改善背屈靴
高性能背屈靴は底と中足骨―指骨関節上にある固定手段とを備える。底は地面接触面と前足範囲と中足範囲と踵部分を有する。前足範囲は高密度材料でできており、踵の地面接触面から垂直方向に計測した場合、踵部分よりも厚い厚さを有しており、これにより前足範囲から踵部分までの特有の傾き角が決定される。固定手段はしっかりと着用者の中足骨−指骨関節を運動時の動きから固定する。前足範囲は中足骨指骨関節の屈曲をさらに小さくするために決められた湾曲形状を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は靴に関し、特に、背屈を促進させるレジャー用及び運動用の靴に関する。
【背景技術】
【0002】
標準的な靴では、中足骨指骨間接は踏み切り時に曲げ状態を維持し、跳躍の間はどのようなエネルギーも生み出すことは無く、走る間もほとんどエネルギーを発生することはなかった。これは、エネルギーの戻りが非常に少なく、非常に遅く、性能に影響を及ぼさない場合、靴が踏み切り後までまっすぐにならないという事が原因である。そのため、使用されたエネルギーは失われ、跳躍やランニングの推進力の補助としての役割を果たさない。ここ数年において、比較的硬い中底を使用し始めることによって、特殊化された陸上競技用の靴は進化してきた。
【0003】
一方、一般的な運動靴の製造業者は、製品に使用される材料の柔軟性を増加させ又は中底の構造を改良することにより(例えば、湾曲溝を組み込む)、中足骨指骨関節においてより柔軟なランニングシューズに移行しているようである。これは、不幸にも、推進性能についてはメリットがなく、予想した考えによって作られたものである。
【0004】
各関節における合力の関節モーメント及び関節力を分析すると、運動中、エネルギーが吸収される場面と、エネルギーが発生する場面とがあることがわかる。もし、吸収されたエネルギーが分散し、後で再使用するための保存ができないなら、エネルギーは浪費されることになる(つまり、単に熱を生成する)。もし、保存されたエネルギーを再使用することができれば、性能は向上する。
【0005】
中足骨指骨関節は、従来、踏み切り時又は踏み切り前のエネルギー浪費及び微少のエネルギー発生の掃きだめであった。これは、踏み切り後まで運動の足は前足上で回転し、底屈しないからである。
【0006】
米国特許出願番号09/833,485 ホワットリー(そこに記載されて、組み込まれている内容)は、ふくらはぎの働きを良くするために、広い範囲で足を動けるようにすることに特に重点を置いており、運動中特定の筋肉の働きを増加するために背屈を利用する靴が記載されている。背屈は、通常の足底靴に比べ後方に傾けられた(すなわち、下降された)靴によってもたらされる。本来のつま先よりも高い点で踵を支えるのではなく、おおよそ角度を10度逆側に傾けたのである(反対が正常である)。この靴は非常に安定することが証明されている。しかしながら、靴の10度の傾きと特に不格好な見た目とによって、プロの運動選手を除いては、市場性や実用性が制限される結果となっている。
【0007】
背屈のために、使用者の筋肉組織及び関節への危害を避けるために、使用者は足の回転作用を確保しなければならない。底の前端において、底がより厚く、円筒型である底の形成は、足の自然回転作用に近い。上述した特許出願の図21Aは、本発明の靴に最も近い靴を表わしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
必要なものは、中足骨指骨関節のエネルギー生成容量をうまく利用する運動靴である。さらに必要なものは、改良されたパワー出力と快適さと性能とを得ることができるよう背屈運動の機構をよりうまく利用する改善された背屈靴である。そしてさらに、必要なものは、靴の市場性及び快適さを向上させることができる普通の形状を有する背屈靴である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
高性能背屈靴は、シェルとアッパーと中足骨―指骨関節上の固定手段を有する。シェルは、底部分に結合する側壁部分を有する。底部分は、地面接触表面、前足範囲、中足範囲及び踵部分を有する。前足範囲は、高密度材料でつくられており、踵部分よりも厚い厚みを有し、これにより、着用者が立った状態のときの前足範囲から踵部分までの特有の傾き角度を決定する。固定手段は、運動時に着用者の中足骨―指骨関節を動きに対してしっかりと固定する。前足部分は、中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくできるように構成された湾曲形状を有する。
【0010】
他の特徴として、傾き角度は1度から15度であって、好ましくは5度である。
【0011】
他の特徴として、靴は、強化され、パッドが入ったつま先部分を含む。
【0012】
他の特徴として、踵部分は、実質的に低密度、粘り気のあるような、フィットネスやトレーニング用の靴に適用される材料から成る。
【0013】
他の特徴として、靴が普通の底屈靴であるという印象を与えるように、シェルの側壁が形成されている。
【0014】
さらに本発明の有利な点として、5度の背屈角度によって、より普通の(底屈)靴が作れ、これにより、不格好さが極めて小さくなり、より自然で快適になる。そのため、プロ選手のみならずアマチュア選手によっても購入されて使用されると考えられる。
【0015】
他の有利な点として、裏面の傾き角度は、従来技術の背屈靴と比べて小さく、製造時においても材料の少なさが要求される。少ない材料は靴の重量が小さくなるだけでなく、製造においては、費用が少ないのと同じことである。
【0016】
他の有利な点として、本発明にかかる靴は、様々な重さ、エネルギー吸収能力及び硬さを有する互換性のある中底と結びつくことができ、これにより着用者は、スポーツの種類により、より柔軟に発明品を構成することができる。
【0017】
さらに有利な点として、靴は靴の後ろの厚さを極端な背屈から底屈まで調整する中底を取り付けられるように構成されており、これにより底屈から背屈へと底の前部分の厚みを増加させようと中底が設計されるところで起こる形態学上の問題を避けることができる。
【0018】
他の有利な点として、靴自身がこの関節及びつま先の動きを再現するので、発明品は屈曲する中足骨―指骨関節の必要性を排除する。
【0019】
他の有利な点として、圧力を吸収する材料で靴を作ることにより及び足の回転動作を再現することにより、足の危害を最小にしつつ、効率を改良することで、本発明は足の能力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1に示すように、好ましい実施形態において、高性能背屈靴10は、シェル12、アッパー14及び中足骨―指骨関節の上に位置する固定手段16を有する。シェル12は上縁13と共に側壁部分22を有する。側壁部分12は、底部分24と結合される。底部分24は、地面接触表面26、前足領域30、中足領域32及び踵部分34を有する。前足領域30は、高密度材料で作られており、底部分24の地面接触表面26から垂直方向に測定した場合、踵部分34の厚さtよりも大きい厚さTを有し、これにより前足領域30から踵部分34までの傾きの特性角度αを決定する。固定手段16は、運動時の動作からしっかりと着用者の中足骨―指骨関節20を固定する。前足領域30は、中足骨−指骨関節20の曲りをさらに小さくするために設計される湾曲領域28を有する。
【0021】
傾きの角度αの特に注目すべきは1度から15度の間である。より好ましくは5度である。
【0022】
次に図2A及び2Bを参照する。靴10のアッパー14の下に位置し、着用者の中足骨−指骨関節20の上に位置する固定手段16は、不要な又は浪費される動きを防ぐため(エネルギー浪費を防ぐため)、底部分24に対して足40の上面36を押える。近くの中足骨指骨16と結合される一方の縁44と、中足骨指骨(結合点54に対して直角)の反対側52に取り付けられたループ50に通された他の縁46を有する留めストラップ42は、アッパー上の対応するバッキング61と結合するVELCROTMバッキング60を含む先端56を有する。この連結VELCROTMを配置することにより、締めた後に所定位置でのストラップの固定が可能となる。ストラップは靴べろの一部として組み立てる点、本底に取り付ける点及び幅を変える点に注意する。さらに、公知の取り付け処理が使用される。そしてさらに、硬く快適な挿入物(図示せず)がストリップ16と足40の間に取り付けられ、挿入物は中足骨指骨20の上にある足の上面の形状にほぼ一致する。これにより、中足骨−指骨関節がしっかりと固定されストラップの快適さが増加する。
【0023】
次に図3Aを参照する。人がてこ棒を最大限にしようとするように、靴10のつま先範囲62には高い圧力がかかる。特に靴がまさに地面との接触から離れるときに高い圧力がかかるため、足40(特につま先)は保護されなければならない。そのため、本発明の特徴として、快適さ及びサポートのために、つま先領域62に圧縮性の材料64が詰められる。そして、つま先の下に形作られた硬い(湾曲パワープレート66)挿入物は、とても高い密度の合成材料70から成っている。ここで、通常つま先62のちょうど上に位置する靴の範囲にかかる前方の圧力は、もはや足の固定又は力を吸収するのに必要ではないという事に注意すべきである(前方の力は、もはやストラップ16に吸収される)。さらに、つま先が足の縁をサポートするために必要とされないように、参照数字66で指定する範囲のつま先62の下にあるハイパワープレート66がサポートの役割を果たす。これは、つま先の機能と同様に機能するプレート66と連携して働くストラップ16によって成し遂げられる。これにより、足の疲労が軽減する。一方、踵部分34は、実質的に特にフィットネス及びトレーニング用の靴に使用される低密度の粘り気のあるような材料から成っている。競技において、この粘り気のある材料は一般に適切ではない。実際の靴底の設計は、地面表面と運動の目的に合致した材料から成る。
【0024】
次に図3Bを参照する。パワープレート66は走りの動作を制御し、地面及び使用者の体への力の伝達に作用する硬化地面作用ガイドである。パワープレート66は、硬化して湾曲形状が形成され、外部に向かう表面80と内部に向かう表面82を有し、これらは薄い外壁84によって結合されている。ボード66は、足の自然回転作用を可能な限り正確に再現できるよう最適化される。美的理由に関し、底の寿命がより長くなるように、挿入形成工程において、スプリングボード66を柔らかい底部分24又はシェル22にしっかりと固定できるように、外部に向かう表面80にリブ90が取り付けられ、表面91にさらされるように内部層92を完全に通過して、靴の外側に広がっている。これにより、パワープレート66は異なる色で組み立てることができ、リブ90全体がこれにより華やかになり、靴に感じの良いマルチトーン印象を加えることができる。パワープレートは20から90のショア硬度の材料で構成されることが好ましく、これに対し、内部層92はシェル12の残りと同様に標準の柔らかい材料で構成される。
【0025】
パワープレート66範囲内の靴10の計測剛性は、0.1N・m/degから0.5N・m/degの範囲になるように選択される。パワープレート66の形状、長さ、位置及び密度は、目的のスポーツ又は競技の用途に大きく依存する。推進力の代謝コストへの影響を最小限にするために、パワープレート66の重さは、30から250グラムの範囲である。本質的に、特にランニング中及び跳躍中に、中足骨−指骨関節20の屈曲が最小になるように(この関節のエネルギーロスを減らそうと努力して)パワープレート66は配置される。
【0026】
中足骨指骨の屈曲によって、本発明はランニング中(速度2m/sからのゆっくりとしたジョギングから速度10m/sの速い短距離走までが含まれる)及び跳躍中(準最大下の跳躍から垂直、水平及び横方向の最大下の飛跳ねまで推進力のある活動が含まれる)のエネルギー損失を大幅に減らすことができる。発明者は、従来の底屈する靴と比較して発明品を使用し、跳躍機能が5%から10%(ランニングにおいても約5%)増加したことを示した。試験は、跳躍において、体重70Kgの場合、パワープレート66は片足跳躍で平均して24J吸収したことを示した。これは、跳躍の高さの差で3.5cmに相当する。
【0027】
次に図4Aを参照する。他の実施形態において、適合性のある背屈靴アセンブリ100は、靴に挿入する互換性のある中底104を取り付けられるよう構成された靴102を含む。アセンブリ100によって特定の傾き角βによって定義される背屈靴が作られる。中底104は、使用中にエネルギー消費の特定のレベルを供給するために選択されたおもり106を有する。おもり106は、様々な形態の使用を通して調整される。おもりは、例えば製作時に合成物成形工程が使用される中底104の所定位置に挿入または注入して形作られる。この方法において、本発明にかかる靴102は、互換性のある様々な重さ、エネルギー吸収能力、合成及び形状を有する中底104と結びつくことができる。これにより、スポーツの種類に応じた特定の傾き角となる発明品を構成する場合において、装着者がより柔軟に対応できるようになった。さらに、発明者は、驚くことに、わずかな傾き(5度が典型的)だけで、実質的に性能に寄与することを学んだ。つまり、従来技術の球形底と同じ設計をする必要はない。この結果により、靴10、102の重さが軽減される。その結果として、底部分24の大部分が大きく減らされ、より大きな範囲の重さで靴の設計が可能となった。
【0028】
次に図4Bを参照すると、中底120が示されている。対応する連結表面122及び124によって使用中に中底が動かないようにしている。
【0029】
次に図5Aを参照する。他の実施形態130において、足40は装着者のつま先の底と踵の底との支え位置の高さはほぼ同じである。しかしながら、合成底134の前足範囲132はより硬い材料で作られ、底の踵部分136は柔らかい、粘り気のある又は硬度の低い材料で作られている。次に図5Bを参照する。踵は柔らかいため、使用者の重さによって、より硬い前足範囲22よりも大きく変形する。これは、より柔らかい踵範囲136の変形上の傾き角度φを作り出し、これにより、普通の靴の外観を有する混合靴130に背屈を与える。
【0030】
この合成底130の構造に使用される材料の適切な相対的厚さ及び剛性の選択は、背屈運動と踵保護との利益のバランスを保たせるために重要である。
【0031】
次に図6を参照する。他の実施形態において、行われる個々のスポーツや運動に対応できる互換性のある踵142を有する背屈靴140が供給される。硬さの異なる踵142をダブテール溝接触面のように(スナップインプレイス機構)又はピンロックによって(図示せず)、靴140の連結部分に結合したり取り外したりする。
【0032】
次に図7A及び7Bを参照する。他の実施形態において、合成底配列を有する背屈靴150が供給される。底アセンブリ152は、快適のため及び衝撃を和らげるために、中央範囲154で選択されるスポーツ表面、粘りのあるような踵部分156、補強された前足範囲範囲160、高密度の前方範囲162、中密度の上部範囲164、装着者の踵の下にある靴の後方部分内の低密度範囲166及び柔らかい中底170を含むいくつかの層及び異なる範囲により作り上げられる。上部範囲164は、靴150の踵からつま先を横切る。パッドが詰められたつま先範囲172は着用者のつま先を保護する。図7Bにおいて、改善された横の安定性のために、範囲156はより高い密度範囲174又は状況に応じて、高い密度範囲176によって囲まれていることに注意しなければならない。明らかに、範囲156は、スポーツや表面に耐えることを目的として、スポーツや表面に依存する様々な形状及び対応する大きさにより形作られる。
【0033】
図4Aで示される構造において、中底104は底屈するものから背屈させる靴アセンブリ100へと靴102を変化させる前足範囲30の厚さを増していることは明らかである。これにより発明者は、空間量の変化に応じて、つま先及び前足が適応可能である靴アセンブリ100の内部が適応できるようにしなければならないという、アッパー14の部分の形成についての課題があることに気づいた。そこで、図8に示す他の実施形態では、中底104’が使用されている。中底104’は靴110を約15度(足が円形になる踵骨の下に位置づけられた最も低いポイントを用いて)の最大の背屈のものから、底屈又は0度の傾き(つまり裸足の状態)の靴アセンブリ112に変化させることができる踵部分34の厚さを厚くする。中底104’の厚さは、背屈の角度毎に約2.5から3mmで変化する。
【0034】
図8の実施形態は、中底104’が変化した状態で、踵範囲62の形状が変化しないままでいることを明らかにしている。背屈角度が増加すると、楔状骨及び立方骨の後ろからつま先に広がる中底の部分が変化しない状態で、踵部分の高さが比例して減少する。例えば、背屈角4度となるように構成された実施形態において、シェル12の中底は、中足骨範囲と踵の最も低いポイントの厚さ間に10mmのプラスマイナスの変化量を有する。
【0035】
他の実施形において、背屈において1から6度の変化を表わす2.5mmから15mm踵を上げて、積み重ねができるように中底104’が設計された。破線108は、2つの階層化した中底104’’間の接触面の予定位置を示している。最初に取り付けられた中底104’’が、シェル12の形状に一致する下表面と、装着者の足40に適応するように形成された上表面とを有し、2番目に取り付けられた中底104’’は最初に取り付けられた中底の上表面に一致するように形成され、装着者の足と一致する上面表面を有するように、中底104’’は形成される。これは、装着者に傾き角度を選択する能力を与え、これにより背屈角度を与える。使用の際、選択された背屈機能を確実にするために、中底104’がシェル12と比較して圧縮性の高い材料で構築されなければならないことに注意すべきである。
【0036】
さらに、外部から背屈靴とわからない靴を作るために、側壁部分22が上がり、装着者の踵範囲を囲み、そして、その靴で達成できる最大背屈より小さい角度θで踵範囲62の方向に延びている。この実施形態において、角度θは実際に底屈であり、装着者だけた背屈形状だとわかる。
【0037】
中底104’は解剖学的に構成され、一般的に靴の整形外科の利用に使用される材料で構成され、その材料は材料の拡大によるずれの許容範囲を小さくできるように選択され、形状記憶特性が高く、圧縮の高いサイクル耐久性を有するものである。
【0038】
次に図9Aを参照する。表は発明のパワープレート66、162、180、182、184、186及び190の異なる実施例を表している。これは、既に示したように、場合によって、つま先から中足骨指骨(MF)、楔骨または踵へ広がる。パワープレート186及び190、薄くされた部分186’及び190’は、それぞれ、前足範囲を踵範囲に接続する。パワープレート184によって、特別な「S型」形状は、改良された靴の端末同士弾性力を供給し、さらに弾性のある湾曲によって、底のエネルギー吸収容量が改良されるように働く。
【0039】
次に図9Bを参照する。改良された実施形態において、底の特徴を関心のある特定のスポーツによりよく適応させるために、パワープレート66が軸方向にスリット200が形作られ又は切断される。特に、入念に選んでパワープレート66にスリットを加えることにより(スポーツの種類に依存する)、パワープレート66の慣性による曲げモーメントは変化する。特別な場合において、2以上のパワープレートが、同じ構造内で使用され、挿入物は互いに平行、部分的に重なり又は縦の区分に別れた状態で形作られる。
【0040】
次に図10Aから10Bを参照する。靴10と共に使用する典型的な中底104、104’は、アーチサポート210を有する。斜線部分212だけは変化的な厚さを有する必要がある。
【0041】
解剖学上地面に理想的な足跡を維持し、粘着摩擦を改善し、装着者のつま先94の圧迫を減少するために、従来の靴は使用中に中足骨指骨20が曲がるようにしている。実際、中足骨指骨20は、足首を除けば、歩く間に実際に曲げている足40の唯一の部分である。発明者たちは、前足範囲30の底部分24の硬さを増加させることにより、さらに中足骨指骨範囲20の上の足上面を固定することにより(中足骨の曲げに対する足の固定)、足のてこが増加されることに気が付いた。てこ棒の長さを増加できれば、モーメントが増加し、これにより足の出力が増加する。これにより、ランニング時のストライドが大きくなる。この結果は、改良された「つま先離れ」及び動きの拡大された範囲となり、つま先範囲でのエネルギー損失が少なくなり、歩幅がより効率的となる。
【0042】
歩幅の効率の向上に伴って、激しいトレーニング手順が減少し、技術が改善され、その結果として過剰トレーニングとしばし結びつけられる負傷リスクが減ることとなる。
【0043】
発明の有利な点として、5度の背屈角30によれば、不格好さが十分に減少し、より自然で快適に見え、これにより、プロの選手のみならずアマチュアの選手によってもより購入され使用されるであろう靴10、10’を作ることができる。本発明は、裏面の角度(足の方向の背屈)を実験によって最大出力の成果を示したレベルとする、すなわち5度とする。実際、発明者は、裏面の背屈角度が5度より大きい靴によって得られるはっきりとした利益が無いことがわかった。
【0044】
他の有利な点として、本発明が従来技術の背屈靴と比べて裏面の傾きが少ないという事は、製造時に必要となる材料が少ないということを意味する。材料が少ないということは、靴の重さがより少ないということだけでなく、製造においてコストが少ないということである。
【0045】
他の特徴として、靴が普通の底屈靴である印象を与えるように、シェル12の側壁が形成されている。
【0046】
他の有利な点として、靴自体がこの関節及びつま先の動きを再現するので、本発明により、中足骨指骨関節が屈曲する必要性が無くなっている。
【0047】
有利な点として、本発明はランニング及び跳躍中の中足骨―指骨関節の曲げを原因とするエネルギー損失を大幅に減らす。
【0048】
他の有利な点として、靴の材料を選択することにより及び足の回転運動を再現することにより足の危害のリスクを小さくしながら、効率を改良することにより、本発明は足の能力を向上させる。
【0049】
さらに有利な点として、本発明にかかる靴は、靴の後ろの厚さを極端な背屈から底屈まで調整できる中底を取り付けられるように構成されている。これにより、底屈から背屈にするために底の前部分の厚さを増加させることを目的として設計される中底の部分に起こる形態学上の問題を避けることができる。
【0050】
他の有利な点として、中底は積み重ねられて靴に挿入することができ、それによって、接する全ての中底を含むアセンブリの全体の体積及び重さを減少することができる。
【0051】
有利な点として、本靴は効率を改善することにより足の能力を向上させる。これにより、圧力を吸収する靴の材料を選ぶことにより及び足の回転動作を再現することにより、足への危害のリスクが最小となる。
【0052】
他の有利な点として、靴の形状により、足裏の屈筋の能力が向上する。
【0053】
他の有利な点として、本発明はランナー及び地面に適応される力の出力を増加させる。歩幅が増加し、足が地面に接触する時間が減少するため、競技者はより速く走ることができる。
【0054】
ここで記載されている本発明の実施形態において、多くの変化及び修正をすることが可能である。特定の発明の実施形態がここで示され、説明されたが、この開示において、改良、変更及び代用の広い範囲が考えられる。場合によっては、本発明のいくつかの特徴と対応する使用が無い状態で、いくつかの特徴が採用されるかもしれない。それ故に、前述の記述は、図解及び説明のみを目的として提供されたものであり、精神及び発明の範囲は明らかにされた特許請求の範囲によってのみ制限されると広く解釈され、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、本発明にかかる靴の側面から見た横断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明にかかる固定ストラップをゆるめた状態を表わした図1のA−A線断面図である。
【図2B】図2Bは、本発明にかかる固定ストラップを締めた状態を表わした図1のA−A線断面図である。
【図3A】図3Aは、本発明にかかるつま先部分を強調して表わした断面図である。
【図3B】図3Bは、本発明にかかる底の前足範囲に配置された高密度板を強調した透視図である。
【図4A】図4Aは、互換性のある2つの形状を表わした本発明の長手方向の部分的な断面図/横断面図である。
【図4B】図4Bは、互換性のある2つの形状を表わした本発明の長手方向の部分的な断面図/横断面図である。
【図5A】図5Aは、底の厚さが長さ方向におおよそ一定である複合底を表わした本発明の他の実施形態にかかる側面図である。
【図5B】図5Bは、背屈形状を作るために、踵部分が使用による重さで変形した図5Aの複合靴の側面図である。
【図6】図6は、互換性のある踵部分を有する本発明にかかる他の実施形態の側面図である。
【図7A】図7Aは、合成底部品を有する本発明にかかる他の実施形態の側面から見た横断面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの実施形態の底面図である。
【図8】図8は、本発明にかかる他の実施形態の側面から見た横断面図である。
【図9A】図9Aは、本発明にかかるパワープレートの他の実施形態を表わした表である。
【図9B】図9Bは、本発明にかかるパワープレートの平面図である。
【図10A】図10Aは、本発明にかかる中底の平面図である。
【図10B】図10Bは、図10AのB−B線断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は靴に関し、特に、背屈を促進させるレジャー用及び運動用の靴に関する。
【背景技術】
【0002】
標準的な靴では、中足骨指骨間接は踏み切り時に曲げ状態を維持し、跳躍の間はどのようなエネルギーも生み出すことは無く、走る間もほとんどエネルギーを発生することはなかった。これは、エネルギーの戻りが非常に少なく、非常に遅く、性能に影響を及ぼさない場合、靴が踏み切り後までまっすぐにならないという事が原因である。そのため、使用されたエネルギーは失われ、跳躍やランニングの推進力の補助としての役割を果たさない。ここ数年において、比較的硬い中底を使用し始めることによって、特殊化された陸上競技用の靴は進化してきた。
【0003】
一方、一般的な運動靴の製造業者は、製品に使用される材料の柔軟性を増加させ又は中底の構造を改良することにより(例えば、湾曲溝を組み込む)、中足骨指骨関節においてより柔軟なランニングシューズに移行しているようである。これは、不幸にも、推進性能についてはメリットがなく、予想した考えによって作られたものである。
【0004】
各関節における合力の関節モーメント及び関節力を分析すると、運動中、エネルギーが吸収される場面と、エネルギーが発生する場面とがあることがわかる。もし、吸収されたエネルギーが分散し、後で再使用するための保存ができないなら、エネルギーは浪費されることになる(つまり、単に熱を生成する)。もし、保存されたエネルギーを再使用することができれば、性能は向上する。
【0005】
中足骨指骨関節は、従来、踏み切り時又は踏み切り前のエネルギー浪費及び微少のエネルギー発生の掃きだめであった。これは、踏み切り後まで運動の足は前足上で回転し、底屈しないからである。
【0006】
米国特許出願番号09/833,485 ホワットリー(そこに記載されて、組み込まれている内容)は、ふくらはぎの働きを良くするために、広い範囲で足を動けるようにすることに特に重点を置いており、運動中特定の筋肉の働きを増加するために背屈を利用する靴が記載されている。背屈は、通常の足底靴に比べ後方に傾けられた(すなわち、下降された)靴によってもたらされる。本来のつま先よりも高い点で踵を支えるのではなく、おおよそ角度を10度逆側に傾けたのである(反対が正常である)。この靴は非常に安定することが証明されている。しかしながら、靴の10度の傾きと特に不格好な見た目とによって、プロの運動選手を除いては、市場性や実用性が制限される結果となっている。
【0007】
背屈のために、使用者の筋肉組織及び関節への危害を避けるために、使用者は足の回転作用を確保しなければならない。底の前端において、底がより厚く、円筒型である底の形成は、足の自然回転作用に近い。上述した特許出願の図21Aは、本発明の靴に最も近い靴を表わしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
必要なものは、中足骨指骨関節のエネルギー生成容量をうまく利用する運動靴である。さらに必要なものは、改良されたパワー出力と快適さと性能とを得ることができるよう背屈運動の機構をよりうまく利用する改善された背屈靴である。そしてさらに、必要なものは、靴の市場性及び快適さを向上させることができる普通の形状を有する背屈靴である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
高性能背屈靴は、シェルとアッパーと中足骨―指骨関節上の固定手段を有する。シェルは、底部分に結合する側壁部分を有する。底部分は、地面接触表面、前足範囲、中足範囲及び踵部分を有する。前足範囲は、高密度材料でつくられており、踵部分よりも厚い厚みを有し、これにより、着用者が立った状態のときの前足範囲から踵部分までの特有の傾き角度を決定する。固定手段は、運動時に着用者の中足骨―指骨関節を動きに対してしっかりと固定する。前足部分は、中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくできるように構成された湾曲形状を有する。
【0010】
他の特徴として、傾き角度は1度から15度であって、好ましくは5度である。
【0011】
他の特徴として、靴は、強化され、パッドが入ったつま先部分を含む。
【0012】
他の特徴として、踵部分は、実質的に低密度、粘り気のあるような、フィットネスやトレーニング用の靴に適用される材料から成る。
【0013】
他の特徴として、靴が普通の底屈靴であるという印象を与えるように、シェルの側壁が形成されている。
【0014】
さらに本発明の有利な点として、5度の背屈角度によって、より普通の(底屈)靴が作れ、これにより、不格好さが極めて小さくなり、より自然で快適になる。そのため、プロ選手のみならずアマチュア選手によっても購入されて使用されると考えられる。
【0015】
他の有利な点として、裏面の傾き角度は、従来技術の背屈靴と比べて小さく、製造時においても材料の少なさが要求される。少ない材料は靴の重量が小さくなるだけでなく、製造においては、費用が少ないのと同じことである。
【0016】
他の有利な点として、本発明にかかる靴は、様々な重さ、エネルギー吸収能力及び硬さを有する互換性のある中底と結びつくことができ、これにより着用者は、スポーツの種類により、より柔軟に発明品を構成することができる。
【0017】
さらに有利な点として、靴は靴の後ろの厚さを極端な背屈から底屈まで調整する中底を取り付けられるように構成されており、これにより底屈から背屈へと底の前部分の厚みを増加させようと中底が設計されるところで起こる形態学上の問題を避けることができる。
【0018】
他の有利な点として、靴自身がこの関節及びつま先の動きを再現するので、発明品は屈曲する中足骨―指骨関節の必要性を排除する。
【0019】
他の有利な点として、圧力を吸収する材料で靴を作ることにより及び足の回転動作を再現することにより、足の危害を最小にしつつ、効率を改良することで、本発明は足の能力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1に示すように、好ましい実施形態において、高性能背屈靴10は、シェル12、アッパー14及び中足骨―指骨関節の上に位置する固定手段16を有する。シェル12は上縁13と共に側壁部分22を有する。側壁部分12は、底部分24と結合される。底部分24は、地面接触表面26、前足領域30、中足領域32及び踵部分34を有する。前足領域30は、高密度材料で作られており、底部分24の地面接触表面26から垂直方向に測定した場合、踵部分34の厚さtよりも大きい厚さTを有し、これにより前足領域30から踵部分34までの傾きの特性角度αを決定する。固定手段16は、運動時の動作からしっかりと着用者の中足骨―指骨関節20を固定する。前足領域30は、中足骨−指骨関節20の曲りをさらに小さくするために設計される湾曲領域28を有する。
【0021】
傾きの角度αの特に注目すべきは1度から15度の間である。より好ましくは5度である。
【0022】
次に図2A及び2Bを参照する。靴10のアッパー14の下に位置し、着用者の中足骨−指骨関節20の上に位置する固定手段16は、不要な又は浪費される動きを防ぐため(エネルギー浪費を防ぐため)、底部分24に対して足40の上面36を押える。近くの中足骨指骨16と結合される一方の縁44と、中足骨指骨(結合点54に対して直角)の反対側52に取り付けられたループ50に通された他の縁46を有する留めストラップ42は、アッパー上の対応するバッキング61と結合するVELCROTMバッキング60を含む先端56を有する。この連結VELCROTMを配置することにより、締めた後に所定位置でのストラップの固定が可能となる。ストラップは靴べろの一部として組み立てる点、本底に取り付ける点及び幅を変える点に注意する。さらに、公知の取り付け処理が使用される。そしてさらに、硬く快適な挿入物(図示せず)がストリップ16と足40の間に取り付けられ、挿入物は中足骨指骨20の上にある足の上面の形状にほぼ一致する。これにより、中足骨−指骨関節がしっかりと固定されストラップの快適さが増加する。
【0023】
次に図3Aを参照する。人がてこ棒を最大限にしようとするように、靴10のつま先範囲62には高い圧力がかかる。特に靴がまさに地面との接触から離れるときに高い圧力がかかるため、足40(特につま先)は保護されなければならない。そのため、本発明の特徴として、快適さ及びサポートのために、つま先領域62に圧縮性の材料64が詰められる。そして、つま先の下に形作られた硬い(湾曲パワープレート66)挿入物は、とても高い密度の合成材料70から成っている。ここで、通常つま先62のちょうど上に位置する靴の範囲にかかる前方の圧力は、もはや足の固定又は力を吸収するのに必要ではないという事に注意すべきである(前方の力は、もはやストラップ16に吸収される)。さらに、つま先が足の縁をサポートするために必要とされないように、参照数字66で指定する範囲のつま先62の下にあるハイパワープレート66がサポートの役割を果たす。これは、つま先の機能と同様に機能するプレート66と連携して働くストラップ16によって成し遂げられる。これにより、足の疲労が軽減する。一方、踵部分34は、実質的に特にフィットネス及びトレーニング用の靴に使用される低密度の粘り気のあるような材料から成っている。競技において、この粘り気のある材料は一般に適切ではない。実際の靴底の設計は、地面表面と運動の目的に合致した材料から成る。
【0024】
次に図3Bを参照する。パワープレート66は走りの動作を制御し、地面及び使用者の体への力の伝達に作用する硬化地面作用ガイドである。パワープレート66は、硬化して湾曲形状が形成され、外部に向かう表面80と内部に向かう表面82を有し、これらは薄い外壁84によって結合されている。ボード66は、足の自然回転作用を可能な限り正確に再現できるよう最適化される。美的理由に関し、底の寿命がより長くなるように、挿入形成工程において、スプリングボード66を柔らかい底部分24又はシェル22にしっかりと固定できるように、外部に向かう表面80にリブ90が取り付けられ、表面91にさらされるように内部層92を完全に通過して、靴の外側に広がっている。これにより、パワープレート66は異なる色で組み立てることができ、リブ90全体がこれにより華やかになり、靴に感じの良いマルチトーン印象を加えることができる。パワープレートは20から90のショア硬度の材料で構成されることが好ましく、これに対し、内部層92はシェル12の残りと同様に標準の柔らかい材料で構成される。
【0025】
パワープレート66範囲内の靴10の計測剛性は、0.1N・m/degから0.5N・m/degの範囲になるように選択される。パワープレート66の形状、長さ、位置及び密度は、目的のスポーツ又は競技の用途に大きく依存する。推進力の代謝コストへの影響を最小限にするために、パワープレート66の重さは、30から250グラムの範囲である。本質的に、特にランニング中及び跳躍中に、中足骨−指骨関節20の屈曲が最小になるように(この関節のエネルギーロスを減らそうと努力して)パワープレート66は配置される。
【0026】
中足骨指骨の屈曲によって、本発明はランニング中(速度2m/sからのゆっくりとしたジョギングから速度10m/sの速い短距離走までが含まれる)及び跳躍中(準最大下の跳躍から垂直、水平及び横方向の最大下の飛跳ねまで推進力のある活動が含まれる)のエネルギー損失を大幅に減らすことができる。発明者は、従来の底屈する靴と比較して発明品を使用し、跳躍機能が5%から10%(ランニングにおいても約5%)増加したことを示した。試験は、跳躍において、体重70Kgの場合、パワープレート66は片足跳躍で平均して24J吸収したことを示した。これは、跳躍の高さの差で3.5cmに相当する。
【0027】
次に図4Aを参照する。他の実施形態において、適合性のある背屈靴アセンブリ100は、靴に挿入する互換性のある中底104を取り付けられるよう構成された靴102を含む。アセンブリ100によって特定の傾き角βによって定義される背屈靴が作られる。中底104は、使用中にエネルギー消費の特定のレベルを供給するために選択されたおもり106を有する。おもり106は、様々な形態の使用を通して調整される。おもりは、例えば製作時に合成物成形工程が使用される中底104の所定位置に挿入または注入して形作られる。この方法において、本発明にかかる靴102は、互換性のある様々な重さ、エネルギー吸収能力、合成及び形状を有する中底104と結びつくことができる。これにより、スポーツの種類に応じた特定の傾き角となる発明品を構成する場合において、装着者がより柔軟に対応できるようになった。さらに、発明者は、驚くことに、わずかな傾き(5度が典型的)だけで、実質的に性能に寄与することを学んだ。つまり、従来技術の球形底と同じ設計をする必要はない。この結果により、靴10、102の重さが軽減される。その結果として、底部分24の大部分が大きく減らされ、より大きな範囲の重さで靴の設計が可能となった。
【0028】
次に図4Bを参照すると、中底120が示されている。対応する連結表面122及び124によって使用中に中底が動かないようにしている。
【0029】
次に図5Aを参照する。他の実施形態130において、足40は装着者のつま先の底と踵の底との支え位置の高さはほぼ同じである。しかしながら、合成底134の前足範囲132はより硬い材料で作られ、底の踵部分136は柔らかい、粘り気のある又は硬度の低い材料で作られている。次に図5Bを参照する。踵は柔らかいため、使用者の重さによって、より硬い前足範囲22よりも大きく変形する。これは、より柔らかい踵範囲136の変形上の傾き角度φを作り出し、これにより、普通の靴の外観を有する混合靴130に背屈を与える。
【0030】
この合成底130の構造に使用される材料の適切な相対的厚さ及び剛性の選択は、背屈運動と踵保護との利益のバランスを保たせるために重要である。
【0031】
次に図6を参照する。他の実施形態において、行われる個々のスポーツや運動に対応できる互換性のある踵142を有する背屈靴140が供給される。硬さの異なる踵142をダブテール溝接触面のように(スナップインプレイス機構)又はピンロックによって(図示せず)、靴140の連結部分に結合したり取り外したりする。
【0032】
次に図7A及び7Bを参照する。他の実施形態において、合成底配列を有する背屈靴150が供給される。底アセンブリ152は、快適のため及び衝撃を和らげるために、中央範囲154で選択されるスポーツ表面、粘りのあるような踵部分156、補強された前足範囲範囲160、高密度の前方範囲162、中密度の上部範囲164、装着者の踵の下にある靴の後方部分内の低密度範囲166及び柔らかい中底170を含むいくつかの層及び異なる範囲により作り上げられる。上部範囲164は、靴150の踵からつま先を横切る。パッドが詰められたつま先範囲172は着用者のつま先を保護する。図7Bにおいて、改善された横の安定性のために、範囲156はより高い密度範囲174又は状況に応じて、高い密度範囲176によって囲まれていることに注意しなければならない。明らかに、範囲156は、スポーツや表面に耐えることを目的として、スポーツや表面に依存する様々な形状及び対応する大きさにより形作られる。
【0033】
図4Aで示される構造において、中底104は底屈するものから背屈させる靴アセンブリ100へと靴102を変化させる前足範囲30の厚さを増していることは明らかである。これにより発明者は、空間量の変化に応じて、つま先及び前足が適応可能である靴アセンブリ100の内部が適応できるようにしなければならないという、アッパー14の部分の形成についての課題があることに気づいた。そこで、図8に示す他の実施形態では、中底104’が使用されている。中底104’は靴110を約15度(足が円形になる踵骨の下に位置づけられた最も低いポイントを用いて)の最大の背屈のものから、底屈又は0度の傾き(つまり裸足の状態)の靴アセンブリ112に変化させることができる踵部分34の厚さを厚くする。中底104’の厚さは、背屈の角度毎に約2.5から3mmで変化する。
【0034】
図8の実施形態は、中底104’が変化した状態で、踵範囲62の形状が変化しないままでいることを明らかにしている。背屈角度が増加すると、楔状骨及び立方骨の後ろからつま先に広がる中底の部分が変化しない状態で、踵部分の高さが比例して減少する。例えば、背屈角4度となるように構成された実施形態において、シェル12の中底は、中足骨範囲と踵の最も低いポイントの厚さ間に10mmのプラスマイナスの変化量を有する。
【0035】
他の実施形において、背屈において1から6度の変化を表わす2.5mmから15mm踵を上げて、積み重ねができるように中底104’が設計された。破線108は、2つの階層化した中底104’’間の接触面の予定位置を示している。最初に取り付けられた中底104’’が、シェル12の形状に一致する下表面と、装着者の足40に適応するように形成された上表面とを有し、2番目に取り付けられた中底104’’は最初に取り付けられた中底の上表面に一致するように形成され、装着者の足と一致する上面表面を有するように、中底104’’は形成される。これは、装着者に傾き角度を選択する能力を与え、これにより背屈角度を与える。使用の際、選択された背屈機能を確実にするために、中底104’がシェル12と比較して圧縮性の高い材料で構築されなければならないことに注意すべきである。
【0036】
さらに、外部から背屈靴とわからない靴を作るために、側壁部分22が上がり、装着者の踵範囲を囲み、そして、その靴で達成できる最大背屈より小さい角度θで踵範囲62の方向に延びている。この実施形態において、角度θは実際に底屈であり、装着者だけた背屈形状だとわかる。
【0037】
中底104’は解剖学的に構成され、一般的に靴の整形外科の利用に使用される材料で構成され、その材料は材料の拡大によるずれの許容範囲を小さくできるように選択され、形状記憶特性が高く、圧縮の高いサイクル耐久性を有するものである。
【0038】
次に図9Aを参照する。表は発明のパワープレート66、162、180、182、184、186及び190の異なる実施例を表している。これは、既に示したように、場合によって、つま先から中足骨指骨(MF)、楔骨または踵へ広がる。パワープレート186及び190、薄くされた部分186’及び190’は、それぞれ、前足範囲を踵範囲に接続する。パワープレート184によって、特別な「S型」形状は、改良された靴の端末同士弾性力を供給し、さらに弾性のある湾曲によって、底のエネルギー吸収容量が改良されるように働く。
【0039】
次に図9Bを参照する。改良された実施形態において、底の特徴を関心のある特定のスポーツによりよく適応させるために、パワープレート66が軸方向にスリット200が形作られ又は切断される。特に、入念に選んでパワープレート66にスリットを加えることにより(スポーツの種類に依存する)、パワープレート66の慣性による曲げモーメントは変化する。特別な場合において、2以上のパワープレートが、同じ構造内で使用され、挿入物は互いに平行、部分的に重なり又は縦の区分に別れた状態で形作られる。
【0040】
次に図10Aから10Bを参照する。靴10と共に使用する典型的な中底104、104’は、アーチサポート210を有する。斜線部分212だけは変化的な厚さを有する必要がある。
【0041】
解剖学上地面に理想的な足跡を維持し、粘着摩擦を改善し、装着者のつま先94の圧迫を減少するために、従来の靴は使用中に中足骨指骨20が曲がるようにしている。実際、中足骨指骨20は、足首を除けば、歩く間に実際に曲げている足40の唯一の部分である。発明者たちは、前足範囲30の底部分24の硬さを増加させることにより、さらに中足骨指骨範囲20の上の足上面を固定することにより(中足骨の曲げに対する足の固定)、足のてこが増加されることに気が付いた。てこ棒の長さを増加できれば、モーメントが増加し、これにより足の出力が増加する。これにより、ランニング時のストライドが大きくなる。この結果は、改良された「つま先離れ」及び動きの拡大された範囲となり、つま先範囲でのエネルギー損失が少なくなり、歩幅がより効率的となる。
【0042】
歩幅の効率の向上に伴って、激しいトレーニング手順が減少し、技術が改善され、その結果として過剰トレーニングとしばし結びつけられる負傷リスクが減ることとなる。
【0043】
発明の有利な点として、5度の背屈角30によれば、不格好さが十分に減少し、より自然で快適に見え、これにより、プロの選手のみならずアマチュアの選手によってもより購入され使用されるであろう靴10、10’を作ることができる。本発明は、裏面の角度(足の方向の背屈)を実験によって最大出力の成果を示したレベルとする、すなわち5度とする。実際、発明者は、裏面の背屈角度が5度より大きい靴によって得られるはっきりとした利益が無いことがわかった。
【0044】
他の有利な点として、本発明が従来技術の背屈靴と比べて裏面の傾きが少ないという事は、製造時に必要となる材料が少ないということを意味する。材料が少ないということは、靴の重さがより少ないということだけでなく、製造においてコストが少ないということである。
【0045】
他の特徴として、靴が普通の底屈靴である印象を与えるように、シェル12の側壁が形成されている。
【0046】
他の有利な点として、靴自体がこの関節及びつま先の動きを再現するので、本発明により、中足骨指骨関節が屈曲する必要性が無くなっている。
【0047】
有利な点として、本発明はランニング及び跳躍中の中足骨―指骨関節の曲げを原因とするエネルギー損失を大幅に減らす。
【0048】
他の有利な点として、靴の材料を選択することにより及び足の回転運動を再現することにより足の危害のリスクを小さくしながら、効率を改良することにより、本発明は足の能力を向上させる。
【0049】
さらに有利な点として、本発明にかかる靴は、靴の後ろの厚さを極端な背屈から底屈まで調整できる中底を取り付けられるように構成されている。これにより、底屈から背屈にするために底の前部分の厚さを増加させることを目的として設計される中底の部分に起こる形態学上の問題を避けることができる。
【0050】
他の有利な点として、中底は積み重ねられて靴に挿入することができ、それによって、接する全ての中底を含むアセンブリの全体の体積及び重さを減少することができる。
【0051】
有利な点として、本靴は効率を改善することにより足の能力を向上させる。これにより、圧力を吸収する靴の材料を選ぶことにより及び足の回転動作を再現することにより、足への危害のリスクが最小となる。
【0052】
他の有利な点として、靴の形状により、足裏の屈筋の能力が向上する。
【0053】
他の有利な点として、本発明はランナー及び地面に適応される力の出力を増加させる。歩幅が増加し、足が地面に接触する時間が減少するため、競技者はより速く走ることができる。
【0054】
ここで記載されている本発明の実施形態において、多くの変化及び修正をすることが可能である。特定の発明の実施形態がここで示され、説明されたが、この開示において、改良、変更及び代用の広い範囲が考えられる。場合によっては、本発明のいくつかの特徴と対応する使用が無い状態で、いくつかの特徴が採用されるかもしれない。それ故に、前述の記述は、図解及び説明のみを目的として提供されたものであり、精神及び発明の範囲は明らかにされた特許請求の範囲によってのみ制限されると広く解釈され、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、本発明にかかる靴の側面から見た横断面図である。
【図2A】図2Aは、本発明にかかる固定ストラップをゆるめた状態を表わした図1のA−A線断面図である。
【図2B】図2Bは、本発明にかかる固定ストラップを締めた状態を表わした図1のA−A線断面図である。
【図3A】図3Aは、本発明にかかるつま先部分を強調して表わした断面図である。
【図3B】図3Bは、本発明にかかる底の前足範囲に配置された高密度板を強調した透視図である。
【図4A】図4Aは、互換性のある2つの形状を表わした本発明の長手方向の部分的な断面図/横断面図である。
【図4B】図4Bは、互換性のある2つの形状を表わした本発明の長手方向の部分的な断面図/横断面図である。
【図5A】図5Aは、底の厚さが長さ方向におおよそ一定である複合底を表わした本発明の他の実施形態にかかる側面図である。
【図5B】図5Bは、背屈形状を作るために、踵部分が使用による重さで変形した図5Aの複合靴の側面図である。
【図6】図6は、互換性のある踵部分を有する本発明にかかる他の実施形態の側面図である。
【図7A】図7Aは、合成底部品を有する本発明にかかる他の実施形態の側面から見た横断面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの実施形態の底面図である。
【図8】図8は、本発明にかかる他の実施形態の側面から見た横断面図である。
【図9A】図9Aは、本発明にかかるパワープレートの他の実施形態を表わした表である。
【図9B】図9Bは、本発明にかかるパワープレートの平面図である。
【図10A】図10Aは、本発明にかかる中底の平面図である。
【図10B】図10Bは、図10AのB−B線断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に前記踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に前記中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記底部分(24)は前記底部分(24)から上方へ広がる側壁部分(22)を含むシェル(12)の構成要素である、高性能背屈靴。
【請求項2】
前記側壁部分(22)は前記底部分から前記着用者の足(40)を囲む円周縁(13)まで上方向に延びている請求項1記載の靴。
【請求項3】
前記円周縁(13)は、前記前足範囲(30)よりも前記踵範囲(34)で高くなっており、これにより、底屈靴の外観を与える請求項2記載の靴。
【請求項4】
前記前足範囲(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む請求項1記載の靴。
【請求項5】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む、請求項4記載の靴。
【請求項6】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は該挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、請求項4記載の靴。
【請求項7】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162)は前記前足範囲(30)から中足範囲(32)まで広がる、請求項4記載の靴。
【請求項8】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180)は前記前足範囲(30)から前記着用者の楔状骨に隣接する範囲まで広がる、請求項4記載の靴。
【請求項9】
前記少なくとも1つの挿入物(184、186、190)は前記前足範囲(30)から前記踵部分(34)まで広がる、請求項4記載の靴。
【請求項10】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項5記載の靴。
【請求項11】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴(10)の外部表面(91)でリブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底とは異なる色で形作られている請求項10記載の靴。
【請求項12】
前記傾き角度(α)が1から15度の範囲であって、好ましくは5度である請求項1記載の靴。
【請求項13】
前記前足範囲(30)は、パッドが詰められて補強されたつま先部分(64)を含む請求項1記載の靴。
【請求項14】
前記踵部分(34)は、実質的に低密度で、粘り気のあるような材料で構成されている請求項1記載の靴。
【請求項15】
前記前足範囲(30)は自然の中足骨―指骨の屈曲機能に似ている湾曲形状の地面接触表面(26)を決定する変化する厚みを有する請求項1記載の靴。
【請求項16】
前記湾曲形状は直線部分を含み、前記踵部分(34)から前足範囲(30)及び湾曲部分(28)まで適切に広がり、前記直線部分からほぼ接線方向に広がり、つま先の上方に曲がっている請求項11記載の靴。
【請求項17】
互換性のある中底(104、104’)を受け入れるように構成され、事前に決定された傾き角の底部分(24)を有する靴と、
前記靴に挿入する少なくとも1つの中底とを備える靴アセンブリであって、
該アセンブリは一の角度(背屈と底屈との間の範囲)から、他の角度(事前に決定された角度と異なる角度によって定義される靴となる範囲)まで、着用者の足(40)の姿勢を変える、順応性のある靴アセンブリ。
【請求項18】
前記底部分(24)は前記底部分(24)から前記着用者の足を包み込む円周縁(13)へ広がる側壁部分(22)を含むシェル(12)の構成要素である、請求項17記載の靴。
【請求項19】
前記円周縁(13)は、前足範囲(30)よりも踵範囲(34)で高く、これにより底屈靴の外観を与える、請求項18記載の靴。
【請求項20】
前記中底(104、104’)は、中底と底を互いに固定するために底で合わせ面と結合する三方向構造(120)を含み、これにより、それらの間の相対運動を最小にする、請求項19記載の靴。
【請求項21】
前記靴が実質的に通常の底屈形状であり、前記中足骨―指骨固定手段(16)が前記着用者の前記中足骨―指骨関節(20)を中底(104、104’)がある場合と無い場合とで調整可能であり、前記靴の前記底部分(24)の前記足接触部分(26)が、前記中底が取り付けられていないときに前記靴が普通の底屈靴のように機能するように、前記足(40)と適切に結びつく形状である請求項17記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記少なくとも1つの中底(104)は使用中の特定の消費エネルギーレベルを供給するように選ばれるおもり(106)を有する請求項17記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記アセンブリは択一的に靴に入る少なくとも2つの中底(104、104’)のうち1つを受け入れるように構成され、前記着用者に傾き角度(α)(つまり背屈角度)を選択する能力を与える請求項17記載の靴。
【請求項24】
前記中底(104、104’)は、背屈でおおよそ0から6度の変化を意味する2.5mmから15mmの範囲で選択される厚さである請求項23記載の靴。
【請求項25】
前記アセンブリは、少なくとも2つの中底(104’’)を受け入れるように構成され、一方が他方に積み重ねられ、最初に挿入された中底はシェルの形状に一致する下部表面と着用者の足に合うように形成された上部表面とを有し、2番目に挿入された中底は最初に挿入された中底の上部表面に一致するように形成され、それ自身着用者の足に一致する上部表面を有し、これにより着用者に傾き角度(β)(つまり背屈角度)を選択する能力を与える請求項17記載の靴。
【請求項26】
前記中底(104、104’)は、背屈でおおよそ0から6度の変化を意味する2.5mmから15mmの範囲で選択される厚さである請求項25記載の靴。
【請求項27】
前記アセンブリは、択一的に前記靴に挿入する、大きく重さの異なる少なくとも2つの中底(104)を含み、使用時に特有の消費エネルギーレベルをもたらすようなおもり(106)を選択する能力を着用者に与える、請求項17記載の靴。
【請求項28】
前記前足範囲(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む請求項17記載の靴。
【請求項29】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む請求項29記載の靴。
【請求項30】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項29記載の靴。
【請求項31】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴の外部表面で前記リブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底部分(24)とは異なる色で形作られている請求項30記載の靴。
【請求項32】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、請求項28記載の靴。
【請求項33】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162)は前記前足範囲から中足範囲まで延びる請求項28記載の靴。
【請求項34】
前記少なくとも1つの挿入物(180)は前記前足範囲から前記着用者の楔状骨に隣接する範囲まで広がる、請求項28記載の靴。
【請求項35】
前記少なくとも1つの挿入物(182、184、186、190)は前記前足範囲から前記踵部分まで広がる、請求項4記載の靴。
【請求項36】
着用者の足を包むための高性能背屈靴であって、該靴は地面接触表面、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)を備え、前記前足範囲は前記底部分の湾曲部分に続く、硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含み、前記踵部分は実質的に柔らかく、粘り気のあるような材料で作られ、前記底部分の総合厚さは傾き角(a)が大きくとも0度であるようなものであり、前記硬い材料と柔らかい材料との変化における差は背屈靴の影響を作り出す形で運動時に柔らかい部分をある程度変形することができるように決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に前記踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に前記中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記底部分(24)は前記底部分(24)から上方へ広がる側壁部分(22)を含むシェル(12)の構成要素であり、
前記前足部分(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含んでおり、
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む、高性能背屈靴。
【請求項2】
前記側壁部分(22)は前記底部分から前記着用者の足(40)を囲む円周縁(13)まで上方向に延びている請求項1記載の靴。
【請求項3】
前記円周縁(13)は、前記前足範囲(30)よりも前記踵範囲(34)で高くなっており、これにより、底屈靴の外観を与える請求項2記載の靴。
【請求項4】
前記前足範囲(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む請求項1記載の靴。
【請求項5】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に前記踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記前足部分(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含んでおり、
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む、高性能背屈靴。
【請求項6】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に前記踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に前記中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記前足部分(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含んでおり、
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は該挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、高性能背屈靴。
【請求項7】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に前記中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記底部分(24)は前記底部分(24)から上方へ広がる側壁部分(22)を含むシェル(12)の構成要素であり、
前記前足部分(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含んでおり、
前記少なくとも1つの挿入物(184、186、190)は前記前足範囲(30)から前記踵部分(34)に広がる高性能背屈靴。
【請求項8】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項5記載の靴。
【請求項9】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴(10)の外部表面(91)でリブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底とは異なる色で形作られている請求項10記載の靴。
【請求項10】
事前に決定された傾き角度の底部分(24)を有し、互換性のある中底(104、104’)を受け入れるように構成された靴と、
少なくとも前記靴に挿入する1つの中底とを含む靴アセンブリであって、
該アセンブリは、一の角度(背屈と底屈との間の範囲)から、他の角度(事前に決定された角度と異なる角度によって定義される靴となる範囲)まで、着用者の足(40)の姿勢を変え、前記靴がほぼ通常の底屈形状であり、前記中足骨―指骨固定手段(16)が前記着用者の前記中足骨―指骨関節(20)を前記中底(104、104’)がある場合と無い場合とで調整可能であり、前記靴の前記底部分(24)の前記足接触部分(26)が、前記中底が取り付けられていないときに前記靴が普通の底屈靴のように機能するように、前記足(40)と適切に結びつく形状である、順応性のある靴アセンブリ。
【請求項11】
前記前足範囲(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む請求項10記載の靴。
【請求項12】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む請求項11記載の靴。
【請求項13】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項12記載の靴。
【請求項14】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴の外部表面で前記リブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底部分(24)とは異なる色で形作られている請求項13記載の靴。
【請求項15】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、請求項11記載の靴。
【請求項16】
前記少なくとも1つの挿入物(182、184、186、190)は前記前足範囲から前記踵部分へと広がる請求項11記載の靴。
【請求項17】
前足範囲及び踵部分を有し、前記前足範囲(30)は、少なくとも1つの硬く、高密度で、底部分(24)の湾曲に続くように形成され、補強リブ(90)を含んだ挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む背屈靴。
【請求項18】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、請求項17記載の靴。
【請求項19】
前記少なくとも1つの挿入物(184、186、190)は前記前足範囲(30)から前記踵部分(34)に広がる、請求項17記載の靴。
【請求項20】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項18記載の靴。
【請求項21】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴(10)の外部表面(91)で前記リブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底とは異なる色で形作られている請求項21記載の靴。
【請求項22】
事前に決定された傾き角度の底部分(24)を有し、互換性のある中底(104、104’)を受け入れるように構成された靴と、
該靴に挿入する少なくとも1つの中底とを含む靴アセンブリであって、
該アセンブリは、一の角度(背屈と底屈との間の範囲)から、他の角度(事前に決定された角度と異なる角度によって定義される靴となる範囲)まで、着用者の足(40)の姿勢を変え、前記前足部分(30)は、少なくとも1つの硬く、高密度で、底部分(24)の湾曲に続くように形成された挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む、順応性のある靴アセンブリ。
【請求項23】
前記少なくとも1つの挿入物(182、184、186、190)は前記前足範囲から前記踵部分へと広がる請求項23記載の靴。
【請求項24】
前記アセンブリは、少なくとも2つの重さが大幅に異なり、選択的に靴に挿入できる中底(104)を含み、使用中における特定のエネルギー消費レベルを供給できるおもり(106)を選択する能力を着用者に与える請求項23記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記靴が実質的に通常の底屈形状であり、前記中足骨―指骨固定手段(16)が前記着用者の前記中足骨―指骨関節(20)を中底(104、104’)がある場合と無い場合とで調整可能であり、前記靴の前記底部分(24)の前記足接触部分(26)が、前記中底が取り付けられていないときに前記靴が普通の底屈靴のように機能するように、前記足(40)と適切に結びつく形状である請求項23記載のアセンブリ。
【請求項1】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に前記踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に前記中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記底部分(24)は前記底部分(24)から上方へ広がる側壁部分(22)を含むシェル(12)の構成要素である、高性能背屈靴。
【請求項2】
前記側壁部分(22)は前記底部分から前記着用者の足(40)を囲む円周縁(13)まで上方向に延びている請求項1記載の靴。
【請求項3】
前記円周縁(13)は、前記前足範囲(30)よりも前記踵範囲(34)で高くなっており、これにより、底屈靴の外観を与える請求項2記載の靴。
【請求項4】
前記前足範囲(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む請求項1記載の靴。
【請求項5】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む、請求項4記載の靴。
【請求項6】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は該挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、請求項4記載の靴。
【請求項7】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162)は前記前足範囲(30)から中足範囲(32)まで広がる、請求項4記載の靴。
【請求項8】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180)は前記前足範囲(30)から前記着用者の楔状骨に隣接する範囲まで広がる、請求項4記載の靴。
【請求項9】
前記少なくとも1つの挿入物(184、186、190)は前記前足範囲(30)から前記踵部分(34)まで広がる、請求項4記載の靴。
【請求項10】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項5記載の靴。
【請求項11】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴(10)の外部表面(91)でリブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底とは異なる色で形作られている請求項10記載の靴。
【請求項12】
前記傾き角度(α)が1から15度の範囲であって、好ましくは5度である請求項1記載の靴。
【請求項13】
前記前足範囲(30)は、パッドが詰められて補強されたつま先部分(64)を含む請求項1記載の靴。
【請求項14】
前記踵部分(34)は、実質的に低密度で、粘り気のあるような材料で構成されている請求項1記載の靴。
【請求項15】
前記前足範囲(30)は自然の中足骨―指骨の屈曲機能に似ている湾曲形状の地面接触表面(26)を決定する変化する厚みを有する請求項1記載の靴。
【請求項16】
前記湾曲形状は直線部分を含み、前記踵部分(34)から前足範囲(30)及び湾曲部分(28)まで適切に広がり、前記直線部分からほぼ接線方向に広がり、つま先の上方に曲がっている請求項11記載の靴。
【請求項17】
互換性のある中底(104、104’)を受け入れるように構成され、事前に決定された傾き角の底部分(24)を有する靴と、
前記靴に挿入する少なくとも1つの中底とを備える靴アセンブリであって、
該アセンブリは一の角度(背屈と底屈との間の範囲)から、他の角度(事前に決定された角度と異なる角度によって定義される靴となる範囲)まで、着用者の足(40)の姿勢を変える、順応性のある靴アセンブリ。
【請求項18】
前記底部分(24)は前記底部分(24)から前記着用者の足を包み込む円周縁(13)へ広がる側壁部分(22)を含むシェル(12)の構成要素である、請求項17記載の靴。
【請求項19】
前記円周縁(13)は、前足範囲(30)よりも踵範囲(34)で高く、これにより底屈靴の外観を与える、請求項18記載の靴。
【請求項20】
前記中底(104、104’)は、中底と底を互いに固定するために底で合わせ面と結合する三方向構造(120)を含み、これにより、それらの間の相対運動を最小にする、請求項19記載の靴。
【請求項21】
前記靴が実質的に通常の底屈形状であり、前記中足骨―指骨固定手段(16)が前記着用者の前記中足骨―指骨関節(20)を中底(104、104’)がある場合と無い場合とで調整可能であり、前記靴の前記底部分(24)の前記足接触部分(26)が、前記中底が取り付けられていないときに前記靴が普通の底屈靴のように機能するように、前記足(40)と適切に結びつく形状である請求項17記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記少なくとも1つの中底(104)は使用中の特定の消費エネルギーレベルを供給するように選ばれるおもり(106)を有する請求項17記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記アセンブリは択一的に靴に入る少なくとも2つの中底(104、104’)のうち1つを受け入れるように構成され、前記着用者に傾き角度(α)(つまり背屈角度)を選択する能力を与える請求項17記載の靴。
【請求項24】
前記中底(104、104’)は、背屈でおおよそ0から6度の変化を意味する2.5mmから15mmの範囲で選択される厚さである請求項23記載の靴。
【請求項25】
前記アセンブリは、少なくとも2つの中底(104’’)を受け入れるように構成され、一方が他方に積み重ねられ、最初に挿入された中底はシェルの形状に一致する下部表面と着用者の足に合うように形成された上部表面とを有し、2番目に挿入された中底は最初に挿入された中底の上部表面に一致するように形成され、それ自身着用者の足に一致する上部表面を有し、これにより着用者に傾き角度(β)(つまり背屈角度)を選択する能力を与える請求項17記載の靴。
【請求項26】
前記中底(104、104’)は、背屈でおおよそ0から6度の変化を意味する2.5mmから15mmの範囲で選択される厚さである請求項25記載の靴。
【請求項27】
前記アセンブリは、択一的に前記靴に挿入する、大きく重さの異なる少なくとも2つの中底(104)を含み、使用時に特有の消費エネルギーレベルをもたらすようなおもり(106)を選択する能力を着用者に与える、請求項17記載の靴。
【請求項28】
前記前足範囲(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む請求項17記載の靴。
【請求項29】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む請求項29記載の靴。
【請求項30】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項29記載の靴。
【請求項31】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴の外部表面で前記リブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底部分(24)とは異なる色で形作られている請求項30記載の靴。
【請求項32】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、請求項28記載の靴。
【請求項33】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162)は前記前足範囲から中足範囲まで延びる請求項28記載の靴。
【請求項34】
前記少なくとも1つの挿入物(180)は前記前足範囲から前記着用者の楔状骨に隣接する範囲まで広がる、請求項28記載の靴。
【請求項35】
前記少なくとも1つの挿入物(182、184、186、190)は前記前足範囲から前記踵部分まで広がる、請求項4記載の靴。
【請求項36】
着用者の足を包むための高性能背屈靴であって、該靴は地面接触表面、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)を備え、前記前足範囲は前記底部分の湾曲部分に続く、硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含み、前記踵部分は実質的に柔らかく、粘り気のあるような材料で作られ、前記底部分の総合厚さは傾き角(a)が大きくとも0度であるようなものであり、前記硬い材料と柔らかい材料との変化における差は背屈靴の影響を作り出す形で運動時に柔らかい部分をある程度変形することができるように決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に前記踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に前記中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記底部分(24)は前記底部分(24)から上方へ広がる側壁部分(22)を含むシェル(12)の構成要素であり、
前記前足部分(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含んでおり、
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む、高性能背屈靴。
【請求項2】
前記側壁部分(22)は前記底部分から前記着用者の足(40)を囲む円周縁(13)まで上方向に延びている請求項1記載の靴。
【請求項3】
前記円周縁(13)は、前記前足範囲(30)よりも前記踵範囲(34)で高くなっており、これにより、底屈靴の外観を与える請求項2記載の靴。
【請求項4】
前記前足範囲(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む請求項1記載の靴。
【請求項5】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に前記踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記前足部分(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含んでおり、
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む、高性能背屈靴。
【請求項6】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に前記踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に前記中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記前足部分(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含んでおり、
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は該挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、高性能背屈靴。
【請求項7】
中足骨―指骨関節(20)を含む着用者の足(40)を包むための靴であって、
(a)地面接触表面(26)、前足範囲(30)、中足範囲(32)及び踵部分(34)を有する底部分(24)と、
(b)中足骨―指骨関節上の固定手段(16)とを備え、
前記前足範囲は、高密度材料で作られ、前記底部分の前記地面接触表面と直角の方向に測定した場合に踵部分よりも厚い厚さを有し、それによって前記前足範囲から前記踵部分までの傾きが特性角度(α)となる背屈靴を定義し、
前記固定手段は、運動中にしっかりと前記着用者の前記中足骨―指骨関節を動きから固定し、
前記前足範囲は、歩いている間又は走っている間に前記中足骨―指骨関節の屈曲をさらに小さくするように決定された湾曲形状を有し、
前記底部分(24)は前記底部分(24)から上方へ広がる側壁部分(22)を含むシェル(12)の構成要素であり、
前記前足部分(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含んでおり、
前記少なくとも1つの挿入物(184、186、190)は前記前足範囲(30)から前記踵部分(34)に広がる高性能背屈靴。
【請求項8】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項5記載の靴。
【請求項9】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴(10)の外部表面(91)でリブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底とは異なる色で形作られている請求項10記載の靴。
【請求項10】
事前に決定された傾き角度の底部分(24)を有し、互換性のある中底(104、104’)を受け入れるように構成された靴と、
少なくとも前記靴に挿入する1つの中底とを含む靴アセンブリであって、
該アセンブリは、一の角度(背屈と底屈との間の範囲)から、他の角度(事前に決定された角度と異なる角度によって定義される靴となる範囲)まで、着用者の足(40)の姿勢を変え、前記靴がほぼ通常の底屈形状であり、前記中足骨―指骨固定手段(16)が前記着用者の前記中足骨―指骨関節(20)を前記中底(104、104’)がある場合と無い場合とで調整可能であり、前記靴の前記底部分(24)の前記足接触部分(26)が、前記中底が取り付けられていないときに前記靴が普通の底屈靴のように機能するように、前記足(40)と適切に結びつく形状である、順応性のある靴アセンブリ。
【請求項11】
前記前足範囲(30)は、前記底部分(24)の前記湾曲に続くように形成された少なくとも1つの硬く、高密度の挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む請求項10記載の靴。
【請求項12】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は補強リブ(90)を含む請求項11記載の靴。
【請求項13】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項12記載の靴。
【請求項14】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴の外部表面で前記リブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底部分(24)とは異なる色で形作られている請求項13記載の靴。
【請求項15】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、請求項11記載の靴。
【請求項16】
前記少なくとも1つの挿入物(182、184、186、190)は前記前足範囲から前記踵部分へと広がる請求項11記載の靴。
【請求項17】
前足範囲及び踵部分を有し、前記前足範囲(30)は、少なくとも1つの硬く、高密度で、底部分(24)の湾曲に続くように形成され、補強リブ(90)を含んだ挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む背屈靴。
【請求項18】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記挿入物の慣性による曲げモーメントを決定するスリット(200)を含む、請求項17記載の靴。
【請求項19】
前記少なくとも1つの挿入物(184、186、190)は前記前足範囲(30)から前記踵部分(34)に広がる、請求項17記載の靴。
【請求項20】
前記リブ(90)が柔らかい内部層(92)を貫いて、これにより露出表面(91)に現れる請求項18記載の靴。
【請求項21】
前記少なくとも1つの挿入物(66、162、180、182、184、186、190)は、前記靴(10)の外部表面(91)で前記リブ(90)の形状を著しくさらすために、前記底とは異なる色で形作られている請求項21記載の靴。
【請求項22】
事前に決定された傾き角度の底部分(24)を有し、互換性のある中底(104、104’)を受け入れるように構成された靴と、
該靴に挿入する少なくとも1つの中底とを含む靴アセンブリであって、
該アセンブリは、一の角度(背屈と底屈との間の範囲)から、他の角度(事前に決定された角度と異なる角度によって定義される靴となる範囲)まで、着用者の足(40)の姿勢を変え、前記前足部分(30)は、少なくとも1つの硬く、高密度で、底部分(24)の湾曲に続くように形成された挿入物(66、162、180、182、184、186、190)を含む、順応性のある靴アセンブリ。
【請求項23】
前記少なくとも1つの挿入物(182、184、186、190)は前記前足範囲から前記踵部分へと広がる請求項23記載の靴。
【請求項24】
前記アセンブリは、少なくとも2つの重さが大幅に異なり、選択的に靴に挿入できる中底(104)を含み、使用中における特定のエネルギー消費レベルを供給できるおもり(106)を選択する能力を着用者に与える請求項23記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記靴が実質的に通常の底屈形状であり、前記中足骨―指骨固定手段(16)が前記着用者の前記中足骨―指骨関節(20)を中底(104、104’)がある場合と無い場合とで調整可能であり、前記靴の前記底部分(24)の前記足接触部分(26)が、前記中底が取り付けられていないときに前記靴が普通の底屈靴のように機能するように、前記足(40)と適切に結びつく形状である請求項23記載のアセンブリ。
【図1】
【図6】
【図8】
【図6】
【図8】
【公表番号】特表2006−526448(P2006−526448A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508435(P2006−508435)
【出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001887
【国際公開番号】WO2004/105546
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505446437)スプリングブースト ソシエテ アノニム (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001887
【国際公開番号】WO2004/105546
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505446437)スプリングブースト ソシエテ アノニム (1)
【Fターム(参考)】
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