撮影装置
【課題】白黒撮影時に、更なる感度の向上を可能とした撮影装置を提供する。
【解決手段】カラー及び白黒画撮影モードとを有する撮影装置において、撮像素子から得られた色信号の利得を制御する色信号利得制御手段と、明るさを検出する輝度検出手段と、ホワイトバランス及び輝度調整機能を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、白黒撮影モード時に前記輝度検出手段の出力に基づいて前記色信号利得制御手段により輝度調整を行う。
【解決手段】カラー及び白黒画撮影モードとを有する撮影装置において、撮像素子から得られた色信号の利得を制御する色信号利得制御手段と、明るさを検出する輝度検出手段と、ホワイトバランス及び輝度調整機能を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、白黒撮影モード時に前記輝度検出手段の出力に基づいて前記色信号利得制御手段により輝度調整を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー及び白黒撮影が可能な撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー及び白黒撮影が可能な撮影装置として、特許文献1が知られている。
【0003】
図3は、従来の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
同図において、301は結像用レンズ、302は減光を行うためのNDフィルタ、303は光量を調整するためのアイリス、302はNDフィルタ、304はCCD等の撮像素子である。305はCDS/AGC回路(二重相関サンプリング回路/自動利得制御回路)、306はアナログの映像信号をデジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ、307はカメラ信号処理回路、308はカメラ信号処理回路307によって生成されたテレビジョン信号、309はカメラマイコンである。310は輝度信号検波回路でカメラマイコン309はこの出力に応じて明るさをアイリス303及びAGC回路305によって調整する。311はカラー、白黒切替スイッチである。312は白黒画像生成回路でカメラマイコン309は撮影モード切替スイッチ311の出力によりカラー画像と白黒画像をスイッチ313により切替える。
【0005】
カメラ信号処理同路307において、320は輝度色度信号生成回路であり、A/Dコンバーター306によってデジタルに変換された映像信号を輝度信号YH(高周波成分),YL(低周波成分)と色度信号R(赤色信号),B(青色信号)とに変換する。321は赤色信号Rに対するRゲイン利得制御回路、322は青色信号Bに対するBゲイン利得制御回路、323は色差信号生成回路であり、色差信号生成回路323は、Rゲイン利得制御回路321、Bゲイン利得制御回路322においてそれぞれ増幅された色度信号R',B'と輝度信号YL(低周波成分)とから色差信号R−Y,B−Yを生成する。324はエンコーダーである。エンコーダ324はカメラマイコン309からのカラー、白黒切替スイッチ311の出力の検出結果から、カラー、白黒いずれかの出力を生成、切り替えるものである。カラー撮影モードの場合は色差信号R−Y,B−Y、輝度信号YH(高周波成分)からカラーのテレビジョン信号308を生成する。白黒撮影モードの場合は、白黒画像を生成、出力するものである。
【0006】
図4は従来技術における暗い環境下で、露出アンダー時の明るさ調整のフローチャートである。
【0007】
S401においてアイリスが開放かどうか判定し、開放でなければS402においてアイリスを開ける。S401においてアイリスが開放であればS403においてAGCが最大かどうか判定する。最大でなければS404においてAGCを大きくする。S403においてAGCが最大であれば、フローを抜ける。
【0008】
このように、従来はアイリス開放でかつAGCゲインが最大の時が最も感度が高くなる。
【0009】
これは、撮影モードが白黒でもカラーでも同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−300374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年暗い条件下で少しでも明るく被写体を撮影したいという要求が高まってきている。
【0012】
また、コストやメカ構造上等の面から、赤外カットフィルターを取らずして、白黒撮影時には感度が上がる効果を示したいというニーズも高まっている。
【0013】
しかしながら、従来の構成では前述したように、赤外カットフィルターの除去によるCCDの赤外線領域の感度UPしか見込めず、まして赤外フィルター挿抜によるフィルター除去できない構成では、カラー相当の感度しか得られない。
【0014】
よって本発明の目的は、白黒撮影時に、更なる感度の向上を可能とした撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明はカラー及び白黒画撮影モードとを有する撮影装置において、
撮像素子から得られた色信号の利得を制御する色信号利得制御手段と、
明るさを検出する輝度検出手段と、
ホワイトバランス及び輝度調整機能を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、白黒撮影モード時に前記輝度検出手段の出力に基づいて前記色信号利得制御手段により輝度調整を行う事を特徴とする撮影装置を構成する。
【0016】
(作用)
本発明の上記構成によれば、白黒撮影モード時に色信号の利得を明るさ調整に用いる事により従来得られなかった明るさ、感度を得られるようになるものである。
【発明の効果】
【0017】
以上説明した通り、本発明によれば、白黒撮影モード時に色信号の利得を明るさ調整に用いる事により従来得られなかった明るさ、感度を得られるようになるものである。
【0018】
これにより近年暗い条件下で少しでも明るく被写体を撮影したいという要求に対して、答えることができる。
【0019】
また、コストやメカ構造上等の面から、赤外カットフィルターを取らずして、白黒撮影時には感度が上がる効果を示すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施例を示すフローチャート
【図3】従来例を示すブロック図
【図4】従来例のフローチャート
【図5】本発明の第2の実施例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施例1]
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す参照番号301〜308,310〜311,320〜324で表す構成部分は、図3に示した従来装置の同一参照番号の構成部分とそれぞれ同一のものであるので、同一参照番号を付すとともに、その説明を省略する。
【0023】
本発明の実施形態では、システムコントロールを行うためのカメラマイコン101が新たに設けられ、本実施例の特徴となる機能を実現させるものである。
【0024】
本実施例の特徴は白黒モードにおいて、ホワイトバランス用の利得を明るさ調整に用いる事にある。これにより、従来得られなかった低照度下での明るさ、感度を得られるようになる。
【0025】
白黒モードゆえに、ホワイトバランスのための色信号利得を用いても色のバランスを考慮する必要性が無くなる点が特徴的といえる。従って色信号の利得が大きいほど、大きい感度を得ることができる。可変可能な色信号利得を全て最大とすれば白黒撮影ゆえに色の影響が白黒画像には問題がなく、感度を向上させる事ができるようになる。
【0026】
図2は暗い環境や低照度下などでの露出がアンダー時の明るさ調整のフローチャートである。
【0027】
S201においてアイリスが開放かどうか判定し、開放でなければS202においてアイリスを開ける。S201においてアイリスが開放であればS203においてAGCが最大かどうか判定する。最大でなければS204においてAGCを大きくする。S203においてAGCが最大であれば、S205においてホワイトバランス調整用の色信号利得制御回路の出力が最大かどうか判定する。最大でなければS206において色信号利得制御回路の利得を大きくし、最大であればフローを抜ける。
【0028】
図1にあるように色信号利得制御回路は321の赤色信号Rに対するRゲイン利得制御回路、322の青色信号Bに対するBゲイン利得制御回路であり、それぞれを最大にすることでもっとも感度が高くなる。
【0029】
また、図示しないが色信号としてその他に緑成分の利得もあわせて制御するとしても構わない。
【0030】
もちろん、原色構成、補色構成であってもホワイトバランス用の色信号調整のための利得を明るさの調整に用いる事で、従来得られなかった白黒撮影モード時の感度の向上を得る事ができるようになるのは言うまでもない。
【0031】
また、実施例において、321Rゲイン利得制御回路の出力及び322Bゲイン利得制御回路の出力を用いる際、それらを同時でも、どちらか一方が最大になってからもう一方を可変させるとしてもよく、特に限定するものではない。
【0032】
本実施例は白黒モードについて説明を行ってきたが、カラーモードの場合に用いても構わない。もちろんホワイトバランスは適正とはいえないが、カラー撮影においても感度の上昇を得る事ができるのはいうまでもない。
【0033】
[実施例2]
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0034】
図5は、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、図5に示す参照番号301〜308,310〜311,320〜324で表す構成部分は、図1、3に示した装置の同一参照番号の構成部分とそれぞれ同一のものであるので、同一参照番号を付すとともに、その説明を省略する。
【0035】
本発明の実施形態では、輝度色度信号生成回路320からは、色度信号G(緑色信号)の出力を新たに加えている。325は緑色信号Gに対するGゲイン利得制御回路で、Gゲイン利得制御回路325において増幅された色度信号G'を生成する。
【0036】
通常、ホワイトバランスを行う場合は、Gの利得は固定でR、Bの利得を可変して調整を行う。しかし、白黒モードの場合、ホワイトバランスによる色調整は必要が無いため、それらR、G、Bの各利得を明るさ調整に使用し、利得を上げる事で感度の向上を実現させるのである。
【0037】
例えば、通常のホワイトバランスでは、R:−3dB、G:0dB、B:3dBあるいはR:3dB、G:0dB、B:-3dBといった具合に、RGBトータルの利得としては0dB近辺となる事が多い。
【0038】
それに対し、白黒モードの場合は例えばRGBの各ゲインについて、暗ければゲインを上昇させ、明るければゲインを落とす事により明るさの調整が行えるようになる。
【0039】
その際、RGBすべて同一のゲインとしてもよいし、ばらばらでも構わなく、明るさの調整に対して限定する必要はない。ただし、ノイズを抑える目的として、RGB全てのゲインを同一にしておく事で個別のゲインの上昇を抑えることができるのは言うまでもない。
【0040】
例えば、カラーでR:−3dB、G:0dB、B:3dBの時に白黒モードになった場合、RGBそれぞれのゲインを0dBとする。これは、トータルのゲインとしては変わらないもののBのゲインを3から0dBにする事で、同じ明るさであってもノイズを抑えられる効果を得る事ができる。
【0041】
図2は本実施例における暗い環境や低照度下などでの露出がアンダー時の明るさ調整のフローで実施例1と同様である。
【0042】
S201においてアイリスが開放かどうか判定し、開放でなければS202においてアイリスを開ける。S201においてアイリスが開放であればS203においてAGCが最大かどうか判定する。最大でなければS204においてAGCを大きくする。S203においてAGCが最大であれば、S205においてホワイトバランス調整用の色信号利得制御回路の出力が最大かどうか判定する。最大でなければS206において色信号利得制御回路の利得を大きくし、最大であればフローを抜ける。
【0043】
図5にあるように色信号利得制御回路は321の赤色信号Rに対するRゲイン利得制御回路、322の青色信号Bに対するBゲイン利得制御回路、325の緑色信号Gに対するGゲイン利得制御回路であり、それぞれを最大にすることでもっとも感度が高くなる。
【0044】
また、本実施例において、利得制御回路の出力を用いる際、各色利得を同時でも、ばらばらでも、いずれかが最大になってから他のいずれかを可変させるとしてもよい。あるいは、特定の色について、カラー同様利得は変えずに、その他の色に対して利得を可変するとしてもよく、特に限定するものではない。
【0045】
また、絞りが所定のF値等で固定して撮影を行う場合に、従来最も感度を得られる条件としてはAGCが最大の場合だった。それに対し、本発明によれば色信号の利得を用いる事で更なる感度の向上が得られるようになる。
【0046】
本実施例は白黒モードについて説明を行ってきたが、カラーモードの場合に用いても構わない。もちろんホワイトバランスは適正とはいえないが、カラー撮影においても感度の上昇を得る事ができるため、用途によっては感度上昇の効果があるのは明白である。
【符号の説明】
【0047】
101 カメラマイコン(ホワイトバランス及び明るさ調整機能制御手段)
301 レンズ
302 NDフィルタ(減光フィルタ)
303 アイリス
304 CCD(撮像素子)
305 CDS/AGC回路
306 A/Dコンバータ
307 カメラ信号処理回路
308 テレビジョン信号
309 カメラマイコン(ホワイトバランス及び明るさ調整機能制御手段)
310 輝度信号検波回路
311 カラー、白黒切替スイッチ
320 輝度色度信号生成回路
321 Rゲイン利得制御回路
322 Bゲイン利得制御回路
323 色差信号生成回路
324 エンコーダー
325 Gゲイン利得制御回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー及び白黒撮影が可能な撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー及び白黒撮影が可能な撮影装置として、特許文献1が知られている。
【0003】
図3は、従来の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0004】
同図において、301は結像用レンズ、302は減光を行うためのNDフィルタ、303は光量を調整するためのアイリス、302はNDフィルタ、304はCCD等の撮像素子である。305はCDS/AGC回路(二重相関サンプリング回路/自動利得制御回路)、306はアナログの映像信号をデジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ、307はカメラ信号処理回路、308はカメラ信号処理回路307によって生成されたテレビジョン信号、309はカメラマイコンである。310は輝度信号検波回路でカメラマイコン309はこの出力に応じて明るさをアイリス303及びAGC回路305によって調整する。311はカラー、白黒切替スイッチである。312は白黒画像生成回路でカメラマイコン309は撮影モード切替スイッチ311の出力によりカラー画像と白黒画像をスイッチ313により切替える。
【0005】
カメラ信号処理同路307において、320は輝度色度信号生成回路であり、A/Dコンバーター306によってデジタルに変換された映像信号を輝度信号YH(高周波成分),YL(低周波成分)と色度信号R(赤色信号),B(青色信号)とに変換する。321は赤色信号Rに対するRゲイン利得制御回路、322は青色信号Bに対するBゲイン利得制御回路、323は色差信号生成回路であり、色差信号生成回路323は、Rゲイン利得制御回路321、Bゲイン利得制御回路322においてそれぞれ増幅された色度信号R',B'と輝度信号YL(低周波成分)とから色差信号R−Y,B−Yを生成する。324はエンコーダーである。エンコーダ324はカメラマイコン309からのカラー、白黒切替スイッチ311の出力の検出結果から、カラー、白黒いずれかの出力を生成、切り替えるものである。カラー撮影モードの場合は色差信号R−Y,B−Y、輝度信号YH(高周波成分)からカラーのテレビジョン信号308を生成する。白黒撮影モードの場合は、白黒画像を生成、出力するものである。
【0006】
図4は従来技術における暗い環境下で、露出アンダー時の明るさ調整のフローチャートである。
【0007】
S401においてアイリスが開放かどうか判定し、開放でなければS402においてアイリスを開ける。S401においてアイリスが開放であればS403においてAGCが最大かどうか判定する。最大でなければS404においてAGCを大きくする。S403においてAGCが最大であれば、フローを抜ける。
【0008】
このように、従来はアイリス開放でかつAGCゲインが最大の時が最も感度が高くなる。
【0009】
これは、撮影モードが白黒でもカラーでも同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−300374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年暗い条件下で少しでも明るく被写体を撮影したいという要求が高まってきている。
【0012】
また、コストやメカ構造上等の面から、赤外カットフィルターを取らずして、白黒撮影時には感度が上がる効果を示したいというニーズも高まっている。
【0013】
しかしながら、従来の構成では前述したように、赤外カットフィルターの除去によるCCDの赤外線領域の感度UPしか見込めず、まして赤外フィルター挿抜によるフィルター除去できない構成では、カラー相当の感度しか得られない。
【0014】
よって本発明の目的は、白黒撮影時に、更なる感度の向上を可能とした撮影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明はカラー及び白黒画撮影モードとを有する撮影装置において、
撮像素子から得られた色信号の利得を制御する色信号利得制御手段と、
明るさを検出する輝度検出手段と、
ホワイトバランス及び輝度調整機能を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、白黒撮影モード時に前記輝度検出手段の出力に基づいて前記色信号利得制御手段により輝度調整を行う事を特徴とする撮影装置を構成する。
【0016】
(作用)
本発明の上記構成によれば、白黒撮影モード時に色信号の利得を明るさ調整に用いる事により従来得られなかった明るさ、感度を得られるようになるものである。
【発明の効果】
【0017】
以上説明した通り、本発明によれば、白黒撮影モード時に色信号の利得を明るさ調整に用いる事により従来得られなかった明るさ、感度を得られるようになるものである。
【0018】
これにより近年暗い条件下で少しでも明るく被写体を撮影したいという要求に対して、答えることができる。
【0019】
また、コストやメカ構造上等の面から、赤外カットフィルターを取らずして、白黒撮影時には感度が上がる効果を示すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施例を示すフローチャート
【図3】従来例を示すブロック図
【図4】従来例のフローチャート
【図5】本発明の第2の実施例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施例1]
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す参照番号301〜308,310〜311,320〜324で表す構成部分は、図3に示した従来装置の同一参照番号の構成部分とそれぞれ同一のものであるので、同一参照番号を付すとともに、その説明を省略する。
【0023】
本発明の実施形態では、システムコントロールを行うためのカメラマイコン101が新たに設けられ、本実施例の特徴となる機能を実現させるものである。
【0024】
本実施例の特徴は白黒モードにおいて、ホワイトバランス用の利得を明るさ調整に用いる事にある。これにより、従来得られなかった低照度下での明るさ、感度を得られるようになる。
【0025】
白黒モードゆえに、ホワイトバランスのための色信号利得を用いても色のバランスを考慮する必要性が無くなる点が特徴的といえる。従って色信号の利得が大きいほど、大きい感度を得ることができる。可変可能な色信号利得を全て最大とすれば白黒撮影ゆえに色の影響が白黒画像には問題がなく、感度を向上させる事ができるようになる。
【0026】
図2は暗い環境や低照度下などでの露出がアンダー時の明るさ調整のフローチャートである。
【0027】
S201においてアイリスが開放かどうか判定し、開放でなければS202においてアイリスを開ける。S201においてアイリスが開放であればS203においてAGCが最大かどうか判定する。最大でなければS204においてAGCを大きくする。S203においてAGCが最大であれば、S205においてホワイトバランス調整用の色信号利得制御回路の出力が最大かどうか判定する。最大でなければS206において色信号利得制御回路の利得を大きくし、最大であればフローを抜ける。
【0028】
図1にあるように色信号利得制御回路は321の赤色信号Rに対するRゲイン利得制御回路、322の青色信号Bに対するBゲイン利得制御回路であり、それぞれを最大にすることでもっとも感度が高くなる。
【0029】
また、図示しないが色信号としてその他に緑成分の利得もあわせて制御するとしても構わない。
【0030】
もちろん、原色構成、補色構成であってもホワイトバランス用の色信号調整のための利得を明るさの調整に用いる事で、従来得られなかった白黒撮影モード時の感度の向上を得る事ができるようになるのは言うまでもない。
【0031】
また、実施例において、321Rゲイン利得制御回路の出力及び322Bゲイン利得制御回路の出力を用いる際、それらを同時でも、どちらか一方が最大になってからもう一方を可変させるとしてもよく、特に限定するものではない。
【0032】
本実施例は白黒モードについて説明を行ってきたが、カラーモードの場合に用いても構わない。もちろんホワイトバランスは適正とはいえないが、カラー撮影においても感度の上昇を得る事ができるのはいうまでもない。
【0033】
[実施例2]
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0034】
図5は、本発明の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、図5に示す参照番号301〜308,310〜311,320〜324で表す構成部分は、図1、3に示した装置の同一参照番号の構成部分とそれぞれ同一のものであるので、同一参照番号を付すとともに、その説明を省略する。
【0035】
本発明の実施形態では、輝度色度信号生成回路320からは、色度信号G(緑色信号)の出力を新たに加えている。325は緑色信号Gに対するGゲイン利得制御回路で、Gゲイン利得制御回路325において増幅された色度信号G'を生成する。
【0036】
通常、ホワイトバランスを行う場合は、Gの利得は固定でR、Bの利得を可変して調整を行う。しかし、白黒モードの場合、ホワイトバランスによる色調整は必要が無いため、それらR、G、Bの各利得を明るさ調整に使用し、利得を上げる事で感度の向上を実現させるのである。
【0037】
例えば、通常のホワイトバランスでは、R:−3dB、G:0dB、B:3dBあるいはR:3dB、G:0dB、B:-3dBといった具合に、RGBトータルの利得としては0dB近辺となる事が多い。
【0038】
それに対し、白黒モードの場合は例えばRGBの各ゲインについて、暗ければゲインを上昇させ、明るければゲインを落とす事により明るさの調整が行えるようになる。
【0039】
その際、RGBすべて同一のゲインとしてもよいし、ばらばらでも構わなく、明るさの調整に対して限定する必要はない。ただし、ノイズを抑える目的として、RGB全てのゲインを同一にしておく事で個別のゲインの上昇を抑えることができるのは言うまでもない。
【0040】
例えば、カラーでR:−3dB、G:0dB、B:3dBの時に白黒モードになった場合、RGBそれぞれのゲインを0dBとする。これは、トータルのゲインとしては変わらないもののBのゲインを3から0dBにする事で、同じ明るさであってもノイズを抑えられる効果を得る事ができる。
【0041】
図2は本実施例における暗い環境や低照度下などでの露出がアンダー時の明るさ調整のフローで実施例1と同様である。
【0042】
S201においてアイリスが開放かどうか判定し、開放でなければS202においてアイリスを開ける。S201においてアイリスが開放であればS203においてAGCが最大かどうか判定する。最大でなければS204においてAGCを大きくする。S203においてAGCが最大であれば、S205においてホワイトバランス調整用の色信号利得制御回路の出力が最大かどうか判定する。最大でなければS206において色信号利得制御回路の利得を大きくし、最大であればフローを抜ける。
【0043】
図5にあるように色信号利得制御回路は321の赤色信号Rに対するRゲイン利得制御回路、322の青色信号Bに対するBゲイン利得制御回路、325の緑色信号Gに対するGゲイン利得制御回路であり、それぞれを最大にすることでもっとも感度が高くなる。
【0044】
また、本実施例において、利得制御回路の出力を用いる際、各色利得を同時でも、ばらばらでも、いずれかが最大になってから他のいずれかを可変させるとしてもよい。あるいは、特定の色について、カラー同様利得は変えずに、その他の色に対して利得を可変するとしてもよく、特に限定するものではない。
【0045】
また、絞りが所定のF値等で固定して撮影を行う場合に、従来最も感度を得られる条件としてはAGCが最大の場合だった。それに対し、本発明によれば色信号の利得を用いる事で更なる感度の向上が得られるようになる。
【0046】
本実施例は白黒モードについて説明を行ってきたが、カラーモードの場合に用いても構わない。もちろんホワイトバランスは適正とはいえないが、カラー撮影においても感度の上昇を得る事ができるため、用途によっては感度上昇の効果があるのは明白である。
【符号の説明】
【0047】
101 カメラマイコン(ホワイトバランス及び明るさ調整機能制御手段)
301 レンズ
302 NDフィルタ(減光フィルタ)
303 アイリス
304 CCD(撮像素子)
305 CDS/AGC回路
306 A/Dコンバータ
307 カメラ信号処理回路
308 テレビジョン信号
309 カメラマイコン(ホワイトバランス及び明るさ調整機能制御手段)
310 輝度信号検波回路
311 カラー、白黒切替スイッチ
320 輝度色度信号生成回路
321 Rゲイン利得制御回路
322 Bゲイン利得制御回路
323 色差信号生成回路
324 エンコーダー
325 Gゲイン利得制御回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー及び白黒撮影モードを有する撮影装置で、
撮像素子から得られた色信号の利得を制御する色信号利得制御手段と、
明るさを検出する輝度検出手段と、
ホワイトバランス及び明るさ調整機能を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、白黒撮影時に前記輝度検出手段の出力に基づいて前記色信号利得制御手段により明るさ調整を行う事を特徴とする撮影装置。
【請求項1】
カラー及び白黒撮影モードを有する撮影装置で、
撮像素子から得られた色信号の利得を制御する色信号利得制御手段と、
明るさを検出する輝度検出手段と、
ホワイトバランス及び明るさ調整機能を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、白黒撮影時に前記輝度検出手段の出力に基づいて前記色信号利得制御手段により明るさ調整を行う事を特徴とする撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−124768(P2012−124768A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274824(P2010−274824)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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