説明

携帯端末

【課題】ユーザが既に起床しているなど、設定時刻よりも早い時刻にアラームを鳴動する必要がない場合には、天気が雨の場合でも早い時刻にアラームを鳴動させない。
【解決手段】携帯電話機100がACアダプタ102を介して外部電源に接続されて充電中であることが確認された場合、周囲の気圧を気圧センサ21にて測定し、測定された気圧の変化に基づいて現在の天気が雨であると判断した場合に、ユーザが設定した設定時刻よりも早い時刻にアラームを鳴動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関し、特に、アラーム機能の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話機は、情報交換や情報収集の面から、生活にはなくてはならないツールとなりつつある。そのため、若者やビジネスマンのみならず、主婦や年配者も携帯電話機を所有することが多くなっており、また、子供の安全性の面から子供向けのキッズ携帯といった機種も販売されている。
【0003】
このような携帯電話機は、通話機能以外にも様々な機能が付加されており、その中の1つにアラーム機能があり、この機能を用いて携帯電話機をめざまし時計として利用することができる。携帯電話機のアラーム機能は、ユーザが設定した時刻に鳴音させる、あるいはユーザが設定した時刻から、一定間隔で鳴音させるスヌーズ機能を有している。また、このようなアラーム機能は、毎日決まった時刻にアラームが鳴動するように繰り返し設定することも可能である。
【0004】
ここで、例えば、通勤や通学などにおいては、雨天時は車やバスを利用することにより、晴天時よりも時間がかかることが多い。そのため、設定された時刻にアラームが鳴動したとしても、通勤や通学時間に間に合わなくなってしまう場合がある。
【0005】
そこで、雨天時においては、設定時刻よりも早い時刻にアラームを鳴動させる技術が考えられおり、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された技術においては、周囲の気圧を計測することによって天気を予想し、天気が雨と予想した場合にアラームを5分早く鳴動させるものである。
【0006】
これにより、アラームを起床時刻に合わせて設定する場合において、決まった時刻を繰り返し設定するような運用を行っている場合に、ユーザがあらかじめテレビなどから天気予報の情報を取得し、雨である場合に自分でめざましアラームの設定をその日のみ設定し直すという煩わしさから解放されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−207905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたものにおいては、ただ単に周囲の気圧を測定することによって天気を予想し、天気が雨と予想した場合にアラームを5分早く鳴動させるものであるため、携帯電話機のユーザが既に起床しており、携帯電話機を所持して行動している場合においても、天気が雨の場合に設定時刻よりも早い時刻にアラームが鳴動してしまうため、設定時刻よりも早い時刻にアラームを鳴動させる必要がない場合でもアラームが早い時刻に鳴動してしまうこととなり、それにより、既に起床しているユーザに時刻を間違って認識させてしまう虞れがある。
【0009】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ユーザが既に起床しているなど、設定時刻よりも早い時刻にアラームを鳴動する必要がない場合には、天気が雨の場合でも早い時刻にアラームが鳴動することがない携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、
設定時刻にアラームが鳴動するアラーム機能を有する携帯端末において、
周囲の気象状況を取得する気象状況取得手段と、
当該携帯端末が固定された状態であることを検知するための固定状態検知手段と、
前記固定状態検知手段によって当該携帯端末が固定された状態であることが検知された場合であって、前記気象状況取得手段にて取得された気象状況に基づいて現在の天気が雨であると判断した場合に、前記設定時刻よりも早い時刻にアラームを鳴動させる制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上説明したように構成されているので、携帯端末が固定された状態となっている場合のみ、現在の天気が雨の場合に設定時刻よりも早い時刻にアラームが鳴動することとなり、それにより、ユーザが既に起床しているなど、設定時刻よりも早い時刻にアラームを鳴動する必要がない場合には、天気が雨の場合でも早い時刻にアラームが鳴動することがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の携帯端末の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した携帯電話機におけるアラーム鳴動方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の携帯端末の実施の一形態を示すブロック図である。
【0015】
本形態は図1に示すように、ACアダプタ102を介して外部電源に接続可能に構成され、この外部電源によって充電された二次電池101が装着可能なものであり、CPU10と、ROM11と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)12と、無線機送受信部13と、加速度センサ14と、キー入力部15と、表示制御部16と、表示部17と、マイク18と、スピーカ19と、レシーバ20と、気圧センサ21と、電源制御部22と、外部端子23とから構成された携帯電話機100である。
【0016】
CPU10は、本発明の制御手段となるものであって、バス30を介してこれらROM11、RAM12、無線機送受信部13、加速度センサ14、キー入力部15、表示制御部16、マイク18、スピーカ19、レシーバ20、気圧センサ21及び電源制御部22と接続されている。
【0017】
ROM11は、CPU10が実行するための通信制御、省電力制御といった各種の制御プログラムや、天気予報などの演算プログラム、各種メロディを鳴音するための固定的なメロディデータを格納したリード・オン・メモリーである。
【0018】
RAM12は、この携帯電話機100のユーザが入力したデータや、ダウンロードしたデータを保存する用途に使用されると共に、インターネットにアクセスした際のデータを一時的に保存したり、作業用のメモリとしても利用される。
【0019】
無線機送受信部13は、無線によってデータの送受信を行う回路である。
【0020】
加速度センサ14は、本発明の固定状態検知手段となるものであって、携帯電話機100の傾きの変化などを検知する際に用いられるセンサである。
【0021】
キー入力部15は、各種のキー(テンキー、機能キー、携帯電話機を閉じた時に外側に配置されるキー)より入力を受け付ける入力回路である。
【0022】
表示制御部16は、表示部17の表示を制御する制御回路である。
【0023】
表示部17は、液晶ディスプレイなどからなり、情報を表示する。
【0024】
マイク18、スピーカ19及びレシーバ20は、通話を行う際に使用する音響部品であり、マイク18にて送話者の音声を入力し、スピーカ19またはレシーバ20より相手話者の音声を出力する。
【0025】
気圧センサ21は、本発明の気象状況取得手段となるものであって、携帯電話機100の周囲の気圧を検知することにより、携帯電話機100の周囲の気象状況を取得する。
【0026】
外部端子23は、携帯電話機100にACアダプタ102を接続するためのものである。
【0027】
電源制御部22は、本発明の固定状態検知手段となるものであって、外部端子23を介して外部電源から供給される電源から、携帯電話機100の外部に装着される二次電池101を充電するために制御を行うと共に、携帯電話機100の主電源である二次電池101からの電源供給を制御する。
【0028】
以下に、上記のように構成された携帯電話機100におけるアラーム鳴動方法について説明する。
【0029】
図2は、図1に示した携帯電話機100におけるアラーム鳴動方法を説明するためのフローチャートである。
【0030】
図1に示した携帯電話機100において、待ち受け状態からユーザがめざましアラームの鳴動時刻を設定する(ステップS1)。
【0031】
すると、携帯電話機100においては、携帯電話機100が一定時間固定の場所に置かれている、すなわち、携帯電話機100が固定された状態であるかどうかを検知して判断するために、電源制御部22において、外部端子23にACアダプタ102が接続され、ACアダプタ102を介して外部電源に接続されて充電中であるかを確認する(ステップS2)。
【0032】
そして、ACアダプタ102を介して外部電源に接続されていないことが確認された場合は、CPU10の制御によって、めざましアラームを、ユーザが設定した設定時刻にて鳴動させる(ステップS3)。
【0033】
一方、外部端子23にACアダプタ102が接続され、ACアダプタ102を介して外部電源に接続されて充電中であることが確認された場合は、CPU10において携帯電話機100が固定された状態である判断し、気圧センサ21を用いて携帯電話機100の周囲の気圧の測定を開始する(ステップS4)。
【0034】
そして、CPU10において、気圧センサ21にて測定された気圧の変化量から、携帯電話機100が置かれた地点における現在の天気を予測する(ステップS5)。なお、気圧の変化を用いた天気予測演算方法については、既知の技術であるためここでは省略する。
【0035】
現在の天気を予測した結果、現在の天気が「雨」であると判断した場合(ステップS6)、CPU10の制御によって、めざましアラームをユーザが設定した設定時刻から15分早い時刻に鳴動させる(ステップS7)。
【0036】
また、現在の天気が「雨」ではないと判断した場合は、ステップS3に移り、めざましアラームをユーザが設定した設定時刻で鳴動させる(ステップS3)。
【0037】
めざましアラーム鳴動後、ユーザが停止動作を行うことにより鳴動を停止し(ステップS8)、待ち受け画面へ戻る。
【0038】
このように本形態においては、就寝前にめざましアラームの鳴動時刻を設定し、その後、携帯電話機100が、例えば、机上のACアダプタ102に接続された携帯電話機100の卓上ホルダに置かれた場合に、一定時間間隔で、携帯電話機100の周囲の気圧を測定し、その気圧の変化に基づいて翌朝の天気を予測し、その結果が雨である場合に、ユーザが設定した時刻より例えば15分前にアラームを鳴動させるようにしたため、雨天において車の移動で時間がかかる場合などに、早めに起床することで余裕を持った行動を行うことが可能となる。
【0039】
(他の実施の形態)
上述した実施の形態においては、携帯電話機100が固定された状態であることを検知するために、外部端子23にACアダプタ102が接続され、ACアダプタ102を介して外部電源に接続されて充電中であるかどうかを確認しているが、加速度センサ14を用いても良い。
【0040】
加速度センサ14は、携帯電話機100本体の傾きを検出し、表示部17に表示される画面の表示を回転させるなど行う場合に用いられることが通例である。加速度センサ14が、一定時間(例えば30分)、携帯電話機100の傾きが変化しなかった場合、携帯電話機100本体が一定の場所に置かれ、固定された状態であると判断することができる。
【0041】
また、気圧センサ21にて測定された気圧の変化量から、携帯電話機100が置かれた地点での現在の天気が「雨」であるかどうかではなく、例えば、「雨」、「雨のち曇」というように、さらに詳細な判断を行うことも考えられる。
【0042】
また、現在の天気が「雨」の場合に、めざましアラームをユーザが設定した設定時刻の15分前に鳴動させているが、この設定時刻については、あらかじめ何分前に鳴動させるかの設定手段を設け、ユーザに設定させてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 無線機送受信部
14 加速度センサ
15 キー入力部
16 表示制御部
17 表示部
18 マイク
19 スピーカ
20 レシーバ
21 気圧センサ
22 電源制御部
23 外部端子
100 携帯電話機
101 二次電池
102 ACアダプタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定時刻にアラームが鳴動するアラーム機能を有する携帯端末において、
周囲の気象状況を取得する気象状況取得手段と、
当該携帯端末が固定された状態であることを検知するための固定状態検知手段と、
前記固定状態検知手段によって当該携帯端末が固定された状態であることが検知された場合であって、前記気象状況取得手段にて取得された気象状況に基づいて現在の天気が雨であると判断した場合に、前記設定時刻よりも早い時刻にアラームを鳴動させる制御手段とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末において、
前記気象状況取得手段は、周囲の気圧を検知する気圧センサである携帯端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記固定状態検知手段は、当該携帯端末が外部電源に接続されたことを検知する電源制御部である携帯端末。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の携帯端末において、
前記固定状態検知手段は、当該携帯端末の傾きを検知する加速度センサである携帯端末。

【図1】
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【図2】
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