説明

旋回作業機

【課題】縦リブの変形量と応力値を小さく抑える。
【解決手段】走行装置2上に上下方向の旋回軸心X回りに回動自在に支持された旋回基板36を備え、旋回基板36の前端側の左右一側寄りに作業装置11を支持する上下一対の支持ブラケット13を備え、旋回基板36上に支持ブラケット13から後方に向けて延設された左右一対の縦リブ37L、37Rを固定し、旋回基板36上の前後中途部に左右方向に延設された左右補強部材を設け、旋回基板36上のエンジン27を搭載する後部に前後方向に延設された前後補強部材を左右に複数並設し、左右補強部材に対して左右方向他側の縦リブ37Lの後部と左右方向他側の前後補強部材の前部とを固定し、他側の前後補強部材の前端部を、他側の縦リブ37Lの後端部及び左右補強部材より前方へ突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の旋回作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、旋回作業機としてバックホーがあり、該バックホーは、走行装置上に旋回台を上下方向の旋回軸心回りに回動自在に設け、この旋回台の前部に、スイングブラケット,ブーム,アーム,バケット等を備えた掘削装置を支持している(特許文献1参照)。
前記旋回台は、走行装置のトラックフレームに旋回ベアリングを介して旋回軸心回りに回動自在に支持される旋回基板を備えており、この旋回基板の前部に板材からなる上下一対の支持ブラケットが設けられ、この上下支持ブラケットの前部にスイングブラケットが上下軸回りに回動自在に支持され、このスイングブラケットにブームの基部側が左右軸回りに回動自在に枢支連結され、このブームの先端側にアームの基部側が左右軸回りに回動自在に枢支連結され、このアームの先端側にバケットが左右軸回りに揺動自在に枢支連結されている。
【0003】
また、旋回基板上には、支持ブラケットから後方に向けて延設された板材からなる左右一対の縦リブが溶接固定され、下側の支持ブラケットは旋回基板上に溶接固定され、前記左右縦リブの前端側は上下支持ブラケット間に挿入状とされて両者に溶接固定されており、上下の支持ブラケットのスイングブラケット枢支部分は旋回基板から前方に突出している。
【0004】
また、上下の支持ブラケットは左右方向中央部から右寄りに配置され、旋回台の上方の前後方向略中央部で且つ左右方向中央部から左寄りに運転席が配置され、この運転席の下方に、旋回台の上壁を構成するステップが設けられ、このステップ上に、前記運転席と、運転室を形成するキャビンとが搭載されており、左側の縦リブ及び上下支持ブラケットの基部側(後部側)はステップの下方に位置していて旋回台内に収納状とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−268799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来のバックホーにあっては、掘削装置を支持するための強度を確保するために、左右縦リブの前端側の上下支持ブラケット間に挿入状とされる部分の上下幅を広くしているが、上下支持ブラケットの基部側はステップの下方側に配置されているので、ステップを低くして安定性等を向上させるということが困難である。
そこで、上下支持ブラケットの左方に位置ズレさせてステップを配置することで、掘削装置の支持強度を確保しながらステップの高さを低くすることが考えられている。
【0007】
しかしながら、旋回基板の強度確保,掘削装置から伝播する荷重を分散させる等を図るため、左側の縦リブは、上下支持ブラケットから後方に行くに従って左方に移行する傾斜方向に延設されていて中途部から後部に亘ってステップの下側に位置することから、ステップを上下支持ブラケットの左方に配置して上側の支持ブラケットよりも低く配置すると、図12に示すように、左側の縦リブ37Lの高さを前端側から中途部に至る途中で急激に低くしなければならず、そのため左側縦リブ37Lの変形量(たわみ量)が大きく、掘削作業時において、バケットを掻き込んで該バケットに土を入れ、ブーム等を揺動させて止めたときに揺れが大きく土こぼれが多いという問題が生じる。
【0008】
また、ブームが右斜め前方側を向くようにスイングブラケットを揺動させた状態で掘削作業をする場合に、前述した左側縦リブ37Lの急激に高さが変化する部分61に応力が集中し、該部分61に作用する応力値が高いという問題もある。
なお、図12において、下記に述べる実施の形態と同様の機能を有する部材は同様の符号を付して説明を省略する。
【0009】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、縦リブの変形量と応力値を小さく抑えることができる旋回作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段を以下に述べる。
第1に、走行装置上に上下方向の旋回軸心回りに回動自在に支持された旋回基板を備え、この旋回基板の前端側の左右一側寄りに作業装置を支持する上下一対の支持ブラケットを備えると共に、前記旋回基板上に前記支持ブラケットから後方に向けて延設された左右一対の縦リブを固定し、前記旋回基板上の前後中途部に左右方向に延設された左右補強部材を設け、前記旋回基板上のエンジンを搭載する後部に前後方向に延設された前後補強部材を左右に複数並設しており、
前記左右補強部材に対して左右方向他側の縦リブの後部と左右方向他側の前後補強部材の前部とを固定し、
前記他側の前後補強部材の前端部を、前記他側の縦リブの後端部及び左右補強部材より前方へ突出している。
【0011】
第2に、前記他側の縦リブの後端部を、前記他側の前後補強部材の前部側面に固定している。
第3に、前記他側の前後補強部材の左右両側に左右補強部材を設け、前記旋回基板の左右方向他側の上方に運転席を支持するステップを設けており、
前記他側の縦リブの後部、前記他側の前後補強部材の前部及び前記両側の左右補強部材を、前記ステップより低い高さに形成している。
【0012】
また、本発明の特徴は、走行装置上に上下方向の旋回軸心回りに回動自在に支持された旋回基板を備え、この旋回基板の前端側の左右一側寄りに作業装置を支持する上下一対の支持ブラケットを備えると共に、該旋回基板上に前記支持ブラケットから後方に向けて延設された左右一対の縦リブを固定し、前記旋回基板の上方にステップを設け、このステップ上に運転席を設けた旋回作業機において、
前記ステップを支持ブラケットの左右方向他側方で且つ上側の支持ブラケットよりも下方側に配置し、左右方向他側の縦リブを上側の支持ブラケットと略同じ高さで該支持ブラケットから旋回軸心近傍位置又は該旋回軸心の後方にまで延設していることを特徴とする。
【0013】
また、左右方向他側の縦リブに油圧ホースを通す通し穴を形成するのがよい。
また、左右方向他側の縦リブは旋回軸心と交差するように設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、縦リブの変形量と応力値を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】旋回フレームの平面図である。
【図2】旋回フレームの要部の拡大平面図である。
【図3】バックホーの全体側面図である。
【図4】旋回台の平面図である。
【図5】旋回フレームの左側面図である。
【図6】旋回フレームの背面図である。
【図7】旋回フレームの正面図である。
【図8】旋回フレームの右側面図である。
【図9】比較例に係る旋回フレームの斜視図である。
【図10】他の実施の形態に係る旋回フレームの斜視図である。
【図11】他の実施の形態に係る旋回フレームの斜視図である。
【図12】比較例に係る旋回フレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図3において、1は旋回作業機として例示するバックホーであり、該バックホー1は、下部の走行装置2と、上部の旋回体3とから主構成されている。
走行装置2は、スプロケット4と、アイドラ5と、転輪6とに亘ってクローラベルト7を掛装すると共に、スプロケット4を油圧モータ8で回転駆動することでクローラベルト7を循環回走して走行するようにしたクローラ式走行装置が採用されている。
【0017】
走行装置2の前部には、ドーザ9が設けられている。
旋回体3は、走行装置2上に上下方向の旋回軸心X回りに回動自在に設けられた旋回台10と、この旋回台10の前部に設けられた作業装置(掘削装置)11とを有し、旋回台10上には運転室を形成するキャビン12が搭載されている。
旋回台10の前部には、作業装置11を支持する板材からなる上下一対の支持ブラケット13が設けられている。
【0018】
作業装置11は、前記上下支持ブラケット13に上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持されたスイングブラケット14と、このスイングブラケット14に基部側が左右軸回りに上下揺動自在に枢支連結されたブーム15と、このブーム15の先端側に左右軸回りに前後揺動自在に枢支連結されたアーム16と、このアーム16の先端側に左右軸回りに揺動自在に枢支連結されたバケット17とを備えている。
【0019】
スイングブラケット14は、旋回台10内の右側に配置されたスイングシリンダの伸縮によって揺動され、ブーム15は、該ブーム15とスイングブラケット14との間に介装されたブームシリンダ18の伸縮によって揺動され、アーム16は、該アーム16とブーム15との間に介装されたアームシリンダ19の伸縮によって揺動され、バケット17は、該バケット17とアーム16との間に介装されたバケットシリンダ20の伸縮によって揺動され、前記スイングシリンダ,ブームシリンダ18、アームシリンダ19及びバケットシリンダ20は油圧シリンダから構成されている。
【0020】
図1〜図8に示すように、旋回台10は骨格となる旋回フレーム21と、この旋回フレーム21の後部に取付固定されていて前部の作業装置11に対する重量バランスを図ると共に旋回台10の後部を構成するカウンタウエイト22と、このカウンタウエイト22の左右両側に設けられていて該カウンタウエイト22と共に旋回台10の後部を構成するサイドプロテクタ23とを有し、旋回フレーム21の左右側面及び前面はカバー部材で覆われており、旋回フレーム21の前部側の左側は、板材から構成されていて旋回台10の上壁を構成するステップ24によって覆われている。
【0021】
旋回フレーム21上には、運転席26、エンジン27、ラジエータ28、燃料タンク29、作動油タンク30、バッテリー31、コントロールバルブ32等が搭載されており、運転席26は旋回フレーム21の前後方向略中央部で且つ左右方向中央部より左側に配置され、エンジン27は旋回フレーム21の後部にクランク軸の軸心が左右方向に一致するように横置き配置され、ラジエータ28はエンジン27の右側に配置されており、エンジン27の左側には油圧ポンプ33が設けられており、燃料タンク29,作動油タンク30,バッテリー31及びコントロールバルブ32は旋回フレーム21の右側でラジエータ28の前方側に配置されている。
【0022】
また、エンジン27及びラジエータ28の配置部分はボンネット34によって覆われ、燃料タンク29,作動油タンク30,バッテリー31及びコントロールバルブ32の配置部分はタンクカバー35によって覆われている。
前記コントロールバルブ32は、バックホー1に設けられた各種油圧機器を制御する制御バルブを前後方向に連接してなる。
【0023】
旋回フレーム21は、旋回台10の底壁を構成する板材からなる旋回基板36と、この旋回基板36上に溶接固定された左右一対の板材からなる縦リブ37L,37Rと、これら縦リブ37L,37Rの前端側に固定された前記上下支持ブラケット13とを有する。
旋回基板36は、走行装置2のトラックフレームFに旋回ベアリング38を介して上下方向の旋回軸心X回りに回動自在に支持され、前記旋回ベアリング38のインナーレース38AはトラックフレームFにボルト固定され、アウターレース38Bは旋回基板36の下面にボルト固定されている。
【0024】
また、旋回基板36の旋回中心には、旋回台10側のコントロールバルブ32から走行装置2側の油圧機器に圧油を供給するためのスイベルジョイント39の上部を挿通させるための円形状の通し穴40が形成されている。
上下支持ブラケット13は、旋回基板36の前部の左右方向中央部から右側寄りに配置され、前記ステップ24及びキャビン12は、上下支持ブラケット13の左側方に配置されている。
【0025】
旋回基板36上には、ステップ24を支持する支持ステー41が固定され、この支持ステー41に防振ゴム(マウントゴム)を介してステップ24が支持されている。
また、キャビン12は下端が開口状とされていると共に、該下端開口をステップ24で塞ぐように該ステップ24上に載置され、且つキャビン12の下端開口縁部に設けられた取付壁42をステップ24にボルト固定することにより、キャビン12がステップ24に着脱自在に取り付けられている。
【0026】
また、キャビン12の後部の上下方向中途部は、ボンネット34等を支持すべく旋回基板36上に立設された支持部材に防振ゴムを介して支持されている。
下側の支持ブラケット13の基部側(後部側)は、旋回基板36上に重ね合わされて該旋回基板36に溶接固定され、該下側の支持ブラケット13の前後方向中途部は、該支持ブラケット13基部側の前端から前方に行くに従って上方に移行する傾斜状に形成され、該下側の支持ブラケット13の先端側(前部側)は中途部の前端から前方に延出されている。
【0027】
なお、下側の支持ブラケット13の傾斜部分には、作業装置11の各油圧シリンダに圧油を供給するための油圧ホースを通すための通し穴43が形成されている。
また、上側の支持ブラケット13は平板状に形成されていて、下側の支持ブラケット13の上方に間隔をおいて配置されている。
これら上下の支持ブラケット13の前部は、旋回基板36から前方に突出状とされており、この上下支持ブラケット13の前部には、上下方向の軸心を有すると共に該上下支持ブラケット13の前部間に亘る筒軸44が固定されており、この筒軸44に挿通される枢軸を介してスイングブラケット14が上下支持ブラケット13に支持されている。
【0028】
前記ステップ24及びキャビン12の底部は、上側の支持ブラケット13よりも低い位置(下方位置)に設けられている。
左右の縦リブ37L,37Rは、板厚方向が上下方向に直交する方向となるように(板幅方向が上下方向となるように)縦向きに配置され、該左右の縦リブ37L,37Rの前端側は、上下の支持ブラケット13間に挿入状とされ、該挿入状とされた部分の、上端部は上側の支持ブラケット13の下面に接当して溶接固定され下端部は下側の支持ブラケット13の上面に接当して溶接固定され且つ前端が前記筒軸44に溶接固定されている。
【0029】
また、左右の縦リブ37L,37Rの、上下支持ブラケット13間に挿入状とされた部分は、連結部材45によって相互に連結されている。
また、左右縦リブ37L,37Rの、下側の支持ブラケット13から後方側に延出されている部分は、旋回基板36の上面に接当すると共に該旋回基板36上面に溶接固定されている。
【0030】
右側の縦リブ37Rは、上下支持ブラケット13間の右側から後方に延設され、左側の縦リブ37Lは、上下支持ブラケット13の左側から後方に延設されている。
また、右側の縦リブ37Rは、中途部において旋回ベアリング38の右側上方を通り、後部側において、後方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状に形成されると共に後端側が左右方向外方を向くように屈曲している。
【0031】
左側の縦リブ37Lは、平面視で、旋回ベアリング38を前後2カ所で横切るように設けられている。
この左側の縦リブ37Lの高さは、前部から中途部にかけて上側の支持ブラケット13(の下面位置)と略同じ高さで後方に延設されており、後部側においてステップ24よりも低い高さに形成されており、したがって該左側縦リブ37Lの上下幅は、前部側から中途部にかけて上下方向に広幅に形成され、後部側において上下方向に幅狭に形成されている。
【0032】
この左側縦リブ37Lの広幅部分46は、前端側において、中途部及び後部と比較して、上下の支持ブラケット13間の間隔に対応して幅狭に形成されていると共に前方に行くに従って左右方向内方に移行する傾斜状に形成されており、該広幅部分46の中途部から後端部にかけては、略同じ上下幅で前後方向直線状に且つ旋回軸心Xと交差するように(平面視で前記通し穴40の中心部を前後方向に横切るように)配置されていて、キャビン12の右側面(左右方向内方側の外側面)に対して平行状とされている。
【0033】
また、該左側縦リブ37Lの広幅部分46の上端の後縁46aは、旋回軸心Xよりも後方に位置している(なお、広幅部分46はその上端の後縁46aが旋回軸心X近傍位置に位置するように延設されていてもよい)。
また、この広幅部分46の背面46bは後方に行くに従って下方に移行する急斜面に形成されている。
【0034】
また、左側縦リブ37Lの後部側の狭幅部分47は、前部側において前後方向直線状に形成され、中間部において後方に行くに従って左右方向外方に移行する傾斜状となるように屈曲されていると共に該中間部の中途部分においてさらに高さが低く(上下に狭幅に)なっており、後部側において、左右方向外方に延出するように屈曲されている。
また、上側の支持ブラケット13の左側の、左側縦リブ37Lの上端に重ね合わされて溶接固定される部分には、旋回軸心X近傍にまで後方に向けて延出された延出部48が設けられている。
【0035】
前記左側縦リブ37Lの後端部の左右方向外側方には、縦向きで前後方向に配置されていて旋回基板36上に溶接固定された補強板49が設けられ、この補強板49の左右方向内側面に左側縦リブ37Lの長手方向後部側の端部が連結されている。
この補強板49の後端部は、旋回基板36の後端側の左右方向中央部に設けられた補強ブロック50に連結されている。
【0036】
また、右側縦リブ37Rの後部の左右方向内側面と前記補強ブロック50の前面右側とが補強板51によって連結され、この補強板51と前記補強板49とは連結板52によって連結されている。
また、補強板49の前部左方には補強板59が左右方向に配置され、該補強板59は補強板49に接続されている。
【0037】
また、左側の縦リブ37Lの前部側(広幅部分)には、左側縦リブ37Lの左方に設けられたパイロット操作弁と、右側縦リブ37Rの右方に設けられたコントロールバルブ32のパイロット切り換えバルブとを接続するための油圧ホースを通すための通し穴53が形成されている。
この通し穴53は旋回基板36の旋回中心に形成された通し穴40に対応する位置に形成されていて、左側縦リブ37Lがスイベルジョイント39に干渉するのを避けるように且つスイベルジョイント39に油圧ホースが接続できるように形成されている。
【0038】
なお、前記各油圧ホースは右側の縦リブ37Rの上側を通してコントロールバルブ32に接続される。
前記実施形態のバックホー1にあっては、ステップ24及びキャビン12が、作業装置11を支持する上下の支持ブラケット13の左方に位置しているので、ステップ24及びキャビン12の底部を低くすることができ、または、ステップ24等の位置を高くすることなく上下支持ブラケット13の上下間隔(左右縦リブ37L,37Rの前端側の上下幅)を大きく採ることができる。
【0039】
また、左側の縦リブ37Lが、前部側から中途部に亘って、キャビン12の右側の外側面と平行して、支持ブラケット13から旋回軸心Xの後方にまで延設されているので、ブーム15が右斜め前方側を向くようにスイングブラケット14を揺動させた状態で掘削作業をする場合に、図12に示す旋回フレーム21の左側縦リブ37Lの急激に高さが変化する部分61に集中する応力を分散させることができ、作業装置11から作用する荷重による左側縦リブ37Lの変形量と応力値を小さく抑えることができる。
【0040】
また、左側の縦リブ37Lの上端に重ね合わせて固定される上側の支持ブラケット13の左側部分を旋回軸心X近傍にまで延設することにより、さらに応力の分散が図れ、左側縦リブ37Lの変形量と応力値を小さく抑えることができる。
図9は、比較例を示しており、左側縦リブ37Lの後部側の狭幅部分47の後部が前後方向直線状とされて左右方向の補強板54に接続され、該補強板54は、補強板55によって補強ブロック50に連結されている。また、補強ブロック50の右側には、前方に突出状とされて右側の縦リブ37Rに接続された延設部56が設けられ、前記補強板54は該延設部56に連結されている。
【0041】
なお、左側縦リブ37Lと補強板55とは一体形成されていてもよい。
その他の構成は、前記図1〜図8に示す実施の形態と略同様に構成される。
図10は、他の実施の形態を示しており、左側の縦リブ37Lの後部側の狭幅部分47が前部側の広幅部分46から後方に延長された直線状に形成されていて、左右方向の補強板54に接続されており、この補強板54の左端側は、前後方向に配置されていて後端が補強ブロック50に接続された補強板57に接続され、前記補強板54の右端側は、補強ブロック50の右側の延設部56に連結されている。
【0042】
その他の構成は、前記実施の形態と略同様に構成される。
図11は、他の実施の形態を示しており、図10に示す旋回フレーム21に変更を加えたものであり、図10に示す旋回フレーム21と構成が異なる点は、右側の縦リブ37Rの高さを高くして(上下方向の幅を広くして)いると共に、該右側の縦リブ37Rに油圧ホースを通すための通し穴58が形成されている点である。
【符号の説明】
【0043】
2 走行装置
10 旋回台
11 作業装置
13 支持ブラケット
24 ステップ
26 運転席
36 旋回基板
37L 縦リブ
37R 縦リブ
53 通し穴
X 旋回軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)上に上下方向の旋回軸心(X)回りに回動自在に支持された旋回基板(36)を備え、この旋回基板(36)の前端側の左右一側寄りに作業装置(11)を支持する上下一対の支持ブラケット(13)を備えると共に、前記旋回基板(36)上に前記支持ブラケット(13)から後方に向けて延設された左右一対の縦リブ(37L、37R)を固定し、前記旋回基板(36)上の前後中途部に左右方向に延設された左右補強部材を設け、前記旋回基板(36)上のエンジン(27)を搭載する後部に前後方向に延設された前後補強部材を左右に複数並設しており、
前記左右補強部材に対して左右方向他側の縦リブ(37L)の後部と左右方向他側の前後補強部材の前部とを固定し、
前記他側の前後補強部材の前端部を、前記他側の縦リブ(37L)の後端部及び左右補強部材より前方へ突出していることを特徴とする旋回作業機。
【請求項2】
前記他側の縦リブ(37L)の後端部を、前記他側の前後補強部材(49)の前部側面に固定していることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機。
【請求項3】
前記他側の前後補強部材(49)の左右両側に左右補強部材(52、59)を設け、前記旋回基板(36)の左右方向他側の上方に運転席(26)を支持するステップ(24)を設けており、
前記他側の縦リブ(37L)の後部、前記他側の前後補強部材(49)の前部及び前記両側の左右補強部材(52、59)を、前記ステップ(24)より低い高さに形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載の旋回作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−190039(P2010−190039A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133924(P2010−133924)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【分割の表示】特願2004−336243(P2004−336243)の分割
【原出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】