説明

放電灯点灯回路

【課題】チョッパ回路への入力電源電圧の値が低下した場合でも、チョッパ回路を構成する各素子を流れる電流量の増大を抑え、各素子の発熱量が増加するのを防いだ放電灯点灯回路を提供する。
【解決手段】放電灯点灯回路1では、入力電源電圧の値が100V未満に(例えば実効電圧90Vに)低下した場合、入力電源電圧の値が低下した分、管電流の電流量が低下する。よって、入力電源電圧の値が100V未満に低下しても管電流の電流量がその分低下するため、昇圧チョッパ回路20を構成する各素子(チョッパスイッチ素子Tr1やダイオードD5等)を流れる電流量の増大を抑えることができる。従って、この実施形態の放電灯点灯回路1によれば、入力電源電圧の値が100V未満に低下した場合でも、昇圧チョッパ回路20を構成する各素子の発熱量が増加するのを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は照明用蛍光灯や液晶表示装置のバックライト用冷陰極管等の放電灯の点灯回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、力率改善用の昇圧チョッパ回路とインバータ回路とを備えた放電灯点灯回路が用いられている(特許文献1参照)。
この特許文献1に示されている従来の放電灯点灯回路の構成を、図1を参照して説明する。
【0003】
図1は、特許文献1に示されている放電灯点灯回路の構成を示す回路図である。図2は、図1における昇圧チョッパ回路へ入力される入力電源電圧の値と放電灯の光出力レベルとの関係を示すグラフである。
【0004】
図1に示すように、放電灯点灯回路は、ダイオードブリッジ34と、昇圧チョッパ回路30と、インバータ回路とを備える。ダイオードブリッジ34は、商用交流電源32の出力を全波整流する。このダイオードブリッジ34の出力側のチョッパ35および平滑コンデンサ38は昇圧チョッパ回路30を構成している。一方、インバータスイッチ素子Q1,Q2、コンデンサ40、誘導リアクトル41、及び共振コンデンサ42はインバータ回路を構成している。
【0005】
昇圧チョッパ回路30は、ダイオードブリッジ34から入力される入力電源電圧(例えば実効電圧100V)をチョッパスイッチ素子に対するスイッチング制御により昇圧し、電源電圧(例えばDC360V)を平滑コンデンサ38から出力する。
【0006】
インバータ回路は、昇圧チョッパ回路30から出力された電源電圧をインバータスイッチ素子Q1,Q2により高周波スイッチングし、このスイッチング周波数に応じた高周波電圧を放電灯37に印加する。これにより、管電流が放電灯37に流れ、放電灯37が発光する。
【0007】
ここで、上記昇圧チョッパ回路30では、ダイオードブリッジ34から入力される入力電源電圧が変動しても、昇圧チョッパ回路30の出力が一定電圧になるようスイッチング制御される。そのため、インバータ回路に入力される電源電圧の電圧値は、昇圧チョッパ回路30に入力される入力電源の電圧値によらず一定となる。従って、従来の放電灯点灯回路では、当該スイッチング制御により、入力電源の電圧値が例えば90%から110%の範囲で変動しても、放電灯の光出力レベルが変化しない構成となっている(図2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−110584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の放電灯点灯回路において、入力電源電圧の値が100%未満に(例えば実効電圧90Vに)低下した場合、その入力電源電圧を昇圧して同じ電源電圧(例えばDC360V)を生成すると、次のような事象が起こる。即ち、昇圧チョッパ回路30では、入力電源電圧の値が低下した分、昇圧チョッパ回路30を構成する各素子(チョッパスイッチ素子のトランジスタ等)を流れる電流量が増大することになる。
【0010】
そのため、従来の放電灯点灯回路では、電圧値が低下した入力電源電圧を昇圧して同じ電源電圧を生成した場合、昇圧チョッパ回路30を構成する各素子の発熱量が増加してしまうという問題があった。特に、入力電源電圧が著しく低下した場合(例えば実効電圧80V以下に低下した場合)には、昇圧チョッパ回路30を構成する各素子の発熱量が極めて大きくなってしまうという問題があった。
よって、従来の放電灯点灯回路を実装した照明器具を作成する場合、入力電源電圧が低下することを想定して、各素子の温度上昇を抑えるために放熱能力の高い放熱機構を設ける必要があった。従って、製造コスト高や器具本体の大型化の一因となっていた。
【0011】
そこで、この発明の目的は、チョッパ回路への入力電源電圧の値が低下した場合でも、チョッパ回路を構成する各素子を流れる電流量の増大を抑え、各素子の発熱量が増加するのを防いだ放電灯点灯回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)入力電源に対して直列接続されたチョークコイルと、オン時に前記チョークコイルを入力電流で励磁する、シャントに接続されたチョッパスイッチ素子と、このチョッパスイッチ素子のオフ時に前記チョークコイルからの放電電圧を充電するコンデンサと、を含み、入力電源電圧を昇圧した電源電圧を出力するチョッパ回路と、
前記チョッパ回路から出力された前記電源電圧を入力するとともに高周波スイッチングするインバータスイッチ素子と、前記インバータスイッチ素子と放電灯との間に設けた誘導リアクトルとを含むインバータ回路と、を備えた放電灯点灯回路において、
前記インバータ回路は、
前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値が一定値以上であるとき、前記インバータスイッチ素子のスイッチング周波数に応じた高周波電圧を前記放電灯に印加して、第1の管電流を前記放電灯に供給し、
前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値が前記一定値未満であるとき、前記スイッチング周波数を前記入力電源電圧値に応じた前記スイッチング周波数に設定して、前記第1の管電流より少ない電流量の第2の管電流を前記放電灯に供給する放電灯点灯回路。
【0013】
この構成において、チョッパ回路への入力電源電圧の値が一定値未満に低下した場合、インバータ回路は、入力電源電圧の値が低下した分、管電流の電流量を低下させる。
よって、入力電源電圧の値が一定値未満に低下しても管電流の電流量がその分低下するため、チョッパ回路を構成する各素子を流れる電流量の増大を抑えることができる。従って、この構成によれば、入力電源電圧の値が一定値未満に低下した場合でも、チョッパ回路を構成する各素子の発熱量が増加するのを防ぐことができる。
また、この構成における放電灯点灯回路を実装した照明器具を作成する場合、入力電源電圧が低下する場面を想定しなくとも済むため、放熱能力の低い簡素な放熱機構を設けるだけで済む。従って、製造コスト高や器具本体の大型化を防ぐことができる。
【0014】
(2)前記一定値未満の複数の入力電源電圧値と、前記複数の入力電源電圧値のそれぞれに応じた電流量の前記管電流を生成する複数のスイッチング周波数とを対応付けて予め記憶する変換テーブルと、
前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値を検出する検出回路と、を備え、
前記インバータ回路は、前記検出回路で検出された前記入力電源電圧値が前記一定値未満であるとき、前記スイッチング周波数を、前記検出回路で検出された前記入力電源電圧値が前記変換テーブルにおいて対応する前記スイッチング周波数に設定して、前記第2の管電流を前記放電灯に供給する。
【0015】
この構成では、チョッパ回路への入力電源電圧値の検出を、上記検出回路を設けることにより達成している。
【0016】
(3)前記チョッパ回路は、前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値に応じたパルス幅のスイッチ信号を生成し、前記スイッチ信号を前記チョッパスイッチ素子に出力して前記チョッパスイッチ素子を駆動するスイッチ回路を含み、
前記インバータ回路は、前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値が前記一定値未満であることを前記スイッチ信号のパルス幅で検出したとき、前記スイッチング周波数を前記パルス幅に応じた前記スイッチング周波数に設定して、前記第2の管電流を前記放電灯に供給する。
【0017】
この構成において、チョッパ回路は、入力電源電圧の値に応じたパルス幅のスイッチ信号を生成し、スイッチ信号をチョッパスイッチ素子に出力して駆動する。そのため、この構成では、スイッチ信号のパルス幅で入力電源電圧の値を検出することができる。
【0018】
(4)前記インバータ回路は、前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値が前記一定値未満であるとき、前記スイッチング周波数を、前記入力電源電圧値に応じた前記スイッチング周波数へ時間の経過とともに徐々に変化させて、前記第2の管電流へ徐々に下げる。
【0019】
この構成では、入力電源電圧の値が一定値未満に低下した場合、管電流の電流量が徐々に低下していくため、放電灯の光量の変化をユーザに感じさせなくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、チョッパ回路への入力電源電圧の値が低下した場合でも、チョッパ回路を構成する各素子を流れる電流量の増大を抑え、各素子の発熱量が増加するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】特許文献1に示されている放電灯点灯回路の構成を示す回路図である。
【図2】図1における昇圧チョッパ回路へ入力される入力電源電圧の値と放電灯の光出力レベルとの関係を示すグラフである。
【図3】第1の実施形態に係る放電灯点灯回路のブロック図である。
【図4】図3における変換テーブルの記述内容の一例を示す図である。
【図5】図3における昇圧チョッパ回路の動作を示す波形である。
【図6】第1の実施形態に係る放電灯点灯回路のマイクロコンピュータがチョッパ制御において行う動作を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る放電灯点灯回路のマイクロコンピュータがインバータ制御において行う動作を示すフローチャートである。
【図8】図3における昇圧チョッパ回路へ入力される入力電源電圧の値と放電灯の光出力レベルとの関係を示すグラフである。
【図9】第2の実施形態に係る放電灯点灯回路のマイクロコンピュータがインバータ制御において行う動作を示すフローチャートである。
【図10】第3の実施形態に係る放電灯点灯回路のブロック図である。
【図11】第3の実施形態に係る放電灯点灯回路のマイクロコンピュータがチョッパ制御において行う動作を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態に係る放電灯点灯回路のマイクロコンピュータがインバータ制御において行う動作を示すフローチャートである。
【図13】図10における昇圧チョッパ回路へ入力される入力電源電圧の値と放電灯の光出力レベルとの関係を示すグラフである。
【図14】図10における昇圧チョッパ回路へ入力される入力電源電圧の値が100%Vから97%Vに低下したときにおけるパルス幅の変化と放電灯の光出力レベルの変化とを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
《第1の実施形態》
この発明の第1の実施形態に係る放電灯点灯回路について各図を参照して説明する。
図3は、同放電灯点灯回路の全体のブロック図である。放電灯点灯回路1は、図3に示すように、ダイオードブリッジDBと、昇圧チョッパ回路20と、インバータ回路21とを備える。ダイオードブリッジDBは、商用交流電源ACの出力を全波整流する。このダイオードブリッジDBの出力側には、直列に接続したチョークコイルL1、シャントに接続したチョッパスイッチ素子Tr1、逆流防止ダイオードD5、および平滑コンデンサC4からなる昇圧チョッパ回路20を設けている。一方、インバータスイッチ素子Tr2,Tr3、誘導リアクトルL2、コンデンサC18,C19はインバータ回路21を構成している。
【0023】
昇圧チョッパ回路20は、ダイオードブリッジDBから入力される入力電源電圧(この実施形態では実効電圧100V)をチョッパスイッチ素子Tr1に対するスイッチング制御により昇圧し、電源電圧(この実施形態ではDC360V)を平滑コンデンサC4から出力する。
【0024】
インバータ回路21は、昇圧チョッパ回路20から出力された電源電圧をインバータスイッチ素子Tr2,Tr3により高周波スイッチングし、このスイッチング周波数(以下、ハーフブリッジ周波数と称する。)に応じた高周波電圧を放電灯FLに印加する。これにより、管電流が放電灯FLに流れ、放電灯FLが発光する。
【0025】
なお、昇圧チョッパ回路20及びスイッチ素子駆動回路13が、本発明の「チョッパ回路」に相当する。また、インバータ回路21、及びハーフブリッジ駆動回路17が、本発明の「インバータ回路」に相当する。
また、この実施形態では、放電灯点灯回路を昇圧チョッパ回路により構成しているが、実施の際は、放電灯点灯回路を昇降圧チョッパ回路により構成しても構わない。
【0026】
また、図3に示すように、チョッパスイッチ素子Tr1のゲートには、このチョッパスイッチ素子Tr1を駆動するスイッチ素子駆動回路13を設けている。マイクロコンピュータ10は矩形波信号Ssをスイッチ素子駆動回路13へ出力することによってチョッパスイッチ素子Tr1をオン・オフする。
【0027】
また、商用交流電源ラインと接地との間には交流入力検出回路11を備えていて、マイクロコンピュータ10は交流入力検出回路11から出力される検出信号に基づいて交流入力の有無を検知する。
【0028】
また、ダイオードブリッジDBとチョークコイルL1との間には電源電圧検出回路19を備えている。マイクロコンピュータ10は、電源電圧検出回路19から出力される検出信号に基づいて、昇圧チョッパ回路20に入力される入力電源電圧の実効値を読み取るとともにA/D変換し、その変換値をPS_INPUT_LVとして求める。また、マイクロコンピュータ10は、一定電圧値である100V未満の複数の入力電源電圧値と、複数の入力電源電圧値のそれぞれに応じた電流量の管電流を生成する複数のハーフブリッジ周波数とが対応付けて予め記述された変換テーブル10Aを内蔵のROM(不図示)に保存している(図4参照)。
【0029】
チョークコイルL1の二次側にはチョークコイル出力検出回路12を設けている。マイクロコンピュータ10はこの検出回路12から出力される検出信号Scに基づいてチョッパスイッチ素子Tr1のオンタイミングを制御する。
【0030】
制御回路用電源回路14は、昇圧チョッパ回路20の出力電圧(360V)を入力し、マイクロコンピュータ10やハーフブリッジ駆動回路17等の制御回路用の電源電圧(14Vおよび5V)を出力する。
【0031】
インバータ回路21のインバータスイッチ素子Tr2,Tr3の各ゲート端子にはハーフブリッジ駆動回路17を接続している。このハーフブリッジ駆動回路17はマイクロコンピュータ10からの制御信号に基づいてインバータスイッチ素子Tr2,Tr3を交互にオン・オフする。
【0032】
寿命・末期検出回路18は、放電灯FLのフィラメントに流れる電流および電極間電圧(管電圧)を検出する。マイクロコンピュータ10はこの寿命・末期検出回路18からの信号に基づいて放電灯FLの寿命および末期の検出を行う。
【0033】
電源電圧検出回路15は、昇圧チョッパ回路20の出力電圧(360V)を検出する。マイクロコンピュータ10は、この電源電圧検出回路15による検出信号によって昇圧チョッパ回路20の出力電圧の電圧値PFC_OUT_LVを検知する。
【0034】
リモコン受光回路16は赤外線リモコンからの送信信号を受光する回路であり、マイクロコンピュータ10はこのリモコン受光回路16による検出信号に応じて調光制御および点灯/消灯制御を行う。
【0035】
図5は、図3に示したチョークコイルL1の電流、スイッチング制御信号Ssおよびチョークコイル電圧検出信号Scとの関係を示す波形図である。マイクロコンピュータ10は、プログラマブルワンショットパルス発生モードを備えていて、内部トリガおよび外部トリガにより、所定時間のワンショットパルスを出力する。
【0036】
マイクロコンピュータ10は、昇圧チョッパ回路を起動する際、図5のt0に示すように、一定時間(Ton)持続するワンショットパルスをスイッチング制御信号Ssとして発生する。これにより、チョッパスイッチ素子Tr1がオンしてチョークコイルL1に流れる電流が上昇する。一定時間(Ton)の経過後、t1でスイッチング制御信号Ssがローレベルになると、チョークコイルL1の電流は下降することになる。その後、t2でチョークコイルL1の電流が変化する(折り返す)ことによりチョークコイル電圧検出信号Scのレベルが反転する。マイクロコンピュータ10は、チョークコイル電圧検出信号Scの立ち上がりを外部トリガとして一定時間(Ton)持続するワンショットパルスをスイッチング制御信号Ssとして発生する。以降、同様の処理を繰り返すことによって、図3に示した昇圧チョッパ回路20を動作させる。
【0037】
なお、マイクロコンピュータ10は電源電圧検出回路15による検出信号に基づいてスイッチング制御信号Ssのハイレベルの期間Tonを制御し、昇圧チョッパ回路20の出力電圧(360V)を安定化する。
【0038】
次に、マイクロコンピュータ10の具体的な処理内容を、図6と図7に示すフローチャートを基に説明する。
図6は昇圧チョッパ回路の出力電圧安定化のための処理手順を示すフローチャートである。この動作は、例えば1msごとのタイマ割り込みにより動作する。ここでPFC_OPERATEは、マイクロコンピュータ10内のROM(不図示)に予め保存されているメインプログラムにより設定されるフラグである。このPFC_OPERATEは、PFC_OPERATE=0で停止状態、PFC_OPERATE=1で動作状態となる。
【0039】
図6に示すように、まずPFC_OPERATE=1、すなわち昇圧チョッパ回路を動作させるモードであれば、フラグF_PFC_OPの状態を判定する(S11→S12)。このフラグF_PFC_OPは外部トリガによってワンショットパルスを発生する状態を示すものであり、最初はリセット状態である。そのため、まずタイマZをスタートさせる(ワンショットパルスを発生する)とともに上記フラグF_PFC_OPをセットする(S11→S12→S13→S14)。このタイミングが図5に示したt0に相当する。
【0040】
上記フラグF_PFC_OPがセット状態となった以降は、図5のt2に示したように、チョークコイル電圧検出信号Scの立ち上がりがトリガとなってワンショットパルスが発生される。このフラグF_PFC_OPがセット状態であるときは、1msのタイマ割り込み毎に、図3に示した電源電圧検出回路15による検出電圧を読み取るとともにA/D変換し、その変換値をPFC_OUT_LVとして求める(S11→S12→S15)。この値が360Vに相当する値に達していなければ、タイマの設定値TZPRを所定量だけ増加する(S16→S17)。上記値が360Vを超える値であれば、タイマの設定値TZPRを所定量だけ減少させる(S18→S19)。タイマの設定値TZPRは上記ワンショットパルスの幅を決定する値であるので、以上の処理を繰り返すことによって昇圧チョッパ回路20の出力電圧が安定化する。
【0041】
メインプログラムにより前記フラグPFC_OPERATEが0に設定されれば、タイマZを停止し、フラグF_PFC_OPをリセットする(S20→S21)。これにより昇圧チョッパ回路の動作が停止する。
【0042】
図7は、同じくタイマ割り込みにより1msごとに実行されるインバータ制御の処理手順を示すフローチャートである。ここでINV_OPERATEはメインプログラムにより設定されるフラグであり、INV_OPERATE=0でインバータ停止(放電灯消灯)、INV_OPERATE=1でインバータ動作(放電灯点灯)となる。またINV_OP_MODEはインバータのモードを表すステータスである。このインバータ制御では、起動時からの時間をカウントし、「予熱」→「始動」→「点灯」の順にモードを切り換えていく。
【0043】
まず、マイクロコンピュータ10は、INV_OP_MODE=「停止」であれば、INV_OP_MODE=「予熱」にし、インバータの出力周波数を予熱用の周波数に設定し、インバータを動作させ、さらにタイマINV_TMCをリセットする(S31→S32→S33→S34)。ここで、出力周波数の設定はマイクロコンピュータ10からハーフブリッジ駆動回路17への出力周波数設定信号Sfにより行う。また、マイクロコンピュータ10からハーフブリッジ駆動回路17へのインバータ制御信号Siを出力することによりインバータ回路21を動作させる。
【0044】
INV_OP_MODE=「予熱」になれば、マイクロコンピュータ10は、予熱処理を行う(S35→予熱処理)。この予熱処理では、インバータ回路21の出力周波数を予熱用の周波数に設定し、インバータ回路21を動作させる。これにより、放電灯FLの予熱が行われる。
【0045】
INV_OP_MODEが「始動」となれば、マイクロコンピュータ10は、始動処理を行う(S48→始動処理)。この始動処理では、インバータ回路21の出力周波数を始動用の周波数に設定し、インバータ回路21を動作させる。
【0046】
上記始動処理の中で始動に成功したことを判定すれば、マイクロコンピュータ10は、INV_OP_MODEを「点灯」に切り換える。これにより点灯処理へ移る(S50→点灯処理)。この点灯処理では、調光設定された段階の光量で放電灯FLが点灯するように、インバータ回路21の出力周波数を設定する。以下、この点灯処理について詳述する。
【0047】
INV_OP_MODE=「点灯」になれば、マイクロコンピュータ10は、寿命・末期検出回路18からのアナログ電圧信号を読み取り、そのA/D変換値に応じてランプの寿命(フィラメントの断線)および末期の判定を行い、必要に応じてインバータ動作を停止する(S51)。
【0048】
次に、マイクロコンピュータ10は、電源電圧検出回路19から出力される検出信号に基づいて、昇圧チョッパ回路20に入力される入力電源電圧の実効値を読み取るとともにA/D変換し、その変換値をPS_INPUT_LVとして求める(S52)。
【0049】
そして、マイクロコンピュータ10は、昇圧チョッパ回路20に入力される入力電源電圧の値PS_INPUT_LVが一定値(この実施形態では100V)以上であるかどうか判定する(S53)。
【0050】
入力電源電圧の値PS_INPUT_LVが一定値以上である場合、マイクロコンピュータ10は、ハーフブリッジ周波数を100%用のハーフブリッジ周波数(デフォルトの周波数)に設定する(S54)。これにより、100%用のハーフブリッジ周波数(数十kHz)に応じた第1の管電流が放電灯FLに流れ、通常の光量で放電灯FLが発光する(図8参照)。S54では、昇圧チョッパ回路20への入力電源電圧が一定値以上あるため、昇圧チョッパ回路20を構成する各素子(チョッパスイッチ素子Tr1やダイオードD5等)を流れる電流量が増大することが無い。
【0051】
一方、S53において入力電源電圧の値PS_INPUT_LVが一定値(この実施形態では100V)未満である場合、マイクロコンピュータ10は、入力電源電圧値PS_INPUT_LVに対応するスイッチング周波数を図4に示す変換テーブル10Aから読み取って、そのスイッチング周波数をハーフブリッジ駆動回路17に設定する(S55)。例えば、電源電圧検出回路19で検出された入力電源電圧値PS_INPUT_LVが90Vであった場合、マイクロコンピュータ10は90%用のハーフブリッジ周波数をハーフブリッジ駆動回路17に設定する。ここで、100%未満用のハーフブリッジ周波数は、100%用のハーフブリッジ周波数より高く、PS_INPUT_LVが低くなっていくにつれて周波数の値が高くなる(図4参照)。このため、S55において100V未満用のハーフブリッジ周波数が設定された場合、放電灯FLには、100%用のハーフブリッジ周波数に応じた第1の管電流より電流量の少ない第2の管電流が流れる。この結果、通常の光量より少ない光量で放電灯FLが発光する(図8参照)。そのため、この実施形態の放電灯点灯回路1では、入力電源電圧の値が100V未満に(例えば実効電圧90Vに)低下した場合、入力電源電圧の値が低下した分、管電流の電流量が低下する。
【0052】
よって、入力電源電圧の値が100V未満に低下しても管電流の電流量がその分低下するため、昇圧チョッパ回路20を構成する各素子(チョッパスイッチ素子Tr1やダイオードD5等)を流れる電流量の増大を抑えることができる。従って、この実施形態の放電灯点灯回路1によれば、入力電源電圧の値が100V未満に低下した場合でも、昇圧チョッパ回路20を構成する各素子(チョッパスイッチ素子Tr1やダイオードD5等)の発熱量が増加するのを防ぐことができる。
【0053】
また、放電灯点灯回路1を実装した照明器具を作成する場合、入力電源電圧が低下する場面を想定しなくとも済むため、放熱能力の低い簡素な放熱機構を設けるだけで済む。従って、製造コスト高や器具本体の大型化を防ぐことができる。
【0054】
なお、ステップS90はINV_OP_MODEが上記、「異常停止」、「停止」、「予熱」、「始動」、「点灯」以外のモードでの処理である。
また、メインプログラムでINV_OPERATE=0にされれば、マイクロコンピュータ10は、INV_OP_MODEを「停止」にするとともにインバータ回路21を停止する(S31→S91→S92)。また、メインプログラムでINV_OP_MODEを「異常停止」にされれば、マイクロコンピュータ10は、インバータ回路21を停止する(S32→S93)。
【0055】
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る放電灯点灯回路における構成は、図3に示す放電灯点灯回路1と同じである。第2の実施形態に係る放電灯点灯回路のマイクロコンピュータがチョッパ制御において行う動作も、図3に示す放電灯点灯回路1と同じである。図9は、第2の実施形態に係る放電灯点灯回路のマイクロコンピュータがインバータ制御において行う動作を示すフローチャートである。この動作は、図7におけるS55をS56に置き換えてS57〜S63を追加した動作であり、その他の処理(S31〜S35、S40、S50、S90〜S93)については同じである。
【0056】
まず、入力電源電圧の値PS_INPUT_LVが一定値以上である場合、マイクロコンピュータ10は、ハーフブリッジ周波数を100%用のハーフブリッジ周波数(デフォルトの周波数)に設定する(S54)。
【0057】
しかし、S54の後に、入力電源電圧の値PS_INPUT_LVが一定値(この実施形態では100V)未満に低下した場合、マイクロコンピュータ10は、入力電源電圧値PS_INPUT_LVに対応するスイッチング周波数HB_FREQを図4に示す変換テーブル10Aから読み取って、そのスイッチング周波数HB_FREQを目標周波数として決定する(S53のN→S56)。例えば、電源電圧検出回路19で検出された入力電源電圧値PS_INPUT_LVが90Vであった場合、マイクロコンピュータ10は90%用のハーフブリッジ周波数を目標周波数として決定する。
【0058】
次に、マイクロコンピュータ10は、内蔵するタイマー回路(不図示)のタイマーINV_TMCをスタートする(S57)。
なお、既にタイマーINV_TMCがスタートしている場合、マイクロコンピュータ10は、S57の処理をスルーする。
【0059】
そして、マイクロコンピュータ10は、所定時間が経過する毎に、スイッチング周波数HB_FREQ_OUTを、入力電源電圧値PS_INPUT_LVに対応する目標周波数HB_FREQに1ステップずつ近づける(S58〜S63)。所定時間および1ステップは、放電灯FLの光量の変化をユーザに感付かれない時間および周波数幅に予め設定する。所定時間は、例えば1秒に設定し、当該1ステップは、例えば1kHz又は500Hzに設定する。
【0060】
そして、スイッチング周波数HB_FREQ_OUTが目標周波数HB_FREQになったとき、処理を終了する(S62のN)。そのため、この実施形態では、放電灯FLを流れる管電流の電流量が、目標周波数に応じた電流量に徐々に近づいていく。即ち、放電灯FLの発光量が徐々に変化する。
【0061】
従って、この実施形態によれば、入力電源電圧の値が100V未満に(例えば実効電圧90Vに)低下した場合、管電流の電流量が徐々に低下していくため、放電灯FLの光量の変化をユーザに感じさせなくすることができる。
【0062】
《第3の実施形態》
図10は、本発明の第3実施形態に係る放電灯点灯回路2の構成を示す回路図である。この実施形態に係る放電灯点灯回路2が、実施形態に係る放電灯点灯回路1と相違する点は、電源電圧検出回路19及び変換テーブル10Aを除いた点である。
【0063】
上述したように、昇圧チョッパ回路20は、昇圧チョッパ回路20に入力される入力電源電圧の値が例えば90Vから110Vの範囲で変動しても、一定値の電源電圧をコンデンサC4からインバータ回路21に出力する。これは、昇圧チョッパ回路20が、コンデンサC4の充電電圧の値を一定にするために、入力電源電圧の値に応じてスイッチング制御信号Ssのパルス幅Tonを調整することにより達成している(図6のS17とS19)。即ち、スイッチング制御信号Ssのパルス幅Tonで、入力電源電圧の値を検出することが可能である。
【0064】
そこで、この実施形態における放電灯点灯回路2では電源電圧検出回路19及び変換テーブル10Aを除いている。そして、放電灯点灯回路2におけるマイクロコンピュータ10は、以下に示すチョッパ制御とインバータ制御を行う。
【0065】
図11は、本発明の第3実施形態に係る放電灯点灯回路2のマイクロコンピュータ10がチョッパ制御で行う動作を示すフローチャートである。この動作は、図6の動作にS22〜S27を追加した動作であり、その他の処理(S11〜S21)については同じである。また、タイマの設定値TZPRは、上述したように、スイッチング制御信号Ssのパルス幅Tonを決定する値である。
【0066】
まず、S17〜S19の後、マイクロコンピュータ10は、現在のタイマの設定値TZPRが入力電源電圧100Vの時のパルス幅PFC_Ton_100より大きい値かどうか判定する(S22)。
【0067】
現在のタイマの設定値TZPRがパルス幅PFC_Ton_100より小さい場合、即ち入力電源電圧が100V以上である場合、マイクロコンピュータ10は、内蔵のフラグF_PFC_GT100をオフし(S23)、処理を終了する。
【0068】
一方、現在のタイマの設定値TZPRがパルス幅PFC_Ton_100より大きい場合、即ち入力電源電圧が100V未満である場合、マイクロコンピュータ10は、内蔵のフラグF_PFC_GT100をオンする(S24)。
【0069】
そして、マイクロコンピュータ10は、現在のタイマの設定値TZPRが入力電源電圧85Vの時のパルス幅PFC_Ton_85より大きい値かどうか判定する(S25)。
【0070】
現在のタイマの設定値TZPRがパルス幅PFC_Ton_85より小さい場合、即ち入力電源電圧が85V以上である場合、マイクロコンピュータ10は、内蔵のフラグF_PFC_GT85をオフし(S26)、処理を終了する。
【0071】
一方、現在のタイマの設定値TZPRがパルス幅PFC_Ton_85より大きい場合、即ち入力電源電圧が85V未満である場合、マイクロコンピュータ10は、内蔵のフラグF_PFC_GT85をオンし(S27)、処理を終了する。
【0072】
図12は、本発明の第3実施形態に係る放電灯点灯回路2のマイクロコンピュータ10がインバータ制御で行う動作を示すフローチャートである。図13は、図10における昇圧チョッパ回路21へ入力される入力電源電圧の値と放電灯FLの光出力レベルとの関係を示すグラフである。図14は、図10における昇圧チョッパ回路21へ入力される入力電源電圧の値が100%Vから97%Vに低下したときにおけるパルス幅Tonの変化と放電灯FLの光出力レベルの変化とを示すタイミングチャートである。ここで、図12に示す動作は、図9のS52〜S56とS60〜S63を削除してS71〜S77を追加した動作であり、その他の処理(S31〜S35、S40、S50、S51、S57〜S59、S90〜S93)については同じである。
【0073】
S59の後、マイクロコンピュータ10は、内蔵のフラグF_PFC_GT100がオン状態にあるかどうか判定する(S71)。
【0074】
フラグF_PFC_GT100がオン状態になければ、即ち入力電源電圧が100V以上である場合、マイクロコンピュータ10は、現在設定しているハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTが100%用ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_100より高いかどうか判定する(S72)。
【0075】
ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTが100%用ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_100より高い場合、マイクロコンピュータ10は、ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTを−1ステップして、100%用ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_100に近づける(S73)。ここで、1ステップの幅は、例えば1kHz又は500Hzである。
なお、この実施形態においても、マイクロコンピュータ10はタイマーをカウントするため、S73の処理も所定時間(この実施形態では1秒)毎に行われる。
【0076】
そして、S73を所定時間毎に所定回数行うことにより、ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTが100%用ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_100と同じ値になると、マイクロコンピュータ10は、処理を終了する(S72のN)。これにより、放電灯FLには、100Vの入力電源電圧に対応する管電流が供給されるため、放電灯FLの光出力レベルは100%に収束する(図13参照)。
【0077】
しかし、この後、入力電源電圧の値が一定値(この実施形態では100V)未満に低下した場合、パルス幅Tonがパルス幅PFC_Ton_100より大きくなるため、マイクロコンピュータ10は、図11に示すチョッパ制御においてフラグF_PFC_GT100をオンする(S24)。例えば、図14(A)に示すように100%Vから97%Vに低下した場合(時点ts参照)、図14(B)に示すようにパルス幅Tonがパルス幅PFC_Ton_100より大きくなる。この場合、マイクロコンピュータ10は、図11に示すチョッパ制御においてフラグF_PFC_GT100をオンし(S24)、フラグF_PFC_GT85をオフする(S26)。
【0078】
これにより、マイクロコンピュータ10は、図12に示すインバータ制御においてフラグF_PFC_GT100がオン状態であると判定する(S71のY)。そして、マイクロコンピュータ10は、現在設定しているハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTが85%用ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_85より低いかどうか判定する(S74)。
【0079】
ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTが85%用ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_85より低い場合、マイクロコンピュータ10は、ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTを+1ステップして、85%用ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_85に近づける(S75)。
【0080】
ここで、図13と図14(A)に示すように上記入力電源電圧の値が100V以上から85V以上100V未満の範囲に低下した場合では、マイクロコンピュータ10が上記S75を所定時間(例えば1秒)毎に一定回数行うと、例えば図14(B)に示すように、ある時点tmにおいてパルス幅Tonがパルス幅PFC_Ton_100より小さくなる。この時、マイクロコンピュータ10は、図11に示すチョッパ制御においてフラグF_PFC_GT100をオフするため(S23)、ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTを−1ステップして、100%用ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_100に近づける(S73)。これにより、図14(B)に示すように、パルス幅Tonがパルス幅PFC_Ton_100より再度大きくなる。そのため、以後、マイクロコンピュータ10は、上記S75の処理と上記S73の処理とを交互に繰り返す。これにより、例えば図14の例では、97Vの入力電源電圧に応じた第2の管電流が放電灯FLに供給され、放電灯FLの光出力レベルは、100%より低い値(例えば94%)に収束する。
なお、図14に示すように、時点tmの後、上記S75の処理と上記S73の処理の繰り返しによってハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTが変化し続けるため、放電灯FLの光出力レベルも変化し続ける。そのため、上記S75の処理と上記S73の処理における1ステップの幅および所定時間は、放電灯FLの光量の継続的変化をユーザに感付かれない周波数幅(例えば500Hz以下)および時間(例えば1秒以上)に予め設定するのが好ましい。
【0081】
一方、フラグF_PFC_GT100とフラグF_PFC_GT85の両方がオン状態にあれば、即ち入力電源電圧が85V未満である場合、マイクロコンピュータ10は、昇圧チョッパ回路20を含むPFC回路とインバータ回路21の駆動を停止し、処理を終了する(S76のY→S77)。
【0082】
なお、この実施形態では、フラグF_PFC_GT100とフラグF_PFC_GT85とを用いて判定を行ったが、実施の際は、図11と図12においてその他のフラグ(例えば入力電源電圧が90V未満である場合にオンするフラグF_PFC_GT90)を用いても構わない。
【0083】
以上に示す放電灯点灯回路2では、スイッチング制御信号Ssのパルス幅Tonで、入力電源電圧の値を検出し、そのパルス幅Tonに応じたハーフブリッジ周波数に設定している。さらに、ハーフブリッジ周波数HB_FREQ_OUTを時間の経過とともに徐々に変化させている。そのため、この実施形態における放電灯点灯回路2は、第1実施形態および第2実施形態における放電灯点灯回路1と同様の効果を奏する。
【0084】
なお、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0085】
1…放電灯点灯回路
2…放電灯点灯回路
10…マイクロコンピュータ
10A…変換テーブル
11…交流入力検出回路
12…チョークコイル出力検出回路
13…スイッチ素子駆動回路
14…制御回路用電源回路
15…電源電圧検出回路
16…リモコン受光回路
17…ハーフブリッジ駆動回路
18…末期検出回路
19…電源電圧検出回路
20…昇圧チョッパ回路
21…インバータ回路
30…昇圧チョッパ回路
32…商用交流電源
34…ダイオードブリッジ
35…チョッパ
37…放電灯
38…平滑コンデンサ
40…コンデンサ
41…誘導リアクトル
42…共振コンデンサ
FL…放電灯
L1…チョークコイル
L2…誘導リアクトル
Q1,Q2…インバータスイッチ素子
Tr1…チョッパスイッチ素子
Tr2,Tr3…インバータスイッチ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電源に対して直列接続されたチョークコイルと、オン時に前記チョークコイルを入力電流で励磁する、シャントに接続されたチョッパスイッチ素子と、このチョッパスイッチ素子のオフ時に前記チョークコイルからの放電電圧を充電するコンデンサと、を含み、入力電源電圧を昇圧した電源電圧を出力するチョッパ回路と、
前記チョッパ回路から出力された前記電源電圧を入力するとともに高周波スイッチングするインバータスイッチ素子と、前記インバータスイッチ素子と放電灯との間に設けた誘導リアクトルとを含むインバータ回路と、を備えた放電灯点灯回路において、
前記インバータ回路は、
前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値が一定値以上であるとき、前記インバータスイッチ素子のスイッチング周波数に応じた高周波電圧を前記放電灯に印加して、第1の管電流を前記放電灯に供給し、
前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値が前記一定値未満であるとき、前記スイッチング周波数を前記入力電源電圧値に応じた前記スイッチング周波数に設定して、前記第1の管電流より少ない電流量の第2の管電流を前記放電灯に供給する放電灯点灯回路。
【請求項2】
前記一定値未満の複数の入力電源電圧値と、前記複数の入力電源電圧値のそれぞれに応じた電流量の前記管電流を生成する複数のスイッチング周波数とを対応付けて予め記憶する変換テーブルと、
前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値を検出する検出回路と、を備え、
前記インバータ回路は、前記検出回路で検出された前記入力電源電圧値が前記一定値未満であるとき、前記スイッチング周波数を、前記検出回路で検出された前記入力電源電圧値が前記変換テーブルにおいて対応する前記スイッチング周波数に設定して、前記第2の管電流を前記放電灯に供給する請求項1に記載の放電灯点灯回路。
【請求項3】
前記チョッパ回路は、前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値に応じたパルス幅のスイッチ信号を生成し、前記スイッチ信号を前記チョッパスイッチ素子に出力して前記チョッパスイッチ素子を駆動するスイッチ回路を含み、
前記インバータ回路は、前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値が前記一定値未満であることを前記スイッチ信号のパルス幅で検出したとき、前記スイッチング周波数を前記パルス幅に応じた前記スイッチング周波数に設定して、前記第2の管電流を前記放電灯に供給する請求項1に記載の放電灯点灯回路。
【請求項4】
前記インバータ回路は、前記チョッパ回路への前記入力電源電圧値が前記一定値未満であるとき、前記スイッチング周波数を、前記入力電源電圧値に応じた前記スイッチング周波数へ時間の経過とともに徐々に変化させて、前記第2の管電流へ徐々に下げる請求項1から3のいずれかに記載の放電灯点灯回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−159516(P2011−159516A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20828(P2010−20828)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000001074)クロイ電機株式会社 (49)
【Fターム(参考)】