掘削作業車
【課題】掘削作業車において、旋回体の旋回フレームの剛性や、車両本体のメンテナンス性を担保しつつ、小型掘削作業車の旋回体の内部配置や外部構造をコンパクトにする。
【解決手段】旋回可能に構成される旋回フレーム50の前部に掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、該旋回フレーム50を、平板部51と、該平板部51の外周部より立設される外周フレーム59により一体に形成し、該外周フレーム59の前部は低く後部は高く構成し、該外周フレーム59の前部から側部にカバー体60を着脱可能に配置した。また、前記旋回フレーム50を構成する外周フレーム59の後部上方に、凹部70を形成し、該凹部70にプレート71を配置するとともに、該プレート71を、エンジン30を支持する支持部材である載置プレート75に取り付けた。
【解決手段】旋回可能に構成される旋回フレーム50の前部に掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、該旋回フレーム50を、平板部51と、該平板部51の外周部より立設される外周フレーム59により一体に形成し、該外周フレーム59の前部は低く後部は高く構成し、該外周フレーム59の前部から側部にカバー体60を着脱可能に配置した。また、前記旋回フレーム50を構成する外周フレーム59の後部上方に、凹部70を形成し、該凹部70にプレート71を配置するとともに、該プレート71を、エンジン30を支持する支持部材である載置プレート75に取り付けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削作業車の旋回体構造に関し、より詳細には小型の掘削作業車における旋回体の外部および内部構造のコンパクト化を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
クローラ式掘削作業機の旋回体は、旋回フレームを介して走行装置に旋回可能に配設され、該旋回フレームには、エンジン・コントロールバルブ等の油圧機器や掘削作業を行うブーム等が配設されているのが一般的である。中でも、狭所での掘削作業を目的とした小型の掘削作業車においては、エンジン・ラジエータ・油圧ポンプ等の各構成部材のレイアウトや形状を改良し、形体をコンパクト化して、該作業車を容易に操作できるように構成されている。
【0003】
小型の掘削作業車の旋回フレームは、内部構造において前記各構成部材をコンパクトに配置できるように形成され、また、外部構造においても該作業車が小旋回できるようにコンパクト化されている。この種の旋回体の構造に関し、例えば、特許文献1に記載される掘削作業車が提案されている。該掘削作業車においては、旋回フレームが略長形もしくは円形に形成され、かかる旋回フレームを有する旋回体が、車両本体のスイベルジョイントを旋回中心として旋回可能とされ、該旋回体の大きさや形状が作業車の旋回の妨げとならないように形成されている(特許文献1参照)。
【0004】
そして、該作業車は、作業機等を支持構成するための一定の剛性や、旋回性を担保するためのバランス構造を具備していなければならない。かかる観点から、前記特許文献1に記載の掘削作業車においては、旋回フレームの外縁に肉厚部を形成して、かかる剛性を担保するようにしている。
【0005】
また、特許文献2に記載される掘削作業機の旋回体のように、旋回フレームの外周側部において一面に被覆可能な側部枠体が一体に配設されることによって、かかる剛性を担保するようにしたものも公知となっている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−20683号公報
【特許文献2】特開平11−13084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の掘削作業車の旋回体構造においては、次のような課題があったのである。すなわち、従来の旋回体構造おいては、旋回体内部に配置されるエンジン・オイルフィルタ・リバーザータンク等のレイアウトから、該旋回フレームを短手方向に縮小させて、該旋回体のコンパクト化を図ることが困難であった。一方で、該旋回体が長手方向に縮小されると、運転席近傍の前後方向の空間が狭小化していた。そのためオペレータにおいて、該掘削作業車を操行する際の足場を確保しにくく、作業車の操作やボンネットの開閉が不便になる等の課題が派生していたのである。
【0007】
また、掘削作業車の旋回体においては、狭所において壁等に衝突しても破損することなく、また、ブームを回動支持できるように一定の剛性を有する必要がある一方で、小型の掘削作業車は、広範な作業状況に対応すべく、そのメンテナンス性を十分に備えていることが要求される。この点、従来の旋回体の構造によると、かかる剛性およびメンテナンス性の両方を担保することが困難であった。
【0008】
つまり、前記特許文献1に記載の掘削作業車においては、旋回フレームの側面に別枠体が着脱可能に取り付けられているため、該別枠体を取り外して旋回体内部のメンテナンス作業が容易に行えるが、該旋回体の剛性を十分に担保しているとはいえなかった。一方で、前記特許文献2に記載の掘削作業車においては、旋回フレームの両側一面に側部枠体が配設されており、該側部枠体により旋回体が受ける外部衝撃や、旋回体に配設されるその他の器材荷重等による、該旋回体の損壊を防ぐことができた。しかしながら、該側部枠体の取り外しの不便さから、必ずしもメンテナンス作業が容易ではなかったのである。
【0009】
そこで、本発明においては、掘削作業車の旋回体構造に関し、前記従来の課題を解決するもので、該旋回体の旋回フレームの剛性や、車両本体のメンテナンス性を担保しつつ、小型掘削作業車の旋回体の内部配置や外部構造をコンパクトにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
請求項1においては、旋回可能に構成される旋回フレーム(50)の前部に掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、該旋回フレーム(50)を、平板部(51)と、該平板部(51)の外周部より立設される外周フレーム(59)により一体に形成し、該外周フレーム(59)の前部は低く後部は高く構成し、該外周フレーム(59)の前部から側部にカバー体(60)を着脱可能に配置したものである。
【0012】
請求項2においては、前記旋回フレーム(50)を構成する外周フレーム(59)の後部上方に、凹部(70)を形成し、該凹部(70)にプレート(71)を配置するとともに、該プレート(71)を、エンジン(30)を支持する支持部材である載置プレート(75)に取り付けたものである。
【0013】
請求項3においては、前記プレート(71)に、ラジエータ(34)からの冷却風を排風する排風口(42)を形成するものである。
【0014】
請求項4においては、前記支持部材である載置プレート(75)の左右中央にボンネット(4)を回動可能に支持するボンネットヒンジ(80)の一端を着脱可能に取り付けるものである。
【0015】
請求項5においては、前記旋回フレーム(50)の前部上方にステッププレート(81)をを固定し、該ステッププレート(81)の後部に、前記ボンネット(4)に設けたロック機構と係合するロックピン(83)を一体的に構成したものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示すように、旋回可能に構成される旋回フレーム前部に掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、旋回フレームを、平板部と、該平板部の外周部より立設される外周フレームにより一体に形成し、該外周フレームの前部は低く後部は高く構成し、該外周フレームの前部から側部にカバー体を着脱可能に配置したので、一体形成される外周フレームによって該旋回フレームの剛性が担保されると同時に、該枠体を容易に取り外すことができるのでメンテナンス性をも担保することができる。
【0017】
請求項2に示すように、旋回可能に配設される旋回フレームと、該旋回フレームの上方に配置されるボンネットとを備えた掘削作業車において、該旋回フレームの後部上に凹部を形成し、該凹部にプレートを配置するとともに、該プレートを配置するとともに、該プレートを、エンジンを支持する支持部材に取り付けたので、ボンネットの取り外しを容易なものとし、メンテナンス性を向上させることができる。また、エンジンからの騒音を低減することができる。
【0018】
請求項3に示すように、請求項2において、前記プレートに、ラジエータからの冷却風を排風する排風口を形成するので、旋回フレームの後部後方に配設されるラジエータからの排風を、該旋回フレームの外部に排出することができる。また、旋回フレームの後部がカウンタウェイトとしてのボリュームを確保しつつ、ラジエータによる排風面積をも確保することができる。
【0019】
請求項4に示すように、請求項3において、前記支持部材の左右中央にボンネットを回動可能に支持するヒンジ部の一端を着脱可能に取り付けるので、ボンネットの回動角度が大きく、エンジン等のメンテナンスが容易となる。また、支持部材とヒンジ部と着脱によって該ボンネットの取り付け等を行えるため、かかる作業が容易であり、また部材点数も少なく製作コストの低減を図ることができる。プレート等が同一部材に固定されるため、該ヒンジ部等の取り外しが容易となる。
【0020】
請求項5に示すように、請求項4において、旋回フレームの後部上に配置されるエンジンを覆うボンネットを、後部を中心に開閉可能に構成した掘削作業車において、旋回フレーム前部上方にステッププレートを固定し、該ステッププレートの後部に、ボンネットに設けたロック機構と係合するロックピンを一体的に構成したので、該ステッププレートが取り外し可能であるため、該ロックピンの形成や配設が容易である。
また、ステップ位置よりも上方に配設されるため、ボンネット内前方の空間を有効に利用することができる。さらに、前記旋回体のボンネット前方の操業スペースが狭くても、オペレータによるボンネットの開閉操作が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は本発明に係る掘削作業車の側面図、図2は同じく正面図、図3は同じく背面図、図4は同じく平面図である。また、図5は旋回体の内部構成を示す平面図および図6は掘削作業車の旋回を示す平面図である。また、図7は旋回フレームの斜視図、図8は旋回フレームの下方斜視図、図9はスイングシリンダの取付け部近傍の斜視図、図10は同じく取付け部のX―X矢視断面図である。
【0023】
また、図11はプレートの後面図、図12は同じく平面図、図13は載置プレートへの取付け状態を表す斜視図および図14は旋回体後部の斜視図である。そして、図15はボンネット後方回動状態の旋回体の斜視図、図16は同じく前方回動状態の旋回体の斜視図、図17はロックピンの取付け部材の斜視図、図18は同じく後面図、図19は同じく平面図、図20はロック機構の斜視図および正面図である。
【0024】
まず、図1乃至図4を用いて、本発明に係る掘削作業車の実施例であるバックホー1の全体構成から説明する。以下、図1におけるブーム9の取付け方向をバックホー1の前方とする。なお、図4については説明の便宜上、掘削作業機6を省略している。バックホー1においては、旋回体2が、後述するスイベルジョイント35を介して、左右一対のクローラを装備したクローラ式走行装置3の上部に左右旋回可能に支持される構成となっている。該旋回体2の下部には旋回フレーム50が構成され、該旋回フレーム50の前部左右略中央には、ブームブラケット10の取付け部52が突出形成されている。該旋回フレーム50の後部上方は、ボンネット4によって被覆されている。該ボンネット4上には運転席5が配置され、前記旋回フレーム50の前部上方において、該運転席5の前方かつ掘削作業機6の後方となる位置にフロントコラム19が配設されている。
【0025】
該フロントコラム19下部からは両側方及び後方に支持プレート22が延設され、該支持プレート22はフロントコラム19と一体形成されており、該支持プレート22が、前記旋回フレーム50の前部上方に固設されている。前記運転席5の前部下方であって、該支持プレート22上を覆うように合成樹脂やゴム等で構成したステップ23が敷設され、オペレータによる作業時や走行時の足場が確保されている。また、前記フロントコラム19は、後述する掘削作業機6のバケット7やブーム9等の回動操作、前記旋回体2の旋回操作、クローラ式走行装置3に形成される左右のクローラの前後進操作および後述するブレード20の回動操作等を行うための操作レバー群が設けられている。
【0026】
該掘削作業機6は次のように構成される。すなわち、前記取付け部52にブームブラケット10が左右回動可能に枢支され、該ブームブラケット10にブーム9の基部が前後回動可能に枢支されている。該ブームブラケット10と旋回体2との間にはスイングシリンダ21が介装され、該スイングシリンダ21の伸縮により、掘削作業機6が旋回体2に対して左右回動可能とされている。
【0027】
前記ブーム9と前方屈曲部の内側であって、該ブーム9とブームブラケット10との間にはブームシリンダ11が介装され、該ブームシリンダ11の伸縮によりブーム9が上下に回動可能とされている。該ブーム9の先端には、アーム8の根元部が回動可能に取り付けられており、該アーム8の根元部にはアームブラケット14が上方に突設されている。該ブーム9の前方屈曲部の内側であって、ブーム9とブームブラケット14との間には、アームシリンダ12が介装され、該アームシリンダ12の伸縮によりアーム8が前後に回動可能とされている。
【0028】
また、該アーム8の先端部に作業用アタッチメントであるバケット7が前後回動可能に枢支されている。該アーム8の中途部先端寄りにアームリンク15が回動可能に枢支され、該アームリンク15の一側他端と前記バケット7との間に、バケットリンク16の両端がそれぞれ回動可能に枢支されている。また、該アーム8の根元部より上方に前記アームブラケット14が突設され、該アームブラケット14と、前記アームリンク15およびバケットリンク16の枢支点との間に、バケットシリンダ13が介装される。そして、該バケットシリンダ13が伸縮することによりバケット7の回動が行われるのである。
【0029】
次に、前記旋回体2の内部構成について以下に概略する。図5に示すように、該旋回体2の内部には、原動機となるエンジン29、バッテリー31、燃料タンク32、リザーバタンク33、ラジエータ34等が配置されている。該リザーバタンク33の前方には、作動油のオイルフィルタ37が配設されている。また、該旋回体2の中央部には、スイベルジョイント35が接続されており、該スイベルジョイント35の上方にエンジン29が配置されている。なお、該エンジン29の配置構成や取付け構造の詳細は後述する。
【0030】
該エンジン29の前方には、フライホイール38および油圧ポンプ39が接続されており、エンジン29により油圧ポンプ39が駆動されるようにしている。該油圧ポンプ39は、油圧ホースや前記フロントコラム19内のコントロールバルブ等を介して、前記スイングシリンダ21・旋回モータ36・スイベルジョイント35・作業機6のシリンダ等に接続されている。そして、該油圧ポンプ39により吐出される作業油により、前記スイングシリンダ21等を駆動可能とされている。
【0031】
また、前記ラジエータ34は、旋回体2の後部において、該旋回体2の後方面を向くように配置されている。該ラジエータ34は、後面視において、前記エンジン29の後部に配設されたファン41の直後に配設されるため、該ラジエータ34からエンジン29までの距離を短縮化することが可能となっている。また、後述するように前記ボンネット4後部には、排風口42が形成されている。そのため、前記ファン41によりラジエータ34やエンジン29の上部シリンダを冷却した排風が、該排風口42を介して旋回体2の外部に放出されるのである。
【0032】
前記ラジエータ34の下方には、マフラー40が旋回フレーム50の左右方向に横設されている。該マフラー40の一端部はエンジン29の排気ポートに接続され、一側他端部は旋回フレーム50の後部下方に形成された後開口部43に貫設されている。前記エンジン29の排気ポートから排出される排気ガスは、該マフラー40を介して、旋回体2の外部に排出されるのである。
【0033】
本実施例においては、図15に示すように、エンジン29およびラジエータ34等が一体となるように、枠体に取付け形成されたユニット体30が構成されている。該ユニット体30においては、後述するラジエータ34等を配設可能な載置プレート75やエンジン29等を支持可能な支持フレーム77により、前記エンジン29・ラジエータ34・マフラー40等が取り付けられている。該支持フレーム77と旋回フレーム50との間には、ラバーマウントもしくは防振具積層ゴム等が配設されている。該ユニット体30は旋回フレーム50の後部であって、前記支持フレーム77・載置プレート75を介して旋回フレーム50に着脱可能に固設されている。このように該旋回フレーム50の内部において、該ユニット体30を着脱可能とすることで、前記エンジン29やラジエータ34やスイベルジョイント35等のメンテナンス性を十分に担保し得る構成とされている。
【0034】
前記エンジン29は、クランク軸が前後方向に配設され、該クランク軸上に前記フライホイール38・油圧ポンプ39・ファン41の駆動プーリ等が接続されている。さらに、該クランク軸は、旋回体2の左右中心よりも左方側に寄るように偏心配置されている。該エンジン29をこのように配置とすることで、旋回フレーム50上において、エンジン29の左右他側に空間を形成して、該空間にバッテリー31等を配置してコンパクト化を実現することができる。なお、エンジン29の配置構成は、上述のように限定されるものではなく、例えば、該エンジン29のクランク軸が、右側に偏って配置されるような構成としてもよい。さらに、かかるクランク軸の長手方向と旋回フレーム50の前後方向とが略鉛直に交わるように構成してもよい。
【0035】
なお、本実施例に係るバックホー1においては、平面視で旋回フレーム50の旋回中心54に位置するスイベルジョイント35と重なる位置に、エンジン29が縦置きに(エンジン29のクランク軸の長手方向が旋回フレーム50の前後方向に略一致する向きに)配置されている。該エンジン29が縦置きされる結果、該エンジン29が前記スイベルジョイント35に平面視で重なるものの、該スイベルジョイント35のメンテナンス時の作業性が損なわれることがないようにするべく、上述するようなユニット体30が構成されているのである。そして、このような配置構成とすることで、旋回フレーム50の短手方向の小型化を図ることが可能となるのである。
【0036】
また、本実施例においては、ユニット体30を構成する部材のうち、平面視でスイベルジョイント35と重なるのは、エンジン29前部に配置したフライホイール38の右側である。該フライホイール38はエンジン29が作動していてもほとんど昇温することがない部材である。従って、エンジン29が発生する熱がスイベルジョイント35に影響をおよぼすことを防止することが可能である。このように構成することにより、エンジン29をスイベルジョイント35により接近させて配置することが可能であり、旋回体2を小型化して、旋回半径を小さくすることが可能である。また、フライホイール38は正面視において略円形であり、平面視において略円錐台状であるため、中心よりずれた右下の前側外周面と旋回フレーム50の上面との間には、比較的大きな空間を構成することができ、その空間にスイベルジョイント35を配置することで、簡単なメンテナンス等は側方の隙間から行うことができるのである。
【0037】
さらに、前記エンジン29の左側前方には、リザーバタンク33が旋回フレーム50の前後方向に長く配設されている。該リザーバタンク33は、前記油圧ポンプ39の作動油を貯油しており、図示せぬ油圧配管により該油圧ポンプ39に接続されている。該リザーバタンク33の後部右側には、エンジン29前部に配設されるフライホイール38が配置している。そのため、該リザーバタンク33の右側後端部の角部を削った面取り形状の斜面とすることで、該リザーバタンク33とフライホイール38をより接近させて配置することができ、旋回フレーム50を前後方向に縮小して成形し、リザーバタンク33の容量もできるだけ大きくすることが可能となる。
【0038】
前記エンジン29の左方前部には、燃料タンク32が配置されている。特に、上述のように、エンジン29等が旋回フレーム50の左右中心より左方に寄って配置されているため、該燃料タンク32において、容量の増大が可能となる。また、該燃料タンク32とバッテリー31の下方に、前記スイングシリンダ21が旋回フレーム50の前後方向に横設されている。該スイングシリンダ21の一端部は、後述するように該旋回フレーム50の右側内端に形成された取付け部61に回動可能に枢支され、一側端部は前記ブームブラケット10と回動可能に接続されている。
【0039】
次に、本発明に係る掘削作業車の旋回体構造について説明する。まず、該旋回フレーム50の前部構造について以下に説明する。図5乃至図7に示すように、該旋回フレーム50は、平面視において、後部は略半円形、中央部は略矩形、前部は略W状に構成している。そして、略平面形状の平板部51の外周が上方に所定高さ延設されている。該旋回フレーム50の前端部の左右中央には、前記ブームブラケット10の取付け部52が前方に平面視略凸状に突出形成されている。該取付け部52前端に支持軸を挿入する挿入孔が上下方向に開口されている。なお、該旋回フレーム50は鋳型により一体形成される。そのため、同一形状の製造が容易であるとともに、該旋回フレーム50の剛性を担保しやすい構造とされている。
【0040】
また、該旋回フレーム50の前部左右両側は前端突出部50a・50aが形成され、該前端突出部50a・50aの前面の位置は、前記取付け部52の前端よりも後方で、フロントコラム19の前端面よりも前方に位置されている。該前端突出部50a・50aの前面は所定幅を有しており、上方に作業者の足を載せるに十分な幅とされている。そして、該前端突出部50a・50aと取付け部52の間には凹部を形成するように、平面視略V字状の基部52aが形成され、該旋回フレーム50の軽量化が図られている。このように旋回フレーム50を構造することで、該旋回フレーム50の内部容量を確保しつつ、フロントコラム19の両側に作業者の足を載せられるようにして、旋回体2のコンパクト化を図っているのである。
【0041】
前記前端突出部50aの形状と旋回フレーム50の旋回半径との関係について図6より説明する。前記旋回体2は、前記スイベルジョイント35の円中心を旋回中心54としている。そして、該旋回中心54から前記取付け部52前端までの距離L1、もしくは旋回フレーム50の後端部の左右略中央部50dまでの距離L2が、該旋回体2の旋回半径となる。本実施例に係る旋回体2においては、距離L2が旋回半径となるように形成されている。すなわち、旋回体2の前部にブーム6が取り付けられるため、前記距離L1よりも距離L2のほうが長く(L2>L1)なるように形成することで、該バックホー1のバランスが保たれるようにしている。
【0042】
該旋回フレーム50は、前記前端突出部50aにおいて左右両側の前角部50bの外周形状が円弧とされ、後部における左右の後角部50cにおいても同様に外周形状が円弧とされている。該前端突出部50aは、前記取付け部52の基部52aよりも前方に突出されるが、前記旋回中心54からの前記前角部50bまでの距離L3が、旋回中心54からの前記後角部50cまでの距離L4と同一もしくは短く(L3≦L4)なるように形成されている。
【0043】
前記後角部50cと後端部の左右略中央部50dにおいては、略同円弧上となるように形成されている。本実施例においては、前記旋回フレーム50が左右旋回されると、これらは同一の旋回軌道57となる。つまり、該旋回フレーム50は、前記距離L2と距離L4が同一(L2=L4)となるように形成されている。
【0044】
該旋回フレーム50においては、前記旋回中心54から前記前角部50bまでの距離L3は、旋回半径たる距離L2(=L4)と同一もしくは短い(L3≦L2=L4)ため、該前角部50bの旋回軌道56は、旋回フレーム50の旋回軌道57内に含まれる。したがって、前記前端突出部50aが前方に突出形成されても、該前角部50bが障害物等に衝突することなく旋回体2が左右旋回でき、該旋回フレーム50の旋回性が損なわれることがない。換言すれば、記距離L3が、前記距離L2もしくは距離L4と同一もしくは短い範囲で、前記前端突出部50aを突出形成させることで、該旋回フレーム50の内部スペースを広く利用可能とした旋回体2の構造とすることができるのである。
【0045】
つまり、本実施例においては、まず、旋回フレームのコンパクト化に際し、前記距離L1および旋回半径たる距離L2が短くなるように形成される。そして、前記距離L3を、該旋回半径と同一もしくは短くなるように形成させる。このように形成させる限りにおいて、該旋回フレーム50を前後方向に縮小させて、該旋回フレーム50の旋回半径が小さくなるように成形した場合においても、該旋回フレーム50の旋回性を損なわず、かつ、前端突出部50aのスペースを最大限利用することができるのである。
【0046】
そして、該旋回フレーム50内部には、前述のようにエンジン29・リザーバタンク33・オイルフィルタ37・スイングシリンダ21等が配設されるため、旋回フレーム50を前後方向に縮小するにあたって、該リザーバタンク33等の配置スペースを同時に確保しなければならない。前記前端突出部50aを設けることで、旋回フレーム50を前後方向に縮小させても、該前端突出部50aの内部スペースを前記リザーバタンク33等の配設に用いることができる。すなわち、前記距離L1および距離L2を短く形成して旋回体2のコンパクト化を実現すると同時に、該リザーバタンク33等の配置スペースをも確保することができるのである。
【0047】
また、該旋回フレーム50の右方には前記スイングシリンダ21が配設されているため、該右方の前端突出部50aを突出形成することで、該スイングシリンダ21のロッド部を保護することができる。該スイングシリンダ21は油圧により前後方向に伸縮され、該スイングシリンダ21によって前記取付け部52に枢支されるブームブラケット10が左右に回動される。そのため、前記基部52aおよび前端突出部50aは、左右の形状が異なるように形成され、該スイングシリンダ21の伸縮および回動が妨げられないようしている。
【0048】
また、図4に示すように、該旋回フレーム50の前部には、前記支持プレート22とステップ23とが、該旋回フレーム50の上方を覆うように敷設されている。該支持プレート22等の形状は、前記前端突出部50aを含む旋回フレーム50の前部と平面視略同型とされている。
【0049】
次に、旋回フレーム50の外周構造について以下に説明する。図7に示すように、該旋回フレーム50の後部外周には、外周フレーム59が、前記平板部51の外縁から鉛直上方に延出されている。該外周フレーム59は、前記平板部51と一体に鋳型形成される。該外周フレーム59は、旋回フレーム50の前端突出部50aから左右前後中途部まで、前記平板部51の外縁から上方に向けて短く延出した前部59aと、該前部59aの後端から徐々に高く構成して、後端部ではステップ23より若干高い位置まで延設された後部59bとで構成されている。
【0050】
前記前部59aおよび後部59b前側の上方へ高くなる傾斜部の上部には、外周形状に合わせて形成したカバー体60・60が着脱可能に取り付けられる。該外周フレーム59とカバー体60・60とによって、砂塵等から旋回フレーム50の内部を保護することができる。該カバー体60・60は、上述のように着脱可能に配設されているため、カバー体60・60を外して側方より、例えば、旋回フレーム50内部の前方側部に配設されている前記オイルフィルタ37・リザーバタンク33のメンテナンスや、燃料タンク32の水抜き作業等を容易に行うことができる。
【0051】
また、旋回フレーム50は、該前部59aが前記平板部51の外縁を上方に延出して形成されているため、障害物に衝突しても、「亀裂や割れ」を生じないような剛性を備えている。また、前記後部59bは、前記平板部51と一体に鋳型成形されて、旋回フレーム50の後方における剛性を高めるだけでなく、カウンタウェイトとしても機能している。該後部59bの上部後方に形成された凹部70には、プレート71が、着脱可能に配設されている。詳細は後述する。
【0052】
ここで、前記平板部51には複数の開口51a・51a・・・が形成されており、該開口51a・51a・・・は浸入した水等を排出したり、メンテナンスのために旋回フレーム50の下方から工具等を挿入したりできるように、その上方近傍に配置される機器・装置の形状に合わせて形成されている。また、平板部51の中央には走行装置に支持したり、スイベルジョイント35を挿入したりするためのジョイント開口部53や前記旋回モータ35を取り付けるモータ開口部55設けられている。
【0053】
該旋回モータ35は、クローラ走行装置3に対して旋回体2を旋回駆動するための旋回アクチュエータの一形態であり、その回転軸には図示せぬピニオンギヤが外嵌され、該ピニオンギヤはクローラ走行装置3側に設けられたスイベルジョイント35を旋回中心とする図示せぬギヤと互いに噛合されている。旋回フレーム50の前記取付け部50aからジョイント開口部53にわたる部位は、掘削作業機6の作業時に大きな荷重が加わるため、旋回フレーム50の他の部位に比べて肉厚に構成されている。また、ジョイント開口部53の周囲からやや後方かつ左右側方にかけての部位も肉厚に形成される。
【0054】
図8に示すように、該平板部51の裏面において、前記取付け部50aから旋回中心54の後方にかけての部位は旋回フレーム50の下面側に突出し、補強用のリブ90が形成されている。該リブ90は旋回フレーム50の下面側に突出していることから、他の構成部材(エンジンやバッテリー等)と干渉することがない。そのため、旋回フレーム50の強度を十分に確保しつつ、旋回フレーム50上で他の構成部材を配置する際の自由度が上がり、他の構成部材を密集した状態で配置する等して旋回フレーム50を小型化し、旋回半径を小さくすることが可能である。また、旋回フレーム50の上面側に突出量の大きい(高い)リブが設けられていないことから、作業者が側方から手を差し入れて作業することが容易であり、メンテナンス時の作業性にも優れている。
【0055】
旋回フレーム50の下面側において、リブ90の後部を構成する右被覆部90aおよび左被覆部90bは、旋回フレーム50をクローラ走行装置3に対して旋回させるためにクローラ走行装置3に設けられた図示せぬギヤと、前記旋回モータ35に設けられたピニオンギヤの周囲を覆うように形成されている。すなわち、該リブ90は、互いに噛合する一対のギヤ(ピニオンギヤおよびギヤ)を被覆する手段を兼ねている。このように構成することにより、リブ90は旋回フレーム50を補強する機能だけでなく、旋回フレーム50の旋回に係るギヤを保護する(周囲の障害物と該ギヤとが干渉したり、ギヤに異物等が噛み込む等して、ギヤに不具合が生じることを防止する)機能をも有することとなり、バックホー1の上部構造体の旋回に係る部位の信頼性が向上する。
【0056】
また、従来の掘削作業車においては、上部構造体の上面に高く突出したリブの上端部を、該上部構造体の上部を覆う天板等を取り付けるのに利用していたが、本実施例に係る旋回フレーム50の場合には、このような突出量の大きい(高い)リブが存在しない。したがって、本実施例に係る旋回フレーム50においては、また、該平板部51上には、複数のボス部51b・51b・・・が立設されており、前記エンジン29等のユニット体30の支持フレームを固定したり、リザーバタンクや燃料タンク等を載置固定したり、前記支持プレート22を固定したりするための支持脚とされている。このように構成することにより、旋回フレーム2の上面に突出量が大きい突出物を形成する必要がないので、旋回フレーム2を鋳造により作製するのが容易となる。
【0057】
ここで、旋回フレーム内部における、前記スイングシリンダ21基部の支持構造について以下に説明する。本実施例に係る旋回体2においては、図9および図10に示すように、該平板部51の右方側部の外周フレーム59下部に、前記スイングシリンダ21基部側(ボトム側)を枢支するための取付け部61が形成されている。該取付け部61は断面視略L字状に形成されて、下側上面61aと上側上面61bが設けられている。該下側上面61aの中央には上下方向に取付け孔66が穿設され、上側上面61bにはネジ孔が複数穿設されている。該下側上面61aと上側上面61bの高さの差はスイングシリンダ21の基部側の高さと略一致させ、取付け孔66の大きさは前記スイングシリンダ21の基部側に上下方向に開口した支持孔64と略同じ大きさとし、該支持孔64と取付け孔66に支持軸67を挿通して支持する構成とされている。
【0058】
該支持軸67の上部は、固定プレート62の一端に固定される。本実施例では貫通させて溶接固定しているが、限定するものではない。該固定プレート62の他側にはネジ孔が開口され、上側上面61bに開口したネジ孔と一致させて、ボルト63・63を挿入して螺装固定するようにしている。このように、支持軸67が前記旋回フレーム5の内部の平板部51の一部に固定されることで、該支持軸67に枢支される前記スイングシリンダ21の基部が、該支持軸67を回動中心として、左右方向に回動することができるのである。
【0059】
従来においては、該スイングシリンダ21の基部は、平板部51に断面視略コ字状に鋳型成形された取付け部にピン軸枢支されていた。かかる従来の取付け部のように、断面視略コ字状となるように旋回フレーム50を鋳型成形するには、該スイングシリンダ21の一側端部の介挿部に相当する場所に、入れ子部材を介挿させて旋回フレーム50が成形されていた。しかしながら、このような成形方法によると、前記入れ子部材の型破損等による欠損が生じ易く、鋳型の作製にコストを要する等の技術的な課題があった。そこで、本実施例おける前記取付け部61のように構成することで、下側上面61aの上方は開放された構成となるので、型は上下方向に容易に抜くことができて、入れ子部材等を用いることなく容易に平板部51に鋳型形成させることができるため、成形コストを低減させ、部材の欠損を防ぐことができる。
【0060】
また、図10(b)に示すように、前記取付け部61の上側上面61bに固定プレート62を嵌め込むための段部68を設けてもよい。すなわち、図10(a)に示すように、前記固定プレート62を上側上面61bの水平面でボルト63により締付け固定した状態で、スイングシリンダ21が大きな力を受けて回動された場合、固定プレート62が荷重に耐えられずに捩じれるまたは曲げられることがある。そこで、図10(b)に示すように、上側上面61bの段部68に固定プレート62を嵌め込み、ボルト63により締付け固定することで、固定プレート62と上側上面61bとの接触面積が増加し、相互に当たる面も増加して、耐荷重を増すことができ、支持軸67を安定して支持固定することができるのである。
【0061】
このように、旋回フレーム50に左右回動可能にブームブラケット14を取り付け、該ブームブラケット14と旋回フレーム50の間にスイングシリンダ21を介装し、該ブームブラケット14に取り付けられる掘削作業機6を左右回動可能とした掘削作業車1において、旋回フレーム50の内部側方にスイングシリンダ21基部を枢支する取付け部61を形成し、該取付け部61に、支持軸67を挿入支持する支持孔64と、該スイングシリンダ21基部と支持孔64に挿入する支持軸67を固定する固定プレート62の固定部である上側上面61bと、を形成したので、従来のように入れ子部材を用いる必要がなく、成形コストを低減させ、部材の欠損を防ぐことができる。また、該スイングシリンダに強い引力や斥力が作用された場合であっても、該固定プレートによって安定して該スイングシリンダを支持固定することができる。
【0062】
次に、旋回フレーム50の後部構造について以下に説明する。図3および図7に示すように、前記後部59bの左右中央の後面上部に、下方に凹む凹部70が形成されている。該凹部70には、該凹部70と略同形に形成されたプレート71が設置されている。図11および図12に示すように、該プレート71は、左右の両側辺が上方から下方にかけて内側に傾斜した正面視略台形状とされ、左右略中央が後方に(図12において上方)に湾曲されることで、前記後部59bの形状に沿うように形成されている。
【0063】
また、該プレート71の上下中央より下方には、該プレート71を固設するためのボルト挿通孔72が貫設されている。該プレート71の前面には、後述する載置プレート75に該プレート71を配設するための取付けプレート73が固設されている。該取付けプレート73には、前記ボルト挿通孔72と同軸芯上に取付け孔74が貫設されている。ボルト挿通孔72はプレート71を固定できるものであれば、その数及び位置は限定するものではない。
【0064】
そして、該プレート71は、載置プレート75に着脱可能に配設されている。このように、該プレート71を、前記載置プレート75に着脱可能に配設することで、載置プレート75に固設されるボンネットヒンジ80の取り外しと容易なものとすることができるのである。そのため、ボンネット4の取り外しを容易なものとし、メンテナンス性を向上させるのである。また、エンジン29からの騒音を低減することができる。さらに、前記プレート71は、前記ユニット体30を構成する載置プレート75に固設されるため、前記後部59bにプレート71を配置するための別部材を形成させる必要が無く、成形のコストを低減させることができる。
【0065】
なお、該プレート71は、前記ラジエータ34からの冷却風をボンネット4外に排出するための排風口42を具備するものであってもよい(図11における点線で示す如くである。)。前記後部59bに該ラジエータ34の排風手段として、該後部59bに排風口42が設けられることにより、旋回フレーム50の後部後方に配設されるラジエータ34からの排風を、該旋回フレーム50の外部に排出することができる。該ラジエータ34の配設位置を低くしても、該ラジエータ34の排風が妨げられることがない。なお、該排風口42は排風を通過させるのに十分な面積をするように構成させるものとする。
【0066】
一方で、該後部59bは、カウンタウェイトとして機能することから、成形厚さが厚く成形されている。そのため、該後部59bの前後方向を貫設するような排風口42等を鋳型成形するのは困難であり、またコストがかかる。そこで、本実施例に係る旋回体2のように、前記ラジエータ34の後方に予め凹部70を形成させ、該凹部70に別体で形成したプレート71を配置させることで、前記後部59bの後面上方において、該後部59bがカウンタウェイトとしてのボリュームを確保しつつ、前記ラジエータ34による排風面積をも確保することが可能となるのである。
【0067】
図13および図14に示すように、プレート71は、前記載置プレート75に着脱可能に配設されている。該載置プレート75には、前記平板部51と略水平となる長板状の設置部75aの上方に、前記ラジエータ34を配設可能となるように形成されている。該設置部75aの左右略中央には、該設置部75aの垂直方向に上方形成される取付け部75bが配設されている。該取付け部75bには、前記プレート71に配設された取付けプレート73と、後述するボンネットヒンジ80とがボルトによって固着されている。このように、該載置プレート75は、前記ラジエータ34を載設するするだけでなく、前記プレート71とボンネットヒンジ80とを固設し、旋回フレーム50の後方に配設する支持部材としての機能をも備えている。
【0068】
該載置プレート75の左右両端部において、該端部前面から前方に側面視略L字状となるように突出形成された連設部75c・75cが設けられている。該連設部75c・75cには、ラバーマウントもしくは防振具積層ゴム等を介して、前記エンジン29を左右両側から支持固定可能な支持フレーム77・77の後部上端部が固設されている。該支持フレーム77は上端部77aから、前方向に緩やかに傾斜するように形成されており、一側端部の下端部77bにはラバーマウントもしくは防振具積層ゴム等を介して、前記平板部51に該支持フレーム77を取り付ける固定板78が固設されている。そして、該固定板78および前記載置プレート75の左右両端部が旋回フレーム50内部のボス部51bに着脱可能に締結される。
【0069】
このように、該載置プレート75と支持フレーム77とによって、前記エンジン29・ラジエータ34等が一体となるように、前記ユニット体30が構成されているのである。該ユニット体30は、旋回フレーム50から容易に取り外すことができるため、前記エンジン29等のメンテナンスも容易におこなうことができる。また、該旋回体2の後部に配設される前記ラジエータ34の上下方向での固定位置を低くして、該旋回体2の上下方向をコンパクトにすることができる。このようなコンパクト化によって、地表面から前記ステップ23や運転席5の高さ等を低くすることができ、オペレータによる該掘削作業車の操行性を高めることができる。
【0070】
次に、ボンネット4の取付け構造および係止構造について以下に説明する。本実施例に係る旋回体2における、該ボンネット4の回動部材の取付け構造を図13乃至図15に示す。該ボンネット4は、平板状部材を組み合わせたボンネットヒンジ80を介して前記旋回フレーム50に前後回動可能に配設されている。該ボンネットヒンジ80は、該ボンネットヒンジ80の一端が、旋回フレーム50の後部上方であって左右略中央に配置される前記載置プレート75の取付け部75bに、着脱可能に締結されている。一方で、該ボンネット4側において、該ボンネットヒンジの一側他端が、該ボンネット4の後方下端部に固設されている。
【0071】
すなわち、該ボンネット4は、旋回体2の後方左右略中央に配設された前記ボンネットヒンジ80を回動支点として、前後方向に回動されるようにしている。このように該回動支点が後方左右略中央に配設される構成とすることで、該ボンネット4の回動角度を大きくすることができる。そのため、前記旋回フレーム50の後方において上方に突出するように配置される前記ユニット体30等の内部構成部材を、該ボンネット4によって妨げられることなくメンテナンス等することができる。
【0072】
また、該ボンネットヒンジ80は、前記取付け部75bに締結されるが、該取付け部75bは、旋回フレーム50内に設置されているため、砂塵や外部衝突等によって該ボンネットヒンジ80の回動性能の低下を防ぐことができる。また、該ボンネットヒンジ80を配設するための取付け位置は、略平面状であることが好ましく、後方に湾曲状に形成された旋回フレーム50の後端部の左右略中央部50dに直接取り付けることができない。そのため、該旋回フレーム50の後部上方に略平面状の該取付け部75cを配置することによって、該ボンネットヒンジ80を用いた回動支点を設けることができるのである。
【0073】
さらに、該取付け部75bには、前記プレート71が着脱可能に配設されているため、該プレート71を取り外した後、前記取付け部75bから該ボンネットヒンジ80の一側他端を脱離させることで、容易に前記ボンネット4を旋回フレーム50と別体として取り外すことができる。この場合において、該ボンネット4の下方端部にはボンネットヒンジ80が固着されているため、かかるヒンジ部材の欠損を防ぐことができる。また、本実施例に示すように、ボンネットヒンジ80のような簡易なヒンジ部材を用いることで、部品点数の減少による製作コストの低減を図ることができる。
【0074】
なお、本実施例に係る旋回体2においては、前記ラジエータ34の側方に配置された図示せぬスライド式の係止ストッパによって、該ボンネット4の後方回動位置が制御される。該係止ストッパによって、該ボンネット4が後方に回動される場合に、該ボンネット4自体の荷重によって、前記ボンネットヒンジ80が破損するのを防いでいる。
【0075】
一方、図16乃至図20に示すように、該旋回フレーム50の前方には、前記ボンネット4の係止手段たるロックピン83が、以下のように設けられている。まず、前記フロントコラム19の後方であって、旋回フレーム50の左右略中央となるように、ステッププレート81が前記支持プレート22に固設される。そのため、該ステッププレート81の外縁が、該支持プレート22やフロントコラム19等に沿うような形状とされている。また、前記旋回フレーム50の内部前方には前記旋回モータ36や油圧ポンプ39等が配置されているため、該ステッププレート81に前記左右略中央部81aを設け、該旋回モータや油圧ポンプ39等を上方から被覆して、オペレータの操作スペースを確保している。そして、旋回モータ36のメンテナンスを行う際には、該ステッププレート81のみを取り外せばよいため、該メンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0076】
そして、前記ステッププレート81は、左右略中央部81aが上方に凸状となるように平面視長形状に形成され、該ステッププレート81の後部左右両端には、前方に凹状となるように、支持スタンド82の取付け溝81b・81bが形成されている。該取付け溝81b・81bに支持スタンド82の下端が固設され、該支持スタンド82はパイプまたは鋼棒を正面視略コ字状に形成されて開口部を下方に向けて配設される。なお、該ステッププレート81は前記支持プレート22に配設されるため、該ステッププレート81の外縁が、該支持プレート22やフロントコラム19等に沿うような形状とされている。
【0077】
前記支持スタンド82は、上部の水平部82aと、該水平部82aの左右両端部から前下方向に広がるように形成されたスタンド部82b・82bとで構成されている。該スタンド部82b・82bの下方端部が、前記ステッププレート81の取付け溝81b・81bに固定されている。そして、該水平部82aの左右中心に、ロックピン83が前方向に突出して配設されている。該ロックピン83は、支持スタンド82と一体に形成しても、別体として取り付けてもよい。
【0078】
該ロックピン83は、前記ボンネット4の前部下方に設けられたロック機構84に係止可能とされている。図20(a)および図20(b)に示すように、該ロック機構84は、ボンネット4の前面の略中央近傍に配設されたレバー85により操作される。該レバー85は、前記ボンネット4の枢軸が前面から後面へと貫設され、該ボンネット4の内側面に固設された筒体86に挿嵌されている。該レバー85の枢軸先端部には、フック87が該レバー85と相対回転不能に固設されている。前記筒体86には、該フック87の回転量を規制するストッパプレート88が固設されている。該筒体86につるまきバネ89が挿嵌され、該つるまきバネ89は前記フック87に係止され、該フック87が該つるまきバネ89によりストッパプレート88側に回動するように付勢されているのである。
【0079】
前記フック87は、平板状に形成されて、前記ロックピン83が該フック87の正面視略コ字状に形成された先端部87aに係止されるように構成されている。前記ストッパプレート88は側面視略Z字状に形成されており、前後水平部88bから下方向(図20(b)において下)に突出形成される水平部88aは、前記ロックピン83と当接可能に形成されている。また、該ストッパプレート88の該前後水平部88bの略中央部が該フック87の中央部87bと当接可能に形成されている。
【0080】
そして、前記レバー85を、前記ロック機構84を解除する方向(図20(b)において反時計方向)に回動させると、前記フック87も同様の方向に回動される。つまり、前記ロックピン83の係止・解除が、かかるロック機構84におけるレバー85の操作のみによって可能となっているのである。なお、該フック87の後端部87cがストッパプレート88の前後水平部88bの上部平面に当接されることによって、該フック87の開放側への回動量が規制されるようにしている。
【0081】
上述のように、前記ロックピン83およびロック機構84を、ボンネット4の前方上下略中央に設けているため、該旋回体2が小型化することによって、該旋回体の上下高さが低く、また、前記旋回体2のボンネット4前方の操作スペースが狭くても、オペレータがレバー85を操作しやすい。そのため、該ボンネット4の開閉を容易に行うことができ、メンテナンス作業等を行う場合の労力を低減させることができる。
【0082】
なお、本実施例においては、該ボンネット4をレバー85によって開閉させたり、前記ボンネットヒンジ81を前記載置プレート75から離脱させてボンネット4を取り外したり、前記ステッププレート81を前記支持プレート22から取り外したりして、その目的に応じた該旋回体2の取り扱いによって、旋回体2の内部のメンテナンスを行うことができる。
【0083】
このように、旋回フレームの前部に左右回動可能に取り付けられるブームブラケットを介して掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、該旋回フレーム前部上方に施設されるステップ前部の左右中央にフロントコラムを配置し、該フロントコラム左右両側のステップおよび旋回フレームを前方に延設し、足載用の前端突出部を形成したので、旋回体の前後方向へのコンパクト化に際しても、該前端部が前方に突出するように形成されるため、該前端部のスペースを、内部レイアウトや操行スペースのために確保できる。
【0084】
また、前記前端突出部の前端位置を、旋回フレームに形成されたブームブラケット取付け部の前端よりも後方、かつ、フロントコラムの前端よりも前方に配置するので、該前端部の形成に際し、該前角部がかかる距離である限りにおいて、該旋回体の旋回性を損なうことなく、該旋回体前方における内部容量や操行スペースを確保することができる。
【0085】
また、前記左右の前端突出部の外側端部の前角部から旋回中心までの距離を、該旋回フレームの後端部の後角部から旋回中心までの距離と同一もしくは短くするので、旋回体のコンパクト化に際して、該旋回半径内において該旋回体の旋回性を損なわず、かかる該旋回フレームの内部容量を可能な範囲で広く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る掘削作業車の側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】同じく背面図。
【図4】同じく平面図。
【図5】旋回体の内部構成を示す平面図。
【図6】旋回を示す掘削作業車の平面図。
【図7】旋回フレームの斜視図。
【図8】旋回フレームの下方斜視図。
【図9】スイングシリンダの取付け部近傍の斜視図。
【図10】同じく取付け部のX―X矢視断面図。
【図11】プレートの後面図。
【図12】同じく平面図。
【図13】載置プレートへの部材の取付け状態を表す斜視図。
【図14】旋回体後部の斜視図。
【図15】ボンネット後方回動状態の旋回体の斜視図。
【図16】同じく前方回動状態の旋回体の斜視図
【図17】ロックピンの取付け部材の斜視図。
【図18】同じく後面図。
【図19】同じく平面図。
【図20】ロック機構の斜視図および正面図。
【符号の説明】
【0087】
2 旋回体
4 ボンネット
50 旋回フレーム
50a 前端部
51 平板部
52 取付け部
52a 基部
59 外周フレーム
60 カバー体
71 プレート
75 載置プレート
80 ボンネットヒンジ
83 ロックピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削作業車の旋回体構造に関し、より詳細には小型の掘削作業車における旋回体の外部および内部構造のコンパクト化を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
クローラ式掘削作業機の旋回体は、旋回フレームを介して走行装置に旋回可能に配設され、該旋回フレームには、エンジン・コントロールバルブ等の油圧機器や掘削作業を行うブーム等が配設されているのが一般的である。中でも、狭所での掘削作業を目的とした小型の掘削作業車においては、エンジン・ラジエータ・油圧ポンプ等の各構成部材のレイアウトや形状を改良し、形体をコンパクト化して、該作業車を容易に操作できるように構成されている。
【0003】
小型の掘削作業車の旋回フレームは、内部構造において前記各構成部材をコンパクトに配置できるように形成され、また、外部構造においても該作業車が小旋回できるようにコンパクト化されている。この種の旋回体の構造に関し、例えば、特許文献1に記載される掘削作業車が提案されている。該掘削作業車においては、旋回フレームが略長形もしくは円形に形成され、かかる旋回フレームを有する旋回体が、車両本体のスイベルジョイントを旋回中心として旋回可能とされ、該旋回体の大きさや形状が作業車の旋回の妨げとならないように形成されている(特許文献1参照)。
【0004】
そして、該作業車は、作業機等を支持構成するための一定の剛性や、旋回性を担保するためのバランス構造を具備していなければならない。かかる観点から、前記特許文献1に記載の掘削作業車においては、旋回フレームの外縁に肉厚部を形成して、かかる剛性を担保するようにしている。
【0005】
また、特許文献2に記載される掘削作業機の旋回体のように、旋回フレームの外周側部において一面に被覆可能な側部枠体が一体に配設されることによって、かかる剛性を担保するようにしたものも公知となっている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−20683号公報
【特許文献2】特開平11−13084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の掘削作業車の旋回体構造においては、次のような課題があったのである。すなわち、従来の旋回体構造おいては、旋回体内部に配置されるエンジン・オイルフィルタ・リバーザータンク等のレイアウトから、該旋回フレームを短手方向に縮小させて、該旋回体のコンパクト化を図ることが困難であった。一方で、該旋回体が長手方向に縮小されると、運転席近傍の前後方向の空間が狭小化していた。そのためオペレータにおいて、該掘削作業車を操行する際の足場を確保しにくく、作業車の操作やボンネットの開閉が不便になる等の課題が派生していたのである。
【0007】
また、掘削作業車の旋回体においては、狭所において壁等に衝突しても破損することなく、また、ブームを回動支持できるように一定の剛性を有する必要がある一方で、小型の掘削作業車は、広範な作業状況に対応すべく、そのメンテナンス性を十分に備えていることが要求される。この点、従来の旋回体の構造によると、かかる剛性およびメンテナンス性の両方を担保することが困難であった。
【0008】
つまり、前記特許文献1に記載の掘削作業車においては、旋回フレームの側面に別枠体が着脱可能に取り付けられているため、該別枠体を取り外して旋回体内部のメンテナンス作業が容易に行えるが、該旋回体の剛性を十分に担保しているとはいえなかった。一方で、前記特許文献2に記載の掘削作業車においては、旋回フレームの両側一面に側部枠体が配設されており、該側部枠体により旋回体が受ける外部衝撃や、旋回体に配設されるその他の器材荷重等による、該旋回体の損壊を防ぐことができた。しかしながら、該側部枠体の取り外しの不便さから、必ずしもメンテナンス作業が容易ではなかったのである。
【0009】
そこで、本発明においては、掘削作業車の旋回体構造に関し、前記従来の課題を解決するもので、該旋回体の旋回フレームの剛性や、車両本体のメンテナンス性を担保しつつ、小型掘削作業車の旋回体の内部配置や外部構造をコンパクトにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
請求項1においては、旋回可能に構成される旋回フレーム(50)の前部に掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、該旋回フレーム(50)を、平板部(51)と、該平板部(51)の外周部より立設される外周フレーム(59)により一体に形成し、該外周フレーム(59)の前部は低く後部は高く構成し、該外周フレーム(59)の前部から側部にカバー体(60)を着脱可能に配置したものである。
【0012】
請求項2においては、前記旋回フレーム(50)を構成する外周フレーム(59)の後部上方に、凹部(70)を形成し、該凹部(70)にプレート(71)を配置するとともに、該プレート(71)を、エンジン(30)を支持する支持部材である載置プレート(75)に取り付けたものである。
【0013】
請求項3においては、前記プレート(71)に、ラジエータ(34)からの冷却風を排風する排風口(42)を形成するものである。
【0014】
請求項4においては、前記支持部材である載置プレート(75)の左右中央にボンネット(4)を回動可能に支持するボンネットヒンジ(80)の一端を着脱可能に取り付けるものである。
【0015】
請求項5においては、前記旋回フレーム(50)の前部上方にステッププレート(81)をを固定し、該ステッププレート(81)の後部に、前記ボンネット(4)に設けたロック機構と係合するロックピン(83)を一体的に構成したものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示すように、旋回可能に構成される旋回フレーム前部に掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、旋回フレームを、平板部と、該平板部の外周部より立設される外周フレームにより一体に形成し、該外周フレームの前部は低く後部は高く構成し、該外周フレームの前部から側部にカバー体を着脱可能に配置したので、一体形成される外周フレームによって該旋回フレームの剛性が担保されると同時に、該枠体を容易に取り外すことができるのでメンテナンス性をも担保することができる。
【0017】
請求項2に示すように、旋回可能に配設される旋回フレームと、該旋回フレームの上方に配置されるボンネットとを備えた掘削作業車において、該旋回フレームの後部上に凹部を形成し、該凹部にプレートを配置するとともに、該プレートを配置するとともに、該プレートを、エンジンを支持する支持部材に取り付けたので、ボンネットの取り外しを容易なものとし、メンテナンス性を向上させることができる。また、エンジンからの騒音を低減することができる。
【0018】
請求項3に示すように、請求項2において、前記プレートに、ラジエータからの冷却風を排風する排風口を形成するので、旋回フレームの後部後方に配設されるラジエータからの排風を、該旋回フレームの外部に排出することができる。また、旋回フレームの後部がカウンタウェイトとしてのボリュームを確保しつつ、ラジエータによる排風面積をも確保することができる。
【0019】
請求項4に示すように、請求項3において、前記支持部材の左右中央にボンネットを回動可能に支持するヒンジ部の一端を着脱可能に取り付けるので、ボンネットの回動角度が大きく、エンジン等のメンテナンスが容易となる。また、支持部材とヒンジ部と着脱によって該ボンネットの取り付け等を行えるため、かかる作業が容易であり、また部材点数も少なく製作コストの低減を図ることができる。プレート等が同一部材に固定されるため、該ヒンジ部等の取り外しが容易となる。
【0020】
請求項5に示すように、請求項4において、旋回フレームの後部上に配置されるエンジンを覆うボンネットを、後部を中心に開閉可能に構成した掘削作業車において、旋回フレーム前部上方にステッププレートを固定し、該ステッププレートの後部に、ボンネットに設けたロック機構と係合するロックピンを一体的に構成したので、該ステッププレートが取り外し可能であるため、該ロックピンの形成や配設が容易である。
また、ステップ位置よりも上方に配設されるため、ボンネット内前方の空間を有効に利用することができる。さらに、前記旋回体のボンネット前方の操業スペースが狭くても、オペレータによるボンネットの開閉操作が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は本発明に係る掘削作業車の側面図、図2は同じく正面図、図3は同じく背面図、図4は同じく平面図である。また、図5は旋回体の内部構成を示す平面図および図6は掘削作業車の旋回を示す平面図である。また、図7は旋回フレームの斜視図、図8は旋回フレームの下方斜視図、図9はスイングシリンダの取付け部近傍の斜視図、図10は同じく取付け部のX―X矢視断面図である。
【0023】
また、図11はプレートの後面図、図12は同じく平面図、図13は載置プレートへの取付け状態を表す斜視図および図14は旋回体後部の斜視図である。そして、図15はボンネット後方回動状態の旋回体の斜視図、図16は同じく前方回動状態の旋回体の斜視図、図17はロックピンの取付け部材の斜視図、図18は同じく後面図、図19は同じく平面図、図20はロック機構の斜視図および正面図である。
【0024】
まず、図1乃至図4を用いて、本発明に係る掘削作業車の実施例であるバックホー1の全体構成から説明する。以下、図1におけるブーム9の取付け方向をバックホー1の前方とする。なお、図4については説明の便宜上、掘削作業機6を省略している。バックホー1においては、旋回体2が、後述するスイベルジョイント35を介して、左右一対のクローラを装備したクローラ式走行装置3の上部に左右旋回可能に支持される構成となっている。該旋回体2の下部には旋回フレーム50が構成され、該旋回フレーム50の前部左右略中央には、ブームブラケット10の取付け部52が突出形成されている。該旋回フレーム50の後部上方は、ボンネット4によって被覆されている。該ボンネット4上には運転席5が配置され、前記旋回フレーム50の前部上方において、該運転席5の前方かつ掘削作業機6の後方となる位置にフロントコラム19が配設されている。
【0025】
該フロントコラム19下部からは両側方及び後方に支持プレート22が延設され、該支持プレート22はフロントコラム19と一体形成されており、該支持プレート22が、前記旋回フレーム50の前部上方に固設されている。前記運転席5の前部下方であって、該支持プレート22上を覆うように合成樹脂やゴム等で構成したステップ23が敷設され、オペレータによる作業時や走行時の足場が確保されている。また、前記フロントコラム19は、後述する掘削作業機6のバケット7やブーム9等の回動操作、前記旋回体2の旋回操作、クローラ式走行装置3に形成される左右のクローラの前後進操作および後述するブレード20の回動操作等を行うための操作レバー群が設けられている。
【0026】
該掘削作業機6は次のように構成される。すなわち、前記取付け部52にブームブラケット10が左右回動可能に枢支され、該ブームブラケット10にブーム9の基部が前後回動可能に枢支されている。該ブームブラケット10と旋回体2との間にはスイングシリンダ21が介装され、該スイングシリンダ21の伸縮により、掘削作業機6が旋回体2に対して左右回動可能とされている。
【0027】
前記ブーム9と前方屈曲部の内側であって、該ブーム9とブームブラケット10との間にはブームシリンダ11が介装され、該ブームシリンダ11の伸縮によりブーム9が上下に回動可能とされている。該ブーム9の先端には、アーム8の根元部が回動可能に取り付けられており、該アーム8の根元部にはアームブラケット14が上方に突設されている。該ブーム9の前方屈曲部の内側であって、ブーム9とブームブラケット14との間には、アームシリンダ12が介装され、該アームシリンダ12の伸縮によりアーム8が前後に回動可能とされている。
【0028】
また、該アーム8の先端部に作業用アタッチメントであるバケット7が前後回動可能に枢支されている。該アーム8の中途部先端寄りにアームリンク15が回動可能に枢支され、該アームリンク15の一側他端と前記バケット7との間に、バケットリンク16の両端がそれぞれ回動可能に枢支されている。また、該アーム8の根元部より上方に前記アームブラケット14が突設され、該アームブラケット14と、前記アームリンク15およびバケットリンク16の枢支点との間に、バケットシリンダ13が介装される。そして、該バケットシリンダ13が伸縮することによりバケット7の回動が行われるのである。
【0029】
次に、前記旋回体2の内部構成について以下に概略する。図5に示すように、該旋回体2の内部には、原動機となるエンジン29、バッテリー31、燃料タンク32、リザーバタンク33、ラジエータ34等が配置されている。該リザーバタンク33の前方には、作動油のオイルフィルタ37が配設されている。また、該旋回体2の中央部には、スイベルジョイント35が接続されており、該スイベルジョイント35の上方にエンジン29が配置されている。なお、該エンジン29の配置構成や取付け構造の詳細は後述する。
【0030】
該エンジン29の前方には、フライホイール38および油圧ポンプ39が接続されており、エンジン29により油圧ポンプ39が駆動されるようにしている。該油圧ポンプ39は、油圧ホースや前記フロントコラム19内のコントロールバルブ等を介して、前記スイングシリンダ21・旋回モータ36・スイベルジョイント35・作業機6のシリンダ等に接続されている。そして、該油圧ポンプ39により吐出される作業油により、前記スイングシリンダ21等を駆動可能とされている。
【0031】
また、前記ラジエータ34は、旋回体2の後部において、該旋回体2の後方面を向くように配置されている。該ラジエータ34は、後面視において、前記エンジン29の後部に配設されたファン41の直後に配設されるため、該ラジエータ34からエンジン29までの距離を短縮化することが可能となっている。また、後述するように前記ボンネット4後部には、排風口42が形成されている。そのため、前記ファン41によりラジエータ34やエンジン29の上部シリンダを冷却した排風が、該排風口42を介して旋回体2の外部に放出されるのである。
【0032】
前記ラジエータ34の下方には、マフラー40が旋回フレーム50の左右方向に横設されている。該マフラー40の一端部はエンジン29の排気ポートに接続され、一側他端部は旋回フレーム50の後部下方に形成された後開口部43に貫設されている。前記エンジン29の排気ポートから排出される排気ガスは、該マフラー40を介して、旋回体2の外部に排出されるのである。
【0033】
本実施例においては、図15に示すように、エンジン29およびラジエータ34等が一体となるように、枠体に取付け形成されたユニット体30が構成されている。該ユニット体30においては、後述するラジエータ34等を配設可能な載置プレート75やエンジン29等を支持可能な支持フレーム77により、前記エンジン29・ラジエータ34・マフラー40等が取り付けられている。該支持フレーム77と旋回フレーム50との間には、ラバーマウントもしくは防振具積層ゴム等が配設されている。該ユニット体30は旋回フレーム50の後部であって、前記支持フレーム77・載置プレート75を介して旋回フレーム50に着脱可能に固設されている。このように該旋回フレーム50の内部において、該ユニット体30を着脱可能とすることで、前記エンジン29やラジエータ34やスイベルジョイント35等のメンテナンス性を十分に担保し得る構成とされている。
【0034】
前記エンジン29は、クランク軸が前後方向に配設され、該クランク軸上に前記フライホイール38・油圧ポンプ39・ファン41の駆動プーリ等が接続されている。さらに、該クランク軸は、旋回体2の左右中心よりも左方側に寄るように偏心配置されている。該エンジン29をこのように配置とすることで、旋回フレーム50上において、エンジン29の左右他側に空間を形成して、該空間にバッテリー31等を配置してコンパクト化を実現することができる。なお、エンジン29の配置構成は、上述のように限定されるものではなく、例えば、該エンジン29のクランク軸が、右側に偏って配置されるような構成としてもよい。さらに、かかるクランク軸の長手方向と旋回フレーム50の前後方向とが略鉛直に交わるように構成してもよい。
【0035】
なお、本実施例に係るバックホー1においては、平面視で旋回フレーム50の旋回中心54に位置するスイベルジョイント35と重なる位置に、エンジン29が縦置きに(エンジン29のクランク軸の長手方向が旋回フレーム50の前後方向に略一致する向きに)配置されている。該エンジン29が縦置きされる結果、該エンジン29が前記スイベルジョイント35に平面視で重なるものの、該スイベルジョイント35のメンテナンス時の作業性が損なわれることがないようにするべく、上述するようなユニット体30が構成されているのである。そして、このような配置構成とすることで、旋回フレーム50の短手方向の小型化を図ることが可能となるのである。
【0036】
また、本実施例においては、ユニット体30を構成する部材のうち、平面視でスイベルジョイント35と重なるのは、エンジン29前部に配置したフライホイール38の右側である。該フライホイール38はエンジン29が作動していてもほとんど昇温することがない部材である。従って、エンジン29が発生する熱がスイベルジョイント35に影響をおよぼすことを防止することが可能である。このように構成することにより、エンジン29をスイベルジョイント35により接近させて配置することが可能であり、旋回体2を小型化して、旋回半径を小さくすることが可能である。また、フライホイール38は正面視において略円形であり、平面視において略円錐台状であるため、中心よりずれた右下の前側外周面と旋回フレーム50の上面との間には、比較的大きな空間を構成することができ、その空間にスイベルジョイント35を配置することで、簡単なメンテナンス等は側方の隙間から行うことができるのである。
【0037】
さらに、前記エンジン29の左側前方には、リザーバタンク33が旋回フレーム50の前後方向に長く配設されている。該リザーバタンク33は、前記油圧ポンプ39の作動油を貯油しており、図示せぬ油圧配管により該油圧ポンプ39に接続されている。該リザーバタンク33の後部右側には、エンジン29前部に配設されるフライホイール38が配置している。そのため、該リザーバタンク33の右側後端部の角部を削った面取り形状の斜面とすることで、該リザーバタンク33とフライホイール38をより接近させて配置することができ、旋回フレーム50を前後方向に縮小して成形し、リザーバタンク33の容量もできるだけ大きくすることが可能となる。
【0038】
前記エンジン29の左方前部には、燃料タンク32が配置されている。特に、上述のように、エンジン29等が旋回フレーム50の左右中心より左方に寄って配置されているため、該燃料タンク32において、容量の増大が可能となる。また、該燃料タンク32とバッテリー31の下方に、前記スイングシリンダ21が旋回フレーム50の前後方向に横設されている。該スイングシリンダ21の一端部は、後述するように該旋回フレーム50の右側内端に形成された取付け部61に回動可能に枢支され、一側端部は前記ブームブラケット10と回動可能に接続されている。
【0039】
次に、本発明に係る掘削作業車の旋回体構造について説明する。まず、該旋回フレーム50の前部構造について以下に説明する。図5乃至図7に示すように、該旋回フレーム50は、平面視において、後部は略半円形、中央部は略矩形、前部は略W状に構成している。そして、略平面形状の平板部51の外周が上方に所定高さ延設されている。該旋回フレーム50の前端部の左右中央には、前記ブームブラケット10の取付け部52が前方に平面視略凸状に突出形成されている。該取付け部52前端に支持軸を挿入する挿入孔が上下方向に開口されている。なお、該旋回フレーム50は鋳型により一体形成される。そのため、同一形状の製造が容易であるとともに、該旋回フレーム50の剛性を担保しやすい構造とされている。
【0040】
また、該旋回フレーム50の前部左右両側は前端突出部50a・50aが形成され、該前端突出部50a・50aの前面の位置は、前記取付け部52の前端よりも後方で、フロントコラム19の前端面よりも前方に位置されている。該前端突出部50a・50aの前面は所定幅を有しており、上方に作業者の足を載せるに十分な幅とされている。そして、該前端突出部50a・50aと取付け部52の間には凹部を形成するように、平面視略V字状の基部52aが形成され、該旋回フレーム50の軽量化が図られている。このように旋回フレーム50を構造することで、該旋回フレーム50の内部容量を確保しつつ、フロントコラム19の両側に作業者の足を載せられるようにして、旋回体2のコンパクト化を図っているのである。
【0041】
前記前端突出部50aの形状と旋回フレーム50の旋回半径との関係について図6より説明する。前記旋回体2は、前記スイベルジョイント35の円中心を旋回中心54としている。そして、該旋回中心54から前記取付け部52前端までの距離L1、もしくは旋回フレーム50の後端部の左右略中央部50dまでの距離L2が、該旋回体2の旋回半径となる。本実施例に係る旋回体2においては、距離L2が旋回半径となるように形成されている。すなわち、旋回体2の前部にブーム6が取り付けられるため、前記距離L1よりも距離L2のほうが長く(L2>L1)なるように形成することで、該バックホー1のバランスが保たれるようにしている。
【0042】
該旋回フレーム50は、前記前端突出部50aにおいて左右両側の前角部50bの外周形状が円弧とされ、後部における左右の後角部50cにおいても同様に外周形状が円弧とされている。該前端突出部50aは、前記取付け部52の基部52aよりも前方に突出されるが、前記旋回中心54からの前記前角部50bまでの距離L3が、旋回中心54からの前記後角部50cまでの距離L4と同一もしくは短く(L3≦L4)なるように形成されている。
【0043】
前記後角部50cと後端部の左右略中央部50dにおいては、略同円弧上となるように形成されている。本実施例においては、前記旋回フレーム50が左右旋回されると、これらは同一の旋回軌道57となる。つまり、該旋回フレーム50は、前記距離L2と距離L4が同一(L2=L4)となるように形成されている。
【0044】
該旋回フレーム50においては、前記旋回中心54から前記前角部50bまでの距離L3は、旋回半径たる距離L2(=L4)と同一もしくは短い(L3≦L2=L4)ため、該前角部50bの旋回軌道56は、旋回フレーム50の旋回軌道57内に含まれる。したがって、前記前端突出部50aが前方に突出形成されても、該前角部50bが障害物等に衝突することなく旋回体2が左右旋回でき、該旋回フレーム50の旋回性が損なわれることがない。換言すれば、記距離L3が、前記距離L2もしくは距離L4と同一もしくは短い範囲で、前記前端突出部50aを突出形成させることで、該旋回フレーム50の内部スペースを広く利用可能とした旋回体2の構造とすることができるのである。
【0045】
つまり、本実施例においては、まず、旋回フレームのコンパクト化に際し、前記距離L1および旋回半径たる距離L2が短くなるように形成される。そして、前記距離L3を、該旋回半径と同一もしくは短くなるように形成させる。このように形成させる限りにおいて、該旋回フレーム50を前後方向に縮小させて、該旋回フレーム50の旋回半径が小さくなるように成形した場合においても、該旋回フレーム50の旋回性を損なわず、かつ、前端突出部50aのスペースを最大限利用することができるのである。
【0046】
そして、該旋回フレーム50内部には、前述のようにエンジン29・リザーバタンク33・オイルフィルタ37・スイングシリンダ21等が配設されるため、旋回フレーム50を前後方向に縮小するにあたって、該リザーバタンク33等の配置スペースを同時に確保しなければならない。前記前端突出部50aを設けることで、旋回フレーム50を前後方向に縮小させても、該前端突出部50aの内部スペースを前記リザーバタンク33等の配設に用いることができる。すなわち、前記距離L1および距離L2を短く形成して旋回体2のコンパクト化を実現すると同時に、該リザーバタンク33等の配置スペースをも確保することができるのである。
【0047】
また、該旋回フレーム50の右方には前記スイングシリンダ21が配設されているため、該右方の前端突出部50aを突出形成することで、該スイングシリンダ21のロッド部を保護することができる。該スイングシリンダ21は油圧により前後方向に伸縮され、該スイングシリンダ21によって前記取付け部52に枢支されるブームブラケット10が左右に回動される。そのため、前記基部52aおよび前端突出部50aは、左右の形状が異なるように形成され、該スイングシリンダ21の伸縮および回動が妨げられないようしている。
【0048】
また、図4に示すように、該旋回フレーム50の前部には、前記支持プレート22とステップ23とが、該旋回フレーム50の上方を覆うように敷設されている。該支持プレート22等の形状は、前記前端突出部50aを含む旋回フレーム50の前部と平面視略同型とされている。
【0049】
次に、旋回フレーム50の外周構造について以下に説明する。図7に示すように、該旋回フレーム50の後部外周には、外周フレーム59が、前記平板部51の外縁から鉛直上方に延出されている。該外周フレーム59は、前記平板部51と一体に鋳型形成される。該外周フレーム59は、旋回フレーム50の前端突出部50aから左右前後中途部まで、前記平板部51の外縁から上方に向けて短く延出した前部59aと、該前部59aの後端から徐々に高く構成して、後端部ではステップ23より若干高い位置まで延設された後部59bとで構成されている。
【0050】
前記前部59aおよび後部59b前側の上方へ高くなる傾斜部の上部には、外周形状に合わせて形成したカバー体60・60が着脱可能に取り付けられる。該外周フレーム59とカバー体60・60とによって、砂塵等から旋回フレーム50の内部を保護することができる。該カバー体60・60は、上述のように着脱可能に配設されているため、カバー体60・60を外して側方より、例えば、旋回フレーム50内部の前方側部に配設されている前記オイルフィルタ37・リザーバタンク33のメンテナンスや、燃料タンク32の水抜き作業等を容易に行うことができる。
【0051】
また、旋回フレーム50は、該前部59aが前記平板部51の外縁を上方に延出して形成されているため、障害物に衝突しても、「亀裂や割れ」を生じないような剛性を備えている。また、前記後部59bは、前記平板部51と一体に鋳型成形されて、旋回フレーム50の後方における剛性を高めるだけでなく、カウンタウェイトとしても機能している。該後部59bの上部後方に形成された凹部70には、プレート71が、着脱可能に配設されている。詳細は後述する。
【0052】
ここで、前記平板部51には複数の開口51a・51a・・・が形成されており、該開口51a・51a・・・は浸入した水等を排出したり、メンテナンスのために旋回フレーム50の下方から工具等を挿入したりできるように、その上方近傍に配置される機器・装置の形状に合わせて形成されている。また、平板部51の中央には走行装置に支持したり、スイベルジョイント35を挿入したりするためのジョイント開口部53や前記旋回モータ35を取り付けるモータ開口部55設けられている。
【0053】
該旋回モータ35は、クローラ走行装置3に対して旋回体2を旋回駆動するための旋回アクチュエータの一形態であり、その回転軸には図示せぬピニオンギヤが外嵌され、該ピニオンギヤはクローラ走行装置3側に設けられたスイベルジョイント35を旋回中心とする図示せぬギヤと互いに噛合されている。旋回フレーム50の前記取付け部50aからジョイント開口部53にわたる部位は、掘削作業機6の作業時に大きな荷重が加わるため、旋回フレーム50の他の部位に比べて肉厚に構成されている。また、ジョイント開口部53の周囲からやや後方かつ左右側方にかけての部位も肉厚に形成される。
【0054】
図8に示すように、該平板部51の裏面において、前記取付け部50aから旋回中心54の後方にかけての部位は旋回フレーム50の下面側に突出し、補強用のリブ90が形成されている。該リブ90は旋回フレーム50の下面側に突出していることから、他の構成部材(エンジンやバッテリー等)と干渉することがない。そのため、旋回フレーム50の強度を十分に確保しつつ、旋回フレーム50上で他の構成部材を配置する際の自由度が上がり、他の構成部材を密集した状態で配置する等して旋回フレーム50を小型化し、旋回半径を小さくすることが可能である。また、旋回フレーム50の上面側に突出量の大きい(高い)リブが設けられていないことから、作業者が側方から手を差し入れて作業することが容易であり、メンテナンス時の作業性にも優れている。
【0055】
旋回フレーム50の下面側において、リブ90の後部を構成する右被覆部90aおよび左被覆部90bは、旋回フレーム50をクローラ走行装置3に対して旋回させるためにクローラ走行装置3に設けられた図示せぬギヤと、前記旋回モータ35に設けられたピニオンギヤの周囲を覆うように形成されている。すなわち、該リブ90は、互いに噛合する一対のギヤ(ピニオンギヤおよびギヤ)を被覆する手段を兼ねている。このように構成することにより、リブ90は旋回フレーム50を補強する機能だけでなく、旋回フレーム50の旋回に係るギヤを保護する(周囲の障害物と該ギヤとが干渉したり、ギヤに異物等が噛み込む等して、ギヤに不具合が生じることを防止する)機能をも有することとなり、バックホー1の上部構造体の旋回に係る部位の信頼性が向上する。
【0056】
また、従来の掘削作業車においては、上部構造体の上面に高く突出したリブの上端部を、該上部構造体の上部を覆う天板等を取り付けるのに利用していたが、本実施例に係る旋回フレーム50の場合には、このような突出量の大きい(高い)リブが存在しない。したがって、本実施例に係る旋回フレーム50においては、また、該平板部51上には、複数のボス部51b・51b・・・が立設されており、前記エンジン29等のユニット体30の支持フレームを固定したり、リザーバタンクや燃料タンク等を載置固定したり、前記支持プレート22を固定したりするための支持脚とされている。このように構成することにより、旋回フレーム2の上面に突出量が大きい突出物を形成する必要がないので、旋回フレーム2を鋳造により作製するのが容易となる。
【0057】
ここで、旋回フレーム内部における、前記スイングシリンダ21基部の支持構造について以下に説明する。本実施例に係る旋回体2においては、図9および図10に示すように、該平板部51の右方側部の外周フレーム59下部に、前記スイングシリンダ21基部側(ボトム側)を枢支するための取付け部61が形成されている。該取付け部61は断面視略L字状に形成されて、下側上面61aと上側上面61bが設けられている。該下側上面61aの中央には上下方向に取付け孔66が穿設され、上側上面61bにはネジ孔が複数穿設されている。該下側上面61aと上側上面61bの高さの差はスイングシリンダ21の基部側の高さと略一致させ、取付け孔66の大きさは前記スイングシリンダ21の基部側に上下方向に開口した支持孔64と略同じ大きさとし、該支持孔64と取付け孔66に支持軸67を挿通して支持する構成とされている。
【0058】
該支持軸67の上部は、固定プレート62の一端に固定される。本実施例では貫通させて溶接固定しているが、限定するものではない。該固定プレート62の他側にはネジ孔が開口され、上側上面61bに開口したネジ孔と一致させて、ボルト63・63を挿入して螺装固定するようにしている。このように、支持軸67が前記旋回フレーム5の内部の平板部51の一部に固定されることで、該支持軸67に枢支される前記スイングシリンダ21の基部が、該支持軸67を回動中心として、左右方向に回動することができるのである。
【0059】
従来においては、該スイングシリンダ21の基部は、平板部51に断面視略コ字状に鋳型成形された取付け部にピン軸枢支されていた。かかる従来の取付け部のように、断面視略コ字状となるように旋回フレーム50を鋳型成形するには、該スイングシリンダ21の一側端部の介挿部に相当する場所に、入れ子部材を介挿させて旋回フレーム50が成形されていた。しかしながら、このような成形方法によると、前記入れ子部材の型破損等による欠損が生じ易く、鋳型の作製にコストを要する等の技術的な課題があった。そこで、本実施例おける前記取付け部61のように構成することで、下側上面61aの上方は開放された構成となるので、型は上下方向に容易に抜くことができて、入れ子部材等を用いることなく容易に平板部51に鋳型形成させることができるため、成形コストを低減させ、部材の欠損を防ぐことができる。
【0060】
また、図10(b)に示すように、前記取付け部61の上側上面61bに固定プレート62を嵌め込むための段部68を設けてもよい。すなわち、図10(a)に示すように、前記固定プレート62を上側上面61bの水平面でボルト63により締付け固定した状態で、スイングシリンダ21が大きな力を受けて回動された場合、固定プレート62が荷重に耐えられずに捩じれるまたは曲げられることがある。そこで、図10(b)に示すように、上側上面61bの段部68に固定プレート62を嵌め込み、ボルト63により締付け固定することで、固定プレート62と上側上面61bとの接触面積が増加し、相互に当たる面も増加して、耐荷重を増すことができ、支持軸67を安定して支持固定することができるのである。
【0061】
このように、旋回フレーム50に左右回動可能にブームブラケット14を取り付け、該ブームブラケット14と旋回フレーム50の間にスイングシリンダ21を介装し、該ブームブラケット14に取り付けられる掘削作業機6を左右回動可能とした掘削作業車1において、旋回フレーム50の内部側方にスイングシリンダ21基部を枢支する取付け部61を形成し、該取付け部61に、支持軸67を挿入支持する支持孔64と、該スイングシリンダ21基部と支持孔64に挿入する支持軸67を固定する固定プレート62の固定部である上側上面61bと、を形成したので、従来のように入れ子部材を用いる必要がなく、成形コストを低減させ、部材の欠損を防ぐことができる。また、該スイングシリンダに強い引力や斥力が作用された場合であっても、該固定プレートによって安定して該スイングシリンダを支持固定することができる。
【0062】
次に、旋回フレーム50の後部構造について以下に説明する。図3および図7に示すように、前記後部59bの左右中央の後面上部に、下方に凹む凹部70が形成されている。該凹部70には、該凹部70と略同形に形成されたプレート71が設置されている。図11および図12に示すように、該プレート71は、左右の両側辺が上方から下方にかけて内側に傾斜した正面視略台形状とされ、左右略中央が後方に(図12において上方)に湾曲されることで、前記後部59bの形状に沿うように形成されている。
【0063】
また、該プレート71の上下中央より下方には、該プレート71を固設するためのボルト挿通孔72が貫設されている。該プレート71の前面には、後述する載置プレート75に該プレート71を配設するための取付けプレート73が固設されている。該取付けプレート73には、前記ボルト挿通孔72と同軸芯上に取付け孔74が貫設されている。ボルト挿通孔72はプレート71を固定できるものであれば、その数及び位置は限定するものではない。
【0064】
そして、該プレート71は、載置プレート75に着脱可能に配設されている。このように、該プレート71を、前記載置プレート75に着脱可能に配設することで、載置プレート75に固設されるボンネットヒンジ80の取り外しと容易なものとすることができるのである。そのため、ボンネット4の取り外しを容易なものとし、メンテナンス性を向上させるのである。また、エンジン29からの騒音を低減することができる。さらに、前記プレート71は、前記ユニット体30を構成する載置プレート75に固設されるため、前記後部59bにプレート71を配置するための別部材を形成させる必要が無く、成形のコストを低減させることができる。
【0065】
なお、該プレート71は、前記ラジエータ34からの冷却風をボンネット4外に排出するための排風口42を具備するものであってもよい(図11における点線で示す如くである。)。前記後部59bに該ラジエータ34の排風手段として、該後部59bに排風口42が設けられることにより、旋回フレーム50の後部後方に配設されるラジエータ34からの排風を、該旋回フレーム50の外部に排出することができる。該ラジエータ34の配設位置を低くしても、該ラジエータ34の排風が妨げられることがない。なお、該排風口42は排風を通過させるのに十分な面積をするように構成させるものとする。
【0066】
一方で、該後部59bは、カウンタウェイトとして機能することから、成形厚さが厚く成形されている。そのため、該後部59bの前後方向を貫設するような排風口42等を鋳型成形するのは困難であり、またコストがかかる。そこで、本実施例に係る旋回体2のように、前記ラジエータ34の後方に予め凹部70を形成させ、該凹部70に別体で形成したプレート71を配置させることで、前記後部59bの後面上方において、該後部59bがカウンタウェイトとしてのボリュームを確保しつつ、前記ラジエータ34による排風面積をも確保することが可能となるのである。
【0067】
図13および図14に示すように、プレート71は、前記載置プレート75に着脱可能に配設されている。該載置プレート75には、前記平板部51と略水平となる長板状の設置部75aの上方に、前記ラジエータ34を配設可能となるように形成されている。該設置部75aの左右略中央には、該設置部75aの垂直方向に上方形成される取付け部75bが配設されている。該取付け部75bには、前記プレート71に配設された取付けプレート73と、後述するボンネットヒンジ80とがボルトによって固着されている。このように、該載置プレート75は、前記ラジエータ34を載設するするだけでなく、前記プレート71とボンネットヒンジ80とを固設し、旋回フレーム50の後方に配設する支持部材としての機能をも備えている。
【0068】
該載置プレート75の左右両端部において、該端部前面から前方に側面視略L字状となるように突出形成された連設部75c・75cが設けられている。該連設部75c・75cには、ラバーマウントもしくは防振具積層ゴム等を介して、前記エンジン29を左右両側から支持固定可能な支持フレーム77・77の後部上端部が固設されている。該支持フレーム77は上端部77aから、前方向に緩やかに傾斜するように形成されており、一側端部の下端部77bにはラバーマウントもしくは防振具積層ゴム等を介して、前記平板部51に該支持フレーム77を取り付ける固定板78が固設されている。そして、該固定板78および前記載置プレート75の左右両端部が旋回フレーム50内部のボス部51bに着脱可能に締結される。
【0069】
このように、該載置プレート75と支持フレーム77とによって、前記エンジン29・ラジエータ34等が一体となるように、前記ユニット体30が構成されているのである。該ユニット体30は、旋回フレーム50から容易に取り外すことができるため、前記エンジン29等のメンテナンスも容易におこなうことができる。また、該旋回体2の後部に配設される前記ラジエータ34の上下方向での固定位置を低くして、該旋回体2の上下方向をコンパクトにすることができる。このようなコンパクト化によって、地表面から前記ステップ23や運転席5の高さ等を低くすることができ、オペレータによる該掘削作業車の操行性を高めることができる。
【0070】
次に、ボンネット4の取付け構造および係止構造について以下に説明する。本実施例に係る旋回体2における、該ボンネット4の回動部材の取付け構造を図13乃至図15に示す。該ボンネット4は、平板状部材を組み合わせたボンネットヒンジ80を介して前記旋回フレーム50に前後回動可能に配設されている。該ボンネットヒンジ80は、該ボンネットヒンジ80の一端が、旋回フレーム50の後部上方であって左右略中央に配置される前記載置プレート75の取付け部75bに、着脱可能に締結されている。一方で、該ボンネット4側において、該ボンネットヒンジの一側他端が、該ボンネット4の後方下端部に固設されている。
【0071】
すなわち、該ボンネット4は、旋回体2の後方左右略中央に配設された前記ボンネットヒンジ80を回動支点として、前後方向に回動されるようにしている。このように該回動支点が後方左右略中央に配設される構成とすることで、該ボンネット4の回動角度を大きくすることができる。そのため、前記旋回フレーム50の後方において上方に突出するように配置される前記ユニット体30等の内部構成部材を、該ボンネット4によって妨げられることなくメンテナンス等することができる。
【0072】
また、該ボンネットヒンジ80は、前記取付け部75bに締結されるが、該取付け部75bは、旋回フレーム50内に設置されているため、砂塵や外部衝突等によって該ボンネットヒンジ80の回動性能の低下を防ぐことができる。また、該ボンネットヒンジ80を配設するための取付け位置は、略平面状であることが好ましく、後方に湾曲状に形成された旋回フレーム50の後端部の左右略中央部50dに直接取り付けることができない。そのため、該旋回フレーム50の後部上方に略平面状の該取付け部75cを配置することによって、該ボンネットヒンジ80を用いた回動支点を設けることができるのである。
【0073】
さらに、該取付け部75bには、前記プレート71が着脱可能に配設されているため、該プレート71を取り外した後、前記取付け部75bから該ボンネットヒンジ80の一側他端を脱離させることで、容易に前記ボンネット4を旋回フレーム50と別体として取り外すことができる。この場合において、該ボンネット4の下方端部にはボンネットヒンジ80が固着されているため、かかるヒンジ部材の欠損を防ぐことができる。また、本実施例に示すように、ボンネットヒンジ80のような簡易なヒンジ部材を用いることで、部品点数の減少による製作コストの低減を図ることができる。
【0074】
なお、本実施例に係る旋回体2においては、前記ラジエータ34の側方に配置された図示せぬスライド式の係止ストッパによって、該ボンネット4の後方回動位置が制御される。該係止ストッパによって、該ボンネット4が後方に回動される場合に、該ボンネット4自体の荷重によって、前記ボンネットヒンジ80が破損するのを防いでいる。
【0075】
一方、図16乃至図20に示すように、該旋回フレーム50の前方には、前記ボンネット4の係止手段たるロックピン83が、以下のように設けられている。まず、前記フロントコラム19の後方であって、旋回フレーム50の左右略中央となるように、ステッププレート81が前記支持プレート22に固設される。そのため、該ステッププレート81の外縁が、該支持プレート22やフロントコラム19等に沿うような形状とされている。また、前記旋回フレーム50の内部前方には前記旋回モータ36や油圧ポンプ39等が配置されているため、該ステッププレート81に前記左右略中央部81aを設け、該旋回モータや油圧ポンプ39等を上方から被覆して、オペレータの操作スペースを確保している。そして、旋回モータ36のメンテナンスを行う際には、該ステッププレート81のみを取り外せばよいため、該メンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0076】
そして、前記ステッププレート81は、左右略中央部81aが上方に凸状となるように平面視長形状に形成され、該ステッププレート81の後部左右両端には、前方に凹状となるように、支持スタンド82の取付け溝81b・81bが形成されている。該取付け溝81b・81bに支持スタンド82の下端が固設され、該支持スタンド82はパイプまたは鋼棒を正面視略コ字状に形成されて開口部を下方に向けて配設される。なお、該ステッププレート81は前記支持プレート22に配設されるため、該ステッププレート81の外縁が、該支持プレート22やフロントコラム19等に沿うような形状とされている。
【0077】
前記支持スタンド82は、上部の水平部82aと、該水平部82aの左右両端部から前下方向に広がるように形成されたスタンド部82b・82bとで構成されている。該スタンド部82b・82bの下方端部が、前記ステッププレート81の取付け溝81b・81bに固定されている。そして、該水平部82aの左右中心に、ロックピン83が前方向に突出して配設されている。該ロックピン83は、支持スタンド82と一体に形成しても、別体として取り付けてもよい。
【0078】
該ロックピン83は、前記ボンネット4の前部下方に設けられたロック機構84に係止可能とされている。図20(a)および図20(b)に示すように、該ロック機構84は、ボンネット4の前面の略中央近傍に配設されたレバー85により操作される。該レバー85は、前記ボンネット4の枢軸が前面から後面へと貫設され、該ボンネット4の内側面に固設された筒体86に挿嵌されている。該レバー85の枢軸先端部には、フック87が該レバー85と相対回転不能に固設されている。前記筒体86には、該フック87の回転量を規制するストッパプレート88が固設されている。該筒体86につるまきバネ89が挿嵌され、該つるまきバネ89は前記フック87に係止され、該フック87が該つるまきバネ89によりストッパプレート88側に回動するように付勢されているのである。
【0079】
前記フック87は、平板状に形成されて、前記ロックピン83が該フック87の正面視略コ字状に形成された先端部87aに係止されるように構成されている。前記ストッパプレート88は側面視略Z字状に形成されており、前後水平部88bから下方向(図20(b)において下)に突出形成される水平部88aは、前記ロックピン83と当接可能に形成されている。また、該ストッパプレート88の該前後水平部88bの略中央部が該フック87の中央部87bと当接可能に形成されている。
【0080】
そして、前記レバー85を、前記ロック機構84を解除する方向(図20(b)において反時計方向)に回動させると、前記フック87も同様の方向に回動される。つまり、前記ロックピン83の係止・解除が、かかるロック機構84におけるレバー85の操作のみによって可能となっているのである。なお、該フック87の後端部87cがストッパプレート88の前後水平部88bの上部平面に当接されることによって、該フック87の開放側への回動量が規制されるようにしている。
【0081】
上述のように、前記ロックピン83およびロック機構84を、ボンネット4の前方上下略中央に設けているため、該旋回体2が小型化することによって、該旋回体の上下高さが低く、また、前記旋回体2のボンネット4前方の操作スペースが狭くても、オペレータがレバー85を操作しやすい。そのため、該ボンネット4の開閉を容易に行うことができ、メンテナンス作業等を行う場合の労力を低減させることができる。
【0082】
なお、本実施例においては、該ボンネット4をレバー85によって開閉させたり、前記ボンネットヒンジ81を前記載置プレート75から離脱させてボンネット4を取り外したり、前記ステッププレート81を前記支持プレート22から取り外したりして、その目的に応じた該旋回体2の取り扱いによって、旋回体2の内部のメンテナンスを行うことができる。
【0083】
このように、旋回フレームの前部に左右回動可能に取り付けられるブームブラケットを介して掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、該旋回フレーム前部上方に施設されるステップ前部の左右中央にフロントコラムを配置し、該フロントコラム左右両側のステップおよび旋回フレームを前方に延設し、足載用の前端突出部を形成したので、旋回体の前後方向へのコンパクト化に際しても、該前端部が前方に突出するように形成されるため、該前端部のスペースを、内部レイアウトや操行スペースのために確保できる。
【0084】
また、前記前端突出部の前端位置を、旋回フレームに形成されたブームブラケット取付け部の前端よりも後方、かつ、フロントコラムの前端よりも前方に配置するので、該前端部の形成に際し、該前角部がかかる距離である限りにおいて、該旋回体の旋回性を損なうことなく、該旋回体前方における内部容量や操行スペースを確保することができる。
【0085】
また、前記左右の前端突出部の外側端部の前角部から旋回中心までの距離を、該旋回フレームの後端部の後角部から旋回中心までの距離と同一もしくは短くするので、旋回体のコンパクト化に際して、該旋回半径内において該旋回体の旋回性を損なわず、かかる該旋回フレームの内部容量を可能な範囲で広く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る掘削作業車の側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】同じく背面図。
【図4】同じく平面図。
【図5】旋回体の内部構成を示す平面図。
【図6】旋回を示す掘削作業車の平面図。
【図7】旋回フレームの斜視図。
【図8】旋回フレームの下方斜視図。
【図9】スイングシリンダの取付け部近傍の斜視図。
【図10】同じく取付け部のX―X矢視断面図。
【図11】プレートの後面図。
【図12】同じく平面図。
【図13】載置プレートへの部材の取付け状態を表す斜視図。
【図14】旋回体後部の斜視図。
【図15】ボンネット後方回動状態の旋回体の斜視図。
【図16】同じく前方回動状態の旋回体の斜視図
【図17】ロックピンの取付け部材の斜視図。
【図18】同じく後面図。
【図19】同じく平面図。
【図20】ロック機構の斜視図および正面図。
【符号の説明】
【0087】
2 旋回体
4 ボンネット
50 旋回フレーム
50a 前端部
51 平板部
52 取付け部
52a 基部
59 外周フレーム
60 カバー体
71 プレート
75 載置プレート
80 ボンネットヒンジ
83 ロックピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回可能に構成される旋回フレーム(50)の前部に掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、該旋回フレーム(50)を、平板部(51)と、該平板部(51)の外周部より立設される外周フレーム(59)により一体に形成し、該外周フレーム(59)の前部は低く後部は高く構成し、該外周フレーム(59)の前部から側部にカバー体(60)を着脱可能に配置したことを特徴とする掘削作業車。
【請求項2】
前記旋回フレーム(50)を構成する外周フレーム(59)の後部上方に、凹部(70)を形成し、該凹部(70)にプレート(71)を配置するとともに、該プレート(71)を、エンジン(30)を支持する支持部材である載置プレート(75)に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の掘削作業車。
【請求項3】
前記プレート(71)に、ラジエータ(34)からの冷却風を排風する排風口(42)を形成することを特徴とする請求項2記載の掘削作業車。
【請求項4】
前記支持部材である載置プレート(75)の左右中央にボンネット(4)を回動可能に支持するボンネットヒンジ(80)の一端を着脱可能に取り付けることを特徴とする請求項3記載の掘削作業車。
【請求項5】
前記旋回フレーム(50)の前部上方にステッププレート(81)をを固定し、該ステッププレート(81)の後部に、前記ボンネット(4)に設けたロック機構と係合するロックピン(83)を一体的に構成したことを特徴とする請求項4記載の掘削作業車。
【請求項1】
旋回可能に構成される旋回フレーム(50)の前部に掘削作業機を取り付けた掘削作業車において、該旋回フレーム(50)を、平板部(51)と、該平板部(51)の外周部より立設される外周フレーム(59)により一体に形成し、該外周フレーム(59)の前部は低く後部は高く構成し、該外周フレーム(59)の前部から側部にカバー体(60)を着脱可能に配置したことを特徴とする掘削作業車。
【請求項2】
前記旋回フレーム(50)を構成する外周フレーム(59)の後部上方に、凹部(70)を形成し、該凹部(70)にプレート(71)を配置するとともに、該プレート(71)を、エンジン(30)を支持する支持部材である載置プレート(75)に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の掘削作業車。
【請求項3】
前記プレート(71)に、ラジエータ(34)からの冷却風を排風する排風口(42)を形成することを特徴とする請求項2記載の掘削作業車。
【請求項4】
前記支持部材である載置プレート(75)の左右中央にボンネット(4)を回動可能に支持するボンネットヒンジ(80)の一端を着脱可能に取り付けることを特徴とする請求項3記載の掘削作業車。
【請求項5】
前記旋回フレーム(50)の前部上方にステッププレート(81)をを固定し、該ステッププレート(81)の後部に、前記ボンネット(4)に設けたロック機構と係合するロックピン(83)を一体的に構成したことを特徴とする請求項4記載の掘削作業車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−303714(P2008−303714A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243366(P2008−243366)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【分割の表示】特願2003−165128(P2003−165128)の分割
【原出願日】平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【分割の表示】特願2003−165128(P2003−165128)の分割
【原出願日】平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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