説明

映像出力システム

【課題】調光ガラスのスイッチの切り替えを必要とせず、また、夜間や定休日などにおいても映像の表示できるようにするとともに、映像を表示していない時間帯においては商品の閲覧を可能にできるようにした映像出力システムを提供することを目的とする。
【解決手段】電圧の印加によって透過率を変化させることのできる調光ガラス2と、調光ガラス2を不透明にした状態で映像を映し出す映像出力装置3とを備えてなる映像出力システム1において、映像出力システム1から映像が出力されることを検出する映像出力検出手段によって映像の出力が検出された場合に、前記調光ガラス2を不透明な状態にして映像を映し出し、映像の出力が検出されない場合には、調光ガラス2を透明な状態にする。また、この映像の出力の検出に伴って、映し出された映像に対するユーザの操作状態を検出できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光ガラスを用いてプロジェクターから出力される映像を表示できるようにした映像出力システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、調光ガラスなどのように光の透過率を変化させるようにしたガラスなどが提案されている(特許文献1など)。この調光ガラスは、印加電圧を変化させ、それまで透明であったガラスを瞬時に磨りガラス状に変化させたり、もしくは、磨りガラス状であったガラスを瞬時に透明な状態に変化させたりるものである。このような調光ガラスは、店舗のショーウィンドウや、会議室の仕切ガラスなどに使用されており、また、近年では、その調光ガラスを用いてプロジェクターから出力された映像を表示できるようにした商品も販売されている(非特許文献1)。
【特許文献1】特許公開平5−265052号公報
【非特許文献1】「日本板硝子 UMU 100インチ スマートスクリーン」に関するホームページ(http://www.nsg.co.jp/umu/product/screen/index.html 2005年8月23日確認)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記非特許文献1などのような調光ガラスを用いてプロジェクターからの映像を出力するシステムでは、次のような問題を有している。
【0004】
すなわち、一般に、店舗などにおけるショーウィンドウなどにおいては、店舗内の商品を通行客などに見せるために、ガラスを透明な状態としているが、このガラスに映像を表示させようとすると、調光ガラスを不透明な状態としなければならないため、その映像を表示している間は、店舗内の商品を通行客に見せることができなくなる。このため、通常は、映像が終了するごとにスイッチを切り替えてガラスを透明な状態に戻すようにしているが、このようにスイッチの切り替えてガラスを透明な状態とするためには、担当者を常駐させておかなければならず、また、その作業も面倒なものとなる。特に、夜間や定休日などに映像を表示させようとすると、常に調光ガラスを磨りガラス状にしておかなければならず、店内の商品を通行客に見せることができなくなるといった不具合が生じる。
【0005】
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたもので、調光ガラスのスイッチの切り替えを必要とせず、また、夜間や定休日などにおいても映像を表示できるようにするとともに、映像を表示していない時間帯においては店内の商品を閲覧できるようにした映像出力システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、透過率を変更可能な調光ガラスと、当該調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を映し出す映像出力装置とを備えてなる映像出力システムにおいて、前記映像出力装置から映像が出力されたことを検出する映像出力検出手段と、当該映像出力検出手段によって映像の出力が検出された場合に、前記調光ガラスの透過率を低い状態とし、前記映像出力検出手段によって映像の出力が検出されていない場合には、前記調光ガラスの透過率を高い状態とする透過率切替手段とを備えるようにしたものである。
【0007】
このようにすれば、映像の出力と同じタイミングで調光ガラスが磨りガラス状にすることができるため、映像の出力が終了した場合には調光ガラスを透明な状態に戻すことができる。このため、夜間や休日などの無人店舗などにおいても、調光ガラスを介して店内の商品などを通行客に閲覧させることができるようになる。
【0008】
また、このような発明において、映像出力装置からの映像出力に伴う電気的な信号の変化を検出することによって調光ガラスの透過率を切り替える。
【0009】
このようにすれば、映像信号と同じタイミングで調光ガラスの透過率を切り替えることができるので、正確に調光ガラスを磨りガラス状にすることができるようになる。
【0010】
もしくは、映像出力装置から出力された光を検出して、調光ガラスの透過率を切り替えるようにする。
【0011】
このようにすれば、例えば、映像出力装置と調光ガラスとの間が離れていて電気的に接続することができない状態であっても、調光ガラス側にフォトセンサなどの光の検出装置を設けておけば、その光の検出によって調光ガラスの透過率を切り替えることができるようになる。
【0012】
また、別の発明では、透過率を変更可能な調光ガラスと、当該調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を映し出す映像出力装置と、前記調光ガラスに表示された映像に対して利用者が操作した状態を検出する操作検出手段と、当該操作検出手段による検出結果に基づいて前記表示される映像を変化させる映像制御手段とを備え、映像出力装置から映像が出力されることを検出した場合に、前記調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を表示するようにし、また、映像の出力が検出されていない場合には、前記調光ガラスの透過率を高くする。
【0013】
そして、好ましくは、映像出力装置から映像が出力された場合に、前記調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を表示するとともに、操作検出手段による操作の検出を可能な状態にして映像に対するユーザの操作状態を検出する。
【0014】
このようにすれば、調光ガラスに映像が映し出されている場合にのみ映像を操作することができるため、無駄な電力の消費を抑えることができるようになる。
【0015】
また、このような映像の操作を調光ガラスに非接触な状態で検出できるようにする。
【0016】
このようにすれば、非接触な状態で映像を操作することができるため、調光ガラスに指紋なが付着して透過率にむらができるなどといった不具合を防止することができるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、透過率を変更可能な調光ガラスと、当該調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を映し出す映像出力装置とを備えてなる映像出力システムにおいて、前記映像出力装置から映像が出力されたことを検出する映像出力検出手段と、当該映像出力検出手段によって映像の出力が検出された場合に、前記調光ガラスの透過率を低い状態とし、前記映像出力検出手段によって映像の出力が検出されていない場合には、前記調光ガラスの透過率を高い状態とする透過率切替手段とを備えるようにしたもので、映像の出力が終了した場合は調光ガラスを透明な状態に戻すことができ、夜間や休日などの無人店舗などにおいても、調光ガラスを介して店内の商品などを通行客に閲覧させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態における映像出力システム1の概略を示したものであり、図2は、その調光ガラス2における利用者の操作状態を検出する概要を示したものであって、水面の波紋が広がるような状態の映像を表示させたものである。また、図3は、調光ガラス2に透過状態の切り替えを示したものであり、図3(a)は調光ガラス2を透明な状態にした図、また、図3(b)は調光ガラス2を不透明な状態にした図である。また、図4は、この映像出力システム1の機能ブロック図を示したものであり、図5は、この映像出力システム1を用いた動作フローを示したものである。
【0019】
この実施の形態における映像出力システム1は、自動車販売店などにおけるショーウィンドウに設けられる調光ガラス2と、この調光ガラス2に店舗内側から映像を映し出す映像出力装置3と、この映像出力装置3によって映し出された映像に基づいてユーザが店舗外から操作した状態を検出する操作検出センサ4とを備えてなる。この映像出力システム1によって映し出される情報としては、例えば、その店舗で扱う商品の宣伝広告情報や、視覚効果を図ることによって集客力を高められるような映像などである。この集客力を高めるための映像としては、種々の映像などが考えられるが、この実施の形態では、ユーザの操作に応じて水面の波紋を広げさせるような映像を用いている。このような映像は、ユーザの注意力を喚起して店舗前に立ち止まらせるような効果を与えることができる。なお、このような映像出力システム1は、上述のような店舗におけるショーウィンドウなどに限らず、例えば、企業などにおける会議室のプレゼンテーション用の装置としても使用することもできる。このようなプレゼンテーション用の装置として使用する場合は、会議室の室内もしくは壁面に調光ガラス2を立設させておき、この調光ガラス2に会議資料などを映し出すようにする。また、上述のようなショーウィンドウや会議室などに限らず、床面や天井などに調光ガラス2を設けておき、その床面や天井面などに映像を映し出すようにすることもできる。以下、本発明の一実施の形態として、自動車販売店のショーウィンドウに使用した場合の映像出力システム1について具体的に説明する。
【0020】
まず、ショーウィンドウなどに設けられる調光ガラス2は、電圧を印加することによってガラスの透過率を瞬時に切り替えられるようにしたもので、不透明な状態(磨りガラス状態)と透明な状態に瞬時に切り替えられるようにしたものである。このような調光ガラス2は、2枚のガラス基板の間に液晶シートと中間膜を挟み込んだもので、その液晶シートに電圧を印加することによって透過率を切り替えるようにしたものである。この調光ガラス2の透過率の切り替え方式としては、第一の方式として、電圧を印加していない状態で磨りガラス状態とする方式が存在し、第二の方式として、電圧を印加していない状態で透明な状態とする方式が存在する。この第一の方式では、例えば、2枚のガラス基板の中にマネテイック液晶を挟み込むようにした構造を用い、また、第二の方式としては、例えば、一対のガラス基板の内側に透明電極とポリイミド配向膜とを積層し、その間にP型コレステリック液晶やP型のコレステリック液晶とP型のネマティック液晶の混合物を充填したものを用いる。これらの方式のいずれの方式を用いても良いが、自動車販売店などのショールームなどにおいては、通常、夜間のショーウィンドウを透明な状態として店内の商品を顧客に見せられるようにしているため、電圧を印加していない状態で透明な状態とする第二の方式を用いるのが好ましい。
【0021】
また、この調光ガラス2の上側端部には、CCDカメラなどの操作検出センサ4が設けられている。この操作検出センサ4は、調光ガラス2に映し出された水面などの映像に対して、ユーザがその水面の一部を触ったことを検出するものである。この操作検出センサ4は、指の位置などを画像処理などによって検出するために、調光ガラス2の上側両側部分に2カ所設けられる。この操作検出センサ4は、受光軸を店舗の外側に向けた状態で設けられ、また、調光ガラス2の外側に反射鏡5を設けて、そこで調光ガラス2の表面の少し離れた位置に存在する指の位置を検出する。但し、このように店舗の内側に操作検出センサ4を設けるようにした場合、調光ガラス2が不透明な状態に切り替えられると、反射鏡5からの映像がその調光ガラス2で遮られてしまい、画像をうまく取得することができない。そこで、好ましくは、操作検出センサ4の受光軸部分のみを透明状態にしておくか、あるいは、受光軸に対応する調光ガラス2の部分に小さな孔を空けておくようにすることが好ましい。なお、この実施の形態では、操作検出センサ4を店舗の内側に設けるようにしているが、店舗の外側に操作検出センサ4を設けるようにしてもよい。この場合、風雨などによって操作検出センサ4を故障させないような工夫を施しておく必要がある。
【0022】
一方、映像出力装置3は、調光ガラス2に店舗内側から宣伝広告情報などの映像を映し出すもので、パーソナルコンピュータなどの映像制御装置6と、映像を出力するためのプロジェクター7を備えて構成される。
【0023】
このうち、本体装置は、前記操作検出センサ4や調光ガラス2に接続され、映像の出力と同期して調光ガラス2に電圧を印加する。また、この映像の出力と同期して、操作検出センサ4による検出を可能な状態とし、その操作検出センサ4による人間の操作状態を検出して映像の制御をできるようにする。
【0024】
具体的にこの本体装置の構成について説明すると、図4の機能ブロック図に示すように、本体装置は、映像を格納したCDやDVDなどの記憶媒体を取り込んでハードディスクなどの記憶媒体に格納する記憶手段60を備えている。この記憶手段60は、CDやDVDなどの他に、インターネットなどに接続して所定のサーバーから映像を取り込んでハードディスクなどに格納することもできる。このように取り込まれる映像としては、例えば、その店舗で取り扱っている商品の情報や、バーゲンなどの特売情報、もしくは、視覚効果を高めるための映像(水面などの景色)などがある。そして、この記憶手段60に記憶された映像は、映像制御手段62を介してプロジェクター7から映像として出力される。この映像制御装置6によって、例えば、テレビのコマーシャルなどのように一方的な商品情報を表示する場合などにおいては、操作検出センサ4からの検出状態によらずにハードディスクに格納された映像をそのまま表示する。また、商品の詳細情報をユーザに検索させる場合や、あるいは、水面などの景色を映し出してユーザにその水面を触らせるような操作を行わせるような場合には、その操作に応じた映像を表示する。
【0025】
このような映像の制御は、操作検出手段61や映像制御手段62によって行われる。具体的には、操作検出手段61は、操作検出センサ4からの映像を微少時間ごとに差分をとり、その差分によって得られた画像の重心位置などから指などの位置を検出する。この差分により、微少時間前の画像と一致する画像は除去され、動いている物体の画像のみが抽出される。この抽出された画像は、調光ガラス2上に設けられた2台のCCDカメラによって取得され、三角測量によってその画像の重心位置を求めることができる。但し、画像を差分する処理だけでは、その動く物体が指であるのか他の物体(例えば、虫やゴミなど)であるのかを判別することができないため、その虫などの動きによって水面の波紋が広がるなどの映像制御がされてしまう。しかし、視覚効果を狙う場合は、特に人間の指であることを特定する必要はない。ここでは人間の指が検出されたものと仮定して以下に説明する。
【0026】
人間の指の重心座標位置を検出されると、今度は映像制御手段62によって、例えば、ユーザが操作画面中におけるボタンを押下するような動作を行った場合は、そのボタンの押下に対応する次の説明画面などを表示し、また、視覚効果を高めるために水面などの景色を映し出しているような場合は、その水面に触れられた位置から波紋が広がるような映像を表示する。そして、このような映像を店外にいるユーザに見せるために反転処理を施してプロジェクター7から出力する。
【0027】
このような映像制御手段62や操作検出手段61は、映像出力を行うアプリケーションの起動に同期して起動される。映像出力検出手段63は、その映像出力のアプリケーションの起動を検出し、映像出力のアプリケーションが起動されると、電圧印加手段64を介して調光ガラス2に電圧を印加する。また、映像出力のアプリケーションが起動に同期して、操作検出センサ4や操作検出手段61、映像制御手段62なども同時に機能させる。そして、電圧の印加によって調光ガラス2を不透明な状態に切り替えて調光ガラス2に映像を映し出し、また、操作検出センサ4や操作検出手段61によってユーザからの操作状態を検出して映像を変化させるなどの制御を行う。次に、映像の出力が停止した場合は、映像出力検出手段63によって映像の終了を検出し、調光ガラス2への電圧の印加を停止して調光ガラス2を透明な状態に戻すとともに、操作検出センサ4や操作検出手段61、映像制御手段62の機能を停止させる。
【0028】
このように構成された映像出力システム1を用いて映像を出力する際の動作フローを図5を用いて詳細に説明する。
【0029】
まず、前提として、夜間や休日などの店舗において一定時間毎に宣伝広告の映像を映し出すためのプログラムを起動させるように設定しているものとする。
【0030】
タイマーが映像表示のプログラムの起動時刻を検出すると、映像出力を行うアプリケーションが起動し(ステップS1)、映像出力検出手段63がそのプログラムの起動を検出し(ステップS2)、ハードディスクに記憶された情報の中から宣伝広告情報や視覚効果を高めるための映像を読み出す(ステップS3)。そして、調光ガラス2に電圧を印加して(ステップS4)調光ガラス2を不透明な状態に切り替え、また、これと同期して、操作検出センサ4や操作検出手段61を機能させて、調光ガラス2に映し出された映像に対する操作を検出可能な状態とする(ステップS5)。
【0031】
そして、このように調光ガラス2を不透明な状態とした後、ハードディスクから読み出された映像を左右反転表示してプロジェクター7から出力し、不透明な状態に切り替えられた調光ガラス2に映し出す(ステップS6)。この映し出された映像に基づいてユーザが画面を店外から接触しようとすると、2台の操作検出センサ4によってユーザの操作状態に対する画像が取得され(ステップS7)、これらの2台の操作検出センサ4によって取得された画像の差分をとる(ステップS8)。この差分によって一定の塊の画像が存在していると検出された場合は、それをユーザによる指の位置と認識して、その重心位置を求め(ステップS9)、その重心位置の座標を映像制御装置6に出力して、現在表示されている映像を変化させる制御を行う(ステップS10)。
【0032】
そして、すべての映像の出力が終了した場合(ステップS11)、映像出力検出手段63がその映像の終了を検出して調光ガラス2への電圧印加を停止させるとともに、操作検出センサ4や操作検出手段61の機能も停止させる(ステップS12)。そして、調光ガラス2を透明な状態に戻して(ステップS13)、店舗内における商品を外部から視認できるようにする。
【0033】
このように上記実施の形態によれば、透過率を変更可能な調光ガラス2と、当該調光ガラス2の透過率を低くした状態で映像を映し出す映像出力装置3とを備えてなる映像出力システム1において、前記映像出力装置3から映像が出力されることを検出する映像出力検出手段63と、当該映像出力検出手段63によって映像の出力が検出された場合に、前記調光ガラス2の透過率を低い状態とし、前記映像出力検出手段63によって映像の出力が検出されない場合には、前記調光ガラス2の透過率を高い状態とする電圧印加手段64を備えるようにしたので、わざわざ人間が調光ガラス2の透過率を切り替える必要がなく、映像が終了した場合は、店内の商品を通行者に閲覧させることができるようになる。
【0034】
また、このような発明において、映像出力装置3からの映像出力に伴う電気的な信号の変化を検出することによって調光ガラス2の透過率を切り替えるようにしたので、正確に調光ガラス2を磨りガラス状にすることができるようになる。
【0035】
更には、映像出力装置3から映像が出力された場合にのみ、ユーザによる画面の操作を検出できるようにしたので、調光ガラス2に映像が映し出された場合にのみ画面操作を行うことができ、位置の検出に伴う無駄な電力の消費を抑えることができるようになる。
【0036】
また、このような映像操作を調光ガラス2に非接触で検出できるようにしたので、ユーザが調光ガラス2に触れることがなく、指紋などによってガラスが汚れたり、もしくは、映像を表示する際にむらができるなどといった不具合を防止することができるようになる。
【0037】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0038】
例えば、上記実施の形態では、映像表示のプログラムの起動に伴う電気的信号によって調光ガラス2に電圧を印加させるようにしているが、プロジェクター7の電源入力に伴う電気的信号の変化によって調光ガラス2に電圧を印加させるようにしてもよい。また、このように映像出力装置3の電気信号に基づいて調光ガラス2の透過率を変化させるのではなく、例えば、調光ガラス2側にフォトセンサを設けておき、そのフォトセンサーによってプロジェクター7からの光を検出して調光ガラス2の透過率を変化させるようにしてもよい。この場合、プロジェクター7から調光ガラス2までの距離が長くてケーブルを引き延ばせないような場合に特に有効となる。
【0039】
また、上記実施の形態では、調光ガラス2の上端に2台の操作検出センサ4を設けるようにしているが、これに限らず、プロジェクター7の近傍に1台のCCDカメラを設けておき、画像処理によってユーザの操作を検出できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施の形態における映像出力システムの概略図
【図2】同形態における調光ガラスの利用者の操作状態を検出する概要を示した図
【図3】同形態における映像の出力状態を示した図
【図4】同形態における映像出力システムの機能ブロック図
【図5】同形態における映像出力システムの動作フローを示す図
【符号の説明】
【0041】
1・・・映像出力システム
2・・・調光ガラス
3・・・映像出力装置
4・・・操作検出センサ
5・・・反射鏡
6・・・映像制御装置
7・・・プロジェクター
61・・・操作検出手段
62・・・映像制御手段
63・・・映像出力検出手段
64・・・電圧印加手段(透過率切替手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過率を変更可能な調光ガラスと、当該調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を映し出す映像出力装置とを備えてなる映像出力システムにおいて、
前記映像出力装置から映像が出力されたことを検出する映像出力検出手段と、
当該映像出力検出手段によって映像の出力が検出された場合に、前記調光ガラスの透過率を低い状態とし、前記映像出力検出手段によって映像の出力が検出されていない場合には、前記調光ガラスの透過率を高い状態とする透過率切替手段とを備えたことを特徴とする映像出力システム。
【請求項2】
前記映像出力検出手段が、映像出力装置からの映像出力に伴う電気的な信号を検出することによって映像の出力を検出するものである請求項1に記載の映像出力システム。
【請求項3】
前記映像出力検出手段が、映像出力装置から出力された光を検出することによって映像の出力を検出するものである請求項1に記載の映像出力システム。
【請求項4】
透過率を変更可能な調光ガラスと、当該調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を映し出す映像出力装置と、前記調光ガラスに表示された映像に対するユーザの操作状態を検出する操作検出手段と、当該操作検出手段による検出結果に基づいて前記表示される映像を変化させる映像制御手段とを備えてなり、
映像出力装置から映像が出力されることを検出した場合に、前記調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を表示し、前記映像出力装置からの映像の出力が検出されていない場合には、前記調光ガラスの透過率を高くした状態で映像を表示するようにしたことを特徴とする映像出力システム。
【請求項5】
透過率を変更可能な調光ガラスと、当該調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を映し出す映像出力装置と、前記調光ガラスに表示された映像に対するユーザの操作状態を検出する操作検出手段と、当該操作検出手段による検出結果に基づいて前記表示される映像を変化させる映像制御手段とを備えてなり、
映像出力装置から映像が出力されることを検出した場合に、前記調光ガラスの透過率を低くした状態で映像を表示するとともに、前記操作検出手段による操作の検出を可能な状態にして前記映像に対するユーザの操作状態を検出するようにしたことを特徴とする映像出力システム。
【請求項6】
前記操作検出手段が、前記調光ガラスに非接触な状態で映像に対する操作を検出するものである請求項4又は5に記載の映像出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−102105(P2007−102105A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295214(P2005−295214)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(594015794)株式会社東亜セイコー (2)
【Fターム(参考)】