説明

撮像装置および撮像方法

【課題】撮像部の駆動タイミングを変更することなく、光学系と撮像部の位置のずれを容易に補正することができるようにする。
【解決手段】イメージセンサは、被写体からの光を、光学系を介して取得することにより撮像を行う。抽出部は、イメージセンサによる撮像の結果得られる画像データのうちの、光学系とイメージセンサの位置のずれに基づいて決定される所定の範囲の画像データを撮像画像の画像データとして出力する。本技術は、例えば、撮像装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、撮像装置および撮像方法に関し、特に、撮像部の駆動タイミングを変更することなく、光学系と撮像部の位置のずれを容易に補正することができるようにした撮像装置および撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学系を介して出力される画像を撮像する撮像装置では、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子の中心が光学系の中心と一致するように、撮像素子と光学系が配置される必要がある。従って、例えば、製造者は、撮像素子の設置時に、撮像素子のx,y,z方向の位置、および、x,y,z方向の軸の回転方向であるθx、θy、θz方向の位置を調整する必要がある。なお、本明細書では、撮像素子の水平走査方向をx方向とし、垂直走査方向をy方向とし、xy平面に垂直な方向をz方向とする。
【0003】
撮像素子が大きい場合、撮像素子のz方向、θx方向、およびθy方向の位置の調整は、光学系と撮像素子のメカ的な押し付けにより容易に行うことが可能であるが、その場合であっても、x方向、y方向、およびθz方向の位置の調整は困難である。
【0004】
そこで、光学系を介して出力される画像を撮像するカメラにおいて、CCDイメージセンサが撮像可能範囲より小さい所定の範囲の画像を撮像する場合に、光学系とカメラの位置のずれに基づいて撮像する画像の範囲を決定することにより、光学系とカメラのx方向およびy方向の位置のずれを補正することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−331483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されているカメラは、CCDイメージセンサの駆動タイミングを変更することにより、撮像可能範囲より小さい所定の範囲の画像を撮像するが、CMOSイメージセンサ等では、駆動タイミングを変更することは困難である。
【0007】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、撮像部の駆動タイミングを変更することなく、光学系と撮像部の位置のずれを容易に補正することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の一側面の撮像装置は、被写体からの光を、光学系を介して取得することにより撮像を行う撮像部と、前記撮像部による撮像の結果得られる画像のうちの、所定の範囲の画像を撮像画像として出力する抽出部とを備え、前記所定の範囲は、前記光学系と前記撮像部の位置のずれに基づいて決定される撮像装置である。
【0009】
本技術の一側面の撮像方法は、本技術の一側面の撮像装置に対応する。
【0010】
本技術の一側面においては、被写体からの光を、光学系を介して取得することにより撮像を行う撮像部による撮像の結果得られる画像のうちの、所定の範囲の画像が撮像画像として出力される。なお、前記所定の範囲は、前記光学系と前記撮像部の位置のずれに基づいて決定される。
【発明の効果】
【0011】
本技術の一側面によれば、撮像部の駆動タイミングを変更することなく、光学系と撮像部の位置のずれを容易に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本技術を適用した顕微鏡システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のカメラボードの外観図である。
【図3】図1のカメラボードの構成例を示すブロック図である。
【図4】オフセットと位置ずれの関係を説明する図である。
【図5】オフセットと位置ずれの関係を説明する図である。
【図6】オフセットと位置ずれの関係を説明する図である。
【図7】イメージセンサの受光面の領域を示す図である。
【図8】図3の抽出部における抽出タイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】図3のフレームメモリに記憶される画像データを説明する図である。
【図10】図3のカメラボードの撮像処理を説明するフローチャートである。
【図11】図1のカメラボードの他の構成例を示すブロック図である。
【図12】図11のフレームメモリに記憶される画像データを説明する図である。
【図13】図11のカメラボードの撮像処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<一実施の形態>
[顕微鏡システムの一実施の形態の構成例]
図1は、本技術を適用した顕微鏡システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0014】
顕微鏡システム1は、顕微鏡11、撮像装置12、PC(Personal Computer)13、補助装置14、及びPSU(Power Supply Unit)15から構成される。
【0015】
顕微鏡11は、撮像装置12のカメラボード31に設けられるイメージセンサ上に観察対象の標本の拡大像を結像させるための光学系21と、その標本が載置されるステージ22とを有する。ステージ22は、XYステージ22−1と、Zステージ22−2とから構成される。XYステージ22−1は、PC13のCPU(Central Processing Unit)41の制御により、または観察者による図示せぬハンドルの操作に応じて、光学系21に対して相対的にx方向またはy方向に移動する。これにより、ステージ22に載置された標本もx方向またはy方向に移動する。また、Zステージ22−2は、PC13のCPU41の制御により、または観察者による図示せぬハンドルの操作に応じて、光学系21に対して相対的にz方向に移動する。これにより、ステージ22に載置された標本もz方向に平行に移動する。
【0016】
観察者は、PC13や図示せぬハンドルを操作して、XYステージ22−1やZステージ22−2を移動させることで、光学系21に対する標本の相対的な位置を、3次元空間上の任意の位置に移動させる。これにより、観察者は、ステージ22に載置された標本の拡大像を、光学系21を介して撮像することができる。
【0017】
撮像装置12は、カメラボード31を有する。カメラボード31は、PC13による制御により、ステージ22に載置された標本の拡大像を光学系21を介して撮像する動作を行う。この場合、カメラボード31の各種動作のトリガとなる信号は補助装置14から供給される。
【0018】
PC13は、CPU41とチップセット42を含むように構成される。CPU41は、PC13の全体の動作を制御する。チップセット42は、CPU41の制御の下、各種処理を実行するチップ群から構成され、このようなチップの1つとしてホストコントローラ51を有している。ホストコントローラ51は、USB(Universal Serial Bus)2.0規格に準拠したUSBに接続された機器の遠隔制御を行う。ここでは、ホストコントローラ51は、USBに接続されたカメラボード31を遠隔制御することによって、上述の如く標本の拡大像を撮像させ、撮像された画像データを受信する。
【0019】
PSU(Power Supply Unit)15は、顕微鏡システム1を構成する各部、例えばPC13やカメラボード31に電力を供給する。
【0020】
[カメラボードの外観図]
図2は、図1のカメラボード31の外観図である。
【0021】
図2に示すように、カメラボード31の端部には、四角形状のイメージセンサ61が設けられている。
【0022】
[カメラボードの構成例]
図3は、図1のカメラボード31の構成例を示すブロック図である。
【0023】
図3のカメラボード31は、同期信号生成部71、イメージセンサ61、同期検出部72、抽出部73、FIFO(First-In First-Out)74、フレームメモリ75、USBI/F76、および不揮発性メモリ77により構成される。
【0024】
カメラボード31の同期信号生成部71は、所定のクロック信号(INCK)に基づいて、イメージセンサ61の駆動に必要な垂直同期信号(XVS)と水平同期信号(XHS)を生成する。同期信号生成部71は、垂直同期信号(XVS)、水平同期信号(XHS)、およびクロック信号(INCK)をイメージセンサ61に供給する。
【0025】
イメージセンサ61は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどにより構成され、撮像部として機能する。イメージセンサ61は、ステージ22に載置された被写体としての標本からの光を、図1の光学系21を介して取得することにより、撮像を行う。具体的には、イメージセンサ61は、同期信号生成部71から供給される垂直同期信号(XVS)、水平同期信号(XHS)、およびクロック(INCK)に基づいて駆動することにより、光学系21を介して入力される光を電気信号に光電変換し、フレーム単位の画像データ(DATA)を生成する。また、イメージセンサ61は、各画素の画像データに同期するクロック信号(DPCK/DMCK)を生成する。イメージセンサ61は、撮像の結果得られる画像データ(DATA)と、クロック信号(DPCK/DMCK)を同期検出部72に供給する。
【0026】
同期検出部72は、イメージセンサ61からのクロック信号(DPCK/DMCK)を用いて、イメージセンサ61から供給される画像データ(DATA)に含まれる同期パターンを検出する。同期検出部72は、検出された同期パターンに基づいて、画像データ(DATA)のうちの有効な画像データ(DATA)を水平ラインごとに抽出する。同期検出部72は、抽出された有効な画像データ(DATA)と所定のクロック信号(CLK)を抽出部73に供給する。
【0027】
抽出部73は、不揮発性メモリ77からオフセットと水平画素数とを読み出す。なお、オフセットとは、有効な画像データ(DATA)のうちの、カメラボード31から出力する画像データのx方向の範囲(以下、x方向の出力範囲という)を表す情報である。具体的には、オフセットは、有効な画像データ(DATA)のx方向の先頭の画素からx方向の出力範囲の先頭の画素までの画素数である。また、水平画素数は、x方向の出力範囲の画素数である
【0028】
抽出部73は、同期検出部72から供給されるクロック信号(CLK)を用いて、有効な画像データ(DATA)のうちの、各水平ラインのx方向の先頭の画素からオフセット番目の画素から、水平画素数分の画素の画像データを抽出する。これにより、有効な画像データのうちの、x方向の位置がx方向の出力範囲内であり、y方向の位置が有効な画像データのy方向の範囲内にある画素の画像データが抽出される。抽出部73は、抽出された画像データ(DATA)と、クロック信号(CLK)をFIFO74に供給する。
【0029】
FIFO74は、抽出部73から供給されるクロック信号(CLK)を用いて、抽出部73から供給される画像データ(DATA)を順次記憶する。また、FIFO74は、クロック信号(CLK2)を用いて、記憶している最も古い画像データ(DATA)を所定の単位で読み出し、フレームメモリ75に供給する。
【0030】
フレームメモリ75は、RAM(Random Access Memory)などにより構成され、保持部として機能する。フレームメモリ75は、クロック信号(CLK2)を用いて、FIFO74から供給される1フレーム分の画像データを一時的に保持する。
【0031】
USBI/F76は、フレームメモリ75に保持されている1フレーム分の画像データを読み出し、撮像画像の画像データとして、USBを介して図1のPC13に送信する。また、USBI/F76は、PC13からUSBを介して送信されてくるオフセットと水平画素数を不揮発性メモリに供給する。なお、オフセットは、例えば、製造時に、光学系21とカメラボード31の中心のx方向のずれ(以下、位置ずれという)に基づいて決定される。
【0032】
不揮発性メモリ77は、USBI/F76から供給されるオフセットと水平画素数を記憶する。
【0033】
なお、オフセットと水平画素数を記憶するメモリは、揮発性メモリであってもよい。この場合、カメラボード31に電源が供給されるたびに、PC13からオフセットと水平画素数が送信され、記憶される。
【0034】
また、オフセットと水平画素数は、PC13から送信されて記憶されるのではなく、不揮発性メモリ77に予め記憶されていてもよい。
【0035】
[オフセットと位置ずれの関係の説明]
図4乃至図6は、オフセットと位置ずれの関係を説明する図である。
【0036】
図4に示すように、光学系21とイメージセンサ61の中心のx方向の位置が同一である場合、即ち位置ずれが0である場合、オフセットは所定値である。一方、図5に示すように、光学系21の中心のx方向の位置がイメージセンサ61の中心のx方向の位置より負の方向にある場合、オフセットは、位置ずれが0である場合に比べて、光学系21とイメージセンサ61の中心どうしのx方向の距離に対応する画素数だけ小さい。また、図6に示すように、光学系21の中心のx方向の位置がイメージセンサ61の中心のx方向の位置より正の方向にある場合、オフセットは、位置ずれが0である場合に比べて、光学系21とイメージセンサ61の中心どうしのx方向の距離に対応する画素数だけ大きい。
【0037】
なお、以下では、光学系21の中心のx方向の位置がイメージセンサ61の中心のx方向の位置より負の方向にあることを、位置ずれが負であるといい、光学系21の中心のx方向の位置がイメージセンサ61の中心のx方向の位置より正の方向にあることを、位置ずれが正であるという。
【0038】
[抽出部による抽出の説明]
図7は、図3の抽出部73により抽出される画像データに対応するイメージセンサ61の受光面の領域を示す図である。
【0039】
図7に示すように、イメージセンサ61の受光面90は、被写体からの光が照射され、その光を電気信号に変換する有効画素領域(Effective Pixel Area)91、並びに、被写体からの光が照射されないオプティカルブラック(Optical Black)領域92および93からなる。なお、図7の例では、受光面90のx方向の画素数が4382であり、y方向の画素数が2944である。また、1画素のサイズが5.5μm×5.5μmである。
【0040】
図4に示したように、位置ずれが0である場合、抽出部73は、オフセットと水平画素数に基づいて、有効画素領域91とオプティカルブラック領域92のうちの、x方向の位置が左端からオフセット分の画素だけ右側の画素から、水平画素数の画素だけ右側の画素までの領域101の画像データを抽出する。また、抽出部73は、オプティカルブラック領域93に対応する画像データを抽出する。
【0041】
一方、図5に示したように、位置ずれが負である場合、抽出部73は、オフセットと水平画素数に基づいて、有効画素領域91とオプティカルブラック領域92のうちの、x方向の位置が左端からオフセット分の画素だけ右側の画素から、水平画素数の画素だけ右側の画素までの、領域101より左側の領域102の画像データを抽出する。また、抽出部73は、オプティカルブラック領域93に対応する画像データを抽出する。
【0042】
以上のように、位置ずれが負である場合、位置ずれが0である場合に比べて、光学系21とイメージセンサ61の中心どうしのx方向の距離に対応する画素数だけ左側(負のx方向)の領域102が抽出されるので、領域102の中心が光学系21の中心と一致する。これにより、光学系21とイメージセンサ61の中心の位置のずれを補正することができる。
【0043】
また、図6に示したように、位置ずれが正である場合、抽出部73は、オフセットと水平画素数に基づいて、有効画素領域91とオプティカルブラック領域92のうちの、x方向の位置が左端からオフセット分の画素だけ右側の画素から、水平画素数の画素だけ右側の画素までの、領域101より右側の領域103の画像データを抽出する。また、抽出部73は、オプティカルブラック領域93に対応する画像データを抽出する。
【0044】
以上のように、位置ずれが正である場合、位置ずれが0である場合に比べて、光学系21とイメージセンサ61の中心どうしのx方向の距離に対応する画素数だけ右側(正のx方向)の領域103が抽出されるので、領域103の中心が光学系21の中心と一致する。これにより、光学系21とイメージセンサ61の中心の位置のずれを補正することができる。
【0045】
図8は、図3の抽出部73における抽出タイミングを示すタイミングチャートである。
【0046】
なお、図8において、横軸は時刻を表している。
【0047】
図8の例では、垂直同期信号(XVS)の1周期は、水平同期信号(XHS)の2948周期である。また、クロック信号(INCK)の周波数は54MHzであり、水平同期信号(XHS)の1周期は、クロック信号(INCK)の3492周期である。さらに、クロック信号(DPCK/DMCK)の周波数は108MHzである。
【0048】
また、図8において、正方形は、イメージセンサ61から出力される各画素の画像データを表し、正方形内に記述された文字や番号は、その正方形が表す画像データの内容を表す。具体的には、SAVが記述された正方形は、その正方形が表す画像データが、有効な画像データの開始を表す同期パターンであることを表し、EAVが記述された正方形は、その正方形が表す画像データが、有効な画像データの終了を表す同期パターンであることを表す。また、数字が記述された正方形は、その正方形が表す画像データが、有効な画像データの先頭の画素から、記述された数字番目の画素の画像データであることを表す。これらのことは、後述する図9および図12においても同様である。
【0049】
図8に示すように、イメージセンサ61から出力される画像データには、同期パターンが含まれている。同期検出部72は、画像データから同期パターンを検出し、同期パターン間の画像データを有効な画像データとして抽出する。抽出部73は、水平ラインごとに、まず、有効な画像データの開始時刻のクロックを0番目のクロックとして、オフセット番目のクロックのクロック信号(DPCK/DMCK)に同期して画像データの抽出を開始する。そして、抽出部73は、そのクロック信号を0番目のクロックとして、水平画素数番目のクロックのクロック信号に同期して画像データの抽出を終了する。
【0050】
具体的には、図8の例では、位置ずれが0である場合のオフセットが720画素であり、水平画素数は2944画素である。従って、この場合、水平ラインごとに、有効な画像データの開始時刻のクロックから720番目のクロックのクロック信号に同期して、画像データの抽出が開始される。そして、そのクロック信号から2944番目のクロック、即ち有効な画像データの開始時刻のクロックから3664番目のクロックのクロック信号に同期して、画像データの抽出が終了される。その結果、有効な画像データのうちの、各水平ラインの先頭の画素から720番目の画素から3663番目の画素までの画像データが抽出される。
【0051】
次に、抽出部73は、水平ラインごとに、有効な画像データの終了時刻のクロックから、オプティカルブラック領域93のx方向の画素数(図8の例では、64)のクロックだけ前のクロック信号に同期して画像データの抽出を開始する。そして、抽出部73は、有効な画像データの終了時刻のクロックに同期して画像データの抽出を終了する。
【0052】
[フレームメモリの説明]
図9は、図3のフレームメモリ75に記憶される画像データを説明する図である。
【0053】
図9に示すように、フレームメモリ75は、抽出部73により抽出された、イメージセンサ61から出力される画像データの有効な画像データのうちの、各水平ラインの先頭の画素からオフセット番目の画素から水平画素数分の画素の画像データと、オプティカルブラック領域93の画像データを記憶する。
【0054】
[カメラボードの処理の説明]
図10は、図3のカメラボード31の撮像処理を説明するフローチャートである。
【0055】
図10のステップS11において、カメラボード31の同期信号生成部71は、所定のクロック信号(INCK)に基づいて、垂直同期信号(XVS)と水平同期信号(XHS)を生成する。同期信号生成部71は、垂直同期信号(XVS)、水平同期信号(XHS)、およびクロック信号(INCK)をイメージセンサ61に供給する。
【0056】
ステップS12において、イメージセンサ61は、同期信号生成部71から供給される垂直同期信号(XVS)、水平同期信号(XHS)、およびクロック(INCK)に基づいて、ステージ22に載置された標本からの光を、光学系21を介して取得することにより、撮像を行う。また、イメージセンサ61は、クロック信号(DPCK/DMCK)を生成する。イメージセンサ61は、撮像の結果得られる画像データ(DATA)と、クロック信号(DPCK/DMCK)を同期検出部72に供給する。
【0057】
ステップS13において、同期検出部72は、イメージセンサ61からのクロック信号(DPCK/DMCK)を用いて、イメージセンサ61からの画像データに含まれる同期パターンを検出し、その同期パターンに基づいて、画像データのうちの有効な画像データを水平ラインごとに抽出する。同期検出部72は、抽出された有効な画像データとクロック信号(CLK)を抽出部73に供給する。
【0058】
ステップS14において、抽出部73は、不揮発性メモリ77からオフセットと水平画素数を読み出す。
【0059】
ステップS15において、抽出部73は、同期検出部72からのクロック信号(CLK)を用いて、同期検出部72からの有効な画像データのうちの、各水平ラインの先頭の画素からオフセット番目の画素から水平画素数分の画素の画像データを抽出する。そして、抽出部73は、抽出された画像データ(DATA)と、クロック信号(CLK)をFIFO74に供給する。
【0060】
ステップS16において、FIFO74は、抽出部73から供給されるクロック信号(CLK)を用いて、抽出部73から供給される画像データ(DATA)を順次記憶する。
【0061】
ステップS17において、FIFO74は、クロック信号(CLK2)を用いて、記憶している最も古い画像データ(DATA)を所定の単位で読み出し、フレームメモリ75に供給する。
【0062】
ステップS18において、フレームメモリ75は、クロック信号(CLK2)を用いて、FIFO74から供給される1フレーム分の画像データを一時的に記憶する。
【0063】
ステップS19において、USBI/F76は、フレームメモリ75に記憶されている1フレーム分の画像データを読み出す。
【0064】
ステップS20において、USBI/F76は、読み出された画像データを、撮像画像の画像データとして、USBを介してPC13に送信する。
【0065】
以上のように、カメラボード31は、イメージセンサ61による撮像の結果得られる画像データのうちの、オフセットに基づいて決定される範囲の画像データを抽出し、撮像画像の画像データとして出力する。従って、イメージセンサ61の駆動タイミングを変更することなく、光学系21とイメージセンサ61の位置のずれを容易に補正することができる。
【0066】
[カメラボードの他の構成例]
図11は、図1のカメラボード31の他の構成例を示すブロック図である。
【0067】
図11に示す構成のうち、図3の構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0068】
図11のカメラボード31の構成は、主に、フレームメモリ75、抽出部73の代わりに、フレームメモリ121、抽出部122が設けられている点が図3の構成と異なる。図11のカメラボード31では、フレームメモリ121が有効な画像データを記憶し、抽出部122が、水平ラインごとに、その有効な画像データのうちの、先頭の画素からオフセット番目の画素から水平画素数分の画素の画像データを抽出する。
【0069】
具体的には、フレームメモリ121は、図3のフレームメモリ75と同様に、RAMなどにより構成され、保持部として機能する。フレームメモリ121は、クロック信号(CLK2)を用いて、同期検出部72からFIFO74を介して供給される1フレーム分の有効な画像データを一時的に保持する。
【0070】
抽出部122は、不揮発性メモリ77からオフセットと水平画素数を読み出す。また、抽出部122は、USBI/F76の制御により、フレームメモリ121に保持されている1フレーム分の有効な画像データを読み出す。抽出部122は、オフセットと水平画素数に基づいて、水平ラインごとに、有効な画像データのうちの、先頭の画素からオフセット番目の画素から水平画素数分の画素の画像データを抽出し、USBI/F76に供給する。
【0071】
[フレームメモリの説明]
図12は、図11のフレームメモリ121に記憶される画像データを説明する図である。
【0072】
図12に示すように、フレームメモリ121は、FIFO74により出力された、イメージセンサ61から出力される画像データのうちの有効な画像データを記憶する。
【0073】
[他のカメラボードの処理の説明]
図13は、図11のカメラボード31の撮像処理を説明するフローチャートである。
【0074】
図13のステップS31乃至S33の処理は、図10のステップS11乃至S13の処理と同様であるので、説明は省略する。
【0075】
ステップS34において、FIFO74は、同期検出部72から供給されるクロック信号(CLK)を用いて、同期検出部72により抽出された有効な画像データを順次記憶する。
【0076】
ステップS35において、FIFO74は、クロック信号(CLK2)を用いて、記憶している最も古い画像データを所定の単位で読み出し、フレームメモリ121に供給する。
【0077】
ステップS36において、フレームメモリ121は、クロック信号(CLK2)を用いて、FIFO74から供給される1フレーム分の有効な画像データを一時的に記憶する。
【0078】
ステップS37において、抽出部122は、不揮発性メモリ77からオフセットと水平画素数を読み出す。
【0079】
ステップS38において、抽出部122は、USBI/F76の制御により、フレームメモリ121に記憶されている1フレーム分の有効な画像データを読み出す。
【0080】
ステップS39において、抽出部122は、オフセットと水平画素数に基づいて、読み出された有効な画像データのうちの各水平ラインの先頭の画素からオフセット番目の画素から水平画素数分の画素の画像データを抽出し、USBI/F76に供給する。
【0081】
ステップS40において、USBI/F76は、抽出部122から供給される画像データを、撮像画像の画像データとして、USBを介してPC13に送信する。
【0082】
なお、カメラボード31とPC13を接続するバスは、データを通信可能なバスであればどのようなバスであってもよく、USB2.0規格に準拠したUSBの他、Gigabit Ether,USB3.0、Camera LINK,IEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、PCI(Peripheral Component Interconnect) express、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)などの規格に準拠したバスであるようにすることができる。
【0083】
また、カメラボード31はPC13に内蔵され、カメラボード31とPC13は内部I/Fで接続されるようにしてもよい。この場合、図11のカメラボード31には抽出部122が設けられず、PC13の制御により、フレームメモリ121に記憶されている有効な画像データのうちの、先頭の画素からオフセット番目の画素から水平画素数分の画素の画像データのみが内部I/Fを介して読み出されるようにすることもできる。
【0084】
なお、本明細書において、フローチャートの各ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0085】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0086】
さらに、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0087】
また、本技術は、以下のような構成もとることができる。
【0088】
(1)
被写体からの光を、光学系を介して取得することにより撮像を行う撮像部と、
前記撮像部による撮像の結果得られる画像のうちの、所定の範囲の画像を撮像画像として出力する抽出部と
を備え、
前記所定の範囲は、前記光学系と前記撮像部の位置のずれに基づいて決定される
撮像装置。
(2)
前記撮像部の水平走査方向の前記所定の範囲は、前記光学系と前記撮像部の前記水平走査方向の位置のずれに基づいて決定され、
前記撮像部の垂直走査方向の前記所定の範囲は、前記撮像部による撮像の結果得られる画像の前記垂直走査方向の範囲と同一である
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記抽出部により抽出された前記撮像画像を保持する保持部
をさらに備える
前記(1)または(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記撮像部による撮像の結果得られる画像を保持する保持部
をさらに備え、
前記抽出部は、前記保持部により保持された前記画像のうちの、前記所定の範囲の画像を前記撮像画像として出力する
前記(1)または(2)に記載の撮像装置。
(5)
被写体からの光を、光学系を介して取得することにより撮像を行う撮像部を備える撮像装置が、
前記撮像部による撮像の結果得られる画像のうちの、所定の範囲の画像を撮像画像として出力する抽出ステップ
を含み、
前記所定の範囲は、前記光学系と前記撮像部の位置のずれに基づいて決定される
撮像方法。
【符号の説明】
【0089】
31 カメラボード, 61 イメージセンサ, 73 抽出部, 75 フレームメモリ, 121 フレームメモリ, 122 抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光を、光学系を介して取得することにより撮像を行う撮像部と、
前記撮像部による撮像の結果得られる画像のうちの、所定の範囲の画像を撮像画像として出力する抽出部と
を備え、
前記所定の範囲は、前記光学系と前記撮像部の位置のずれに基づいて決定される
撮像装置。
【請求項2】
前記撮像部の水平走査方向の前記所定の範囲は、前記光学系と前記撮像部の前記水平走査方向の位置のずれに基づいて決定され、
前記撮像部の垂直走査方向の前記所定の範囲は、前記撮像部による撮像の結果得られる画像の前記垂直走査方向の範囲と同一である
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記抽出部により抽出された前記撮像画像を保持する保持部
をさらに備える
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像部による撮像の結果得られる画像を保持する保持部
をさらに備え、
前記抽出部は、前記保持部により保持された前記画像のうちの、前記所定の範囲の画像を前記撮像画像として出力する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
被写体からの光を、光学系を介して取得することにより撮像を行う撮像部を備える撮像装置が、
前記撮像部による撮像の結果得られる画像のうちの、所定の範囲の画像を撮像画像として出力する抽出ステップ
を含み、
前記所定の範囲は、前記光学系と前記撮像部の位置のずれに基づいて決定される
撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−58831(P2013−58831A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194827(P2011−194827)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】