説明

播種機

【課題】繰出ロールからの種子の繰出量を均一化できる粉粒体吐出装置を備えた播種機を提供すること。
【解決手段】
走行車体1上に粉粒体タンク5と該タンク5から粉粒体を繰り出す粉粒体繰出部6と移送管7と粉粒体吐出口部T1を備えた粉粒体吐出装置Tを搭載し、粉粒体吐出口部T1は移送管7の下端部に接続した吐出流路出口51と該吐出流路出口51を囲む吐出筐体52から構成され、吐出筐体52で囲まれる領域は、吐出流路出口51からの粉粒体の移送領域から外れる領域まであり、該吐出流路出口51からの粉粒体の移送領域から外れる吐出筐体52の内面に向かってエアーを吹き出すエアー配管55を設けた粉粒体吐出装置Tを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田圃や圃場に種を蒔くための播種機に関する。
【背景技術】
【0002】
水稲の湛水直播栽培などに使用する播種機は、機体の前進に伴って泥土を左右方向に押し分けて作溝する作溝器と種子を圃場に打ち込む点播装置を備えており、点播装置は、種子ホッパ内の種子を繰り出す繰出ロールと繰出ロールで繰り出された種子を放出ロータにより、その下方に設ける放出筒を経由して圃場に種子を打ち込む構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−275128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている点播装置は繰出ロールで繰り出された種子を放出ロータにより圃場に種子を打ち込む構成であるので、繰出ロールでまとめて繰り出された複数粒の種子が放出ロータの加勢によりかえってばらけ、圃場への種子の点播状態が均一化しないことがあった。
本発明の課題は、繰出ロールから繰り出される種子等の粉粒体を圃場に均一に播種できる粉粒体吐出装置を備えた播種機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を有する。
すなわち、請求項1記載の発明は、走行車体(1)と粉粒体吐出装置(T)を備え、粉粒体吐出装置(T)は、粉粒体タンク(5)、該粉粒体タンク(5)から粉粒体を繰り出す粉粒体繰出部(6)、該粉粒体繰出部(6)に続く粉粒体移送管(7)及び該粉粒体移送管(7)の下端部に設けられる粉粒体吐出口部(T1)を備え、該粉粒体吐出口部(T1)は、粉粒体移送管(7)の下端部に接続した吐出流路出口(51)と該吐出流路出口(51)を囲む吐出筐体(52)から構成され、吐出筐体(52)で囲まれる領域は、吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体吐出流断面積から外れる吐出流を横断する方向の断面積を有し、吐出筐体(52)で囲まれる領域の吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体吐出流断面積から外れる領域で、吐出筺体(52)の内面に向けてエアーを吹き出すエアー配管(55)を設けた播種機である。
【0006】
請求項2記載の発明は、走行車体(1)と粉粒体吐出装置(T)を備え、粉粒体吐出装置(T)は、粉粒体タンク(5)、該粉粒体タンク(5)から粉粒体を繰り出す粉粒体繰出部(6)、該粉粒体繰出部(6)に続く粉粒体移送管(7)及び該粉粒体移送管(7)の下端部に設けられる粉粒体吐出口部(T1)を備え、該粉粒体吐出口部(T1)は、粉粒体移送管(7)の下端部に接続した吐出流路出口(51)と該吐出流路出口(51)を囲む吐出筐体(52)から構成され、吐出筐体(52)で囲まれる領域は、吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体吐出流断面積から外れる吐出流を横断する方向の断面積を有し、吐出筐体(52)で囲まれる領域の吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体吐出流断面積から外れる領域にエアーを吹き出す状態と、前記吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体断面積内の領域にエアーを吹き出す状態とにエアー配管(55)の取付状態を切替可能に取り付ける請求項1記載の播種機である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、吐出筐体52の内壁面への土や種子などの粉粒体の付着を防止し、粉粒体吐出口51の詰まりを防止すると共に、吐出筐体52の内部に繰り出される粉粒体へ圧力風が直接当たらないので、点播時には、点播精度を維持できる。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、 請求項1記載の発明の効果に加えて、条播時には、吐出筐体52の内部に繰り出される粉粒体へ圧力風を直接当てて粉粒体をばらけさせることができ、粉粒体の吐出の均一化が図れ、粉粒体の条播を適正に行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態である播種機の側面図である。
【図2】図1の播種機の平面図である。
【図3】図2のフロート付近の拡大図である。
【図4】図1の播種機の種子タンク部分の側断面図である。
【図5】図1のS−S線断面の繰出装置付近の図である。
【図6】図1の播種機の種子吐出装置の種子吐出口部(播種管)の側面図(図6(a))と図6(a)の矢印A方向からの矢視図(図6(b))である。
【図7】図6とは別実施例の種子吐出装置の種子吐出口部(播種管)の側面図である。
【図8】図6とは別実施例の種子吐出装置の種子吐出口部(播種管)の側面図である。
【図9】図6とは別実施例の種子吐出装置の種子吐出口部(播種管)の背面図である。
【図10】従来技術の種子吐出装置の種子吐出口部(播種管)の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。
図1には、本発明の一実施例である播種機の側面図を示し、図2には、図1の播種機の平面図を示し(操作板は省略)、図3には図2のフロート付近の拡大図を示す。また、図4には種子タンク部分の側断面図を示し、図5には図1のS−S線断面の種子タンク部分の図を示す。なお、本実施例では粉粒体とは籾などの種子をいうこととする。
【0011】
本実施例の播種機の粉粒体吐出装置Tは、粉粒体タンク5、該粉粒体タンク5から粉粒体を繰り出す粉粒体繰出部6、該粉粒体繰出部6に続く粉粒体移送管7、及び該粉粒体移送管7の下端部に設けられる粉粒体吐出口部T1を備え、種子は種子タンク5から繰出装置6、移送管7、種子吐出口部(播種管)T1などを経て圃場に播種される。播種機には、その他、空気を起風するためのブロア8や空気が送風されるエアチャンバ9等の付属装置が設けられており、走行車体1の後部に装着して湛水直播機としている。また播種機の前進する方向を前、後退する方向を後といい、前進方向に向かって左側と右側をそれぞれ左右という。
【0012】
走行車体1は、操舵用の前輪10、10’と推進用の後輪11、11’とを設け、中央のエンジンルーム(エンジンという場合もある)12上に操縦座席13を配置し、水田の耕盤上を回転しながら走行できる構成としている。そして、昇降リンク14は、上下一対の平行リンクからなり、前部が前記走行車体1の後部機枠15に枢着連結し、後部に連結用のヒッチ16を取り付け、車体1側の油圧シリンダ17によって昇降する構成としている。そして、前記ヒッチ16には、以下具体的に説明する播種機を取り付けて支持し、上下昇降自由に構成している。
【0013】
つぎに、播種機の構成を、図面に基づいて具体的に述べる。まず、繰出装置6は、図4および図5に示すように、外周に多数の種子溝18を形成した繰り出しロール19を種子タンク5の下側に臨ませて伝動可能に軸架して設け、その下方には種子を搬送する移送管7の始端部を臨ませて設けた構成としている。なお、種子溝18は、図5に示すように、側部の調節具20を回転調節輪21の回転調節操作によって軸19aに沿わせて左右に摺動し、種子の貯留容積を大小調節できる構成としている。エンジン12からの動力は入力スプロケット22に伝達されて繰り出しロール19の回転軸19aは回動する。
【0014】
そして、種子タンク5は、図1および図2に示すように、走行車体1の後部に連結した播種機の構成部材の一つとして搭載している。つぎに、図4および図5に示すように、前記繰出装置6の下側の後に円筒形状のエアチャンバ9を横向きに配置して設け、エアチャンバ9の一端にブロア8を連結し、他端を蓋で密封して起風された空気を貯留できる構成としている。
【0015】
種子タンク5内の粉粒体を繰り出し装置6を経由して搬送する移送管7は、終端部側を圃場面に近い側に向けて延長し、播種位置に設けている種子吐出口部T1に連通して構成している。そして、接地面に設けて、迎い角センサ44(図1)の検出値に応じてその上下位置が制御され、表土を均しながら滑動するフロート24に種子吐出口部T1を取り付け、前進に伴って整地された圃場面に種子を噴出し、播種する構成である。
【0016】
そして、図3に示すように、前述した種子吐出口部T1を設けている播種条の後方に覆土板25をそれぞれ配置している。覆土板25は、圃場が硬い場合は支点軸25aを中心として播種位置方向に回動して播種位置に土を寄せ集め、圃場が軟らかく、泥土の状態の場合は支点軸25aを中心として播種位置の外側に回動して播種位置に土を寄せないようにし、平面視で左右方向の角度が変更調節できる構成である。なお、圃場の硬度はアーム45を介してヒッチ16に取り付けられた硬軟センサ40が圃場面に接地して回転することで検出できる。
【0017】
このように、覆土板25はワイヤー33の緊張と弛緩によって回動する構成である。例えば操縦座席13に感度調節レバー48(図2)を設け、該感度調節レバー48にケーブル33(図3)を接続させれば、オペレータが感度調節レバー48を操作することで容易に覆土板25の覆土調整量を変えることができる。
【0018】
また、図2に示す前記フロート24、24の間の点線部分X、Yの位置に、走行車体1の前進に伴って圃場面に排水溝を形成するための作溝器を設ける構成としても良い。
そして、前記作溝器と前記種子吐出口部T1とは後輪11、11’が通過した後に、播種条の側方に沿わせて略平行に排水溝を形成する関係位置に配置すれば良く、取付け位置の前後関係は自由に選択すれば良い。なお、図1に示すように、肥料は肥料タンク29から肥料移送管30、施肥管31を経て圃場に施肥される。
【0019】
このように構成した播種機を、整地作業が終わって湛水状態にした圃場に入れて肥料タンク29に肥料を充填し、種子タンク5には種子を充填して前進させて播種作業を開始する。そして、作業を開始すると、種子タンク5内の種子は図4に示すように、下方の回転している繰り出しロール19に達し、繰り出しロール19の外周に設けた複数の種子溝18にそれぞれ供給されて溜り回転方向に送られる。そのとき、種子溝18内の種子は、回転下手側にあるブラシ23に達して表面が均平に均されて定量となり、繰り出しロール19の回転に伴って下方の移送管7の搬送始端部に落下する。
【0020】
ブラシ23は、繰り出しロール19の一部表面をブラッシングし、繰り出しロール19の表面に接触して均す働きをする。すなわち、ブラシ23は種子溝18の種子量を均一にするために、種子溝18の無い部分の繰り出しロール19の表面に付着した種子を掃き取る作用もある。
【0021】
また、エアチャンバ9には、ブロア8によって起風された圧縮空気が貯留されており、連通している各作溝器3(図6)にエア配管55を経由して流入することになる。繰り出しロール19から移送管7の搬送始端部に落下した種子は移送管7内を搬送されて先端側の種子吐出装置Tの種子吐出口部(播種管)T1に達し、フロート24によって整地された後の圃場に噴出、播種される。そして、覆土板25は、進行方向に対して所定の角度を保ち圃場面の表土を掻き寄せ、種子が播かれている播種溝の上に覆土を行い、播種作業を完了する。
播種機は、上記した方法で走行車体1の前進に伴って湛水した圃場面に播種作業を行なう。
【0022】
上記種子吐出口部(播種管)T1の構成の詳細側面図を図6(a)に示し、図6(a)の矢印A方向からの矢視図を図6(b)に示す。
移送管7の下端部に種子吐出口部T1を設けている。該種子吐出口部T1は、移送管7の下端部に接続した水平断面が「コ」字状の吐出流路出口51と該吐出流路出口51を囲み、上壁面と下壁面と後壁面がない水平断面「コ」字状の吐出筐体(枠体)52から構成されている。また吐出流路出口51は吐出筐体(枠体)52の底面に達しない位置で該吐出筐体(枠体)52の内壁面に沿って開口している。
【0023】
なお、吐出筐体(枠体)52は、その前壁面の前側には側面視と上面視でそれぞれ三角形部材53が取り付けられ、これら吐出筐体(枠体)52と三角形部材53で作溝器3を構成している。
播種機が圃場を前進中に前記作溝器3により圃場面に溝を作り、作成された溝の直後に吐出流路出口51から吹き付けられる種子を播くことができる。
【0024】
また、種子吐出口部T1は、吐出筐体(枠体)52の前壁面と左右側壁面の各内壁面側に接して取り付けられた断面「コ」字状の吐出流路出口51を有し、その吐出流路出口51の頂部に移送管7の下端部が接続している。そして種子は移送管7から断面「コ」字状の吐出流路出口51を経由して筐体(枠体)52の内壁面に沿って吹き出され、該吐出筐体(枠体)52で囲まれた空間内で圃場面に向かって散布される。
【0025】
また、移送管7の外側に支持されたエア配管55の先端からの圧力風は、吐出流路出口51から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の断面積(粉粒体の移送の投影域)より広い吐出流を横断する方向の断面積(前記移送の投影域から外れる領域)を有する吐出筐体(枠体)52で囲まれた空間に吹き出されることになる。
【0026】
そのため、エア配管55からの圧力風は吐出筐体(枠体)52の内壁面へ土や粉粒体(種子)が付着することを防止し、種子吐出口部T1での土や粉粒体(種子)の詰まりを防止すると共に、繰り出される種子へ圧力風が直接当たらないので、種子の点播時には、点播精度を維持できる利点がある。
【0027】
また、図7の側面図は種子タンク5と繰出装置6と移送管7と作溝器3との配置関係を示す図6とは別実施例の種子吐出口部T1である。図7に示す構成で、種子タンク5から繰り出される種子は種子ブロア8(図1)で移送管7の先端まで搬送されるが、移送管7の先端出口からは作溝器3の図示しない開口部に配置されるエアー配管55からの空気流により作溝器3の内部から圃場上に種子を吹き付ける構成である。
【0028】
作溝器3は上壁面と下壁面と後壁面がない水平断面「コ」字状の吐出筐体(枠体)52を有し、その吐出筐体(枠体)52の頂部に移送管7の下端部が間隔を開けて配置されている。
【0029】
作溝器3には吐出筐体(枠体)52と、その前壁面の前側には側面視と上面視でそれぞれ三角形部材53が取り付けられ、これら吐出筐体(枠体)52と三角形部材53で作溝器3を構成している。
播種機が圃場を前進中に前記作溝器3により圃場面に溝を作り、作成された溝の直後に移送管7の先端部からエアー配管55からの圧力風により吹き付けられる種子を播くことができる。
【0030】
そのため、圧力風は吐出筐体(枠体)52の内壁面へ土や粉粒体(種子)が付着することを防止し、種子吐出口部T1での土や粉粒体(種子)の詰まりを防止すると共に、繰り出される種子へ圧力風が直接当たらないので、種子の点播時には、点播精度を維持できる利点がある。
【0031】
図8には、上壁面と下壁面と後壁面がない水平断面「コ」字状の吐出筐体(枠体)52を有し、その吐出筐体(枠体)52の頂部に間隔をあけて種子が落下する移送管7の下端部が配置されており、該移送管7の下端部にブロア8からのエアーを供給するエアー配管55が取り付けられている。
この構成は図7に示す構成とは、エアー配管55から吹き出すエアーが移送管7から落下中の種子に直接当たるようにエアー配管55が配置されていることが異なっている。この場合は移送管7から落下中の種子をエアーが乱して、はらばらにすることで、条植に近い状態で圃場に播種される。
【0032】
図9の背面図に示す別実施例の粉粒体吐出口部T1は、機体フレーム57に移送管7の先端部を支持させ、該移送管7の先端部に短い筒状の吐出流路出口51を接続し、該吐出流路出口51の下方に設けたものであり、該粉粒体吐出口51の下方に間隔を開けて、上壁面と下壁面と後液面がない筐体(枠体)からなる作溝器3の吐出筐体(枠体)52が配置されている。
【0033】
吐出筐体(枠体)52は前壁面と左右側壁面を有し、上方が開放した構成であり、図示はしていないが、吐出筐体(枠体)52の前壁面の前側には側面視と上面視でそれぞれ三角形の作溝器3が取り付けられている、
図10の背面図に示す従来技術の構成では、粉粒体吐出口部T1’は、播種機の機体の中央部に機体フレーム57’があるため、その真後ろに移送管7’を曲げて配置し、その先端部に短い筒状の吐出流路出口51’を接続し、該吐出流路出口51’の下方に吐出筐体(枠体)52’を配置していたので、移送管7’の曲がり部に種子が詰まり易かった。
【0034】
これに対して、図9に示す本発明では移送管7は曲がり部がないため、種子が移送管7の途中に留まることなく、吐出流路出口51からの種子とエアー配管55からの圧力風を吐出筐体(枠体)52の中央部に位置する圃場面に向って吹き出すことができる。
【0035】
図6〜図9に示す構成の全ての実施例において播種機に設けた圃場の硬軟度合いを検知する硬軟センサ40が圃場が軟いことを検知した場合は図示しない制御装置によりブロア8を起動させ、圃場が硬いことを検知した場合はブロア8を停止させることにすると、圃場が軟らかい時に作溝器3に泥が付着することを防ぐことができる。
【0036】
また、図6〜図9に示す構成の全ての実施例において播種機に設けた圃場の水の存在を検知する水センサ(図示せず)が圃場の水深が深いことを検知した場合はブロア8を停止させて、風により水撥ねで作溝器3などが湿ることを防ぐことができる。またブロア8を停止させても水があると作溝器3が水で洗われる利点がある。
【0037】
図6〜図9に示す構成の全ての実施例において播種機が走行しているとブロア8を作動させて、作溝器3に泥が付着しないようにする。
【0038】
図1に示す播種機の種子タンク5部分を昇降リンク14で昇降可能にしているが、種子タンク5の部分を上昇させている時に施肥タンク29部分の肥料搬送用ブロア49と種子タンク5部分の種子搬送用ブロア8の両方を作動させ、かつ肥料移送管30に設けた管内の送風を遮断することができるシャッター(図示せず)により、肥料移送管30の肥料搬送用ブロア49によるエアーを種子移送管7に流すことで作溝機内部を清掃することができる。
【0039】
また、種子タンク5部分の種子移送管7の管内の送風を遮断することができるシャッター(図示せず)を設け、種子搬送用ブロア8による送風を肥料移送管30の肥料搬送用ブロア49によるエアーと共に肥料移送管30に流すことでも肥料移送系の送風による清掃が可能となる。
【0040】
また肥料搬送用ブロア49と種子搬送用ブロア8を一つの強力なブロアに置き換えて配置し、この単一ブロアからの送風を送る清掃用ホースと先端ノズルを設けておくと播種機の各種装置を清掃できる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、播種機に限らず他の農作業機にも有用性が高い。
【符号の説明】
【0042】
1 走行車体 3 作溝器
5 種子タンク 6 繰出装置
7 移送管 8 ブロア
9 エアチャンバ 10 前輪
11 後輪 12 エンジンルーム
13 操縦座席 14 昇降リンク
15 機枠 16 ヒッチ
17 油圧シリンダ 18 種子溝
19 繰り出しロール 19a 回転軸
20 調節具 21 回転調節輪
22 入力スプロケット 23 ブラシ
24 フロート 25 覆土板
25a 支点軸 29 肥料タンク
30 肥料移送管 31 施肥管
33 ワイヤ 40 硬軟センサ
44 迎い角センサ 45 アーム
48 感度調節レバー 49 肥料搬送用ブロア
T 種子吐出装置 T1 種子吐出口部(播種管)
51 吐出流路出口 52 吐出筐体(枠体)
53 三角形部材 55 エアー配管
57 機体フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(1)と粉粒体吐出装置(T)を備え、
粉粒体吐出装置(T)は、粉粒体タンク(5)、該粉粒体タンク(5)から粉粒体を繰り出す粉粒体繰出部(6)、該粉粒体繰出部(6)に続く粉粒体移送管(7)及び該粉粒体移送管(7)の下端部に設けられる粉粒体吐出口部(T1)を備え、
該粉粒体吐出口部(T1)は、粉粒体移送管(7)の下端部に接続した吐出流路出口(51)と該吐出流路出口(51)を囲む吐出筐体(52)から構成され、
吐出筐体(52)で囲まれる領域は、吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体吐出流断面積から外れる吐出流を横断する方向の断面積を有し、
吐出筐体(52)で囲まれる領域の吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体吐出流断面積から外れる領域で、吐出筺体(52)の内面に向けてエアーを吹き出すエアー配管(55)を設けたことを特徴とする播種機。
【請求項2】
走行車体(1)と粉粒体吐出装置(T)を備え、
粉粒体吐出装置(T)は、粉粒体タンク(5)、該粉粒体タンク(5)から粉粒体を繰り出す粉粒体繰出部(6)、該粉粒体繰出部(6)に続く粉粒体移送管(7)及び該粉粒体移送管(7)の下端部に設けられる粉粒体吐出口部(T1)を備え、
該粉粒体吐出口部(T1)は、粉粒体移送管(7)の下端部に接続した吐出流路出口(51)と該吐出流路出口(51)を囲む吐出筐体(52)から構成され、
吐出筐体(52)で囲まれる領域は、吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体吐出流断面積から外れる吐出流を横断する方向の断面積を有し、
吐出筐体(52)で囲まれる領域の吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体吐出流断面積から外れる領域にエアーを吹き出す状態と、前記吐出流路出口(51)から吹き出す粉粒体の吐出流を横断する方向の粉粒体断面積内の領域にエアーを吹き出す状態とにエアー配管(55)の取付状態を切替可能に取り付けることを特徴とする請求項1記載の播種機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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