説明

昼光遮蔽装置

部屋から昼光を遮蔽する複数の羽根板と、窓台等に取り付けられるハウジング、ならびに前記羽根板の位置および配向を制御する制御部と、前記羽根板を照射する照明装置と、を有する昼光遮蔽装置である。本発明では、前記照明装置および前記羽根板は、前記照明装置からの光が、前記羽根板を介して、前記部屋に誘導されるように構成される。この方法では、羽根板は、間接的な照明源として有意に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋からの昼光を遮蔽する複数の羽根板(スラット)と、窓台等に取り付けるハウジングと、羽根板の位置および配向を制御する制御部と、前記羽根板を照射する照明装置とを有する昼光遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許DE10131598号には、有機発光ダイオード(OLED)が羽根板に取り付けられた昼光遮蔽装置が示されている。しかしながら、OLEDは、放射強度が極めて低く、そのような構成では、照射特性に限界がある。
【特許文献1】独国特許第10131598号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、照射特性が改善された昼光遮蔽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そのため、本発明では、前記照明装置および前記羽根板が、前記羽根板を介して、前記照明装置から反射された光を部屋に誘導するように構成された昼光遮蔽装置が提供される。特に、羽根板の光特性を利用することにより、実質的に均一な光状態を維持したまま、より強力な照明源を使用することができる。
【0005】
ある実施例では、前記照明装置は、前記部屋から外方を見た際に、前記羽根板の背面側が照射されるように、前記ハウジングに取り付けられる。この実施例では、光源を用いて、ある距離で羽根板が照射される。別の実施例では、前記複数の羽根板のうちの一つの羽根板に、光ブロック層上に設けられた光ガイド層が設置され、前記照明装置からの入射光が前記光ガイド層の方に誘導されるようになり、前記光ガイド層は、複数の位置で光が結合されるように配置される。この場合、光源は、通常のLEDであっても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、照明特性が改善された昼光遮蔽装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図面を参照することにより、本発明をさらに理解することができる。
【0008】
図1には、昼光遮蔽装置1を示すが、この装置は、窓台等(図示されていない)に取り付けるためのハウジング2と、従来の装置に使用されるような層状ラメラまたは羽根板3の位置および配向を制御する制御部(図示されていない)とを有する。通常、図に示された装置1は、縦長の鉛直羽根板を有する。示された実施例では、前記羽根板3に照射するため、照明装置4(通常、スポットライト、狭小ビーム光、または照射表面と平行な狭小ビームを有するいわゆる「壁ウォッシャ」、レーザ光またはLED装置により放射される光)がハウジング2に取り付けられる。羽根板3への照射により、部屋が自然な状態で照らされ、または例えば、各種着色光源を選択することにより、装飾目的で照射される。羽根板3の配向により、方向誘導効果が得られ、所定の方向に直接光を誘導することができる。
【0009】
この方向誘導効果は、図2に示す第2の実施例において、より一層明確に得ることができる。この図には、水平羽根板5が示されており、この羽根板は、従来の日光遮蔽装置において、ベネチアブラインド等として使用される。ここで、羽根板5は、昼光を遮蔽する通常の配向に対してある方向に反転されている。本発明では、通常、羽根板5の曲率および配向は、例えば点源またはライン源のような照明光源4と整合されており、羽根板5を用いることにより、部屋に向かって反射される光ビームに、方向誘導効果を提供することができる。図3に示されている特定の実施例では、羽根板5の相対配向は、複数の羽根板5で反射された光が集光されるように選択され、特に、垂直方向に沿って配置された羽根板5の角度を増加するように、羽根板5を配向させることにより、光が集光される。また、層状ラメラ3上に、パターン6(すなわち、破線6によって表される拡散パターン)が設置され、より均一な光分布が得られる。
【0010】
図4には、本発明の概念の代替例を示すが、この場合、赤、緑、青の各色の無機LED7が、羽根板5に取り付けられる。この実施例では、羽根板5およびLED7は、LED7からの光を、羽根板5を介して、部屋の方に反射するように配置され、特に、光ブロック層9上に、光ガイド層8が設けられる。光ガイド層8は、複数の反射、特に、光ガイド層での全内部反射によって、および光ブロック層9の反射によって、前記照明装置からの層への入射光を、前記光ガイド層の方に反射する(図5参照)。また、光ガイド層は、3つのRGBの色混合を促進する。さらに、前面10側近傍および底部側近傍に、微細構造が提供され、前面10側で(均一な)光結合が得られる。
【0011】
図5は、図4に示した羽根板の概略的な側面図である。さらに光ブロック層9は、昼光を遮蔽するために使用され、光ブロック層9の光ガイド層と併合された面は、反射性であっても良い。光ブロック層9は、例えば光ガイド層上でのアルミニウムのスパッタリング処理により、コーティングまたは薄膜の形態で提供されても良く、また光ブロック層9は、構造的な統合性を提供する光ブロック基板として提供されても良い。特に、例えばガラス層、ポリカーボネート層、またはPMMA等のような透明層8がコーティングされた金属(例えばアルミニウム)羽根板5の形態であっても良い。破線11は、光ビーム12の進行方向を変化させることにより、前記光ガイド層内の複数の位置での光の結合を促進し得る、拡散素子および/または微細構造を表している。照射される羽根板の数は、変えても良く、羽根板の質感および色も変更しても良い。好適実施例では、各羽根板に、少なくとも一つの光源が提供される。
【0012】
図5には、単一の側からの照射のみが示されているが、LEDは、両方の側から照射を提供するように配置されても良い。あるいは、図6に示すように、中間的な位置に配置されても良い。これは、例えば、従来の既知のディスプレイ技術を用いて、中間層内に適切な電極構造を有する光源13を提供することにより、配置することができる。
【0013】
図面を参照して、本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明の範囲から逸脱しないで、変更および修正が可能であることは、当業者には明らかである。そのような変更は、光ガイド層、基板および/または光源の着色化、さらには特定の照明効果を提供する追加の表面構造を有しても良い。これらの変更は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による昼光遮蔽装置の第1の実施例を概略的に示した図である。
【図2】本発明による昼光遮蔽装置の第2の実施例を概略的に示した図である。
【図3】別の作動配置における図2の第2の実施例を概略的に示した図である。
【図4】昼光遮蔽装置の別の実施例を示した図である。
【図5】図4に示した実施例の断面図である。
【図6】図4に示した実施例の変更後の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋から昼光を遮蔽する複数の羽根板(スラット)と、
窓台等に取り付けられるハウジング、ならびに前記羽根板の位置および配向を制御する制御部と、
前記羽根板を照射する照明装置と、
を有する昼光遮蔽装置であって、
前記照明装置および前記羽根板は、前記照明装置からの光が、前記羽根板を介して、前記部屋に誘導されるように構成されることを特徴とする昼光遮蔽装置。
【請求項2】
前記照明装置は、前記ハウジングに取り付けられ、前記部屋から外方方向を見た際に、前記羽根板の背面側が照射されることを特徴とする請求項1に記載の昼光遮蔽装置。
【請求項3】
前記羽根板は、前記反射された光が集束効果を得るように配向されることを特徴とする請求項1または2に記載の昼光遮蔽装置。
【請求項4】
前記照明装置は、前記羽根板に向かって配向された複数の発光源を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の昼光遮蔽装置。
【請求項5】
前記複数の発光源は、LEDであることを特徴とする請求項4に記載の昼光遮蔽装置。
【請求項6】
前記複数の羽根板のうちの一つの羽根板には、光ブロック層上に設置された光ガイド層が設けられ、前記照明装置からの入射光は、前記光ガイド層の方に誘導され、
前記光ガイド層は、該光ガイド層の複数の位置で、光が結合するように配置されることを特徴とする請求項4または5に記載の昼光遮蔽装置。
【請求項7】
前記羽根板は、該羽根板に取り付けられた少なくとも一つの光源を有することを特徴とする請求項6に記載の昼光遮蔽装置。
【請求項8】
前記光ガイド層源には、拡散素子が設置されることを特徴とする請求項6または7に記載の昼光遮蔽装置。
【請求項9】
前記光ガイド層には、該層の上部側および底部側のいずれかに、光再誘導微細構造が設けられることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一つに記載の昼光遮蔽装置。
【請求項10】
前記光ガイド層は、反射板上の透明層として提供されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一つに記載の昼光遮蔽装置。
【請求項11】
前記光ガイド層は、反射コーティング上の透明層として提供されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一つに記載の昼光遮蔽装置。
【請求項12】
前記透明層は、ポリカーボネートもしくはPMMAを含み、および/または前記反射板もしくはコーティングは、アルミニウムを含むことを特徴とする請求項10または11に記載の昼光遮蔽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−540884(P2008−540884A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511838(P2008−511838)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051511
【国際公開番号】WO2006/123283
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】