説明

旋回軸受

【課題】 加工工数等の低減を行って製作コストを低減を図ると共に、構成部品の軽量化を図ることができる旋回軸受を提供する。
【解決手段】 この旋回軸受は、内輪1と、外輪2と、これら内外輪1,2の軌道溝1a,2a間に転動自在に設けられる転動体3とを備える。内輪1の内周面の円周方向の一部のみ、または外輪2の外周面の円周方向の一部のみに、歯車6を設けた。軌道輪の周面の円周方向の一部のみに歯車6を設けると、軌道輪の周面の円周方向の他の部分に歯車を加工するための加工工数を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、風力発電装置のブレード旋回部等に使用される旋回軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
旋回軸受は、一般にピニオンで駆動されるため、軸受の外輪外径に外歯車もしくは内輪内径に内歯車が一体に設けられている(特許文献1〜3)。油圧ショベルやクレーンの旋回軸受は、基本揺動運動にて使用されるが、360度全旋回する場合もあるため、歯車は軌道輪全周に渡って設ける必要がある。
一方、風力発電装置の翼の旋回軸受は、風速に合わせて翼の角度を調整する際に運転される。風速が低すぎたり風速が高すぎるため発電できない場合は、旋回軸受により翼を倒して風を逃がす。前記旋回軸受はこのような動作を繰り返すため、円周上90度程度の揺動運動となる。また前記外歯車または内歯車に噛合するピニオンは、一般に円周上1個設けられる。駆動モータの駆動力が、モータ軸に付設される前記1個のピニオンを介して内歯車(または外歯車)に伝達され旋回軸受は旋回駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−308091号公報
【特許文献2】実公平6−24439号公報
【特許文献3】特開2004−162484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように旋回軸受は円周上90度程度の揺動運動となるため、残りの270度程度の歯車はピニオンと噛み合うことも無い。このため、機能面では全周に渡って歯車は必要ないが、全周面を歯切り加工することにより、加工工数が増えコストアップに繋がることが考えられる。また、歯車に熱処理する場合のコストも含めると、更なる過剰スペックとなる。
【0005】
風車の構造面から考えると、各コンポーネントの軽量化が全体剛性および強度を向上させることに繋がる有効な手段であるが、噛み合いしない(機能上不要な)箇所に歯車の仕様を付与することにより軸受質量が増加し、全体構造の剛性および強度にも影響を及ぼす。さらに、噛み合いしない箇所については、経年後の錆に対する防食処理、例えば、塗装や溶射が必要となるが、歯車のような入り組んだ形状では平坦な形状と比較し、処理工数が増える。
【0006】
この発明の目的は、加工工数等の低減を行って製作コストを低減を図ると共に、構成部品の軽量化を図ることができる旋回軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の旋回軸受は、内輪と、外輪と、これら内外輪の軌道溝間に転動自在に設けられる転動体とを備えた旋回軸受において、前記内輪の内周面の円周方向の一部のみ、または外輪の外周面の円周方向の一部のみに、歯車を設けたことを特徴とする。
例えば、駆動モータのモータ軸にピニオンが付設され、このピニオンに前記歯車が噛み合う。前記駆動モータの駆動力が、ピニオンを介して前記歯車に伝達され、内外輪のいずれか一方の軌道輪を他方の軌道輪に対して相対的に旋回駆動する。前記一方の軌道輪は、歯車を設けた円周方向の一部の範囲内で旋回し得る。このように軌道輪の周面の円周方向の一部のみに歯車を設けると、軌道輪の周面の円周方向の他の部分に歯車を加工するための加工工数を低減できる。また、軌道輪の周面の円周方向の他の部分に歯車を設けないため、この軌道輪の軽量化を図ることができる。
【0008】
前記歯車が平歯車であっても良い。
前記内輪または外輪は、歯車が設けられる円周方向の角度を90度以上120度以下としても良い。軌道輪における円周方向の残りの240度〜270度は歯車の無い仕様とすることができる。
前記内輪または外輪について、歯車が設けられる円周方向の一部の対角位置に歯車を設けても良い。
【0009】
歯車の噛み合い時に必要なバックラッシを確認するため、内輪の内周面の円周方向の一部に歯車を設けるいわゆる内歯車の場合、例えば、オーバーピン径を測定し、外輪の外周面の円周方向の一部に歯車を設けるいわゆる外歯車の場合、例えば、またぎ歯厚を測定する。内歯車のオーバーピン径は、180度対角の歯車の歯溝に所定のピンを挿入しピン間距離(内接円径)を測定するため、歯車が設けられる円周方向の一部の対角位置に歯車を設けることで、オーバーピン径を容易に測定し得る。なお、オーバーピン径を測定するオーバーピン法は、歯車のピッチ円付近で両側歯面に接するような直径のピンとマイクロメータを用いて歯厚を測定する。またぎ歯厚を測定するまたぎ歯厚法は、平行な平面で、ある枚数の歯を挟んで測定する方法で、測定する歯車の歯数に応じて、2以上のそれぞれ決められた歯数をまたいで測定する。
【0010】
前記内輪または外輪の歯車は、円周方向の複数箇所に設けられたものであっても良い。
前記内輪の内周面または外輪の外周面のうち歯車が設けられていない非歯車部は、前記歯車の歯先円直径から歯底円直径までの径方向の範囲内で内輪または外輪の周面を盗み加工したものであっても良い。この場合、軌道輪の軽量化を図り、旋回軸受の軽量化を図ることができる。
【0011】
前記内輪の内周面または外輪の外周面のうち歯車のない非歯車部は、塗装を施さない未塗装部としたものであっても良い。この場合、非歯車部は、機械加工を施さないこと(いわゆる鍛造肌のまま)で錆の進行を防止でき、防食処理が不要となる。また塗装を施すための工数が削減できる。
いずれかの旋回軸受は、風車のブレードを主軸に対して、主軸軸心に略垂直な軸心回りに旋回自在に支持するものであっても良い。
【発明の効果】
【0012】
この発明の旋回軸受は、内輪と、外輪と、これら内外輪の軌道溝間に転動自在に設けられる転動体とを備えた旋回軸受において、前記内輪の内周面の円周方向の一部のみ、または外輪の外周面の円周方向の一部のみに、歯車を設けたため、加工工数等の低減を行って製作コストを低減を図ると共に、構成部品の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る旋回軸受の断面図である。
【図2】同旋回軸受の平面図である。
【図3】同旋回軸受の歯車のバックラッシを確認する例を説明する図である。
【図4】この発明の他の実施形態に係る旋回軸受の平面図である。
【図5】この発明のさらに他の実施形態に係る旋回軸受の平面図である。
【図6】同旋回軸受の歯車のバックラッシを確認する例を説明する図である。
【図7】風力発電装置の一例の一部を切り欠いて表した斜視図である。
【図8】同風力発電装置の破断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の第1の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この旋回軸受は、例えば、風力発電用風車のブレードを主軸に対して、主軸軸心に略垂直な軸心回りに旋回自在に支持する軸受として使用される。但し、ブレード用に限定されるものではない。
【0015】
図1に示すように、旋回軸受は、内輪1と、外輪2と、これら内外輪1,2の軌道溝1a,2a間に転動自在に介在する複数の転動体3と、周方向に隣接する転動体3,3間に介在する図示外の間座と、内外輪1,2における軸受空間の軸方向の両端をそれぞれ封止する一対の弾性体製のシール部材5,5とを備える。内外輪1,2の軸受空間4にはグリースが充填され、この軸受空間4の軸方向の両端が前記シール部材5,5により密封されている。前記転動体3としてこの例ではボールが採用されている。内外輪1,2の軌道溝1a,2aは、いずれも2つの曲面で構成されている。各軌道溝1a,2aを構成する2つの曲面は、それぞれ転動体3としてのボールよりも曲率半径が大きく、曲率中心が互いに異なるゴシックアーチ状の断面円弧状である。各ボールは、内輪軌道溝1aおよび外輪軌道溝2aの前記各曲面に接点で接して4点接触する。この旋回軸受は4点接触玉軸受として構成されている。前記間座は例えば樹脂材料からなり、この間座は両側のボール接触面が、中心部に至るに従って深く凹む球面を成す凹面形状とされている。
【0016】
外輪2には、複数の貫通孔2bが円周方向一定間隔おきに設けられる。これら貫通孔2bは、例えば、外輪2を支持台等に連結固定するために用いられる。内輪1にも複数の貫通孔1bが円周方向一定間隔おきに設けられている。各貫通孔1b,2bは、軸受軸方向に平行に形成されている。
図2は同旋回軸受の平面図である。同図に示すように、この例では、内輪1の内周面の円周方向の一部のみに、歯車6,6を設けている。換言すれば、内輪1の内周面全周のうちの一部には、歯車が設けられていない構成となっている。歯車6は、駆動モータ7から内輪1へ旋回駆動力を伝達する手段であり、平歯車から成る。駆動モータ7は、この例では内輪1の半径方向内方に配置され、同駆動モータ7のモータ軸に付設されるピニオンに、後述する複数箇所の歯車6,6のうちの1箇所の歯車6が噛み合っている。なお、内輪1の内周面に設けた歯車6を、「内歯車6」という場合がある。
【0017】
図2に示すように、内輪1の歯車6は、円周方向の複数箇所(この例では2箇所)に設けられたものである。円周方向の2箇所の歯車6,6を、円周方向の対角位置に設けている。また各箇所で歯車6,6が設けられる円周方向の角度α1,α2を、それぞれ90度以上120度以下としている。これら2箇所の歯車6,6の各ピッチ面、各ピッチ円、各円ピッチ、各歯末のたけ、各歯元のたけ、各全歯たけ、各円弧歯厚、各歯みぞの幅、各歯先円、各歯底円、各基礎円は、互いに同一寸法に規定されている。
【0018】
内輪1の内周面のうち歯車6が設けられていない非歯車部8は、歯車6の歯先円直径から歯底円直径までの径方向の範囲内で内輪1の内周面を盗み加工したものである。この非歯車部8は、経年後の錆に対する防食処理、例えば、塗装や溶射が施される。なお、円周方向の2箇所の歯車6,6のうち前記ピニオンに噛み合う一方の歯車6については、前記のような防食処理を施さず、この歯車6の対角位置に設けられ前記ピニオンに噛み合わない他方の歯車6には、経年後の錆に対する防食処理が施される。
【0019】
ここで歯車6の加工方法について説明する。
一般に歯車の加工は、ホブ盤やフライス盤等を用いた幾つかの方法がある。しかし、ホブ盤やピニオンカッタでは軌道輪の円周上の一部に歯車を加工することができない。つまりホブ盤やピニオンカッタでは、全周加工が必要となる。一方、フライス盤の歯形カッターによる加工では一歯毎に加工するため、任意の歯数のみの加工も可能となる。したがって、この例ではフライス盤の歯形カッターを用いて一歯づつ加工していき、内輪1の内周面の円周方向の一部のみに歯車6を設けている。
【0020】
歯車6のバックラッシの確認方法について説明する。
実際の歯車では、歯車の製作公差、製作誤差、運転中の負荷による歯の変形,熱膨張,たわみ等の諸要因のために、理論的には正しく噛み合うはずでも滑らかに運転できない。そこで、歯車の運転を滑らかにするために、円周方向での歯面間の遊びつまりバックラッシを設けることが必要になる。
【0021】
図3は、この発明の実施形態に係る旋回軸受の歯車のバックラッシを確認する例を説明する図である。同図に示すように、内輪1の内周面の円周方向の一部に歯車6,6を設ける場合、例えば、オーバーピン法によりバックラッシを確認する。このオーバーピン法は、180度対角の歯車6,6の歯溝6a,6aに所定のピン9またはボールをそれぞれ挿入し、これらピン9,9間の距離D1つまり対向するピン9,9が内接する内接円の直径寸法(内接円径)D1をマイクロメータにより測定する。この内接円径D1と、前記ピニオンの歯車寸法とに基づきバックラッシを確認する。この例では、円周方向の2箇所の歯車6,6を、円周方向の対角位置に設けたため、180度対角の歯車6,6の歯溝6a,6aに所定のピン9,9をそれぞれ挿入して内接円径D1を容易に測定し得る。なお内歯車で用いるオーバーピン法を、「ビトウィーンピン法」または「ビトウィーンボール法」という場合がある。
【0022】
以上説明した旋回軸受によると、駆動モータ7の駆動力が、ピニオンを介して歯車6に伝達され、内輪1を外輪2に対して相対的に旋回駆動する。前記内輪1は、歯車6を設けた円周方向の一部の範囲内で旋回し得る。このように内輪1の内周面の円周方向の一部のみに歯車6を設けると、内輪1の内周面の円周方向の他の部分に歯車6を加工するための加工工数を低減できる。これにより製作コストの低減を図ることができる。内輪1の内周面の前記他の部分に歯車を設けないため、この内輪1の軽量化を図ることができる。したがって、旋回軸受の軽量化を図ることができる。
【0023】
前述のように、ピニオンに噛み合わない歯車6には、経年後の錆に対する防食処理が施される。歯車のような入り組んだ形状では、非歯車部8等のような平坦な形状と比較して、防食処理の処理工数が増えるが、ピニオンに噛み合わない歯車6は、円周方向の限定された範囲に設けられるので、その処理工数を抑制することが可能となる。
【0024】
この発明の他の実施形態について説明する。
以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0025】
図4の旋回軸受では、内輪1の内周面のうち円周方向の1箇所にのみ歯車6を設け、この1箇所の歯車6が設けられる円周方向の角度α1を、例えば、90度以上120度以下としている。但し、角度α1は必ずしも90度以上120度以下に限定されるものではない。
この円周方向の1箇所にのみ歯車6を設ける場合、前記歯車6の歯溝6aに所定のピンまたはボールを挿入し、例えば、三次元測定器を用いて内輪1の仮想中心からオーバーピンまでの寸法を測定し得る。
この構成によると、図2の旋回軸受よりもさらに歯車6の歯数を低減でき、歯車6の加工工数を低減できる。これにより製作コストの低減を図ることができる。また内輪1をさらに軽量化することが可能となる。その他図1、図2の旋回軸受と同様の作用効果を奏する。
【0026】
図5の旋回軸受は、内輪1の内周面に歯車を設ける構成に代えて、外輪2の外周面の円周方向の一部のみに、歯車6を設けたものである。この場合、図6に示すように、例えば、またぎ歯厚D2を測定することにより歯車6のバックラッシを確認し得る。またぎ歯厚D2を測定するまたぎ歯厚法は、平行な平面で、ある枚数の歯(図6の例では6枚)を挟んで測定する方法で、測定する歯車6の歯数に応じて、2以上のそれぞれ決められた歯数をまたいで測定する。
図5の構成によると、外輪2の外周面の円周方向の一部のみに歯車6を設けたため、外輪2の外周面の円周方向の他の部分に歯車6を加工するための加工工数を低減できる。前記他の部分に歯車6を設けない分、外輪2の軽量化を図れる。
【0027】
図7および図8は、前記いずれかの旋回軸受を風力発電用風車に用いた一例を示す。この風車21は、支持台22上にナセル23を水平旋回自在に設け、このナセル23のケーシング24内に主軸25を回転自在に支持し、この主軸25のケーシング24外に突出した一端に、旋回翼であるブレード26を取付けてなる。主軸25の他端は増速機27に接続され、増速機27の出力軸28が発電機29のロータ軸に結合されている。
【0028】
ナセル23は、旋回軸受BR1により旋回自在に支持される。例えば、外輪2の外周面全周に歯車6が設けられた旋回軸受が、前記ナセル23用の旋回軸受BR1に用いられる。図7に示すように、ケーシング24に複数の駆動源30が設置され、各駆動源30に図示しない減速機を介してピニオンが固着される。前記外輪2の前記歯車6が前記ピニオンに噛合するように配置される。例えば、外輪2が複数の貫通孔2bにより支持台22に連結固定され、内輪1がケーシング24に固定される。複数の駆動源30を同期して駆動させ、この旋回駆動力を外輪2へ伝達する。よって、支持台22に対してナセル23が相対的に旋回可能となる。
【0029】
ブレード26は、いずれかの実施形態に係る旋回軸受BR2により旋回自在に支持される。例えば、内輪1の内周面における円周方向の一部に歯車6を設けたものが適用される。主軸25の突出した先端部25aには、ブレード26を旋回駆動する駆動源が設けられる。前記先端部25aにこの旋回軸受の外輪2が連結固定され、内輪1の内周面に付設の歯車6が、前記駆動源のピニオンに噛合されている。この駆動源を駆動させ、この旋回駆動力を内輪に伝達することで、ブレード26が旋回可能となる。したがって、旋回軸受BR2は、風車のブレード26を主軸25に対して、主軸軸心L1に略垂直な軸心L2回りに旋回自在に支持し得る。このように、ブレード26の角度およびナセル23の向きを風の状態に合わせて随時変え得る。
この構成によると、ブレード26用の旋回軸受BR2において、内輪1の内周面の円周方向の一部のみに、歯車6を設けたため、加工工数等の低減を行って製作コストを低減を図ると共に、構成部品の軽量化を図ることができる。
【0030】
軌道輪を旋回駆動するモータおよびピニオンを複数個設けても良い。
軌道輪に歯車を円周方向に3箇所以上設けても良い。
内輪の内周面に歯車を設けると共に、外輪の外周面の歯車を設けても良い。
この旋回軸受は、4点接触玉軸受として構成されているが、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、クロスローラー軸受、これらの複列形式及び3列円筒ころ軸受として構成することも可能である。
この発明の旋回軸受を、風力発電用以外の油圧ショベル、クレーン等の建設機械、工作機械の回転テーブル、砲座、パラボラアンテナ等にも適用できる。
【符号の説明】
【0031】
1…内輪
2…外輪
1a,2a…軌道溝
3…転動体
6…歯車
BR2…旋回軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪と、外輪と、これら内外輪の軌道溝間に転動自在に設けられる転動体とを備えた旋回軸受において、
前記内輪の内周面の円周方向の一部のみ、または外輪の外周面の円周方向の一部のみに、歯車を設けたことを特徴とする旋回軸受。
【請求項2】
請求項1において、前記歯車が平歯車である旋回軸受。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記内輪または外輪は、歯車が設けられる円周方向の角度を90度以上120度以下とした旋回軸受。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記内輪または外輪について、歯車が設けられる円周方向の一部の対角位置に歯車を設けた旋回軸受。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記内輪または外輪の歯車は、円周方向の複数箇所に設けられたものである旋回軸受。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記内輪の内周面または外輪の外周面のうち歯車が設けられていない非歯車部は、前記歯車の歯先円直径から歯底円直径までの径方向の範囲内で内輪または外輪の周面を盗み加工したものである旋回軸受。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記内輪の内周面または外輪の外周面のうち歯車のない非歯車部は、塗装を施さない未塗装部とした旋回軸受。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、風車のブレードを主軸に対して、主軸軸心に略垂直な軸心回りに旋回自在に支持する旋回軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−154036(P2012−154036A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11575(P2011−11575)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】