説明

撮像モジュールおよびその製造方法、電子情報機器

【課題】イメージセンサチップの表面に異物があっても、それを避けることができると共に、構成部品の点数を減らしてより簡単な構成とし、これによって組立工数を減少させかつ組立精度を向上させ、光学調整を不要にする。
【解決手段】レンズ筐体2の裏側の外周底面2dに、該撮像チップの表面に直に当接する複数の高さ方向位置決め部2bが設けられている。また、集光レンズ3a,3bを内部に収容したレンズ筐体2が外枠ホルダー1内で回動自在に嵌合されているので、センサーチップ(撮像チップ)の表面に異物Dがあっても、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bを回動させて、異物Dの位置を避けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部を有する撮像素子と、入射光を撮像素子上に結像するためのレンズとがモジュール化(一体化)された撮像モジュールおよびその製造方法、この撮像モジュールを、車載用カメラなどの画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、車載用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、テレビジョン電話装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの電子情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の撮像モジュールは、主に、カメラ付き携帯電話装置や携帯端末装置(PDA)、さらにはカードカメラなどに用いられ、セラミックスやガラス入りエポキシ樹脂などの基板上に、被写体からの画像光を光電変換して被写体を撮像する複数の受光部を有する撮像素子が設けられた固体撮像チップと、入射光を撮像素子上に結像するためのレンズを固定したホルダー部材とが設けられている。この場合に、これらのレンズと撮像素子との距離を正確に固定して入射光を撮像素子上に精度よく結像させることは、鮮明な画像を得るために重要である。
【0003】
このように、レンズと撮像素子との距離を正確に規定する方法として、レンズが固定される鏡筒の底面を、固体撮像チップ上の撮像素子の周囲に直に当てて固定することが特許文献1に開示されている。まず、特許文献1の撮像モジュールについて図8を用いて詳細に説明する。
【0004】
図8は、特許文献1に記載されている従来の撮像モジュールの要部構成例を模式的に示す構造図であって、(a)は従来の撮像モジュールの縦断面図、(b)は従来の撮像モジュールの上面図である。
【0005】
図8(a)および図8(b)において、従来の撮像モジュール100は、レンズ部101とイメージセンサチップ102とを備えている。ここで、レンズ部101は、レンズ101aと、これを固定する鏡筒101bとにより構成されている。また、イメージセンサチップ102は、撮像素子としてのセンサ部102a、センサ部102aからの信号を信号処理するための論理回路部102b、および論理回路部102bと外部とを接続するための入出力端子としてのボンディングパッド102cを有している。
【0006】
レンズ101aは、ここでは、非球面凸レンズであり、入射された光をイメージセンサチップ102の表面上で結像させる機能を有している。
【0007】
鏡筒101bは、円筒状または角形などの形状を有し、その内周部の所定の位置においてレンズ101aを支持している。鏡筒101bは、レンズ支持部として機能していている。このレンズ支持部は、筒状に構成される必要はない。例えば、レンズ支持部は、レンズ101aを単数または複数の点で下方から支えるようにしてもよい。鏡筒101bの底面は、センサカバー102dが設けられていない間隙dにおいて、イメージセンサチップ102の論理回路部102b上に固定されている。この事例では、センサカバー102dは、四方向に延出する連結部eを備えているため、この部分以外の4箇所の間隙dにおいて鏡筒101bの4つの下端部がイメージセンサチップ102上に載置されて固定されている。
【0008】
鏡筒101bとイメージセンサチップ102は、例えば、紫外線硬化樹脂によって接着される。この場合、イメージセンサチップ102に対して、予め定められた位置に鏡筒101bの下端部の底面を載置し、その後、イメージセンサチップ102と鏡筒101bが接着されるように紫外線硬化樹脂を塗布する。または、イメージセンサチップ102または鏡筒101bのいずれか一方または双方に紫外線硬化樹脂を塗布した後に、両者の位置決めをするようにしてもよい。紫外線をこの紫外線硬化樹脂に照射することによってイメージセンサチップ102と鏡筒101bとを接着固定する。このように、従来のカメラモジュール100では、レンズ101aを支持するレンズ支持部(鏡筒101b)をイメージセンサチップ102上に載置して直接固定するようにしたため、小型化を図ることができる。レンズ101aとイメージセンサチップ102との間の部材がレンズ支持部(鏡筒101b)のみであることから、レンズ101aとイメージセンサチップ102のセンサ部102aとの距離の積み上げ誤差が少なく、両者の相対的な位置を高精度でより確実に設定することができる。
【0009】
イメージセンサチップ102のセンサ部102aは、イメージセンサチップ102の中央の表面上に形成され、光学的な情報を電気信号に変換し、撮像信号として出力する撮像素子である。この撮像素子は、多数の読取画素を有する。センサ部102aは、例えばCCD素子やCMOS素子である。このセンサ部102aは各読取画素の上方には複数のマイクロチップレンズが形成されており、入射光を各読取画素に対してそれぞれ集光させることができる。
【0010】
論理回路部102bは、各センサ部102aから出力された撮像信号に対して、増幅処理、ノイズ除去処理などの種々の信号処理を行う。
【0011】
ボンディングパッド102cは、論理回路部102bと電気的に接続された入出力端子である。このボンディングパッド102cは、ワイヤボンディングにより外部の電極と電気的に接続される。例えば、イメージセンサチップ102を、例えば携帯電話装置、携帯端末装置(PDA)やカードカメラなどの回路を構成する配線基板上に設置し、これらのボンディングパッド102cとこの配線基板とをワイヤーボンディングにて電気的に接続する。また、抵抗器やコンデンサなどの受動部品、トランジスタやLSIなどの能動部品が搭載されたサブ配線基板にイメージセンサチップ102を設置してボンディングパッド102cとサブ配線基板とをワイヤーボンディングにて電気的に接続し、このサブ配線基板を携帯電話装置、携帯端末装置(PDA)やカードカメラなどと電気的に接続することもできる。
【0012】
センサカバー102dは、少なくともセンサ部102a上を保護するために配置し、センサ部102aへの異物の付着を防いでいる。センサカバー102dは、センサ部102aの領域外においてイメージセンサチップ102と固定される接触部を有する。センサカバー102dとセンサ部102aとの間には間隙が形成される。センサーカバー102dは、例えば、透明性を有する合成樹脂やガラスによって形成される。この合成樹脂には、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂など種々の樹脂が含まれる。センサカバー102dは、イメージセンサチップ102上に接着または圧着される。接着の場合には、例えば紫外線硬化樹脂が用いられる。このセンサカバー102dは、撮像モジュールの製造段階において形成され、撮像モジュールの使用段階においても継続して取り付けられる。即ち、センサカバー102dは、使用段階において取り外されるものではない。したがって、センサカバー102dのセンサ部102aの上方は、入射光を通過させるため、透明性を有している必要がある。但し、センサカバー102d全体が透明性を有している必要はない。
【0013】
センサカバー102dの入射面、即ちレンズ101a側の面と、センサ部102aの表面との間の距離は、所定距離以上の距離が必要である。レンズ101aを通過した入射光は、徐々に収束し、センサ部102a上で結像するため、同じ大きさの異物であってもセンサ部102aに直接に付着した場合と、センサ部102aから上方に所定距離だけ離れたセンサカバー102d上に付着した場合とでは、センサ部102aにおいて撮像される画像上の大きさが異なる。具体的には、レンズ101aが収束レンズである場合、センサカバー102dの入射面がセンサ部102aから上方に離れれば離れるほど、センサカバー102dに付着した異物がセンサ部102aの画像上に小さく映し出され、異物の付着の影響を少なくすることができる。
【0014】
センサカバー102dは、図8(b)に示されるように、隣接するイメージセンサチップ102のセンサカバー102dと連結する連結部を有している。この連結部は、ダイシングの際に切断される。センサカバー102dは、この連結部によってウェハ上のチップ全てが一体的に形成されている。
【0015】
また、光学的精度を維持するため、鏡筒101bとイメージセンサチップ102とが直接に当接するように鏡筒101bとイメージセンサチップ102との接触部分にはセンサカバー102dが設けられておらず、センサカバー102dの空隙(隙間d)が設けられている。同様に、配線を容易にするために、ボンディングパッド102c上にもセンサカバー102dが設けられておらず、センサカバー102dの空隙が設けられている。
【0016】
上述したように、特許文献1では、レンズ101aが固定される鏡筒101bの4つの下端部の底面を、イメージセンサチップ102上に当てて固定することにより、レンズ101aとセンサ部102aとの距離を精度よく規定している。さらに、特許文献1では、センサーカバー102d自体に、「IRカットフィルタ」、「絞り」および「ローパスフィルタ」などの付加価値を付け、それに4ヶ所の貫通穴(鏡筒101bの底面から延びた足が通過する隙間d)を設けて、鏡筒101bの底面から足を延ばしてイメージセンサチップ102上に直に接触させることで、レンズ101aとセンサ部102aとの距離を精度よく規定している。
【0017】
次に、特許文献2の撮像モジュールについて図9を用いて詳細に説明する。レンズと撮像素子との距離を正確に固定する方法として、特許文献1では、レンズ101aとセンサ部102aとの間に鏡筒101bが介在していたが、レンズ部品自体からその一部を焦点距離(センサまでの距離)まで延長し、そのレンズ部品から延長した先端部分をチップイメージセンサ上に押し当てて、レンズと撮像素子との距離を精度よく規定することが特許文献2に開示されている。
【0018】
図9は、特許文献2に開示されている従来の撮像装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
【0019】
図9において、従来の撮像装置200は、基板201と、この基板201の一方の面上に配設された撮像素子202と、この撮像素子202の撮像領域に集光させ被写体像を結像させるための光学部材203と、この光学部材203と撮像素子202とを覆い隠す鏡枠(ホルダー部材)204と、鏡枠204の上面(前部)に設けられ、磁石を備えた回転部材205と、この回転部材205の下方に設けられた遮光性を有する遮光板206と、この遮光板206の下方に設けられ、光学部材203に入射する光の量を調節する絞り板207と、遮光板206と絞り板207とにより支持されるIRカットフィルタ208と、絞り板207と、光学部材203との間に設けられ、光学部材203を基板201側に押圧するばねである押圧部材209と、鏡枠204の位置決めを行うための位置決め電気部品210とを備えている。なお、回転部材205と、遮光板206と、絞り板207と、IRカットフィルタ208とを鏡枠204の上端部211(ホルダー部材の前部)とする。
【0020】
光学部材203は、透明なガラスまたはプラスチック材料を素材とし、基板201側(光軸方向の後側)に配置される第1レンズ部材212と、この第1レンズ部材212の上方に備えられた第2レンズ部材213と、第1レンズ部材212と第2レンズ部材213との間に設けられ、第1レンズ部材212に入射する光の量を調節する絞り部214とから構成されている。なお、第1レンズ部材212と第2レンズ部材213との光軸は同一となっている。
【0021】
第1レンズ部材212は、凸レンズ形状の第1レンズ部212aと、第1レンズ部212aの周囲に管状の下脚部212bとを備えたものであり、下脚部212bの下端部には、通常撮像モードにおいて、撮像素子202の表面に当接する当接部212cが形成されている。また、下脚部212bの上面には、押圧部材209が当接する。この押圧部材209の押圧力(付勢力)により、通常撮像モードにおいて、第1レンズ部材212は基板201側に押圧されている。さらに、第1レンズ部212aの周囲には、管状の下脚部212bから外側に平面視円形状に鍔部212dが形成されている。第1レンズ部材212の焦点距離はレンズ主点からの距離であるが、部品寸法的には、その鍔部212dの平面位置から下脚部212bの下端の当接部212cまでの距離寸法を製造交差で管理している。
【0022】
これによって、第1レンズ部材212の一部を焦点距離(センサまでの距離)の位置まで延長し、その第1レンズ部材212の下面から延長した下脚部212bの先端部分(下端の当接部212c)を撮像素子202の表面に押し当てて、第1レンズ部材212と撮像素子202の表面との距離を高精度に位置させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2004−260356号公報
【特許文献2】特開2004−266340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、上記従来の撮像モジュール100では、センサーカバー102dに一体物として「IRカットフィルター」、「絞り」および「ローパスフィルタ」などの付加価値を設けることから、センサ部102a上のセンサーカバー102dは光が透過するレンズ同等の光学材料で構成する必要があるし、また、センサ部102a上以外のセンサーカバー102dは遮光しておく必要があるが、図8(a)および図8(b)に示すように隙間dの内側の円内を光透過、円外を遮光とした場合に、横方向からの光がセンサ部102aに入らないように、下方に足が出ている部分だけ遮光するのは製造上困難である。また、センサーカバー102dには鏡筒101bの4つに分かれた下端部をイメージセンサチップ102上に当接させるための貫通穴(隙間d)が設けられており、この隙間dなどを通して横方向からセンサ部102aに光漏れする可能性が大きく、ゴースト/フレアーが発生する虞がある。さらに、鏡筒101bをイメージセンサチップ102上にレンズ101aの光軸をセンサ部102aの中心に位置させるにはXY方向への寸法精度も必要になる。実際に、鏡筒101bの4つに分かれた下端部をセンサーカバー102dの貫通穴(隙間d)に通しているが、その下端部と貫通穴(隙間d)との間には、寸法的に余裕(所定寸法以上のクリアランス)がないとスムーズに入らないし、余裕が大きいとXY方向の寸法精度があまくなる。これらを組み立てるに際しては、部品点数が多くその構造が複雑であるので、管理項目も多く、組立工数もかかるし、組み立てる精度にも問題が生じやすい。
【0025】
また、上記従来の撮像装置200では、Z方向の位置決めは、第1レンズ部材212の下面から延長した下脚部212bを撮像素子202上に直接当てて、第1レンズ部材212と撮像素子202の表面との距離を高精度に位置決めして組立精度を向上させる構造になっているが、所定のレンズ性能を得るには、金型構造が複雑であり精度も必要になる。また、絶えず、押圧部材209(ばね)によるセンサーチップ(撮像素子202)側への押圧力(付勢力)が必要であることから、第1レンズ部材212の上面に押圧部材209(ばね)を配置し、かつその押圧部材209(ばね)を押さえて保持する別部材も必要となって、部品点数が多くなり、構造も複雑になっている。したがって、これらを組み立てるに際して、部品点数が多くその構造が複雑であることから、管理項目も多く、組立工数もかかるし、組み立てる精度にも問題が生じやすい。しかも、上記従来の撮像装置200では、撮像モジュール組立時に各部品の精度、組立精度などを吸収するべく、第1レンズ部材212のレンズ位置のフォーカス調整をも要していた。
【0026】
しかも、前述したように、上記特許文献1では、レンズ101aが固定される鏡筒101bの4つの下端部の底面を、イメージセンサチップ102上に当てて固定することにより、レンズ101aとセンサ部102aとの距離を精度よく規定し、また、上記特許文献2では、レンズ部品自体からその一部を焦点距離(センサまでの距離)まで延長し、そのレンズ部品から延長した先端部分をイメージセンサチップ上に押し当てて、レンズと撮像素子との距離を精度よく規定しているものの、イメージセンサチップの表面に異物がある場合には、その異物によってレンズとイメージセンサチップの表面との高さがずれ、これによって光軸歪みが発生し、レンズと撮像素子との距離精度が保証できないという問題が発生する。
【0027】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、イメージセンサチップの表面に異物があっても、それを避けることができると共に、構成部品の点数を減らしてより簡単な構成とし、これによって組立工数を減少させかつ組立精度を向上させ、光学調整を不要にできる撮像モジュールおよびその製造方法、この撮像モジュールを車載用後方監視カメラなどの画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の撮像モジュールは、基板上に装着された撮像チップ上に被写体光を結像させるための集光レンズを内部に収容したレンズ筐体が外枠ホルダー内で回動自在に嵌合され、該外枠ホルダーは該撮像チップを覆うように該基板上に装着された撮像モジュールであって、該レンズ筐体の裏側に複数の高さ方向位置決め部が配置され、該複数の高さ方向位置決め部が該撮像チップの表面により直に支持されて、該集光レンズと該撮像チップの表面との距離が規定されたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】
さらに、これにピンホール(レンズなし)を含めて、本発明の撮像モジュールは、基板上に装着された撮像チップ上に被写体光を結像させるための集光レンズ(一枚の集光レンズまたは他群集光レンズ)を内部に収容するかまたは該集光レンズの代わりにピンホール(集光レンズの収容されない状態)を持つレンズ筐体が外枠ホルダー内で回動自在に嵌合され、該外枠ホルダーは該撮像チップを覆うように該基板上に装着された撮像モジュールであって、該レンズ筐体の裏側に複数の高さ方向位置決め部が配置され、該複数の高さ方向位置決め部が該撮像チップの表面により直に支持されて、該集光レンズまたは該ピンホールと該撮像チップの表面との距離が規定されたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0030】
また、本発明の撮像モジュールは、基板上に撮像チップが装着され、被写体光を該撮像チップ上に結像させるための集光レンズを裏側凹部内部に収容したレンズ筐体が、外枠ホルダーの裏側凹部内部に回動自在に嵌合され、該撮像チップを該外枠ホルダ−の裏側凹部で覆って当該裏側凹部内を密閉または半密閉するように該基板上に該外枠ホルダ−が装着された撮像モジュールであって、該レンズ筐体の裏側の外周底面に、該撮像チップの表面に直に当接する複数の高さ方向位置決め部が設けられたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0031】
さらに、これにピンホール(レンズなし)を含めて、本発明の撮像モジュールは、基板上に撮像チップが装着され、被写体光を該撮像チップ上に結像させるための集光レンズ(一枚の集光レンズまたは他群集光レンズ)を裏側凹部内部に収容するかまたは該集光レンズの代わりにピンホール(集光レンズの収容されない状態)を持つレンズ筐体が、外枠ホルダーの裏側凹部内部に回動自在に嵌合され、該撮像チップを該外枠ホルダ−の裏側凹部で覆って当該裏側凹部内を密閉または半密閉するように該基板上に該外枠ホルダ−が装着された撮像モジュールであって、該レンズ筐体の裏側の外周底面に、該撮像チップの表面に直に当接する複数の高さ方向位置決め部が設けられたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0032】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける複数の高さ方向位置決め部は、2箇所以上である。具体的には、この複数の高さ方向位置決め部は、2〜4箇所のうちのいずれかである。さらに、この複数の高さ方向位置決め部は、2〜6箇所のうちのいずれかである。さらに、この複数の高さ方向位置決め部は、2〜8箇所のうちのいずれかであってもよい。さらに、高さ方向位置決め部は2箇所以上で、この高さ方向位置決め部が突出する平面と撮像チップの表面との対向面のうち、該高さ方向位置決め部が突出先端面と該撮像チップの表面とが接触しない対向面が面積的に半分以下であってもよい。
【0033】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける複数の高さ方向位置決め部の連結形状の辺が前記撮像チップの各辺のうちの少なくともいずれかに平行となるように、該複数の高さ方向位置決め部が配設されている。
【0034】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける高さ方向位置決め部は、前記レンズ筐体の外周底面から点状、線状または面状に突出した突出部で構成されている。
【0035】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける突出部は、前記撮像チップの表面に当接する先端面は円形状である。
【0036】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける突出部は、その先端面が前記撮像チップの撮像領域以外の位置決め領域の表面に当接する。
【0037】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける突出部の側壁はテーパ面で構成されている。
【0038】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける突出部のテーパ面は、異物の高さおよび傾斜面を避け得る角度を有している。
【0039】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける外枠ホルダーには貫通穴が形成されており、該貫通穴から接着材を入れて該外枠ホルダーと前記レンズ筐体との位置関係を固定可能にしている。
【0040】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおいて、前記接着材が遮光性を有しているかまたは/および、前記貫通穴が、該貫通穴からの進入光を前記撮像チップの撮像素子が感じない位置に設けられている。
【0041】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおいて、光軸の位置決めを行うための前記外枠ホルダ部と、合焦点位置決めを行うための前記レンズ筐体により鏡筒部材を構成している。
【0042】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける基板への接着・固定は、前記複数の高さ方向位置決め部が前記撮像チップの表面で支持されているのとは独立して、前記外枠ホルダーを介して行われる。
【0043】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールにおける撮像チップの表面への前記レンズ筐体の高さ方向位置決め部による設置面または設置線、設置点は前記外枠ホルダーの接着位置とは独立に選択できる。
【0044】
本発明の撮像モジュールの製造方法は、基板上に撮像チップを装着するセンサユニット形成工程と、被写体光を該撮像チップ上に結像させるための集光レンズをレンズ筐体の内部に収容し、該集光レンズを内部に収容したレンズ筐体を外枠ホルダー内で回動自在に嵌合して内部に収容するレンズユニット形成工程とをこの順またはこれとは逆順に行い、該集光レンズを内部に収容したレンズ筐体の裏側に設けられた複数の高さ方向位置決め部を該撮像チップの表面に当接させかつ該外枠ホルダーにより該撮像チップ上を覆い、この状態で、該内部を密閉または半密閉するように該外枠ホルダ−を該基板上に接着材により接着するセンサユニット・レンズユニット組合せ工程を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0045】
さらに、これにピンホール(レンズなし)を含めて、本発明の撮像モジュールの製造方法は、基板上に撮像チップを装着するセンサユニット形成工程と、被写体光を該撮像チップ上に結像させるための集光レンズをレンズ筐体の内部に収容し、該集光レンズを内部に収容するかまたは該集光レンズの代わりに、被写体光を該撮像チップ上に結像させるためのピンホールを持つレンズ筐体を外枠ホルダー内で回動自在に嵌合して内部に収容するレンズユニット形成工程とをこの順またはこれとは逆順に行い、該集光レンズを内部に収容したレンズ筐体の裏側に設けられた複数の高さ方向位置決め部を該撮像チップの表面に当接させかつ該外枠ホルダーにより該撮像チップ上を覆い、この状態で、該内部を密閉または半密閉するように該外枠ホルダ−を該基板上に接着材により接着するセンサユニット・レンズユニット組合せ工程を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0046】
また、好ましくは、本発明の撮像モジュールの製造方法におけるセンサユニット・レンズユニット組合せ工程は、前記撮像チップが装着された基板に対して、前記レンズ筐体と共に前記外枠ホルダーを、該撮像チップの平面画像を認識する自動組立装置により位置合わせして載置する。
【0047】
さらに、好ましくは、本発明の撮像モジュールの製造方法における高さ方向位置決め部が接する撮像チップの表面位置にある異物を光学顕微鏡で光学的に予め検出しておく場合には、該異物の位置を外すように、前記外枠ホルダに対して前記レンズ筐体の高さ方向位置決め部の位置を所定量だけ回動した状態で装着する。
【0048】
本発明の電子情報機器は、本発明の上記撮像モジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0049】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0050】
本発明においては、基板上に装着された撮像チップ上に被写体光を結像させるための集光レンズを内部に収容したレンズ筐体が外枠ホルダー内で回動自在に嵌合され、該外枠ホルダーは該撮像チップを覆うように該基板上に装着された撮像モジュールであって、該レンズ筐体の裏側に複数の高さ方向位置決め部が配置され、該複数の高さ方向位置決め部が該撮像チップの表面により直に支持されて、該集光レンズと該撮像チップの表面との距離が規定されている。
【0051】
これによって、集光レンズを内部に収容したレンズ筐体が外枠ホルダー内で回動自在に嵌合されているので、撮像チップの表面に異物があっても、レンズ筐体の高さ方向位置決め部を回動させれば、異物の位置を避けることができると共に、構成部品の点数を減らしてより簡単な構成とし、これによって組立工数を減少させかつ組立精度を向上させ、光学調整が不要になる。
【発明の効果】
【0052】
以上により、本発明によれば、集光レンズを内部に収容したレンズ筐体が外枠ホルダー内で回動自在に嵌合されているので、撮像チップの表面に異物があっても、レンズ筐体の高さ方向位置決め部を回動させて、異物の位置を避けることができると共に、構成部品の点数を減らしてより簡単な構成とし、これによって組立工数を減少させかつ組立精度を向上させ、光学調整を不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態1に係る撮像モジュールの要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図1の撮像モジュールの各部材を分解して模式的に示す縦断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、図1の撮像モジュールの製造方法を各製造工程毎に模式的に示す縦断面図である。
【図4】図1のレンズ筐体における高さ方向位置決め部が異物に乗り上げた場合の復帰動作を模式的に示す要部断面図である。
【図5】図1のレンズ筐体における高さ方向位置決め部が異物に乗り上げた場合にレンズ筐体と共に高さ方向位置決め部が回動することを説明するための平面図である。
【図6】(a)〜(c)は、図1のレンズ筐体における高さ方向位置決め部の配置状態を平面視した場合の配置図である。
【図7】本発明の実施形態2として、本発明の実施形態1の撮像モジュール10を含む固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【図8】特許文献1に記載されている従来の撮像モジュールの要部構成例を模式的に示す構造図であって、(a)は従来の撮像モジュールの縦断面図、(b)は従来の撮像モジュールの上面図である。
【図9】特許文献2に開示されている従来の撮像装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に、本発明の撮像モジュールの実施形態1および、この撮像モジュールの実施形態1を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の実施形態2について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0055】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る撮像モジュールの要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
【0056】
図1において、本実施形態1に係る撮像モジュール10は、防塵および遮光用ケースとしての外枠ホルダー1と、この外枠ホルダー1内に、光軸Cを中心として回動自在に嵌合されるレンズ筐体2と、このレンズ筐体2内の上下に収容される第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bと、これらの第1集光レンズ3aと第2集光レンズ3b間に設けられた遮光フィルム4と、基板5と、この基板5上に設けられた固体撮像チップとしてのセンサーチップ6と、このレンズ筐体2内の第1段差部2aに固定され、第2集光レンズ3bとセンサーチップ6間を横切って配置されたIRカットフィルタ7と、このレンズ筐体2の外周底面2dに設けられた高さ方向位置決め部2bがセンサーチップ6の表面で直に支持された状態で外枠ホルダー1の外周底面1cと基板5の表面との間を接着するための接着部8と、外枠ホルダー1の固定穴9aから充填されて外枠ホルダー1とレンズ筐体2との位置関係を固定可能とする固定部材9とを有している。
【0057】
撮像モジュール10は、レンズ筐体2および、このレンズ筐体2内に上から順に配置された第1集光レンズ3a、遮光フィルム4、第2集光レンズ3bおよびIRカットフィルタ7、さらに、基板5上のセンサーチップ6を、外枠ホルダー1と基板5とで覆って内部を密閉または半密閉する構造になっている。
【0058】
この外枠ホルダー1は、外観として段差1aが設けれられ、その段差1aから上部が円筒形でその段差1aから下部が4角筒形であり、下面側が開放されている。外枠ホルダー1は、外壁厚が薄く内部を遮光および密閉または半密閉可能とする樹脂製の筐体で構成され、筐体上面、即ち、段差1aの上部の円筒形の上面に、第1集光レンズ3aに対向した第1円形穴としての入射光通過用の円形穴1b(または円形透明領域)が形成されている。この円形穴1bの中心を第1集光レンズ3aと第2集光レンズ3bとの光軸Cが通過するように、外枠ホルダー1の開放した下面裏側から第1集光レンズ3a、遮光フィルム4および第2集光レンズ3bをこの順で順次、それらの円形の外形を外枠ホルダー1の円形凹部内に挿入して固定することにより位置決めすることができる。なお、外枠ホルダー1の裏面凹部にレンズ筐体2の外形凸部が嵌合するが、その裏面凹部と外形凸部が互いに回転自在な円形状であれば、段差1aから下部が平面視円形(円筒形)でもよいが、ここでは、段差1aから下部の外枠ホルダー1の外形は平面視矩形または正方形(4角筒形)としている。
【0059】
外枠ホルダー1は、第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bにより入射光をセンサーチップ6の撮像領域6a上に合焦(焦点を合わすこと)して結像するように、センサーチップ6上に外枠ホルダー1およびレンズ筐体2自体の自重で載置される高さ方向位置決め部2bが、レンズ筐体2の裏側の外周底面2dから、先端が細いテーパ状に突出している。このレンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bがセンサーチップ6の表面上に乗って当接することにより、これらの第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bと、センサーチップ6の撮像領域6aとの高さ方向(Z方向)の距離が精度よく規定されるようになっている。
【0060】
即ち、第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bが収容されて位置決めされるレンズ筐体2の裏側の凹部底面(レンズが入る天面)から、レンズ筐体2の外周底面2dから突出した高さ方向位置決め部2bの端面(先端面)までの高さ方向の距離を部品製造上の公差以内に正確に管理することができる。これによって、センサーチップ6の上面にレンズ筐体2を高さ方向位置決め部2bにより直接位置決めすることにより、レンズ筐体2に固定された第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bとセンサーチップ6の上面との距離を精度よく垂直方向(Z方向)に位置決めすることができて、部品精度およびその組み立て精度、実装精度を向上させることができ、高さ方向位置決め部2bをセンサーチップ6の上面に乗せるだけで、フォーカス調整フリーの撮像モジュール10を実現することができる。
【0061】
第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bは、センサーチップ6の撮像領域6aに被写体光を、焦点を合わせて結像させるための組レンズであり、透明なアクリル系プラスチック材料やガラス材料などで構成されている。
【0062】
遮光フィルム4は、反射防止処理として黒色とされて、第1集光レンズ3aの外周側下面(平面)と、第2集光レンズ3bの外周側上面(平面)との間に挟まれて位置しており、レンズ筐体2の上面中央部の円形穴2cよりも直径が小さい入射光通過用の第2円形穴としての円形穴4a(または円形透明領域)が上記外枠ホルダー1の円形穴1bおよび円形穴2cと同心円状(光軸Cと一致)に中央部に設けられている。この遮光フィルム4の円形穴4a(または円形透明領域)は、フレアの発生を防止するための絞りである。即ち、この円形穴4aは、第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bのレンズ特性を考慮してフレアが発生しない開口径に設定されている。例えば鉛直方向(高さ方向)からの入射光に対して50度〜60度の傾きを持つ斜め光を照射し、その斜め光による撮像信号のレベル(乱反射したノイズレベル)が所定基準値(表示画面が荒れる度合いなど)よりも小さいレベルになるように開口径を設定する。
【0063】
センサーチップ6は、その中央の撮像領域6aに、被写体からの入射光が第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bを透過した光を光電変換して撮像する複数の光電変換部(複数の受光部)がマトリクス状に形成された固体撮像素子を有している。この固体撮像素子を、CMOSイメージセンサおよびCCDイメージセンサのいずれにも適用することができる。CMOSイメージセンサでは、多層配線層によって互いに接続されて光電変換部の選択および光電変換部からの信号出力に係る信号読出回路が単位画素部毎に設けられている。CCDイメージセンサでは、複数の光電変換部が撮像領域の受光面に2次元状に設けられ、光電変換部で光電変換された信号電荷が電荷転送部CCDに読み出されて所定方向に順次電荷転送された後に、電荷検出部で受光部毎ではなく一括して順次電荷検出されて撮像信号として増幅されて信号出力される。
【0064】
赤外線(IR)カットフィルタ7は、センサーチップ6の上方を横切るように、レンズ筐体2の第1の段差部2a間に掛け渡されて固定され、第1集光レンズ3aさらに第2集光レンズ3bを通った入射光から赤外光をカットするものである。
【0065】
上記構成の撮像モジュール10の製造方法について詳細に説明する。
【0066】
図2は、図1の撮像モジュール10の各構成部材を分解して模式的に示す縦断面図であり、図3(a)〜図3(c)は、図1の撮像モジュールの製造方法を各製造工程毎に模式的に示す縦断面図である。
【0067】
図2および図3(a)のレンズユニット製造工程に示すように、まず、真ん中に円形穴1b(または円形透明領域)を持つ外枠ホルダー1の裏側を上にして、その裏側の円形凹部内に、レンズ筐体2の裏側を上にして表面側から挿入して嵌合する。このとき、レンズ筐体2は外枠ホルダー1の円形凹部内で回動自在である。
【0068】
さらに、このレンズ筐体2の裏側の円形凹部内に、第1集光レンズ3aを突き当り(底面)まで挿入して位置決めした後に、さらにその上に、真ん中に円形穴4aを持つ遮光フィルム4を第1集光レンズ3aの外周平面部まで挿入し、さらに、第2集光レンズ3bを遮光フィルム4の上から挿入し、この第2集光レンズ3bとレンズ筐体2の円形凹部の内周面間に接着剤を入れて固定する。
【0069】
さらに、レンズ筐体2の裏側の円形凹部の第1段差部2a上に掛け渡して赤外線(IR)カットフィルタ7を接着固定する。このようにして、外枠ホルダー1の内部の所定位置にレンズ筐体2を収容し、さらに、このレンズ筐体2内に、第1集光レンズ3a、遮光フィルム4、第2集光レンズ3bおよび赤外線(IR)カットフィルタ7が内部の所定位置に収容されたレンズユニット11を製造することができる。
【0070】
一方、図2および図3(a)のセンサユニット製造工程に示すように、基板5上の所定位置にセンサーチップ6を搭載し、センサーチップ6の対向辺(2辺)に沿って複数並べられた入出力パッド(図示せず)と、基板5の所定端子(図示せず)間をワイヤなどによりワイヤボンドしたり、基板5の所定端子(図示せず)上に、センサーチップ6の貫通電極を介した複数の端子を半田で接続したりしている。これによって、基板5上にセンサーチップ6が装着されたセンサユニット12を製造することができる。
【0071】
次に、図3(b)のセンサモジュール10の光軸調整およびセンサユニット・レンズユニット組合せ工程に示すように、センサーチップ6が搭載された基板5を、図示しない自動組み立て装置に対して位置決めし、自動組み立て装置の画像認識機能によって、センサーチップ6の平面画像が画像認識されて、まず、自動組み立て装置によって接着剤8が基板5上の所定位置(外枠ホルダー1の外壁下端部に対応した位置)に塗布され、さらに、その自動組み立て装置によって、センサユニット12上にレンズユニット11を精度よく正確に搭載する。
【0072】
この場合、撮像モジュール10の光軸調整は、外枠ホルダー1へのレンズ筐体2の組み込み時に行われる。レンズユニット11を製造した後、センサユニット11とレンズユニット12との組合せ時に、高さ方向(Z方向)の位置決めについて、自動組み立て装置のハンド手段が、レンズ筐体2の底面2dから突出した高さ方向位置決め部2bを、外枠ホルダー1およびレンズ筐体2の自重でセンサーチップ6の表面上に直接置くことにより、レンズ筐体2の内部に保持された第1集光レンズ3aおよび第2集光レンズ3bと、センサーチップ6の中央部の撮像領域との距離を精度よく高さ方向に位置決めすることができる。
【0073】
センサーチップ6はシリコンチップであって、その表面に凹みを付けるのは困難であるから、平面(XY)方向の位置決め精度は自動組み立て装置の画像認識機能により載置する精度としても高精度である。これに加えて、図4に示すように、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bの側壁がテーパ面2b1(テーパ面は多少膨れていてもよい)で構成されており、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bがセンサーチップ6の表面上の異物D上に乗り上げた場合に、外枠ホルダー1と共にレンズ筐体2が傾くが、異物Dの傾斜面に沿ってテーパ面2b1(異物Dは接着剤の粒子などであり、異物Dの高さおよび傾斜面を避ける程度の角度を持ったテーパ面)およびその先端面が滑って、異物Dがないセンサーチップ6の表面上に自動的に案内される。このとき、図5に示すように、外枠ホルダー1の円形凹部内においてレンズ筐体2自体が回動して、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bの先端面がセンサーチップ6の表面上を回転移動して異物Dのない表面上に直に乗っかる。
【0074】
なお、本実施形態1のように、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bが異物Dを自動的に避ける場合について説明したが、これに限らず、異物Dの有無を光学顕微鏡などで光学的に予め検出しておく場合には、外枠ホルダー1とレンズ筐体2との位置関係(外枠ホルダー1の矩形または正方形に対して円形のレンズ筐体2に印を付けておく)を決めておき、その位置関係から所定位置の異物Dを外すように、外枠ホルダー1の円形凹部内でレンズ筐体2を回動させて挿入したものを(レンズ筐体2の外枠ホルダー1への装着時に異物Dを外すように回動させておく)、センサーチップ6の表面上に乗せてもよい。
【0075】
ここでは、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bの先端面が異物D上を自動的に滑り落ちるようにしている。レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bの側壁にテーパ面を形成しているため、高さ方向位置決め部2bの先端面が異物D上を自動的により滑り落ち易いようにしている。
【0076】
要するに、本実施形態1では、外枠ホルダー1とその内部で回転自在なレンズ筐体2とに分けることにより、レンズ筐体2が外枠ホルダー1の裏面円形凹部内で光軸Cを中心に回動して高さ方向位置決め部2bが自動的に異物D上を外せることにある。レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bを乗せるセンサーチップ6の表面としては、チップ中央部の有効画素領域以外の位置決め可能領域(周辺回路領域など)であればよく、位置決め可能領域(周辺回路領域など)の表面高さは、精度の点からも、有効画素領域の高さと同一高さ領域とするのが好ましい。
【0077】
前述したように、図示しない自動組み立て装置によって、基板5上のセンサーチップ6のチップ形状を画像認識して、その上に外枠ホルダー1と共にレンズ内蔵のレンズ筐体2を上から設置する。この場合、対向する2辺にワイヤがワイヤボンドされていれば、これ以外の対向する2辺のチップ端縁上に高さ方向位置決め部2bを載せる。このとき、外枠ホルダー1の外周側壁下端部は基板5の表面とわずかに浮く(例えば0.2μm程度)ように設定されており、この浮いた間に接着剤が入ってこれが接着部8となって、外枠ホルダー1の内部を密閉状態または半密閉状態(その浮いた間に接着剤が完全に入いらない場合を含む)にする。これによって、平面(XY)方向に精度よく組み立てられた撮像モジュール10を製造することができる。
【0078】
続いて、図3(c)の撮像モジュール10の最終の位置固定工程に示すように、外枠ホルダー1の固定穴9aから固定部材9(接着材)を入れることにより、外枠ホルダー1とレンズ筐体2との位置関係を固定することができる。このとき、外枠ホルダー1の固定穴9aからの導光は、固定部材9により封止・遮光されるために、内部への光漏れも発生しない。
【0079】
以上により、本実施形態1によれば、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bが、異物Dがないセンサーチップ6の表面を自動的または予め選択することができるため、センサーチップ6の特定の位置決め箇所に異物Dが存在した場合であっても、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bが異物Dの傾斜面を滑り落ちて他の表面位置に接触させることができて、レンズと撮像面との当初の距離精度を保障することができる。
【0080】
また、従来のように基板5に対しレンズ筐体2を位置決めしていた構造から、センサーチップ6の上面にレンズ筐体2の一部(高さ方向位置決め部2b)を直接、載置することにより、撮像モジュール10の部品点数が従来技術に比べて大幅に削減されて簡単な構成とすることができ、レンズ筐体2の円形凹部内に固定された集光レンズ3a、3bとセンサーチップ6の上面との距離を精度よく垂直方向(Z方向)に位置決めすることができて、部品精度およびその組み立て精度、実装精度を向上させることができ、フォーカス調整フリーのカメラモジュールを実現することができる。
【0081】
このように、センサーチップ6の上面の任意の箇所で、内部で回転自在なレンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bを用いて直接位置決めすることにより、光軸調整と合焦点調整の精度はそれぞれ独立に向上し、フォーカス調整フリーのカメラモジュールを実現することができる。また、センサーチップ6の上面に直接「レンズ筐体2」の基準面(高さ方向位置決め部2b)を当てて高さ方向の位置決めとすることにより、レンズ筐体2に対して、レンズの組み立て精度ばらつきや、レンズ筐体2の成型精度のバラつきの要因が考えられるが、従来構造に比べ非常に少なく、フォーカス調整フリー構造が実現可能になる。
【0082】
また、組み立て時に、高精度にセットされたセンサーチップ6および基板5に対して外枠ホルダー1およびレンズ筐体2のレンズ一体構造を自動組立装置により位置合わせして装着するため、平面方向(XY方向)のズレの発生を最小限に抑えて高精度に位置決めすることができる。
【0083】
さらに、本発明の新規構造では、レンズ一体構造の外枠ホルダー1で、基板5上に固定されたセンサーチップ6を上から覆うように内部を封止するため、外部から内部への光漏れは発生せず、密閉または半密閉構造であるため、ごみの内部への侵入もなく、内部のセンサーチップ6の撮像領域上へのごみの付着もなくなる。
【0084】
なお、本実施形態1では、円筒状のレンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bは、レンズ筐体2の外周底面2dから突出させて、図6(c)に示すように、対向する2箇所に設けたが、これに限らず、図6(a)に示すように、各高さ方向位置決め部2bの連結形状がセンサーチップ6の各辺に平行となるように、高さ方向位置決め部2bを4箇所配設してもよいし、図6(b)に示すように、各高さ方向位置決め部2bの連結形状がセンサーチップ6の少なくとも一辺に平行となるように、高さ方向位置決め部2bを3箇所配設してもよいし、さらには、各高さ方向位置決め部2bの連結形状がセンサーチップ6の一辺に平行となるように、高さ方向位置決め部2bを2箇所配設してもよい。
【0085】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2として、本発明の実施形態1の撮像モジュール10を含む固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【0086】
図7において、本実施形態2の電子情報機器20は、上記実施形態1の撮像モジュール10からの撮像信号を各種信号処理してカラー画像信号を得、このカラー画像信号を記録用に所定の信号処理した後にデータ記録可能とする記録メディアなどのメモリ部21と、このカラー画像信号を表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示可能とする液晶表示装置などの表示手段22と、このカラー画像信号を通信用に所定の信号処理をした後に通信処理可能とする送受信装置などの通信手段23と、このカラー画像信号を印刷用に所定の印刷信号処理をした後に印刷処理可能とするプリンタなどの画像出力手段24とを有している。なお、この電子情報機器20として、これに限らず、メモリ部21と、表示手段22と、通信手段23と、プリンタなどの画像出力手段24とのうちの少なくともいずれかを有していてもよい。
【0087】
この電子情報機器20としては、前述したように例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラ、ドアホンカメラ、車載用後方監視カメラなどの車載用カメラおよびテレビジョン電話用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、テレビジョン電話装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの画像入力デバイスを有した電子機器が考えられる。
【0088】
したがって、本実施形態2によれば、このカラー画像信号に基づいて、これを表示画面上に良好に表示したり、これを紙面にて画像出力手段24により良好にプリントアウト(印刷)したり、これを通信データとして有線または無線にて良好に通信したり、これをメモリ部92に所定のデータ圧縮処理を行って良好に記憶したり、各種データ処理を良好に行うことができる。
【0089】
なお、本実施形態1では、特に説明しなかったが、基板5上に装着されたセンサーチップ6上に被写体光を結像させるための集光レンズ3a,3bを内部に収容したレンズ筐体2が外枠ホルダー1内で回動自在に嵌合され、外枠ホルダー1はセンサーチップ6を覆うように基板5上に装着された撮像モジュールであって、レンズ筐体2の裏側に複数の高さ方向位置決め部2bが配置され、複数の高さ方向位置決め部2bがセンサーチップ6の表面により直に支持されて、集光レンズ3a,3bとセンサーチップ6の表面との距離が規定されている。また、基板5上にセンサーチップ6が装着され、被写体光をセンサーチップ6上に結像させるための集光レンズ3a,3bを裏側凹部内部に収容したレンズ筐体2が、外枠ホルダー1の裏側凹部内部に回動自在に嵌合され、センサーチップ6を外枠ホルダ−1の裏側凹部で覆って当該裏側凹部内を密閉または半密閉するように基板5上に外枠ホルダ−1が装着された撮像モジュールであって、レンズ筐体2の裏側の外周底面2dに、該撮像チップの表面に直に当接する複数の高さ方向位置決め部2bが設けられている。
【0090】
これによって、集光レンズ3a,3bを内部に収容したレンズ筐体2が外枠ホルダー1内で回動自在に嵌合されているので、センサーチップ6(撮像チップ)の表面に異物Dがあっても、レンズ筐体2の高さ方向位置決め部2bを回動させて、異物Dの位置を避けることができると共に、構成部品の点数を減らしてより簡単な構成とし、これによって組立工数を減少させかつ組立精度を向上させ、光学調整を不要にできる本発明の目的を達成することができる。
【0091】
さらに、本実施形態1では、特に説明しなかったが、ピンホール(レンズなし)を含めて、本発明の撮像モジュールは、基板5上に装着されたセンサーチップ6上に被写体光を結像させるための集光レンズ3a,3b(一枚の集光レンズや他群集光レンズをも含む)を内部に収容するかまたは該集光レンズの代わりにピンホール(集光レンズの収容されない状態)を持つレンズ筐体2が外枠ホルダー1内で回動自在に嵌合され、外枠ホルダー1はセンサーチップ6を覆うように基板5上に装着された撮像モジュールであって、レンズ筐体2の裏側に複数の高さ方向位置決め部2bが配置され、複数の高さ方向位置決め部2bがセンサーチップ6の表面により直に支持されて、集光レンズ3a,3bまたは該ピンホールとセンサーチップ6の表面との距離が規定されていてもよい。また、基板5上にセンサーチップ6が装着され、被写体光をセンサーチップ6上に結像させるための集光レンズ3a,3b(一枚の集光レンズや他群集光レンズをも含む)を裏側凹部内部に収容するかまたは該集光レンズの代わりにピンホール(集光レンズの収容されない状態)を持つレンズ筐体2が、外枠ホルダー1の裏側凹部内部に回動自在に嵌合され、センサーチップ6を外枠ホルダ−1の裏側凹部で覆って当該裏側凹部内を密閉または半密閉するように基板5上に外枠ホルダ−1が装着された撮像モジュールであって、レンズ筐体2の裏側の外周底面2dに、該撮像チップの表面に直に当接する複数の高さ方向位置決め部2bが設けられていてもよい。
【0092】
さらに、本実施形態1では、本発明の撮像モジュールにおける複数の高さ方向位置決め部2bは、2箇所以上であり、4箇所以下の場合について説明したが、これに限らず、この複数の高さ方向位置決め部2bは、2〜6箇所のうちのいずれかであってもよいし、2〜8箇所のうちのいずれかであってもよい。さらに、高さ方向位置決め部2bは2箇所以上で、この高さ方向位置決め部2bが突出する平面(高さ方向位置決め部2bと外周底面2dを含む面)とセンサーチップ6の表面との対向面のうち、高さ方向位置決め部2bが突出先端面とセンサーチップ6の表面とが接触しない対向面(外周底面2d)が面積的に半分以下であってもよい。
【0093】
なお、本実施形態1では、特に説明しなかったが、高さ方向位置決め部2bは、レンズ筐体2の外周底面2dから点状、線状または面状に突出した突出部で構成されている。
【0094】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1,2を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1,2に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1,2の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部を有する撮像素子と、入射光を撮像素子上に結像するためのレンズとがモジュール化(一体化)された撮像モジュールおよびその製造方法、この撮像モジュールを、車載用カメラなどの画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、車載用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、テレビジョン電話装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの電子情報機器の分野において、イメージセンサチップの表面に異物があっても、それを避けることができると共に、構成部品の点数を減らしてより簡単な構成とし、これによって組立工数を減少させかつ組立精度を向上させて、光学調整を不要にすることができる。
【符号の説明】
【0096】
1 外枠ホルダー
1a 段差
1b、2c、4a 円形穴(透明円形領域)
1c、2d 外周底面
2 レンズ筐体
2a 第1段差部
2b 高さ方向位置決め部(突出部)
3a 第1集光レンズ
3b 第2集光レンズ
4 遮光フィルム
5 基板
6 センサーチップ(撮像チップ)
6a 撮像領域
7 IRカットフィルタ
8 接着部
9 固定部材
9a 固定穴(または固定用穴または貫通穴)
10 撮像モジュール
C 光軸
11 レンズユニット
12 センサユニット
20 電子情報機器
21 メモリ部
22 表示手段
23 通信手段
24 画像出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に装着された撮像チップ上に被写体光を結像させるための集光レンズを内部に収容するかまたは該集光レンズの代わりにピンホールを持つレンズ筐体が外枠ホルダー内で回動自在に嵌合され、該外枠ホルダーは該撮像チップを覆うように該基板上に装着された撮像モジュールであって、該レンズ筐体の裏側に複数の高さ方向位置決め部が配置され、該複数の高さ方向位置決め部が該撮像チップの表面により直に支持されて、該集光レンズまたは該ピンホールと該撮像チップの表面との距離が規定された撮像モジュール。
【請求項2】
基板上に撮像チップが装着され、被写体光を該撮像チップ上に結像させるための集光レンズを裏側凹部内部に収容するかまたは該集光レンズの代わりにピンホールを持つレンズ筐体が、外枠ホルダーの裏側凹部内部に回動自在に嵌合され、該撮像チップを該外枠ホルダ−の裏側凹部で覆って当該裏側凹部内を密閉または半密閉するように該基板上に該外枠ホルダ−が装着された撮像モジュールであって、該レンズ筐体の裏側の外周底面に、該撮像チップの表面に直に当接する複数の高さ方向位置決め部が設けられた撮像モジュール。
【請求項3】
前記複数の高さ方向位置決め部は、2箇所以上6箇所以下であるかまたは、2箇所以上で、該高さ方向位置決め部が突出する平面と該撮像チップの表面との対向面のうち、該高さ方向位置決め部が突出先端面と該撮像チップの表面とが接触しない対向面が面積的に半分以下である請求項1または2に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
前記複数の高さ方向位置決め部の連結形状の辺が前記撮像チップの各辺のうちの少なくともいずれかに平行となるように、該複数の高さ方向位置決め部が配設されている請求項3に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
前記高さ方向位置決め部は、前記レンズ筐体の外周底面から点状、線状または面状に突出した突出部で構成されている請求項1または2に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
前記突出部は、前記撮像チップの表面に当接する先端面は円形状である請求項5に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
前記突出部は、その先端面が前記撮像チップの撮像領域以外の位置決め領域の表面に当接する請求項5に記載の撮像モジュール。
【請求項8】
前記突出部の側壁はテーパ面で構成されている請求項5に記載の撮像モジュール。
【請求項9】
前記突出部のテーパ面は、異物の高さおよび傾斜面を避け得る角度を有している請求項8に記載の撮像モジュール。
【請求項10】
前記外枠ホルダーには貫通穴が形成されており、該貫通穴から接着材を入れて該外枠ホルダーと前記レンズ筐体との位置関係を固定可能にしている請求項1または2に記載の撮像モジュール。
【請求項11】
前記接着材が遮光性を有しているかまたは/および、前記貫通穴が、該貫通穴からの進入光を前記撮像チップの撮像素子が感じない位置に設けられている請求項1または2に記載の撮像モジュール。
【請求項12】
光軸の位置決めを行うための前記外枠ホルダ部と、合焦点位置決めを行うための前記レンズ筐体により鏡筒部材を構成している請求項1または2に記載の撮像モジュール。
【請求項13】
前記基板への接着・固定は、前記複数の高さ方向位置決め部が前記撮像チップの表面で支持されているのとは独立して、前記外枠ホルダーを介して行われる請求項1または2に記載の撮像モジュール。
【請求項14】
前記撮像チップの表面への前記レンズ筐体の高さ方向位置決め部による設置面または設置線、設置点は前記外枠ホルダーの接着位置とは独立に選択できる請求項1または2に記載の撮像モジュール。
【請求項15】
基板上に撮像チップを装着するセンサユニット形成工程と、
被写体光を該撮像チップ上に結像させるための集光レンズをレンズ筐体の内部に収容し、該集光レンズを内部に収容するかまたは該集光レンズの代わりにピンホールを持つレンズ筐体を外枠ホルダー内で回動自在に嵌合して内部に収容するレンズユニット形成工程とをこの順またはこれとは逆順に行い、
該集光レンズを内部に収容したレンズ筐体の裏側に設けられた複数の高さ方向位置決め部を該撮像チップの表面に当接させかつ該外枠ホルダーにより該撮像チップ上を覆い、この状態で、該内部を密閉または半密閉するように該外枠ホルダ−を該基板上に接着材により接着するセンサユニット・レンズユニット組合せ工程を行う撮像モジュールの製造方法。
【請求項16】
前記センサユニット・レンズユニット組合せ工程は、前記撮像チップが装着された基板に対して、前記レンズ筐体と共に前記外枠ホルダーを、該撮像チップの平面画像を認識する自動組立装置により位置合わせして載置する請求項15に記載の撮像モジュールの製造方法。
【請求項17】
前記高さ方向位置決め部が接する撮像チップの表面位置にある異物を光学顕微鏡で光学的に予め検出しておく場合には、該異物の位置を外すように、前記外枠ホルダに対して前記レンズ筐体の高さ方向位置決め部の位置を所定量だけ回動した状態で装着する請求項15または16に記載の撮像モジュールの製造方法。
【請求項18】
請求項1〜14のいずれかに記載の撮像モジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子情報機器。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−157971(P2010−157971A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−310(P2009−310)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】