説明

撮像装置

【課題】本発明は、ユーザの直感に合致したフォーカス動作を行わせることができるとともに、操作入力の幅を拡大でき、操作入力が容易な撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】撮影レンズと、撮像素子と、画像表示手段とを有する撮像装置であって、
該撮像装置の2軸方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記撮像装置の傾き状態を検出する傾き検出手段と、
前記撮像装置の角速度を検出する角速度検出手段と、
前記加速度が所定加速度を超えたときには、前記2軸方向に対して操作が与えられたと判定し、前記傾き検出手段により回転方向の傾きを検出したときには、ロール方向の操作が与えられたと判定し、前記角速度検出手段により回転運動を検出したときには、ピッチ方向又はヨー方向の操作が与えられたと判定する操作判定手段と、
該操作判定手段の判定に応じて、前記撮影レンズの前記フォーカス位置を設定するフォーカス制御手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、特に、焦点状態を変化させるためにフォーカス位置を移動できる撮影レンズと、該撮像レンズを介して入射される被写体光像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子により光電変換された被写体画像をモニタリングする画像表示手段とを有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルカメラのコンパクト化に伴い、操作ボタン等の配置スペースが不足しているが、操作ボタンを小さくすると、操作性が悪くなるという問題があった。そこで、カメラの動きや姿勢・振動を検出することで、カメラの操作ボタンと同等な指令信号を出力し、カメラの操作を容易にする撮像装置の提案がなされている。
【0003】
しかしながら、このような撮像装置において、ユーザが意図しない動作をし、ユーザの操作指示を誤認する不具合が発生する場合がある。このような誤動作を防止するため、検出有効スイッチがオンの場合のみ、カメラの動きと姿勢を検出し、各動きと姿勢に対応した指示が行われるようにした動き/姿勢入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、検出有効スイッチがオンとなっている場合の操作入力の方法は限定的であり、登録された動き/姿勢パターンと一致するか否かによって操作入力の有無を判断するため、操作入力の数が増えると、動き/姿勢パターンも複雑となり、必ずしもユーザの直感的な操作と一致しない場合が多く、操作方法を覚えるにも労力を要するという問題があった。
【0005】
また、動き/姿勢パターンによる操作を行う場合でも、検出有効スイッチをオンにする必要があり、直感的で直接的な操作を行うことが困難であるという問題があった。また逆に、検出有効スイッチを常にオンとすると、結局誤動作が増加してしまうという問題があった。
【0006】
更に、特許文献1では、動き/姿勢パターンによる指示が多岐に亘り、撮影モードと再生モードの切り替え操作や、各モードでの環境設定への移行操作というように、全く関連性の無い操作についても動き/姿勢パターンによる指示で行うので、大きな誤動作が発生し易く、きめ細かな操作を行い難いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザの直感的な操作イメージに合致したフォーカス動作を行わせることができるとともに、操作入力の幅を拡大することができ、操作入力が容易な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る撮像装置は、焦点状態を変化させるためにフォーカス位置を移動できる撮影レンズと、該撮像レンズを介して入射される被写体光像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子により光電変換された被写体画像をモニタリングする画像表示手段とを有する撮像装置であって、
該撮像装置の撮影光軸に垂直な平面の2軸方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記撮像装置の傾き状態を検出する傾き検出手段と、
前記撮像装置の撮影光軸を含む直交する2平面上の角速度を検出する角速度検出手段と、
前記加速度検出手段により検出された前記加速度が所定加速度を超えたときには、前記2軸方向に対して操作が与えられたと判定し、前記傾き検出手段により前記撮影光軸を中心とする回転方向の所定角度を超える傾きを検出したときには、ロール方向の操作が与えられたと判定し、前記角速度検出手段により前記撮影光軸が上下又は左右方向に変化する所定角速度を超える回転運動を検出したときには、ピッチ方向又はヨー方向の操作が与えられたと判定する操作判定手段と、
該操作判定手段の判定に応じて、前記撮影レンズの前記フォーカス位置を設定するフォーカス制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
これにより、多様な操作入力が可能となり、フォーカス位置の設定を簡素化された操作で容易に行うことができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に係る撮像装置において、
前記操作判定手段は、判定を行う各方向について、未操作状態から操作状態を検出したときに、各方向が正負の何れかの向きに操作されたかを判定し、
前記フォーカス制御手段は、前記操作判定手段が判定した正負の向きに応じて前記フォーカス位置を移動させることを特徴とする。
【0011】
これにより、正負の向きも考慮してフォーカス位置を定めることができ、簡素な操作によりきめ細かいフォーカス設定が可能となる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明に係る撮像装置において、
前記操作判定手段が判定した各方向の正負の向きを、前記画像表示手段に表示することを特徴とする。
【0013】
これにより、ユーザが行っている操作入力の状態を確認することができ、誤操作を防止することができる。
【0014】
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明に係る撮像装置において、
前記撮像素子から画像データを取得して、前記撮像素子上の所定領域において画像コントラストの変化状態に基づいて特徴点となる複数のエッジ部を検出し、検出した該エッジ部のうちの1つに対応する位置に前記被写体画像とともに所定のマークを前記画像表示手段に表示するエッジ検出手段を更に有し、
該エッジ検出手段は、前記操作判定手段の判定に基づいて設定されたフォーカス位置に応じて前記マークの位置を移動させ、
前記フォーカス制御手段は、撮影操作が実行されたときに、前記マークの位置にフォーカス位置を固定することを特徴とする。
【0015】
これにより、フォーカス位置のきめ細かな設定が可能となり、撮像対象にフォーカスの合った撮影を行うことができる。
【0016】
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明に係る撮像装置において、
前記フォーカス制御手段は、撮影モードに応じて、前記フォーカス位置の変化量を変更することを特徴とする。
【0017】
これにより、マクロモードや通常モード等の撮影モードを考慮して、適切なフォーカス位置の設定を行うことができる。
【0018】
第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明に係る撮像装置において、
前記フォーカス制御手段は、設定可能なフォーカス位置の最短距離から無限大までフォーカス位置を一定速度で変化させ、前記操作判定手段により所定の操作が与えられたと認識したときに、前記フォーカス位置を固定させる撮影モードを有することを特徴とする。
【0019】
これにより、フォーカス位置の設定を更に簡素化することができ、簡素化された撮影モードにより撮影を行いたいユーザの要請に応えることができる。
【0020】
第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明に係る撮像装置において、
前記操作判定手段は、前記所定加速度、前記所定角度及び/又は前記所定角速度が変更可能であることを特徴とする。
【0021】
これにより、操作判定の感度を下げて誤操作を低減させたり、操作判定の感度を上げてより小さな動作で操作を行ったりする調整が可能となる。
【0022】
第8の発明は、第1〜7のいずれかの発明に係る撮像装置において、
前記操作判定手段は、前記振動操作を叩く操作、前記ロール方向の操作を傾ける操作及び前記ピッチ方向又はヨー方向の操作を振る動作に対応させ、前記叩く操作、前記傾ける操作及び/又は前記振る動作の操作判定のいずれを用いるかを、選択可能であることを特徴とする。
【0023】
これにより、ユーザ側で好みの操作入力を設定することができ、ユーザの設定した好みの操作入力でフォーカス位置の設定を行うことができる。
【0024】
第9の発明は、第1〜8のいずれかの発明に係る撮像装置において、
前記操作判定手段は、前記所定加速度、前記所定角度及び/又は前記所定角速度を複数有し、
前記フォーカス制御手段は、複数の前記所定加速度、前記所定角度及び/又は前記所定角速度に応じて、フォーカスの移動量が異なることを特徴とする。
【0025】
これにより、フォーカス移動量を操作量により制御することができ、きめ細かなフォーカス位置の設定を行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、簡素化された操作で容易にフォーカス位置の設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を適用した実施例に係る撮像装置の外観図の一例を示した図である。図1(A)は、本実施例に係る撮像装置の上面図である。図1(B)は、本実施例に係る撮像装置の正面図である。図1(C)は、本実施例に係る撮像装置の裏面図である。
【図2】本実施例に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの内部構成の一例を示した機能ブロック図である。
【図3】X方向の振動を撮像装置に与える場合の操作方法の一例を示した図である。
【図4】Y方向の振動を撮像装置300に与える操作方法の一例を示した図である。
【図5】振動付与による撮像装置300の操作方法の例を示した図である。
【図6】フォーカス変更方法の設定メニュー270の一例を示した図である。
【図7】本実施例に係る撮像装置300の機能ブロック図である。
【図8】本実施例に係る撮像装置300の操作フローの一例を示した図である。
【図9】振動によるフォーカスパルス値の変更方法の処理フロー図である。
【図10】複数の閾値を用いて、振動レベルに応じたフォーカスパルス変化量の決定を行う処理フローの一例を示した図である。
【図11】フォーカスが合っていない状態のモニタ画像の一例を示した図である。
【図12】フォーカスが合っている状態のモニタ画像の一例を示した図である。
【図13】エッジ検出値を記憶し、それらを選択する撮影モードの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0029】
図1は、本発明を適用した実施例に係る撮像装置の外観図の一例を示した図である。本実施例に係る撮像装置は、種々のカメラに適用することができるが、本実施例においては、デジタルカメラに本発明を適用した例について説明する。
【0030】
図1(A)は、本実施例に係る撮像装置の上面図であり、図1(B)は、本実施例に係る撮像装置の正面図であり、図1(C)は、本実施例に係る撮像装置の裏面図である。
【0031】
図1(A)に示すように、撮像装置の上面には、レリーズスイッチSW1と、モードダイヤルスイッチSW2と、サブ液晶ディスプレイ10が備えられている。
【0032】
図1(B)に示すように、撮像装置の正面には、ストロボユニット30と、光学ファインダ40(表面側)と、距離測定ユニット50と、リモートコントロール受光部60と、鏡胴ユニット70とが備えられている。鏡胴ユニット70は、フォーカス位置を移動できる撮影レンズを含んでいる。また、撮像装置の側面には、メモリカード/電池収容室の蓋20が備えられている。
【0033】
図1(C)に示すように、撮像装置の背面には、光学ファインダ40(背面側)と、AF(Auto Focus)発光ダイオード80と、ストロボ発光ダイオード90と、液晶モニタ(画像表示手段)100と、広角ズームスイッチSW3と、望遠方向ズームスイッチSW4と、セルフタイマスイッチSW5と、メニュースイッチSW6と、上移動・ストロボセットスイッチSW7と、右移動スイッチSW8と、下移動・マクロスイッチSW9と、左移動・画像確認スイッチSW10と、ディスプレイスイッチSW11と、OKスイッチSW12と、電源スイッチSW13とが備えられている。画像表示手段100は、種々のディスプレイが適用されてよいが、例えば、液晶ディスプレイが適用されてもよい。
【0034】
図1に示した撮像装置の外観における構成及び各部品の機能については公知であるので、その説明は省略する。
【0035】
図2は、本実施例に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの内部構成の一例を示した機能ブロック図である。図1と同様の構成要素には、同一の参照符号を付している。まず、図1及び図2を用いて、デジタルカメラの構成及び機能について説明する。
【0036】
デジタルカメラは、鏡胴ユニット70と、CCD(Charge Coupled Device)110と、F/E(Front End、フロントエンド)−IC120と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory、シンクロナスDRAM)130と、デジタルスチルカメラプロセッサ140と、RAM160と、サブCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)180と、加速度センサ190と、音声記録ユニット200と、音声再生ユニット210と、ビデオジャック220と、内蔵メモリ230と、メモリカードスロットル240と、USB(Universal Serial Bus)コネクタ250と、LCDモニタ(画像表示手段)10と、ストロボ発光部30とを備える。
【0037】
鏡胴ユニット70は、被写体の光学画像を取り込む手段である。鏡胴ユニット70は、ズーム光学系71と、フォーカス光学系72と、絞りユニット73と、メカシャッタユニット74とを有する。ズーム光学系71は、ズームレンズ71aとズームモータ71bとを備え、フォーカス光学系72は、フォーカスレンズ72aとフォーカスモータ72bとを備える。また、絞りユニット73は、絞り73aと絞りモータ73bとを備え、メカシャッタユニット74は、メカシャッタ74aとメカシャッタモータ74bとを備える。鏡胴ユニット70は更に、ズームモータ71b、フォーカスモータ72b、絞りモータ73b及びメカシャッタモータ74bを駆動するモータドライバ75を有する。
【0038】
モータドライバ75は、リモコンブロック受光部60からの入力や、図1に示した操作スイッチSW1〜SW13からなる操作キーユニット181の操作入力に基づき、デジタルカメラプロセッサ140内にあるCPUブロック143からの駆動指令により駆動される。本実施例に係る撮像装置においては、リモコンブロック受光部60からの入力や、操作キーユニット181からの操作入力以外に、ユーザによる撮像装置の振動や傾き、回転動作からの入力に基づいてもCPUブロック143はモータドライバ75に駆動指令を出力するが、その点については後述する。
【0039】
ROM(Read Only Memory)170は、CPUブロック143で解読可能なコードで記述された制御プログラムや、制御を実行するためのパラメータが格納されている。デジタルカメラの電源がオン状態になると、ROM170に記憶された制御プログラムはSDRAM130にロードされる。CPUブロック143は、SDRAM130にロードされた制御プログラムに従って撮像装置各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を、一時的にRAM160と、後述するデジタルスチルカメラプロセッサ140内のローカルSRAM(Static Random Access Memory)144に保存する。ROM170に書き換え可能なフラッシュROMを使用することで、制御プログラムや制御を行うためのパラメータを変更することが可能となり、機能のバージョンアップを容易に行うことができる。
【0040】
CCD110は、被写体光像を光電変換するための固体撮像素子である。F/E−IC120は、CDS121と、AGC122と、A/D変換器123と、TG124とを有する。CDS121は、画像ノイズ除去用相関二重サンプリングを行う手段である。AGC122は、利得調整を行う手段である。A/D変換器123は、アナログ信号をデジタル信号に変換する手段である。TG124は、デジタルスチルカメラプロセッサ140内のCCD1制御ブロック141より、垂直同期信号及び水平同期信号を供給され、CPUブロック143により制御されるCCD110及びF/E−IC120の駆動タイミング信号を発生する手段である。
【0041】
デジタルスチルカメラプロセッサ140は、デジタルカメラの種々の制御動作を行う手段である。デジタルスチルカメラプロセッサ140は、CCD1制御ブロック141と、CCD2制御ブロック142と、CPUブロック143と、ローカルSRAM144と、USBブロック145と、シリアルブロック146と、JPEG CODECブロック147と、リサイズブロック148と、TV信号表示ブロック149と、メモリカードコントローラブロック150と、IC(Inter Integrated Circuit)ブロック151とを備える。
【0042】
CCD1制御ブロック141は、CCD110からF/E−IC120を経て出力された出力データ信号に、欠陥画素補正、スミア補正、シェーディング補正等の補正を行い、オートフォーカス、自動露出、オートホワイトバランス等の評価値を算出する画像信号補正手段である。また、CCD1制御ブロック141は、上述のように、垂直同期信号及び水平同期信号を、F/E−IC120のTG124に供給する機能も有する。
【0043】
CCD2制御ブロック142は、フィルタリング処理により、補正後の画像信号データを、輝度データ及び色差データへの変換を行うデータ変換手段である。CPUブロック143は、撮像装置各部の動作を制御する制御手段である。ローカルSRAM144は、制御に必要なデータ等を、一時的に保存する記憶手段である。USBブロック145は、パーソナルコンピュータ等の外部機器とUSB通信を行う通信手段である。よって、USBブロック145は、外部のUSBコネクタ250と接続可能に構成されている。シリアルブロック146は、パーソナルコンピュータ等の外部機器とシリアル通信を行う通信手段である。JPEG CODECブロック147は、JPEGの圧縮及び伸張を行うデータ圧縮・解凍手段である。リサイズブロック148は、画像データのサイズを補間処理により拡大及び/又は縮小する画像サイズ変更手段である。
【0044】
TV信号表示ブロック149は、画像データを液晶モニタ100や、テレビ等の外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換する手段である。よって、TV信号表示ブロック149は、液晶モニタ100や、ビデオジャック220に接続されてよい。なお、液晶モニタ100を駆動する液晶ドライバ101が、液晶モニタ100とTV信号表示ブロック149との間に備えられていてよい。また、ビデオジャック220とTV信号表示ブロック149との間に、ビデオ信号を増幅するビデオアンプ221が備えられてよい。
【0045】
メモリコントローラブロック150は、撮影された画像データを記録するメモリカード241の制御を行うためのメモリカード制御手段である。なお、メモリカードコントローラブロック150は、メモリカード241を装着するメモリカードスロットル240に接続されていてよい。メモリカードスロットル240は、着脱可能なメモリカード241を装着するためのスロットルである。
【0046】
Cブロック145は、接続された加速度センサとのシリアル通信を高速に行うためのインターフェース手段である。AD変換器152は、接続されたジャイロセンサ260から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換手段である。なお、AD変換器152とジャイロセンサ260との間には、低周波数領域の信号を通過させつつ信号の増幅を行うLPF−アンプ261が備えられてよい。
【0047】
加速度センサ190は、2軸についての加速度を検出する加速度検出手段である。加速度センサ190は、例えば、鏡胴ユニット70のプリント回路基板(PCB、Printed Circuit Board)上に実装されてよい。加速度センサ190は、2軸X、Yの加速度データ(X,Y)を検出し、デジタルスチルカメラプロセッサ140のICブロック151に送出する。デジタルスチルカメラプロセッサ140は、ICブロック151を介して加速度センサ190から与えられたデータを基に、ロール角等の傾き情報を、例えばCPUブロック143により演算し、液晶モニタ100等に表示する。このとき、CPUブロック143は、傾き算出手段として機能し、加速度センサ190及びCPUブロック143は、傾き検出手段として機能する。なお、加速度センサ190の水平に対するロール角θは、(1)式のように表される。
【0048】
【数1】

なお、(1)式において、X0、Y0は2軸X、Yの加速度データ(X,Y)であり、G
0は重力ゼロ時の出力を意味する。加速度センサ190は、常に重力加速度を感知してお
り、その差分で振動や傾きを検出する。水平の場合は、1軸のみに重力が加わるが、傾いているときには、重力が2軸に分散されるため、2軸のそれぞれに加わる重力の割合で、ロール方向の傾きθを検出する。よって、加速度センサ190は、重力加速度センサ190と呼んでもよく、重力加速度検出手段として機能してよい。
【0049】
ジャイロセンサ260は、軸に対する回転方向の速度(角速度)を検出する角速度検出手段であり、例えば、2軸のジャイロセンサが適用され、ピッチ(Pitch)方向とヨー(Yaw)方向へ回転する速度を検出してよい。また、ジャイロセンサ260は、デジタルカメラ本体に設置されてよい。ジャイロセンサ260の検出出力は、LPF−アンプ261を介して、AD変換器152に入力される。AD変換器152は、ジャイロセンサ260からの出力を一定間隔で取り込んでAD変換する。
【0050】
SDRAM130は、上述したデジタルスチルカメラプロセッサ140で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、RAW−RGB画像データ131や、YUV画像データ132や、JPEG画像データ133等である。RAW−RGB画像データ131は、CCD110から、F/E−IC120を経由して取り込んで、CCD1制御ブロック141で上述の各種補正が行われた状態の画像データである。YUV画像データ132は、輝度データ・色差データ変換が行われた状態の画像データである。JPEG画像データ133は、JPEG CODECブロック147でJPEG圧縮された状態の画像データである。
【0051】
内蔵メモリ230は、上述したメモリカードスロットル240にメモリカード241が装着されていない場合でも、撮影した画像データを記憶できるようにするためのメモリである。
【0052】
液晶モニタ100は、撮影前に被写体の状態を監視したり、撮影した画像を確認したり、メモリカード241や内蔵メモリ230に記録した画像データを表示する、等を行うための画像表示手段である。
【0053】
ビデオアンプ221は、TV表示ブロック149から出力されたビデオ信号を、75〔Ω〕インピーダンス変換するためのアンプである。ビデオジャック220は、TV等の外部表示機器と接続するためのジャックである。USBコネクタ250は、パーソナルコンピュータ等の外部機器とUSB接続を行うための接続手段である。
【0054】
サブCPU180は、ROMとRAMをワンチップに内蔵したCPUであり、操作Keyユニット(SW1〜SW13)181の出力信号をユーザの操作情報として、CPUブロック143に出力する。操作Keyユニット181は、ユーザが操作するKey回路である。
【0055】
ストロボ発光部30及びストロボ回路31は、自然光等の光が足りない場合に、光量を補う手段である。暗い場所や被写体が暗い場合の撮影においては、デジタルスチルカメラプロセッサ140からストロボ回路31にストロボ発光信号を送信し、ストロボ回路31は、ストロボ発光部30を発光させ、被写体を明るくする。
【0056】
音声記録ユニット200は、音声を記録する手段であり、マイク203と、マイクアンプ202と、音声記録回路201とを有する。マイク203は、ユーザが音声信号を入力するための手段である。マイクアンプ202は、入力された音声信号を増幅する手段である。音声記録回路201は、増幅された音声信号を記録する手段である。
【0057】
音声再生ユニット210は、記録された音声を再生する手段であり、音声再生回路211と、オーディオアンプ202と、スピーカ203とを有する。音声再生回路211は、記録された音声信号を、スピーカ203から出力できる信号に変換する手段である。オーディオアンプ212は、変換された音声信号を増幅し、スピーカ203を駆動する手段である。スピーカ203は、音声信号を出力する手段である。
【0058】
次に、このような構成を有するデジタルカメラを例にして、本実施例に係る撮像装置の動作の例について説明する。
【0059】
まず、振動検出時の動作について説明する。振動は、加速度センサ190により検出を行う。加速度センサ190により、2軸のX、Y方向の加速度の検出が行われ、検出結果が得られる。加速度センサ190がX、Y方向から振動を検出すると、検出したX、Y方向の加速度データをICブロック151からCPUブロック143に出力する。CPUブロック143は、X、Y方向の加速度がそれぞれ予め設定した所定値(閾値)を超えた場合、各方向に対して、振動操作が与えられたと判定する。よって、CPUブロック143は、振動操作の有無を判定するので、操作判定手段として機能する。なお、ここで、X、Y方向は、デジタルカメラの撮影光軸をZ軸としたときに定まるX、Y方向、つまり、撮影光軸に垂直な平面上におけるX、Y方向と考えてよい。また、上述の(1)式により算出されるロール方向は、撮影光軸に垂直な平面上で回転する方向であり、X、Y平面内の回転である。
【0060】
更に、ジャイロセンサ260から得られるピッチ方向及びヨー方向の回転速度の検出結果から、それぞれの方向への回転が検出できる。ここで、ピッチ方向は、撮影光軸が上下方向に変化する方向であり、ヨー方向は、撮影光軸が左右方向に変化する方向である。
【0061】
次に、図3乃至図5を用いて、ユーザが撮像装置に振動を与えて操作を行う操作方法の例について説明する。
【0062】
図3は、X方向の振動を撮像装置に与える場合の操作方法の一例を示した図である。図3において、撮像装置300と、ユーザの指310が示されている。撮像装置300は、図1(C)において説明した構成と同様であるので、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
図3において、ユーザの指310が、撮像装置300を水平方向に軽く叩いて、撮像装置300に振動を与えている。これにより、撮像装置300には、水平方向に断続的な力が付与されるので、水平方向の加速度が発生し、これを加速度センサ190により検出することができる。この場合、撮影光軸に垂直な平面上の横方向が、X方向ということになる。このように、本実施例に係る撮像装置300の操作方法は、X方向から軽く叩くことで、撮像装置300に振動を与える操作としてもよい。なお、このような、X方向に振動が与えられたことによる操作付与の判定は、加速度センサ190がX方向の加速度が所定加速度の閾値を超えたことを、CPUブロック143が認識することにより行われてよい。
【0064】
図4は、Y方向の振動を撮像装置300に与える操作方法の一例を示した図である。図4においても、撮像装置300とユーザの指310が示されているが、撮像装置300の構成は、図1及び図3と同様であるので、その説明を省略する。
【0065】
図4においては、指310が撮像装置300の上方に位置し、撮像装置300の上方から下方に向けて軽く指310で撮像装置300を叩いた例が示されている。この場合においても、撮像装置300には、上方向から断続的に力が付与され、鉛直方向の加速度が変化する。この場合、撮影光軸に垂直な平面上の鉛直方法がY方向に該当する。よって、Y方向の加速度センサ190は、加速度の発生を検出し、加速度が所定加速度の閾値を超えたときには、Y方向に振動操作が与えられたと判定することができる。その際、操作付与の判定は、CPUブロック143で行ってよいことは同様である。
【0066】
図3及び図4において、例えば、図3のように、X方向に振動を与えた場合に、フォーカスを遠くへ移動させ、図4のように、Y方向に振動を与えた場合に、フォーカスを近くに移動させる、というように操作による指示を予め定めておくと、ユーザは、撮像装置300のX方向又はY方向への振動の付与により、撮像装置300のフォーカス位置を移動操作することができる。このような操作であれば、ユーザも簡単であり、また水平方向と鉛直方向の信号を誤認する可能性は少ない。図3及び図4の叩く動作により、撮像装置300を操作する場合には、ユーザが、叩く操作という操作モードを選択し、加速度センサ190及びCPUブロック143が、X方向とY方向の加速度から操作判定を行い、その判定結果に応じて、モータドライバ75がフォーカスモータ72bを駆動するようにすれば、叩く操作により、フォーカス調整を行うことができる。
【0067】
図5は、振動付与による撮像装置300の操作方法の例を示した図である。図5においても、撮像装置300の構成は、図1、図3及び図4と同様であるので、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0068】
図5において、撮像装置300を、ピッチ方向に振る動作と、ヨー方向に振る動作が示されている。撮像装置300をピッチ方向に振る操作は、撮影光軸が、上下方向(鉛直方法)、つまりY方向に振動する動作となる。また、撮像装置300をヨー方向に振る操作は、撮影光軸が、左右方向(水平方向)、つまりX方向に振動する動作となる。
【0069】
ピッチ方向の操作については、ピッチ方向の運動は、撮像光軸を含む鉛直面で切った場合に、当該鉛直面上での回転運動をしているので、ジャイロセンサ260で回転速度の発生を検出することができる。また、検出される回転速度は、周期的に正負の向きを変えて検出されるので、ピッチ方向の操作ということを明確に認識することができる。
【0070】
更に、ピッチ方向の運動については、加速度センサ190でY方向の加速度の発生が検出できるとともに、それらの加速度の方向が、周期的に正負の向きを変える振動的な動作として検出することができるので、この動きも必要に応じて操作判定に利用してもよい。つまり、加速度センサ190と、ジャイロセンサ260の検出結果を統合し、更に正負の向きをも考慮することにより、ピッチ方向に振る操作であるということを、更に明確に判定することができる。
【0071】
また、ヨー方向に撮像装置300を振る操作については、撮影光軸を含む水平面で切った場合には、撮像装置300は、当該水平面上での回転運動を行うので、ジャイロセンサ260で回転速度の発生と、回転速度の正負の向きの周期的な変化を検出することができる。また、ヨー方向の運動は、撮影光軸がX方向に振動する動作を伴うので、X方向の加速度を検出する加速度センサ190により、加速度の発生及び正負の向きの周期的な変化を検出することも可能である。ヨー方向の操作に伴うこれらの運動を考慮して、ジャイロセンサ260、又は必要に応じてジャイロセンサ260と加速度センサ190の双方の検出結果を用いてCPUブロック143でヨー方向の振る動作を認識すれば、正確にヨー方向の操作が付与されている状態を判定することができる。
【0072】
このように、ジャイロセンサ260は、撮影光軸を含む鉛直面でピッチ方向の角速度を検出し、撮影光軸を含む水平面でヨー方向の角速度を検出してよく、撮影光軸を含む直交する2平面上での角速度を検出する。
【0073】
例えば、ピッチ方向に撮像装置300を振る操作がなされた場合に、フォーカス位置を遠くへ移動させる動作を割り当て、ヨー方向に撮像装置300を振る操作がなされた場合に、フォーカス位置を近くへ移動させる動作を割り当てることにより、ユーザは、ピッチ方向に撮像装置300を振る動作とヨー方向に撮像装置300を振る動作とを用いて、フォーカス位置の操作を行うことができる。ピッチ方向の振る動作と、ヨー方向の振る動作は、撮像装置300を振動させる方向が90度異なるので、ユーザは操作を覚えやすく、かつ簡単に操作を行うことができる。また、操作を認識する撮像装置300側では、ピッチ方向に振られる運動と、ヨー方向に振られる運動では、検出する加速度センサ190及びジャイロセンサ260の方向が全く異なり、異なる軸の加速度センサ190及びジャイロセンサ260による検出となるので、誤動作のおそれを低減させることができる。
【0074】
更に、ロール方向に撮像装置300を傾ける操作については、(1)式を用いることにより、加速度センサ190の水平面に対するロール角θを求めることができる。このように、加速度センサ190の検出結果を用いて、ロール方向の操作が付与されたことを判定することができる。ロール方向の操作の場合、例えば、時計廻りの向きのロール方向の操作と判定された場合には、フォーカス位置を遠くへ移動させ、反時計廻りの向きのロール方向の操作と判定された場合には、フォーカス位置を近くへ移動させる動作を割り当てるようにしてよい。このように、ロール方向の操作の正負の向きに応じてフォーカス位置の移動を割り当てることにより、簡素な操作で容易にフォーカス調整を行うことができる。
【0075】
このように、本実施例に係る撮像装置300によれば、図3乃至図5において説明したように、ユーザが、方向や向きが明確に異なる撮像装置300を叩く操作、振る操作、傾ける操作を行うことにより、簡素な操作で誤動作なくフォーカス調整を行うことができる。
【0076】
図6は、フォーカス変更方法の設定メニュー270の一例を示した図である。図6において、フォーカス変更方法の設定メニュー270は、オンスイッチ271と、オフスイッチ272と、選択モード表示灯273〜276を有する。オンスイッチ271は、振動による操作をオン状態にするスイッチである。オフスイッチ272は、振動による操作をオフ状態にするスイッチである。
【0077】
ユーザは、まずオンスイッチ271とオフスイッチ272の何れを選択するかで、振動付与操作によるフォーカス調整を行うか否かを選択することができる。オフスイッチ272を選択した場合には、ボタン操作モード表示灯276が点灯し、ユーザはボタンによるフォーカス調整を行うモードとなる。
【0078】
一方、ユーザがオンスイッチ271を選択した場合には、傾ける操作モード表示灯273、振る操作モード表示灯274又は叩く操作モード表示灯275の何れかが点灯し、何れの操作モードが選択されているかを表示する。図6においては、傾ける操作モード表示灯273が点灯しているので、傾ける操作モード状態にあり、ロール方向に撮像装置300を傾けることにより、フォーカス位置を移動させることができる操作状態となっている。このような操作モードの切り替えは、例えば、オンスイッチ271を順次押す度に、選択されている操作モードが移動し、選択されている操作モード表示灯273〜275が順次点灯するような構成としてもよい。
【0079】
また、操作方法を、複数選択することが可能なように構成したい場合には、操作モード表示灯273〜275を、操作モード選択ボタン273〜275として構成し、選択する操作モード選択ボタン273〜275を押すことにより、複数の操作モードを併用することを可能な構成としてもよい。
【0080】
例えば、フォーカス変更方法の設定メニューの選択例として、振動による操作を選択した場合に、画角を大きく変えたくない状況では、振る操作を選択せず、傾きによる操作を行えば、画角の変化をあまり気にする必要が無くなる。また、直感的に分かり易い操作を望む場合には、前に倒すピッチ方向の操作でフォーカス位置が移動する、振る動作による操作を選択するとよい。このように、本実施例に係る撮像装置300によれば、操作の選択肢が広がることで、それぞれの状況に応じて操作方法を使い分けることが可能となる。
【0081】
次に、図7を用いて、本実施例に係る撮像装置300の、振動による操作に関係する構成要素を抜き出した機能ブロック図について説明する。図7は、本実施例に係る撮像装置300の機能ブロック図である。なお、図1乃至図6に対応する構成要素は、同一の参照符号を用いている。
【0082】
図7において、本実施例に係る撮像装置300は、撮影レンズ72aと、撮像素子110と、液晶モニタ100と、重力加速度検出手段190と、角速度検出手段260と、傾き検出手段280と、操作判定手段290と、フォーカス制御手段291とを含む。そして、撮像装置300は、必要に応じて、フォーカス変更設定メニュー270と、エッジ検出手段292とを備えてよく、関連構成要素として、モータドライバ75と、フォーカスモータ72bとを備えてよい。このうち、傾き検出手段280と、操作判定手段290と、フォーカス制御手段291と、エッジ検出手段292とは、CPUブロック143内に備えられていてよい。
【0083】
撮影レンズ72bは、図2のフォーカスレンズ72bに対応する。本実施例に係る撮像装置300においては、振動による操作によりフォーカス位置の調整を行うので、フォーカスレンズ72bを抽出している。撮像素子110は、図2のCCD110に対応する。撮像素子110は、CCD110の他、CMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)等のカメラが適用されてもよい。液晶モニタ100は、液晶モニタ100が対応する。液晶モニタ100は、液晶に限らず、種々のディスプレイを適用してよい。また、液晶モニタ100には、モニタ画像のみならず、操作判定手段290で判定された振動による操作の正負の方向も表示するようにしてよい。これにより、ユーザは自分の操作状態を正確に認識することができる。
【0084】
重力加速度検出手段190は、今まで説明した加速度センサ190に対応し、角速度検出手段260は、ジャイロセンサ260に対応する。また、傾き検出手段280は、重力加速度検出手段190の検出結果に基づいて、(1)式を用いて演算処理を行い、撮像装置300の傾きを算出する手段である。傾き検出手段280は、本実施例においては、加速度データから傾きを算出する手段を用いているが、撮像装置300の傾きを検出する手段であれば、他の直接的に傾きを求められるセンサ等が適用されてもよい。
【0085】
操作判定手段290は、重力加速度検出手段190で検出された2軸方向の加速度、角速度検出手段260で検出された角速度及び傾き検出手段280で検出された傾き角度に基づいて、撮像装置300に振動による操作が行われたか否かを判定する手段である。具体的には、図2乃至図5で説明した内容の演算処理を行い、操作判定を行う。なお、振動による操作は、撮像装置300をX、Y方向に叩いて振動を発生させる操作だけでなく、ロール方向に傾ける操作と、ピッチ方向又はヨー方向に振る動作も広義に含むものとする。また、操作判定手段は、振動検出手段と呼んでもよいものとする。
【0086】
フォーカス制御手段291は、操作判定手段290により、振動による操作があったと判定されたときに、操作判定に対応してフォーカス位置を移動させる制御を行う手段である。具体的には、図2乃至図5において説明したような動作を行うように、制御演算処理を行えばよく、モータドライバ75に指令を送ることにより、撮影レンズ72aのフォーカス位置を制御する。フォーカス制御手段291は、操作判定手段290による正負の動きについても、対応するフォーカス制御を行うようにしてよい。
【0087】
モータドライバ75は、フォーカス制御手段291からの指令に基づいて、フォーカスモータ72bを駆動させ、フォーカス位置の移動を実行する。
【0088】
エッジ検出手段292は、被写体の特徴点となるエッジ部を検出する手段であり、必要に応じて設けられてよい。エッジ部は、背景との境界部であることが多く、コントラストが大きく変化する部分である場合が多いので、撮像素子110で得られた画像データの所定領域について、コントラストの変化状態に基づいて検出してもよい。エッジ検出手段292は、その他、種々のエッジ検出の方法を用いて、被写体のエッジ検出を行うようにしてよい。なお、エッジ検出手段292を用いた具体的な撮像装置300の動作は、後述する。
【0089】
傾き検出手段280、操作判定手段290、フォーカス検出手段291及びエッジ検出手段292は、演算処理により各機能を果たすので、演算処理手段であるCPUブロック143に含まれている。これらは、必ずしもCPUブロック143内に設けられる必要は無く、単独で設けられてもよい。但し、省スペースを図る観点から、本実施例においては、CPUブロック143にこれらの手段が搭載された例を挙げて説明するものとする。また、以後、CPUブロック143により実行される内容については、個別の各処理手段280、290、291、292を記載していなくても、図7に示した関係を前提として、動作が行われているものとする。
【0090】
次に、図8を用いて、本実施例に係る撮像装置300の操作フローについて説明する。図8は、本実施例に係る撮像装置300の操作フローの一例を示した図である。
【0091】
ステップ100では、マニュアルフォーカス時に、振動検知モードがオンになっているか否かの判断を行う。振動検知モードがオンの場合にはステップ110に進み、振動検知モードがオフの場合には、ステップ150に進む。
【0092】
ステップ150では、通常通り、ボタンによる操作により、フォーカス位置の設定を行う。
【0093】
一方、ステップ110では、予めユーザが選択した操作方法が何であるかの判定を行う。ユーザの操作方法の選択は、図6において説明したように、フォーカス変更方法の設定メニュー270により選択されてよい。また、選択された操作方法は、CPUブロック143内の操作判定手段290に通知され、操作判定手段290において、選択されている操作方法が何であるかの判断を行うようにしてよい。
【0094】
ステップ110において、傾ける操作が選択されていると判定された場合には、ステップ120に進む。また、振る操作が選択されていると判定された場合には、ステップ130に進む。更に、叩く操作が選択されていると判定された場合には、ステップ150に進む。
【0095】
ステップ120では、X、Y方向の傾き情報を検出する。傾き情報は、加速度検出手段である加速度センサ190の検出結果に基づいて、CPUブロック143内の傾き検出手段280により、(1)式を用いて算出されてよい。これにより、ロール方向の傾き情報を得ることができる。また、ロール方向の傾き情報から、傾ける操作に該当するか否かの判定は、傾き角度が閾値である所定角度を超えているか否かに基づいて、CPUブロック143内の操作判定手段290が判定する。
【0096】
ステップ130では、角速度検出手段であるジャイロセンサ260により、ピッチ方向及び/又はヨー方向の角速度を検出し、CPUブロック143内の操作判定手段290にて、振る操作に該当するか否かを判定する。振る操作に該当するか否かの判断は、例えば、角速度が閾値である所定角速度を超えているか否かに基づいて判定を行うようにしてもよい。
【0097】
ステップ140では、加速度検出手段である加速度センサ190により、X、Y方向の振動を加速度により検出し、CPUブロック143内の操作判定手段290において、叩く操作に該当するか否かを判定する。叩く操作に該当するか否かの判定は、加速度が閾値である所定加速度を超えているか否かにより行うようにしてよい。
【0098】
ステップ160では、ステップ120〜150の指示に従い、フォーカス移動の操作を実行する。フォーカス移動は、予め設定された対応関係に従い、認識した操作に対応したフォーカス移動を行う。なお、フォーカス移動の制御は、CPUブロック143内のフォーカス制御手段291により行われてよい。
【0099】
ステップ170では、フォーカス位置を決定して良いか否かが、ユーザにより判断される。ユーザがフォーカス位置を決定してよいと判断すれば、ステップ180に進む。一方、フォーカス位置をまだ決定できないと判断された場合には、ステップ110に戻り、フォーカス調整のための操作を繰り返す。
【0100】
ステップ180では、撮影が行われ、操作フローを終了する。
【0101】
本実施例に係る撮像装置300によれば、ユーザは、通常のボタンによる操作と、振動検出による操作を選択することができるとともに、振動検出による操作は、種々の操作から状況やユーザの好みに応じて選択することができ、柔軟な操作環境を提供できる。
【0102】
また、本実施例に係る撮像装置300は、振動による操作を、フォーカス位置の移動に限定しているため、フォーカス位置の設定については、種々のきめ細かな設定制御を行うことができる。以下、その内容の例について説明する。
【0103】
本実施例に係る撮像装置300は、撮影モードに応じて、フォーカスの変化量の設定を変化させることが可能である。例えば、マクロモードで、フォーカスの変化量を細かく設定することができる。フォーカスを手動で合わせる場合、カメラから近い距離をマクロモードで撮影する際、より細かくフォーカスの位置を変更することが望まれる。この点を考慮し、ユーザが一定の振動操作を行った場合、マクロモード時は通常のモード時よりもフォーカスの位置の変化量を細かく設定するようにしてもよい。また、状況に応じて、フォーカス位置の変化量を設定することができる。
【0104】
本実施例に係る撮像装置300は、フォーカス位置が端(最短距離)から端(無限大)まで自動で変化し、所定の操作を行うとフォーカス位置が止まるモードを有してもよい。ユーザの好みや、撮像装置300を使用する状況によっては、マニュアルフォーカスを使用する際、煩わしい操作を行いたくない場合が有り得る。そこで、本実施例に係る撮像装置300においては、設定できるフォーカス位置の最短距離から無限大までを所定速度で変化させ、使用者が所定の操作(例えば、振動を与える、任意のボタンを押す等)を行った場合、その位置でフォーカスが固定されるモードを設けてもよい。これにより、より少ない操作量で使用者が任意のフォーカス位置を設定することができる。
【0105】
本実施例に係る撮像装置300は、操作判断に用いられる閾値を変更して設定することが可能に構成去れてもよい。撮像装置300を操作するユーザの好み又は使用状況によって、操作がなされたと判断する振動検知の認識レベルを変更したい場合がある。そのような場合のため、撮像装置300を叩くときの振動量や、撮像装置300を振るときの角速度の速さ、傾ける際の傾き角度の閾値を変更設定できるように構成してもよい。これにより、操作性の向上及び誤動作の防止を図ることができる。
【0106】
本実施例に係る撮像装置300は、振動や傾き等の検出値に対して閾値を設けることで、フォーカスパルスの変化の有無を決定するようにしてもよい。予めフォーカスパルスの移動量を登録しておくことで、振動や傾き等の操作をフォーカスの設定に利用することができる。更に、ユーザがフォーカスパルスの変化量を認定可能にすることで、マクロ撮影等、状況に応じ使い分けができるとともに、閾値を複数個設けることで、検出値のレベルに応じて、フォーカスパルスの変化量を設定することができる。これにより、ユーザが感覚的にフォーカスを変更することが可能となる。
【0107】
図9は、振動によるフォーカスパルス値の変更方法の処理フロー図である。ステップ200では、強さレベルの閾値を決定する。ステップ210では、撮像装置300に振動を与える。ステップ220では、加速度センサ190からのフォーカスパルスの算出値を取得する。ステップ230では、算出値が所定の閾値以上であるか否かが判断される。ステップ230において、算出値が所定の閾値以上であった場合には、ステップ240に進む。一方、算出値が所定の閾値以内であれば、ステップ250に進む。ステップ240では、フォーカスパルスを一定量変化させ、処理フローを終了する。また、ステップ250では、特にフォーカスパルスに変更を加えず、処理フローを終了する。
【0108】
また、本実施例に係る撮像装置300は、複数の閾値を設けることで、振動レベルに応じた動作をさせることができる。例えば、予め設計者が一定数の閾値を設定しておき、それぞれの段階におけるフォーカスパルス変更量を設定してよい。これにより、ユーザは、好きなレベルで叩く動作や傾ける動作を行うことで、そのレベルに応じた量のフォーカス移動を行うことができ、ユーザの感覚に合った形でフォーカス位置を合わせることができる。
【0109】
図10は、複数の閾値を用いて、振動レベルに応じたフォーカスパルス変化量の決定を行う処理フローの一例を示した図である。
【0110】
ステップ300では、複数の閾値が設定されるとともに、各々の閾値に対応するフォーカスパルスの変化量が定められる。例えば、閾値1、閾値2、閾値3(閾値1<閾値2<閾値3)に順次対応させて、フォーカスパルス変化量FP量1、FP量2、FP量3が、FP量1<FP量2<FP量3となるように定められる。
【0111】
ステップ310では、撮像装置300に振動が与えられる。また、ステップ320では、加速度センサ190からの算出値が取得される。
【0112】
ステップ330では、算出値が閾値1以上か否かが判断される。ステップ330において、算出値が閾値1以上であった場合はステップ350に進み、算出値が閾値1未満であった場合には、ステップ340に進む。
【0113】
ステップ340では、フォーカスパルスの変化量を変化させる処理は特に行われず、そのまま処理フローを終了する。
【0114】
ステップ350では、加速度センサ190からの算出値が閾値2以上であったか否かが判断される。算出値が閾値2以上であった場合にはステップ370に進み、算出値が閾値2未満であった場合にはステップ360に進む。
【0115】
ステップ360では、フォーカスパルスを変化量1のFP量1だけ変化させる処理を行い、処理フローを終了する。
【0116】
ステップ370では、加速度センサ190からの算出値が閾値3以上であったか否かが判断される。算出値が閾値3以上であった場合にはステップ390に進み、算出値が閾値3未満であった場合には、ステップ380に進む。
【0117】
ステップ380では、フォーカスパルスを変化量2のFP量2だけ変化させる処理を行い、処理フローを終了する。
【0118】
ステップ390では、フォーカスパルスを変化量3のFP量3だけ変化させる処理を行い、処理フローを終了する。
【0119】
このように、図10に示した処理フローによれば、複数の閾値を設定し、各々に対応させてフォーカスパルスの変化量を設定することにより、操作のために付与された振動の大きさレベルに応じてフォーカスパルスの変化量を設定することができ、ユーザの操作量の感覚に合致したフォーカス位置の移動を行うことができる。
【0120】
次に、図11及び図12を用いて、フォーカス位置が正しく設定されたことを確かめるために、どのようなフォーカス制御を行うかについて説明する。
【0121】
図11は、液晶モニタ(画像表示手段)10によるモニタ画像の一例を示した図であり、フォーカスが合っていない状態のモニタ画像の一例を示した図である。図11において、人320と、設置物330と、木340がモニタ画像として示されている。本実施例に係る撮像装置300においては、マニュアルフォーカス使用時のフォーカス位置を示すマークを液晶モニタ100上に表示させると、フォーカス位置を変えたときに、マークの位置も変化する機能を有してよい。図11においては、モニタ画像に何らマークが表示されていないので、フォーカスが合っていない状態にある。
【0122】
図12は、フォーカスが合っている状態のモニタ画像の一例を示した図である。図12において、図11と同様のモニタ画像に加えて、人320の顔にマーク271が合わせて表示されている。本実施例に係る撮像装置300は、現状のフォーカス位置でエッジ検出を行い、最もフォーカスが合っていると思われる位置にマーク271を表示する機能を有してよい。また、エッジ検出は、CPUブロック143内のエッジ検出手段292により行われてよい。図12においては、人320の顔をエッジとして認識するとともに、この点にフォーカスが合っている状態が示されている。図11で示したように、どの被写体にもフォーカスが合っていなければ、マーク271は表示出力されないので、フォーカスを合わせたい被写体にマーク271が表示出力されていることにより、所望の被写体に対してフォーカスが合っていることを確認することができる。
【0123】
図13は、フォーカス位置が端(最短距離)から端(無限大)まで変わる際にエッジ検出値を記憶しておき、終了後にそれらを選択する撮影モードを説明するための図である。
【0124】
この撮影モードを利用するためには、予め、フォーカス位置をフォーカス可能な範囲の端(最短距離)から端(無限大)まで変えて、各フォーカスパルス位置でのエッジの検出情報を記憶しておく。そして、総てのフォーカスパルス位置で、所定閾値以上のエッジ量の箇所にマークを表示させ、どこにフォーカスを合わせるのかを選択することができる。
【0125】
図13においては、人320の顔にマーク271、設置物330の前方上方の角2箇所にマーク272、273及び木340の先端にマーク274が表示され、合計4つのエッジが検出されている。なお、エッジの検出は、CCD110等の撮像素子の画像データの所定領域において、コントラストの変化状態に基づいて、特徴点となるエッジ部分を検出するようにしてよい。つまり、エッジ部分は、コントラストの変化が大きくなる部分を含むので、コントラストの変化状態に基づいて、エッジの検出を行うことができる。
【0126】
また、図13において、木340の先端のマーク274が濃いマーク274として表示され、現在のフォーカスは、木340の先端のマーク274の周辺に合っていることが示されている。ユーザが、フォーカスを合わせたい被写体のエッジに、色が濃くなっているマーク274を移動させ、エッジを選択すると、撮像装置300は、選択した箇所のエッジが強かったフォーカスパルスの位置情報を読み出し、フォーカス位置を変更する。なお、エッジの選択は、通常の振動によるフォーカス移動の操作と同様に行ってよい。そして、撮影が開始されたときには、フォーカス位置を固定し、撮影を行うようにしてよい。なお、この操作を行う場合、画角を変えるとエッジ検出値に変化が生じるため、三脚等で撮像装置300を固定するようにしてもよい。
【0127】
このように、本撮影モードを用いれば、ユーザは簡素な操作により容易に目標とする被写体にフォーカスを合わせることができ、適切なフォーカス調整による撮影を容易に行うことができる。
【0128】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0130】
70 鏡胴ユニット
71a、72a レンズ
72 フォーカス光学系
72b フォーカスモータ
75 モータドライバ
100 画像表示手段
110 撮像素子
140 カメラプロセッサ
143 CPUブロック
190 加速度検出手段
260 角速度検出手段
270 フォーカス変更設定メニュー
280 傾き検出手段
290 操作判定手段
291 フォーカス制御手段
292 エッジ検出手段
300 撮像装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0131】
【特許文献1】特開2006−309064号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焦点状態を変化させるためにフォーカス位置を移動できる撮影レンズと、該撮像レンズを介して入射される被写体光像を光電変換する撮像素子と、該撮像素子により光電変換された被写体画像をモニタリングする画像表示手段とを有する撮像装置であって、
該撮像装置の撮影光軸に垂直な平面の2軸方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記撮像装置の傾き状態を検出する傾き検出手段と、
前記撮像装置の撮影光軸を含む直交する2平面上の角速度を検出する角速度検出手段と、
前記加速度検出手段により検出された前記加速度が所定加速度を超えたときには、前記2軸方向に対して操作が与えられたと判定し、前記傾き検出手段により前記撮影光軸を中心とする回転方向の所定角度を超える傾きを検出したときには、ロール方向の操作が与えられたと判定し、前記角速度検出手段により前記撮影光軸が上下又は左右方向に変化する所定角速度を超える回転運動を検出したときには、ピッチ方向又はヨー方向の操作が与えられたと判定する操作判定手段と、
該操作判定手段の判定に応じて、前記撮影レンズの前記フォーカス位置を設定するフォーカス制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記操作判定手段は、判定を行う各方向について、未操作状態から操作状態を検出したときに、各方向が正負の何れかの向きに操作されたかを判定し、
前記フォーカス制御手段は、前記操作判定手段が判定した正負の向きに応じて前記フォーカス位置を移動させることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記操作判定手段が判定した各方向の正負の向きを、前記画像表示手段に表示することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子から画像データを取得して、前記撮像素子上の所定領域において画像コントラストの変化状態に基づいて特徴点となる複数のエッジ部を検出し、検出した該エッジ部のうちの1つに対応する位置に前記被写体画像とともに所定のマークを前記画像表示手段に表示するエッジ検出手段を更に有し、
該エッジ検出手段は、前記操作判定手段の判定に基づいて設定されたフォーカス位置に応じて前記マークの位置を移動させ、
前記フォーカス制御手段は、撮影操作が実行されたときに、前記マークの位置にフォーカス位置を固定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フォーカス制御手段は、撮影モードに応じて、前記フォーカス位置の変化量を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記フォーカス制御手段は、設定可能なフォーカス位置の最短距離から無限大までフォーカス位置を一定速度で変化させ、前記操作判定手段により所定の操作が与えられたと認識したときに、前記フォーカス位置を固定させる撮影モードを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記操作判定手段は、前記所定加速度、前記所定角度及び/又は前記所定角速度が変更可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記操作判定手段は、前記振動操作を叩く操作、前記ロール方向の操作を傾ける操作及び前記ピッチ方向又はヨー方向の操作を振る動作に対応させ、前記叩く操作、前記傾ける操作及び/又は前記振る動作の操作判定のいずれを用いるかを、選択可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記操作判定手段は、前記所定加速度、前記所定角度及び/又は前記所定角速度を複数有し、
前記フォーカス制御手段は、複数の前記所定加速度、前記所定角度及び/又は前記所定角速度に応じて、フォーカスの移動量が異なることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−217778(P2010−217778A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66995(P2009−66995)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】