説明

改良された多層コアゴルフボール用の高度に中和された熱可塑性コポリマーのセンタ

【課題】低スイング速度のプレイヤーに対して距離およびフィーリングを改善したゴルフボールを提供する。
【解決手段】ボール10は比較的大きなソリッドの内側コア12と、内側コア12を包囲する、少なくとも1つのソリッドの外側コア層16と、外側コア層16を包囲する薄いカバー18とを具備する。内側コア12は外側コア層より柔らかく、外側コア層16はカバー18より柔らかい。ボールは、反発係数(COR)の勾配が遅から速となるように、すなわち、内側コアのCORがコア全体より小さく、コア全体のCORがゴルフボール全体より小さくなるように、形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的にはゴルフボールに関し、より具体的には、この発明は、比較的柔らかく、低圧縮の内側コアを比較的硬い外側コアおよびカバーで被覆する多層コアを有するゴルフボールに向けられている。ゴルフボールは中間コア層を含んでもよい。
【背景技術】
【0002】
二層ゴルフボールは典型的には単一のソリッドコアをカバーで包み込んで製造される。これらのボールは、耐久性があり、最大距離を実現するので、一般に、アマチュアのゴルファーの間で最も人気がある。典型的には、ソリッドコアは、亜鉛ジアクリレートおよび/または類似の架橋剤により架橋されたポリブタジエンから製造される。カバー材料は、アイオノマーとして知られる1または複数の材料、例えば、DuPont社から商業的に販売される、SURLYN(商標)、Schulman社から商業的に販売される、FORMION(商標)、または、ともにDow Chemical社から商業的に販売される、PRIMACOR(商標)またはDOWLEX(商標)の丈夫で、切断耐性があるブレンドである。
【0003】
他の多層ゴルフボールは、複数のコア層、複数の中間層、および/または複数のカバー層を具備してよい。これらは、好ましい性質、例えば増加した初速度および距離を維持しつつ、通常の二層ボールの好ましくない特徴のいくつか、例えば、硬いフィーリングや制御のしにくさを改善する傾向がある。しかしながら、とくにより上級なプレイヤーにとっては、多層ボールが糸巻ボールと類似した「フィーリング」を具備することが望まれている。
【0004】
さらに、ゴルフボールのスピンレートは、プレイヤーのスキルレベルに応じてボールの全体的な制御に影響を与える。よりスピンレートが小さなゴルフボールでは距離が改善されるが、短いショット、例えばグリーンへのアプローチに関して制御が困難である。反対に、スピンレートが大きいと、熟練したプレイヤーは制御が容易になるが、ドライビングの距離が小さくなる。ゴルフボールのスピンレートおよびプレイ特性の間のバランスをとるために、ボールのプレイ特性を改善する、付加的な層、例えば、中間層、外側コア層、内側カバー層がソリッドコアゴルフボールにしばしば付加される。
【0005】
特許文献は多くの多層ゴルフボールを開示している。米国特許公開2005−0130767A1号(特許文献1)は、本出願人の出願に係り、参照してここに組み込まれるものであるが、所定のスピンプロフィールを伴う改良された多層ゴルフボールに向けられている。このボールは全体的に堅固な熱硬化性ポリブタジエンの外側コアを具備し、これが比較的柔らかい低圧縮の内側コアを包囲している。内側コアの硬度は外側コアの硬度より小さく、内側コアの比重は外側コアの比重以下である。内側コアおよび外側コアを調整して連結した全体のコアの圧縮が約50より大きくなるようにする。
【0006】
米国特許第6,685,579号(特許文献2)は、本出願人の出願に係り、参照してここに組み込まれるものであるが、3層以上、すなわち、内側カバー層、外側カバー層および中間カバー層を含むカバーを具備するゴルフボールに向けられている。外側カバー層は反応性液体材料から製造された組成物を有し、カバー層の組み合わせた厚さは約0.125インチである。このように準備されたゴルフボールは、通常の構造のゴルフボールに較べて、実質的に同様またはより大きな反発係数(「COR」)を実現しつつ、圧縮または曲げ弾性率を小さくできる。得られたゴルフボールは典型的には約0.7以上のCORを実現し、そのAtti圧縮は少なくとも約40である。ここで使用されるように、ゴルフボールの反発係数という用語は、ボールを堅固な板に発射したときの入力速度に対する反発速度の比として定義される。CORの検討およびCORを測定する適切な試験方法は例えば米国特許第6,547,677号(特許文献3)に見いだせ、その内容は参照してここに組み入れる。
【0007】
米国特許公開2004−0082407A1号(特許文献4)も、本出願人の出願に係り、参照してここに組み込まれるものであるが、内側コア、外側コアおよびカバーを有するゴルフボールに向けられている。ゴルフボールの少なくとも1つの層が低圧縮、高CORの材料で製造され、低歪みの高圧縮層によりサポートされている。得られたゴルフボールは高衝撃速度および低衝撃速度で高CORを実現し、制御されたグリーンサイドのプレイに適した低圧縮を実現する。
【0008】
ゴルフボールの種々の層に渡って、材料、密度または比重を変えて、ゴルフボールのスピンレートを制御する。例えば、ゴルフボールの外側層から内側層へと重さを再分配してゴルフボールの慣性モーメントを減少させ、これによりスピンレートを増大させ、また逆の処理も行え、これについては本出願人の米国特許第6,494,795B2号(特許文献5)において検討されている。
【0009】
したがって、低スイング速度のプレイヤー用に距離およびフィーリングを改善させた多層ゴルフボールへの要望が依然としてある。
【特許文献1】米国特許公開2005−0130767号
【特許文献2】米国特許第6,685,579号
【特許文献3】米国特許第6,547,677号
【特許文献4】米国特許公開2004−0082407号
【特許文献5】米国特許第6,494,795号
【発明の開示】
【0010】
この発明は、内側コア、カバー層、ならびに、当該内側コアおよびカバー層の間の少なくとも1つの中間層を有する多層ゴルフボールに向けられている。ボールの層はその勾配に応じて特性を変化させる。内側コアからカバー層への反発係数の勾配は低から高となり、または、内側コアからカバー層への初速度の勾配は遅から速となる。同様に、曲げ弾性率は、内側コアから外側カバー層へと行くに従って増大し、層の圧縮および硬度も同様である。これらの特徴により、低スイング速度のプレイヤーに対して距離およびフィーリングを改善したゴルフボールが実現される。
【0011】
この発明によれば、内側コアの圧縮は約60未満であり、より好ましくは約40未満であり、最も好ましくは約30未満である。中間層は内側コアより硬く、その硬度は約55ショアDより大きく、その比重は内側コアの比重より大きい。中間層の曲げ弾性率も好ましくは内側コアより大きい。カバー層は、そのksi(1ksi=6.89MPa)表示の曲げ弾性率のショアD硬度に対する比が1.0未満、より好ましくは0.9未満、最も好ましくは0.8未満になるように構築される。
【0012】
この発明の他の側面において、内側コアの比重は、1.15未満であり、好ましくは1.05未満である。中間層の比重は1.15より大きく、好ましくは1.20より大きく、最も好ましくは1.25より大きい。
【0013】
この発明のさらに他の側面において、ボールのカバーの硬度は少なくとも60ショアDであり、より好ましくは少なくとも65ショアDであり、その曲げ弾性率は少なくとも413MPa(60ksi)であり、その厚さは0.03から0.5インチである。カバーはアクリル酸アイオノマーを含み、その酸成分は13%から16%の間であり、このアイオノマーはカチオンにより中和されている。
【0014】
この発明は、また、内側コア、当該内側コアより大きな比重の少なくとも1つの中間層、当該中間層より大きな比重の少なくとも1つの外側コア層、および、当該外側コア層より比重が小さなカバーを具備するゴルフボールに向けられている。内側コア層の体積は好ましくは外側コア層の体積より大きく、外側コア層の体積はカバー層の体積より大きい。カバーは外側コア層より硬く、外側コア層は内側コア層より硬い。
【0015】
この発明の他の側面において、硬度および比重に勾配がある多層ゴルフボールは、コア層の少なくとも1つが高度に中和された熱可塑性アイオノマー(HNP)を有するように構築される。好ましくは、内側コアが、比重が0.95より小さい無充填のHNPを有する。
【0016】
添付図面は明細書の一部を構成し、明細書とともに把握され、各図において類似の参考番号は類似の箇所を表すのに用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明は、コア、カバー層、ならびに、当該コアおよびカバー層の間の少なくとも1つの中間層を有する多層ゴルフボールに向けられている。コア、中間層およびカバー層は種々の特性を具備するように構築して良い。この発明にいくつかの実施例が以下説明される。
【0018】
この発明の1実施例は、内側コア、当該内側コアを包囲する外側コア層、および当該コア層を包囲するカバー層を有する多層ゴルフボールである。オプションの中間コア層が外側コア層の内側に存在しても良いが、これは内側コアを包囲する。好ましくは内側コアの比重は小さく、その曲げ弾性率は小さく、その硬度は小さい。好ましくは、内側コアに較べて、外側コア層の比重は大きく、その曲げ弾性率は大きく、その硬度は大きい。カバーの曲げ弾性率の値は少なくとも外側コアそうのそれと同一か、または大きい。さらに、カバーは、カバーの硬度(ショアD)を曲げ弾性率(ksi表示)で割った比率が1.0より小さくなるように構築される。この実施例では、内側コアは好ましくはポリブタジエンから製造され、カバーは好ましくはアイオノマー、例えばアクリル酸アイオノマーから製造されその酸成分は約13%から16%である。コアおよびカバー層に適した他の材料は以下で検討される。この実施例の多層ゴルフボールの種々の層の好ましい特性は以下の表に特定される。
【表1】

【0019】
この発明の他の実施例は、第1の実施例と実質的に類似なゴルフボールである。ただし、第2の実施例では、遅から速へのCOR勾配があり、例えば、内側コアのCOR値が小さく、外側コア層のCORの値が大きく、カバー層のCOR値が同等に大きい。
【0020】
第3の実施例も、第1の実施例と実質的に類似である。ただし、第3の実施例では、少なくとも1つのコア層が高度に中和された熱可塑性アイオノマー(HNP)であり、好ましくは、ゴルフボールの内側コアが、比重が約0.95の無充填のHNPである。
【0021】
この発明のさらに他の実施例は、内側コア、少なくとも1つの中間コア層、外側コア層、およびカバー層を有する多層ゴルフボールに向けられている。この実施例では、体積の減少勾配があり、例えば、内側コアの体積が中間コア層の体積より大きく、中間コア層の体積が外側コアの体積より大きく、外側コアの体積がカバーの体積より大きい。硬度減少勾配があってもよく、その結果、硬い内側コア、若干柔らかい中間コア層、若干柔らかい外側コア層、同様に柔らかいカバー層となる。比重の勾配があってもよく、比重が小さな内側コアから比重が大きな外側コアそうへと増加する。ただし、この実施例では外側コア層の比重がカバー層の比重より大きいことが好ましいので、勾配はカバー層まで同様に進展するわけではない。
【0022】
これらの特徴により、大きな速度、小さなスピン、および高い打ち上げ角度をもたらし、しかも比較的小さな、またはかなり小さな圧縮をもたらすことが可能なゴルフボールを実現できる。特性を組み合わせることにより、スイング速度が小さな一般のアマチュアゴルファーにとって距離およびフィーリングを改善するのにとくに適したものにでき、この発明は、現在市場で要求されているゴルフボールを実現すると考えられる。
【0023】
例えば、この発明の好ましいカバー層は、アマチュアのゴルファーがティーから低スピンで(したがってより遠くへ)打ち出すことを可能にし、しかも、グリーンへのアプローチショットを打つときにはより大きなスピン(従ってより制御が可能)を実現するような、硬度の曲げ弾性率に対する関係を伴う。ボールの圧縮を小さくするとよりソフトなフィーリングが実現され、グリーンンまわりにチップまたはプットするときに極めて有益である。
【0024】
図1および図2に全般的に示されるように、参照番号10および20はこの発明に従うゴルフボールを示す。図1に描かれるように、いくつかの実施例のゴルフボール10は、内側コア12、少なくとも1つの中間コア層14、外側コア層16、およびカバー層18を具備する。他の実施例は、図2中のゴルフボール20により示されるように、内側コア22、外側コア層24、およびカバー層26のみを具備しても良い。内側コアが、図1および2において示されるような複数の層により包囲される場合には、複数の層が物理的/機械的な特性、例えば、硬度が最も外側から最も内側の層へと増大し、または最も外側から最も内側の層へと減少することが好ましい。硬度に加え、他の特性勾配は、成型プロセスや層の使用によりもたらすことができ、速度、反発係数等を含む。
【0025】
多層ゴルフボール10または20の内側コア、中間コア層、および外側コア層のうちのいずれかまたはすべては、熱硬化性または熱可塑性材料、例えば、ポリウレタン、ポリ尿素、部分的にまたは十分に中和されたアイオノマー、熱硬化性ポリジエンゴム、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、バラタ、ブチルゴム、ホロブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、または任意のスチレンブロックコポリマー、例えば、スチレンエチレンブタジエンスチレンゴム等、メタローセンまたは他のシングルサイト触媒ポリオレフィン、ポリウレタンコポリマー、例えばシリコーンを伴うものであり、上述の勾配基準を満たす範囲で採用できる。
【0026】
上述の材料に加えて、この発明の範囲内の組成物は、1または複数のポリマーを組み入れて良い。この発明に使用して最適な付加的なポリマーの例は、これに限定されないが、つぎのようなものである。すなわち、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、合成ゴム、熱可塑性加硫物、コポリマー性アイオノマー、ターポリマー性アイオノマー、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、コポリマー性ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリアリーレート、ポリアクリレート、ポリフェニレンエーテル、衝突改質ポリフェニレンエーテル、高衝突ポリスチレン、フタル酸ジアリルポリマー、メタローセン触媒ポリマースチレン−アクリロニトリル(SAN)(オレフィン改質SANおよびアクリロニトリル−スチレン−アクリロニトリルを含む)、スチレン−マレイン酸無水物(S/MA)ポリマー、スチレンコポリマー、官能性スチレンコポリマー、官能性スチレンターポリマー、スチレンターポリマー、セルロースポリマー、液晶ポリマー(LCP)、エチレン−プロプレン−ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン−ビニルアセテートコポリマー(EVA)、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリ尿素、およびポリシロキサンまたはこれら種のメタローセン触媒ポリマーである。この発明の範囲内の組成物の付加的な材料として用いて好適なポリアミドは、つぎのようにして取得された樹脂を含む。(1)として、(a)ジカルボン酸例えば蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を(b)ジアミン例えばエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、またはデカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルアミンまたはm−キシリレンジアミンで宿重合する。(2)として、環状ラクタム例えばイプシロンカプロカクタム、またはオメガラウロラクタムを開環重合する。(3)として、アミノカルボン酸例えば6−アミノカプロン酸、9−アミノカプロン酸、11−アミノカプロン酸または12−アミノカプロン酸を宿重合する。または、(4)として、環状ラクタムをジカルボン酸およびジアミンで共重合する。適切なポリアミドの具体的な例は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、コポリマーナイロン、ナイロンMXD6およびナイロン46である。
【0027】
この発明の範囲の組成物の付加的な材料として用いて好適な他の好ましい材料は、韓国のSK Chemicals社から商標名「SKYPEL」で販売されているポリエステルエラストマー、または日本のKuraray社から商標名「SEPTON」で販売され、また英国のChesterのKraton Polymers Group社から「KRATON」で販売されているジブロックまたはトリブロックコポリマーである。上に上げたすべての材料はこの発明の範囲内で準備されたボール層の品質をかなり向上させる。
【0028】
コア層の使用に適切なアイオノマーポリマーは(すなわちコポリマー、またはターポリマー型のアイオノマー)はα−オレフィン/不飽和−カルボン酸コポリマー型のアイオノマー樹脂またはターポリマー樹脂を含む。コポリマーアイオノマーは、α−オレフィンおよび3〜8個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸のコポリマー中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和して取得する。適切なα−オレフィンの例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、および1−ヘキセンである。適切な不飽和カルボン酸の例はアクリル、メタクリル、エタクリル、α−クロロアクリル、クロトン、マレイン、フマル、およびイタコン酸である。コポリマーアイオノマーの酸含量や中和の程度は種々であり、中和は一価または二価のカチオンにより行われ、以下に検討する。
【0029】
ターポリマーアイオノマーは、α−オレフィン、3〜8個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸および2〜22個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボン酸塩のコポリマー中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和して取得する。適切なα−オレフィンの例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、および1−ヘキセンである。適切な不飽和カルボン酸の例はアクリル、メタクリル、エタクリル、α−クロロアクリル、クロトン、マレイン、フマル、およびイタコン酸である。ターポリマーアイオノマーの酸含量や中和の程度は種々であり、中和は上述した一価または二価のカチオンにより行われる。適切なアイオノマー樹脂の例は、ウィルミントンのデュポン(E.I.DuPont de Nemours & Co.,Wilmington,DE)の商品名「SURLYN」として又はテキサスのアービングのエクソン(Exxon)のIOTEKとして製造されているものを含む。
【0030】
シリコーン材料も、この発明の範囲の組成物中にブレンドして好適なものである。これらは、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、またはポリマーであり、付加的な強化フィラーを伴っても伴わなくても良い。適切な1のタイプのシリコーン材料は、それら分子中に少なくとも2個の炭素原子を含むアルケン基を組みこむことができる。アルケン基の例はこれに限定されないがビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルおよびデセニルを含む。アルケン価は、シリコーン構造のどの位置に配置されても良く、これには、構造の1または双方の末端が含まれる。このコンポーネントの残りの(すなわち非アルケンの)シリコーン結合有機基は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素基から独立して選択され、これは脂肪族の不飽和を含まない。これらの例は、それに限定されないが:アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシル;シクロアルキル基、例えば、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル;アリール基例えばフェニル、トリル、およびキシリル;アラルキル基例えばベンジルおよびフェネチル;およびハロゲン化アルキル基例えば3,3,3−トリフルオロプロピルおよびクロロメチルである。この発明に用いて好適な他のタイプのシリコーン材料は、脂肪族の不飽和を伴わない炭化水素基を具備するものである。この発明の組成物を製造するのに使用して好適な具体的な例は、つぎのものである。トリメチルシロキシ−末端ブロック化ジメチルシロキサン−メチルヘキセニルシロキサンコポリマー;ジメチルヘキセニルシロキシ−末端ブロック化ジメチルシロキサン−メチルヘキセニルシロキサンコポリマー;トリメチルシロキシ−末端ブロック化ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー;トリメチルシロキシ−末端ブロック化メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー;ジメチルビニルシロキシ−末端ブロック化ジメチルポリシロキサン;ジメチルビニルシロキシ−末端ブロック化ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー;ジメチルビニルシロキシ−末端ブロック化メチルフェニルポリシロキサン;ジメチルビニルシロキシ−末端ブロック化メチルフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサンコポリマー;および上述のコポリマーである。ただし、少なくとも1つの末端基がジメチルヒドロキシシロキシである。この発明の範囲の組成物に使用して好適な商業上入手可能なシリコーンは、ミシガン州ミッドランドのDow Corning社の「Silastic」、ニューヨーク州ウォーターフォードのGE Silicones社の「Blensil」、およびミシガン州アドリアンのWacker Silicones社の「Elastosil」がある。
【0031】
他のタイプのコポリマーもこの発明の範囲の組成物に付加することができる。エポキシモノマーを含み、また、この発明の範囲内で使用して好適な例は、ポリブタジエンブロックがエポキシ基を含む、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、ポリイソプレンブロックがエポキシを含む、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであり。これらエポキシ官能性コポリマーの商業的に入手可能な例は、日本国大阪のDaicel Chemical Industries社から販売されているESBS A1005、ESBS A1010、ESBS A1020、ESBS AT018、およびESBS AT019である。
【0032】
遅いコア用の好ましい実施例はポリブタジエン、SBR、ほとんどないジアクリル酸亜鉛(0−10部)、オプションとしてのジメチルアクリレート、または非亜鉛塩不飽和モノマー、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社販売のSR−350)、過酸化物開始剤を含む。コアの他の調合は、本出願人の出願に係る米国特許公開2005−0255941A1号に開示されており、参照してここに組み入れる。代替的には、非過酸化物の硫黄による硫化調合を採用しても良い。これは例えば米国特許第7,041,008号に開示されている。ここに参照して組み入れる。
【0033】
コアの径は約0.100インチから約1.64インチであり、好ましくは、約1.00インチから約1.62インチである。典型的なコアの径は、0.25インチから1.625インチで、0.05インチずつ大きくなる。慣用的なコアのサイズは、0.050インチ、1.00インチ、1.10インチ、1.20インチ、1.30インチ、1.40インチ、1.45インチ、1.50インチ、1.55インチ、1.57インチ、1.58インチ、1.59インチ、および、1.60インチである。すなわち、コアのサイズに任意の1または複数の中間層を加えたものが、上述コアサイズと同一のサイズおよびサイズの範囲内にあり、若干大きくて良い。
【0034】
コア用の適切な他の材料は、これに限定されないがつぎのようなものである。
【0035】
(1)ポリウレタン、例えば、ポリオールとジイソシアネートまたはポリイソシアネートから準備され、米国特許第5,334,673号、同第6,506,851号および米国特許第6,663,564号に開示されているもの。
(2)ポリ尿素、例えば、米国特許第5,484,870号および米国特許第6,835,794号に開示されているもの。
(3)ウレタンまたは尿素セグメントを含む、ポリウレタン−尿素ハイブリッド、ブレンドまたはコポリマー。
【0036】
多層ゴルフボールのコアは、好ましくは、少なくとも1つのポリイソシアネートと少なくとも1つの硬化剤との反応生成物を含むポリウレタンを有する。硬化剤は例えば1または複数のジアミン、1または複数のポリオール、またはこれらの組み合わせを含んでよい。ポリイソシアネートは1または複数のポリオールと組み合わせてプレポリマーを形成しても良い。これは、上述の少なくとも1つの硬化剤と組み合わされる。このように、ここで説明されるポリオールは、ポリウレタン材料の1または双方の要素として適切である。すなわち、プレポリマーおよび硬化剤の一部として使用して好適である。
【0037】
ゴルフボールのコアおよび任意の層は高度に中和されたポリマー(「HNP」)からも製造できる。HNPの酸部分は、典型的にはエチレンを塩基にしたアイオノマーであり、好ましくは約70%より多く、より好ましくは約90%より多く、最も好ましくは少なくとも約100%中和されている。HNPも第2のポリマー成分とブレンドすることができ、この成分を、酸基を含む場合は、従来法に従って、本発明の有機脂肪酸(organic fatty acids)によって、又は両者によって中和することができる。第2のポリマー成分は、部分的に又は完全に中和されていてもよく、好ましくはアイオノマーコポリマー及びアイオノマーターポリマー、アイオノマー前駆体、熱可塑性物、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ尿素、熱可塑性エラストマー、ポリブタジエンゴム、バラタ、メタローセンで触媒したポリマー(グラフト化したもの及びグラフト化していないもの)、単一サイトポリマー、高結晶性酸ポリマー、カチオン性アイオノマー、等を含む。HNPポリマーの材料硬度は、典型的には、約20および約80ショアDの間であり、曲げ弾性率は約3ksiおよび約200ksiの間である。
【0038】
この発明の1実施例では、HNPは、アイオノマーおよび/またはその酸先駆体であり、これは、好ましくは完全にまたは部分的に有機酸コポリマーまたはその塩により中和されている。酸コポリマーは好ましくはα−オレフィン、例えばエチレン、C3−8 α,β−エチレン不飽和カルボン酸、例えばアクリルまたはメタクリル酸コポリマーである。これらは軟化モノマー、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートを含んで良い。ここで、アルキル基は、1から8個の炭素原子を具備する。
【0039】
酸コポリマーをE/X/Yコポリマーと記載することができ、ここでEはエチレン、Xはα,β−エチレン系不飽和カルボン酸、かつYは柔軟化コモノマーである。好ましい態様では、Xはアクリル酸又はメタクリル酸であり、YはC1−8アルキルアクリレート又はメタクリレートエステルである。Xは好ましくはポリマーの約1〜約35重量%、より好ましくはポリマーの約5〜約30重量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20重量%の量で存在する。Yは好ましくはポリマーの約0〜約50重量%、より好ましくはポリマーの約5〜約25重量%、最も好ましくはポリマーの約10〜約20重量%の量で存在する。
【0040】
具体的な酸含有エチレンコポリマーは、これに限定されないが、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/イソ−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルメタクリレート、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルメタクリレート、および、エチレン/アクリル酸/n−ブチルメタクリレートである。好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/メタクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/メチルアクリレート、エチレン/アクリル酸/エチルアクリレート、エチレン/メタクリル酸/エチルアクリレート、および、エチレン/アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。最も好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレートコポリマーである。
【0041】
アイオノマーは、典型的には、金属カチオン例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムまたは亜鉛により中和される。十分な有機酸または有機酸の塩を、適切な塩基とともに、酸コポリマーまたはアイオノマーに添加することにより、アイオノマーが、加工性を損なうことなく、金属カチオンに対してよりかなり多くのレベルまで中和される。好ましくは、酸部分は約80%以上中和され、好ましくは90−100%中和され、最も好ましくは100%中和される。ただし、加工性を損なわない。これは、α,β−エチレン系不飽和カルボン酸コポリマーを例えば有機酸または有機酸の塩とともにメルトブレンドし、その後、十分な量のカチオン源を添加してすべての酸部分(酸コポリマーおよび有機酸の酸部分を含む)の中和レベルを90%を越えて(好ましくは100%を越えて)増大させることにより達成される。
【0042】
この発明の有機酸は、脂肪族、モノ−またはマルチ−官能性(飽和した、不飽和の、又は多不飽和の)有機酸である。これらの有機酸の塩も使用することができる。本発明の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、スズ、又はカルシウムの塩、脂肪酸の塩、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸又はこれらの二量化した誘導体の塩を含む。本発明の有機酸及び塩は相対的に非移行性(常圧下でポリマーの表面にブルーミングを生じないこと)でありかつ非揮発性(メルトブレンドに必要な温度で蒸発しないこと)であることが好ましい。
【0043】
この発明のアイオノマーは、また、金属カチオンで部分的に中和されても良い。酸コポリマーの酸部分は、カチオン、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウムまたはこれらの混合物により、約1から約100%、好ましくは、少なくとも約40から約100%、より好ましくは、少なくとも約90から約100%中和され、アイオノマーを生成する。
【0044】
この発明の酸コポリマーは、「直接」酸コポリマー、すべてのモノマーを同時に付加して重合させたコポリマー、または、既存のポリマーに酸含有モモマーをグラフト化させることにより、準備して良い。
【0045】
熱可塑性ポリマー成分、例えば、コポリエーテルエステル、コポリエステルエステル、コポリエーテルアミド、エラストマーポリオレフィン、スチレンジエンブロックコポリマーおよびそれらの水素化誘導体、コポリエステルアミド、熱可塑性ポリウレタン、例えばコポリポリエーテルウレタン、コポリエステルウレタン、コポリ尿素ウレタン、コポリ尿素ウレタニア、エポキシ塩基のポリウレタン、ポリカプロラクトン塩基のポリウレタン、ポリ尿素、およびポリカーボネート塩基のポリウレタンフィラー、および他の成分(含まれるのであれば)を酸部分を中和する前、途中、その後に、熱可塑性ポリウレタンにブレンドしてもよい。
【0046】
コポリエーテルエステルは、複数の反復長鎖ユニットおよび単鎖ユニットを有し、これがエステル結合により頭尾結合されており、長鎖ユニットはつぎの式で表され、
【化1】

単鎖ユニットはつぎの式で表される。
【化2】

ここで、Gは、約400−8000の分子量で炭素の酸素に対する比が2.0−4.3のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから末端ヒドロキシル基を除去したのちに残っている二価のラジカルであり;Rは、約250未満の分子量のジオールからからヒドロキシル基を除去したのちに残っている二価のラジカルであり;単鎖エステルユニットの量が上記コポリエーテルエステルの約15−95重量%であるとする。好ましい、コポリエーテルエステルポリマーは、ポリエーテルセグメントがテトラヒドロフランの重合により得られ、ポリエステルセグメントがテトラメチレングリコールおよびフラル酸の重合により得られたものである。この発明では、エーテル:エステルのモル比は90:10から10:80に変化して良く、好ましくは80:20から60:40である。ショアD硬度は70未満であり、好ましくは約40未満である。
【0047】
ポリエーテルアミドは、堅固なポリアミドセグメントおよび柔軟なポリエーテルセグメントの線形で規則的な鎖からなり、これはつぎの一般式で表される。
【化3】

ここでPAは、4−20個の炭素原子を有する鎖制約脂肪族カルボン二酸の存在下で、4から14個の炭素原子を含む炭化水素基を有するラクタムまたはアミノ酸から、または、脂肪族C−Cジアミンから生成された線形の飽和脂肪族ポリアミドシーケンスであり;このポリアミドは300から15000の平均分子量を有し;PBは、線形または分岐脂肪族ポリオキシアルキレングリコール、それらの混合物、またはそれらから誘導したコポリエーテルから生成したポリオキシアルキレンシーケンスであり、このポリオキシアルキレングリコールは6000以下の分子量を有し;nは、ポリエーテルアミドコポリマーの本来の粘度が約0.6から約2.05になるために十分な繰り返しユニットの数である。これらポリエーテルアミドを準備するために、ジカルボン酸ポリアミド、鎖端にあるCOOH基を、鎖端でヒドロキシル化されたポリオキシアルキレングリコールで、一般式Ti(OR)のテトラ−アルキルオルトチタンのような触媒の下で、反応させるステップを行う。ここで、Rは、1から24個の炭素原子を具備する線形分岐脂肪族炭化水素基である。ここでも、より多くのポリエーテルユニットをコポリエータルアミドに組みこめばそれだけポリマーが柔らかくなる。エーテル:アミドの比は上述のエーテルの場合と同様であり、ショアD硬度も同様である。
【0048】
エラストマーポリオレフィンは、エチレンおよびより高次の主たるオレフィン例えばプロピレン、ヘキセン、オクテンおよびオプションとしての1,4−ヘキサジエンおよび/またはエチリデン、ノルボルネン、またはノルボルナジエンからなるポリマーである。エラストマーポリオレフィンは、オプションとして無水マレイン酸、エポキシ、ヒドロキシ、アミン、カルボン酸、スルホン酸、またはチオール基で官能化されてもよい。
【0049】
熱可塑性ポリウレタンは、線形な、または鎖分岐されたポリマーであり硬質なブロックとソフトなエラストマーブロックとから構成される。これらは、柔らかなヒドロキシ末端のエラストマーポリエーテルまたはポリエステルをジイソシアネート、例えばメチレンジイソシアネート(「MDI」)、p−フェニレンジイソシアネート(「PPDI」)、またはトルエンジイソシアネート(「TDI」)で反応させて製造される。これらはグリコール、第二ジアミン、二酸、またはアミノアルコールにより鎖拡張できる。イソシアネートおよびアルコールの反応生成物は、ウレタンと呼ばれ、これらブロックは比較的硬く、高融解である。これら高融解ブロックがポリウレタンの熱可塑性の原因である。
【0050】
ブロックスチレンジエンコポリマーおよびその水素化誘導体はポリスチレンユニットとポリジエンユニットからなる。これらは、OH、NH2、エポキシ、COOHおよび無水物基のような部分により官能化されてもよい。ポリジエンユニットは、ポリブタジエン、ポリイソプレンまたはこれらのコポリマーから誘導される。コポリマーの場合、ポリオレフィンを水素化して飽和したゴム状のバックボーンセグメントを形成することが可能である。これら材料は、通常、SBS、SISまたはSEBS熱可塑性エラストマーと呼ばれ、無水マレイン酸により官能化できる。
【0051】
グラフト化メタローセン触媒ポリマーも、この発明のHNPとブレンドして好適なものである。グラフト化メタローセン触媒ポリマーは、通常、金属カチオンで中和されるが、有機酸またはその塩および適切な塩基により部分的にまたは完全に中和されてもよい。この発明のゴルフボールに有益なグラフト化メタローセン触媒ポリマーは、例えば、米国特許第5,703,166号、同5,824,746号、同5,981,658号、および同第6,02,5442号に開示されているものであり、参照してこれを組み入れるが、これは、実験的な量の範囲で、DuPont社からSURLYN(商標) NMO 525D、SURLYN(商標) NMO 524DおよびSURLYN(商標) NMO 499Dとして入手でき、これらはFUSABOND(商標)ファミリとして以前知られており、また、非グラフト化メタローセン触媒ポリマーをポスト重合反応させて所望の1または複数の側基を具備するグラフト化メタローセン触媒ポリマーを実現しても良い。この発明に用いるために官能基をグラフト化できるメタローセン触媒ポリマーの例は、これに限定されないが、エチレンのホモポリマーおよびエチレンおよび第二オレフィン、好ましくは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンおよぶノルボルネンのコポリマーである。一般的に、この発明は、少なくとも1つのグラフト化メタローセン触媒ポリマーまたはポリマーブレンドを有する少なくとも1つの層を有するゴルフボールに関しており、ここで、グラフト化メタローセン触媒ポリマーは、つぎの式を有するメタローセン触媒ポリマーに官能基をグラフト化させて生成される。
【化4】

ただし、Rは水素、分岐または直鎖アルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチル、カルボサイクリックまたは芳香族;Rは水素、C−Cを含む低次のアルキル、カルボサイクリックまたは芳香族;Rは水素、C−Cを含む低次のアルキル、カルボサイクリックまたは芳香族;RはH,CnH2n+1(ただしn=1〜18)、およびフェニルからなるグループから選択され、R中の0から5個の水素が置換体COOH、SOH、NH、F,Cl、Br、I、OH、SH、シリコーン、低次のアルキルエステルおよび低次のアルキルエーテルにより置換することができ、ただし、RおよびRは二環のリングを形成できるものとし;Rは水素、C−Cを含む低次のアルキル、カルボサイクリックまたは芳香族;Rは水素、C−Cを含む低次のアルキル、カルボサイクリックまたは芳香族;x、yおよびzは各コ−モノマーの相対パーセントである。xは、約1から約99パーセントの範囲であってよく、より好ましくは、約10から約70パーセントの範囲で良く、最も好ましくは約10から約50パーセントの範囲であって良い。yは、99から1パーセントであってよく、好ましくは、90から30パーセントであってよく、最も好ましくは、90から50パーセントであってよい。zは、約0から約49パーセントの範囲でよい。当業者は、酸部分が上述のポリマー中の配位子として働く場合には、上述のとおり有機脂肪酸により100%まで中和できることを理解するであろう。
【0052】
メタローセン触媒コポリマーまたはターポリマーはランダムまたはブロックであってよく、またイソタクティック、シンジオタクティック、またはアタクティックであってよい。イソタクティック、シンジオタクティック、またはアタクティックのポリマーを形成する側基を選択して、樹脂を形成する、種々のポリマー鎖の間の相互作用を決定して、ゴルフボールカバー、センター、または中間層に用いられる樹脂の最終的な特性を制御する。当業者には明らかなように、メタローセン触媒ランダムまたはブロックコポリマーまたはターポリマーから生成され、この発明に有益なグラフト化メタローセン触媒ポリマーも、ランダムまたはブロックのコポリマーまたはターポリマーであり、メタローセン触媒ポリマーのバックボーンと同一の立体規則性(tacticity)を有する。
【0053】
ここでは、用語「フレーズ分岐または直鎖アルキル」は、任意の置換または非置換の非環式の炭素含有化合物を意味する。アルキル基の例は、低次のアルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、またはt−ブチル;高次のアルキル、例えば、オクチル、ノニル、デシル等;および低次のアルキレン、例えば、エチレン、プロピレン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、ノルボルネン、ノネン、デセン等である。
【0054】
さらに、このようなアルキル基は、1または複数の水素が官能基により置換された種々の置換体を含んでも良い。官能基は、これに限定されないが、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、スルホンアミド、エステル、燐酸塩、チオール、ニトロ、シラン、およびハロゲン(フッ素、塩素、臭素および要素)であるが、多くを語る必要はないであろう。
【0055】
ここで、用語「置換または非置換カルボサイクリック」は、環式の炭素含有化合物を意味し、これには、とくに限定するものではないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペプチル等がある。このような環式基は、1または複数の水素が官能基により置換された種々の置換体を含んでも良い。官能基は、上述のものを含み、また、1−28個の炭素原子の低次のアルキル基を含む。この発明の環式基は、ヘテロ原子を含んでも良い。
【0056】
上述のとおり、RおよびRは、アルキル、カルボサイクリックまたはアリール基、例えば、1−シクロヘキシルプロピル、ベンジルシクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルプロピル、2,2−メチルシクロヘキシルプロピル、2,2−メチルフェニルプロピル、および2,2−メチルフェニルブチルの任意の組み合わせも表す。
【0057】
この発明に有益な非グラフト化メタローセン触媒ポリマーは、AFFINITY(商標)ポリオレフィンプラストマーの商標名およびENGAGE(商標)ポリオレフィンエラストマーの商標名でそれぞれDow Chemical社およびDuPont−Dow社から商業的に入手できる。他の商業的に入手可能なメタローセン触媒ポリマーも利用できる。例えば、Exxon社から商業的に入手可能なEXACT(商標)、およびDow社から商業的に入手可能なINSIGHT(商標)である。EXACTおよびINSIGHT系列のポリマーはメタローセン触媒技術を利用することに起因する新しい流体力学的な特性や他の特性を有する。メタローセン触媒ポリマーは、マサチューセッツ州、ハイアニスのSentinel Products社から、圧縮性形容の発泡シートとして容易に入手できる。
【0058】
この発明に有益なモノマーは、これに限定されないが、官能基として、スルホン酸、スルホン酸誘導体、例えば、クロロスルホン酸、ビニルエーテル、第一、第二および第三アミン、モノカルボン酸、ジカルボン酸、部分的または完全にエステル誘導されたモノカルボン酸およびジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物、およびジカルボン酸の環式イミドを有するおれフィンモノマーである。
【0059】
さらに、メタローセン触媒ポリマーは、スルホン化、カルボキシル化またはアミンまたはヒドロキシ基の付加により、官能化されてもよい。スルホン化、カルボキシル化またはヒドロキシ基の付加により、官能化されたメタローセン触媒ポリマーは、塩基と反応させてアニオンアイオノマーに変換できる。同様に、アミンの付加により官能化されたメタローセン触媒ポリマーは、アルキルハロゲン化物、酸または酸誘導体と反応させてカチオンアニオンアイオノマーに変換できる。
【0060】
最も好ましいモノマーは、マレイン酸無水物であり、これは、一旦、ポスト重合反応によりメタローセン触媒ポリマーに結合され、さらに反応させて、他の側基または官能基を含むグラフト化メタローセン触媒ポリマーを形成することができる。例えば、水と反応させて、無水物をジカルボン酸に変換し;アンモニア、アルキルまたは芳香族アミンと反応させてアミドを生成し;アルコールと反応させてエステルを生成し;塩基と反応させてアニオンアイオノマーを生成する。
【0061】
この発明のHNPは、シングルサイトおよびメタローセン触媒と、これから生成したポリマーとをブレンドしてもよい。ここで、「シングルサイト触媒」は、米国特許第6,150,462号に開示されるようなものであり、参照してここに組み入れるが、これは、重合サイトのステアリックおよび電子的な特性に影響を与えて二次的な重合種の生成を阻む補助的な配位子を含む触媒を指す。用語「メタローセン触媒」は、補助的な配位子が置換または非置換シクロペンタジエニル基を含むシングルサイト触媒であり、用語「非メタローセン触媒」はメタローセン触媒以外のシングルサイト触媒を指す。
【0062】
非メタローセン触媒は、これに限定されないが、以下のものである。まず、Brookhart触媒であり、つぎの構造式を有する。
【化5】

ここでMはニッケルまたはパラジウムであり;RおよびR’は独立な水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビル;Arは(CFであり、Xはアルキル、メチル、水素化物、またはハロゲン化物である。
【0063】
つぎに、McConville触媒であり次の構造式を有する。
【化6】

ここで、Mはチタンまたはジルコンである。
【0064】
つぎに、2,6−ビス(イミノ)ポリジル配位子を具備する鉄(II)およびコバルト(II)錯体であり、つぎの構造式を有する。
【化7】

ここで、Mは金属であり、Rは水素、アルキルまたはヒドロカルビルである。
【0065】
ピロールを配位子として具備するチタンまたはジルコン錯体もシングルサイト触媒として働く。これら錯体はつぎの構造式を有する。
【化8】

ここで、Mは金属原子であり;mおよびnは独立に1〜4であり、芳香族環に結合された置換基の数を示し;RおよびRは独立して水素またはアルキルであり;Xはハロゲン化物またはアルキルである。
【0066】
他の例はニッケルおよびパラジウムのジイミド錯体であり、つぎの構造式を有する。
【化9】

ここで、Arは芳香族、Mは金属、Xはハロゲン化物またはアルキルである。
【0067】
第IV族または第V族の金属のボラタベンゼン錯体もシングルサイト触媒として働く。これらはつぎの構造式を有する。
【化10】

ここで、Bはホウ素であり、Mは金属原子である。
【0068】
ここでは、用語「シングルサイト触媒ポリマー」は、シングルサイト触媒を用いて重合した任意のポリマー、コポリマー、またはターポリマー、とくに任意のポリオレフィンを指す。用語「非メタローセン触媒ポリマー」は、メタローセン触媒以外のシングルサイト触媒を用いて重合した任意のポリマー、コポリマー、またはターポリマー、とくに任意のポリオレフィンを指す。上述の触媒は、非メタローセンシングルサイト触媒の例である。用語「メタローセン触媒ポリマー」は、メタローセン触媒を用いて重合した任意のポリマー、コポリマー、またはターポリマー、とくに任意のポリオレフィンを指す。
【0069】
ここでは、用語「シングルサイト触媒ポリマーブレンド」は、シングルサイト触媒ポリマーと、任意の他のタイプのポリマー、とくにアイオノマーとの任意のブレンド、ならびに、シングルサイト触媒ポリマーと他のシングルサイト触媒ポリマーとの任意のブレンドとを指す。これにはメタローセン触媒ポリマーも含まれるが、これに限定されない。
【0070】
用語「グラフト化シングルサイト触媒ポリマー」および「グラフト化シングルサイト触媒ポリマーブレンド」は、シングルサイト触媒ポリマーがポスト重合反応されて少なくとも1つの官能基をシングルサイト触媒ポリマー上にグラフト化した、任意のシングルサイト触媒ポリマーまたはシングルサイト触媒ポリマーブレンドを指す。「ポスト重合反応」は、重合反応によりポリマーが生成された後に起こる任意の反応である。
【0071】
シングルサイト触媒ポリマーは、グラフト化することができ、ポリマー例えば、非グラフト化シングルサイト触媒ポリマー、グラフト化シングルサイト触媒ポリマー、アイオノマー、および熱可塑性エラストマーとブレンドできる。好ましくはシングルサイト触媒ポリマーはこの発明の少なくとも1つのアイオノマーとブレンドされる。
【0072】
この発明のゴルフボールに有益なグラフト化シングルサイト触媒ポリマーは、非グラフト化シングルサイト触媒ポリマーをポスト重合反応させて所望の1または複数の側基を具備するグラフト化シングルサイト触媒ポリマーを提供する。この発明に使用するために官能基をグラフト化できるシングルサイト触媒ポリマーの例は、これに限定されないが、エチレンおよびプロピレンのホモポリマー、および、エチレンおよび第二オレフィン、好ましくはプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、およびノルボルネンのコポリマーである。この発明に有益なモノマーは、これに限定されないが、スルホン酸、スルホン酸誘導体、例えばクロロスルホン酸、ビニルエーテル、ビニルエステル、第一、第二および第三アミン、エポキシ、イソシアネート、モノカルボン酸、ジカルボン酸、部分的にまたは完全にエステル誘導されたモノカルボン酸およびジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物、およびジカルボン酸の環式イミドである。一般的に、この発明のこの実施例は、少なくとも1つのグラフト化シングルサイト触媒ポリマーまたはポリマーブレンドを含む少なくとも1つの層を有するゴルフボールであり、グラフト化シングルサイト触媒ポリマーは、官能基をつぎの構造式を有するシングルサイト触媒ポリマーにグラフト化させて製造される。
【化11】

ただし、Rは水素、分岐または直鎖アルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチル、カルボサイクリック、芳香族、またはヘテロ環式化合物であり;R、R、RおよびRは水素、C−Cを含む低次アルキル、カルボサイクリック、芳香族、またはヘテロ環式化合物であり;RはH、C2n+1(ただしn=1〜18)、およびフェニルからなるグループから選択され、R中の0から5個の水素が置換体COOH、SOH、NH、F,Cl、Br、I、OH、SH、シリコーン、低次のアルキルエステルおよび低次のアルキルエーテルにより置換することができ、ただし、RおよびRは二環のリングを形成できるものとし;Rは水素、C−Cを含む低次のアルキル、カルボサイクリックまたは芳香族;Rは水素、C−Cを含む低次のアルキル、カルボサイクリックまたは芳香族;x、yおよびzは各コ−モノマーの相対パーセントである。xは、約1から約100パーセントの範囲であってよく、より好ましくは、約1から約70パーセントの範囲で良く、最も好ましくは約1から約50パーセントの範囲であって良い。yは、約99から約0パーセントであってよく、好ましくは、約9から約30パーセントであってよく、最も好ましくは、約9から約50パーセントであってよい。zは、約0から約50パーセントの範囲でよい。当業者は、酸部分が上述の構造中の配位子として働く場合には、上述のとおり有機脂肪酸により100%まで中和できることを理解するであろう。
【0073】
この発明のHNPは高結晶性酸コポリマーおよびその誘導体(これは通常の金属カチオンまたは有機脂肪酸およびその塩により中和して良い)、または、高結晶性酸コポリマーとそのアイオノマー誘導体と少なくとも1つの付加的な材料、好ましくは、酸コポリマーおよびそのアイオノマー誘導体のブレンドとブレンドして良い。ここで、用語「高結晶性酸コポリマー」は「プロダクト・バイ・プロセス」として定義され、その定義では、約5から約35重量パーセントのアクリルまたはメタクリル酸を含むエチレン/カルボン酸コポリマーから生成された酸コポリマーまたはそのアイオノマー誘導体である。ただし、そのコポリマーは、約130°Cから約200°Cの温度、約20000psi好ましくは25000psiより大きな圧力で重合され、約70パーセントまで、好ましくは100パーセントまでの酸基が金属イオン、有機脂肪酸、およびその塩、またはその混合物により中和されている。このコポリマーのメルトインデックス(「MI」)は約20から約300g/10分、好ましくは、約20から約200g/10分であり、コポリマーが中和される際、得られる酸コポリマーおよびそのアイオノマー誘導体のMIは約0.1から約30.0g/10分となる。
【0074】
適切な高結晶性酸コポリマーおよびそのアイオノマー誘導体組成物およびその製造方法は、米国特許第5,580,927号に開示されており、参照してここに組み入れる。
【0075】
この発明に採用する高結晶性酸コポリマーおよびそのアイオノマー誘導体は、好ましくは、約5から約35パーセント、より好ましくは、約9から約18パーセント、最も好ましくは、約10から約13パーセントの重量部の酸基を含むコポリマーから生成される。ただし、約75パーセントまで、最も好ましくは約60パーセントまでの酸基が有機脂肪酸、その塩、または金属イオン、例えばナトリウム、リチウム、マグネシウムまたは亜鉛イオンにより中和される。
【0076】
一般に、高結晶性酸コポリマーおよびそのアイオノマー誘導体は低温でその塩基ポリマーを重合して生成するが、その圧力は通常の酸コポリマーおよびそのアイオノマー誘導体を生成するのに用いる圧力と等価である。通常の酸コポリマーは典型的には少なくとも約200°Cから約270°C、好ましくは約220°Cの重合温度、約23から約30ksiの圧力で重合される。これに対して、この発明で採用される高結晶性酸コポリマーおよびそのアイオノマー誘導体は、約200°C未満、好ましくは約130°Cから約200°Cの重合温度、約20から約50psiの圧力で生成される酸コポリマーから製造される。
【0077】
この発明のHNPは、カチオンアイオノマー例えば米国特許第6,193,619号に開示されているようなものとブレンドしてもよい。その内容は、参照してここに組み入れる。具体的には、カチオンアイオノマーは、つぎのような式、
【化12】

または、つぎのような式の構造を有する。
【化13】

ここで、R−Rは、直鎖または分岐鎖のアルキル、カルボサイクリック、または芳香族の有機部分であり;Zは、アルキル化および/または四級化に続いて生成される負電荷共役イオンである。カチオンアイオノマーは上述した有機脂肪酸により100%まで四級化されてよい。
【0078】
さらに、そのようなアルキル基は、1または複数の水素が官能基により置換された種々の置換体を含んでも良い。官能基は、これに限定されないが、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、アミド、エステル、エーテル、スルホン基、シロキサン、シロキシル、シラン、スルホニルおよびハロゲンである。
【0079】
ここで、約20個までの炭素原子を有する置換および非置換カルボサイクリック基は、環状炭素含有化合物を意味し、これに限定されないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等である。このような環状基は、1または複数の水素が官能基により置換された種々の置換体を含んでも良い。そのような官能基は上述したものを含み、さらに上述の低次のアルキル基を含む。この発明の環状基はさらにヘテロ原子を含んでよい。
【0080】
この発明のHNPはポリウレタンおよびポリ尿素アイオノマーとブレンドしてもよい。これは、アニオン部分または基、例えば米国特許第6207784号に開示されているものであり、参照してここに組み入れる。典型的には、このような基はポリウレタンまたはポリ尿素アイオノマーのジイソシアネートまたはジイソシアネート成分に組みこまれる。アニオン基はポリウレタンまたはポリ尿素アイオノマーのポリオールまたはアミン成分に結合されても良い。好ましくは、アニオン基は、スルホン、カルボキシルまたは燐酸基に基づく。また1種類以上のアニオン基をポリウレタンまたはポリ尿素に組み入れても良い。ジイソシアネート部分にアニオン基を結合させたアニオンポリウレタンアイオノマーの例はつぎの式の化学構造を有する。
【化14】

ここで、A=R−Z+x;Rは直鎖または分岐脂肪族基、置換の直鎖または分岐脂肪族基、または芳香族または置換芳香族基;Zは、SO、CO、またはHPO;MはIA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIBまたはVIIIBの金属;x=1〜5;Bは、直鎖または分岐脂肪族基、置換の直鎖または分岐脂肪族基、または芳香族または置換芳香族基;n=1〜100である。好ましくは、M+xは、Li、Na、K、Mg+2、Zn+2、Ca+2、Mn+2、Al+3、Ti+x、W+x、またはHf+xの1つである。
【0081】
ポリウレタンのポリオール成分にアニオン基が結合しているアニオン性ポリウレタンアイオノマーの例は、上述に構造式により特徴付けられが、Aは直鎖または分岐脂肪族基、置換の直鎖または分岐脂肪族基、または芳香族または置換芳香族基;B=R−Z+x;Rは直鎖または分岐脂肪族基、置換の直鎖または分岐脂肪族基、または芳香族または置換芳香族基;Zは、SO、CO、またはHPO;MはIA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIBまたはVIIIBの金属;x=1〜5;n=1〜100である。好ましくは、M+xは、Li、Na、K、Mg+2、Zn+2、Ca+2、Mn+2、Al+3、Ti+x、W+x、またはHf+xの1つである。
【0082】
ジイソシアネート成分にアニオン基を結合させた適切なアニオンポリ尿素アイオノマーはつぎの化学構造式に従う化学構造を有する。
【化15】

ここで、A=R−Z+x;Rは直鎖または分岐脂肪族基、置換の直鎖または分岐脂肪族基、または芳香族または置換芳香族基;Zは、SO、CO、またはHPO;MはIA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIBまたはVIIIBの金属;x=1〜5;Bは、直鎖または分岐脂肪族基、置換の直鎖または分岐脂肪族基、または芳香族または置換芳香族基;n=1〜100である。好ましくは、M+xは、Li、Na、K、Mg+2、Zn+2、Ca+2、Mn+2、Al+3、Ti+x、W+x、またはHf+xの1つである。
【0083】
ポリ尿素のアミン成分にアニオン基を結合させた適切なアニオンポリ尿素アイオノマーは上述の化学構造により特徴付けられ、ここで、Aは、直鎖または分岐脂肪族基、置換の直鎖または分岐脂肪族基、または芳香族または置換芳香族基;B=R−Z+x;Rは直鎖または分岐脂肪族基、置換の直鎖または分岐脂肪族基、または芳香族または置換芳香族基;Zは、SO、CO、またはHPO;MはIA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IVA、IVB、VA、VB、VIA、VIB、VIIBまたはVIIIBの金属;x=1〜5;n=1〜100である。好ましくは、M+xは、Li、Na、K、Mg+2、Zn+2、Ca+2、Mn+2、Al+3、Ti+x、W+x、またはHf+xの1つである。アニオンポリウレタンおよびポリ尿素アイオノマーも上述の有機脂肪酸により100%まで中和してもよい。
【0084】
この発明に有益なアニオンポリマーは米国特許第6,221,960号に開示されているようなものであり、参照してここに組み入れるが、これは中和可能なヒドロキシルおよび/または脱アルキル化可能なエーテル基を有する任意のホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーであり、ここでは、中和可能または脱アルキル化可能な基の少なくとも一部が金属イオンにより中和または脱アルキル化される。
【0085】
ここで、「中和可能」または「脱アルキル化可能」な基は、ポリマー鎖から側鎖しているヒドロキシルまたはエーテル基であって、金属イオン、好ましくは金属イオンの塩基で、中和されることが可能、または脱アルキル化されることが可能なものを指す。これら中和されたポリマーでは、ゴルフボールの性能に重要な特徴、たとえば、弾力性、衝撃強さ、耐久性および耐摩擦性が改善される。適切な金属塩基は、金属カチオンおよび塩基イオンを含む。このような塩基の例は、水酸化物、カーボネート、アセテート、酸化物、硫化物等である。
【0086】
具体的な塩基は、中和または脱アルキル化されるヒドロキシルまたはエーテル化合物の性質に依存して採用され、当業者は容易に決定できる。好ましいアニオン塩基は水酸化物、カーボネート、酸化物およびアセテートである。
【0087】
金属イオンは、アニオン塩基とイオン化合物を形成する任意の金属イオンであってよい。金属は、具体的に限定されないが、アルカリ金属、好ましくは、リチウム、ナトリウム、またはカリウム;アルカリ土類金属、好ましくは、マグネシウムまたはカルシウム;遷移金属、好ましくは、チタン、ジルコン、または亜鉛;および第III族および第IV族の金属である。金属イオンは+1から+5の電荷を有して良い。最も好ましくは、金属はリチウム、ナトリウム、カリウム、亜鉛、マグネシウム、チタン、タングステン、またはカルシウムであり、塩基は水酸化物、カーボネートまたはアセテートである。
【0088】
この発明に有益なアニオンポリマーは中和可能なヒドロキシルおよび/または脱アルキル化可能なエーテル基を含むものである。事例としてのポリマーは、いくつか例を挙げると、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリ(p−ヒドロキシメチレンスチレン)、およびp−メトキシスチレンである。当業者には、そのようなポリマーが多数あり、この発明の組成物に利用できることは容易に理解できる。一般に、アニオンポリマーはつぎの化学構造式により記述される。
【化16】

ここで、RはOH、OC(O)R、O−M+V、(CH、(CHR、またはアリールであり、nは少なくとも1、Rは低次のアルキル、Mは金属イオン、Vは1〜5の整数、RはOH、OC(O)R、O−M+V、Rは低次のアルキルまたはアリールであり、R、RおよびRは同様に置換される。好ましくは、nは1〜12であり、より好ましくは1〜4である。
【0089】
用語「置換」は、ここでは、1または複数の水素原子が官能基により置換されていることを意味する。官能基は、これに限定されないが、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、スルホン、アミド、エーテル、エーテル、燐酸、チオール、ニトロ、シラン、およびハロゲン、その他、当業者がよく精通している多くの他の官能基である。
【0090】
用語「アルキル」または「低次のアルキル」は、ここでは、1〜30個の炭素原子を含む基であり、好ましくは、1〜10この炭素原子を含む。
【0091】
この発明に有益なアニオンポリマーでは、Rの中和可能または脱アルキル化可能な基の少なくとも一部が、有機脂肪酸、その塩、金属塩基またはその混合物により中和または脱アルキル化されて対応するアニオン部分を形成する。中和または脱アルキル化される、中和可能または脱アルキル化可能な基の部分は約1から100重量パーセント、好ましくは、約50から100重量パーセント、より好ましくは約90から約100の間であってよい。
【0092】
中和または脱アルキル化は、ポリマーをまず溶かし、そののち金属イオンを押出機中に添加することにより行う。中和または脱アルキル化の程度は、添加する金属イオンの量を調製して制御する。当業者が採用できる任意の中和または脱アルキル化の手法を適宜に採用してもよい。
【0093】
1実施例では、アニオンポリマーは、上述の化学構造の3つのホモポリマーユニットの任意の1つをユニットとして繰り返す。好ましい実施例では、R、RおよびRは水素でありRはヒドロキシルである。すなわち、このアニオンポリマーはヒドロキシル基の一部が金属塩基により中和されているポリビニルアルコールホモポリマーである。他の好ましい実施例では、R、RおよびRは水素でありRはOC(O)Rであり、Rはメリルである。すなわち、このアニオンポリマーはメチルエーテル基の一部が金属イオンにより脱アルキル化されているポリビニルアセテートホモポリマーである。
【0094】
アニオンポリマーは、異なる置換体を有する2つの異なる繰り返しユニットからなるコポリマー、または3つの異なる繰り返しユニットからなるターポリマーであってもよい。ユニットは上述の構造式で記述される。この実施例では、ポリマーはランダムコポリマー、交互コポリマー、またはブロックコポリマーであってよい。ここで用語「コポリマー」はターポリマーも含む。
【0095】
他の実施例では、アニオンポリマーはコポリマーであり、ただし、R、R、RおよびRは、上述のRに対して定義されたグループからそれぞれ独立に選択されている。コポリマーの第1ユニットはポリマーの約1から約99重量パーセントをなし、好ましくは、約5から約50重量パーセントをなしてよく、第2ユニットはポリマーの約99から約1重量パーセントをなし、好ましくは、約95から約50重量パーセントをなしてよい。1実施例では、アニオンポリマーは、ユニット(Ia)およびユニット(Ib)のランダム、交互またはブロックコポリマーであり、ここで、Rはヒドロキシルであり、残りのR基の各々は水素である。すなわち、このポリマーはエチレンおよびビニルアルコールのコポリマーである。他の実施例では、アニオンポリマーは、ユニット(Ia)およびユニット(Ib)のランダム、交互またはブロックコポリマーであり、ここで、RはOC(O)Rであり、Rはメチルであり、残りのR基の各々は水素である。すなわち、このポリマーはエチレンおよびビニルアセテートのコポリマーである。
【0096】
他の実施例では、アニオンポリマーは、上述化学構造式のように中和可能または脱アルキル化可能なエーテル基を有するアニオンポリマーであり、ここで、R1−9およびRおよびRは上述の定義のとおりであり;R10−11は上述R2について定義したグループから個別に選択したものであり;R12はOHまたはOC(O)R13であり、R13は低次アルキルであり;x、y、およびzは異なるユニットの相対重量パーセントを示す。xは、約99から約50重量パーセントの範囲であってよく、yは、約1から約50重量パーセントの範囲であってよく、zは、約0から約50重量パーセントの範囲でよい。中和可能な基Rの少なくとも一部は中和される。zがゼロより大きいとき、基R10の一部は所望のとおり完全にまたは部分的に中和できる。
【0097】
具体的には、このアニオンポリマーおよびそのブレンドは、アニオンポリマーおよびアイオノマーの互換性のあるブレンドを含んで良く、これは例えば上述したアイオノマーおよびエリレンアクリルメタクリル酸アイオノマーおよびこれらのターポリマーである。これはSURLYN(商標)およびIOTEK(商標)の商標名でDuPont社およびExxon社から商業的に販売されている。この発明のゴルフボールに有益なアニオンポリマーブレンドは、他のポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、エチレンおよびビニルアルコールのコポリマー、ポリ(エチルエチレン)、ポリ(ヘプチルエチレン)、ポリ(ヘキシルデシルエチレン)、ポリ(イソペンチルエチレン)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(2−エチルブチルアクリレート)、ポリ(ヘプチルアクリレート)、ポリ(2−メチルブチルアクリレート)、ポリ(3−メチルブチルアクリレート)、ポリ(N−オクタデシルアミド)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(ブトキシエチレン)、ポリ(メトキシエチレン)、ポリ(ペンチロキシエチレン)、ポリ(1,1−ジクロロエチレン)、ポリ(4−[(2−ブトキシエトキシ)メチル]スチレン)、ポリ[オキシ(エトキシメチル)エチレン]、ポリ(オキシエチルエチレン)、ポリ(オキシテトラメチレン)、ポリ(オキシトリメチレン)、ポリ(シラン)およびポリ(シラザン)、ポリアアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、スチレンブロックコポリマー、ポリエーテルアミド、ポリウレタン、主鎖ヘテロ環状ポリマー、およびポリ(フランテトラカルボン酸ジイミド)、ならびにこれらが属するクラスのポリマーである。
【0098】
この発明のアニオンポリマー組成物の曲げ弾性率は、典型的には、約0.5ksiから約300ksiであり、好ましくは、約2から約200ksiである。このアニオンポリマー組成物の材料硬度は、典型的には、少なくとも約15ショアAであり、好ましくは約30ショアAから80ショアDであり、より好ましくは約50ショアAから60ショアDである。アニオンポリマー組成物の損失正接または散逸率は、損失係数(loss modulus)の動的剪断蓄積係数(dynamic shear storage modulus)に対する比であり、典型的には約1未満であり、好ましくは約0.01未満であり、より好ましくは約0.001未満である。ただし、約23°Cで測定した。アニオンポリマー組成物の比重は典型的には約o.7より大きく、好ましくは約1より大きい。約23°Cにおけるアニオンポリマー組成物の動的剪断蓄積係数すなわち蓄積係数は典型的には少なくとも約10000dyn/cmである。
【0099】
ベースゴムは典型的には天然ゴムまたは剛性ゴムである。好ましいベースゴムは、少なくとも40%のシス構造の1,4−ポリブタジエンである。より好ましくは、ベースゴムは項ムーニ粘度のゴムを含む。所望の場合には、ポリブタジエンに、当業界で知られている他のエラストマー、例えば、天然ゴム、ポリスチレンゴムおよび/またはスチレンブタジエンゴムを混合してコアの特性を修正してもよい。
【0100】
架橋剤は、不飽和脂肪酸の金属塩、例えば、3〜8の炭素原子の不飽和脂肪酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸の亜鉛塩またはマグネシウム塩である。適切な架橋剤は金属塩ジアクリレート、ジメタクリレートおよびモノメタクリレートであり、金属はマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウムまたはニッケルである。架橋剤は、100部のゴムあたり、約15から約30部、好ましくは、約19から約25部、最も好ましくは約20から約24部存在する。この発明のコア組成物は、所望の場合には、少なくとも1つの有機または無機シス−トランス触媒を含んでポリブタジエンのシス−アイソマーをトランス−アイソマーに変換してもよい。
【0101】
開始剤は硬化サイクルで分解する重合開始剤として知られている。適切な開始剤は、ペルオキシド化合物、例えば、1,1−ジ−(t−ブチルペロキシ)、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、a−aビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンまたはジ−t−ブチルペルオキシドおよびこれらの混合物である。
【0102】
フィラーは、コアの密度、その他の特性を修正する化合物または組成物であり、典型的には、タングステン、酸化亜鉛、硫化バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、金属、金属酸化物および塩、リグリンド(典型的には約30メッシュに粉砕したリサイクルコア材料)、高ムーニー粘度ゴムリグリンド等のような材料である。
【0103】
この発明のゴルフボールセンターは種々の構造を含んでも良い。上述のように各層に利用される材料は類似またほぼ同一のものであるけれども、各層の特徴および特性はこの発明の実施例に従って適宜に変更できる。
【0104】
カバー層は、1または複数のホモポリマーまたはコポリマー材料を有してよく、これはつぎのようなものである。
【0105】
(1) ビニル樹脂、例えば塩化ビニルの重合によって製造したもの、又は塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリルエステル又は塩化ビニリデンとの共重合によって製造したもの;
(2) ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン及びコポリマー、例えばエチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、エチレンビニルアセテート、エチレンメタクリル酸又はエチレンアクリル酸又はプロピレンアクリル酸及び単一サイト触媒又はメタローセン触媒を使用して製造したコポリマー及びホモポリマー;
(3) ポリウレタン、例えばポリオールとジイソシアネート又はポリイソシアネートから製造したもの及び米国特許第5,334,673号に開示されているもの;
(4) ポリ尿素、例えば米国特許第5,484,870号に記載されているもの;
(5) ポリアミド、例えばポリ(ヘキサメチレンアジパミド)及びその他のジアミンと二塩基酸から製造したもの、及びアミノ酸、例えばポリ(カプロラクタム)から製造したもの、及びポリアミドとSURLYN、ポリエチレン、エチレンコポリマー、エチル−プロピレン−非共役ジエンターポリマー、及び類似物とのブレンド;
(6) アクリル樹脂及びこれらの樹脂とポリ塩化ビニル、エラストマー、及び類似物とのブレンド;
(7) 熱可塑性物、例えばウレタン;オレフィン系熱可塑性ゴム、例えばポリオレフィンとエチレン−プロピレン−非共役ジエンターポリマーとのブレンド;スチレンとブタジエン、イソプレン又はエチレン−ブチレンゴムのブロックコポリマー;又はコポリ(エーテル−アミド)、例えばフィラデルフィアのエルフ アトケム(ELF Atochem of Philadelphia,PA)が市販するPEBAX;
(8) ポリフェニレンオキシド樹脂又はポリフェニレンオキシドと高耐衝撃性ポリスチレンとのブレンドであってゼネラルエレクトリック社(General Electric Company of Pittsfield,MA)によりNORYLの商標名で市販されているもの;
(9) 熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/グリコール変性及びエラストマーであってデュポン社(E.I. DuPont de Neumours & Co. of Wilmington,DE)により商標名HYTRELの名称で、またゼネラルエレクトリック社(General Electric Company of Pittsfield,MA)によりLOMODの名称で市販されているもの;
(10) アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、スチレン無水マレイン酸、ポリエチレン、エラストマー、及び類似物を有するポリカーボネート、及びアクリロニトリルブタジエンスチレン又はエチレン酢酸ビニル又は他のエラストマーを有するポリ塩化ビニルを含むブレンド及び混合物;及び
(11) 熱可塑性ゴムとポリエチレン、プロピレン、ポリアセタール、ナイロン、ポリエステル、セルロースエステル、及び類似物とのブレンド。
【0106】
1実施例において、外側カバーは、好ましくは、少なくとも1つのイソシアネート、ポリオール、および少なくとも1つの硬化剤の反応生成物を含む、ポリウレタン組成物である。当業者が利用可能ないずれのポリイソシアネートも本発明に従って使用するのに適している。ポリイソシアネートの例示は以下を含むがこれに限定されない:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(”MDI”);ポリマーMDI;カルボジイミド−変性液状MDI;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(”H12MDI”);p−フェニレンジイソシアネート(”PPDI”);m−フェニレンジイソシアネート(”MPDI”);トルエンジイソシアネート(”TDI”);3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(”TODI”);イソホロンジイソシアネート(”IPDI”);ヘキサメチレンジイソシアネート(”HDI”);ナフタレンジイソシアネート(”NDI”);キシレンジイソシアネート(”XDI”);p−テトラメチルキシレンジイソシアネート(”p−TMXDI”);m−テトラメチルキシレンジイソシアネート(”m−TMXDI”);エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;シクロヘキシルジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート(”HDI”);ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(”TMDI”);テトラセンジイソシアネート;ナフタレンジイソシアネート;アントラセンジイソシアネート;トルエンジイソシアネートのイソシアヌレート;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン;及びこれらの混合物。ポリイソシアネートは、1以上のイソシアネート基、例えばジイソシアネート、トリイソシアネートおよびテトライソシアネートを有するものとして、当業者には知られている。好ましくは、ポリイソシアネートは、MDI、PPDI、TDI、又はこれらの混合物を含み、より好ましくはポリイソシアネートはMDIを含む。本明細書で使用する用語「MDI」は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマーMDI、カルボジイミド変性液状MDI、及びこれらの混合物を意味し、かつさらに使用したジイソシアネートが「低遊離(low free)モノマー」であることができるとは「遊離」モノマーの量が低いイソシアネート基であること、典型的には遊離モノマー基の量が約0.1%より低いことを当業者が理解すると理解すべきである。「低遊離モノマー」ジイソシアネートの例は、これに限定されないが、低遊離モノマーMDI、低遊離モノマーTDI、及び低遊離モノマーPPDIである。
【0107】
少なくとも一つのポリイソシアネートは約14%より少ない未反応のNCO基を有することが必要である。好ましくは該少なくとも一つのポリイソシアネートは約7.5%より多くない、より好ましくは約7.0%より少ないNCOを有する。
【0108】
当業者が利用可能ないずれのポリオールも、この発明に従って使用するのに適している。ポリオールの例は、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(部分的に/完全に水素添加した誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びポリカーボネートポリオールである。好ましい実施例では、ポリオールはポリエーテルポリオールを含む。その例は、これに限定されないが、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(”PTMEG”)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合及び置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。好ましくは、この発明のポリオールはPTMEGを含む。
【0109】
他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリエステルポリオールが含まれる。適切なポリエステルポリオールは、これに限定されないが、ポリエチレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;ポリ(ヘキサメチレンアジーペート)グリコール;及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
【0110】
他の実施例では、この発明の材料にポリカプロラクトンポリオールが含まれる。適切なポリカプロラクトンポリオールは、これに限定されないが、1,6−ヘキサンジオール−開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、PTMEG開始ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物である。炭化水素鎖は飽和又は不飽和の、又は置換又は未置換の芳香族及び環状基を有することができる。
【0111】
さらに他の実施例では、この発明のポリウレタン材料にポリカーボネートポリオールが含まれる。適切なポリカーボネートは、これに限定されないが、ポリフタレートカーボネート及びポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコールである。炭化水素鎖は飽和又は不飽和結合、又は置換又は未置換芳香族及び環状基を有することができる。1実施例では、ポリオールの分子量は約200〜約4000である。
【0112】
ポリアミン硬化剤もこの発明のポリウレタン組成物中に使用して好適であり、製品ボールの耐切断性、耐剪断性、および耐衝撃性が改善することがわかっている。好ましいポリアミン硬化剤は、これに限定されないが、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びこのアイソマー;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン及びこのアイソマー、例えば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン);4,4’−メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(”MCDEA”);ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’−メチレンジアニリン(”MDA”);m−フェニレンジアミン(”MPDA”);4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(”MOCA”);4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(”MDEA”);4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(”MDCA”);4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン;2,2’−3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート;及びこれらの混合物である。好ましくはこの発明の硬化剤は、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン及びそのアイソマー、例えばバトンルージュのアルバマール社(Albermarle Corporation of Baton Rouge,LA)から入手可能なEthacure(登録商標)300である。適切なポリアミン硬化剤は第1及び第2アミンの両者を含み、好ましくは、その分子量は約64〜約2000の範囲である。
【0113】
少なくとも一つのジオール、トリオール、テトラオール、又はヒドロキシ末端硬化剤を上述のポリウレタン組成物に添加することができる。適切なジオール、トリオール、及びテトラオール基は以下を含む:エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;及びこれらの混合物である。好ましいヒドロキシ−末端硬化剤は1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール、及びこれらの混合物である。好ましくは、ヒドロキシ−末端硬化剤の分子量は約48〜約2000の範囲である。ここで、分子量は、絶対重量平均文四郎であり、当業者が理解するとおりのものである。
【0114】
ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤の両者は、一又は複数の飽和、不飽和、芳香族、及び環状基を含むことができる。さらに、ヒドロキシ末端及びアミン硬化剤は一又は複数のハロゲン基を含むことができる。ポリウレタン組成物を硬化剤のブレンド又は混合物によって製造することができる。しかしながら所望の場合には、ポリウレタン組成物を単一の硬化剤で製造することができる。
【0115】
この発明の好ましい実施例において、外側カバー層を形成するのに使用する飽和ポリウレタンを注型可能な熱硬化性及び熱可塑性ポリウレタンの両者から選択することができる。
【0116】
この実施例において、この発明の飽和ポリウレタンは芳香族基又は部分を実質的に含まない。この発明に使用して好適な飽和ポリウレタンは、少なくとも1つのポリウレタンプレポリマーおよび少なくとも1つの飽和硬化剤の反応生成物である。ポリウレタンプレポリマーは少なくとも1つのポリオールおよび少なくとも1つの飽和ジイソシアネートの反応生成物である。当技術分野で周知のとおり、触媒を採用して硬化剤およびイソシアネートおよびポリオールの反応を促進させても良い。
【0117】
使用可能な飽和のジイソシアネートは、これに限定されないが、エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(”HDI”);2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(”IPDI”);メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;HDIのトリイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(”TMDI”)。最も好ましい飽和ジイソシアネートは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(”HMDI”)及びイソホロンジイソシアネート(”IPDI”)である。
【0118】
この発明で使用するのに適した飽和ポリオールは、これに限定されないが、ポリエーテルポリオール、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール及びポリ(オキシプロピレン)グリコールである。適切な飽和ポリステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリカーボネートポリオール及びエチレンオキシドでキャップしたポリオキシプロピレンジオールである。この発明で有用な飽和ポリカプロラクトンポリオールは、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、1,4−ブタンジオール開始ポリカプロラクトン、1,6−ヘキサンジオール開始ポリカプロラクトン;トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、およびポリテトレメチルエーテルグリコール開始ポリカプロラクトンである。最も好ましい飽和ポリオールはPTMEG及びPTMEG開始ポリカプロラクトンである。
【0119】
適切な飽和硬化剤は、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、プロピレングリコール;トリメタノールプロパン;テトラ−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン;シクロヘキシルジメチロールのアイソマーのアイソマー及び混合物、シクロヘキサンビス(メチルアミン)のアイソマーのアイソマー及び混合物;トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)シクロヘキサン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)シクロヘキサン;イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、1−メチル−2,4−シクロヘキシルジアミン、1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン、1,3−ジアミノプロパン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イミド−ビス−プロピルアミン、ジアミノシクロヘキサンのアイソマーのアイソマー及び混合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、及びジイソプロパノールアミン。最も好ましい飽和硬化剤は1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキシルジメチロール及び4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンである。
【0120】
この発明の組成物はポリ尿素ベースのものでもよく、これらは、明らかにポリウレタンベースのものと異なるが、ゴルフボール部品に用いられるときには所望の空力特性や美観特性をもたらす。ポリ尿素ベースの組成物は好ましくはその性質上飽和である。
【0121】
特定の理論に拘束されるものではないが、ポリウレタンプレポリマー中の長鎖ポリオールセグメントを長鎖ポリエーテルジアミンオリゴマーソフトセグメントで置換してポリ尿素プレポリマーを形成することにより、せん断性、切断性及び反発弾性が改良され、かつ他の成分に対する接着性が改良されると、現在考えられている。したがって、この発明のポリ尿素組成物はイソシアネートと硬化剤により架橋されたポリアミンプレポリマーとの反応生成物からなる。例えば、この発明のポリ尿素ベースの組成物は、少なくとも1つのイソシアネートと、少なくとも1つのポリエーテルアミンと、少なくとも1つのジオール硬化剤または少なくとも1つのジアミン硬化剤とから準備されてよい。
【0122】
当業者に利用可能な全てのポリアミンが、このポリ尿素プレポリマー中に使用して好適である。ポリエーテルアミンはとくにプレポリマー中で好適である。ここでは、用語「ポリエーテルアミン」は、ポリエーテル主鎖の末端に結合した第1アミノ基を含むポリオキシアルキレンアミンを少なくとも意味する。しかしながら、イソシアネートとアミンの反応が早く、かつ多くの尿素生成物が不溶性であることから、ジアミンとポリエーテルアミンの選択は、ポリ尿素プレポリマーの形成を可能にするものに限られる。1実施例では、ポリエーテル主鎖は、テトラメチレン、プロピレン、エチレン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びこれらの混合物に基づく。
【0123】
適切なポリエーテルアミンは、これに限定されないが、ポリテトラメチレンエーテルジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリ(エチレンオキシド末端オキシプロピレン)エーテルジアミン、トリエチレングリコールジアミン、プロピレンオキシドをベースとするトリアミン、トリメチロールプロパンをベースとするトリアミン、グリセリンをベースとするトリアミン、及びこれらの混合物である。1実施例では、プレポリマーを製造するために使用するポリエーテルアミンはJEFFAMINE(商標) D2000(Huntsman社製、オースチン、テキサス)である。
【0124】
この発明で使用するポリエーテルアミンの分子量は約100〜約5000の範囲にある。ここで一又は複数の数値又は数値範囲について使用する用語「約」は、範囲内の全ての数値を含み、これらの全ての数値を意味すると理解すべきである。1実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約230又はそれより大きい。他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約4000又はそれより小さい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約600又はそれより大きい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約3000又はそれより小さい。さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンの分子量は約1000〜約3000であり、より好ましくは約1500〜約2500である。ポリエーテルアミンの分子量が低いと固形ポリ尿素を形成しがちであるので、大きい分子量のオリゴマー、たとえばJEFFAMINE D2000が好ましい。
【0125】
1実施例では、ポリエーテルアミンは以下の一般的な構造を有する:
【化17】


ここで、繰り返し単位の数xは約1〜約70の範囲の値を有する。より好ましくは、繰り返し単位は約5〜約50であり、さらに好ましくは約12〜約35である。
【0126】
他の実施例では、ポリエーテルアミンは以下の一般的な構造を有する:
【化18】


ここで、繰り返し単位の数x及びzは組み合わせて約3.6〜約8の値を有し、繰り返し単位yは約9〜約50の範囲の値を有し、Rは−(CH−であり、式中aは約1〜約10の繰り返し単位であってもよい。
【0127】
さらに他の実施例では、ポリエーテルアミンは以下の一般的な構造を有する:
【化19】

ここで、Rは−(CH−であり、式中aは約1〜約10の繰り返し単位であってもよい。
【0128】
先に簡単に述べたように、アミンとイソシアネートとの反応が早いために、多くのアミンはイソシアネートとの反応に不適切である。特に短鎖のアミンは早く反応する。しかしながら、ある態様では、立体障害を有する第2ジアミンはプレポリマーで使用するのに適している可能性がある。いずれの特定の理論に束縛されるものではないが、高度の立体障害を有するアミン、例えば窒素原子に結合した第3ブチル基を有するアミンは、障害がないか又はその程度が低いアミンより反応速度が遅くなると考えられる。例えば、4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン(CLEARLINK(商標) 1000)は、イソシアネートと組み合わせてポリ尿素プレポリマーを製造するのに適している可能性がある。
【0129】
当業者が利用可能ないずれのイソシアネートも、ポリ尿素プレポリマー中に使用して好適である。本発明で使用するイソシアネートは、分子当たり2又はそれより多いイソシアネート(NCO)基を有する脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、これらのいずれかの誘導体、及びこれらの化合物の組合せを含む。イソシアネートは、有機ポリイソシアネート末端プレポリマー、低級遊離イソシアネート、及びこれらの混合物であることができる。イソシアネートを含む反応性の成分はいずれのイソシアネート官能性単量体、二量体、三量体、又はこれらの多量体付加物、プレポリマー、疑似プレポリマー、又はこれらの混合物を含むことができる。イソシアネート官能性化合物は、モノイソシアネート又は2又はそれより多いイソシアネート官能基を含むポリイソシアネートを含むことができる。
【0130】
適切なイソシアネートを含む成分は以下の一般式を有するジイソシアネートを含む:O=C=N−R−N=C=O、式中Rは好ましくは約1〜約20の炭素原子を含む環状、芳香族、又は直鎖若しくは分岐した炭化水素部分である。ジイソシアネートはさらに一又は複数の環状基又は一又は複数のフェニル基を含むこともできる。多環式基又は芳香族基が存在する場合、環状基又は芳香族基の間のスペーサーとして、約1〜約10の炭素原子を含む直鎖及び/又は分岐した炭化水素が存在することができる。ある場合には、環状基又は芳香族基は2−、3−、及び/又は4−位、又はオルト−、メタ−及び/又はパラ−位においてそれぞれ置換されていてもよい。置換した基は、これに限定されないが、ハロゲン、第1、第2、又は第3炭化水素基、又はこれらの混合物である。
【0131】
この発明で使用することができるジイソシアネートの例は、これに限定されないが、2,2’−、2,4’−、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含む置換した及び異性体混合物;3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI);トルエンジイソシアネート(TDI);ポリマーMDI;カルボジイミド−変性液状4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート;パラ−フェニレンジイソシアネート(PPDI);メタ−フェニレンジイソシアネート(MPDI);トリフェニルメタン−4,4’−及びトリフェニルメタン−4,4”−トリイソシアネート;ナフチレン−1,5−ジイソシアネート;2,4’−、4,4’−、及び2,2−ビフェニルジイソシアネート;ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(PMDI);MDIとPMDIの混合物;PMDIとTDIの混合物;エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,3−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,2−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;メチル−シクロヘキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5−シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアネートメチルシクロヘキサンイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;イソシアネートエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサンジイソシアネート;4,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジシクロヘキサン;2,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);HDIのトリイソシアネート;2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(TMDI);4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);2,4−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;1,2−、1,3−、及び1,4−フェニレンジイソシアネート;芳香族脂肪族イソシアネート、例えば1,2−、1,3−、及び1,4−キシレンジイソシアネート;メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXDI);パラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(p−TMXDI);いずれかのポリイソシアネートの三量化したイソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートの三量体、テトラメチルキシレンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、及びこれらの混合物;いずれかのポリイソシアネートの二量化したウレジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、及びこれらの混合物;上記のイソシアネート及びポリイソシアネートから誘導した変性したポリイソシアネート;及びこれらの混合物である。
【0132】
この発明で使用することができる飽和ジイソシアネートの例は、これに限定されないが、エチレンジイソシアネート;プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);オクタメチレンジイソシアネート;デカメチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,2−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;メチル−シクロヘキシレンジイソシアネート(HTDI);2,4−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート;2,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート;1,3,5−シクロヘキサントリイソシアネート;イソシアネートメチルシクロヘキサンイソシアネート;1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン;イソシアネートエチルシクロヘキサンイソシアネート;ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサンジイソシアネート;4,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジシクロヘキサン;2,4’−ビス(イソシアネートメチル)ジシクロヘキサン;イソホロンジイソシアネート(IPDI);HDIのトリイソシアネート;2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート(TMDI);4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);2,4−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;2,6−ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート;及びこれらの混合物。芳香族脂肪族イソシアネートも光安定な物質を製造するために使用することができる。これらのイソシアネートの例は以下を含む:1,2−、1,3−、及び1,4−キシレンジイソシアネート;メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXDI);パラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート(p−TMXDI);いずれかのポリイソシアネートの三量化したイソシアヌレート、例えばトルエンジイソシアネートのイソシアヌレート、ジフェニルメタンジイソシアネートの三量体、テトラメチルキシレンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、及びこれらの混合物;いずれかのポリイソシアネートの二量化したウレジオン、例えばトルエンジイソシアネートのウレトジオン、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン、及びこれらの混合物;上記のイソシアネート及びポリイソシアネートから誘導した変性したポリイソシアネート;及びこれらの混合物である。さらに、芳香族脂肪族イソシアネートを、本発明の目的にために、先に挙げた飽和イソシアネートのいずれかと混合することができる。
【0133】
イソシアネートとポリエーテルアミンのポリ尿素プレポリマーにおける未反応のNCO基の数を変化させて、反応の速度、得られた組成物の硬度等の因子を制御することができる。例えば、イソシアネートとポリエーテルアミンのポリ尿素プレポリマーにおける未反応のNCO基の数を約14%より小さくすることができる。1実施例では、ポリ尿素プレポリマーは約5%〜約11%の未反応のNCO基を有し、より好ましくは約6%〜約9.5%の未反応のNCO基を有する。1実施例では、未反応のNCO基の割合は約3%〜約9%である。代替的には、未反応のNCO基の割合は約7.5%又はそれより低く、より好ましくは約7%又はそれより低い。他の実施例では、未反応のNCO基の割合は約2.5%〜約7.5%、より好ましくは約4%〜約6.5%である。
【0134】
生成された状態で、ポリ尿素プレポリマーが、プレポリマーの約10重量%から約20重量%の遊離イソシアネートモノマーを含んでもよい。この結果、1実施例では、ポリ尿素プレポリマーから遊離イソシアネートモノマーを除去しても良い。例えば、除去後、プレポリマーは1%またはそれ未満の遊離イソシアネートモノマーを含むことになる。他の実施例では、プレポリマーは約0.5重量%または逸れ未満の遊離イソシアネートモノマーを含んでよい。
【0135】
ポリエーテルアミンを追加のポリオールとブレンドしてコポリマーを形成し、これを過剰のイソシアネートと反応させてポリ尿素プレポリマーを製造することもできる。1実施例では、コポリマーの約30重量%より少ないポリオールを飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。他の実施例では、コポリマーの約20重量%より少ない、好ましくはコポリマーの約15重量%より少ないポリオールを、飽和ポリエーテルアミンとブレンドする。当業者に利用可能ないずれかの飽和ポリオール、例えばポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、他のポリオール、及びこれらの混合物が、本発明に従ってブレンドするのに適している。これらのポリマーの分子量は約200〜約4000であることができるが、約1000〜約3000であることができ、より好ましくは約1500〜約2500であることができる。
【0136】
ポリ尿素組成物を、ポリ尿素プレポリマーを単一の硬化剤またはそのブレンドで架橋して製造することができる。この発明で使用する硬化剤は、好ましくは、アミン−末端硬化剤、より好ましくは第2ジアミン硬化剤であり、これにより、組成物が単一の尿素結合のみを含むようになる。1実施例では、アミン−末端硬化剤の分子量は約64又はそれより大きい。他の実施例では、アミン−末端硬化剤の分子量は約2000又はそれより小さい。上述のとおり、所定のアミン−末端硬化剤を互換性のあるアミン−末端凝固点降下剤またはその混合物により改質してもよい。
【0137】
適切なアミン−末端硬化剤は、これに限定されないが、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン;テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン;2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;2−メチルペンタメチレン−ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド−ビス−プロピルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;4,4’−メチレンビス−(2−クロロアニリン);3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−2,4−トルエンジアミン;3,5−ジエチルチオ−2,6−トルエンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン及びその誘導体;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;N,N’−ジアルキルアミノ−ジフェニルメタン;トリメチレングリコール−ジ−アミノベンゾエート;ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート;4,4’−メチレンビス−(3−クロロ−2,6−ジエチレンアニリン);4,4’−メチレンビス−(2,6−ジエチルアニリン);メタ−フェニレンジアミン;パラ−フェニレンジアミン;シクロヘキシルジメトール;及びこれらの混合である物。1実施例では、アミン−末端硬化剤は4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンである。
【0138】
適切な飽和アミン−末端硬化剤は、これに限定されないが、エチレンジアミン;ヘキサメチレンジアミン;1−メチル−2,6−シクロヘキシルジアミン;テトラヒドロキシプロピレンエチレンジアミン;2,2,4−及び2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;1,2−ビス−(sec−ブチルアミノ)−シクロヘキサン;4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジシクロヘキシルメタンの誘導体;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン;1,4−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);1,3−シクロヘキサン−ビス−(メチルアミン);ジエチレングリコールジ−(アミノプロピル)エーテル;2−メチルペンタメチレン−ジアミン;ジアミノシクロヘキサン;ジエチレントリアミン;トリエチレンテトラミン;テトラエチレンペンタミン;プロピレンジアミン;1,3−ジアミノプロパン;ジメチルアミノプロピルアミン;ジエチルアミノプロピルアミン;イミド−ビス−プロピルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン;トリエタノールアミン;モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン;イソホロンジアミン;トリイソプロパノールアミン;及びこれらの混合物である。1実施例では、アミン−硬化剤は約64又はそれより大きい分子量を有する。さらに、上記のポリエーテルアミンのいずれかを、ポリ尿素プレポリマーと反応させる硬化剤として使用することができる。
【0139】
適切な触媒は、これに限定されないが、ビスマス触媒、オレイン酸、トリエチレンジアミン(DABCO(商標)−33LV)、ジ−ブチルすずジラウレート(DABCO(商標)−T12)およびアセチル酸である。最も好ましい触媒は、ジ−ブチルすずジラウレート(DABCO(商標)−T12)である。DABCO(商標)製品は、Air Products and Chemicals社により製造されている。
【0140】
熱可塑性材料は他の熱可塑性材料とブレンドしてもよいが、熱硬化性材料は、ブレンドが不可能でない場合でも、熱硬化性材料が生成された後に均一にブレンドすることは困難である。好ましくは、飽和ポリウレタンは、カバー組成物および/または中間層組成物の約1%から約100%、より好ましくは、約10%から約75%を有する。カバーおよび/または中間層組成物の約90%から約10%、より好ましくは、約90%から約25%は以下に説明するように1または複数の他のポリマーおよび/または他の材料から構成されてよい。このようなポリマーは、これに限定されないが、ポリウレタン/ポリ尿素アイオノマー、ポリウレタンまたはポリ尿素、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエステル、ポリカーボネートおよびポリアクリリンである。とくに言及がない場合には、パーセントは対象のゴルフボール層の全組成物の重量パーセントである。
【0141】
ポリウレタンプレポリマーは、少なくとも一つのポリオール、例えばポリエーテル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート又はポリエステルと少なくとも一つのイソシアネートとを組み合わせて製造される。熱硬化性ポリウレタンは、少なくとも一つのポリウレタンプレポリマーをポリアミン、トリオール又はテトラオールから選択する硬化剤で硬化して取得できる。熱可塑性ポリウレタンは、少なくとも一つのポリウレタンプレポリマーをジオール硬化剤で硬化して取得できる。ジオール及び/又はジオールのブレンドで硬化したウレタンエラストマーのいくつかはゴルフボールカバーが必要とする耐衝撃性を有するウレタンエラストマーを生成しないので、硬化剤の選択は臨界的である。ジオールで硬化したウレタンエラストマー配合物にポリアミン硬化剤をブレンドすると耐衝撃性及び耐切断性が改良された熱硬化性ウレタンが得られる。
【0142】
熱可塑性ポリウレタンに適切な材料をブレンドして熱可塑性目的物を生成することができる。これらの追加材料の例は、アイオノマー、例えば上記のSURLYN(商標)、ESCOR(商標)及びIOTEK(商標)コポリマーを含むことができる。
【0143】
この発明のゴルフボールのカバー及び/又は中間層の製造において飽和ポリウレタンと組み合わせることができる他の適切な材料は、イオン性又は非イオン性ポリウレタン及びポリ尿素、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリアミド及びポリエステル。例えば、カバー及び/又は中間層を、少なくとも一つの飽和ポリウレタンと熱可塑性又は熱硬化性イオン性及び非イオン性ウレタン及びポリウレタン、カチオン性ウレタンアイオノマー及びウレタンエポキシド、イオン性及び非イオン性ポリ尿素及びこれらのブレンドとのブレンドから製造することができる。適切なウレタンアイオノマーの例は「ゴルフボールカバー」と題する米国特許第5,692,974号に開示されており、参照してここに組み入れる。適切なポリウレタンの他の例は米国特許第5,334,673号に記載されている。適切なポリ尿素の例は米国特許第5,484,870号に記載されており、エポキシ基含有硬化剤で硬化された適切なポリウレタンの例は米国特許第5,908,358号に記載されており、参照してこれらの開示をここに組み入れる。
【0144】
種々の追加的な成分を、この発明のカバー組成物に添加することもできる。これらは、これに限定されないが、白色顔料、例えばTiO、ZnO、光学的明色化剤、界面活性剤、処理補助剤、発泡剤、UV安定剤、及び光安定剤である。飽和ポリウレタンは耐褪色性がある。しかしながら、天候によって機械特性が劣化するのに対して耐性があるわけではない。UV吸収剤および光安定剤を付加して、飽和ポリウレタンエラストマーの引張り強さおよび伸びを維持させることができる。適切なUV吸収剤及び光安定剤は、これに限定されないが、TINUVIN(商標)328、TINUVIN(商標)213、TINUVIN(商標)765、TINUVIN(商標)770及びTINUVIN(商標)622である。好ましいUV吸収剤はTINUVIN(商標)328であり、好ましい光安定剤はTINUVIN(商標)765である。TINUVIN(商標)製品は、Ciba−Geigy社から入手可能である。染料、光学的明色化剤及び蛍光顔料を、この発明に従って製造したポリマーで製造したゴルフボールカバー中に含むことができる。これらの追加的な成分を、それらの所望の目的を達成するいずれの量においても添加することができる。
【0145】
この発明のポリウレタンのために当業者に知られている任意の手法を採用できる。1つの慣用的に採用される手法は、ワンショット法として知られており、ポリイソシアネート、ポリオール及び硬化剤を同時に混合するものである。この手法では、得られる混合物は非均一であり、製造業者にとって製品組成物の分子構造の制御が困難となる。好ましい混合方法はプレポリマー法として知られている。この方法では、硬化剤を添加する前にポリイソシアネートとポリオールを別々に混合する。この方法によりより均一な混合物が得られ、その結果よりコンシステントなポリマー組成物が得られる。この発明の層を製造する他の適切な方法は、反応射出成形(”RIM”)、液状射出成形(”LIM”)、成分を予め反応させて射出成形可能な熱可塑性ポリウレタンを製造し次いで射出成形する方法であり、これらのすべては当業者に公知である。
【0146】
ポリウレタン組成物に添加することが可能な付加的な成分はUV安定剤および他の染料、さらには、蛍光増白剤および蛍光染料および顔料である。このような付加的な成分は、それらの所望の目的を達成するいずれの量においても添加することができる。
【0147】
カバーも、上述のように、アイオノマーポリマーまたはそのブレンドから製造できる。
【0148】
流体の形態で塗布できる、注型可能な、反応性材料を使用すると、ゴルフボール上に極めて薄いカバー層を形成できることが、この発明によって見いだされた。とくに、反応してウレタンエラストマー材料を形成する、注型可能な、反応性材料が所望の薄い外側カバー層を実現することが見いだされた。
【0149】
ウレタンエラストマー材料を形成するために採用される注型可能な反応性液体は、当該技術において周知の種々の塗布方法、例えば、スプレー、圧縮成型、ディッピング、スピンコーティーング、注型、または流動コーティング法を採用して、コア上に塗布できる。適切なコーティング手法の例が米国特許第5,733,428号に開示されており、参照してここに組み入れる。
【0150】
カバーは、好ましくは、材料を混合し成型金型に案内してコアの回りに形成される。粘度を、その時間にわたって、測定することが重要である。この測定により、成型金型半体の各々を充填し、コアを一方の半体に導入し、さらに成型金型を閉じるという後続のステップが適切なタイミングで行われ、コア・カバー半体の融合の芯だしが実現され、全体の一体性が達成される。コアを成型金型に導入するのに適切な硬化ウレタンミックスの粘度範囲は、約2000cPおよび約30000cPの間であり、好ましい範囲は約8000pCから15000cPの間であることが判明している。
【0151】
カバーの製造を開始するために、モーターで駆動するミキサーを取り付けた混合ヘッド内で、ラインを通じて計量した量の硬化剤及びプレポリマーを供給することによって、プレポリマーと硬化剤の混合を行う。予熱した金型の上半体を充填しかつ各金型の開口に移動するセンタリングピンを使用して取り付けユニットに置く。後で、下半体の金型、又は一連の下半体の金型は、キャビティに導入したのと同量の混合物を保持する。反応材料が上半体の金型に約40〜約80秒存在した後、コアを制御した速度で落下させ、ゲル状の反応混合物にする。
【0152】
ボールカップがボールのコアを減圧(又は部分的な真空)によって保持する。約40〜約80秒間ゲル化した後で、金型の両半体にコアを置き、真空を解除してコアを離す。コア及び固形化したカバーの半体を有する金型の半体をセンタリング取り付け具からはずし、反転させて第2の金型の半体に合わせ、該第2の金型に導入された選択した量の反応性ポリ尿素プレポリマー及び硬化剤は合わせる前の適切な時間にゲル化を開始する。同様に、米国特許第5,006,297号及び米国特許第5,334,673号の両者は、この発明で使用する注型可能な反応性液体を適用するのに使用することができる適切な成形技術を開示している。さらに、米国特許第6,180,040号および同第6,180,722号は二重コアゴルフボールを準備する方法を開示している。これらは参照して個々に組み入れる。なお、この発明の方法はこれらの技術に限定されない。
【0153】
さらに、他の適切なコアおよびカバー材料は米国特許第5,919,100号および国際公開WO00/23519号およびWO01/29129号に開示されている。これらの開示は参照してここに組み入れる。好ましくは、内側コア12はポリブタジエンゴム材料から製造され、カバー層16は熱硬化性または熱可塑性ウレタンを含む組成物またはアイオノマー樹脂を含む組成物から製造される。
【0154】
再び図2を参照すると、1実施例において、多層ゴルフボール20は、少なくとも3つのピース、すなわち、内側コア22、外側コア層24、およびカバー26を有する。内側コア22の直径は約1.40インチであり、そのAtti圧縮は60未満、好ましくは45未満、最も好ましくは40未満である。この圧縮は、好ましくは約5〜約60の範囲の数、より好ましくは約10〜約50の範囲の数、最も好ましくは約15〜約40の範囲の数である。内側コア22の比重は外側コア層より小さく、好ましくは1.15未満、最も好ましくは1.10未満である。
【0155】
したがって、外側コア層24の比重は内側コア22より大きく、好ましくは、1.15より大きく、寄り好ましくは1.20より大きく、最も好ましくは1.25より大きい。外側コア層24のショアD硬度は少なくとも55であり、外側コア層24の曲げ弾性率は内側コア22の曲げ弾性率より大きい。外側コア層24の厚さは約0.10インチである。
【0156】
カバー層26の厚さは少なくとも約0.04インチであり、カバー層26は堅固なアイオノマーブレンドを含み、そのショアD硬度は少なくとも60、好ましくは少なくとも65である。カバー26の曲げ弾性率は好ましくは少なくとも60ksiである。カバー層26のショアD硬度と曲げ弾性率の好ましい関係は、曲げ弾性率をksiで測定し、少なくとも58ksiであるときに、以下のようになる。
好ましくは: 1.0>(ショアDカバー)/(曲げ弾性率カバー
より好ましくは: 0.9>(ショアDカバー)/(曲げ弾性率カバー
最も好ましくは: 0.8>(ショアDカバー)/(曲げ弾性率カバー
これらの関係により、ティーから打ち出すときにスピンが小さく、それでいてグリーンへのアプローチショットのスピンが増大するゴルフボールを実現する。上手でないゴルファーにとってはドライブ距離が長くなり、それでいて上手なプレイヤーはグリーン回りのボールの制御が容易になる。
【0157】
好ましい実施例では、カバー層26は酸成分が約13%および16%の間であるアクリル酸アイオノマー(DowまたはSchulmanタイプ)を含む。ただし、当業者には容易に理解され、かつ上述のとおり、アイオノマーのタイプおよび酸成分の範囲は変更できる。アイオノマーは好ましくはナトリウム(Na)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、またはカルシウム(Ca)のカチオンにより中和されるが、この場合も、当業者に容易に理解されるように、使用されるカチオンは変更できる。
【0158】
他の実施例において、内側コア22、外側コア層24、およびカバー26はすべて実質的に先行する実施例と類似するが、材料、特性、および寸法を選択してCOR勾配が遅から速となるようにする。例えば、内側コア22のCORが、内側コア22および外側コア層24を含むサブアッセンブリのCORより小さくし、このサブアッセンブリのCORが、内側コア22、外側コア層24、およびカバー26を有する総体としてのゴルフボール20のCORより小さい。この遅から速へのCOR勾配により、ボールの初速度がより大きく、ティーから打ち出すときにスピンが小さく、それでいてグリーンへアプローチショットを打つときにはスピンがより大きくなるようにできる。この結果、スイング速度が遅い余り上手でないプレイヤーにとってより長い距離をもたらすより寛容なドライブが可能になり、さらにスイング速度が大きく上手なプレイヤーにとってはより多くの制御と正確さを実現する。
【0159】
この発明のゴルフボールの他の実施例は先の実施例と実質的に類似であるが、コア層、すなわち、内側コア22または外側コア層24がHNPを有する。この実施例では、内側コア22が無充填のHNPを含み、この内側コアの比重が1.0未満、最も好ましくは約0.95であることが好ましい。無充填のHNPによりボールのセンタの比重を小さくすることにより、ボールの慣性モーメントが大きくなり、この結果打撃のモーメントによるスピンが小さくなり、ティーから打ち出したときの距離を大きくする。
【0160】
再度、図1を参照すると、他の実施例において、多層ゴルフボール10は、内側コア12、少なくとも1つの中間コア層14、外側コア層16、およびカバー層18を有するので、少なくとも4つのピースを具備する。この実施例では、コアアッセンブリは3つのピースを含み、これらは2つの個別のサブアッセンブリを形成する。その1つは、内側コア12と少なくとも1つの中間コア層14から製造される内側のサブアッセンブリであり、他の1つは、内側コア12と、中間層14と、外側カバー層16とを含む。他の実施例は、逐次的な中間層を各々包囲する複数のサブアッセンブリが存在するように複数の中間層14を有してよい。3ピースコアの実施例では、内側コア12の比重が中間コア層14の比重より小さく、この中間コア層14の比重が外側コア層16の比重より小さい。カバー層18の比重も外側コア層16の比重より小さい。図1に示される実施例における内側コア12の体積は外側コア層16の体積より大きく、双方はともにカバー層18の体積より大きい。ただし、各層の体積および各層の硬度の関係は反対である。カバー層18のショアD硬度は外側コア層16より大きく、外側コア層16の硬度は内側コア12より大きい。複数の中間コア層が付加された場合には、逐次的な中間コア層の各々が、内側コア12に近い先行する層に較べて、大きな比重を有し、大きなショアD硬度を有し、小さな体積を有する。ゴルフボール10の外側部分、例えば、外側コア層16やカバー層18は、打撃時にもたらされる快適な響きおよび改善された飛距離ゆえに、未熟なプレイヤーにとって有益であるが、ボール内部の硬度を下げることは、伝統的な糸巻ボールに類似した改善したフィーリングおよび制御を増強するために、上級のプレイヤーにとって重要である。
【0161】
中間層14は、熱硬化性ポリブタジエンまたは他のジエンゴムベースの調合、熱可塑性または熱硬化性ポリウレタン、ポリ尿素、部分的または十分に中和されたHNP、メタローセンまたは他のシングルサイト触媒ポリマーを含むポリオレフィン、シリコーンを含むポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルアミド、ポリエステルアミドのような材料、および他の当業界で知られている材料を含んでよい。中間層14は、最も内側のコアおよび最も外側の層の間dの任意の層でよく、複数の中間層14があってよい。
【0162】
ここで採用されるように、以下の用語はつぎのように定義される。
【0163】
反発係数(COR、Coefficient of Restitution):2つの物体の直接衝突のまえの当該2つの物体の間の相対速度に対する衝突後の相対速度の比である。この結果、CoRは0から1.0までの値をとる。1.0のCoR値は完全弾性衝突相当し、ゼロのCoR値は完全な非弾性衝突に相当する。ボーrのCoRは、クラブ打撃後のボールの初速度および飛距離に直接に影響するので、ゴルフボール製造者はゴルフボールを設計、試験するに際して、この特徴に関心を持つ。
【0164】
CORを測定する従来の1手法では、ゴルフボールまたはゴルフボールサブアッセンブリ、空気砲および静止垂直鋼板を用いる。鋼板は約100ポンドすなわち約45kgの重量の衝突面を形成する。一対の弾道光スクリーンがボールの速度を図るために、空気砲および鋼板の間に離間して配置される。ボールは空気砲から鋼板に向かってテスト速度である50ft/s(15.2m/s)から180ft/s(54.9m/s)にわたる範囲を越えて発射される。とくにことわらない限り、この出願で示されるCORデータは125ft/s(38.1m/s)の速度を用いて測定されたものである。ボールが鋼板に向かっている間に、ボールは各光スクリーンを活性化させて各光スクリーンにおける時間が測定される。この測定では、入射時間間隔がボールの入射速度に比例する。ボールは鋼板に衝突して反射して光スクリーンを通り抜けていく。これが光スクリーンの間を進むのに必要な時間間隔を再び測定する。このため、反射時の時間間隔は反射時のボール速度に比例する。CORは、反発係数は反射時間間隔の入射時間間隔に対する比として計算できる。
【0165】
圧縮:かつて、圧縮が、スリーピースのボールコアの回りの巻線の緊張にしたがってゴルフボールの品質を記述するのに用いられた。ソリッドコアゴルフボールでは、圧縮は、単に、圧縮力の下でボールがどれだけ「変形」(deform)するかを示す。測定対象のゴルフボールセンタ、ゴルフボールコア、またはゴルフボールにバネ荷重力を印可して、ニュージャージー州のユニオンシティのAtti Engineering Company製の手動機器(「Attiゲージ」)を用いて、圧縮が測定される。この機器は、Federal Dial Gauge Model D81−Cを装備し、既知の荷重の下で較正バネを用いる。検査対象の球はこのバネに対して0.2インチ(5mm)の距離だけ力を受ける。バネが0.2インチだけ圧縮したら、圧縮は100と評価され、バネが0.1インチだけ圧縮したら圧縮値はゼロと評価される。より分かりやすく説明すると、柔らかい材料は、硬く縮まりにくい材料より、小さなAtti圧縮値を有する。
【0166】
曲げ弾性率(Flexural Modulus):弾性限界内での(たわみモードで測定されたときの)たわみ歪みに対するたわみ応力の比であり、引張係数と類似である。この特性は、材料のたわみ強さを表し、ASTM Test Method D790で測定される。
【0167】
硬度:永久変形に対する抵抗を表す固定材料の特性である。これは種々のスケールで測定できるが、この出願におけるすべての硬度データはショアDデュロメータを用いて測定される。テストはASTM Test Method D2240に従って実行される。このテストの結果は、種々のグレードのポリマーのくぼみに対する相対的な抵抗の有益な尺度である。
【0168】
アイオノマー:電気的に中性の繰り返しユニットと少量のイオンユニット(通常15%以下)の双方を含むコポリマーを有するポリマーとくに高分子電解質である。材料の離散的な領域におけるイオンの相互作用により、アイオノマーは固有の物理特性を有する。
【0169】
比重:物質の密度の、他の物質、典型的には水の密度に対する比である。水の密度は1g/ccであるので、材料に比重は通常密度と等しい。ただし、単位がキャンセルされて無次元である。比重はASTM Test Method D792により測定される。
【0170】
作業例における他の事柄、または、とくに明言しなくとも、すべての数値範囲、量、値、百分率、例えば材料の量についてのこれら、および明細書中の他のものは、たとえその値、量または範囲に関連して用語「約」が表示されていなくとも、「約」がその前に配置されているように読むことができる。したがって、そうでないと示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に表される数のパラメータは近似的であり、これは、この発明により得られることが企図される所望の特性に応じて変化する。最低限でも、もちろん均等論の適用を制約するものではないが、各数のパラメータは記録されている有効数字の数や通常の丸め処理に照らして解釈されるべきである。
【0171】
この発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータは近似的であるけれども、具体例において示された数値は可能な限り正確に記録した。任意の数値は、それでも、それぞれのテスト計測に見いだされる標準偏差に必然的に起因する誤差を含む。さらに、種々のスコープの数値範囲が示される場合には、例示された値を含めた値の任意の組み合わせが利用できると理解されたい。
【0172】
ここに説明した発明の事例的な実施例はこの発明の好ましい実施例を満たすことは明らかであるが、種々の変更や他の実施例を当業者が想到できることを理解されたい。そのような変更の例は上述した数値の若干の変更を含む。したがって、上述の数値および特許請求の範囲の数値がそのような数値を含み、また上述した、また特許請求の範囲に記載した値に近似され、また非常に接近した値を含む。したがって、特許請求の範囲は、そのような変更や他の実施例をすべてカバーするように意図されており、この発明の精神およびスコープの範囲に入ると理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】この発明の第1の実施例に従って製造されたゴルフボールの断面図である。
【図2】この発明の第2の実施例に従って製造されたゴルフボールの断面図である。
【符号の説明】
【0174】
10、20 ゴルフボール
12、22 内側コア
14 中間コア層
16、24 外側コア層
18、26 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮が約60未満の内側コアと、
硬度が少なくとも約55ショアDで、比重が上記内側コアの比重より大きい、上記内側コアを包囲する、少なくとも1つの中間層と、
上記中間層を包囲するカバーとを有し、
上記内側コアの硬度が上記中間層の硬度より小さく、上記カバーの曲げ弾性率(ksi表示。1ksi=6.89MPa)のショアD硬度に対する比が約1.0未満であることを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
上記中間層の曲げ弾性率が上記内側コアの曲げ弾性率より大きい請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
上記中間層の比重が約1.20より大きい請求項1記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記カバーの硬度が少なくとも約60ショアDであり、上記カバーの弾性率が少なくとも約413MPa(60ksi)であり、上記カバーの厚さが約0.076cm(0.03インチ)から約0.13cm(0.5インチ)である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項5】
上記内側コアの反発係数(COR)が上記内側コアおよび上記中間層の連結CORより小さく、さらに上記連結CORが完成したゴルフボールのCORより小さい請求項1記載のゴルフボール。
【請求項6】
内側コアと、
比重が上記内側コアの比重より大きい、上記内側コアを包囲する、少なくとも1つの中間層と、
比重が上記中間層の比重より大きい、上記中間層を包囲する、少なくとも1つの外側コア層と、
比重が上記外側コア層の比重より小さく、上記外側コア層を包囲するカバーとを有し、
上記カバーの曲げ弾性率(ksi表示。1ksi=6.89MPa)のショアD硬度に対する比が約1.0未満であることを特徴とするゴルフボール。
【請求項7】
上記内側コア層の体積が上記外側コア層の体積より大きく、上記カバー層の体積が上記外側コア層の体積より小さい請求項6記載のゴルフボール。
【請求項8】
圧縮が約60未満の内側コアと、
硬度が少なくとも約55ショアDで、比重が上記内側コアの比重より大きい、上記内側コアを包囲する、少なくとも1つの外側コア層と、
上記外側コア層を包囲するカバーとを有し、
上記内側コアの硬度が上記外側コアの硬度より小さく、少なくとも1つのコアそうが高度に中和された熱可塑性アイオノマーを含むことを特徴とするゴルフボール。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−23342(P2008−23342A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−190410(P2007−190410)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY