説明

接触鍼

【課題】
従来の皮膚に接触させて使用する鍼は、金属製や木製・プラスチック製などの硬質素材で形成されており、皮膚に対し押して使用するか圧をかけながら使用するか、皮膚を摩擦するような使用方法を取ってきた。また素材が硬質のため与える感覚は痛覚・触圧覚・冷覚であり、軽度の刺激のみを与えることは出来なかった。
【解決手段】
皮膚に接触する鍼先部分をシリコンゴムなどの軟性素材で形成し、痛覚・触圧覚・冷覚を感じさせることなく、皮膚に与える圧を30グラム以内に制限することで、軽度の触覚のみを興奮させることが出来、独特の身体反応を有効に発現させることが出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍼治療で使用する接触鍼と使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の皮膚に鍼を接触させ使用する鍼は金属製や木製・プラスチック製の硬質素材で出来ている。(例えば、特許文献1参照。)その使用方法は圧迫し触圧覚・痛覚を興奮させる方法を使う。
【0003】
【特許文献1】特開2001−286533号公報
【特許文献2】特開平7―88147号公報
【特許文献2】特開平11―76364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、現在までの皮膚に接触させて行う鍼治療は皮膚に圧をかける方法であるか刺入するための鍼を使用していたため、しばしば痛覚を与えてしまっていた。素材は金属製や木製・プラスチック製などの硬質素材で形成されている。そのため受ける刺激は痛覚・圧覚・冷覚が主である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は痛覚・圧覚・冷覚を興奮させずに触覚のみを興奮させるために、鍼の先端部分を、シリコンゴムなど軟性の素材で形成し、本鍼を通し皮膚に対して重さをかけた場合に10グラム以内に変形し、皮膚に対しての圧を分散することが出来なければならない。皮膚に接触する部分は痛覚を起こさせない形状である事が必要で鋭利であってはならない。
【発明の効果】
【0006】
本発明は軽い触覚・くすぐったい触覚を効果的に興奮させる事が出来るようにしたものであり、鍼治療に際し痛いという恐怖心を除去することが出来、心地よい感触を与えることが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
皮膚に接触する先端部分は、平面状か丸みを帯びさせる。先端の直径は0.2ミリメートル以上5ミリメートル以内で形成され、長さは10グラムの重さで変形出来る長さであればよい。形状は細い円錐形又は円柱か角柱・角錐で、これに柄を付けて操作し易いように形成する。
【実施例1】
【0008】
本鍼の使用方法は、先端を皮膚面に対し滑らせるように移動させ、その際に0.5グラムから30グラム以内の重さをかける。これにより軽い触覚を認識し人体は反応を起こす。
【実施例2】
【0009】
使用例としては、本鍼を臀部から腰・背部にかけて皮膚に接触させるように滑らせ刺激を与えると心拍数は減少し、皮膚温は上昇する。痛覚がないために副交感神経の機能を優位にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】先端を平面に形成した鍼先の一例の側面平面図
【図2】先端に丸みを帯びさせて形成した鍼先の一例の側面平面図
【図3】先端部分に柄を取り付け形成した場合の一例の側面平面図
【図4】鍼先を皮膚に接しさせ使用する場合の鍼先の状態を示した図
【符号の説明】
【0011】
a 皮膚に接触する先端部分
b 柄の部分
c 皮膚に接触し0.5グラム程度の重さをかけた時の鍼先の状態
d 皮膚に20グラムから30グラムの重さをかけ変形し皮膚への圧を逃がした時の 鍼先の状態
e 皮膚にかける重さの方向
f 鍼先が変形する場合の皮膚にかける重さの方向
g 鍼を皮膚上で移動させる方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンゴムなどの軟性素材で形成し、10グラムの重さで変形し圧を吸収する鍼先・鍼体を有し、それに柄を付け扱いやすくした鍼治療用の鍼。
【請求項2】
軟性素材で形成した鍼先・鍼体を有する鍼を、0.5グラムから30グラムまでの重さの圧で、皮膚上を滑らせるように移動させ触覚のみを興奮させ、人体に効果的反応を導き出す使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−272319(P2008−272319A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121735(P2007−121735)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(302009110)有限会社一二三館 (2)
【Fターム(参考)】