説明

時計用発電装置および発電装置

【課題】 簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、静電誘導により効率良く発電することができる時計用発電装置および発電装置を提供する。
【解決手段】 秒針車38の下面に、当該秒針車38の回転中心部から放射状に形成された放射状部58を備えた第1電極56とこの第1電極56上に電荷保持体であるエレクトレット膜59とを設ける一方で、これらエレクトレット膜59および第1電極56と対向するように平板状の輪列受34上面に、秒針車38の回転中心部から放射状に形成された放射状部62を備えた第2電極60を設けた。従って、秒針車38が回転すると、この秒針車38の第1電極56およびエレクトレット膜59と輪列受34の第2電極60とが相対的に回転駆動し、エレクトレット膜59に保持されている電荷が静電誘導の働きにより第2電極60に流れ、この結果、こうした静電誘導の働きによって秒針車38の機械的な回転運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換して蓄電部へ供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、静電誘導を利用した時計用発電装置および自転車などの走行体に用いられて静電誘導により発電する発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電装置として、特許文献1に記載されているように、自転車の車軸に設けられて自転車の走行に応じて発電する発電装置が知られている。この発電装置は、自転車のフレームに取り付けられた車軸に固定された固定板と、この車軸に回転自在に取り付けられた車輪のハブに取り付けられた回転板とを備え、固定板に複数のコイル部を設け、回転板に複数の磁石をコイル部に対向させて設け、車輪の回転に応じて複数の磁石と複数のコイル部とが相対的に回転した際に、電磁誘導によってコイル部に電流が流れることにより、発電するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−150928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の発電装置では、コイル部と磁石との相対的な回転によってコイル部に電流が流れる電磁誘導を利用しているので、実用的な出力電圧を得るためにはコイル部と磁石とを多数設けて高周波数で相対的に動作させる必要があるばかりか、コイル部を多重巻にする必要があり、このため発電装置全体が大型化すると共に、コイル部の構造が複雑になるなどの問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、静電誘導により効率良く発電することができる時計用発電装置および発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、平板状の基板と、この基板の平面に対面して回転する回転部材と、この回転部材により回転駆動される時刻指示用の指針と、前記回転部材に当該回転部材の回転中心部から放射状に形成された放射部を備えた第1電極と、この第1電極の前記放射部と対向するように前記平板状の基板に形成された放射部を備えた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との一方に設けられた電荷保持体とを備えていることを特徴とする時計用発電装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、回転駆動する回転駆動部と、この回転駆動部の駆動により回転する円板状の回転部材と、この回転部材の平面に対面して配置された平板状の基板と、前記回転部材に当該回転部材の回転中心部から放射状に形成された放射部を備えた第1電極と、この第1電極の前記放射部と対向するように前記平板状の基板に形成された放射部を備えた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との一方に設けられた電荷保持体とを備えていることを特徴とする発電装置である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記第1電極と前記第2電極との相対的な回転により発生する電荷を蓄電する蓄電部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の発電装置である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、前記第1電極と前記第2電極との相対的な回転により発生した電気を電気エネルギとして送信する送信手段と、この送信手段で送信された前記電気を電気エネルギとして受信する受信手段とを備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発電装置である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、前記第1電極が前記回転部材の両面にそれぞれ設けられており、前記基板は前記回転部材の一方の面に対向する第1基板と前記回転部材の他方の面に対向する第2基板とを備えており、前記第2電極は前記回転部材の両面に対面する前記第1、第2の各基板にそれぞれ前記第1電極と対向して設けられていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の発電装置である。
【0011】
請求項6に記載の発明は、前記第1電極が設けられた前記回転部材と、この回転部材に対面する前記平板状の基板とで、発電ユニットを構成し、この発電ユニットを複数組配列させたことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の発電装置である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、回転部を備えた本体部に装着可能な発電装置本体を備えた発電装置であって、前記発電装置本体は、前記本体部に係合して固定された平板状の固定基板と、この固定基板の平面に対面した状態で前記回転部に係合して回転駆動される回転部材と、この回転部材に当該回転部材の回転中心部から放射状に形成された放射部を備えた第1電極と、この第1電極の前記放射部と対向するように前記固定基板に形成された放射部を備えた第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との一方に設けられた電荷保持体とを備えていることを特徴とする発電装置である。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、回転部材に設けられた第1電極と平板状の基板に設けられた第2電極との一方に設けられた電荷保持体がその他方の電極に対して相対的な回転移動すると、電荷保持体の電荷が他方の電極に流れることにより、静電誘導によって回転部材の機械的な回転運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換することができる。このため、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、静電誘導により効率良く発電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の発電装置を適用した電子腕時計の実施形態1を示した拡大断面図である。
【図2】図1の電子腕時計を下面側から見た拡大底面図である。
【図3】図2の電子腕時計において裏蓋を取り外した状態を示した拡大底面図である。
【図4】図3の時計モジュールを示した拡大底面図である。
【図5】図4の時計モジュールを示した拡大斜視図である。
【図6】図3の時計モジュールにおいて回転板を取り外した状態を示した拡大底面図である。
【図7】図1のA部を示した拡大断面図である。
【図8】図5の回転板を表裏反転させて示した拡大斜視図である。
【図9】図8の回転板を上方から見た拡大平面図である。
【図10】図1の時計モジュールにおける時計ムーブメントを示した拡大断面図である。
【図11】図10の時計ムーブメントにおける輪列機構を示した拡大底面図である。
【図12】図10の時計ムーブメントにおける要部を示した拡大断面図である。
【図13】図12における秒針車と輪列受との要部を示した拡大断面図である。
【図14】図12における秒針車と輪列受とを分解して示した拡大斜視図である。
【図15】図1の電子腕時計に組み込まれた第1発電装置と第2発電装置とを組み合わせた回路構成を示した図である。
【図16】実施形態1における秒針車の第1電極と輪列受の第2電極との変形例を示した要部の拡大断面図である。
【図17】この発明の発電装置を適用した自転車の実施形態2において自転車の前輪側を示した側面図である。
【図18】図17のA−A矢視における要部を示した拡大断面図である。
【図19】図18における発電装置の要部を示した拡大断面図である。
【図20】図18の回転板および固定板を示し、(a)は回転板を示した拡大右側面図、(b)は固定板を示した拡大左側面図である。
【図21】この発明の発電装置を適用した自転車の実施形態3において自転車の前輪側の要部を示した拡大側面図である。
【図22】図21のB−B矢視における要部を示した拡大断面図である。
【図23】図22における発電装置の要部を示した拡大断面図である。
【図24】図22における固定板を示した拡大右側面図である。
【図25】図22における回転板を示した拡大左側面図である。
【図26】実施形態2、3において1つの回転板の両面に第1電極を設けた変形例を示した要部の拡大断面図である。
【図27】実施形態2、3において1つの回転板と1つの固定とからなる発電ユニットを複数個設けた多重構造の発電装置の変形例を示した要部の拡大断面図である。
【図28】実施形態2、3において両面に第1電極を設けた回転板とこれに対向する一対の固定板とからなる発電ユニットを複数個設けた多重構造の発電装置の変形例を示した要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、図1〜図15を参照して、この発明を指針式の電子腕時計に適用した実施形態1について説明する。
この電子腕時計は、図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、ケース本体2と、このケース本体2の上部外周に設けられたリング状のべゼル3とを備えている。
【0016】
この腕時計ケース1の上部開口部、すなわちべゼル3の上部開口部には、時計ガラス4がパッキン4aを介して取り付けられており、腕時計ケース1の下部つまりケース本体2の下部には、図1および図2に示すように、裏蓋5が防水リング5aを介して取り付けられている。また、この腕時計ケース1内には、時計モジュール6が設けられている。
【0017】
この時計モジュール6は、図1に示すように、上部ハウジング7と下部ハウジング8とを備え、これらの間に回路基板9が設けられた構成になっている。この場合、上部ハウジング7の上面には、文字板10が設けられている。この上部ハウジング7内には、後述する時計ムーブメント11が設けられている。
【0018】
また、下部ハウジング8内には、図3〜図6に示すように、電池12を収納する電池収納部13が設けられていると共に、標準時刻データを含む電波を受信するアンテナ14が設けられている。この下部ハウジング8の下面(図6では表面)には、図6に示すように、金属製の地板15が電池収納部13およびアンテナ14に対応する箇所を除いて設けられている。この地板15は、その周縁部に複数のフック部15aが設けられ、この複数のフック部15aが上部ハウジング7の側面に係止されることにより、上部ハウジング7を下部ハウジング8に対して固定するように構成されている。
【0019】
この下部ハウジング8の下面側(図6では表面側)には、図1および図7に示すように、第1発電装置16が設けられている。この第1発電装置16は、平板状の基板である地板15と、この地板15の平面に対面して回転する回転板17とを備えている。この回転板17は、導電性を有する金属からなり、図1に示すように、その中心部が下部ハウジング8に取り付けられて地板15の下側に突出した固定軸18に、ベアリング19を介して取り付けられている。
【0020】
すなわち、固定軸18は、図1に示すように、回転板17の中心部に設けられた軸孔17a(図8および図9参照)を通して、下部ハウジング8に埋め込まれたナット部8aに螺着することにより、下部ハウジング8に取り付けられている。回転板17は、その中心部の軸孔17aに対応してベアリング19が設けられ、このベアリング19が固定軸18に回転自在に取り付けられることにより、地板15の下面に対して常に一定間隔を保った状態で、固定軸18を中心に回転するように構成されている。
【0021】
この場合、固定軸18とナット部8aとは、導電性を有する金属からなり、図1に示すように、ナット部8aが上部ハウジング7と下部ハウジング8との間に配置された回路基板9と電気的に接続されている。これにより、回転板17は、固定軸18およびナット部8aを介して回路基板9と電気的に接続されている。なお、固定軸18は、後述する時計ムーブメント11の指針軸と同一軸上に配置されているが、必ずしも指針軸と同一軸上に配置される必要はない。
【0022】
また、この回転板17は、図5、図8および図9に示すように、小径の円形部20と、この小径の円形部20よりも大径でほぼ半円弧状に形成された半円弧部21とを備えている。小径の円形部20は、その中心部に固定軸18が挿入する軸孔17aが設けられている。半円弧部21は、その外周部に錘部21aが設けられた状態で、小径の円形部20の外周部に一体に形成されている。これにより、回転板17は、腕時計ケース1を振るなどの外部振動を受けると、半円弧部21の錘部21aによる慣性によって固定軸18を中心に回転するように構成されている。
【0023】
また、この回転板17の上面には、図1、図7〜図9に示すように、第1電極22が絶縁膜23を介して設けられている。この場合、絶縁膜23は、図8および図9に示すように、回転板17の半円弧部21における上面のほぼ全域に設けられている。この絶縁膜23上に設けられた第1電極22は、回転板17の回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された放射状部24を備えている。
【0024】
この放射状部24は、図7、図8および図9に示すように、回転板17の半円弧部21に設けられた絶縁膜23上に多数の電極片24aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部24は、多数の電極片24aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片24aが一定間隔の隙間をもって配列されている。
【0025】
また、この放射状部24は、多数の電極片24aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜23の側方に導かれて回転板17と電気的に接続されている。これにより、第1電極22は、回転板17および固定軸18を介して回路基板9と電気的に接続されている。また、この各電極片24a上には、図7に示すように、電荷保持体であるエレクトレット膜25が形成されている。このエレクトレット膜25は、半永久的な電荷をもつ絶縁体であり、フロロカーボン樹脂やアモルファスフッ素樹脂などの電荷保持材料からなっている。
【0026】
このエレクトレット膜として使用可能な電荷保持材料は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニルデンジフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、およびポリビニルフルオライド(PVF)のような高分子電荷保持材料、またはシリコン酸化物(SiO)およびシリコン窒化物(SiN)のような無機電荷保持材料である。
【0027】
一方、回転板17に対向する基板である地板15の下面には、図6および図7に示すように、第2電極26が絶縁膜27を介して設けられている。この場合、絶縁膜27は、図6に示すように、回転板17の第1電極22が回転移動する移動軌跡上に対応する箇所に、第1電極22の半円弧に対して更に半分程度(約90°の角度範囲)の大きさで設けられており、この絶縁膜27の下面(図6では表面)には、第2電極26が設けられている。この第2電極26は、導電性を有する金属からなり、回転板17の回転中心部である固定軸18から放射状に形成された放射状部28を備えている。
【0028】
この放射状部28は、図6に示すように、地板15に設けられた絶縁膜27上に多数の電極片28aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部28は、第1電極22の放射状部24と同様、多数の電極片28aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片28aが一部を除いて一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部28は、多数の電極片28aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜27の上面に露出し、図7に示すように、露出した部分がコイルばねなどの接続部材29によって回路基板9と電気的に接続されている。
【0029】
これにより、この第1発電装置16は、回転板17が回転して、回転板17に設けられた第1電極22が地板15に設けられた第2電極26に対して相対的に回転移動すると、第1電極22の多数の電極片24a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとが相対的に移動して、第1電極22のエレクトレット膜25と第2電極26との間の誘導電荷量が変化することにより、発電するように構成されている。すなわち、第1電極22のエレクトレット膜25と第2電極26とが相対的に移動すると、静電誘導によりエレクトレット膜25側の電荷がこれに対向する第2電極26側に流れることにより、発電が行なわれる。
【0030】
ところで、時計モジュール6の時計ムーブメント11は、図10〜図12に示すように、秒針30aを運針させる第1駆動系31と、分針30bおよび時針30cを運針させる第2駆動系32と、秒針30a、分針30b、時針30cの運針位置を検出すための検出部33とを備えている。
第1、第2駆動系31、32は、地板35a、輪列受34、中受35bに取り付けられた状態で、上部ハウジング7と下部ハウジング8との間に配置されている。
【0031】
第1駆動係31は、図10〜図12に示すように、第1ステッピングモータ36と、この第1ステッピングモータ36によって回転される五番車37と、この五番車37によって回転される四番車である秒針車38とを備えている。秒針30aは、この秒針車38の秒針軸38aに取り付けられている。
第1ステッピングモータ36は、図10および図11に示すように、コイルブロック36aと、ステータ36bと、ロータ36cとを備え、コイルブロック36aに電流を流すと、磁界を発生し、ロータ36cが180度の角度ずつステップ回転されるように構成されている。
【0032】
五番車37は、図10〜図12に示すように、第1ステッピングモータ36におけるロータ36cのロータカナ36dに噛み合って回転する。秒針車38は、五番車37のカナ37aに噛み合って回転する。この秒針車38の中心部には、秒針軸38aが設けられている。この秒針軸38aは、図10に示すように、上部ハウジング7、ソーラーパネル39、および文字板10の各貫通孔10aを通して上方に突出する。この突出した先端部には、図10および図12に示すように、秒針30aが取り付けられている。また、この秒針車38には、図11、図12、図14に示すように、第1光透過孔部40が設けられている。
【0033】
一方、第2駆動係32は、図10〜図12に示すように、第2ステッピングモータ41と、この第2ステッピングモータ41によって回転する中間車42と、この中間車42によって回転する三番車43と、この三番車43によって回転する二番車である分針車44と、この分針車44によって回転する日の裏車45と、この日の裏車45によって回転する筒車である時針車46とを備えている。分針30bは、分針車44の分針軸44aに取り付けられている。時針30cは、時針車46の時針軸46aに取り付けられている。
【0034】
第2ステッピングモータ41は、図10および図11に示すように、コイルブロック41aと、ステータ41bと、ロータ41cとを備え、コイルブロック41aに電流を流すと、磁界が発生して、ロータ41cが180度ずつステップ回転されるように構成されている。
中間車42は、図10〜図12に示すように、第2ステッピングモータ41におけるロータ41cのロータカナ41dに噛み合って回転する。この中間車42には、図12に示すように、第4光透過孔部47が設けられている。三番車43は、中間車42のカナ42aに噛み合って回転し、分針車44は、三番車43のカナ43aに噛み合って回転する。
【0035】
この分針車44の中心部には、図10および図12に示すように、秒針車38の秒針軸38aが回転自在に挿入して上方に突出する円筒状の分針軸44aが設けられている。この分針軸44aは、図10に示すように、上部ハウジング7、ソーラーパネル39、および文字板10の各貫通孔10aを通して上方に突出する。この突出した先端部には、図10に示すように、分針30bが取り付けられている。これにより、分針車44は、秒針車38の上側に重なった状態で秒針車38と同一軸上に配置されている。また、この分針車44には、図12に示すように、第2光透過孔部48が設けられている。
【0036】
日の裏車45は、図10に示すように、分針車44のカナ44bに噛み合って回転する。時針車46は、日の裏車45のカナ45aに噛み合って回転する。この時針車46の中心部には、分針車44の分針軸44aが回転自在に挿入して上方に突出する筒状の時針軸46aが設けられている。この時針軸46aは、図10に示すように、上部ハウジング7、ソーラーパネル39、および文字板10の各貫通孔10aを通して上方に突出する。時針30cは、この突出した先端部に図12に示すように取り付けられている。これにより、時針車46は、分針車44の上側に重なった状態で、秒針軸38aおよび分針軸44aと同一軸上に配置されている。また、この時針車46には、図12に示すように、第3光透過孔部49が設けられている。
【0037】
検出部33は、図10および図12に示すように、上部ハウジング7と回路基板9とにそれぞれ設けられたLED(発光ダイオード)からなる発光素子51とフォトトランジスタからなる受光素子52を有していて、秒針車38の光透過孔部40a,40b,40cの1つ:分針車44の光透過孔部48:時針車46の光透過孔部490の1つ:中間車42の光透過孔部47が全て発光素子51と受光素子52の間の光通路即ち検出位置P(この実施形態の場合、検出位置Pとして正午位置(0時00分00秒位置)に設けた)と一致または一部重なったときに、それらの光透過部を通して発光素子51からの光を受光素子52が受光することにより、秒針車38、分針車44、時針車46の各回転位置を検出するように構成されている。検出位置Pとしては、11時55分位置など、他の位置に設けても良い。
【0038】
この電子腕時計においては、秒針30a、分針30b、時針30cの位置を検出部33で検出する場合、秒針車38、分針車44、時針車46を高速で回転させながら、検出部33の発光素子51を発光させ、その光が時針車46の光透過孔部49、分針車44の光透過孔部48、秒針車38の光透過孔部40を透過した際に、その透過した光を受光素子52が受光することにより、秒針車38、分針車44、時針車46の各回転位置を検出して、秒針30a、分針30b、時針30cの運針位置を検出し、これに基づいて時刻修正をするように構成されている。
【0039】
このような時計ムーブメント11には、図12〜図14に示すように、第2発電装置55が設けられている。この第2発電装置55は、第1駆動係31の秒針車38の秒針軸38aを回転自在に支持する平板状の輪列受34と、この輪列受34に対面して回転する回転部材である秒針車38とを備えている。この秒針車38の下面には、図13および図14に示すように、第1電極56が絶縁膜57を介して設けられている。
【0040】
この場合、絶縁膜57は、図13および図14に示すように、秒針車38の下面における第1光透過孔部40(40a、40b、40c)よりも内周側に位置する箇所に円形状に設けられており、この絶縁膜57の下面に第1電極56が設けられている。この第1電極56は、秒針車38の回転中心部である秒針軸38aから放射状に形成された放射状部58を備えている。この放射状部58は、図13および図14に示すように、秒針車38に設けられた円形状の絶縁膜57上に多数の電極片58aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。
【0041】
すなわち、この放射状部58は、第1発電部装置16と同様、多数の電極片58aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片58aが一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部58は、多数の電極片58aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜57の側方に導かれて秒針車38と電気的に接続されている。
【0042】
この場合、秒針車38および秒針軸38aは、導電性を有する金属からなり、秒針軸38aが輪列受34に回転自在に支持された際に、秒針軸38aの下端部が輪列受34の下面に設けられた接続配線34aに接続され、この接続配線34aが回路基板9と電気的に接続されている。これにより、第1電極56は、秒針車38、秒針軸38aおよび輪列受34の接続配線34aを介して回路基板9と電気的に接続されている。
【0043】
また、この第1電極56の各電極片58aの下面には、図13に示すように、電荷保持体であるエレクトレット膜59が形成されている。このエレクトレット膜59は、第1発電装置16と同様、半永久的な電荷をもつ絶縁体であり、第1発電装置16のエレクトレット膜25と同じ材料で形成されている。
【0044】
一方、秒針車38に対向する基板である輪列受34の上面には、図12〜図14に示すように、第2電極60が絶縁膜61を介して設けられている。この場合、絶縁膜61は、図14に示すように、秒針車38の第1電極56が回転移動する移動軌跡上に対応する箇所に、第1電極56と同じ大きさの円形状に設けられており、この絶縁膜61の上面には、第2電極60が設けられている。この第2電極60は、導電性を有する金属からなり、秒針車38の回転中心部である秒針軸38aから放射状に形成されたほぼ円形状の放射状部62を備えている。
【0045】
この放射状部62は、図13および図14に示すように、輪列受34に設けられた絶縁膜61上に多数の電極片62aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部62は、第1電極56の放射状部58と同様、多数の電極片62aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片62aが一定間隔の隙間をもって配列されている。
【0046】
また、この放射状部62は、図14に示すように、多数の電極片62aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、輪列受34の上面に設けられた接続配線34bに接続されている。この接続配線34bは、輪列受34の下面に設けられた接続配線34aと接触することなく、回路基板9と電気的に接続されている。これにより、第2電極60は、輪列受34の上面側の接続配線34bによって回路基板9と電気的に接続されている。
【0047】
これにより、この第2発電装置55は、秒針車38が第1ステッピングモータ36によって駆動回転して、秒針車38に設けられた第1電極56が輪列受34に設けられた第2電極60に対して相対的に回転移動すると、第1電極56の多数の電極片58a上に形成されたエレクトレット膜59と第2電極60の多数の電極片62aとが相対的に移動して、第1電極56のエレクトレット膜59と第2電極60との間の誘導電荷量が変化することにより、第1発電装置16と同様、発電するように構成されている。
【0048】
次に、この電子腕時計に組み込まれた第1発電装置16および第2発電装置55の回路構成について、図15に示された原理的な図を参照して説明する。
この電子腕時計の第1発電装置16においては、その第1電極22が第1、第2の各整流器63、64に接続され、第2電極26が第3、第4の各整流器65、66に接続されている。第1整流器63は蓄電池67の正極(+)に接続され、第2整流器64は蓄電池67の負極(−)に接続され、第3整流器65は蓄電池67の正極(+)に接続され、第4整流器66は蓄電池67の負極(−)に接続された構成になっている。
【0049】
この場合、第1整流器63と第4整流器66とは、第1電極22が第2電極26に対して一方向(例えば、時計回り方向)に回転移動した際に、電荷を蓄電池67に蓄えるように電流の流れを整流するように構成されている。また、第2整流器64と第3整流器65とは、第1電極22が第2電極26に対して逆方向(例えば、反時計回り方向)に回転移動した際に、電荷を蓄電池67に蓄えるように電流の流れを整流するように構成されている。
【0050】
一方、第2発電装置55においては、その第1電極56が第1、第2の各整流器68、69に接続され、第2電極60が第3、第4の各整流器70、71に接続されている。第1整流器68は蓄電池67の正極(+)に接続され、第2整流器69は蓄電池67の負極(−)に接続され、第3整流器70は蓄電池67の正極(+)に接続され、第4整流器71は蓄電池67の負極(−)に接続された構成になっている。
【0051】
この場合、第1整流器68と第4整流器71とは、第1電極56が第2電極60に対して一方向(例えば、時計回り方向)に回転移動した際に、電荷を蓄電池67に蓄えるように電流の流れを整流するように構成されている。また、第2整流器69と第3整流器70とは、第1電極56が第2電極60に対して逆方向(例えば、反時計回り方向)に回転移動した際に、電荷を蓄電池67に蓄えるように電流の流れを整流するように構成されている。
【0052】
次に、この電子腕時計を腕に取り付けて使用する場合について説明する。
まず、腕を振って歩きながら電子腕時計を軽く振った場合には、腕時計ケース1に組み込まれた第1発電装置16が発電する。すなわち、第1発電装置16は、腕の振りに応じて回転板17が小径の円形部20の外周部に設けられた半円弧部21の錘部21aによる慣性によって回転する。このときには、半円弧部21の外周部に錘部21aが設けられているので、腕の振りに応じて回転板17に慣性力が発生し、この慣性力によって回転板17が地板15に対して一定間隔を保って回転する。
【0053】
このとき、回転板17は、必ずしも1回転(360°の角度回転)せず、腕の振りによる慣性力に応じた角度範囲で揺動する。このため、回転板17は例えば時計周りに所定の角度回転した後、反時計回りに所定の角度回転し、この動作を繰り返すことにより、発電を繰り返して蓄電池34に蓄電する。このとき、回転板17が180°の角度範囲で回転する場合には、常に第1電極22の多数の電極片24a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとが互いに対向した状態で相対的に移動するので、連続して発電する。
【0054】
すなわち、回転板17が時計周りに180°の角度範囲内における角度で回転するときに、第1電極22の多数の電極片24a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとが相対的に移動して、第1電極22の多数のエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電して電荷を蓄電池34に蓄える。
【0055】
また、回転板17が反時計周りに180°の角度範囲内における角度で回転するときにも、第1電極22の多数の電極片24a上に形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとが相対的に移動して、第1電極22の多数のエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電して電荷を蓄電池34に蓄える。
【0056】
また、電子腕時計が取り付けられた腕を曲げて上下方向に速く動かした場合には、腕時計ケース1に組み込まれた第1発電装置16の回転板17が小径の円形部20の外周部に設けられた半円弧部21の錘部21aによる慣性によって同じ方向(時計方向または反時計方向)に連続して回転する。このときには、多数のエレクトレット膜25を備えた第1電極22が半円弧部21に設けられているので、回転板17が半回転(180°回転)するときに、第2電極26が第1電極22の一部に必ず対向するが、次の半回転(180°〜360°の角度回転)のときには、第2電極26が第1電極22に対向する範囲が狭くなり、第1、第2の各電極22、26の両者が対向しない範囲がある。
【0057】
このため、第2電極26が第1電極22の一部に対向した状態で、回転板17が半回転するときに、第1電極22の多数の電極片24aに形成されたエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとが相対的に移動して、第1電極22の多数のエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとの間の誘導電荷量が変化することにより、発電して電荷を蓄電池34に蓄える。
【0058】
また、次の半回転(180°〜360°の角度回転)のときには、第2電極26が第1電極22に対向する範囲が狭くなるため、第1電極22の多数のエレクトレット膜25と第2電極26の多数の電極片28aとの間の誘導電荷量が変化する範囲が狭くなり、発電量が少なくなり、第1、第2の各電極22、26の両者が対向しない範囲のときには発電しない。これにより、回転板17が連続して一方向に回転するときには、回転板17のほぼ半回転ごとに発電を行うため、ほぼ半回転ごとに間欠的に電荷を蓄電池34に蓄電する。
【0059】
一方、この電子腕時計において時刻修正をする場合には、第2発電装置55が発電する。すなわち、時刻修正する際には、秒針車38、分針車44、時針車46を高速で回転させながら、検出部33の発光素子51を発光させ、その光が時針車46の光透過孔部49、分針車44の光透過孔部48、秒針車38の光透過孔部40を透過した際に、その透過した光を受光素子52が受光することにより、秒針車38、分針車44、時針車46の各回転位置を検出して、秒針30a、分針30b、時針30cの運針位置を検出し、これに基づいて時刻を修正する。
【0060】
このため、第2発電装置55の回転部材である秒針車38が高速で回転すると、第1電極56の放射状部58における多数の電極片58aに形成されたエレクトレット膜59と第2電極60の放射状部62における多数の電極片62aとが常に対向した状態で相対的に回転移動する。
【0061】
すなわち、多数のエレクトレット膜59を備えた第1電極56は、秒針車38の下面に円形状に形成されており、多数の電極片62aを備えた第2電極60は、輪列受34の上面に第1電極と対応する大きさの円形状に形成されているので、第1電極56の多数のエレクトレット膜59と第2電極60の多数の電極片62aとが常に対向した状態で相対的に回転移動する。
【0062】
これにより、第1電極56の多数のエレクトレット膜59と第2電極60の多数の電極片62aとの間の誘導電荷量が変化するので、秒針車38が正回転(時計回り)しても、また逆回転(反時計回り)に回転しても、連続して発電を行ない、蓄電部67に蓄電する。この場合、秒針車38は、通常の運針では1秒間に6°回転するだけであるから、発電量は少ないが、時刻修正の際には高速で回転するので、第1電極56の多数のエレクトレット膜59と第2電極60の多数の電極片62aとの間における誘導電荷量の変化が大きく、十分な発電量が得られる。
【0063】
このように、この電子腕時計によれば、腕時計ケース1を腕に取り付けて使用している際には、その腕の動きに応じて腕時計ケース1内に組み込まれた第1発電装置16によって発電することができ、また時刻修正をする際には、腕時計ケース1内に組み込まれた時計ムーブメント11の秒針車38が高速で回転するので、第2発電装置55によって発電することができ、これにより第1発電装置16と第2発電装置55とで効率よく発電することができると共に、発電した電力を蓄電池67に良好に蓄えることができる。
【0064】
この場合、第1発電装置16は、時計モジュール6に設けられた平板状の基板である地板15と、この地板15の平面上を回転する回転板17と、この回転板17にその回転中心部である軸孔17aから放射状に形成された放射状部24を備えた第1電極22と、この第1電極22の放射状部24と対向するように地板15上に形成された放射状部28を備えた第2電極26と、第1電極22に設けられた電荷保持体であるエレクトレット膜25とを備えているので、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
【0065】
すなわち、この発電装置16によれば、腕振りなどの外部振動によって回転板17が平板状の地板15の平面上を回転する構成であるから、地板15に対して回転板17を固定軸18によって一定間隔に保って回転させることができると共に、回転板17に設けられた第1電極22上に電荷保持体であるエレクトレット膜25が形成され、この第1電極22のエレクトレット膜25と地板15に設けられた第2電極26とが相対的に回転移動するので、回転板17の機械的な回転運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換することができる。このため、構造が簡単で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
【0066】
また、第2発電装置55は、時計ムーブメント11に組み込まれた平板状の基板である輪列受34と、この輪列受34の平面に対面して回転する回転部材である秒針車38と、この秒針車38により回転駆動される時刻指示用の指針である秒針30aと、秒針車38にその回転中心部である秒針軸38aから放射状に形成された放射状部58を備えた第1電極56と、この第1電極56の放射状部58と対向するように輪列受34に形成された放射状部62を備えた第2電極60と、第1電極56に設けられた電荷保持体であるエレクトレット膜59とを備えているので、既存の時計構造に第1、第2の各電極56、60追加するだけの簡単な構造で、効率良く発電することができる。
【0067】
すなわち、この第2発電装置55によれば、時刻修正の際に秒針車38が第1ステッピングモータ36によって高速で回転することにより、秒針車38が平板状の輪列受34の平面上を回転する構成であるから、輪列受34に対して秒針車38を秒針軸38aによって一定間隔に保って高速で回転させることができると共に、秒針車38に設けられた第1電極56上に電荷保持体であるエレクトレット膜59が形成され、この第1電極56のエレクトレット膜59と輪列受34に設けられた第2電極60とが相対的に回転移動するので、秒針車38の機械的な回転運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換することができる。このため、既存の時計構造に第1、第2の各電極56、60追加するだけの簡単な構造で、効率良く発電することができる。
【0068】
なお、上記実施形態1の第2発電装置55では、秒針車38および輪列受34が導電性を有する金属で形成されている場合について述べたが、これに限らず、例えば図16に示すように、秒針車38および輪列受34を絶縁性の合成樹脂で形成しても良い。この場合には、秒針車38および輪列受34の互いに対向する各面に、絶縁膜57、61を設ける必要がなく、図16に示すように、直接、各対向面に第1、第2の各電極56、60を設けることができる。
【0069】
(実施形態2)
次に、図17〜図20を参照して、この発明の発電装置を自転車に適用した実施形態2について説明する。
この自転車用の発電装置80は、図17および図18に示すように、自転車の前輪側に設けられている。
【0070】
この場合、自転車の前輪側は、図17および図18に示すように、自転車の前側フレーム81に金属製の車軸82が複数のナット82aによって取り付けられており、この車軸82には、円筒形状のハブ83が2つのベアリング84によって回転自在に取り付けられている。このハブ83には、車輪85がスポーク86によって取り付けられている。ハブ83は、図18に示すように、車軸82の両側にそれぞれベアリング84によって回転自在に取り付けられる絶縁性の一対の円板部83aと、この一対の円板部83aの外周を連結する導電性を有する金属からなるカバー部83bとを備えている。
【0071】
この自転車用の発電装置80は、図18に示すように、ハブ83内に設けられている。すなわち、この発電装置80は、図18〜図20に示すように、ハブ83内に位置して車軸82にナット82bによって固定された固定板87と、ハブ83における一方(図18では左側)の円板部83aの内面にボルト89によって取り付けられて固定板87に対面して回転する回転板88と、ハブ83における他方(図18では右側)の円板部83aの内面に設けられた蓄電池90とを備えている。
【0072】
この蓄電池90は、充電池またはコンデンサからなり、全体がリング状に形成され、その中心部に車軸82が挿入された状態で、一対の円板部83aのうち、他方側(図18では右側)の円板部83aの内面に固定されている。この蓄電池90は、その正極(+)である裏面(図18では右側面)が接続部材91aによってハブ83のカバー部83bと電気的に接続されていると共に、負極(−)である表面(図18では右側面)が車軸82のナット82bに接触する接触板91bによって車軸82と電気的に接続されている。
【0073】
また、この発電装置80の回転板88には、図18および図19に示すように、第1電極92が絶縁膜93を介して設けられている。この絶縁膜93は、図20(a)に示すように、車軸82およびボルト89を除く箇所にリング状に形成されている。この絶縁膜93の一面つまり固定板87に対向する面(図19では下面)には、第1電極92が設けられている。この第1電極92は、回転板88の回転中心部である車軸82から放射状に形成された放射状部94を備えている。この放射状部94は、図20(a)に示すように、回転板88に設けられたリング状の絶縁膜93上に多数の電極片94aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。
【0074】
すなわち、この放射状部94は、多数の電極片94aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片94aが一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部94は、多数の電極片94aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜93の側方に導かれてハブ83のカバー部83bに接続部材95によって電気的に接続されている。これにより、第1電極92は、接続部材95およびハブ83のカバー部83bを介して蓄電池90の正極(+)と電気的に接続されている。
【0075】
また、この第1電極92の各電極片94aの表面(図19では下面)には、図18および図19に示すように、電荷保持体であるエレクトレット膜96が形成されている。このエレクトレット膜96は、実施形態1の第1、第2の各発電装置16、55と同様、半永久的な電荷をもつ絶縁体であり、第1、第2の各発電装置16、55のエレクトレット膜25、59と同じ材料で形成されている。
【0076】
一方、回転板88に対向する固定板87には、図18〜図20に示すように、第2電極97が絶縁膜98を介して設けられている。この場合、絶縁膜98は、図20(b)に示すように、回転板88の第1電極92が回転移動する移動軌跡上に対応する箇所に、第1電極92と同じ大きさのリング状に設けられており、この絶縁膜98の上面には、第2電極97が設けられている。この第2電極97は、導電性を有する金属からなり、回転板88の回転中心部である車軸82から放射状に形成された放射状部99を備えている。
【0077】
この放射状部99は、図19および図20(b)に示すように、固定板87に設けられた絶縁膜98上に多数の電極片99aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部99は、第1電極92の放射状部94と同様、多数の電極片99aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片99aが一定間隔の隙間をもって配列されている。
【0078】
また、この放射状部99は、図20(b)に示すように、多数の電極片99aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、図18に示すように、車軸82と電気的に接続されている。これにより、第2電極97は、図18に示すように、車軸82、ナット82b、および接触板91bを介して蓄電池90の負極(−)と電気的に接続されている。
【0079】
この自転車用の発電装置80は、自転車が走行して車輪85が回転すると、この車輪85と共にハブ83が車軸82を中心に回転し、このハブ83の回転に伴って回転板88が回転するので、回転板88に設けられた第1電極92が固定板87に設けられた第2電極97に対して相対的に回転移動し、第1電極92の多数の電極片94a上に形成されたエレクトレット膜96と第2電極97の多数の電極片99aとが相対的に移動して、第1電極92のエレクトレット膜96と第2電極97との間の誘導電荷量が変化することにより、発電して蓄電池90に蓄電するように構成されている。
【0080】
また、この自転車用の発電装置80は、蓄電池90に蓄電された電気を電気エネルギとして送信する送信部100を備えている。この送信部100は、図18に示すように、蓄電池90が設けられたハブ83の円板部83aに設けられている。一方、自転車の前側フレーム81には、図17に示すように、照明装置101が設けられており、この照明装置101は、発光ダイオードなどの光源部102と、受信部103とを備えている。この受信部103は、発電装置80の送信部100で送信された電気を電気エネルギとして受信し、この受信した電気エネルギによって光源部102を点灯させるように構成されている。
【0081】
このような自転車用の発電装置80によれば、回転駆動する回転駆動部である車輪85のハブ83と、このハブ83の駆動回転により回転する円板状の回転板88と、この回転板88の平面に対面して車軸82に固定された平板状の基板である固定板87と、回転板88にその回転中心部である車軸82から放射状に形成された放射状部94を備えた第1電極92と、この第1電極92の放射状部94と対向するように固定板87に形成された放射状部99を備えた第2電極97と、第1電極92に設けられた電荷保持体であるエレクトレと膜96とを備えているので、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
【0082】
すなわち、この発電装置80によれば、自転車が走行して車輪85が回転すると、この車輪85と共にハブ83が車軸82を中心に回転し、このハブ83の回転に伴って回転板88が回転する際に、この回転板88が固定板87の平面に対面して回転する構成であるから、固定板87に対して回転板88を車軸82によって一定間隔に保って回転させることができると共に、回転板88に設けられた第1電極92にエレクトレット膜96が形成され、この第1電極92のエレクトレット膜96と固定板87に設けられた第2電極97とが相対的に回転移動するので、回転板88の機械的な回転運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換することができる。
【0083】
このため、この発電装置80では、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができるほか、回転板88が固定板87に対して非接触状態で回転するので、発電装置80が発電を行なっていても、自転車の走行に負荷を与えることがなく、良好に自転車を走行させることができる。また、この発電装置80は、第1電極92と第2電極97との相対的な回転により発生する電荷を蓄電する蓄電池90を備えていることにより、自転車の走行に伴って回転する回転板88の回転動作に応じて第1電極92のエレクトレット膜96と固定板87に設けられた第2電極97との間に発生した電荷を良好に且つ確実に蓄電池90に蓄えることができる。
【0084】
さらに、この発電装置80では、第1電極92と第2電極97との相対的な回転により発生した電気を電気エネルギとして送信する送信部100と、この送信部100で送信された電気を電気エネルギとして受信する受信部103とを備えていることにより、面倒な配線を必要とせず、発電した電気を照明装置101の受信部103に送電することができ、これにより照明装置101の光源部102を良好に点灯させることができる。
【0085】
(実施形態3)
次に、図21〜図25を参照して、この発明の発電装置を自転車に適用した実施形態3について説明する。なお、図17〜図20に示された実施形態2と同一部分には同一符号を付して説明する。
この自転車用の発電装置110は、図21および図22に示すように、自転車の車軸82およびハブ83に外付けする構成であり、これ以外は実施形態2とほぼ同様に構成されている。
【0086】
すなわち、この発電装置110は、図22に示すように、車軸82に着脱可能に装着して前側フレーム81に対して固定される固定板111と、この固定板111に対向した状態でハブ83の外側面に取り付けられる回転板112とを備えている。この回転板112は、図25に示すように、全体がほぼ円形リング状に形成されている。
【0087】
この場合、この回転板112の中心部には、図22および図25に示すように、車軸82が挿入する挿入孔112aが設けられており、この挿入孔112aの周囲に位置する箇所には、スポーク86の取付端部86aがそれぞれ係合する複数の係合孔112bが設けられている。これにより、回転板112は、ハブ83の外側面に取り付けられてハブ83と共に回転するように構成されている。
【0088】
また、この回転板112には、図22および図23に示すように、第1電極113が絶縁膜114を介して設けられている。この絶縁膜114は、図22および図25に示すように、スポーク86の取付端部86aがそれぞれ係合する複数の係合孔112bの外周側に位置する箇所にリング状に形成されている。この絶縁膜114には、第1電極113が設けられている。
【0089】
この第1電極113は、回転板112の回転中心部である挿入孔112aから放射状に形成された放射状部115を備えている。この放射状部115は、図25に示すように、回転板112に設けられたリング状の絶縁膜114上に多数の電極片115aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。すなわち、この放射状部115は、多数の電極片115aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片115aが一定間隔の隙間をもって配列されている。
【0090】
また、この放射状部115は、多数の電極片115aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、絶縁膜114の側方に導かれてハブ83に接続されていると共に、このハブ83内のベアリング84(図18参照)によって車軸82と電気的に接続されている。これにより、第1電極113は、図22に示すように、車軸82の端面に弾接する接触板116に接続された接続線117によって照明装置101と電気的に接続されている。
【0091】
また、この第1電極113の各電極片115aには、図22および図23に示すように、電荷保持体であるエレクトレット膜96が形成されている。このエレクトレット膜96は、実施形態2の発電装置80と同様、半永久的な電荷をもつ絶縁体であり、第1実施形態の第1発電装置16のエレクトレット膜25と同じ材料で形成されている。
【0092】
一方、回転板112に対向する固定板111は、絶縁性を有する合成樹脂からなり、図21および図24に示すように、全体がほぼ円板状に形成され、その中心部に車軸82が挿入してナット82aによって取り付けられる取付孔111aが設けられ、この取付孔111aの外周から固定板11の外周部に亘って装着溝111bが設けられ、この装着溝111bに前側フレーム81が装着するように構成されている。
【0093】
この固定板111には、図22〜図24に示すように、第2電極120が絶縁膜121を介して設けられている。この場合、絶縁膜121は、図23に示すように、回転板112の第1電極113が回転移動する移動軌跡上に対応する箇所に、装着溝111bを除いて第1電極112と同じ大きさのほぼリング状に設けられており、この絶縁膜121の上面には、第2電極120が設けられている。
【0094】
この第2電極120は、導電性を有する金属からなり、回転板112の回転中心部である車軸82の取付孔111aから放射状に形成された放射状部122を備えている。この放射状部122は、図24に示すように、固定板111に設けられた絶縁膜121上に多数の電極片122aが一定間隔で放射状に配列された構成になっている。
【0095】
すなわち、この放射状部122は、第1電極113の放射状部115と同様、多数の電極片122aがほぼ一定の幅で放射方向に向けて細長く形成されていると共に、互いに隣接する各電極片122aが一定間隔の隙間をもって配列されている。また、この放射状部122は、図24に示すように、多数の電極片122aがその内周端と外周端とにおいてすべて接続された状態で、図22に示すように、固定板111に接続された接続配線123によって照明装置101と電気的に接続されている。
【0096】
これにより、この自転車用の発電装置110は、自転車が走行して車輪85が回転すると、この車輪85と共にハブ83が車軸82を中心に回転し、このハブ83の回転に伴って回転板112が回転するので、この回転板112に設けられた第1電極113が固定板111に設けられた第2電極120に対して相対的に回転移動し、第1電極113の多数の電極片115a上に形成されたエレクトレット膜96と第2電極120の多数の電極片122aとが相対的に移動して、第1電極113のエレクトレット膜96と第2電極120との間の誘導電荷量が変化することにより、発電して照明装置101の光源部102を点灯させるように構成されている。
【0097】
このような自転車用の発電装置110によれば、回転駆動する回転駆動部である車輪85のハブ83と、このハブ83の駆動回転により回転する円板状の回転板112と、この回転板112の平面に対面して車軸82および前側フレーム82に固定された固定板111と、回転板112にその回転中心部である車軸82の挿入孔112aから放射状に形成された放射状部115を備えた第1電極113と、この第1電極113の放射状部115と対向するように固定板111に形成された放射状部122を備えた第2電極120と、第1電極113に設けられた電荷保持体であるエレクトレと膜96とを備えているので、実施形態2と同様、簡単な構造で、装置全体の小型化を図ることができると共に、効率良く発電することができる。
【0098】
すなわち、この発電装置110によれば、実施形態2と同様、自転車が走行して車輪85が回転すると、この車輪85と共にハブ83が車軸82を中心に回転し、このハブ83の回転に伴って回転板88が回転する際に、この回転板112が平板状の固定板111の平面に対面して回転する構成であるから、固定板111に対して回転板112を車軸82によって一定間隔に保って回転させることができると共に、回転板112に設けられた第1電極113にエレクトレット膜96が形成され、この第1電極113のエレクトレット膜96と固定板111に設けられた第2電極120とが相対的に回転移動するので、回転板112の機械的な回転運動エネルギを効率良く電気エネルギに変換することができる。
【0099】
この場合、固定板111は、その中心部が車軸82に位置した状態で、前側フレーム81に着脱可能に取り付けられ、回転板112は、スポーク86の取付端部が係合孔112bに係合してハブ83の外側面に取り付けられる構成であるから、固定板111を車軸82および前側フレーム81に対して容易に取り付けることができると共に、回転板112をハブ83に簡単に取り付けることができ、これにより既存の自転車に簡単に後付けすることができる。また、この発電装置110では、回転板112が固定板111に対して非接触状態で回転するので、発電装置110が発電を行なっていても、自転車の走行に負荷を与えることがなく、良好に自転車を走行させることができる。
【0100】
なお、上述した実施形態2、3では、1つの回転板88、112に対して1つの固定板87、111を対面させた構成である場合について述べたが、これに限らず、例えば図26に示す第1変形例のように、1つの回転板130の両面(図26では上下の両面)にそれぞれ第1電極131を設け、この回転板130の両面に対面させて一対の固定板132を設け、この一対の固定板132にそれぞれ第2電極133を第1電極131に対向させて設けた構成にしても良い。この場合にも、第1電極131にエレクトレット膜96設ければ良い。このように構成すれば、実施形態2、3の発電装置80、110よりも、発電量を2倍に高めることができる。
【0101】
また、これに限らず、例えば図27に示す第2変形例のように、1つの固定板135に1つの回転板136を対向させ、この対向する回転板136にエレクトレット膜96を有する第1電極137を設け、固定板135に第2電極138を第1電極137に対向させて設けることにより、発電ユニット140を構成し、この発電ユニット140を車軸82に複数個設けた多重構造にしても良い。このように構成すれば、実施形態2、3の発電装置80、110よりも、発電量を複数倍に高めることができる。
【0102】
また、これに限らず、例えば図28に示す第3変形例のように、1つの回転板130の両面(図28では上下の両面)にそれぞれエレクトレット膜96を有する第1電極131を設け、この回転板130の両面に対面させて一対の固定板132を設け、この一対の固定板135にそれぞれ第2電極133を第1電極131に対向させて設けることにより、発電ユニット141を構成し、この発電ユニット141を車軸82に複数個設けた多重構造にしても良い。このように構成すれば、実施形態2、3の発電装置80、110よりも、発電量を更に数倍に高めることができる。
【0103】
さらに、上述した実施形態1〜3およびその各変形例では、第1電極22、56、92、113、131、137にエレクトレット膜25、59、96を設けた場合について述べたが、必ずしも第1電極22、56、92、113、131、137にエレクトレット膜25、59、96を設ける必要はなく、第1電極22、56、92、113、131、137に代えて第2電極26、60、97、120、133、138にエレクトレット膜25、59、96を設けた構成でも良い。このように構成しても、実施形態1〜3およびその各変形例と同様の作用効果がある。
【0104】
なおまた、上記実施形態2、3およびその各変形例では、自転車の車軸82に発電装置80、110を設けた場合について述べたが、必ずしも自転車である必要はなく、例えば自動車、電車などの走行体の車軸に適用することができるほか、風車や船舶などの外部の駆動手段によって回転する回転駆動装置にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 腕時計ケース
6 時計モジュール
9 回路基板
11 時計ムーブメント
15 地板
16、55、80、110 第1発電装置
17、88、112、130、136 回転板
18 固定軸
19 ベアリング
22、56、92、113、131、137 第1電極
23、57、93、114 第1電極の絶縁膜
24、58、94、115 第1電極の放射状部
25、59、96 エレクトレット膜
26、60、97、120、133、138 第2電極
27、61、98、121 第2電極の絶縁膜
28、62、99、122 第2電極の放射状部
34 輪列受
38 秒針車
38a 秒針軸
55 第2発電装置
67、90 蓄電池
80、110 発電装置
81 前側フレーム
82 車軸
83 ハブ
85 車輪
87、111、132、135 固定板
100 送信部
101 照明装置
103 受信部
140、141 発電ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の基板と、
この基板の平面に対面して回転する回転部材と、
この回転部材により回転駆動される時刻指示用の指針と、
前記回転部材に当該回転部材の回転中心部から放射状に形成された放射部を備えた第1電極と、
この第1電極の前記放射部と対向するように前記平板状の基板に形成された放射部を備えた第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との一方に設けられた電荷保持体と
を備えていることを特徴とする時計用発電装置。
【請求項2】
回転駆動する回転駆動部と、
この回転駆動部の駆動により回転する円板状の回転部材と、
この回転部材の平面に対面して配置された平板状の基板と、
前記回転部材に当該回転部材の回転中心部から放射状に形成された放射部を備えた第1電極と、
この第1電極の前記放射部と対向するように前記平板状の基板に形成された放射部を備えた第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との一方に設けられた電荷保持体と
を備えていることを特徴とする発電装置。
【請求項3】
前記第1電極と前記第2電極との相対的な回転により発生する電荷を蓄電する蓄電部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記第1電極と前記第2電極との相対的な回転により発生した電気を電気エネルギとして送信する送信手段と、
この送信手段で送信された前記電気を電気エネルギとして受信する受信手段と、
を更に備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の発電装置。
【請求項5】
前記第1電極は、前記回転部材の両面にそれぞれ設けられており、
前記基板は、前記回転部材の一方の面に対向する第1基板と前記回転部材の他方の面に対向する第2基板とを備えており、
前記第2電極は、前記回転部材の両面に対面する前記第1、第2の各基板にそれぞれ前記第1電極と対向して設けられていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の発電装置。
【請求項6】
前記第1電極が設けられた前記回転部材と、この回転部材に対面する前記平板状の基板とで、発電ユニットを構成し、この発電ユニットを複数組配列させたことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の発電装置。
【請求項7】
回転部を備えた本体部に装着可能な発電装置本体を備えた発電装置であって、
前記発電装置本体は、
前記本体部に係合して固定された平板状の固定基板と、
この固定基板の平面に対面した状態で前記回転部に係合して回転駆動される回転部材と、
この回転部材に当該回転部材の回転中心部から放射状に形成された放射部を備えた第1電極と、
この第1電極の前記放射部と対向するように前記固定基板に形成された放射部を備えた第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との一方に設けられた電荷保持体と
を備えていることを特徴とする発電装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−286428(P2010−286428A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141971(P2009−141971)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】