説明

新規な含フッ素化合物、および含フッ素重合体

機械的強度、および透明性に優れ、高温使用に適する高いガラス転移点を有し、かつ高い屈折率を有する含フッ素重合体を提供する。
新規な下式(1)で表される化合物、および該化合物が重合モノマー単位(2)を含む含フッ素重合体。RAF、RBF、RCF、RDF:それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であって、RAF、RBF、RCF、およびRDFの1個以上はペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ペルフルオロ(2−メチレン−1,3−ジオキソラン)構造を有し、かつ該構造の4位および/または5位にペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基を有する新規な含フッ素化合物、および該含フッ素化合物を重合させて得られる含フッ素重合体に関する。
【背景技術】
飽和環構造を主鎖に有する含フッ素重合体は、非晶性を示し機械的強度や透明性に優れるため光学材料として有用である。近年、該含フッ素重合体においては、高温使用に適した高いガラス転移点、および用途に応じた任意の屈折率を有することが求められている。
飽和環構造を主鎖に有する含フッ素重合体としては、主鎖の炭素−炭素結合が飽和環構造に含まれる含フッ素重合体、および該含フッ素重合体以外の含フッ素重合体がある。後者の含フッ素重合体としては、下式(D)で表されるモノマー単位を含む重合体が知られている。該重合体は下式(d)で表される化合物を重合させて得られることが、特開平5−213929号公報および特開平5−339255号公報に記載されている。

ただし、RF1はフッ素原子または−CFであり、RF1がフッ素原子である場合のRF2はフッ素原子、−CF、または−(CFFを示し、RF1が−CFである場合のRF2は−CFを示す。
また下式(e)で表される化合物、および該化合物を単重合させて得られる下式(E)で表されるモノマー単位からなる重合体が、特開平2−124908号公報の実施例17(11頁)に記載されている。

式(D)で表されるモノマー単位を含む重合体は、透明性が高く耐熱性にも優れるが、屈折率が不充分であり、光学材料として用途が限定されていた。たとえば、該重合体を光導波路のコアに用いる場合には、クラッドとの屈折率差を大にする困難性が認められた。また、式(E)で表されるモノマー単位を含む重合体は、機械的強度と耐熱性が不充分であった。
【発明の開示】
本発明は、前記する問題を解決する目的でなされたものであり、光導波路材料などの光学材料として有用な高い屈折率を有する新規な含フッ素重合体の提供を目的とする。また本発明は、光学材料として要求される物性である機械的強度、透明性、および高いガラス転移点を有する含フッ素重合体の提供を目的とする。
本発明は、下式(1)で表される化合物を提供する。
<1>:下式(1)で表される化合物。

AF、RBF、RCF、RDF:それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であって、RAF、RBF、RCF、およびRDFの1個以上はペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基である。
<2>:RAFおよびRCFがそれぞれ独立にペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありRBFおよびRDFがフッ素原子である、もしくはRAFがペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありRBF、RCFおよびRDFがフッ素原子である<1>の化合物。
<3>:ペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基が、炭素数1〜6のペルフルオロ(部分クロロアルキル)基である<1>または<2>の化合物。
<4>:式(1)で表される化合物の炭素原子数に対する該化合物の塩素原子数の割合が0.1〜0.5である<1>〜<3>のいずれかの化合物。
<5>:下式(2)で表されるモノマー単位を含む含フッ素重合体。

AF、RBF、RCF、RDF:それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であって、RAF、RBF、RCF、およびRDFの1個以上はペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基である。
<6>:RAFおよびRCFがそれぞれ独立にペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありRBFおよびRDFがフッ素原子である、またはRAFがペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありRBF、RCFおよびRDFがフッ素原子である<5>の含フッ素重合体。
<7>:ペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基が、炭素数1〜6のペルフルオロ(部分クロロアルキル基)である<5>または<6>の含フッ素重合体。
<8>:式(2)で表されるモノマー単位中の炭素原子数に対する該モノマー単位中の塩素原子数の割合が0.1〜0.5である<5>〜<7>のいずれかの含フッ素重合体。
<9>:式(2)で表されるモノマー単位の1種以上からなる<5>〜<8>のいずれかの含フッ素重合体。
<10>:数平均分子量が5000〜5000000である<5>〜<9>のいずれかの含フッ素重合体。
<11>:下式(1)で表される化合物を重合させる、または下式(1)で表される化合物と、該化合物と重合する他の単量体とを共重合させる下式(2)で表されるモノマー単位を含む含フッ素重合体の製造方法。

AF、RBF、RCF、RDF:それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であって、RAF、RBF、RCF、およびRDFの1個以上はペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基である。
<12>:<5>〜<10>のいずれかの含フッ素重合体を有効成分とする光学材料。
【発明を実施するための最良の形態】
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。また式(2)で表されるモノマー単位をモノマー単位(2)と記す。モノマー単位とは、単量体の重合により形成する、単量体由来の構造単位をいう。
本明細書においては、炭素原子に結合した水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された構造を有する基は、基の名称の前に「ポリフルオロ」を付けて表記する。このポリフルオロの基中には、水素原子が存在しても存在しなくてよい。炭素原子に結合した水素原子の実質的に全てがフッ素原子で置換された構造を有する基は、基の名称の前に「ペルフルオロ」を付けて表記する。このペルフルオロの基中には、水素原子が存在しない。炭素原子に結合した水素原子が部分的に塩素原子で置換された基は、基の名称の前に「部分クロロ」を付けて表記する。この部分クロロの基中には、水素原子が存在する。
炭素原子に結合した水素原子が部分的に塩素原子で置換された部分クロロの基において、残余の水素原子の実質的に全てがフッ素原子で置換された基は、基の名称の前に「ペルフルオロ」を付けて表記する。このペルフルオロ化された部分クロロの基中には、水素原子が存在しない。
本明細書における1価炭化水素基の炭素数は、1〜20であるのが好ましく、1〜10であるのが特に好ましく、1〜6であるのがより好ましい。該基の構造としては、直鎖構造、分岐構造、環構造、部分的に環を有する構造などが挙げられる。該基中の炭素−炭素結合としては、単結合、2重結合、および3重結合が挙げられる。
本明細書における1価飽和炭化水素基、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、およびペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基の炭素数は、1〜20であるのが好ましく、1〜10であるのが特に好ましく、1〜6であるのがとりわけ好ましく、1〜4であるのがさらに好ましい。また該基の構造としては直鎖構造、分岐構造、環構造、部分的に環を有する構造などが挙げられる。
本発明における化合物(1)は、下式(1)で表される。

AF、RBF、RCF、RDF:それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であって、RAF、RBF、RCF、およびRDFの1個以上はペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基である。
本発明の化合物(1)は、ペルフルオロ(2−メチレン−1,3−ジオキソラン)構造を有し、かつ該構造の4位および/または5位にペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基が結合する構造を有する点が特徴の化合物である。該構造中のペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基は、後述する含フッ素重合体(2)の屈折率と耐熱性に寄与すると考えられる。
また本発明の化合物(1)は塩素原子を含有する基を必須とする点が特徴である。塩素原子を含有する基の数は化合物(1)の全炭素原子数と該基中の塩素原子数により決定するのが好ましい。化合物(1)の炭素原子数は4〜24が好ましく、4〜10がより好ましく、4〜8が特に好ましい。
ペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基中の塩素原子数は1または2個であるのが好ましい。ペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基としては、ペルフルオロ(部分クロロアルキル)基が好ましく、炭素数1〜6の該基がより好ましく、炭素数1〜4の該基が特に好ましい。該基の具体例としては、−CF3−pCl、−C5−qCl、−C7−rCl、および−C9−sCl(ただし、炭素数3以上の基は直鎖構造であっても、分岐構造であってもよい。)が挙げられる。ただし、pは1〜2の整数、qは1〜4の整数、rは1〜6の整数、sは1〜8の整数を示す。pは1であるのが好ましい。q、r、およびsは、それぞれ独立に、1または2であるのが好ましい。
化合物(1)中の炭素原子数に対する塩素原子数の比は、0より大きく、1.5未満が好ましく、後述の含フッ素重合体(2)の化学的安定性と透明性の観点から、0.1〜0.5がより好ましく、後述の含フッ素重合体(2)の機械的強度を加味すると0.1〜0.4が特に好ましい。該構造中の塩素原子数は後述の含フッ素重合体(2)の屈折率に寄与する。
AF〜RDFがペルフルオロ1価飽和炭化水素基である場合、ペルフルオロアルキル基が好ましく、炭素数が1〜6の整数であるペルフルオロアルキル基が特に好ましく、−CF、−C、または−(CFFがとりわけ好ましい。
AF〜RDFは、フッ素原子またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありかつ1個以上がペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であるのが好ましく、RAFがペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありかつRBF、RCFおよびRDFがフッ素原子である、もしくはRAFおよびRCFがペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありかつRBFおよびRDFがフッ素原子である、のが特に好ましい。
化合物(1)の具体例としては、つぎの化合物が挙げられる(ただし、sは前記と同じ意味を示す。)。

化合物(1)は、下記化合物(5)をフッ素化反応(好ましくは液相フッ素化反応。)を用いてペルフルオロ化して下記化合物(4)とし、つぎに該化合物(4)のエステル結合を分解して下記化合物(3)とし、さらに該化合物(3)を熱分解する下式の製造方法により製造できる。該製造方法における反応条件や反応操作等は、本出願人による国際公開第01/16085号パンフレット、または国際公開第02/10106号パンフレットまたは国際公開03/037885号パンフレットに記載の方法にしたがうのが好ましい。また化合物(3)は下記化合物(3A)で表されるアルカリ金属塩に変換してから、熱分解してもよい。

ただし、式中のRAF〜RDFは前記と同じ意味を示す。Xはフッ素原子または塩素原子を示し、フッ素原子であるのが好ましい。X10はXに対応し、Xが塩素原子の場合は塩素原子でありXがフッ素原子の場合は水素原子またはフッ素原子であり、水素原子であるのが好ましい。Mはアルカリ金属原子を示し、カリウム原子またはナトリウム原子であるのが好ましい。
はRAFに、RはRBFに、RはRCFに、RはRDFにそれぞれ対応する基であり、R〜Rは、それぞれRAF〜RDFと同一の基である、またはフッ素化反応によりペルフルオロ化されて、それぞれRAF〜RDFに変換される基を示す。後者の基である場合、フッ素原子であるRAF〜RDFに対応するR〜Rは水素原子である。ペルフルオロ1価飽和炭化水素基であるRAF〜RDFに対応するR〜Rは、RAF〜RDFに対応する炭素原子配列を有するポリフルオロ(1価炭化水素)基またはRAF〜RDFに対応する炭素原子配列を有する1価炭化水素基である。また、ペルフルオロ(部分クロロ1価炭化水素)基であるRAF〜RDFに対応するR〜Rは、RAF〜RDFに対応する炭素原子配列を有するポリフルオロ(部分クロロ1価炭化水素)基またはRAF〜RDFに対応する炭素原子配列を有する(部分クロロ)1価炭化水素基である。R〜Rにおける炭化水素基は、飽和の基であっても不飽和の基であってもよく、飽和の基が好ましい。
たとえば、RAFが−CFClCFClである場合のRとしては、−CHClCHCl、−CFClCHCl、−CFClCHFCl、−CHClCHFCl、−CHClCFCl、−CCl=CHCl、および−CCl=CFClが挙げられる。RAFが−C9−sCl(ただし、sは前記と同じ意味を示す。)である場合のRとしては、−C9−2sCl(ただし、sは前記と同じ意味を示す。tは0〜(9−s)の整数を示し、9−sが好ましい。)が挙げられる。
EFはエーテル性酸素原子を含んでもよいペルフルオロ(1価飽和炭化水素)基を示す。REFの炭素数は2〜10が好ましい。REFはペルフルオロアルキル基またはエーテル性酸素原子を含むペルフルオロアルキル基が好ましく、−CFCF、−CF(CF、−(CFF、−CF(CF)O(CFF、または−CF(CF)OCFCF(CF)O(CFFが特に好ましい。
前記方法にしたがって化合物(5)から化合物(1)を製造する際には、目的とする化合物(1)の構造に対応する化合物(5)を、適宜合成して用いるのが好ましい。化合物(5)は、3つの部分構造、すなわち、1,3−ジオキソラン構造、エステル構造、および塩素原子を含有する基を有する構造を必須とする化合物である。
化合物(5)の合成にあたっては、公知の化合物を用いて、3つの各構造を形成する下記反応(a)、下記反応(b)、および下記反応(c)を任意の順序で行うのが好ましい。ただし、すでに該部分構造の1つまたは2つを有する化合物をあらかじめ入手できた場合には、該部分構造を形成する反応工程を省略できる。
反応(a):1,3−ジオキソラン構造を形成する反応。
反応(b):エステル構造を形成する反応。
反応(c):塩素原子または塩素原子を含有する基を有する構造を形成する反応。
反応(a)としては、下記方法(a−1)または方法(a−2)によるのが好ましい。
方法(a−1):下記化合物(6A)と下記化合物(7)を、酸触媒およびオルト酸エステルの存在下に反応させて下記化合物(50)を得る方法。

方法(a−2):下記化合物(6B)と化合物(7)を、酸触媒の存在下に反応させて化合物(50)を得る方法。

ただし、式中のR〜Rは、化合物(5)のR〜Rに対応し、RはRに、RはRに、RはRに、RはRにそれぞれ対応するR〜Rと同一の基、またはR〜Rに変換されうる基を示す。Rは、−CHOREF(ただし、Rは前記と同じ意味を示す。)または−CHOREFに変換されうる基(たとえば、−CH、−CHCH、−CH、および−CHOH等。)を示す。たとえば、Rが部分クロロ1価飽和炭化水素基である化合物(5)を合成する場合の化合物(50)のRは、塩素化されてRになりうる基またはRと同一の基が好ましい。
化合物(50)は、化合物(5)と同一の化合物または化合物(5)に容易に変換されうる化合物である。
化合物(6A)としては、CHCH(OH)CHOH、CHClCH(OH)CHOH、CHCHCH(OH)CHOH、CHCH(OH)CH(OH)CH、CHCHCHCH(OH)CHOH、CHCHCH(OH)CH(OH)CH、CH=CHCH(OH)CHOH、CHCHCHCHCH(OH)CHOH、C(CHCH(OH)CHOH、CH=CHCH(OH)CH(OH)CH=CH等が挙げられる。
化合物(6B)としては、ClCHCH=CHCHCl、CH=CHCHClCHCl、CH=C(CHCl)等を酸化して−CH=CH−部分がエポキシ構造になったエポキシ化合物が挙げられる。
化合物(7)としては、以下の化合物が挙げられる。
CHCOCHOCOCF(CF)O(CFF、CHCOCHOH、CHCOCH、CHCOCHCH
酸触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸類、4塩化チタン、3フッ化ホウ素エーテラート、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸、ベンズフルオロスルホン酸ポリマー、ビーズ状の該ポリマーが挙げられる。または該ポリマーをアモルファスシリカ上に担持してポーラスナノコンポジットとしたものでもよい。
オルト酸エステルとしては、特に限定されず、HC(OCH、HC(OC、CHC(OCH、CHC(OC等が挙げられる。
反応(a−1)における化合物(6A)に対する化合物(7)の量は、1.0〜1.5倍モルが好ましく、酸触媒の量は0.1〜1.0倍モルが好ましい。またオルト酸エステルの量は、1.0〜1.5倍モルが好ましい。反応は溶媒の存在下に行っても溶媒の不存在下に行ってもよく、容積効率の観点から、溶媒の不存在下に行うのが好ましい。反応温度の下限は−10℃が好ましく、上限は化合物(6A)の沸点と化合物(7)の沸点の低い方の温度が好ましい。
反応(a−2)における化合物(6B)に対する化合物(7)の量は、1.0〜1.5倍モルが好ましい。化合物(6B)に対する酸触媒の量は、0.1〜1.0倍モルが好ましい。化合物(6B)に対するオルト酸エステルの量は、1.0〜1.5倍モルであるのが好ましい。反応は反応(a−1)の場合と同様に行うのが好ましい。
反応(b)としては、公知のエステル化反応またはアセタール交換反応の手法が採用できる。
エステル化反応としては、下記化合物(50−1)(だだし、R〜Rは、前記と同じ意味を示す。)と式REF−COF(ただし、REFは前記と同じ意味を示す。)で表される化合物を反応させて下記化合物(51−1)を得る方法、下記化合物(7−1)と式REF−COF(ただし、REFは前記と同じ意味を示す。)で表される化合物を反応させて下記化合物(51−1)を得る方法が挙げられる。

該反応は、公知の方法(たとえば、国際公開第02/10106号パンフレット等。)にしたがって実施できる。
アセタール交換反応としては、下記化合物(50−2)または下記化合物(50−3)とCHCOCHOCOREF(ただし、REFは前記と同じ意味を示す。)で表される化合物を反応させる方法が挙げられる(だだし、式中のR〜Rは前記と同じ意味を示す。)。

反応(c)としては、任意の塩素化剤を用い塩素化する反応が挙げられる。塩素化剤としては塩素が好ましい。たとえば、−CH−CH部分に塩素原子を導入したい場合には、塩素化剤として塩素を用い−CHClCHClに変換できる。また、塩素を塩化水素に変えて同様に−CHClCHおよび/または−CHCHClに変換できる。塩素または塩化水素は、理論量に対して1〜2倍モルを用いるのが好ましい。反応温度は−78℃〜+25℃が好ましい。
アルキル基部分に塩素原子を導入した場合には、塩素化剤として塩素を用い該基の水素原子の1個以上を塩素原子に置換することによってクロロアルキル基に変換できる。該反応は、紫外線照射下および/または加熱下に行うのが好ましい。生成するクロロアルキル基は、通常は塩素原子の導入数および/または導入位置の異なる2以上の基となりうるため、必要に応じて塩素化反応後に生成物を分離精製してもよく、混合物のまま用いてもよい。
水酸基を有する基に塩素原子を導入したい場合には、塩素化剤として塩化水素または3塩化リンを反応させて、水酸基部分を塩素原子に変換できる。
化合物(5)の具体的な製造方法としては、以下に示す2つの方法が挙げられる。
[方法1]
下記化合物(6A−1)とCHCOCHOHとを反応させて下記化合物(50−11)とし、該化合物(50−11)とREF−COF(ただし、REFは前記と同じ意味を示す。)とを反応させて下記化合物(51−11)とする方法。さらに化合物(51−11)に塩素原子を導入したい場合には、化合物(51−11)と塩素化剤を反応させる方法。

ただし、Ra1はRに、Rb1はRに、Rc1はRに、Rd1はRそれぞれ対応し、Ra1〜Rd1はR〜Rと同一の基、または塩素化反応によって対応するR〜Rに変換されうる基を示す。後者の基であるRa1〜Rd1としては、対応するR〜Rよりも塩素原子数が少ない基、塩素原子を含まない基、または水素原子である。
[方法2]
下記化合物(6B−1)とCHCOCHとを反応させて下記化合物(50−31)とし、該化合物(50−31)と別途合成したCHCOCHOCOREF(ただし、REFは前記と同じ意味を示す。)とをアセタール交換反応させて下記化合物(51−11)とする方法。さらに化合物(51−11)に塩素原子を導入したい場合には、化合物(51−11)と塩素化剤を反応させる方法(ただし、式中のRa1〜Rd1は前記と同様の意味を示す。)。

化合物(3)を熱分解させて化合物(1)とする反応は、国際公開03/037885号公報に記載の方法にしたがって実施できる。化合物(3)の熱分解は、一段の反応で実施しても、化合物(3)にアルカリ金属水酸化物(水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム。)を作用させて化合物(3A)に変換してから行う2段の反応で実施してもよい。該反応も国際公開03/037885号公報に記載の方法にしたがって実施できる。
本発明の化合物(1)の製造方法に用いうる化合物としては、公知の化合物および下記の新規化合物が挙げられる(ただし、s,X10、およびXは前記と同じ意味を示し、式−C9−sClで表される基は直鎖の基である。)。
化合物(50−1)の例。

化合物(51−1)の例。

化合物(5)の例。

化合物(4)の例。

化合物(3)の例。

本発明の化合物(1)は重合性の不飽和基を有することから、該化合物を重合させて重合体を得ることができる、該重合体は下記モノマー単位(2)を含む含フッ素重合体(以下、含フッ素重合体(2)という。)である。

モノマー単位(2)は、化合物(1)を重合させて得られるモノマー単位として得ることができる。含フッ素重合体(2)としては、化合物(1)の1種を重合させた重合体、化合物(1)の2種以上を重合させた重合体、または化合物(1)の1種以上と化合物(1)と重合する他の単量体の1種以上を重合させた重合体が好ましい。
モノマー単位(2)の具体例としては、前記化合物(1a)を重合させて得られるモノマー単位(2a)を含む含フッ素重合体、前記化合物(1b)を重合させて得られるモノマー単位(2b)を含む含フッ素重合体、および前記化合物(1c)を重合させて得られるモノマー単位(2c)を含む含フッ素重合体が挙げられる(ただし、sは前記と同じ意味を示し、式−C9−sClで表される基は直鎖の基である。)。

含フッ素重合体(2)が、他の単量体のモノマー単位を含む場合、該含フッ素重合体(2)中の全モノマー単位に対するモノマー単位(2)の割合は、0.1〜99.9モル%が好ましく、40〜75モル%が特に好ましい。他の単量体の重合により形成されるモノマー単位の割合は、0.1〜99.9モル%が好ましく、60〜25モル%が特に好ましい。
化合物(1)と重合する他の単量体としては、特に限定されず、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のペルフルオロオレフィン類、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のペルフルオロ(ビニルエーテル)類、ペルフルオロ(3−ブテニルビニルエーテル)、ペルフルオロ(アリルビニルエーテル)、ペルフルオロ(3,5−ジオキサ−1,6−ヘプタジエン)等の環化重合しうるペルフルオロジエン類、ペルフルオロ(2,2−ジメチルー1,3−ジオキソール)、ペルフルオロ(1,3−ジオキソール)、ペルフルオロ(4−メトキシー1,3−ジオキソール)等の含フッ素環状オレフィン類、ペルフルオロ(2−メチレンー1,3−ジオキソラン)などの塩素原子を含有しないペルフルオロ(2−メチレンー1,3−ジオキソラン)類、クロロトリフルオロエチレン等のクロロフルオロオレフィン類、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、(ペルフルオロアルキル)エチレン、(ペルフルオロアルキル)プロペン等の部分フルオロオレフィン類、エチレン、プロピレン等の炭化水素系オレフィン類が挙げられる。
他の単量体としては、ペルフルオロ化された化合物から選択されるのが好ましく、光透過性の観点からペルフルオロオレフィン類、環化重合しうるペルフルオロジエン類、ペルフルオロビニルエーテル類、または塩素原子を含有しないペルフルオロ(2−メチレンー1,3−ジオキソラン)類が特に好ましい。
含フッ素重合体(2)の数平均分子量は、5000〜5000000が好ましく、10000〜3000000が特に好ましい。
含フッ素重合体(2)の製造方法としては、化合物(1)をラジカル重合開始剤の存在下にラジカル重合反応させる方法によるのが好ましい。ラジカル重合反応は、化合物(1)を、そのまま重合させるバルク重合法、溶媒中で重合させる溶液重合法、水性媒体中で適当な有機溶剤の存在下または非存在下に重合させる懸濁重合法、水性媒体中で乳化剤の存在下に重合させる乳化重合法等で実施できる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物、有機ペルオキシド、無機ペルオキシド等の通常のラジカル重合に用いるラジカル重合開始剤が挙げられる。具体的なラジカル開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロペン)2塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物。ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ベンゾイルペルオキシド、ペルフルオロノナノイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシド、(CCOO)、(CCOO)、((CHCO)などの有機ペルオキシド。K、(NHなどの無機ペルオキシドが挙げられる。
重合温度は、特に限定されず、0〜200℃が好ましく、30〜100℃が特に好ましい。また重合圧力は、加圧、減圧、および大気圧のいずれであってもよく、実用的には−0.1〜+9MPa(ゲージ圧)が好ましく、−0.1〜+4MPa(ゲージ圧)が特に好ましい。
本発明の含フッ素重合体(2)は、そのまま種々の用途に用いてもよく、化学変換を行ってから種々の用途に用いてもよい。
含フッ素重合体(2)の用途としては、光ファイバー材料(光ファイバーのコア材料およびクラッド材料。)、光導波路材料(光導路材料のコア材料およびクラッド材料。)、光電子混載基板の90度光路変換用の45度ミラー材料、等の光学材料、層間絶縁膜(たとえば、半導体素子用、液晶表示体用、多層配線板用等。)、バッファーコート膜、パッシベーション膜、α線遮蔽膜、素子封止材、高密度実装基板用層間絶縁膜、高周波素子(たとえば、RF回路素子、GaAs素子、InP素子等。)保護膜等の電子部品材料、フィルム材料などが挙げられる。
なかでも含フッ素重合体(2)は、機械的強度、透明性、および耐熱性などに優れ、かつ屈折率の高い非晶性の含フッ素重合体であるため、光学材料として有用であり、特に光導波路材料として有用である。たとえば、含フッ素重合体(2)をクラッド材料に用い、コア材料に屈折率の低い材料を採用した光導波路は、コアとクラッド間の屈折率差が大きく開口数が大きいため、光導入効率が高く利点がある。また該光導波路は、曲率半径が小さく光コンポーネントの小型化が可能なので、曲がり光導波路としても用いうる。また本発明の含フッ素重合体(2)は、高い透明性と種々の基材に対して良好な接着性とを有するため、光通過部を接続する光路結合用接着剤等の光学用接着剤にも用いうる。
本発明の含フッ素重合体(2)は、前記用途に応じて、種々の形状に加工して用いうる。
たとえば、含フッ素重合体(2)を膜状にして用いる場合には、まず含フッ素重合体(2)を有機溶媒に溶解させた溶液組成物とするのが好ましい。有機溶媒としては含フッ素有機溶媒が好ましく、トリクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタンなどのクロロヒドロカーボン類や1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジクロロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロ−1,1,3,4−テトラクロロブタンなどのハイドロヒドロクロロカーボン類などが挙げられる。
溶液組成物中に含まれる本発明の含フッ素重合体(2)の量は、被膜の厚さに応じて調整するのが好ましく、溶液組成物に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%が特に好ましい。
溶液組成物から膜を形成させる際には、溶液組成物を基材表面に塗布し、つぎに乾燥させることにより、基材表面に含フッ素重合体(2)からなる被膜を形成させるのが好ましい。該被膜は基材表面に形成したまま前記の用途に用いてもよく、被膜を基材表面から剥離して前記の用途に用いてもよい。被膜の厚さは、用途に応じて変更され、通常は0.001〜1000μmである。基材表面への塗布の方法としては、ロールコート法、キャスト法、ディップ法、スピンコート法、水上コート法、ダイコート法、ラングミュア・プロジェクト法等を用いうる。被膜の厚さは、用途に応じて変更され、通常は0.001〜1000μmである。
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例中においてはCClFCClFをR−113、ジクロロペンタフルオロプロパンをR−225、(t−ブチル)メチルエーテルをMTBE、ガスクロマトグラフィーをGC、サイズ排除クロマトグラフィーをGPC、数平均分子量をM、質量平均分子量をM、ガラス転移点をTと略記する。圧力は特に表記しないかぎり、ゲージ圧で記す。純度は、GC分析によるピーク面積比から求めた。
分子量はGPC法により測定した。測定方法は、特開2000−74892号公報に記載する方法に従った。具体的には、CClFCFCHClFと(CFCHOHとの混合液(体積比99:1)を移動相として用い、ポリマーラボラトリーズ社製(カラム商品名:PLgel 5μm MIXED−C(内径7.5mm、長さ30cm))を2本直列に連結して分析カラムとした。分子量測定用標準試料として、分子量分布(M/M)が1.17未満である分子量が1000〜2000000のポリメチルメタクリレート10種(ポリマーラボラトリーズ社製)を用いて検量線を作成した。移動相流速は1.0mL/min、カラム温度は37℃とした。検出器には蒸発光散乱検出器を用いた。MとMはポリメチルメタクリレート換算分子量として記す。また、TはDSC法により測定を行った。
[例1]化合物(50−1a)の製造例
CH=CHCH(OH)CHOH(114.2g)、HC(OCHCH(193.9g)、CHCOCHOH(80.2g)、およびイオン交換樹脂(4.0g、デュポン社製、商品名、ナフィオンSAC−13)をフラスコに仕込み、フラスコ内温を25℃にして30分間撹拌した。つぎにフラスコ内温を80℃に加熱し、4時間撹拌しながら低沸成分を留去して粗液を得た。粗液をろ別した後に減圧蒸留した結果、(59.9〜61.2)℃/0.27kPa(絶対圧)の留分(131.0g)を得た。留分をGC、NMRで分析した結果、留分は下記化合物(50−1a)とCH=CHCH(OH)CHOHからなることを確認した。化合物(50−1a)の純度は85%であった。
留分(118.3g)、HC(OCHCH(23.4g)、CHCOCHOH(11.7g)、およびイオン交換樹脂(0.7g、商品名:ナフィオンSAC−13)をフラスコに仕込み、フラスコ内温を80℃にして2時間撹拌した。フラスコ内容液をろ別した後にMTBE(1L)および水(30mL)を加えて2層分離液を得た。該液の有機層を分離した後に、水(10mL)で4回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水してからMTBEを留去して粗液を得た。粗液を減圧蒸留した結果、(59.0〜60.2)℃/0.77kPa(絶対圧)の留分(92.0g)を得た。留分をGC、NMRで分析した結果、化合物(50−1a)が純度90%で生成を確認した。
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS)δ(ppm):1.38、1.40(s,3H)、3.52〜3.68(m,3H)、4.13〜4.20(m,1H)、4.53〜4.61(m,1H)、5.23〜5.42(m,2H)、5.77〜5.89(m,1H)。

[例2]化合物(51−1a)の製造例
例1で得た化合物(50−1a)(103.0g)、(CHCHN(87.8g)、およびR−225(184.0g)を3つ口フラスコ(内容積1L)に仕込んだ。フラスコ内温を10℃以下に保ち撹拌しながら、FCOCF(CF)O(CFF(284.8g)を3.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに25℃で1時間撹拌してから、フラスコに氷水(500mL)に加えて2層分離液を得た。該液の下層を分離した後に、水(250mL)で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水してから減圧蒸留した結果、(72.1〜77.9)℃/0.67kPa(絶対圧)の留分(156.3g)を得た。留分をGC、NMRで分析した結果、下記化合物(51−1a)(156.3g)が純度97.7%で生成を確認した。
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS)δ(ppm):1.43、1.45(s,3H)、3.57〜3.67(m,1H)、4.11〜4.59(m,4H)、5.23〜5.40(m,2H)、5.72〜5.86(m,1H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−80.0(1F)、−81.3(3F)、−82.0(3F)、−86.3(1F)、−129.4(2F)、−131.6(1F)。

[例3]化合物(5a)の製造例
撹拌機、ドライアイスコンデンサーを備えた3つ口フラスコ(内容積1L)に、例2で得た化合物(51−1a)(156.3g)を仕込み、フラスコ内温を−20℃に保ちながら撹拌を続け、塩素ガス(31.4g)を2.5時間かけてフラスコへ投入した。つぎにフラスコ内温を25℃にして、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌し、フラスコ内の塩素ガスを除いた。続いてフラスコにR−225(300g)を加え、つぎに水(100mL)を加えて2層分離液を得た。該液の有機層を分離した後に、硫酸マグネシウムで脱水してからエバポレータで濃縮して濃縮液(207.5g)を得た。濃縮液(70.0g)を、R−225を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって生成物(44.5g)を得た。生成物をGC、NMRで分析した結果、下記化合物(5a)が純度83%で生成を確認した。
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS)δ(ppm):1.41、1.44、1.46、1.50(s,3H)、3.71〜4.09(m,4H)、4.17〜4.72(m,4H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−79.9(1F)、−81.3(3F)、−82.0(3F)、−86.3(1F)、−129.4(2F)、−131.7(1F)。

[例4]化合物(4a)の製造例
オートクレーブ(ニッケル製、内容積500mL)に、R−113(312g)を投入して撹拌し、25℃に保った。オートクレーブのガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器からは、凝集した液をオートクレーブに戻す液体返送ラインを設置した。オートクレーブに窒素ガスを25℃で1時間導入した後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、20%希釈フッ素ガスと記す。)を、25℃で13.43L/hの流速で1時間導入した。
つぎに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で導入しながら、例3で得た化合物(5a)(10.0g)をR−113(120g)に溶解した溶液を4.9時間かけて注入した。さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で導入しながら、ベンゼン濃度が0.01g/mLであるR−113溶液を、25℃から40℃にまで昇温しながら9mL注入し、オートクレーブの溶液注入口とオートクレーブの出口バルブを閉めた。オートクレーブ内の圧力が0.15MPaになってから、オートクレーブのフッ素ガス入口バルブを閉め、さらに0.3時間撹拌を続けた。つぎに、オートクレーブ内の圧力を0.15MPa、温度を40℃に保持しながら、R−113溶液を6mL注入し、オートクレーブの溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。さらに同様の操作を1回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.21g、R−113の注入総量は21mLであった。
さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で導入して、1時間撹拌を続けた。つぎにオートクレーブ内の圧力を大気圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んで生成物を得た。該生成物を19F−NMRで定量した結果、下記化合物(4a)を収率86%で得た。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−61.7〜−65.5(2F)、−73.2〜−75.0(1F)、−79.1〜−81.9(11F)、−85.6〜−87.8(3F)、−110.5〜−114.4(1F)−128.4〜−130.1(3F)、−131.9(1F)。

[例5]化合物(3a)の製造例
KF(1.0g)をフラスコに入れ、真空ポンプで減圧しながら30分間、ヒートガンで加熱した後に、25℃に放冷した。フラスコ内を窒素ガスで大気圧にし、例4で得た化合物(4a)(59.0g)を投入し、フラスコ内温を40℃にして2時間撹拌した。つぎにフラスコ内温を90℃にし、フラスコ内の低沸分成分を留去した後にKFをろ別して生成物(42.8g)を得た。該生成物をGC、NMRで分析した結果、下記化合物(3a)が純度70.7%で生成を確認した。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):25.3〜24.3(1F)、−61.3〜−65.0(2F)、−73.6〜−76.3(1F)、−80.7〜−81.1(3F)、−81.3〜−84.7(1F)、−111.8〜−117.5(1F)、−128.2〜−129.4(1F)。

[例6]化合物(3Aa)の製造例
窒素ガス雰囲気下のフラスコにメタノール(10.5g)を投入して、フラスコ内温を10℃以下に保ちながら、例5で得た化合物(3a)(42.7g)を1時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。GC分析により化合物(3a)の消失を確認してから、フラスコに水(5mL)を加えて2層分離液を得た。該液の有機層を水(5mL)で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水してから、メタノール(4.0mL)の入ったフラスコに投入した。フラスコを窒素ガス雰囲気下でフラスコ内温を0℃以下に保ち、15質量%のKOHを含むメタノール溶液(32.5g)を滴下し、つぎに1質量%のフェノールフタレインを含むメタノール溶液を数滴加えると、フラスコ内溶液が青色に呈色した。続いて15質量%のKOHを含むメタノール溶液を、フラスコ内容液がピンク色になるまで滴下した。滴下した15質量%のKOHを含むメタノール溶液の総質量は、46.8gであった。フラスコ内容液を濃縮し、60℃で17時間真空乾燥して得た固形物を乳鉢で粉砕し、さらに60℃で24時間の真空乾燥を行った結果、下記化合物(3Aa)(41.9g)を得た。

[例7]化合物(1a)の製造例
例6で得た化合物(3Aa)(20.5g)をフラスコに投入した。フラスコ出口には−78℃に保持されたトラップ、および真空ポンプを順に接続した。フラスコ内を0.7kPa(絶対圧)に減圧してからフラスコを加熱すると、フラスコ内温が190℃付近になった時点でトラップに留出液が溜り始めた。フラスコを、さらに257℃まで加熱して、3.5時間反応を継続した。トラップ中の留出液は、GC純度が48.4%の下記化合物(1a)(14.4g)であった。該留出液を減圧蒸留して、28℃/2.1kPa(絶対圧)の留分(2.7g)を得た。該留分をGC、NMRで分析した結果、化合物(1a)が純度92.7%で生成を確認した。
19F−NMR(282.6MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−61.7〜−65.3(2F)、−78.3〜−79.9(1F)、−87.2〜−89.0(1F)、−117.4〜−121.0(1F)、−125.4〜−126.0(1F)、−126.7〜−127.2(1F)、−129.3〜−130.3(1F)。

[例8]化合物(1a)の単独重合例
例7で得た化合物(1a)(1.3g)、((CHCHOCOO)(0.065g)、およびR−225(1.0g)をガラスアンプルに入れ、凍結脱気して封管した。オーブン中で50℃、20時間加熱することにより重合反応を行うと固形物が得られた。固形物をR−225に溶解させヘキサン(20mL)を用いて再沈殿法により精製した。さらに、ヘキサンで2回洗浄してから、50℃で16時間の真空乾燥を行い、重合体を白色粉末(0.5g)として得た。
重合体を19F−NMRで解析した結果、化合物(1a)の2重結合に基づくシグナルが完全に消失していることから、下記モノマー単位(2a)からなる重合体であった。また重合体のMは8.8×10であり、Mは1.26×10であった。またTは179℃であった。
つぎに重合体をヘキサフルオロ−1,1,3,4−テトラクロロブタンに溶解させて、10質量%溶液組成物を得た。基材としてPTFEシートを用い、基材に該溶液組成物をキャスト法で塗布して、つぎに150℃で1時間乾燥すると基材表面上に被膜が形成した。該被膜を基材表面から剥離すると、膜厚が110μmの薄膜が得られた。薄膜をアッペ屈折率計で測定した結果、屈折率は1.393であった。

[例9]化合物(1a)の共重合例
例7で得た化合物(1a)(1.3g)、CF=CFOCFCFCF=CF(1.13g)、(CCOO)(0.012g)をガラスアンプルに入れ、凍結脱気して封管した。オーブン中で65℃、18.5時間加熱して重合反応を行うと固形物が得られた。該固形物をR−225に溶解させヘキサン(70mL)を用いて再沈殿法により精製した。さらに、ヘキサンで2回洗浄してから、60℃で16時間の真空乾燥を行い、重合体を白色粉末(1.7g)として得た。
[例10]化合物(6B−1a)の製造例
フラスコ(内容積100mL)にClCHCH=CHCHCl(10.0g)および無水塩化メチレン(10ml)とを投入し、m−クロロ過安息香酸(25.0g)を30分おきに5回に分けて添加しながら、25℃で72時間撹拌することによって反応を行った。得られた反応液をGC分析した結果、ClCHCH=CHCHClが消失していることを確認した。同様の反応を別途行った。2回の反応で得た反応液を1つのフラスコにまとめ、該フラスコに100g/LのNa水溶液(100mL)を滴下して2層分離液を得た。有機層を分離した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、つぎに水で洗浄してから、硫酸マグネシウムで脱水した。さらにエバポレータで濃縮して濃縮液(22.1g)を得た。濃縮液をGC、NMRで分析した結果、下記化合物(6B−1a)が純度97.5%で生成していることを確認した。
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS)δ(ppm):3.22(m,2H)、3.60(m,4H)。

[例11]化合物(71a)の製造例
窒素ガス雰囲気にしたフラスコ(内容積300mL)に、CHCOCHOH(50.0g)、R−225(81.6g)、およびNaF(85.3g)を投入し、フラスコ内温を10℃以下に保ちながら撹拌を続けた。ここに、FCOCF(CF)OCFCFCF(213.3g)を2時間かけて滴下し、フラスコ内温を25℃に戻して12時間撹拌した。フラスコ内溶液を加圧ろ過して得たろ液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)を加えて2層分離溶液を得た。有機層を分離した後に、水(200mL)で洗浄し、さらに硫酸マグネシウムで脱水してからエバポレータで濃縮して濃縮物(230.7g)を得た。濃縮物中には下記化合物(71a)が含まれており化合物(71a)のGC純度は87.2%であった。同様の条件で反応を別途行い、GC純度96.5%の濃縮物(96.0g)を得た。2回の反応で得た濃縮物を減圧蒸留した結果、67〜71℃/1.06kPa(絶対圧)の留分(281.3g)を得た。留分をGC、NMRを分析した結果、化合物(71a)が純度97.9%で生成していることを確認した。
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS)δ(ppm):2.21(s,3H)、4.91(q,16.5Hz,2H)。
19F−NMR(282.6MHz、溶媒:CDCl基準:CFCl)δ(ppm):−79.6〜−80.3(1F)、−81.7〜−81.8(3F)、−82.4〜−82.5(3F)、−86.5〜−87.0(1F)、−130.1〜130.2(2F)、−132.8(1F)。

[例12]化合物(5b)の製造例
窒素ガス雰囲気にしたフラスコ(内容積200mL)に、3フッ化ホウ素エーテラート(2.0g)、例10で得た化合物(6B−1a)(10.1g)、および無水アセトン(39.0g)を投入し25℃で4時間撹拌した後に、30℃に2.5時間撹拌した。さらにフラスコに、3フッ化ホウ素エーテラート(1.0g)を追加し、12時間撹拌した。
つぎに例10と同様の方法で得た化合物(71a)(33.0g)と無水トルエン(51.0g)からなる溶液を、該フラスコに25℃で添加した。つぎに35℃、6.5kPa(絶対圧)で蒸留して、該フラスコ内容液中のアセトンを留去した反応粗液を得た。反応粗液をGC分析した結果、反応中間体である下記化合物(50−3a)が残存しているのが確認されたので、さらに留去液に3フッ化ホウ素エーテラート(0.8g)を追加してから、(35〜40)℃/6.5〜13kPa(絶対圧)の条件でさらにアセトンを留去した反応液を得た。

反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)とMTBE(100mL)を加えて得た2層分離液の有機層を分離して水洗し、さらに硫酸マグネシウムで脱水してからエバポレータで濃縮して濃縮液(37.3g)を得た。該濃縮液中には下記化合物(5b)がGC純度34.8%で含まれていた。該濃縮液(36.9g)を、R−225を展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して溶離液(17.1g)を得た。溶離液をGC、NMRを用いて分析した結果、化合物(5b)が純度75.5%で含まれていることを確認した。さらに該溶離液を減圧蒸留した結果、(64.6〜102)℃/0.98〜1.03kPa(絶対圧)の留分(8.2g)を得た。留分をGC、NMRで分析した結果、化合物(5b)が純度97.9%で含まれていることを確認した。

[例13]化合物(4b)の合成例
例4と同じオートクレーブを用意した。オートクレーブに窒素ガスを25℃で1時間導入した後、20%希釈フッ素ガスを、25℃で10.8L/hの流速で1時間導入した。オートクレーブ内の圧力は大気圧を示した。
つぎに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で導入しながら、例12で得た化合物(5b)(4.0g)をR−113(62.0g)に溶解した溶液を2.6時間かけて注入した。さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で導入しながら、ベンゼンを0.0lg/mL含むR−113溶液(以下、R−113溶液と記す。)を、25℃から40℃にまで昇温しながら9mL注入し、オートクレーブの溶液注入口とオートクレーブの出口バルブを閉めた。オートクレーブ内の圧力が0.15MPaになってから、オートクレーブのフッ素ガス入口バルブを閉めて、15分間撹拌を続けた。つぎに、オートクレーブ内の圧力を0.15MPa、温度を40℃に保持しながら、R−113溶液を6mL注入し、オートクレーブの溶液注入口を閉め、15分撹拌を続けた。さらに同様の操作を1回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.21g、R−113溶液の注入総量は21mLであった。
さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で導入して、1時間撹拌を続けた。つぎにオートクレーブ内の圧力を大気圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んで生成物を得た。該生成物を19F−NMRで定量した結果、下記化合物(4b)を収率82%で生成していることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−65〜69(m,4F)、−80(m,4F)、−82(m,6F)、−86(m,3F)、−106〜−116(m,2F)、−130(m,2F)、−132(m,1F)。

[例14]化合物(3b)の製造例
KFをフラスコに入れ、真空ポンプで減圧しながら30分間、ヒートガンで加熱し、25℃に放冷する。フラスコ内を窒素ガスで大気圧にし、例12と同様の方法で得た化合物(4b)を投入し、フラスコ内温を40℃にして2時間撹拌する。つぎにフラスコ内温を90℃にし、フラスコ内の低沸分成分を留去してから、KFをろ別して下記化合物(3b)を得る。

[例15]化合物(3Ab)の製造例
窒素ガス雰囲気下のフラスコにメタノールを投入して、フラスコ内温を10℃以下に保ちながら、例13と同様の方法で得た化合物(3b)を1時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌する。GC分析により化合物(3b)の消失を確認してから、フラスコに水を加えて2層分離液を得る。該液の有機層を水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水してから、メタノールの入ったフラスコに投入する。該フラスコを窒素ガス雰囲気下でフラスコ内温度を0℃以下に保ち、1質量%のフェノールフタレインを含むメタノール溶液を数滴加えると青色に呈色した液を得る。つぎに該液に1質量%のKOHを含むメタノール溶液を反応液がピンク色を呈するまで滴下する。該液を濃縮し、60℃で真空乾燥して得た固形物を乳鉢で粉砕し、さらに60℃で24時間真空乾燥して下記化合物(3Ab)を得る。

[例16]化合物(1b)の製造例
例15と同様の方法で得た化合物(3A−2)をフラスコに投入し、フラスコ出口には−78℃に保持されたトラップ、および真空ポンプを順に接続した系を設置する。該系を真空ポンプで減圧してからフラスコを加熱すると、トラップに液体が留出する。該留出液は不純物を含む。減圧蒸留により精製して下記化合物(1b)を得る。

[例17]化合物(1b)の単独重合例
例16と同様の方法で得た化合物(1b)、((CHCHOCOO)をガラスアンプルに入れ、凍結脱気して封管する。オーブン中で50℃、20時間加熱すると固形物が得られる。該固形物をR−225に溶解させヘキサンを用いて再沈殿法により精製する。さらに、ヘキサンで2回洗浄してから50℃で16時間真空乾燥すると、下記モノマー単位(2b)を有する重合体が得られる。つぎに重合体をCClFCFCClFCClFに溶解させて、10質量%溶液組成物を得る。基材としてPTFEシートを用い、基材に該溶液組成物をキャスト法で塗布して、つぎに150℃で1時間乾燥すると基材表面上に被膜が形成する。

【産業上の利用可能性】
本発明により提供される化合物は、ペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基を4位および/または5位に有するペルフルオロ(2−メチレン−1,3−ジオキソラン)構造を有する化合物であり、重合性単量体として有用な新規化合物である。該化合物に由来するモノマー単位を含む含フッ素重合体は、機械的強度や透明性に優れ、ガラス転移点が高く、かつ屈折率が高い特徴を有する。
本発明によれば、ペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基を4位および/または5位に有するペルフルオロ(2−メチレン−1,3−ジオキソラン)骨格を有する特徴ある構造を有する新規な化合物が提供される。該化合物を重合して得られる含フッ素重合体は、機械的強度や透明性に優れ、ガラス転移点が高く、屈折率が高いことから、光学材料として有用である。たとえば、光導波路材料や光電子混載基板の90度光路変換用の45度ミラー材料として有用に用いうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式(1)で表される化合物。

AF、RBF、RCF、RDF:それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であって、RAF、RBF、RCF、およびRDFの1個以上はペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基である。
【請求項2】
AFおよびRCFがそれぞれ独立にペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありRBFおよびRDFがフッ素原子である、もしくはRAFがペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありRBF、RCFおよびRDFがフッ素原子である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
ペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基が、炭素数1〜6のペルフルオロ(部分クロロアルキル基)である請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
式(1)で表される化合物の炭素原子数に対する該化合物の塩素原子数の割合が0.1〜0.5である請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
下式(2)で表されるモノマー単位を含む含フッ素重合体。

AF、RBF、RCF、RDF:それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であって、RAF、RBF、RCF、およびRDFの1個以上はペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基である。
【請求項6】
AFおよびRCFがそれぞれ独立にペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありRBFおよびRDFがフッ素原子である、またはRAFがペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基でありRBF、RCFおよびRDFがフッ素原子である請求項5に記載の含フッ素重合体。
【請求項7】
ペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基が、炭素数1〜6のペルフルオロ(部分クロロアルキル基)である請求項5または6に記載の含フッ素重合体。
【請求項8】
式(2)で表されるモノマー単位中の炭素原子数に対する該モノマー単位中の塩素原子数の割合が0.1〜0.5である請求項5〜7のいずれかに記載の含フッ素重合体。
【請求項9】
式(2)で表されるモノマー単位の1種以上からなる請求項5〜8のいずれかに記載の含フッ素重合体。
【請求項10】
数平均分子量が5000〜5000000である請求項5〜9のいずれかに記載の含フッ素重合体。
【請求項11】
下式(1)で表される化合物を重合させる、または下式(1)で表される化合物と、該化合物と重合する他の単量体とを共重合させることを特徴とする下式(2)で表されるモノマー単位を含む含フッ素重合体の製造方法。

AF、RBF、RCF、RDF:それぞれ独立に、フッ素原子、塩素原子、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、またはペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基であって、RAF、RBF、RCF、およびRDFの1個以上はペルフルオロ(部分クロロ1価飽和炭化水素)基である。
【請求項12】
請求項5〜10のいずれかに記載の含フッ素重合体を有効成分とする光学材料。

【国際公開番号】WO2005/042511
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【発行日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515217(P2005−515217)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016453
【国際出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】