映像音声ファイル生成装置およびノンリニアビデオ編集装置
【課題】 データの移動や容量増設における自由度の高い編集装置を提供する。
【解決手段】 取込手段2によって映像音声データが取り込まれると、第1の記録装置14に主ファイル18、第1の副ファイル20が生成される。音声データ記録手段6は、取り込んだ映像音声データのうちの音声データを、主ファイル18に記録する。映像データ記録手段12は、取り込んだ映像音声データを、第1の副ファイル20、第2の副ファイル、第3の副ファイル・・・に記録する。参照情報記録手段8は、各副ファイルに記録した単位時間ごとの映像データについて、その副ファイル名、記録位置情報を、主ファイル18に記録する。これにより、副ファイル20〜24が異なる記録装置に記録されたとしても、主ファイル18を介して、あたかも一つの映像音声ファイルであるかのように扱うことが可能となる。
【解決手段】 取込手段2によって映像音声データが取り込まれると、第1の記録装置14に主ファイル18、第1の副ファイル20が生成される。音声データ記録手段6は、取り込んだ映像音声データのうちの音声データを、主ファイル18に記録する。映像データ記録手段12は、取り込んだ映像音声データを、第1の副ファイル20、第2の副ファイル、第3の副ファイル・・・に記録する。参照情報記録手段8は、各副ファイルに記録した単位時間ごとの映像データについて、その副ファイル名、記録位置情報を、主ファイル18に記録する。これにより、副ファイル20〜24が異なる記録装置に記録されたとしても、主ファイル18を介して、あたかも一つの映像音声ファイルであるかのように扱うことが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像音声ファイル生成装置およびノンリニアビデオ編集装置に関するものであり、特にファイル移動や編集の作業において、各記録装置の接続状況の変化に対して、柔軟に対応することのできる装置の提供を目的とするものである。
【背景技術】
【0002】
映像音声データの形式として、AVI形式が知られている。図1に、このAVIのデータ構造を示す。最初にヘッダが記述されており、それに続いて、ビデオデータV1、V2、V3・・・が、1フレームごとに記録される。さらに、オーディオデータA1、A2、A3・・・が記録される。最後に、検索のためのインデックスデータが記録される。
【0003】
このAVI形式の映像音声データを編集するノンリニアビデオ編集装置が放送局などで用いられている。ノンリニアビデオ編集装置によれば、自由度の高い柔軟な編集が可能となる。
【0004】
また、特許文献1には、AVIファイルを複数のファイルに分割して記録する手法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−354414
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のノンリニアビデオ編集装置では、次のような問題点があった。
【0007】
AVI形式の音声映像データはサイズが大きく、記録装置の容量が異なる他の記録装置に移動することが困難であった。特に、ノンリニアビデオ編集装置に内蔵している記録装置の容量は大きく、外部に接続する可搬性記録装置の容量は小さいため、容量の点から移動ができないことが多かった。このため、ノンリニアビデオ編集装置を専有した作業が行われ、編集装置の稼働効率を下げる原因となっていた。
【0008】
上記を解決するため、映像音声データを、外部に接続する2以上の記録装置に分けて記録する手法も考えられる。この場合、2以上の記録装置に分けて記録された映像音声データは、元の編集装置に再び戻して復元しなければ使用できなかった。つまり、外部の記録装置に記録された映像音声データを編集装置によって直接編集することはできなかった。また、外部記録装置に記録された映像音声データを、異なる記録容量(異なる記録装置の構成)を有する他の編集装置において復元することは困難であった。
【0009】
また、特許文献1は、AVIファイルの分割を開示しているが、異なる2以上の記録装置に分割して記録する手法を開示するものではない。
【0010】
また、複数の記録装置を一つの記録装置として扱うRAIDが知られている。RAIDによって、編集装置の映像音声データを、外部に接続した2以上の記録装置に記録すれば、編集装置によって直接編集することも可能である。しかし、他の編集装置において、複数の記録装置に記録された映像音声データを編集するためには、RAIDの再構築が必要であり、作業が繁雑であった。
【0011】
さらに、編集装置に内蔵の記録装置、外部記録装置のいずれの場合においても、その記録容量を増やすための増設が容易ではなかった。
【0012】
この発明は上記のような問題点を解決して、データの移動や容量増設における自由度の高い編集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)(2)この発明に係る映像音声ファイル生成装置は、映像および音声データを取り込む取込手段と、第1の記録装置を主ファイル用記録装置とし、主ファイルを生成する手段と、第1または第2の記録装置を副ファイル用記録装置とし、副ファイルを生成する手段と、主ファイル用記録装置の主ファイルに、音声データを記録する手段と、副ファイル用記録装置の残記録容量が十分の場合には、当該副ファイル用記録装置の副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録するとともに、副ファイル用記録装置の記録容量が十分でなくなると、次の記録装置を副ファイル用記録装置として副ファイルを生成し、当該副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録する手段と、主ファイル用記録装置の主ファイルに、副ファイルのファイル名および、単位時間ごとに分割された各映像データの記録位置を示す記録位置情報を記録する手段、とを備えている。
【0014】
したがって、複数の記録装置にまたがって記録された映像音声ファイルでありながら、1つのファイルであるかの如く扱うことの可能な映像音声ファイルを生成することができる。よって、この映像音声ファイルは、異なる編集装置から直接的に編集することが可能である。
【0015】
(3)この発明に係る映像音声ファイル生成装置は、副ファイルには、1または複数フレームを単位時間として映像データが分割して記録されることを特徴としている。
【0016】
したがって、1フレームごとに映像データを扱うことができ、編集処理が容易である。
【0017】
(4)この発明に係る映像音声ファイル生成装置は、副ファイルのファイル名には、当該副ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴としている。
【0018】
したがって、主ファイルに対応する複数の副ファイルが複数の記録装置に分散して記録されており、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、副ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号に基づいて、いずれの副ファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。よって、記録装置の接続順序などを考慮する必要のない、自由度の高い装置を構成することができる。
【0019】
(5)この発明に係る映像音声ファイル生成装置は、主ファイルのファイル名には、当該主ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴としている。
【0020】
したがって、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、主ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号に基づいて、主ファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。よって、記録装置の接続順序などを考慮する必要のない、自由度の高い装置を構成することができる。
【0021】
(6)この発明に係る映像音声ファイルは、主ファイルと少なくとも1つの副ファイルを備えて構成される映像音声ファイルであって、前記副ファイルは、映像データを単位長に分割して記録する複数の単位映像記録領域を備えており、前記主ファイルは、前記副ファイルに記録された単位長の映像データごとに、副ファイルのファイル名と、当該単位長の映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する映像リスト記録領域と、音声データを記録する音声データ記録領域とを備えており、前記副ファイルのファイル名には、当該副ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴としている。
【0022】
したがって、主ファイルに対応する複数の副ファイルが複数の記録装置に分散して記録されており、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、副ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号に基づいて、いずれの副ファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。よって、記録装置の接続順序などを考慮する必要のない、自由度の高い装置を構成することができる。
【0023】
(7)この発明に係る映像音声ファイルは、主ファイルと少なくとも1つの副ファイルを備えて構成される映像音声ファイルであって、前記副ファイルは、映像データを単位長に分割して記録する複数の単位映像記録領域を備えており、前記主ファイルは、前記副ファイルに記録された単位長の映像データごとに、副ファイルのファイル名と、当該単位長の映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する映像リスト記録領域と、音声データを記録する音声データ記録領域とを備えており、前記主ファイルのファイル名には、当該主ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴としている。
【0024】
したがって、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、主ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号に基づいて、主ファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。よって、記録装置の接続順序などを考慮する必要のない、自由度の高い装置を構成することができる。
【0025】
(8)(9)この発明に係るノンリニアビデオ編集装置は、編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて、編集プロジェクトデータ内に読込時ドライブマップ情報として記録する手段と、主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、前記主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する主ファイル取得手段と、当該主ファイル中に記述された副ファイルのファイル名を取得し、当該ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて副ファイル名を変更し、副ファイルの取得を試みる副ファイル取得手段とを備えている。
【0026】
したがって、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、正確に副ファイルを取得することができる。よって、記録装置の接続状況に依存しない自由度の高い編集装置を構築することができる。
【0027】
(10)この発明に係るノンリニアビデオ編集装置は、編集プロジェクトデータを保存する際に、前記読込時ドライブマップ情報を、保存時ドライブマップ情報として、当該編集プロジェクトデータの一部に記録する保存時ドライブマップ情報記録手段をさらに備え、編集プロジェクトデータを読み込むことによって読み出した保存時ドライブマップ情報と、編集プロジェクトデータの読込時に生成した前記読込時ドライブマップ情報とに基づいて、前回保存時のドライブレターと、今回読込時のドライブレターとの対応を決定して、現在のドライブレターを推定することを特徴としている。
【0028】
(11)(12)この発明に係るノンリニアビデオ編集装置は、編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて、編集プロジェクトデータ内に読込時ドライブマップ情報として記録する手段と、主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、前記主ファイル名に記述された副ファイル名に基づいて、副ファイルを取得する副ファイル取得手段と、主ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて主ファイル名を変更し、主ファイルの取得を試みる主ファイル取得手段と、を備えている。
【0029】
したがって、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、正確に主ファイルを取得することができる。よって、記録装置の接続状況に依存しない自由度の高い編集装置を構築することができる。
【0030】
(13)この発明に係るノンリニアビデオ編集装置は、編集プロジェクトデータを保存する際に、前記読込時ドライブマップ情報を、保存時ドライブマップ情報として、当該編集プロジェクトデータの一部に記録する保存時ドライブマップ情報記録手段をさらに備え、編集プロジェクトデータを読み込むことによって読み出した保存時ドライブマップ情報と、編集プロジェクトデータの読込時に生成した前記読込時ドライブマップ情報とに基づいて、前回保存時のドライブレターと、今回読込時のドライブレターとの対応を決定して、現在のドライブレターを推定することを特徴としている。
【0031】
(14)この発明に係る伸張プログラムは、主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受ける手段と、当該主ファイル名に基づいて主ファイルの取得を試み、主ファイル名によって主ファイルが取得できない場合には、当該主ファイル名のドライブレターを順次変更して、主ファイルの取得を試みる手段と、取得した主ファイルに基づいて副ファイルを取得する手段と、前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する手段とをコンピュータによって実現するための伸張プログラムである。
【0032】
したがって、要求元プログラムからは、主ファイルと副ファイルが一つの映像音声ファイルであるかのように扱うことができ、さらに、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、正確に主ファイルを取得することができる。、
(15)この発明に係る伸張プログラムは、主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受ける手段と、主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する手段と、主ファイル中に記述された副ファイル名に基づいて副ファイルの取得を試み、副ファイル名によって副ファイルが取得できない場合には、当該副ファイル名のドライブレターを順次変更して、副ファイルの取得を試みる手段と、前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する手段とをコンピュータによって実現するための伸張プログラムである。
【0033】
したがって、要求元プログラムからは、主ファイルと副ファイルが一つの映像音声ファイルであるかのように扱うことができ、さらに、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、正確に副ファイルを取得することができる。、
この発明において、「記録装置」とはデータを記録することの可能な装置をいう。ハードディスク、CD−ROM、フレキシブルディスク、メモリなどがこれに該当する。実施形態では、ハードディスク56、62、可搬性ハードディスク68、70,71などがこれに該当する。
【0034】
「主ファイル」とは、他のファイルを参照しているようなファイルをいい、実施形態では、参照型AVIファイルがこれに該当する。
【0035】
「副ファイル」とは、主ファイルから参照されているファイルをいい、実施形態では、映像実体ファイルがこれに該当する。
【0036】
「伸張プログラム」とは、少なくとも圧縮されているデータを伸張する処理を行うプログラムをいい、実施形態では、CODECプログラムがこれに該当する。
【0037】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【0038】
「読込時ドライブマップ情報に基づいて現在のドライブレターを推定し」とは、読込時ドライブマップ情報によって直接的にドライブレターを推定する場合だけでなく、保存時ドライブマップ情報も考慮してドライブレターを推定する場合も含む概念である。
【0039】
「取込手段」とは、少なくともデータを取り込むための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS12にがこれに対応する。
【0040】
「副ファイル生成手段」とは、少なくとも副ファイルを生成するための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS4がこれに対応する。
【0041】
「主ファイル生成手段」とは、少なくとも主ファイルを生成するための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS3がこれに対応する。
【0042】
「音声データ記録手段」とは、少なくとも音声データを記録するための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS5がこれに対応する。
【0043】
「映像データ記録手段」とは、少なくとも映像データを記録するための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS6がこれに対応する。
【0044】
「読込時ドライブマップ情報生成手段」とは、少なくともデータまたはファイルの読込時にドライブマップ情報を生成するための手段をいい、実施形態では、図20のステップS62がこれに対応する。
【0045】
「記録装置のドライブシリアル番号」とは、記録装置のフォーマット時に、当該記録装置に対して付されるシリアル番号をいう。このシリアル番号は、たとえば、各記録装置が有するユニークな識別番号を含むようにして生成されるので、各記録装置ごとにユニークなものになっている。
【0046】
「記録装置のドライブレター」とは、コンピュータのソフトウエア(オペレーティングシステムなど)によって、接続されている記録装置を識別するために付される符号をいう。
【0047】
「編集プロジェクトデータ編集手段」とは、編集プロジェクトデータを編集するための手段をいい、実施形態では、図20のステップS64がこれに対応する。
【0048】
「主ファイル取得手段」とは、少なくとも記録されている主ファイルを読み出すための手段をいい、実施形態では、図20aのステップS71〜S77がこれに対応する。
【0049】
「副ファイル取得手段」とは、少なくとも記録されている副ファイルを読み出すための手段をいい、実施形態では、図20aのステップS71〜S77がこれに対応する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
1.全体構成と概要
図2および図3に、この発明の一実施形態によるノンリニア編集装置の機能ブロック図を示す。図2は、取り込んだデータに基づいて映像音声ファイルを生成する際の機能を示すものであり、図3は、映像音声ファイルを編集する際の機能を示すものである。
【0051】
図2において、取込手段2は映像音声データを取り込む。映像音声データが取り込まれると、主ファイル生成手段4は、第1の記録装置14に主ファイル18を生成する。副ファイル生成手段10は、第1の記録装置14(または第2の記録装置16)に第1の副ファイル20を生成する。
【0052】
音声データ記録手段6は、取り込んだ映像音声データのうちの音声データを、主ファイル18に記録する。映像データ記録手段12は、取り込んだ映像音声データのうちの映像データを、単位時間ごとに分割して、第1の副ファイル20に記録する。所定容量の映像データを記録すると、映像データ記録手段12は第2の副ファイルを生成し、これに対して記録を行う。このようにして、第3、第4・・・の副ファイルが生成される。
【0053】
なお、第1の記録装置14の残容量が所定値を下回ると、映像データ記録手段12は、第2の記録装置16に第nの副ファイル24を生成し、これに対して映像データの記録を行う。
【0054】
参照情報記録手段8は、各副ファイルに記録した単位時間ごとの映像データについて、その副ファイル名、記録位置情報を、主ファイル18に記録する。これにより、副ファイル20〜24が異なる記録装置に記録されたとしても、主ファイル18を介して、あたかも一つの映像音声ファイルであるかのように扱うことが可能となる。
【0055】
なお、この実施形態では、主ファイル18および副ファイル20〜24のファイル名に、当該ファイルが記録されている記録装置のドライブシリアル番号を含めるようにしている。これにより、ファイル名に基づいて、そのファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。
【0056】
図3において、上記によって生成された映像音声ファイルが示されている。なお、図においては、主ファイル18は1つだけしか示されていないが、複数の主ファイルと対応する副ファイル(映像音声ファイル)が記録される。
【0057】
編集プロジェクトデータ40は、映像音声ファイルのいずれの部分(要素)をどのように結合するかを示すデータである。つまり、編集プロジェクトデータ40によって編集が行われる。編集プロジェクトデータ40には、要素ごとに、主ファイル名、開始位置、終了位置、タイムライン上での開始位置が記述される。
【0058】
読込時ドライブマップ情報記録手段32は、この編集プロジェクトデータの読み込み時に、現在接続されている記録装置のドライブシリアル番号とドライブレターとの対応情報(読込時ドライブマップ情報)を生成する。
【0059】
編集手段34は、この編集プロジェクトデータの編集を行う。すなわち、主ファイルを追加したり削除したり順番を入れ替えたりする。
【0060】
主ファイル取得手段36は、編集プロジェクトデータ40に記述された主ファイル名に基づいて、記録装置から主ファイル18の取得を試みる。この際、編集プロジェクトデータ40を記録したときと記録装置の接続状況が同じであれば、主ファイルは容易に取得できる。しかし、接続状況が変わっており、各記録装置に割り当てられたドライブレターが変わっていると、主ファイル18を取得することはできない。この場合には、主ファイル取得手段36は、主ファイル18のファイル名に含まれるドライブシリアル番号と読込時ドライブマップ情報に基づいて、ドライブレターを推定する。さらに、推定したドライブレターに基づいて主ファイル18のファイル名を変更して、主ファイル18の取得を行う。
【0061】
副ファイル取得手段38は、取得した主ファイル18から音声データを取得し、編集プロジェクトデータの開始位置、終了位置に基づいて、必要部分を抽出する。さらに、主ファイル18に記述された副ファイルのうち、開始位置から終了位置に対応する副ファイルのファイル名を取得する。副ファイル取得手段38は、副ファイル名に基づいて、記録装置から副ファイルの取得を試みる。この際、編集プロジェクトデータ40を記録したときと記録装置の接続状況が同じであれば、副ファイルは容易に取得できる。しかし、接続状況が変わっており、各記録装置に割り当てられたドライブレターが変わっていると、副ファイルを取得することはできない。この場合には、副ファイル取得手段38は、副ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号と読込時ドライブマップ情報に基づいて、ドライブレターを推定する。さらに、推定したドライブレターに基づいて副ファイルのファイル名を変更して、副ファイルの取得を行う。
【0062】
このようにして、映像音声データ編集が行われ、編集した映像音声データを取り出すことができる。
【0063】
2.ハードウエア構成
図4に、図2、図3のノンリニアビデオ編集装置を、CPUを用いて実現した場合ののハードウエア構成を示す。CPU50には、メモリ52、ディスプレイ54、ハードディスク56、入出力インターフェイス(I/O)60、入出力インターフェイス(I/O)66、マウス/キーボード64が接続されている。I/O60には、さらに、ビデオ記録再生装置(VTR)58が接続されている。ビデオ記録再生装置58は、アナログデータを出力するものであってもディジタルデータを出力するものであってもよい。I/O66には、さらに、可搬性ハードディスク68、70・・・が、接続されている。この実施形態では、I/O66の規格としてIEEE1394を採用しており、可搬性ハードディスク68、70・・・はバス接続とされる。
【0064】
ハードディスク56には、オペレーティングシステム(マイクロソフト社のWINDOWS(商標)など)72、編集プログラム76、参照型AVIファイル76、映像実体ファイル78、編集プロジェクトデータ80などが記録される。編集プログラム74は、ビデオ記録再生装置58からの映像音声信号を、素材として取り込んで映像音声ファイルを生成する。この実施形態では、映像音声ファイルは、主ファイルである参照型AVIファイル76と副ファイルである映像実体ファイル78、82によって構成される。編集プログラム74は、さらに、生成した複数の映像画像ファイルを編集プロジェクトデータ80を用いて編集する。
【0065】
3.映像音声ファイル生成処理
図5に、編集プログラムにおける映像音声ファイル生成処理のフローチャートを示す。この処理では、ビデオ記録再生装置58から映像音声データを取り込んで、映像画像ファイル(参照型AVIファイルと映像実体ファイル)が生成される。なお、この処理の際には、可搬性HDD68、70・・・は接続されていないものとする。
【0066】
まず、ステップS1において、操作者は、マウス/キーボード64を用いて、ビデオ記録再生装置58から映像音声信号を取り込む範囲を指定する(ステップS1)。さらに、取り込んだ映像音声信号を、編集のためのタイムライン上のいずれに配置するかを、マウス/キーボード64を用いて指定する(ステップS2)。
【0067】
これを受けて、CPU50は、まず、参照型AVIファイルを格納するハードディスクを決定する(ステップS3)。この実施形態では、予め指定されたハードディスク56に、参照型AVIファイル76を生成する。この際、必要なヘッダ情報などを記録する。
【0068】
CPU50は、参照型AVIファイル76のファイル名を、図6に示す規則にしたがって命名する。固定された"Clip"に続いて、ファイル一連番号が指定される。ファイル一連番号は、各ファイルにおいて重複しないユニークな番号とされる。固定デリミタ".vid."に続いて、出力先ハードディスクのドライブシリアル番号が指定される。最後に、拡張子として、参照型AVIファイルの場合には、".AVI"が指定される。このようにして、CPU50は、参照型AVIファイル76のファイル名の中に、当該参照型AVIファイル76を記録したハードディスク56のドライブシリアル番号を含めるようにしている。たとえば、ハードディスク56のドライブシリアル番号が"0F4812DA"であり、ドライブレターがC:である場合、"C:\Rex_temp\Clip0001.vid.0F4812DA.AVI"というようなファイル名の参照型AVIファイルが生成される。"Rex_temp"は、予め記録先として定められたディレクトリである。
【0069】
生成された参照型AVIファイルの構成を、図7に示す。図に示されるように、ヘッダ90、MoviLIST92、インデックステーブル94を備えている。
【0070】
次に、CPU50は、映像実体ファイルを格納するハードディスクを決定する(ステップS4)。ここでは、参照型AVIファイルを格納するハードディスク56に、映像実体ファイル78を生成する。映像実体ファイル78のファイル名は、参照型AVIファイル76と同じ規則によって命名される。ただし、拡張子が、3桁の連続番号である点が異なっている。このようにして、CPU50は、映像実体ファイル78のファイル名の中に、当該映像実体ファイル78を記録したハードディスク56のドライブシリアル番号を含めるようにしている。たとえば、"C:\Rex_temp\Clip0002.vid.0F4812DA.001"というようなファイル名として生成される。図8に、映像実体ファイルの構成を示す。
【0071】
一方、CPU50は、並行して、キャプチャースレッドを開始する。キャプチャースレッドでは、ステップS11において割り込み待機を行い、ステップS12において、ビデオ記録再生装置58から取り込んだ映像音声信号を、メモリ52に設けたキャプチャーバッファ53に、映像データ、音声データとして記録する。キャプチャーバッファ53への記録は、映像音声信号の1フレーム単位で行われる。
【0072】
このような映像音声信号の取り込みは、CPU50から停止要求があるまで繰り返し実行される(ステップS13)。
【0073】
CPU50は、ステップS5において、キャプチャーバッファ53に記録された音声データを、参照型AVIファイル76に記録する。図7に示すように、MoviLIST92の、音声データ部分98に、音声データが記録される。レコードIDの"01wb"は、音声データであることを示すものである。レコードサイズは、この音声データの時間長を示している。この実施形態では、映像データの30フレーム分に相当する時間長(1秒)の音声データを記録している。つまり、音声データは、1秒ごとに分割されて参照型AVIファイル76に記録されていく。
【0074】
また、CPU50は、MoviLIST92に記録した音声データを検索するために用いる情報を、インデックステーブル94に記録する。インデックステーブル94には、音声データの単位長(1秒)ごとに、その先頭アドレスとデータサイズが順に記録される。
【0075】
次に、CPU50は、ステップS6において、キャプチャーバッファ53に記録された映像データを圧縮して、映像実体ファイル78に記録する。図8に示すように、レコードIDとして映像データを示す"00db"が記述される。次に、映像圧縮データの容量が記述される。そして、映像圧縮データが記録される。映像圧縮データは、単位長(1フレーム)ごとに分割されて記録される。このように、映像実体データは、レコードID、サイズ、映像圧縮データによって構成される。
【0076】
次に、CPU50は、単位長の映像実体データのそれぞれについて、映像実体ファイル78のファイル名、映像実体データの先頭アドレス(つまりレコードIDが記録されているアドレス)、フレーム番号を算出する。フレーム番号は、各フレームごとに連続番号として与えられる。これらを、参照型AVIファイル76の、MoviLIST92の映像データ部分96に記録する。
【0077】
つまり、図7に示すように、レコードIDとして映像データを示す"00db"が記録される。次に、この一つの映像データ部分96のサイズが記述される。さらに、映像実体ファイルが他に存在することを示すためのレコードIDとして"REF"が記述される。”該当フレームの映像実体ファイル内オフセットアドレス”には、映像実体データの先頭アドレスが記述される。また、”映像実体ファイル内該当フレーム番号”には、上記のフレーム番号が記述される。さらに、”映像実体ファイル名”には、映像実体ファイル76のファイル名が記述される。
【0078】
この実施形態では、30フレーム分の映像データ部分96の記述を行うと、続いて、この30フレーム(1秒)に対応する音声データ部分98を記録するようにしている。以下、映像データ部分96と音声データ部分98とが交互に繰り返して記録される。
【0079】
また、CPU50は、MoviLIST92に記録した映像データを検索するために用いる情報を、インデックステーブル94に記録する。インデックステーブル94には、映像データの単位長(1フレーム)ごとに、その先頭アドレスとデータサイズ(映像データ部分96のデータサイズ)が順に記録される。
【0080】
CPU50は、指定された範囲の全てのフレームのデータを記録したかどうかを判断する(ステップS8)。未処理のフレームデータがあれば、ステップS4以下の処理を繰り返す。
【0081】
なお、CPU50は、ハードディスク56に生成した映像実体ファイル78の容量が4Gバイトに達すると、新しい映像実体ファイルを生成して記録する。また、ハードディスク56の容量が一杯になると、他のハードディスク62に新たな映像実体ファイル82を生成して記録する。このような処理は、ステップ
S4において実行される。
【0082】
ステップS4における処理の詳細フローチャートを、図9に示す。まず、ステップS21において、CPU50は、現在記録を行っているハードディスク56に空き容量があるか否かを判断する。空き容量があれば、現在記録している映像実体ファイル78の容量が4Gを超えたか否かを判断する(ステップS22)。超えていなければ、その映像実体ファイル78への記録を継続する(ステップS28)。
【0083】
超えていれば、現在出力中のハードディスク56の空き容量が4G以上あるか否かを判断する(ステップS23)。4G以上の空きがあれば、そのハードディスク56に新たな映像実体ファイルを生成し、記録を行う(ステップS27)。
【0084】
空きがなければ、接続されているハードディスクのうち、4G以上の空き容量のあるものを探す(ステップS25)。空き容量のあるハードディスク62が見いだされると、これを映像実体ファイルの出力先とする(ステップS26)。そして、そのハードディスク62に新たな映像実体ファイル82を生成し、記録を行う(ステップS27)。このようにして、映像実体ファイルは、異なるハードディスクにまで次々と生成されていく。
【0085】
なお、ステップS25において、空き容量のあるハードディスクが見いだされない場合には、映像実体ファイル生成の処理を中断する(ステップS29)。
【0086】
図5に戻って、全てのフレームのデータについて処理を終えると、キャプチャースレッドを停止する(ステップS9)。操作者は、このようにして、編集すべき映像音声信号の取り込みを終え、参照型AVIファイルおよび映像実体ファイル(これらを1つの素材という)を生成すると、次の映像音声信号についても、上記と同様にして取り込んでタイムライン上に配置し、編集をすすめる。
【0087】
また、CPU50は、各素材をどのようにタイムライン上に配置するのかを示す、編集プロジェクトデータ80を生成する(ステップS10)。図10に、編集プロジェクタデータ80の構造を示す。ドライブマップ情報は、この編集プロジェクトデータを保存した際における、ドライブレターとドライブシリアル番号との対応関係を示すものである。つまり、CPU50は、編集プロジェクトデータを保存するごとに、編集プロジェクトデータのドライブマップ情報を更新する。記録装置の接続状況が変化しなければ、ドライブマップ情報も変化しない。なお、ドライブレターとは、記録装置の接続状況に基づいて、各記録装置に割り当てられるドライブ名(C、D、Eなど)である。
【0088】
タイムライン情報には、タイムライン上に配置されている素材についての情報が記録される。図に示すように、参照型AVIファイルのファイル名、IN点情報、OUT点情報、タイムライン上の開始位置タイムコードなどが記録される。ここで、IN点情報は、当該素材のうち、使用する部分の先頭のフレームオフセット情報(アドレス情報)である。OUT点情報は、当該素材のうち、使用する部分の最後のアドレス情報である。つまり、IN点情報とOUT点情報によって、素材のうちの何れの部分を使用するのかが明らかにされる。タイムライン上の開始位置タイムコードは、この素材を、タイムライン上の何れの位置に配置するかを示す情報である。タイムライン情報には、上記の記述が、各素材ごとに記録される。
【0089】
CPU50は、さらに、素材管理データ81も生成する(ステップS10a)。素材管理データ81の構成を図11に示す。編集プロジェクトデータ80は、タイムライン上に素材をどのように配置するかを示す情報であったが、素材管理データ81は、どのような素材があるかを示すための情報である。ドライブマップ情報は、編集プロジェクトデータ80と同じである。仮想フォルダ情報には、各素材について、表示用素材名、素材ファイル名などが記録される。表示用素材名は、素材をサムネイルとして表示する際に付す名称である。素材ファイル名は、参照AVIファイルのファイル名を示すものである。
【0090】
操作者は、素材管理データ81を参照しつつ、編集プロジェクトデータ80のタイムライン情報を変更することによって編集を行う。また、編集プロジェクトデータ80に定められたタイムラインにしたがって、各素材を再生することができる。この際、参照型AVIファイルには映像実体ファイルは記録されていないが、映像実体ファイルへの参照情報が記録されているので、これに基づいて、映像実体ファイルを再生することができる。
【0091】
4.映像音声データの移動
上記のようにして生成された映像音声ファイルを、可搬性記録媒体(可搬性ハードディスク)に移動し、他の編集装置にて編集する場合の処理を示す。可搬性ハードディスク68、70(図4参照)に、映像音声ファイルを移動する際のフローチャート(編集プログラムの一部である)を、図12に示す。
【0092】
ここでは、図13に示すような編集プロジェクトデータ80、参照型AVIファイル76とその映像実体ファイル761,762、763、参照型AVIファイル76とその映像実体ファイル771、772、773、参照型AVIファイル79とその映像実体ファイル791、参照型AVIファイル82とその映像実体ファイル831,832を、可搬型ハードディスク68、70、71に移動する場合を例として説明をすすめる。
【0093】
CPU50は、移動対象のファイルをハードディスク56から取得する。ここでは、まず、編集プロジェクトデータ80を取得する。次に、CPU50は、移動対象のファイルが、参照型AVIファイルまたはその映像実体ファイルであるかどうかを判断する(ステップS41)。ここでは、参照型AVIファイルでもなく映像実体ファイルでもないので、ステップS42に進む。
【0094】
ステップS42において、CPU50は、移動先のハードディスクとして可搬型ハードディスク68を選択する。この実施形態では、ドライブ名の若い(ドライブレターがよりAに近い)可搬型ハードディスクを選択するようにしている。CPU50は、ステップS43において、編集プロジェクトデータ80の移動または複写を行う。これにより、可搬型ハードディスク68には、編集プロジェクトデータ80aが生成される。
【0095】
図17に、ハードディスク56に記録されていた編集プロジェクトデータ80と、可搬性ハードディスク68に記録された編集プロジェクトデータ80aを示す。CPU50は、編集プロジェクトデータ80aを保存したときのドライブの構成状況を示すドライブマップ情報を更新して記録している。これは、当該編集プロジェクトデータ80aの保存時の状態におけるドライブ構成を記述しておくことにより、ドライブ構成の変更に対応するためである。
【0096】
なお、図13においては示していないが、素材管理データについても同様にして、可搬性ハードディスク68に移動される。
【0097】
次に、CPU50は、未処理のファイルがあるか否かを判断する(ステップS44)。あれば、次の移動対象ファイルを取得する。ここでは、参照型AVIファイル76が対象となる。CPU50は、AVIファイルが対象であることから、ステップS45に処理をすすめる。
【0098】
ステップS45においては、参照型AVIファイル76(D:\CAP0001.VID.DDDDDDDD.AVI)を記録するドライブを決定する。この実施形態では、ドライブ名の若い(ドライブレターがよりAに近い)可搬型ハードディスクを選択するようにしている。この際、参照型AVIファイル76のファイル名は、F:\CAP0001.VID.FFFFFFFF.AVIに変更される。
【0099】
次に、CPU50は、上記参照型AVIファイル76において参照されている映像実体ファイル761、762、763を移動するドライブを決定する(ステップS46)。移動先ドライブの決定処理は、図9の示すフローチャートと同じである。つまり、残容量が少なくなると、次のハードディスクに記録を行うようにしている。なお、この実施形態では、参照型AVIファイルと異なるハードディスクに映像実体ファイルを記録するようにしている。
【0100】
CPU50は、次に、参照型AVIファイル76の音声データを、参照型AVIファイル76aに移動する(ステップS47)。さらに、映像実体ファイル761の映像データを、映像実体ファイル761aに移動する(ステップS48)。このときの映像実体ファイルのファイル名も、ハードディスク70のドライブシリアル番号"GGGGGGGG"を反映したものとされる。続いて、映像実体ファイルへの参照情報を、参照型AVIファイル76aに記録する(ステップS49)。
【0101】
同様に、映像実体ファイル762、763の映像データも、映像実体ファイル762a、763aに移動される(ステップS48)。続いて、映像実体ファイルへの参照情報が、参照型AVIファイル76aに記録される(ステップS49)。
【0102】
このようにして、1つの映像音声ファイルの移動が完了する(図13参照)。以下同様の処理を繰り返し、図14に示すように、参照型AVIファイル77とその映像実体ファイル771、772、773を移動する。参照型AVIファイル77aは、可搬型ハードディスク68に記録される。映像実体ファイル771、772は、可搬型ハードディスク70に記録される。映像実体ファイル773は、可搬型ハードディスク70の容量が無くなったため、可搬型ハードディスク71に記録される。
【0103】
この実施形態では、参照型AVIファイルから映像実体ファイルを参照するようにし、移動時にその参照情報を更新するようにしているので、ドライブの構成が変わっても、確実に映像音声ファイルを移動することができる。
【0104】
さらに、図15、図16に示すように移動処理が進行していくことになる。なお、図16において、参照型AVIファイル83を、可搬型ハードディスク68に移動しようとした際に、その残容量が無くなったとする。この場合、CPU50は、現在、映像実体ファイルを記録している可搬型ハードディスク71に、参照型AVIファイル83aを生成する。
【0105】
最後に、CPU50は、編集プロジェクトデータ80aの、タイムライン情報に記述されたAVIファイル名を修正する。つまり、参照型AVIファイルのファイル名が上記移動処理によって変更されているので、それを反映するとともに、移動先のドライブレターに変更する。図17A、Bにその状態を示す。
【0106】
5.可搬型ハードディスク上での直接編集
上記のようにして移動した映像音声ファイルは、記録装置などの構成の異なる他の編集装置において、直接編集対象とすることができる。
【0107】
たとえば、図18に示すような内蔵ハードディスク56を有する編集装置に、これら可搬性ハードディスク68,70、71を接続して、映像音声ファイルを編集する場合について説明する。ここで、内蔵ハードディスク56は、ドライブCとして認識されており、接続した可搬性ハードディスク68、70、71は、それぞれ、D、E、Fとして認識されるものとする。なお、編集装置のハードウエア・ソフトウエア構成は、ハードディスクが1つであるという点を除いて、図4と同じである。
【0108】
編集プログラムのフローチャートを図20に示す。まず、編集装置のCPUは、編集対象である編集プロジェクトデータ80aを読み出す(ステップS61)。編集プロジェクトデータ80aの内容は、図17Bに示すとおりである。さらに、CPUは、編集プロジェクトデータを読み込んだ際の、ドライブレターとドライブシリアル番号との対応を取得し、メモリに記録する(ステップS62)。これにより、図19Aに示すようなドライブマップ情報(読み込み時)がメモリに保持される。
【0109】
ドライブレターは、接続状況によって相対的に変化するが、ドライブシリアル番号は不変である。そこでCPUは、編集プロジェクトデータ80aに記録されていたドライブマップ情報と、図19Aにおいて取得したドライブマップ情報に基づいて、図19Bに示すような対応テーブルを生成する。図19Bのテーブルを生成する処理は、2つのドライブマップ情報においてドライブシリアル番号が共通するものを抽出して行う。このテーブルにより、ドライブFがドライブDに、ドライブGがドライブEに、ドライブHがドライブFに変わったことを知ることができる。
【0110】
CPUは、編集プロジェクトデータの編集を行う(ステップS64)。編集は、タイムライン情報に記録された参照型AVIファイルを削除したり追加したり順序を変えたりすることによって行う。
【0111】
この編集作業中に、編集プロジェクトデータにおいて記述されている参照型AVIファイルを取得する場合は、図20aに示すフロチャートにしたがって処理する。
【0112】
まず、CPUは、参照型AVIファイルに記述された参照型AVIファイルのファイル名を用いて検索を試みる(ステップS20a)。これによって参照型AVIファイルを見い出した場合には、次の処理に移る(ステップS72)。
【0113】
上記にて参照型AVIファイルを見いだせない場合には、参照型AVIファイルのファイル名におけるドライブ名を、編集プロジェクトデータの記録されているドライブ名に変更して検索を行う(ステップS73)。このような検索を行うのは次の理由による。操作者は、編集プロジェクトデータの記録されているドライブに、参照型AVIファイルを手操作で移動させてしまうことが多いからである。これによって参照型AVIファイルを見い出した場合には、次の処理に移る(ステップS74)。
【0114】
上記によっても見いだせない場合には、図19Bのテーブルにしたがって、参照型AVIファイルのファイル名におけるドライブ名を変更して検索を行う(ステップS75)。これによりドライブの接続構成などが変化していた場合であっても、見いだすことができる。これによって参照型AVIファイルを見い出した場合には、次の処理に移る(ステップS76)。
【0115】
上記によっても見いだせない場合には、参照型AVIファイルのファイル名におけるドライブ名を、現在接続されている全ての記録装置のドライブ名に順次変更して検索を行う(ステップS77)。
【0116】
なお、上記では、編集プロジェクトデータから参照型AVIファイルへの参照について説明したが、素材管理データから参照型AVIファイルへの参照や参照型AVIファイルから映像実体ファイルへの参照についても同様にして実行される。
【0117】
たとえば、編集プロジェクトデータ80aに記録された参照型AVIファイルを再生する際には、次のように処理する。まず、編集プロジェクトデータ80aのタイムライン情報の最初に記述されている参照型AVIファイルを読み出す。これにより、音声データを取得することができる。さらに、参照型AVIファイルに記述されている映像実体ファイルを読み出す。これにより、映像データを取得することができる。これら音声データおよび映像データを伸張し、ディスプレイおよびスピーカ(図示せず)から再生する。その後、上記処理を繰りかえし、タイムライン情報にそって音声データおよび映像データを再生する。
【0118】
編集終了後に、編集プロジェクトデータ80aを記録する際には、CPUは、記録されていたドライブマップ情報を、メモリに記録したドライブマップ情報(図19A参照)で置き換えて保存する(ステップS65)。これにより、次に、ドライブ構成が変化した場合であっても迅速に対応することができる。
【0119】
上記のように、ドライブシリアル番号に基づいて、ドライブレターの対応関係を検知しているので、可搬性ハードディスクの接続順序が変わったとしても、問題なく編集などの処理を行うことができる。たとえば、図18のように接続して編集を行った後ファイルの保存を行い、その後、図21のように接続したとする。この場合、図18の状態では、可搬性ハードディスク68がドライブD、可搬性ハードディスク70がドライブE、可搬性ハードディスク72がドライブFであったが、図21の状態では、可搬性ハードディスク68がドライブF、可搬性ハードディスク70がドライブD、可搬性ハードディスク72がドライブEに変わっている。このような場合であっても、編集プログラムが自ら参照情報を正しく修正するので、正しく編集作業を行うことができる。したがって、ハードディスクの接続順序などを気にせずに作業を行うことができる。
【0120】
上記実施形態では、ステップS73を実行した後に、ステップS75を実行するようにしているが、逆に実行するようにしてもよい。また、ステップS73を実行せず、直ちに、ステップS75を実行するようにしてもよい。さらに、ステップS71よりも先に、ステップS73やS75を実行するようにしてもよい。
【0121】
なお、上記実施形態では、まず、記述されたとおりのファイル名にて検索を行った後、見いだせなかった場合にドライブ名を変更するようにしている。しかし、図19Bのテーブルにしたがって、予め、ドライブ名を変更をしておくようにしもよい。
【0122】
また、上記各実施形態では、保存時ドライブマップ情報と読込時ドライブマップ情報とに基づいて図19Bのテーブルを作成し、図19Bのテーブルを用いて現在のドライブ名を推定している。しかし、保存時ドライブ情報を用いずに、読込時ドライブ情報から、現在のドライブを推定するようにしてもよい。つまり、読込時ドライブ情報のドライブシリアル番号と、ファイル名中のドライブシリアル番号とに基づいて、現在のドライブを推定することができる。
【0123】
一方で、図19Bのテーブルを作成してドライブ名を推定する場合には、ファイル名に、ドライブシリアル番号を必ずしも含める必要はない。
【0124】
上記のように、ドライブの接続構成が変わっても、支障なく編集作業や再生を行うことができる。また、ドライブを増設したり、交換したりした場合においても、同様に支障なく編集作業や再生を行うことができる。
【0125】
6.他の編集装置へのデータ復元
上記では、可搬性ハードディスク60、70、71のファイルを直接編集する場合を示した。しかし、これらファイルを編集装置に固定のハードディスクに移動し、編集などを行うようにしてもよい。この移動処理は、図12に示す移動処理と同じように行われる。
【0126】
処理の流れを図22〜図24に示す。ここでは、編集装置は、ハードディスク100、102を備えているものとする。まず、CPUは、可搬性ハードディスク68、70、71の各ファイルに付き、ドライブマップ情報に基づいて、ドライブレターの参照を正しく修正する。次に、編集プロジェクトデータ80aを、ハードディスク100に、編集プロジェクトデータ80bとして記録する。参照型AVIファイル76aを、ハードディスク100に、参照型AVIファイル76bとして記録する。
【0127】
続いて、参照型AVIファイル76aにおいて参照している映像実体ファイル761a、762a、763aを、ハードディスク102に、映像実体ファイル761b、762b、763bとして記録する。
【0128】
以下、図23、図24に示すように、編集装置のハードディスク100、102に、ファイルが復元される。
【0129】
このように、ファイルを移動する際にも、移動元のディスク構成、媒介となる可搬型ディスクの構成、移動先のディスク構成などの制約を受けず、ファイル移動を行うことができる。
【0130】
なお、上記各実施形態では、テーブルによって変更したドライブレターを用いてファイルを探し出しているが、これによっても見いだせない場合には、現在接続されている全てのドライブレターを対象に、ファイルを探し出すようにしてもよい。
【0131】
また、操作者が、参照型AVIファイルのドライブに、その映像実体ファイルを手操作によって移動させてしまうおそれがある。したがって、映像実体ファイルが見いだせない場合には、まず、参照型AVIファイルのドライブと同じドライブレターに変えて探し出すようにしてもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、1フレームを単位時間として映像データを記録するようにしているが、複数フレームを単位時間として記録するようにしてもよい。また、1フレームより小さなデータを単位時間として記録するようにしてもよい。
【0133】
7.CODECプログラム
上記の編集プログラムによれば、参照型AVIファイルとその映像実体ファイルを、通常のAVIファイルと同じように扱うことができる。さらに、ドライブの接続構成が変わっても、編集プログラム自身によってこれを解決することができる。
【0134】
しかしながら、通常のAVIファイルだけを扱うように構成されているアプリケーションプログラムでは、この実施形態に係る参照型AVIファイルとその映像実体ファイルを取り扱うことはできない。そこで、図25に示すような処理を行うCODEC(圧縮伸長)プログラムを用いれば、通常のアプリケーションから、本実施形態による参照型AVIファイルとその映像実体ファイルを取り扱うことができる。
【0135】
汎用ソフトウエアは、インターフェイスプログラムであるVideo for Windows / Direct Show(商標)に対して、参照型AVIファイルのファイル名と、フレームを特定して取得要求を行う(ステップS101)。次に、Video for Windows / Direct Showは、これに基づいて、参照型AVIファイル内の特定フレームの情報(図7の96参照)を取得し、CODECプログラムに渡す(ステップS102)。つまり、図7に示す映像実体ファイル名、映像実体ファイル内オフセットアドレスなどをCODECプログラムに渡す。
【0136】
CODECプログラムは、これを受けて、映像圧縮ファイルを取得する(ステップS103)。この際、映像圧縮ファイルが見出されない場合には、現在接続されているすべてのドライブレターについて映像圧縮ファイルを検索する。したがって、ドライブの接続状況が変わっていても、映像圧縮ファイルを見出すことができる。CODECプログラムは、取得した映像圧縮ファイルを伸張して、映像実体データを得る(ステップS104)。これを、Video for Windows / Direct Showに送る。
【0137】
Video for Windows / Direct Showは、CODECプログラムから得た映像実体データを、汎用ソフトウエアに渡す(ステップS105)。このようにして、汎用ソフトウエアは、参照型AVIファイルであることを意識せず、通常のAVIファイルに対すると同じ処理によって、映像実体ファイルを得ることができる。
【0138】
また、CODECプログラムは、ドライブ接続の変更などがあっても、自分自身でドライブレターのずれを解決できるので、自由度の高い装置を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】一般的なAVIファイルの構造を示す図である。
【図2】一実施形態によるノンリニア編集装置のブロック図である。
【図3】一実施形態によるノンリニア編集装置のブロック図である。
【図4】図2、図3の編集装置のハードウエア構成を示す図である。
【図5】編集プログラム(映像音声ファイルを生成する処理)のフローチャートである。
【図6】ファイルの命名規則を示す図である。
【図7】参照型AVIファイルの構成を示す図である。
【図8】映像実体ファイル構造を示す図である。
【図9】図5のステップS4の詳細を示すフローチャートである。
【図10】編集プロジェクトデータの構造を示す図である。
【図11】素材管理データの構造を示す図である。
【図12】編集プログラム(データの移動・複写処理)のフローチャートである。
【図13】データの移動処理を説明するための図である。
【図14】データの移動処理を説明するための図である。
【図15】データの移動処理を説明するための図である。
【図16】データの移動処理を説明するための図である。
【図17】編集プロジェクトデータ80、80aを示す図である。
【図18】編集装置に可搬性ハードディスクを接続した状態を示す図である。
【図19】読込時ドライブマップ情報、ドライブの対応情報を示す図である。
【図20】編集プログラム(編集処理)のフローチャートである。
【図20a】編集プログラム(ファイルの検索処理)のフローチャートである。
【図21】編集装置に可搬性ハードディスクを接続した状態を示す図である。
【図22】データの復元処理を説明するための図である。
【図23】データの復元処理を説明するための図である。
【図24】データの復元処理を説明するための図である。
【図25】CODECプログラムの処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0140】
2・・・取込手段
4・・・主ファイル生成手段
6・・・音声データ記録手段
8・・・参照情報記録手段
10・・・副ファイル生成手段
12・・・映像データ記録手段
18・・・主ファイル
20〜24・・・副ファイル
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像音声ファイル生成装置およびノンリニアビデオ編集装置に関するものであり、特にファイル移動や編集の作業において、各記録装置の接続状況の変化に対して、柔軟に対応することのできる装置の提供を目的とするものである。
【背景技術】
【0002】
映像音声データの形式として、AVI形式が知られている。図1に、このAVIのデータ構造を示す。最初にヘッダが記述されており、それに続いて、ビデオデータV1、V2、V3・・・が、1フレームごとに記録される。さらに、オーディオデータA1、A2、A3・・・が記録される。最後に、検索のためのインデックスデータが記録される。
【0003】
このAVI形式の映像音声データを編集するノンリニアビデオ編集装置が放送局などで用いられている。ノンリニアビデオ編集装置によれば、自由度の高い柔軟な編集が可能となる。
【0004】
また、特許文献1には、AVIファイルを複数のファイルに分割して記録する手法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−354414
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のノンリニアビデオ編集装置では、次のような問題点があった。
【0007】
AVI形式の音声映像データはサイズが大きく、記録装置の容量が異なる他の記録装置に移動することが困難であった。特に、ノンリニアビデオ編集装置に内蔵している記録装置の容量は大きく、外部に接続する可搬性記録装置の容量は小さいため、容量の点から移動ができないことが多かった。このため、ノンリニアビデオ編集装置を専有した作業が行われ、編集装置の稼働効率を下げる原因となっていた。
【0008】
上記を解決するため、映像音声データを、外部に接続する2以上の記録装置に分けて記録する手法も考えられる。この場合、2以上の記録装置に分けて記録された映像音声データは、元の編集装置に再び戻して復元しなければ使用できなかった。つまり、外部の記録装置に記録された映像音声データを編集装置によって直接編集することはできなかった。また、外部記録装置に記録された映像音声データを、異なる記録容量(異なる記録装置の構成)を有する他の編集装置において復元することは困難であった。
【0009】
また、特許文献1は、AVIファイルの分割を開示しているが、異なる2以上の記録装置に分割して記録する手法を開示するものではない。
【0010】
また、複数の記録装置を一つの記録装置として扱うRAIDが知られている。RAIDによって、編集装置の映像音声データを、外部に接続した2以上の記録装置に記録すれば、編集装置によって直接編集することも可能である。しかし、他の編集装置において、複数の記録装置に記録された映像音声データを編集するためには、RAIDの再構築が必要であり、作業が繁雑であった。
【0011】
さらに、編集装置に内蔵の記録装置、外部記録装置のいずれの場合においても、その記録容量を増やすための増設が容易ではなかった。
【0012】
この発明は上記のような問題点を解決して、データの移動や容量増設における自由度の高い編集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)(2)この発明に係る映像音声ファイル生成装置は、映像および音声データを取り込む取込手段と、第1の記録装置を主ファイル用記録装置とし、主ファイルを生成する手段と、第1または第2の記録装置を副ファイル用記録装置とし、副ファイルを生成する手段と、主ファイル用記録装置の主ファイルに、音声データを記録する手段と、副ファイル用記録装置の残記録容量が十分の場合には、当該副ファイル用記録装置の副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録するとともに、副ファイル用記録装置の記録容量が十分でなくなると、次の記録装置を副ファイル用記録装置として副ファイルを生成し、当該副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録する手段と、主ファイル用記録装置の主ファイルに、副ファイルのファイル名および、単位時間ごとに分割された各映像データの記録位置を示す記録位置情報を記録する手段、とを備えている。
【0014】
したがって、複数の記録装置にまたがって記録された映像音声ファイルでありながら、1つのファイルであるかの如く扱うことの可能な映像音声ファイルを生成することができる。よって、この映像音声ファイルは、異なる編集装置から直接的に編集することが可能である。
【0015】
(3)この発明に係る映像音声ファイル生成装置は、副ファイルには、1または複数フレームを単位時間として映像データが分割して記録されることを特徴としている。
【0016】
したがって、1フレームごとに映像データを扱うことができ、編集処理が容易である。
【0017】
(4)この発明に係る映像音声ファイル生成装置は、副ファイルのファイル名には、当該副ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴としている。
【0018】
したがって、主ファイルに対応する複数の副ファイルが複数の記録装置に分散して記録されており、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、副ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号に基づいて、いずれの副ファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。よって、記録装置の接続順序などを考慮する必要のない、自由度の高い装置を構成することができる。
【0019】
(5)この発明に係る映像音声ファイル生成装置は、主ファイルのファイル名には、当該主ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴としている。
【0020】
したがって、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、主ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号に基づいて、主ファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。よって、記録装置の接続順序などを考慮する必要のない、自由度の高い装置を構成することができる。
【0021】
(6)この発明に係る映像音声ファイルは、主ファイルと少なくとも1つの副ファイルを備えて構成される映像音声ファイルであって、前記副ファイルは、映像データを単位長に分割して記録する複数の単位映像記録領域を備えており、前記主ファイルは、前記副ファイルに記録された単位長の映像データごとに、副ファイルのファイル名と、当該単位長の映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する映像リスト記録領域と、音声データを記録する音声データ記録領域とを備えており、前記副ファイルのファイル名には、当該副ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴としている。
【0022】
したがって、主ファイルに対応する複数の副ファイルが複数の記録装置に分散して記録されており、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、副ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号に基づいて、いずれの副ファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。よって、記録装置の接続順序などを考慮する必要のない、自由度の高い装置を構成することができる。
【0023】
(7)この発明に係る映像音声ファイルは、主ファイルと少なくとも1つの副ファイルを備えて構成される映像音声ファイルであって、前記副ファイルは、映像データを単位長に分割して記録する複数の単位映像記録領域を備えており、前記主ファイルは、前記副ファイルに記録された単位長の映像データごとに、副ファイルのファイル名と、当該単位長の映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する映像リスト記録領域と、音声データを記録する音声データ記録領域とを備えており、前記主ファイルのファイル名には、当該主ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴としている。
【0024】
したがって、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、主ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号に基づいて、主ファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。よって、記録装置の接続順序などを考慮する必要のない、自由度の高い装置を構成することができる。
【0025】
(8)(9)この発明に係るノンリニアビデオ編集装置は、編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて、編集プロジェクトデータ内に読込時ドライブマップ情報として記録する手段と、主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、前記主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する主ファイル取得手段と、当該主ファイル中に記述された副ファイルのファイル名を取得し、当該ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて副ファイル名を変更し、副ファイルの取得を試みる副ファイル取得手段とを備えている。
【0026】
したがって、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、正確に副ファイルを取得することができる。よって、記録装置の接続状況に依存しない自由度の高い編集装置を構築することができる。
【0027】
(10)この発明に係るノンリニアビデオ編集装置は、編集プロジェクトデータを保存する際に、前記読込時ドライブマップ情報を、保存時ドライブマップ情報として、当該編集プロジェクトデータの一部に記録する保存時ドライブマップ情報記録手段をさらに備え、編集プロジェクトデータを読み込むことによって読み出した保存時ドライブマップ情報と、編集プロジェクトデータの読込時に生成した前記読込時ドライブマップ情報とに基づいて、前回保存時のドライブレターと、今回読込時のドライブレターとの対応を決定して、現在のドライブレターを推定することを特徴としている。
【0028】
(11)(12)この発明に係るノンリニアビデオ編集装置は、編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて、編集プロジェクトデータ内に読込時ドライブマップ情報として記録する手段と、主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、前記主ファイル名に記述された副ファイル名に基づいて、副ファイルを取得する副ファイル取得手段と、主ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて主ファイル名を変更し、主ファイルの取得を試みる主ファイル取得手段と、を備えている。
【0029】
したがって、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、正確に主ファイルを取得することができる。よって、記録装置の接続状況に依存しない自由度の高い編集装置を構築することができる。
【0030】
(13)この発明に係るノンリニアビデオ編集装置は、編集プロジェクトデータを保存する際に、前記読込時ドライブマップ情報を、保存時ドライブマップ情報として、当該編集プロジェクトデータの一部に記録する保存時ドライブマップ情報記録手段をさらに備え、編集プロジェクトデータを読み込むことによって読み出した保存時ドライブマップ情報と、編集プロジェクトデータの読込時に生成した前記読込時ドライブマップ情報とに基づいて、前回保存時のドライブレターと、今回読込時のドライブレターとの対応を決定して、現在のドライブレターを推定することを特徴としている。
【0031】
(14)この発明に係る伸張プログラムは、主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受ける手段と、当該主ファイル名に基づいて主ファイルの取得を試み、主ファイル名によって主ファイルが取得できない場合には、当該主ファイル名のドライブレターを順次変更して、主ファイルの取得を試みる手段と、取得した主ファイルに基づいて副ファイルを取得する手段と、前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する手段とをコンピュータによって実現するための伸張プログラムである。
【0032】
したがって、要求元プログラムからは、主ファイルと副ファイルが一つの映像音声ファイルであるかのように扱うことができ、さらに、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、正確に主ファイルを取得することができる。、
(15)この発明に係る伸張プログラムは、主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受ける手段と、主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する手段と、主ファイル中に記述された副ファイル名に基づいて副ファイルの取得を試み、副ファイル名によって副ファイルが取得できない場合には、当該副ファイル名のドライブレターを順次変更して、副ファイルの取得を試みる手段と、前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する手段とをコンピュータによって実現するための伸張プログラムである。
【0033】
したがって、要求元プログラムからは、主ファイルと副ファイルが一つの映像音声ファイルであるかのように扱うことができ、さらに、記録装置の接続状況が変化した場合であっても、正確に副ファイルを取得することができる。、
この発明において、「記録装置」とはデータを記録することの可能な装置をいう。ハードディスク、CD−ROM、フレキシブルディスク、メモリなどがこれに該当する。実施形態では、ハードディスク56、62、可搬性ハードディスク68、70,71などがこれに該当する。
【0034】
「主ファイル」とは、他のファイルを参照しているようなファイルをいい、実施形態では、参照型AVIファイルがこれに該当する。
【0035】
「副ファイル」とは、主ファイルから参照されているファイルをいい、実施形態では、映像実体ファイルがこれに該当する。
【0036】
「伸張プログラム」とは、少なくとも圧縮されているデータを伸張する処理を行うプログラムをいい、実施形態では、CODECプログラムがこれに該当する。
【0037】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む概念である。
【0038】
「読込時ドライブマップ情報に基づいて現在のドライブレターを推定し」とは、読込時ドライブマップ情報によって直接的にドライブレターを推定する場合だけでなく、保存時ドライブマップ情報も考慮してドライブレターを推定する場合も含む概念である。
【0039】
「取込手段」とは、少なくともデータを取り込むための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS12にがこれに対応する。
【0040】
「副ファイル生成手段」とは、少なくとも副ファイルを生成するための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS4がこれに対応する。
【0041】
「主ファイル生成手段」とは、少なくとも主ファイルを生成するための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS3がこれに対応する。
【0042】
「音声データ記録手段」とは、少なくとも音声データを記録するための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS5がこれに対応する。
【0043】
「映像データ記録手段」とは、少なくとも映像データを記録するための手段をいい、実施形態においては、図5のステップS6がこれに対応する。
【0044】
「読込時ドライブマップ情報生成手段」とは、少なくともデータまたはファイルの読込時にドライブマップ情報を生成するための手段をいい、実施形態では、図20のステップS62がこれに対応する。
【0045】
「記録装置のドライブシリアル番号」とは、記録装置のフォーマット時に、当該記録装置に対して付されるシリアル番号をいう。このシリアル番号は、たとえば、各記録装置が有するユニークな識別番号を含むようにして生成されるので、各記録装置ごとにユニークなものになっている。
【0046】
「記録装置のドライブレター」とは、コンピュータのソフトウエア(オペレーティングシステムなど)によって、接続されている記録装置を識別するために付される符号をいう。
【0047】
「編集プロジェクトデータ編集手段」とは、編集プロジェクトデータを編集するための手段をいい、実施形態では、図20のステップS64がこれに対応する。
【0048】
「主ファイル取得手段」とは、少なくとも記録されている主ファイルを読み出すための手段をいい、実施形態では、図20aのステップS71〜S77がこれに対応する。
【0049】
「副ファイル取得手段」とは、少なくとも記録されている副ファイルを読み出すための手段をいい、実施形態では、図20aのステップS71〜S77がこれに対応する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
1.全体構成と概要
図2および図3に、この発明の一実施形態によるノンリニア編集装置の機能ブロック図を示す。図2は、取り込んだデータに基づいて映像音声ファイルを生成する際の機能を示すものであり、図3は、映像音声ファイルを編集する際の機能を示すものである。
【0051】
図2において、取込手段2は映像音声データを取り込む。映像音声データが取り込まれると、主ファイル生成手段4は、第1の記録装置14に主ファイル18を生成する。副ファイル生成手段10は、第1の記録装置14(または第2の記録装置16)に第1の副ファイル20を生成する。
【0052】
音声データ記録手段6は、取り込んだ映像音声データのうちの音声データを、主ファイル18に記録する。映像データ記録手段12は、取り込んだ映像音声データのうちの映像データを、単位時間ごとに分割して、第1の副ファイル20に記録する。所定容量の映像データを記録すると、映像データ記録手段12は第2の副ファイルを生成し、これに対して記録を行う。このようにして、第3、第4・・・の副ファイルが生成される。
【0053】
なお、第1の記録装置14の残容量が所定値を下回ると、映像データ記録手段12は、第2の記録装置16に第nの副ファイル24を生成し、これに対して映像データの記録を行う。
【0054】
参照情報記録手段8は、各副ファイルに記録した単位時間ごとの映像データについて、その副ファイル名、記録位置情報を、主ファイル18に記録する。これにより、副ファイル20〜24が異なる記録装置に記録されたとしても、主ファイル18を介して、あたかも一つの映像音声ファイルであるかのように扱うことが可能となる。
【0055】
なお、この実施形態では、主ファイル18および副ファイル20〜24のファイル名に、当該ファイルが記録されている記録装置のドライブシリアル番号を含めるようにしている。これにより、ファイル名に基づいて、そのファイルがいずれの記録装置に記録されているかを特定することができる。
【0056】
図3において、上記によって生成された映像音声ファイルが示されている。なお、図においては、主ファイル18は1つだけしか示されていないが、複数の主ファイルと対応する副ファイル(映像音声ファイル)が記録される。
【0057】
編集プロジェクトデータ40は、映像音声ファイルのいずれの部分(要素)をどのように結合するかを示すデータである。つまり、編集プロジェクトデータ40によって編集が行われる。編集プロジェクトデータ40には、要素ごとに、主ファイル名、開始位置、終了位置、タイムライン上での開始位置が記述される。
【0058】
読込時ドライブマップ情報記録手段32は、この編集プロジェクトデータの読み込み時に、現在接続されている記録装置のドライブシリアル番号とドライブレターとの対応情報(読込時ドライブマップ情報)を生成する。
【0059】
編集手段34は、この編集プロジェクトデータの編集を行う。すなわち、主ファイルを追加したり削除したり順番を入れ替えたりする。
【0060】
主ファイル取得手段36は、編集プロジェクトデータ40に記述された主ファイル名に基づいて、記録装置から主ファイル18の取得を試みる。この際、編集プロジェクトデータ40を記録したときと記録装置の接続状況が同じであれば、主ファイルは容易に取得できる。しかし、接続状況が変わっており、各記録装置に割り当てられたドライブレターが変わっていると、主ファイル18を取得することはできない。この場合には、主ファイル取得手段36は、主ファイル18のファイル名に含まれるドライブシリアル番号と読込時ドライブマップ情報に基づいて、ドライブレターを推定する。さらに、推定したドライブレターに基づいて主ファイル18のファイル名を変更して、主ファイル18の取得を行う。
【0061】
副ファイル取得手段38は、取得した主ファイル18から音声データを取得し、編集プロジェクトデータの開始位置、終了位置に基づいて、必要部分を抽出する。さらに、主ファイル18に記述された副ファイルのうち、開始位置から終了位置に対応する副ファイルのファイル名を取得する。副ファイル取得手段38は、副ファイル名に基づいて、記録装置から副ファイルの取得を試みる。この際、編集プロジェクトデータ40を記録したときと記録装置の接続状況が同じであれば、副ファイルは容易に取得できる。しかし、接続状況が変わっており、各記録装置に割り当てられたドライブレターが変わっていると、副ファイルを取得することはできない。この場合には、副ファイル取得手段38は、副ファイルのファイル名に含まれるドライブシリアル番号と読込時ドライブマップ情報に基づいて、ドライブレターを推定する。さらに、推定したドライブレターに基づいて副ファイルのファイル名を変更して、副ファイルの取得を行う。
【0062】
このようにして、映像音声データ編集が行われ、編集した映像音声データを取り出すことができる。
【0063】
2.ハードウエア構成
図4に、図2、図3のノンリニアビデオ編集装置を、CPUを用いて実現した場合ののハードウエア構成を示す。CPU50には、メモリ52、ディスプレイ54、ハードディスク56、入出力インターフェイス(I/O)60、入出力インターフェイス(I/O)66、マウス/キーボード64が接続されている。I/O60には、さらに、ビデオ記録再生装置(VTR)58が接続されている。ビデオ記録再生装置58は、アナログデータを出力するものであってもディジタルデータを出力するものであってもよい。I/O66には、さらに、可搬性ハードディスク68、70・・・が、接続されている。この実施形態では、I/O66の規格としてIEEE1394を採用しており、可搬性ハードディスク68、70・・・はバス接続とされる。
【0064】
ハードディスク56には、オペレーティングシステム(マイクロソフト社のWINDOWS(商標)など)72、編集プログラム76、参照型AVIファイル76、映像実体ファイル78、編集プロジェクトデータ80などが記録される。編集プログラム74は、ビデオ記録再生装置58からの映像音声信号を、素材として取り込んで映像音声ファイルを生成する。この実施形態では、映像音声ファイルは、主ファイルである参照型AVIファイル76と副ファイルである映像実体ファイル78、82によって構成される。編集プログラム74は、さらに、生成した複数の映像画像ファイルを編集プロジェクトデータ80を用いて編集する。
【0065】
3.映像音声ファイル生成処理
図5に、編集プログラムにおける映像音声ファイル生成処理のフローチャートを示す。この処理では、ビデオ記録再生装置58から映像音声データを取り込んで、映像画像ファイル(参照型AVIファイルと映像実体ファイル)が生成される。なお、この処理の際には、可搬性HDD68、70・・・は接続されていないものとする。
【0066】
まず、ステップS1において、操作者は、マウス/キーボード64を用いて、ビデオ記録再生装置58から映像音声信号を取り込む範囲を指定する(ステップS1)。さらに、取り込んだ映像音声信号を、編集のためのタイムライン上のいずれに配置するかを、マウス/キーボード64を用いて指定する(ステップS2)。
【0067】
これを受けて、CPU50は、まず、参照型AVIファイルを格納するハードディスクを決定する(ステップS3)。この実施形態では、予め指定されたハードディスク56に、参照型AVIファイル76を生成する。この際、必要なヘッダ情報などを記録する。
【0068】
CPU50は、参照型AVIファイル76のファイル名を、図6に示す規則にしたがって命名する。固定された"Clip"に続いて、ファイル一連番号が指定される。ファイル一連番号は、各ファイルにおいて重複しないユニークな番号とされる。固定デリミタ".vid."に続いて、出力先ハードディスクのドライブシリアル番号が指定される。最後に、拡張子として、参照型AVIファイルの場合には、".AVI"が指定される。このようにして、CPU50は、参照型AVIファイル76のファイル名の中に、当該参照型AVIファイル76を記録したハードディスク56のドライブシリアル番号を含めるようにしている。たとえば、ハードディスク56のドライブシリアル番号が"0F4812DA"であり、ドライブレターがC:である場合、"C:\Rex_temp\Clip0001.vid.0F4812DA.AVI"というようなファイル名の参照型AVIファイルが生成される。"Rex_temp"は、予め記録先として定められたディレクトリである。
【0069】
生成された参照型AVIファイルの構成を、図7に示す。図に示されるように、ヘッダ90、MoviLIST92、インデックステーブル94を備えている。
【0070】
次に、CPU50は、映像実体ファイルを格納するハードディスクを決定する(ステップS4)。ここでは、参照型AVIファイルを格納するハードディスク56に、映像実体ファイル78を生成する。映像実体ファイル78のファイル名は、参照型AVIファイル76と同じ規則によって命名される。ただし、拡張子が、3桁の連続番号である点が異なっている。このようにして、CPU50は、映像実体ファイル78のファイル名の中に、当該映像実体ファイル78を記録したハードディスク56のドライブシリアル番号を含めるようにしている。たとえば、"C:\Rex_temp\Clip0002.vid.0F4812DA.001"というようなファイル名として生成される。図8に、映像実体ファイルの構成を示す。
【0071】
一方、CPU50は、並行して、キャプチャースレッドを開始する。キャプチャースレッドでは、ステップS11において割り込み待機を行い、ステップS12において、ビデオ記録再生装置58から取り込んだ映像音声信号を、メモリ52に設けたキャプチャーバッファ53に、映像データ、音声データとして記録する。キャプチャーバッファ53への記録は、映像音声信号の1フレーム単位で行われる。
【0072】
このような映像音声信号の取り込みは、CPU50から停止要求があるまで繰り返し実行される(ステップS13)。
【0073】
CPU50は、ステップS5において、キャプチャーバッファ53に記録された音声データを、参照型AVIファイル76に記録する。図7に示すように、MoviLIST92の、音声データ部分98に、音声データが記録される。レコードIDの"01wb"は、音声データであることを示すものである。レコードサイズは、この音声データの時間長を示している。この実施形態では、映像データの30フレーム分に相当する時間長(1秒)の音声データを記録している。つまり、音声データは、1秒ごとに分割されて参照型AVIファイル76に記録されていく。
【0074】
また、CPU50は、MoviLIST92に記録した音声データを検索するために用いる情報を、インデックステーブル94に記録する。インデックステーブル94には、音声データの単位長(1秒)ごとに、その先頭アドレスとデータサイズが順に記録される。
【0075】
次に、CPU50は、ステップS6において、キャプチャーバッファ53に記録された映像データを圧縮して、映像実体ファイル78に記録する。図8に示すように、レコードIDとして映像データを示す"00db"が記述される。次に、映像圧縮データの容量が記述される。そして、映像圧縮データが記録される。映像圧縮データは、単位長(1フレーム)ごとに分割されて記録される。このように、映像実体データは、レコードID、サイズ、映像圧縮データによって構成される。
【0076】
次に、CPU50は、単位長の映像実体データのそれぞれについて、映像実体ファイル78のファイル名、映像実体データの先頭アドレス(つまりレコードIDが記録されているアドレス)、フレーム番号を算出する。フレーム番号は、各フレームごとに連続番号として与えられる。これらを、参照型AVIファイル76の、MoviLIST92の映像データ部分96に記録する。
【0077】
つまり、図7に示すように、レコードIDとして映像データを示す"00db"が記録される。次に、この一つの映像データ部分96のサイズが記述される。さらに、映像実体ファイルが他に存在することを示すためのレコードIDとして"REF"が記述される。”該当フレームの映像実体ファイル内オフセットアドレス”には、映像実体データの先頭アドレスが記述される。また、”映像実体ファイル内該当フレーム番号”には、上記のフレーム番号が記述される。さらに、”映像実体ファイル名”には、映像実体ファイル76のファイル名が記述される。
【0078】
この実施形態では、30フレーム分の映像データ部分96の記述を行うと、続いて、この30フレーム(1秒)に対応する音声データ部分98を記録するようにしている。以下、映像データ部分96と音声データ部分98とが交互に繰り返して記録される。
【0079】
また、CPU50は、MoviLIST92に記録した映像データを検索するために用いる情報を、インデックステーブル94に記録する。インデックステーブル94には、映像データの単位長(1フレーム)ごとに、その先頭アドレスとデータサイズ(映像データ部分96のデータサイズ)が順に記録される。
【0080】
CPU50は、指定された範囲の全てのフレームのデータを記録したかどうかを判断する(ステップS8)。未処理のフレームデータがあれば、ステップS4以下の処理を繰り返す。
【0081】
なお、CPU50は、ハードディスク56に生成した映像実体ファイル78の容量が4Gバイトに達すると、新しい映像実体ファイルを生成して記録する。また、ハードディスク56の容量が一杯になると、他のハードディスク62に新たな映像実体ファイル82を生成して記録する。このような処理は、ステップ
S4において実行される。
【0082】
ステップS4における処理の詳細フローチャートを、図9に示す。まず、ステップS21において、CPU50は、現在記録を行っているハードディスク56に空き容量があるか否かを判断する。空き容量があれば、現在記録している映像実体ファイル78の容量が4Gを超えたか否かを判断する(ステップS22)。超えていなければ、その映像実体ファイル78への記録を継続する(ステップS28)。
【0083】
超えていれば、現在出力中のハードディスク56の空き容量が4G以上あるか否かを判断する(ステップS23)。4G以上の空きがあれば、そのハードディスク56に新たな映像実体ファイルを生成し、記録を行う(ステップS27)。
【0084】
空きがなければ、接続されているハードディスクのうち、4G以上の空き容量のあるものを探す(ステップS25)。空き容量のあるハードディスク62が見いだされると、これを映像実体ファイルの出力先とする(ステップS26)。そして、そのハードディスク62に新たな映像実体ファイル82を生成し、記録を行う(ステップS27)。このようにして、映像実体ファイルは、異なるハードディスクにまで次々と生成されていく。
【0085】
なお、ステップS25において、空き容量のあるハードディスクが見いだされない場合には、映像実体ファイル生成の処理を中断する(ステップS29)。
【0086】
図5に戻って、全てのフレームのデータについて処理を終えると、キャプチャースレッドを停止する(ステップS9)。操作者は、このようにして、編集すべき映像音声信号の取り込みを終え、参照型AVIファイルおよび映像実体ファイル(これらを1つの素材という)を生成すると、次の映像音声信号についても、上記と同様にして取り込んでタイムライン上に配置し、編集をすすめる。
【0087】
また、CPU50は、各素材をどのようにタイムライン上に配置するのかを示す、編集プロジェクトデータ80を生成する(ステップS10)。図10に、編集プロジェクタデータ80の構造を示す。ドライブマップ情報は、この編集プロジェクトデータを保存した際における、ドライブレターとドライブシリアル番号との対応関係を示すものである。つまり、CPU50は、編集プロジェクトデータを保存するごとに、編集プロジェクトデータのドライブマップ情報を更新する。記録装置の接続状況が変化しなければ、ドライブマップ情報も変化しない。なお、ドライブレターとは、記録装置の接続状況に基づいて、各記録装置に割り当てられるドライブ名(C、D、Eなど)である。
【0088】
タイムライン情報には、タイムライン上に配置されている素材についての情報が記録される。図に示すように、参照型AVIファイルのファイル名、IN点情報、OUT点情報、タイムライン上の開始位置タイムコードなどが記録される。ここで、IN点情報は、当該素材のうち、使用する部分の先頭のフレームオフセット情報(アドレス情報)である。OUT点情報は、当該素材のうち、使用する部分の最後のアドレス情報である。つまり、IN点情報とOUT点情報によって、素材のうちの何れの部分を使用するのかが明らかにされる。タイムライン上の開始位置タイムコードは、この素材を、タイムライン上の何れの位置に配置するかを示す情報である。タイムライン情報には、上記の記述が、各素材ごとに記録される。
【0089】
CPU50は、さらに、素材管理データ81も生成する(ステップS10a)。素材管理データ81の構成を図11に示す。編集プロジェクトデータ80は、タイムライン上に素材をどのように配置するかを示す情報であったが、素材管理データ81は、どのような素材があるかを示すための情報である。ドライブマップ情報は、編集プロジェクトデータ80と同じである。仮想フォルダ情報には、各素材について、表示用素材名、素材ファイル名などが記録される。表示用素材名は、素材をサムネイルとして表示する際に付す名称である。素材ファイル名は、参照AVIファイルのファイル名を示すものである。
【0090】
操作者は、素材管理データ81を参照しつつ、編集プロジェクトデータ80のタイムライン情報を変更することによって編集を行う。また、編集プロジェクトデータ80に定められたタイムラインにしたがって、各素材を再生することができる。この際、参照型AVIファイルには映像実体ファイルは記録されていないが、映像実体ファイルへの参照情報が記録されているので、これに基づいて、映像実体ファイルを再生することができる。
【0091】
4.映像音声データの移動
上記のようにして生成された映像音声ファイルを、可搬性記録媒体(可搬性ハードディスク)に移動し、他の編集装置にて編集する場合の処理を示す。可搬性ハードディスク68、70(図4参照)に、映像音声ファイルを移動する際のフローチャート(編集プログラムの一部である)を、図12に示す。
【0092】
ここでは、図13に示すような編集プロジェクトデータ80、参照型AVIファイル76とその映像実体ファイル761,762、763、参照型AVIファイル76とその映像実体ファイル771、772、773、参照型AVIファイル79とその映像実体ファイル791、参照型AVIファイル82とその映像実体ファイル831,832を、可搬型ハードディスク68、70、71に移動する場合を例として説明をすすめる。
【0093】
CPU50は、移動対象のファイルをハードディスク56から取得する。ここでは、まず、編集プロジェクトデータ80を取得する。次に、CPU50は、移動対象のファイルが、参照型AVIファイルまたはその映像実体ファイルであるかどうかを判断する(ステップS41)。ここでは、参照型AVIファイルでもなく映像実体ファイルでもないので、ステップS42に進む。
【0094】
ステップS42において、CPU50は、移動先のハードディスクとして可搬型ハードディスク68を選択する。この実施形態では、ドライブ名の若い(ドライブレターがよりAに近い)可搬型ハードディスクを選択するようにしている。CPU50は、ステップS43において、編集プロジェクトデータ80の移動または複写を行う。これにより、可搬型ハードディスク68には、編集プロジェクトデータ80aが生成される。
【0095】
図17に、ハードディスク56に記録されていた編集プロジェクトデータ80と、可搬性ハードディスク68に記録された編集プロジェクトデータ80aを示す。CPU50は、編集プロジェクトデータ80aを保存したときのドライブの構成状況を示すドライブマップ情報を更新して記録している。これは、当該編集プロジェクトデータ80aの保存時の状態におけるドライブ構成を記述しておくことにより、ドライブ構成の変更に対応するためである。
【0096】
なお、図13においては示していないが、素材管理データについても同様にして、可搬性ハードディスク68に移動される。
【0097】
次に、CPU50は、未処理のファイルがあるか否かを判断する(ステップS44)。あれば、次の移動対象ファイルを取得する。ここでは、参照型AVIファイル76が対象となる。CPU50は、AVIファイルが対象であることから、ステップS45に処理をすすめる。
【0098】
ステップS45においては、参照型AVIファイル76(D:\CAP0001.VID.DDDDDDDD.AVI)を記録するドライブを決定する。この実施形態では、ドライブ名の若い(ドライブレターがよりAに近い)可搬型ハードディスクを選択するようにしている。この際、参照型AVIファイル76のファイル名は、F:\CAP0001.VID.FFFFFFFF.AVIに変更される。
【0099】
次に、CPU50は、上記参照型AVIファイル76において参照されている映像実体ファイル761、762、763を移動するドライブを決定する(ステップS46)。移動先ドライブの決定処理は、図9の示すフローチャートと同じである。つまり、残容量が少なくなると、次のハードディスクに記録を行うようにしている。なお、この実施形態では、参照型AVIファイルと異なるハードディスクに映像実体ファイルを記録するようにしている。
【0100】
CPU50は、次に、参照型AVIファイル76の音声データを、参照型AVIファイル76aに移動する(ステップS47)。さらに、映像実体ファイル761の映像データを、映像実体ファイル761aに移動する(ステップS48)。このときの映像実体ファイルのファイル名も、ハードディスク70のドライブシリアル番号"GGGGGGGG"を反映したものとされる。続いて、映像実体ファイルへの参照情報を、参照型AVIファイル76aに記録する(ステップS49)。
【0101】
同様に、映像実体ファイル762、763の映像データも、映像実体ファイル762a、763aに移動される(ステップS48)。続いて、映像実体ファイルへの参照情報が、参照型AVIファイル76aに記録される(ステップS49)。
【0102】
このようにして、1つの映像音声ファイルの移動が完了する(図13参照)。以下同様の処理を繰り返し、図14に示すように、参照型AVIファイル77とその映像実体ファイル771、772、773を移動する。参照型AVIファイル77aは、可搬型ハードディスク68に記録される。映像実体ファイル771、772は、可搬型ハードディスク70に記録される。映像実体ファイル773は、可搬型ハードディスク70の容量が無くなったため、可搬型ハードディスク71に記録される。
【0103】
この実施形態では、参照型AVIファイルから映像実体ファイルを参照するようにし、移動時にその参照情報を更新するようにしているので、ドライブの構成が変わっても、確実に映像音声ファイルを移動することができる。
【0104】
さらに、図15、図16に示すように移動処理が進行していくことになる。なお、図16において、参照型AVIファイル83を、可搬型ハードディスク68に移動しようとした際に、その残容量が無くなったとする。この場合、CPU50は、現在、映像実体ファイルを記録している可搬型ハードディスク71に、参照型AVIファイル83aを生成する。
【0105】
最後に、CPU50は、編集プロジェクトデータ80aの、タイムライン情報に記述されたAVIファイル名を修正する。つまり、参照型AVIファイルのファイル名が上記移動処理によって変更されているので、それを反映するとともに、移動先のドライブレターに変更する。図17A、Bにその状態を示す。
【0106】
5.可搬型ハードディスク上での直接編集
上記のようにして移動した映像音声ファイルは、記録装置などの構成の異なる他の編集装置において、直接編集対象とすることができる。
【0107】
たとえば、図18に示すような内蔵ハードディスク56を有する編集装置に、これら可搬性ハードディスク68,70、71を接続して、映像音声ファイルを編集する場合について説明する。ここで、内蔵ハードディスク56は、ドライブCとして認識されており、接続した可搬性ハードディスク68、70、71は、それぞれ、D、E、Fとして認識されるものとする。なお、編集装置のハードウエア・ソフトウエア構成は、ハードディスクが1つであるという点を除いて、図4と同じである。
【0108】
編集プログラムのフローチャートを図20に示す。まず、編集装置のCPUは、編集対象である編集プロジェクトデータ80aを読み出す(ステップS61)。編集プロジェクトデータ80aの内容は、図17Bに示すとおりである。さらに、CPUは、編集プロジェクトデータを読み込んだ際の、ドライブレターとドライブシリアル番号との対応を取得し、メモリに記録する(ステップS62)。これにより、図19Aに示すようなドライブマップ情報(読み込み時)がメモリに保持される。
【0109】
ドライブレターは、接続状況によって相対的に変化するが、ドライブシリアル番号は不変である。そこでCPUは、編集プロジェクトデータ80aに記録されていたドライブマップ情報と、図19Aにおいて取得したドライブマップ情報に基づいて、図19Bに示すような対応テーブルを生成する。図19Bのテーブルを生成する処理は、2つのドライブマップ情報においてドライブシリアル番号が共通するものを抽出して行う。このテーブルにより、ドライブFがドライブDに、ドライブGがドライブEに、ドライブHがドライブFに変わったことを知ることができる。
【0110】
CPUは、編集プロジェクトデータの編集を行う(ステップS64)。編集は、タイムライン情報に記録された参照型AVIファイルを削除したり追加したり順序を変えたりすることによって行う。
【0111】
この編集作業中に、編集プロジェクトデータにおいて記述されている参照型AVIファイルを取得する場合は、図20aに示すフロチャートにしたがって処理する。
【0112】
まず、CPUは、参照型AVIファイルに記述された参照型AVIファイルのファイル名を用いて検索を試みる(ステップS20a)。これによって参照型AVIファイルを見い出した場合には、次の処理に移る(ステップS72)。
【0113】
上記にて参照型AVIファイルを見いだせない場合には、参照型AVIファイルのファイル名におけるドライブ名を、編集プロジェクトデータの記録されているドライブ名に変更して検索を行う(ステップS73)。このような検索を行うのは次の理由による。操作者は、編集プロジェクトデータの記録されているドライブに、参照型AVIファイルを手操作で移動させてしまうことが多いからである。これによって参照型AVIファイルを見い出した場合には、次の処理に移る(ステップS74)。
【0114】
上記によっても見いだせない場合には、図19Bのテーブルにしたがって、参照型AVIファイルのファイル名におけるドライブ名を変更して検索を行う(ステップS75)。これによりドライブの接続構成などが変化していた場合であっても、見いだすことができる。これによって参照型AVIファイルを見い出した場合には、次の処理に移る(ステップS76)。
【0115】
上記によっても見いだせない場合には、参照型AVIファイルのファイル名におけるドライブ名を、現在接続されている全ての記録装置のドライブ名に順次変更して検索を行う(ステップS77)。
【0116】
なお、上記では、編集プロジェクトデータから参照型AVIファイルへの参照について説明したが、素材管理データから参照型AVIファイルへの参照や参照型AVIファイルから映像実体ファイルへの参照についても同様にして実行される。
【0117】
たとえば、編集プロジェクトデータ80aに記録された参照型AVIファイルを再生する際には、次のように処理する。まず、編集プロジェクトデータ80aのタイムライン情報の最初に記述されている参照型AVIファイルを読み出す。これにより、音声データを取得することができる。さらに、参照型AVIファイルに記述されている映像実体ファイルを読み出す。これにより、映像データを取得することができる。これら音声データおよび映像データを伸張し、ディスプレイおよびスピーカ(図示せず)から再生する。その後、上記処理を繰りかえし、タイムライン情報にそって音声データおよび映像データを再生する。
【0118】
編集終了後に、編集プロジェクトデータ80aを記録する際には、CPUは、記録されていたドライブマップ情報を、メモリに記録したドライブマップ情報(図19A参照)で置き換えて保存する(ステップS65)。これにより、次に、ドライブ構成が変化した場合であっても迅速に対応することができる。
【0119】
上記のように、ドライブシリアル番号に基づいて、ドライブレターの対応関係を検知しているので、可搬性ハードディスクの接続順序が変わったとしても、問題なく編集などの処理を行うことができる。たとえば、図18のように接続して編集を行った後ファイルの保存を行い、その後、図21のように接続したとする。この場合、図18の状態では、可搬性ハードディスク68がドライブD、可搬性ハードディスク70がドライブE、可搬性ハードディスク72がドライブFであったが、図21の状態では、可搬性ハードディスク68がドライブF、可搬性ハードディスク70がドライブD、可搬性ハードディスク72がドライブEに変わっている。このような場合であっても、編集プログラムが自ら参照情報を正しく修正するので、正しく編集作業を行うことができる。したがって、ハードディスクの接続順序などを気にせずに作業を行うことができる。
【0120】
上記実施形態では、ステップS73を実行した後に、ステップS75を実行するようにしているが、逆に実行するようにしてもよい。また、ステップS73を実行せず、直ちに、ステップS75を実行するようにしてもよい。さらに、ステップS71よりも先に、ステップS73やS75を実行するようにしてもよい。
【0121】
なお、上記実施形態では、まず、記述されたとおりのファイル名にて検索を行った後、見いだせなかった場合にドライブ名を変更するようにしている。しかし、図19Bのテーブルにしたがって、予め、ドライブ名を変更をしておくようにしもよい。
【0122】
また、上記各実施形態では、保存時ドライブマップ情報と読込時ドライブマップ情報とに基づいて図19Bのテーブルを作成し、図19Bのテーブルを用いて現在のドライブ名を推定している。しかし、保存時ドライブ情報を用いずに、読込時ドライブ情報から、現在のドライブを推定するようにしてもよい。つまり、読込時ドライブ情報のドライブシリアル番号と、ファイル名中のドライブシリアル番号とに基づいて、現在のドライブを推定することができる。
【0123】
一方で、図19Bのテーブルを作成してドライブ名を推定する場合には、ファイル名に、ドライブシリアル番号を必ずしも含める必要はない。
【0124】
上記のように、ドライブの接続構成が変わっても、支障なく編集作業や再生を行うことができる。また、ドライブを増設したり、交換したりした場合においても、同様に支障なく編集作業や再生を行うことができる。
【0125】
6.他の編集装置へのデータ復元
上記では、可搬性ハードディスク60、70、71のファイルを直接編集する場合を示した。しかし、これらファイルを編集装置に固定のハードディスクに移動し、編集などを行うようにしてもよい。この移動処理は、図12に示す移動処理と同じように行われる。
【0126】
処理の流れを図22〜図24に示す。ここでは、編集装置は、ハードディスク100、102を備えているものとする。まず、CPUは、可搬性ハードディスク68、70、71の各ファイルに付き、ドライブマップ情報に基づいて、ドライブレターの参照を正しく修正する。次に、編集プロジェクトデータ80aを、ハードディスク100に、編集プロジェクトデータ80bとして記録する。参照型AVIファイル76aを、ハードディスク100に、参照型AVIファイル76bとして記録する。
【0127】
続いて、参照型AVIファイル76aにおいて参照している映像実体ファイル761a、762a、763aを、ハードディスク102に、映像実体ファイル761b、762b、763bとして記録する。
【0128】
以下、図23、図24に示すように、編集装置のハードディスク100、102に、ファイルが復元される。
【0129】
このように、ファイルを移動する際にも、移動元のディスク構成、媒介となる可搬型ディスクの構成、移動先のディスク構成などの制約を受けず、ファイル移動を行うことができる。
【0130】
なお、上記各実施形態では、テーブルによって変更したドライブレターを用いてファイルを探し出しているが、これによっても見いだせない場合には、現在接続されている全てのドライブレターを対象に、ファイルを探し出すようにしてもよい。
【0131】
また、操作者が、参照型AVIファイルのドライブに、その映像実体ファイルを手操作によって移動させてしまうおそれがある。したがって、映像実体ファイルが見いだせない場合には、まず、参照型AVIファイルのドライブと同じドライブレターに変えて探し出すようにしてもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、1フレームを単位時間として映像データを記録するようにしているが、複数フレームを単位時間として記録するようにしてもよい。また、1フレームより小さなデータを単位時間として記録するようにしてもよい。
【0133】
7.CODECプログラム
上記の編集プログラムによれば、参照型AVIファイルとその映像実体ファイルを、通常のAVIファイルと同じように扱うことができる。さらに、ドライブの接続構成が変わっても、編集プログラム自身によってこれを解決することができる。
【0134】
しかしながら、通常のAVIファイルだけを扱うように構成されているアプリケーションプログラムでは、この実施形態に係る参照型AVIファイルとその映像実体ファイルを取り扱うことはできない。そこで、図25に示すような処理を行うCODEC(圧縮伸長)プログラムを用いれば、通常のアプリケーションから、本実施形態による参照型AVIファイルとその映像実体ファイルを取り扱うことができる。
【0135】
汎用ソフトウエアは、インターフェイスプログラムであるVideo for Windows / Direct Show(商標)に対して、参照型AVIファイルのファイル名と、フレームを特定して取得要求を行う(ステップS101)。次に、Video for Windows / Direct Showは、これに基づいて、参照型AVIファイル内の特定フレームの情報(図7の96参照)を取得し、CODECプログラムに渡す(ステップS102)。つまり、図7に示す映像実体ファイル名、映像実体ファイル内オフセットアドレスなどをCODECプログラムに渡す。
【0136】
CODECプログラムは、これを受けて、映像圧縮ファイルを取得する(ステップS103)。この際、映像圧縮ファイルが見出されない場合には、現在接続されているすべてのドライブレターについて映像圧縮ファイルを検索する。したがって、ドライブの接続状況が変わっていても、映像圧縮ファイルを見出すことができる。CODECプログラムは、取得した映像圧縮ファイルを伸張して、映像実体データを得る(ステップS104)。これを、Video for Windows / Direct Showに送る。
【0137】
Video for Windows / Direct Showは、CODECプログラムから得た映像実体データを、汎用ソフトウエアに渡す(ステップS105)。このようにして、汎用ソフトウエアは、参照型AVIファイルであることを意識せず、通常のAVIファイルに対すると同じ処理によって、映像実体ファイルを得ることができる。
【0138】
また、CODECプログラムは、ドライブ接続の変更などがあっても、自分自身でドライブレターのずれを解決できるので、自由度の高い装置を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】一般的なAVIファイルの構造を示す図である。
【図2】一実施形態によるノンリニア編集装置のブロック図である。
【図3】一実施形態によるノンリニア編集装置のブロック図である。
【図4】図2、図3の編集装置のハードウエア構成を示す図である。
【図5】編集プログラム(映像音声ファイルを生成する処理)のフローチャートである。
【図6】ファイルの命名規則を示す図である。
【図7】参照型AVIファイルの構成を示す図である。
【図8】映像実体ファイル構造を示す図である。
【図9】図5のステップS4の詳細を示すフローチャートである。
【図10】編集プロジェクトデータの構造を示す図である。
【図11】素材管理データの構造を示す図である。
【図12】編集プログラム(データの移動・複写処理)のフローチャートである。
【図13】データの移動処理を説明するための図である。
【図14】データの移動処理を説明するための図である。
【図15】データの移動処理を説明するための図である。
【図16】データの移動処理を説明するための図である。
【図17】編集プロジェクトデータ80、80aを示す図である。
【図18】編集装置に可搬性ハードディスクを接続した状態を示す図である。
【図19】読込時ドライブマップ情報、ドライブの対応情報を示す図である。
【図20】編集プログラム(編集処理)のフローチャートである。
【図20a】編集プログラム(ファイルの検索処理)のフローチャートである。
【図21】編集装置に可搬性ハードディスクを接続した状態を示す図である。
【図22】データの復元処理を説明するための図である。
【図23】データの復元処理を説明するための図である。
【図24】データの復元処理を説明するための図である。
【図25】CODECプログラムの処理を説明するための図である。
【符号の説明】
【0140】
2・・・取込手段
4・・・主ファイル生成手段
6・・・音声データ記録手段
8・・・参照情報記録手段
10・・・副ファイル生成手段
12・・・映像データ記録手段
18・・・主ファイル
20〜24・・・副ファイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像および音声データを取り込む取込手段と、
第1の記録装置を主ファイル用記録装置とし、主ファイルを生成する手段と、
第1または第2の記録装置を副ファイル用記録装置とし、副ファイルを生成する手段と、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、音声データを記録する手段と、
副ファイル用記録装置の残記録容量が十分の場合には、当該副ファイル用記録装置の副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録するとともに、副ファイル用記録装置の記録容量が十分でなくなると、次の記録装置を副ファイル用記録装置として副ファイルを生成し、当該副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録する映像データ記録手段と、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、副ファイルのファイル名と、単位時間ごとに分割された各映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する参照情報記録手段と、
を備えた映像音声ファイル生成装置。
【請求項2】
映像および音声データを取り込む取込手段と、
第1の記録装置を主ファイル用記録装置とし、主ファイルを生成する手段と、
第1または第2の記録装置を副ファイル用記録装置とし、副ファイルを生成する手段と、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、音声データを記録する手段と、
副ファイル用記録装置の残記録容量が十分の場合には、当該副ファイル用記録装置の副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録するとともに、副ファイル用記録装置の記録容量が十分でなくなると、次の記録装置を副ファイル用記録装置として副ファイルを生成し、当該副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録する映像データ記録手段と、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、副ファイルのファイル名と、単位時間ごとに分割された各映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する参照情報記録手段と、
をコンピュータによって実現するための映像音声ファイル生成プログラム。
【請求項3】
請求項1の映像音声ファイル生成装置または請求項2の映像音声ファイル生成プログラムにおいて、
前記副ファイルには、1または複数フレームを単位時間として映像データが分割して記録されることを特徴とするもの。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記副ファイルのファイル名には、当該副ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴とするもの。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記主ファイルのファイル名には、当該主ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴とするもの。
【請求項6】
主ファイルと少なくとも1つの副ファイルを備えて構成される映像音声ファイルであって、
前記副ファイルは、
映像データを単位長に分割して記録する複数の単位映像記録領域を備えており、
前記主ファイルは、
前記副ファイルに記録された単位長の映像データごとに、副ファイルのファイル名と、当該単位長の映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する映像リスト記録領域と、
音声データを記録する音声データ記録領域と、
を備えており、
前記副ファイルのファイル名には、当該副ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴とするもの。
【請求項7】
主ファイルと少なくとも1つの副ファイルを備えて構成される映像音声ファイルであって、
前記副ファイルは、
映像データを単位長に分割して記録する複数の単位映像記録領域を備えており、
前記主ファイルは、
前記副ファイルに記録された単位長の映像データごとに、副ファイルのファイル名と、当該単位長の映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する映像リスト記録領域と、
音声データを記録する音声データ記録領域と、
を備えており、
前記主ファイルのファイル名には、当該主ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴とするもの。
【請求項8】
請求項6の映像音声ファイルの編集を行うノンリニアビデオ編集装置であって、
編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて読込時ドライブマップ情報を生成する手段と、
主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、
前記主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する主ファイル取得手段と、
当該主ファイル中に記述された副ファイルのファイル名を取得し、当該ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて副ファイル名を変更し、副ファイルの取得を試みる副ファイル取得手段と、
を備えたノンリニアビデオ編集装置。
【請求項9】
請求項6の映像音声ファイルの編集を行うノンリニアビデオ編集装置をコンピュータによって実現するためのプログラムであって、
編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて読込時ドライブマップ情報を生成する手段と、
主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、
前記主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する主ファイル取得手段と、
当該主ファイル中に記述された副ファイルのファイル名を取得し、当該ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて副ファイル名を変更し、副ファイルの取得を試みる副ファイル取得手段と、
をコンピュータによって実現するためのプログラム。
【請求項10】
請求項8の装置または請求項9のプログラムにおいて、
編集プロジェクトデータを保存する際に、前記読込時ドライブマップ情報を、保存時ドライブマップ情報として、当該編集プロジェクトデータの一部に記録する保存時ドライブマップ情報記録手段をさらに備え、
編集プロジェクトデータを読み込むことによって読み出した保存時ドライブマップ情報と、編集プロジェクトデータの読込時に生成した前記読込時ドライブマップ情報とに基づいて、前回保存時のドライブレターと、今回読込時のドライブレターとの対応を決定して、現在のドライブレターを推定することを特徴とするもの。
【請求項11】
請求項7の映像音声ファイルの編集を行うノンリニアビデオ編集装置であって、
編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて読込時ドライブマップ情報を生成する手段と、
主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、
前記主ファイル名に記述された副ファイル名に基づいて、副ファイルを取得する副ファイル取得手段と、
主ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて主ファイル名を変更し、主ファイルの取得を試みる主ファイル取得手段と、
を備えたノンリニアビデオ編集装置。
【請求項12】
請求項7の映像音声ファイルの編集を行うノンリニアビデオ編集装置をコンピュータによって実現するためのプログラムであって、
編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて読込時ドライブマップ情報を生成する手段と、
主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、
前記主ファイル名に記述された副ファイル名に基づいて、副ファイルを取得する副ファイル取得手段と、
主ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて主ファイル名を変更し、主ファイルの取得を試みる主ファイル取得手段と、
をコンピュータによって実現するためのプログラム。
【請求項13】
請求項11の装置または請求項12のプログラムにおいて、
編集プロジェクトデータを保存する際に、前記読込時ドライブマップ情報を、保存時ドライブマップ情報として、当該編集プロジェクトデータの一部に記録する保存時ドライブマップ情報記録手段をさらに備え、
編集プロジェクトデータを読み込むことによって読み出した保存時ドライブマップ情報と、編集プロジェクトデータの読込時に生成した前記読込時ドライブマップ情報とに基づいて、前回保存時のドライブレターと、今回読込時のドライブレターとの対応を決定して、現在のドライブレターを推定することを特徴とするもの。
【請求項14】
請求項6の映像音声ファイルの伸張を行う伸張プログラムであって、
主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受ける手段と、
当該主ファイル名に基づいて主ファイルの取得を試み、主ファイル名によって主ファイルが取得できない場合には、当該主ファイル名のドライブレターを順次変更して、主ファイルの取得を試みる手段と、
取得した主ファイルに基づいて副ファイルを取得する手段と、
前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する手段と、
をコンピュータによって実現するための伸張プログラム。
【請求項15】
請求項7の映像音声ファイルの伸張を行う伸張プログラムであって、
主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受ける手段と、
主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する手段と、
主ファイル中に記述された副ファイル名に基づいて副ファイルの取得を試み、副ファイル名によって副ファイルが取得できない場合には、当該副ファイル名のドライブレターを順次変更して、副ファイルの取得を試みる手段と、
前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する手段と、
をコンピュータによって実現するための伸張プログラム。
【請求項16】
映像および音声データを取り込み、
第1の記録装置を主ファイル用記録装置とし、主ファイルを生成し、
第1または第2の記録装置を副ファイル用記録装置とし、副ファイルを生成し、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、音声データを記録し、
副ファイル用記録装置の残記録容量が十分の場合には、当該副ファイル用記録装置の副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録するとともに、副ファイル用記録装置の記録容量が十分でなくなると、次の記録装置を副ファイル用記録装置として副ファイルを生成し、当該副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録し、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、副ファイルのファイル名と、単位時間ごとに分割された各映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する
ことを特徴とする映像音声ファイル生成方法。
【請求項17】
請求項6の映像音声ファイルの伸張を行う伸張方法であって、
主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受け、
当該主ファイル名に基づいて主ファイルの取得を試み、主ファイル名によって主ファイルが取得できない場合には、当該主ファイル名のドライブレターを順次変更して、主ファイルの取得を試み、
取得した主ファイルに基づいて副ファイルを取得し、
前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する
ことを特徴とする音声映像ファイルの伸張方法。
【請求項18】
請求項7の映像音声ファイルの伸張を行う伸張方法であって、
主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受け、
主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得し、
主ファイル中に記述された副ファイル名に基づいて副ファイルの取得を試み、副ファイル名によって副ファイルが取得できない場合には、当該副ファイル名のドライブレターを順次変更して、副ファイルの取得を試み、
前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する
ことを特徴とする映像音声ファイルの伸張方法。
【請求項19】
主ファイルから参照している副ファイルを検索する方法であって、
主ファイルの保存時に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号との対応を保存時ドライブマップ情報として記録し、
主ファイルの読み出し時に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号との対応を読出時ドライブマップ情報として生成し、
主ファイルに記録されていた保存時ドライブマップ情報と生成した読出時ドライブマップ情報とに基づいて、対応情報を生成し、
当該対応情報を用いて、副ファイルの検索を行うことを特徴とする検索方法。
【請求項1】
映像および音声データを取り込む取込手段と、
第1の記録装置を主ファイル用記録装置とし、主ファイルを生成する手段と、
第1または第2の記録装置を副ファイル用記録装置とし、副ファイルを生成する手段と、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、音声データを記録する手段と、
副ファイル用記録装置の残記録容量が十分の場合には、当該副ファイル用記録装置の副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録するとともに、副ファイル用記録装置の記録容量が十分でなくなると、次の記録装置を副ファイル用記録装置として副ファイルを生成し、当該副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録する映像データ記録手段と、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、副ファイルのファイル名と、単位時間ごとに分割された各映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する参照情報記録手段と、
を備えた映像音声ファイル生成装置。
【請求項2】
映像および音声データを取り込む取込手段と、
第1の記録装置を主ファイル用記録装置とし、主ファイルを生成する手段と、
第1または第2の記録装置を副ファイル用記録装置とし、副ファイルを生成する手段と、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、音声データを記録する手段と、
副ファイル用記録装置の残記録容量が十分の場合には、当該副ファイル用記録装置の副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録するとともに、副ファイル用記録装置の記録容量が十分でなくなると、次の記録装置を副ファイル用記録装置として副ファイルを生成し、当該副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録する映像データ記録手段と、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、副ファイルのファイル名と、単位時間ごとに分割された各映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する参照情報記録手段と、
をコンピュータによって実現するための映像音声ファイル生成プログラム。
【請求項3】
請求項1の映像音声ファイル生成装置または請求項2の映像音声ファイル生成プログラムにおいて、
前記副ファイルには、1または複数フレームを単位時間として映像データが分割して記録されることを特徴とするもの。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記副ファイルのファイル名には、当該副ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴とするもの。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記主ファイルのファイル名には、当該主ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴とするもの。
【請求項6】
主ファイルと少なくとも1つの副ファイルを備えて構成される映像音声ファイルであって、
前記副ファイルは、
映像データを単位長に分割して記録する複数の単位映像記録領域を備えており、
前記主ファイルは、
前記副ファイルに記録された単位長の映像データごとに、副ファイルのファイル名と、当該単位長の映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する映像リスト記録領域と、
音声データを記録する音声データ記録領域と、
を備えており、
前記副ファイルのファイル名には、当該副ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴とするもの。
【請求項7】
主ファイルと少なくとも1つの副ファイルを備えて構成される映像音声ファイルであって、
前記副ファイルは、
映像データを単位長に分割して記録する複数の単位映像記録領域を備えており、
前記主ファイルは、
前記副ファイルに記録された単位長の映像データごとに、副ファイルのファイル名と、当該単位長の映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する映像リスト記録領域と、
音声データを記録する音声データ記録領域と、
を備えており、
前記主ファイルのファイル名には、当該主ファイルが記録された記録装置のドライブシリアル番号が含まれることを特徴とするもの。
【請求項8】
請求項6の映像音声ファイルの編集を行うノンリニアビデオ編集装置であって、
編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて読込時ドライブマップ情報を生成する手段と、
主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、
前記主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する主ファイル取得手段と、
当該主ファイル中に記述された副ファイルのファイル名を取得し、当該ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて副ファイル名を変更し、副ファイルの取得を試みる副ファイル取得手段と、
を備えたノンリニアビデオ編集装置。
【請求項9】
請求項6の映像音声ファイルの編集を行うノンリニアビデオ編集装置をコンピュータによって実現するためのプログラムであって、
編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて読込時ドライブマップ情報を生成する手段と、
主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、
前記主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する主ファイル取得手段と、
当該主ファイル中に記述された副ファイルのファイル名を取得し、当該ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて副ファイル名を変更し、副ファイルの取得を試みる副ファイル取得手段と、
をコンピュータによって実現するためのプログラム。
【請求項10】
請求項8の装置または請求項9のプログラムにおいて、
編集プロジェクトデータを保存する際に、前記読込時ドライブマップ情報を、保存時ドライブマップ情報として、当該編集プロジェクトデータの一部に記録する保存時ドライブマップ情報記録手段をさらに備え、
編集プロジェクトデータを読み込むことによって読み出した保存時ドライブマップ情報と、編集プロジェクトデータの読込時に生成した前記読込時ドライブマップ情報とに基づいて、前回保存時のドライブレターと、今回読込時のドライブレターとの対応を決定して、現在のドライブレターを推定することを特徴とするもの。
【請求項11】
請求項7の映像音声ファイルの編集を行うノンリニアビデオ編集装置であって、
編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて読込時ドライブマップ情報を生成する手段と、
主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、
前記主ファイル名に記述された副ファイル名に基づいて、副ファイルを取得する副ファイル取得手段と、
主ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて主ファイル名を変更し、主ファイルの取得を試みる主ファイル取得手段と、
を備えたノンリニアビデオ編集装置。
【請求項12】
請求項7の映像音声ファイルの編集を行うノンリニアビデオ編集装置をコンピュータによって実現するためのプログラムであって、
編集プロジェクトデータを読み込む際に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号とを対応づけて読込時ドライブマップ情報を生成する手段と、
主ファイル名、素材開始位置情報、素材終了位置情報、タイムライン上の開始位置情報を素材ごとに記述した編集プロジェクトデータを編集する手段と、
前記主ファイル名に記述された副ファイル名に基づいて、副ファイルを取得する副ファイル取得手段と、
主ファイル名に含まれる記録装置のドライブシリアル番号を取得し、読み込み時ドライブマップ情報を参照して、当該ドライブシリアル番号に対応する現在のドライブレターを推定し、当該推定したドライブレターに基づいて主ファイル名を変更し、主ファイルの取得を試みる主ファイル取得手段と、
をコンピュータによって実現するためのプログラム。
【請求項13】
請求項11の装置または請求項12のプログラムにおいて、
編集プロジェクトデータを保存する際に、前記読込時ドライブマップ情報を、保存時ドライブマップ情報として、当該編集プロジェクトデータの一部に記録する保存時ドライブマップ情報記録手段をさらに備え、
編集プロジェクトデータを読み込むことによって読み出した保存時ドライブマップ情報と、編集プロジェクトデータの読込時に生成した前記読込時ドライブマップ情報とに基づいて、前回保存時のドライブレターと、今回読込時のドライブレターとの対応を決定して、現在のドライブレターを推定することを特徴とするもの。
【請求項14】
請求項6の映像音声ファイルの伸張を行う伸張プログラムであって、
主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受ける手段と、
当該主ファイル名に基づいて主ファイルの取得を試み、主ファイル名によって主ファイルが取得できない場合には、当該主ファイル名のドライブレターを順次変更して、主ファイルの取得を試みる手段と、
取得した主ファイルに基づいて副ファイルを取得する手段と、
前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する手段と、
をコンピュータによって実現するための伸張プログラム。
【請求項15】
請求項7の映像音声ファイルの伸張を行う伸張プログラムであって、
主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受ける手段と、
主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得する手段と、
主ファイル中に記述された副ファイル名に基づいて副ファイルの取得を試み、副ファイル名によって副ファイルが取得できない場合には、当該副ファイル名のドライブレターを順次変更して、副ファイルの取得を試みる手段と、
前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する手段と、
をコンピュータによって実現するための伸張プログラム。
【請求項16】
映像および音声データを取り込み、
第1の記録装置を主ファイル用記録装置とし、主ファイルを生成し、
第1または第2の記録装置を副ファイル用記録装置とし、副ファイルを生成し、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、音声データを記録し、
副ファイル用記録装置の残記録容量が十分の場合には、当該副ファイル用記録装置の副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録するとともに、副ファイル用記録装置の記録容量が十分でなくなると、次の記録装置を副ファイル用記録装置として副ファイルを生成し、当該副ファイルに、映像データを単位時間ごとに分割して記録し、
主ファイル用記録装置の主ファイルに、副ファイルのファイル名と、単位時間ごとに分割された各映像データの記録位置を示す記録位置情報とを記録する
ことを特徴とする映像音声ファイル生成方法。
【請求項17】
請求項6の映像音声ファイルの伸張を行う伸張方法であって、
主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受け、
当該主ファイル名に基づいて主ファイルの取得を試み、主ファイル名によって主ファイルが取得できない場合には、当該主ファイル名のドライブレターを順次変更して、主ファイルの取得を試み、
取得した主ファイルに基づいて副ファイルを取得し、
前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する
ことを特徴とする音声映像ファイルの伸張方法。
【請求項18】
請求項7の映像音声ファイルの伸張を行う伸張方法であって、
主ファイル名、位置情報を要求元プログラムより受け、
主ファイル名に基づいて、主ファイルを取得し、
主ファイル中に記述された副ファイル名に基づいて副ファイルの取得を試み、副ファイル名によって副ファイルが取得できない場合には、当該副ファイル名のドライブレターを順次変更して、副ファイルの取得を試み、
前記位置情報に基づいて、取得した副ファイルから該当部分を取り出し伸張する
ことを特徴とする映像音声ファイルの伸張方法。
【請求項19】
主ファイルから参照している副ファイルを検索する方法であって、
主ファイルの保存時に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号との対応を保存時ドライブマップ情報として記録し、
主ファイルの読み出し時に、接続されている全ての記録装置のドライブレターとドライブシリアル番号との対応を読出時ドライブマップ情報として生成し、
主ファイルに記録されていた保存時ドライブマップ情報と生成した読出時ドライブマップ情報とに基づいて、対応情報を生成し、
当該対応情報を用いて、副ファイルの検索を行うことを特徴とする検索方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図20a】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
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【図19】
【図20】
【図20a】
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【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2006−5885(P2006−5885A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182998(P2004−182998)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(592030263)カノープス株式会社 (11)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(592030263)カノープス株式会社 (11)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】
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