説明

携帯端末、携帯端末の制御方法及び携帯端末の制御プログラム

【課題】使用者の自宅、寝室などの特定の場所にて携帯端末が充電されていることに応じて、使用者に対する通知を適切に制御することができる携帯端末及び携帯端末の制御方法を提供すること
【解決手段】本発明にかかる携帯端末10は、充電器に接続可能な携帯端末であって、所定の情報を画像、発光、音声、及び振動の少なくとも1つにより通知する通知部1と、携帯端末10に接続される充電器を識別する充電器検出部3と、携帯端末10に接続された充電器の種別に応じて、通知部1が使用者に対し異なる通知を行うように通知部1を制御する制御部2を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末、携帯端末の制御方法及び携帯端末の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の表示画面又は音声の制御技術に関して、様々な制御方法が提案されている。例えば、特許文献1では、液晶テレビ等の表示装置において、目覚まし予定時刻前から画面表示を次第に明るくし、目覚まし予定時刻になった際に、表示装置から音声を出力する技術が開示されている。
【0003】
携帯電話等の携帯端末における表示画面、着信音、筐体に設けられたランプの発光等といった使用者への通知に係る技術でも、様々な制御方法が提案されている。例えば、特許文献2では、携帯端末が、使用者に必ずしも有用でない表示を表示画面上から削除する技術が開示されている。特許文献3では、携帯端末の開閉状態、周囲の照度及び携帯端末が充電中か否かに関して判定を行い、判定結果に応じて携帯端末の着信モードを「通常モード」又は「就寝モード」にする技術が開示されている。特許文献4では、携帯端末がマナーモードに設定されている場合、周囲の照度又は現在位置に応じて、表示画面の表示色及び輝度を制御する技術が開示されている。また、特許文献5〜9では、周囲の環境の照度、現在時刻等の情報に基づき、携帯端末が表示画面の輝度を自動で調整する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−025263号公報
【特許文献2】特開2008−148054号公報
【特許文献3】特開2006−352765号公報
【特許文献4】特開2007−258894号公報
【特許文献5】特開2008−219659号公報
【特許文献6】特開2005−286738号公報
【特許文献7】特開2006−146030号公報
【特許文献8】特開2009−124266号公報
【特許文献9】特開2009−300515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯端末は、緊急連絡等の対応にも備えるため、使用者の就寝時に枕元に置いて使用されるケースが多い。さらに、携帯端末の機能アップによる携帯端末の消費電流増加に伴い、昼間の使用による電池容量減少のため、就寝時に携帯端末の充電を行うケースがある。
【0006】
上述したように、特許文献3は、電話着信及びメール着信などを使用者に対して通知するための通知方法を携帯端末の充電状態に基づいて変更すること、具体的には通知を抑制することを開示している。ここで、通知方法は、視覚、聴覚、及び触覚の少なくとも1つにより使用者が認識可能な表示、つまり画像、発光、音声、振動の少なくとも1つによる表示を含む。しかしながら、本願の発明者は、特許文献3に開示された技術では、使用者の就寝時を考慮した携帯電話端末の動作モードの変更(電話着信等の通知方法の変更、表示の抑制など)が適切に動作しないおそれがあるとの問題点を見出した。すなわち、特許文献3の技術では、充電場所が自宅の寝室以外(例えば、会社、喫茶店等)であり、かつ周囲が薄暗い場合には、使用者が起きているにも関わらず、着信モードが「就寝モード」に設定されることも考えられる。なお、その他の特許文献1〜2、4〜9には、携帯端末の充電状態に応じて、電話着信、メール着信等を使用者に通知するための表示方法を変更する技術は開示されていない。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、使用者の自宅、寝室などの特定の場所にて携帯端末が充電されていることに応じて、使用者に対する通知を適切に制御することができる携帯端末、携帯端末の制御方法及び携帯端末の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる携帯端末は、充電器に接続可能な携帯端末であって、所定の情報を画像、発光、音声、及び振動の少なくとも1つにより通知する通知部と、前記携帯端末に接続される充電器を識別する充電器検出部と、前記携帯端末に接続された充電器の種別に応じて、前記通知部が使用者に対し異なる通知を行うように前記通知部を制御する制御部を備える。
【0009】
本発明にかかる携帯端末の制御方法は、充電器に接続可能な携帯端末の制御方法であって、前記携帯端末に接続される充電器を識別するステップと、前記携帯端末に接続された充電器の種別に応じて、所定の情報に関する通知を異なる通知にするステップを備える。
【0010】
本発明にかかる携帯端末の制御プログラムは、充電器に接続可能な携帯端末の制御プログラムであって、前記携帯端末に接続される充電器を識別する処理と、前記携帯端末に接続された充電器の種別に応じて、所定の情報に関する通知を異なる通知にする処理を前記携帯端末に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、使用者の自宅、寝室などの特定の場所にて携帯端末が充電されていることに応じて、使用者に対する通知を適切に制御することができる携帯端末、携帯端末の制御方法及び携帯端末の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態1にかかる、携帯端末の全体構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態2にかかる、携帯端末の全体構成例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態2にかかる、充電器と携帯端末の構成例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2にかかる、表示制御を示す制御フローの図である。
【図5】実施の形態2にかかる、第1の画面表示例を示す図である。
【図6】実施の形態2にかかる、第2の画面表示例を示す図である。
【図7】実施の形態2にかかる、第3の画面表示例を示す図である。
【図8】実施の形態2にかかる、キーを押した際の制御を示す制御フローの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1
以下、図1を参照して本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態における携帯端末10の全体構成を示すブロック図である。携帯端末10は、通知部1、制御部2、充電器検出部3を備えている。また、携帯端末10は、充電器100と接続が可能であり、充電器100を用いて、携帯端末10内にある二次電池(図示せず)の充電を行うことができる。
【0014】
携帯端末10は、例えば携帯電話、PHS(Personal Handy−phone System)、携帯情報端末、スマートフォン等の携帯端末である。充電器100は、例えばACアダプタ、USB(Universal Serial Bus)充電器、乾電池アダプタ、補助充電アダプタ等の充電器である。充電器100の一部は携帯端末10のインターフェイス部(図示せず)を保持することで、充電器100は携帯端末10と電気的に接続し、携帯端末10内の二次電池の充電をすることができる。また、充電器100には、卓上ホルダ又は充電用クレードル等の機器を付加してもよい。携帯端末10内の二次電池は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル水素充電池など、携帯端末への使用用途に適した二次電池であれば任意の二次電池でよい。
【0015】
通知部1は、携帯端末10において所定の情報を使用者に対して通知する部分である。通知部1は、所定の情報を画像、発光、音声、及び振動の少なくとも1つにより通知する。通知部1は、例えば携帯端末10の表示画面、携帯端末10の筐体に設けられたLED(Light Emitting Diode)等の光源、スピーカー、バイブレート振動部である。また「所定の情報」とは、例えば、メール又は電話の着信、現在時刻、携帯端末の二次電池の残量、電波の強度、マナーモードの設定、アラーム機能の設定等の情報であり、一般の携帯端末において通知される情報である。
【0016】
制御部2は、通知部1を制御し、所定の情報を使用者に通知する。また、充電器検出部3が取得した情報に基づき、充電器100を識別する。さらに、前記携帯端末に接続された充電器の種別に応じて、通知部1が使用者に対し異なる通知を行うように制御することも行う。具体的には、制御部2は通知部1の表示画面、携帯端末10の筐体に設けられた光源、出力する音の音量調節、バイブレート動作の制御等を行うほか、携帯端末10のキー操作部等にバックライトが設けられている場合には、その光源の発光制御も行う。
【0017】
この制御部2は、例えば、携帯端末10内のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等から構成されている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムやRAMにロードされた各種のアプリケーションプログラムを読み込むことで、携帯端末10を制御する。ROMには、携帯端末10を制御するための各種プログラムが記憶されている。RAMには、CPUが各種の処理を実行する上で必要なデータが適宜記憶される。なお、ROMではなく、他の不揮発性メモリを用いてもよい。
【0018】
充電器検出部3は、携帯端末10に接続される充電器の種別を識別し、制御部2に当該充電器の種別の情報を出力する。例えば、充電器検出部3は電圧を測定する機能を有しており、所定の充電器には、携帯端末10内の二次電池を充電するための端子のほか、携帯端末10に設けられた充電器検出部3に接続するための端子(以下、当該端子を識別端子ともいう)が設けられている。なお、所定の充電器以外には、接地された識別端子は設けられていない。また、所定の充電器において、識別端子は充電器内で接地されている。
【0019】
以上の場合において、携帯端末10を所定の充電器(第1の充電器)と接続する際に、充電器検出部3が測定する電圧は略0Vである。充電器検出部3は、接地された識別端子と接続するからである。しかし、携帯端末10を所定の充電器以外の充電器(第2の充電器)に接続する際に、充電器検出部3が測定する電圧は略0Vではない。なぜなら、充電器検出部3は接地された識別端子と接続されないからである。この例では、充電器検出部3は電圧を測定することによって、接続された充電器が所定の充電器であるか否かについての情報を取得した。
【0020】
この情報から、充電器検出部3は、携帯端末10に接続される充電器の種別を識別する。例えば、前述の通り、所定の充電器には接地された識別端子が設けられており、それ以外の充電器には識別端子が設けられていない場合に、制御部2は、充電器検出部3が測定した電圧が略0Vであれば所定の充電器であると識別し、電圧が略0Vでなければ所定の充電器ではないと識別する。この際、識別には、所定の閾値を用いる。充電器検出部3は、この識別結果を制御部2に出力する。
【0021】
あるいは、充電器にはIC(Integrated Circuit)タグが備えられており、充電器検出部3はICタグリーダで充電器に備えられたICタグを読み取ることで、充電器の種別を識別してもよい。つまり、充電器検出部3は、読み取ったICタグが所定の充電器のICタグであるか否かを識別することで、充電器の種別を識別する。
【0022】
なお充電器検出部3は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えた、IC等で構成される。
【0023】
以下、制御部2が行う制御内容について説明する。携帯端末10に充電器100が接続された際、充電器検出部3は、上述の通り、携帯端末10に接続される充電器100の種別を識別する。この処理を第1のステップとする。充電器検出部3は、制御部2に、識別結果である充電器100の種別の情報を出力する。
【0024】
制御部2は、充電器検出部3から出力された充電器100の種別の情報に基づいて、通知部1が使用者に対し異なる通知を行うように通知部1を制御する。この処理を第2のステップとする。例えば、充電器検出部3が、充電器100が所定の充電器であると識別した場合に、制御部2は通知部1に対し、他の充電器に接続された場合に通知部1が通知する前記所定の情報のうち、少なくとも一部を通知させない制御を行う。
【0025】
この制御の一例として、制御部2は、通知部1の画面ディスプレイにおいて表示する情報を削減してもよい。例えば、電話又はメールの着信情報、電波の強度、マナーモードの設定等のアイコンを消去させることなどである。また、電話又はメールの着信を検知した際に、制御部2は、着信時の着信音又はバイブレート動作の停止、キー操作部のバックライト又は携帯端末10の筐体に設けられた光源を発光させない等の制御を行ってもよい。
【0026】
また、充電器検出部3が、充電器100が所定の充電器であると識別した場合に、制御部2は通知部1に対し、他の充電器とは異なる方法で前記所定の情報を通知させる制御を行ってもよい。この制御の一例として、制御部2は、通知部1の画面ディスプレイの画面の表示輝度の低減を行ってもよい。また、電話又はメールの着信を検知した際に、制御部2は、着信時の着信音又はバイブレート動作の削減、キー操作部のバックライト又は携帯端末10の筐体に設けられた光源の発光の抑制といった制御を行ってもよい。また、制御部2は、電話又はメールの着信情報を着信音ではなく、バイブレート動作若しくは端末に設けられた光源の発光によって使用者に通知するようにしてもよい。
【0027】
あるいは、充電器検出部3が、充電器100が所定の充電器であると識別した場合に、制御部2は通知部1に対し、他の充電器では表示されなかった所定の情報を表示する制御を行ってもよい。例えば、それ以外の充電器ではなかったアイコンの表示、着信音又はバイブレートの動作、光源の発光等を行うように制御してもよい。また、通知部1の画面ディスプレイの画面の表示輝度を上げること、着信音又はバイブレート動作を増大させること等の制御を行ってもよい。
【0028】
制御部2は、充電器100が所定の充電器ではないと識別した場合には、前述の特別な制御は行わない。
【0029】
以上、使用者は携帯端末10を、所定の充電器と接続することにより、他の充電器に接続する場合とは異なる通知を行うようにすることができる。この所定の充電器は、使用者の自宅、寝室などの特定の場所にて用いられる。つまり、本実施形態においては、使用者の自宅、寝室などの特定の場所にて携帯端末が充電されていることに応じて、使用者に対する通知を適切に制御することができる携帯端末、携帯端末の制御方法及び携帯端末の制御プログラムを、提供することができる。
【0030】
実施の形態2
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。図2は、本実施形態における、携帯端末の全体構成を示したブロック図である。図3は、本実施形態における、設定用充電器と携帯端末の構成例を示すブロック図である。図4は、本実施形態における、画面の表示制御を示す制御フローである。図5は、本実施形態における第1の画面表示例を示す図であり、画面に時刻情報及び日付情報のみが文字情報として表示されている。図6は、本実施形態における第2の画面表示例を示す図であり、画面に時刻及び日付と、着信番号のみが文字情報として表示されている。図7は、本実施形態における第3の画面表示例を示す図であり、画面に時刻及び日付と、メール着信のみが文字情報として表示されている。図8は、本実施形態のキー押下時の、画面の表示制御を示す制御フローである。
【0031】
なお、本実施の形態において、携帯端末が所定の充電器と接続された際に、制御部は携帯端末の画面表示を通常の動作時と異なるように制御を行う。具体的に言えば、制御部は表示画面の表示を、低輝度の表示状態(第1の低輝度表示状態)に設定する。制御部は表示画面の背景画面を黒色で表示し、表示画面に表示する情報を白色で表示させる。また、表示画面に表示する情報は、時刻情報あるいは着信情報のみである。この画面表示を行う携帯端末10の状態を、以降では「通知抑制モード」と記述する。
【0032】
まず、図2から、本実施形態における携帯端末10の全体構成を説明する。本実施形態における携帯端末10は、制御部11、表示部12、時計回路13、開閉検出部14、記憶部15、操作部16、送受信部17、充電回路部18、充電検出部19を備えている。携帯端末10は、ここでは折り畳むことが可能な、携帯電話やPHS等の携帯端末である。なお、実施の形態1の通知部1、制御部2、充電器検出部3はそれぞれ、図2の表示部12、制御部11、制御部11及び充電検出部19に対応する。また、実施の形態1での「所定の充電器」は、図2の充電器100に対応する。
【0033】
制御部11は、携帯端末10の機能制御をつかさどる制御回路であり、表示部12、時計回路13、開閉検出部14、記憶部15、操作部16、送受信部17、充電回路部18、充電検出部19から出力される情報データの受信及び受信した情報データの処理、また制御データの各部への出力を行っている。ここでは図示しないが、制御部11は、携帯端末10内のCPU、RAM等から構成されている。
【0034】
表示部12は、携帯端末10において、画像や情報の表示を行う。表示部12は、任意の輝度で所定の情報を画面に表示することができる。表示部12は、情報等の表示を行うディスプレイ12−1と、表示画面バックライト12−2を備えている。ディスプレイ12−1は携帯端末10の表示画面であり、ここでは液晶ディスプレイである。また、表示画面バックライト12−2は、小型化できる光源から構成されており、LED等の光源から構成されている。表示画面バックライト12−2は、ディスプレイ12−1の背面から光を点灯し、ディスプレイ12−1の輝度を可変させる機能を有する。
【0035】
表示部12が行う画像制御は、以下の通りである。表示部12は、制御部11から出力される画像表示情報のデータに基づき、ディスプレイ12−1に画像を表示させる。具体的には、表示部12は表示画像に応じた電圧を、液晶ディスプレイであるディスプレイ12−1に加えることで、表示画面バックライト12−2が放出する光の透過及び遮光を決定する。以上のようなディスプレイ12−1に対する制御と共に、表示部12は、制御部11から送出される輝度調整データに基づき、表示画面バックライト12−2の輝度を調節する制御を行う。以上の構成により、表示部12は、ディスプレイ12−1から使用者に対して透過する光、つまり画面表示の明るさを可変制御することができる。なお、制御部11から出力される画像表示情報には、前述の実施の形態1の「所定の情報」の内容が含まれる。
【0036】
時計回路13は、時刻のカウントを行う時計の回路であり、制御部11から要求された時点の時刻データを制御部11に送出する機能を有する。時計回路13は、CPU、ROM、RAM等を備えた、IC等で構成される。なお、時刻データには、現在の時刻の他、現在の日付、月、年に関する情報が含まれてもよい。
【0037】
開閉検出部14は、携帯端末10が折り畳まれた状態(以下、閉じた状態という)か、携帯端末10が折り畳まれずに、表示部12が使用者に見えている状態(以下、開いた状態という)かを検出する機能を有する。開閉検出部14は、検出した携帯端末10の開閉状態を、開閉情報として制御部11に送出する。例えば、携帯端末10の電源がオンの状態で、使用者が携帯端末10の筐体を開いたことを開閉検出部14が検知した際には、開閉検出部14は、携帯端末10が開状態になった情報を制御部11に送出する。制御部11は携帯端末10が開状態になった情報に応じて、表示部12に画面を表示させ、操作部16中のキー操作部16−1を入力可能な状態にさせる等の制御をする制御データを、携帯端末10の各部に送出することで、携帯端末10を起動状態にする。開閉検出部14は、CPU、ROM、RAM等を備えた、IC等で構成される。
【0038】
記憶部15は、制御部11から送出された情報データを保存する領域を有しており、制御部11の制御により情報データの読み出し、書き込みを行う。また、携帯端末10に予め記憶されている画面情報等も、記憶部15に保存されている。保存されている情報データは、例えば、ディスプレイ12−1に表示される画面データ、その画面データを表示する際の表示画面バックライト12−2の輝度のデータ、使用者が登録する時間設定、電話番号やメールアドレスといったものであり、携帯端末10の使用の際に用いるデータである。なお、記憶部15は、携帯端末10内のROM、RAM、あるいは補助記憶装置から構成される。
【0039】
操作部16は、使用者が押すボタンであるキー操作部16−1と、キー操作部16−1を照光するキーバックライト16−2を備えている。使用者がボタンを押してキー操作部16−1を操作することで、使用者の入力した情報はキー操作部16−1から制御部11に出力される。制御部11は使用者が入力した情報を記憶部15内に出力することで、入力情報は携帯端末10内に記憶される。また、キーバックライト16−2は、制御部11の制御データに対応した点灯及び消灯の動作を行うことで、操作部16全体を照光する。使用者が通常使用する状態では、制御部11は携帯端末10の筐体を開くことによる携帯端末の起動や、キー操作部16−1からの入力情報等を検出して、キーバックライト16−2を点灯させる。それにより、制御部11は、操作部16を使用者にとって見やすい状態に制御する。なお、キー操作部16−1は、携帯端末10に設けられた、数字や文字を入力するためのキー、電話、メール、カメラ、インターネット接続等の諸アプリケーション機能を実施するためのキーボタンである。また、キーバックライト16−2の光源は、LED等の、輝度を可変させることができる回路で構成されている。
【0040】
送受信部17は無線回路から構成されており、基地局への無線接続及び基地局との無線情報の送受信を行う機能を有している。送受信部17の制御は制御部11により行われ、通話の着信番号やメールメッセージの取り込み制御も行われる。例えば、使用者がキー操作部16−1で電話番号の情報を入力する際には、制御部11に入力した番号の情報が送出される。制御部11は、その入力された番号情報に応じて、送受信部17に対し、入力された番号を有する携帯端末への接続要求を基地局に対して行うよう、制御データを送出する。
【0041】
充電回路部18は、携帯端末10内部の二次電池(図示せず)の充電についての制御を行う機能を有している。具体的に言えば、次の通りである。まず、制御部11が、携帯端末10に充電器が接続されたことを検知した場合に、制御部11は充電回路部18に対し、当該二次電池を充電器から供給された電力を用いて充電を行う指令を出力する。充電回路部18はその制御部11の指令に応じ、当該二次電池に充電を行う。充電回路部18は当該二次電池の充電の状況を計測し、充電が終了した場合には、制御部11に充電終了の情報を出力する。また、その際、制御部11は当該二次電池の過充電を防ぐ指令を充電回路部18に出力し、充電回路部18はその指令に応じて、当該二次電池に対する充電を制御する。充電回路部18は、CPU、ROM、RAM等を備えた、IC等で構成される。
【0042】
充電検出部19は、携帯端末10に充電器が接続された際、その充電器の情報を取得し、制御部11に出力する機能を有する。本実施の形態として、充電検出部19は電圧を測定する機能を有している。充電検出部19はCPU、ROM、RAM等を備えた、IC等で構成される。
【0043】
充電器100は、携帯端末10と接続して、携帯端末10内にある二次電池(図示せず)の充電を行うことができる。ここで充電器100には、携帯端末10内の二次電池を充電するための端子のほか、充電検出部19に接続するための端子(識別端子)が設けられている。また、識別端子は充電器100内で接地されている。この詳細は、以降の図3にて説明する。
【0044】
次に、本実施形態の、充電器と携帯端末の構成について説明する。図3は、充電器と携帯端末の充電に係る部分の機能ブロックの構成例を示す図である。図3において充電器100は、AC(Alternating Current)電源IF部101と、電源安定化部102と、充電出力IF部103と、接地された抵抗104を備えている。充電器200は「所定の充電器」以外の一般の充電器であり、充電器100と同様、AC電源IF部201と、電源安定化部202と、充電出力IF部203を備えているが、接地された抵抗は備えていない。また、携帯端末10は、充電に係る部分として、充電回路部18、充電検出部19、充電IF部20、二次電池21を備えている。また携帯端末10は、以上の各部のほか、図2で示した各部の要素を備えている。
【0045】
充電器100のAC電源IF部101は、一般家庭や会社等における商用電源のコンセントから、AC電源による電力の供給を受ける機能を有する、充電器100のインターフェイス部である。
【0046】
電源安定化部102は、AC電源IF部101から供給されるAC電源の電圧を、定電圧の直流電圧に変換する機能を有する。
【0047】
充電出力IF部103は、携帯端末10とのインターフェイス部であり、携帯端末10の充電IF部20に接続されることで、携帯端末10に、電源安定化部102が出力した定電圧の直流電圧を供給する。ここで、充電出力IF部103は、端子103−1、103−2、103−3を有している。充電器100と携帯端末10とが接続される際、端子103−1は充電IF部20の端子20−1、端子103−2は端子20−2と接続されることで、充電出力IF部103は携帯端末10の充電IF部20に電力を供給する。また、端子103−3は充電器100内部で接地された抵抗104と接続されており、充電器100と携帯端末10とが接続される際、端子103−3は充電IF部20の端子20−3と接続される。端子103−3は実施の形態1で述べた識別端子に対応する。
【0048】
抵抗104は、充電器100内部で接地されており、後述の通り、充電器100と携帯端末10を接続する場合には、携帯端末10の充電検出部19からの電流が、端子20−3、端子103−3を経由して抵抗104に流れる。なお、充電検出部19からの電流が抵抗104に流れるためには、抵抗104の抵抗値は携帯端末10内部の抵抗値より少ない方が望ましい。
【0049】
携帯端末10において、充電IF部20は、充電器100との接続を行うインターフェイス部であり、充電器100の充電出力IF部103に接続することで、携帯端末10に電源安定化部102が出力した定電圧の直流電圧を供給する。充電IF部20は、端子20−1、20−2、20−3を有している。端子20−1は、充電回路部18に接続されている。端子20−2は、携帯端末10内部で接地されている。端子20−3は、充電検出部19と接続されている。
【0050】
充電回路部18は、端子20−1経由で充電器100からの電力供給を受け、二次電池21を、適宜当該電力を用いて充電する。また、携帯端末10と充電器が接続された際、端子20−1経由で充電器から電流が流れたことを検出し、制御部11にその情報を出力する。さらに、充電の際、制御部11からの指令に応じて、二次電池21の充電を制御し、過充電等を防ぐ機能を有する。その他の充電回路部18の説明については、前述の通りであり、説明を省略する。
【0051】
二次電池21は、充電回路部18経由で電力供給を受け、充電される二次電池である。また二次電池21は、図2で示した携帯端末10の各部に電力を供給する。その他の二次電池21の説明については、前述の通りであり、説明を省略する。
【0052】
充電検出部19は、電圧を測定することで、充電IF部20に接続された充電器に関する情報を取得する。例えば、携帯端末10と充電器100とが接続されている場合、充電検出部19は端子20−3を経由して、充電器100の端子103−3と接続されている。つまり、充電検出部19は接地された抵抗104と接続されていることから、充電検出部19から抵抗104に電流が流れる。これにより、充電検出部19が測定する電圧は略0Vである。以上の測定した電圧の情報を、充電検出部19は制御部11に出力する。
【0053】
もう一例として、携帯端末10と充電器200とが接続されている場合、充電検出部19は端子20−3を経由して、充電器200の端子203−3と接続されている。このとき、充電検出部19はどこにも接続されず、外部(充電器200)に電流が流れないことから、充電検出部19が測定する電圧は略0Vとはならない。以上のように測定した電圧の情報を、充電検出部19は制御部11に出力する。
【0054】
つまり充電検出部19は、端子20−3が所定の充電器に接続されているか否かに関する情報を取得し、制御部11に提供する。その他の充電検出部19に関する説明は、上記と同様である。
【0055】
制御部11は、使用者が携帯端末10に充電器を接続した場合、充電回路部18が出力した充電器の接続に関する通知を取得した上で、充電検出部19から、測定している電圧に関する情報を取得する。携帯端末10に充電器100が接続された場合、充電検出部19に接地された抵抗104が接続されるため、充電検出部19が測定する電圧は略0Vである。このとき、制御部11は測定電圧のロジックレベルをLowレベルとして判定する。他方、携帯端末10に一般の充電器200が接続された場合には、接地された抵抗104が存在していないため、充電検出部19が測定する電圧は略0Vとはならない。このとき、制御部11は測定電圧のロジックレベルをHiレベルとして判定する。
【0056】
ロジックレベルの例として、二次電池21の平均出力電圧が3.6Vのとき、半値の1.8Vを閾値として、充電検出部19が測定する電圧が0〜1.8Vの間であれば測定電圧のロジックレベルをLowレベルとして判定し、充電検出部19が測定する電圧が1.8〜3.6Vの間であれば測定電圧のロジックレベルをHiレベルとして判定してもよい。あるいは、充電検出部19が測定する電圧が0〜0.8Vの間であれば測定電圧のロジックレベルをLowレベルとして判定し、充電検出部19が測定する電圧が2〜3.6Vの間であれば測定電圧のロジックレベルをHiレベルとして判定してもよい。この場合、充電検出部19が測定する電圧が0.8〜2Vであれば、ロジックレベルはLowレベルとHiレベルの間にあるスレッシュホールド・レベルと見なされる。以上のようなロジックレベルによる判定により、制御部11は、所定の充電器が接続されたか否かを識別することができる。制御部11は、充電器の識別結果に応じて、図4以降に示す画面の表示制御処理を行う。
【0057】
まとめると、充電器100と携帯端末10は、充電出力IF部103と充電IF部20によって接続される。その際、充電器100から供給される電力によって二次電池21が充電されると共に、充電器100内に実装されている接地された抵抗104が携帯端末10の充電検出部19に接続される。充電検出部19は電圧を測定し、制御部11に電圧に関する情報を出力する。制御部11は、測定電圧のロジックレベルがLowレベルであると判定することで、充電器100が所定の充電器であると判定を行う。
【0058】
次に、本実施形態の具体的な表示制御について説明する。図4は、本実施形態において、制御部11が行う画面の表示制御を示す制御フローである。まず、制御部11は携帯端末10が、現在、所定の充電器(充電器100)に接続されているか否かを判定する(ステップS1)。所定の充電器に接続されていないと制御部11が判定した場合(ステップS1のNo)、制御部11は携帯端末10を前述の通知抑制モードに設定せず、使用者が設定した通常の動作モードでの制御を行う。つまり、制御部11は表示部12に対し、携帯端末10が起動されている際、使用者が通常設定している画面を表示させる制御を行う。このとき、画面表示の輝度は、使用者が通常の状態で使用するレベルの輝度である。また、制御部11はキーバックライト16−2を点灯させる。以上の処理を行った後、制御部11は表示制御の処理を終了する。なお、ステップS1で制御部11が行う判定方法の詳細は、前述の通りである。
【0059】
制御部11が、携帯端末10が所定の充電器に接続されていると判定した場合、制御部11は、携帯端末10が起動状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。使用者が筐体を開く動作を行なわず、携帯端末10が起動状態になっていないと制御部11が判定した場合(ステップS2のNo)、制御部11は表示部12の表示を行う制御をせず、表示制御の処理を終了する。
【0060】
制御部11が、使用者が携帯端末10の筐体を開いたと判定する場合(ステップS2のYes)、制御部11は携帯端末10を起動状態にする。このとき、制御部11は表示部12を、通知抑制モードに設定している。そして、制御部11は、送受信部17から電話若しくはメールの着信に関する情報の検索を行い、着信情報の有無の判定を行う(ステップS3)。着信情報が無い場合には(ステップS3のNo)、制御部11は時計回路13から時刻データの情報を読み出し、表示部12に、第1の低輝度表示状態にある時刻表示を行わせる制御を行う(ステップS4)。このとき、制御部11はキーバックライト16−2を点灯させる制御を行わず、消灯させたままにした上で、表示制御の処理を終了する。
【0061】
図5は、ステップS4にて、表示部12が、第1の低輝度表示状態で時刻表示を行った際の画面表示例(第1の画面表示例)である。図5にかかる画面表示には、背景表示が黒画面で、時刻データのみが白抜き文字で表示されている。制御部11は、記憶部15に登録された黒画面を背景にした表示データを取得し、ディスプレイ12−1にその黒画面を背景にした表示データを表示させる制御データを送出することで、背景画面を表示させている。制御部11はそれと共に、時計回路13から時刻データを取得し、同様の制御により、時刻データをディスプレイ12−1に白抜き文字で表示させている。なお、ここでいう「黒」とは、漆黒色だけではなく、紫黒色、墨色、石板色などの色でもよい。また、文字表示の色である「白」も純白色だけではなく、パールグレー、乳白色、灰白色といった色でもよい。文字情報の色表示が背景画面の色表示よりも高明度の色で表示されていれば、文字情報、背景画面はその他の色で表示されていてもよい。
【0062】
また制御部11は、図5にかかる画面表示を行う際、表示部12における背景画面の輝度を、通常設定される輝度より暗い微灯状態(第1の低輝度表示状態)に設定する。第1の低輝度とは、通常の動作モードでの輝度よりも低輝度であればよい。例えば、深夜等、携帯端末10の周囲の環境が十分に暗い場合における、周囲の環境と同程度の極めて低い輝度のことでもよい。制御部11は、この第1の低輝度に表示部12の背景画面の輝度を設定するように、ディスプレイ12−1及び表示画面バックライト12−2の制御を行う。具体的には、制御部11は表示画面バックライト12−2の輝度を低下させて、表示画面に表示される文字が暗い環境でもまぶしくないようにする。つまり、表示画面の文字表示の部分(光の透過率が高い部分)から放出される光を低減する。この時、表示画面の背景画面では光の透過率が低いため、バックライトから放出される光の輝度が低いレベルとなっている。以上のようにして、制御部11は、表示部12に対して、黒画面を背景とし、まぶしさを感じないように輝度が設定された白抜き文字での文字情報を表示させる。
【0063】
なお、上述のような輝度制御に関しては、既存技術であるPWM(Pulse Width Modulation)方式による電源制御や、LEDの印加電圧を低下させることによる微灯制御等が広く知られている。例えばPWM方式を本実施形態にて用いる場合は、表示画面バックライト12−2を点灯させる周期を長くすることにより、第1の低輝度表示状態を容易に実現することが可能である。以上の制御により、表示部12には、第1の低輝度表示状態に設定され、黒の背景画面に白抜き文字で時刻情報が表示された画面が表示される。また、この際に、キーバックライト16−2は消灯状態になっている。
【0064】
次に、制御部11が送受信部17から着信情報の検索を行った際に(ステップS3)、制御部11が着信情報を検出した場合について説明する(ステップS3のYes)。まず、制御部11は、検出した着信が他の電話からの着信であるかどうかを判定する(ステップS5)。着信が他の電話からの着信であると制御部11が判定した場合(ステップS5のYes)、制御部11は送受信部17から取得した相手の電話番号の情報と共に、時計回路13から取得した時刻データを、第1の低輝度表示状態で表示部12に表示させる(ステップS6)。ステップS4と同様、制御部11はキーバックライト16−2を点灯させる制御を行わず、消灯させたままにする。
【0065】
図5は、ステップS6にて、表示部12が、第1の低輝度表示状態で電話番号及び時刻データの表示を行った際の画面表示例(第2の画面表示例)である。なお、ディスプレイ12−1及び表示画面バックライト12−2に対する制御部11の制御方法は、前述のステップS4の画面表示の制御方法と同様である。以上の制御により、表示部12には図6の通り、第1の低輝度表示状態に設定され、黒の背景において、白抜き文字で時刻データ及び相手先の電話番号が表示された画面が表示される。制御部11は以上の処理を行った上で、表示制御の処理を終了する。
【0066】
ステップS5において、制御部11が、着信は他の電話からの着信ではないと判定した場合(ステップS5のNo)、制御部11は、検出した着信がメールの着信であると判定する(ステップS7)。制御部11は送受信部17から取得したメールの情報と共に、時計回路13から取得した時刻データを、第1の低輝度表示状態で表示部12に表示させる(ステップS8)。また、ステップS4と同様、キーバックライト16−2は消灯されたままである。
【0067】
図6は、ステップS8にて、表示部12が、第1の低輝度表示状態でメールの受信情報及び時刻データの表示を行った際の画面表示例(第3の画面表示例)である。ディスプレイ12−1、及び表示画面バックライト12−2に対する制御部11の制御方法は、ステップS4及びステップS6の画面表示の制御方法と同様である。なお、図6の画面表示例においては、メールの着信にあたり、制御部11は記憶部15中に保管されたメールアドレスのデータを参照し、着信メールが誰から送信されたかを判定して、表示部12に表示させている。以上の制御により、表示部12には図7の通り、第1の低輝度表示状態に設定され、黒の背景において、白抜き文字で時刻データ及び相手電話番号が表示された画面が表示される。制御部11は以上の処理を行った上で、表示制御の処理を終了する。
【0068】
以上の制御により、使用者は、就寝時に使用者の自宅、寝室などの特定の場所にて、所定の充電器(充電器100)により携帯端末10を充電することで、睡眠から目覚めた直後において、時刻や着信情報を得るために携帯端末10の筐体を開いた場合、使用者は最適化された輝度及び情報内容の画面表示を見ることができる。つまり、使用者に対する通知が適切に制御された画面を、使用者は見ることができる。
【0069】
一般に、就寝中の目覚めた直後等において携帯端末を使用する場合、携帯端末の画面表示の輝度は、使用者が通常状態で使用する輝度に調整されていることが多い。その場合、表示画面を見ることで、まぶしさによる不快感が生じる。表示画面の視認性は、周囲の明るさ及び使用者の状況に大きく依存するからである。また、携帯端末を起動する毎に、輝度が高い画面表示が行われることで、無駄な電流が消費される。
【0070】
表示画面の輝度を使用者が手動で調整する方式では、表示輝度の適正化や端末の省電力化を行うために、輝度調整を毎回使用者が行う必要があり、不便が生ずる。また、一度、使用者が高輝度に表示画面を設定したままにすると、使用者は設定を高輝度のままにしてしまうことが多い。その場合、表示輝度の適正化や端末の省電力化を行うことができない。
【0071】
さらに、携帯端末の表示画面には数々のアイコンと言われるマーク類が表示されるため、例えば使用者が必要な時刻情報等が一目では判らず、使用者が携帯端末の表示を長時間探し続けるという、使用上における問題があった。
【0072】
本実施の形態では、所定の充電器を用いた充電を行うことで低輝度の状態に設定された背景画面を使用者が見るように設定できるため、画面を見た際のまぶしさといった不快感が軽減される。また、時刻データ、着信にかかる電話番号及びメール着信の情報といった、使用者にとって重要度が高い表示すべき情報のみを、白文字という目立つ形式で表示させているので、使用者は一目で重要な情報を把握することができる。さらに、背景画面の輝度が低輝度であり、キーバックライト16−2は消灯の状態であるため、携帯端末10の消費電力を削減することができる。
【0073】
なお、着信情報が電話とメールの両方ある場合には、両方の情報とも同様に、黒背景に白文字で表示するようにしてもよい。
【0074】
次に、携帯端末10が所定の充電器(充電器100)を用いて充電されており、使用者が携帯端末10の筐体を開けた状態で、携帯端末10のキー操作部16−1のいずれかのキーを押した場合の制御部11の制御について、図8を用いて説明する。まず、制御部11は、キー操作部16−1が押されたかどうかを、キー操作部16−1の送出した情報を検知することによって判定する(ステップS11)。
【0075】
ステップS11にて、使用者がボタンを押す操作をしていないと判定された場合(ステップS11のNo)、制御部11は表示部12を、第1の低輝度表示状態で、黒背景の画面に白抜き文字で情報が表示される前述の画面状態をそのまま継続して表示させる制御を行う(ステップS12)。
【0076】
ステップS12の処理の後、制御部11は、開閉検出部14からの情報に基づいて、携帯端末10の開閉状態の判定を行う(ステップS13)。もし携帯端末10が開いた状態のままであると判定されれば(ステップS13のNo)、制御部11は、ステップS11に戻って処理を行う。
【0077】
ステップS13にて、携帯端末10が閉じられた状態になったと判定されれば(ステップS13のYes)、制御部11は表示部12に表示された表示情報の消去及び表示画面バックライト12−2を消灯する制御を行う(ステップS14)。つまり、制御部11は表示部12の表示を消す。制御部11は携帯端末10を、元の状態に戻して、本制御を終了させる。本制御の終了後、所定の充電器による充電中に使用者が再び携帯端末10を開いた場合、使用者は前述の第1の低輝度表示状態の画面を再び見る。
【0078】
ステップS11にて、使用者がキー操作部16−1のいずれかのキーを押したと判定された場合(ステップS11のYes)、制御部11ではキー操作部16が検出した入力情報に基づき、第1の低輝度表示状態を中断させ、通常の表示状態に移行するように、表示部12を制御する(ステップS15)。また、制御部11はキーバックライト16−2の制御を行い、点灯させる(ステップS16)。以上の制御により、携帯端末10は通常の起動状態に復帰し、所定の充電器による充電中であっても、使用者は画面の表示及びキーバックライト16−2の照光動作を元に戻すことができる。つまり、使用者が携帯端末10を使用するためにキーを押すことで、携帯端末10は通常の起動状態に入り、使用者は通常通り携帯端末10を使用することができる。
【0079】
ステップS16の処理の後、制御部11は、開閉検出部14からの情報に基づいて、携帯端末10の開閉状態の判定を行う(ステップS17)。もし携帯端末10が開いた状態のままであると判定されれば(ステップS17のNo)、制御部11は、ステップS17に戻って処理を行う。
【0080】
ステップS17にて、携帯端末10が閉じられた状態になったと判定されれば(ステップS17のYes)、制御部11はキーバックライト16−2を消灯させる制御を行い(ステップS18)、表示部12に表示された表示情報の消去及び表示画面バックライト12−2を消灯する制御を行う(ステップS14)。以上のようにして、制御部11は携帯端末10を元の状態に戻し、本制御を終了させる。本制御の終了後、所定の充電器による充電中に使用者が再び携帯端末10を開いた場合、使用者は通知抑制モードによる第1の低輝度表示状態の画面を再び見る。
【0081】
以上の制御により、使用者は、携帯端末10が第1の低輝度表示状態の画面表示状態にある場合でも、キー操作部16−1を操作することで、携帯端末10を通常の起動状態に戻すことができる。また、使用者が携帯端末10を閉じた状態にすることで、携帯端末10を、再度、通知抑制モードによる第1の低輝度表示状態の画面表示状態にすることができる。
【0082】
以上説明したことから、本実施の形態にかかる携帯端末は、以下に記載するような効果を奏する。第1の効果は、睡眠から目覚めた直後、表示を見た際に感じるまぶしさといった不快感が軽減されることである。第2の効果は、必要最低限の情報のみが画面に表示されることで、使用者に一目で情報内容を判断させられることである。第3の効果は、就寝時に、携帯端末を時刻又は着信情報を確認するためのみに起動し、操作を行わない場合において、携帯端末の消費電力を削減できることである。これは、表示画面及びキーバックライトの照光を制御することによって達成できる。以上から、表示輝度及び画面表示内容の適正化、消費電力の削減を行うことで、使用者に対する通知を適切に抑制することができる携帯端末及び携帯端末の制御方法を、提供することができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態2においては、以下の通り、形態を変更することができる。
【0084】
制御部11は表示画面についてだけでなく、着信音、バイブレート動作、携帯端末10の筐体に設けられたLEDライトの点灯といったことに関しても、携帯端末10が通知抑制モードに設定されている場合に、通常の動作モードとは異なる制御を実行してもよい。つまり、制御部11は携帯端末10が通知抑制モードに設定されている場合に、着信音は消音させるか極めて低い音量、バイブレート動作は行わないか微かな振動のみ、携帯端末10の筐体に設けられたLEDライトは着信情報があっても発光は行わないか微灯状態にする、といった制御を行ってもよい。また、電話やメールの着信がある際でも、着信自体を通知しないようにしてもよい。以上の設定により、深夜等に使用者が就寝中の状態における携帯端末10の設定を、より適正化することができる。
【0085】
表示部12は、液晶ディスプレイだけでなく、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイといったディスプレイで構成されていてもよい。
【0086】
操作部16は、キー操作部及びキーバックライトだけではなく、タッチパッド等のポインティングデバイスでもよい。あるいは、タッチパネル等、表示部のディスプレイと一体となった操作部でもよい。つまり、使用者が操作可能な部分であり、操作をすることで携帯端末10に情報を入力することができるならば、操作部16は任意のものでよい。
【0087】
また、携帯端末10に照度センサを設け、携帯端末10が所定の充電器で充電され、かつ照度センサで測定した周囲の照度が一定以下であることを制御部11が検知した場合において、制御部11は携帯端末10を通知抑制モードに設定してもよい。つまり、深夜等の暗い環境下、携帯端末10が所定の充電器で充電されている場合には、携帯端末10は通知抑制モードに設定されるが、昼間の明るい環境下、携帯端末10が所定の充電器で充電されている場合には、携帯端末10は通常の動作モードに設定される。
【0088】
あるいは、携帯端末10が所定の充電器で充電され、かつ現在時間が所定の時間帯である場合に、制御部11は携帯端末10を通知抑制モードにしてもよい。例えば、使用者は午後11時〜午前6時を所定の時間帯として設定し、携帯端末10が所定の充電器で充電されている場合、使用者が午前0時に携帯端末10を起動させると、携帯端末10は通知抑制モードの状態で動作を行う。この場合、時刻のみの設定だけでなく、日付による設定も可能としてもよい。
【0089】
また、携帯端末10の置き場所を特定できるシステム(GPS、無線LAN等の位置情報検出機能)を所定の充電器と併用して使用することで、同様の制御を行ってもよい。例えば、携帯端末10が自宅にあること、かつ所定の充電器で充電が行われていることを制御部11が検知した場合に、携帯端末10は通知抑制モードの状態に設定される。
【0090】
図4及び図8に示した制御フローにて、処理を行うステップの順番は適宜変えてもよい。例えば、図4にて、携帯端末10が所定の充電器に接続されているか否かの判定を行うステップS1と、携帯端末10は起動状態か否かの判定を行うステップS2の処理はどちらを先に行ってもよい。また、ステップS5で、電話着信情報の有無ではなく、メール着信情報の有無の判定を行ってもよい。さらに、図8において、通常の表示状態に表示部12を制御するステップS15とキーバックライト16−2を制御して点灯させるステップS16、また、通常の表示状態から端末を閉じた際に行うキーバックライト16−2を消灯させるステップS18と表示画面バックライト12−2を消灯させるステップS14の処理は、いずれを先に行ってもよい。
【0091】
また、画面に表示させる電話及びメール着信情報は、予め指定した連絡先のみを表示するようにしてもよい。携帯端末10が通知抑制モードに設定されている場合において表示される時刻データは、日付、月、年の情報を含まず、時刻情報のみとしてもよい。
【0092】
充電器100は、抵抗104は存在せず、単に端子103−3が接地されている構成でもよい。つまり、充電器100は、携帯端末10の充電検出部19から端子103−3を経由して充電器100の接地面に電流が流れることで、充電検出部19が測定する電圧が略0Vである充電器であればよい。
【0093】
また、表示部12が第1の低輝度表示状態の表示を行った後、一定時間使用者による操作が行われなければ、制御部11は携帯端末10の起動を停止するとしてもよい。なお、その場合に携帯端末10を再起動させるには、使用者のキー操作による入力情報を制御部11が検知することで、制御部11が携帯端末10を再起動させる制御を行うのが一例である。
【0094】
さらに、通知抑制モードにおいて表示される文字情報も、通常の画面の文字情報表示よりも大きくして、使用者が情報をより見やすくするように制御部11が制御を行ってもよい。さらに、通知抑制モードにおいて、キーバックライト16−2は完全な消灯を行うように制御せず、低輝度で点灯する状態に制御してもよい。
【0095】
また、図8において、第1の低輝度表示状態において使用者がキー操作部を押した際、画面は通常の表示状態に制御されるとした(図8のステップS15)。しかし制御部11は、一度に画面を通常の表示状態にするのではなく、第1の低輝度よりも高い輝度で且つ通常の画面表示状態よりも低い輝度である第2の低輝度に、最初に背景画面を設定してもよい。この画面の表示状態を、第2の低輝度表示状態とする。これは、使用者が、いきなり通常の輝度の背景画面を見ることで、まぶしさといった不快感を覚えるのを防ぐためである。なお、使用者が携帯端末を本格的に使用する状況であることを考慮すると、この際の画面の表示内容は、通常の使用時の表示画面の内容にするのが望ましい。制御部は、画面表示を第2の低輝度表示状態にした後、そのままの輝度で画面表示を行ってもよいし、漸次、背景画面の輝度を上げ、最終的に通常の輝度に設定するようにしてもよい。
【0096】
第1の低輝度表示状態において使用者がキー操作部を押した際、制御部は一度に画面を通常の表示状態若しくは第2の低輝度表示状態にするのではなく、漸次、背景画面を通常の輝度に戻すように制御してもよい。
【0097】
なお、実施の形態1及び2においては、携帯端末の筐体を開閉することにより、携帯端末が起動される形態の場合について説明した。しかし、筐体を横にスライドさせることによって起動される携帯端末、又は、開閉、スライド等の可動部が無い形状で、いずれかのキーを押下すること等で起動を行うストレート型の携帯端末に関しても、上記の説明と同様の制御が可能なことは明白である。例えば、ストレート型の携帯端末で、携帯端末は通知抑制モードが有効になっており、起動を停止している状態の場合、一回携帯端末のボタンを押すと、表示画面は前述の第1の低輝度表示状態での表示がなされる。次に携帯端末のボタンを押すと、第1の低輝度表示状態は解除されて通常の表示画面が表示される、としてもよい。また、表示部に指を接触させることで操作を行う、タッチパネル型の携帯端末(表示部と操作部が物理的に同じ部分にある)でも、同様の制御が行える。
【0098】
さらに、携帯端末の筐体表面の箇所(例えば表示部の裏)に、実施の形態1及び2における表示部とは別の液晶ディスプレイ等の表示画面がある場合も考えられる。そのような別の表示画面に対しても、実施の形態2と同様の画面制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0099】
1 通知部
2 制御部
3 充電器検出部
10 携帯端末
11 制御部
12 表示部
12−1 ディスプレイ
12−2 表示画面バックライト
13 時計回路
14 開閉検出部
15 記憶部
16 操作部
16−1 キー操作部
16−2 キーバックライト
17 送受信部
18 充電回路部
19 充電検出部
20 充電IF部
20−1、20−2、20−3 端子
21 二次電池
100 充電器
101 AC電源IF部
102 電源安定化部
103 充電出力IF部
103−1、103−2、103−3 端子
104 抵抗
200 一般の充電器
201 AC電源IF部
202 電源安定化部
203 充電出力IF部
203−1、203−2、203−3 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器に接続可能な携帯端末であって、
所定の情報を画像、発光、音声、及び振動の少なくとも1つにより通知する通知部と、
前記携帯端末に接続される充電器を識別する充電器検出部と、
前記携帯端末に接続された充電器の種別に応じて、前記通知部が使用者に対し異なる通知を行うように前記通知部を制御する制御部と、
を備える携帯端末。
【請求項2】
前記充電器検出部は、前記携帯端末に接続された充電器が第1の充電器か第2の充電器かを識別し、
前記制御部は、前記携帯端末に接続された充電器が前記第1の充電器である場合に、前記通知部に対し、前記携帯端末に接続された充電器が前記第2の充電器である場合に前記通知部が通知する前記所定の情報のうち、少なくとも一部を通知させない制御を行う、
請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記充電器検出部は、前記携帯端末に接続された充電器が第1の充電器か第2の充電器かを識別し、
前記制御部は、前記携帯端末に接続された充電器が前記第1の充電器である場合に、前記通知部に対し、前記携帯端末に接続された充電器が前記第2の充電器である場合の前記所定の情報の通知方法とは異なる方法で、前記所定の情報を通知させる制御を行う、
請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記携帯端末に接続された充電器が前記第1の充電器である場合に、前記通知部の表示画面において、前記表示画面に表示される情報の色表示を、前記表示画面の背景画面の色表示よりも高明度の色で表示させる、
請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
充電器に接続可能な携帯端末の制御方法であって、
前記携帯端末に接続される充電器を識別する第1のステップと、
前記携帯端末に接続された充電器の種別に応じて、使用者に対する所定の情報の通知を異なる通知にする第2のステップと、
を備えた制御方法。
【請求項6】
充電器に接続可能な携帯端末の制御プログラムであって、
前記携帯端末に接続される充電器を識別する第1の処理と、
前記携帯端末に接続された充電器の種別に応じて、使用者に対する所定の情報の通知を異なる通知にする第2の処理と、
を前記携帯端末に実行させる制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−95025(P2012−95025A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239581(P2010−239581)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】