説明

撮像装置および撮像装置の制御プログラム

【課題】連続撮影時においては、途中で被写体環境の明るさが暗くなった場合に、測光素子が必要とする電荷蓄積時間が長くなり、撮影継続中に連写速度が急激に低下する場合があった。
【解決手段】撮像装置は、被写体像を受光して画像信号を出力する撮像素子と、被写体像を受光して測光信号を出力する測光素子と、撮像素子が被写体像を連続的に受光して画像信号を出力する場合に、撮像素子による撮像受光動作の間に割り当てられる、測光素子が被写体像を受光する時間である測光受光時間に、予め定められた目標受光時間との差である不足時間に予め定められた割合を掛けた延長時間を加算して、測光受光時間を漸増させる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および撮像装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体像を受光して画像信号を出力する撮像素子と、被写体環境の明るさを検出する測光素子とを別々に備えるTTLの撮像装置は、一般的に、被写体光束を排他的にそれぞれの素子へ導く可動ミラー構造を有する。したがって、撮像素子が連続的に画像信号を出力する連続撮影時においては、撮像素子による撮像受光動作の合間に、可動ミラーを駆動して、測光素子による被写体環境の明るさ検出が実行される。撮像受光動作は、検出された被写体環境の明るさに基づいて決定される露出値に従って制御される。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2005−6217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、連続撮影時においては、途中で被写体環境の明るさが暗くなった場合に、測光素子が必要とする電荷蓄積時間が長くなり、撮影継続中に連写速度が急激に低下する場合があった。一方、測光素子による被写体環境の明るさ検出を省略するいわゆるAEロックを採用すると、被写体環境の明るさの変化に追従できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様における撮像装置は、被写体像を受光して画像信号を出力する撮像素子と、被写体像を受光して測光信号を出力する測光素子と、撮像素子が被写体像を連続的に受光して画像信号を出力する場合に、撮像素子による撮像受光動作の間に割り当てられる、測光素子が被写体像を受光する時間である測光受光時間に、予め定められた目標受光時間との差である不足時間に予め定められた割合を掛けた延長時間を加算して、測光受光時間を漸増させる制御部とを備える。
【0005】
本発明の第2の態様における撮像装置の制御プログラムは、被写体像を受光して画像信号を出力する撮像素子と、被写体像を受光して測光信号を出力する測光素子とを備える撮像装置の制御プログラムであって、撮像素子が被写体像を連続的に受光して画像信号を出力する場合に、撮像素子による撮像受光動作の間に割り当てられる、測光素子が被写体像を受光する時間である測光受光時間に、予め定められた目標受光時間との差である不足時間に予め定められた割合を掛けた延長時間を加算して、測光受光時間を漸増させる制御ステップをコンピュータに実行させる。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係る一眼レフカメラの要部断面図である。
【図2】一眼レフカメラのシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】撮影モードダイヤルの外観図である。
【図4】メインミラー、測光素子および撮像素子の動作遷移を示すタイミングチャートである。
【図5】各撮影モードに対して延長時間を規定する延長時間テーブルの例を示す図である。
【図6】連写撮影枚数に対する測光受光時間を表す図である。
【図7】連写撮影枚数に対する単位時間当たりの撮影枚数を表す図である。
【図8】各測光モードに対して延長時間を規定する延長時間テーブルの例を示す図である。
【図9】装着されたレンズユニットの開放絞り値に対して規定される許容受光時間のテーブルの形式を示す図である。
【図10】連写時における主に測光動作の処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る一眼レフカメラ10の要部断面図である。一眼レフカメラ10は、レンズユニット20とカメラユニット30が組み合わされて撮像装置として機能する。
【0010】
レンズユニット20は、光軸11に沿って配列されたレンズ群21を備える。レンズ群21は、入射される被写体光束をカメラユニット30へ導く。レンズ群21には、フォーカスレンズ、ズームレンズ等が含まれ、焦点調整、画角調整の指示に応じて光軸方向に移動できるように構成されている。レンズユニット20は、カメラユニット30との接続部にレンズマウント22を備え、カメラユニット30が備えるカメラマウント54と係合して、カメラユニット30と一体化する。
【0011】
レンズユニット20は、レンズユニット20の動作等を制御するレンズシステム制御部23を備える。レンズシステム制御部23は、レンズマウント22およびカメラマウント54に設けられた通信端子を介して、カメラユニット30と相互に通信を行う。
【0012】
カメラユニット30は、レンズユニット20から入射される被写体光束を反射するメインミラー31と、メインミラー31で反射された被写体光束が結像するピント板35を備える。メインミラー31は、メインミラー保持枠32に保持されてメインミラー回転軸33周りに回動して、光軸11を中心とする被写体光束中に斜設される斜設状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。
【0013】
ピント板35側へ被写体像を導く場合は、メインミラー31は被写体光束中に斜設される。このとき、メインミラー保持枠32の裏面がメインミラー偏心ピン34と当接して、メインミラー31の斜設角度が規定される。メインミラー偏心ピン34は、回転することでメインミラー保持枠32と当接する箇所を調整することができ、メインミラー31の斜設角度を精確に設定できる。また、ピント板35は、撮像素子48の受光面と共役の位置に配置されている。ピント板35で結像した被写体像は、ペンタプリズム36で正立像に変換され、接眼光学系37を介してユーザに観察される。
【0014】
ペンタプリズム36の射出面上方には測光素子39が配置されており、測光素子39の受光面には、ピント板35に結像した被写体像が、ペンタプリズム36および測光光学系38を介して二次結像される。測光素子39は、被写体環境の輝度分布を検出するAEセンサの役割を担う素子であり、二次元配列された光電変換素子により構成される。
【0015】
ピント板35とペンタプリズム36の間には、液晶素子から構成されるファインダ表示部40が配置されている。ファインダ表示部40は、格子線、焦点調節領域等を表示することができ、ユーザはこれらを、接眼光学系37を介して、ピント板35に結像する被写体像に重ねて観察することができる。
【0016】
斜設状態におけるメインミラー31の光軸11の近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。透過した被写体光束は、メインミラー31と連動して回動するサブミラー保持枠42に保持されたサブミラー41で反射されて、AF光学系45へ導かれる。AF光学系45を通過した被写体光束は、AFセンサ46へ入射される。
【0017】
なお、サブミラー保持枠42は、メインミラー保持枠32に設けられるサブミラー回転軸43周りに回動する。そして、斜設状態においては、サブミラー保持枠42の裏面がサブミラー偏心ピン44と当接して、サブミラー41の斜設角度が規定される。サブミラー偏心ピン44は、回転することでサブミラー保持枠42と当接する箇所を調整することができ、サブミラー41の斜設角度を精確に設定できる。
【0018】
AFセンサ46は、例えば、受光した被写体光束から位相差信号を出力する複数の光電変換素子列である。具体的には、被写体像の特定の領域に対応して設けられる複数の焦点調整領域のそれぞれにおいて、合焦状態、前ピン状態、後ピン状態を検出でき、前ピン状態、後ピン状態の場合には、合焦状態からのずれ量も検出することができるように構成されている。なお、サブミラー41は、メインミラー31が被写体光束から退避する場合は、メインミラー31に連動して被写体光束から退避する。
【0019】
斜設されたメインミラー31の後方には、光軸11に沿って、フォーカルプレーンシャッタ47、撮像素子48が配列されている。フォーカルプレーンシャッタ47は、撮像素子48へ被写体光束を導くときに開放状態を取り、その他のときに遮蔽状態を取る。そして、撮像素子48は、例えばCMOSセンサなどの光電変換素子であり、受光面で結像した被写体像を電気信号に変換する。
【0020】
撮像素子48で光電変換された電気信号は、メイン基板49に搭載されたDSPである画像処理部55で画像データに処理される。メイン基板49には、画像処理部55の他に、カメラユニット30のシステムを統合的に制御するMPUであるカメラシステム制御部51が搭載されている。カメラシステム制御部51は、カメラシーケンスを管理すると共に、各構成要素の入出力処理等を行う。例えば、測光素子39から出力される被写体像の輝度分布から被写体環境の明るさを算出する。そして算出された明るさとプログラム線図から露出値を決定する。また、AFセンサ46から出力される位相差信号を用いて合焦制御を行う。
【0021】
カメラユニット30の背面には液晶モニタ等による背面表示部52が配設されており、画像処理部55で処理された被写体画像が表示される。背面表示部52は、撮影後の静止画像に限らず、各種メニュー情報、撮影情報等を表示する。また、カメラユニット30には、着脱可能な二次電池53が収容され、カメラユニット30に限らず、レンズユニット20にも電力を供給する。
【0022】
図2は、一眼レフカメラ10のシステム構成を概略的に示すブロック図である。一眼レフカメラ10のシステムは、レンズユニット20とカメラユニット30のそれぞれに対応して、レンズシステム制御部23を中心とするレンズ制御系と、カメラシステム制御部51を中心とするカメラ制御系により構成される。そして、レンズ制御系とカメラ制御系は、レンズマウント22とカメラマウント54によって接続される通信端子を介して、相互に各種データ、制御信号の授受を行う。
【0023】
カメラ制御系に含まれる画像処理部55は、カメラシステム制御部51からの指令に従って、撮像素子48で光電変換された撮像信号を画像データに処理する。処理された画像データは、表示制御部59へ送られて、例えば撮影後の一定時間の間、背面表示部52に表示される。これに並行して、処理された画像データは、予め定められた画像フォーマットに加工され、外部接続IF56を介して外部メモリに記録される。
【0024】
カメラメモリ57は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、一眼レフカメラ10を制御するプログラム、各種パラメータなどを記憶する役割を担う。ワークメモリ58は、例えばRAMなどの高速アクセスできるメモリであり、処理中の画像データを一時的に保管する役割などを担う。
【0025】
カメラ駆動部60は、カメラシステム制御部51からの指令に従ってメインミラー31、サブミラー41、フォーカルプレーンシャッタ47等を駆動する。操作入力部61は、レリーズボタン、撮影モードダイヤル、測光モードダイヤル等の操作部材がユーザに操作されたことを検出して、カメラシステム制御部51へ出力する。なお、上述のように、カメラシステム制御部51は、測光素子39の出力を受けて露出値を算出する。
【0026】
レンズシステム制御部23は、カメラシステム制御部51からの制御信号を受けて各種動作を制御する。レンズメモリ24は、レンズ固有の情報およびレンズシステム制御部23が実行するプログラム等を記憶している。
【0027】
図3は、撮影モードダイヤル70の外観図である。撮影モードダイヤル70は、カメラユニット30の筐体に対して相対的に回転できるように軸支されている。ユーザは、ある撮影モードを選択する場合に、撮影モードダイヤル70に印刷された当該撮影モードのアイコンを、筐体に印刷された指標71へ合わせるように、撮影モードダイヤル70を回転する。撮影モードは、撮影時の露出値を決定するプロセスを規定する。例えば、Pアイコン72で表されるプログラムモードは、測光素子39の出力から演算されたEV値に応じて、絞り値とシャッタ速度を決定する。同様に、Sアイコン73で表されるシャッタ速度優先モードは、測光素子39の出力から演算されたEV値とユーザが指定したシャッタ速度に応じて絞り値を決定する。また、Aアイコン74で表される絞り優先モードは、測光素子39の出力から演算されたEV値とユーザが指定した絞り値に応じてシャッタ速度を決定する。また、Mアイコン75で表されるマニュアルモードは、ユーザが指定したシャッタ速度と絞り値をそのまま採用する。
【0028】
露出値として規定されるISO感度は、ユーザが予め指定している場合はその値を採用し、自動設定が選択されている場合は、それぞれの撮影モードは、ISO感度も併せて決定する。それぞれの撮影モードに対応するシャッタ速度、絞り値およびISO感度の関係は、被写体環境であるEV値に対応させたプログラム線図として、予めカメラメモリ57に記録されている。なお、撮影モードは上述の例以外にも存在しても良い。図3にも示すように、例えば、様々な撮影シーンの特性に合わせてプログラム線図が設定された、シーン別撮影モードが提供され得る。
【0029】
以上のような本実施形態に係る一眼レフカメラ10において連写撮影を実行する場合、カメラシステム制御部51は、撮像素子48による撮像受光動作の間に割り当てられる、測光素子39が被写体像を受光する時間である測光受光時間を漸増させる。以下に具体的に説明する。
【0030】
従来の一眼レフカメラにおいて連写撮影を行う場合、システム制御部は、撮像素子による撮像受光動作の合間にメインミラーを斜設状態にして被写体光束を測光素子へ導き、測光素子に十分な電荷蓄積時間を与えて測光を行っていた。このように制御すれば、連写撮影中に発生する被写体環境の明るさの変化に追従でき、より適切な露出値をもって一枚一枚の撮像受光動作を実行することができる。しかし、例えば、被写体が日なたから日陰へ移動した場合など、被写体環境の明るさが急激に暗くなると、測光素子が必要とする電荷蓄積時間が急激に増大する。この場合、明るさの変化の前後において、単位時間当たりの撮影枚数である駒速が急激に低下することになる。つまり、連写撮影の測光制御において明るさの変化への追従を重視しすぎると、ユーザは、駒速の急激な低下に違和感を覚える。
【0031】
あるいは、従来の一眼レフカメラにおいて連写撮影を行う場合、システム制御部は、1枚目の撮影に用いた露出値を固定して、後の連続する撮像受光動作に適用する、いわゆるAEロックを行っていた。この場合は、駒速が優先されるので、急激な駒速低下は発生しないが、連写撮影中に発生する被写体環境の明るさの変化には追従できない。したがって、被写体環境が暗くなった後に撮影された画像データは、すべてアンダーとなる場合があった。
【0032】
そこで、本実施形態においては、カメラシステム制御部51は、駒速の連続性と、明るさの変化に対する追従性のバランスを考慮して、以下に説明するように測光素子39に割り当てる測光受光時間を、連写撮影中に漸増させる。図4は、メインミラー31、測光素子39および撮像素子48の動作遷移を示すタイミングチャートである。図において、横軸は、時間の経過を表す。図の例は、特徴的な変化を示すべく、連写撮影動作開始後のn枚目から連続する3枚の撮影動作についての遷移を表している。
【0033】
図において、縦軸方向には、上から順にメインミラー31の状態、測光素子39の電荷蓄積状態および撮像素子48の電荷蓄積状態を整列させている。メインミラー31は、上述のように、UP状態である待避状態と、DOWN状態である斜設状態を取る。カメラシステム制御部51がレリーズ制御信号をカメラ駆動部60へ送出すると、カメラ駆動部60は、メインミラー31をDOWN状態からUP状態へ駆動し始める。このとき、サブミラー41も、メインミラー31の変位に連動してUP状態へ変位する。メインミラー31とサブミラー41を含むミラー部は、カメラ駆動部60により高速に変位されるので、UP状態に到達しても、静止するまでの間にバウンスが減衰する時間を要する。
【0034】
そして、後述するように撮像素子48の電荷蓄積が完了したら、カメラシステム制御部51は、カメラ駆動部60へミラー部をDOWN状態へ駆動させる制御信号を送出する。ミラー部は、カメラ駆動部60に駆動されて、UP状態からDOWN状態へ変位する。この場合も、ミラー部がDOWN状態で静止するまでに、ミラー部のバウンスが減衰する時間を要する。ミラー部は、連続撮影が行われている間は、このようにして、UP状態とDOWN状態を繰り返す。
【0035】
測光素子39は、ピント板35に結像した被写体像を受光する。したがって、測光素子39が被写体光束を受光して電荷を蓄積できる期間は、メインミラー31がピント板35へ被写体光束を安定的に導く、DOWNN状態の静止期間である。カメラシステム制御部51は、この期間の長さを調整する制御を行う。
【0036】
図4の中段で示すように、測光素子39は、メインミラー31のDOWN状態の静止期間に電荷蓄積を実行するように、カメラシステム制御部51によって制御される。この実際に被写体光束を受光して電荷蓄積を行える期間を、測光受光期間とする。なお、カメラシステム制御部51は、ミラー部の静止時点を、他のセンサにより検出しても良いし、カメラ駆動部60がDOWN状態へ駆動し始めてからバウンスが減衰するまでの時間を予め計測しておくことにより予測しても良い。
【0037】
カメラシステム制御部51は、一端開始した連続撮影の駒速の連続性を考慮して、測光受光時間を急激には変化させない。したがって、被写体環境が連写撮影中に暗くなって、精確な輝度分布を算出するために必要な目標受光時間が延びたとしても、カメラシステム制御部51は、測光受光時間として目標受光時間を割り当てない。つまり、測光素子39の電荷蓄積時間が不十分のままミラー部が変位し始め、測光素子39の電荷蓄積が打ち切られる。この場合、カメラシステム制御部51は、被写体環境の輝度分布を算出できないので、連続する撮像受光動作に対しては、前回(n−1枚目)の撮像受光動作で用いた露出値をそのまま用いる。つまり、カメラシステム制御部51は、不十分に電荷蓄積を行った結果を反映させず、AEロックにより撮像受光動作を実行する。
【0038】
したがって、カメラシステム制御部51は、n枚目の撮像受光動作として、n−1枚目の撮像受光動作で適用した絞り値でレンズユニット20の絞りを駆動し、シャッタ速度でフォーカルプレーンシャッタ47を駆動し、ISO感度で撮像素子48の出力信号を増幅する。図4の下段で示すように、撮像素子48は、ミラー部のUP状態の静止期間において電荷蓄積状態となる。カメラシステム制御部51は、この期間内にフォーカルプレーンシャッタ47の先幕と後幕を走行させて、被写体光束が撮像素子48へ到達する期間(シャッタ速度)を調整する。
【0039】
測光素子39は、電荷蓄積時間として、精確な輝度分布を算出するための目標受光時間を確保できなくても、それよりも短い許容受光時間が確保できれば、ある程度精確な輝度分布を出力することができる。例えば、測光素子39の出力信号を予め設定された最大増幅率で増幅してもなお出力信号が目標レベルに達しない場合には、その時の電荷蓄積時間が許容受光時間を超えているか否かを判断する。具体的には、カメラシステム制御部51は、当該電荷蓄積時間によって蓄積された電荷から一旦EV値を算出し、当該電荷蓄積時間が、予め実験等によって規定されているそのEV値に対する許容受光時間を超えているか否かを判断する。そして、許容時間を超えていれば算出したEV値を信頼できる値として輝度分布を出力し、超えていなければ信頼できない値として破棄する。なお、EV値ごとに規定されている許容受光時間は、例えばルックアップテーブルとしてカメラメモリ57に記憶されている。
【0040】
本実施形態においては、カメラシステム制御部51は、測光受光時間を漸増させていき、測光受光時間が許容受光時間を超えたら、AEロックを解除して、新たな露出値を算出する。カメラシステム制御部51は、n枚目の測光受光時間に、n枚目における目標受光時間と測光受光時間との差である不足時間に予め定められた割合をかけた延長時間を加算して、n+1枚目の測光受光時間を定める。図4の中段に示すように、n+1枚目の測光受光時間は、延長時間が加算された分だけn枚目の測光受光時間よりは長いが、それでも許容受光時間を下回っている。したがって、カメラシステム制御部51は、被写体環境の輝度分布を算出できないので、連続する撮像受光動作に対しては、前回(n枚目)の撮像受光動作で用いた露出値をそのまま用いる。つまり、カメラシステム制御部51は、n枚目の撮像受光動作と同様に、AEロックにより撮像受光動作を実行する。
【0041】
カメラシステム制御部51は、続くn+2枚目における測光受光時間も同様に漸増させる。すなわち、n+1枚目の測光受光時間に、n+1枚目における目標受光時間と測光受光時間との差である不足時間に予め定められた割合をかけた延長時間を加算して、n+2枚目の測光受光時間を定める。図4の中段に示すように、n+2枚目の測光受光時間は、延長時間が加算された分だけn+1枚目の測光受光時間より長くなり、その結果、許容受光時間を上回っている。そこで、カメラシステム制御部51は、測光素子39の出力からEV値を演算し、選択されている撮影モードに従って露出値を決定する、AE演算を実行する。そして、カメラシステム制御部51は、連続する撮像受光動作に対して、AE演算により決定された露出値を適用する。
【0042】
なお、更に連続してn+3枚目、n+4枚目…と連写撮影が継続される場合も、カメラシステム制御部51は、前回の不足時間に予め定められた割合をかけた延長時間を前回の測光受光時間に加算して、今回の測光受光時間を定める。ただし、本実施形態においては、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合と、許容時間以上である場合の延長割合を異ならせる。具体的には、測光受光時間が許容時間以上である場合の割合の方を、小さな値とする。また、本実施形態においては、撮影モードによっても、それぞれこの割合を変化させる。
【0043】
図5は、各撮影モードに対して延長時間を規定する延長時間テーブルの例を示す図である。延長時間テーブルはカメラメモリ57に記憶されている。延長時間テーブルは、各撮影モードに対して、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合と、許容時間以上である場合の延長割合を規定している。
【0044】
プログラムモードの場合、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合は20%であり、許容時間以上である場合の延長割合は10%である。同様に、絞り優先モードの場合、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合は15%であり、許容時間以上である場合の延長割合は10%である。これらの撮影モードにおいては、撮影モードの性質上、撮像受光動作に適用される露出値が、比較的早い段階で被写体環境の明るさに追従することが好ましい。したがって、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合が、比較的大きな値となっている。一方で、一旦被写体環境の明るさに追従できれば、駒速を比較的高速に維持すべく、測光受光時間が許容受光時間以上である場合の延長割合が、許容受光時間未満である場合の延長割合よりも小さな値となっている。
【0045】
シャッタ速度優先モードの場合、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合は5%であり、許容時間以上である場合の延長割合は0%である。シャッタ速度優先モードにおいては、撮影モードの性質上、駒速を比較的高速に維持することが好ましい。したがって、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合が、比較的小さな値となっている。さらに、一旦被写体環境の明るさに追従できれば、それ以上駒速を低下させないように、測光受光時間を延長しないように規定されている。
【0046】
マニュアルモードの場合、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合も、許容時間以上である場合の延長割合も0%である。マニュアルモードにおいては、撮影モードの性質上、AE演算を必要としないので、駒速を高速のまま維持するように規定されている。
【0047】
図6は、連写撮影枚数に対する測光受光時間を表す図である。横軸に、被写体環境が暗くなってからの連写撮影枚数を表し、縦軸にカメラシステム制御部51が割り当てる測光受光時間を表す。
【0048】
プログラムモードおよび絞り優先モードにおいては、測光受光時間Tが、それぞれS枚目、S枚目において許容受光時間Tを上回る。そして、連写撮影枚数が増えるに連れて、目標受光時間Tへ漸近する。シャッタ速度優先モードにおいては、測光受光時間TがS枚目において許容受光時間Tを上回る。その後は、その測光受光時間Tが維持される。マニュアルモードにおいては、測光受光時間Tは、連写撮影枚数の推移に対して無関係に一定である。
【0049】
図7は、連写撮影枚数に対する単位時間当たりの撮影枚数を表す図である。横軸に、被写体環境が暗くなってからの連写撮影枚数を表し、縦軸に単位時間当たりの撮影枚数(駒速)を表す。
【0050】
プログラムモードおよび絞り優先モードにおける駒速は、測光受光時間Tが許容受光時間Tを上回るS枚目、S枚目の駒速Cを変曲点とする減少カーブを描く。シャッタ速度優先モードにおける駒速は、測光受光時間Tが許容受光時間Tを上回るS枚目の駒速Cまで徐々に低下し、その後は駒速Cを維持する。マニュアルモードにおける駒速は、連写撮影枚数の推移に対して無関係に一定である。
【0051】
以上の説明においては、撮影モードに応じて、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合と、許容時間以上である場合の延長割合を異ならせた。しかし、他のモードにおいても、それぞれの性質に合わせて延長割合を変化させても良い。例えば、測光モードに応じても延長割合を変化させ得る。
【0052】
図8は、各測光モードに対して延長時間を規定する延長時間テーブルの例を示す図である。延長時間テーブルはカメラメモリ57に記憶されている。延長時間テーブルは、各測光モードに対して、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合と、許容時間以上である場合の延長割合を規定している。
【0053】
マルチパターン測光モードの場合、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合は20%であり、許容時間以上である場合の延長割合は10%である。マルチパターン測光モードは、被写体環境の全体領域を参照して露出値を決定するモードであるので、撮像受光動作に適用される露出値が、比較的早い段階で被写体環境の明るさに追従することが好ましい。したがって、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合が、比較的大きな値となっている。一方で、一旦被写体環境の明るさに追従できれば、駒速を比較的高速に維持すべく、測光受光時間が許容受光時間以上である場合の延長割合が、許容受光時間未満である場合の延長割合よりも小さな値となっている。
【0054】
スポット測光モードの場合、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合も、許容時間以上である場合の延長割合も0%である。スポット測光モードにおいては、被写体の極小領域を測光するモードであるので、連写撮影時においては、被写体環境の明るさの変化が、そのまま撮影画像に現れる方が好ましい。したがって、AEロックを維持するように設定されている。
【0055】
中央部重点測光モードの場合、測光受光時間が許容受光時間未満である場合の延長割合も、許容時間以上である場合の延長割合も10%である。中央部重点測光モードにおいては、マルチパターン測光モードとスポット測光モードの中庸として規定されている。
【0056】
設定される許容受光時間は、被写体光束が測光素子39へ到達するまでに介在する光学系によって増減される。特に、レンズユニット20は、カメラユニット30に対して交換可能であるので、カメラシステム制御部51は、装着されるレンズユニット20の特性に合わせて許容受光時間を調整する。図9は、装着されたレンズユニット20の開放絞り値に対して規定される許容受光時間のレンズユニット対応テーブルの形式を示す図である。
【0057】
測光素子39による被写体光束の電荷蓄積は、絞り開放の状態で実行されるので、カメラシステム制御部51は、レンズユニット20の開放絞り値によって許容受光時間を調整する。具体的には、カメラシステム制御部51は、レンズシステム制御部23を介して、レンズメモリ24に記憶されているレンズユニット20の開放絞り値を取得する。そして、取得したレンズユニット20の開放絞り値を、カメラメモリ57に記憶されているレンズユニット対応テーブルに当てはめ、許容受光時間を決定する。図示するように、レンズユニット対応テーブルには、各開放絞り値に対応して許容受光時間が規定されている。例えば、装着されているレンズユニット20のレンズメモリ24から開放絞り値として1.4の値を取得したら、カメラシステム制御部51は、許容受光時間としてTa14を得る。
【0058】
次に、一連の処理の流れについて説明する。図10は、連写時における主に測光動作の処理を示すフロー図である。フローは、一眼レフカメラ10の電源がオンにされ、ユーザから撮影準備の指示を受け付けられる状態になった時点から開始する。カメラシステム制御部51は、撮影準備の指示を受け付けられる状態となるまでの起動動作において、レンズシステム制御部23と通信を行う。このとき、カメラシステム制御部51は、レンズメモリ24に記憶されているレンズユニット対応テーブルを読み出して、ワークメモリ58に展開しておいても良い。
【0059】
カメラシステム制御部51は、ステップS101で、操作入力部61の一つであるレリーズボタンがユーザによって半押しされた場合にオンとなる、SW1がオンとなったか否かを検出する。カメラシステム制御部51は、オンを検出したら、ステップS102へ進み、撮影準備動作を開始する。
【0060】
ステップS102において、カメラシステム制御部51は、目標受光時間を測光受光時間として、測光素子39の電荷蓄積を実行する。そして、カメラシステム制御部51は、ステップS103で、測光演算を行って被写体の輝度情報としてのEV値を算出し、このEV値と設定された撮影モード等により、露出値を算出する。なお、カメラシステム制御部51は、撮影準備段階における電荷蓄積動作を、一回に限らず、数回行っても良い。
【0061】
カメラシステム制御部51は、ステップS104で、予め設定されたタイマー時間が経過するまで、撮影指示であるSW2がオンにされるのを待つ。SW2は、レリーズボタンがユーザによって全押しされた場合にオンとなる。
【0062】
カメラシステム制御部51は、ステップS104でSW2がオンにされたと判断したら、ステップS105へ進み、撮影動作を開始する。具体的には、カメラシステム制御部51は、カメラ駆動部60を介してミラー部をUP状態へ移行させ、撮像素子48を電荷蓄積状態にする。並行して、レンズシステム制御部23を介して、ステップS103で算出した絞り値に従ってレンズユニット20の絞りを駆動する。さらに、カメラシステム制御部51は、カメラ駆動部60を介して、ステップS103で算出したシャッタ速度に従ってフォーカルプレーンシャッタ47を走行させる。カメラシステム制御部51は、被写体像が光電変換された画像信号を、ステップS103で算出したISO感度に従って撮像素子48から読み出し、AD変換を行った後にワークメモリ58へ送出する。
【0063】
カメラシステム制御部51は、ワークメモリ58で一旦保管された画像データを順次画像処理部55へ転送して、画像処理を開始させる。画像処理部55は、指定された画像フォーマットにしたがって、画像処理、ファイル化処理等を施し、生成した画像ファイルを外部メモリへ送出する。
【0064】
カメラシステム制御部51は、ステップS105で撮影動作を完了したら、連続して次の撮影動作へ移行することができる。カメラシステム制御部51は、1枚目の撮影動作が完了したら、ステップS106で、オフにされたか否かを判断する。SW2がオフにされていると判断したら、撮影指示が終了したと判断する。SW2がオンのままであると判断したら、ユーザがレリーズボタンを継続して全押ししていることを意味するので、カメラシステム制御部51は、ユーザが連写撮影を指示していると判断する。
【0065】
カメラシステム制御部51は、ステップS106でSW2が継続してオン状態であると判断したらステップS107へ進み、測光受光時間Tを割り当て、測光素子39に電荷蓄積を実行させる。そして、ステップS108で測光受光時間Tが許容受光時間Tを下回っているか否かを判断する。測光受光時間Tが許容受光時間T以上であれば、ステップS109へ進み、カメラシステム制御部51は、ステップS107による測光素子39の電荷蓄積結果を用いて、ステップS103と同様に、測光演算および露出値算出を行う。ただし、連写撮影継続中においては、駒速を高速に維持する要請から、割り当てられる測光受光時間Tは必要十分の短時間に限られるので、測光素子39によって実行される電荷蓄積は複数回では無く、原則的には1回である。カメラシステム制御部51は、算出した露出値を、ステップS110で実行する撮影動作に適用する露出値として設定する。
【0066】
ステップS108で、測光受光時間Tが許容受光時間Tを下回っていると判断した場合は、カメラシステム制御部51は、測光素子39の電荷蓄積結果を反映させない。すなわち、ステップS110で実行する撮影動作に適用する露出値として、前回の露出値をそのまま設定する。例えば、2枚目の撮影動作の準備段階であれば、ステップS103で算出した露出値を設定する。
【0067】
ステップS110では、カメラシステム制御部51は、設定された露出値に従って、ステップS105と同様に、撮影動作を実行する。さらには、画像処理部55に画像処理を実行させる。そして、カメラシステム制御部51は、ステップS111へ進み、図4、図5等を用いて説明したように延長時間を算出し、測光受光時間Tに当該延長時間を加算することにより、測光受光時間Tを更新する。測光受光時間Tを更新したら再びステップS106へ戻る。ステップS106でSW2のオンが継続されていれば、連写撮影が継続される。このとき、ステップS107では、更新された測光受光時間Tが割り当てられる。
【0068】
ステップS101でSW1がオンにされなかった場合、ステップS104でSW2がオンにされなかった場合、ステップS106でSW2がオフにされた場合には、ステップS112へ進み、カメラシステム制御部51は、電源がオフにされたか否かを判断する。電源がオフにされていないと判断した場合には、ステップS101へ戻る。オフにされたと判断した場合には、一連の処理を終了する。
【0069】
なお、上記の処理においては、ステップS111において、設定されている撮影モード、測光モードにより、延長時間テーブルを参照して延長時間を算出しているが、処理方法はこれに限らない。例えば、カメラシステム制御部51は、現在の撮影モードおよび測光モードを予め取得しておき、測光受光時間Tを延長しない撮影モードおよび測光モードであれば、延長テーブルをそもそも参照しないこともできる。すなわち、カメラシステム制御部51は、設定されている撮影モードおよび測光モードにより、測光受光時間Tを漸増させるか否かを決定することができる。
【0070】
また、上記の処理においては、ステップS108で、カメラシステム制御部51は、測光受光時間Tが許容受光時間Tを下回っていると判断した場合は、測光演算および露出値算出を行わない。しかし、測光演算自体さらには露出値の算出自体は一律に行い、その結果を使わないとすることもできる。
【0071】
以上の実施形態においては、被写体環境が暗くなる場合を想定して、測光受光時間Tを漸増させる場合の処理について説明した。しかし、被写体環境が連写撮影中に暗くなる場合があるのと同様に、明るくなる場合もある。明るくなる場合には、それまで漸増させた測光受光時間Tに対して、目標受光時間が突然短くなることが想定される。この場合、明るさの変化に対する追従性が犠牲になることはないが、駒速の連続性の観点においては突然高速になることがあり、ユーザが感じる違和感と共に、予想外にメモリを消費してしまうという問題がある。そこで、カメラシステム制御部51は、測光受光時間Tから、目標受光時間Tとの差である余剰時間に、図5および図8の延長テーブルに準拠して規定される短縮割合を掛けた短縮時間を減算して、測光受光時間Tを漸減させる。このような処理を実行すれば、駒速が徐々に速くなるので、ユーザの違和感が緩和されると共に、急激なメモリ消費を防ぐことができる。
【0072】
また、以上の実施形態においては、測光素子39の出力を用いて測光演算を行い、輝度情報としての露出値を算出した。しかし、測光演算の結果は、露出値の算出に用いられるのみならず、さまざまな輝度情報を算出するために用いられる。例えば、測光素子39の出力がRGBの色情報を有するのであれば、カメラシステム制御部51は、測光演算結果をホワイトバランスの制御値の算出に用いることができる。また、被写体像の輪郭を抽出するのに十分な画素数を測光素子39が有するのであれば、カメラシステム制御部51は、測光演算結果を例えば顔認識、被写体追尾のための画像処理に用いることができる。
【0073】
ただし、測光演算結果を何の処理に用いるかにより、測光演算に要請される演算精度が異なる。すなわち、使用目的に応じて許容受光時間が異なる。したがって、測光演算結果をさまざまな処理に転用する場合には、それぞれの処理が要請する演算精度に応じて許容受光時間を規定すれば良い。例えば、第1輝度情報としての露出値の算出に対して第1許容受光時間を規定し、第2輝度情報としてのホワイトバランス制御値の算出に対して第2許容時間を規定する。この場合、上述の実施例と同様に、カメラシステム制御部51は、測光受光時間が第1許容受光時間を超えるまでは露出値を演算せず、第2許容受光時間を超えるまではホワイトバランス制御値を演算しない。
【0074】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0075】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0076】
10 一眼レフカメラ、11 光軸、20 レンズユニット、21 レンズ群、22 レンズマウント、23 レンズシステム制御部、24 レンズメモリ、30 カメラユニット、31 メインミラー、32 メインミラー保持枠、33 メインミラー回転軸、34 メインミラー偏心ピン、35 ピント板、36 ペンタプリズム、37 接眼光学系、38 測光光学系、39 測光素子、40 ファインダ表示部、41 サブミラー、42 サブミラー保持枠、43 サブミラー回転軸、44 サブミラー偏心ピン、45 AF光学系、46 AFセンサ、47 フォーカルプレーンシャッタ、48 撮像素子、49 メイン基板、51 カメラシステム制御部、52 背面表示部、53 二次電池、54 カメラマウント、55 画像処理部、56 外部接続IF、57 カメラメモリ、58 ワークメモリ、59 表示制御部、60 カメラ駆動部、61 操作入力部、70 撮影モードダイヤル、71 指標、72 Pアイコン、73 Sアイコン、74 Aアイコン、75 Mアイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を受光して画像信号を出力する撮像素子と、
前記被写体像を受光して測光信号を出力する測光素子と、
前記撮像素子が前記被写体像を連続的に受光して前記画像信号を出力する場合に、前記撮像素子による撮像受光動作の間に割り当てられる、前記測光素子が前記被写体像を受光する時間である測光受光時間に、予め定められた目標受光時間との差である不足時間に予め定められた割合を掛けた延長時間を加算して、前記測光受光時間を漸増させる制御部と
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記測光信号に基づいて被写体の輝度情報を算出する算出部を備え、
前記算出部は、前記測光受光時間が予め定められた許容受光時間を超えるまでは前記輝度情報を算出しない請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記測光受光時間が前記許容受光時間を超えるまでは、予め取得された前記輝度情報に基づいて前記撮像受光動作を実行し、前記測光受光時間が前記許容受光時間を超えてからは、前記算出部が算出した前記輝度情報を逐次適用して前記撮像受光動作を実行する請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記輝度情報として少なくとも第1輝度情報と第2輝度情報を算出し、前記測光受光時間が前記許容受光時間として予め定められた第1許容受光時間を超えるまでは前記第1輝度情報を算出せず、前記許容受光時間として予め定められた第2許容受光時間を超えるまでは前記第2輝度情報を算出しない請求項2または3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記測光受光時間が前記許容受光時間を超えたか否かにより、前記割合を変化させる請求項2から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、装着された撮像レンズの撮像レンズ情報を取得して前記許容時間を定める請求項2から5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御部は、選択された撮影モードに基づいて前記測光受光時間を漸増させるか否かを決定する請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御部は、選択された撮影モードに基づいて前記割合を変化させる請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御部は、選択された測光モードに基づいて前記測光受光時間を漸増させるか否かを決定する請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記制御部は、選択された測光モードに基づいて前記割合を変化させる請求項1から9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記測光受光時間から、前記目標時間との差である余剰時間に前記割合を掛けた短縮時間を減算して、前記測光受光時間を漸減させる請求項1から10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
被写体像を受光して画像信号を出力する撮像素子と、前記被写体像を受光して測光信号を出力する測光素子とを備える撮像装置の制御プログラムであって、
前記撮像素子が前記被写体像を連続的に受光して前記画像信号を出力する場合に、前記撮像素子による撮像受光動作の間に割り当てられる、前記測光素子が前記被写体像を受光する時間である測光受光時間に、予め定められた目標受光時間との差である不足時間に予め定められた割合を掛けた延長時間を加算して、前記測光受光時間を漸増させる制御ステップをコンピュータに実行させる撮像装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−58834(P2013−58834A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194868(P2011−194868)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】