は雄ネジ部に対してネジ締結することによって、該ホース接続部を交換等するときには該ホース接続部を容易に着脱することができる。また、インサートパネルの雌ネジ部又は雄ネジ部に対応する形状であれば、ホース接続部の形状を自由に変更することができるため、インサートパネルの汎用性を向上させることができる。
【0014】
第3の発明は、第1の発明において、前記インサートパネルには、前記ホース接続部が嵌合される被嵌合部が形成され、前記ホース接続部は、前記インサートパネルの前記被嵌合部に対して嵌合して取り付けられているものとする。
【0015】
前記の構成の場合、ホース接続部をインサートパネルの前記被嵌合部に嵌合させることで該ホース接続部をインサートパネルに取り付けることによって、ネジ等の取り付けるための別の部品を設ける必要がなく、ホース接続部をインサートパネルに容易に取り付けることができる。
【0016】
第4の発明は、車室を開閉可能な可動式のルーフ部材と、該ルーフ部材の端縁部に沿って延設され且つその延設方向に延びる排水溝を有するウェザストリップと、該ウェザストリップと車両側に設けられた車両側排水部とを接続する排水ホースとを備えた排水ホースの接続構造が対象である。そして、前記ウェザストリップの、前記排水ホースが接続される部分に内蔵され、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルと、前記インサートパネルに一体形成されると共に前記排水ホースの上流端が接続されるホース接続部とをさらに備えるものとする。
【0017】
前記の構成の場合、前記ホース接続部をインサートパネルと一体形成すると共に、該ホース接続部に前記排水ホースの上流端を接続することによって、ルーフ部材の開閉動作に伴って排水ホースが変形及び移動しても、該排水ホースからの反力をインサートパネルで受け止めることができ、ウェザストリップが過度に変形することを防止することができる。それと共に、ホース接続部とインサートパネルとを一体形成することによって、該ホース接続部とインサートパネルとの接続強度を向上させることができると共に、ホース接続部をインサートパネルに対して取り付ける作業が必要なく、組立性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記ホース接続部をウェザストリップの補強するためのインサートパネルに対して取り付けると共に、このホース接続部に前記排水ホースの上流端を接続することによって、ルーフ部材の開閉動作に伴う排水ホースからの反力でウェザストリップが過度に変形することを防止することができ、その結果、ウェザストリップの排水溝から水がこぼれ出たり、ウェザストリップが変形してシール機能を発揮できなくなったりすることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
《発明の実施形態1》
図1,2は、本発明のリトラクタブルルーフが搭載された車両1を示す模式的な側面図である。リトラクタブルルーフ(ルーフ部材)2は、車室の上方を覆うフロントルーフパネル21と、フロントルーフパネル21の後方位置に配置されて車室の後方を覆うバックルーフパネル22と、を含む。バックルーフパネル22はさらに、透明性部材からなるバックウインドウ23と、フロントルーフパネル21とバックウインドウ23との間に配置されて、車両1のピラーを構成するミドルルーフパネル24と、を含む。
【0021】
車両1の後部にはトランクルームが形成されており、その開口はトランクリッド11によって開閉可能に閉塞されている。車室13とトランクルームとの間には、前記リトラクタブルルーフ2が格納される格納室12が、上方に開口して形成されている。
【0022】
格納室12の上端開口にはデッキリッド3が配設されている。このデッキリッド3は、リトラクタブルルーフ2が車室13を覆っている状態(後述するルーフ2が使用位置にある状態)において、そのルーフ2の後端縁と格納室12の開口縁との間に位置する。それによってデッキリッド3は、その部分において上方に開口する、格納室12の上端開口を閉塞する。
【0023】
前記リトラクタブルルーフ2は、図1,2では図示を省略するリンク機構によって、車室13を覆う使用位置(図1参照)と、格納室12に格納されて車室13を開放する格納位置(図2参照)との間で位置変更される。また、前記デッキリッド3は、前記リトラクタブルルーフ2の位置変更を行うリンク機構とは別のリンク機構(図示省略)によって、格納室12の上端開口の一部を覆う使用位置(図1,2参照)と、その使用位置に対して後方の斜め上方に退避して格納室12の上端開口を開放する退避位置(図1の一点鎖線参照)との間で位置変更される。
【0024】
ここで、リトラクタブルルーフ2の位置変更動作、つまりリトラクタブルルーフ2が車室13を覆う状態から車室13を開放する状態への切り換え動作について、図1,2を参照しながら簡単に説明する。まず、デッキリッド3が、リンク機構によって、図1に実線で示す使用位置から、一点鎖線で示す退避位置へと移動して、格納室12の上端開口を開放する。これと同時に、リトラクタブルルーフ2のリンク機構が作動することによって、ミドルルーフパネル24が所定の回転軸回りに後方へ回動し(図1において時計回り方向に回動し)、それに伴い、フロントルーフパネル21は後方の斜め上方にスライド移動する。また、バックウインドウ23は、ミドルルーフパネル24に対して相対的に前方に移動しながら下方へ移動する(図1の一点鎖線参照)。
【0025】
リトラクタブルルーフ2のリンク機構の作動がさらに継続することによって、図2に一部破線で示すように、フロントルーフパネル21とミドルルーフパネル24とが上下方向に折り重なった状態で、格納室12内に収容される。このときにバックウインドウ23は、車幅方向に延びる軸に沿って見て(図2に示す状態で見て)、ミドルルーフパネル24と重なって配置される。
【0026】
リトラクタブルルーフ2が格納室12に格納された後に、デッキリッド3が、そのリンク機構の作動によって、退避位置から格納室12の一部を閉塞する使用位置へと移動する。こうして、車室13を開放する状態になる。
【0027】
尚、リトラクタブルルーフ2が車室13を開放した状態から車室13を覆う状態への切り換え動作は、前記とは逆になる。
【0028】
図3,4は、リトラクタブルルーフ2のリンク機構4を示している。このリンク機構4は、リトラクタブルルーフ2の内側において、車幅方向の両側位置それぞれに配置されている。尚、図3は、車幅方向右側に配置されたリンク機構4を車両1の左側方から見た側面図であり、図4は、車幅方向左側に配置されたリンク機構4を分解して示す斜視図である。
【0029】
リンク機構4は基本的に、それぞれ、フロントルーフパネル21に枢支結合されると共に、車体側部材に枢支結合される第1及び第2リンクからなる4節リンクを含んでいる。
【0030】
リンク機構4は、本実施形態では電動式に構成されている。駆動源である駆動モータ41は、車両1に対して固定されるメインブラケット42に、ボルト等によって固定されている。メインブラケット42は、略板状の部材であって、格納室12内に配置されている。これによってメインブラケット42は、リトラクタブルルーフ2が使用位置にある状態で、そのミドルルーフパネル24の下方位置に相当する位置に位置する(図3参照)。
【0031】
前記メインブラケット42の車両外方側には、ロアアーム43が取り付けられている。ロアアーム43は、メインブラケット42とベースプレート410とに挟持されることによって、メインブラケット42に対して車幅方向に延びる回転軸X回りに回転可能に取り付けられる。
【0032】
ロアアーム43は、上下方向に延びるアーム部43aと、該アーム部43aの上端で屈曲して、後述するようにミドルルーフパネル24に対して固定される固定部43bとを、有している。また、アーム部43aの基端部分には、駆動モータ41の駆動軸に取り付けられた駆動ギヤと噛み合う減速ギヤ43cが固定されている。これによってロアアーム43は、駆動モータ41の駆動に伴い、図3に示すようにアーム部43aが起立する位置と、図7に示すようにアーム部43aが後方に倒伏する位置と、の間で、回転軸X回りに回動する。
【0033】
メインブラケット42にはまた、その上端近傍の後端部から後方の斜め上方に向かって延びるウインドウブラケットベース411が固定されている。このウインドウブラケットベース411の後端部には、ウインドウリンクレバー44が枢支結合されている。
【0034】
ウインドウリンクレバー44には、その前端部と後端部とのそれぞれに貫通孔が形成されている。ウインドウリンクレバー44は、その前端部の貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記ウインドウブラケットベース411の後端部に固定されている。これによって、ウインドウリンクレバー44は、車幅方向に延びる軸回りに、ウインドウブラケットベース411に対して相対的に回動する。
【0035】
バックウインドウ23の車幅方向両端部には、ウインドウブラケット412が固定されている。ウインドウリンクレバー44の後端部は、そのウインドウブラケット412の下端部に対して枢支結合されている。つまり、ウインドウリンクレバー44は、その後端部の貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記ウインドウブラケット412の下端部に固定されている。これによって、ウインドウリンクレバー44は、車幅方向に延びる軸回りに、ウインドウブラケット412、換言すればバックウインドウ23に対して相対的に回動する。
【0036】
ウインドウブラケット412の上端部には、前後方向に所定の間隔を開けて2つの取付孔が形成されている。この2つの取付孔に対して、それぞれ第1及び第2リンクレバー45a,45bが枢支結合されている。
【0037】
第1及び第2リンクレバー45a,45bは、互いに略同じ長さのリンクレバーであって、リトラクタブルルーフ2が使用位置にある状態において、それぞれ前方に向かって登り勾配となる姿勢で、車両前後方向に並んで配置されている。この第1及び第2リンクレバー45a,45bはそれぞれ、その上端部と下端部とのそれぞれに貫通孔が形成されている。そして、第1及び第2リンクレバー45a,45bはそれぞれ、その下端部の貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記ウインドウブラケット412の上端部に固定されている。これによって第1及び第2リンクレバー45a,45bは、車幅方向に延びる軸回りに、ウインドウブラケット412に対して相対的に回動する。前記第1及び第2リンクレバー45a,45bは、換言すれば、バックウインドウ23に枢支結合されている。
【0038】
ミドルルーフパネル24の上端部には、後述するように、フロントルーフパネル21に向かって前方に延びるアッパーアーム47が固定されている。前記第1及び第2リンクレバー45a,45bの上端部は、アッパーアーム47に対して枢支結合されている。つまり、第1及び第2リンクレバー45a,45bはそれぞれ、その上端部の貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記アッパーアーム47の後端部に固定されている。これによって、第1及び第2リンクレバー45a,45bは、車幅方向に延びる軸回りに、アッパーアーム47対して相対的に回動する。前記第1及び第2リンクレバー45a,45bは、換言すれば、ミドルルーフパネル24に枢支結合されている。
【0039】
このように第1及び第2リンクレバー45a,45bは、ミドルルーフパネル24とバックウインドウ23とのそれぞれに対して枢支結合されている。このため、第1及び第2リンクレバー45a,45bは、ミドルルーフパネル24とバックウインドウ23との間に介在して、ミドルルーフパネル24とバックウインドウ23との相対的な移動を規制する4節リンク(第2の4節リンク45)として機能する。
【0040】
前記フロントルーフパネル21の後端部近傍には、フロントルーフブラケット413が固定されている。前記アッパーアーム47の前端部は、フロントルーフブラケット413に枢支結合されている。つまり、アッパーアーム47には、その前端部に貫通孔が形成されており、アッパーアーム47は、その貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等によりフロントルーフブラケット413に対して固定されている。これによって、アッパーアーム47は、車幅方向に延びる軸回りに、フロントルーフブラケット413に対して回動する。アッパーアーム47は、換言すれば、フロントルーフパネル21に対して枢支結合されている。
【0041】
前記フロントルーフブラケット413には、アッパーアーム47の枢支点(取付孔)よりも後方位置に、別の取付孔が形成されている。この取付孔には、コントロールリンク48の上端部が枢支結合される。
【0042】
コントロールリンク48は、リトラクタブルルーフ2が使用位置にある状態で、前方に向かって登り勾配となる姿勢で配設されている。コントロールリンク48には、その上端部と下端部とのそれぞれに貫通孔が形成されている。そうして、コントロールリンク48は、その上端部の貫通孔内にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記フロントルーフブラケット413の取付孔に固定されている。これによってコントロールリンク48は、車幅方向に延びる軸回りに、フロントルーフパネル21に対して相対的に回動する。コントロールリンク48は、換言すれば、フロントルーフパネル21に対して枢支結合されている。
【0043】
前記第1リンクレバー45aには、その中間位置に取付孔が形成されている。コントロールリンク48の下端部は、その取付孔に対して枢支結合されている。つまり、コントロールリンク48は、その下端部の貫通孔内にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により、第1リンクレバー45aの中間部分に固定されている。これによってコントロールリンク48は、車幅方向に延びる軸回りに、第1リンクレバー45aに対して相対的に回動する。コントロールリンク48は、換言すれば、第2の4節リンク45に対して枢支結合されている。
【0044】
以上説明したように、ミドルルーフパネル24は、アッパーアーム47を介してフロントルーフパネル21に対して枢支結合されていると共に、ロアアーム43を介してメインブラケット42に枢支結合されている。これによって、ミドルルーフパネル24は、4節リンクを構成する一対のリンクの内の一方のリンクとして機能する。また、この一方のリンクは、ロアアーム43が駆動モータ41によって駆動されることから、4節リンクにおける駆動リンクとして機能する。
【0045】
一方、4節リンクを構成する一対のリンクの内の他方のリンク(従動リンク)は、ウインドウリンクレバー44、バックウインドウ23(ウインドウブラケット412)、第1及び第2リンクレバー45a,45b、並びにコントロールリンク48、を含んで構成される。
【0046】
この構成のリトラクタブルルーフ2は、図3,5〜7に示すように動作して、使用位置から格納位置へ、とその位置を変更する。尚、図3は使用位置にある状態(閉状態)のリトラクタブルルーフ2を、図7は格納位置にある状態(開状態)のリトラクタブルルーフ2を、図5は使用位置から格納位置までの位置変更過程において、使用位置からおおよそ1/3の過程が経過した状態のリトラクタブルルーフ2を、図6は使用位置から格納位置までの位置変更過程において、使用位置からおおよそ2/3の過程が経過した状態のリトラクタブルルーフ2を、それぞれ示している。
【0047】
まず、駆動モータ41が駆動を開始することにより、減速ギヤ43cによってトルクが増幅され、ロアアーム43が、回転軸X回りに、図3における時計回り方向に回動を開始する。その回動に伴い、ミドルルーフパネル24が時計回り方向に回動を開始する(図3,5参照)。
【0048】
ミドルルーフパネル24の回動に伴い、このミドルルーフパネル24(アッパーアーム47)と枢支結合されたフロントルーフパネル21も、後方の斜め上方に移動するが、フロントルーフパネル21にはコントロールリンク48が枢支結合されている、換言すればフロントルーフパネル21とメインブラケット42との間には、4節リンクが構成されているため、フロントルーフパネル21の移動軌跡は、所定の軌跡に規制される。
【0049】
また、ミドルルーフパネル24の回動に伴い、このミドルルーフパネル24とバックウインドウ23とは、第2の4節リンク45によって相対移動を行う。つまり、バックウインドウ23は、後方に回動するミドルルーフパネル24に対して相対的に前方側に移動しながら、後方に回動する。
【0050】
駆動モータ41が駆動を継続することによって、ミドルルーフパネル24は、ほぼ横向きに倒れた姿勢になる(図6参照)。フロントルーフパネル21は、さらに後方に移動してミドルルーフパネル24の上方に位置する。
【0051】
駆動モータ41がさらに駆動を継続することによって、ミドルルーフパネル24は、さらに後方に回動して格納室12内に収容される(図7参照)。これと共に、フロントルーフパネル21が下方に移動し、格納室12内においてミドルルーフパネル24の直上に位置する。こうして、フロントルーフパネル21とミドルルーフパネル24とは、上下に折り重なった状態となる。また、バックウインドウ23は、車幅方向に延びる軸に沿って見てミドルルーフパネル24に対して重なった位置に配置される。
【0052】
尚、リトラクタブルルーフ2は、前記とは逆の動きで、格納位置から使用位置へとその位置を変更する。
【0053】
そして、この構成のリトラクタブルルーフ2においては、図1に示すように、フロントルーフパネル21、ミドルルーフパネル24及びバックウインドウ23にはウエザストリップが設けられている。すなわち、フロントルーフパネル21には、その前端縁部から側端縁部に亘ってフロントヘッダ14及びサイドウインドウ15との間をシールするためのフロント用ウェザストリップ5が設けられている。また、ミドルルーフパネル24には、その前端縁部から側端縁部、下端縁部に亘ってフロントルーフパネル21、サイドウインドウ15及びデッキリッド3との間をシールするミドル用ウェザストリップ6が設けられている。さらに、バックウインドウ23には、その全周縁部に亘ってミドルルーフパネル24及びデッキリッド3との間をシールするバック用ウェザストリップ7が設けられている。さらにまた、車両1のボディにおける、ミドルルーフパネル24の前下端縁部との当接部には、ミドルルーフパネル24とボディとの間をシールするキャブサイドウェザストリップ78が設けられている。尚、キャブサイドウェザストリップ78には排水孔(図示省略)が形成されていると共に、キャブサイドウェザストリップ78の下方位置であってリアフェンダ16の車内側には該キャブサイドウェザストリップ78の排水孔から落下する水を受けて車外に排水するドレンカバー79が設けられている。
【0054】
以下に、前記ミドル用ウェザストリップ6及びバック用ウェザストリップ7についてさらに詳しく説明する。
【0055】
前記ミドル用ウェザストリップ6は、図8に示すように、フロントルーフパネル21との間をシールする上部ミドル用ウェザストリップ61と、左右のサイドウインドウ15(図8では右側のみ図示)との間をシールする側部ミドル用ウェザストリップ62(図8では右側のみ図示)と、デッキリッド3との間をシールする下部ミドル用ウェザストリップ63とを含んでいる。
【0056】
前記バック用ウェザストリップ7は、ミドルルーフパネル24との間をシールする上部バック用ウェザストリップ71及び側部バック用ウェザストリップ72,72と、デッキリッド3との間をシールする下部バック用ウェザストリップ73とを含んでいる。
【0057】
そして、リトラクタブルルーフ2の閉状態において、前記下部ミドル用ウェザストリップ63と下部バック用ウェザストリップ73とは、図9に示すように、接合されて一続きの下端縁ウェザストリップを構成する。リトラクタブルルーフ2が閉状態となるときには、前記バックウインドウ23がミドルルーフパネル24に対して車室内側から移動して閉状態となるため、下部バック用ウェザストリップ73は、各下部ミドル用ウェザストリップ63(図9では右側のみ図示)に対して車室内側から当接している。
【0058】
前記ミドルルーフパネル24は、図10に示すように、アウタパネル24aとインナパネル24bとを有しており、該アウタパネル24aに下部ミドル用ウェザストリップ63が取り付けられている。詳しくは、下部ミドル用ウェザストリップ63は、アウタパネル24aの下端縁部に沿って延びる中空状のシール部631と、該シール部631よりも外側に位置し且つ該シール部631と平行に延びるリップ部632と、該シール部631とリップ部632との間に形成されたミドル用排水溝633と、リップ部632の下端から該ミドル用排水溝633の底部と平行にアウタパネル24aの内方に折り返されて延びる折返し部634とを有する。そして、下部ミドル用ウェザストリップ63は、前記ミドル用排水溝633の底部と折返し部634とでアウタパネル24aの下端縁部を挟み込むようにして、アウタパネル24aに取り付けられている。また、下部ミドル用ウェザストリップ63の車両後側、即ちバックウインドウ側の端部においては、シール部631及びリップ部632がミドル用排水溝633の底部よりもバックウインドウ側に突出している(図9参照)。
【0059】
前記バックウインドウ23は、図11に示すように、ウインドウ部材23aと該ウインドウ部材23aの周縁部に取り付けられたサポートフレーム23bとを有しており、該サポートフレーム23bに下部バック用ウェザストリップ73が取り付けられている。詳しくは、下部バック用ウェザストリップ73は、サポートフレーム23bの下端縁部に沿って平行に延びる2本の中空状のシール部731,732と、該シール部731,732間に形成されたバック用排水溝733と、外側のシール部732の下端から該バック用排水溝733の底部と平行にサポートフレーム23bの内方に折り返されて延びる折返し部734と、内側のシール部731の下端からサポートフレーム23bの内方に延びる延設部735とを有する。そして、下部バック用ウェザストリップ73は、延設部735をウインドウ部材23aとサポートフレーム23bとの間に挿入し且つ、前記バック用排水溝733の底部と折返し部734とでサポートフレーム23bの下端縁部を挟み込むようにしてサポートフレーム23bに取り付けられる。
【0060】
この下部バック用ウェザストリップ73の端部の構成についてさらに詳しく説明する。尚、下部バック用ウェザストリップ73の左右の端部は構成が同じであるため、図12を参照して、右側の端部についてのみ説明する。
【0061】
下部バック用ウェザストリップ73の端部においては、内側のシール部731と外側のシール部732とがバック用排水溝733の上方で連結されている。そして、この連結部には前記下部ミドル用ウェザストリップ63が接合される接合面736が形成されており、接合面736にはバック用排水溝733と連通する連通孔737が貫通形成されている。この接合面736は、下部ミドル用ウェザストリップ63側の端部に向かって車室外側から内側へ傾斜する傾斜面となっている。
【0062】
また、下部バック用ウェザストリップ73の端部において、内側のシール部731には側部バック用ウェザストリップ72が連結されている(図12では、右側のみ図示)。側部バック用ウェザストリップ72は、バックウインドウ23の側端縁部に沿って平行に延びる2本のシール部721,722と、該シール部721,722の間に形成された側部排水溝723とを有する。また、側部バック用ウェザストリップ72は、図示は省略するが、下部バック用ウェザストリップ73と同様の取付構造によってバックウインドウ23に取り付けられている。そして、この側部バック用ウェザストリップ72の下端部は下部バック用ウェザストリップ73の内側のシール部731に連結され、前記側部排水溝723を流れてきた水は、下部バック用ウェザストリップ73のシール部731を乗り越えてバック用排水溝733に流れ込むように構成されている。
【0063】
さらに、下部バック用ウェザストリップ73は、接合面736よりも下部ミドル用ウェザストリップ63側の部分には、接合面736よりも車室内側に陥没した水受け溝738が形成されている。この水受け溝738は、側部バック用ウェザストリップ72の外側のシール部722の下端部から接合面736を囲むように延びて形成されている。水受け溝738には、図13にも示すように、車室外側から車室内側に貫通する排水孔740が形成されている。
【0064】
このように構成された下部バック用ウェザストリップ73の端部は、サポートフレーム23bよりもミドルルーフパネル24側に突出した片持ち状態となっている。しかしながら、この下部バック用ウェザストリップ73の端部は、リトラクタブルルーフ2が閉状態となるときには、下部ミドル用ウェザストリップ63の端部と当接して接合されるため、その接合を確実に行うことができる程度の剛性が必要となる。そこで、この下部バック用ウェザストリップ73の端部には、図12,13に示すように、金属製のインサートパネル75が内蔵されている。
【0065】
尚、下部ミドル用ウェザストリップ63の、バックウインドウ23側の端部にも、金属製のインサートパネル65が内蔵されている。こうすることで、下部ミドル用ウェザストリップ63の端部及び下部バック用ウェザストリップ73の端部の剛性が強化され、リトラクタブルルーフ2が閉状態のときに、両方の端部が確実に当接して接合されることになる。
【0066】
前記インサートパネル75には、排水孔740を形成するための貫通孔752が貫通形成されている。また、インサートパネル75には、後述する受け皿部材81を取り付けるためのスタッドボルト753,753が車室内側に突出するように溶接されている。さらに、インサートパネル75には、サポートフレーム23bを取り付けるための取付孔754,754が貫通形成されている。
【0067】
このように構成されたインサートパネル75は、下部バック用ウェザストリップ73の端部を成型する成形型内にインサートされて、下部バック用ウェザストリップ73の端部と一体に成型される。こうして成型された下部バック用ウェザストリップ73の端部の車室内側面からは、図14に示すように、スタッドボルト753,753が突出している。
【0068】
そして、下部バック用ウェザストリップ73の端部の車室内側面には、図13,15に示すように、前記排水孔740を覆うように受け皿部材81が取り付けられている。この受け皿部材81は、底部が陥没した皿形状をしており、その開口端縁部にはフランジ部81aが形成されている。そして、受け皿部材81は、フランジ部81aをスタッドボルト753,753とナット82,82とでネジ締結することで下部バック用ウェザストリップ73に取り付けられている。つまり、受け皿部材81は、下部バック用ウェザストリップ73内のインサートパネル75に取り付けられている。この受け皿部材81がホース接続部に相当する。
【0069】
さらに、インサートパネル75は、取付孔754に嵌合されたスクリューグロメット755及び該スクリューグロメット755に螺合されるネジ756を介してサポートフレーム23bにネジ締結されている。
【0070】
前記受け皿部材81には円筒状の接続管部83が外方に突出して設けられており、この接続管部83に排水ホース8の上流端が外嵌されて接続されている。この排水ホース8の上流端にはホースクリップ84が取り付けられ、該排水ホース8が接続管部83から抜けることを防止している。
【0071】
前記排水ホース8は、ゴム製であって可撓性を有する。この排水ホース8の下流端は、図16,17に示すように、格納室12と車室13とを仕切る内装トリムであるリアサイドトリム17に設けられた車両側排水部9に取り付けられている。
【0072】
前記車両側排水部9は、リアサイドトリム17に取り付けられた円筒部材91と、該円筒部材91のルーフ格納室側に突出する端部に設けられたキャップ92と、該円筒部材91の車室側に突出する端部に接続された車両側排水ホース93とを有する。この車両側排水ホース93は、リアサイドトリム17の車室側面に複数箇所で取り付けられ、その下流端部はリアサイドトリム17を貫通してルーフ格納室側に突出している。そして、図示は省略するが、格納室12のフロアにおける、車両側排水ホース93の下流端の下方位置には、該車両側排水ホース93から排出される水を受けて車外に排出するフロア排出部が設けられている。
【0073】
続いて、前記排水ホース8と車両側排水部9との接続構造について、図18を参照して、さらに詳しく説明する。
【0074】
前記キャップ92は、排水ホース8の外径よりも大きな内径を有する挿通孔92aが形成されている。
【0075】
そして、排水ホース8は、該キャップ92の挿通孔92aを介して円筒部材91内部に挿通されていると共に、その下流端には抜け止め部材85が設けられている。この抜け止め部材85は、円筒部材91に嵌め合わされる大径部85a,85bが形成されている。これら大径部85a,85bの外径はキャップ92の挿通孔92aの内径よりも大きくなっている。
【0076】
その結果、車両側排水部9に接続された排水ホース8は、車両側排水部9に対して自在に回動できると共に、挿通孔92aから自在に出入りすることができる(図中の二点鎖線参照)。そして、抜け止め部材85の大径部85aの外径がキャップ92の挿通孔92aの内径よりも大きく形成されているため、該大径部85aがキャップ92の挿通孔92aの開口縁部に引っ掛かって、該排水ホース8が車両側排水部9から抜け出さないように構成されている。この自在に出入りできる長さは、円筒部材91の深さによって決まる。つまり、該深さを変えることで、排水ホース8が自在に出入りできる長さを所望の値に設定することができる。
【0077】
このように、車両側排水部9に接続された排水ホース8は、その上流端がバックウインドウ23に取り付けられているため、図17,19に示すように、該バックウインドウ23の開閉動作に追従して変形することになる。このとき、バックウインドウ23の開閉動作に伴って、バックウインドウ23側の受け皿部材81と車両側排水部9のキャップ92との距離が変化すると共に、排水ホース8の軸が捻れる。ここで、排水ホース8は、挿通孔92aに対して回動自在且つ出入り自在に取り付けられているため、バックウインドウ23の開閉動作に伴う受け皿部材81とキャップ92との距離の変化に応じて挿通孔92aに対して自在に出入りすると共に、排水ホース8の軸の捻れに応じて自在に回動することができる。
【0078】
このように構成されたリトラクタブルルーフ2の排水構造、特に車両後部の排水構造による排水について説明すると、バックウインドウ23の表面を伝う水及びミドルルーフパネル24の表面を伝う水はそれぞれ下部バック用ウェザストリップ73のバック用排水溝733及び下部ミドル用ウェザストリップ63のミドル用排水溝633に流入する。また、各側部バック用ウェザストリップ72の側部排水溝723を流通する水もバック用排水溝733に流入する。そして、バック用排水溝733に流入した水は、バック用排水溝733の左右の両端部において、各連通孔737を通じてミドル用排水溝633へ流入する。ミドル用排水溝633へ流入した水は、該ミドル用排水溝633の前端部まで流れ、該前端部からキャブサイドウェザストリップ78へ流入し、該キャブサイドウェザストリップ78からドレンカバー79へ落下し、該ドレンカバー79を介して車外に排水される。一方、受け皿部材81へ流入した水は、排水ホース8を介して車両側排水部9へ導かれ、該車両側排水部9から車外へ排水される。
【0079】
ここで、下部ミドル用ウェザストリップ63と下部バック用ウェザストリップ73との接合部において、バック用排水溝733を流通する水がミドル用排水溝633へ上手く流入せず、該下部ミドル用ウェザストリップ63と下部バック用ウェザストリップ73との間から漏れる場合がある。本実施形態では、下部バック用ウェザストリップ73の端部には水受け溝738が設けられているため、その漏れた水は水受け溝738によって受け止められる。そして、水受け溝738に流入した水は、前記排水孔740から受け皿部材81へ流入する。受け皿部材81へ流入した水は、排水ホース8を介して車両側排水部9へ導かれ、該車両側排水部9から車外へ排水される。尚、バック用排水溝733及びミドル用排水溝633を流通する水は、該排水溝733,633から溢れ出る場合があるが、この溢れ出た水は、デッキリッド3の表面及びリアフェンダ16の表面を伝って排水される。
【0080】
したがって、本実施形態1によれば、バックウインドウ23の開閉動作に伴って排水ホース8が変形及び移動しても、該排水ホース8の上流端が接続される受け皿部材81が下部バック用ウェザストリップ73に内蔵されたインサートパネル75に取り付けられているため、排水ホース8からの反力を該インサートパネル75で受け止めることができ、下部バック用ウェザストリップ73が過度に変形することを防止することができる。
【0081】
その結果、バックウインドウ23が開閉動作するときに下部バック用ウェザストリップ73の端部が大きく変形し、バック用排水溝733内に残留している水が車室内にこぼれ落ちることを防止することができると共に、下部バック用ウェザストリップ73が大きく変形したままとなることを防止することができ、図13に示すように、下部バック用ウェザストリップ73と下部ミドル用ウェザストリップ63との接合を確実に行うことができる。
【0082】
また、前記受け皿部材81は下部バック用ウェザストリップ73から突出するスタッドボルト753,753を介してネジ締結されているため、そのネジ締結を解除することで該受け皿部材81を容易に交換することができる。
【0083】
さらに、該スタッドボルト753,753に取り付けることができる形状であれば、任意の受け皿部材81を取り付けることができるため、インサートパネル75、ひいてはバック用ウェザストリップ7の汎用性を向上させることができる。
【0084】
尚、前記実施形態1では、インサートパネル75にスタッドボルト753,753を溶接し、該スタッドボルト753,753を介して受け皿部材81がインサートパネル75にネジ締結されているが、これに限られるものではない。すなわち、インサートパネル75に溶接ナットを設け、インサートパネル75と受け皿部材81のフランジ部81aとを該溶接ナットにボルトを螺合させることでネジ締結するように構成してもよい。又はインサートパネルにネジ穴をタッピングして、インサートパネル75と受け皿部材81のフランジ部81aとをネジ締結するように構成してもよい。つまり、インサートパネル75と受け皿部材81のフランジ部81aとをネジ締結することができる構成であれば、任意の構成を採用することができる。
【0085】
また、前記インサートパネル75は、樹脂製であってもよい。
【0086】
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2に係るリトラクタブルルーフ2について説明する。実施形態2は、排水ホース8の下部バック用ウェザストリップ73への取付構造が実施形態1と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0087】
図20〜22に実施形態2に係る排水ホース8の取付構造を示す。
【0088】
本実施形態2に係るインサートパネル75Bには、受け皿部材81Bが嵌合する嵌合孔757,757,…(図21にのみ図示)が形成されている。一方、受け皿部材81Bの開口縁部には、実施形態1に係る受け皿部材81のようにフランジ部が設けられておらず、嵌合孔757,757,…及び貫通孔752と嵌合する複数の嵌合爪部81b,81b,…が形成されている。
【0089】
つまり、受け皿部材81Bは、嵌合爪部81b,81b,…をインサートパネル75Bの嵌合孔757,757,…及び貫通孔752とに嵌合させることで、インサートパネル75Bに取り付けられている。すなわち、嵌合孔757,757,…及び貫通孔752が被嵌合部に相当する。
【0090】
そして、下部バック用ウェザストリップ73の端部を成型する成形型内に、前記受け皿部材81Bが取り付けられたインサートパネル75Bをインサートして下部バック用ウェザストリップ73を成形することで、下部バック用ウェザストリップ73がインサートパネル75B及び受け皿部材81Bと一体に成形される。尚、受け皿部材81Bは、金属製であっても樹脂製であってもよい。
【0091】
こうして成形された下部バック用ウェザストリップ73の車室内側面には、図22に示すように、受け皿部材81Bが突出して設けられている。この受け皿部材81Bの接続管部83に排水ホース8の上流端が接続される。
【0092】
したがって、本実施形態2によれば、実施形態1と同様に、バックウインドウ23の開閉動作に伴って排水ホース8が変形及び移動しても、排水ホース8からの反力を該インサートパネル75Bで受け止めることができ、下部バック用ウェザストリップ73が過度に変形することを防止することができる。
【0093】
その結果、バックウインドウ23が開閉動作するときに下部バック用ウェザストリップ73の端部が大きく変形して、バック用排水溝733内に残留している水が車室内にこぼれ落ちることを防止することができると共に、下部バック用ウェザストリップ73が大きく変形したままとなることを防止することができ、図20に示すように、下部バック用ウェザストリップ73と下部ミドル用ウェザストリップ63との接合を確実に行うことができる。
【0094】
また、受け皿部材81Bは、嵌合爪部81b,81b,…をインサートパネル75Bの嵌合孔757,757,…及び貫通孔752に嵌合させることでインサートパネル75Bに取り付けているため、ネジ締結する構成と比較して容易に取り付けることができる。さらに、受け皿部材81Bは、下部バック用ウェザストリップ73に一体成形されているため、バックウインドウ23やバック用ウェザストリップ7を組み立てるときに、受け皿部材81Bを下部バック用ウェザストリップ73に取り付ける作業が不要となり、組立性を向上させることができる。
【0095】
尚、前記実施形態2では、受け皿部材81Bの複数の嵌合爪部81b,81b,…をインサートパネル75Bの嵌合孔757,757,…及び貫通孔752に嵌合させているが、これに限られるものではない。例えば、インサートパネル75Bに、貫通孔752を囲む程度の大きさを有する取付開口を設け、該取付開口に複数の嵌合爪部81b,81b,…を嵌合させるようにしてもよい。つまり、受け皿部材81Bをインサートパネル75Bに嵌合させることができる構成であれば、任意の構成を採用することができる。
【0096】
また、前記インサートパネル75Bは、金属製又は樹脂製のどちらであってもよい。
【0097】
《発明の実施形態3》
次に、本発明の実施形態3に係るリトラクタブルルーフ2について説明する。実施形態3は、排水ホース8の下部バック用ウェザストリップ73への取付構造が実施形態1と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0098】
図23に実施形態3に係る排水ホース8の取付構造を示す。
【0099】
本実施形態3に係るインサートパネル75Cには、受け皿部材81Cが一体成形されている。このインサートパネル75C及び受け皿部材81Cは、高剛性且つ耐熱性を有する樹脂又は金属で成形されている。
【0100】
そして、下部バック用ウェザストリップ73の端部を成型する成形型内に、前記インサートパネル75C及び受け皿部材81Cをインサートして下部バック用ウェザストリップ73を成形することで、下部バック用ウェザストリップ73がインサートパネル75C及び受け皿部材81Cと一体に成形される。
【0101】
こうして成形された下部バック用ウェザストリップ73の車室内側面には、受け皿部材81Cが突出して設けられている。この受け皿部材81Cの接続管部83に排水ホース8の上流端が接続される。下部バック用ウェザストリップ73の外観は、図22に示す実施形態2と同様である。
【0102】
したがって、本実施形態3によれば、実施形態1と同様に、バックウインドウ23の開閉動作に伴って排水ホース8が変形及び移動しても、排水ホース8からの反力を該インサートパネル75Bで受け止めることができ、下部バック用ウェザストリップ73が過度に変形することを防止することができる。
【0103】
その結果、バックウインドウ23が開閉動作するときに下部バック用ウェザストリップ73の端部が大きく変形して、バック用排水溝733内に残留している水が車室内にこぼれ落ちることを防止することができると共に、下部バック用ウェザストリップ73が大きく変形したままとなることを防止することができ、図23に示すように、下部バック用ウェザストリップ73と下部ミドル用ウェザストリップ63との接合を確実に行うことができる。
【0104】
また、受け皿部材81Cはインサートパネル75Cと一体成形されているため、受け皿部材81Cとインサートパネル75Cとの接続強度を向上させることができる。
【0105】
さらに、受け皿部材81Cとインサートパネル75Cとが一体成形されているため、下部バック用ウェザストリップ73を成形するときに、受け皿部材81Cをインサートパネル75Cに取り付ける作業が不要となり、作業性を向上させることができる。
【0106】
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0107】
前記実施形態では、排水ホース8が下部バック用ウェザストリップ73の端部に接続されているが、これに限られるものではない。すなわち、排水ホース8がウェザストリップに接続される構成であれば、排水ホース8はウェザストリップのどこに接続されていてもよい。かかる場合には、ウェザストリップのうち、排水ホース8が接続される部分に、インサートパネルを内蔵し、該インサートパネルに受け皿部材81を取り付け、又は一体成形するように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上説明したように、本発明は、可動式のルーフ部材に設けられたウェザストリップに接続される排水ホースの接続構造について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明に係るリトラクタブルルーフを使用位置にした状態の車両の側面図である。
【図2】リトラクタブルルーフを格納位置にした状態の車両の側面図である。
【図3】使用位置におけるリトラクタブルルーフのリンク機構を示す側面図である。
【図4】リンク機構の分解斜視図である。
【図5】使用位置と格納位置との間の位置におけるリトラクタブルルーフのリンク機構を示す側面図である。
【図6】使用位置と格納位置との間の位置におけるリトラクタブルルーフのリンク機構を示す側面図である。
【図7】格納位置におけるリトラクタブルルーフのリンク機構を示す側面図である。
【図8】リトラクタブルルーフを使用位置にした状態の車両の斜め後方から見た斜視図である。
【図9】バックウインドウ及びミドルルーフパネルの下端縁ウェザストリップを斜め後方から見た斜視図である。
【図10】図9のX−X線における断面図である。
【図11】図9のXI−XI線における断面図である。
【図12】下部バック用ウェザストリップの端部を車室外側から見た拡大斜視図である。
【図13】図9のXIII−XIII線における断面図である。
【図14】下部バック用ウェザストリップの端部を車室内側から見た拡大斜視図である。
【図15】下部バック用ウェザストリップに排水ホースを取り付けた状態の図14に対応する図である。
【図16】リトラクタブルルーフを使用位置にした状態のバックウインドウ及びリアサイドトリムを示す背面図である。
【図17】リトラクタブルルーフを使用位置にした状態のバックウインドウ及びリアサイドトリムを示す側面図である。
【図18】排水ホースと車両側排水部との接続構造を示す断面図である。
【図19】リトラクタブルルーフを格納位置にした状態のバックウインドウ及びリアサイドトリムを示す側面図である。
【図20】実施形態2に係る排水ホースとウェザストリップとの接続構造を示す図13に対応する断面図である。
【図21】実施形態2に係る下部バック用ウェザストリップの端部を示す図12に対応する図である。
【図22】実施形態2に係る排水ホースとウェザストリップとの接続構造を示す図15に対応する図である。
【図23】実施形態3に係る排水ホースとウェザストリップとの接続構造を示す図13に対応する断面図である。
【符号の説明】
【0110】
13 車室
2 リトラクタブルルーフ(ルーフ部材)
21 フロントルーフパネル(ルーフ部材)
23 バックウインドウ(ルーフ部材)
24 ミドルルーフパネル(ルーフ部材)
73 下部バック用ウェザストリップ(ウェザストリップ)
733 バック用排水溝(排水溝)
75,75B,75C インサートパネル
752 貫通孔(被嵌合部)
757 嵌合孔(被嵌合部)
8 排水ホース
81,81B,81C 受け皿部材(ホース接続部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動式のルーフ部材に設けられたウェザストリップに接続される排水ホースの接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車室を開閉可能な可動式のルーフ部材を備えた開閉ルーフが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなルーフ部材は複数のルーフ構成部材で構成されており、特許文献1に係るルーフ部材は、車室の上方を覆うフロントルーフパネルと、車室の後方を覆うバックウインドウと、該バックウインドウとフロントルーフパネルとの間に配置されたミドルルーフパネルとで構成されている。そして、各ルーフ構成部材間や、各ルーフ構成部材とボディとの間には、ウェザストリップが介設され、ルーフ部材の閉状態において車室内を密閉して風雨から保護するように構成されている。
【0004】
さらに詳しく説明すると、特許文献1に係る開閉ルーフにおいては、ミドルルーフパネルの下端縁部には該ミドルルーフパネルとボディ又はデッキパネルとの間をシールするミドル用ウェザストリップが、バックウインドウの下端縁部には該バックウインドウとボディ又はデッキパネルとの間をシールするバック用ウェザストリップがそれぞれ延設されている。また、各ウェザストリップは、延設方向に沿って略平行に延びる2本のシール部と該2本のシール部の間に形成された排水溝とを有している。さらに、ミドル用ウェザストリップの排水溝には排水孔が形成され、この排水孔には排水ホースの上流端が接続されている。この排水ホースはルーフ部材の車室内側にレイアウトされ、その下流端は車両側排水部に接続されている。
【0005】
このように構成されたミドル用及びバック用ウェザストリップは、ルーフ部材の閉状態において、互いに接合されて一続きのウェザストリップを形成すると共に、各排水溝が連通するように構成されている。こうして、ミドル用及びバック用ウェザストリップは、ルーフ部材の閉状態において、ミドルルーフパネルの下端縁及びバックウインドウの下端縁とボディ及びデッキパネルとの間をシールすると共に、ウェザストリップへ流入する水を排水溝を介して前記排水孔まで案内して、前記排水ホースによって排水するように構成されている。
【特許文献1】特開2003−54265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に係る排水ホースは、その接続構造については詳述されていないが、上流端がミドルルーフパネルのウェザストリップに接続されている(特許文献1の図1参照)。そのため、ミドルルーフパネルが開閉動作を行うと、該排水ホースはミドルルーフパネルの開閉動作に追従して変形及び移動することになる。このように、排水ホースがミドルルーフパネルの開閉動作に追従する構成では、ウェザストリップにおける排水ホースの接続部は、該排水ホースがミドルルーフパネルに追従して変形及び移動する際の反力を受ける。
【0007】
しかしながら、このウェザストリップはゴム等の弾性部材から形成されているため、変形及び移動する排水ホースからの反力に耐えきれず、該排水ホースの接続部も排水ホースの変形及び移動に伴って変形する。その結果、ミドルルーフパネルが開閉動作するときにウェザストリップの排水溝から車室内に水がこぼれ出したり、ルーフ部材が閉状態となったときにウェザストリップが変形したままの状態となって所望の2つの部材間をシールできなかったりする虞がある。さらに、ルーフ部材が開閉動作を繰り返すと、ウェザストリップが老朽化する虞があり、その結果、2つの部材間をシールするというウェザストリップ本来の機能を果たせなくなる虞もある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排水ホースがルーフ部材の開閉動作に追従して変形及び移動しても、該排水ホースからの反力に耐え得る排水ホースの接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、排水ホースを、ウェザストリップに内蔵された、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルに対して接続するようにしたものである。
【0010】
詳しくは、第1の発明は、車室を開閉可能な可動式のルーフ部材と、該ルーフ部材の端縁部に沿って延設され且つその延設方向に延びる排水溝を有するウェザストリップと、該ウェザストリップと車両側に設けられた車両側排水部とを接続する排水ホースとを備えた排水ホースの接続構造が対象である。そして、前記ウェザストリップの、前記排水ホースが接続される部分に内蔵され、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルと、前記インサートパネルに対して取り付けられると共に前記排水ホースの上流端が接続されるホース接続部とをさらに備えるものとする。
【0011】
前記の構成の場合、前記ホース接続部をウェザストリップの補強するためのインサートパネルに対して取り付け、このインサートパネルに取り付けられたホース接続部に前記排水ホースの上流端を接続することによって、ルーフ部材の開閉動作に伴って排水ホースが変形及び移動しても、該排水ホースからの反力をインサートパネルで受け止めることができ、ウェザストリップが過度に変形することを防止することができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記インサートパネルには、雌ネジ部又は雄ネジ部が設けられており、前記ホース接続部は、前記インサートパネルに対してネジ締結によって取り付けられているものとする。
【0013】
前記の構成の場合、前記ホース接続部のインサートパネルに対する取付構造が具体的に特定される。そして、ホース接続部をインサートパネルに設けられた雌ネジ部又は雄ネジ部に対してネジ締結することによって、該ホース接続部を交換等するときには該ホース接続部を容易に着脱することができる。また、インサートパネルの雌ネジ部又は雄ネジ部に対応する形状であれば、ホース接続部の形状を自由に変更することができるため、インサートパネルの汎用性を向上させることができる。
【0014】
第3の発明は、第1の発明において、前記インサートパネルには、前記ホース接続部が嵌合される被嵌合部が形成され、前記ホース接続部は、前記インサートパネルの前記被嵌合部に対して嵌合して取り付けられているものとする。
【0015】
前記の構成の場合、ホース接続部をインサートパネルの前記被嵌合部に嵌合させることで該ホース接続部をインサートパネルに取り付けることによって、ネジ等の取り付けるための別の部品を設ける必要がなく、ホース接続部をインサートパネルに容易に取り付けることができる。
【0016】
第4の発明は、車室を開閉可能な可動式のルーフ部材と、該ルーフ部材の端縁部に沿って延設され且つその延設方向に延びる排水溝を有するウェザストリップと、該ウェザストリップと車両側に設けられた車両側排水部とを接続する排水ホースとを備えた排水ホースの接続構造が対象である。そして、前記ウェザストリップの、前記排水ホースが接続される部分に内蔵され、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルと、前記インサートパネルに一体形成されると共に前記排水ホースの上流端が接続されるホース接続部とをさらに備えるものとする。
【0017】
前記の構成の場合、前記ホース接続部をインサートパネルと一体形成すると共に、該ホース接続部に前記排水ホースの上流端を接続することによって、ルーフ部材の開閉動作に伴って排水ホースが変形及び移動しても、該排水ホースからの反力をインサートパネルで受け止めることができ、ウェザストリップが過度に変形することを防止することができる。それと共に、ホース接続部とインサートパネルとを一体形成することによって、該ホース接続部とインサートパネルとの接続強度を向上させることができると共に、ホース接続部をインサートパネルに対して取り付ける作業が必要なく、組立性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記ホース接続部をウェザストリップの補強するためのインサートパネルに対して取り付けると共に、このホース接続部に前記排水ホースの上流端を接続することによって、ルーフ部材の開閉動作に伴う排水ホースからの反力でウェザストリップが過度に変形することを防止することができ、その結果、ウェザストリップの排水溝から水がこぼれ出たり、ウェザストリップが変形してシール機能を発揮できなくなったりすることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
《発明の実施形態1》
図1,2は、本発明のリトラクタブルルーフが搭載された車両1を示す模式的な側面図である。リトラクタブルルーフ(ルーフ部材)2は、車室の上方を覆うフロントルーフパネル21と、フロントルーフパネル21の後方位置に配置されて車室の後方を覆うバックルーフパネル22と、を含む。バックルーフパネル22はさらに、透明性部材からなるバックウインドウ23と、フロントルーフパネル21とバックウインドウ23との間に配置されて、車両1のピラーを構成するミドルルーフパネル24と、を含む。
【0021】
車両1の後部にはトランクルームが形成されており、その開口はトランクリッド11によって開閉可能に閉塞されている。車室13とトランクルームとの間には、前記リトラクタブルルーフ2が格納される格納室12が、上方に開口して形成されている。
【0022】
格納室12の上端開口にはデッキリッド3が配設されている。このデッキリッド3は、リトラクタブルルーフ2が車室13を覆っている状態(後述するルーフ2が使用位置にある状態)において、そのルーフ2の後端縁と格納室12の開口縁との間に位置する。それによってデッキリッド3は、その部分において上方に開口する、格納室12の上端開口を閉塞する。
【0023】
前記リトラクタブルルーフ2は、図1,2では図示を省略するリンク機構によって、車室13を覆う使用位置(図1参照)と、格納室12に格納されて車室13を開放する格納位置(図2参照)との間で位置変更される。また、前記デッキリッド3は、前記リトラクタブルルーフ2の位置変更を行うリンク機構とは別のリンク機構(図示省略)によって、格納室12の上端開口の一部を覆う使用位置(図1,2参照)と、その使用位置に対して後方の斜め上方に退避して格納室12の上端開口を開放する退避位置(図1の一点鎖線参照)との間で位置変更される。
【0024】
ここで、リトラクタブルルーフ2の位置変更動作、つまりリトラクタブルルーフ2が車室13を覆う状態から車室13を開放する状態への切り換え動作について、図1,2を参照しながら簡単に説明する。まず、デッキリッド3が、リンク機構によって、図1に実線で示す使用位置から、一点鎖線で示す退避位置へと移動して、格納室12の上端開口を開放する。これと同時に、リトラクタブルルーフ2のリンク機構が作動することによって、ミドルルーフパネル24が所定の回転軸回りに後方へ回動し(図1において時計回り方向に回動し)、それに伴い、フロントルーフパネル21は後方の斜め上方にスライド移動する。また、バックウインドウ23は、ミドルルーフパネル24に対して相対的に前方に移動しながら下方へ移動する(図1の一点鎖線参照)。
【0025】
リトラクタブルルーフ2のリンク機構の作動がさらに継続することによって、図2に一部破線で示すように、フロントルーフパネル21とミドルルーフパネル24とが上下方向に折り重なった状態で、格納室12内に収容される。このときにバックウインドウ23は、車幅方向に延びる軸に沿って見て(図2に示す状態で見て)、ミドルルーフパネル24と重なって配置される。
【0026】
リトラクタブルルーフ2が格納室12に格納された後に、デッキリッド3が、そのリンク機構の作動によって、退避位置から格納室12の一部を閉塞する使用位置へと移動する。こうして、車室13を開放する状態になる。
【0027】
尚、リトラクタブルルーフ2が車室13を開放した状態から車室13を覆う状態への切り換え動作は、前記とは逆になる。
【0028】
図3,4は、リトラクタブルルーフ2のリンク機構4を示している。このリンク機構4は、リトラクタブルルーフ2の内側において、車幅方向の両側位置それぞれに配置されている。尚、図3は、車幅方向右側に配置されたリンク機構4を車両1の左側方から見た側面図であり、図4は、車幅方向左側に配置されたリンク機構4を分解して示す斜視図である。
【0029】
リンク機構4は基本的に、それぞれ、フロントルーフパネル21に枢支結合されると共に、車体側部材に枢支結合される第1及び第2リンクからなる4節リンクを含んでいる。
【0030】
リンク機構4は、本実施形態では電動式に構成されている。駆動源である駆動モータ41は、車両1に対して固定されるメインブラケット42に、ボルト等によって固定されている。メインブラケット42は、略板状の部材であって、格納室12内に配置されている。これによってメインブラケット42は、リトラクタブルルーフ2が使用位置にある状態で、そのミドルルーフパネル24の下方位置に相当する位置に位置する(図3参照)。
【0031】
前記メインブラケット42の車両外方側には、ロアアーム43が取り付けられている。ロアアーム43は、メインブラケット42とベースプレート410とに挟持されることによって、メインブラケット42に対して車幅方向に延びる回転軸X回りに回転可能に取り付けられる。
【0032】
ロアアーム43は、上下方向に延びるアーム部43aと、該アーム部43aの上端で屈曲して、後述するようにミドルルーフパネル24に対して固定される固定部43bとを、有している。また、アーム部43aの基端部分には、駆動モータ41の駆動軸に取り付けられた駆動ギヤと噛み合う減速ギヤ43cが固定されている。これによってロアアーム43は、駆動モータ41の駆動に伴い、図3に示すようにアーム部43aが起立する位置と、図7に示すようにアーム部43aが後方に倒伏する位置と、の間で、回転軸X回りに回動する。
【0033】
メインブラケット42にはまた、その上端近傍の後端部から後方の斜め上方に向かって延びるウインドウブラケットベース411が固定されている。このウインドウブラケットベース411の後端部には、ウインドウリンクレバー44が枢支結合されている。
【0034】
ウインドウリンクレバー44には、その前端部と後端部とのそれぞれに貫通孔が形成されている。ウインドウリンクレバー44は、その前端部の貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記ウインドウブラケットベース411の後端部に固定されている。これによって、ウインドウリンクレバー44は、車幅方向に延びる軸回りに、ウインドウブラケットベース411に対して相対的に回動する。
【0035】
バックウインドウ23の車幅方向両端部には、ウインドウブラケット412が固定されている。ウインドウリンクレバー44の後端部は、そのウインドウブラケット412の下端部に対して枢支結合されている。つまり、ウインドウリンクレバー44は、その後端部の貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記ウインドウブラケット412の下端部に固定されている。これによって、ウインドウリンクレバー44は、車幅方向に延びる軸回りに、ウインドウブラケット412、換言すればバックウインドウ23に対して相対的に回動する。
【0036】
ウインドウブラケット412の上端部には、前後方向に所定の間隔を開けて2つの取付孔が形成されている。この2つの取付孔に対して、それぞれ第1及び第2リンクレバー45a,45bが枢支結合されている。
【0037】
第1及び第2リンクレバー45a,45bは、互いに略同じ長さのリンクレバーであって、リトラクタブルルーフ2が使用位置にある状態において、それぞれ前方に向かって登り勾配となる姿勢で、車両前後方向に並んで配置されている。この第1及び第2リンクレバー45a,45bはそれぞれ、その上端部と下端部とのそれぞれに貫通孔が形成されている。そして、第1及び第2リンクレバー45a,45bはそれぞれ、その下端部の貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記ウインドウブラケット412の上端部に固定されている。これによって第1及び第2リンクレバー45a,45bは、車幅方向に延びる軸回りに、ウインドウブラケット412に対して相対的に回動する。前記第1及び第2リンクレバー45a,45bは、換言すれば、バックウインドウ23に枢支結合されている。
【0038】
ミドルルーフパネル24の上端部には、後述するように、フロントルーフパネル21に向かって前方に延びるアッパーアーム47が固定されている。前記第1及び第2リンクレバー45a,45bの上端部は、アッパーアーム47に対して枢支結合されている。つまり、第1及び第2リンクレバー45a,45bはそれぞれ、その上端部の貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記アッパーアーム47の後端部に固定されている。これによって、第1及び第2リンクレバー45a,45bは、車幅方向に延びる軸回りに、アッパーアーム47対して相対的に回動する。前記第1及び第2リンクレバー45a,45bは、換言すれば、ミドルルーフパネル24に枢支結合されている。
【0039】
このように第1及び第2リンクレバー45a,45bは、ミドルルーフパネル24とバックウインドウ23とのそれぞれに対して枢支結合されている。このため、第1及び第2リンクレバー45a,45bは、ミドルルーフパネル24とバックウインドウ23との間に介在して、ミドルルーフパネル24とバックウインドウ23との相対的な移動を規制する4節リンク(第2の4節リンク45)として機能する。
【0040】
前記フロントルーフパネル21の後端部近傍には、フロントルーフブラケット413が固定されている。前記アッパーアーム47の前端部は、フロントルーフブラケット413に枢支結合されている。つまり、アッパーアーム47には、その前端部に貫通孔が形成されており、アッパーアーム47は、その貫通孔にブッシュが内挿された状態で、ボルト等によりフロントルーフブラケット413に対して固定されている。これによって、アッパーアーム47は、車幅方向に延びる軸回りに、フロントルーフブラケット413に対して回動する。アッパーアーム47は、換言すれば、フロントルーフパネル21に対して枢支結合されている。
【0041】
前記フロントルーフブラケット413には、アッパーアーム47の枢支点(取付孔)よりも後方位置に、別の取付孔が形成されている。この取付孔には、コントロールリンク48の上端部が枢支結合される。
【0042】
コントロールリンク48は、リトラクタブルルーフ2が使用位置にある状態で、前方に向かって登り勾配となる姿勢で配設されている。コントロールリンク48には、その上端部と下端部とのそれぞれに貫通孔が形成されている。そうして、コントロールリンク48は、その上端部の貫通孔内にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により前記フロントルーフブラケット413の取付孔に固定されている。これによってコントロールリンク48は、車幅方向に延びる軸回りに、フロントルーフパネル21に対して相対的に回動する。コントロールリンク48は、換言すれば、フロントルーフパネル21に対して枢支結合されている。
【0043】
前記第1リンクレバー45aには、その中間位置に取付孔が形成されている。コントロールリンク48の下端部は、その取付孔に対して枢支結合されている。つまり、コントロールリンク48は、その下端部の貫通孔内にブッシュが内挿された状態で、ボルト等により、第1リンクレバー45aの中間部分に固定されている。これによってコントロールリンク48は、車幅方向に延びる軸回りに、第1リンクレバー45aに対して相対的に回動する。コントロールリンク48は、換言すれば、第2の4節リンク45に対して枢支結合されている。
【0044】
以上説明したように、ミドルルーフパネル24は、アッパーアーム47を介してフロントルーフパネル21に対して枢支結合されていると共に、ロアアーム43を介してメインブラケット42に枢支結合されている。これによって、ミドルルーフパネル24は、4節リンクを構成する一対のリンクの内の一方のリンクとして機能する。また、この一方のリンクは、ロアアーム43が駆動モータ41によって駆動されることから、4節リンクにおける駆動リンクとして機能する。
【0045】
一方、4節リンクを構成する一対のリンクの内の他方のリンク(従動リンク)は、ウインドウリンクレバー44、バックウインドウ23(ウインドウブラケット412)、第1及び第2リンクレバー45a,45b、並びにコントロールリンク48、を含んで構成される。
【0046】
この構成のリトラクタブルルーフ2は、図3,5〜7に示すように動作して、使用位置から格納位置へ、とその位置を変更する。尚、図3は使用位置にある状態(閉状態)のリトラクタブルルーフ2を、図7は格納位置にある状態(開状態)のリトラクタブルルーフ2を、図5は使用位置から格納位置までの位置変更過程において、使用位置からおおよそ1/3の過程が経過した状態のリトラクタブルルーフ2を、図6は使用位置から格納位置までの位置変更過程において、使用位置からおおよそ2/3の過程が経過した状態のリトラクタブルルーフ2を、それぞれ示している。
【0047】
まず、駆動モータ41が駆動を開始することにより、減速ギヤ43cによってトルクが増幅され、ロアアーム43が、回転軸X回りに、図3における時計回り方向に回動を開始する。その回動に伴い、ミドルルーフパネル24が時計回り方向に回動を開始する(図3,5参照)。
【0048】
ミドルルーフパネル24の回動に伴い、このミドルルーフパネル24(アッパーアーム47)と枢支結合されたフロントルーフパネル21も、後方の斜め上方に移動するが、フロントルーフパネル21にはコントロールリンク48が枢支結合されている、換言すればフロントルーフパネル21とメインブラケット42との間には、4節リンクが構成されているため、フロントルーフパネル21の移動軌跡は、所定の軌跡に規制される。
【0049】
また、ミドルルーフパネル24の回動に伴い、このミドルルーフパネル24とバックウインドウ23とは、第2の4節リンク45によって相対移動を行う。つまり、バックウインドウ23は、後方に回動するミドルルーフパネル24に対して相対的に前方側に移動しながら、後方に回動する。
【0050】
駆動モータ41が駆動を継続することによって、ミドルルーフパネル24は、ほぼ横向きに倒れた姿勢になる(図6参照)。フロントルーフパネル21は、さらに後方に移動してミドルルーフパネル24の上方に位置する。
【0051】
駆動モータ41がさらに駆動を継続することによって、ミドルルーフパネル24は、さらに後方に回動して格納室12内に収容される(図7参照)。これと共に、フロントルーフパネル21が下方に移動し、格納室12内においてミドルルーフパネル24の直上に位置する。こうして、フロントルーフパネル21とミドルルーフパネル24とは、上下に折り重なった状態となる。また、バックウインドウ23は、車幅方向に延びる軸に沿って見てミドルルーフパネル24に対して重なった位置に配置される。
【0052】
尚、リトラクタブルルーフ2は、前記とは逆の動きで、格納位置から使用位置へとその位置を変更する。
【0053】
そして、この構成のリトラクタブルルーフ2においては、図1に示すように、フロントルーフパネル21、ミドルルーフパネル24及びバックウインドウ23にはウエザストリップが設けられている。すなわち、フロントルーフパネル21には、その前端縁部から側端縁部に亘ってフロントヘッダ14及びサイドウインドウ15との間をシールするためのフロント用ウェザストリップ5が設けられている。また、ミドルルーフパネル24には、その前端縁部から側端縁部、下端縁部に亘ってフロントルーフパネル21、サイドウインドウ15及びデッキリッド3との間をシールするミドル用ウェザストリップ6が設けられている。さらに、バックウインドウ23には、その全周縁部に亘ってミドルルーフパネル24及びデッキリッド3との間をシールするバック用ウェザストリップ7が設けられている。さらにまた、車両1のボディにおける、ミドルルーフパネル24の前下端縁部との当接部には、ミドルルーフパネル24とボディとの間をシールするキャブサイドウェザストリップ78が設けられている。尚、キャブサイドウェザストリップ78には排水孔(図示省略)が形成されていると共に、キャブサイドウェザストリップ78の下方位置であってリアフェンダ16の車内側には該キャブサイドウェザストリップ78の排水孔から落下する水を受けて車外に排水するドレンカバー79が設けられている。
【0054】
以下に、前記ミドル用ウェザストリップ6及びバック用ウェザストリップ7についてさらに詳しく説明する。
【0055】
前記ミドル用ウェザストリップ6は、図8に示すように、フロントルーフパネル21との間をシールする上部ミドル用ウェザストリップ61と、左右のサイドウインドウ15(図8では右側のみ図示)との間をシールする側部ミドル用ウェザストリップ62(図8では右側のみ図示)と、デッキリッド3との間をシールする下部ミドル用ウェザストリップ63とを含んでいる。
【0056】
前記バック用ウェザストリップ7は、ミドルルーフパネル24との間をシールする上部バック用ウェザストリップ71及び側部バック用ウェザストリップ72,72と、デッキリッド3との間をシールする下部バック用ウェザストリップ73とを含んでいる。
【0057】
そして、リトラクタブルルーフ2の閉状態において、前記下部ミドル用ウェザストリップ63と下部バック用ウェザストリップ73とは、図9に示すように、接合されて一続きの下端縁ウェザストリップを構成する。リトラクタブルルーフ2が閉状態となるときには、前記バックウインドウ23がミドルルーフパネル24に対して車室内側から移動して閉状態となるため、下部バック用ウェザストリップ73は、各下部ミドル用ウェザストリップ63(図9では右側のみ図示)に対して車室内側から当接している。
【0058】
前記ミドルルーフパネル24は、図10に示すように、アウタパネル24aとインナパネル24bとを有しており、該アウタパネル24aに下部ミドル用ウェザストリップ63が取り付けられている。詳しくは、下部ミドル用ウェザストリップ63は、アウタパネル24aの下端縁部に沿って延びる中空状のシール部631と、該シール部631よりも外側に位置し且つ該シール部631と平行に延びるリップ部632と、該シール部631とリップ部632との間に形成されたミドル用排水溝633と、リップ部632の下端から該ミドル用排水溝633の底部と平行にアウタパネル24aの内方に折り返されて延びる折返し部634とを有する。そして、下部ミドル用ウェザストリップ63は、前記ミドル用排水溝633の底部と折返し部634とでアウタパネル24aの下端縁部を挟み込むようにして、アウタパネル24aに取り付けられている。また、下部ミドル用ウェザストリップ63の車両後側、即ちバックウインドウ側の端部においては、シール部631及びリップ部632がミドル用排水溝633の底部よりもバックウインドウ側に突出している(図9参照)。
【0059】
前記バックウインドウ23は、図11に示すように、ウインドウ部材23aと該ウインドウ部材23aの周縁部に取り付けられたサポートフレーム23bとを有しており、該サポートフレーム23bに下部バック用ウェザストリップ73が取り付けられている。詳しくは、下部バック用ウェザストリップ73は、サポートフレーム23bの下端縁部に沿って平行に延びる2本の中空状のシール部731,732と、該シール部731,732間に形成されたバック用排水溝733と、外側のシール部732の下端から該バック用排水溝733の底部と平行にサポートフレーム23bの内方に折り返されて延びる折返し部734と、内側のシール部731の下端からサポートフレーム23bの内方に延びる延設部735とを有する。そして、下部バック用ウェザストリップ73は、延設部735をウインドウ部材23aとサポートフレーム23bとの間に挿入し且つ、前記バック用排水溝733の底部と折返し部734とでサポートフレーム23bの下端縁部を挟み込むようにしてサポートフレーム23bに取り付けられる。
【0060】
この下部バック用ウェザストリップ73の端部の構成についてさらに詳しく説明する。尚、下部バック用ウェザストリップ73の左右の端部は構成が同じであるため、図12を参照して、右側の端部についてのみ説明する。
【0061】
下部バック用ウェザストリップ73の端部においては、内側のシール部731と外側のシール部732とがバック用排水溝733の上方で連結されている。そして、この連結部には前記下部ミドル用ウェザストリップ63が接合される接合面736が形成されており、接合面736にはバック用排水溝733と連通する連通孔737が貫通形成されている。この接合面736は、下部ミドル用ウェザストリップ63側の端部に向かって車室外側から内側へ傾斜する傾斜面となっている。
【0062】
また、下部バック用ウェザストリップ73の端部において、内側のシール部731には側部バック用ウェザストリップ72が連結されている(図12では、右側のみ図示)。側部バック用ウェザストリップ72は、バックウインドウ23の側端縁部に沿って平行に延びる2本のシール部721,722と、該シール部721,722の間に形成された側部排水溝723とを有する。また、側部バック用ウェザストリップ72は、図示は省略するが、下部バック用ウェザストリップ73と同様の取付構造によってバックウインドウ23に取り付けられている。そして、この側部バック用ウェザストリップ72の下端部は下部バック用ウェザストリップ73の内側のシール部731に連結され、前記側部排水溝723を流れてきた水は、下部バック用ウェザストリップ73のシール部731を乗り越えてバック用排水溝733に流れ込むように構成されている。
【0063】
さらに、下部バック用ウェザストリップ73は、接合面736よりも下部ミドル用ウェザストリップ63側の部分には、接合面736よりも車室内側に陥没した水受け溝738が形成されている。この水受け溝738は、側部バック用ウェザストリップ72の外側のシール部722の下端部から接合面736を囲むように延びて形成されている。水受け溝738には、図13にも示すように、車室外側から車室内側に貫通する排水孔740が形成されている。
【0064】
このように構成された下部バック用ウェザストリップ73の端部は、サポートフレーム23bよりもミドルルーフパネル24側に突出した片持ち状態となっている。しかしながら、この下部バック用ウェザストリップ73の端部は、リトラクタブルルーフ2が閉状態となるときには、下部ミドル用ウェザストリップ63の端部と当接して接合されるため、その接合を確実に行うことができる程度の剛性が必要となる。そこで、この下部バック用ウェザストリップ73の端部には、図12,13に示すように、金属製のインサートパネル75が内蔵されている。
【0065】
尚、下部ミドル用ウェザストリップ63の、バックウインドウ23側の端部にも、金属製のインサートパネル65が内蔵されている。こうすることで、下部ミドル用ウェザストリップ63の端部及び下部バック用ウェザストリップ73の端部の剛性が強化され、リトラクタブルルーフ2が閉状態のときに、両方の端部が確実に当接して接合されることになる。
【0066】
前記インサートパネル75には、排水孔740を形成するための貫通孔752が貫通形成されている。また、インサートパネル75には、後述する受け皿部材81を取り付けるためのスタッドボルト753,753が車室内側に突出するように溶接されている。さらに、インサートパネル75には、サポートフレーム23bを取り付けるための取付孔754,754が貫通形成されている。
【0067】
このように構成されたインサートパネル75は、下部バック用ウェザストリップ73の端部を成型する成形型内にインサートされて、下部バック用ウェザストリップ73の端部と一体に成型される。こうして成型された下部バック用ウェザストリップ73の端部の車室内側面からは、図14に示すように、スタッドボルト753,753が突出している。
【0068】
そして、下部バック用ウェザストリップ73の端部の車室内側面には、図13,15に示すように、前記排水孔740を覆うように受け皿部材81が取り付けられている。この受け皿部材81は、底部が陥没した皿形状をしており、その開口端縁部にはフランジ部81aが形成されている。そして、受け皿部材81は、フランジ部81aをスタッドボルト753,753とナット82,82とでネジ締結することで下部バック用ウェザストリップ73に取り付けられている。つまり、受け皿部材81は、下部バック用ウェザストリップ73内のインサートパネル75に取り付けられている。この受け皿部材81がホース接続部に相当する。
【0069】
さらに、インサートパネル75は、取付孔754に嵌合されたスクリューグロメット755及び該スクリューグロメット755に螺合されるネジ756を介してサポートフレーム23bにネジ締結されている。
【0070】
前記受け皿部材81には円筒状の接続管部83が外方に突出して設けられており、この接続管部83に排水ホース8の上流端が外嵌されて接続されている。この排水ホース8の上流端にはホースクリップ84が取り付けられ、該排水ホース8が接続管部83から抜けることを防止している。
【0071】
前記排水ホース8は、ゴム製であって可撓性を有する。この排水ホース8の下流端は、図16,17に示すように、格納室12と車室13とを仕切る内装トリムであるリアサイドトリム17に設けられた車両側排水部9に取り付けられている。
【0072】
前記車両側排水部9は、リアサイドトリム17に取り付けられた円筒部材91と、該円筒部材91のルーフ格納室側に突出する端部に設けられたキャップ92と、該円筒部材91の車室側に突出する端部に接続された車両側排水ホース93とを有する。この車両側排水ホース93は、リアサイドトリム17の車室側面に複数箇所で取り付けられ、その下流端部はリアサイドトリム17を貫通してルーフ格納室側に突出している。そして、図示は省略するが、格納室12のフロアにおける、車両側排水ホース93の下流端の下方位置には、該車両側排水ホース93から排出される水を受けて車外に排出するフロア排出部が設けられている。
【0073】
続いて、前記排水ホース8と車両側排水部9との接続構造について、図18を参照して、さらに詳しく説明する。
【0074】
前記キャップ92は、排水ホース8の外径よりも大きな内径を有する挿通孔92aが形成されている。
【0075】
そして、排水ホース8は、該キャップ92の挿通孔92aを介して円筒部材91内部に挿通されていると共に、その下流端には抜け止め部材85が設けられている。この抜け止め部材85は、円筒部材91に嵌め合わされる大径部85a,85bが形成されている。これら大径部85a,85bの外径はキャップ92の挿通孔92aの内径よりも大きくなっている。
【0076】
その結果、車両側排水部9に接続された排水ホース8は、車両側排水部9に対して自在に回動できると共に、挿通孔92aから自在に出入りすることができる(図中の二点鎖線参照)。そして、抜け止め部材85の大径部85aの外径がキャップ92の挿通孔92aの内径よりも大きく形成されているため、該大径部85aがキャップ92の挿通孔92aの開口縁部に引っ掛かって、該排水ホース8が車両側排水部9から抜け出さないように構成されている。この自在に出入りできる長さは、円筒部材91の深さによって決まる。つまり、該深さを変えることで、排水ホース8が自在に出入りできる長さを所望の値に設定することができる。
【0077】
このように、車両側排水部9に接続された排水ホース8は、その上流端がバックウインドウ23に取り付けられているため、図17,19に示すように、該バックウインドウ23の開閉動作に追従して変形することになる。このとき、バックウインドウ23の開閉動作に伴って、バックウインドウ23側の受け皿部材81と車両側排水部9のキャップ92との距離が変化すると共に、排水ホース8の軸が捻れる。ここで、排水ホース8は、挿通孔92aに対して回動自在且つ出入り自在に取り付けられているため、バックウインドウ23の開閉動作に伴う受け皿部材81とキャップ92との距離の変化に応じて挿通孔92aに対して自在に出入りすると共に、排水ホース8の軸の捻れに応じて自在に回動することができる。
【0078】
このように構成されたリトラクタブルルーフ2の排水構造、特に車両後部の排水構造による排水について説明すると、バックウインドウ23の表面を伝う水及びミドルルーフパネル24の表面を伝う水はそれぞれ下部バック用ウェザストリップ73のバック用排水溝733及び下部ミドル用ウェザストリップ63のミドル用排水溝633に流入する。また、各側部バック用ウェザストリップ72の側部排水溝723を流通する水もバック用排水溝733に流入する。そして、バック用排水溝733に流入した水は、バック用排水溝733の左右の両端部において、各連通孔737を通じてミドル用排水溝633へ流入する。ミドル用排水溝633へ流入した水は、該ミドル用排水溝633の前端部まで流れ、該前端部からキャブサイドウェザストリップ78へ流入し、該キャブサイドウェザストリップ78からドレンカバー79へ落下し、該ドレンカバー79を介して車外に排水される。一方、受け皿部材81へ流入した水は、排水ホース8を介して車両側排水部9へ導かれ、該車両側排水部9から車外へ排水される。
【0079】
ここで、下部ミドル用ウェザストリップ63と下部バック用ウェザストリップ73との接合部において、バック用排水溝733を流通する水がミドル用排水溝633へ上手く流入せず、該下部ミドル用ウェザストリップ63と下部バック用ウェザストリップ73との間から漏れる場合がある。本実施形態では、下部バック用ウェザストリップ73の端部には水受け溝738が設けられているため、その漏れた水は水受け溝738によって受け止められる。そして、水受け溝738に流入した水は、前記排水孔740から受け皿部材81へ流入する。受け皿部材81へ流入した水は、排水ホース8を介して車両側排水部9へ導かれ、該車両側排水部9から車外へ排水される。尚、バック用排水溝733及びミドル用排水溝633を流通する水は、該排水溝733,633から溢れ出る場合があるが、この溢れ出た水は、デッキリッド3の表面及びリアフェンダ16の表面を伝って排水される。
【0080】
したがって、本実施形態1によれば、バックウインドウ23の開閉動作に伴って排水ホース8が変形及び移動しても、該排水ホース8の上流端が接続される受け皿部材81が下部バック用ウェザストリップ73に内蔵されたインサートパネル75に取り付けられているため、排水ホース8からの反力を該インサートパネル75で受け止めることができ、下部バック用ウェザストリップ73が過度に変形することを防止することができる。
【0081】
その結果、バックウインドウ23が開閉動作するときに下部バック用ウェザストリップ73の端部が大きく変形し、バック用排水溝733内に残留している水が車室内にこぼれ落ちることを防止することができると共に、下部バック用ウェザストリップ73が大きく変形したままとなることを防止することができ、図13に示すように、下部バック用ウェザストリップ73と下部ミドル用ウェザストリップ63との接合を確実に行うことができる。
【0082】
また、前記受け皿部材81は下部バック用ウェザストリップ73から突出するスタッドボルト753,753を介してネジ締結されているため、そのネジ締結を解除することで該受け皿部材81を容易に交換することができる。
【0083】
さらに、該スタッドボルト753,753に取り付けることができる形状であれば、任意の受け皿部材81を取り付けることができるため、インサートパネル75、ひいてはバック用ウェザストリップ7の汎用性を向上させることができる。
【0084】
尚、前記実施形態1では、インサートパネル75にスタッドボルト753,753を溶接し、該スタッドボルト753,753を介して受け皿部材81がインサートパネル75にネジ締結されているが、これに限られるものではない。すなわち、インサートパネル75に溶接ナットを設け、インサートパネル75と受け皿部材81のフランジ部81aとを該溶接ナットにボルトを螺合させることでネジ締結するように構成してもよい。又はインサートパネルにネジ穴をタッピングして、インサートパネル75と受け皿部材81のフランジ部81aとをネジ締結するように構成してもよい。つまり、インサートパネル75と受け皿部材81のフランジ部81aとをネジ締結することができる構成であれば、任意の構成を採用することができる。
【0085】
また、前記インサートパネル75は、樹脂製であってもよい。
【0086】
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2に係るリトラクタブルルーフ2について説明する。実施形態2は、排水ホース8の下部バック用ウェザストリップ73への取付構造が実施形態1と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0087】
図20〜22に実施形態2に係る排水ホース8の取付構造を示す。
【0088】
本実施形態2に係るインサートパネル75Bには、受け皿部材81Bが嵌合する嵌合孔757,757,…(図21にのみ図示)が形成されている。一方、受け皿部材81Bの開口縁部には、実施形態1に係る受け皿部材81のようにフランジ部が設けられておらず、嵌合孔757,757,…及び貫通孔752と嵌合する複数の嵌合爪部81b,81b,…が形成されている。
【0089】
つまり、受け皿部材81Bは、嵌合爪部81b,81b,…をインサートパネル75Bの嵌合孔757,757,…及び貫通孔752とに嵌合させることで、インサートパネル75Bに取り付けられている。すなわち、嵌合孔757,757,…及び貫通孔752が被嵌合部に相当する。
【0090】
そして、下部バック用ウェザストリップ73の端部を成型する成形型内に、前記受け皿部材81Bが取り付けられたインサートパネル75Bをインサートして下部バック用ウェザストリップ73を成形することで、下部バック用ウェザストリップ73がインサートパネル75B及び受け皿部材81Bと一体に成形される。尚、受け皿部材81Bは、金属製であっても樹脂製であってもよい。
【0091】
こうして成形された下部バック用ウェザストリップ73の車室内側面には、図22に示すように、受け皿部材81Bが突出して設けられている。この受け皿部材81Bの接続管部83に排水ホース8の上流端が接続される。
【0092】
したがって、本実施形態2によれば、実施形態1と同様に、バックウインドウ23の開閉動作に伴って排水ホース8が変形及び移動しても、排水ホース8からの反力を該インサートパネル75Bで受け止めることができ、下部バック用ウェザストリップ73が過度に変形することを防止することができる。
【0093】
その結果、バックウインドウ23が開閉動作するときに下部バック用ウェザストリップ73の端部が大きく変形して、バック用排水溝733内に残留している水が車室内にこぼれ落ちることを防止することができると共に、下部バック用ウェザストリップ73が大きく変形したままとなることを防止することができ、図20に示すように、下部バック用ウェザストリップ73と下部ミドル用ウェザストリップ63との接合を確実に行うことができる。
【0094】
また、受け皿部材81Bは、嵌合爪部81b,81b,…をインサートパネル75Bの嵌合孔757,757,…及び貫通孔752に嵌合させることでインサートパネル75Bに取り付けているため、ネジ締結する構成と比較して容易に取り付けることができる。さらに、受け皿部材81Bは、下部バック用ウェザストリップ73に一体成形されているため、バックウインドウ23やバック用ウェザストリップ7を組み立てるときに、受け皿部材81Bを下部バック用ウェザストリップ73に取り付ける作業が不要となり、組立性を向上させることができる。
【0095】
尚、前記実施形態2では、受け皿部材81Bの複数の嵌合爪部81b,81b,…をインサートパネル75Bの嵌合孔757,757,…及び貫通孔752に嵌合させているが、これに限られるものではない。例えば、インサートパネル75Bに、貫通孔752を囲む程度の大きさを有する取付開口を設け、該取付開口に複数の嵌合爪部81b,81b,…を嵌合させるようにしてもよい。つまり、受け皿部材81Bをインサートパネル75Bに嵌合させることができる構成であれば、任意の構成を採用することができる。
【0096】
また、前記インサートパネル75Bは、金属製又は樹脂製のどちらであってもよい。
【0097】
《発明の実施形態3》
次に、本発明の実施形態3に係るリトラクタブルルーフ2について説明する。実施形態3は、排水ホース8の下部バック用ウェザストリップ73への取付構造が実施形態1と異なる。そこで、実施形態1と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0098】
図23に実施形態3に係る排水ホース8の取付構造を示す。
【0099】
本実施形態3に係るインサートパネル75Cには、受け皿部材81Cが一体成形されている。このインサートパネル75C及び受け皿部材81Cは、高剛性且つ耐熱性を有する樹脂又は金属で成形されている。
【0100】
そして、下部バック用ウェザストリップ73の端部を成型する成形型内に、前記インサートパネル75C及び受け皿部材81Cをインサートして下部バック用ウェザストリップ73を成形することで、下部バック用ウェザストリップ73がインサートパネル75C及び受け皿部材81Cと一体に成形される。
【0101】
こうして成形された下部バック用ウェザストリップ73の車室内側面には、受け皿部材81Cが突出して設けられている。この受け皿部材81Cの接続管部83に排水ホース8の上流端が接続される。下部バック用ウェザストリップ73の外観は、図22に示す実施形態2と同様である。
【0102】
したがって、本実施形態3によれば、実施形態1と同様に、バックウインドウ23の開閉動作に伴って排水ホース8が変形及び移動しても、排水ホース8からの反力を該インサートパネル75Bで受け止めることができ、下部バック用ウェザストリップ73が過度に変形することを防止することができる。
【0103】
その結果、バックウインドウ23が開閉動作するときに下部バック用ウェザストリップ73の端部が大きく変形して、バック用排水溝733内に残留している水が車室内にこぼれ落ちることを防止することができると共に、下部バック用ウェザストリップ73が大きく変形したままとなることを防止することができ、図23に示すように、下部バック用ウェザストリップ73と下部ミドル用ウェザストリップ63との接合を確実に行うことができる。
【0104】
また、受け皿部材81Cはインサートパネル75Cと一体成形されているため、受け皿部材81Cとインサートパネル75Cとの接続強度を向上させることができる。
【0105】
さらに、受け皿部材81Cとインサートパネル75Cとが一体成形されているため、下部バック用ウェザストリップ73を成形するときに、受け皿部材81Cをインサートパネル75Cに取り付ける作業が不要となり、作業性を向上させることができる。
【0106】
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0107】
前記実施形態では、排水ホース8が下部バック用ウェザストリップ73の端部に接続されているが、これに限られるものではない。すなわち、排水ホース8がウェザストリップに接続される構成であれば、排水ホース8はウェザストリップのどこに接続されていてもよい。かかる場合には、ウェザストリップのうち、排水ホース8が接続される部分に、インサートパネルを内蔵し、該インサートパネルに受け皿部材81を取り付け、又は一体成形するように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上説明したように、本発明は、可動式のルーフ部材に設けられたウェザストリップに接続される排水ホースの接続構造について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明に係るリトラクタブルルーフを使用位置にした状態の車両の側面図である。
【図2】リトラクタブルルーフを格納位置にした状態の車両の側面図である。
【図3】使用位置におけるリトラクタブルルーフのリンク機構を示す側面図である。
【図4】リンク機構の分解斜視図である。
【図5】使用位置と格納位置との間の位置におけるリトラクタブルルーフのリンク機構を示す側面図である。
【図6】使用位置と格納位置との間の位置におけるリトラクタブルルーフのリンク機構を示す側面図である。
【図7】格納位置におけるリトラクタブルルーフのリンク機構を示す側面図である。
【図8】リトラクタブルルーフを使用位置にした状態の車両の斜め後方から見た斜視図である。
【図9】バックウインドウ及びミドルルーフパネルの下端縁ウェザストリップを斜め後方から見た斜視図である。
【図10】図9のX−X線における断面図である。
【図11】図9のXI−XI線における断面図である。
【図12】下部バック用ウェザストリップの端部を車室外側から見た拡大斜視図である。
【図13】図9のXIII−XIII線における断面図である。
【図14】下部バック用ウェザストリップの端部を車室内側から見た拡大斜視図である。
【図15】下部バック用ウェザストリップに排水ホースを取り付けた状態の図14に対応する図である。
【図16】リトラクタブルルーフを使用位置にした状態のバックウインドウ及びリアサイドトリムを示す背面図である。
【図17】リトラクタブルルーフを使用位置にした状態のバックウインドウ及びリアサイドトリムを示す側面図である。
【図18】排水ホースと車両側排水部との接続構造を示す断面図である。
【図19】リトラクタブルルーフを格納位置にした状態のバックウインドウ及びリアサイドトリムを示す側面図である。
【図20】実施形態2に係る排水ホースとウェザストリップとの接続構造を示す図13に対応する断面図である。
【図21】実施形態2に係る下部バック用ウェザストリップの端部を示す図12に対応する図である。
【図22】実施形態2に係る排水ホースとウェザストリップとの接続構造を示す図15に対応する図である。
【図23】実施形態3に係る排水ホースとウェザストリップとの接続構造を示す図13に対応する断面図である。
【符号の説明】
【0110】
13 車室
2 リトラクタブルルーフ(ルーフ部材)
21 フロントルーフパネル(ルーフ部材)
23 バックウインドウ(ルーフ部材)
24 ミドルルーフパネル(ルーフ部材)
73 下部バック用ウェザストリップ(ウェザストリップ)
733 バック用排水溝(排水溝)
75,75B,75C インサートパネル
752 貫通孔(被嵌合部)
757 嵌合孔(被嵌合部)
8 排水ホース
81,81B,81C 受け皿部材(ホース接続部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室を開閉可能な可動式のルーフ部材と、該ルーフ部材の端縁部に沿って延設され且つその延設方向に延びる排水溝を有するウェザストリップと、該ウェザストリップと車両側に設けられた車両側排水部とを接続する排水ホースとを備えた排水ホースの接続構造であって、
前記ウェザストリップの、前記排水ホースが接続される部分に内蔵され、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルと、
前記インサートパネルに対して取り付けられると共に前記排水ホースの上流端が接続されるホース接続部とをさらに備えることを特徴とする排水ホースの接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載の排水ホースの接続構造において、
前記インサートパネルには、雌ネジ部又は雄ネジ部が設けられており、
前記ホース接続部は、前記インサートパネルに対してネジ締結によって取り付けられていることを特徴とする排水ホースの接続構造。
【請求項3】
請求項1に記載の排水ホースの接続構造において、
前記インサートパネルには、前記ホース接続部が嵌合される被嵌合部が形成され、
前記ホース接続部は、前記インサートパネルの前記被嵌合部に対して嵌合して取り付けられていることを特徴とする排水ホースの接続構造。
【請求項4】
車室を開閉可能な可動式のルーフ部材と、該ルーフ部材の端縁部に沿って延設され且つその延設方向に延びる排水溝を有するウェザストリップと、該ウェザストリップと車両側に設けられた車両側排水部とを接続する排水ホースとを備えた排水ホースの接続構造であって、
前記ウェザストリップの、前記排水ホースが接続される部分に内蔵され、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルと、
前記インサートパネルに一体形成されると共に前記排水ホースの上流端が接続されるホース接続部とをさらに備えることを特徴とする排水ホースの接続構造。
【請求項1】
車室を開閉可能な可動式のルーフ部材と、該ルーフ部材の端縁部に沿って延設され且つその延設方向に延びる排水溝を有するウェザストリップと、該ウェザストリップと車両側に設けられた車両側排水部とを接続する排水ホースとを備えた排水ホースの接続構造であって、
前記ウェザストリップの、前記排水ホースが接続される部分に内蔵され、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルと、
前記インサートパネルに対して取り付けられると共に前記排水ホースの上流端が接続されるホース接続部とをさらに備えることを特徴とする排水ホースの接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載の排水ホースの接続構造において、
前記インサートパネルには、雌ネジ部又は雄ネジ部が設けられており、
前記ホース接続部は、前記インサートパネルに対してネジ締結によって取り付けられていることを特徴とする排水ホースの接続構造。
【請求項3】
請求項1に記載の排水ホースの接続構造において、
前記インサートパネルには、前記ホース接続部が嵌合される被嵌合部が形成され、
前記ホース接続部は、前記インサートパネルの前記被嵌合部に対して嵌合して取り付けられていることを特徴とする排水ホースの接続構造。
【請求項4】
車室を開閉可能な可動式のルーフ部材と、該ルーフ部材の端縁部に沿って延設され且つその延設方向に延びる排水溝を有するウェザストリップと、該ウェザストリップと車両側に設けられた車両側排水部とを接続する排水ホースとを備えた排水ホースの接続構造であって、
前記ウェザストリップの、前記排水ホースが接続される部分に内蔵され、該ウェザストリップを補強するためのインサートパネルと、
前記インサートパネルに一体形成されると共に前記排水ホースの上流端が接続されるホース接続部とをさらに備えることを特徴とする排水ホースの接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2007−331680(P2007−331680A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168276(P2006−168276)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000108889)ベバスト ジャパン株式会社 (36)
【出願人】(000196107)西川ゴム工業株式会社 (454)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000108889)ベバスト ジャパン株式会社 (36)
【出願人】(000196107)西川ゴム工業株式会社 (454)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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