説明

携帯端末、バランス訓練制御方法、バランス訓練制御プログラム及びバランス訓練システム

【課題】使用者の動的に変化し得る状態に応じて、使用者の身体的なバランス感覚の訓練を適切に支援する。
【解決手段】所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置を用いる使用者が保持する携帯端末であって、付与されている所定の運動負荷に対して、使用者の動きを検知する動作検知部と、検知された使用者の動きを基に、使用者に対する所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する制御部と、判定された運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、バランス訓練装置に送信する運動強度状態補正指示送信部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の身体的なバランス感覚を訓練する携帯端末、バランス訓練制御方法、バランス訓練制御プログラム及びバランス訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の揺動型運動装置の一例として、乗馬を模した運動負荷を使用者に付与するものが知られている。この様な揺動型運動装置は、子供から老人まで利用可能な運動器具として、リバビリテーションを目的に使用する医療機関から一般家庭において普及している。
【0003】
この様な揺動型運動装置を用いて身体の姿勢偏差を改善するものとして、例えば、特許文献1が知られている。
【0004】
特許文献1の姿勢改善装置は、入力部から入力された人体の姿勢情報を基に、姿勢を矯正するためのデータ、即ち、姿勢改善用の姿勢改善装置の動作制御のための動作パラメータを格納するデータベースから運動処方データを取り出す。運動処方データは、姿勢改善装置の動作パラメータを基にしたものである。更に、姿勢改善装置は、取り出された運動処方データを、身体改善のための姿勢改善装置に応じたものとして出力する。姿勢改善装置によれば、姿勢偏差を効果的に解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−143781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1において入力された人体の姿勢情報に応じた運動処方データでは、使用者の動的に変化し得る状態、即ち、使用者の姿勢改善装置の使用日における体調若しくは使用者のエクササイズに対する順応度等に対して、身体の姿勢偏差を適切に改善することが困難であると考えられる。
【0007】
従って、使用者は、姿勢改善装置を使用する度に、自己の取り組むエクササイズのプログラムを、自己の動的に変化する状態に応じた調整を強いられるという課題が存在する。
【0008】
本発明は、上述した従来の事情に鑑みてなされたものであり、使用者の動的に変化し得る状態に応じて、使用者の身体的なバランス感覚の訓練を適切に支援する携帯端末、バランス訓練制御方法、バランス訓練制御プログラム及びバランス訓練システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した携帯端末であって、所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置を用いる使用者が保持する携帯端末であって、前記付与されている前記所定の運動負荷に対して、前記使用者の動きを検知する動作検知部と、前記検知された前記使用者の動きを基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する制御部と、前記判定された前記運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、前記バランス訓練装置に送信する運動強度状態補正指示送信部と、を備える。
【0010】
また、本発明は、上述したバランス訓練制御方法であって、所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置を用いる使用者が保持する携帯端末のバランス訓練制御方法であって、前記付与されている前記所定の運動負荷に対して、前記使用者の動きを検知するステップと、前記検知された前記使用者の動きを基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定するステップと、前記判定された前記運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、前記バランス訓練装置に送信するステップと、を備える。
【0011】
また、本発明は、上述したプログラムであって、所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置を用いる使用者が保持する携帯端末に、前記付与されている前記所定の運動負荷に対して、前記使用者の動きを検知するステップと、前記検知された前記使用者の動きを基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定するステップと、前記判定された前記運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、前記バランス訓練装置に送信するステップと、を実現させる。
【0012】
また、本発明は、上述したバランス訓練システムであって、所定の運動負荷を使用者に付与するバランス訓練装置と、前記バランス訓練装置を用いる前記使用者が保持する携帯端末と含むバランス訓練システムであって、前記携帯端末は、前記付与されている前記所定の運動負荷に対して、前記使用者の動きを検知する動作検知部と、前記検知された前記使用者の動きを基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する第1制御部と、前記判定された前記運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、前記バランス訓練装置に送信する運動強度状態補正指示送信部と、を備え、前記バランス訓練装置は、前記送信された前記運動強度状態補正指示を受信する運動強度状態補正指示受信部と、前記受信された前記運動強度状態補正指示を基に、前記所定の運動負荷の強度を変更する第2制御部と、前記変更された前記強度の前記運動負荷を前記使用者に付与する動作駆動部と、を備える。
【0013】
上述した構成によれば、使用者の動的に変化し得る状態に応じて、使用者の身体的なバランス感覚の訓練を適切に支援することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、使用者の動的に変化し得る状態に応じて、使用者の身体的なバランス感覚の訓練を適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1の携帯端末及びバランス訓練装置を含むバランス訓練システムの内部構成の一例を表すブロック図
【図2】運動強度状態判定情報の一例を表す説明図
【図3】実施の形態1のバランス訓練システムの動作を説明するシーケンス図
【図4】実施の形態2の携帯端末及びバランス訓練装置を含むバランス訓練システムの内部構成の一例を表すブロック図
【図5】(a)イベントが音楽再生中である場合の運動強度状態判定情報の一例を表す説明図、(b)イベントがメール閲覧中である場合の運動強度状態判定情報の一例を表す説明図、(c)イベントがメール作成中である場合の運動強度状態判定情報の一例を表す説明図
【図6】実施の形態2のバランス訓練システムの動作を説明するシーケンス図
【図7】(a)運動強度状態が弱い場合のバランス訓練装置の状態の表示例を表す説明図、(b)運動強度状態が適切である場合のバランス訓練装置の状態の表示例を表す説明図、(c)運動強度状態が強い場合のバランス訓練装置の状態の表示例を表す説明図
【図8】(a)運動強度状態が強い場合におけるグラスの傾き状態の表示例を表す説明図、(b)運動強度状態が適切である場合におけるグラスの傾き状態の表示例を表す説明図、(c)運動強度状態が強い場合におけるグラスの傾き状態の表示例を表す説明図、(d)運動強度状態が非常に強い場合におけるグラスの傾き状態の表示例を表す説明図
【図9】実施の形態2の変形例のバランス訓練システムの動作を説明するシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る携帯端末、バランス訓練制御方法、バランス訓練制御プログラム及びバランス訓練システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の各実施の形態において、本発明に係るバランス訓練システムは、所定の運動負荷を使用者に付与するバランス訓練装置と、バランス訓練装置を用いる使用者が保持する携帯端末とを含む構成である。
【0017】
なお、使用者が携帯端末を保持する態様は、例えば使用者が着用している私服等のポケットに入っている場合、又は使用者が直接手にとって持っている場合等が考えられるが、これらの場合に限定されない。
【0018】
本発明に係る携帯端末は、バランス訓練装置の使用者が携帯可能な端末であって、例えば携帯電話機、スマートフォン、PDA(personal digital assistant)、デジタルスチルカメラ又は電子書籍端末等でも良い。
【0019】
なお、本発明は、携帯端末をコンピュータとして動作させるためのプログラムとして表現することも可能である。更に、本発明は、携帯端末により実行される処理(ステップ)を含む方法として表現することも可能である。更に、本発明は、携帯端末及びバランス訓練装置を含むバランス訓練システムとして表現することも可能である。即ち、本発明は、装置、方法、プログラム及びシステムのうちいずれのカテゴリーでも表現可能である。
【0020】
以下の説明において、使用者は、バランス訓練装置を用いて、自己の身体的なバランス感覚の訓練のために、バランス訓練装置から例えば乗馬に模した運動負荷の付与を受けるとする。
【0021】
以下、バランス訓練装置に対する使用者の操作に応じて使用者に運動負荷を付与する場合において、付与される運動負荷の強度を「運動強度」と記載する。運動強度の状態を「運動強度状態」と記載し、運動強度状態は例えば「弱い」、「適切」、「強い」の3種類の状態があるものとして説明する。但し、運動強度状態はこれらに限定されず、例えば「非常に強い」を含むことも可能である。
【0022】
(実施の形態1)
実施の形態1のバランス訓練システム300の構成及び動作について、図1〜図3を参照して説明する。
【0023】
実施の形態1では、携帯端末100は、所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置200を用いる使用者により保持され、付与されている所定の運動負荷に対する使用者の動きを検知する。
【0024】
携帯端末100は、使用者の身体データ及び検知された使用者の動きを基に、バランス訓練装置200が付与している使用者に対する運動負荷の運動強度状態を判定する。
【0025】
更に、携帯端末100は、判定された運動強度状態を適切な運動強度状態に維持又は変更するための運動強度状態補正指示を、バランス訓練装置200に送信する。
【0026】
バランス訓練装置200は、携帯端末100により送信された運動強度状態補正指示を受信し、この運動強度状態補正指示に応じた運動強度状態の運動負荷を使用者に付与する。
【0027】
図1は、実施の形態1の携帯端末100及びバランス訓練装置200を含むバランス訓練システム300の内部構成の一例を表すブロック図である。携帯端末100は、図1に表す様に、動作検知部101、制御部102、記憶部103、運動強度状態補正指示送信部104、RAM(Random Access Memory)105及びROM(Read Only Memory)106を少なくとも含む構成である。
【0028】
バランス訓練装置200は、図1に表す様に、操作部201、記憶部202、制御部203、運動強度状態補正指示受信部204、運動強度検知部205、動作駆動部206、RAM207及びROM208を少なくとも含む構成である。
【0029】
先ず、携帯端末100の構成及び動作を説明する。
【0030】
以下の携帯端末100の動作の説明は、使用者がバランス訓練装置200を用いて例えば乗馬に模した運動負荷の付与を受けている状態を前提とし、使用者は携帯端末100を保持している状態とする。
【0031】
動作検知部101は、携帯端末100に内蔵される加速度センサにより構成され、バランス訓練装置200を用いている使用者の動きを検知する。動作検知部101は、検知した使用者の動きに関する出力値を制御部102に出力する。
【0032】
動作検知部101による使用者の動きの検知には、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を応用したMEMS加速度センサを用いた静電容量検出方式、ピエゾ抵抗方式、及び熱検知方式のうちいずれかの方式を適用可能である。
【0033】
以下の各実施の形態では、動作検知部101の出力値は、例えば数値「1」、「2」、「3」、「4」及び「5」の5段階の数値を用いて表現するが、これらの数値を用いた表現に限定されない。
【0034】
ここで、運動負荷に対する使用者の動きは、使用者の動的に変化し得る状態(現時点における使用者の体調又は当該運動負荷に対する順応度等)に応じて、変化すると考えられる。
【0035】
例えば、使用者の体調が良いときには、運動強度状態が「適切」又は「強い」の運動負荷が付与されても、使用者はバランス訓練装置200から付与されている運動負荷に柔軟に対応可能、即ち、バランス感覚を保てる状態となり、使用者は運動負荷に対してあまり動かないものと考えられる。この場合には、動作検知部101により検知される使用者の動きに関する出力値は小さくなる。
【0036】
一方、使用者の体調が良くないときには、運動強度状態が「適切」又は「強い」の運動負荷が付与された場合には、使用者はバランス訓練装置200から付与されている運動負荷に柔軟に対応することが困難、即ち、バランス感覚を保つのが困難な状態となり、使用者は運動負荷に対して大いに動くものと考えられる。この場合には、動作検知部101により検知される使用者の動きに関する出力値は大きくなる。
【0037】
制御部102は、携帯端末100に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)により構成され、動作検知部101からの出力値を入力し、後述する記憶部103に記憶されている使用者の身体データ及び運動強度状態判定情報ETを読み出す。制御部102は、入力された動作検知部101からの出力値、並びに読み出した身体データ及び運動強度状態判定情報ETを基に、使用者に付与されている運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する。制御部102は、判定した運動強度状態を、RAM105又は記憶部103に記憶する。実施の形態1における運動強度状態の判定の説明は後述する。
【0038】
記憶部103は、携帯端末100に内蔵されるハードディスク又はフラッシュメモリ等で構成されている。記憶部103は、使用者の身体データ、運動強度状態判定情報ET、及び携帯端末100において使用可能な複数のアプリケーション等を記憶している。なお、これらの各アプリケーションは、使用者の操作に応じて図1に不図示の操作部から出力された操作信号に応じて、制御部102が記憶部103から読み出して使用可能となる。
【0039】
なお、以下の各実施の形態においては、使用者の身体データは、例えば年齢及び切別とするが、これらに限定されない。
【0040】
図2は、実施の形態1における運動強度状態判定情報ETの一例を表す説明図である。実施の形態1における運動強度状態判定情報ETは、使用者の身体データ(年齢及び性別)に応じて、バランス訓練装置200が使用者に運動負荷を適切に付与しているか否かを表す情報である。運動強度状態判定情報ETは、年齢、性別、動作検知部の出力値及び運動強度状態の各項目を含む構成である。
【0041】
図2において、年齢「0〜20」の「男性」においては、動作検知部101の出力値が「1」又は「2」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、動作検知部101の出力値が「3」又は「4」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0042】
同様に、年齢「0〜20」の「女性」においては、動作検知部101の出力値が「1」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、動作検知部101の出力値が「2」又は「3」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「4」又は「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0043】
同様に、年齢「20〜40」の「男性」においては、動作検知部101の出力値が「1」又は「2」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、動作検知部101の出力値が「3」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「4」又は「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0044】
同様に、年齢「20〜40」の「女性」においては、動作検知部101の出力値が「1」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、動作検知部101の出力値が「2」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「3」〜「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0045】
同様に、年齢「40〜60」の「男性」においては、動作検知部101の出力値が「1」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、動作検知部101の出力値が「2」又は「3」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「4」又は「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0046】
同様に、年齢「40〜60」の「女性」においては、動作検知部101の出力値が「1」又は「2」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「3」〜「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0047】
同様に、年齢「60」以上の「男性」においては、動作検知部101の出力値が「1」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、動作検知部101の出力値が「2」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「3」〜「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0048】
同様に、年齢「60」以上の「女性」においては、動作検知部101の出力値が「1」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「2」〜「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0049】
運動強度状態補正指示送信部104は、バランス訓練装置200との間の情報又はデータの送受信を制御可能な無線通信回路及びアンテナ若しくはアンテナ素子等により構成され、制御部102から出力された運動強度状態補正指示を入力する。
【0050】
運動強度状態補正指示送信部104は、アンテナ又はアンテナ素子を介して、入力された運動強度状態補正指示をバランス訓練装置200に送信する。
【0051】
RAM105は、制御部102の動作におけるワークメモリとして動作する。なお、図1においては、RAM105への矢印の図示を省略している。
【0052】
ROM106は、携帯端末100における制御部102の動作が予め規定されたプログラムを記憶している。なお、制御部102は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能である。特に、制御部102がソフトウェアにより構成される際には、携帯端末100に内蔵されているCPUが制御部102の動作が予め規定されたプログラムをROM106から読み出すことにより、制御部102が動作可能となる。なお、図1においては、ROM106への矢印の図示を省略している。
【0053】
次に、バランス訓練装置200の構成及び動作を説明する。
【0054】
以下のバランス訓練装置200の動作の説明は、使用者が、携帯端末100を保持している状態であって、バランス訓練装置200を用いて運動負荷の付与を受けている状態のものとする。
【0055】
操作部201は、使用者がバランス訓練装置200に対する操作を入力するためのインタフェース(例えば操作パネル等)であり、使用者の操作内容に応じた操作信号を制御部203に出力する。
【0056】
操作部201は、例えば、初心者用メニュー、弱い運動強度、適切な運動強度及び強い運動強度のうちいずれかを選択して付与可能な全身メニュー、並びに運動負荷の付与速度を調整可能なボタン等で構成可能である。また、操作部201は、LCD(Liquid Crystal Display)、及び、LCDの上に配置され、使用者の指又はスタイラスペン等による入力操作を受け付け可能なタッチパネルで構成されても良い。
【0057】
記憶部202は、バランス訓練装置200に内蔵されるハードディスク又はフラッシュメモリ等で構成されている。記憶部202は、操作部201から出力された操作信号に応じてバランス訓練装置200で使用可能なメニューに応じた運動負荷を付与するときに、制御部203が動作駆動部206を制御するための動作パラメータを記憶している。
【0058】
制御部203は、バランス訓練装置200に内蔵されるCPUにより構成され、後述する運動強度検知部205から出力されている運動強度及び記憶部202に記憶されている動作パラメータを基に、操作部201からの操作信号に応じたメニューに応じた運動負荷の運動強度を、使用者に付与するための制御信号を動作駆動部206に制御する。
【0059】
また、制御部203は、操作部201からの操作信号に応じたメニューに応じた運動負荷の運動強度を使用者に付与しているときに、運動強度状態補正指示受信部204から運動強度状態補正指示を入力する。この場合、制御部203は、操作部201からの操作信号に応じて付与されている運動強度を、運動強度状態補正指示に応じた運動強度に変更するための制御信号を動作駆動部206に出力する。
【0060】
運動強度状態補正指示受信部204は、携帯端末100との間の情報又はデータの送受信を制御可能な無線通信回路及びアンテナ若しくはアンテナ素子等により構成され、携帯端末100から送信された運動強度状態補正指示を受信する。
【0061】
運動強度状態補正指示受信部204は、受信した運動強度状態補正指示を制御部203に出力する。
【0062】
運動強度検知部205は、バランス訓練装置200が使用者に付与している運動強度を感知して制御部203に出力する。運動強度検知部205の具体的な構成は、下記参考特許文献1の図3(3軸加速度センサ、ローパスフィルタ回路、A/D変換回路、演算処理部、及びメモリ)に示す構成が適用可能である。
【0063】
(参考特許文献1)特開2007−260182号公報
【0064】
動作駆動部206は、制御部203から出力された制御信号に応じた運動強度の運動負荷を使用者に付与する。
【0065】
RAM207は、制御部203及び運動強度検知部205の各部の動作における各々のワークメモリとして動作する。なお、図1においては、RAM207への矢印の図示を省略している。
【0066】
ROM208は、バランス訓練装置200における制御部203及び運動強度感知部205の各部の動作が予め規定された各プログラムを記憶している。なお、制御部203及び運動強度感知部205の各部は、ハードウェア又はソフトウェアで構成することが可能である。特に、これらの各部がソフトウェアにより構成される際には、バランス訓練装置200に内蔵されているCPUが当該各部の動作が予め規定されたプログラムをROM208から読み出すことにより、当該各部が動作可能となる。なお、図1においては、ROM208への矢印の図示を省略している。
【0067】
次に、実施の形態1の携帯端末100及びバランス訓練装置200を含むバランス訓練システム300の動作を、図3を参照して説明する。図3は、実施の形態1のバランス訓練システム300の動作を説明するシーケンス図である。
【0068】
図3において、バランス訓練装置200の制御部203は、使用者の操作に応じて操作部201から出力された操作信号を基に、所定の運動負荷(例えば、予め設定されている運動負荷)を使用者に付与する(S101)。
【0069】
使用者が保持している携帯端末100の動作検知部101は、バランス訓練装置200を用いている使用者の動きを検知する(S102)。動作検知部101は、検知した使用者の動きに関する出力値を制御部102に出力する(S103)。
【0070】
制御部102は、ステップS103において動作検知部101から出力された出力値を入力し、更に、記憶部103に記憶されている使用者の身体データ及び運動強度状態判定情報ETを読み出す。制御部102は、入力された動作検知部101からの出力値、並びに読み出した使用者の身体データ及び運動強度状態判定情報ETを基に、使用者に対する現在の運動負荷の運動強度状態を判定する(S104)。
【0071】
制御部102は、ステップS104において判定された運動強度状態を適切とするための運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104に出力する(S105)。
【0072】
例えば、ステップS104において運動強度状態が「強い」と判定された場合には、制御部102は、ステップS105において運動強度状態を「適切」に変更するための運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104に出力する。
【0073】
例えば、ステップS104において運動強度状態が「弱い」と判定された場合には、制御部102は、ステップS105において運動強度状態を「適切」に変更するための運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104に出力する。
【0074】
例えば、ステップS104において運動強度状態が「適切」と判定された場合には、制御部102は、ステップS105において運動強度状態を「適切」に維持するための運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104に出力する。
【0075】
また、ステップS104において運動強度状態が「適切」と判定された場合には、制御部102は、運動強度状態を変更する必要が無いため、運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104へ送付しないでも良い。
【0076】
運動強度状態補正指示送信部104は、制御部102から出力された運動強度状態補正指示を入力し、バランス訓練装置200に送信する(S106)。
【0077】
バランス訓練装置200の運動強度状態補正指示受信部204は、ステップS106において携帯端末100から送信された運動強度状態補正指示を受信する(S107)。運動強度状態補正指示受信部204は、受信した運動強度状態補正指示を制御部203に出力する。
【0078】
バランス訓練装置200の制御部203は、操作部201からの操作信号に応じて付与されている運動強度を、運動強度状態補正指示に応じた運動強度に変更するための制御信号を動作駆動部206に出力する(S108)。動作駆動部206は、制御部203から出力された制御信号に応じた運動強度の運動負荷を使用者に付与する。
【0079】
以上により、実施の形態1のバランス訓練システム300では、携帯端末100は使用者の身体データに応じて、バランス訓練装置200が使用者に現在付与している運動負荷の運動強度状態を判定する。更に、携帯端末100は、判定された運動強度状態を適切なものとするための運動強度状態補正指示をバランス訓練装置200に送信する。バランス訓練装置200は、送信された運動強度状態補正指示に応じて、現在付与している運動強度状態を変更し、変更後の運動強度状態の運動負荷を使用者に付与する。
【0080】
これにより、実施の形態1の携帯端末100及びバランス訓練装置200を含むバランス訓練システム300によれば、使用者の動的に変化し得る状態(例えば現時点の使用者の体調又は運動負荷に対する順応度等)に応じて、使用者の身体的なバランス感覚の訓練を適切に支援することができる。即ち、バランス訓練システム100によれば、トレーニング効果の高い運動強度状態の運動負荷を使用者に付与することができる。
【0081】
(実施の形態2)
実施の形態2のバランス訓練システム300aの構成及び動作について、図4〜図6を参照して説明する。
【0082】
実施の形態2では、携帯端末100aは、所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置200を用いる使用者により保持され、付与されている所定の運動負荷に対して使用者の動きを検知する。
【0083】
携帯端末100aは、使用者の身体データ、検知された使用者の動き及び使用者が携帯端末100aを操作して携帯端末100aにおいて発生しているイベントを基に、使用者に対する運動強度状態を判定する。
【0084】
更に、携帯端末100aは、判定された運動強度状態を適切な運動強度状態に維持又は変更するための運動強度状態補正指示を、バランス訓練装置200に送信する。
【0085】
バランス訓練装置200は、携帯端末100により送信された運動強度状態補正指示を受信し、この運動強度状態補正指示に応じた運動強度状態の運動負荷を使用者に付与する。
【0086】
図4は、実施の形態2の携帯端末100a及びバランス訓練装置200を含むバランス訓練300aの内部構成の一例を表すブロック図である。携帯端末100aは、図4に表す様に、動作検知部101、制御部102a、記憶部103a、運動強度状態補正指示送信部104、RAM105a、操作部107、表示制御部108及び表示部109を少なくとも含む構成である。
【0087】
バランス訓練装置200は、図4に表す様に、操作部201、記憶部202、制御部203、運動強度状態補正指示受信部204、運動強度検知部205、動作駆動部206、RAM207及びROM208を少なくとも含む構成である。なお、バランス訓練装置200の構成及び動作は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0088】
更に、実施の形態2において、実施の形態1と同様の説明は省略し、以下では実施の形態1と異なる内容について説明する。
【0089】
制御部102aは、携帯端末100aに内蔵されるCPUにより構成され、動作検知部101からの出力値を入力する。制御部102aは、使用者が現在、携帯端末100aを操作して携帯端末100aにおいて発生しているイベントの情報を記憶部103a又はRAM105に記憶する。
【0090】
イベントとは、例えば、使用者が携帯端末100aの音楽再生用のアプリケーションを起動して音楽を再生しているという音楽再生中のイベント、使用者が携帯端末100aのメーラを起動してメールを閲覧しているというメール閲覧中のイベント、又は使用者が携帯端末100aのメーラを起動してメールを作成しているというメール作成中のイベント等である。但し、イベントは、これらの内容に限定されない。
【0091】
制御部102aは、記憶部103aに記憶されている使用者の身体データ、使用者が現在携帯端末100aの操作によって発生しているイベントの情報、及び当該イベントに応じた運動強度状態判定情報を読み出す。制御部102aは、入力された動作検知部101からの出力値、並びに読み出した身体データ、イベントの情報及び運動強度状態判定情報を基に、使用者に現在付与されている運動負荷の運動強度状態を判定する。制御部102aは、判定した運動強度状態を、RAM105又は記憶部103aに記憶する。実施の形態2における運動強度状態の判定の説明は後述する。
【0092】
記憶部103aは、携帯端末100aに内蔵されるハードディスク又はフラッシュメモリ等で構成されている。記憶部103aは、使用者の身体データ、使用者が現在携帯端末100aの操作によって発生しているイベント毎に定められた各運動強度状態判定情報EET1〜EET3、及び携帯端末100aにおいて使用可能な複数のアプリケーション等を記憶している。なお、これらの各アプリケーションは、使用者の操作に応じて操作部107から出力された操作信号に応じて、制御部102aが記憶部103aから読み出して使用可能となる。
【0093】
図5(a)は、イベントが音楽再生中である場合の運動強度状態判定情報EET1の一例を表す説明図である。図5(b)は、イベントがメール閲覧中である場合の運動強度状態判定情報EET2の一例を表す説明図である。図5(c)は、イベントがメール作成中である場合の運動強度状態判定情報EET3の一例を表す説明図である。
【0094】
図5には、例えば3つの運動強度状態判定情報EET1〜EET3が示されているが、記憶部103aにはこれらの運動強度状態判定情報EET1〜EET3以外の各アプリケーションに対応した運動強度状態判定情報が記憶されても良い。
【0095】
実施の形態2における運動強度状態判定情報は、実施の形態1における運動強度状態判定情報とは異なり、ユーザが携帯端末100を操作して携帯端末100において発生しているイベント毎に設けられている。
【0096】
実施の形態2における運動強度状態判定情報EET1〜EET3は、使用者が携帯端末100を操作して携帯端末100において発生しているイベント毎に、使用者の身体データ(年齢及び性別)に応じて、バランス訓練装置200が使用者に運動強度を適切に付与しているか否かを表す情報である。実施の形態2における運動強度状態判定情報EET1〜EET3は、それぞれイベント、年齢、性別、動作検知部の出力値及び運動強度状態の各項目を含む構成である。
【0097】
図5(a)において、イベント「音楽再生中」における運動強度状態判定情報EET1の年齢「0〜20」の「男性」においては、動作検知部101の出力値が「1」〜「3」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、動作検知部101の出力値が「4」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0098】
同様に、図5(b)において、イベント「メール閲覧中」における運動強度状態判定情報EET2の年齢「0〜20」の「男性」においては、動作検知部101の出力値が「1」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、動作検知部101の出力値が「2」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「3」〜「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0099】
同様に、図5(c)において、イベント「メール作成中」における運動強度状態判定情報EET3の年齢「0〜20」の「男性」においては、動作検知部101の出力値が「1」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、動作検知部101の出力値が「2」〜「5」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0100】
従って、使用者の年齢及び性別が同じでも、使用者が携帯端末100aを操作して携帯端末100aにおいて発生しているイベントが異なれば、バランス訓練装置200が使用者に付与している運動負荷の運動強度状態はそれぞれ異なる。
【0101】
例えば、年齢「0〜20」の「男性」において動作検知部101の出力値が「2」である場合には、イベントが「音楽再生中」である場合には運動強度状態は「弱い」と判定され、イベントが「メール閲覧中」である場合には運動強度状態は「適切」と判定され、イベントが「メール作成中」である場合には運動強度状態は「強い」と判定される。
【0102】
RAM105aは、制御部102の動作におけるワークメモリとして動作する。RAM105aには、例えば、使用者が現在携帯端末100aを操作して携帯端末100aにおいて使用しているアプリケーションの情報が記憶されている。なお、図1においては、RAM105aへの矢印の図示を省略している。
【0103】
操作部107は、使用者が携帯端末100に対する操作を入力するためのインタフェースであり、使用者の操作内容に応じた操作信号を制御部102aに出力する。例えば、操作部107は、使用者が携帯端末100aにおいて使用可能なアプリケーションを起動するための操作を入力した場合に、使用者の操作に応じた起動要求信号を制御部102aに出力する。
【0104】
制御部102aは、操作部107から出力された起動要求信号に応じて、記憶部103aからアプリケーションを読み出し、当該アプリケーションの情報及び当該アプリケーションのプログラムをRAM105に記憶する。これにより、使用者は携帯端末100aにおいて所望のアプリケーションを使用可能である。
【0105】
操作部107は、例えば、携帯端末100aが携帯電話機である場合には、電話番号等を入力するテンキー、オンフック又はオフフックを行う通話器キー及びファンクションキー等の各種キーで構成可能である。また、操作部107は、LCDで構成可能な表示部109の上に配置され、使用者の指又はスタイラスペン等による入力操作を受け付け可能なタッチパネルで構成されても良い。
【0106】
表示制御部108は、携帯端末100aに内蔵されるCPUにより構成され、制御部102aからの出力に応じて、例えば使用者が起動要求したアプリケーションの画面を表示部109に表示する様に表示部109を制御する。
【0107】
表示部109は、LCDにより構成され、表示制御部108により出力された信号に応じて、例えば使用者が起動要求したアプリケーションの画面を表示する。
【0108】
次に、実施の形態2の携帯端末100a及びバランス訓練装置200を含むバランス訓練システム300aの動作を、図6を参照して説明する。図6は、実施の形態2のバランス訓練システム300aの動作を説明するシーケンス図である。
【0109】
図6において、バランス訓練装置200の制御部203は、使用者の操作に応じて操作部201から出力された操作信号を基に、所定の運動負荷(例えば、予め設定されている運動負荷)を使用者に付与する(S101)。
【0110】
使用者が保持している携帯端末100aの動作検知部101は、バランス訓練装置200を用いている使用者の動きを検知する(S102)。動作検知部101は、検知した使用者の動きに関する出力値を制御部102aに出力する(S103)。
【0111】
制御部102aは、RAM105に記憶されている情報(使用しているアプリケーションの情報)を基に、使用者が現在携帯端末100aを操作して携帯端末100aにおいて発生しているイベントを判定する(S110)。例えば、RAM105に記憶されているアプリケーションの情報が「音楽再生用アプリケーション」である場合には、イベントは「音楽再生中」と判定される。
【0112】
更に、制御部102aは、ステップS103において動作検知部101から出力された出力値を入力し、更に、使用者の身体データ、及びステップS110において判定されたイベントに対応した運動強度状態判定情報EET1を記憶部103aから読み出す。制御部102aは、入力された動作検知部101からの出力値、並びに読み出した使用者の身体データ及び運動強度状態判定情報EET1を基に、使用者に対する現在の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する(S104A)。
【0113】
制御部102aは、ステップS104Aにおいて判定された運動強度状態を適切とするための運動強度補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104に出力する(S105)。
【0114】
例えば、ステップS104Aにおいて運動強度状態が「強い」と判定された場合には、制御部102aは、ステップS105において運動強度状態を「適切」に変更するための運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104に出力する。
【0115】
例えば、ステップS104Aにおいて運動強度状態が「弱い」と判定された場合には、制御部102aは、ステップS105において運動強度状態を「適切」に変更するための運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104に出力する。
【0116】
例えば、ステップS104Aにおいて運動強度状態が「適切」と判定された場合には、制御部102aは、ステップS105において運動強度状態を「適切」に維持するための運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104に出力する。
【0117】
また、ステップS104Aにおいて運動強度状態が「適切」と判定された場合には、制御部102aは、運動強度状態を変更する必要が無いため、運動強度状態補正指示を、運動強度状態補正指示送信部104へ出力しないでも良い。
【0118】
運動強度状態補正指示送信部104は、制御部102aから出力された運動強度状態補正指示を入力し、バランス訓練装置200に送信する(S106)。
【0119】
バランス訓練装置200の運動強度状態補正指示受信部204は、ステップS106において携帯端末100から送信された運動強度状態補正指示を受信する(S107)。運動強度状態補正指示受信部204は、受信した運動強度状態補正指示を制御部203に出力する。
【0120】
バランス訓練装置200の制御部203は、操作部201からの操作信号に応じて付与されている運動強度を、運動強度状態補正指示に応じた運動強度に変更するための制御信号を動作駆動部206に出力する(S108)。動作駆動部206は、制御部203から出力された制御信号に応じた運動強度の運動負荷を使用者に付与する。
【0121】
以上により、実施の形態2のバランス訓練システム300aでは、携帯端末100は使用者が携帯端末100aを操作して携帯端末100aにおいて発生しているイベント及び使用者の身体データに応じて、バランス訓練装置200が使用者に現在付与している運動負荷の運動強度状態を判定する。更に、携帯端末100aは、判定された運動強度状態を適切なものとする運動強度状態補正指示をバランス訓練装置200に送信する。バランス訓練装置200は、送信された運動強度状態補正指示に応じて、現在付与している運動強度状態を変更し、変更後の運動強度状態の運動負荷を使用者に付与する。
【0122】
これにより、実施の形態2の携帯端末100a及びバランス訓練装置200を含むバランス訓練システム300aによれば、使用者の動的に変化し得る状態(例えば現時点の使用者の体調又は運動負荷に対する順応度等)及び携帯端末100aに発生しているイベントに応じて、使用者の身体的なバランス感覚の訓練を適切に支援することができる。更に、バランス訓練システム100によれば、バランス訓練装置200を用いて運動負荷の付与を受けているときでも、使用者の携帯端末100aの操作性を向上させることができる。
【0123】
(実施の形態2の変形例)
実施の形態2の変形例のバランス訓練システムの動作について、図7〜図9を参照して説明する。なお、実施の形態2の変形例では、実施の形態2のバランス訓練システム300aの構成と同様であるため、説明を省略する。
【0124】
実施の形態2の変形例では、バランス訓練装置200を用いて運動負荷の付与を受けている使用者は、バランス訓練装置200が使用者に付与している運動負荷の運動強度状態を、バランス訓練システム300aの傾きとして表示するアプリケーション、又は水が入っているグラスの傾きに見立てて表示するアプリケーションを携帯端末100aにおいて使用している。
【0125】
携帯端末100aは、運動強度状態を判定した後、判定された運動強度状態を、バランス訓練システム300aの傾き又は水が入っているグラスの傾きに見立てて表示する。
【0126】
図7(a)は、運動強度状態が弱い場合のバランス訓練装置200の状態の表示例を表す説明図である。図7(b)は、運動強度状態が適切である場合のバランス訓練装置200の状態の表示例を表す説明図である。図7(c)は、運動強度状態が強い場合のバランス訓練装置200の状態の表示例を表す説明図である。
【0127】
運動強度状態が弱いと判定された場合、表示部109には、図7(a)に示す様に、使用者が携帯端末100aを操作しながらでも、バランス訓練装置200からの運動負荷に対するバランス感覚を適切に保つことが可能である様子が表示される。
【0128】
運動強度状態が適切と判定された場合、表示部109には、図7(b)に示す様に、使用者が携帯端末100aを操作しながらでも、バランス訓練装置200からの運動負荷に対するバランス感覚を適切に保つことが可能である様子が表示される。
【0129】
運動強度状態が強いと判定された場合、表示部109には、図7(c)に示す様に、使用者が携帯端末100aを操作しながらでは、バランス訓練装置200からの運動負荷に対するバランス感覚を適切に保つことが困難である様子が表示される。
【0130】
図8(a)は、運動強度状態が強い場合におけるグラスの傾き状態の表示例を表す説明図である。図8(b)は、運動強度状態が適切である場合におけるグラスの傾き状態の表示例を表す説明図である。図8(c)は、運動強度状態が強い場合におけるグラスの傾き状態の表示例を表す説明図である。図8(d)は、運動強度状態が非常に強い場合におけるグラスの傾き状態の表示例を表す説明図である。
【0131】
運動強度状態が強いと判定された場合、表示部109には、図8(a)又は図8(c)に示す様に、グラスの水が零れそうな状態であることから、バランス訓練装置200からの運動負荷に対するバランス感覚をなんとかして保つことが可能である様子が表示される。
【0132】
運動強度状態が適切と判定された場合、表示部109には、図8(b)に示す様に、グラスの水が零れない状態であることから、バランス訓練装置200からの運動負荷に対するバランス感覚を適切に保つことが可能である様子が表示される。
【0133】
運動強度状態が非常に強いと判定された場合、表示部109には、図8(d)に示す様に、グラスの水が零れている状態であることから、バランス訓練装置200からの運動負荷に対するバランス感覚を保つことができていない様子が表示される。
【0134】
図9は、実施の形態2の変形例のバランス訓練システム300aの動作を説明するシーケンス図である。実施の形態2のバランス訓練システム300の動作(図6参照)と異なる箇所について説明する。
【0135】
図9の説明において、使用者は携帯端末100aにおいてバランス訓練装置200が使用者に付与している運動負荷の運動強度状態を、水が入っているグラスの傾きに見立てて表示するアプリケーションを起動しているとする。
【0136】
制御部102aは、ステップS104Aにおいて判定された現在の運動強度状態に応じて、水が入っているグラスを傾ける様子を表示する様に表示制御部108に指示する(S120)。表示制御部108は、制御部102aから出力された指示に応じて、ステップS104Aにおいて判定された現在の運動強度状態に応じて、水が入っているグラスを傾ける様子を表示する(S121)。その他の処理は図6に示したバランス訓練システム300aの動作と同様であるため、説明を省略する。
【0137】
以上により、実施の形態2の変形例のバランス訓練システム300aでは、携帯端末100aで使用可能なアプリケーションを用いて、使用者が現在付与されている運動負荷の運動強度状態に応じて、バランス訓練装置200の傾き又は水が入っているグラスの傾きを表示することができる。
【0138】
これにより、実施の形態2の携帯端末100a及びバランス訓練装置200を含むバランス訓練システム300aによれば、実施の形態2の効果に加え、バランス訓練装置200を用いているときでも、携帯端末100aの表示部109を介して、携帯端末100aで使用可能なゲーム等のアプリケーションを用いて、使用者にバランス訓練装置200の付与する運動負荷に楽しませることができる。
【0139】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種実施の形態の変更例または修正例、更に各種実施の形態の組み合わせ例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本発明は、使用者の動的に変化し得る状態に応じて、使用者の身体的なバランス感覚の訓練を適切に支援することが可能な携帯端末、バランス訓練制御方法、バランス訓練制御プログラム及びバランス訓練システムとして有用である。
【符号の説明】
【0141】
100、100a 携帯端末
101 動作検知部
102、102a、203 制御部
103、103a、202 記憶部
104 運動強度状態補正指示送信部
105、105a RAM
106 ROM
107、201 操作部
108 表示制御部
109 表示部
204 運動強度状態補正指示受信部
205 運動強度検知部
206 動作駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置を用いる使用者が保持する携帯端末であって、
前記付与されている前記所定の運動負荷に対して、前記使用者の動きを検知する動作検知部と、
前記検知された前記使用者の動きを基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する制御部と、
前記判定された前記運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、前記バランス訓練装置に送信する運動強度状態補正指示送信部と、を備える携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末であって、
前記使用者の身体情報と前記運動強度状態とを関連付ける運動強度状態判定情報を含む記憶部と、を更に備え、
前記制御部は、前記検知された前記使用者の動き、及び、前記運動強度状態判定情報を基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する携帯端末。
【請求項3】
請求項1に記載の携帯端末であって、
前記使用者により前記携帯端末において用いられているアプリケーション毎に、前記使用者の身体情報と前記運動強度状態とを関連付ける運動強度状態判定情報を含む記憶部と、を更に備え、
前記制御部は、前記検知された前記使用者の動き、及び、前記運動強度状態判定情報を基に、前記アプリケーションの使用時において前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する携帯端末。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の携帯端末であって、
前記使用者に対して前記判定された運動強度状態を示唆する情報又は画像を表示する表示部と、を更に備える携帯端末。
【請求項5】
所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置を用いる使用者が保持する携帯端末のバランス訓練制御方法であって、
前記付与されている前記所定の運動負荷に対して、前記使用者の動きを検知するステップと、
前記検知された前記使用者の動きを基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定するステップと、
前記判定された前記運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、前記バランス訓練装置に送信するステップと、を備えるバランス訓練制御方法。
【請求項6】
所定の運動負荷を付与するバランス訓練装置を用いる使用者が保持する携帯端末に、
前記付与されている前記所定の運動負荷に対して、前記使用者の動きを検知するステップと、
前記検知された前記使用者の動きを基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定するステップと、
前記判定された前記運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、前記バランス訓練装置に送信するステップと、を実現させるためのバランス訓練制御プログラム。
【請求項7】
所定の運動負荷を使用者に付与するバランス訓練装置と、前記バランス訓練装置を用いる前記使用者が保持する携帯端末と含むバランス訓練システムであって、
前記携帯端末は、
前記付与されている前記所定の運動負荷に対して、前記使用者の動きを検知する動作検知部と、
前記検知された前記使用者の動きを基に、前記使用者に対する前記所定の運動負荷の強度の状態を表す運動強度状態を判定する第1制御部と、
前記判定された前記運動強度状態を補正するための運動強度状態補正指示を、前記バランス訓練装置に送信する運動強度状態補正指示送信部と、を備え、
前記バランス訓練装置は、
前記送信された前記運動強度状態補正指示を受信する運動強度状態補正指示受信部と、
前記受信された前記運動強度状態補正指示を基に、前記所定の運動負荷の強度を変更する第2制御部と、
前記変更された前記強度の前記運動負荷を前記使用者に付与する動作駆動部と、を備えるバランス訓練システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−228464(P2012−228464A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99913(P2011−99913)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)