説明

放電ランプ点灯制御装置及び電源回路

【課題】 放電ランプの点灯制御装置において、最適なランプ制御を安価な構成で実現する。
【解決手段】 定電流制御部5は、インバータ8に制御信号を送ることで、放電ランプの点灯を制御する装置であって、放電ランプのランプ特性を記憶する記憶手段32と、取り付けられた放電ランプの種類情報を取得し、取得した種類情報に基づいて記憶手段32からランプ特性を読み出し、読み出したランプ特性に一致する出力が得られるようにインバータ8に制御信号を送るCPU28とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプ点灯制御装置に関し、特に、定電力制御の前に定電流制御を行う放電ランプ点灯制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放電ランプは、放電気体の圧力によって、低圧放電と高圧放電とに分類される。高圧放電ランプは、さらに、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、ハライドランプ等に分類される。メタルハライドランプは、高蒸気圧水銀放電中に種々の金属ハロゲン化物(メタルハライド)を添加した高圧放電ランプである。
【0003】
これらの放電ランプの点灯を制御する方法としては、一般には、安定状態の点灯時には、消費電力の増加を抑えるために、定電力制御が行われる。一方、メタルハライドランプ等の高圧放電ランプでは、絶縁破壊後の数分間においては点灯電圧が低いため、この期間においては定電流制御が行われている。すなわち、最初に定電流制御を行い、電圧が所定の値に達したら、定電力制御を行う。
放電ランプに電力を供給するための電源装置は、主に、ランプ駆動回路(インバータ)と、それをフィードバック制御するための放電ランプ点灯制御装置とを備えている。
【0004】
ところで、放電ランプの点灯条件として、立ち上げ時の電流値や制御特性を放電ランプの定格ごとに適正に選択する必要がある。選択を間違うと、ランプ電極の劣化を招き、ランプ寿命を早めるおそれがあるからである。
【0005】
上記問題に取り組むために、ランプにメモリを備えたランプユニットを用いた放電ランプ点灯制御装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この装置では、ランプユニットが高圧放電点灯装置に取り付けられると、コントローラがランプユニットのメモリに記憶された最適点灯条件(定格ワット数、変更可能なワット数範囲、適正な点灯周波数、回路ロスの補正値など)を読み込み、データに基づいてランプ駆動回路を制御する。コントローラは、駆動されたランプの点灯状況(点灯時間、電圧/電流値)を記憶し、次回のランプ点灯指示の際に、前回の点灯状況の正常・異常及び累積点灯時間を呼び出して制御する。このようにして、複数種類のランプを電源装置に装着することができる。
【特許文献1】特開平2002−341442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の放電ランプ点灯制御装置では、ランプの交換はランプユニットごと行われるため、複数のランプの数だけ最適点灯条件を記憶したメモリを用意する必要があった。そのため、ランプユニットが高価になり、装置全体も高価になる。
【0007】
本発明の課題は、放電ランプの点灯制御装置において、最適なランプ制御を安価な構成で実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の放電ランプ点灯制御装置は、インバータに制御信号を送ることで放電ランプの点灯を制御する装置であって、放電ランプのランプ特性を記憶する記憶装置と、取り付けられた放電ランプの種類情報を取得し、取得した種類情報に基づいて記憶装置からランプ特性を読み出し、読み出したランプ特性に一致する出力が得られるようにインバータに制御信号を送る制御部とを備えている。
【0009】
この装置では、取り付けられた放電ランプ情報に基づいてランプ特性を制御できるため、複数のランプを安全に使用でき、その結果ランプの寿命を維持できる。特に、放電ランプが記憶手段を有する必要がないため、安価な構成が実現される。
【0010】
請求項2に記載の放電ランプ点灯制御装置では、請求項1において、制御部は、インバータに定電流制御と定電力制御を行わせるように、インバータに制御信号を送る。
【0011】
この装置では、インバータに定電流制御と定電力制御を行わせることができる。
【0012】
請求項3に記載の放電ランプ点灯制御装置では、請求項2において、ランプ特性は、定電力制御時の電力値及びアーク発生のための最低電流値の両方を含んでいる。
【0013】
この装置では、最適な点灯条件で放電ランプを点灯するようにインバータを制御できる。
【0014】
請求項4に記載の放電ランプ点灯制御装置では、請求項2又は3において、定電流制御は、第1定電流制御と、第1定電流制御時の電流値より大きな電流値を出力する第2定電流制御とを含む。
【0015】
この装置では、第2定電流制御の前に第1定電流制御を実行しているため、起動時に電極の温度が急激に上昇するのを防止することができる。この結果、放電ランプの寿命を長くできる。
【0016】
請求項5に記載の放電ランプ制御装置では、請求項5において、第1定電流制御時の電流値は、アーク発生のための最低電流値と同等である。
【0017】
この装置では、第1定電流制御ステップにおいて、起動時に電極の温度を急激に上昇させることなく、確実にアークが発生する。
【0018】
請求項6に記載の放電ランプ制御装置では、請求項4又は5において、定電流制御は、第1定電流制御と第2定電流制御との間に、電流が大きくなっていく電流変化制御をさらに備えている。
【0019】
この装置では、電極が徐々に温められるため、電極の温度が瞬時に上昇することがない。そのため、ランプの寿命を短くすることができる。
【0020】
請求項7に記載の電源回路は、インバータと、インバータを制御可能な請求項1〜6のいずれかに記載の放電ランプ点灯制御装置とを備えている。
この装置では、取り付けられた放電ランプ情報に基づいてランプ特性を制御できるため、複数のランプを安全に使用でき、その結果ランプの寿命を維持できる。特に、放電ランプが記憶手段を有する必要がないため、安価な構成が実現される。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る放電ランプ点灯制御装置及び電源回路では、取り付けられた放電ランプの情報に基づいてランプ特性を制御できるため、複数のランプを安全に使用でき、その結果ランプの寿命を維持できる。特に、放電ランプが記憶手段を有する必要がないため、安価な構成が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1に、本発明の一実施形態としての電源装置1を示す。電源装置1は、メタルハイライドランプのような高圧放電ランプを点灯制御するための装置である。電源装置1は、商用の交流電源から交流電圧が入力される入力端子2と、放電ランプ(図示せず)に直流電圧を出力する出力端子14とを有している。入力端子2と出力端子14の間には、入力側整流器4と、力率改善回路6と、高周波インバータ8と、変圧器10と、出力側整流器12とが、この順番で配置されている。
【0023】
入力側整流器4は、交流電圧を整流及び平滑することで直流電圧に変換するための回路である。
【0024】
高周波インバータ8は、直流電圧を高周波電圧に変換するための直流−高周波変換器である。高周波インバータ8は、複数の半導体スイッチング素子(例えば、IGBT、電力用FET又はバイポーラトランジスタ)を有している。後述の制御回路24からの制御信号によって、半導体スイッチング素子が高速にオンオフを繰り返して、直流信号を高周波信号に変換する。変圧器10は、入力された高周波電圧を降圧して所定の高周波電圧に変換する。出力側整流器12は、高周波電圧を直流電圧に変換する高周波−直流変換器である。以上に述べた、高周波インバータ8、変圧器10、及び出力側整流器12は、直流−直流変換部3として機能している。
【0025】
次に、高周波インバータ8の動作を制御するための電流制御部5について説明する。電流制御部5は、電流検出器16と、第1加算器20と、第1誤差増幅器22と、制御回路24と、CPU28と、記憶手段32とから構成されている。
【0026】
電流検出器16は、出力側整流器12と出力端子14との間に接続されている。電流検出器16は、出力側整流器12から放電ランプに供給される直流電流(負荷電流)を表す負荷電流検出信号(例えば、負荷電流検出電圧)を生成する。電流検出器16からの負荷電流検出電圧は、第1加算器20に供給される。第1加算器20には、CPU28からの基準電圧も供給される。CPU28は、記憶手段32に記憶された各ランプの期間T1〜T3ごとの電流値を読み出して、前述の基準電圧を第1加算器20に供給する。第1加算器20は、負荷電流検出電圧と基準電圧との差分を算出して、第1誤差増幅器22に供給する。差分は、第1誤差増幅器22の負入力端子に供給され、第1誤差増幅器22の正入力端子は、基準電位点、例えば接地電位点に設置されている。したがって、第1誤差増幅器22の出力信号(例えば、出力電圧)は、第1加算器20の出力電圧の符号を反転させたものとなる。
【0027】
第1誤差増幅器22は、出力電圧を制御回路24に供給する。制御回路24は、第1誤差増幅器22の入力電圧がゼロになるように、すなわち、電流検出器16の負荷電流検出電圧がCPU28からの基準電圧と等しくなるように、高周波インバータ8の半導体スイッチング素子の導通期間を制御する。
【0028】
さらに、高周波インバータ8の動作を制御するための定電力制御部7について説明する。定電力制御部7は、電流検出器16(前述)と、電圧検出器18と、乗算器34と、第2加算器36と、第2誤差増幅器38と、制御回路24(前述)と、CPU28(前述)と、出力指令発生部30とから構成されている。
【0029】
電圧検出器18は、出力側整流器12と出力端子14との間に接続されている。電圧検出器18は、出力側整流器12から放電ランプに供給される直流電圧(負荷電圧)を表す負荷電圧検出信号(例えば、負荷電圧検出電圧)を生成する。電圧検出器18からの負荷電圧検出電圧は、乗算器34に供給される。また、電流検出器16からの負荷電流検出電圧も乗算器34に供給され、乗算器34が両電圧値を乗算して負荷電力を表す負荷電力表示信号(例えば、負荷電力表示電圧)を算出し、第2加算器36に供給する。第2加算器36には、CPU28からランプ定電力基準信号としての定電力基準電圧も供給される。CPU28は、出力指令発生部30からの指令に従って、前述の基準電圧を第2加算器36に供給する。第2加算器36は、負荷電力表示電圧と基準電圧との差分を算出して、第2誤差増幅器38に供給する。差分は、第2誤差増幅器38の負入力端子に供給され、第2誤差増幅器38の正入力端子は、基準電位点、例えば接地電位点に設置されている。したがって、第2誤差増幅器38の出力信号(例えば、出力電圧)は、第2加算器36の出力電圧の符号を反転させたものとなる。
【0030】
第2誤差増幅器38は、出力電圧を制御回路24に供給する。制御回路24は、第2誤差増幅器38の入力電圧がゼロになるように、すなわち、乗算器34からの負荷電力検出電圧がCPU28からの定電力基準電圧と等しくなるように、高周波インバータ8の半導体スイッチング素子の導通期間を制御する。
【0031】
図2は、放電ランプごとのランプ特性(電流と電圧の関係)を示すグラフである。Ia,Ibは定電流値であり、W1,W2は定電力値である。
【0032】
電源装置1は、前述したようにメタルハイライドランプのような高圧放電ランプを点灯制御するための装置であり、具体的には定電流制御−定電力制御の順番で点灯制御を行う。以下、その理由について説明する。キセノンランプは、例えば、ガラス管内に陽極と陰極とを数ミリの間隔をおいて配置し、ガラス管内に数気圧のキセノンガスを封入したものである。このキセノンランプの陽極と陰極との間に定電流を流すと、陽極の先端と陰極の先端との間でアーク放電が発生し、以後安定状態の点灯が行われる。一方、キセノンランプを長期間使用してランプ寿命がほとんど無くなると、陽極や陰極が消耗したり、ガラス管内の気圧が低下してキセノンランプのインピーダンスが増加したりする。その結果、動作安定状態でキセノンランプに印加される電圧が上昇する。これによって、キセノンランプの消費電力が増加して、つまりキセノンランプでの発熱が大きくなり、そのため陽極や陰極の溶解が生じるおそれがある。そこで、キセノンランプに印加される電圧が予め定められた電圧値に到達すると、キセノンランプに流れる電流を減少させて、ランプの消費電力を抑制する技術が知られている。特に、キセノンランプに流れる電流を減少させる技術として、出力電圧が基準電圧以上になると定電力制御を行うことが知られている。
【0033】
図3は本発明の一実施形態としての放電ランプの制御動作を説明するためのフローチャートであり、CPU28及びプログラムによって実行される。表1は、記憶手段32に記憶されたあるランプ(定電力値が1kW)の各期間T1〜T4(後述における)電流基準値Irefと電力基準値Prefとを示している。なお、記憶手段32はランプ種類ごとに同様の情報を記憶している。
【表1】

操作者は、図示しない入力装置を用いて、取り付けられる放電ランプを特定する情報(ワット数、定格等の各種情報)を入力する。あるいは、放電ランプ特定する情報は、他の機器やネットワークを介して与えられても良い。
【0034】
ステップS1では、ランプ特定情報が特定されているか否かをチェックする。特定されている場合は、ステップS2に移行して、記憶手段32を参照して、特定されたランプに関する情報が記憶手段32に記憶されているか否かをチェックする。記憶されていない場合は例えばエラー信号を出力してステップS1に戻る。エラー信号が複数回発生したら処理を終了するようにしても良い。特定されたランプに関する情報がある場合は定電力値を出力指令発生部30に通知して、さらにステップS3に移行して電流制御を行い(後述)、さらにステップS4に移行して定電力制御を行う(後述)。
【0035】
次に、図4を用いて、電流制御及び定電力制御を説明する。図4はランプ電流Ioの時間変化を説明するためのグラフである。電源装置1は、下記の放電ランプ制御方法をコンピュータに実施させるための命令を含むコンピュータ・プログラムを備えている。
【0036】
期間T1は、絶縁破壊時t1からアークが安定した時t2までの期間である。期間T1では、CPU28は記憶手段32から読み出した期間T1中の基準電流(例えば、25A)を表す基準電圧を第1加算器20に供給する。第1加算器20は、負荷電流検出電圧と基準電圧との差分を算出して、第1誤差増幅器22に供給する。第1誤差増幅器22は、出力電圧を制御回路24に供給する。制御回路24は、電流検出器16の負荷電流検出電圧がCPU28からの基準電圧と等しくなるように、高周波インバータ8の半導体スイッチング素子の導通期間を制御する。
【0037】
期間T2は、t2からスロープ状に電流の値が上昇する期間である。期間T2では、CPU28は記憶手段32から読み出した期間T2中の基準電流の増加率(例えば、5A/sec)に基づいて基準電圧を第1加算器20に供給する。第1加算器20は、負荷電流検出電圧と基準電圧との差分を算出して、第1誤差増幅器22に供給する。第1誤差増幅器22は、出力電圧を制御回路24に供給する。制御回路24は、電流検出器16の負荷電流検出電圧がCPU28からの基準電圧と等しくなるように、高周波インバータ8の半導体スイッチング素子の導通期間を制御する。なお、期間T1と期間T2を合わせて起動期間と定義する。
【0038】
期間T3は、アーク安定時t3からランプの点灯電圧が所定の値に達する時t4までの点灯開始期間である。期間T3では、CPU28は記憶手段32から読み出した期間T3中の基準電流(例えば、50A)を表す基準電圧を第1加算器20に供給する。第1加算器20は、負荷電流検出電圧と基準電圧との差分を算出して、第1誤差増幅器22に供給する。第1誤差増幅器22は、出力電圧を制御回路24に供給する。制御回路24は、電流検出器16の負荷電流検出電圧がCPU28からの基準電圧と等しくなるように、高周波インバータ8の半導体スイッチング素子の導通期間を制御する。
【0039】
期間T4は、定電力制御の状態になっており放電ランプを各種利用可能な定常点灯期間である。期間T4では、CPU28は、出力指令発生部30からの指令に従って、前述の基準電圧(例えば、定電力値1kWを表す信号)を第2加算器36に供給する。第2加算器36は、負荷電力表示電圧と基準電圧との差分を算出して、第2誤差増幅器38に供給する。第2誤差増幅器38は、出力電圧を制御回路24に供給する。制御回路24は、第2誤差増幅器38の入力電圧がゼロになるように、すなわち、乗算器34からの負荷電力表示電圧がCPU28からの定電力基準電圧と等しくなるように、高周波インバータ8の半導体スイッチング素子の導通期間を制御する。
なお、図4において、Iminは、アークが発生する最低電流値である。Irは、電圧の安定を待つ期間T3に流される基準電流値である。
【0040】
一例として、期間T2の基準電流値Irが100Aとすると、起動時の基準電流値Iminが60A程度と小さな値に設定している。このため、オーバーシュートが発生しても問題にならない。また、500Wのランプでは33Aの定格電流が流れ、7KWのランプでは180Aの定格電流が流れるが、いずれの場合もImin=0.6×Irを成立させると好適な結果が得られる。さらに、期間T2(t2〜t3)は10秒程度であり、期間T3(t3〜t4)は5〜10秒の範囲にある。期間T1(t1〜t2)は1〜2秒の範囲にある。
【0041】
(発明の効果)
定電流制御部5は、インバータ8に制御信号を送ることで放電ランプの点灯を制御する装置であって、放電ランプのランプ特性を記憶する記憶手段32と、取り付けられた放電ランプの種類情報を取得し、取得した種類情報に基づいて記憶装置からランプ特性を読み出し、読み出したランプ特性に一致する出力が得られるようにインバータ8に制御信号を送るCPU28とを備えている。
【0042】
この装置では、取り付けられた放電ランプの情報に基づいてランプ特性を制御できるため、複数のランプを安全に使用でき、その結果ランプの寿命を維持できる。特に、放電ランプが記憶手段を有する必要がないため、安価な構成が実現される。
【0043】
制御部はインバータに定電流制御と定電力制御を行わせるように、インバータに制御信号を送るため、インバータに定電流制御と定電力制御を行わせることができる。
【0044】
ランプ特性は定電力制御時の電力値及びアーク発生のための最低電流値の両方を含んでいるため、最適な点灯条件で放電ランプを点灯するようにインバータを制御できる。
【0045】
ランプ特性は、前記制御信号を送り出すための指令値として表されている。さらに、各指令値は、定電圧制御時の電圧値及びアーク発生のための最低電流値の組合せによって指定されるため、最適な点灯条件で放電ランプを点灯するようにインバータを制御できる。
【0046】
定電流制御は第1定電流制御と、第1定電流制御時の電流値より大きな電流値を出力する第2定電流制御とを含み、さらに第2定電流制御の前に第1定電流制御を実行しているため、起動時に電極の温度が急激に上昇するのを防止することができる。この結果、放電ランプの寿命を長くできる。
【0047】
第1定電流制御時の電流値は、アーク発生のための最低電流値と同等であるため、第1定電流制御ステップにおいて、起動時に電極の温度を急激に上昇させることなく確実にアークが発生する。
【0048】
定電流制御は、第1定電流制御と第2定電流制御との間に、電流が大きくなっていく電流変化制御をさらに備えているため、電極が徐々に温められるため、電極の温度が瞬時に上昇することがない。
【0049】
(他の実施形態)
前記実施形態は本発明の一実施例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態としての光源用電源の回路ブロック図。
【図2】放電ランプの定格ごとの定電力特性(電流−電圧特性)線図。
【図3】本発明の一実施形態としての放電ランプ点灯制御動作を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明の一実施形態としての放電ランプ点灯制御動作を説明するためのグラフであり、時間をパラメータにしたランプ電流の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
【0051】
1 電源装置
2 入力端子
3 直流−直流変換部
4 入力側整流器
5 電流制御部
6 力率改善回路
7 定電圧制御部
8 高周波インバータ
10 変圧器
12 出力側整流器
14 出力端子
16 電流検出器
18 電圧検出器
20 第1加算器
22 第1誤差増幅器
24 制御回路
28 CPU
30 出力指令発生部
32 記憶手段
34 乗算器
36 第2加算器
38 第2誤差増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータに制御信号を送ることで放電ランプの点灯を制御する装置であって、
前記放電ランプのランプ特性を記憶する記憶装置と、
取り付けられた放電ランプの種類情報を取得し、取得した種類情報に基づいて前記記憶装置からランプ特性を読み出し、読み出したランプ特性に一致する出力が得られるように前記インバータに制御信号を送る制御部と、
を備えた放電ランプ点灯制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記インバータに定電流制御と定電力制御を行わせるように、前記インバータに制御信号を送る、請求項1に記載の放電ランプ点灯制御装置。
【請求項3】
前記ランプ特性は、定電力制御時の電力値及びアーク発生のための最低電流値の両方を含んでいる、請求項2に記載の放電ランプ点灯制御装置。
【請求項4】
前記定電流制御は、第1定電流制御と、前記第1定電流制御時の電流値より大きな電流値を出力する第2定電流制御とを含む、請求項2又は3に記載の放電ランプ点灯制御装置。
【請求項5】
前記第1定電流制御時の電流値は、アーク発生のための最低電流値と同等である、請求項4に記載の放電ランプ点灯制御装置。
【請求項6】
前記定電流制御は、前記第1定電流制御と前記第2定電流制御との間に、電流が大きくなっていく電流変化制御をさらに備えている、請求項4又は5に記載の放電ランプ点灯制御装置。
【請求項7】
インバータと、
前記インバータを制御可能な請求項1〜6のいずれかに記載の放電ランプ点灯制御装置と、
を備えた電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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