説明

掘削バケットおよびその製造方法

【課題】底板の外面側の摩耗を確実に防ぐことができる掘削バケットおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】底板15を有する掘削バケット7において、底板15の外面側に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビード41を、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れ方向Qと直交する方向に形成する。この掘削バケット7は、平板70の一側の板面に硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビード41を互いに平行に形成する工程と、この平板70の一側の板面が外面となるように互いに隣接する溶接肉盛ビード41の間を折り曲げて各溶接肉盛ビード41を掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に配置させた状態で底板15の外面に重ね合わせ可能な溶接肉盛プレート31を形成する工程と、この溶接肉盛プレート31を底板15の外面に溶接接合する工程とを含む製造方法により作製される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に装備されて土砂を掘削する掘削バケットおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、この下部走行体上に旋回自在に設置された上部旋回体と、この上部旋回体の前部側に屈曲起伏自在に設けられた作業機とを備えて構成されている。作業機は、ブーム、アームおよび掘削バケットと、これらを作動させるブームシリンダ、アームシリンダおよびバケットシリンダとより構成されている。そして、ブームおよびアームからの押込み操作力にて掘削バケットを土砂に押し付けながら掘削バケットを回動操作することにより、土砂を掘削することができるようになっている。
【0003】
掘削バケットは、湾曲形状の底板とその底板の両側に固着される側板とによって形成される土砂収容部を有し、この土砂収容部に掘削した土砂を収容するように構成されている。掘削作業の際、底板の外面は、ブームおよびアームからの押付力を伴って土砂と擦り合わされる。このため、底板の外面側に耐摩耗手段を施す必要がある。かかる耐摩耗手段として、耐摩耗性を有する複数条の溶接肉盛ビードを底板の外面に形成するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−71451号公報(第6−7頁、第10図)
【0005】
ところで、特許文献1に係る耐摩耗手段では、耐摩耗性を有する複数条の溶接肉盛ビードが、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れ方向に沿って形成されている。このため、掘削時、互いに隣接する溶接肉盛ビードの間に土砂が流れることになり、底板の互いに隣接する溶接肉盛ビードの間の部分が土砂と擦り合わされて摩耗し、底板の外面側の摩耗を確実に防ぐことができないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、底板の外面側の摩耗を確実に防ぐことができる掘削バケットおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、第1発明による掘削バケットは、
湾曲形状の底板とその底板の両側に固着される側板とによって形成される土砂収容部を有し、この土砂収容部に掘削した土砂を収容するように構成される掘削バケットにおいて、
前記底板の外面側に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードを、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れ方向と交差する方向に形成し、前記溶接肉盛りビード間に土砂を滞留させる溝部を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
第1発明において、前記溶接肉盛ビードが、掘削時の土砂の流れ方向と直交するように配置されているのが好ましい(第2発明)。
【0009】
第1発明または第2発明において、前記溶接肉盛ビード間に設けた溝部の幅が、前記溶接肉盛ビードの幅と同じ幅に形成されているのが好ましい(第3発明)。
【0010】
第1発明乃至第3発明において、前記溶接肉盛ビードが、等間隔で配置されているのが好ましい(第4発明)。
【0011】
第1発明乃至第4発明において、各溶接肉盛ビードの幅方向の縁部に丸味が付されているのが好ましい(第5発明)。
【0012】
第5発明において、各溶接肉盛ビードの高さ方向の表面部に丸味が付されているのが好ましい(第6発明)。
【0013】
第1発明乃至第6発明において、前記側板の互いに向き合う内面側に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードが、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れ方向と交差する方向に形成されているのが好ましい(第7発明)。
【0014】
次に、第8発明による掘削バケットの製造方法は、
湾曲形状の底板とその底板の両側に固着される側板とによって形成される土砂収容部を有し、この土砂収容部に掘削した土砂を収容するように構成される掘削バケットの製造方法であって、
平板の一側の板面に硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードを互いに平行に形成し、前記溶接肉盛りビード間に土砂を滞留させる溝部を設ける工程と、
前記平板の一側の板面が外面となるように互いに隣接する溶接肉盛ビードの間を折り曲げて各溶接肉盛ビードを掘削時の土砂の流れ方向と直交する方向に配置させた状態で前記底板の外面に重ね合わせ可能な溶接肉盛プレートを形成する工程と、
前記溶接肉盛プレートを前記底板の外面に接合する工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0015】
また、第9発明による掘削バケットの製造方法は、
平板の一側の板面に硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードを互いに平行に形成し、前記溶接肉盛りビード間に土砂を滞留させる溝部を設ける工程と、
前記平板の一側の板面が外面となるように互いに隣接する溶接肉盛ビードの間を折り曲げて各溶接肉盛ビードを掘削時の土砂の流れ方向と直交する方向に配置可能な湾曲形状の底板を形成する工程と、
前記底板と共に土砂収容部を形成する一対の側板をその底板の両側に接合する工程と
を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
第1発明によれば、底板の外面側に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードが、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れ方向と交差する方向に形成されているので、掘削時の土砂の流れをとらえて隣接する溶接肉盛ビードの間に土砂を滞留させることができ、この滞留土砂それ自体を底板の保護ライニングとして機能させることができる。この滞留土砂と各溶接肉盛ビードとにより底板の外面側が保護されるので、底板の外面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
【0017】
第2発明の構成を採用することにより、掘削時の土砂の流れをより確実にとらえて互いに隣接する溶接肉盛ビードの間に土砂をより確実に滞留させることができる。
【0018】
第3発明の構成を採用することにより、溶接肉盛ビードの間に土砂を更に確実に滞留させることができる。
【0019】
第4発明の構成を採用することにより、互いに隣接する溶接肉盛ビードの間に土砂をムラなく滞留させることができる。
【0020】
第5発明および第6発明の構成を採用することにより、掘削抵抗の低減を図ることができる。
【0021】
第7発明の構成を採用することにより、側板の内面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
【0022】
第8発明および第9発明によれば、互いに隣接する溶接肉盛ビードの間に掘削時の土砂を滞留させることができ、この滞留土砂と各溶接肉盛ビードとによって底板の外面側の摩耗を確実に防ぐことのできる掘削バケットを得ることができる。
【0023】
第8発明においては、別途に用意された溶接肉盛プレートを底板の外面に接合する構成が採用されている。したがって、使用が進むにつれて溶接肉盛ビードが摩り減っても、溶接肉盛プレートを交換するだけで、初期の性能を回復することができ、メンテナンスが容易であるという利点がある。
【0024】
第8発明および第9発明においては、平板に溶接肉盛ビードを形成した後に曲げ加工を実施して溶接肉盛プレートおよび底板をそれぞれ形成するようにしている。平板に対し曲げ加工を実施してから溶接肉盛ビードを形成したのでは、溶接時の熱影響等によって曲り角度が変わってしまうため、曲げ量を矯正する工程が必要になるが、平板に溶接肉盛ビードを形成した後に曲げ加工を実施する構成を採用することにより、そのような矯正工程が不要になるという利点がある。
【0025】
なお、第8発明および第9発明のいずれの発明においても、平板に対し曲げ加工を施す際には互いに隣接する溶接肉盛ビードの間を折り曲げるようにされているので、曲げ加工の際に溶接肉盛ビードが割れるようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る掘削バケットを装備した油圧ショベルの側面図である。
【図2】一実施形態に係る掘削バケットの開口部側を上方より見た斜視図である。
【図3】一実施形態に係る掘削バケットの底板側を下方より見た斜視図である。
【図4】一実施形態に係る掘削バケットの側面図である。
【図5】図4のX部拡大図(a)、(a)のP矢視図(b)および底板用溶接肉盛プレートの溝部に土砂が滞留している状態図(c)である。
【図6】図4のY部拡大図(a)、(a)のZ−Z線断面図(b)、サイドエッジ用溶接肉盛プレートの溝部に土砂が滞留している状態図(c)および側板用溶接肉盛プレートの溝部に土砂が滞留している状態図(d)である。
【図7】適正な溶接肉盛ビードの間隔等の説明図である。
【図8】一実施形態に係る掘削バケットの製造工程説明図(1)である。
【図9】一実施形態に係る掘削バケットの製造工程説明図(2)である。
【図10】一実施形態に係る掘削バケットの製造工程説明図(3)である。
【図11】一実施形態に係る掘削バケットの製造工程説明図(4)である。
【図12】底板用溶接肉盛プレートの製造工程説明図である。
【図13】溶接肉盛ビードの形成機構の説明図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る掘削バケットの開口部側を上方より見た斜視図である。
【図15】他の実施形態に係る掘削バケットの底板側を下方より見た斜視図である。
【図16】他の実施形態に係る掘削バケットの製造工程説明図(1)である。
【図17】他の実施形態に係る掘削バケットの製造工程説明図(2)である。
【図18】他の実施形態に係る掘削バケットの底板の製造工程説明図である。
【図19】溶接肉盛ビードの他の配置例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明による掘削バケットおよびその製造方法の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1に示される油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回自在に設置された上部旋回体3と、この上部旋回体3の前部側に屈曲起伏自在に設けられた作業機4とを備えて構成されている。
【0029】
作業機4は、互いに回動可能に連結されるブーム5、アーム6および掘削バケット7と、上部旋回体3に対しブーム5を起伏作動させるブームシリンダ8、ブーム5に対しアーム6を前後方向に回動作動させるアームシリンダ9およびバケットリンク10を介してバケット7を前後方向に回動作動させるバケットシリンダ11とより構成されている。そして、ブーム5およびアーム6からの押込み操作力にて掘削バケット7を土砂に押し付けながらその掘削バケット7を回動操作することにより、土砂を掘削することができるようになっている。
【0030】
図2に示されるように、掘削バケット7は、側面視略Cの字状に湾曲された底板15と、この底板15の左右両側に固着される一対の側板16とを備えている。この掘削バケット7においては、底板15と一対の側板16とによって土砂収容部17が形成され、この土砂収容部17に掘削した土砂を収容するように構成されている。
【0031】
各側板16の開口側には、開口部側壁を構成するサイドエッジ18が固着されている。各サイドエッジ18は、側板16よりも厚肉の耐摩耗板で構成されている。各サイドエッジ18には、サイドカッタ19が着脱可能に装着されている。
【0032】
底板15の先端側には、左右のサイドエッジ18の下端を繋ぐように左右方向に延びるリップ20が固着されている。リップ20は、底板15よりも厚肉の耐摩耗板で構成されている。リップ20には、左右方向に所定間隔を存して複数のアダプタ21が固着され、各アダプタ21には、掘削爪22が着脱可能に装着されている。
【0033】
底板15の基端部の外面側には、アーム6およびバケットリンク10に対する連結部を構成する取付ブラケット23が固着されている。この取付ブラケット23には、アーム6と掘削バケット7とを連結する連結ピン24(図1参照)が挿通される第1挿通孔25が設けられるとともに、バケットリンク10と掘削バケット7とを連結する連結ピン26(図1参照)が挿通される第2挿通孔27が設けられている。
【0034】
土砂を掘削する際、掘削バケット7は、ブーム5、アーム6および掘削バケット7からの押込み操作力にて土砂に押し付けられながら、第1挿通孔25を中心として図4中記号K矢印方向に回動される。この際、図4中記号A矢印にて示されるように、底板15の先端側から基端側に向かって土砂が流れる。また、図4中記号B矢印にて示されるように、サイドエッジ18の開口側から側板16の開口側に向かって土砂が流れるとともに、図4中記号C矢印にて示されるように、側板16の開口側から土砂収容部17の基底部に向かって土砂が流れる。
【0035】
掘削時、図4中記号A矢印方向に流れる土砂によって底板15の外面が摩耗してしまうのを防止するために、底板15の先端部の外面には、耐摩耗板よりなるウェアプレート30が固着されるとともに、図3に示されるように、底板15の先端部と基端部の間において所定の曲率で屈曲された屈曲部の外面には、図3において上下方向に並ぶように3枚の底板用溶接肉盛プレート31が固着されている。
掘削時、図4中記号B矢印方向に流れる土砂によって、各サイドエッジ18の互いに向き合う内面が摩耗してしまうのを防止するために、各サイドエッジ18の内面にサイドエッジ用溶接肉盛プレート32が固着されている。
掘削時、図4中記号C矢印方向に流れる土砂によって、各側板16の互いに向き合う内面が摩耗してしまうのを防止するために、各側板16の内面に側板用溶接肉盛プレート33が固着されている。
【0036】
図5(a)に示されるように、底板用溶接肉盛プレート31は、底板15の屈曲部の外面に重ね合わせ可能な屈曲板40を備え、この屈曲板40の外側板面に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビード41が形成されて構成されている。
図5(b)に示されるように、複数条の溶接肉盛ビード41は、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に形成されている。
図5(a)(b)に示されるように、この底板用溶接肉盛プレート31においては、屈曲板40の外側板面と、互いに隣接する溶接肉盛ビード41とによって、掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に延びる溝部42が形成されている。
【0037】
図6(b)に示されるように、サイドエッジ用溶接肉盛プレート32は、サイドエッジ18の内面に貼り合わされる一側の板面を有する平板50を備え、この平板50の他側の板面に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビード51が形成されて構成されている。
図6(a)に示されるように、複数条の溶接肉盛ビード51は、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に形成されている。
図6(a)(b)に示されるように、このサイドエッジ用溶接肉盛プレート32においては、平板50の板面と、互いに隣接する溶接肉盛ビード51とによって、掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に延びる溝部52が形成されている。
なお、図示による詳細説明は省略するが、このサイドエッジ用溶接肉盛プレート32と同様のサイドエッジ用溶接肉盛プレートをサイドエッジ18の外面に固着する態様もあり得る。
【0038】
図6(b)に示されるように、側板用溶接肉盛プレート33は、側板16の内面に貼り合わされる一側の板面を有する平板60を備え、この平板60の他側の板面に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビード61が形成されて構成されている。
図6(a)に示されるように、複数条の溶接肉盛ビード61は、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に形成されている。
図6(a)(b)に示されるように、この側板用溶接肉盛プレート33においては、平板60の板面と、互いに隣接する溶接肉盛ビード61とによって、掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に延びる溝部62が形成されている。
なお、図示による詳細説明は省略するが、この側板用溶接肉盛プレート33と同様の側板用溶接肉盛プレートを側板16の外面に固着する態様もあり得る。
【0039】
図5(a)(b)に示されるように、底板用溶接肉盛プレート31の複数条の溶接肉盛ビード41は、等間隔で配置されている。これにより、掘削時、図5(c)に示されるように、底板用溶接肉盛プレート31の各溝部42に土砂Sをムラなく滞留させることができる。
図6(a)(b)に示されるように、サイドエッジ用溶接肉盛プレート32の複数条の溶接肉盛ビード51および側板用溶接肉盛プレート33の複数条の溶接肉盛ビード61のそれぞれについても同様に等間隔で配置されている。これにより、掘削時、図6(c)に示されるように、サイドエッジ用溶接肉盛プレート32の各溝部52に土砂Sをムラなく滞留させることができるとともに、図6(d)に示されるように、側板用溶接肉盛プレート33の各溝部62に土砂Sをムラなく滞留させることができる。
【0040】
代表として、溶接肉盛ビード41の形状や配置間隔等について説明すると、図7に示されるように、溶接肉盛ビード41の幅方向の縁部には、図中記号R矢印で示されるように、丸味が付されている。これにより、掘削抵抗の低減を図ることができる。
さらに、溶接肉盛ビード41の高さ方向の表面部にも、図中記号R'矢印で示されるように丸味を付して溶接肉盛ビード41の断面全体にわたって丸味をもたせることにより、土砂が抵抗なく流れ、より掘削抵抗を低減することができる。
溶接肉盛ビード41の高さをt、互いに隣接する溶接肉盛ビード41の間の距離をd、溶接肉盛ビード41の幅をHとすると、dはHと同じ大きさか、Hより大きくするのが良い。ただし、土砂の溝部42への滞留を確実にするために、d≦t/tan5°の関係に設定されている。dがt/tan5°を超えて大きくなると、溝部42への土砂の滞留が不確実になるためである。
これにより、掘削抵抗を低減しつつ土砂の流れをとらえ、溝部42に土砂を確実に滞留させることができる。
【0041】
次に、掘削バケット7の製造方法について、図8〜図11の製造工程説明図を用いて以下に説明する。
【0042】
図8に示されるように、底板15と、一対の側板16と、一対のサイドエッジ18と、リップ20およびアダプタ21を予め溶接接合してなるリップアッセンブリと、取付ブラケット23と、ウェアプレート30とを準備し、これらを図示されない治具等を用いて位置決めし、仮付け溶接後、本溶接を実施して、図9に示されるような掘削バケット本体7aを作製する。
次いで、図9に示されるように、予め準備しておいた3枚の底板用溶接肉盛プレート31を掘削バケット本体7aにおける底板15の屈曲部の外面に溶接接合する。
このとき、底板用溶接肉盛プレート31に複数の孔43を設けておいても良い。その孔43の内周と底板15とをプラグ溶接44にて接合することにより、より強固に底板用溶接肉盛プレート31を底板15の屈曲部の外面に溶接接合することができる。
また、図10に示されるように、予め準備しておいたサイドエッジ用溶接肉盛プレート32を掘削バケット本体7aにおける各サイドエッジ18の内面に溶接接合するとともに、予め準備しておいた側板用溶接肉盛プレート33を掘削バケット本体7aにおける各側板16の内面に溶接接合する。
このとき、底板用溶接肉盛プレート32,33に複数の孔53,63を設けておいても良い。
孔53の内周とサイドエッジ18とをプラグ溶接54にて接合することにより、より強固に底板用溶接肉盛プレート32をサイドエッジ18の内面に溶接接合することができる。
また、孔63の内周と側板16とをプラグ溶接64にて溶接接合することにより、より強固に底板用溶接肉盛プレート33を側板16の内面に溶接接合することができる。
そして、図11に示されるように、各アダプタ21に掘削爪22を、各サイドエッジ18にサイドカッタ19をそれぞれ装着することで掘削バケット7を得ることができる。
【0043】
ここで、底板用溶接肉盛プレート31は、次のようにして作製される。
【0044】
図12(a)に示されるように、矩形状の平板70の一側の板面に、その平板70の一端から他端に向かう長さ方向の全域に亘って互いに平行で、かつその長さ方向と直交する幅方向に真っ直ぐに延びる複数条の溶接肉盛ビード41を等間隔に形成する。
次いで、図12(b)〜(c)に示されるように、この平板70を例えばロールベンダ等の曲げ加工機71を用いて折り曲げる。この際、平板70の一側の板面が外面となるように曲げ方向を定め、また、底板15の屈曲部の外面に重ね合わせ可能となるように曲げ角度や曲げ量を定めて、互いに隣接する溶接肉盛ビード41の間を折り曲げる。これにより、平板70が折り曲げられてなる屈曲板40と、この屈曲板40の外側板面に形成された複数条の溶接肉盛ビード41とより構成される底板用溶接肉盛プレート31を得ることができる。
なお、互いに隣接する溶接肉盛ビード41の間を折り曲げるようにしているため、曲げ加工の際に溶接肉盛ビード41が割れるようなことはない。
【0045】
このようにして作製された底板用溶接肉盛プレート31は、図3に示されるように、一端を底板15の基端側に向け、他端を底板15の先端側に向け、幅方向を底板15の幅方向に一致させた状態で底板15の屈曲部の外面に重ね合わせたとき、各溶接肉盛ビード41を掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に配置させることができる。
【0046】
なお、平板70の曲げ加工を実施した後に複数条の溶接肉盛ビード41を形成することで底板用溶接肉盛プレート31を作製することも勿論可能である。ところが、平板70に対し曲げ加工を実施してから溶接肉盛ビード41を形成したのでは、溶接時の熱影響等によって曲り角度が変わってしまうため、曲げ量を矯正する工程が必要になる。このような矯正工程を省略するためには、平板70に溶接肉盛ビード41を形成した後に曲げ加工を実施して底板用溶接肉盛プレート31を作製するのが好ましい。
【0047】
次に、溶接肉盛ビードの形成機構について、図13を用いて説明する。なお、以下の説明は、溶接肉盛ビード41の形成機構を代表として述べるが、その他の溶接肉盛ビード51,61の形成機構についても同様である。
【0048】
図13に示される溶接肉盛ビードの形成機構において、25mm突き出される溶接ワイヤからなるアーク電極75が、水平に配されている母材76(平板70)の直角方向に対して角度θ(トーチ角=30°)をなすように傾斜して配されている。このアーク電極75による溶接電流は230A、溶接電圧は17Vとされ、溶接ワイヤの供給速度は100g/分とされ、溶接領域にシールドガスとして100%アルゴンが毎分30リッター供給される。また、アーク電極75から発生されるアークによって形成される溶融池77には耐摩耗粒子78がノズル79を通して供給される。このノズル79は1.5Hzの三角波により溶接進行に対して、すなわち図13において図面に対して前後方向にウィービング(振動幅30mm)され、そこに耐摩耗粒子78が毎分70gで供給される。このような条件で溶接が図13において右方向に向かって毎分22cmの速度で行われる。
【0049】
耐摩耗粒子78は、第1硬質材料と第2硬質材料を含む材料からなる粒径0.2〜9mmのそれ自体公知(国際公開第2007/114524号パンフレット参照)の耐摩耗粒子であって、該材料は、60〜96体積%の炭化物を含有し、残部が金属であることを特徴とするものである。
第1硬質材料は、炭化チタン、炭化バナジウムおよび炭化クロムのうち少なくとも1つを含有するものである。
第2硬質材料は、炭化モリブデンおよび炭化タングステンのうち少なくとも1つを含有するものである。
【0050】
以上に述べた掘削バケット7によれば、掘削時に溶接肉盛ビードにより土砂の流れをとらえ、土砂が溝部に付着する。一旦溝部に付着した土砂は、溶接肉盛ビードが抵抗となって、次に押し寄せる土砂によって落とされにくい状態となる。掘削の頻度が増すに従い溝部の土砂は堆積していき、溶接肉盛ビード間をほぼ埋め尽くした状態となる。更に押し寄せる土砂が溝部に堆積した土砂を押圧することにより、溝部に土砂を圧着された形態で滞留させることができる。このようにして、生成された滞留土砂は、保護ライニングとしての機能を発揮することができる。
例えば、図5(c)に示されるように、底板15の外面側における掘削時の土砂の流れQを、底板用溶接肉盛プレート31の各溶接肉盛ビード41によってとらえて溝部42に土砂Sを滞留させることができ、この滞留土砂Sそれ自体を底板15の保護ライニングとして機能させることができる。この溝部42の滞留土砂Sと底板用溶接肉盛プレート31の各溶接肉盛ビード41とにより底板15の外面側が保護されるので、底板15の外面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
また、図6(c)に示されるように、サイドエッジ18の内面側における掘削時の土砂の流れQを、サイドエッジ用溶接肉盛プレート32の各溶接肉盛ビード51によってとらえて溝部52に土砂Sを滞留させることができ、この滞留土砂Sそれ自体をサイドエッジ18の保護ライニングとして機能させることができる。この溝部52の滞留土砂Sとサイドエッジ用溶接肉盛プレート32の各溶接肉盛ビード51とによりサイドエッジ18の内面側が保護されるので、サイドエッジ18の内面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
また、図6(d)に示されるように、側板16の内面側における掘削時の土砂の流れQを、側板用溶接肉盛プレート33の各溶接肉盛ビード61によってとらえて溝部62に土砂Sを滞留させることができ、この滞留土砂Sそれ自体を側板16の保護ライニングとして機能させることができる。この溝部62の滞留土砂Sと側板用溶接肉盛プレート33の各溶接肉盛ビード61とにより側板16の内面側が保護されるので、側板16の内面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
なお、使用が進むにつれて溶接肉盛ビード41,51,61が摩り減っても、溶接肉盛プレート31,32,33を交換するだけで、初期の性能を回復することができ、メンテナンスが容易であるという利点がある。
【0051】
図14には、本発明の他の実施形態に係る掘削バケットの開口部側を上方より見た斜視図が、図15には、同掘削バケットの底板側を下方より見た斜視図が、それぞれ示されている。なお、本実施形態において、先の実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては先の実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
【0052】
本実施形態の掘削バケット80においては、掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に延び、互いに平行で等間隔な複数条の溶接肉盛ビード41が、底板15Aの屈曲部の外面に直接的に形成され、底板15Aの外面と、互いに隣接する溶接肉盛ビード41とによって、掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に延びる溝部42Aが形成されている。
また、掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に延び、互いに平行で等間隔な複数条の溶接肉盛ビード51が、各サイドエッジ18Aの内面に直接的に形成され、サイドエッジ18Aの内面と、互いに隣接する溶接肉盛ビード51とによって、掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に延びる溝部52Aが形成されている。なお、該溶接肉盛ビード51と同様の溶接肉盛ビードをサイドエッジ18Aの外面に直接的に形成する態様もあり得る。
また、掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に延び、互いに平行で等間隔な複数条の溶接肉盛ビード61が、各側板16Aの内面に直接的に形成され、側板16Aの内面と、互いに隣接する溶接肉盛ビード61とによって、掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に延びる溝部62Aが形成されている。なお、該溶接肉盛ビード61と同様の溶接肉盛ビードを側板16Aの外面に直接的に形成する態様もあり得る。
【0053】
次に、掘削バケット80の製造方法について、図16および図17の製造工程説明図を用いて以下に説明する。
【0054】
図16に示されるように、複数条の溶接肉盛ビード41が形成されている底板15Aと、複数条の溶接肉盛ビード61が形成されている一対の側板16Aと、複数条の溶接肉盛ビード51が形成されている一対のサイドエッジ18Aと、リップ20およびアダプタ21を予め溶接接合してなるリップアッセンブリと、取付ブラケット23と、ウェアプレート30とを準備し、これらを図示されない治具等を用いて位置決めし、仮付け溶接後、本溶接を実施して、図17に示されるような掘削バケット本体80aを作製する。
そして、図17に示されるように、各アダプタ21に掘削爪22を、各サイドエッジ18Aにサイドカッタ19をそれぞれ装着することで掘削バケット80を得ることができる。
【0055】
ここで、底板15Aは、次のようにして作製される。
【0056】
図18(a)に示されるように、後に底板15Aとなる矩形状の平板85の一端から他端に向かう長さ方向の中間部における一側の板面に、互いに平行で、かつその長さ方向と直交する幅方向に真っ直ぐに延びる複数条の溶接肉盛ビード41を前述した溶接肉盛ビードの形成機構により等間隔に形成する。
次いで、この平板85を例えばロールベンダ等の曲げ加工機71を用いて折り曲げる。この際、平板85の一側の板面が外面となるように曲げ方向を定め、また、所期の形状の土砂収容部17が形成されるように曲げ角度や曲げ量を定めて、互いに隣接する溶接肉盛ビード41の間を折り曲げることにより、各溶接肉盛ビード41を掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に配置可能な湾曲形状の底板15Aを得ることができる。
なお、互いに隣接する溶接肉盛ビード41の間を折り曲げるようにしているから、曲げ加工の際に溶接肉盛ビード41が割れるようなことはない。
【0057】
以上に述べた掘削バケット80によれば、掘削時に溶接肉盛ビードにより土砂の流れがとらえられ、砂が溝部に付着する。一旦溝部に付着した土砂は、溶接肉盛ビードが抵抗となって、次に押し寄せる土砂によって落とされにくい状態となる。掘削の頻度が増すに従い溝部の土砂は堆積していき、溶接肉盛ビード間をほぼ埋め尽くした状態となる。更に押し寄せる土砂が溝部に堆積した土砂を押圧することにより、溝部に土砂を圧着された形態で滞留させることができる。このようにして、生成された滞留土砂は、保護ライニングとしての機能を発揮することができる。
例えば、底板15Aの外面側における掘削時の土砂の流れQを、底板15Aに直接的に形成されている各溶接肉盛ビード41によってとらえて溝部42Aに土砂を滞留させることができ、この滞留土砂それ自体を底板15Aの保護ライニングとして機能させることができる。この溝部42Aの滞留土砂と底板16Aに直接的に形成されている各溶接肉盛ビード41とにより底板15Aの外面側が保護されるので、底板15Aの外面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
また、サイドエッジ18Aの内面側における掘削時の土砂の流れQを、サイドエッジ18Aに直接的に形成されている各溶接肉盛ビード51によってとらえて溝部52Aに土砂を滞留させることができ、この滞留土砂それ自体をサイドエッジ18Aの保護ライニングとして機能させることができる。この溝部52Aの滞留土砂とサイドエッジ18Aに直接的に形成されている各溶接肉盛ビード51とによりサイドエッジ18Aの内面側が保護されるので、サイドエッジ18Aの内面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
また、側板16Aの内面側における掘削時の土砂の流れQを、側板16Aに直接的に形成されている各溶接肉盛ビード61によってとらえて溝部62Aに土砂を滞留させることができ、この滞留土砂それ自体を側板16Aの保護ライニングとして機能させることができる。この溝部62Aの滞留土砂と側板16Aに直接的に形成されている各溶接肉盛ビード61とにより側板16Aの内面側が保護されるので、側板16Aの内面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
【0058】
以上、本発明の掘削バケットおよびその製造方法について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施記載に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0059】
例えば、底板用溶接肉盛プレート31において、複数条の溶接肉盛ビード41は、掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に配置されているが、これに限定されるものではない。
本発明の趣旨に沿えば、各溶接肉盛ビード41が掘削時の土砂の流れQ方向と交差する方向に配置されていればよい。
したがって、例えば、図19(a)に示されるように、掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に対し左側に傾斜配置される複数条の溶接肉盛ビード41Aを有してなる底板用溶接肉盛プレート31Aや、同図(b)に示されるように、掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に対し右側に傾斜配置される複数条の溶接肉盛ビード41Bを有してなる底板用溶接肉盛プレート31Bなどを採用することができる。
【0060】
ところで、例えば、掘削バケット7の底板15側を土盤面に押し当てながらその掘削バケット7を横方向(幅方向)に移動させて土盤を均すならし作業を頻繁に行うような場合には、先の底板用溶接肉盛プレート31に代えて、図19(c)に示されるような底板用溶接肉盛プレート31Cを採用するのが好ましい。
この図19(c)に示される底板用溶接肉盛プレート31Cにおいては、複数条の溶接肉盛ビード41Cのそれぞれが、掘削時の土砂の流れQ方向と直交する方向に対し交互に左右に傾けたジグザグ形状に形成されている。この底板用溶接肉盛プレート31Cを採用すれば、ならし作業時の土砂の流れQをとらえて互いに隣接する溶接肉盛ビード41Cの間に土砂を滞留させることができるので、この滞留土砂と各溶接肉盛ビード41Cとによりならし作業の実施による底板15の外面側の摩耗を確実に防ぐことができる。
なお、この底板用溶接肉盛プレート31Cを採用することで得られる作用効果と同様の作用効果は、図19(d)に示されるように、底板15の屈曲部の外面側に、図19(a)に示される構成の底板用溶接肉盛プレート31Aと、図19(b)に示される構成の底板用溶接肉盛プレート31Bとを左右方向に交互に組み合わせて配置することによっても得ることができる。
【0061】
また、ウェアプレート30に代えて、平板状部材に溶接肉盛ビード41を形成してなる溶接肉盛プレートを底板15,15Aに貼り付けてもよい。
【符号の説明】
【0062】
7、80 掘削バケット
15,15A 底板
16,16A 側板
17 土砂収容部
31 底板用溶接肉盛プレート
32 サイドエッジ用溶接肉盛プレート
33 側板用溶接肉盛プレート
41,51,61 溶接肉盛ビード
42,52,52 溝部
70,85 平板
78 耐摩耗粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲形状の底板とその底板の両側に固着される側板とによって形成される土砂収容部を有し、この土砂収容部に掘削した土砂を収容するように構成される掘削バケットにおいて、
前記底板の外面側に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードを、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れ方向と交差する方向に形成し、前記溶接肉盛りビード間に土砂を滞留させる溝部を設けたことを特徴とする掘削バケット。
【請求項2】
前記溶接肉盛ビードが、掘削時の土砂の流れ方向と直交するように配置されている請求項1に記載の掘削バケット。
【請求項3】
前記溶接肉盛ビード間に設けた溝部の幅が、前記溶接肉盛ビードの幅と同じ幅に形成されている請求項1または2に記載の掘削バケット。
【請求項4】
前記溶接肉盛ビードが、等間隔で配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の掘削バケット。
【請求項5】
各溶接肉盛ビードの幅方向の縁部に丸味が付されている請求項1〜4のいずれかに記載の掘削バケット。
【請求項6】
各溶接肉盛ビードの高さ方向の表面部に丸味が付されている請求項5に記載の掘削バケット。
【請求項7】
前記側板の互いに向き合う内面側に、硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードが、互いに平行で、かつ掘削時の土砂の流れ方向と交差する方向に形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の掘削バケット。
【請求項8】
湾曲形状の底板とその底板の両側に固着される側板とによって形成される土砂収容部を有し、この土砂収容部に掘削した土砂を収容するように構成される掘削バケットの製造方法であって、
平板の一側の板面に硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードを互いに平行に形成し、前記溶接肉盛りビード間に土砂を滞留させる溝部を設ける工程と、
前記平板の一側の板面が外面となるように互いに隣接する溶接肉盛ビードの間を折り曲げて各溶接肉盛ビードを掘削時の土砂の流れ方向と直交する方向に配置させた状態で前記底板の外面に重ね合わせ可能な溶接肉盛プレートを形成する工程と、
前記溶接肉盛プレートを前記底板の外面に接合する工程と
を含むことを特徴とする掘削バケットの製造方法。
【請求項9】
平板の一側の板面に硬質粒子を含む複数条の溶接肉盛ビードを互いに平行に形成し、前記溶接肉盛りビード間に土砂を滞留させる溝部を設ける工程と、
前記平板の一側の板面が外面となるように互いに隣接する溶接肉盛ビードの間を折り曲げて各溶接肉盛ビードを掘削時の土砂の流れ方向と直交する方向に配置可能な湾曲形状の底板を形成する工程と、
前記底板と共に土砂収容部を形成する一対の側板をその底板の両側に接合する工程と
を含むことを特徴とする掘削バケットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−163832(P2010−163832A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8461(P2009−8461)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【出願人】(506225916)コマツオールパーツサポート株式会社 (1)
【Fターム(参考)】