説明

支持装置

【解決手段】支持装置(1)は、少なくとも1つのネジ部(6)を有する支持部材(5)と、該支持部材に取り付けられ、該支持部材の一又は複数のネジ部に沿って移動可能なカラー(9)と、該カラーに取り付けられるか又は配置される少なくとも1つのアームアッセンブリ(11)とを含んでいる。一又は複数のネジ部は、支持部材に形成された突起部又は溝部を含んでいる。一又は複数のアームアッセンブリは、例えばモニター、コピーホルダー、液晶ディスプレイ又は照明器具などの物体を保持できるよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の説明>
本願は、2008年8月21日に出願された米国仮出願第61/090,712号及び2009年2月17日に出願された米国出願第12/372,110号の優先権を主張する。
【0002】
<発明の分野>
本願発明は、コピーホルダー(copy holders)、コンピュータモニター、液晶ディスプレイやその他の物体を支持できる大きさ及び形状に作られたモニターアーム又は支持アームなどの器具備品(furniture and fixtures)に関するものである。
【背景技術】
【0003】
<背景技術>
モニター支持具やコピーホルダーなどの支持アームには、支柱から延びる1又は複数のアームが含まれることが多い。アームは、モニターなどの物体を保持するよう構成される。支柱は通常、デスク、テーブル又は仕切り壁などの支持面にクランプされる。支持アーム及び同様な支持装置が記載された例として、米国特許第7,389,965号、7,252,277号、7,246,780号、7,182,301号、7,048,242号、7,014,157号、6,905,101号、6,863,252号、6,739,096号、6,679,096号、6,554,238号、6,554,235号、6,505,988号、6,499,704号、5,992,809号、5,553,820号、意匠特許第518,063号及び意匠特許第537,323号、並びに米国特許出願公開公報第2005/0284997号、第2005/0133678号、第2005/028499号、第2006/0266909号、及び第2008/0237439号、国際公開公報第WO2008/091998号、第WO2008/113860号、第WO2008/012368号、第WO2008/022873号、第WO2007/137905号及び第WO2007/118862号、並びにイギリス国特許出願第GB2,440,606号が挙げられる。
【0004】
支持アームを用いる際、使用者は通常、支柱の周りで支持アームを回転させることで、支持アームを所望位置に配置し、コンピュータスクリーンや、支持アームが保持する他の物体を見たり使用できるようにする。支持アームの垂直位置を調節することが困難なことがある。例えば、支持アームは通常、垂直位置の調節に時間がかかったり、微調節ができない構造となっている。
【0005】
例えば、国際公開公報第WO2008/022873号に開示された支持アームは、所定間隔にて周方向凹部を有する支柱と、支柱のこれら凹部のいずれかに取り付けられるよう構成されたカラーとを含んでいる。モニターなどの物体を保持するよう構成された支持具は、カラーに取り付けられ、該カラーによって支柱に支持される。使用者が、カラーを、第1の周方向凹部から垂直方向に、カラーに沿って第2の周方向凹部へ再配置することは容易ではない。カラーによって支持された物体の重量により、使用者はカラーと支持アームを新たな位置の異なる凹部へ垂直方向に移動させる前に、カラーに取り付けられた支持体及びモニターその他物体を取り除かなければならない。物体にはテレビ、コンピュータモニターの他、他のデバイスに配線又は相互接続されたその他機器があるため、そのような物体を取り除くのは容易ではない。実際、カラーと支持アームを異なる凹部に合うように調節するには、カラーを新たな凹部に調節する間、支持アームによって保持される物体が損傷を受けないように調節できる専門家が必要となる。
【0006】
様々な支持アームは、物体を特定位置に支持するのを補助し、支持アームの位置調節を可能にするために、ガススプリングやコイルバネなどのスプリングを必要とする。例えば、国際公開公報第WO2007/118862号に開示された支持アームは、アームにより保持された物体を特定位置で支持するためにガススプリング及びケーブルを必要とする。支持アームは、支柱に取り付けるために円筒形の支柱上を摺動されることができるスリーブを有する。ケーブルを用いると、支持アームの審美的効果が損なわれることが多い。露出されたスプリングやガススプリングを用いても、支持アームの審美的効果を損ねることがある。更にまた、物体を支持するスプリング及びケーブルを用いると、そのような支持装置の製造費用が増大することになる。
【0007】
支持装置は、使用者が支持装置に保持された物体の垂直位置を容易に調節できるものが必要とされる。好ましくは、支持装置は、物体の支持を補助するスプリング又はケーブルの必要性による制限を受けない幅広い設計選択肢を有することである。
【発明の概要】
【0008】
<発明の要旨>
開示する支持装置は、少なくとも一つのネジ部を有する支持部材と、該支持部材に取り付けられて、該支持部材の1又は複数のネジ部に沿って移動可能なカラーと、該カラーに取り付けられるか又は該カラー上に配置される少なくとも一つのアームアッセンブリと、を含んでいる。支持部材は、少なくとも一つのネジ部を有する。少なくとも一つのアームアッセンブリは、少なくとも一つの物体を保持できる大きさ及び形状に作られる。
【0009】
支持部材は、例えば、略円筒形か略矩形の支柱である支柱又は他の細長い支持部材である。好ましくは、支柱は金属又はエラストマー材料から構成される。支持部材の1又は複数のネジ部は、該支持部材に形成され、支持部材の一方の端部からその対向端部へと延びる溝であってよい。好ましくは、溝は支持部材の周囲を螺旋軌道を描いて屈曲する。
【0010】
本発明の支持装置の一実施例において、一又は複数のアームアッセンブリは、第1リンケージが第2リンケージに回動可能に取り付けられ、第2リンケージに第3リンケージが回動可能に取り付けられた第1アームアッセンブリを含んでいる。第3リンケージには、取付プレートが取り付けられることができる。
【0011】
本発明の支持装置の幾つかの実施例は、一又は複数のアームアッセンブリに取り付けられた摩擦調節機構(friction adjustment mechanism)を含んでいる。摩擦調節機構は、傾斜軸を画定する軸(axle)に隣接して配置された複数の摩擦惹起部材(friction inducing members)を含み、物体が傾斜軸の周りを移動する間、摩擦力を加えることができる。摩擦調節機構はまた、摩擦惹起部材に隣接して配置された回転可能部材を含むことができ、該回転可能部材は、回転することにより、物体が傾斜軸の周りを移動する間に加えられる摩擦力を調節できるよう構成される。
【0012】
本発明の支持装置の他の実施例は、可動ローブと固定ローブとの間に配置されるリンケージを有する摩擦調節機構を含んでいる。固定ローブは、取付具(mounting device)に取り付けられることができ、第1表面がリンケージの第1表面に係合する。可動ローブの第1表面は、リンケージの第2表面に係合する。回転可能部材は、可動ローブに形成された開口及びリンケージに形成された開口を通って延びる。回転可能部材は、可動ローブ又はリンケージに対して移動可能である。幾つかの実施例において、回転可能部材は、例えば圧縮ネジなどのネジである。回転可能部材はまた、固定ローブに形成された開口を通って延び、可動ローブ、固定ローブ、又はリンケージに対して移動可能であってよい。可動ローブ及び固定ローブは、略多角形或いは略円筒形の構造であるが、他の形状でもよい。
【0013】
一実施例において、支持装置は、可動ローブと固定ローブとの間に配置されるリンケージを有する少なくとも一つのアームアッセンブリを含んでいる。固定ローブは、取付具に取り付けられて、第1表面がリンケージの第1表面に係合する。可動ローブの第1表面もまた、リンケージの第2表面に係合することができる。回転可能部材は、可動ローブに形成された開口及びリンケージに形成された開口を通って延びているため、可動ローブのリンケージに対する移動により生じる摩擦力は、回転可能部材の移動によって調節されることができる。回転可能部材はまた、固定ローブに形成された開口を通って延び、可動ローブ、固定ローブ又はリンケージに対して移動可能であってよい。軸(axle)もまた、固定ローブ内の開口及びリンケージの開口を通って延びることができる。軸は、回転可能部材を受け入れることができる大きさ及び形状に作られた開口を有する。
【0014】
本発明の支持装置の実施例は、取付具を有するアームアッセンブリも含んでおり、該取付具はカラーに取り付けられたアームに取り付けられている。取付具は、六角レンチやネジ回しなどのツールを受け入れることができる大きさ及び形状に作られた溝を有することができる。前記ツールは格納されて、摩擦調節機構の摩擦を調節するのに用いられる。例えば、前記ツールは、摩擦調節機構の回転可能部材を回転させるのに用いられる。
【0015】
本発明の支持装置の一又は複数のアームアッセンブリは、複数又は1のみのリンケージから形成されるアームアッセンブリを含んでいる。一実施例において、支持装置は、第1リンケージを有するアームアッセンブリを含み、該第1リンケージの第1端部は、第2リンケージの第1端部に回動可能に取り付けられる。第1リンケージはまた、第2リンケージの少なくとも一部を受け入れることができる大きさ及び形状に作られた凹部(indented portion)を有しており、第2リンケージは該凹部に隣接する少なくとも一つの位置へ移動可能である。好ましくは、第2リンケージは、0°から339°の角度範囲に亘って回転可能である。第1リンケージの凹部は、凹部と第1リンケージの第1端部との間に空隙を画定する。
【0016】
本発明の支持装置の幾つかの実施例は、支持部材の一又は複数のネジ部と係合する大きさ及び形状に作られた突起を有するカラーを含んでいる。一又は複数の突起は、例えば、一又は複数のネジ部に沿って移動できる大きさである。例えば、一又は複数の突起は、支持部材の一又は複数のネジ部に沿って摺動できるよう構成された歯又はネジ部である。
【0017】
本発明の支持装置の実施例は、第1部分が第2部分に取り付けられたカラーを含んでいる。一又は複数の突起は、第1部分から延在することができる。第1部分は金属又はプラスチックから形成され、第2部分はゴムなどのエラストマー材料から形成されることができる。好ましくは、カラーの第1部分はナイロンから形成され、カラーの第2部分はサノプレン(sanoprene)などのデュロメーターから形成される。
【0018】
本発明の支持装置の実施例では、一又は複数のアームアッセンブリの位置を維持するために、コイルバネ、ガススプリング又はケーブルを用いる必要はないことは理解されるべきである。本発明の支持装置の実施例の中には、そのようなスプリングやケーブルを含むものもあるが、これらの要素はアームアッセンブリを特定の位置に維持するのには必要ではない。
【0019】
本発明のその他詳細、目的及び利点については、以下に記載する幾つかの本願の好適な実施例及びそれらを実施する幾つかの好適な方法により明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本願の支持装置の好適な実施例は、添付の図面に示されており、それらを実施する幾つかの好適な方法について説明する。
【0021】
【図1】図1は、支持表面の第1位置で接続された本発明の支持装置の好ましい第1実施例の正面斜視図である。
【0022】
【図2】図2は、本発明の好ましい第1実施例の背面斜視図である。
【0023】
【図3】図3は、本発明の好ましい第1実施例の分解図である。
【0024】
【図3A】図3Aは、本発明の好ましい第1実施例の第2位置における平面図である。
【0025】
【図4】図4は、本発明の支持装置の好ましい第2実施例の斜視図である。
【0026】
【図4A】図4Aは、本発明のアームアッセンブリの好ましい実施例の分解図である。
【0027】
【図5】図5は、本発明の支持装置の好ましい第3実施例の部分図である。
【0028】
【図6】図6は、本発明の好ましい第3実施例の一部の分解図である。
【0029】
【図7】図7は、本発明の支持装置の好ましい第4実施例の分解図である。
【0030】
【図7A】図7Aは、本発明の好ましい第4実施例の部分図である。
【0031】
【図8】図8は、本発明の支持装置の好ましい第5実施例の部分図である。
【0032】
【図9】図9は、本発明の好ましい第5実施例の部分図である。
【0033】
【図10】図10は、本発明の好ましい第5実施例に含まれる摩擦調節機構の好ましい第1実施例の分解図である。
【0034】
【図11】図11は、本発明の摩擦調節機構の好ましい第1実施例について、図10のXI−XI線に沿う断面図である。
【0035】
【図12】図12は、本発明の支持装置の好ましい第6実施例の部分図である。
【0036】
【図13】図13は、本発明の好ましい第6実施例の一部の分解図である。
【0037】
【図14】図14は、本発明の好ましい第6実施例について、図13と同様の分解図である。
【0038】
【図15】図15は、本発明の摩擦調節機構の好ましい第2実施例の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
<望ましい実施例の詳細な説明>
図1〜図3を参照すると、本発明の支持装置(1)の第1実施例を示しており、該支持装置(1)は支持表面(7)に取り付けられている。支持表面(7)は、例えば、デスク面、テーブル面、又は家具である。クランプ(3)は支柱(5)に取り付けられており、該支柱(5)を作業表面(7)に取り付けることができるよう構成される。クランプ(3)と作業表面(7)との接続又は接続解除は、クランプ部材を調節することによって行われる。
【0040】
支柱(5)には、外側表面に沿って形成されるか、又は外側表面に切り込まれた連続ネジ部(6)を有する。好ましくは、ネジ部(6)は、支柱の外側表面に沿って曲線経路上を延び、支柱(5)の外周を複数旋回している。カラー(9)を、ネジ部(6)に沿って移動可能となるように支柱(5)に取り付けることにより、カラーは支柱長さの少なくとも一部に沿って移動されることができる。カラー(9)はまた、ネジ部(6)に沿って移動させることにより支柱から取り外しことができる。
【0041】
キャップ(10)は、支柱の上面に配置される。キャップ(10)は、支柱に美的効果をもたらすの突起(12)を有するよう構成される。図1及び図2に示すように、キャップ(10)の突起(12)は、支柱(5)とキャップ(10)とで、少なくとも帆船のマストを表す美的効果をもたらすことができる形に作られることが好ましい。このような美的効果は、キャップ(10)の独特な構造、支柱(5)の長さと幅、並びに、キャップ(10)の突起(12)の方向、大きさ及び形状によりもたらされるものである。好ましくは、突起(12)は略矩形である。
【0042】
アーム(11)は、支柱(5)に隣接(adjacent)して配置され、支柱(5)の周りを回転可能である。アーム(11)はカラー(9)にて支持されて、カラー(9)上部に載置されるか、及び/又は、カラー(9)に係合される。アーム(11)については、使用者が、アーム(11)の全体を回転させるか、或いはアーム(11)の様々な部分を移動させることにより、アーム(11)を移動させて、複数の異なる位置にアームを配置できるよう構成される。アーム(11)の部分は、例えば金属、エラストマー材料、複合材料、その他の材料、又はこれらの材料の組合せから構成できることは理解されるべきである。アーム(11)は、モニター、液晶ディスプレイ、コピーホルダー、又は照明器具などの物体を保持できるように構成されることができる。
【0043】
図3に最もよく示されるように、アーム(11)は第1リンク(17)を含み、該第1リンク(17)は支柱(5)に隣接する位置に第1端部を有し、支柱(5)の周りを回転することができる。第1リンク(17)の第2端部は、ピボットアッセンブリ(19)にて第2リンク(15)に回動可能に取り付けられている。ピボットアッセンブリ(19)は、略垂直の軸を画定する。第2アームリンク(15)は第1アームリンク(17)に対して、この垂直軸の周りを移動する。
【0044】
第1アームリンク(17)は、第2アームリンクとは独立して支柱(5)の周りを移動できることは理解されるべきである。第2アームリンク(15)は、第1アームリンク(17)とは独立して、ピボットアッセンブリ(19)の周りを移動することができる。
【0045】
第2リンク(15)は、一方の端部にて第1リンク(17)に回動可能に取り付けられ、その第2端部にて第3リンク(25)に回動可能に取り付けられる。ピボットピン(21)は、第3リンク(25)が移動する際の回転軸を画定する。ピボットピン(21)は、第3リンクが第2アームリンク(15)に対して略水平に移動することができるように、略垂直方向に位置合わせされる。第3リンク(25)は、第1アームリンク(17)及び/又は第2アームリンク(15)とは独立して、ピボットピン(21)の周りを移動することができる。
【0046】
第3リンク(25)は、取付プレート(13)に回動可能に取り付けられる。取付け機構(23)は、取付プレート(13)に取り付けられる。取付け機構(23)は、略水平に位置合わせされたピボットピン(22)を含み、物体は取付プレート(13)に接続され、ピボットピン(22)の周りで垂直に傾くことができる。
【0047】
第1リンク(17)は望ましい審美的効果をもたらすよう構成されており、この効果は、該第1リンク(17)の上部と下部に沿って配置される上キャップ(18)と下キャップ(16)とにより生み出されるものである。上キャップ及び下キャップを第1リンク(17)とは異なる色で着色することで、アーム(11)の審美的効果を高めることができる。第1リンク(17)は凹部(8)を含むことができ、該凹部(8)は、第1リンク(17)の中に切り込まれるか、型成形されるか、又は第1リンク(17)本体に形成される。好ましくは、凹部(8)の形状は略三角形であり、第2リンク(15)に回動可能に取り付けられた第1リンク(17)の端部から離間している。
【0048】
図3Aに最もよく示されるように、凹部(8)により、第2リンク(15)は第1リンク(17)に対して、第1リンク(17)の片側周囲を角度範囲θ、又は全角度範囲φの回転が可能である。好ましくは、全角度範囲φは339°であり、片側の具体的角度範囲θは169.5°である。最も好ましくは、全角度範囲φは338°であり、片側の角度範囲θは169°である。
【0049】
凹部(8)は、好ましくは、第2アームリンク(15)の一部を受け入れることができるように形成されており、第2アームリンク(15)が図1に示す位置から図3Aに示す位置へと回転されるとき(その回転角度は好ましくは169.5°である)、第2アームリンク(15)の一部は、図3Aの点線で示されるように、第1アームリンク(17)の凹部(8)に係合することができる。他の実施例において、第2アームリンク(15)は、この選択位置にある場合、凹部(8)の非常に近い位置に配置されることができるが、第2アームリンク(15)がそのような位置にあるときは、第2アームリンク(15)のいずれの部分も、凹部(8)に実際に係合することはない。
【0050】
凹部(8)により、第2アームリンク(15)は実質的により広範囲を動くことが可能となり、アーム(11)は、支柱(5)に対してより多くの位置に配置されることができることは理解されるべきである。互いに略水平方向に移動するアームリンケージの場合、第1アームリンク(17)と第2アームリンク(15)との間で360°の全範囲を回転するのは、不可能ではないにしても困難である。このような略水平方向の移動では、垂直方向成分は、もしあるとしても、極く僅かである。凹部(8)を用いることで、該凹部(8)と第2アームリンク(15)用ピボットとの間に空間が形成され、アームリンクが第1アームリンク(17)の凹部(8)に対して、係合まではしなくとも、間近まで移動することができるから、第2アームリンク(15)は実質的により大きく回転することができる。
【0051】
アーム(11)が、図1に示される第1位置、図3Aに示される第2位置、或いは他の様々な位置にあるときに、第3リンク(25)が回転することで取付プレート(13)が移動できることは、勿論である。また、第2アームリンク(15)、第3アームリンク(25)又は取付プレート(13)が、第1アームリンク(17)に対していかなる位置にあっても、第1アームリンク(17)は支柱(5)の周りを回転することができる。
【0052】
カラー(9)を回転させて、支柱にあるカラー(9)の垂直方向の位置を調節することができる。カラー(9)が移動することにより、アーム(11)の位置も調節される。好ましくは、カラー(9)を移動させることで、アーム(11)、又は支柱(5)の周囲にあるアーム(11)の第1リンク(17)を回転させることなく、アーム(11)の垂直位置を調節することができるように、カラー(9)は構成される。カラー(9)を第1方向に回転させると、カラー(9)は上方に移動することができる。カラー(9)を、第1方向とは反対方向の第2方向に移動させると、カラーは下方に移動することができる。カラーが回転される際に支柱に沿って移動する速度は、ネジ部経路(6)の形態に依存する。好ましくは、ネジ部経路(6)は、支柱(5)の頂部から支柱(5)の底部まで延びる螺旋状又はスパイラル状の軌道を有するネジ部である。例えば、ネジ部経路(6)は、支柱(5)に形成された突起部、又は支柱(5)に沿って螺旋状の溝部によって画定される。
【0053】
支柱(5)の実施例は、支柱の全長に沿って形成されるネジ部経路(6)を有する支柱(5)により、使用者は、アーム(11)の位置を、支柱(5)の長さに沿うあらゆる位置に調節できることは理解されるべきである。このような調節は、これら2位置の間ではほぼ無限に行うことができ、ネジ部(6)の両端部の間でどの位置にあるときでもその位置に左右されない。
【0054】
本発明の支持装置(1)は、アーム(11)の位置維持にスプリングやケーブルを使用することに限定されない設計変更可能な構成を数多く含むことができることは理解されるべきである。本発明の支持装置の実施例はスプリングやケーブルを含むが、このような実施例の設計においてこれらスプリングやケーブルは必要ではなく、スプリングやケーブルの露出による視覚的悪影響を受けることのない審美的効果をもたらす幅広い配置が検討される。例えば、アームの配置又は形状を維持するための本発明の支持装置の実施例では、コイルバネ、ガススプリング又はケーブルは、用いられる必要はない。そうは言っても、本発明の支持装置の実施例では、設計者がスプリングやケーブルを所望すれば、アームはそのようなスプリングやケーブルを有することができる。
【0055】
本発明の支持装置の好ましい第2の実施例(29)を、図4に示す。支持装置(29)は、作業表面(37)に隣接して配置されることで、作業表面(27)に隣接する物体を支持することができる。支持装置(29)は支柱(35)を含み、該支柱(35)は外側表面にネジ部(36)が形成されている。カラー(39)は支柱(35)のネジ部(36)に沿って移動可能であり、支柱(35)の上面部に隣接してキャップ(30)が配置される。アームアッセンブリ(32)はカラー(39)及び支柱(35)に隣接して配置され、支柱(35)の周りを回転可能である。
【0056】
幾つかの実施例において、アームアッセンブリに含まれるリンクは1つのみである。該リンクは、取付プレートに回動可能に接続されて、支柱の周りを回転可能である。他の実施例において、アームアッセンブリは複数のリンクを含むことができる。
【0057】
図4Aに最もよく示されるように、本発明の好ましいアームアッセンブリ(32)は第1リンク(38)を有し、該第1リンク(38)は単一構造であって、第2リンク(35)に回動可能に接続される。剛性プレート(31)が第1リンク(38)に取り付けられ、支持装置(29)の支持体となる。好ましくは、剛性プレート(31)は、金属又は比較的剛性のプラスチックから構成される。
【0058】
第2リンク(35)もまた、単一構造である。略垂直に位置合わせされたピボットピンは、第1リンク(38)を第2リンク(35)に回動可能に接続し、これにより第2リンク(35)は、第1リンク(38)に対して略水平方向に移動することができる。第3リンク(40)は単一構造であって、第2リンク(35)に回動可能に接続されて、第3リンク(40)は第2リンク(35)に対し回転可能である。
【0059】
取付プレート(33)は、第3リンク(40)に回動可能に接続される。ピボットピン、ボール・ソケットジョイント、又は他の接続機構を用いて、取付プレート(33)を第3リンク(40)に移動可能に接続することもできる。取付プレート(33)もまた、単一構造である。好ましくは、取付プレート(33)、第1リンク(38)、第2リンク(35)及び第3リンク(40)の全てがプラスチック又は金属から構成される。
【0060】
取付プレート(33)は、モニター(36)や液晶ディスプレイなどの物体に取り付けられるよう構成される。好ましくは、取付プレート(33)又は第3リンク(40)はまた傾斜機構(34)を含み、該傾斜機構(34)によって、取付プレートを上方又は下方に傾けることができ、その結果、取付プレートに取り付けられたモニター(36)は、上方又は下方に傾けられることができる。例えば、傾斜機構(34)は、ボール・ソケットジョイント機構を含み、該ボール・ソケットジョイント機構の一部は、第3リンケージ(40)に取り付けられた第2部分か、つまりピボットピンに接続する。傾斜機構(34)はまた、モニター及び/又は取付プレート(33)の傾斜位置を保持できるよう構成された摩擦ロックを含むこともできる。モニターを図4に示す第1位置から第2位置へと傾ける場合、使用者は、傾斜機構(34)の摩擦ロックの力を超える力を手でモニターに加えて、モニターを移動させる。好ましくは、摩擦ロックは調節機構を含み、該調節機構で摩擦ロックによる力を調節することにより、取付プレート(33)及び該取付プレートに取り付けられたあらゆる物体の傾斜位置を保持することができる。
【0061】
図5及び図6を参照すると、本発明の支持装置の好ましい第4の実施例はカラー(52)を含み、該カラー(52)は、ネジ部(51)が形成された支柱(50)に移動可能に取り付けられる。カラー(52)は、第1外側部(55)及び第2内側部(57)を含む。好ましくは、外側部(55)は、ゴムやデュロメーターなどのエラストマー材料から形成され、内側部(57)は、比較的剛性のプラスチック又は金属から形成される。好ましくは、カラーの外側部は、使用者が該カラーを容易に把持して回転させることができるよう構成される。
【0062】
カラー(52)の内側部(57)の内側表面は、支柱(50)に形成されたネジ部(51)に係合する歯又はネジ部(53)を含んでおり、カラー(52)が回転すると該カラーは支柱(50)の長さに沿って移動する。カラー(52)の外側部(55)は、好ましくは内側部(57)にオーバーモールド成形されて、内側部(57)に形成された孔を通って延びる突起部(図示せず)を含んでおり、これによって、カラー(52)が支柱(50)に取り付けられる際に、突起部が支柱(50)に係合する。突起部(図示せず)は、カラー(52)のあらゆる移動に対して更なる摩擦が加えられるように構成されているので、カラーは1又は複数のアームアッセンブリ又は他の物体を支持するように作用する。
【0063】
図7及び図7Aに示されるように、本発明の実施例の支持装置は、複数の物体を支持できるよう構成される。例えば、カラー(71)は、ネジ部を有する支柱(61)に沿って配置されることができる。カラー(71)は、溝付きネジ部(62)内に嵌まる歯を有しており、支柱(61)に形成されたネジ部(62)に沿って移動することができる。クランプ機構(65)は、支柱(61)に取り付けられ、作業表面又は家具に取り付けられる。クランプ機構(65)は、1又は複数のクランプ部材(66)を含むことができ、該クランプ部材(66)の移動により、クランプ機構(65)を物体に取り付けたり、クランプ機構(65)を取り外すことができる。
【0064】
複数のアーム支持体(73)は、カラー(71)の支柱(61)に隣接して配置されることができる。好ましくは、複数のアーム支持体(73)は、カラー(71)の上面部に載置するよう構成された下側部(74)を含み、該下側部(74)は該カラー(71)の上面部に沿って回転及び/又は摺動することができる。複数のアーム支持体(73)は、複数のアーム支持体(73)を第1アームアッセンブリ(75)に接続するための第1ピボット接続部(76)と、第2アームアッセンブリ(77)を複数のアーム支持体(73)に接続するための第2ピボット接続部(78)と、を含むこともできる。
【0065】
アームアッセンブリ(75)(77)は、上述したアームアッセンブリ(11)又は(32)と同様である。これらのアームアッセンブリは両方とも、独立して移動することができる。カラー(71)が移動することにより、アームアッセンブリの垂直方向の調節が可能となる。特定のアームリンケージの移動により、アームアッセンブリの一部を垂直方向/及び又は水平方向に調節できることは、勿論である。
【0066】
また、アームアッセンブリの垂直方向の調節は、本発明の支持装置の他の部分によって行なうことができるのは勿論である。例えば、本発明の支持装置の一実施例において、異なるアームリンケージの間のピボット接続部は、略垂直方向の移動が可能となるよう構成される。別の例として、本発明の支持装置の一実施例における少なくとも1つのピボット接続部として、ボール・ソケットジョイント、又は他の接続部があり、これらによって、支持装置のアームリンケージ及び/又は取付プレートは、垂直方向の移動と水平方向の移動の両方を行うことができる。
【0067】
図8〜図11を参照すると、本発明の一実施例の支持装置は、傾斜機構(90)を有する取付プレート(81)を含み、該傾斜機構(90)は摩擦調節機構(80)を含み、該摩擦調節機構(80)は、取付プレート(81)に取り付けられたモニター、照明或いはコピーホルダーなどの物体が傾く際に加えられる摩擦量を調節できるよう構成される。好ましくは、摩擦調節機構(80)は、取付プレートとアームアッセンブリの一部の間にあるピボット取付部の一部である。
【0068】
摩擦調節機構(80)は、取付プレートに取り付けられたハウジング(82)と、該ハウジング(82)を通って延びるピン(84)と、アームリンケージ(101)に形成されるアパーチャ(102)とを含む。相互連結ワッシャー(87)(88)及び相互連結ワッシャー(91)(92)は、ピン(84)に隣接しており、該ピン(84)に作用することにより、ピン(84)が回転し、ワッシャー(87)(88)(91)(92)に対して摩擦を生じさせる。これにより、使用者がピンを回転させるのに必要な力を大きくしたり小さくする。
【0069】
ハウジング(82)は、リンケージ(101)に隣接する支持表面(bearing surface)を含むことも予定している。リンケージ(101)はまた、アパーチャ(102)の各面に隣接する支持表面を有するよう構成されることができる。支持表面はモールドによる成形、切取りによる形成の他に、ハウジング(82)及び/又はリンケージ(101)の構造に形成されることができる。ハウジング(82)及び/又はリンケージ(101)のこのような形状により、ワッシャー(92)が1つだけの摩擦調節機構がもたらされるので、摩擦調節機構及び/又は本発明の支持装置の具体的実施例の製造費用を低減できることは理解されるべきである。
【0070】
スリーブ(85)はアパーチャ(102)の内側であって、ワッシャー(87)(88)とワッシャー(91)(92)との間に配置される。スリーブ(85)はまた、ピン(84)に係合することにより、ピン(84)の移動によりピン(84)とスリーブ(85)との間に摩擦が生じる。好ましくは、スリーブはプラスチック又は金属から構成される。
【0071】
ノブ(83)は、ピン(84)の端部を収容できるよう構成され、ピンの端部の周りを回転可能である。ノブ(83)が第1方向に回転すると、ワッシャー(87)(88)及び(91)(92)は互いに接近する。従って、ピン(84)が回転するとワッシャー(87)(88)(91)(92)及び/又はスリーブ(85)に対する摩擦量が増大する。ノブ(83)が第1方向と反対の第2方向に回転すると、ワッシャー及び/又はリンケージ(101)とハウジング(82)は互いに離間する。従って、ピン(84)が回転するとワッシャー(87)(88)(91)(92)及び/又はスリーブ(85)に対する摩擦量が減少する。
【0072】
多くの実施例において、ピン(84)に作用する摩擦量が非常に大きいと、ノブ(83)の回転が困難となる。レバー(99)は、ノブ(83)とは反対側のピン(84)の端部に隣接して配備されることにより、摩擦調節機構内の張力が低減され、ノブ(83)の回転が容易になる。レバー(99)が第1位置から第2位置へと移動すると、ピン(84)はノブ(83)の方へ移動し、更に、ピン(84)を収容できる大きさに作られたノブの孔へ進入する。この移動によって、摩擦調節機構(80)内の張力が低減されるので、はるかに小さい力でノブ(83)を回転させることが可能となる。ノブを回転させてワッシャー(87)(88)(91)(92)の位置が調節されると、レバー(99)は第1位置へと戻り、摩擦調節機構内の張力が増大する。
【0073】
ノブ(83)を回転させることにより、使用者による摩擦量調節が容易になるため、使用者が取付プレート(81)をピン(84)の周りで回動させて垂直方向に移動させる際、取付プレートに加える力の大きさを変えることができることは理解されるべきである。使用者がノブ(83)を一方の方向に回転させると、取付プレートの回動に必要な力は小さくなり、ノブ(83)を反対方向に回転させると、取付プレートの回動に必要な力は大きくなる。取付プレート(81)には重量の異なる様々な物体が取り付けられるが、使用者が、取付プレート(81)や該取付プレート(81)に取り付けられるモニターなどの物体を傾ける作業を行う際、使用者は、ノブを調節することによってその作業の容易性又は困難性を調節することができるので、使用者の好みに合わせて、取付プレート(81)に取り付けられる物体の垂直方向の傾きを調節することができる。更にまた、物体が取り換えられる場合で、取り換えられた物体が取換え前の物体よりも軽いとき又は重いとき、使用者は、その重量変化に応じて物体の傾きに加えられる摩擦の調節を行なうことにより、使用者の好みに合わせた物体の傾きの調節を確実に行なうことができる。
【0074】
ピン(84)はまた、ストッパー(97)を収容できる大きさ及び形状に作られたノッチ(96)を有する。ストッパー(97)は、摩擦調節を行なう間、ピン(84)の脱落を防止することができるように構成される。図11に最もよく示されているように、ストッパー(97)はハウジングの一部と係合することにより、摩擦調節を行なう間、ピン(84)がハウジングの外側へ引き出されるのを防止する。
【0075】
幾つかの他の実施例において、ワッシャー(87)(88)(91)(92)は、ピン(84)には直接に作用しない。この実施例では、ノブ(83)の回転がワッシャーの位置に影響を及ぼし、スリーブ(85)は伸長又は後退して、ピン(84)がスリーブ(85)とピン(84)の間を移動する間に生じる摩擦量が調節される。
【0076】
取付プレート(81)及び摩擦調節機構(80)に取り付けられた傾斜機構(90)の他の実施例では、ボール・ソケットジョイント傾斜機構を含むことも予定している。このようなビール・ソケットジョイント機構は、1又は複数のストラップに作用する摩擦調節機構を含むことができ、ソケットのボール部が移動する間に加えられる摩擦が調節される。他の例として、摩擦調節機構は、ボール・ソケットジョイントのソケット部に隣接する位置にある弾性部材又は摩擦部材の位置を調節することにより、物体を傾けるときに生じる摩擦量を調節することができる。
【0077】
摩擦調節機構は、一方の端部にノブを有するネジ付きボルトを含むことも可能であり、ノブを回転させるとによって、モニター及び/又は取付プレートの回転で生じる摩擦が調節される。他の構成として、ノブをアレンボルト等の調節機構に置き換えることもできる。アレンボルトは、アレンレンチなどのツールを用いて調節可能である。ボルトとワッシャーは、アレンボルトの回転により、ワッシャーによりボルトに加えられる力の量が調節され、モニター及び/又は取付プレートの移動により生じる摩擦量を調節できるよう構成されることができる。
【0078】
図12〜図14に示される本発明の第6の好ましい実施例において、アーム(110)は第1アーム部材(115)を含み、該第1アーム部材(115)は、第2アーム部材(114)に回動可能に接続される。取付プレート(112)は、第2アーム部材(114)に回動可能に接続される。取付プレート(112)は、ピン(117)を収容できる大きさに作られた開口を含むハウジング(119)を有する。第2アーム部材(114)はまた、ピン(117)を収容できる大きさ及び形状に作られた開口を有する。ピン(117)は、ハウジング(119)及び第2アーム部材(114)に挿入され得る大きさ及び形状に作られる。ナット(111)は、第2アーム部材(114)の外側面(121)に隣接するピン(117)に係合できるよう構成される。ハウジング(119)及び第2アーム部材(114)は、それらの中に、支持表面(127)及び(128)が形成される。支持表面(127)(128)は、第2アーム部材(114)がハウジング(119)に係合する間、取付プレート(112)の第2アーム部材(114)に対する回転を促進する。
【0079】
ナット(111)はネジ部を有しており、ピン(117)の表面に沿って設けられたネジ部に沿って回転可能であり、第2アーム部材(114)とハウジング(119)との間の係合をきつくしたり、緩くすることができる。第2アーム部材(114)とハウジング(119)との間の係合をきつくしたい場合、使用者が、取付プレート(112)を第2アーム部材(114)に対して移動させる際に取付プレート(112)に加える力は大きくなることは理解されるべきである。同様に、第2アーム部材(114)とハウジング(119)との間の係合を緩くしたい場合、使用者が、取付プレート(112)を第2アーム部材(114)に対して移動させる際に取付プレートに加える力は小さくなる。
【0080】
更に他の実施例において、ナット(111)は第2アーム部材(114)と一体でにすることができ、ピン(117)は、例えば、ツールを収容できる大きさの開口を含む六角ネジその他のピンであり、前記ツールを用いてピン(117)を回転させ、第2アーム部材(114)とハウジング(119)との間の係合を緩めたりきつくすることができる。ピン(117)が六角ネジである実施例では、取付プレート(112)を第2アーム部材(114)に対して移動させる際、使用者が加えなければならない摩擦をアレンレンチ又は他のツールを用いて調節することができる。
【0081】
第2アーム部材(114)は、ネジ付きピン(117)を収容できる大きさのネジ付き開口を含むが、外側面(121)に隣接するナット(111)は含まなくてもよい。ピン(117)は、ツールを収容できる大きさのソケット又は他の開口を含むことができる。無頭ネジや六角キーなどのツールをソケットに挿入して移動させることにより、ピン(117)は、第2アーム部材(114)のネジ付き開口に沿って、第1方向と、第1方向とは反対の第2方向に回転する。ピン(117)の回転により、取付プレート(112)の第2アーム部材(114)に対する移動で生じる摩擦が調節される。
【0082】
本発明の支持装置の実施例で用いられる第2の好ましい摩擦調節機構(141)を、図15に示す。摩擦調節機構(141)は、可動ローブ(145)と、ディスク(149)に取り付けられた固定ローブ(148)との間に、リンケージ(147)を含んでいる。可動ローブ(145)及び固定ローブは、例えば、略円筒形又は略多角形である。取付プレート(150)は、ディスク(149)に移動可能に取り付けられる。リンケージ(147)は、上述の実施例と同様、ネジ付き支柱の周りにあるカラーに取り付けられたアームの一部であるか、或いは、アーム又はアッセンブリに取り付けられるか、又は移動可能に取り付けられた別個のリンケージであってよいことは理解されるべきである。
【0083】
摩擦調節機構(141)は、アームアッセンブリに保持される物体を様々な位置へ調節できるよう構成されることは理解されるべきである。例えば、取付プレート(150)に取り付けられたモニターや他の物体を、ディスク(149)の周りで回転させたり、或いは、リンケージ(147)に形成された開口を通って延びるピンによって画定された異なる傾斜軸の周りを垂直方向又は水平方向に傾けることができる。
【0084】
ディスク(149)は、取付プレート(150)の開口の内側に取り付けられるので、取付プレートはディスク(149)の外周に沿って回転することができる。好ましくは、ディスク(149)の周囲は面取りされて、取付プレート(150)の面取りされた開口と係合する。ディスク(149)及び取付プレート(150)の係合用面取り縁部により、取付プレートは、ディスク(149)の外周に沿って、或いは、ディスク(149)の少なくとも周囲を回転することができる。
【0085】
ディスク(149)の固定ローブ(148)は、溝(151)に隣接する。溝(151)は、アレンレンチや六角レンチなどのツール(152)を収容できる大きさ及び形状に作られる。溝を画定するディスク(149)の部分は、該ディスク(149)の外周を越えて突出し、取付プレート(150)の裏面に当接する。これらの部分は、取付プレート(150)に回転可能に取り付けられたディスク(149)を保持する作用を有する。
【0086】
固定ローブ(148)はディスク(149)と一体に形成されてもよいし、ディスク(149)に接着されたり、オーバーモールド成形されたり又は機械的に締結されることができる。固定ローブ(148)は開口を画定し、リンケージ(147)の第1傾斜摩擦表面(165)に係合する傾斜摩擦表面(167)を有する。
【0087】
リンケージ(147)は、固定ローブ(148)の開口と位置合わせされた開口(146)を有する。リンケージ(147)はまた、第1傾斜摩擦表面(165)に対向する第2傾斜摩擦表面(164)を有する。第2傾斜摩擦表面(164)は、可動ローブ(145)の傾斜摩擦表面(163)に隣接して配置される。可動ローブ(145)は、圧縮ネジ(143)を収容できる大きさ及び形状に作られた開口を画定する中空の突起(164)を有している。
【0088】
好ましくは、可動ローブ(145)及び固定ローブ(148)はエラストマー材料(例えば、アセタール、ポリオキシメチレン、ポリアセタール、ポリトリオキサン、ポリホルムアルデヒド、及びパラホルムアルデヒドなど、又は他のプラスチック)から形成され、リンケージ(147)は、亜鉛やスチールなどの金属から形成される。リンケージ(147)の金属は、エラストマー材料で被覆されることもできるし、仕上げ(finish)の際にコートされることもできる。他の実施例において、リンケージ(147)及びローブ(145)(148)は全て、金属、プラスチック等のエラストマー材料、或いは異なる材料から形成されることができる。
【0089】
圧縮ネジ(143)は、可動ローブ(145)に挿入されて、該可動ローブ(145)とリンケージ(147)の開口(146)とを通って延びる。ボルト(161)は、固定ローブ(148)の開口を通って延び、リンケージ(147)の開口(146)内へ入る。ボルト(161)は、取付プレート(150)又はディスク(149)の傾斜軸として機能することができる。好ましくは、圧縮ネジ(143)はボルト(161)に形成される溝又はタップ立てされた孔に収容されることにより、ボルト(161)に対して移動可能となる。例えば、ボルト(161)の溝は、ネジ(143)のネジ部と螺合するネジ部を有しており、ネジはボルト(161)の溝に出入りすることができる。
【0090】
使用者は六角レンチやネジ回しなどのツール(152)を用い、圧縮ネジ(143)を回転させて、可動ローブ(145)、リンケージ(147)及び固定ローブ(148)の間の嵌合をきつくしたり緩めたりすることにより、取付プレート(150)又は該取付プレート(150)に直接取り付けられた物体を傾ける際の作業の困難性又は容易性を調節することができる。ローブ(145)(148)とリンケージ(147)との係合がきつい場合、ボルト(161)により画定された軸の周囲で取付プレート(150)を傾ける間に生じる摩擦は、より大きくなる。係合が緩い場合、取付プレート(150)を傾ける間に生じる摩擦量は減少する。好ましくは、ディスク(149)は、可動ローブ(145)の一部を収容できる大きさに作られた1又は複数の開口(171)を有しており、該開口により、可動ローブ(145)がリンケージ(147)又は固定ローブ(148)に対して移動する距離が画定され、可動ローブ(145)の最もきつい位置及び最も緩い位置が画定される。
【0091】
上述した本発明の好適な実施例は、他の変形も可能であることが理解されるべきである。例えば、支柱(5)を略円筒形の支柱として示しているが、他の実施例において、略矩形の支柱でもよいし、他の大きさ又は形状を有する他の支持部材でもよい。もう一つの例として、支柱は、その長さに沿って形成された複数のネジ部を含むことができる。更なる例として、クランプは、支柱を、キュービクルパネル、壁、又は他の略垂直面又は傾斜作業面にを取り付けることができるよう構成される。更に別の例として、カラーは2以上の歯を含むことができる。前記歯は内向きに突出し、支柱(5)の1又は複数のネジ部と係合可能に構成され、カラーが移動する間、1又は複数のネジ部に沿って進むことができる。更に別の例では、取付プレート(150)は、VESA標準に適合するよう構成されるか、又は、様々な他の種類のモニター、ディスプレイ或いは他の物体を保持するか又は取り付けられるように構成されることができる。
【0092】
支持装置について本発明の好適な実施例と、該支持装置を実施する方法を示し、説明したが、本発明はそれらに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲内において種々の具体化又は実施が可能であることは、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのネジ部を有する支持部材と、
該支持部材に取り付けられ、前記支持部材の少なくとも1つのネジ部に沿って移動可能なカラーと、
該カラーに取り付けられるか又は配置され、少なくとも1つの物体を保持する大きさ及び形状に作られた少なくとも1つのアームアッセンブリとを具える、支持装置。
【請求項2】
少なくとも1つのアームアッセンブリは、カラーに配置された複数のアーム支持体に取り付けられて第1アームアッセンブリと第2アームアッセンブリとを含んでいる、請求項1の支持装置。
【請求項3】
少なくとも1つのアームアッセンブリは、第1リンケージを有する第1アームアッセンブリを具えており、該第1リンケージは、第2リンケージ及び該2リンケージに回動可能に取り付けられた第3リンケージに回動可能に取り付けられ、第3リンケージは取付けプレートにも取り付けられている、請求項1の支持装置。
【請求項4】
少なくとも1つのアームアッセンブリに取り付けられた摩擦調節機構を更に具えている、請求項1の支持装置。
【請求項5】
摩擦調節機構は、少なくとも1つの物体の傾斜軸を画定する軸に隣接して配置された複数の摩擦惹起部材を具えており、該摩擦惹起部材は、少なくとも1つの物体が傾斜軸の周りを移動する間、摩擦力を加えることができる大きさ及び形状に作られている、請求項4の支持装置。
【請求項6】
摩擦調節機構は、摩擦惹起部材に隣接して配置された回転可能部材を更に具えており、該回転可能部材は第1方向及び第2方向へ回転可能に構成され、回転可能部材の第1方向への回転により摩擦力が増大し、第2方向への回転により摩擦力が減少する、請求項5の支持装置。
【請求項7】
摩擦調節機構は、可動ローブと、取付具に取り付けられた固定ローブとの間に配置されたリンケージを具えており、固定ローブは、リンケージの第1表面に係合する第1表面を有し、可動ローブは、リンケージの第2表面に係合する第1表面を有する、請求項4の支持装置。
【請求項8】
摩擦調節機構は、可動ローブに形成された開口及びリンケージに形成された開口を通って延びる回転可能部材を更に具えており、該回転可能部材は、可動ローブ及びリンケージのうち少なくとも1つに対して移動可能である、請求項7の支持装置。
【請求項9】
回転可能部材はネジである、請求項8の支持装置。
【請求項10】
回転可能部材は、固定ローブに形成された開口を通って延びており、可動ローブ、固定ローブ及びリンケージのうち少なくとも1つに対して移動可能である、請求項8の支持装置。
【請求項11】
可動ローブは略多角形又は略円筒形の構造であり、固定ローブは略多角形又は略円筒形の構造である、請求項8の支持装置。
【請求項12】
少なくとも1つのアームアッセンブリは、可動ローブと、取付具に取り付けられた固定ローブとの間に配置されたリンケージを具えており、固定ローブは、リンケージの第1表面に係合する第1表面を有し、可動ローブは、リンケージの第2表面に係合する第1表面を有する、請求項1の支持装置。
【請求項13】
少なくとも1つのアームアッセンブリは、可動ローブに形成された開口及びリンケージに形成された開口を通って延びる回転可能部材を更に具えており、可動ローブのリンケージに対する移動により生じる摩擦力は、回転可能部材の移動によって調節されることができる、請求項12の支持装置。
【請求項14】
回転可能部材は、固定ローブに形成された開口を通って延びており、可動ローブ、固定ローブ及びリンケージのうち少なくとも1つに対して移動可能である、請求項13の支持装置。
【請求項15】
固定ローブ内の開口及びリンケージの開口を通って延びる軸を更に具えており、該軸は、回転可能部材を受け入れることができる大きさ及び形状に作られた開口を有する、請求項14の支持装置。
【請求項16】
少なくとも1つのアームアッセンブリは、カラーに配置されたアームに取り付けられた取付具を具えており、該取付具は、ツールを受け入れることができる大きさ及び形状に作られた溝を有する、請求項1の支持装置。
【請求項17】
支持部材は、第1端部と、該第1端部に対向する第2端部とを有し、少なくとも1つのネジ部は、該支持部材に形成されて、支持部材の一方の端部に隣接する位置から第2端部に隣接する位置までの螺旋経路に沿って延びる溝である、請求項1の支持装置。
【請求項18】
少なくとも1つのアームアッセンブリは、第1端部及び第2端部を有する第1リンケージと、第1端部及び第2端部を有する第2リンケージとを具えており、第1端部及び第2端部を有する第2リンケージとを有しており、第1リンケージは、第1端部が第2リンケージの第1端部に回動可能に取り付けられ、第2リンケージの少なくとも一部を受け入れることができる大きさ及び形状に作られた凹部を有しており、第2リンケージは、前記凹部に隣接する少なくとも一つの位置へ移動可能である、請求項1の支持装置。
【請求項19】
凹部は、第2リンケージが0°から339°の角度範囲に亘って回転可能な大きさ及び形状に作られている、請求項18の支持装置。
【請求項20】
凹部は、該凹部と第1リンケージの第1端部との間に空隙を画定する、請求項18の支持装置。
【請求項21】
カラーは、少なくとも1つのネジ部と係合する大きさ及び形状に作られた少なくとも1つの突起を含んでいる、請求項1の支持装置。
【請求項22】
少なくとも1つの突起はネジ部又は歯である、請求項21の支持装置。
【請求項23】
少なくとも1つのネジ部は、支持部材に形成された溝であり、少なくとも1つの突起は、該溝の中に嵌まり溝の内を摺動できる大きさに作られている、請求項21の支持装置。
【請求項24】
カラーは、第1部分が第2部分に取り付けられ、少なくとも1つの突起は第1部分から延在しており、第1部分は金属又はエラストマー材料から形成され、第2部分はエラストマー材料から形成される、請求項21の支持装置。
【請求項25】
少なくとも1つのアームアッセンブリは、該アッセンブリの位置を維持するのにコイルバネ、ガススプリング及びケーブルのうち少なくとも1つを含んでいない、請求項1の支持装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2012−500373(P2012−500373A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523853(P2011−523853)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/052622
【国際公開番号】WO2010/021832
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(597070725)ノル・インコーポレイテッド (8)