説明

携帯型情報端末機

【課題】 製造原価が安価な携帯型情報端末機を提供する。
【解決手段】 携帯可能な大きさを有するケース本体と、該ケース本体に配設されてなる情報手段4とより構成されてなり、該情報手段4は、ホストコンピュータにより読み取った二次元画像情報を入力可能なる情報入力手段5と、該情報入力手段5により読み取った二次元画像情報を記憶可能なる情報記憶手段6と、該情報記憶手段6に蓄積された二次元画像情報を適宜検索可能なる情報検索手段7と、該情報検索手段7により適宜のフォームで二次元に配列して画像表示可能なる情報表示手段8とより構成されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯型情報端末機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型情報端末機としては、例えば、ビジネスマンなどにおいては、名刺交換の度数が多く、大量に蓄積される名刺等の読み取り対象物に記された情報を容易に電子情報化すると共にその電子情報の蓄積、管理を可能にしたものがある。かかる携帯型情報端末機は、携帯可能な大きさを有するケース本体と、該ケース本体に配設されてなる情報手段とより構成されてなり、情報手段としては、名刺とほぼ同等の大きさの画像表示と共に名刺を宛がうことで画像入力が可能としてあるものであり、ユーザの操作に従って、メモリから名刺情報を適宜呼び出して表示させている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−044174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の携帯型情報端末機にあっては、名刺を宛がうことで画像入力が可能としてあるので、実現可能性への疑問があり、仮に実現できても構造としては複雑なものとなることが予測され、そうであると、製造原価が著しく高価なものとなるおそれがある。
【0004】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、製造原価の安価な携帯型情報端末機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、携帯可能な大きさを有するケース本体と、該ケース本体に配設されてなる情報手段とより構成されてなり、該情報手段は、既存のスキャナにより読み取った二次元画像情報を入力可能なる情報入力手段と、該情報入力手段により読み取った二次元画像情報を記憶可能なる情報記憶手段と、該情報記憶手段に蓄積された二次元画像情報を適宜検索可能なる情報検索手段と、該情報検索手段により適宜のフォームで二次元に配列して画像表示可能なる情報表示手段とより少なくとも構成されてなることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯型情報端末機であって、前記情報記憶手段には、名刺管理機能と電子辞書機能とを併せ持ち、前記名刺管理機能と電子辞書機能との何れかを選択可能なる選択手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯型情報端末機であって、前記情報記憶手段は、既に蓄積された二次元画像情報に新たに二次元画像情報が加えられた場合、新たに加えられた二次元画像情報のみを追加して記憶させるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、情報手段の情報入力手段は、既存のスキャナによりホストコンピュータに読み取った二次元画像情報を入力するだけの機能しかないので、実現性が著しく高いばかりか、製造原価が著しく安価にできることになる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果に加え、情報記憶手段には、名刺管理機能と電子辞書機能とを併せ持ち、前記名刺管理機能と電子辞書機能との何れかを選択可能なる選択手段を有するため、該選択手段により適宜の名刺を呼び出したり、電子辞書として使用したり等多機能を一つの情報記憶手段により兼用できるので、その点でも製造原価が安価にできることになる。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の効果に加え、前記情報記憶手段は、既に蓄積された二次元画像情報に新たに二次元画像情報が加えられた場合、新たに加えられた二次元画像情報のみを追加して記憶させるようにしたため、記憶への時間が短くなり、次々に他の二次元画像情報を記憶させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
製造原価の安価な携帯型情報端末機を提供する、という目的を、携帯可能な大きさを有するケース本体と、該ケース本体に配設されてなる情報手段とより構成されてなり、該情報手段は、既存のスキャナにより読み取った二次元画像情報を入力可能なる情報入力手段と、該情報入力手段により読み取った二次元画像情報を記憶可能なる情報記憶手段と、該情報記憶手段に蓄積された二次元画像情報を適宜検索可能なる情報検索手段と、該情報検索手段により適宜のフォームで二次元に配列して画像表示可能なる情報表示手段とより少なくとも構成されてなることで、実現した。
【実施例】
【0012】
以下、この発明の一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
【0013】
符号1は、この実施例にかかる携帯型情報端末機で、該携帯型情報端末機1は、名刺2の大きさよりも一回り大きい程度の携帯可能で薄型の矩形状をなすケース3と、該ケース3に配設されてなる情報手段4とより構成されてなる。
【0014】
該情報手段4は、情報入力手段5と、情報記憶手段6と、情報検索手段7と、情報表示手段8とより少なくとも構成されてなる。
【0015】
前記情報入力手段5は、デスクトップ或いはラップトップの既存のホストコンピュータ9に接続したスキャナ10により読み取った二次元画像情報を入力する手段で、USBポートやホストコンピュータポートなどよりなる。
【0016】
スキャナ10は、二次元画像情報としての名刺2の表裏に印刷された氏名、会社名、部署名、役職、住所、電話番号、ファクシミリ番号、メールアドレス、会社の社章、個人の顔写真、更に手書きで記入した会ったときのメモ(郷里、趣味、学歴、共通する話題など)、もらった日付などの二次元画像情報を受光素子により受信し、既存の名刺管理ソフトによりソフトコンピュータ9に入力可能であり、該ソフトコンピュータ9から前記携帯型情報端末機1の情報入力手段5に、記憶媒体11により或いは直接コードで接続するなどして、既存のホストコンピュータ9が読み取った二次元画像情報を入力する。出願人において試算したところ、1ギガで1万人の名刺を管理できることを確認した。
【0017】
前記情報記憶手段6は、該情報入力手段5により読み取った二次元画像情報を記憶することを可能なるようにしたもので、既存の名刺管理機能を有するソフトと電子辞書機能を有する電子辞書ソフトが内蔵されており、前記名刺管理機能ソフトと電子辞書ソフトとの何れかを選択可能なる選択手段12を有する。
【0018】
前記情報記憶手段6は、記憶の出し入れなどのプログラム領域のメモリと、さまざまな辞書及び名刺2などの二次元画像情報であるデータ領域のメモリとよりなり、データ領域のメモリとしては、メーカーで予め入力してある辞書用メモリと、ユーザーや入力サービス機関などが入力・削除などにより任意に記憶させる名刺管理用メモリとよりなる。名刺管理用メモリに全く記憶されていない状態で、ユーザーや入力サービス機関などが最初に記憶させる時は、新たな一の名刺2に印刷された二次元画像情報を入力する度に記憶されるが、二枚目以降は、既に蓄積された二次元画像情報に新たに二次元画像情報が加えられることになり、新たに加えられた二次元画像情報のみを追加して記憶させるようにしてなる。
【0019】
前記情報検索手段7は、該情報記憶手段6に蓄積された二次元画像情報を、例えば、氏名を五十音順に並べて、それに伴う会社名、部署名、役職、住所、電話番号、ファクシミリ番号、メールアドレス、会社の社章、個人の顔写真などの順に項目別に並べるなどして適宜検索可能である。
【0020】
前記情報表示手段8は、名刺2の大きさとほぼ同じか或いは若干大きく形成されていて、該情報検索手段7により検索した情報を一覧表にしたり、名刺2そのものを表示するなど適宜のフォームで二次元に配列して画像表示することが可能である。
【0021】
前記ケース3は、ケース本体14と、リッド15とよりなる。前記ケース本体14には、前記情報手段4の中央演算装置13を備えると共に該中央演算装置13に接続されてなる情報手段4の情報入力手段5、情報記憶手段6、情報検索手段7を備えてなる。また、前記ケース本体14には、選択キーよりなる選択手段12、電源キー16,ページ送りキー17,入力キー18を備えてなる。前記リッド15には、前記情報手段4の情報表示手段8を備えてなる。
【0022】
前記入力キー18は、数字の1〜0、アルファベットのA〜Z、記号などの各種のキーが存在し、名刺2などの二次元画像情報だけでは不足していると感じた情報、例えば、名刺2を交換した日、印象、趣味など名刺2交換時に得た情報などを後から入力したりすることを可能としている。また、スキャナ10で読み取ったデータに相違(例えば、山田が山口)しているときの修正にも使える。
【0023】
図4は、前記携帯型情報端末機1の電気的構成を概略的に示したもので、携帯型情報端末機1は、全体の制御等を行うことが可能な中央演算装置13を備えており、この中央演算装置13が、前記選択手段12、電源キー16,ページ送りキー17,入力キー18からの操作信号が入力されるようになっている。また、前記中央演算装置13には、情報記憶手段6が接続されていて、該情報記憶手段6への書き込みや呼び出しを制御するようになっている。尚、ケース本体14には、図示しない駆動電源となる例えば二次電池も内蔵されている。
【0024】
以上のように構成された携帯型情報端末機1は、図3のステップS1にて、スキャナ10により、二次元画像情報としての名刺2の表裏に印刷された氏名、会社名、部署名、役職、住所、電話番号、ファクシミリ番号、メールアドレス、会社の社章、個人の顔写真、更に手書きで記入した会ったときのメモ(郷里、趣味、学歴、共通する話題など)、もらった日付などのイメージを認識したキャラクター情報等の二次元画像情報を受光素子により受信する。次の読み取る名刺2がステップ2にて存在することを確認すると、再びスキャナ10が稼働して読み取り動作が実行される。該読み取り動作が完了すると、ステップ3にて、読み取った二次元画像情報が、ソフトコンピュータ9の画面に表示される。該画面に表示された二次元画像情報が、ステップ4にて正しく入力されたかを確認して、間違っていれば、ステップ5にて修正し、正しければ、ステップ6にてソフトコンピュータ9に予め入力されている既存の名刺管理ソフトによりデータ登録される。
【0025】
ソフトコンピュータ9に登録されたデータを記録媒体11により取り出し、該記録媒体11を前記携帯型情報端末機1の情報入力手段5に接続することで、記憶媒体11により前記携帯型情報端末機1に既存のホストコンピュータ9が読み取った二次元画像情報が入力される。該携帯型情報端末機1内にあっては、前記したように情報処理される。
【0026】
携帯型情報端末機1の情報手段4の情報入力手段5は、既存のホストコンピュータ9により読み取った二次元画像情報(名刺情報)を入力するだけの機能しかないので、製造原価が著しく安価にできることになる。また、携帯型情報端末機1は、携帯できる大きさと重さを有するので、名刺ホルダとしての機能を維持し、接客中や電話をするなど、必要に応じていつでも自在に名刺などの情報を呼び出して情報表示手段8に表示することが出来る。この時には、情報検索手段7により会社名など項目別に分けてあるので、識別情報として検索が可能であり、検索の絞り込みも可能である。更に、ページ送りキー17により、次々と操作することで一つずつの名刺情報を見ていくようにすることが出来る。
【0027】
情報記憶手段6には、名刺管理機能と電子辞書機能とを併せ持ち、前記名刺管理機能と電子辞書機能との何れかを選択可能なる選択手段12を有するため、該選択手段12により適宜の名刺2を呼び出したり、電子辞書として使用したり等多機能を一つの情報記憶手段6により兼用できるので、その点でも製造原価が安価にできることになる。
【0028】
前記情報記憶手段6は、既に蓄積された二次元画像情報(名刺情報)に新たに二次元画像情報(名刺情報)が加えられた場合、新たに加えられた二次元画像情報(名刺情報)のみを追加して記憶させるようにしたため、記憶登録への時間が短くなり、次々に他の二次元画像情報(名刺情報)を記憶させることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0029】
携帯型情報端末機1の二次元画像情報として、前記した実施例では、名刺管理機能と電子辞書機能とを併せ持つものとして説明したが、これに限定されるものではなく、名刺管理機能のみでも良いし、名刺管理機能と地図機能とを併せ持つようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施例のソフトコンピュータにスキャナでの情報入力状態を示す斜視図。
【図2】この発明の一実施例の携帯型情報端末機を示す斜視図。
【図3】この発明の一実施例のソフトコンピュータにおける二次元画像情報の入力時の処理手順を示すフローチャート。
【図4】この発明の一実施例の携帯型情報端末機の電気的構成を概略的に示すブロック図。
【符号の説明】
【0031】
1 携帯型情報端末機
2 名刺(二次元画像情報)
3 ケース
4 情報手段
5 情報入力手段
6 情報記憶手段
7 情報検索手段
8 情報表示手段
9 ホストコンピュータ
10 スキャナ
11 記憶媒体
12 選択手段
13 中央演算装置
14 ケース本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能な大きさを有するケース本体と、該ケース本体に配設されてなる情報手段とより構成されてなり、
該情報手段は、既存のスキャナにより読み取った二次元画像情報を入力可能なる情報入力手段と、該情報入力手段により読み取った二次元画像情報を記憶可能なる情報記憶手段と、該情報記憶手段に蓄積された二次元画像情報を適宜検索可能なる情報検索手段と、該情報検索手段により適宜のフォームで二次元に配列して画像表示可能なる情報表示手段とより少なくとも構成されてなることを特徴とする携帯型情報端末機。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型情報端末機であって、
前記情報記憶手段には、名刺管理機能と電子辞書機能とを併せ持ち、
前記名刺管理機能と電子辞書機能との何れかを選択可能なる選択手段を有することを特徴とする携帯型情報端末機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の携帯型情報端末機であって、
前記情報記憶手段は、既に蓄積された二次元画像情報に新たに二次元画像情報が加えられた場合、新たに加えられた二次元画像情報のみを追加して記憶させるようにしたことを特徴とする携帯型情報端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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