説明

操作装置

【課題】耐久性が高く、且つ、使用環境に関わらず入力操作の検出が可能な操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1に、入力操作の種別を示す操作パネル30と、操作パネル30の操作面31側に操作面31に沿って光を照射可能な発光部と、一次元配列された受光素子を有するラインセンサと、を備え、操作パネル30への入力操作が行われた場合には、入力操作を行う指で反射した発光部からの光の反射光をラインセンサで受光し、ラインセンサ上での受光位置と受光した光の強度とに基づいて指の位置を2次元的に推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、使用者が各種の入力操作を行う操作装置では、光学的な手法を用いて入力の検出を行う装置が増えている。例えば、特許文献1に記載された二次元位置検出装置では、点光源からの光を放射状に反射する円筒ミラーとCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサとの間にジョイスティックの光遮蔽体を配置し、CCDラインセンサで検出される明暗信号列に基づいて光遮蔽体の中心座標位置を算出することにより、ジョイスティックの動きを検出する。また、特許文献2に記載された光電スイッチでは、一対のラインセンサによって同一平面状の異なる位置から被検知物体を撮像して出力データを出力し、この出力データと基準データとを比較して、被検知物体が複数の検知領域のいずれかに位置しているかを判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−134004号公報
【特許文献2】特開2005−172701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように機械的に動作をする部分を含む場合、疲労や摩耗等により破損が生じる場合があり、特に、水周りで使用される操作装置の場合、水の浸食により、このような損傷はより生じ易くなる。また、操作装置は、環境光が少ない場所で使用されたり、操作装置自体に照射される光量が少なかったりする状態で使用されることもあるが、特許文献2のように、環境光を利用してラインセンサで検知を行う場合、被検知物体の検知を適切に行えない場合がある。これらのように、使用に伴う損傷を発生させることなく、操作装置の使用環境に関わらず、入力操作を適切に検出することは、大変困難なものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐久性が高く、且つ、使用環境に関わらず入力操作の検出が可能な操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る操作装置は、入力操作の種別を示す操作パネルと、前記操作パネルの操作面側に前記操作面に沿って光を照射可能な発光部と、一次元配列された受光素子を有する受光部と、を備え、前記操作パネルへの入力操作が行われた場合には、入力操作を行う入力体で反射した前記発光部からの光の反射光を前記受光部で受光し、前記受光部上での受光位置と受光した光の強度とに基づいて前記入力体の位置を2次元的に推定することを特徴とする。
【0007】
また、上記操作装置において、前記操作パネルは、交換可能な薄板で構成されていることが好ましい。
【0008】
また、上記操作装置において、前記操作パネルは、入力操作の種別が異なるパネルに交換可能であることが好ましい。
【0009】
また、上記操作装置において、前記操作パネルを置き換えることにより、入力操作の種別または入力操作を行う位置が変更されたことの認識が可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る操作装置は、耐久性が高く、且つ、使用環境に関わらず入力操作の検出を可能にすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態に係る操作装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1のA−A矢視図である。
【図3】図3は、図1のB−B断面図であり、位置検出センサの詳細図である。
【図4】図4は、図1に示す操作装置の要部構成図である。
【図5】図5は、発光部からの光を指で反射した際の位置とラインセンサ上での受光位置との関係を示す説明図である。
【図6】図6は、ラインセンサの受光素子の位置と受光する光の光量との関係を示す説明図である。
【図7】図7は、操作パネルに交換した場合における説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る操作装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る操作装置の斜視図である。なお、以下の説明では、通常の使用態様で操作装置を設置した状態での上下方向を、本実施形態に係る操作装置の上下方向とし、このように設置した操作装置に使用者が対面した場合に使用者から見た左右方向を、本実施形態に係る操作装置の左右方向とし、操作装置が使用者に対面する側を手前側、使用者から離れる側を奥側として説明する。
【0014】
図1に示す操作装置1は、当該操作装置1から離れた位置に設置される電気製品を遠隔操作が可能な遠隔操作手段として設けられており、この操作装置1は、電気製品の一例として、トイレの洗浄や便座の温度設定等を行うことができるトイレ用のリモコンとして用いられる。この操作装置1は、トイレの室内に設置され、トイレットペーパーを保持するペーパーホルダー40の上部に配設されている。また、操作装置1は、本体部5と操作パネル30とを有している。このうち、本体部5は、略矩形状で、所定の厚みを有する板状の形状で形成されている。ペーパーホルダー40上には、この本体部5が、厚さ方向が上下方向になる向きで設置されている。
【0015】
また、矩形状の形状で形成される本体部5の一辺の近傍には、操作パネル30が配設されている。この操作パネル30は、略矩形状の薄板によって構成されており、例えば、樹脂や紙等の材料からなる薄板になっている。また、操作パネル30は、操作装置1への入力操作時における指示の種別を示す入力部35が表示されている。この入力部35は、操作装置1によって操作をすることができる入力操作の種別ごとに、その入力操作の機能を示す図柄等により、複数が操作パネル30上に表示されている。
【0016】
このように構成される操作パネル30は、ペーパーホルダー40上に設置される本体部5の奥側の位置で、且つ、本体部5の上面6側に、本体部5に対して取り付けられている。即ち、ペーパーホルダー40は、トイレが設置される室内の壁面に取り付けられているが、操作パネル30は、本体部5におけるこの壁面側の位置に、壁面に沿って本体部5から上方に向う向きで取り付けられている。
【0017】
図2は、図1のA−A矢視図である。詳しくは、本体部5の上面6には、壁面側の位置に、操作パネル30を保持するパネル保持部7が形成されている。このパネル保持部7は、スリット状に形成されており、このスリット状の部分に操作パネル30を差し込むことにより、操作パネル30を保持する。その際に、操作パネル30は、入力部35が表示されている側の面である操作面31が、操作装置1の手前側、即ち、ペーパーホルダー40が取り付けられている壁面が位置する側の反対側を向く向きで、パネル保持部7によって保持される。
【0018】
また、操作パネル30は、パネル保持部7に対して取り外しを行うことができ、このため、操作パネル30は、裏表の向きを変えてパネル保持部7に差し込んだり、異なる操作パネル30に交換したりすることが可能になっている。これにより、パネル保持部7で保持する操作パネル30は、表示される入力部35の種類や位置が異なる操作パネル30に交換可能になっている。
【0019】
また、本体部5には、パネル保持部7或いは操作パネル30が位置する部分の近傍で、且つ、これらの部分の若干手前側に、操作装置1の使用者が操作パネル30に対して入力操作を行う際の指等の位置を検出する位置検出センサ10が配設されている。
【0020】
図3は、図1のB−B断面図であり、位置検出センサの詳細図である。位置検出センサ10は、光を照射する発光部12と、受光した光に応じた信号を出力する受光素子を複数有する受光部であるラインセンサ15と、を有している。このうち、発光部12は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子によって構成されている。また、ラインセンサ15は、複数の受光素子が、パネル保持部7で保持される操作パネル30の操作面31に平行な方向に一次元配列されており、各受光素子が、受光した光をそれぞれ独立して電気信号に変換可能に構成されている。これらの発光部12やラインセンサ15は、本体部5の上面6の上方側に光を照射したり、上方側からの光を受光したりすることができる向きで設置されている。
【0021】
また、発光部12やラインセンサ15の上方側には、光の進み方を調節するレンズが配設されている。詳しくは、発光部12の上方側、即ち、発光部12で発光した光の進行方向側には、発光部12からの光の進み方を調節する発光側レンズ17が配設されている。
【0022】
この発光側レンズ17は、発光部12で発光した光を、拡散して本体部5の上面6の上方に向かって照射することが可能になっている。具体的には、発光側レンズ17は、発光部12で発光した光を、パネル保持部7で保持される操作パネル30の操作面31に平行な方向に拡散し、操作面31沿って光を照射可能になっている。発光部12で発光した光は、この発光側レンズ17を介して本体部5の上方に照射されることにより、操作パネル30の左右方向に広がりながら、操作パネル30の操作面31側に操作面31に沿って照射される。この光は、少なくとも操作面31に複数表示される全ての入力部35上に照射される。
【0023】
また、ラインセンサ15の上方側、即ち、ラインセンサ15における光の受光側には、本体部5の上方側からの光の進み方を調節する受光側レンズ18が配設されている。この受光側レンズ18は、操作パネル30が位置している側からの光を、適切にラインセンサ15に導くようになっており、詳しくは、操作パネル30側からラインセンサ15の方向に向う光を、その光の方向に応じたラインセンサ15の各受光素子に導くように形成されている。
【0024】
図4は、図1に示す操作装置の要部構成図である。また、操作装置1の本体部5には、当該操作装置1の全体の制御を行う電子制御装置である制御部20が配設されている。この制御部20のハード構成は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部や、RAM(Random Access Memory)等の記憶部等を備えた公知の構成であるため、説明は省略する。制御部20には、ラインセンサ15が接続されており、ラインセンサ15での受光情報は、制御部20で取得可能になっている。また、制御部20には、これ以外に入力パターン検出部25と、送信部26と、が接続されている。
【0025】
また、制御部20は、操作装置1の使用者が操作パネル30に対して入力操作を行った際における入力位置を、ラインセンサ15上での受光位置と、受光した光の強度とに基づいて推定する入力位置推定部21を有している。即ち、入力位置推定部21は、ラインセンサ15での受光情報に基づいて、入力操作が行われた場所の操作面31上における2次元的な位置を推定可能になっている。この入力位置推定部21は、制御部20の記憶部に記憶されたプログラムや数値データ等に基づいて構成されている。
【0026】
また、制御部20に接続されている入力パターン検出部25は、パネル保持部7で保持をしている操作パネル30に複数表示されている入力部35のパターンを検出することが可能になっている。即ち、入力パターン検出部25は、入力部35として表示され、入力することができる入力操作の種別や、入力操作を行う位置の組み合わせである入力部35のパターンを検出することが可能になっている。
【0027】
例えば、操作パネル30に、ICタグ(図示省略)を設け、ICタグと入力パターン検出部25との間で通信を行うことにより入力部35のパターンを検出してもよい。また、他の手法として、操作パネル30と入力パターン検出部25との間に電極を備えたり、または、操作パネル30におけるパネル保持部7に差し込む部分に、入力部35のパターンに応じた切欠き等を形成し、入力パターン検出部25で、この切欠き等を読み取ることにより、入力部35のパターンを検出したりしてもよい。入力パターン検出部25で入力部35のパターンを検出する手法は、現在パネル保持部7で保持している操作パネル30の入力部35のパターンを適切に検出できる手法であれば、その方法は問わない。
【0028】
また、送信部26は、操作装置1に対して入力操作を行われた内容に応じて、トイレに対して制御信号を送信することが可能になっている。この制御送信は、無線で行ってもよく、有線で行ってもよい。
【0029】
本実施形態に係る操作装置1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。操作装置1の使用時は、パネル保持部7で操作パネル30を保持した状態で使用し、操作装置1の使用中は、発光部12から光を照射する。この発光部12から照射した光は、発光側レンズ17によって拡散することにより、操作パネル30の操作面31上の広範囲に、操作面31に沿って照射される。
【0030】
この操作装置1に対して入力操作を行う場合には、使用者は、操作パネル30の操作面31に表示されている複数の入力部35のうち、所望の入力操作の図柄になっている入力部35を指で触れたり、入力部35の近傍に指を位置させたりする。この場合、入力操作を行う入力体である指には、操作面31に沿って照射されている光が当たり、指に当たった光は指で反射する。指で反射した反射光は、光が照射されている方向である位置検出センサ10の方向に向かう。さらに、この光は、ラインセンサ15の受光素子で受光できるように受光側レンズ18によって進行方向を調節された後、ラインセンサ15に向かい、ラインセンサ15で受光する。
【0031】
ここで、ラインセンサ15には、複数の受光素子が一次元配列されているため、指で反射した反射光の照射位置と向きによって、この光を受光する受光素子と受光しない受光素子とがあったり、受光する受光素子同士でも受光した光の強度が異なっていたりする。このように、受光素子ごとに異なって受光したラインセンサ15の受光情報は、制御部20に伝達される。
【0032】
制御部20では、ラインセンサ15からの受光情報に基づいて、入力位置推定部21で、操作面31上における入力位置を推定する。即ち、ラインセンサ15が複数するそれぞれの受光素子で受光した光の強度に基づいて、操作面31上で指が位置している部分を2次元的に推定する。
【0033】
図5は、発光部からの光を指で反射した際の位置とラインセンサ上での受光位置との関係を示す説明図である。ここで、発光部12からの光を指で反射した反射光のラインセンサ15での受光状態について説明する。発光部12で発光した光は、発光側レンズ17を透過し、拡散しながら操作面31に沿って照射されるため、発光部12からの距離が遠くなるに従って、光量が少なくなり、発光部12の光軸から拡散する方向、即ち、光軸に直交する方向では、その位置に関わらず光量は同程度になる。
【0034】
つまり、発光部12の光軸に沿った距離の方向をY方向とし、光軸に直交する方向をX方向とした場合、光量は、Y方向の位置によって変化する。また、この光が指などの入力体で反射した場合、反射光はラインセンサ15の方向に向うが、反射光がラインセンサ15に入射する際における光の角度や位置は、主にX方向の位置によって変化する。
【0035】
例えば、発光部12からの照射される照射光の範囲内に、入力部35が4つ配設されているとした場合において、4つの入力部35のうち、第1入力部51と第2入力部52と第3入力部53とは、Y方向における位置がほぼ同じ位置で、X方向の位置がそれぞれ異なって順番に配設されていたとする。また、第4入力部54は、X方向の位置が第3入力部53の位置とほぼ同じ位置で、Y方向における位置が、第3入力部53のY方向における位置よりも発光部12に近い位置に配設されていたとする。
【0036】
この場合、入力部35に対して入力操作を行った場合に、指で反射した反射光がラインセンサ15に到達する際におけるラインセンサ15上の位置は、各入力部51〜54によって異なっている。つまり、発光部12の光が指で反射する場合におけるX方向における位置が異なっている場合、発光部12から指に到達する光の角度は、X方向における位置によって異なるため、指で反射する光の角度も、X方向に位置によって異なる。このため、指で反射した反射光がラインセンサ15に到達する際におけるラインセンサ15上の位置は、反射時における指の位置によって異なる。
【0037】
また、ラインセンサ15の受光素子は、操作パネル30の操作面31に平行な方向に一次元配列されており、換言すると、複数の受光素子は、X方向に向かって一次元配設されているため、ラインセンサ15は、X方向に延在していることになる。このため、指で反射した反射光がラインセンサ15に到達する場合には、このようにX方向に延在しているラインセンサ15上の異なる位置に到達する。
【0038】
例えば、第1入力部51と第2入力部52と第3入力部53とは、X方向のおける位置がそれぞれ異なっているため、これらに入力操作を行う際に発光部12からの光が指で反射した場合には、ラインセンサ15上の位置がそれぞれ異なる。即ち、第1入力部51で反射した光は、ラインセンサ15上における第1受光位置61で受光し、第2入力部52で反射した光は、ラインセンサ15上における第2受光位置62で受光し、第3入力部51で反射した光は、ラインセンサ15上における第1受光位置63で受光する。
【0039】
一方、第3入力部53と第4入力部54とは、X方向のおける位置がほぼ同じ位置になっているため、第4入力部54への入力操作時に、指で反射した光を受光するラインセンサ15上での受光位置である第4受光位置64は、第1受光位置63とほぼ同じ位置になっている。
【0040】
次に、これらの光を受光したラインセンサ15での受光状態について説明する。図6は、ラインセンサの受光素子の位置と受光する光の光量との関係を示す説明図である。ラインセンサ15には、受光素子が一次元配列で複数配設されているため、ラインセンサ15上での異なる位置に到達した光は、異なる受光素子で受光する。即ち、入力部51〜54に対して入力操作が行われた場合には、その入力部の位置によって、反射光を受光する受光素子が異なる。また、Y方向の位置によって入力部51〜54付近に到達する発光部12からの光の光量も異なるため、これらの位置で反射した光の反射光の光量も、入力部51〜54のY方向のおける位置によって異なっている。
【0041】
これらのため、第1入力部51で反射した反射光を第1受光位置63に位置する受光素子で受光した際における光の光量を第1反射光光量71とし、同様に、第2入力部52で反射した反射光を受光した際の光量を第2反射光光量72、第3入力部53で反射した反射光を受光した際の光量を第3反射光光量73、第4入力部54で反射した反射光を受光した際の光量を第4反射光光量74とした場合には、各反射光を受光する受光素子の位置と光量が、入力部51〜54によって異なっている。
【0042】
例えば、第1入力部51と第2入力部52と第3入力部53とは、X方向の位置が異なっているため、第1反射光光量71と第2反射光光量72と第3反射光光量73とは、それぞれ異なる位置の受光素子で受光した光量になっている。一方、これらの第1入力部51、第2入力部52、第3入力部53は、Y方向における位置がほぼ同じ位置になっているため、第1反射光光量71と第2反射光光量72と第3反射光光量73とは、全て光量が同程度になっている。
【0043】
また、第4入力部54は、X方向の位置が第3入力部53の位置とほぼ同じ位置であるため、第3反射光光量73と第4反射光光量74とは、ほぼ同じ位置の受光素子で受光した光量になっている。一方、第4入力部54は、Y方向における位置が、第3入力部53のY方向における位置よりも発光部12に近いため、第4反射光光量74は、第3反射光光量73よりも光量が多くなっている。
【0044】
これらのように、入力部35への入力操作時に、発光部12からの光を指で反射した場合には、入力部35の位置によって、反射光を受光するラインセンサ15上の受光素子の位置と反射光の光量とが異なるため、入力位置推定部21は、これらの受光情報に基づいて、操作面31上で指が位置している部分を推定する。入力位置推定部21は、このように推定した操作面31上で指の位置と、入力パターン検出部25で検出した、操作パネル30の入力部35のパターンとに基づいて、入力操作が行われた入力部35の種別を判断し、入力操作の内容を判断する。
【0045】
このように、入力位置推定部21で判断した入力操作の内容は、送信部26に伝達され、送信部26からトイレに対して制御信号を送信する。この制御信号を受信したトイレは、この信号に応じて作動することにより、入力操作に応じた動作を行う。
【0046】
また、操作パネル30は、パネル保持部7に差し込むことにより保持されているため、容易に交換することができる。図7は、操作パネルに交換した場合における説明図である。操作パネル30を、入力部35のレイアウトが異なるなど、入力部35のパターンが異なる操作パネル30に交換した場合、入力パターン検出部25は、操作パネル30に搭載されるICタグ等に基づいて、操作パネル30の入力部35のパターンを検出する。
【0047】
このため、操作パネル30を交換した場合でも、入力位置推定部21は、ラインセンサ15での受光情報に基づく操作面31上での2次元的な指の位置と、入力パターン検出部25で検出した入力部35のパターンとによって、入力操作の内容を判断する。これにより、操作パネル30を交換した場合でも、その操作パネル30に表示されている入力部35に対して行われた入力操作の内容で、送信部26から制御信号が送信され、トイレは入力操作に応じた動作を行う。
【0048】
以上の操作装置1は、操作パネル30の操作面31側に発光部12から操作面31に沿って光を照射し、操作パネル30への入力操作時には、入力操作を行う指で反射したこの光の反射光を、ラインセンサ15で受光し、その受光した光の情報に基づいて、操作パネル30上における入力位置を推定している。このため、入力操作時に機械的に動作する部分がないため、摩耗等による破損を防止することができる。また、発光部12からの光を用いて入力操作を行う指の位置を検出しているため、操作装置1が設置される場所の明るさに関わらず、入力操作を検出することができる。この結果、耐久性が高く、且つ、使用環境に関わらず入力操作の検出を可能にすることができる。
【0049】
また、入力操作を行う指で反射した光の反射光に基づいて入力操作を検出するため、操作パネル30に触れなくても入力操作を行うことができる。このため、トイレなど、水周りで使用することにより、濡れた指で入力操作を行う場合でも、水が操作装置1に付着することを抑制することができ、水の付着に起因する腐食等を抑制することができる。この結果、より確実に耐久性を高くすることができる。
【0050】
また、操作パネル30は、入力操作の種別が異なるパネルに交換可能であるため、操作装置1で行うことができる入力操作の内容や入力部35の位置を変更することができる。この結果、使用者の都合や好みに応じて入力操作の形態を変更することができ、使い勝手の良い操作装置1を実現できる。
【0051】
また、操作パネル30は、交換可能な薄板で構成されているため、入力操作の内容や入力部35の位置を変更するために操作パネル30を交換する際に、容易に交換することができる。この結果、さらに使い勝手の良い操作装置1にすることができる。
【0052】
また、操作パネル30を置き換えるのみで、入力パターン検出部25によって入力部35のパターンを検出し、入力操作の種別や入力操作を行う位置が変更されたことの認識が可能であるため、操作パネル30を交換した際に、再設定等を行わなくても、これらを変更した状態で使用することができる。この結果、容易に使用者の都合や好みに応じた入力操作に変更できる操作装置1を得ることができる。
【0053】
なお、上述した操作装置1は、操作パネル30を交換することにより入力部35のパターンを変化させているが、操作パネル30の両面に、異なるパターンの入力部35を表示し、同一の操作パネル30を裏返してパネル保持部7に差し込むのみでも、入力部35のパターンを変化させることができるようにしてもよい。この場合、例えば、操作パネル30におけるパネル保持部7に差し込む部分に、差し込まれる向きを認識可能な電極や切欠き等を形成し、入力パターン検出部25で、この電極や切欠き等の形態を検出することにより、差し込まれている向きを認識することができる。このように、操作パネル30を裏返してパネル保持部7に差し込むのみで入力部35のパターンを変化させることができるようにすることにより、別の操作パネル30を容易しなくても入力部35のパターンを変化させることができるので、より容易に入力操作の形態を変更することができる。
【0054】
また、このように、操作パネル30を裏返してパネル保持部7に差し込むのみで入力部35のパターンを変化させることができるようにする場合には、例えば、一方の面は通常の操作時の入力部35を表示し、反対側の面には、メンテナンス時など、使用する頻度は低いが使用する機会はある入力操作の入力部35を表示してもよい。これにより、広範囲な事象に対して対応可能な操作装置1を得ることができる。
【0055】
また、上述した操作装置1は、トイレ用のリモコンとして用いられているが、操作装置1は、これ以外の用途で用いてもよい。例えば、キッチンや風呂場、各種の水栓の開閉や給湯、洗面台に設置されているスイッチ等、使用する用途は問わないが、特に、水周りで使用される装置の操作装置1に適している。この場合における水周りで使用される装置は、屋内のみでなく、屋外で使用される装置であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 操作装置
5 本体部
6 上面
7 パネル保持部
10 位置検出センサ
12 発光部
15 ラインセンサ
17 発光側レンズ
18 受光側レンズ
20 制御部
21 入力位置推定部
25 入力パターン検出部
26 送信部
30 操作パネル
31 操作面
35 入力部
40 ペーパーホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力操作の種別を示す操作パネルと、
前記操作パネルの操作面側に前記操作面に沿って光を照射可能な発光部と、
一次元配列された受光素子を有する受光部と、
を備え、
前記操作パネルへの入力操作が行われた場合には、入力操作を行う入力体で反射した前記発光部からの光の反射光を前記受光部で受光し、
前記受光部上での受光位置と受光した光の強度とに基づいて前記入力体の位置を2次元的に推定することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記操作パネルは、交換可能な薄板で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項3】
前記操作パネルは、入力操作の種別が異なるパネルに交換可能であることを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作パネルを置き換えることにより、入力操作の種別または入力操作を行う位置が変更されたことの認識が可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68516(P2013−68516A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207300(P2011−207300)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】