揺動ベッド
【課題】ベッド状態では座席を揺動可能とし、椅子状態では座席の揺動を自動的に規制することができる揺動ベッドを提供する。
【解決手段】揺動ベッド10の揺動ロック機構51は、座部11に設けられて背もたれ部21のリクライニング角度に応じて変位するロック部材53と、ベース部31に形成されてロック部材53を受け入れる係合部57とを有し、ベッド状態でロック部材53を係合部57から離脱させて座部11の揺動を許容し、椅子状態でロック部材53を係合部57に係合させて座部11の揺動を規制するよう構成される。
【解決手段】揺動ベッド10の揺動ロック機構51は、座部11に設けられて背もたれ部21のリクライニング角度に応じて変位するロック部材53と、ベース部31に形成されてロック部材53を受け入れる係合部57とを有し、ベッド状態でロック部材53を係合部57から離脱させて座部11の揺動を許容し、椅子状態でロック部材53を係合部57に係合させて座部11の揺動を規制するよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背もたれ部を倒すことにより揺動可能なベッドの形態となるだけでなく、背もたれ部を起こして椅子の形態にもなる、乳幼児用の揺動ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
揺動ベッドとしては従来、さまざま形態のものが知られている。例えば、特開2006−198186号公報(特許文献1)に記載の揺動椅子は、座部および背もたれ部を有し、背もたれ部は椅子の状態からベッドの状態になるまで後傾可能である。また、座部および背もたれ部からなる座席本体が、座席支持部材に揺動可能に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−198186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のような揺動椅子にあっては、更に改善すべき点があることを本発明者は見出した。つまり、ベッド状態では乳幼児の安眠を誘導するために座席本体を好適な周期で揺動させるのがよい。その一方で、椅子状態でも揺動可能とすれば、座席本体に着座する乳幼児の上半身が不用意に揺れてしまう。このため、乳幼児の世話に支障をきたしたり、乳幼児が姿勢のバランスをくずしたりしないよう、椅子状態では座席本体の揺動を規制するのが望ましい。
【0005】
従来の揺動椅子にあっては、座席本体の揺動を許容ないし規制する周知の揺動ロック機構を備えているものの、揺動ロック機構の操作は乳幼児の保護者に委ねられていた。このため、保護者が意識して揺動ロック機構を操作し、座席本体の揺動を規制しない限り、椅子状態であっても座席本体が揺動してしまう。
【0006】
本発明は、上述の実情に鑑み、保護者が意識して揺動ロック機構を操作する必要をなくし、ベッド状態では座席を揺動可能とし、椅子状態では座席の揺動を規制することができる揺動ベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため本発明による揺動ベッドは、座部と、座部に連結され椅子状態からベッド状態までリクライニング角度を調整可能な背もたれ部と、座部を揺動可能に支持するベース部と、座部の揺動を許容ないし規制する揺動ロック機構とを備える。そして揺動ロック機構は、座部に設けられて背もたれ部のリクライニング角度に応じて変位するロック部材と、ベース部に形成されてロック部材を受け入れる係合部とを有し、ベッド状態でロック部材を係合部から離脱させて座部の揺動を許容し、椅子状態でロック部材を係合部に係合させて座部の揺動を規制するよう構成される。
【0008】
かかる本発明によれば、揺動ロック機構が背もたれ部のリクライニング角度に応じて変位するロック部材を有し、ベッド状態でロック部材を係合部から離脱させて座部の揺動を許容し、椅子状態でロック部材を係合部に係合させて座部の揺動を規制するよう構成されることから、背もたれ部のリクライニング角度に連動してロック部材を自動的に変位させることができる。したがって乳幼児の保護者がロック部材をわざわざ操作しなくも、ベッド状態で座部の揺動を許容し、椅子状態で揺動を規制することができる。係合部の形状は特に限定されず、例えば、ロック部材を受け入れる凹部または孔である。
【0009】
なおベッド状態とは座部および背もたれ部の双方が水平にされる状態のみに限定されない。例えば背もたれ部が150度から180度まで後傾されるものであってもベッド状態に含まれると理解されたい。また座部は通常において水平であるが、乳幼児が深く腰掛け易いよう座部の前部が後部よりも高い位置にされる場合もある。したがって例えば座部が0度から30度まで後傾されるものであってもベッド状態に含まれると理解されたい。またリクライニング式の揺動ベッドにあっては、リクライニング角度を段階的あるいは無段階に調整可能とするため、ベッド状態を所定のリクライニング角度よりも大きく規定し、椅子状態を所定のリクライニング角度よりも小さく規定してもよい。
【0010】
1実施形態として、ロック部材は背もたれ部の背後に配設され、背もたれ部がベッド状態まで後傾されるとロック部材が背もたれ部に当接して揺動を許容する非ロック位置にされ、背もたれ部が椅子状態まで引き起こされるとロック部材が背もたれ部から離れて揺動を規制するロック位置に復帰する。他の実施形態としてロック部材と背もたれ部の間にリンク機構や歯車機構が介在し、背もたれ部のリクライニング角度をロック部材に伝達してロック部材の位置を変化させる。例えば揺動ロック機構は、リクライニング角度に連動して回動するカムをさらに有し、ロック部材はカムと変位可能に摺接する。かかる実施形態によれば、カムの回転角度に応じてロック部材を変位させることができる。揺動ロック機構のカムは、一部において楕円形状に膨らんだ輪郭を有し、残りの部分において真円形状の輪郭を有する円板であり、背もたれ部のリクライニング角度が伝達される。他の実施形態として、揺動ロック機構のカムは、背もたれ部の軸を中心とする円弧形状の輪郭と、かかる円弧形状の輪郭よりも径方向内側に窪んだ輪郭あるいは円弧形状の輪郭よりも径方向外側に膨らんだ輪郭を有する。そしてカムの真円形状部分あるいは円弧形状部分が椅子状態に対応し、カムの膨らみ部分あるいは窪み部分がベッド状態に対応する。
【0011】
本発明の揺動ロック機構は大きさおよび配置箇所について特に限定されない。揺動ロック機構は揺動ベッドの前方部、後方部、あるいは前後方向中央部に設けられてもよいし、揺動ベッドの幅方向一方縁、幅方向他方縁、あるいは幅方向中央部に設けられてもよい。
【0012】
1実施形態として揺動ロック機構は、背もたれ部のリクライニング角度に応じて回動するギヤ歯と、このギヤ歯の回動をカムに伝達する中間歯車とを有する。あるいは好ましい実施形態として、背もたれ部は、幅方向に延びる軸を介して座部に連結されて、この軸回りにリクライニング角度を調整され、カムは、この軸と同軸となるよう背もたれ部に設けられる。かかる実施形態によれば、カムが背もたれ部と一体に回動し、カムが背もたれ部のリクライニング角度と同じ角度で回動する。したがって、リクライニング角度に応じて揺動ロック機構を動作させることができる。また座部と背もたれ部との連結軸は揺動ベッドの前後方向中央部に位置することから、揺動ベッドの前後方向中央部にロック機構を設けることができる。したがって、前後方向中央部において座部を安定してロックすることができるとともに、保護者が誤ってロック機構に触れる虞を減少させることができる。
【0013】
揺動ロック機構の1実施形態としてカムを小さく形成してロック部材を背もたれ部の軸の近傍に配置してもよいし、他の実施形態としてカムを大きく形成してロック部材を背もたれ部の軸から離れて配置してもよい。また1実施形態として揺動ロック機構を幅方向中央に設けてもよいが、好ましい実施形態として揺動ロック機構を幅方向一方端ないし両方端に設けるとよい。かかる実施形態によれば、揺動ロック機構が幅方向中央領域から離れて配置されることから、背もたれ部の軸の幅方向中央領域をすっきりとさせることができ、レイアウト上有利である。
【0014】
カムはロック部材と当接することから、座部に座り背もたれ部にもたれる乳幼児がロック部材に触れることがないように、揺動ロック機構を乳幼児から離すことが好ましい。かかる1実施形態として背もたれ部は、幅方向中央領域に形成される背もたれ面と、幅方向両側にそれぞれ形成されて背もたれ面から立ち上がる背もたれ側壁とを有し、カムは、背もたれ側壁の幅方向外側に配置される。かかる実施形態によれば、カムが背もたれ側壁の幅方向外側に配置されることから、カムを揺動ベッドに着座する乳幼児から隠すことができ、安全上有利である。背もたれ側壁の幅方向外側に配置されるカムは、背もたれ側壁と別部材であってもよいし、背もたれ側壁に一体形成されてもよい。
【0015】
ロック部材はカムと当接することから、揺動ロック機構を外部に露出しないよう配置することが好ましい。1実施形態として、揺動ロック機構を覆うカバーを設ける。好ましい実施形態として座部は、幅方向中央領域に形成される座面と、幅方向両側にそれぞれ形成されて座面から立ち上がる座席側壁とを有し、背もたれ側壁は、座席側壁よりも幅方向内側に配置され、カムは、背もたれ側壁の幅方向外側面に設けられて前記座席側壁に覆われる。かかる実施形態によれば、カムとロック部材の当接箇所が背もたれ部側壁と座席側壁との間に配置され、揺動ロック機構を外部に露出しないよう隠すことができる。したがって、指詰めなどの危険を防止することができる。
【0016】
より好ましい実施形態として、ベース部は幅方向外側空間と幅方向内側空間とを仕切る仕切壁を有し、揺動ロック機構の係合部は仕切壁の幅方向内側壁面に形成され、揺動ロック機構のロック部材は仕切壁よりも幅方向内側に配置されるとよい。かかる実施形態によれば、ロック部材と係合部の係合箇所が外部に露出しないようロック部材をベース部の幅方向内側に隠すことができ、安全上有利である。
【0017】
ベース部は様々な方法で座部を揺動可能に支持することができる。1実施形態として座部はロッドを介してベース部に吊り下げられ、ロッドの上端がベース部と連結し、ロッドの下端が座部と連結し、ロッドの下端がロッドの上端に対して前後方向に揺動する。他の実施形態として、ベース部には前後方向に水平に延びるレールを設け、座部にはこのレールに案内される案内部材を設け、案内部材がレールに沿って前後方向に往復する。またベース部には、所定の周期で座部に前後方向の推力を与える動力部を設ける。
【0018】
好ましい実施形態として、ベース部および座部のいずれか一方は幅方向両側で前後方向に延びる1対の湾曲した軌道面を有し、ベース部および座部の残る他方は軌道面に沿って転動する転動体を有し、転動体が軌道面上を往復することにより座部はベース部に対して揺動する。かかる実施形態によれば、吊り下げのためのロッドが不要となって座部およびベース部の上下方向寸法を小さくすることができる。そして座部に推力を与えなければ転動体は軌道面の前後方向中央に自然に復帰して、ロック部材と係合部を前後方向同位置にすることができる。したがって、ロック部材を上方へ押し上げるだけで係合部に容易に係合させることができる。
【0019】
軌道面は例えば座部に下向きに設けられ、前後方向中央が最も高く、前端および後端に向かうにつれて徐々に低くなるよう湾曲した曲面にされる。これに対して転動体はベース部に回転自在に設けられる。そして転動体の上縁に軌道面が乗せられ、転動体が回転しながら軌道面を前後方向に往復させる。あるいは、軌道面と転動体の位置関係を上下逆にして軌道面をベース部に設け、転動体を座部に設け、転動体が軌道面上を往復走行するようにしてもよい。
【0020】
かかる実施形態において、1本の軌道面につき1個の転動体が転動する。そして、このように対をなす軌道面および転動体が、少なくとも揺動ベッドの前後左右にそれぞれ配設される。座部および乳幼児の重心が、揺動ベッドの前後左右の配置された転動体の中央部に位置し、座部および乳幼児を安定して支持する。揺動ロック機構の位置は特に限定されず、前方の転動体の前側であってもよいし、後方の転動体の後側であってもよいが、好ましくは、前方の転動体と後方の転動体との間に配置される。これにより、座部および乳幼児の重心の近傍に揺動ロック機構を配置して、座部を安定してロックすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の揺動ベッドによると、保護者が背もたれ部を引き起こして椅子状態にすれば座部は揺動しないように自動的にロックされ、保護者が背もたれ部を後傾させてベッド状態にすれば座部は自動的に揺動可能にされる。したがって、保護者が意識してロック機構を操作しなくても、椅子状態で座部は自動的に揺動不能にされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例になる揺動ベッドを示す斜視図である。
【図2】揺動ロック機構の基本構成を模式的に示す側面図である。
【図3】揺動ロック機構の基本構成を模式的に示す側面図である。
【図4】ベッド状態の揺動ベッドを示す側面図である。
【図5】転動体および軌道面を拡大して示す横断面図である。
【図6】ベッド状態の揺動ベッドを示す縦断面図である。
【図7】揺動ロックが解除された揺動ロック機構を拡大して示す横断面図である。
【図8】椅子状態の揺動ベッドを示す縦断面図である。
【図9】ロック状態の揺動ロック機構を拡大して示す横断面図である。
【図10】揺動ロック機構のカムおよびロック部材を取り出して示す斜視図である。
【図11】座部に取り付けられたロック部材を示す斜視図である。
【図12】座部に取り付けられたロック部材を示す斜視図である。
【図13】ロック部材の取り付け方法を説明するための斜視図である。
【図14】図11から座部の座面および外側壁を取り除いた斜視図であって、カムとロック部材と凹部との位置関係を表す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例になる揺動ベッドを示す斜視図であって、背もたれ部を前方へ引き起こした椅子状態を表す。図2は揺動ロック機構の基本構成を模式的に示す側面図であって、ベッド状態を表す。図3は揺動ロック機構の基本構成を模式的に示す側面図であって、椅子状態を表す。図4は、幅方向外側からみた同実施例を示す側面図であって、背もたれ部を後傾させたベッド状態を表す。揺動ベッド10は、乳幼児の下半身を支持する座部11と、乳幼児の上半身を支持する背もたれ部21と、座部11を支持するベース部31と、ベース部31を支持する脚部41とを有する。
【0025】
座部11は、ほぼ水平な上向きの座面12を有し、座面12で乳幼児の下半身を下方から支持する。また座部11は、座面12の幅方向両側からそれぞれ立ち上がる座席側壁13,13を有する。座席側壁13は乳幼児を座面12の上に保持する。座部11の前部には下方に垂下する形状の足載せ部66を取り付けることができる。足載せ部66の下端に形成された足載せ面66sは、年齢とともに成長した身長の大きな幼児の足部を支持する。また足載せ部66は、その上端が幅方向に延びる軸66aを介して座部11の前端に回動可能に連結する。したがって足載せ部66は、幅方向に延びる軸66aを中心として座面12と略同じ高さ位置まで回動可能であり、ベッド状態において身長の大きな幼児の下腿部を支持する。
【0026】
背もたれ部21は、座部11の後部に軸24を介して連結され、座部11の後部から後方ないし上方に立ち上がる。背もたれ部21は、上向きないし前向きの背もたれ面22と、背もたれ面22の幅方向両側に設けられて、背もたれ面22から立ち上がる、背もたれ側壁23,23を有する。背もたれ面22は乳幼児の背中を支持する。背もたれ側壁23は乳幼児を背もたれ面22の上に保持する。また背もたれ部21は、乳幼児の肩部を拘束する1対の肩ベルト25を備える。なお図には示さなったが、背もたれ部21は、軸24から離れた方の前後方向端に、背もたれ面22から立ち上がって乳幼児の頭部を保護するヘッドガードを有してもよい。座部11および背もたれ部21は、乳幼児を収容する座席を構成する。明細書において、幅方向とは座部11および背もたれ部21に着座した乳幼児からみて左右方向をいい、前後方向とはこの乳幼児からみて足部から頭部までの水平方向をいい、上下方向とはこの乳幼児からみて足部から頭部までの垂直方向をいう。
【0027】
軸24は、幅方向両側にそれぞれ設けられ、幅方向一方側の背もたれ側壁23および座席側壁13を連結するとともに、幅方向他方側の背もたれ側壁23および座席側壁13を連結し、幅方向に延びる共通な軸線を構成する。図6は揺動ベッド10の幅方向内側から幅方向外側をみた様子を一部断面にして示す断面図であり、背もたれ側壁23は座席側壁13よりも幅方向内側に配置される。
【0028】
背もたれ部21は軸24回りに回動することにより、そのリクライニング角度を調整可能である。本実施例では、リクライニング角度を段階的に調整可能であって、図4に示すように座部11に対する背もたれ部21のリクライニング角度を約170°に保持することにより、揺動ベッド10をベッド状態にすることができる。また背もたれ部21のリクライニング角度を90°〜140°のいずれかの値に保持することにより、揺動ベッド10を椅子状態にすることができる。
【0029】
リクライニング角度の保持は周知のリクライニング角度保持機構により行う。リクライニング角度保持機構は例えば、軸24を中心として座部11の幅方向一方側および他方側に周方向所定間隔に形成された複数の孔62,62,62・・・と、背もたれ部21の幅方向一方側および他方側にそれぞれ取り付けられていずれかの孔62に選択的に差し込まれる一対のロッド63からなる。ベッド状態では図4に示すように、ロッド63が最も下方に形成された孔62に差し込まれる。なお孔62はカバーに覆われて、幅方向外側へ露出するものではないが、リクライニング角度保持機構の理解を容易にするため図4では孔62および軸24を幅方向外側から覆うカバーを取り除いて表す。
【0030】
揺動ベッド10はベッド状態で乳幼児が横たわるための場所を提供する。横たわるためのリクライニング角度は180°に限定されるものではなく、背もたれ部21は前方へ若干引き起こされていてもよい。本実施例の揺動ベッド10ではベッド状態で背もたれ部21のリクライニング角度が170°にされる。この他、本発明でいうベッド状態とは、リクライニング角度が150°以上180°以下の範囲に含まれると理解されたい。また本発明でいう椅子状態とは、リクライニング角度が90°以上150°未満の範囲に含まれると理解されたい。揺動ベッド10は、椅子状態で、乳幼児が座るための椅子の形態に変化する。
【0031】
座部11とベース部31との間には、座部11を前後方向に揺動させるための揺動機構が設けられる。揺動機構は図4の側面図に示すように、座部11の下部に回転自在に取り付けられた車輪状の転動体14と、ベース部31の内部に形成されて前後方向に延びる上向きの軌道面34と、1対のベース部31間に設けられて座部11に前後方向の推力を与える図示しない動力部とを備える。動力部は永久磁石と電磁石とを有し、これらの磁石間の反発力により、前後方向の推力を生み出す。一方のベース部31の幅方向外側には、乳幼児の保護者によって操作される操作スイッチを備え動力部を制御する操作部37が設けられる。なお転動体14は座部11の内部に収容されて、幅方向外側へ露出するものではないが、揺動機構の理解を容易にするため図4では転動体14を幅方向外側から覆う壁を取り除いて表す。また軌道面34もベース部31の内部に形成されて、幅方向外側へ露出するものではないが、揺動機構の理解を容易にするため図4では軌道面34を幅方向外側から覆う壁を取り除いて表す。
【0032】
軌道面34はベース部31の前部および後部にそれぞれ形成される。軌道面34は上向きの面であって前後方向に延びるレールであり、転動体14を下から支持する。転動体14は座部11の前部および後部にそれぞれ取り付けられて、各軌道面34にそれぞれ支持される。
【0033】
図5は転動体および軌道面を拡大して示す横断面図であって、前後方向にみた状態を表す。ベース部31は前後方向に延びる箱体であって、幅方向一方側と幅方向他方側に対称に設けられる。ベース部31の幅方向内側には連結部65が形成される。連結部65は前部および後部にそれぞれ形成され、幅方向に延びる横材64の端部が差し込み固定される。これにより1対のベース部31は前後2本の横材64で連結される。ベース部31の前部および後部には脚部41の上端がそれぞれ連結される。
【0034】
ベース部31は座部11を下方から支持する。転動体14は、座部11の前後両側および幅方向両側にそれぞれ設けられ、合計4個取り付けられる。また軌道面34も各転動体14に対応するよう、ベース部31の前部および後部に設けられ、合計4個形成される。
【0035】
転動体14には幅方向に延びる軸15が結合し、軸15の両端が転動体14から略均等の長さで突出する。転動体14は、座部11の幅方向外側端部から垂下する外側壁17よりも幅方向外側に配置される。軸15の幅方向外側端は座部11の幅方向外側端部に形成された孔15hに差し込まれ、回転自在に取り付けられる。軸15の幅方向内側端は、外側壁17の下縁から上向きに延びる縦長の切欠き17cに差し込まれ、回転自在に保持される。
【0036】
転動体14は、揺動ベッド10の幅方向に延びる軸15を介して、座部11の下部に取り付けられる。転動体14が軌道面34の上を転動することにより、座部11はベース部31の上で前後方向に揺動する。また座部11および背もたれ部21はこれら4個の転動体14によって、ベース部31の上で安定して支持される。
【0037】
軌道面34の幅方向両側には軌道面よりも上方へ突出した段差である鍔部35が形成される。これにより軌道面34および鍔部35,35は、凹字状のごとき下方に窪んだ断面形状にされ、転動体14は軌道面34から逸脱することなく軌道面34上を転動する。また図に示さなかったが、座部11およびベース部31には、座部11が過度に揺動することを防止するストッパ手段が設けられている。したがって転動体14は軌道面34を超えて前後方向に飛び出すことを防止される。
【0038】
上向きの軌道面34は、前後方向中央が最も低く前後方向両端が最も高い円弧形状に形成され、緩やかに湾曲する。4個の転動体14は、それぞれの軌道面34の前後方向中央に同時に位置するよう配置される。そして、4個の転動体14が前後方向および上下方向に同じ動きをするよう、4箇所の軌道面34は配置される。具体的には、4個の転動体14はすべて同じ直径とされ、4箇所の軌道面34はすべて同じ曲率を有する。
【0039】
座部11に前後方向の推力を与えると、複数の転動体14が同じ動きでそれぞれの軌道面34の上を同時に移動する。座部11に前後方向の推力を与えない場合、複数の転動体14は軌道面34の前後方向中央で自然に停止する。このときの座部の前後方向位置を以下、自然停止位置という。また座部11に前向きの推力を一瞬与えると、転動体14は軌道面34の前後方向中央から前進して軌道面34の前端部まで転動し、その後は自然に後退し、前後方向中央を通り過ぎて軌道面34の後端部まで後退し、再び軌道面34の前後方向中央に向かって前進する。このようにして動力部が所定周期の推力を座部11に与えることで、座部11は前後方向に揺動するのである。また動力部が推力を与えないと、座部11は前後方向に延びる揺動領域の中央である自然停止位置に戻る。
【0040】
次に本実施例の揺動ロック機構について説明する。図6は、ベッド状態の揺動ベッドを示す縦断面図であり、幅方向内側から外側をみた状態を示す。図7は、揺動ロックが解除された揺動ロック機構を前後方向からみた状態を示す横断面図であって、幅方向中心Cから幅方向外側縁までを表し、図6のベッド状態に対応する。図8は椅子状態の揺動ベッドの概略構成を示す縦断面図であり、幅方向内側から外側をみた状態を示す。図9は揺動がロックされた揺動ロック機構を前後方向からみた状態を拡大して示す横断面図であって、幅方向中心Cから幅方向外側縁までを表し、図8の椅子状態に対応する。まず揺動ロック機構の概略構成および作用について説明する。
【0041】
図2および図3を参照して、揺動ロック機構の基本構成につき説明する。揺動ロック機構51は、座部11に変位可能に取り付けられるロック部材53と、ベース部31に形成されてロック部材53を受け入れる凹部57と、ロック部材53を凹部57へ付勢する螺旋状のばね58とを有する。背もたれ部21は、そのリクライニング角度に応じてロック部材53を動作させる。
【0042】
凹部57は、上向きに窪んだ形状であり、上下方向に変位するロック部材53を受け入れることによりロック部材53と係合する。これにより、ロック部材53を含む座部11は、前後方向の移動が規制される。
【0043】
図2に示すようにベッド状態では、背もたれ部21がばね58の付勢力に抗してロック部材53をフリー位置Fまで押し下げ、ロック部材53を凹部57から離脱させる。これにより太い矢印で示すように座部11の揺動が許容される。
【0044】
図3に示すように椅子状態では、ばね58がロック部材53をロック位置Lまで押し上げ、ロック部材53を凹部57に係合させる。これにより座部11の揺動が規制される。
【0045】
なお背もたれ部21は、図2に示す椅子状態でロック部材53に直接当接してロック部材53を下方に押し下げ、図3に示す椅子状態でロック部材53から離隔するが、これは1実施例にすぎない。背もたれ部21のリクライニング角度に応じて変位するロック部材は以下に説明する他の構成によっても実現可能であり、ロック部材が背もたれ部21側の部材と常時摺接するものであってもよい。
【0046】
次に図6以降を参照して、揺動ロック機構の各部の構造について詳細に説明する。図6および図8に示すように、揺動ロック機構51は背もたれ部21に設けられたカム52をさらに有する。本実施例のカム52は背もたれ側壁23の幅方向外側面に形成される。あるいは図示しない変形例として、カム52は背もたれ部21の幅方向中央部に設けられてもよい。
【0047】
カム52は軸24を中心として背もたれ部21と一体に回動し、軸24を中心とする半径方向外向きの円弧面52rと、この円弧面に形成されて半径方向外向きに突出する突起部52tからなる。幅方向外側からみて、カム52はベッド状態および椅子状態のすべてにおいて座席側壁13に覆われており、外部に露出しない。また座席側壁13は、カム52より大きな立ち上がり寸法および前後寸法を有し、すべてのリクライニング角度においてカム52を常時覆う。揺動ロック機構51は揺動ベッド10の幅方向両側にそれぞれ設けられる。
図10は、カム52に当接するロック部材53の様子を取り出して示す斜視図である。ロック部材53はカム52によって動作する。ロック部材53は、本体部54と、本体部54から揺動ベッド10の幅方向外側へ突出する係合部55と、本体部54から上方へ突出する突出部56とを有する可動部品であり、カム52よりも下方に配置される。本体部は座部11の下部に取り付けられる(図7)。突出部56は、座部11に形成された孔16(図7)を貫通し、その先端がカム52に当接する。
【0048】
図11は座部に取り付けられたロック部材を示す斜視図であって、揺動ベッドの幅方向内側からみた状態を示す。図12は座部に取り付けられたロック部材を示す斜視図であって、揺動ベッドの幅方向外側からみた状態を示す。
【0049】
ロック部材53の本体部54は、座部11の幅方向外側端部から垂下する外側壁17よりも幅方向内側に配置される。ロック部材53の係合部55は、揺動ベッド10の幅方向外側からみて上下方向に長く前後方向に短い直方体形状である。そして係合部55は、座部11の外側壁17に形成された長孔18を貫通し、幅方向外側へ突出する。上下方向に長く延びる長孔18は、係合部55の上下方向寸法よりも長いことから、係合部55を含むロック部材53は長孔18に沿って上下方向に案内される。
【0050】
図13はロック部材の取り付け方法を説明するための斜視図であって、揺動ベッドの下側からみた状態を示す。ロック部材53の本体部54は、外側壁17の幅方向内側壁面と向き合う矩形の本体壁54mと、本体壁54mの上側縁から立ち上がる上側壁54uと、本体壁54mの前側縁から立ち上がって上側壁54uと接続する前側壁54fと、本体壁54mの後側縁から立ち上がって上側壁54uと接続する後側壁54tを有し、これら前側壁54f、上側壁54u、および後側壁54tがコの字形状の連続壁を構成する。本体壁54mには係合部55が形成される。上側壁54uには突出部56および通し孔54hが形成される。通し孔54hには下方から上方へ段付タッピンねじ59の軸部59aが通され、軸部59aの先端部が、座部11に形成されたねじ穴19に上向きに挿入固定される。
【0051】
また段付タッピンねじ59の軸部59aはばね58を貫通する。ばね58の外径は通し孔54hの内径よりも大きいため、ばね58の上端58uは上側壁54uの下面54udに係止される。またばね58の外径は段付タッピンねじ59の頭部59nの外径よりも小さいため、ばね58の下端58dは頭部59nに係止される。これによりばね58は、座部11側の部材である段付タッピンねじ59の頭部59nと、ロック部材53の上側壁54uとの間に上下方向に縮設される。そしてばね58はロック部材53を上方へ付勢する。
【0052】
ばね58の付勢力によって、ロック部材53の突出部56はカム52に常時当接し、カム52の回動中は、突出部56の先端が円弧面52r(図8)あるいは突起部52t(図6)に摺接する。
【0053】
図14は、図11から座部の座面および外側壁を取り除いた斜視図であって、カム52とロック部材53と凹部57との位置関係を表す。図7および図9も参照して、ベース31は、座部11の外側壁17よりも幅方向外側に配置されて外側壁17と対向し、前後方向および上下方向に広がる仕切壁33を有する。仕切壁33は幅方向外側空間と幅方向内側空間を仕切り、仕切壁33の幅方向内側壁面には、前後方向に延びて係合部55を受け入れる窪み36と、窪み36の上縁を構成して係合部55よりも上方で前後方向に延びる下向きの曲面32を有する。曲面32は、その前後方向中央が前方端および後方端よりも下方へ膨らむよう形成され、曲面32の曲率は軌道面34の曲率と等しい。曲面32の前後方向中央には、上向きに窪んだ凹部57が形成される。転動体14が軌道面34の前後方向中央で自然に停止して座部11が自然停止位置にあるときに、前後方向同位置で凹部57は係合部55と向き合う。
【0054】
ベッド状態において、カム52はロック部材53を押し下げ、ロック部材53の係合部55が凹部57から離脱することにより、揺動ロック機構51は解除される。これにより座部11は揺動を許容される。座部11の前後方向の揺動中、係合部55は曲面32よりも下方で前後方向に往復する。
【0055】
椅子状態において、座部11は自然停止位置に復帰し、前後方向同位置でロック部材53の係合部55はベース部31の凹部57と向き合う。そしてロック部材53はばね58によって上方へ付勢され、係合部55の上端が凹部57に係合することにより、揺動ロック機構51は座部11の揺動をロックする。
【0056】
ところで本実施例の揺動ベッド10によれば、座部11と、座部11に連結され椅子状態からベッド状態までリクライニング角度を調整可能な背もたれ部21と、座部11を揺動可能に支持するベース部31と、座部11の揺動を許容ないし規制する揺動ロック機構51とを備える。そして揺動ロック機構51は、座部11に設けられて背もたれ部21のリクライニング角度に応じて変位するロック部材53と、ベース部31に形成されてロック部材53を受け入れる凹部57とを有し、ベッド状態でロック部材53を凹部57から離脱させて座部11の揺動を許容し、椅子状態でロック部材53を凹部57に係合させて座部11の揺動を規制するよう構成される。
【0057】
これにより、保護者が背もたれ部21を引き起こして椅子状態(図3、図8、図9)にすれば座部11は揺動しないように自動的にロックされる。これに対し、保護者が背もたれ部21を後傾させてベッド状態(図2、図6、図7)にすれば座部11は自動的に揺動可能にされる。したがって、保護者が意識して揺動ロック機構を操作しなくても、椅子状態で座部11は自動的に揺動不能にされる。
【0058】
また本実施例によれば、揺動ロック機構51は、リクライニング角度に連動して回動するカム52をさらに有し、ロック部材53はカム52と変位可能に摺接する。これにより、カム52の回転角度に応じてロック部材53を変位させることができる。
【0059】
また本実施例によれば、背もたれ部21は、幅方向に延びる軸24を介して座部11に連結されて、軸24回りにリクライニング角度を調整され、カム52は、軸24と同軸となるよう背もたれ部21に設けられる。これにより、カム52が背もたれ部21と一体に回動し、リクライニング角度に応じて揺動ロック機構51を動作させることができる。
【0060】
また本実施例によれば、背もたれ部21は、幅方向中央領域に形成される背もたれ面22と、幅方向両側にそれぞれ形成されて背もたれ面22から立ち上がる背もたれ側壁23とを有する。そして図10に示すようにカム52は背もたれ側壁23の幅方向外側に配置される。これにより、カム52を背もたれ面22に保持される乳幼児から隠すことができ、安全上有利である。
【0061】
また本実施例によれば、座部11は、幅方向中央領域に形成される座面12と、幅方向両側にそれぞれ形成されて座面12から立ち上がる座席側壁13とを有する。そして図11に示すように背もたれ側壁23は座席側壁13よりも幅方向内側に配置され、図10に示すようにカム52は背もたれ側壁23の幅方向外側面に設けられて座席側壁13に覆われる。これにより、カム52とロック部材53の当接箇所が背もたれ部側壁23と座席側壁13との間に配置され、揺動ロック機構51を外部に露出しないよう隠すことができる。したがって、指詰めなどの危険を防止することができる。
【0062】
また本実施例によれば、ベース部31は幅方向外側空間と幅方向内側空間とを仕切る仕切壁33を有し、揺動ロック機構51の凹部57は仕切壁33の幅方向内側壁面に形成され、揺動ロック機構51のロック部材53は仕切壁33よりも幅方向内側に配置される。これにより、ロック部材と凹部の係合箇所が外部に露出しないようベース部の幅方向内側に隠すことができ、安全上有利である。
【0063】
また本実施例によれば、ベース部31および座部11のいずれか一方は幅方向両側で前後方向に延びる1対の湾曲した軌道面34を有し、ベース部31および座部11の残る他方は軌道面34に沿って転動する転動体14を有し、転動体14が軌道面34の上を往復することにより座部11はベース部31に対して揺動する。これにより、座部11に推力を与えなければ座部11は自然停止位置に自動復帰し、ロック部材53と凹部57を前後方向同位置にすることができる。したがって、ロック部材53を上方へ押し上げるだけで凹部57に容易に係合させることができる。
【0064】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
この発明になる揺動ベッドは、育児器具において有利に利用される。
【符号の説明】
【0066】
10 揺動ベッド、11 座部、12 座面、13 座席側壁、14 転動体、15 軸、17 外側壁、18 長孔、19 ねじ穴、21 背もたれ部、22 背もたれ面、23 背もたれ側壁、24 軸、31 ベース部、32 曲面、33 仕切壁、34 軌道面、35 鍔部、36 窪み、41 脚部、51 揺動ロック機構、52 カム、52r 円弧面、52t 突起部、53 ロック部材、54 本体部、54h 通し孔、55 係合部、56 突出部、57 凹部、58 ばね、59 段付タッピンねじ 66 足載せ部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、背もたれ部を倒すことにより揺動可能なベッドの形態となるだけでなく、背もたれ部を起こして椅子の形態にもなる、乳幼児用の揺動ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
揺動ベッドとしては従来、さまざま形態のものが知られている。例えば、特開2006−198186号公報(特許文献1)に記載の揺動椅子は、座部および背もたれ部を有し、背もたれ部は椅子の状態からベッドの状態になるまで後傾可能である。また、座部および背もたれ部からなる座席本体が、座席支持部材に揺動可能に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−198186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来のような揺動椅子にあっては、更に改善すべき点があることを本発明者は見出した。つまり、ベッド状態では乳幼児の安眠を誘導するために座席本体を好適な周期で揺動させるのがよい。その一方で、椅子状態でも揺動可能とすれば、座席本体に着座する乳幼児の上半身が不用意に揺れてしまう。このため、乳幼児の世話に支障をきたしたり、乳幼児が姿勢のバランスをくずしたりしないよう、椅子状態では座席本体の揺動を規制するのが望ましい。
【0005】
従来の揺動椅子にあっては、座席本体の揺動を許容ないし規制する周知の揺動ロック機構を備えているものの、揺動ロック機構の操作は乳幼児の保護者に委ねられていた。このため、保護者が意識して揺動ロック機構を操作し、座席本体の揺動を規制しない限り、椅子状態であっても座席本体が揺動してしまう。
【0006】
本発明は、上述の実情に鑑み、保護者が意識して揺動ロック機構を操作する必要をなくし、ベッド状態では座席を揺動可能とし、椅子状態では座席の揺動を規制することができる揺動ベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため本発明による揺動ベッドは、座部と、座部に連結され椅子状態からベッド状態までリクライニング角度を調整可能な背もたれ部と、座部を揺動可能に支持するベース部と、座部の揺動を許容ないし規制する揺動ロック機構とを備える。そして揺動ロック機構は、座部に設けられて背もたれ部のリクライニング角度に応じて変位するロック部材と、ベース部に形成されてロック部材を受け入れる係合部とを有し、ベッド状態でロック部材を係合部から離脱させて座部の揺動を許容し、椅子状態でロック部材を係合部に係合させて座部の揺動を規制するよう構成される。
【0008】
かかる本発明によれば、揺動ロック機構が背もたれ部のリクライニング角度に応じて変位するロック部材を有し、ベッド状態でロック部材を係合部から離脱させて座部の揺動を許容し、椅子状態でロック部材を係合部に係合させて座部の揺動を規制するよう構成されることから、背もたれ部のリクライニング角度に連動してロック部材を自動的に変位させることができる。したがって乳幼児の保護者がロック部材をわざわざ操作しなくも、ベッド状態で座部の揺動を許容し、椅子状態で揺動を規制することができる。係合部の形状は特に限定されず、例えば、ロック部材を受け入れる凹部または孔である。
【0009】
なおベッド状態とは座部および背もたれ部の双方が水平にされる状態のみに限定されない。例えば背もたれ部が150度から180度まで後傾されるものであってもベッド状態に含まれると理解されたい。また座部は通常において水平であるが、乳幼児が深く腰掛け易いよう座部の前部が後部よりも高い位置にされる場合もある。したがって例えば座部が0度から30度まで後傾されるものであってもベッド状態に含まれると理解されたい。またリクライニング式の揺動ベッドにあっては、リクライニング角度を段階的あるいは無段階に調整可能とするため、ベッド状態を所定のリクライニング角度よりも大きく規定し、椅子状態を所定のリクライニング角度よりも小さく規定してもよい。
【0010】
1実施形態として、ロック部材は背もたれ部の背後に配設され、背もたれ部がベッド状態まで後傾されるとロック部材が背もたれ部に当接して揺動を許容する非ロック位置にされ、背もたれ部が椅子状態まで引き起こされるとロック部材が背もたれ部から離れて揺動を規制するロック位置に復帰する。他の実施形態としてロック部材と背もたれ部の間にリンク機構や歯車機構が介在し、背もたれ部のリクライニング角度をロック部材に伝達してロック部材の位置を変化させる。例えば揺動ロック機構は、リクライニング角度に連動して回動するカムをさらに有し、ロック部材はカムと変位可能に摺接する。かかる実施形態によれば、カムの回転角度に応じてロック部材を変位させることができる。揺動ロック機構のカムは、一部において楕円形状に膨らんだ輪郭を有し、残りの部分において真円形状の輪郭を有する円板であり、背もたれ部のリクライニング角度が伝達される。他の実施形態として、揺動ロック機構のカムは、背もたれ部の軸を中心とする円弧形状の輪郭と、かかる円弧形状の輪郭よりも径方向内側に窪んだ輪郭あるいは円弧形状の輪郭よりも径方向外側に膨らんだ輪郭を有する。そしてカムの真円形状部分あるいは円弧形状部分が椅子状態に対応し、カムの膨らみ部分あるいは窪み部分がベッド状態に対応する。
【0011】
本発明の揺動ロック機構は大きさおよび配置箇所について特に限定されない。揺動ロック機構は揺動ベッドの前方部、後方部、あるいは前後方向中央部に設けられてもよいし、揺動ベッドの幅方向一方縁、幅方向他方縁、あるいは幅方向中央部に設けられてもよい。
【0012】
1実施形態として揺動ロック機構は、背もたれ部のリクライニング角度に応じて回動するギヤ歯と、このギヤ歯の回動をカムに伝達する中間歯車とを有する。あるいは好ましい実施形態として、背もたれ部は、幅方向に延びる軸を介して座部に連結されて、この軸回りにリクライニング角度を調整され、カムは、この軸と同軸となるよう背もたれ部に設けられる。かかる実施形態によれば、カムが背もたれ部と一体に回動し、カムが背もたれ部のリクライニング角度と同じ角度で回動する。したがって、リクライニング角度に応じて揺動ロック機構を動作させることができる。また座部と背もたれ部との連結軸は揺動ベッドの前後方向中央部に位置することから、揺動ベッドの前後方向中央部にロック機構を設けることができる。したがって、前後方向中央部において座部を安定してロックすることができるとともに、保護者が誤ってロック機構に触れる虞を減少させることができる。
【0013】
揺動ロック機構の1実施形態としてカムを小さく形成してロック部材を背もたれ部の軸の近傍に配置してもよいし、他の実施形態としてカムを大きく形成してロック部材を背もたれ部の軸から離れて配置してもよい。また1実施形態として揺動ロック機構を幅方向中央に設けてもよいが、好ましい実施形態として揺動ロック機構を幅方向一方端ないし両方端に設けるとよい。かかる実施形態によれば、揺動ロック機構が幅方向中央領域から離れて配置されることから、背もたれ部の軸の幅方向中央領域をすっきりとさせることができ、レイアウト上有利である。
【0014】
カムはロック部材と当接することから、座部に座り背もたれ部にもたれる乳幼児がロック部材に触れることがないように、揺動ロック機構を乳幼児から離すことが好ましい。かかる1実施形態として背もたれ部は、幅方向中央領域に形成される背もたれ面と、幅方向両側にそれぞれ形成されて背もたれ面から立ち上がる背もたれ側壁とを有し、カムは、背もたれ側壁の幅方向外側に配置される。かかる実施形態によれば、カムが背もたれ側壁の幅方向外側に配置されることから、カムを揺動ベッドに着座する乳幼児から隠すことができ、安全上有利である。背もたれ側壁の幅方向外側に配置されるカムは、背もたれ側壁と別部材であってもよいし、背もたれ側壁に一体形成されてもよい。
【0015】
ロック部材はカムと当接することから、揺動ロック機構を外部に露出しないよう配置することが好ましい。1実施形態として、揺動ロック機構を覆うカバーを設ける。好ましい実施形態として座部は、幅方向中央領域に形成される座面と、幅方向両側にそれぞれ形成されて座面から立ち上がる座席側壁とを有し、背もたれ側壁は、座席側壁よりも幅方向内側に配置され、カムは、背もたれ側壁の幅方向外側面に設けられて前記座席側壁に覆われる。かかる実施形態によれば、カムとロック部材の当接箇所が背もたれ部側壁と座席側壁との間に配置され、揺動ロック機構を外部に露出しないよう隠すことができる。したがって、指詰めなどの危険を防止することができる。
【0016】
より好ましい実施形態として、ベース部は幅方向外側空間と幅方向内側空間とを仕切る仕切壁を有し、揺動ロック機構の係合部は仕切壁の幅方向内側壁面に形成され、揺動ロック機構のロック部材は仕切壁よりも幅方向内側に配置されるとよい。かかる実施形態によれば、ロック部材と係合部の係合箇所が外部に露出しないようロック部材をベース部の幅方向内側に隠すことができ、安全上有利である。
【0017】
ベース部は様々な方法で座部を揺動可能に支持することができる。1実施形態として座部はロッドを介してベース部に吊り下げられ、ロッドの上端がベース部と連結し、ロッドの下端が座部と連結し、ロッドの下端がロッドの上端に対して前後方向に揺動する。他の実施形態として、ベース部には前後方向に水平に延びるレールを設け、座部にはこのレールに案内される案内部材を設け、案内部材がレールに沿って前後方向に往復する。またベース部には、所定の周期で座部に前後方向の推力を与える動力部を設ける。
【0018】
好ましい実施形態として、ベース部および座部のいずれか一方は幅方向両側で前後方向に延びる1対の湾曲した軌道面を有し、ベース部および座部の残る他方は軌道面に沿って転動する転動体を有し、転動体が軌道面上を往復することにより座部はベース部に対して揺動する。かかる実施形態によれば、吊り下げのためのロッドが不要となって座部およびベース部の上下方向寸法を小さくすることができる。そして座部に推力を与えなければ転動体は軌道面の前後方向中央に自然に復帰して、ロック部材と係合部を前後方向同位置にすることができる。したがって、ロック部材を上方へ押し上げるだけで係合部に容易に係合させることができる。
【0019】
軌道面は例えば座部に下向きに設けられ、前後方向中央が最も高く、前端および後端に向かうにつれて徐々に低くなるよう湾曲した曲面にされる。これに対して転動体はベース部に回転自在に設けられる。そして転動体の上縁に軌道面が乗せられ、転動体が回転しながら軌道面を前後方向に往復させる。あるいは、軌道面と転動体の位置関係を上下逆にして軌道面をベース部に設け、転動体を座部に設け、転動体が軌道面上を往復走行するようにしてもよい。
【0020】
かかる実施形態において、1本の軌道面につき1個の転動体が転動する。そして、このように対をなす軌道面および転動体が、少なくとも揺動ベッドの前後左右にそれぞれ配設される。座部および乳幼児の重心が、揺動ベッドの前後左右の配置された転動体の中央部に位置し、座部および乳幼児を安定して支持する。揺動ロック機構の位置は特に限定されず、前方の転動体の前側であってもよいし、後方の転動体の後側であってもよいが、好ましくは、前方の転動体と後方の転動体との間に配置される。これにより、座部および乳幼児の重心の近傍に揺動ロック機構を配置して、座部を安定してロックすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の揺動ベッドによると、保護者が背もたれ部を引き起こして椅子状態にすれば座部は揺動しないように自動的にロックされ、保護者が背もたれ部を後傾させてベッド状態にすれば座部は自動的に揺動可能にされる。したがって、保護者が意識してロック機構を操作しなくても、椅子状態で座部は自動的に揺動不能にされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例になる揺動ベッドを示す斜視図である。
【図2】揺動ロック機構の基本構成を模式的に示す側面図である。
【図3】揺動ロック機構の基本構成を模式的に示す側面図である。
【図4】ベッド状態の揺動ベッドを示す側面図である。
【図5】転動体および軌道面を拡大して示す横断面図である。
【図6】ベッド状態の揺動ベッドを示す縦断面図である。
【図7】揺動ロックが解除された揺動ロック機構を拡大して示す横断面図である。
【図8】椅子状態の揺動ベッドを示す縦断面図である。
【図9】ロック状態の揺動ロック機構を拡大して示す横断面図である。
【図10】揺動ロック機構のカムおよびロック部材を取り出して示す斜視図である。
【図11】座部に取り付けられたロック部材を示す斜視図である。
【図12】座部に取り付けられたロック部材を示す斜視図である。
【図13】ロック部材の取り付け方法を説明するための斜視図である。
【図14】図11から座部の座面および外側壁を取り除いた斜視図であって、カムとロック部材と凹部との位置関係を表す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例になる揺動ベッドを示す斜視図であって、背もたれ部を前方へ引き起こした椅子状態を表す。図2は揺動ロック機構の基本構成を模式的に示す側面図であって、ベッド状態を表す。図3は揺動ロック機構の基本構成を模式的に示す側面図であって、椅子状態を表す。図4は、幅方向外側からみた同実施例を示す側面図であって、背もたれ部を後傾させたベッド状態を表す。揺動ベッド10は、乳幼児の下半身を支持する座部11と、乳幼児の上半身を支持する背もたれ部21と、座部11を支持するベース部31と、ベース部31を支持する脚部41とを有する。
【0025】
座部11は、ほぼ水平な上向きの座面12を有し、座面12で乳幼児の下半身を下方から支持する。また座部11は、座面12の幅方向両側からそれぞれ立ち上がる座席側壁13,13を有する。座席側壁13は乳幼児を座面12の上に保持する。座部11の前部には下方に垂下する形状の足載せ部66を取り付けることができる。足載せ部66の下端に形成された足載せ面66sは、年齢とともに成長した身長の大きな幼児の足部を支持する。また足載せ部66は、その上端が幅方向に延びる軸66aを介して座部11の前端に回動可能に連結する。したがって足載せ部66は、幅方向に延びる軸66aを中心として座面12と略同じ高さ位置まで回動可能であり、ベッド状態において身長の大きな幼児の下腿部を支持する。
【0026】
背もたれ部21は、座部11の後部に軸24を介して連結され、座部11の後部から後方ないし上方に立ち上がる。背もたれ部21は、上向きないし前向きの背もたれ面22と、背もたれ面22の幅方向両側に設けられて、背もたれ面22から立ち上がる、背もたれ側壁23,23を有する。背もたれ面22は乳幼児の背中を支持する。背もたれ側壁23は乳幼児を背もたれ面22の上に保持する。また背もたれ部21は、乳幼児の肩部を拘束する1対の肩ベルト25を備える。なお図には示さなったが、背もたれ部21は、軸24から離れた方の前後方向端に、背もたれ面22から立ち上がって乳幼児の頭部を保護するヘッドガードを有してもよい。座部11および背もたれ部21は、乳幼児を収容する座席を構成する。明細書において、幅方向とは座部11および背もたれ部21に着座した乳幼児からみて左右方向をいい、前後方向とはこの乳幼児からみて足部から頭部までの水平方向をいい、上下方向とはこの乳幼児からみて足部から頭部までの垂直方向をいう。
【0027】
軸24は、幅方向両側にそれぞれ設けられ、幅方向一方側の背もたれ側壁23および座席側壁13を連結するとともに、幅方向他方側の背もたれ側壁23および座席側壁13を連結し、幅方向に延びる共通な軸線を構成する。図6は揺動ベッド10の幅方向内側から幅方向外側をみた様子を一部断面にして示す断面図であり、背もたれ側壁23は座席側壁13よりも幅方向内側に配置される。
【0028】
背もたれ部21は軸24回りに回動することにより、そのリクライニング角度を調整可能である。本実施例では、リクライニング角度を段階的に調整可能であって、図4に示すように座部11に対する背もたれ部21のリクライニング角度を約170°に保持することにより、揺動ベッド10をベッド状態にすることができる。また背もたれ部21のリクライニング角度を90°〜140°のいずれかの値に保持することにより、揺動ベッド10を椅子状態にすることができる。
【0029】
リクライニング角度の保持は周知のリクライニング角度保持機構により行う。リクライニング角度保持機構は例えば、軸24を中心として座部11の幅方向一方側および他方側に周方向所定間隔に形成された複数の孔62,62,62・・・と、背もたれ部21の幅方向一方側および他方側にそれぞれ取り付けられていずれかの孔62に選択的に差し込まれる一対のロッド63からなる。ベッド状態では図4に示すように、ロッド63が最も下方に形成された孔62に差し込まれる。なお孔62はカバーに覆われて、幅方向外側へ露出するものではないが、リクライニング角度保持機構の理解を容易にするため図4では孔62および軸24を幅方向外側から覆うカバーを取り除いて表す。
【0030】
揺動ベッド10はベッド状態で乳幼児が横たわるための場所を提供する。横たわるためのリクライニング角度は180°に限定されるものではなく、背もたれ部21は前方へ若干引き起こされていてもよい。本実施例の揺動ベッド10ではベッド状態で背もたれ部21のリクライニング角度が170°にされる。この他、本発明でいうベッド状態とは、リクライニング角度が150°以上180°以下の範囲に含まれると理解されたい。また本発明でいう椅子状態とは、リクライニング角度が90°以上150°未満の範囲に含まれると理解されたい。揺動ベッド10は、椅子状態で、乳幼児が座るための椅子の形態に変化する。
【0031】
座部11とベース部31との間には、座部11を前後方向に揺動させるための揺動機構が設けられる。揺動機構は図4の側面図に示すように、座部11の下部に回転自在に取り付けられた車輪状の転動体14と、ベース部31の内部に形成されて前後方向に延びる上向きの軌道面34と、1対のベース部31間に設けられて座部11に前後方向の推力を与える図示しない動力部とを備える。動力部は永久磁石と電磁石とを有し、これらの磁石間の反発力により、前後方向の推力を生み出す。一方のベース部31の幅方向外側には、乳幼児の保護者によって操作される操作スイッチを備え動力部を制御する操作部37が設けられる。なお転動体14は座部11の内部に収容されて、幅方向外側へ露出するものではないが、揺動機構の理解を容易にするため図4では転動体14を幅方向外側から覆う壁を取り除いて表す。また軌道面34もベース部31の内部に形成されて、幅方向外側へ露出するものではないが、揺動機構の理解を容易にするため図4では軌道面34を幅方向外側から覆う壁を取り除いて表す。
【0032】
軌道面34はベース部31の前部および後部にそれぞれ形成される。軌道面34は上向きの面であって前後方向に延びるレールであり、転動体14を下から支持する。転動体14は座部11の前部および後部にそれぞれ取り付けられて、各軌道面34にそれぞれ支持される。
【0033】
図5は転動体および軌道面を拡大して示す横断面図であって、前後方向にみた状態を表す。ベース部31は前後方向に延びる箱体であって、幅方向一方側と幅方向他方側に対称に設けられる。ベース部31の幅方向内側には連結部65が形成される。連結部65は前部および後部にそれぞれ形成され、幅方向に延びる横材64の端部が差し込み固定される。これにより1対のベース部31は前後2本の横材64で連結される。ベース部31の前部および後部には脚部41の上端がそれぞれ連結される。
【0034】
ベース部31は座部11を下方から支持する。転動体14は、座部11の前後両側および幅方向両側にそれぞれ設けられ、合計4個取り付けられる。また軌道面34も各転動体14に対応するよう、ベース部31の前部および後部に設けられ、合計4個形成される。
【0035】
転動体14には幅方向に延びる軸15が結合し、軸15の両端が転動体14から略均等の長さで突出する。転動体14は、座部11の幅方向外側端部から垂下する外側壁17よりも幅方向外側に配置される。軸15の幅方向外側端は座部11の幅方向外側端部に形成された孔15hに差し込まれ、回転自在に取り付けられる。軸15の幅方向内側端は、外側壁17の下縁から上向きに延びる縦長の切欠き17cに差し込まれ、回転自在に保持される。
【0036】
転動体14は、揺動ベッド10の幅方向に延びる軸15を介して、座部11の下部に取り付けられる。転動体14が軌道面34の上を転動することにより、座部11はベース部31の上で前後方向に揺動する。また座部11および背もたれ部21はこれら4個の転動体14によって、ベース部31の上で安定して支持される。
【0037】
軌道面34の幅方向両側には軌道面よりも上方へ突出した段差である鍔部35が形成される。これにより軌道面34および鍔部35,35は、凹字状のごとき下方に窪んだ断面形状にされ、転動体14は軌道面34から逸脱することなく軌道面34上を転動する。また図に示さなかったが、座部11およびベース部31には、座部11が過度に揺動することを防止するストッパ手段が設けられている。したがって転動体14は軌道面34を超えて前後方向に飛び出すことを防止される。
【0038】
上向きの軌道面34は、前後方向中央が最も低く前後方向両端が最も高い円弧形状に形成され、緩やかに湾曲する。4個の転動体14は、それぞれの軌道面34の前後方向中央に同時に位置するよう配置される。そして、4個の転動体14が前後方向および上下方向に同じ動きをするよう、4箇所の軌道面34は配置される。具体的には、4個の転動体14はすべて同じ直径とされ、4箇所の軌道面34はすべて同じ曲率を有する。
【0039】
座部11に前後方向の推力を与えると、複数の転動体14が同じ動きでそれぞれの軌道面34の上を同時に移動する。座部11に前後方向の推力を与えない場合、複数の転動体14は軌道面34の前後方向中央で自然に停止する。このときの座部の前後方向位置を以下、自然停止位置という。また座部11に前向きの推力を一瞬与えると、転動体14は軌道面34の前後方向中央から前進して軌道面34の前端部まで転動し、その後は自然に後退し、前後方向中央を通り過ぎて軌道面34の後端部まで後退し、再び軌道面34の前後方向中央に向かって前進する。このようにして動力部が所定周期の推力を座部11に与えることで、座部11は前後方向に揺動するのである。また動力部が推力を与えないと、座部11は前後方向に延びる揺動領域の中央である自然停止位置に戻る。
【0040】
次に本実施例の揺動ロック機構について説明する。図6は、ベッド状態の揺動ベッドを示す縦断面図であり、幅方向内側から外側をみた状態を示す。図7は、揺動ロックが解除された揺動ロック機構を前後方向からみた状態を示す横断面図であって、幅方向中心Cから幅方向外側縁までを表し、図6のベッド状態に対応する。図8は椅子状態の揺動ベッドの概略構成を示す縦断面図であり、幅方向内側から外側をみた状態を示す。図9は揺動がロックされた揺動ロック機構を前後方向からみた状態を拡大して示す横断面図であって、幅方向中心Cから幅方向外側縁までを表し、図8の椅子状態に対応する。まず揺動ロック機構の概略構成および作用について説明する。
【0041】
図2および図3を参照して、揺動ロック機構の基本構成につき説明する。揺動ロック機構51は、座部11に変位可能に取り付けられるロック部材53と、ベース部31に形成されてロック部材53を受け入れる凹部57と、ロック部材53を凹部57へ付勢する螺旋状のばね58とを有する。背もたれ部21は、そのリクライニング角度に応じてロック部材53を動作させる。
【0042】
凹部57は、上向きに窪んだ形状であり、上下方向に変位するロック部材53を受け入れることによりロック部材53と係合する。これにより、ロック部材53を含む座部11は、前後方向の移動が規制される。
【0043】
図2に示すようにベッド状態では、背もたれ部21がばね58の付勢力に抗してロック部材53をフリー位置Fまで押し下げ、ロック部材53を凹部57から離脱させる。これにより太い矢印で示すように座部11の揺動が許容される。
【0044】
図3に示すように椅子状態では、ばね58がロック部材53をロック位置Lまで押し上げ、ロック部材53を凹部57に係合させる。これにより座部11の揺動が規制される。
【0045】
なお背もたれ部21は、図2に示す椅子状態でロック部材53に直接当接してロック部材53を下方に押し下げ、図3に示す椅子状態でロック部材53から離隔するが、これは1実施例にすぎない。背もたれ部21のリクライニング角度に応じて変位するロック部材は以下に説明する他の構成によっても実現可能であり、ロック部材が背もたれ部21側の部材と常時摺接するものであってもよい。
【0046】
次に図6以降を参照して、揺動ロック機構の各部の構造について詳細に説明する。図6および図8に示すように、揺動ロック機構51は背もたれ部21に設けられたカム52をさらに有する。本実施例のカム52は背もたれ側壁23の幅方向外側面に形成される。あるいは図示しない変形例として、カム52は背もたれ部21の幅方向中央部に設けられてもよい。
【0047】
カム52は軸24を中心として背もたれ部21と一体に回動し、軸24を中心とする半径方向外向きの円弧面52rと、この円弧面に形成されて半径方向外向きに突出する突起部52tからなる。幅方向外側からみて、カム52はベッド状態および椅子状態のすべてにおいて座席側壁13に覆われており、外部に露出しない。また座席側壁13は、カム52より大きな立ち上がり寸法および前後寸法を有し、すべてのリクライニング角度においてカム52を常時覆う。揺動ロック機構51は揺動ベッド10の幅方向両側にそれぞれ設けられる。
図10は、カム52に当接するロック部材53の様子を取り出して示す斜視図である。ロック部材53はカム52によって動作する。ロック部材53は、本体部54と、本体部54から揺動ベッド10の幅方向外側へ突出する係合部55と、本体部54から上方へ突出する突出部56とを有する可動部品であり、カム52よりも下方に配置される。本体部は座部11の下部に取り付けられる(図7)。突出部56は、座部11に形成された孔16(図7)を貫通し、その先端がカム52に当接する。
【0048】
図11は座部に取り付けられたロック部材を示す斜視図であって、揺動ベッドの幅方向内側からみた状態を示す。図12は座部に取り付けられたロック部材を示す斜視図であって、揺動ベッドの幅方向外側からみた状態を示す。
【0049】
ロック部材53の本体部54は、座部11の幅方向外側端部から垂下する外側壁17よりも幅方向内側に配置される。ロック部材53の係合部55は、揺動ベッド10の幅方向外側からみて上下方向に長く前後方向に短い直方体形状である。そして係合部55は、座部11の外側壁17に形成された長孔18を貫通し、幅方向外側へ突出する。上下方向に長く延びる長孔18は、係合部55の上下方向寸法よりも長いことから、係合部55を含むロック部材53は長孔18に沿って上下方向に案内される。
【0050】
図13はロック部材の取り付け方法を説明するための斜視図であって、揺動ベッドの下側からみた状態を示す。ロック部材53の本体部54は、外側壁17の幅方向内側壁面と向き合う矩形の本体壁54mと、本体壁54mの上側縁から立ち上がる上側壁54uと、本体壁54mの前側縁から立ち上がって上側壁54uと接続する前側壁54fと、本体壁54mの後側縁から立ち上がって上側壁54uと接続する後側壁54tを有し、これら前側壁54f、上側壁54u、および後側壁54tがコの字形状の連続壁を構成する。本体壁54mには係合部55が形成される。上側壁54uには突出部56および通し孔54hが形成される。通し孔54hには下方から上方へ段付タッピンねじ59の軸部59aが通され、軸部59aの先端部が、座部11に形成されたねじ穴19に上向きに挿入固定される。
【0051】
また段付タッピンねじ59の軸部59aはばね58を貫通する。ばね58の外径は通し孔54hの内径よりも大きいため、ばね58の上端58uは上側壁54uの下面54udに係止される。またばね58の外径は段付タッピンねじ59の頭部59nの外径よりも小さいため、ばね58の下端58dは頭部59nに係止される。これによりばね58は、座部11側の部材である段付タッピンねじ59の頭部59nと、ロック部材53の上側壁54uとの間に上下方向に縮設される。そしてばね58はロック部材53を上方へ付勢する。
【0052】
ばね58の付勢力によって、ロック部材53の突出部56はカム52に常時当接し、カム52の回動中は、突出部56の先端が円弧面52r(図8)あるいは突起部52t(図6)に摺接する。
【0053】
図14は、図11から座部の座面および外側壁を取り除いた斜視図であって、カム52とロック部材53と凹部57との位置関係を表す。図7および図9も参照して、ベース31は、座部11の外側壁17よりも幅方向外側に配置されて外側壁17と対向し、前後方向および上下方向に広がる仕切壁33を有する。仕切壁33は幅方向外側空間と幅方向内側空間を仕切り、仕切壁33の幅方向内側壁面には、前後方向に延びて係合部55を受け入れる窪み36と、窪み36の上縁を構成して係合部55よりも上方で前後方向に延びる下向きの曲面32を有する。曲面32は、その前後方向中央が前方端および後方端よりも下方へ膨らむよう形成され、曲面32の曲率は軌道面34の曲率と等しい。曲面32の前後方向中央には、上向きに窪んだ凹部57が形成される。転動体14が軌道面34の前後方向中央で自然に停止して座部11が自然停止位置にあるときに、前後方向同位置で凹部57は係合部55と向き合う。
【0054】
ベッド状態において、カム52はロック部材53を押し下げ、ロック部材53の係合部55が凹部57から離脱することにより、揺動ロック機構51は解除される。これにより座部11は揺動を許容される。座部11の前後方向の揺動中、係合部55は曲面32よりも下方で前後方向に往復する。
【0055】
椅子状態において、座部11は自然停止位置に復帰し、前後方向同位置でロック部材53の係合部55はベース部31の凹部57と向き合う。そしてロック部材53はばね58によって上方へ付勢され、係合部55の上端が凹部57に係合することにより、揺動ロック機構51は座部11の揺動をロックする。
【0056】
ところで本実施例の揺動ベッド10によれば、座部11と、座部11に連結され椅子状態からベッド状態までリクライニング角度を調整可能な背もたれ部21と、座部11を揺動可能に支持するベース部31と、座部11の揺動を許容ないし規制する揺動ロック機構51とを備える。そして揺動ロック機構51は、座部11に設けられて背もたれ部21のリクライニング角度に応じて変位するロック部材53と、ベース部31に形成されてロック部材53を受け入れる凹部57とを有し、ベッド状態でロック部材53を凹部57から離脱させて座部11の揺動を許容し、椅子状態でロック部材53を凹部57に係合させて座部11の揺動を規制するよう構成される。
【0057】
これにより、保護者が背もたれ部21を引き起こして椅子状態(図3、図8、図9)にすれば座部11は揺動しないように自動的にロックされる。これに対し、保護者が背もたれ部21を後傾させてベッド状態(図2、図6、図7)にすれば座部11は自動的に揺動可能にされる。したがって、保護者が意識して揺動ロック機構を操作しなくても、椅子状態で座部11は自動的に揺動不能にされる。
【0058】
また本実施例によれば、揺動ロック機構51は、リクライニング角度に連動して回動するカム52をさらに有し、ロック部材53はカム52と変位可能に摺接する。これにより、カム52の回転角度に応じてロック部材53を変位させることができる。
【0059】
また本実施例によれば、背もたれ部21は、幅方向に延びる軸24を介して座部11に連結されて、軸24回りにリクライニング角度を調整され、カム52は、軸24と同軸となるよう背もたれ部21に設けられる。これにより、カム52が背もたれ部21と一体に回動し、リクライニング角度に応じて揺動ロック機構51を動作させることができる。
【0060】
また本実施例によれば、背もたれ部21は、幅方向中央領域に形成される背もたれ面22と、幅方向両側にそれぞれ形成されて背もたれ面22から立ち上がる背もたれ側壁23とを有する。そして図10に示すようにカム52は背もたれ側壁23の幅方向外側に配置される。これにより、カム52を背もたれ面22に保持される乳幼児から隠すことができ、安全上有利である。
【0061】
また本実施例によれば、座部11は、幅方向中央領域に形成される座面12と、幅方向両側にそれぞれ形成されて座面12から立ち上がる座席側壁13とを有する。そして図11に示すように背もたれ側壁23は座席側壁13よりも幅方向内側に配置され、図10に示すようにカム52は背もたれ側壁23の幅方向外側面に設けられて座席側壁13に覆われる。これにより、カム52とロック部材53の当接箇所が背もたれ部側壁23と座席側壁13との間に配置され、揺動ロック機構51を外部に露出しないよう隠すことができる。したがって、指詰めなどの危険を防止することができる。
【0062】
また本実施例によれば、ベース部31は幅方向外側空間と幅方向内側空間とを仕切る仕切壁33を有し、揺動ロック機構51の凹部57は仕切壁33の幅方向内側壁面に形成され、揺動ロック機構51のロック部材53は仕切壁33よりも幅方向内側に配置される。これにより、ロック部材と凹部の係合箇所が外部に露出しないようベース部の幅方向内側に隠すことができ、安全上有利である。
【0063】
また本実施例によれば、ベース部31および座部11のいずれか一方は幅方向両側で前後方向に延びる1対の湾曲した軌道面34を有し、ベース部31および座部11の残る他方は軌道面34に沿って転動する転動体14を有し、転動体14が軌道面34の上を往復することにより座部11はベース部31に対して揺動する。これにより、座部11に推力を与えなければ座部11は自然停止位置に自動復帰し、ロック部材53と凹部57を前後方向同位置にすることができる。したがって、ロック部材53を上方へ押し上げるだけで凹部57に容易に係合させることができる。
【0064】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
この発明になる揺動ベッドは、育児器具において有利に利用される。
【符号の説明】
【0066】
10 揺動ベッド、11 座部、12 座面、13 座席側壁、14 転動体、15 軸、17 外側壁、18 長孔、19 ねじ穴、21 背もたれ部、22 背もたれ面、23 背もたれ側壁、24 軸、31 ベース部、32 曲面、33 仕切壁、34 軌道面、35 鍔部、36 窪み、41 脚部、51 揺動ロック機構、52 カム、52r 円弧面、52t 突起部、53 ロック部材、54 本体部、54h 通し孔、55 係合部、56 突出部、57 凹部、58 ばね、59 段付タッピンねじ 66 足載せ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、前記座部に連結され椅子状態からベッド状態までリクライニング角度を調整可能な背もたれ部と、前記座部を揺動可能に支持するベース部と、前記座部の揺動を許容ないし規制する揺動ロック機構とを備え、
前記揺動ロック機構は、前記座部に設けられて前記背もたれ部のリクライニング角度に応じて変位するロック部材と、前記ベース部に形成されて前記ロック部材と係合する係合部とを有し、前記ベッド状態で前記ロック部材を前記係合部から離脱させて前記座部の揺動を許容し、前記椅子状態で前記ロック部材を前記係合部に係合させて前記座部の揺動を規制するよう構成される、揺動ベッド。
【請求項2】
前記揺動ロック機構は、前記リクライニング角度に連動して回動するカムをさらに有し、前記ロック部材は前記カムと変位可能に摺接する、請求項1に記載の揺動ベッド。
【請求項3】
前記背もたれ部は、幅方向に延びる軸を介して前記座部に連結されて、前記軸回りにリクライニング角度を調整され、
前記カムは、前記軸と同軸となるよう前記背もたれ部に設けられる、請求項2に記載の揺動べッド。
【請求項4】
前記背もたれ部は、幅方向中央領域に形成される背もたれ面と、幅方向両側にそれぞれ形成されて前記背もたれ面から立ち上がる背もたれ側壁とを有し、
前記カムは、前記背もたれ側壁の幅方向外側に配置される、請求項3に記載の揺動ベッド。
【請求項5】
前記座部は、幅方向中央領域に形成される座面と、幅方向両側にそれぞれ形成されて前記座面から立ち上がる座席側壁とを有し、
前記背もたれ側壁は、前記座席側壁よりも幅方向内側に配置され、
前記カムは、前記背もたれ側壁の幅方向外側面に設けられて前記座席側壁に覆われる、請求項4に記載の揺動ベッド。
【請求項6】
前記ベース部は幅方向外側空間と幅方向内側空間とを仕切る仕切壁を有し、前記揺動ロック機構の前記係合部は前記仕切壁の幅方向内側壁面に形成され、揺動ロック機構の前記ロック部材は前記仕切壁よりも幅方向内側に配置される、請求項1〜5のいずれかに記載の揺動ベッド。
【請求項7】
前記ベース部および前記座部のいずれか一方は幅方向両側で前後方向に延びる1対の湾曲した軌道面を有し、前記ベース部および前記座部の残る他方は前記軌道面に沿って転動する転動体を有し、前記転動体が前記軌道面上を往復することにより前記座部は前記ベース部に対して揺動する、請求項1〜6のいずれかに記載の揺動ベッド。
【請求項1】
座部と、前記座部に連結され椅子状態からベッド状態までリクライニング角度を調整可能な背もたれ部と、前記座部を揺動可能に支持するベース部と、前記座部の揺動を許容ないし規制する揺動ロック機構とを備え、
前記揺動ロック機構は、前記座部に設けられて前記背もたれ部のリクライニング角度に応じて変位するロック部材と、前記ベース部に形成されて前記ロック部材と係合する係合部とを有し、前記ベッド状態で前記ロック部材を前記係合部から離脱させて前記座部の揺動を許容し、前記椅子状態で前記ロック部材を前記係合部に係合させて前記座部の揺動を規制するよう構成される、揺動ベッド。
【請求項2】
前記揺動ロック機構は、前記リクライニング角度に連動して回動するカムをさらに有し、前記ロック部材は前記カムと変位可能に摺接する、請求項1に記載の揺動ベッド。
【請求項3】
前記背もたれ部は、幅方向に延びる軸を介して前記座部に連結されて、前記軸回りにリクライニング角度を調整され、
前記カムは、前記軸と同軸となるよう前記背もたれ部に設けられる、請求項2に記載の揺動べッド。
【請求項4】
前記背もたれ部は、幅方向中央領域に形成される背もたれ面と、幅方向両側にそれぞれ形成されて前記背もたれ面から立ち上がる背もたれ側壁とを有し、
前記カムは、前記背もたれ側壁の幅方向外側に配置される、請求項3に記載の揺動ベッド。
【請求項5】
前記座部は、幅方向中央領域に形成される座面と、幅方向両側にそれぞれ形成されて前記座面から立ち上がる座席側壁とを有し、
前記背もたれ側壁は、前記座席側壁よりも幅方向内側に配置され、
前記カムは、前記背もたれ側壁の幅方向外側面に設けられて前記座席側壁に覆われる、請求項4に記載の揺動ベッド。
【請求項6】
前記ベース部は幅方向外側空間と幅方向内側空間とを仕切る仕切壁を有し、前記揺動ロック機構の前記係合部は前記仕切壁の幅方向内側壁面に形成され、揺動ロック機構の前記ロック部材は前記仕切壁よりも幅方向内側に配置される、請求項1〜5のいずれかに記載の揺動ベッド。
【請求項7】
前記ベース部および前記座部のいずれか一方は幅方向両側で前後方向に延びる1対の湾曲した軌道面を有し、前記ベース部および前記座部の残る他方は前記軌道面に沿って転動する転動体を有し、前記転動体が前記軌道面上を往復することにより前記座部は前記ベース部に対して揺動する、請求項1〜6のいずれかに記載の揺動ベッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−74925(P2013−74925A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215125(P2011−215125)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(508189474)アップリカ・チルドレンズプロダクツ株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(508189474)アップリカ・チルドレンズプロダクツ株式会社 (36)
【Fターム(参考)】
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