支持具および装置の支持構造並びにそれに用いられる部品
【課題】測定する場所と測定対象に応じて、装置を適切な姿勢・位置で支持すること
【解決手段】 速度測定装置1に取り付けられるベース部材21の下面に、ボールジョイントを構成するボール部22cを設けるとともに、ボール部の先端に、三脚ネジ用雌ネジ部22hを設ける。これにより、ボールジョイントを構成する所望のブラケット台に取り付ける構成と、三脚に取り付ける構成の2つの態様が、1つの支持具で兼用して実現できるので、便利であるとともに、取り付ける相手(ブラケット台/三脚)を適宜変えることで、速度測定装置を適切な高さと向きで支持することができる。
【解決手段】 速度測定装置1に取り付けられるベース部材21の下面に、ボールジョイントを構成するボール部22cを設けるとともに、ボール部の先端に、三脚ネジ用雌ネジ部22hを設ける。これにより、ボールジョイントを構成する所望のブラケット台に取り付ける構成と、三脚に取り付ける構成の2つの態様が、1つの支持具で兼用して実現できるので、便利であるとともに、取り付ける相手(ブラケット台/三脚)を適宜変えることで、速度測定装置を適切な高さと向きで支持することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を所望の姿勢や高さ位置に支持することができる支持具および装置の支持構造並びにそれに用いられる部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動する測定対象物の最大速度を測定する速度測定装置として、ドップラーセンサを用いたものが知られている。これは、非測定対象物である物体に向けてマイクロ波を照射し、物体による反射波を測定する。物体がマイクロ波の進行方向に対して運動している時は、ドップラー効果によって反射波の周波数が変化するため、これと発射波の周波数を比較することにより、物体の速さを算出することができる。この種のドップラーセンサを用いた従来の速度測定装置では、一般に野球において、投手が投げるボールの速度(球速)を測定するのに用いられる。また、ドップラーセンサを用いた速度測定装置における測定対象は、係る球速のように減速運動をしていくものに限ることはなく、自動車の走行速度のように等速運動をしているものや、ゴルフクラブ等のスイング運動のように、速度0の状態から急激に加速し、ボールを打撃するポイントで最高速に達するというように加速運動をしているものなど、各種のもがある。
【0003】
ゴルフクラブのスイングスピード等を測定する速度測定装置としては、例えば特許文献1に示すものがある。この特許文献1に開示された装置は、ケース本体を偏平な略直方体状の矩形の箱体としている。そして、実際に速度を計測する場合、本装置をゴルフクラブをスイングするゴルファーの後方所定位置に設置する。具体的な設置位置は、本装置の検知範囲が、スイング中のゴルフクラブのヘッドが最大速度で移動する地点を含むような位置としている。そして、通常、ゴルフクラブのヘッドの移動軌跡の最下点付近がボールに対するインパクト位置となり、通常、当該位置付近でヘッドの移動速度は最大速度になるため、係る移動軌跡の最下点の接線上であり、かつ、ゴルファーの後方を設置位置とする。また、上記のように、ゴルフの場合、地面上(或いはティーアップされたティーの上)にあるボールを打つので、ゴルフスイングにおける最大速度は、地面付近となることから、係る本装置は、通常地面の上に直接置くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−5289
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された装置は、地面に置くことから、内蔵するドップラーセンサのアンテナの指向性は、ケース本体の底面と平行な方向などとなり、設置した地面が斜めとなると、そのアンテナの指向性も斜めに向くことになる。従って、ゴルフ場のコースに持ち込み、実際にボールを打つ際のスイングの速度を測定しようとした場合、凸凹しているような場所では、正しい位置・姿勢で装置を設置しにくいという課題がある。さらに、装置を置く場所がボールを打つ場所よりも低く、段差がある場合には、その段差を埋めるためのかさ上げ用の台を用意し、その台の上に装置を置く必要がある。
【0006】
さらに、上述したように、ドップラーセンサを利用した速度測定装置は、各種の測定対象がある。従って、それぞれの測定対象にあった速度測定アルゴリズムを実装することで、同一の装置で異なる種類の測定対象についての速度測定ができるようになる。この場合に、測定対象によっては、地面に直接置くのは低すぎて地面から一定の高さに設置するのが適切な場合がある。
【0007】
装置を設置する地点のアンジェレーション・起伏が激しかったり、設置位置と速度の測定位置で段差があったり、地面から一定の高さとしたりするなど、装置を適切な位置・姿勢に置くことができるようにしたいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の支持具は、(1)装置を支持する支持具であり、ボールジョイントを構成するボール部に三脚ネジ用雌ネジ部を設け、ボール部の三脚ネジ用雌ネジ部方向と異なる方向に前記装置への固定部を設けるとよい。ボール部に三脚ネジ用雌ネジ部を設けたので、下記の(9)等に示すように、そのボール部を受ける凹部を有するブラケット台を用意し、その凹部にボール部を装着してボールジョイントを形成することで、ブラケット台を介して装置を所望の姿勢・位置に支持する態様と、三脚に固定して支持する態様の2つの対応を採ることができる。よって、1つの支持具を用いて、設置場所と測定対象の位置等に応じて、適切な設置状況を得ることができる。三脚ネジ用雌ネジ部方向と異なる方向としては、三脚ネジ用雌ネジ部方向と反対方向とすると特によい。このようにすると、可動範囲を広くすることができる。三脚ネジ用雌ネジ部は例えばボール部の先端に設けると良い。
【0009】
(2)前記固定部は、前記装置の表面に対して面接触する部位を有するとよい。このようにすると、装置に固定した際に、その接触部位が面で接触するので、装置からかかる荷重が分散し、安定して支持することができる。
【0010】
(3)前記ボール部の前記三脚ネジ用雌ネジの開口面の外周囲には、平坦面からなる三脚取り付け部が形成されるようにするとよい。三脚(雲台)に取り付けた場合に、三脚の取り付け面に対して面接触するので、安定して支持することができる。
【0011】
(4)前記固定部は、板状のベース部材の一方の面に複数の突起を起立形成することで構成され、前記ベース部材の他方の面に、前記ボール部を設け、前記突起を前記装置内に挿入することで固定するものとするとよい。このように複数箇所で連係することで、安定して支持することができる。
【0012】
(5)上記の(4)の発明を前提とし、前記ボール部は、前記ベース部材とは別部材で構成され、前記ボール部を含むボール部品は、前記ベース部材の取り付け部位に面接触する平板状の基部と、その基部に起立形成される首部と、その首部の先端に設けられる前記ボール部を有することができる。別部材とすることで、それぞれを適切な材料で形成することができる。また、2つの部材に分けたとしても、基部がベース部材に対して面接触するので、安定して保持することができる。
【0013】
(6)上記の(5)の発明を前提とし、前記ベース部材の前記取り付け部位の周囲に周壁を設け、前記基部の側面は、前記周壁により隠れるように構成するとよい。このようにすると、基部の側面が周壁によって隠れるので、基部に対する加工・処理が簡易で済む。
【0014】
(7)上記の(5)または(6)の発明を前提とし、前記首部の軸心と、前記三脚ネジ用雌ネジ部の軸心を一致させるとよい。このようにすると、可動範囲を広くすることができる。
【0015】
(8)上記の(4)から(6)の発明を前提とし、前記ベース部材は樹脂で形成し、前記ボール部品は金属で形成するとよい。このようにすると、強度が必要なボール部を金属で形成できるので、好ましい。また、ベース部全体は樹脂で作成することから、所望の形状に作りやすくなる。
【0016】
(9)前記三脚取り付け部は、ボール部を構成する球体を前記三脚ネジ用雌ネジ部の軸心と直交する平面きった形状からなり、その外径は前記三脚ネジ用雌ネジ部の径より大きい設定とすると良い。このようにすると、装置自体の重さ、装置の向きの調整時や三脚取り付け時にかかる荷重等を分散させることができる。
【0017】
(10)前記ボール部を受ける凹部を有するブラケット台を備え、そのボール部を前記凹部内に装着してボールジョイントが構成されるようにすることができる。これにより、装置は、ブラケット台の底面からそのブラケット台の高さ分以上かさ上げした高さに設置することができるとともに、ボールジョイントであるの所望の角度・姿勢で支持されることになる。
【0018】
(11)上記の(10)の発明を前提とし、前記ボール部を前記凹部内に装着した際に、可動範囲において前記ボール部に設けた前記三脚ネジ用雌ネジ部は露出しないようにするとよい。このようにすると、可動範囲内で凹部の上方に隙間があかないので、任意の角度範囲への移動がスムーズに行われる。また固定の安定性に優れると共に、泥等が入り込むおそれがなくなり、隙間などが見えることもなく見栄えもよい。
【0019】
(12)本発明の装置の支持構造は、装置と、その装置に装着される上記(1)から(10)のいずれかに記載の支持具と、を備えるとよい。このようにすることで、装置を所望の位置や姿勢で指示することができる。
【0020】
(13)装置と、その装置に装着される(4)に記載の支持具と、を備え、前記装置に設けた前記突起が挿入されるための筒部は、前記装置を構成する複数の部材を固定するネジを挿入するネジ穴とするとよい。このようにすると、装置の本体に設ける穴の数を少なくすることができ、見た目によく、泥等の汚れに強いのでメンテナンスも容易となる。
【0021】
(14)前記装置は、その底面に複数の足を持ち、前記支持具を装着した状態では、その複数の足の少なくとも一部が前記支持具に覆われるようにするとよい。装置は、その足を利用して、支持具を取り付けることなく、直接地面その他の設置位置に置くことができる。また、支持具を取り付けた状態では、足を隠すことができ、見た目もきれいとなる。
【0022】
(15)前記装置は、スピード測定器とすることができる。スピード測定器としては、スピードの測定対象が、異なる高さになりうるものに特に優れた効果を発揮する。すなわち、三脚によって支持した方がよい位置とボールジョイントによるブラケットによって支持した方がよい位置に装置を設置する可能性のある装置に適用するとよい。例えば、ゴルフ(例えばクラブやボールの速度)と野球(例えばボールやバットスイングの速度)のような複数のスポーツに関する速度を測定する機能を有する装置に好適である。測定対象のスポーツによって装置を設置する高さが異なるからである。ボールは、実施形態で示すように、ゴルフボールや、野球のボール(投げたボール,打ったボール)や、その他各種の球技に用いられるボールがある。もちろん、測定器に限ることはなく、その他各種の装置の支持に用いられる。
【0023】
(16)また、本発明の部品は、ボールジョイントを構成するためのボール部に、三脚ネジ用雌ネジ部を設けたものとするとよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、ボールジョイントを構成する所望のブラケット台に取り付ける構成と、三脚に取り付ける構成の2つの態様が、1つの支持具で兼用して実現できるので、便利であるとともに、取り付ける相手(ブラケット台/三脚)を適宜変えることで、測定する場所と測定対象に応じて、装置を適切な姿勢・位置で支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】速度測定装置に本発明に係る装置の取付治具の一実施形態を取り付けた状態を示す側面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】その下から見た斜視図である。
【図4】その背面図である。
【図5】取付治具の一部を構成するジョイントベースを示す斜視図である。
【図6】そのジョイントベースを下から見た斜視図である。
【図7】ベース部材を下から見た斜視図である。
【図8】速度測定装置を下から見た斜視図である。
【図9】ジョイントベースを取り付けた状態の速度測定装置を下から見た斜視図である。
【図10】上ケース・蓋部材等を取り外した状態を示す斜視図である。
【図11】(a)は図10の状態における正面図であり、(b)は下ケース・蓋部材等を取り外した状態を示す正面図である。
【図12】ジョイントベース2とブラケット台3を示す側面図である。
【図13】その正面図である。
【図14】その斜視図である。
【図15】その下側から見た斜視図である。
【図16】(a)はジョイントベース2をブラケット台3に取り付けた状態を示す側面図であり、(b)はその断面図である。
【図17】速度測定装置を三脚に取り付ける状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を用いて本発明の好適な一実施形態を説明する。図1〜図3は、速度測定装置1の使用状態の一例として、その速度測定装置1の底面に装着されたジョイントベース2を介してブラケット台3と連結した状態を示している。
【0027】
この速度測定装置1は、ケース本体10の内部にマイクロ波ドップラーセンサや、制御部等を備え、そのマイクロ波ドップラーセンサから出力されるドップラー信号に基づき(実際には、適宜増幅する)、制御部で演算処理をして速度を求め、その求めた結果を表示部14へ出力するものである。そして、本実施形態の速度測定装置1は、特許文献1等に開示されたゴルフ支援装置のように、ゴルフクラブのスイング速度や、実際に打ったボールの速度を測定したり、それらの速度に基づいて推定飛距離を求めたりする機能を備えている。また、モード切替により、異なる種類の測定対象物の速度を測定できる機能を組み込んでも良い。異なる種類としては、例えば、ボールの速度等(初速・終速等)を測定するピッチングモードと、バットのスイング速度や打球の速度等を測定するバッティングモードと、短距離走の走者の走行速度を測定する短距離モードと、ゴルフクラブのスイング速度や打ち出した打球の速度や推定飛距離等を求めるゴルフモードと、自動車の走行速度を測定する自動車モード等がある。
【0028】
そして、速度測定装置のケース本体10は、扁平矩形状の本体部10aと、その本体部位10aの前側に設けられ連続的にラッパ状に広がる前方部位10bと、を有する。前方部位10bは、その厚さ(高さ)が前方(先端)に行くに従って、上方向に徐々に厚くなるが、底面は地面に直接置く対応もとれるようにするため略平坦面としている。本体部位10aは、ユーザが手で握り持つ部位となるので、握りやすい寸法形状に設定される。
【0029】
ケース本体10は、上下に2分割された上ケース11と下ケース12とを互いに突合わせて構成される。上ケース11は、下方並びに前方が開口され、下ケース12は上方並びに前方が開口されている。上ケース11の下端縁と、下ケース12の上端縁の寸法形状は一致し、両ケース11,12を突き合わせることで前方の開口部位を除きケース本体10が閉塞される。そして、それら両ケース11,12の接触面間に防水パッキンを介在させ、防水構造としている。
【0030】
そして、上ケース11並びに下ケース12は、その前面が開口しているので、その開口部位に平板状の蓋部材13が装着されて閉塞される。また、この蓋部材13の色(例えば、黒・ダークグレー等の暗い色)を、上ケース11並びに下ケース12の側面や前面の色(例えば、シルバー等の明るい色)と異なるようにしている。これにより、蓋部材13の存在位置が明確になる。この蓋部材13の裏面(内面)側に、マイクロ波ドップラーセンサを構成するホーンアンテナの開口面が配置される。よって、蓋部材13の向きが、ホーンアンテナの向きと一致する。
【0031】
ケース本体10の上面、つまり上ケース11の平坦部11aの上面所定位置には、適宜の寸法形状の開口部(窓孔)が設けられ、その開口部に対向して、表示部14が設けられる。表示部14は、液晶ディスプレイ等で構成され、比較的大きな矩形状の表示エリアを構成し、速度の測定結果を描画したり、設定時のメニュー項目を描画したりする。表示部14の周囲には、複数のスイッチボタン15が配置される。スイッチボタン15は、電源ボタンであったり、測定の開始/終了を指示するボタンであったり、各種の設定を行うボタンであったりする。ケース本体の底面、つまり下ケース12の後方側には、電池収納部が設けられ、通常は電池蓋16で閉塞している。ケース本体10の後面にはマイクロSDカードスロット17が設けられている。
【0032】
ケース本体10(下ケース12)の下面所定位置に、ジョイントベース2を装着する。図5〜図7等に示すように、ジョイントベース2は、略長方形状のベース部材21と、そのベース部材21の下面の後方端側近傍に取り付けたボール部品22と、を備えている。
【0033】
ベース部材21は、上面の前方端側の左右両端に、略円筒状の突起21aが上方に延びるように形成される。また、ベース部材21の上面の突起21aの後方位置には、第1円形リブ21bが設けられ、その第1円形リブ21bの内側に凹所21b′が形成される。さらにベース部材21の上面の後方端側の中央にも第2円形リブ21cが形成されるとともに、上面の全体にわたり、格子状リブ21dを形成している。これらのリブにより、強度が確保される。また、ベース部材21の下面の後方端側中央には、円形の周壁部21eが形成されている。この周壁部21eの形成位置は、第2円形リブ21cとほぼ同位置となっている。さらに図7に示すように、周壁部21e内の領域には、ベース部材21を上下に貫通する3つの貫通孔21fが120度間隔で配置されるとともに、隣接する貫通孔21fの間には、位置決め突部21gが形成される。そして、このベース部材21は、合成樹脂等を用いて所望の形状に形成する。
【0034】
一方、ボール部品22は、金属製であり、ベース部材21の周壁部21e内の領域に取り付けられる。つまり、ボール部品22は、円板状の基部22aと、その基部22aの中心に起立される首部22bと、その首部22bの先端に設けられるボール部22cと、を備えている。基部22aの外径は、周壁部21eの内径とほぼ一致する。さらに、基部22aを周壁部21e内に配置した状態で、貫通孔21fに対応する位置に雌ネジ22dを設けるとともに、位置決め突部21gに対応する位置に孔部22eを設けている。また、基部22aの高さ(厚さ)は、周壁部21eの高さと等しいか、低くしている(実施形態では、低く設定している)。
【0035】
これにより、まずベース部材21の位置決め凸部21gと、ボール部品22(基部22a)の孔部22eを対向させた状態で基部22aを周壁部21e内に挿入配置する。すると、ベース部材21の貫通孔21fと、基部22aに設けた雌ネジ22dが対向するので、ベース部材21の上面側より貫通孔21fに固定ネジ23を挿入し、雌ネジ22dに締結することでボール部品22とベース部材21とを連結して一体化する。
【0036】
さらに、基部22aの高さ(厚さ)は、周壁部21eの高さと等しいか、低くしているので、ボール部品22とベース部材21とを連結した状態では、基部22aは周壁部21e内の空間に入り込んで隠れる。基部22aの上面並びに側面は完全に覆われることになり、少なくとも、係る面については金属面を磨く必要がなく、塗装等をなくして簡略化でき、コストを抑えられる。そして、外部に露出するのは樹脂からなる周壁部21eとなるのできれいに見える。
【0037】
図8に示すように、速度測定装置1のケース本体10(下ケース12)の底面には、その前方側の2箇所に小円の開口部12dが形成され、図10,図11に示すようにその開口部12dに連係するように下ケース12の上面側に円筒部12fが形成される。そして、ベース部材21に設けた円筒状の突起21aが、ケース本体10に設けた開口部12d内に挿入され、円筒部12f内に嵌って固定される。この固定は、突起21aの外周面と、円筒部12fの内周面との間に生じる摩擦力を利用しても良いし、機構的に連結してもよい。
【0038】
さらに、ケース本体10を構成する下ケース12の底面所定位置には、円形の凸条12e,12e′が形成されている。この凸条12e,12e′は、仮想長方形の頂点に配置され、ケース本体10の前方側の2個の凸状12eは、上記の開口部12dの後方近傍に設けられ、ケース本体10の後方側の2個の凸状12e′は、後端近傍で、電池蓋16に設けられている。この4つの凸状12e,12e′は、速度測定装置1を直接地面等に置く場合の足となり、凸状12e,12e′の高さ分だけ浮くことで、下ケース11の底面全体が地面等に面接触して汚れるのを避けることができる。
【0039】
ベース部材21に設けた第1円形リブ21bは、突起21aを円筒部12f内に挿入してベース部材21を下ケース11に装着した際に下ケース12に設けた凸条12eに対向する位置に設けられている。そして、第1円形リブ21bの内径は、凸状12eの外径と等しいか大きく、第1円形リブ21bの高さは凸状12eの高さよりも高く設定している。これにより、ケース本体10(下ケース12)にベース部材21を装着した状態では、第1円形リブ21b内に凸条12eが入り込み、凸状21eがベース部材21にて隠される態様となる。
【0040】
また、第1円形リブ21bの内径と凸状12eの外径とを等しい設定とした場合には、2組の突起21aと円筒部12fの結合と、2組の第1円形リブ21bと凸状12eの結合の4箇所で連係されることになり、よりしっかりと保持され、回転も阻止される。
【0041】
また、図9に示すように、ベース部材21の横幅は、下ケース12の底面の平坦な部分の横幅とほぼ同じくらい広く設定し、面全体で安定して連係・支持できるようにしている。
【0042】
図10に示すように、下ケース12に設けた円筒部12fは、その上端に内側よりネジ18が装着され、そのネジ18の先端は円筒部12fの外側に突出している。そして、そのネジ18の先端は、回路基板19に設けられた位置決め用孔部19a内を貫通する。また、円筒部12fの上端面は、回路基板19の下面に接触し、回路基板19を支持する。これにより、回路基板19が所望位置にセットされる。さらに、図11に示すように、ネジ18は、上ケース11の天面所定位置に下方に向けて延びるように形成された支柱11eの下端に設けられた雌ネジに締結される。つまり、ネジ18は、上ケース11としたケース12を連結・固定するためのネジであり、円筒部12fは元々回路基板19を受けるとともに、そのネジ18を下ケース12の底面側から挿入し、円筒部12fの上端の天面にネジ18のネジ頭が接触して止めるためのものであり、ネジ穴ともいえる。このようにネジ18を挿入するため、円筒部12fの下端は、開口部12dにより開口している。そこで本実施形態では。係る複数の部材を固定するネジ穴である円筒部12f内にベース部材21の突起21aを入り込ませる構成にすることで、ケース本体10に設ける穴の数を少なくすることができ、見た目によく、泥等の汚れに強くなる。
【0043】
さらにボール部品22のボール部22cは、図6等に示すように、三脚ネジ用雌ネジ部22hを設けている。この三脚ネジ用雌ネジ部22hの軸心と、首部22bの軸心が同一直線状に位置するように設定している。さらに、三脚ネジ用雌ネジ部22hの開口部側は、三脚ネジ用雌ネジ部22hの軸心と直交する面で切除された形態をとり、所定幅のリング状の平面からなる三脚取り付け部22jを備えている。
【0044】
ブラケット台(台座)3は、図12から図16等に示すように、平板状の基板部31の上面中央に上方に膨らむ肉厚部32を備え、その肉厚部32の上面頂点付近に球面状の凹部33を設けた構成を採る。ブラケット台3は、ゴム等の弾性変形可能で、適度な摩擦係数を有する材質から構成している。
【0045】
ボール部22cの外径と、凹部33の内径とはほぼ等しく設定している。また、凹部33は、球面の上部が開口した形状となり、上部の開口径は、その凹部33の内径よりも小さくし、半球以上としている。これにより、図16等に示すように、ボール部22cが凹部33内に入り込んだ状態では、ボール部22cの外形状と凹部33の内形状とが略符合し、ボール部22cは球面に沿って任意の方向に回転・移動できるようになる。そして、両者の径をほぼ一致させると共に、凹部33の内形状に適度な摩擦係数を持たせることで、ボール部22cひいてはジョイントベース2を任意の角度・姿勢で保持させることができる。
【0046】
さらに、ブラケット台3は弾性変形が可能であるので、図16等に示す状態からブラケット台3を保持しつつジョイントベース2を上方に引き上げる方向に付勢すると、凹部33の開口部の径が広がりボール部22cを凹部33から離脱させることができる。逆に、ブラケット台3とジョイントベース2とが分離した状態の場合、ボール部22cを凹部333の開口部に押し当て、その状態のままブラケット台3に向けて押し込むように付勢すると、凹部33の弾性変形によりその開口部が一旦広がり凹部33内にボール部22cが収納される。その後は、ブラケット台3の弾性復元力により凹部33の形状は元に戻り、ボール部22cが簡単に凹部33から離脱するのが抑制される。
【0047】
上述したように、速度測定装置1は、その底面に4つの円形の凸条12e,12e′を備えているので、その凸条12e,12e′が足となり、地面その他の場所に直接置き、速度の測定が行える。そして、図1等に示すように、速度測定装置1の底面にジョイントベース2を取り付けると共に、ジョイントベース2をブラケット台3に連結すると、そのブラケット台3を地面等に設置位置に置くことで、速度測定装置1の高さ位置を、ブラケット台3の底面からベース部材21の上面までの高さ分だけ、設置位置から高い位置にかさ上げすることができる。さらに、ジョイントベース2とブラケット台3とでボールジョイントを構成するため、速度測定装置1の向きの角度調整もできる。
【0048】
また、図16に示すように、台座11の底面には、底浅の凹所が形成されている。この凹所内に、例えば粘着シートや両面接着テープや面ファスナー等の接着部材の一面を装着するとともに、その接着部材の他の面をテーブルその他の速度測定装置1の設置位置に貼付ける。これにより、係る設置位置に対して速度測定装置1をしっかりと、所望の向き・姿勢で固定することができる。
【0049】
さらに、ブラケット台3に速度測定装置1に取り付けたジョイントベース2を装着した際に、速度測定装置1の可動範囲においてボール部22cに設けた平面からなる三脚取り付け部22jが露出しない設定としている。三脚取り付け部22jが露出すると、凹部33の上端開口とボール部22cとの間に隙間・空間が形成されてしまい、安定性に欠けると共に、その隙間から泥等が入り込むおそれがあり、さらに隙間が見えるため見栄えも悪いため、上記の設定を採ることで係る事態が生じないようにする。
【0050】
図17は、速度測定装置1を三脚に固定して使用する例を示している。この使用態様では、速度測定装置1の底面にジョイントベース2を取り付けた状態で、ボール部22cが露出状態としている。これにより、ボール部22cに設けた三脚ネジ用雌ネジ部22hや三脚取り付け部22jも外部に露出する。そこで、市販等されている三脚50を用意し、その三脚50の雲台51の上面から上方に突出する固定ネジ52を、ボール部22cに設けた三脚ネジ用雌ネジ部22hに装着する。そして、しっかりと締結して固定すると、三脚取り付け面22jは、雲台51の上面に面接触して支持される。三脚取り付け面22jは、一定の幅を有する平坦面から構成されているので、雲台51との接触面積も充分とれ、三脚50に対して速度測定装置1を安定した状態で取り付けることができる。
【0051】
これにより、三脚50の機能により、速度測定装置1を所望の向き・姿勢にしたり、所望の高さに位置させることができる。特に、速度測定装置1の測定機能として、バッティングモードにおけるバットスイングを測定したり、短距離モードにおける走者の走る速度を測定したりするものを組み込んだ場合、係る測定を行う際にはある程度の高さに設置する必要があるが、三脚を用いることで所望の高さに固定できるので好ましい。
【0052】
また、上述した実施形態では、板状のベース部材21の上面が速度測定装置1の下ケース12に面全体で接触(実際に接しているのは、リブの上面)して安定して支持するようにしているが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、上記のボール部品22における基部22aを無くし、首部22bの端部(ボール部22cの非接続側)に固定部となる雄ネジを形成し、速度測定装置1の下ケース12の所望位置に、その雄ネジが締結される雌ネジを設けても良い。この場合に、ボール部品22の雄ネジを速度測定装置1の下ケース12に設けた雌ネジに締結して固定すると、速度測定装置1の下側にボール部22cが突出した状態で固定される。
【0053】
そして、ボール部22cをブラケット台3の凹部33に装着することで、ボールジョイントを構成し、速度測定装置1は、ブラケット台3でかさ上げされるとともに所望の姿勢で支持される。また、ブラケット台3に装着するのではなく、露出したボール部33に設けた三脚ネジ用雌ネジ部22hを三脚50の固定ネジ52で固定して雲台51に取り付けて使用することもできる。
【0054】
さらに、例えば、三脚ネジ用雌ネジ部22hは、1/4インチネジの雌ネジを形成し、固定部となる雄ネジは3/8インチネジとし、それに対応して速度測定装置1の下ケース12に設けるネジも3/8インチの雌ネジとすると、例えば、三脚の固定ネジが、1/4インチネジの場合には、上記の実施形態と同様にボール部に設けた三脚ネジ用雌ネジ部を用いて三脚に取り付けることができ、また、固定ネジが3/8インチの三脚に対しては、速度測定装置1の底面に設けた雌ネジに三脚の固定ネジを締結することで、速度測定装置1を直接三脚に取り付けることもできる。
【0055】
上記の説明では、基部を設けない構成としたが、基部を備え、その基部の上面中央に雄ねじを突出形成するようにしても良い。係る場合、基部が速度測定装置1の底面に面接触し、強度が増すのでよい。
【符号の説明】
【0056】
1 速度測定装置
2 ジョイントベース
3 ブラケット台
10 ケース本体
11 上ケース
12 下ケース
21 ベース部材
22 ボール部品
22a 基部
22b 首部
22c ボール部
22h 三脚ネジ用雌ネジ
22j 取り付け面
33 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を所望の姿勢や高さ位置に支持することができる支持具および装置の支持構造並びにそれに用いられる部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動する測定対象物の最大速度を測定する速度測定装置として、ドップラーセンサを用いたものが知られている。これは、非測定対象物である物体に向けてマイクロ波を照射し、物体による反射波を測定する。物体がマイクロ波の進行方向に対して運動している時は、ドップラー効果によって反射波の周波数が変化するため、これと発射波の周波数を比較することにより、物体の速さを算出することができる。この種のドップラーセンサを用いた従来の速度測定装置では、一般に野球において、投手が投げるボールの速度(球速)を測定するのに用いられる。また、ドップラーセンサを用いた速度測定装置における測定対象は、係る球速のように減速運動をしていくものに限ることはなく、自動車の走行速度のように等速運動をしているものや、ゴルフクラブ等のスイング運動のように、速度0の状態から急激に加速し、ボールを打撃するポイントで最高速に達するというように加速運動をしているものなど、各種のもがある。
【0003】
ゴルフクラブのスイングスピード等を測定する速度測定装置としては、例えば特許文献1に示すものがある。この特許文献1に開示された装置は、ケース本体を偏平な略直方体状の矩形の箱体としている。そして、実際に速度を計測する場合、本装置をゴルフクラブをスイングするゴルファーの後方所定位置に設置する。具体的な設置位置は、本装置の検知範囲が、スイング中のゴルフクラブのヘッドが最大速度で移動する地点を含むような位置としている。そして、通常、ゴルフクラブのヘッドの移動軌跡の最下点付近がボールに対するインパクト位置となり、通常、当該位置付近でヘッドの移動速度は最大速度になるため、係る移動軌跡の最下点の接線上であり、かつ、ゴルファーの後方を設置位置とする。また、上記のように、ゴルフの場合、地面上(或いはティーアップされたティーの上)にあるボールを打つので、ゴルフスイングにおける最大速度は、地面付近となることから、係る本装置は、通常地面の上に直接置くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−5289
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された装置は、地面に置くことから、内蔵するドップラーセンサのアンテナの指向性は、ケース本体の底面と平行な方向などとなり、設置した地面が斜めとなると、そのアンテナの指向性も斜めに向くことになる。従って、ゴルフ場のコースに持ち込み、実際にボールを打つ際のスイングの速度を測定しようとした場合、凸凹しているような場所では、正しい位置・姿勢で装置を設置しにくいという課題がある。さらに、装置を置く場所がボールを打つ場所よりも低く、段差がある場合には、その段差を埋めるためのかさ上げ用の台を用意し、その台の上に装置を置く必要がある。
【0006】
さらに、上述したように、ドップラーセンサを利用した速度測定装置は、各種の測定対象がある。従って、それぞれの測定対象にあった速度測定アルゴリズムを実装することで、同一の装置で異なる種類の測定対象についての速度測定ができるようになる。この場合に、測定対象によっては、地面に直接置くのは低すぎて地面から一定の高さに設置するのが適切な場合がある。
【0007】
装置を設置する地点のアンジェレーション・起伏が激しかったり、設置位置と速度の測定位置で段差があったり、地面から一定の高さとしたりするなど、装置を適切な位置・姿勢に置くことができるようにしたいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の支持具は、(1)装置を支持する支持具であり、ボールジョイントを構成するボール部に三脚ネジ用雌ネジ部を設け、ボール部の三脚ネジ用雌ネジ部方向と異なる方向に前記装置への固定部を設けるとよい。ボール部に三脚ネジ用雌ネジ部を設けたので、下記の(9)等に示すように、そのボール部を受ける凹部を有するブラケット台を用意し、その凹部にボール部を装着してボールジョイントを形成することで、ブラケット台を介して装置を所望の姿勢・位置に支持する態様と、三脚に固定して支持する態様の2つの対応を採ることができる。よって、1つの支持具を用いて、設置場所と測定対象の位置等に応じて、適切な設置状況を得ることができる。三脚ネジ用雌ネジ部方向と異なる方向としては、三脚ネジ用雌ネジ部方向と反対方向とすると特によい。このようにすると、可動範囲を広くすることができる。三脚ネジ用雌ネジ部は例えばボール部の先端に設けると良い。
【0009】
(2)前記固定部は、前記装置の表面に対して面接触する部位を有するとよい。このようにすると、装置に固定した際に、その接触部位が面で接触するので、装置からかかる荷重が分散し、安定して支持することができる。
【0010】
(3)前記ボール部の前記三脚ネジ用雌ネジの開口面の外周囲には、平坦面からなる三脚取り付け部が形成されるようにするとよい。三脚(雲台)に取り付けた場合に、三脚の取り付け面に対して面接触するので、安定して支持することができる。
【0011】
(4)前記固定部は、板状のベース部材の一方の面に複数の突起を起立形成することで構成され、前記ベース部材の他方の面に、前記ボール部を設け、前記突起を前記装置内に挿入することで固定するものとするとよい。このように複数箇所で連係することで、安定して支持することができる。
【0012】
(5)上記の(4)の発明を前提とし、前記ボール部は、前記ベース部材とは別部材で構成され、前記ボール部を含むボール部品は、前記ベース部材の取り付け部位に面接触する平板状の基部と、その基部に起立形成される首部と、その首部の先端に設けられる前記ボール部を有することができる。別部材とすることで、それぞれを適切な材料で形成することができる。また、2つの部材に分けたとしても、基部がベース部材に対して面接触するので、安定して保持することができる。
【0013】
(6)上記の(5)の発明を前提とし、前記ベース部材の前記取り付け部位の周囲に周壁を設け、前記基部の側面は、前記周壁により隠れるように構成するとよい。このようにすると、基部の側面が周壁によって隠れるので、基部に対する加工・処理が簡易で済む。
【0014】
(7)上記の(5)または(6)の発明を前提とし、前記首部の軸心と、前記三脚ネジ用雌ネジ部の軸心を一致させるとよい。このようにすると、可動範囲を広くすることができる。
【0015】
(8)上記の(4)から(6)の発明を前提とし、前記ベース部材は樹脂で形成し、前記ボール部品は金属で形成するとよい。このようにすると、強度が必要なボール部を金属で形成できるので、好ましい。また、ベース部全体は樹脂で作成することから、所望の形状に作りやすくなる。
【0016】
(9)前記三脚取り付け部は、ボール部を構成する球体を前記三脚ネジ用雌ネジ部の軸心と直交する平面きった形状からなり、その外径は前記三脚ネジ用雌ネジ部の径より大きい設定とすると良い。このようにすると、装置自体の重さ、装置の向きの調整時や三脚取り付け時にかかる荷重等を分散させることができる。
【0017】
(10)前記ボール部を受ける凹部を有するブラケット台を備え、そのボール部を前記凹部内に装着してボールジョイントが構成されるようにすることができる。これにより、装置は、ブラケット台の底面からそのブラケット台の高さ分以上かさ上げした高さに設置することができるとともに、ボールジョイントであるの所望の角度・姿勢で支持されることになる。
【0018】
(11)上記の(10)の発明を前提とし、前記ボール部を前記凹部内に装着した際に、可動範囲において前記ボール部に設けた前記三脚ネジ用雌ネジ部は露出しないようにするとよい。このようにすると、可動範囲内で凹部の上方に隙間があかないので、任意の角度範囲への移動がスムーズに行われる。また固定の安定性に優れると共に、泥等が入り込むおそれがなくなり、隙間などが見えることもなく見栄えもよい。
【0019】
(12)本発明の装置の支持構造は、装置と、その装置に装着される上記(1)から(10)のいずれかに記載の支持具と、を備えるとよい。このようにすることで、装置を所望の位置や姿勢で指示することができる。
【0020】
(13)装置と、その装置に装着される(4)に記載の支持具と、を備え、前記装置に設けた前記突起が挿入されるための筒部は、前記装置を構成する複数の部材を固定するネジを挿入するネジ穴とするとよい。このようにすると、装置の本体に設ける穴の数を少なくすることができ、見た目によく、泥等の汚れに強いのでメンテナンスも容易となる。
【0021】
(14)前記装置は、その底面に複数の足を持ち、前記支持具を装着した状態では、その複数の足の少なくとも一部が前記支持具に覆われるようにするとよい。装置は、その足を利用して、支持具を取り付けることなく、直接地面その他の設置位置に置くことができる。また、支持具を取り付けた状態では、足を隠すことができ、見た目もきれいとなる。
【0022】
(15)前記装置は、スピード測定器とすることができる。スピード測定器としては、スピードの測定対象が、異なる高さになりうるものに特に優れた効果を発揮する。すなわち、三脚によって支持した方がよい位置とボールジョイントによるブラケットによって支持した方がよい位置に装置を設置する可能性のある装置に適用するとよい。例えば、ゴルフ(例えばクラブやボールの速度)と野球(例えばボールやバットスイングの速度)のような複数のスポーツに関する速度を測定する機能を有する装置に好適である。測定対象のスポーツによって装置を設置する高さが異なるからである。ボールは、実施形態で示すように、ゴルフボールや、野球のボール(投げたボール,打ったボール)や、その他各種の球技に用いられるボールがある。もちろん、測定器に限ることはなく、その他各種の装置の支持に用いられる。
【0023】
(16)また、本発明の部品は、ボールジョイントを構成するためのボール部に、三脚ネジ用雌ネジ部を設けたものとするとよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、ボールジョイントを構成する所望のブラケット台に取り付ける構成と、三脚に取り付ける構成の2つの態様が、1つの支持具で兼用して実現できるので、便利であるとともに、取り付ける相手(ブラケット台/三脚)を適宜変えることで、測定する場所と測定対象に応じて、装置を適切な姿勢・位置で支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】速度測定装置に本発明に係る装置の取付治具の一実施形態を取り付けた状態を示す側面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】その下から見た斜視図である。
【図4】その背面図である。
【図5】取付治具の一部を構成するジョイントベースを示す斜視図である。
【図6】そのジョイントベースを下から見た斜視図である。
【図7】ベース部材を下から見た斜視図である。
【図8】速度測定装置を下から見た斜視図である。
【図9】ジョイントベースを取り付けた状態の速度測定装置を下から見た斜視図である。
【図10】上ケース・蓋部材等を取り外した状態を示す斜視図である。
【図11】(a)は図10の状態における正面図であり、(b)は下ケース・蓋部材等を取り外した状態を示す正面図である。
【図12】ジョイントベース2とブラケット台3を示す側面図である。
【図13】その正面図である。
【図14】その斜視図である。
【図15】その下側から見た斜視図である。
【図16】(a)はジョイントベース2をブラケット台3に取り付けた状態を示す側面図であり、(b)はその断面図である。
【図17】速度測定装置を三脚に取り付ける状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を用いて本発明の好適な一実施形態を説明する。図1〜図3は、速度測定装置1の使用状態の一例として、その速度測定装置1の底面に装着されたジョイントベース2を介してブラケット台3と連結した状態を示している。
【0027】
この速度測定装置1は、ケース本体10の内部にマイクロ波ドップラーセンサや、制御部等を備え、そのマイクロ波ドップラーセンサから出力されるドップラー信号に基づき(実際には、適宜増幅する)、制御部で演算処理をして速度を求め、その求めた結果を表示部14へ出力するものである。そして、本実施形態の速度測定装置1は、特許文献1等に開示されたゴルフ支援装置のように、ゴルフクラブのスイング速度や、実際に打ったボールの速度を測定したり、それらの速度に基づいて推定飛距離を求めたりする機能を備えている。また、モード切替により、異なる種類の測定対象物の速度を測定できる機能を組み込んでも良い。異なる種類としては、例えば、ボールの速度等(初速・終速等)を測定するピッチングモードと、バットのスイング速度や打球の速度等を測定するバッティングモードと、短距離走の走者の走行速度を測定する短距離モードと、ゴルフクラブのスイング速度や打ち出した打球の速度や推定飛距離等を求めるゴルフモードと、自動車の走行速度を測定する自動車モード等がある。
【0028】
そして、速度測定装置のケース本体10は、扁平矩形状の本体部10aと、その本体部位10aの前側に設けられ連続的にラッパ状に広がる前方部位10bと、を有する。前方部位10bは、その厚さ(高さ)が前方(先端)に行くに従って、上方向に徐々に厚くなるが、底面は地面に直接置く対応もとれるようにするため略平坦面としている。本体部位10aは、ユーザが手で握り持つ部位となるので、握りやすい寸法形状に設定される。
【0029】
ケース本体10は、上下に2分割された上ケース11と下ケース12とを互いに突合わせて構成される。上ケース11は、下方並びに前方が開口され、下ケース12は上方並びに前方が開口されている。上ケース11の下端縁と、下ケース12の上端縁の寸法形状は一致し、両ケース11,12を突き合わせることで前方の開口部位を除きケース本体10が閉塞される。そして、それら両ケース11,12の接触面間に防水パッキンを介在させ、防水構造としている。
【0030】
そして、上ケース11並びに下ケース12は、その前面が開口しているので、その開口部位に平板状の蓋部材13が装着されて閉塞される。また、この蓋部材13の色(例えば、黒・ダークグレー等の暗い色)を、上ケース11並びに下ケース12の側面や前面の色(例えば、シルバー等の明るい色)と異なるようにしている。これにより、蓋部材13の存在位置が明確になる。この蓋部材13の裏面(内面)側に、マイクロ波ドップラーセンサを構成するホーンアンテナの開口面が配置される。よって、蓋部材13の向きが、ホーンアンテナの向きと一致する。
【0031】
ケース本体10の上面、つまり上ケース11の平坦部11aの上面所定位置には、適宜の寸法形状の開口部(窓孔)が設けられ、その開口部に対向して、表示部14が設けられる。表示部14は、液晶ディスプレイ等で構成され、比較的大きな矩形状の表示エリアを構成し、速度の測定結果を描画したり、設定時のメニュー項目を描画したりする。表示部14の周囲には、複数のスイッチボタン15が配置される。スイッチボタン15は、電源ボタンであったり、測定の開始/終了を指示するボタンであったり、各種の設定を行うボタンであったりする。ケース本体の底面、つまり下ケース12の後方側には、電池収納部が設けられ、通常は電池蓋16で閉塞している。ケース本体10の後面にはマイクロSDカードスロット17が設けられている。
【0032】
ケース本体10(下ケース12)の下面所定位置に、ジョイントベース2を装着する。図5〜図7等に示すように、ジョイントベース2は、略長方形状のベース部材21と、そのベース部材21の下面の後方端側近傍に取り付けたボール部品22と、を備えている。
【0033】
ベース部材21は、上面の前方端側の左右両端に、略円筒状の突起21aが上方に延びるように形成される。また、ベース部材21の上面の突起21aの後方位置には、第1円形リブ21bが設けられ、その第1円形リブ21bの内側に凹所21b′が形成される。さらにベース部材21の上面の後方端側の中央にも第2円形リブ21cが形成されるとともに、上面の全体にわたり、格子状リブ21dを形成している。これらのリブにより、強度が確保される。また、ベース部材21の下面の後方端側中央には、円形の周壁部21eが形成されている。この周壁部21eの形成位置は、第2円形リブ21cとほぼ同位置となっている。さらに図7に示すように、周壁部21e内の領域には、ベース部材21を上下に貫通する3つの貫通孔21fが120度間隔で配置されるとともに、隣接する貫通孔21fの間には、位置決め突部21gが形成される。そして、このベース部材21は、合成樹脂等を用いて所望の形状に形成する。
【0034】
一方、ボール部品22は、金属製であり、ベース部材21の周壁部21e内の領域に取り付けられる。つまり、ボール部品22は、円板状の基部22aと、その基部22aの中心に起立される首部22bと、その首部22bの先端に設けられるボール部22cと、を備えている。基部22aの外径は、周壁部21eの内径とほぼ一致する。さらに、基部22aを周壁部21e内に配置した状態で、貫通孔21fに対応する位置に雌ネジ22dを設けるとともに、位置決め突部21gに対応する位置に孔部22eを設けている。また、基部22aの高さ(厚さ)は、周壁部21eの高さと等しいか、低くしている(実施形態では、低く設定している)。
【0035】
これにより、まずベース部材21の位置決め凸部21gと、ボール部品22(基部22a)の孔部22eを対向させた状態で基部22aを周壁部21e内に挿入配置する。すると、ベース部材21の貫通孔21fと、基部22aに設けた雌ネジ22dが対向するので、ベース部材21の上面側より貫通孔21fに固定ネジ23を挿入し、雌ネジ22dに締結することでボール部品22とベース部材21とを連結して一体化する。
【0036】
さらに、基部22aの高さ(厚さ)は、周壁部21eの高さと等しいか、低くしているので、ボール部品22とベース部材21とを連結した状態では、基部22aは周壁部21e内の空間に入り込んで隠れる。基部22aの上面並びに側面は完全に覆われることになり、少なくとも、係る面については金属面を磨く必要がなく、塗装等をなくして簡略化でき、コストを抑えられる。そして、外部に露出するのは樹脂からなる周壁部21eとなるのできれいに見える。
【0037】
図8に示すように、速度測定装置1のケース本体10(下ケース12)の底面には、その前方側の2箇所に小円の開口部12dが形成され、図10,図11に示すようにその開口部12dに連係するように下ケース12の上面側に円筒部12fが形成される。そして、ベース部材21に設けた円筒状の突起21aが、ケース本体10に設けた開口部12d内に挿入され、円筒部12f内に嵌って固定される。この固定は、突起21aの外周面と、円筒部12fの内周面との間に生じる摩擦力を利用しても良いし、機構的に連結してもよい。
【0038】
さらに、ケース本体10を構成する下ケース12の底面所定位置には、円形の凸条12e,12e′が形成されている。この凸条12e,12e′は、仮想長方形の頂点に配置され、ケース本体10の前方側の2個の凸状12eは、上記の開口部12dの後方近傍に設けられ、ケース本体10の後方側の2個の凸状12e′は、後端近傍で、電池蓋16に設けられている。この4つの凸状12e,12e′は、速度測定装置1を直接地面等に置く場合の足となり、凸状12e,12e′の高さ分だけ浮くことで、下ケース11の底面全体が地面等に面接触して汚れるのを避けることができる。
【0039】
ベース部材21に設けた第1円形リブ21bは、突起21aを円筒部12f内に挿入してベース部材21を下ケース11に装着した際に下ケース12に設けた凸条12eに対向する位置に設けられている。そして、第1円形リブ21bの内径は、凸状12eの外径と等しいか大きく、第1円形リブ21bの高さは凸状12eの高さよりも高く設定している。これにより、ケース本体10(下ケース12)にベース部材21を装着した状態では、第1円形リブ21b内に凸条12eが入り込み、凸状21eがベース部材21にて隠される態様となる。
【0040】
また、第1円形リブ21bの内径と凸状12eの外径とを等しい設定とした場合には、2組の突起21aと円筒部12fの結合と、2組の第1円形リブ21bと凸状12eの結合の4箇所で連係されることになり、よりしっかりと保持され、回転も阻止される。
【0041】
また、図9に示すように、ベース部材21の横幅は、下ケース12の底面の平坦な部分の横幅とほぼ同じくらい広く設定し、面全体で安定して連係・支持できるようにしている。
【0042】
図10に示すように、下ケース12に設けた円筒部12fは、その上端に内側よりネジ18が装着され、そのネジ18の先端は円筒部12fの外側に突出している。そして、そのネジ18の先端は、回路基板19に設けられた位置決め用孔部19a内を貫通する。また、円筒部12fの上端面は、回路基板19の下面に接触し、回路基板19を支持する。これにより、回路基板19が所望位置にセットされる。さらに、図11に示すように、ネジ18は、上ケース11の天面所定位置に下方に向けて延びるように形成された支柱11eの下端に設けられた雌ネジに締結される。つまり、ネジ18は、上ケース11としたケース12を連結・固定するためのネジであり、円筒部12fは元々回路基板19を受けるとともに、そのネジ18を下ケース12の底面側から挿入し、円筒部12fの上端の天面にネジ18のネジ頭が接触して止めるためのものであり、ネジ穴ともいえる。このようにネジ18を挿入するため、円筒部12fの下端は、開口部12dにより開口している。そこで本実施形態では。係る複数の部材を固定するネジ穴である円筒部12f内にベース部材21の突起21aを入り込ませる構成にすることで、ケース本体10に設ける穴の数を少なくすることができ、見た目によく、泥等の汚れに強くなる。
【0043】
さらにボール部品22のボール部22cは、図6等に示すように、三脚ネジ用雌ネジ部22hを設けている。この三脚ネジ用雌ネジ部22hの軸心と、首部22bの軸心が同一直線状に位置するように設定している。さらに、三脚ネジ用雌ネジ部22hの開口部側は、三脚ネジ用雌ネジ部22hの軸心と直交する面で切除された形態をとり、所定幅のリング状の平面からなる三脚取り付け部22jを備えている。
【0044】
ブラケット台(台座)3は、図12から図16等に示すように、平板状の基板部31の上面中央に上方に膨らむ肉厚部32を備え、その肉厚部32の上面頂点付近に球面状の凹部33を設けた構成を採る。ブラケット台3は、ゴム等の弾性変形可能で、適度な摩擦係数を有する材質から構成している。
【0045】
ボール部22cの外径と、凹部33の内径とはほぼ等しく設定している。また、凹部33は、球面の上部が開口した形状となり、上部の開口径は、その凹部33の内径よりも小さくし、半球以上としている。これにより、図16等に示すように、ボール部22cが凹部33内に入り込んだ状態では、ボール部22cの外形状と凹部33の内形状とが略符合し、ボール部22cは球面に沿って任意の方向に回転・移動できるようになる。そして、両者の径をほぼ一致させると共に、凹部33の内形状に適度な摩擦係数を持たせることで、ボール部22cひいてはジョイントベース2を任意の角度・姿勢で保持させることができる。
【0046】
さらに、ブラケット台3は弾性変形が可能であるので、図16等に示す状態からブラケット台3を保持しつつジョイントベース2を上方に引き上げる方向に付勢すると、凹部33の開口部の径が広がりボール部22cを凹部33から離脱させることができる。逆に、ブラケット台3とジョイントベース2とが分離した状態の場合、ボール部22cを凹部333の開口部に押し当て、その状態のままブラケット台3に向けて押し込むように付勢すると、凹部33の弾性変形によりその開口部が一旦広がり凹部33内にボール部22cが収納される。その後は、ブラケット台3の弾性復元力により凹部33の形状は元に戻り、ボール部22cが簡単に凹部33から離脱するのが抑制される。
【0047】
上述したように、速度測定装置1は、その底面に4つの円形の凸条12e,12e′を備えているので、その凸条12e,12e′が足となり、地面その他の場所に直接置き、速度の測定が行える。そして、図1等に示すように、速度測定装置1の底面にジョイントベース2を取り付けると共に、ジョイントベース2をブラケット台3に連結すると、そのブラケット台3を地面等に設置位置に置くことで、速度測定装置1の高さ位置を、ブラケット台3の底面からベース部材21の上面までの高さ分だけ、設置位置から高い位置にかさ上げすることができる。さらに、ジョイントベース2とブラケット台3とでボールジョイントを構成するため、速度測定装置1の向きの角度調整もできる。
【0048】
また、図16に示すように、台座11の底面には、底浅の凹所が形成されている。この凹所内に、例えば粘着シートや両面接着テープや面ファスナー等の接着部材の一面を装着するとともに、その接着部材の他の面をテーブルその他の速度測定装置1の設置位置に貼付ける。これにより、係る設置位置に対して速度測定装置1をしっかりと、所望の向き・姿勢で固定することができる。
【0049】
さらに、ブラケット台3に速度測定装置1に取り付けたジョイントベース2を装着した際に、速度測定装置1の可動範囲においてボール部22cに設けた平面からなる三脚取り付け部22jが露出しない設定としている。三脚取り付け部22jが露出すると、凹部33の上端開口とボール部22cとの間に隙間・空間が形成されてしまい、安定性に欠けると共に、その隙間から泥等が入り込むおそれがあり、さらに隙間が見えるため見栄えも悪いため、上記の設定を採ることで係る事態が生じないようにする。
【0050】
図17は、速度測定装置1を三脚に固定して使用する例を示している。この使用態様では、速度測定装置1の底面にジョイントベース2を取り付けた状態で、ボール部22cが露出状態としている。これにより、ボール部22cに設けた三脚ネジ用雌ネジ部22hや三脚取り付け部22jも外部に露出する。そこで、市販等されている三脚50を用意し、その三脚50の雲台51の上面から上方に突出する固定ネジ52を、ボール部22cに設けた三脚ネジ用雌ネジ部22hに装着する。そして、しっかりと締結して固定すると、三脚取り付け面22jは、雲台51の上面に面接触して支持される。三脚取り付け面22jは、一定の幅を有する平坦面から構成されているので、雲台51との接触面積も充分とれ、三脚50に対して速度測定装置1を安定した状態で取り付けることができる。
【0051】
これにより、三脚50の機能により、速度測定装置1を所望の向き・姿勢にしたり、所望の高さに位置させることができる。特に、速度測定装置1の測定機能として、バッティングモードにおけるバットスイングを測定したり、短距離モードにおける走者の走る速度を測定したりするものを組み込んだ場合、係る測定を行う際にはある程度の高さに設置する必要があるが、三脚を用いることで所望の高さに固定できるので好ましい。
【0052】
また、上述した実施形態では、板状のベース部材21の上面が速度測定装置1の下ケース12に面全体で接触(実際に接しているのは、リブの上面)して安定して支持するようにしているが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、上記のボール部品22における基部22aを無くし、首部22bの端部(ボール部22cの非接続側)に固定部となる雄ネジを形成し、速度測定装置1の下ケース12の所望位置に、その雄ネジが締結される雌ネジを設けても良い。この場合に、ボール部品22の雄ネジを速度測定装置1の下ケース12に設けた雌ネジに締結して固定すると、速度測定装置1の下側にボール部22cが突出した状態で固定される。
【0053】
そして、ボール部22cをブラケット台3の凹部33に装着することで、ボールジョイントを構成し、速度測定装置1は、ブラケット台3でかさ上げされるとともに所望の姿勢で支持される。また、ブラケット台3に装着するのではなく、露出したボール部33に設けた三脚ネジ用雌ネジ部22hを三脚50の固定ネジ52で固定して雲台51に取り付けて使用することもできる。
【0054】
さらに、例えば、三脚ネジ用雌ネジ部22hは、1/4インチネジの雌ネジを形成し、固定部となる雄ネジは3/8インチネジとし、それに対応して速度測定装置1の下ケース12に設けるネジも3/8インチの雌ネジとすると、例えば、三脚の固定ネジが、1/4インチネジの場合には、上記の実施形態と同様にボール部に設けた三脚ネジ用雌ネジ部を用いて三脚に取り付けることができ、また、固定ネジが3/8インチの三脚に対しては、速度測定装置1の底面に設けた雌ネジに三脚の固定ネジを締結することで、速度測定装置1を直接三脚に取り付けることもできる。
【0055】
上記の説明では、基部を設けない構成としたが、基部を備え、その基部の上面中央に雄ねじを突出形成するようにしても良い。係る場合、基部が速度測定装置1の底面に面接触し、強度が増すのでよい。
【符号の説明】
【0056】
1 速度測定装置
2 ジョイントベース
3 ブラケット台
10 ケース本体
11 上ケース
12 下ケース
21 ベース部材
22 ボール部品
22a 基部
22b 首部
22c ボール部
22h 三脚ネジ用雌ネジ
22j 取り付け面
33 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を支持する支持具であり、
ボールジョイントを構成するボール部に三脚ネジ用雌ネジ部を設け、
ボール部の三脚ネジ用雌ネジ部方向と異なる方向に前記装置への固定部を設けることを特徴とする支持具。
【請求項2】
前記固定部は、前記装置の表面に対して面接触する部位を有していることを特徴とする請求項1に記載の支持具。
【請求項3】
前記ボール部の前記三脚ネジ用雌ネジの開口面の外周囲には、平坦面からなる三脚取り付け部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の支持具。
【請求項4】
前記固定部は、板状のベース部材の一方の面に複数の突起を起立形成することで構成され、
前記ベース部材の他方の面に、前記ボール部を設け、
前記突起を前記装置内に挿入することで固定するものである請求項1から3のいずれかに記載の支持具。
【請求項5】
前記ボール部は、前記ベース部材とは別部材で構成され、
前記ボール部を含むボール部品は、前記ベース部材の取り付け部位に面接触する平板状の基部と、その基部に起立形成される首部と、その首部の先端に設けられる前記ボール部を有することを特徴とする請求項4に記載の支持具。
【請求項6】
前記ベース部材の前記取り付け部位の周囲に周壁を設け、
前記基部の側面は、前記周壁により隠れるように構成したことを特徴とする請求項5に記載の支持具。
【請求項7】
前記首部の軸心と、前記三脚ネジ用雌ネジ部の軸心を一致させることを特徴とする請求項5または6に記載の支持具。
【請求項8】
前記ベース部材は樹脂で形成し、前記ボール部品は金属で形成することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の支持具。
【請求項9】
前記三脚取り付け部は、ボール部を構成する球体を記三脚ネジ用雌ネジ部の軸心と直交する平面きった形状からなり、その外径は前記三脚ネジ用雌ネジ部の径より大きいことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の支持具。
【請求項10】
前記ボール部を受ける凹部を有するブラケット台を備え、
そのボール部を前記凹部内に装着してボールジョイントが構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の支持具。
【請求項11】
前記ボール部を前記凹部内に装着した際に、可動範囲において前記ボール部に設けた前記三脚ネジ用雌ネジ部は露出しないことを特徴とする請求項10に記載の支持具。
【請求項12】
装置と、その装置に装着される請求項1から11のいずれかに記載の支持具と、を備えた装置の支持構造。
【請求項13】
装置と、その装置に装着される請求項4に記載の支持具と、を備え、
前記装置に設けた前記突起が挿入されるための筒部は、前記装置を構成する複数の部材を固定するネジを挿入するネジ穴であることを特徴とする装置の支持構造。
【請求項14】
前記装置は、その底面に複数の足を持ち、
前記支持具を装着した状態では、その複数の足の少なくとも一部が前記支持具に覆われるようにしたことを特徴とする請求項12または13に記載の装置の支持構造。
【請求項15】
前記装置は、スピード測定器であることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の装置の支持構造。
【請求項16】
ボールジョイントを構成するためのボール部に、三脚ネジ用雌ネジ部を設けたことを特徴とする部品。
【請求項1】
装置を支持する支持具であり、
ボールジョイントを構成するボール部に三脚ネジ用雌ネジ部を設け、
ボール部の三脚ネジ用雌ネジ部方向と異なる方向に前記装置への固定部を設けることを特徴とする支持具。
【請求項2】
前記固定部は、前記装置の表面に対して面接触する部位を有していることを特徴とする請求項1に記載の支持具。
【請求項3】
前記ボール部の前記三脚ネジ用雌ネジの開口面の外周囲には、平坦面からなる三脚取り付け部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の支持具。
【請求項4】
前記固定部は、板状のベース部材の一方の面に複数の突起を起立形成することで構成され、
前記ベース部材の他方の面に、前記ボール部を設け、
前記突起を前記装置内に挿入することで固定するものである請求項1から3のいずれかに記載の支持具。
【請求項5】
前記ボール部は、前記ベース部材とは別部材で構成され、
前記ボール部を含むボール部品は、前記ベース部材の取り付け部位に面接触する平板状の基部と、その基部に起立形成される首部と、その首部の先端に設けられる前記ボール部を有することを特徴とする請求項4に記載の支持具。
【請求項6】
前記ベース部材の前記取り付け部位の周囲に周壁を設け、
前記基部の側面は、前記周壁により隠れるように構成したことを特徴とする請求項5に記載の支持具。
【請求項7】
前記首部の軸心と、前記三脚ネジ用雌ネジ部の軸心を一致させることを特徴とする請求項5または6に記載の支持具。
【請求項8】
前記ベース部材は樹脂で形成し、前記ボール部品は金属で形成することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の支持具。
【請求項9】
前記三脚取り付け部は、ボール部を構成する球体を記三脚ネジ用雌ネジ部の軸心と直交する平面きった形状からなり、その外径は前記三脚ネジ用雌ネジ部の径より大きいことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の支持具。
【請求項10】
前記ボール部を受ける凹部を有するブラケット台を備え、
そのボール部を前記凹部内に装着してボールジョイントが構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の支持具。
【請求項11】
前記ボール部を前記凹部内に装着した際に、可動範囲において前記ボール部に設けた前記三脚ネジ用雌ネジ部は露出しないことを特徴とする請求項10に記載の支持具。
【請求項12】
装置と、その装置に装着される請求項1から11のいずれかに記載の支持具と、を備えた装置の支持構造。
【請求項13】
装置と、その装置に装着される請求項4に記載の支持具と、を備え、
前記装置に設けた前記突起が挿入されるための筒部は、前記装置を構成する複数の部材を固定するネジを挿入するネジ穴であることを特徴とする装置の支持構造。
【請求項14】
前記装置は、その底面に複数の足を持ち、
前記支持具を装着した状態では、その複数の足の少なくとも一部が前記支持具に覆われるようにしたことを特徴とする請求項12または13に記載の装置の支持構造。
【請求項15】
前記装置は、スピード測定器であることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載の装置の支持構造。
【請求項16】
ボールジョイントを構成するためのボール部に、三脚ネジ用雌ネジ部を設けたことを特徴とする部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−256906(P2011−256906A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130053(P2010−130053)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】
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