説明

散水装置

【課題】水の撒き過ぎを生じることなく、車両毎に通行時の粉塵の発生を抑制または防止することのできる散水装置を提供する。
【解決手段】ダンプトラック等のような貨物自動車2の前輪2d,2dの直前に散水管4aを配置した。散水管4aは、配管5aを通じて、貨物自動車2に搭載された貯水タンク3に接続されている。散水管4aにおいて前輪2d,2dに対応する位置には複数の散水孔が形成されており、貯水タンク3の水は、散水管4aの散水孔を通じて、車両2の前輪2d,2dの直前の地面Gに直接散水されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の通行時における粉塵対策のための散水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダンプトラック等のような車両の通行時における粉塵対策としては、例えば、車両の後方に散水車を走らせて散水することが行われている。
【0003】
また、例えば特開平9−132907号公報には、散水車の後部に設置された散水ユニットの三次元ノズルから散水する構成が開示されている。
【0004】
また、例えば特開2000−62520号公報には、車両の前側および後側の前後輪から離れた位置に散水ノズルを配置した貯水タンク付き作業自動車が開示されている。
【0005】
また、例えば実開平6−14358号公報には、駆動車の前端に清掃用散水装置を取り付けた構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−132907号公報
【特許文献2】特開2000−62520号公報
【特許文献3】実開平6−14358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、全ての車両の後方に散水車(特許文献1〜3のような散水機能を持つ車両等)を走らせるのは困難であり、実際は作業者により定期的な散水処理が行われているが、散水処理は手間と労力のかかる面倒な作業になっている。
【0008】
また、散水車(特許文献1〜3のような散水機能を持つ車両等)を使用する場合、水を撒き過ぎてしまい、地面がぬかるむ等、通行路の状況が悪くなってしまう問題がある。
【0009】
本発明は、水の撒き過ぎを生じることなく、車両毎に通行時の粉塵の発生を抑制または防止することのできる散水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の散水装置は、車両に搭載される貯水タンクと、前記貯水タンク内の水を前記車両の前輪の回転軸よりも前方に散水するように前記前輪の直前に配置される第1の散水部と、前記第1の散水部を前記貯水タンクに接続する第1の配管とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の本発明の散水装置は、請求項1記載の散水装置において、前記貯水タンク内の水を前記前輪の直前の地面に直接散水することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の本発明の散水装置は、請求項1または2記載の散水装置において、前記貯水タンク内の水を前記前輪自体に直接散水することを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の本発明の散水装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の散水装置において、前記貯水タンク内の水を前記第1の散水部に送るポンプを設けたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の本発明の散水装置は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の散水装置において、前記貯水タンク内の水を前記車両の後輪の回転軸の前方に散水するように前記後輪の直前に配置される第2の散水部と、前記第2の散水部を前記貯水タンクに接続する第2の配管とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6に記載の本発明の散水装置は、請求項5記載の散水装置において、前記貯水タンク内の水を前記後輪の直前の地面に直接散水することを特徴とする。
【0016】
また、請求項7に記載の本発明の散水装置は、請求項5または6記載の散水装置において、前記貯水タンク内の水を前記後輪自体に直接散水することを特徴とする。
【0017】
また、請求項8に記載の本発明の散水装置は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の散水装置において、前記貯水タンク内の水を前記第1の散水部、前記第2の散水部またはその両方に送るポンプを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によれば、車両の前輪の回転軸の前方に選択的に散水することにより、水の撒き過ぎを生じることなく、車両毎に通行時の粉塵の発生を抑制または防止することが可能になる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、車両の前輪の直前の地面に選択的に直接散水することにより、水の撒き過ぎを生じることなく、車両毎に通行時の粉塵の発生を抑制または防止することが可能になる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、車両の前輪自体に選択的に直接散水することにより、水の撒き過ぎを生じることなく、車両毎に通行時の粉塵の発生を抑制または防止することが可能になる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、車両に搭載された貯水タンク内の水を第1の散水部に送るポンプを設けたことにより、車両の前輪の前面側に圧力散水を行うことが可能になる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、車両の後輪の直前に選択的に散水することにより、水の撒き過ぎを生じることなく、車両毎に通行時の粉塵の発生を抑制または防止することが可能になる。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、車両の後輪の直前の地面に選択的に直接散水することにより、水の撒き過ぎを生じることなく、車両毎に通行時の粉塵の発生を抑制または防止することが可能になる。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、車両の後輪自体に選択的に直接散水することにより、水の撒き過ぎを生じることなく、車両毎に通行時の粉塵の発生を抑制または防止することが可能になる。
【0025】
請求項8記載の発明によれば、車両に搭載された貯水タンク内の水を第1の散水部、第2の散水部またはその両方に送るポンプを設けたことにより、前輪、後輪またはその両方の前面側に圧力散水を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る散水装置を装着した貨物自動車の正面図である。
【図2】図1の貨物自動車の平面図である。
【図3】図1の貨物自動車の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る散水装置を装着した貨物自動車の側面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る散水装置を装着した貨物自動車の側面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る散水装置を装着した貨物自動車の平面図である。
【図7】図6の貨物自動車の側面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る散水装置を装着した貨物自動車の側面図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る散水装置を装着した貨物自動車の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0028】
(第1の実施の形態)
【0029】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る散水装置1を装着した貨物自動車2の正面図、図2は図1の貨物自動車2の平面図、図3は図1の貨物自動車2の側面図である。なお、符号Gは地面を示し、符号Wは水の流れを示している。
【0030】
散水装置1は、貯水タンク3と、散水管(第1の散水部)4aと、これらを接続する配管(第1の配管)5aとを備えている。なお、図面を見易くするために散水装置1にハッチングを付した。
【0031】
貯水タンク3は、例えば190mm×400mm×340mm程度のポリエチレン製のプラスチックタンクからなり、例えばダンプトラック等のような四輪の貨物自動車(車両の一例)2の運転部2aと荷台2bとの間であって助手席(左側)の後方に結束バンド等により固定された足場板上に複数設置されている。複数の貯水タンク3は、ホースやパイプ等を通じて互いに接続されている。
【0032】
散水管4aは、例えば貨物自動車2の車幅の端から端まで直線的に延びる塩化ビニル製のパイプからなり、貨物自動車2のフロントバンパ2cと前輪2d,2dの間であって前輪2d,2dの直前に配置されている。
【0033】
この散水管4aにおいて各前輪2d,2dの幅分に対応する領域には、貯水タンク3内の水を各前輪2d,2dの回転軸Aよりも前方に散水するように複数の微細な散水孔(図示せず)が穿孔されている。ここでは、図3に示すように、散水管4aの散水孔から各前輪2d,2dの直前の地面Gに直接散水が行われるようになっている。
【0034】
散水管4aでの散水方式には、例えば重力落下で散水を行う重力散水方式が採用されている。これにより、比較的簡単な構造の散水装置1で粉塵を抑制または防止することができる。ただし、貯水タンク3内に湯取りポンプ(図示せず)を設け、その湯取りポンプにより貯水タンク3内の水を加圧して散水管4aに送り散水孔から散水する圧力散水方式を採用しても良い。湯取りポンプの電源およびスイッチは運転部2a内の運転席の横に設置されている。これにより、運転者が運転席にて湯取りポンプを簡単に操作することができる。
【0035】
配管5aは、例えばゴムやビニール製のホースからなり、一端はコック付きコネクタを介して貯水タンク3と着脱自在の状態で接続され、他端はコネクタを介して散水管4aの一端に着脱自在の状態で接続されている。配管5aをコック付きコネクタを介して貯水タンク3に接続したことにより、貯水タンク3内の水の散水および止水を操作することができる。また、配管5aの素材を散水管4aよりも柔らかいホースによって形成することにより、貨物自動車2の走行時の振動等に耐えることができる上、配管5aの経路を車種等に応じて柔軟に設定することができる。また、配管5aを着脱自在としたことにより使用しないときは取り外して丸めておくこともできる。
【0036】
このような第1の本実施の形態によれば、貨物自動車2の走行開始直前または開始時に散水装置1により貨物自動車2の前輪2d,2dの直前の地面Gに直接散水することにより、前輪2d,2dが回転する時に前輪2d,2dが接する地面Gが水で濡れた状態になるので、特に晴天時の風が強い日であっても、貨物自動車2の通行時の粉塵の発生を抑制または防止することができる。
【0037】
また、散水処理に際しては、貨物自動車2の前輪2d,2dの直前の地面G(しかも各前輪2d,2dのほぼ幅分の狭い箇所)に選択的に散水するので、水を撒き過ぎることもなく、地面Gがぬかるむ等の不具合が生じることもない。
【0038】
しかも、散水量を比較的少量にすることができるので、ポリエチレン製のプラスチックタンク等の小さな貯水タンク3で対応できる。また、設備も簡単なため作業者によって散水装置1を設置することができる。これらにより、散水装置1の費用も安く収めることができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
【0040】
図4は本発明の第2の実施の形態に係る散水装置1を装着した貨物自動車2の側面図である。なお、貨物自動車2の正面図および平面図は図1および図2と同じである。
【0041】
第2の実施の形態においては、散水管4aの散水孔から各前輪2d,2dの回転軸Aよりも前方の各前輪2d,2d自体(前輪2d,2dのトレッド、サイドウォールまたはその両方)に直接散水が行われるようになっている。これ以外の構成は、前記第1の実施の形態と同じである。
【0042】
このような第2の実施の形態によれば、貨物自動車2の走行開始直前または開始時に散水装置1により貨物自動車2の前輪2d,2d自体に散水することにより、前輪2d,2dが回転する時に前輪2d,2dのトレッド等が水で濡れた状態になる。また、前輪2d,2dに散水された水が前輪2dを伝って前輪2d,2dの直前の地面Gに流れ、前輪2d,2dが接する地面G部分が選択的かつ効率的に水で濡れた状態になる。このため、特に晴天時の風が強い日であっても、貨物自動車2の通行時の粉塵の発生を抑制または防止することができる。
【0043】
また、散水処理に際しては、貨物自動車2の前輪2d,2d自体に選択的に散水するので、水を撒き過ぎることもなく、地面Gがぬかるむ等の不具合が生じることもない。これら以外は、前記第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0044】
(第3の実施の形態)
【0045】
図5は本発明の第3の実施の形態に係る散水装置1を装着した貨物自動車2の側面図である。なお、貨物自動車2の正面図および平面図は図1および図2と同じである。
【0046】
第3の実施の形態においては、散水管4aの散水孔から各前輪2d,2dの直前の地面Gおよび各前輪2d,2dの回転軸Aよりも前方の各前輪2d,2d自体(前輪2d,2dのトレッド、サイドウォールまたはその両方)の両方に直接散水が行われるようになっている。これ以外の構成は、前記第1の実施の形態と同じである。
【0047】
このような第3の実施の形態によれば、貨物自動車2の走行開始直前または開始時に散水装置1により貨物自動車2の前輪2d,2dの直前の地面Gおよび前輪2d,2d自体の両方に直接散水することにより、前輪2d,2dが回転する時に前輪2d,2dが接する地面Gが水で濡れた状態になるとともに、前輪2d,2dのトレッド等が水濡れた状態になる、さらには前輪2d,2dに当たった水が前輪2d,2dの直前の地面Gに落ち、前輪2d,2dが接する地面G部分が選択的かつ効率的に水で濡れた状態になるので、特に晴天時の風が強い日であっても、貨物自動車2の通行時の粉塵の発生を抑制または防止することができる。
【0048】
また、散水処理に際しては、貨物自動車2の前輪2d,2dの直前の地面Gおよび前輪2d,2d自体に選択的に散水するので、水を撒き過ぎることもなく、地面Gがぬかるむ等の不具合が生じることもない。これら以外は、前記第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0049】
(第4の実施の形態)
【0050】
図6は本発明の第4の実施の形態に係る散水装置1を装着した貨物自動車2の平面図、図7は図6の貨物自動車2の側面図である。なお、貨物自動車2の正面図は図1と同じである。
【0051】
第4の実施の形態において散水装置1は、前記第1の実施の形態で説明した構成に加えて、散水管(第2の散水部)4bと配管(第2の配管)5bとを備えている。なお、図面を見易くするために散水管4bおよび配管5bにもハッチングを付した。
【0052】
すなわち、第4の実施の形態においては、貨物自動車2の後輪2e,2eの直前にも散水管(第2の散水部)4bが配置されている。散水管4bは、上記散水管4aと同じ材料からなり、例えば貨物自動車2の車幅の端から端に直線的に延びた状態で配置されている。
【0053】
この散水管4bにおいて各後輪2e,2eの幅分に対応する領域には、貯水タンク3内の水を各後輪2e,2eの回転軸Aよりも前方に散水するように複数の微細な散水孔(図示せず)が穿孔されている。ここでは、図7に示すように、散水管4bの散水孔から各後輪2e,2eの直前の地面Gに直接散水が行われるようになっている。これにより、貨物自動車2の後輪2e,2e側についても、前記第1の実施の形態で説明した前輪2d,2d側と同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
この散水管4bは、配管5bを通じて貯水タンク3と接続されている。配管5bの素材や接続方法は前記第1の実施の形態と同じである。ここでは、前輪2d側と後輪2e側とで貯水タンク3を共有しているが、これに限定されるものではなく、前輪2d側と後輪2e側とで貯水タンク3を別々に分けても良い。
【0055】
また、図7には、前記第1の実施の形態と同様に、前輪2d,2dの直前の地面Gに水を直接散水する場合が例示されているが、これに限定されるものではなく、前輪2d,2dについては第2、第3の実施の形態と同様にしても良い。また、散水管4bでの散水方式は、前記第1の実施の形態の散水管4aでの散水方式と同様である。これら以外の構成は、前記第1の実施の形態と同じである。
【0056】
前記した第1〜第3の実施の形態では、貨物自動車2が走行中に曲がる場合、前輪2d,2dと後輪2e,2eとで軌跡が異なるので、後輪2e,2eは全く散水されていない地面Gを走る場合がある。
【0057】
これに対して第4の実施の形態においては、貨物自動車2の各後輪2e,2eの直前の地面Gにも散水するので、前輪2d側と同様の理由により、貨物自動車2が曲がる場合において後輪2e,2eに起因する粉塵の発生をも抑制または防止することができる。したがって、第4の実施の形態においては、貨物自動車2の前輪2d,2dおよび後輪2e,2eの各々の直前の地面Gに選択的に直接散水することにより、貨物自動車2の通行時の粉塵の発生をさらに抑制または防止することができる。
【0058】
また、散水処理に際しては、貨物自動車2の前輪2d,2dおよび後輪2e,2eの各々の直前の地面Gに選択的に散水するので、水を撒き過ぎることもなく、地面Gがぬかるむ等の不具合が生じることもない。これら以外は、前記第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0059】
(第5の実施の形態)
【0060】
図8は本発明の第5の実施の形態に係る散水装置1を装着した貨物自動車2の側面図である。なお、貨物自動車2の正面図および平面図は図1および図6と同じである。
【0061】
第5の実施の形態においては、散水管4bの散水孔から各後輪2e,2eの回転軸Aよりも前方の各後輪2e,2e自体(後輪2e,2eのトレッド、サイドウォールまたはその両方)に直接散水が行われるようになっている。これ以外の構成は、前記第4の実施の形態と同じである。
【0062】
このような第5の実施の形態によれば、貨物自動車2の後輪2e側についても前記第2の実施の形態の前輪2d側と同様の作用効果が得られるので、貨物自動車2の通行時の粉塵の発生をさらに抑制または防止することができる。
【0063】
また、散水処理に際しては、貨物自動車2の前輪2d,2dの直前の地面Gおよび後輪2e,2e自体に選択的に散水するので、水を撒き過ぎることもなく、地面Gがぬかるむ等の不具合が生じることもない。これら以外は、前記第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0064】
(第6の実施の形態)
【0065】
図9は本発明の第6の実施の形態に係る散水装置1を装着した貨物自動車2の側面図である。なお、貨物自動車2の正面図および平面図は図1および図6と同じである。
【0066】
第6の実施の形態においては、散水管4bの散水孔から各後輪2e,2eの直前の地面Gおよび各後輪2e,2eの回転軸Aよりも前方の各後輪2e,2e自体(後輪2e,2eのトレッド、サイドウォールまたはその両方)の両方に直接散水が行われるようになっている。これ以外の構成は、前記第4の実施の形態と同じである。
【0067】
このような第6の実施の形態によれば、貨物自動車2の後輪2e側についても前記第3の実施の形態の前輪2d側と同様の作用効果が得られるので、貨物自動車2の通行時の粉塵の発生をさらに抑制または防止することができる。
【0068】
また、散水処理に際しては、貨物自動車2の前輪2d,2dおよび後輪2e,2eの直前の地面Gおよび後輪2e,2e自体に選択的に散水するので、水を撒き過ぎることもなく、地面Gがぬかるむ等の不具合が生じることもない。これら以外は、前記第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0069】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0070】
例えば前記実施の形態においては、四輪車両に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく種々適用可能であり、例えば三輪または六輪の車両に適用しても良い。
【0071】
また、配管5a,5bとして蛇腹ホース(フレキシブルホース)を用いても良い。これにより、配管5a,5bの長手方向の伸縮に対しても柔軟に対応できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上の説明では、本発明の散水装置をダンプトラックに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、トラックミキサ車、クレーン車またはトレーラ等、他の車両に適用される。
【符号の説明】
【0073】
1 散水装置
2 貨物自動車
2a 運転部
2b 荷台
2c フロントバンパ
2d 前輪
2e 後輪
3 貯水タンク
4a 散水管(第1の散水部)
4b 散水管(第2の散水部)
5a 配管(第1の配管)
5b 配管(第2の配管)
G 地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される貯水タンクと、
前記貯水タンク内の水を前記車両の前輪の回転軸よりも前方に散水するように前記前輪の直前に配置される第1の散水部と、
前記第1の散水部を前記貯水タンクに接続する第1の配管と、
を備えることを特徴とする散水装置。
【請求項2】
前記貯水タンク内の水を前記前輪の直前の地面に直接散水することを特徴とする請求項1記載の散水装置。
【請求項3】
前記貯水タンク内の水を前記前輪自体に直接散水することを特徴とする請求項1または2記載の散水装置。
【請求項4】
前記貯水タンク内の水を前記第1の散水部に送るポンプを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の散水装置。
【請求項5】
前記貯水タンク内の水を前記車両の後輪の回転軸よりも前方に散水するように前記後輪の直前に配置される第2の散水部と、
前記第2の散水部を前記貯水タンクに接続する第2の配管と、
を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の散水装置。
【請求項6】
前記貯水タンク内の水を前記後輪の直前の地面に直接散水することを特徴とする請求項5記載の散水装置。
【請求項7】
前記貯水タンク内の水を前記後輪自体に直接散水することを特徴とする請求項5または6記載の散水装置。
【請求項8】
前記貯水タンク内の水を前記第1の散水部、前記第2の散水部またはその両方に送るポンプを設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の散水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−103618(P2013−103618A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249054(P2011−249054)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【Fターム(参考)】