説明

旋回作業機

【課題】エンジンルームとタンクルームとを簡単に仕切れると共に、バッテリーをタンクルーム内に簡単に配置できるようにする。
【解決手段】運転席28の後方下部側にエンジン36を配置するエンジンルーム30を設け、運転席28の左右一方側にエンジンルーム30と連通するタンクルーム31を設け、このタンクルーム31に作動油タンク57とバッテリー58とを設けており、作動油タンク57の上側にバッテリー58を載置する載置台60を配置し、この載置台60はバッテリー58を載置する載置部と、この載置部から後方側に延設していてエンジンルーム30とタンクルーム31との間を仕切る仕切部と、載置部と仕切部とから立設していて載置部及び仕切部を前記タンクルーム31の運転席28側の内壁を形成する縦リブ26Rに取り付ける取付部とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の旋回作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、旋回作業機として特許文献1,2に示すものがある。この旋回作業機は、上部旋回体と、下部走行体とを備えたものであり、上部旋回体は、下部走行体に上下方向の軸心X廻りに枢支された旋回台と、この旋回台に取付け支持された作業装置とから構成されている。
このような旋回作業機では、旋回台上に運転席が設けられていて、この運転席の後部側又は下部側にエンジンルームが設けられ、運転席の右側にタンクルームが設けられている。タンクルームには作動油タンクやバッテリーが配置されていて、前記バッテリーは載置台を介して旋回台に取り付けられている。
【0003】
さて、エンジンルームとタンクルームとの境界には仕切り板が設けられており、前記エンジンルームとタンクルームとが前記仕切り板によって仕切られている。
【特許文献1】特開2003−64721号公報
【特許文献2】特開2005−330771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の旋回作業機では、バッテリーをタンクルーム内に配置固定するために載置台を旋回台に固定し、載置台とは別にエンジンルームとタンクルームとを仕切るために仕切り板を設けていたため、取付工数が大となると共に部品点数も多く、高コストになっていた。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、バッテリーを載置する載置台に仕切部を設けることで、エンジンルームとタンクルームとを簡単に仕切れると共に、バッテリーをタンクルーム内に簡単に配置できる低コストな旋回作業機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、運転席の後方下部側にエンジンを配置するエンジンルームを設け、運転席の左右一方側に前記エンジンルームと連通するタンクルームを設け、このタンクルームに作動油タンクとバッテリーとを設けており、
前記タンクルーム内にバッテリーを載置する載置台を配置し、この載置台はバッテリーを載置する載置部と、この載置部から後方側に延設していてエンジンルームと前記タンクルームとの間を仕切る仕切部と、載置部と仕切部とから立設していて前記タンクルームの運転席側の側壁を形成する縦リブに取り付けられる取付部とを有している点にある。
【0006】
これによれば、載置台を縦リブに取り付けるだけで、仕切部によってエンジンルームとタンクルームとを簡単に仕切ることができる。このように本発明では、従来のように仕切り板を載置台とは別に旋回台に取り付ける必要がなく、取付工数や部品点数が少なくてすみ、低コスト化を実現できる。
前記仕切部は、載置部の後端側から延設して傾斜する傾斜部と、この傾斜部から立設する縦部とを備え、前記傾斜部と縦部とで載置部に載置されたバッテリーと仕切部との間に懐部を形成し、前記傾斜部にバッテリーに接続したハーネスをエンジンルームへ導くためのハーネス孔を形成している点にある。
【0007】
これによれば、懐部が形成されているため、バッテリーの側部を手で掴みやすくバッテリーの取り出しが容易に行えると共に、バッテリーにハーネスを接続し易く、当該ハーネスを斜めに配線することでハーネスの高さを抑えることが可能となる。
前記タンクルームの上方側に当該タンクルームを開閉する上カバーを設けており、前記上カバーの後部側を前記懐部を覆う位置まで延設している点にある。
【0008】
これによれば、上カバーを開放することで、バッテリーの取り外しやハーネスなどのメンテナンスを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バッテリーを載置する載置台に仕切部を設けることで、エンジンルームとタンクルームとを簡単に仕切れると共に、バッテリーをタンクルーム内に簡単に配置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図7に示すように、本発明に係る旋回作業機1は、上部旋回体2と、下部走行体3とから構成されている。
下部走行体3は、トラックフレーム5の左右両側に備えたサイドフレームに、アイドラ6と駆動輪7と複数の転輪とを回転自在に支持すると共に、これらアイドラ6と駆動輪7と転輪とに亘ってクローラベルト9を巻き掛けて構成されている。また、下部走行体3の前部には、ドーザ10が配備されている。
【0011】
上部旋回体2は、下部走行体3に上下方向の軸心X廻りに枢支された旋回台11と、該旋回台11に取付け支持された作業装置12とから構成されている。
作業装置12は、旋回台11に左右軸廻りに揺動自在に支持されたブーム14と、該ブーム14の先端部に左右軸廻りに揺動自在に連結されたアーム15と、該アーム15の先端部に左右軸廻りに揺動自在に連結されたバケット16とを備えている。
【0012】
ブーム14は、旋回台11との間に介装されたブームシリンダ17により上下に揺動駆動されている。アーム15は、ブーム14との間に介装されたアームシリンダ18により前後に揺動駆動され、バケット16は、アーム15との間に介装されたバケットシリンダ19により掻き込み揺動駆動される。
前記ブーム14は、旋回台11に支持された第1ブーム部材20と、該第1ブーム部材20の先端部に支持軸廻りに左右揺動自在に連結された第2ブーム部材21と、該第2ブーム部材21の支持軸廻りに左右揺動自在に連結された支持ブラケット22とを備えている。また、該支持ブラケット22にアーム15の基端部が連結されている。
【0013】
また、第1ブーム部材20の先端部近傍と支持ブラケット22の間にはオフセットシリンダが配備されており、該オフセットシリンダを作動させることにより、第1ブーム部材20に対して第2ブーム部材21が左右揺動し、これによってアーム15を左右方向に平行移動(オフセット)させることが可能となっている。
図1,2,7に示すように、前記旋回台11は、下部走行体3に旋回自在に支持された旋回基板25を有しており、旋回基板25の右側(左右一端側)寄りには旋回台11の前後に延びる左右一対の縦リブ26L、26Rが設けられている。左右縦リブ26L、26R間には作業装置12を支持する支持体27が設けられている。
【0014】
旋回基板25上の左右方向左側には運転席28が配置され、該運転席28は、キャノピで覆われている。運転席28の下部側にはエンジンルーム30が設けられ、運転席28の右側(左右一端側)にはエンジンルーム30に連通するタンクルーム31が設けられている。
エンジンルーム30は、旋回基板25の後部に設けられたカウンタウエイト32と、旋回基板25の前側から左右側部に掛けて当該旋回基板25を覆う左右一対のサイドボンネット33と、旋回基板25の後部上方に配置されたフロントボンネット34とで当該旋回基板25を取り囲むことで構成されている。旋回台11の後部側にはエンジンルーム30の後方を開閉するリアボンネット35が設けられている。
【0015】
タンクルーム31は、右側のサイドボンネット33Rと、右側の縦リブ26Rとで旋回台を取り囲むことで構成されている。タンクルーム31は、当該タンクルーム31の上側に配置された上カバー24により開閉自在となっている。
エンジンルーム30内にはエンジン36が配置され、エンジン36の左右方向左側にはラジエータ37及びラジエータファン38が配置され、左右方向右側には油圧ポンプ39が配置されている。また、エンジン36の後部側にはリザーブタンク40,セディメンタ(ウォータセパレータ)41,燃料フィルタ42,エアクリーナ43,電磁ポンプ44(オルタネータ)が配置されている。
【0016】
セディメンタ41,燃料フィルタ42,エアクリーナ43はエンジンルーム30内に設けられたアーチ部材46に取りつけられ、リザーブタンク40はラジエータ37又はラジエータファン38を支持する支持部材に取りつけられ、オルタネータ44はエンジン36や旋回基板25、アーチ部材46等に取り付けられている。
アーチ部材46は、エンジン36を前後に跨ぐように配置された第1アーチ50と、エンジン36の上方で左右に延びる前後一対の第2アーチ51F,51Rとを有している。第1アーチ50は略U字状に形成されており、その両端部は前後ブラケット52を介して旋回基板25に取りつけられている。
【0017】
前側第2アーチ51Fは左右方向に延びていて、その右端(一端)は右側の縦リブ26Rに取りつけられ、左側(他端)は旋回基板25の前後中途部に設けられて左右方向に延びる横リブ53に取りつけられている。
後側第2アーチ51Rは、旋回基板25上で右側から左側へと延びていて中途部で前側に屈曲している。後側第2アーチ51Rの右端は第1アーチ50の後部側に取りつけられ、左側はブラケット等を介して旋回基板25に取りつけられている。
【0018】
後側第2アーチ51Rの右端部側には後方に突出するブラケット54が2つ設けられており、2つのブラケット54のうち右側のブラケット54Rには燃料フィルタ42が吊り下げ状に取り付けられ、左側のブラケット54Lにはセディメンタ41が吊り下げ状に取り付けられている。また、第1アーチ50には右側に突出するブラケット55が設けられ、このブラケット55にエアクリーナ43が吊り下げ状に取り付けられている。
【0019】
即ち、エンジン36の後部側にセディメンタ41,燃料フィルタ42,リザーブタンク40,オルタネータなどの整備点検を要する機器類が集中配置されており、リアボンネット35の閉鎖状態で当該リアボンネット35の内面と対向していて、リアボンネット35を開放したときに、セディメンタ41,燃料フィルタ42,リザーブタンク40,オルタネータの整備点検機器類を露出することができるようになっている。
【0020】
図1〜5に示すように、前記タンクルーム31内には作動油タンク57が配置され、作動油タンク57の上方にバッテリー58が配置され、作動油タンク57及びバッテリー58の前方には燃料タンク59が配置されている。
バッテリー58はタンクルーム31内で後側に位置していて、作動油タンク57の後側上方に配置された載置台60に載置されている。
【0021】
載置台60は、バッテリー58を載置する載置部61と、この載置部61から後方側に延設する仕切部62と、載置部61と仕切部62とから立設していて載置部61及び仕切部62を縦リブ26Rに取り付ける取付部63を有している。
載置部61は板状の底板部65とこの底板部65の前後端部から起立する板状の前後板部66F,66Rとを備えたもので、底板部65にバッテリー58が載置され、固定具56の係合部材56aの先端を底板部65に係合することでバッテリー58が載置部61に固定される。
【0022】
仕切部62は、載置部61の後端側、即ち、後板部66Rの上端から後側へ延設する傾斜部67と、この傾斜部67から起立する縦部68とを有したもので、傾斜部67及び縦部68よりタンクルーム31とエンジンルーム30とを仕切っている。詳しくは、仕切部62によってタンクルーム31の後側とエンジンルームの右側とを仕切っている。
これにより、エンジンルーム30に流れる空気が仕切部62により遮断され、タンクルーム31内に配置されたバッテリー58へ流れ難くなる。言い換えれば、ラジエータファン38によって冷却空気がエンジン36の左側から右側へ向けて流れるが、エンジン36の左側を通過した空気はタンクルーム31内に入り難く、図1の矢印a方向に示すように、タンクルーム31の後側を通過して旋回台11の右側外方へ抜けやすくなる。
【0023】
前記傾斜部67は板状に形成され、後方にいくに従って上方に移行していて後倒れ傾斜状となっている。縦部68は、傾斜部67の後部から上方に起立して板状の第1起立部68aと、傾斜部67左側(内側)から起立して板状の第2起立部68bとから構成されている。第1起立部68aの左側端部(内側端部)と第2起立部68bの後側端部とは溶接等により一体的に連結されている。傾斜部67,第1起立部68a及び第2起立部68b,即ち、傾斜部67と縦部68とによりバッテリー58の後方側にメンテナンスの空間となる懐部70が形成されている。
【0024】
懐部70、即ち、傾斜部67にはバッテリー58に接続したハーネス71をエンジンルーム30側へ導くためのハーネス71a孔が形成されている。例えば、バッテリー58のプラス側に接続されたハーネス71は後方側へ延設され、ハーネス71a孔内を通過してエンジンルーム30側へ配設されている。
前記取付部63は、底板部65の左側(内側)から起立すると共に、第2起立部68bの前端から前方へ延設された板状のもので第2起立部68bと一体的に形成されている。この取付部63の左側壁部(内側壁部)は右側の縦リブ26Rにボルト等の締結具により着脱自在に取りつけられている。取付部63には、前記上カバー24を開閉自在に支持するリンク機構80が取りつけられている。
【0025】
前記リンク機構80は、上カバー24を、タンクルーム31を閉塞する閉じ位置と、タンクルーム31を開放する開放する開き位置とにするもので、前後一対のリンク部材81、82と、該前後一対のリンク部材81、82の上端部を第1枢軸81a、82aを介して枢支する第1枢支部材83と、下端部を第2枢軸81b、82bを介して枢支する第2枢支部材84とを備えている。
【0026】
第1枢支部材83は上カバー24の裏面に取り付けられると共に第2枢支部材84は前記取付部63の上部に取り付けられている。また、前側のリンク部材(前リンク部材)81は後側のリンク部材(後リンク部材)82よりも長尺に形成されている。
上カバー24を閉塞する閉じ位置にすると、リンク機構80の両リンク部材81、82が後側に倒れ、これによって上カバー24は、後部を前部よりも高位とする前下り姿勢にとなる。そして、前下がり姿勢から上カバー24を開き姿勢にすると、両リンク部材81、82が倒れた状態から起きあがると共に前リンク部材81の第1枢軸81aが後リンク部材82の第1枢軸82aよりも高位となり、これによって上カバー24は、前部を後部よりも高位とする前上がり姿勢にとなる。
【0027】
図4に示すように、上カバー24と側カバー76の間には、上カバー24の姿勢を支持する支持機構85が配備されている。該支持機構85は、リンク機構80の前側となる位置に配備されており、上カバー24に揺動自在に枢支されたアーム86と、右側の縦リブ26Rに配備されたアーム案内部材87とを備えている。該アーム案内部材87には、アーム86の先端が係合する案内溝88が上下方向に形成されており、該案内溝88の案内によってアーム86が上下動することにより、該アーム86に上カバー24が押し引きされ、これによって該上カバー24が開閉する。
【0028】
また、案内溝88は、下端部に上カバー24を閉じ位置とした場合にアーム86の先端を嵌合させる下嵌合部88aと、上端部に上カバー24を開き位置とした場合にアーム86の先端を嵌合させる上嵌合部88bとを備えている。また、案内溝88は、上嵌合部88bのやや下方となる位置に上カバー24を中間位置とした場合にアーム86の先端を嵌合させる中嵌合部88cを備えている。ここで、上カバー24の中間位置とは、上カバー24を開き位置まで開く必要のない軽微な整備作業等を行う際に有効な上カバー24開放状態であって、閉じ位置と開き位置の間となる位置に設けられている。また、該中間位置であっても、リンク機構80の前リンク部材81の第1枢軸81a、82aは後リンク部材82の第1枢軸81a、82aよりも高位に位置しており、これによって中間位置の上カバー24も前上がり姿勢に設定されることとなる。
【0029】
上カバー24の後端側は、当該上カバー24を開閉した状態で前記設置台の懐部70を覆う位置まで延設されいる。即ち、上カバー24を開き位置,閉じ位置,中間位置にしたときに、当該上カバー24は懐部70を覆っていて、上カバー24の上面と懐部70とが対向した状態にある。
さて、図6に示すように、ブームシリンダ17,アームシリンダ18,バケットシリンダ19,オフセットシリンダに油圧を供給する油圧ホース90が旋回台11の前部から作業装置12へ向けて複数本配設されている。各油圧ホース90は、旋回台11からブーム14の中途側まで配設される旋回側ホース91と、ブーム14の中途側から各シリンダ17,18,19まで配設される作業装置側ホース92とに分けられていて、ブーム14の中途部で旋回側ホース91と作業装置側ホース92とが接続具93を介して接続されるようになっている。
【0030】
具体的には、オフセットシリンダに油圧を供給する2本のオフセット用油圧ホース90aが第1ブーム部材20の上面の左端側に配設され、第1ブーム部材20の上面でオフセット用油圧ホース90aの右隣にアームシリンダ18に油圧を供給する2本のアーム用油圧ホース90bが配設され、第1ブーム部材20の上面でアーム用油圧ホース90bの右隣にバケットシリンダ19に油圧を供給する2本のバケット用油圧ホース90cが配設されている。
【0031】
これらオフセット用油圧ホース90a,アーム用油圧ホース90b,バケット用油圧ホース90cは、第1ブーム部材20の上面に設けられたクランプ具94によってクランプされている。各油圧ホース90には、それぞれの油圧ホース90の種類を色等により識別するための識別部材95(例えば、色テープ)が取り付けられている。
識別部材95は、各油圧ホース90のクランプする位置を示す位置指定の役割をしており、各油圧ホース90をクランプ具94にクランプする際に、各油圧ホース90の識別部材95の位置をクランプ具94の凹部94aに合わせることで、当該油圧ホース90を適度に撓ませた状態で位置固定することができる。
【0032】
即ち、油圧ホース90をクランプ具94に固定した際に当該油圧ホース90が所定の撓みを有するように、各識別部材95は油圧ホース90に取り付けられるようになっていて、識別部材95の位置をクランプ具94の凹部94aに合わながら油圧ホース90をクランブ具94に取り付けることで、所定の撓みを持たせた状態で油圧ホース90を固定することができる。
【0033】
識別部材95によれば、油圧ホース90を配設する際に、識別部材95によって配設する油圧ホース90の種類を識別し易くなると共に、ブーム14に対する油圧ホース90の位置あわせを容易にすることができる。
第1ブーム部材20の右側面には、ブームシリンダ17に油圧を供給する2本のブーム用油圧ホース90dが配設されており、ブーム用油圧ホース90dは第1ブーム部材90dの右側面に設けられたクランプ具97にクランプされている。ブーム用油圧ホース90dには、識別部材95が取り付けられており、識別部材95の位置をクランプ具97に合わせることで、ブーム用油圧ホース90dを撓みを持たせた状態で固定することができる。油圧ホース90の接続位置、即ち、各接続具93の位置は隣り合う接続具93に対して前後方向にずらされていて、隣り合う接続具93が左右方向に並列しないようにしている。
【0034】
第1ブーム部材20の上面には、油圧ホース90を覆う矩形状のカバー96が設けられている。このカバー96はクランプ具94から前方側へ配設されたオフセット用油圧ホース90a,アーム用油圧ホース90b,バケット用油圧ホース90cの上部及び側部をまとめて覆うもので、クランプ具94から第1ブーム部材20の前端まで延びる長尺状とされている。
【0035】
カバー96で油圧ホース90を覆った状態で、オフセット用油圧ホース90aに対応するカバー96の左側上部には、カバー96の上面及び側面を切り欠いた切り欠き部98が形成されており、この切り欠き部98からオフセット用油圧ホース90aを出して当該オフセットシリンダ側へ配設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】旋回台上の平面図である。
【図2】旋回台の背面図である。
【図3】タンクルームの拡大平面図である。
【図4】タンクルーム内の拡大側面図である。
【図5】載置台の斜視図である。
【図6】油圧ホースの配管図である。
【図7】旋回作業機の右側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 旋回作業機
26 縦リブ
28 運転席
30 エンジンルーム
31 タンクルーム
36 エンジン
57 作動油タンク
58 バッテリー
60 載置台
61 載置部
62 仕切部
63 取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席の後方下部側にエンジンを配置するエンジンルームを設け、運転席の左右一方側に前記エンジンルームと連通するタンクルームを設け、このタンクルームに作動油タンクとバッテリーとを設けており、
前記タンクルーム内にバッテリーを載置する載置台を配置し、この載置台はバッテリーを載置する載置部と、この載置部から後方側に延設していてエンジンルームと前記タンクルームとの間を仕切る仕切部と、載置部と仕切部とから立設していて前記タンクルームの運転席側の側壁を形成する縦リブに取り付けられる取付部とを有していることを特徴とする旋回作業機。
【請求項2】
前記仕切部は、載置部の後端側から延設して傾斜する傾斜部と、この傾斜部から立設する縦部とを備え、前記傾斜部と縦部とで載置部に載置されたバッテリーと仕切部との間に懐部を形成し、前記傾斜部にバッテリーに接続したハーネスをエンジンルームへ導くためのハーネス孔を形成していることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機。
【請求項3】
前記タンクルームの上方側に当該タンクルームを開閉する上カバーを設けており、前記上カバーの後部側を前記懐部を覆う位置まで延設していることを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−231636(P2007−231636A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55416(P2006−55416)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】