説明

撮像装置、その制御方法、プログラム

【課題】 撮影後に自動的に撮影画像データを外部装置に転送する自動転送モードにおいて、サイズの大きな画像データの転送による負荷の増加を防ぐ。
【解決手段】 撮像された画像データを自動的に前記外部装置に送信するモードにおいて静止画データが得られた場合、静止画データを外部装置に自動的に送信し、動画データが得られた場合、動画データを前記外部装置に自動的には送信しないことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影した画像データを、外部装置に送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置は、CCD、CMOSなどの撮像素子による光学像を電気信号に変換し、記録媒体に記録することができる。デジタルカメラはフィルムを使用していた銀塩カメラと違い撮影枚数を気にせずに撮影が行える利点がある。また、デジタルカメラの中には、内蔵型または外部接続アクセサリーを利用してサーバーやネットワークハードディスク等の外部装置に有線LANや無線LANなどの通信によって撮影した画像データを転送できるものが増えてきた(特許文献1を参照)。
【0003】
現在のデジタルカメラには様々な転送モードが用意されている。一例として、1つはデジタルカメラで撮影した画像はすべて転送対象と見なし、撮影後に自動的に外部装置に転送する転送モード(以下、「自動転送モード」)である。また、すでに記録媒体に記録している画像データを、デジタルカメラ本体のTFTなどの表示部材と操作部材を利用し、或いは、日付などの一定条件に照らし合わせるかして選択し、転送するモード(以下、「選択転送モード」)もある。
【0004】
自動転送モードは撮影者が撮影した画像を遠隔にあるサーバーに転送し、サーバー側の閲覧者がリアルタイムに画像を確認できるところに最大のメリットがある。例えば、新聞や報道などのマスメディアにおいて、遠く離れた場所で撮影した画像を瞬時にオフィスにあるサーバーに転送することで、いち早く画像を確認し、報道、出版等の次のアクションにいち早く移ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−330853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、現在のデジタルカメラは動画撮影に対応した製品が製品化されている。静止画データに比べ、動画データは一般的にファイルサイズが大きくなる。したがって、動画データのような大きなサイズのデータを送信する場合に自動転送モードを適用した場合を考える。この場合、動画データの転送のための負荷が大きくなり、デジタルカメラの撮影性能(内部バスの効率や連写性能等)に影響を与えるだけでなく、動画データを送信し終えるまで、次に撮影した静止画データを送信できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る撮像装置は、被写体を撮像し、第1の画像データと、第2の画像データとを得ることが可能な撮像手段と、外部装置と通信する通信手段とを有し、前記撮像手段による撮像が行われた後に撮像された画像データを自動的に前記外部装置に送信する第1のモードと、ユーザの送信指示に応じて前記撮像手段により撮像された画像データを送信する第2のモードのいずれかを設定する設定手段とを有し、前記第1のモードにおいて前記第1の画像データが得られた場合、前記通信手段は前記第1の画像データを前記外部装置に自動的に送信し、前記第1のモードにおいて前記第2の画像データが得られた場合、前記通信手段は前記第2の画像データを前記外部装置に自動的に送信しないことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る制御方法は、被写体を撮像し、第1の画像データと、第2の画像データとを得ることが可能な撮像工程と、前記撮像が行われた後に撮像された画像データを自動的に外部装置に送信する第1のモードと、ユーザの送信指示に応じて前記撮像された画像データを送信する第2のモードのいずれかを設定する設定工程と、前記第1のモードにおいて前記第1の画像データが得られた場合、前記第1の画像データを前記外部装置に自動的に送信する送信工程とを有し、前記第1のモードにおいて前記第2の画像データが得られた場合、前記送信工程において前記第2の画像データを前記外部装置に自動的に送信しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サイズの大きなデータの送信が自動的に開始されることにより、撮像装置に大きな負荷がかかることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態における構成ブロック図の一例である。
【図2】第1の実施形態におけるシステム構成の一例である。
【図3】第1の実施形態における撮影ルーチンのフローチャートである。
【図4】第2の実施形態における撮影ルーチンのフローチャートである。
【図5】第1の実施形態における表示画面の一例である。
【図6】第1の実施形態における表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施例の構成を示す図である。図1において、100は撮像装置である。
【0013】
10は撮影レンズ、12は絞り機能を備えるシャッター、14は被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子、16は撮像素子14のアナログ信号出力をディジタル信号に変換するA/D変換器である。
【0014】
18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
【0015】
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
【0016】
また、画像処理回路20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。ここで得られた演算結果に基づいてシステム制御回路50が露光制御手段40、測距制御手段42に対して制御を行う。具体的には、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を行っている。
【0017】
さらに、画像処理回路20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0018】
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。
【0019】
A/D変換器16のデータが画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16のデータが直接メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0020】
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT LCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。
【0021】
画像表示部28を用いて撮像した画像データを逐次表示すれば、電子ファインダー機能を実現することが可能である。
【0022】
また、画像表示部28は、システム制御回路50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合には撮像装置100の電力消費を大幅に低減することが出来る。
【0023】
30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶量を備えている。
【0024】
これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連射撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。
【0025】
また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
【0026】
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
【0027】
40は絞り機能を備えるシャッター12を制御する露光制御手段であり、フラッシュ48と連携することによりフラッシュ調光機能も有するものである。
【0028】
42は撮影レンズ10のフォーカシングを制御する測距制御手段、44は撮影レンズ10のズーミングを制御するズーム制御手段、46はバリアである保護手段102の動作を制御するバリア制御手段である。
【0029】
48はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。
【0030】
露光制御手段40、測距制御手段42はTTL方式を用いて制御されており、撮像した画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果に基づき、システム制御回路50が露光制御手段40、測距制御手段42に対して制御を行う。
【0031】
50は撮像装置100全体を制御するシステム制御回路、52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
【0032】
54はシステム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を表示する液晶表示装置、スピーカー等の表示部である。これらは撮像装置100の操作部近辺の視認し易い位置に単数或いは複数個所設置され、例えばLCDやLED、発音素子等の組み合わせにより構成されている。
【0033】
また、表示部54は、その一部の機能が光学ファインダー104内に設置されている。
【0034】
表示部54の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などが含まれる。また、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及び210の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付け・時刻表示、等も含まれる。
【0035】
また、表示部54の表示内容のうち、光学ファインダー104内に表示するものとしては、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、等がある。
【0036】
56は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
【0037】
60、62、64、66、68及び70は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
【0038】
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
【0039】
60はモードダイアルスイッチで、電源オフ、自動撮影モード、撮影モード、パノラマ撮影モード、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを切り替え設定することが出来る。
【0040】
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。
【0041】
64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了でONとなり、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データを書き込む露光処理を行う。そして画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200或いは210に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0042】
66は画像表示ON/OFFスイッチで、画像表示部28のON/OFFを設定することが出来る。
【0043】
この機能により、光学ファインダー104を用いて撮影を行う際に、TFT LCD等から成る画像表示部への電流供給を遮断することにより、省電力を図ることが可能となる。
【0044】
68はクイックレビューON/OFFスイッチで、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定する。なお、本実施例では特に、画像表示部28をOFFとした場合におけるクイックレビュー機能の設定をする機能を備えるものとする。
【0045】
61は動作撮影釦で、動画撮影の開始指示、停止指示等が可能な釦である。また、撮像装置100では動画撮影釦61を個別の釦として構成しているが、他の釦と兼用でもよく、GUI等のソフトウェアで実現してもよい。
【0046】
70は各種ボタンやタッチパネル等からなる操作部で、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタンなどが含まれる。また、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン等も含まれる。
【0047】
80は電源制御手段で、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
【0048】
82はコネクタ、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源手段である。
【0049】
90及び94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェースである。92及び96はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタである。98はコネクタ92及び或いは96に記録媒体200或いは210が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知手段である。
【0050】
なお、本実施例では記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明している。もちろん、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインターフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。
【0051】
インターフェース及びコネクタとしては、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを用いて構成して構わない。
【0052】
さらに、インタフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96に各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータとの間で画像データに関する情報を転送し合うことも出来る。通信カードの例としては、LANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHS等の通信カード等がある。
【0053】
102は、撮像装置100のレンズ10を含む撮像部を覆う事により、撮像部の汚れや破損を防止するバリアである保護手段である。
【0054】
104は光学ファインダであり、画像表示部28による電子ファインダー機能を使用すること無しに、光学ファインダのみを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダー104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などが設置されている。
【0055】
110は通信手段で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。図1では、通信手段110を撮像装置100に内蔵した形で構成しているが、通信手段110は外付けアクセサリで構成されてもよく、記録媒体200或いは210が接続されるI/F204、214に接続できる形状で構成されてもよい。
【0056】
112は通信手段110により撮像装置100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
【0057】
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。
【0058】
記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202、撮像装置100とのインタフェース204、撮像装置100と接続を行うコネクタ206を備えている。
【0059】
210はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。
【0060】
記録媒体210は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部212、撮像装置100とのインタフェース214、撮像装置100と接続を行うコネクタ216を備えている。
【0061】
なお、撮像装置100の制御は1つのハードウェアがおこなってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担し、協働して撮像装置100全体を制御する機能を実現してもよい。
【0062】
図2は本発明の一実施構成例を示している。図2は、撮像装置100がネットワーク251に接続され、ネットワーク251にはサーバー252やネットワークストレージ253等が接続されている例である。ネットワーク201は有線、無線、どちらで構成しても良い。撮像装置100で撮影した画像データがネットワーク251を介し、サーバー252やネットワークストレージ253に転送される。また、サーバー側から撮像装置100内の画像を閲覧したり、操作指示を出すことも可能である。
【0063】
次に図3を参照して、第1の実施形態の動作を説明する。
【0064】
図3は撮像装置100の撮影フローの一例を示している。なお、本フローにおける動作は、システム制御回路50が各部から入力された信号やプログラムに従い、撮像装置100の各部を制御することで実現される。なお、本フローの開始前に、撮像装置100は図2に示すような外部装置との通信を確立しているものとする。
【0065】
ステップS301において、静止画撮影が指示されたか、動画撮影が指示されたか判断する。静止画撮影の場合はステップS302に進む。一方、動画撮影の場合はステップS307に進む。静止画撮影の指示はシャッタースイッチ62、64(SW1、SW2)を押すことで入力される。動画撮影の指示は、動画撮影釦61を押すことで入力される。動画撮影の開始指示は、GUI等から指示できてもよい。
【0066】
ステップS302では、静止画撮影の準備を行う。
【0067】
ステップS303では、静止画撮影を行い、得られた静止画データから静止画ファイルを生成する。
【0068】
ステップS304では、S303で生成した静止画ファイルを記録媒体200或いは210等に記録する。
【0069】
ステップS305では、撮像装置100の設定で自動転送モードが有効であるか否かの判定を行っている。自動転送モードの設定画面例を図5に示す。図5の画面501は表示部54に表示され、選択メニュー502はモードダイヤル60、操作部70等をユーザが操作し、指定できるものとする。選択メニュー502で自動転送「する」が選択された場合は、撮像装置100はモードを「自動転送モード」に設定する。選択メニュー502で自動転送「しない」が選択された場合は、撮像装置100はモードを「選択転送モード」に設定する。このように、送信における第1のモードと第2のモードのいずれかが設定される。
【0070】
「選択転送モード」は、例えばユーザのメニュー操作に応じて図6に示すような選択転送メニューを表示し、転送したい静止画および動画を任意に選択させ、ユーザの送信指示に応じて選択された画像を転送するモードである。選択転送モードでは、静止画ファイルも動画ファイルも転送の対象とすることができる。画面601は表示部54に表示される。転送の対象となる画像はモードダイヤル60、操作部70等で選択することができる(602、603)。また、図6では任意の画像を選択するメニューを示したが、選択転送の方法としては記録媒体内の全画像を転送したり、未転送の画像のみをまとめて転送することもできる。
【0071】
S305で自動転送モードの設定が有効である場合は、ステップS306に進み、無効である場合は転送は行わず、一連の撮影フローを終了する。
【0072】
ステップS306では、通信手段110を介して転送処理を行う。具体的には、図2で示したサーバー252やネットワークストレージ253等に画像を転送する。このとき、ユーザはステップS301における撮影指示のための操作をするだけであって、他に操作をしなくとも、撮影された画像は自動的に転送される。
【0073】
一方、ステップS307では、動画撮影の準備を行う。
【0074】
ステップS308では、動画撮影を行う。
【0075】
ステップS309では、撮影した動画データを記録媒体200或いは210等に記録する。図3では、S308とS309はシーケンシャルに処理されるよう図示されているが、実際はS308とS309は並列に処理される。動画撮影時は動画記録の停止指示がない場合(ステップS310にて「NO」の場合)は、S308とS309を並列に処理し、動画データを記録する。一方、ステップS310で動画記録の停止指示がある場合は一連の撮影フローを終了する。
【0076】
このように、動画を撮影した場合、静止画撮影におけるステップS305のように自動転送モードの有効/無効を判断することなく、動画転送を行わないことを特徴としている。
【0077】
本実施例のように動画ファイルを自動転送しないことで、動画ファイル転送による撮影動作性能低下を防ぐことができ、その後に撮影した静止画に関しても撮影時にサーバーに転送することで、サーバー側の閲覧者がリアルタイムに画像を確認することが可能となる。
【0078】
<第2の実施形態>
図4を参照して、第2の実施形態の動作を説明する。本実施形態における撮像装置100は、動画撮影中に静止画の撮影を指示することが可能である。なお、本実施形態は第1の実施形態と共通する部分が多い。したがって、以下の説明では共通の部分は説明を省略し本実施形態に特有の部分を中心に説明する。
【0079】
図4は撮像装置100の撮影フローの一例を示している。なお、本フローにおける動作は、システム制御回路50が各部から入力された信号やプログラムに従い、撮像装置100の各部を制御することで実現される。
【0080】
ステップS401〜ステップS409における処理は第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0081】
ステップS410では、動画撮影中に静止画撮影の撮影指示があるかどうかを判定している。動画撮影中に、シャッタースイッチ62、64(SW1、SW2)が押された場合(S410において、「YES」の場合)、動画撮影を一旦停止し(ステップS411)、静止画撮影に移る(ステップS412)。
【0082】
ステップS413では、ステップS412で撮影した静止画データを記録媒体200或いは210等に記録する。
【0083】
ステップS414では、一時停止していた動画撮影を再開している。S414では動画撮影を再開としているが、動画撮影とともに動画記録も再開する。
【0084】
ステップS415では、撮像装置100の設定で自動転送モードが有効であるか否かの判定を行っている。自動転送モードの設定方法等に関しては前述した通りである。S415で自動転送モードの設定が有効である場合は、ステップS416に進み、無効である場合は転送は行わず、一連の撮影フローを終了する。
【0085】
ステップS416では、通信手段110を介してステップS412で撮影した静止画を転送する処理を行う。具体的には、図2で示したサーバー252やネットワークストレージ253等に画像を転送する。
【0086】
ステップS415では、動画記録の停止指示があるか否かを判定している。動画記録の停止指示は例えば動画撮影中に動画撮影釦61を再度押すことで実施できるものとする。動画記録の停止指示はGUI等の他の方法で実現してもよい。動画記録の停止指示がない場合(S415で「NO」)、S408に移行し、動画撮影を続行する。一方、動画記録の停止指示がある場合(S415で「YES」)、一連の撮影フローを終了する。
【0087】
本実施例では、第1の実施形態と同様、撮像装置100の設定で自動転送モードが有効である場合に、第1に動画ファイルは自動転送しない。しかしながら、第2に動画中に静止画の撮影指示が合った場合、そこで撮影した静止画は自動転送することを特徴としている。
【0088】
本実施例のように、動画ファイルを自動転送しないことで、動画ファイル転送による撮影動作性能低下を防ぐことができ、その後に撮影した静止画に関しても撮影時にサーバーに転送することで、サーバー側の閲覧者がリアルタイムに画像を確認することが可能となる。
【0089】
さらには、動画撮影中に撮影した静止画を自動転送することで、撮影した画像を外部装置側できるだけ早くに確認したいという要望を応えることができる。
【0090】
<他の実施形態>
上記の実施形態では、動画と静止画の撮影について説明したが、必ずしも動画と静止画に限定する必要はなく、第1の画像データと第2の画像データのサイズが異なる場合には本発明が適用可能である。例えばJPEG画像のような非可逆圧縮処理したデータと、いわゆるRAW画像のような圧縮処理をしていない、または可逆圧縮処理したデータとを撮影可能な撮像装置に適用することも可能である。この場合、JPEG画像はRAW画像に比べてサイズが小さいことが一般的であるため、JPEG画像を撮影する設定の場合は自動転送を実行し、RAW画像を撮影する設定の場合は自動転送を実行しないようにしてもよい。
【0091】
なお、前述した本発明の実施形態における情報処理装置を構成する各手段、並びに情報処理方法の各工程は、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は本発明に含まれる。
【0092】
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0093】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムまたは装置に直接、または遠隔から供給する場合も含む。そして、そのシステムまたは装置のコンピュータが前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0094】
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、前記コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0095】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0096】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどがある。さらに、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などもある。
【0097】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する方法がある。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
【0098】
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0099】
また、その他の方法として、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0100】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0101】
さらに、その他の方法として、まず記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。そして、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像し、第1の画像データと、第2の画像データとを得ることが可能な撮像手段と、
外部装置と通信する通信手段とを有し、
前記撮像手段による撮像が行われた後に撮像された画像データを自動的に前記外部装置に送信する第1のモードと、ユーザの送信指示に応じて前記撮像手段により撮像された画像データを送信する第2のモードのいずれかを設定する設定手段とを有し、
前記第1のモードにおいて前記第1の画像データが得られた場合、前記通信手段は前記第1の画像データを前記外部装置に自動的に送信し、
前記第1のモードにおいて前記第2の画像データが得られた場合、前記通信手段は前記第2の画像データを前記外部装置に自動的に送信しないことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第2のモードが設定されている場合は、前記通信手段は前記第2の画像データを前記外部装置に送信することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の画像データは静止画データであり、前記第2の画像データは動画データであることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、動画の撮影中に静止画の撮影を指示することが可能であり、
前記第1のモードにおいて、前記動画の撮影中に静止画の撮影が指示された場合、前記通信手段は、前記指示に応じて撮影された静止画を前記外部装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
被写体を撮像し、第1の画像データと、第2の画像データとを得ることが可能な撮像工程と、
前記撮像が行われた後に撮像された画像データを自動的に外部装置に送信する第1のモードと、ユーザの送信指示に応じて前記撮像された画像データを送信する第2のモードのいずれかを設定する設定工程と、
前記第1のモードにおいて前記第1の画像データが得られた場合、前記第1の画像データを前記外部装置に自動的に送信する送信工程とを有し、
前記第1のモードにおいて前記第2の画像データが得られた場合、前記送信工程において前記第2の画像データを前記外部装置に自動的に送信しないことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
被写体を撮像し、第1の画像データと、第2の画像データとを得ることが可能な撮像工程と、
前記撮像が行われた後に撮像された画像データを自動的に外部装置に送信する第1のモードと、ユーザの送信指示に応じて前記撮像された画像データを送信する第2のモードのいずれかを設定する設定工程と、
前記第1のモードにおいて前記第1の画像データが得られた場合、前記第1の画像データを前記外部装置に自動的に送信する送信工程とを有し、
前記第1のモードにおいて前記第2の画像データが得られた場合、前記送信工程において前記第2の画像データを前記外部装置に自動的に送信しないことを特徴とする撮像装置の制御方法を実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−21728(P2013−21728A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232174(P2012−232174)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2008−236310(P2008−236310)の分割
【原出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】